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JP6717390B2 - エレベーターの自動復旧システム - Google Patents
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JP6717390B2 - エレベーターの自動復旧システム - Google Patents

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Description

本発明は、エレベーターの自動復旧システムに関する。
従来、地震によりエレベーターが運転停止した後に実行され得る自動診断運転の結果に基づいて、エレベーターを自動復旧させ得るシステムが知られている。エレベーターの自動診断運転に関する技術として、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。
日本特開平10−67475号公報
上記のようなシステムでは、例えば、地震感知器の出力が一律の基準を満たさない場合には自動診断運転が実行されない。このため、例えば、実際には自動診断運転を実行可能な耐震能力をエレベーター又は建物が有している場合であっても、自動診断運転が実行されないことがある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされた。その目的は、個々の建物又は個々のエレベーターの耐震能力に応じて自動診断運転を実行できるエレベーターの自動復旧システムを提供することである。
本発明に係るエレベーターの自動復旧システムは、地震発生後にエレベーターの自動診断運転を実行する機能を有し、地震感知器により出力された最大加速度が予め設定された一般基準値以下の一定範囲に含まれる場合に自動診断運転を実行する自動診断制御部と、建物ごと又はエレベーターごとに設定された個別基準を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されている個別基準を更新する更新部と、を備え、自動診断制御部は、地震感知器により出力された最大加速度が一般基準値を超えた場合であっても、地震感知器により出力された加速度に基づく数値が記憶部に記憶されている個別基準を満たす場合には自動診断運転を実行し、更新部は、地震感知器により出力された最大加速度が一般基準値を超えた場合において、地震感知器により出力された加速度に基づく数値が個別基準を満たさず、且つ、エレベーターに物損が発生していなかった場合に、当該数値を個別基準として設定するものである。
また、本発明に係るエレベーターの自動復旧システムは、地震発生後にエレベーターの自動診断運転を実行する機能を有し、地震感知器により出力された最大加速度が予め設定された一般基準値以下の一定範囲に含まれる場合に自動診断運転を実行する自動診断制御部と、建物ごと又はエレベーターごとに設定された個別基準を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されている個別基準を更新する更新部と、を備え、自動診断制御部は、地震感知器により出力された最大加速度が一般基準値を超えた場合であっても、地震感知器により出力された加速度に基づく数値が記憶部に記憶されている個別基準を満たす場合には自動診断運転を実行し、更新部は、地震感知器により出力された最大加速度が一般基準値を超えた場合において、地震感知器により出力された加速度に基づく数値が個別基準を満たし、且つ、エレベーターに物損が発生していた場合に、当該数値を個別基準として設定するものである。
本発明において、自動診断制御部は、地震感知器により出力された加速度に基づく数値が記憶部に記憶されている個別基準を満たす場合には自動診断運転を実行する。このため、本発明によれば、個々の建物又は個々のエレベーターの耐震能力に応じて自動診断運転を実行することができる。
エレベーターの構造の一例を示す模式図である。 実施の形態1におけるエレベーターの自動復旧システムの機能ブロック図である。 地震発生後のエレベーターの復旧について説明するための図である。 実施の形態1におけるエレベーターの自動復旧システムの動作例を示すフローチャートである。 保守装置のハードウェア構成図である。
添付の図面を参照して、エレベーター用の地震感知器及びエレベーターの自動復旧システムを詳細に説明する。各図では、同一又は相当する部分に同一の符号を付している。重複する説明は、適宜簡略化あるいは省略する。
実施の形態1.
図1は、エレベーターの構造の一例を示す模式図である。
図1に示すように、エレベーター1は、昇降路2、巻上機3、ロープ4、かご5、釣合おもり6、制御盤7及び地震感知器8を備える。昇降路2は、例えば、図示しない建物の各階を貫くように形成されている。巻上機3は、例えば、図示しない機械室等に設けられている。ロープ4は、巻上機3に巻き掛けられている。かご5及び釣合おもり6は、ロープ4によって昇降路2内に吊り下げられている。かご5及び釣合おもり6は、巻上機3が駆動することにより昇降する。巻上機3は、制御盤7によって制御される。
図1に示すように、制御盤7及び地震感知器8は、例えば、昇降路2内に設けられる。制御盤7及び地震感知器8は、例えば、ピットに設けられる。制御盤7及び地震感知器8は、例えば、機械室等に設けられてもよい。地震感知器8は、制御盤7と電気的に接続される。
制御盤7は、巻上機3及び保守装置9と電気的に接続されている。保守装置9は、監視センター10と通信する機能を有する。つまり、制御盤7は、保守装置9を介して監視センター10と通信可能である。
制御盤7及び保守装置9は、例えば、エレベーター1が設置された建物に設けられている。監視センター10は、例えば、エレベーター1が設置された建物とは別の建物に設けられている。監視センター10は、例えば、エレベーター1の管理会社に設けられたサーバー等である。
監視センター10は、例えば、複数のエレベーター1の制御盤7と通信可能であってもよい。監視センター10は、例えば、異なる建物に設けられた複数の保守装置9と通信可能であってもよい。
図2は、実施の形態1におけるエレベーターの自動復旧システムの機能ブロック図である。
図2に示すように、制御盤7は、運転制御部11を有する。地震感知器8は、通信部12、加速度検出部13、揺れ方向検出部14、揺れ時間検出部15及び自己診断部16を有する。保守装置9は、感知器制御部17、自動診断制御部18、記憶部19及び通報部20を有する。監視センター10は、記憶部21及び更新部22を有する。
運転制御部11は、エレベーター1の動作を制御する。運転制御部11は、例えば、巻上機3の駆動を制御することで、かご5の移動を制御する。運転制御部11は、例えば、図示しない戸開閉装置を介して、エレベーター1のドアの開閉を制御する。
通信部12は、制御盤7と通信を行う。通信部12と制御盤7との間で送受信される信号は、例えば、接点信号ではない。通信部12と制御盤7との間の伝送方式は、例えば、シリアル伝送等である。通信部12は、制御盤7に対して情報を送信する。通信部12は、制御盤7から情報を受信する。つまり、地震感知器8は、制御盤7との双方向通信を行う機能を有する。また、地震感知器8は、制御盤7を介して、保守装置9との双方向通信を行う機能を有する。
加速度検出部13は、地震等による揺れを加速度として検出する。加速度検出部13は、例えば、加速度の検出を常時行う。加速度は、例えば、Gal値で表される。
揺れ方向検出部14は、揺れ方向ごとの加速度を検出する。揺れ方向は、例えば、水平方向及び垂直方向を含む。揺れ方向としては、例えば、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸に対応する方向が設定されてもよい。揺れ方向のうち水平方向としては、例えば、四方位又は八方位に対応する方向が設定されてもよい。揺れ方向のうち水平方向は、例えば、建物の平面形状に応じて設定されてもよい。揺れ方向検出部14は、例えば、揺れ方向ごとの加速度の検出を常時行う。揺れ方向ごとの加速度は、例えば、方向と関連付けられたGal値で表される。
揺れ方向検出部14は、例えば、加速度検出部13により検出された加速度を分解することで揺れ方向ごとの加速度を算出してもよい。揺れ方向検出部14は、例えば、揺れ方向のそれぞれに対応する複数のセンサによって揺れ方向ごとの加速度を検出してもよい。
揺れ時間検出部15は、揺れ時間を検出する。揺れ時間は、例えば、予め設定された閾値を超える加速度での揺れが継続した時間である。揺れ時間は、例えば、閾値を超える加速度が加速度検出部13により連続して検出された時間である。揺れ時間検出部15は、例えば、第1の揺れ時間の終了時点から第2の揺れ時間の開始時点までの間隔が一定時間未満である場合に、第1の揺れ時間の開始時点から第2の揺れ時間の終了時点までを1つの連続した揺れ時間として検出してもよい。揺れ時間は、例えば、秒又は分で表される。
通信部12は、例えば、加速度検出部13、揺れ方向検出部14及び揺れ時間検出部15により検出された各種数値を制御盤7に送信する。通信部12は、例えば、閾値を超える加速度が加速度検出部13により検出された場合に、各種数値の送信を行う。制御盤7は、例えば、各種数値を保守装置9に送信する。
通信部12は、例えば、加速度検出部13により検出された最大加速度を示す数値を送信する。通信部12は、例えば、揺れ方向検出部14により検出された揺れ方向ごとの最大加速度を示す数値を送信する。通信部12は、例えば、揺れ時間検出部15により検出された最大揺れ時間を示す数値を送信する。このように、地震感知器8は、揺れを加速度として検出し、検出した加速度に基づく数値を出力する。
最大加速度とは、例えば、加速度検出部13により検出される加速度が閾値を超えてから閾値以下になるまでの期間において、加速度検出部13により検出された加速度の最大値である。揺れ方向ごとの最大加速度とは、例えば、当該期間において、揺れ方向検出部14により検出された加速度の最大値である。
感知器制御部17は、例えば、地震感知器8に対してリセット信号を送信する。地震感知器8は、例えば、リセット信号を受信すると、加速度に基づく数値の出力を停止する。
感知器制御部17は、例えば、定期的に地震感知器8の死活チェックを行う。感知器制御部17は、例えば、地震感知器8に対して要求信号を送信する。通信部12は、例えば、要求信号に対する応答信号を返信する。感知器制御部17は、例えば、要求信号を送信してから一定時間以内に応答信号を受信した場合、地震感知器8が動作していると判定する。感知器制御部17は、例えば、要求信号を送信してから一定時間以内に応答信号を受信しない場合、地震感知器8が動作していない或いは制御盤7と地震感知器8との接続が切断されていると判定する。
感知器制御部17は、例えば、地震感知器8に対して機能診断指令を送信する。自己診断部16は、例えば、機能診断指令に基づく診断動作を行う。診断動作は、例えば、加速度の検出又は地震感知器8のリセット等が正常に行われるか否かを点検することである。通信部12は、例えば、自己診断部16による診断結果を保守装置9に返信する。
自動診断制御部18は、制御盤7を介して自動診断運転を実行する機能を有する。自動診断運転は、エレベーター1を自動復旧してもよいか否かを判定するために実際の地震発生後に行われる運転である。自動診断運転により、例えば、エレベーター1の機器に物損が有るか否かが判定される。
自動診断制御部18は、例えば、地震感知器8により出力された最大加速度が一般基準値以下の一定範囲に含まれる場合に自動診断運転を実行する。一般基準値は、例えば、法令により定められた耐震基準等に基づいて予め設定されたものである。一般基準値は、例えば、Gal値で表される。
自動診断制御部18は、例えば、地震感知器8により出力された最大加速度が一般基準値を超えた場合であっても、地震感知器8により出力された加速度に基づく数値が個別基準を満たす場合には、自動診断運転を実行する。個別基準とは、例えば、エレベーター1の設置されている建物ごと又はエレベーター1ごとに設定されたものである。つまり、個別基準の内容は、建物又はエレベーター1によって異なり得る。
保守装置9の記憶部19は、個別基準データ23を記憶している。個別基準データ23は、例えば、当該保守装置9と接続された制御盤7によって制御されるエレベーター1又は当該エレベーター1が設置されている建物について設定された個別基準を示すデータである。
あるエレベーター1又は当該エレベーター1が設置されている建物についての個別基準は、例えば、当該エレベーター1に物損を発生させなかった過去の揺れによる加速度に基づいて設定される。個別基準は、例えば、当該エレベーター1又は当該建物に設けられた地震感知器8により過去に出力された加速度に基づいて設定される。個別基準は、例えば、地震感知器8により出力される加速度に基づく数値の上限値として設定される。
個別基準は、例えば、エレベーター1に物損を発生させなかった過去の揺れによる最大加速度を示す数値を含む。当該数値は、例えば、一般基準値よりも大きい値でもよい。自動診断制御部18は、例えば、地震による最大加速度が一般基準値を超えたとしても、当該最大加速度が個別基準に含まれる当該数値以下である場合には、自動診断運転を実行する。自動診断制御部18は、例えば、地震による最大加速度が個別基準に含まれる当該数値を超えた場合には、自動診断運転を実行しない。
個別基準は、例えば、エレベーター1に物損を発生させなかった過去の揺れによる揺れ方向ごとの最大加速度を示す数値を含む。当該数値は、例えば、一般基準値よりも大きい値でもよい。自動診断制御部18は、例えば、地震による最大加速度が一般基準値を超えたとしても、地震による揺れ方向ごとの最大加速度が個別基準に含まれる当該数値以下である場合には、自動診断運転を実行する。自動診断制御部18は、例えば、地震による揺れ方向ごとの最大加速度が個別基準に含まれる当該数値を超えた場合には、自動診断運転を実行しない。
個別基準は、例えば、エレベーター1に物損を発生させなかった過去の揺れによる最大揺れ時間を示す数値を含む。自動診断制御部18は、例えば、地震による最大加速度が一般基準値を超えたとしても、地震による最大揺れ時間が個別基準に含まれる当該数値以下である場合には、自動診断運転を実行する。自動診断制御部18は、例えば、地震による最大揺れ時間が個別基準に含まれる当該数値を超えた場合には、自動診断運転を実行しない。
個別基準は、例えば、エレベーター1に物損を発生させなかった過去の揺れによる最大加速度を示す数値、揺れ方向ごとの最大加速度を示す数値及び最大揺れ時間を示す数値のうち2種類以上を含んでいてもよい。自動診断制御部18は、例えば、地震感知器8により出力された最大加速度、揺れ方向ごとの最大加速度及び最大揺れ時間のうち2種類以上と個別基準との比較結果に基づいて、自動診断運転を実行するか否かを決定してもよい。
通報部20は、監視センター10に対する通報を行う。通報部20は、例えば、保守装置9の動作に関する情報を監視センター10に通報する。通報部20は、例えば、制御盤7から得られるエレベーター1の状態を示す情報を監視センター10に通報する。通報部20は、例えば、地震感知器8から得られる情報を監視センター10に通報する。通報部20は、例えば、地震発生時に地震感知器8により出力された最大加速度、揺れ方向ごとの最大加速度及び最大揺れ時間等を監視センター10に通報する。
通報部20は、例えば、自動診断運転の結果からエレベーター1に物損が発生していないと判定された場合、その旨を監視センター10に通報する。
通報部20は、例えば、自動診断運転の結果からエレベーター1に物損が発生していると判定された場合、監視センター10に対して保守作業者の出動要請を行う。
通報部20は、例えば、地震感知器8により出力された加速度に基づく数値が個別基準を満たさない場合、監視センター10に対して保守作業者の出動要請を行う。
保守作業者は、出動要請に応じて、エレベーター1の点検作業を実施する。保守作業者は、作業終了後、監視センター10に完了報告を行う。完了報告は、例えば、制御盤7又は保守装置9等を介して行われてもよい。完了報告は、例えば、監視センター10に直接行われてもよい。完了報告の内容には、例えば、実際にエレベーター1に物損が発生していたか否かを示す情報が含まれる。
監視センター10の記憶部21は、蓄積データ24及び個別基準データ25を記憶している。
蓄積データ24は、例えば、監視センター10による監視対象であるエレベーター1に対応する地震感知器8により過去に出力された加速度に基づく数値を示すデータである。蓄積データ24には、異なるエレベーター1又は異なる建物に対応する複数の地震感知器8の出力データが含まれ得る。蓄積データ24には、例えば、最大加速度、揺れ方向ごとの最大加速度及び最大揺れ時間等が含まれる。
個別基準データ25は、例えば、監視センター10による監視対象であるエレベーター1又は当該エレベーター1が設置されている建物について設定された個別基準を示すデータである。個別基準データ25には、異なるエレベーター1又は異なる建物に対応する複数の個別基準が含まれ得る。個別基準データ25は、例えば、蓄積データ24に基づいて設定される。
更新部22は、例えば、地震感知器8の最新の出力データに基づいて、個別基準データ25のうち当該地震感知器8に対応する建物又はエレベーター1についての個別基準を変更する。更新部22は、例えば、個別基準データ25のうち変更された個別基準に対応する個別基準データ23を変更する。つまり、更新部22は、保守装置9に記憶されている個別基準を更新する。なお、記憶部19に記憶されている個別基準データ23は、例えば、制御盤7及び保守装置9に対する操作によっては変更されない。
更新部22は、例えば、地震による最大加速度が一般基準値を超えた場合において、地震感知器8により出力された加速度に基づく数値が個別基準を満たさず、且つ、エレベーター1に物損が発生していなかったことを示す完了報告があった場合に、当該数値を新たな個別基準として設定する。つまり、更新部22は、例えば、エレベーター1に物損を発生させなかった過去の揺れよりも今回の揺れの方が大きかったにもかかわらず当該エレベーター1に物損が発生していなかった場合、個別基準を上方修正する。
更新部22は、例えば、地震による最大加速度が一般基準値を超えた場合において、地震感知器8により出力された加速度に基づく数値が個別基準を満たし、且つ、エレベーター1に物損が発生していたことを示す完了報告があった場合に、当該数値を新たな個別基準として設定する。つまり、更新部22は、例えば、エレベーター1に物損を発生させなかった過去の揺れよりも今回の揺れの方が小さかったにもかかわらず当該エレベーター1に物損が発生していた場合、個別基準を下方修正する。
図3は、地震発生後のエレベーターの復旧について説明するための図である。
図3は、地震感知器8により出力される最大加速度の値に応じた対処の一例を示している。図3に示すように、地震感知器8により出力される最大加速度の基準として、例えば、“特低”、“低”、“高”及び“診断”に対応するGal値が設定されている。“高”は、例えば、耐震クラスAのエレベーター1について設定された一般基準値に相当する。“診断”は、例えば、耐震クラスSのエレベーター1について設定された一般基準値に相当する。
例えば、地震感知器8により出力された最大加速度が“特低”以下である場合、エレベーター1の通常走行が継続される。
例えば、地震感知器8により出力された最大加速度が“特低”より大きく“低”以下である場合、エレベーター1は一旦停止してから一定時間後に自動リセットされる。エレベーター1は、自動リセット後に運転を再開する。
例えば、地震感知器8により出力された最大加速度が“低”より大きく“高”以下である場合、耐震クラスA及び耐震クラスSのエレベーター1の自動診断運転が行われる。
例えば、地震感知器8により出力された最大加速度が“高”より大きく“診断”以下である場合、耐震クラスSのエレベーター1の自動診断運転が行われる。
例えば、従来、地震感知器8により出力された最大加速度が“高”より大きい場合、耐震クラスAのエレベーター1は、保守作業者によって復旧される必要があった。また、例えば、従来、地震感知器8により出力された最大加速度が“診断”より大きい場合、耐震クラスSのエレベーター1は、保守作業者によって復旧される必要があった。これに対し、実施の形態1によれば、地震感知器8により出力された最大加速度が“高”又は“診断”より大きい場合であっても、個別基準に基づいてエレベーター1の自動診断運転が行われる。
図4は、実施の形態1におけるエレベーターの自動復旧システムの動作例を示すフローチャートである。
地震が発生すると、自動診断制御部18は、地震感知器8により出力された最大加速度が“特低”以下であるか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101で、最大加速度が“特低”以下であると判定された場合、エレベーター1のサービスが継続される。
ステップS101で、最大加速度が“特低”よりも大きいと判定された場合、エレベーター1が停止する(ステップS102)。自動診断制御部18は、地震感知器8により出力された最大加速度が“低”以下であるか否かを判定する(ステップS103)。ステップS103で、最大加速度が“低”以下であると判定された場合、エレベーター1は、例えば1分後に自動リセットされる(ステップS104)。ステップS104の後は、エレベーター1のサービスが継続される。
ステップS103で、最大加速度が“低”よりも大きいと判定された場合、自動診断制御部18は、地震感知器8により出力された最大加速度が“高”以下であるか否かを判定する(ステップS105)。ステップS105で、最大加速度が“高”以下であると判定された場合、ステップS108の処理が行われる。
ステップS105で、最大加速度が“高”よりも大きいと判定された場合、自動診断制御部18は、エレベーター1の耐震クラスが耐震クラスSであるか否かを判定する(ステップS106)。ステップS106で、耐震クラスSであると判定された場合、自動診断制御部18は、地震感知器8により出力された最大加速度が“診断”以下であるか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107で、最大加速度が“診断”以下であると判定された場合、ステップS108の処理が行われる。
ステップS108において、通報部20は、監視センター10に通報を行う。ステップS108で通報される内容は、例えば、自動診断運転を実行することを示すものである。ステップS108に続いて、自動診断制御部18は、エレベーター1の自動診断運転を実行する(ステップS109)。自動診断制御部18は、自動診断運転の結果に基づいて、エレベーター1に物損があるか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110で、エレベーター1に物損が無いと判定された場合、通報部20は、監視センター10に通報を行う(ステップS111)。ステップS111で通報される内容は、例えば、エレベーター1に物損が無いことを示すものである。この場合、エレベーター1のサービスが継続される。
ステップS110で、エレベーター1に物損があると判定された場合、通報部20は、監視センター10に通報を行う(ステップS112)。ステップS112で通報される内容は、例えば、保守作業者の出動要請である。保守作業者は、出動要請に応じて、エレベーター1の点検及び修復を行う(ステップS113)。保守作業者は、作業終了後、監視センター10へ完了報告を行う(ステップS114)。
ステップS106で、耐震クラスSでないと判定された場合、ステップS115の処理が行われる。また、ステップS107で、最大加速度が“診断”よりも大きいと判定された場合、ステップS115の処理が行われる。
ステップS115において、自動診断制御部18は、個別基準を用いた自動診断運転が実行可能であるか否かを判定する。ステップS115での判定は、例えば、個別基準を用いた自動診断運転に関するエレベーター1の保守契約が存在するかどうかに基づく。ステップS115で、個別基準を用いた自動診断運転が実行不可能であると判定された場合、ステップS112の処理が行われる。
ステップS115で、個別基準を用いた自動診断運転が実行可能であると判定された場合、自動診断制御部18は、地震感知器8から今回の地震による加速度に基づく出力データを取得する(ステップS116)。通報部20は、出力データを監視センター10に通報する(ステップS117)。自動診断制御部18は、取得した出力データが個別基準を満たすか否かを判定する(ステップS118)。
ステップS118で、出力データが個別基準を満たすと判定された場合、ステップS108の処理が行われる。ステップS118で、出力データが個別基準を満たさないと判定された場合、ステップS112の処理が行われる。
実施の形態1において、地震感知器8の通信部12は、エレベーター1の制御盤7との双方向通信を行う機能を有する。通信部12は、例えば、最大加速度を示す数値、揺れ方向ごとの最大加速度を示す数値及び最大揺れ時間を示す数値を制御盤7に送信する。つまり、地震感知器8の出力データは、揺れの大きさに応じた単純な接点信号ではなく、揺れの特徴を表す詳細な数値である。このため、実施の形態1によれば、地震感知器の出力データを用いて、地震発生時におけるエレベーターの管制運転及び自動診断運転等のサービスを拡張することができる。また、実施の形態1によれば、地震感知器と制御盤との接続状態を容易に点検することができる。
実施の形態1において、地震感知器8は、例えば、振動発生部を有してもよい。振動発生部は、例えば、サーボモータ等によって振動を発生させる機能を有する。自己診断部16は、例えば、感知器制御部17から送信された機能診断指令に基づいて振動発生部を動作させる。自己診断部16は、例えば、振動発生部の動作開始後に加速度検出部13、揺れ方向検出部14及び揺れ時間検出部15により検出された各種数値が正常であるか否かを判定する。通信部12は、例えば、各種数値及び自己診断部16による判定結果を保守装置9に返信する。これにより、実際の地震発生時に地震感知器が正常に動作することを容易に確認できる。なお、振動発生部は、地震感知器8に振動を伝えることが可能であれば、地震感知器8とは別個の機器として設けられてもよい。
実施の形態1において、自動診断制御部18は、地震発生後にエレベーター1の自動診断運転を実行する機能を有し、地震感知器8により出力された最大加速度が予め設定された一般基準値以下の一定範囲に含まれる場合に自動診断運転を実行する。記憶部19は、建物ごと又はエレベーター1ごとに設定された個別基準を記憶する。自動診断制御部18は、地震感知器8により出力された最大加速度が一般基準値を超えた場合であっても、地震感知器8により出力された加速度に基づく数値が記憶部19に記憶されている個別基準を満たす場合には、自動診断運転を実行する。このため、実施の形態1によれば、個々の建物又は個々のエレベーターの耐震能力に応じて自動診断運転を実行することができる。その結果、地震発生後に自動復旧するエレベーターの割合を高めることができる。また、地震発生後における保守作業者の負荷を軽減することができる。
実施の形態1において、個別基準は、例えば、エレベーター1に物損を発生させなかった過去の揺れによる最大加速度を含む。自動診断制御部18は、例えば、地震感知器8により出力された最大加速度と個別基準との比較結果に基づいて、自動診断運転を実行するか否かを決定する。このため、個々の建物又は個々のエレベーターの耐震能力に応じて自動診断運転を実行することができる。
実施の形態1において、個別基準は、例えば、エレベーター1に物損を発生させなかった過去の揺れによる揺れ方向ごとの最大加速度を含む。自動診断制御部18は、例えば、地震感知器8により出力された揺れ方向ごとの最大加速度と個別基準との比較結果に基づいて、自動診断運転を実行するか否かを決定する。この場合、建物又はエレベーターの耐震能力が揺れ方向によって異なることを考慮して、自動診断運転を実行するか否かを決定できる。このため、個々の建物又は個々のエレベーターの詳細な耐震能力に応じて自動診断運転を実行することができる。
実施の形態1において、個別基準は、例えば、エレベーター1に物損を発生させなかった過去の揺れによる最大揺れ時間を含む。自動診断制御部18は、例えば、地震感知器8により出力された最大揺れ時間と個別基準との比較結果に基づいて、自動診断運転を実行するか否かを決定する。この場合、建物又はエレベーターの耐震能力が揺れ時間によって異なることを考慮して、自動診断運転を実行するか否かを決定できる。このため、個々の建物又は個々のエレベーターの詳細な耐震能力に応じて自動診断運転を実行することができる。
実施の形態1において、自動診断制御部18は、例えば、地震感知器8により出力された最大加速度、揺れ方向ごとの最大加速度及び最大揺れ時間のうち少なくとも2種類と個別基準との比較結果に基づいて、自動診断運転を実行するか否かを決定する。このため、個々の建物又は個々のエレベーターのより詳細な耐震能力に応じて自動診断運転を実行することができる。
実施の形態1において、個別基準は、例えば、エレベーター1に物損を発生させなかった過去の揺れによる加速度に基づいて設定されたものである。このため、個々の建物又は個々のエレベーターの実際の耐震能力に応じて自動診断運転を実行することができる。
実施の形態1において、更新部22は、例えば、記憶部19に記憶されている個別基準を更新する。自動診断制御部18及び記憶部19は、例えば、エレベーター1と同じ建物に設置された保守装置9に設けられている。更新部22は、例えば、保守装置9と通信可能な監視センター10に設けられている。このため、エレベーターの点検時に保守作業者が誤って個別基準を変更することを防止できる。
実施の形態1において、更新部22は、例えば、地震感知器8により出力された最大加速度が一般基準値を超えた場合において、地震感知器8により出力された加速度に基づく数値が個別基準を満たさず、且つ、エレベーター1に物損が発生していなかったことが保守作業者によって確認された場合に、当該数値を個別基準として設定する。つまり、更新部22は、耐震能力が高い建物又はエレベーター1についての個別基準を上方修正する。このため、個々の建物又は個々のエレベーターの実際の耐震能力に応じて自動診断運転を実行することができる。
実施の形態1において、更新部22は、例えば、地震感知器8により出力された最大加速度が一般基準値を超えた場合において、地震感知器8により出力された加速度に基づく数値が個別基準を満たし、且つ、エレベーター1に物損が発生していたことが保守作業者によって確認された場合に、当該数値を個別基準として設定する。つまり、更新部22は、耐震能力が低い建物又はエレベーター1についての個別基準を下方修正する。このため、個々の建物又は個々のエレベーターの実際の耐震能力に応じて自動診断運転を実行することができる。
実施の形態1において、あるエレベーター1又は当該エレベーター1が設置されている建物についての個別基準は、例えば、当該エレベーター1又は当該建物とは異なる場所に設けられた地震感知器8により過去に出力された加速度に基づいて設定されてもよい。あるエレベーター1についての個別基準は、例えば、機種及び昇降路寸法等が同一又は類似する他のエレベーター1に設けられた地震感知器8により過去に出力された加速度に基づいて設定されてもよい。ある建物についての個別基準は、例えば、階数、築年数、平面形状、構造材及び地盤等が同一又は類似する他の建物に設けられた地震感知器8により過去に出力された加速度に基づいて設定されてもよい。この場合、例えば、新規に据え付けられたエレベーター又は新規に竣工した建物についても、適切な個別基準を設定することができる。
実施の形態1において、感知器制御部17、自動診断制御部18、記憶部19及び通報部20は、制御盤7の機能として設けられてもよい。この場合であっても、個々の建物又は個々のエレベーターの耐震能力に応じて自動診断運転を実行することができる。
図5は、保守装置のハードウェア構成図である。
保守装置9における感知器制御部17、自動診断制御部18、記憶部19及び通報部20の各機能は、処理回路により実現される。処理回路は、専用ハードウェア50であってもよい。処理回路は、プロセッサ51及びメモリ52を備えていてもよい。処理回路は、一部が専用ハードウェア50として形成され、更にプロセッサ51及びメモリ52を備えていてもよい。図5は、処理回路が、その一部が専用ハードウェア50として形成され、プロセッサ51及びメモリ52を備えている場合の例を示している。
処理回路の少なくとも一部が、少なくとも1つの専用ハードウェア50である場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ51及び少なくとも1つのメモリ52を備える場合、感知器制御部17、自動診断制御部18、記憶部19及び通報部20の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ52に格納される。プロセッサ51は、メモリ52に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。プロセッサ51は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPとも呼ぶ。メモリ52は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等が該当する。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、保守装置9の各機能を実現することができる。なお、制御盤7、地震感知器8及び監視センター10の各機能も、図5に示す処理回路と同様の処理回路により実現される。
以上のように、本発明は、エレベーターに適用できる。
1 エレベーター
2 昇降路
3 巻上機
4 ロープ
5 かご
6 釣合おもり
7 制御盤
8 地震感知器
9 保守装置
10 監視センター
11 運転制御部
12 通信部
13 加速度検出部
14 揺れ方向検出部
15 揺れ時間検出部
16 自己診断部
17 感知器制御部
18 自動診断制御部
19 記憶部
20 通報部
21 記憶部
22 更新部
23 個別基準データ
24 蓄積データ
25 個別基準データ
50 専用ハードウェア
51 プロセッサ
52 メモリ

Claims (8)

  1. 地震発生後にエレベーターの自動診断運転を実行する機能を有し、地震感知器により出力された最大加速度が予め設定された一般基準値以下の一定範囲に含まれる場合に自動診断運転を実行する自動診断制御部と、
    建物ごと又はエレベーターごとに設定された個別基準を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶されている前記個別基準を更新する更新部と、
    を備え、
    前記自動診断制御部は、前記地震感知器により出力された最大加速度が前記一般基準値を超えた場合であっても、前記地震感知器により出力された加速度に基づく数値が前記記憶部に記憶されている前記個別基準を満たす場合には自動診断運転を実行し、
    前記更新部は、前記地震感知器により出力された最大加速度が前記一般基準値を超えた場合において、前記地震感知器により出力された加速度に基づく数値が前記個別基準を満たさず、且つ、エレベーターに物損が発生していなかった場合に、当該数値を前記個別基準として設定するエレベーターの自動復旧システム。
  2. 地震発生後にエレベーターの自動診断運転を実行する機能を有し、地震感知器により出力された最大加速度が予め設定された一般基準値以下の一定範囲に含まれる場合に自動診断運転を実行する自動診断制御部と、
    建物ごと又はエレベーターごとに設定された個別基準を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶されている前記個別基準を更新する更新部と、
    を備え、
    前記自動診断制御部は、前記地震感知器により出力された最大加速度が前記一般基準値を超えた場合であっても、前記地震感知器により出力された加速度に基づく数値が前記記憶部に記憶されている前記個別基準を満たす場合には自動診断運転を実行し、
    前記更新部は、前記地震感知器により出力された最大加速度が前記一般基準値を超えた場合において、前記地震感知器により出力された加速度に基づく数値が前記個別基準を満たし、且つ、エレベーターに物損が発生していた場合に、当該数値を前記個別基準として設定するエレベーターの自動復旧システム。
  3. 前記自動診断制御部は、前記地震感知器により出力された最大加速度と前記個別基準との比較結果に基づいて、自動診断運転を実行するか否かを決定する請求項1又は2に記載のエレベーターの自動復旧システム。
  4. 前記自動診断制御部は、前記地震感知器により出力された揺れ方向ごとの最大加速度と前記個別基準との比較結果に基づいて、自動診断運転を実行するか否かを決定する請求項1から3のいずれか1項に記載のエレベーターの自動復旧システム。
  5. 前記自動診断制御部は、前記地震感知器により出力された最大揺れ時間と前記個別基準との比較結果に基づいて、自動診断運転を実行するか否かを決定する請求項1からのいずれか1項に記載のエレベーターの自動復旧システム。
  6. 前記自動診断制御部は、前記地震感知器により出力された最大加速度、揺れ方向ごとの最大加速度及び最大揺れ時間のうち少なくとも2種類と前記個別基準との比較結果に基づいて、自動診断運転を実行するか否かを決定する請求項1からのいずれか1項に記載のエレベーターの自動復旧システム。
  7. 前記個別基準は、エレベーターに物損を発生させなかった過去の揺れによる加速度に基づいて設定された請求項1からのいずれか1項に記載のエレベーターの自動復旧システム。
  8. 記自動診断制御部及び前記記憶部は、エレベーターと同じ建物に設置された保守装置に設けられ、
    前記更新部は、前記保守装置と通信可能な監視センターに設けられた請求項1からのいずれか1項に記載のエレベーターの自動復旧システム。
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