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JP6719969B2 - 履き物の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、釣り用ブーツ等の履き物の製造方法に関する。詳細には、本発明は、この履き物のアウトソールの製作方法に関する。
釣りに、ブーツが利用されている。アウトソールが金属スパイクを備えたブーツが、用いられている。このスパイクが地面に突き刺さるとこで、ブーツのスリップが防止される。
アウトソールがゴムからなるブーツも、用いられている。このアウトソールの、岩等の地面との摩擦係数は大きい。このアウトソールは、グリップ性に優れる。このアウトソールによって、ブーツのスリップが防止される。
アウトソールがフェルトからなるブーツも、用いられている。フェルトは、変形性能に優れている。このアウトソールは、凹凸のある地面に追従しやすい。フェルトは、吸水性にも優れる。フェルトは、アウトソールと地面との間に水膜を生じさせない。フェルトからなるアウトソールは、滑止性能に優れる。フェルトからなるアウトソールが、特開2010−69184公報に開示されている。このアウトソールは、スリットを有している。スリットを有するアウトソールは、釣り人の足の変形に追従しやすい。
特開2010−69184公報
釣り人が歩行するとき、足は、下向きに凸になるように変形する。特開2010−69184公報に記載されたアウトソールは、スリットを有するので、下向きに凸になるように変形しやすい。換言すれば、このアウトソールは、釣り人が歩行するときの足の変形に追従しやすい。
釣り場で釣り人が起立しているときのスリップや転倒を防止する目的で、釣り人が足を踏ん張ることがある。このときの足は、土踏まずが高くなるように変形する。換言すれば、足は、上向きに凸となるように変形する。特開2010−69184公報に記載されたアウトソールでは、スリットを挟んで対向する面同士が当接しているので、上向きに凸となる足の変形には追従しにくい。
本発明の目的は、足が下向きに凸となるような変形及び上向きに凸となるような変形の両方に追従しやすい履き物が、容易に製造されうる方法の提供にある。
本発明に係る履き物の製造方法は、
母材を得る第一工程、
及び
この母材の表面をグラインダーの砥石で研削して溝を形成し、アウトソールを得る第二工程
を含む。
好ましくは、第二工程において、母材又は砥石に向けてエアーが吹き付けられる。
好ましくは、第二工程において、複数の砥石により複数の溝が同時に形成される。
好ましくは、母材は、フェルトからなる。好ましくは、このフェルトの材質は、熱可塑性樹脂である。
本発明に係る履き物の製造方法により、アウトソールが容易に得られる。このアウトソールは溝を有しているので、この履き物は、足が下向きに凸となるような変形及び上向きに凸となるような変形の両方に追従しやすい。
図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法によって得られた履き物(釣り用ブーツ)が示された断面図である。 図2は、図1のブーツのアウトソールが示された底面図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った拡大断面図である。 図4は、図3のアウトソールの一部が示された拡大断面図である。 図5は、図3のアウトソールの一部が示された拡大断面図である。 図6は、図3のアウトソールの一部が示された拡大断面図である。 図7は、図1のブーツの製造方法に用いられるグラインダーの一部が、アウトソールと共に示された側面図である。 図8は、図7のグラインダーが示された正面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、履き物(釣り用ブーツ2)断面図が示されている。このブーツ2は、アッパー4、インソール6、ミッドソール8、面ファスナー10及びアウトソール12を備えている。
アッパー4は、フット14及びレッグ16を備えている。フット14は、釣り人の甲に当接する。レッグ16は、釣り人の脛を包み、脛を保護する。アッパー4は、ブーツ2内への水の浸入を防ぐ。アッパー4は、 典型的には、ポリ塩化ビニルからなる。このアッパー4は、強度及び剛性に優れる。図示されていないが、アッパー4には、その内面に位置する裏地が積層されている。アッパー4が、他の合成樹脂からなってもよい。アッパー4が、ゴムからなってもよい。
インソール6は、三次元形状を有する。このインソール6は、「カップインソール」と称されている。インソール6は、ポリマー発泡体である。この発泡体の典型的な基材ポリマーは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)である。メッシュ状のインソール6が用いられてもよい。
ミッドソール8は、ゴム組成物が架橋されてなる。ミッドソール8には、強度に優れたゴムが用いられている。好ましいゴムとしては、天然ゴム、ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共重合体が例示される。ミッドソール8は、接着剤によってアッパー4と接合されている。ミッドソール8が、加硫接着によってアッパー4と接合されてもよい。ミッドソール8が合成樹脂からなってもよい。ミッドソール8は、その外縁にリブ18を備えている。リブ18は、下向きに垂下している。
面ファスナー10は、フックサイド20とループサイド22とを備えている。フックサイド20は、接着剤によってミッドソール8に接合されている。ループサイド22は、接着剤によってアウトソール12に接合されている。フックサイド20がアウトソール12に接合され、ループサイド22がミッドソール8に接合されてもよい。ミッドソール8のリブ18は、面ファスナー10よりも下方にまで延在している。
アウトソール12は、面ファスナー10によってミッドソール8と積層されている。アウトソール12の上部は、リブ18に囲まれている。リブ18により、アウトソール12のミッドソール8からの意図せぬ離脱が防止される。このアウトソール12は、上板24、主部26、軟質ピン28及び硬質スパイク30を備えている。
上板24は、ポリマー発泡体からなる。典型的な基材ポリマーは、エチレン−酢酸ビニル共重合体である。この上板24に、ループサイド22が接合されている。主部26は、フェルトからなる。このフェルトでは、多数の繊維が絡み合っている。ナイロン繊維、ポリエステル繊維等が、フェルトに用いられうる。主部26は、接着剤等の手段によって上板24に接合されている。主部26により、ブーツ2の底面32が形成されている。凹凸のある地面を釣り人が歩行したとき、この凹凸に応じてフェルトが変形する。この変形により、ブーツ2のスリップが防止される。フェルトは吸水性に優れるので、アウトソール12と地面との間に水膜が生じにくい。これによっても、ブーツ2のスリップが防止される。
このブーツ2が繰り返し使用されると、アウトソール12が摩耗する。摩耗の進行したアウトソール12は、ミッドソール8から引き剥がされる。この引き剥がしは、フックサイド20からのループサイド22の分離によってなされる。アウトソール12及びループサイド22は、廃棄される。そして、新しいアウトソール12が、ループサイド22と共にフックサイド20に接合される。アウトソール12の交換により、このブーツ2が長期間にわたって使用されうる。このブーツ2は、経済的である。
アウトソール12が、面ファスナー10を介することなく、直接にミッドソール8に接合されてもよい。この接合は、接着剤によってなされうる。アウトソール12が直接にミッドソール8に接合される場合は、アウトソール12の交換は不可能である。従って、アウトソール12の摩耗が進行すると、ブーツ2が廃棄される。
図2は、図1のブーツ2のアウトソール12が示された底面図である。図2において、上下方向はアウトソール12の長さ方向であり、左右方向はアウトソール12の幅方向である。図3は、図2のIII−III線に沿った拡大断面図である。図3において、上下方向はアウトソール12の長さ方向であり、左右方向はアウトソール12の厚み方向である。
図2から明らかなように、複数の軟質ピン28がアウトソール12の全面に分散している。軟質ピン28の数は、3本以上25本以下が好ましい。軟質ピン28の配置は、適宜決定される。サイズの異なる複数種の軟質ピン28が混在してもよい。軟質ピン28の基材は、ゴム又は熱可塑性エラストマーである。
図2から明らかなように、複数の硬質スパイク30がアウトソール12の全面に分散している。硬質スパイク30の数は、3本以上25本以下が好ましい。硬質スパイク30の配置は、適宜決定される。硬質スパイク30の下端は、細い。硬質スパイク30は、金属材料からなる。典型的な金属材料は、スチールである。
図4は、図3のアウトソール12の一部が示された拡大断面図である。この図には、主部26の一部が示されている。図4における左右方向は、アウトソール12の長さ方向である。図2−4から明かな通り、アウトソール12は、3本の溝34を有している。これらの溝34は、アウトソール12の主部26の底面32に形成されている。それぞれの溝34は、実質的に幅方向に延在している。溝34は、アウトソール12のインサイド端からアウトサイド端にまで至っている。
図5には、釣り人が歩行しているときの、アウトソール12の主部26が示されている。爪先が地面に着いておりかつ踵が地面から浮いた状態では、釣り人の足は下向きに凸な形状を呈する。主部26は溝34を有しているので、アウトソール12は釣り人の足の変形に追従し、下向きに凸な形状を呈している。このブーツ2を着用した釣り人の足は、疲れにくい。
図6には、釣り人が踏ん張ったときの、アウトソール12の主部26が示されている。釣り人が踏ん張った状態では、釣り人の足は上向きに凸な形状を呈する。主部26は溝34を有しているので、アウトソール12は釣り人の足の変形に追従し、上向きに凸な形状を呈している。このブーツ2を着用した釣り人は、踏ん張りやすい。
図4において矢印W1で示されているのは、溝34の幅である。追従性の観点から、幅W1は3mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましく、7mm以上が特に好ましい。アウトソール12の強度の観点から、幅W1は30mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましく、15mm以下が特に好ましい。
図4において矢印Dで示されているのは、溝34の深さである。追従性の観点から、深さDは2mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上が特に好ましい。アウトソール12の強度の観点から、深さDは15mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、8mm以下が特に好ましい。
図4において矢印Tで示されているのは、主部26の厚みである。追従性の観点から、厚みTに対する深さDの比率は20%以上が好ましく、40%以上が特に好ましい。アウトソール12の強度の観点から、この比率は90%以下が好ましく、70%以下が特に好ましい。
図7及び8には、アウトソール12の主部26の製造に用いられるグラインダー36が示されている。図7における左右方向は、アウトソール12の幅方向である。このグラインダー36は、軸38、3個の砥石40及び3個のノズル42を有している。3個の砥石40が、1つの軸38に取り付けられている。従って、軸38が回転することで、3個の砥石40が同時に回転する。これらの砥石40のサイズは、同一である。それぞれの砥石40は、円盤形状を有する。図7において、矢印Rは砥石40の回転方向を表しており、矢印Aは母材44(ワーク)の進行方向を表している。図7において、母材44が左向きに進行するので、砥石は、相対的に右向きに進行する。それぞれのノズル42は、砥石40の前側(母材44の進行方向後ろ側)に位置している。
このブーツ2の製造方法では、まず母材44が準備される。この母材44は、フェルトからなる。フェルトの典型的な材質は、熱可塑性樹脂である。この母材44の輪郭は、図2に示されたアウトソール12の主部26の輪郭と同等である。
この母材44が、グラインダー36によって研削される。具体的には、母材44の底面46に砥石40が当てられる。この砥石40によりフェルトが削られ、研削屑が母材44から除去される。この除去により、溝34が形成される。母材44の幅方向への進行により、溝34が徐々に成長する。グラインダー36が用いられることにより、カッター等で切断加工される場合に比べ、容易且つ低コストで溝34が形成されうる。溝34が完成することで、主部26が得られる。
研削の間、ノズル42から砥石40又は母材44に向けてエアーが吹き付けられる。前述の通りフェルトの材質が熱可塑性樹脂なので、研削屑は摩擦熱によって溶融する。この研削屑がエアーによって吹き飛ばされるので、溝34に研削屑が再付着することが抑制される。
前述の通り、グラインダー36は3個の砥石40を有している。それぞれの砥石40により、1つの溝34が掲載される。従って、1回の工程で同時に3本の溝34が形成される。砥石40の数は、1でもよい。この場合は、1回の工程1本の溝34が形成される。砥石40の数は、2でもよい。この場合は、1回の工程で同時に2本の溝34が形成される。砥石40の数は、4以上でもよい。この場合は、1回の工程で同時に4本以上の溝34が形成される。
主部26における溝34の幅W1(図4参照)は、砥石40の幅W2(図8参照)に依存する。幅W2が変更されることにより、幅W1が調整されうる。幅W2が互いに異なる複数の砥石40が用いられてもよい。この場合、幅W1が互いに異なる複数の溝34が、同時に形成されうる。
軸38と母材44との距離が変更されることにより、溝34の深さD(図4参照)が調整されうる。直径が互いに異なる複数の砥石40が用いられてもよい。この場合、幅深さDが互いに異なる複数の溝34が、同時に形成されうる。
図8において、矢印P1で示されているのは砥石40同士の間隔であり、矢印P2で示されているのは他の砥石40同士の間隔である。間隔P1又はP2が変更されることにより、溝34と他の溝34との間隔が調整されうる。もし型押しで2以上の溝34を形成するなら、主部26のサイズに応じて様々な型が準備される必要がある。本発明に係る製造方法では、間隔P1及びP2の変更により、1つのグラインダー36で、様々なサイズの主部26が形成されうる。
溝34が形成された後の主部26に、上板24、軟質ピン28及び硬質スパイク30が取り付けられ、アウトソール12が完成する。このアウトソール12が他の部材とアッセンブリーされて、ブーツ2が得られる。アウトソール12が上板24を有さなくてもよい。アウトソール12が軟質ピン28を有さなくてもよい。アウトソール12が硬質スパイク30を有さなくてもよい。
図8から明らかなように、砥石40の外縁面48の形状は、「U」字状である。溝34は、実質的に、外縁面48の断面形状が反転した断面形状を有する。従って、溝34の断面形状は、実質的に「U」字状である。外縁面48の断面形状が、「V」字状であってもよい。「V」字状の外縁面48を有する砥石40によって形成された溝の断面形状は、実質的に「V」字状である。外縁面48が、平坦であってもよい。平坦な外縁面48を有する砥石40によって形成された溝の断面形状は、実質的に矩形である。外縁面48には、他の種々の形状が採用されうる。互いの外縁面48の形状が異なる複数の砥石40が用いられてもよい。外縁面48の形状の調整が、ドレッシングによって達成されてもよい。
本発明に係る方法により、ブーツのみならず、シューズ、足袋、ウェーダー等の、種々の履き物が製造されうる。
2・・・釣り用ブーツ
4・・・アッパー
6・・・インソール
8・・・ミッドソール
10・・・面ファスナー
12・・・アウトソール
20・・・フックサイド
22・・・ループサイド
24・・・上板
26・・・主部
34・・・溝
36・・・グラインダー
38・・・軸
40・・・砥石
42・・・ノズル
44・・・母材

Claims (4)

  1. 履き物のアウトソールの主部の輪郭と同等の輪郭に形成された母材を得る第一工程、
    及び
    上記母材の表面をグラインダーの砥石で研削して溝を形成し、この履き物の底面を形成するアウトソールを得る第二工程
    を含み、
    上記第二工程において、複数の砥石により複数の溝が同時に形成され、
    上記第二工程では、上記母材と上記砥石との距離を変更することで上記溝の深さが調整される、履き物の製造方法。
  2. 上記第二工程において、上記母材又は上記砥石に向けてエアーが吹き付けられる請求項1に記載の製造方法。
  3. 上記母材がフェルトからなる請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 上記フェルトの材質が熱可塑性樹脂である請求項に記載の製造方法。
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