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JP6721782B2 - アルミニウム合金及び歩行者衝突保護用アルミニウム合金ストリップ - Google Patents
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アルミニウム合金及び歩行者衝突保護用アルミニウム合金ストリップ Download PDF

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Description

本発明は、乗物用アルミニウム合金、アルミニウム合金から製造されるアルミニウム合金ストリップ、及び本発明に係るアルミニウム合金ストリップから製造される自動車のシート金属体部品に関する。
AA6xxx型のアルミニウム合金は、良好な成形性と熱処理後の硬化によるその強度増加能力とのその有利な組合せのために自動車工学において使用される。硬化によって特に高い降伏強度を得ることができるAA6xxxアルミニウム合金からなる一般に使用されるアルミニウム合金シート金属とは対照的に、歩行者衝突保護に関連するシート金属の場合、例えば塗装面のために熱処理後に、最低限の硬化を行う必要がある。一方、歩行者衝突保護用シート金属は、十分なエネルギー吸収能力を有し、衝撃エネルギーを目的通りに変形エネルギーに変換しなければならず、そのために適度な降伏強度を持たなければならない。他方、歩行者衝突保護に関連するシート金属の性質は、経時的に変化すべきではなく、又は経時変化がほんの無視し得る程度であるべきである。硬化特性が特定の製造方法によって低下する、AA6xxx型のより高合金化されたアルミニウム合金に加えて、Mg及び/又はSi含有量の極めて少ないAA6xxx型のアルミニウム合金をこの目標の達成のために使用することもできる。しかし、より高合金化されたアルミニウム合金の場合、製造方法、及びここでは特に溶体化焼鈍条件の制御が、極めて複雑であり、高価である。さらに、マグネシウム含有量が約0.2重量%と極めて低いアルミニウム合金は、極めて低い降伏強度及び引張強さしか示さない。したがって、それらは軟らかすぎて自動車に使用されない。第3の可能性は、軟質AA5xxxアルミニウム合金を使用することである。しかし、これらは、幾分か流れ模様がでやすく、目に見える車体領域には使用することができない。さらに、それらは、例えばAA6xxxアルミニウム合金に基づく、均一な合金構想を妨げ、したがって再利用の理念をより困難にする。
特許文献1から、衝突の場合に塑性変形によって運動エネルギーの大部分を吸収することができ、したがって歩行者衝突保護に適した車体部品が公知である。特許文献1の提案するところによれば、固溶体に必要な元素マグネシウム及びシリコーンは、沈殿MgSi及び/又はSi粒子の形で存在して、人工時効を妨げ、したがって、これは、例えば塗装面の乾燥による、更なる熱処理後に低い硬化効果しかもたらさない。沈殿状態を得るために、特許文献1は、鋳造インゴットの均質化焼鈍を行わず、より低温での部分的溶体化焼鈍、又はバッチ炉中のコイルにおける圧延シート金属の最終厚さでの部分的異質化焼鈍(独:partielle Heterogenisierungsgluehung,英:partial heterogenisation annealing)のみを行うことを提案している。これらの手段は、アルミニウム合金ストリップの製造中のコストを著しく高くするか、それらの加工性に悪影響を及ぼす。行われなかった均質化は、例えば、製造されたシート金属の品質に影響する可能性がある。
欧州特許出願公開第1 533 394(A1)号
これに基づいて、本発明は、製造されたストリップが適度な強度を有し、T4条件からの極めて低い硬化傾向しか示さず、歩行者衝突保護の領域における使用が可能であるように、従来の方法ステップを用いてストリップに加工することができる乗物用アルミニウム合金を提供する目的を有する。さらに、対応するアルミニウム合金ストリップ及び自動車用シート金属体部品を提案する。
第1の教示によれば、乗物用アルミニウム合金を含むアルミニウム合金ストリップの上記目的は、アルミニウム合金が重量%単位で以下の合金成分を含むことで達成される。
0.40重量%≦Si≦0.55重量%、
0.15重量%≦Fe≦0.25重量%、
Cu≦0.06重量%、
0.15重量%≦Mn≦0.40重量%、
0.33重量%≦Mg≦0.40重量%、
Cr≦0.03重量%、
0.005重量%≦Ti≦0.10重量%、
残りは、Al及び個々に最大0.05重量%、合計で最大0.15重量%の不可避不純物である。
本発明に係るアルミニウム合金ストリップは、自動車工学における適用分野に必要な少なくとも130MPaの引張強さレベルに加えて、硬化が著しく弱められ、公知のAA6xxxアルミニウム合金に比べて降伏強度RP0.2の増加が少ないことが見いだされた。特にアルミニウム合金ストリップを熱応力領域に適用する場合、本発明に係るアルミニウム合金ストリップは、類似の合金でできたアルミニウム合金ストリップよりも硬化傾向が著しく低い。アルミニウム合金のシリコーン及びマグネシウムの割合は、一般に、本発明に係るアルミニウム合金ストリップを構成するアルミニウム合金の硬化の原因である。シリコーンとマグネシウムの厳密に均衡が保たれた含有量、ここでは、シリコーン0.40重量%〜0.55重量%とマグネシウム0.33重量%〜0.40重量%は、一方で、本発明に係るアルミニウム合金ストリップの十分な強度レベルを確保する。他方、鉄含有量0.15重量%〜0.25重量%と組み合わされたマンガン含有量0.15重量%〜0.40重量%、好ましくは0.2重量%〜0.4重量%又は0.20重量%〜0.30重量%のために、過剰のシリコーンがAl−Fe−Mn−Si相の形成によって結合し、その結果、シリコーン含有粒子の沈殿による硬化に利用可能なシリコーンが減少する。その結果、本発明に係るアルミニウム合金ストリップのアルミニウム合金の硬化が減少し得る。好ましくは、シリコーン含有量は、硬化を抑制するために最大0.50重量%に制限することもできる。銅は、一般に、アルミニウム合金の強度を増加させるために添加される。しかし、シリコーン、鉄、マンガン及びマグネシウムの均衡が保たれた含有量のために、これは、本発明によれば不要である。銅は、腐食性を損なう可能性もある。本発明に係るアルミニウム合金ストリップのアルミニウム合金は、したがって、ほぼ銅を含まず、最大0.06重量%の銅を有する。銅は再利用の場合にはしばしば望ましくない不純物でもあるので、結果としてアルミニウム合金ストリップの耐食性が改善されるだけでなく、アルミニウム合金ストリップの再利用も容易になる。アルミニウム合金ストリップの成形性を改善するために、クロム含有量は最大0.03重量%に制限され、チタン含有量は0.005重量%〜0.10重量%に制限される。チタンは、アルミニウム合金ストリップの鋳造中の微粒化を向上させ、したがって、本発明に係るアルミニウム合金ストリップを構成するアルミニウム合金中に少なくとも0.005重量%含まれる。微粒化のために、最大0.10重量%のチタンが一般に含まれる。最大0.03重量%のチタンを使用すると、良好な微粒化の場合にチタン含有量を最小限にすることができる。合金組成物の狭い限定的な範囲においては、特に熱応力の場合に長期の硬化が少ないことによって特徴づけられる、本発明に係るアルミニウム合金ストリップを構成するアルミニウム合金の特別な硬化特性が示されることが見いだされた。したがって、本発明に係るアルミニウム合金ストリップは、硬化が少ないため、自動車工学において、その明確なエネルギー吸収能力のために歩行者衝突保護に使用されるシート金属に使用するのに極めて適している。
本発明によれば、第1の実施形態に係るアルミニウム合金ストリップは、マンガン含有量が0.25重量%〜0.35重量%である。このマンガン含有量は、Al−Fe−Mn−Si相を形成することによって過剰のシリコーンを結合させるのに更に多量のマンガンが利用可能であるので、本発明に係るアルミニウム合金ストリップを構成するアルミニウム合金の硬化を更に減少させることができる。同時に、マンガンの更なる制限は、T4条件における強度の増加を相殺する。
本発明に係るアルミニウム合金ストリップの腐食挙動は、更なる一実施形態によれば、銅含有量が0.05重量%未満、好ましくは最大0.01重量%に減少することで改善することができる。
本発明に係るアルミニウム合金ストリップの更なる一実施形態によれば、アルミニウム合金は0.40重量%〜0.48重量%のシリコーン含有量を有する。シリコーン含有量の上限のこの特定の減少は、沈殿に利用可能なシリコーン原子を減少させることによって、アルミニウム合金の硬化を更に減少させることができる。
本発明に係るアルミニウム合金ストリップの次の実施形態によれば、アルミニウム合金は0.35重量%〜0.40重量%のマグネシウム含有量を有する。このマグネシウム含有量によって、アルミニウム合金は、同じ硬化特性を持ちながら、より高いMg含有量のために、わずかに高い引張強さ及び改善された成形性を有することができる。
アルミニウム合金ストリップの好ましい一実施形態によれば、それは、T4条件において、圧延方向に対して横方向に測定された、55MPa〜70MPaの降伏強度Rp0.2、130MPa〜160MPaの引張強さRを有する。アルミニウム合金ストリップのこの実施形態の降伏強度値と引張強さ値の好ましい組合せによって、歩行者衝突保護に適した車体部品の製造に好ましく使用することができる。適度な強度増加のために、又は硬化の減少のために、対応するシート金属は、長期使用後でも、長期の熱応力でも、歩行者衝突保護に対して良好な性質を保持する。
本発明に係るアルミニウム合金ストリップの更なる一実施形態によれば、それは、T6x条件において、圧延方向に対して横方向に測定された、100MPa未満の降伏強度Rp0.2を有する。T6x条件として、特に実際的な熱処理が本特許出願において指定される。これは、530℃で5分間の溶体化焼鈍、それに続く室温への急冷、室温で7日間の自然時効、205℃で30分間の加熱、及び80℃で500時間の加熱を含む。T6x条件を実現する第1の熱処理ステップは、T4条件、すなわち溶体化焼鈍、急冷及び自然時効からなる公知の一連の熱処理を実現するのに用いられる通常の条件に対応する。塗装及び塗料の乾燥(塗料焼付け)の場合にシート金属の熱処理をシミュレートすると想定される、30分間の205℃への加熱が続く。続いて、高温における、例えばエンジンの近くで使用するときの、アルミニウム合金シート金属の連続使用を更なる熱処理によってシミュレートする。このために、シート金属を80℃で500時間加熱する。熱応力は、一般に、アルミニウム合金の硬化を促進する。しかし、本発明に係るアルミニウム合金ストリップは、高い熱応力にもかかわらず硬化が著しく少なく、100MPa未満の降伏強度Rp0.2を与えることができる。
上記目的は、アルミニウム合金から本発明に係るアルミニウム合金ストリップを製造する方法によって、本発明の更なる教示に従って達成される。この方法は、圧延インゴットを鋳造するステップ、又は鋳造ストリップを鋳造するステップ、圧延インゴットを均質化するステップ、圧延インゴット又は鋳造ストリップを熱間圧延するステップ、及び場合によっては、中間焼鈍を伴って、又は伴わずに、最終厚さに冷間圧延するステップを含む。特許文献1の教示とは異なり、本発明に係る方法は、従来の方法ステップを含み、狭い範囲で指定されたアルミニウム合金のために、特に長期の熱応力の場合には、例えば自動車のボンネットの場合には、十分なレベルの引張強さと少ない硬化も確保する。本発明に係る方法を用いて、歩行者衝突保護用金属シートの製造のためのアルミニウム合金ストリップを高い費用効果で高品質で製造することができる。
圧延インゴットは、好ましくは、450℃〜580℃、好ましくは500℃〜570℃の温度で1時間以上均質化される。熱間圧延は、好ましくは、280℃〜550℃の温度で行われる。ホットストリップ製造は、熱間圧延の最後にアルミニウム合金ストリップを急冷することによっても可能であり、ホットストリップ温度は最終熱間圧延パスで最大230℃に降温され、ストリップが続いて巻かれる。これらの熱間圧延方法によって、ホットストリップを経済的に製造することができる。場合によっては、ホットストリップを冷間圧延に供し、その場合、ホットストリップの出発厚さ及び得られるストリップの最終厚さに応じて、冷間圧延が中間焼鈍を伴って、又は伴わずに、行われる。好ましくは、厚さ0.8mm〜2.5mmのシート金属体部品の製造用ストリップが、中間焼鈍を伴って、又は伴わずに、製造される。中間焼鈍は、280℃〜430℃の温度でバッチ炉中で少なくとも30分間又は連続炉中で行うことができる。続いて、溶体化焼鈍が連続炉中で行われ、続いて、例えば室温に、急冷し、続いて約3〜7日間自然時効して、シート金属及びストリップを更なる加工のためにT4条件において安定した状態で利用可能にすることができる。T4条件においては、最大成形度をAA6xxx合金で一般に利用可能にすることができるので、T4条件は、シート金属の好ましい出発条件を構成する。本発明に係るアルミニウムストリップは、その従来法による製造のために高い費用効果で製造することができ、それでも硬化が少ない。
溶体化焼鈍中のアルミニウムストリップの温度は、好ましくは少なくとも480℃、好ましくは少なくとも500℃で少なくとも20秒間である。これらの溶体化焼鈍温度の場合には、本発明に係るストリップは、溶体化焼鈍中の温度及び持続時間の変動又は変化に鈍感であり、一定の溶液状態で用意されるアルミニウム合金ストリップを与えることができる。
本発明の更なる一教示によれば、上記目的は、本発明に係るアルミニウム合金ストリップから製造される自動車のシート金属体部品によって達成される。合金組成物により、アルミニウム合金ストリップを製造する従来の方法ステップは硬化傾向が低く、適度な強度特性を有するシート金属を提供するために十分であるので、シート金属体部品は、特に高い費用効果で利用可能にすることができる。シート金属体部品は、硬化傾向が低いため、連続使用中の降伏強度Rp0.2が少ししか増加しない。さらに、対応するアルミニウム合金ストリップは、再利用の点で肯定的な合金成分を含むAA6xxx合金でできた均一な合金構想を可能にする。このために、本発明に係るアルミニウム合金の銅、クロム及びチタンの低い割合が特に言及される。
好ましくは、シート金属体部品は、歩行者衝突保護のために提供されるシート金属、好ましくはウイングの一部、ボンネットの一部、又は乗物の屋根、屋根枠又は後部ドアである。歩行者衝突保護のために提供されるシート金属体部品は、万一衝突の場合に変形によって衝撃エネルギーを吸収し、衝突の衝撃を和らげるために、適度な降伏強度Rp0.2を持続的に持たなければならない。本発明に係るアルミニウム合金の硬化特性は、降伏強度Rp0.2の増加がシート金属体部品の耐用期間にわたって適度なままであるので、ここで有利である。さらに、シート金属の十分な強度レベルも与えられ、ウイング、ボンネット、後部ドア、乗物の屋根又は屋根枠用のシート金属部品を容易に取り扱うことができる。
更なる一教示によれば、乗物用アルミニウム合金の上記目的は、アルミニウム合金が重量%単位で以下の合金成分を含むことで達成される。
0.40重量%≦Si≦0.55重量%、
0.15重量%≦Fe≦0.25重量%、
Cu≦0.06重量%、
0.20重量%≦Mn≦0.40重量%、好ましくは0.25重量%≦Mn≦0.40重量%、
0.33重量%≦Mg≦0.40重量%、
Cr≦0.03重量%、
0.005重量%≦Ti≦0.10重量%、
残りは、Al及び個々に最大0.05重量%、合計で最大0.15重量%の不可避不純物である。
本発明に係るアルミニウム合金は、自動車工学における適用分野に必要な少なくとも130MPaの引張強さレベルに加えて、硬化が著しく弱められ、公知のAA6xxxアルミニウム合金に比べて降伏強度Rp0.2の増加が少ないことが見いだされた。特にアルミニウム合金を熱応力領域に適用する場合、本発明に係るアルミニウム合金は、類似の合金よりも硬化傾向が著しく低い。アルミニウム合金のシリコーン及びマグネシウムの割合は、一般に、本発明に係るアルミニウム合金の硬化の原因である。本発明に係るシリコーンとマグネシウムの厳密に均衡が保たれた含有量、ここでは、シリコーン0.40重量%〜0.55重量%とマグネシウム0.33重量%〜0.40重量%は、一方で、本発明に係るアルミニウム合金の十分な強度レベルを確保する。他方、鉄含有量0.15重量%〜0.25重量%と組み合わされたマンガン含有量0.2重量%〜0.40重量%、0.25重量%〜0.4重量%又は0.20重量%〜0.30重量%のために、過剰のシリコーンがAl−Fe−Mn−Si相の形成によって結合し、その結果、シリコーン含有粒子の沈殿による硬化に利用可能なシリコーンが減少する。その結果、既知のアルミニウム合金とは異なり、本発明に係るアルミニウム合金の硬化が減少し得る。好ましくは、シリコーン含有量は、硬化を抑制するために最大0.50重量%に制限することもできる。銅は、一般に、アルミニウム合金の強度を増加させるために添加される。しかし、シリコーン、鉄、マンガン及びマグネシウムの均衡が保たれた含有量のために、これは、本発明によれば不要である。銅は、腐食性を損なう可能性もある。本発明に係るアルミニウム合金は、したがって、ほぼ銅を含まず、最大0.06重量%の銅を有する。銅は再利用の場合にはしばしば望ましくない不純物でもあるので、結果としてアルミニウム合金の耐食性が改善されるだけでなく、アルミニウム合金の再利用も容易になる。アルミニウム合金の成形性を改善するために、クロム含有量は最大0.03重量%に制限され、チタン含有量は0.005重量%〜0.10重量%に制限される。チタンは、アルミニウム合金の鋳造中の微粒化を向上させ、したがって、アルミニウム合金中に少なくとも0.005重量%含まれる。微粒化のために、最大0.10重量%のチタンが一般に含まれる。最大0.03重量%のチタンを使用すると、良好な微粒化の場合にチタン含有量を最小限にすることができる。合金組成物の狭い限定的な範囲においては、特に熱応力の場合に長期の硬化が少ないことによって特徴づけられる、アルミニウム合金の特別な硬化特性が示されることが見いだされた。したがって、本発明に係るアルミニウム合金は、硬化が少ないため、自動車工学において、その明確なエネルギー吸収能力のために歩行者衝突保護に使用されるシート金属に使用するのに極めて適している。
本発明によれば、第1の実施形態に係るアルミニウム合金は、マンガン含有量が0.25重量%〜0.35重量%である。このマンガン含有量は、Al−Fe−Mn−Si相を形成することによって過剰のシリコーンを結合させるのに更に多量のマンガンが利用可能であるので、アルミニウム合金の硬化を更に減少させることができる。同時に、マンガンの更なる制限は、T4条件における強度の増加を相殺する。
本発明に係るアルミニウム合金の腐食挙動は、更なる一実施形態によれば、銅含有量が0.05重量%未満、好ましくは最大0.01重量%に減少することで改善させることができる。
本発明に係るアルミニウム合金の更なる一実施形態によれば、アルミニウム合金は0.40重量%〜0.48重量%のシリコーン含有量を有する。シリコーン含有量の上限のこの特定の減少は、沈殿に利用可能なシリコーン原子を減少させることによって、アルミニウム合金の硬化を更に減少させることができる。
本発明に係るアルミニウム合金の以下の実施形態によれば、アルミニウム合金は0.35重量%〜0.40重量%のマグネシウム含有量を有する。このマグネシウム含有量によって、アルミニウム合金は、同じ硬化特性を持ちながら、より高いMg含有量のために、わずかに高い引張強さ及び改善された成形性を有することができる。
さらに、本発明を図面に関連して例示的実施形態に基づいてより詳細に説明する。
本発明に係るアルミニウム合金ストリップを製造するプロセスステップを示す図である。 T4条件から出発する異なる熱処理後の降伏強度値の変化を示す図である。 歩行者衝突保護に関連するシート金属体部品を有する自動車の模式的斜視図である。
図1は、極めて模式的な図において、本発明に係るアルミニウム合金ストリップの製造方法の例示的一実施形態に関する方法の順序を示す。
ステップ1においては、圧延インゴットが、重量%単位で以下の合金成分を含む本発明に係るアルミニウム合金で最初に鋳造される。
0.40重量%≦Si≦0.55重量%、好ましくは≦0.50重量%、より好ましくは≦0.48重量%、
0.15重量%≦Fe≦0.25重量%、
Cu≦0.06重量%、
0.15重量%≦Mn≦0.40重量%、
0.33重量%≦Mg≦0.40重量%、
Cr≦0.03重量%、
0.005重量%≦Ti≦0.10重量%、
残りは、Al及び個々に最大0.05重量%、合計で最大0.15重量%の不可避不純物である。
続いて、アルミニウム合金インゴットをステップ2に従って450℃〜580℃の温度で均質化する。均質化を少なくとも1時間行う。ステップ1に従って圧延インゴットを製造する代わりに、ステップ3に従って、鋳造ストリップを本発明に係るアルミニウム合金から直接鋳造することもできる。
ステップ4に従って、圧延インゴット又は鋳造ストリップを熱間圧延する。熱間圧延は、280℃〜550℃の温度で行われる。ホットストリップを次いで巻き取る。しかし、ホットストリップは、例えば、最後の2回の熱間圧延パスにおいて230℃未満の温度に急冷し、次いで巻き取って製造することもできる。本発明に係るアルミニウム合金からなるホットストリップをT4条件において提供するために、このようにして製造されたホットストリップを、ステップ5に従って、溶体化焼鈍、急冷及びそれに続く自然時効に供することもできる。
ホットストリップは、約2mm〜12mmの厚さを有することができる。ストリップからのシート金属部品の製造に最大成形性を付与するために、ステップ5に従って、ホットストリップをT4条件に移す。T4条件は、例えば、530℃で5分間の溶体化焼鈍、室温への急冷、及びそれに続く室温で7日間の自然時効によって達成することができる。この場合、比較的低いMg及びSi含有量のために、本発明に係るアルミニウム合金ストリップは、温度が少なくとも480℃、好ましくは少なくとも500℃であるときには、溶体化焼鈍パラメータ、特に溶体化焼鈍温度に比較的鈍感であることが示された。
場合によっては、ホットストリップをまず冷間圧延6、続いて中間焼鈍7に供することができ、中間焼鈍7は、好ましくは、300℃〜450℃の温度範囲で少なくとも30分間バッチ炉中でコイルに対して行われる。しかし、中間焼鈍は、連続炉中で行うこともできる。中間焼鈍が必要である限り、続いてステップ8に従って最終厚さに冷間圧延する。さもなければ、冷間圧延6直後にも、ストリップをステップ9に従って溶体化焼鈍、室温への急冷、及び自然時効のために供給することができる。T4条件においてこのようにして製造されたアルミニウム合金ストリップは、最終厚さが一般に0.8mm〜2.5mmであり、好ましくは自動車の車体構造に使用される。
6個の異なるアルミニウム合金をここで図1による方法によって加工した。これらの6個の異なるアルミニウム合金から、ステップ1に従って、圧延インゴットを連続鋳造法で鋳造し、続いてステップ2に従って550℃の温度で2時間均質化した。次いで、均質化した圧延インゴットをステップ4に従って280℃〜550℃の温度でホットストリップ厚さ8mmに熱間圧延し、続いて室温に冷却した。得られたホットストリップをステップ6、7及び8に従って、中間厚さ3.5mmで中間焼鈍し、最終厚さ1.0〜1.5mmに冷間圧延した。中間焼鈍を最大温度350℃で1時間バッチ炉中で行った。
それらの合金成分を含む種々のアルミニウム合金を表1に示す。表1のすべての合金について、値を重量%単位で示す。以下は、すべての合金に当てはまる。残りは、Al及び個々に最大0.05重量%、合計で最大0.15重量%の不可避不純物である。
Figure 0006721782
すべての比較合金A、B、C、E及びFは、Mn含有量が本発明に係る合金に比べて過度に低い。Si、Fe及びMg含有量と組み合わされた本発明に係るMn含有量のみがT6又はT6x条件においてアルミニウム合金の硬化を減少させると考えられる。合金Aは、マグネシウムの割合も過度に低い。合金Fは、0.59重量%で、過剰のシリコーンを含む。製造されたアルミニウム合金ストリップを最初に530℃で5分間の溶体化焼鈍、続いて室温で1週間の自然時効によってT4条件に移し、降伏強度Rp0.2と引張強さRの両方を国際規格ISO 6892−1:2009に従って圧延方向に対して横方向に測定した。注目すべきことに、降伏強度Rp0.2及び引張強さRの過度に低い測定値が比較合金Aで得られた。対応するアルミニウムシート金属は、歩行者の衝撃エネルギーを吸収するには軟らかすぎると考えられる。対照的に、比較合金Fは、T4条件において著しく過度に高い降伏強度値Rp0.2を既に有し、したがって歩行者衝突保護の領域で使用されるシート金属に最適ではない。
アルミニウム合金Dの本発明に係る例示的実施形態は、比較合金B及び比較合金Cと一緒に、圧延方向に対して横方向に測定された降伏強度Rp0.2が約55MPa〜70MPa、引張強さRが130MPa〜160MPaのT4条件において好ましい強度範囲にある。比較合金Eは、引張強さR及び降伏強度Rp0.2に関して合金B、C及びDよりもわずかに劣る。T4条件における本発明に係る例示的実施形態及び比較例の測定値を表2に示す。比較例Fの降伏強度及び引張強さの過度に高い測定値は、本発明に係る例示的実施形態に比べて高いSi含有量及び著しく低いマンガン含有量に由来する。比較例Aの降伏強度又は引張強さに関する全体的な過度に低いレベルは、低いマグネシウム含有量0.25重量%に由来する。
Figure 0006721782
本発明の比較例及び例示的実施形態の測定値をここで熱処理状態T6について表3に示す。T6熱処理は、溶体化焼鈍、急冷及び自然時効後の塗装及び205℃に30分間加熱することによる塗料焼付けの効果をシミュレートする。表3が実際に示すところによれば、降伏強度及び引張強さの絶対的及び相対的増加に関して、特に合金Cの比較例と比較して、本発明に係る例示的実施形態は、これらの値の増加が最も少ないわけではないが、本発明に係るアルミニウム合金Dの例示的実施形態の引張強さR及び降伏強度Rp0.2の増加は小さいままであり、特に10MPa未満である。
Figure 0006721782
本発明に係る例示的実施形態Dは、熱処理を調べる限り、硬化が著しく減少し、部品の長期熱応力を示している。長期挙動をT6x熱処理条件によって測定した。T6x条件は、上述したように、T6条件から出発して、続いて人工時効を80℃で500時間行うことによって達成される。80℃で500時間の人工時効は、熱応力の場合には、適用例、例えば自動車における、アルミニウム合金シート金属の実用をシミュレートするものである。熱はAA6xxx合金における硬化効果を高めるので、降伏強度の値は一般に比較的急激に増加する。
Figure 0006721782
他の比較合金とは異なり、本発明に係る例示的実施形態Dは、80℃で500時間の時効後の降伏強度の増加が著しく減少する。降伏強度の絶対的増加が19.5MPaだけ著しく低いだけでなく、わずか34重量%の降伏強度の相対的増加は、すべての他のアルミニウム合金の降伏強度の相対的又は絶対的増加よりも著しく低い。アルミニウム合金の長期挙動に関して、硬化の予期しない減少が認められ、これはAl−Fe−Mn−Si相の形成に由来する。これらのAl−Fe−Mn−Si相は、アルミニウム合金の析出硬化に寄与せず、したがってシリコーン沈殿の効果を低下させると考えられる。
表5及び表6においては、アルミニウム合金ストリップを2%の冷間成形又は5%の冷間成形を含むT6条件において測定した。T6条件(2%)及びT6条件(5%)は、シート金属部品の変形とそれに続く塗装をシミュレートすると考えられる。このために、シート金属を185℃の温度で持続時間20分間の熱処理に供する。
本発明に係るアルミニウム合金Dの例示的実施形態を、自動車工学の領域におけるシート金属の適用を指向した加工をシミュレートするこれらの熱処理の場合にも測定し、同様に、2%の冷間成形又は5%の冷間成形を含むT6条件において降伏強度Rp0.2の絶対的又は相対的増加に関して最小値であった。
T4条件から出発する降伏強度の相対的増加の測定値を図2のグラフに再度示す。本発明に係るアルミニウム合金のポジティブな硬化挙動は、特にT6x条件における比較から残りの変形物と比較して例示的実施形態Dに基づいて読み取ることができる。
図3は、歩行者衝突保護のために提供される自動車のシート金属体部品を斜視図で模式的に示す。自動車のボンネット10、ウイング11、乗物の屋根又は屋根枠12及び示した後部ドア13は、原則的には、歩行者衝突保護用に設計されなければならないシート金属体部品である。したがって、それらは、特に長期熱応力でも依然として存在する特定のエネルギー吸収挙動を持たなければならない。歩行者衝突保護のために提供されるこれらのシート金属の部品が本発明に係るアルミニウム合金から製造される場合、シート金属の長期の硬化を熱応力領域においても減少させることができる。合金Dの本発明に係る例示的実施形態に基づいて認識されるように、本発明に係るアルミニウム合金から乗物の対応するシート金属体部品を製造することが有利である。というのは、それらは、特に有利な硬化挙動を有し、適度な降伏強度値及び引張強さ値を有するからである。
Figure 0006721782
Figure 0006721782

Claims (14)

  1. 重量%単位で以下の合金成分、すなわち、
    0.40重量%≦Si≦0.55重量%、
    0.15重量%≦Fe≦0.25重量%、
    Cu≦0.06重量%、
    0.15重量%≦Mn≦0.40重量%、
    0.33重量%≦Mg≦0.40重量%、
    Cr≦0.03重量%、
    0.005重量%≦Ti≦0.10重量%、
    を含み、
    残りがAl及び個々に最大0.05重量%、合計で最大0.15重量%の不可避不純物である、
    乗物用アルミニウム合金を有するアルミニウム合金ストリップ。
  2. 前記アルミニウム合金のMn含有量が重量%単位で0.25重量%≦Mn≦0.35重量%であることを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウム合金ストリップ。
  3. 前記アルミニウム合金のCu含有量が重量%単位でCu<0.05重量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアルミニウム合金ストリップ。
  4. 前記アルミニウム合金のSi含有量が重量%単位で0.40重量%≦Si≦0.48重量%であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のアルミニウム合金ストリップ。
  5. 前記アルミニウム合金のMg含有量が重量%単位で0.35重量%≦Mg<0.40重量%であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のアルミニウム合金ストリップ。
  6. 前記アルミニウム合金ストリップが、T4条件において、圧延方向に対して横方向に測定された55MPa〜70MPaの降伏強度及び130MPa〜160MPaの引張強さを有することを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のアルミニウム合金ストリップ。
  7. 前記アルミニウム合金ストリップが、530℃で5分間の溶体化焼鈍、それに続く室温への急冷、室温で7日間の自然時効、205℃で30分間の加熱、及び80℃で500時間の加熱の後に圧延方向に対して横方向に測定された100MPa未満の降伏強度を有することを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のアルミニウム合金ストリップ。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載のアルミニウム合金ストリップを製造する方法であって、圧延インゴット又は鋳造ストリップを鋳造する方法ステップ、前記圧延インゴットを均質化する方法ステップ、前記圧延インゴット又は鋳造ストリップを熱間圧延する方法ステップ、及び場合によっては、中間焼鈍を伴って、又は伴わずに、最終厚さに冷間圧延する方法ステップを含む、方法。
  9. 請求項1〜の何れか一項に記載のアルミニウム合金ストリップから製造される自動車のシート金属体部品。
  10. 前記シート金属体部品、歩行者衝突保護のために提供される自動車のウイング(11)の一部、エンジンボンネット(10)の一部、屋根枠若しくは屋根(12)又は後部ドア(13)である、請求項9に記載のシート金属体部品。
  11. 重量%単位の以下の合金成分、すなわち、
    0.40重量%≦Si≦0.55重量%、
    0.15重量%≦Fe≦0.25重量%、
    Cu≦0.06重量%、
    0.20重量%≦Mn≦0.40重量%、
    0.33重量%≦Mg≦0.40重量%、
    Cr≦0.03重量%、
    0.005重量%≦Ti≦0.10重量%、
    を含み、
    残りがAl及び個々に最大0.05重量%、合計で最大0.15重量%の不可避不純物である、
    乗物用アルミニウム合金。
  12. 前記アルミニウム合金のMn含有量が重量%単位で0.25重量%≦Mn≦0.35重量%であることを特徴とする、請求項11に記載のアルミニウム合金。
  13. 前記アルミニウム合金のCu含有量が重量%単位でCu<0.05重量%であることを特徴とする、請求項11又は12に記載のアルミニウム合金。
  14. 前記アルミニウム合金のSi含有量が重量%単位で0.40重量%≦Si≦0.48重量%であり、及び/又はMg含有量が重量%単位で0.35重量%≦Mg<0.40重量%であることを特徴とする、請求項1113の何れか一項に記載のアルミニウム合金。
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