JP6724320B2 - 伸びと穴広げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents
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C :0.07%以上、0.22%以下、
Si:0.005%以上、1.00%以下、
Mn:1.50%以上、2.80%以下、
P :0.001%以上、0.100%以下、
S :0.0005%以上、0.010%以下、
N :0.0005%以上、0.010%以下、
Al:0.02%以上、1.00%以下
を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、
(i)金属組織が、面積率で15%以上、50%未満のフェライト、面積率で5%未満の残留オーステナイト、面積率で30%以上、72%以下のマルテンサイト、面積率で5%以下のパーライト、及び、残部がベイナイトからなり、
(ii)金属組織において、板厚方向の厚みが20μm以下のフェライト塊が、フェライト塊の総数の50%以上である
ことを特徴とする伸びと穴広げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
500℃以上、最高到達温度−50℃以下の温度域における平均加熱速度を1℃/秒以上として加熱し、上記保持後、最高到達温度−50℃の温度から、(A)式を満たす平均冷却速度X(℃/秒)で、(B)式を満たすT(℃)の温度域まで冷却し、面積率で15%以上、50%未満のフェライト、面積率で5%未満の残留オーステナイト、面積率で30%以上、72%以下のマルテンサイト、面積率で5%以下のパーライト、及び、残部がベイナイトからなり、板厚方向の厚みが20μm以下のフェライト塊が、フェライト塊の総数の50%以上である金属組織を形成することを特徴とする伸びと穴広げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
X(℃/秒)≧(Ar3−350)/10a ・・・(A)
a=0.6[C]+1.4[Mn]+1.3[Cr]+3.7[Mo]
+100[B]−0.87
T(℃)≧730−350[C]−90[Mn]−70[Cr]−83[Mo]
・・・(B)
[C]、[Mn]、[Cr]、[Mo]は、各元素の質量%
C :0.07%以上、0.22%以下、
Si:0.005%以上、1.00%以下、
Mn:1.50%以上、2.80%以下、
P :0.001%以上、0.100%以下、
S :0.0005%以上、0.010%以下、
N :0.0005%以上、0.010%以下、
Al:0.02%以上、1.00%以下
を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、
(i)金属組織が、面積率で15%以上、50%未満のフェライト、面積率で5%未満の残留オーステナイト、面積率で30%以上、72%以下のマルテンサイト、面積率で5%以下のパーライト、及び、残部ベイナイトからなり、
(ii)金属組織において、板厚方向の厚みが20μm以下のフェライト塊が、フェライト塊の総数の50%以上である
ことを特徴とする。
本発明めっき鋼板の成分組成からなる鋳造スラブを1100℃以上に加熱し、Ar3点以上の仕上げ温度で熱間圧延を終了し、400℃以上、670℃以下の温度域で巻き取り、次いで、酸洗を行った後、30%以上、70%以下の圧下率で冷間圧延を行って冷延鋼板とし、得られた冷延鋼板を、最高到達温度が720℃以上、900℃以下となるように加熱し、最高到達温度で、30秒以上、30分以下保持し、保持後冷却して、溶融亜鉛めっきを施す、請求項1又は2に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板を製造する製造方法であって、
500℃以上、最高到達温度−50℃以下の温度域における平均加熱速度を1℃/秒以上として加熱し、上記保持後、最高到達温度−50℃の温度から、(A)式を満たす平均冷却速度X(℃/秒)で、(B)式を満たすT(℃)の温度域まで冷却し、面積率で15%以上、50%未満のフェライト、面積率で5%未満の残留オーステナイト、面積率で30%以上、72%以下のマルテンサイト、面積率で5%以下のパーライト、及び、残部がベイナイトからなり、板厚方向の厚みが20μm以下のフェライト塊が、フェライト塊の総数の50%以上である金属組織を形成することを特徴とする。
X(℃/秒)≧(Ar3−350)/10a ・・・(A)
a=0.6[C]+1.4[Mn]+1.3[Cr]+3.7[Mo]
+100[B]−0.87
T(℃)≧730−350[C]−90[Mn]−70[Cr]−83[Mo]
・・・(B)
[C]、[Mn]、[Cr]、[Mo]は、各元素の質量%
板厚方向の厚み:20μm以下
存在割合:総数の50%以上
本発明めっき鋼板において最も重要な要件はフェライト塊の厚みである。フェライト塊の板厚方向の厚みが20μmを超えると、隣接する硬質相からの拘束がフェライト塊に対して不十分となり、フェライト塊の中心部に過度の変形が強いられたとき、局部的な変形が発生して、フェライトの変形限界に容易に達し、穴広げ性の向上効果が得られない。それ故、本発明めっき鋼板においては、板厚方向の厚みが20μm以下のフェライト塊に着目する。
C:0.07%以上、0.22%以下
Cは、鋼の強化に寄与する元素である。特に、マルテンサイトの硬さに強く影響を与える元素である。Cが0.07%未満であると、所要の強度を確保することが困難になるので、Cは0.07%以上とする。好ましくは0.10%以上である。
Siは、固溶強化により、延性を低下させずに、鋼の強度を高め元素であるが、溶融亜鉛めっきにおいては、めっきの濡れ性を低下させるとともに、合金化温度を高め、めっきの強度の低下を招く元素でもある。
Mnは、固溶強化により、又は、焼入れ性を高めて強度の向上に寄与する元素である。Mnが1.50%未満であると、添加効果が十分に得られないので、Mnは1.50%以上とする。好ましくは1.80%以上である。
Pは、鋼板の強度向上に寄与する元素であり、また、Cuと同時添加で耐食性の向上に寄与する元素である。Pが0.001%未満であると、添加効果が十分に得られないとともに、製鋼コストが大幅に上昇するので、Pは0.001%以上とする。
Sは、割れの起点となるMnS等の硫化物を形成し、穴拡げ性と全伸びを阻害する元素である。
Nは、窒化物を生成して、加工性を阻害する元素である。また、Nは、Ti及び/又はNbと共存すると、TiN及び/又はNbNを生成して、Ti及び/又はNbの有効量を低減するとともに、生成した窒化物により、伸び及び穴拡げ性を阻害する元素でもある。
Alは、脱酸作用をなす元素であり、また、Siと同様に、炭化物の生成を抑え、伸びと穴広げ性の向上に寄与する元素である。また、Alは、低Si系において、延性を阻害することなく、化成処理性を改善する元素でもある。
Mo:0.01%以上、0.30%以下
Nb:0.005%以上、0.050%以下
B:5ppm以上、50ppm以下
Ti、Mo、Nb、及び、Bは、再結晶を遅らせ、未再結晶フェライトの形成に寄与する元素である。また、Ti、及び、Nbは、炭化物又は窒化物を形成し、強度の向上に寄与する元素であり、Mo、及び、Bは、焼入れ性を高めて、マルテンサイト分率の制御に寄与する元素である。特に、Moは、焼鈍工程の冷却中のパーライトの生成抑制にも寄与する重要な元素である。
Crは、焼入れ性を向上させ組織制御に寄与し、また、セメンタイトの抑制にも寄与する元素である。Crが0.01%未満では、添加効果が十分に得られないので、Crは0.01%以上とする。好ましくは0.02%以上である。一方、Crが1.00%を超えると、焼入れ性が向上しすぎて、伸びが低下するので、Crは1.00%以下とする。好ましくは0.70%以下である。
フェライト:15%以上、50%未満
強度確保のため、マルテンサイトは30%以上とし、フェライトは50%未満とする。強度と穴広げ性を優先する場合、フェライトは37%未満が好ましい。伸び確保の点で、マルテンサイトは72%以下とし、フェライトは15%以上とする。高い伸びが必要な場合、マルテンサイトは65%以下が好ましく、フェライトは20%以上が好ましい。
伸び確保のため、残留オーステナイトを補助的に利用することが有効であるが、残留オーステナイトは、使用条件によっては、水素割れの発生源となるので、残留オーステナイトは5%未満とする。好ましくは4%以下である。伸び向上の点で、残留オーステナイトは1%以上が好ましい。
パーライトは、伸び、及び、穴広げ性を阻害するので、生成を回避して、5%以下とする。成形の厳しい条件下では、2%未満が好ましい。下限は0%を含む。
本発明めっき鋼板の金属組織に含まれるフェライト、マルテンサイト、及び、他の組織の面積率は、以下の方法で求める。鋼板から、圧延方向に平行な板厚断面が観察面となるように試料を採取し、観察面を研磨し、ナイタールエッチングを行い、光学顕微鏡又は走査電子顕微鏡(scanning electron microscopy:SEM)で観察し撮像する。撮像画像を、画像解析ソフトを用いて解析して、各組織の面積率を算出する。
fA=(2/3){100/(0.7×α(111)/γ(200)+1)}
+(1/3){100/(0.78×α(211)/γ(311)+1)}
500℃以上、最高到達温度−50℃以下の温度域における平均加熱速度を1℃/秒以上として加熱し、上記保持後、最高到達温度−50℃の温度から、(A)式を満たす平均冷却速度X(℃/秒)で、(B)式を満たすT(℃)の温度域まで冷却する
ことを特徴とする。
X(℃/秒)≧(Ar3−350)/10a ・・・(A)
a=0.6[C]+1.4[Mn]+1.3[Cr]+3.7[Mo]
+100[B]−0.87
T(℃)≧730−350[C]−90[Mn]−70[Cr]−83[Mo]
・・・(B)
[C]、[Mn]、[Cr]、[Mo]は、各元素の質量%
本発明めっき鋼板の成分組成からなる鋳造スラブを製造し、該鋳造スラブを、直接、又は、一旦冷却した後、1100℃以上に加熱して、熱間圧延に供する。
熱間圧延は、Ar3点以上の温度で仕上げ圧延を行う。熱延仕上げ温度がAr3点未満であると、冷間圧延で割れが発生し、材質が低下する懸念があるので、熱延仕上げ温度はAr3点以上とする。
Ar3=901−325×(%C)+33×(%Si)+287×(%P)
+40×(%Al)−92×((%Mn)+(%Mo))
Ar3点以上の温度で仕上げ圧延を終了した熱延鋼板を、400℃以上、670℃以下の温度域で巻き取る。巻取り温度が400℃未満であると、熱延鋼板の強度が上昇して、冷間圧延時の負荷が増大するので、巻取り温度は400℃以上とする。好ましくは450℃以上である。
熱延鋼板を巻き戻して、酸洗してスケール層を除去した後、冷間圧延に供する。冷間圧延は、30%以上、70%以下の圧下率で行う。圧下率が30%未満であると、再結晶核の形成が起こり難く、回復粒の粗大化によって粒成長が始まって、再結晶が不十分となり、延性が劣化するので、圧下率は30%以上とする。好ましくは35%以上である。
最高到達温度:720℃以上、900℃以下
保持時間:30秒以上、30分以下
焼鈍工程は、本発明めっき鋼板の金属組織を作りこむうえで、最も重要な工程である。最高到達温度が720℃未満であると、十分な量のオーステナイトを形成できず、十分な量のマルテンサイトを確保できず、所要の強度を確保できないので、最高到達温度は720℃以上とする。好ましくは770℃以上である。
500℃以上、最高到達温度−50℃以下の温度域における平均加熱速度:1℃/秒以上
焼鈍工程における加熱速度は重要な要件である。フェライトの分散を制御するためには、平均加熱速度は速い方が好ましく、平均加熱速度が1℃/秒未満であると、優先核生成位置から核が生成してフェライト塊が大きくなり、穴広げ性が低下するので、平均加熱速度は1℃/秒以上とする。好ましくは5℃/秒以上である。
最高到達温度−50℃の温度から、(B)式を満たすT(℃)までの温度域における平均冷却速度X(℃/秒):(A)式
鋼板を、最高到達温度に所要に時間保持した後、冷却する。平均冷却速度が遅いと、冷却途中にパーライトが生成し、伸びと穴広げ性が低下するので、生成を回避する必要がある。
a=0.6[C]+1.4[Mn]+1.3[Cr]+3.7[Mo]
+100[B]−0.87
T(℃)≧730−350[C]−90[Mn]−70[Cr]−83[Mo]
・・・(B)
[C]、[Mn]、[Cr]、[Mo]は、各元素の質量%
表1に示す成分組成の鋼を溶製し、常法に従い連続鋳造法により鋳造スラブとした。表1において、符号A〜Lの鋼は、成分組成が本発明の範囲を満たしている発明鋼である。
Claims (4)
- 成分組成が、質量%で、
C :0.07%以上、0.22%以下、
Si:0.005%以上、1.00%以下、
Mn:1.50%以上、2.80%以下、
P :0.001%以上、0.100%以下、
S :0.0005%以上、0.010%以下、
N :0.0005%以上、0.010%以下、
Al:0.02%以上、1.00%以下
を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなり、
(i)金属組織が、面積率で15%以上、50%未満のフェライト、面積率で5%未満の残留オーステナイト、面積率で30%以上、72%以下のマルテンサイト、面積率で5%以下のパーライト、及び、残部がベイナイトからなり、
(ii)金属組織において、板厚方向の厚みが20μm以下のフェライト塊が、フェライト塊の総数の50%以上である
ことを特徴とする伸びと穴広げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。 - 前記成分組成が、さらに、質量%で、Ti:0.01%以上、0.10%以下、Mo:0.01%以上、0.30%以下、Nb:0.005%以上、0.050%以下、Cr:0.01%以上、1.00%以下、及び、B:5ppm以上、50ppm以下の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の伸びと穴広げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
- 請求項1又は2に記載の成分組成からなる鋳造スラブを1100℃以上に加熱し、Ar3点以上の仕上げ温度で熱間圧延を終了し、400℃以上、670℃以下の温度域で巻き取り、次いで、酸洗を行った後、30%以上、70%以下の圧下率で冷間圧延を行って冷延鋼板とし、得られた冷延鋼板を、最高到達温度が720℃以上、900℃以下となるように加熱し、最高到達温度で、30秒以上、30分以下保持し、保持後冷却して、溶融亜鉛めっきを施す、請求項1又は2に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板を製造する製造方法であって、
500℃以上、最高到達温度−50℃以下の温度域における平均加熱速度を1℃/秒以上として加熱し、上記保持後、最高到達温度−50℃の温度から、(A)式を満たす平均冷却速度X(℃/秒)で、(B)式を満たすT(℃)の温度域まで冷却し、面積率で15%以上、50%未満のフェライト、面積率で5%未満の残留オーステナイト、面積率で30%以上、72%以下のマルテンサイト、面積率で5%以下のパーライト、及び、残部がベイナイトからなり、板厚方向の厚みが20μm以下のフェライト塊が、フェライト塊の総数の50%以上である金属組織を形成することを特徴とする伸びと穴広げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
X(℃/秒)≧(Ar3−350)/10a ・・・(A)
a=0.6[C]+1.4[Mn]+1.3[Cr]+3.7[Mo]
+100[B]−0.87
T(℃)≧730−350[C]−90[Mn]−70[Cr]−83[Mo]
・・・(B)
[C]、[Mn]、[Cr]、[Mo]は、各元素の質量% - 前記溶融亜鉛めっきの後、調質圧延を施すことを特徴とする請求項3に記載の伸びと穴広げ性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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