本開示に係る燃料供給システムの一実施の形態として、給油ノズルの筒先を車両等の給油口に挿入し、ガソリン,軽油といった燃料を車両等の燃料タンクに補給する計量機が備えられたガソリンスタンド等の給油所に適用した燃料供給システムを例に、以下、その実施例について、図面を参照しながら説明する。なお、本開示に係る燃料供給システムは、計量機が備えられたガソリンスタンド等の給油所に限られることなく、供給対象に、ガソリン,軽油以外の液体燃料や液化ガスを供給する燃料供給装置が備えられた燃料供給所に適用可能である。
図1は、本開示に係る燃料供給システムが適用される駆け付け方式の給油所の一実施例の概略構成図である。
図1において、駆け付け方式の給油所1は、給油所1の作業管理者が給油作業時以外に常在する常在領域2A、例えば併設店舗2の近隣に位置して立地されている。そのため、作業管理者は、常在領域2Aである併設店舗2と給油所1との間を容易かつ迅速に行き来できるようになっている。
図示の例では、給油所1には、燃料供給装置としての計量機10と、呼び出し装置としてのインターホン装置5の子機5bがアイランド上に設けられている。計量機10は、給油所1の敷地地下に埋設された貯油タンク(図示省略)と連通接続されている。また、インターホン装置5の子機5bは、併設店舗2に設けられたインターホン装置5の親機5aと通信接続され、呼び出し又は通話が可能になっている。給油所1に燃料補給に来た顧客は、給油所1に作業管理者が居ない場合は、インターホン装置5で併設店舗2に居る作業管理者を呼び出し、併設店舗2から駆け付けた作業管理者により、供給対象である車両等のタンクに計量機10で燃料補給をして貰うようになっている。
図2は、給油所に設置された計量機の一実施例を示した構成図である。
計量機10は、本体11内に、ポンプユニット12,ポンプモータ13,流量計14等の機器や、装置各部を制御する制御装置16が収納されている一方、本体11からは、先端に給油ノズル18が接続された給油ホース17が導出され、さらに本体11の筐体面には、給油作業における給油量等の情報を表示する表示器19が設けられた構造になっている。
ポンプユニット12は、その吸込側が地下配管を介して貯油タンクと連通され、吐出側が流量計14と連通接続されている。ポンプユニット12は、ポンプモータ13の駆動によって、送液機器として、貯油タンク内に貯留されている燃料油液を吸い込み、流量計14を介して、給油ホース17及び給油ノズル18に送液する。
流量計14は、ポンプユニット12から給油ホース17及び給油ノズル18に向けて送液された燃料液量を計測する。流量計14には、流量発信器15が付設され、流量発信器15からは、単位流量毎の油液の流れに比例した流量パルスが出力される。
給油ノズル18は、待機時(非給油作業時)は、本体11の筐体面に設けられたノズル収納部20に掛け戻されて載置され、給油作業時(燃料供給作業時)は、ノズル収納部20から取り出されて使用される。本体11内のポンプユニット12、流量計14から給油ホース17、給油ノズル18に到る燃料供給経路は、給油作業の際、作業者によって利用される給油系統30を構成する。
ノズル収納部20には、ノズルスイッチ21が設けられている。ノズルスイッチ21は、給油ノズル18のノズル収納部20からの取り出し、及びノズル収納部20への掛け戻し(収納)に応動してON/OFF作動し、ノズル収納部20に対する給油ノズル18の取り出し・掛け戻しを検出する。
その上で、ポンプモータ13、表示器19等の計量機10の各部は、制御装置16によって制御される。制御装置16は、メモリ,入出力インタフェース等を備えたマイクロコンピュータ装置を含んで構成されている。
具体的に、制御装置16は、油液供給制御部として、設定器(図示せず)等により設定された燃料供給条件に基づき、ノズルスイッチ21の検知出力から、該当する給油ノズル18がノズル収納部20から取り出されるとポンプモータ13を起動し、給油ノズル18がノズル収納部20に掛け戻されて収納されるとポンプモータ13の駆動を停止させ、給油ノズル18への油液の送液を制御する。
また、制御装置16は、給油量演算表示部として、流量発信器15からの流量パルスの入力に基づき、給油作業時における給油量を演算し、表示器19に表示する。
このように、油液供給制御部及び給油量演算表示部として機能する制御装置16によって、給油作業の際、計量機10では、その作業開始に当たって給油ノズル18がノズル収納部20から取り出されると、ポンプユニット12からの油液の送液が開始される。したがって、この送液が開始された状態で、給油ノズル18の操作レバー18sを開弁操作すれば、その吐出パイプ筒先から油液が吐出され、供給対象に対する燃料補給を開始することができる。その際、供給対象への給油量は、表示器19によって確認できる。その後、供給対象に対する燃料補給が完了し、給油ノズル18の操作レバーが閉弁操作され、ノズル収納部20に給油ノズル18が掛け戻されて収容されると、制御装置16によって、ポンプユニット12からの油液の送液が停止され、供給対象に対する一連の給油作業が終了することになる。
そこで、本実施例の場合、駆け付け方式の給油所1に適用される計量機10には、給油所1の作業管理者が給油所1に居合わせない場合には、このような一連の給油作業を開始できないようするための作業開始規制システム40が備えられている。
図3は、作業開始規制システムの概略構成図である。
作業開始規制システム40は、被検知片41と、被検知片検知部42と、判断部43と、供給装置ロック部44とを含んで構成されている。
被検知片41は、例えばRFID(radio frequency identifier)のような電子タグ(ICタグ)、若しくは電子タグが担持された携帯カード等で構成され、携帯可能になっている。被検知片41は、給油所1の作業管理者が携帯所持することを前提に、識別信号を発信可能な構成になっている。
被検知片検知部42は、給油所1内の所定場所に設置され、予め設定された距離範囲内にこの被検知片41が所在しているか否かを検知する。被検知片検知部42には、例えば、被検知片41の電子タグに対応した、電子タグ読み取り装置が用いられている。これにより、被検知片検知部42は、被検知片41からの送信電波を受信できるか否かに基づいて、自身から予め設定された距離範囲内に作業管理者が居るか否かを検知する。被検知片41の電子タグには、パッシブタグ、アクティブタグ、セミアクティブタグが利用可能である。
供給装置ロック部44は、被検知片検知部42による被検知片41からの送信電波を受信したか否かに応じて、計量機10を用いた給油作業を規制又は規制解除する。具体的には、供給装置ロック部44は、被検知片検知部42による被検知片41からの送信電波を受信していない場合には、計量機10の装置状態を、給油作業が行えないように保持することによって、計量機10を用いた給油作業を規制する一方、被検知片41からの送信電波を受信した場合には、計量機10の装置状態を、給油作業が行い得るように保持することによって、計量機10を用いた給油作業の規制を解除する。これにより、被検知片を携帯所持する燃料供給所の作業管理者が、燃料供給作業のために、燃料供給作業時以外に常在する常在領域(例えば、近隣の併設店舗等)から燃料供給所に駆け付けるだけで、燃料供給作業の開始を許容又は禁止する供給装置ロック部が自動的にロック解除されて、燃料供給作業を開始できるようになるので、駆け付けた作業管理者が行わなければならない燃料供給装置の稼動開始作業の手間を軽減し、燃料供給作業における安全性のさらなる向上もはかれる。
また、供給装置ロック部44内に設けられた判断部43は、被検知片検知部42の検知出力と制御装置16からの燃料供給条件に基づいて、計量機10を用いた給油作業の規制を解除するか否かを判断する。具体的には、判断部43は、被検知片検知部42の検知出力があった場合、つまり、被検知片41を携帯所持している作業管理者が給油所1内の所定領域1A内に居る場合は、制御装置16からの燃料供給条件により設定された燃料供給系統への給油作業の規制の解除を行い、給油所1内の所定領域1A内に居ない場合は、制御装置16からの燃料供給条件により設定された燃料供給系統への給油作業を禁止する。なお、判断部43は、供給装置ロック部44内ではなく、燃料供給装置内でもよいし、また、制御装置16内にあってもよいし、例えば、給油所の事務所内にある給油所管理機の制御部が兼ねてもよいのはもちろんである。
ここで、所定領域1Aは、作業管理者の常在領域2Aである併設店舗2をその領域内に含みさえしなければ、給油所1内の一部領域であっても全体であってもよい。また、その位置や大きさ・形状等も随意であり、所定領域1Aの一部が給油所1の敷地をはみ出してもよい。さらに、所定領域1Aは、給油所1内の複数の位置に、それぞれ別々に設けることも可能である。このような所定領域1Aは、給油所1内における被検知片検知部42の設置位置や、被検知片検知部42が被検知片41からの識別信号を受信することができる受信可能範囲の大きさ、又は被検知片41から発信される識別信号の送信距離(送信出力の大きさ)等を適宜調整することによって、規定することができる。
本実施例の作業開始規制システム40では、所定領域1Aは、被検知片検知部42を図1、図2に示すように計量機10の本体11に設け、被検知片検知部42による受信可能範囲を計量機10の設置場所であるアイランド及びその周辺に限るようにして、計量機10による給油作業エリア1Bに対応するように規定されている。これにより、被検知片検知部42は、被検知片41を携帯所持している作業管理者が給油所1内に居るだけではなく、給油作業エリア1Bに居ることを検知できるようになっている。
また、被検知片検知部42としての電子タグ読み取り装置は、図2に示すように、油液供給制御部及び給油量演算表示部として機能する計量機10の制御装置16と接続されて、計量機10の制御装置16が作業開始規制システム40の判断部43としても機能するようになっている。これにより、制御装置16は、判断部43として、被検知片41を携帯所持している作業管理者が、給油所1の計量機10による給油作業エリア1Bに居る場合は、計量機10を用いた給油作業の開始を許可するように、給油作業エリア1Bに居ない場合は、計量機10を用いた給油作業の開始を禁止するように判断する。
また、供給装置ロック部44は、ノズル収納部20に一体的に設けられ、ノズル収納部20からの給油ノズル18の取り出しを規制するノズル取り出しロック機構22で構成されている。
図4は、ノズル取り出しロック機構の一実施例の概略構成図である。
ノズル収納部20は、給油ノズル18を支持する支持部20aと、給油ノズル18の吐出パイプ筒先が収容される筒先収容部20bとを有し、ノズルスイッチ21と、ノズル取り出しロック機構22とが一体的に取り付けられている。ノズル取り出しロック機構22は、係止片22aと、この係止片22aを進退変位させる係止片駆動部22bとを有し、ノズル収納部20の支持部20aに設置されている。
ノズル取り出しロック機構22は、図示の例では、給油ノズル18の握り部18pとレバーガード18qとノズル本体部18rとで囲まれた操作レバー18sの操作領域内に対して、係止片駆動部22bの駆動により係止片22aを進退変位させて、その変位状態に応じて、給油ノズル18をノズル収納部20から取り出し可能な状態、又は取り出しできない状態に保持する。
このように構成された作業開始規制システム40においては、その判断部43を兼ねた計量機10の制御装置16が、被検知片検知部42の検知出力に基づいて、供給装置ロック部44としてのノズル取り出しロック機構22を備えた計量機10の各部を、図5〜図7に示すように作動制御する。
図5は、計量機の作業開始規制システムに係り、計量機の起動時に制御装置が行う作業開始規制処理を説明するためのフローチャートである。
図6、図7は、計量機の作業開始規制システムに係り、図5に示した作業開始規制処理の実行後に制御装置が行う作業開始規制処理を説明するためのフローチャートである。
まず、図5において、計量機10の主電源(図示略)がオンされて計量機10が起動されると、その制御装置16は、次のような処理を行う。
ステップS010:制御装置16は、計量機10の起動時のイニシャライズ処理を行い、計量機10を給油作業が行える稼動状態にする。例えば、このイニシャライズ処理には、表示器19、供給装置ロック部44としてのノズル取り出しロック機構22の作動確認処理(異常確認処理)も含まれる。ここでは、仮に、ノズル取り出しロック機構22の作動確認処理が行われた後は、ノズル取り出しロック機構22は、給油ノズル18の取り出しが行えるロック解除状態(操作レバー18sの操作領域内に、係止片22aが進入していない状態)になっているものとして、以下、説明する。
ステップS020:制御装置16は、起動時のイニシャライズ処理を終えると、被検知片41、すなわちこの被検知片41を携帯所持している作業管理者が、給油所1内の所定領域1Aの外に居るか否かの確認を行う。この確認は、作業開始規制システム40の判断部43でもある制御装置16が、被検知片検知部42の検知出力に基づき判断する。この確認で、制御装置16は、作業管理者が給油所1内の所定領域1Aの外に居ることを確認すると、ステップS040の処理を行う一方、作業管理者が給油所1内の所定領域1A内に居ることを確認すると、ステップS030の処理を行う。
ステップS030:制御装置16は、給油所1内の所定領域1A内に居る作業管理者が給油所1に来店した給油顧客に対し給油作業を行うため、給油ノズル18がノズル収納部20から取り出されたか否かを確認する。この確認は、制御装置16が、ノズルスイッチ21の検知出力に基づき判断する。この確認で、給油ノズル18がノズル収納部20に収納状態になっていることを確認すると、制御装置16は、ステップS020で、作業管理者が給油所1内の所定領域1Aから離れてその外に居ること、又はステップS030で、作業管理者が所定領域1Aに居る間に給油ノズル18がノズル収納部20から取り出されたことが確認されるまで、ステップS020、S030の処理を繰り返す。一方、この確認で、給油ノズル18がノズル収納部20から取り出されたことを確認すると、図6、図7に示す作業開始規制処理のステップS180の処理を行う。
ステップS040:ステップS020で、作業管理者が給油所1内の所定領域1Aの外に居ることを確認すると、給油所1に来店した給油顧客からの呼び出しがあるまで、常在領域2Aの併設店舗2で作業管理者は業務を行っているものとして、作業開始規制システム40の判断部43でもある制御装置16は、供給装置ロック部44としてのノズル取り出しロック機構22をロック作動させる。これにより、ノズル取り出しロック機構22は、給油ノズル18の取り出しが行えないロック状態(操作レバー18sの操作領域内に、係止片22aが進入している状態)になり、給油作業の開始、この場合は、ノズル収納部20からの給油ノズル18の取り出しをできなくする。そして、制御装置16は、装置起動時の作業開始規制処理の実行後に行う、図6、図7に示す作業開始規制処理を開始する。
図6、図7に示した作業開始規制処理では、制御装置16は、次のような処理を行う。
ステップS110:作業管理者は、給油所1に来店した給油顧客からの呼び出しが発生するまで、その常在領域2Aである併設店舗2で店舗業務を行うことができる。
ステップS120:その一方で、給油所1に来店した給油顧客は、まず、給油所1の作業管理者が不在であるか否かを確認する。そして、作業管理者が不在であることを確認した場合は、インターホン装置5の子機5bを操作して作業管理者の呼び出しを行う。一方、給油所1の作業管理者が給油所1に居る場合は、ステップS170に進み、作業管理者による計量機10を用いた給油作業を受けることになる。
ステップS130:ステップS120で、給油顧客がインターホン装置5の子機5bを操作して作業管理者の呼び出しを行った場合、併設店舗2で店舗業務を行っている給油所1の作業管理者は、インターホン装置5の親機5aから給油顧客の来店報知を受ける。
ステップS140:被検知片41を携帯所持している作業管理者は、ステップS130で給油顧客の来店報知を受けると、給油作業を行うために併設店舗2から給油所1に駆け付ける。
ステップS150:作業管理者が給油顧客からの呼び出しを受けてから給油所1に駆け付けるまでの間、図5におけるステップS040で、又は後述の図6におけるステップS150で、給油ノズル18のノズル収納部20からの取り出しによる給油作業の開始を行えないようにしてあるノズル取り出しロック機構22は、計量機10の制御装置16によってロック状態にそのまま保持されている。その一方で、作業開始規制システム40の判断部43でもある制御装置16は、この間、作業管理者が給油所1に到着したか否かを、被検知片検知部42による被検知片41の検知出力を基に、監視している。その際、被検知片検知部42は、作業管理者が給油所1に到着したか否かを、給油所1内の所定領域1Aとしての給油作業エリア1Bに被検知片41が所在するか否かによって検出する。
ステップS160:ステップS150で、作業管理者が給油所1に到着して被検知片41が給油作業エリア1Bに所在することを被検知片検知部42が検知すると、制御装置16は、計量機10を用いた給油作業の開始を許可判断して、ノズル取り出しロック機構22を給油ノズル18の取り出しが行えるロック解除状態(操作レバー18sの操作領域内に、係止片22aが進入していない状態)にして、給油作業の開始が行えるようにする。
ステップS170:ステップS160でノズル取り出しロック機構22をロック解除状態にすると、制御装置16は、計量機10の油液供給制御部として、ノズル収納部20に設けられたノズルスイッチ21の検知出力に基づいて、作業管理者により給油ノズル18がノズル収納部20から取り出されて、給油顧客に対する給油作業が開始されたか否かを確認する。
ステップS180:制御装置16は、ステップS170で給油ノズル18がノズル収納部20から取り出されて給油作業が開始されたことを確認すると、ポンプモータ13を起動してポンプユニット12から給油ノズル18への送液を開始する。この状態で、作業管理者が給油ノズル18の筒先を車両等の給油口に挿入して操作レバー18sを開弁操作すれば、その吐出パイプ筒先から油液が吐出され、車両等への燃料補給が行われる。
ステップS190:ステップS170、S180によって給油作業が開始されると、制御装置16は、計量機10の給油量演算表示部として、流量計に付設された流量発信器15から出力される流量パルスに基づいて給油顧客に対する給油量を演算し、表示器19に表示する。
ステップS200:同様に、制御装置16は、ステップS170、S180によって給油作業が開始されると、計量機10の油液供給制御部として、この開始した給油作業が終了した否かを確認する。この場合、給油作業の終了は、作業管理者が給油ノズル18の操作レバー18sを閉弁操作して、給油ノズル18をノズル収納部20に収納することで行われる。ここでは、制御装置16は、ノズル収納部20に設けられたノズルスイッチ21の検知出力に基づいて、給油ノズル18がノズル収納部20に収納されたことにより給油作業が終了したことを判断する。
ステップS210:制御装置16は、ステップS200で給油ノズル18がノズル収納部20に収納されて給油作業が終了したことを確認すると、ポンプモータ13を停止してポンプユニット12から給油ノズル18への送液を終了する。
ステップS220:制御装置16は、ステップS170〜S210で示したようにして給油顧客に対する給油作業を終えると、被検知片41を携帯所持している作業管理者が、例えば別の給油作業や別の給油顧客の来店に備えて作業管理者が未だ給油所1内の所定領域1Aに残って居るか、又は、常在領域2Aの併設店舗2で店舗業務を行うために所定領域1Aの外に移動して居るかを確認する。この確認は、作業開始規制システム40の判断部43でもある制御装置16が、被検知片検知部42の検知出力に基づき、判断する。この確認で、制御装置16は、作業管理者が給油所1内の所定領域1Aの外に居ることを確認すると、ステップS240の処理を行う一方、作業管理者が給油所1内の所定領域1A内に居ることが確認すると、ステップS230の処理を行う。
ステップS230:制御装置16は、例えば作業管理者が給油所1に来店した別の給油顧客に対し給油作業を行う等のために、給油ノズル18がノズル収納部20から取り出されたか否かを確認する。この確認は、制御装置16が、ノズルスイッチ21の検知出力に基づき、判断する。この確認で、給油ノズル18がノズル収納部20に収納状態になっていることを確認すると、制御装置16は、ステップS220で、作業管理者が給油所1内の所定領域1Aから離れてその外に居ること、又はステップS230で、作業管理者が所定領域1Aに居る間に給油ノズル18がノズル収納部20から取り出されたことが確認されるまで、ステップS220、S230の処理を繰り返す。一方、この確認で、給油ノズル18がノズル収納部20から取り出されたことを確認すると、ステップS180の処理を行う。
ステップS240:ステップS220で、作業管理者が給油所1内の所定領域1Aの外に居ることを確認すると、給油所1に来店した給油顧客からの呼び出しがあるまで、作業管理者は常在領域2Aの併設店舗2に戻り店舗業務を行っているものとして、作業開始規制システム40の判断部43でもある制御装置16は、供給装置ロック部44としてのノズル取り出しロック機構22をロック作動させる。これにより、ノズル取り出しロック機構22は、給油ノズル18の取り出しが行えないロック状態(操作レバー18sの操作領域内に、係止片22aが進入している状態)になり、給油作業の開始、この場合は、ノズル収納部20からの給油ノズル18の取り出しをできなくする。
このように、本実施例の燃料供給システムにおける作業開始規制システム40によれば、駆け付け方式の給油所1の営業中に、作業管理者が常在領域2Aの併設店舗2で店舗業務を行っている間を含む、作業管理者が給油所1を不在にしている間は、被検知片検知部42は、作業管理者が携帯所持している被検知片41が給油所1内の所定領域1Aに所在していることを検知できないため、判断部43が作業管理者の不在を判断して供給装置ロック部44をロック作動する。
これにより、計量機10が給油所1の営業中に稼働状態になっていても、給油作業の開始、すなわち給油ノズル18のノズル収納部20からの取り出しができなくなり、給油顧客自らが作業管理者が給油所1に居ない状況で給油作業を行うことができなくなり、給油作業における安全性のさらなる向上がはかれる。そして、給油所1の防犯もはかれる。
また、給油顧客の来店の度に給油所1に駆け付ける作業管理者にとっては、給油顧客が給油所1に来店する度に計量機10の主電源をオンしたり、作業管理者自身が給油所1を離れる度に計量機10の主電源をオフしたりする必要が無いので、計量機10の稼動開始作業(例えば、計量機10の主電源のオン等)、稼動停止作業(例えば、計量機10の主電源のオフ等)の手間を軽減できる。
なお、図1、図2に示した実施例では、理解を容易にするため、給油所1は、1台の計量機10が備えられた給油所1を例に、その作業開始規制システム40について説明したが、複数台の計量機10が設けられた給油所1でも、計量機10毎に作業開始規制システム40を設けることにより、容易に対応できる。また、その際、作業開始規制システム40を構成する被検知片検知部42や判断部43は、計量機10毎に設けられる供給装置ロック部44としてのノズル取り出しロック機構22とは異なり、複数の計量機10で共用することも可能である。
また、図1、図2に示した実施例では、作業管理者が給油所1に駆け付けたことを、給油所1内の所定領域1Aに被検知片41を携帯所持する作業管理者が居るか否かで確認するようにしたが、その確認方法はこれに限定されない。例えば、給油所1内の所定領域1Aを給油所全体とし、作業管理者が駆け付ける給油所入口に、被検知片検知部42としての一対の電子タグ読み取り装置をその駆け付け方向に沿って設け、各電子タグ読み取り装置による被検知片41の検知出力に基づいて、作業管理者の給油所に対する進入・退出を直接検知するようにしてもよい。さらに、供給装置ロック部44としてのノズル取り出しロック機構22の構成は、ノズル収納部20からの給油ノズル18の取り出しを許容及び禁止する構成であるならば、図4に示した具体的な構成に限定されない。
次に、本開示に係る燃料供給システムが適用される駆け付け方式の給油所の別の実施例について、図面に基づいて説明する。その説明に当たっては、前述した実施例と同一もしくは同様な構成部については、同一符号を付し、その詳細な構成の説明は省略する。
図8は、本開示に係る燃料供給システムが適用される駆け付け方式の給油所の別の実施例の概略構成図である。
図示の駆け付け方式の給油所1では、燃料供給装置としての計量機10は、給油所事務所1C内に設けられた給油所管理機(給油所用POS端末機)50と通信回線によって接続され、給油所管理機50を中心にした給油所内ネットワーク(給油所LAN)を構成するようになっている。
また、この給油所内ネットワークには、計量機10に加えて、作業開始規制システム40を構成する被検知片検知部42や、給油所事務所1Cの入口扉に設けられたオートロック機構51や、作業管理者の常在領域2Aの併設店舗2に設けられた顧客来店報知器52も接続されている。
そして、図示の給油所1は、作業管理者が給油所1内に所在していることを条件に、給油顧客自らが給油作業を行うことができるセルフサービス給油所1になっている。それに伴い、計量機10は、図9に示したような構成になっている。
図9は、給油所管理機を中心にした給油所内ネットワークシステムの概念図である。
計量機10は、油種毎に異なる、複数の給油系統30(30d、30p、30r)を備えた構成になっている。各給油系統30(30d、30p、30r)のノズル収納部20(20d、20p、20r)には、それぞれノズルスイッチ(図示省略)とノズル取り出しロック機構22(22d、22p、22r)が設けられている。
計量機10の制御装置16は、これら複数の給油系統30(30d、30p、30r)の中から給油顧客が設定した給油条件に該当する給油系統30(例えば、30r)を択一的に選択して、その油液供給制御部及び給油量演算表示部として機能し、選択された給油系統30(30r)の油液供給制御及び給油量演算表示を行い、その給油作業中は排他的に他の給油系統30(例えば、30d、30p)を用いた給油を行わせない。
そのため、計量機10には、給油系統間で共用する表示器19と、給油顧客が給油する油種、給油量、支払い方法等の給油条件を設定操作するための設定器31と、給油作業を行っている給油顧客が給油作業中に給油作業エリア1Bから離れてしまうのを監視する人検知センサ32とを備えている。そして、計量機10の制御装置16は、油液供給制御部、給油量演算表示部に加えて、給油顧客が給油作業中に給油作業エリア1Bから離れてしまったのを人検知センサ32の検知出力に基づき検知した場合は、選択された給油系統30(30r)の給油ノズル18への油液の送液を含め、実行中の給油作業を中断させる安全制御部としても機能するようになっている。
その上で、本実施例においては、給油所1の作業管理者が給油所1に居合わせない場合に、計量機10を用いた一連のセルフサービス給油作業を開始できないようするための作業開始規制システム40は、次のように構成されている。
被検知片検知部42は、給油所1内の給油所事務所1Cの建屋に設置され、所定領域1Aとして、給油所事務所1Cの建屋内を含め、給油所1内に被検知片41が所在しているか否かを検知する。また、判断部43は、給油所管理機50の図示せぬ制御部が兼ね、被検知片検知部42の検知出力に基づいて給油所1内に被検知片41を携帯所持した作業管理者が居るか否かを判断する。供給装置ロック部44には、給油所管理機50による管理下で計量機10の制御装置16により作動制御されるノズル取り出しロック機構22(22d、22p、22r)、各給油系統30(30d、30p、30r)のポンプモータや定量弁(図示省略)が該当する。
そして、計量機10の制御装置16は、作業開始規制システム40の判断部としての給油所管理機50の管理下で、次に述べるように作動する。
まず、給油顧客が、給油作業を行うために給油条件を設定器31で設定しようとすると、計量機10の制御装置16は、人検知センサ32からの人検知出力に基づいて設定器31を設定入力操作可能な状態にするとともに、その人検知情報を給油所管理機50に送信する。
これを受けて、給油所管理機50は、被検知片検知部42の検知出力を基に、給油所1内に被検知片41を携帯所持した作業管理者が居ない場合は(図6のステップS110、S120が共にYESの場合に該当)、作業管理者の常在領域2Aの併設店舗2に設けられた顧客来店報知器52を報知作動させる。これにより、併設店舗2に居る場合、作業管理者は、顧客来店報知器52の作動により、給油所1に駆け付けることができる(図6のステップS130、S140に該当)。
したがって、給油顧客は、給油所1内すなわち所定領域1Aに作業管理者が居なくても、インターホン装置5を操作しなくとも併設店舗2に居る作業管理者を給油所1に呼び出すことが自動で可能となり、作業管理者が給油所1に駆け付けるまでの間に(図6のステップS130、S140に該当)、給油顧客は、給油作業を開始するための準備として、設定器31を操作して給油条件の設定作業を行うことが可能になる(図6中に、ステップS131、S141で表示)。
その後、給油顧客が給油条件の設定作業を完了すると、計量機10の制御装置16は、設定された給油条件の情報を給油所管理機50に送信し、給油所管理機50はその設定された給油条件が適正であれば、計量機10に対して、給油条件で設定された油種の給油系統30について給油作業許可(許可信号)を送信する。その際、本実施例では、作業開始規制システム40の判断部43を兼ねた給油所管理機50は、被検知片検知部42の検知出力に基づいて、作業管理者が給油所1に到着するまでは(図6のステップS150がYESになる場合に該当)、この計量機10に対しての給油作業許可を保留するようになっている(図6中に、ステップS159で表示)。これにより、本実施例でも、作業管理者が給油所1に居ない場合は、給油顧客は給油条件の設定作業を行っても、給油作業を開始できないようになっている。
そして、作業管理者が給油所1に到着して、給油所管理機50から送信される給油作業許可(許可信号)を計量機10の制御装置16が受信すると、制御装置16は、給油許可され、給油条件で設定された油種の給油系統30についてのみ、対応するポンプモータや定量弁(図示省略)を送液作動して、ノズル取り出しロック機構22をロック解除作動し、給油作業を開始できるようにする(図6のステップS160に該当)。
その後、計量機10の制御装置16は、給油作業が終了すると(図7のステップS200に該当)、油条件で設定された油種の給油系統30について、対応するポンプモータや定量弁(図示省略)を送液停止作動して(図7のステップS210に該当)、ノズル取り出しロック機構22をロック作動して(図7のステップS240に該当)、給油情報を給油所管理機50に送信する。
これにより、計量機10は、次の給油作業で作業開始規制システム40の判断部43としての給油所管理機50から給油作業許可を受信するまでは、給油系統30(30d、30p、30r)全ては給油作業を開始できないように保たれることになる。したがって、本実施例の場合も、作業管理者が給油所1に居ない場合は、顧客は給油作業を開始することができない。また、給油所事務所1Cの入口扉に設けられたオートロック機構51を、被検知片検知部42の検知出力に基づいて、給油所営業中であっても、作業管理者が給油所1に居ない場合は入口扉にロックが掛かるようにしておくことにより、給油所事務所1Cの防犯もはかれる。
以上、説明したように、本開示に係る燃料供給システムは、被検知片、被検知片検知部、判断部、供給装置ロック部を含む作業開始規制システムを、燃料を供給するシステム上に構成することによって、上述した実施例の具体的な給油システムに限定されず、種々の燃料供給システムに適用可能である。