以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置および半導体装置の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および−は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本明細書では、ミラー指数の表記において、“−”はその直後の指数につくバーを意味しており、指数の前に“−”を付けることで負の指数を表している。
(実施の形態1)
本発明にかかる半導体装置は、ワイドバンドギャップ半導体を用いて構成される。実施の形態1においては、ワイドバンドギャップ半導体として例えば炭化珪素(SiC)を用いて作製された炭化珪素半導体装置について説明する。図1は、実施の形態1にかかる半導体装置の構造の一例を示す断面図である。図2は、実施の形態1にかかる半導体装置の配線構造を示す断面図である。図1には、炭化珪素からなる半導体基体(以下、炭化珪素基体(半導体基板(半導体チップ))とする)100の活性領域を図示し、活性領域の周囲を囲むエッジ終端領域を図示省略する。活性領域は、オン状態のときに電流が流れる領域である。エッジ終端領域は、ドリフト領域の基体おもて面側の電界を緩和し耐圧を保持する領域である。
図1に示すように、実施の形態1にかかる半導体装置は、同一の炭化珪素基体100の活性領域に、メイン半導体素子(第1半導体素子)10と、このメイン半導体素子10を保護・制御する複数の回路部(第2半導体素子)と、を備える。メイン半導体素子10を保護・制御するための回路部としては、例えば、過電圧保護部(第1過電圧保護部)30、電流センス部40、温度センス部50および演算回路部60等が挙げられる。メイン半導体素子10、および、メイン半導体素子10を保護・制御する回路部は、ピン状の配線部材(後述する端子ピン15)を用いた同一構成の配線構造を有する。実施の形態1にかかる半導体装置の配線構造について、メイン半導体素子10をプレーナゲート構造の縦型MOSFETとした場合を例に図1,2を参照して説明する。
メイン半導体素子10は、炭化珪素基体100のおもて面(後述するp型炭化珪素層)4側の面)側に、第1,2p型ベース領域(第1半導体領域)3,4a、n+型ソース領域(第2半導体領域)5、p+型コンタクト領域6、n型JFET領域7、ゲート絶縁膜8およびゲート電極9からなるMOSゲート構造部を備える。1つのMOSゲート構造部で1つの単位セル(素子の機能単位)が構成される。図示省略するが、複数のMOSゲート構造部は、例えば、基体おもて面に平行な方向に延びるストライプ状の平面レイアウトに配置されている。すなわち、単位セルが隣接して複数配置されている。メイン半導体素子10は、隣接して配置された複数(例えば数百〜数万個程度)の単位セルで構成される。
具体的には、炭化珪素基体100は、例えば、炭化珪素からなるn+型支持基板(n+型炭化珪素基板)1のおもて面上に、炭化珪素からなるn-型半導体層(n-型炭化珪素層)2と、炭化珪素からなるp型半導体層(p型炭化珪素層)4と、を順に積層してなる。n+型炭化珪素基板1は、メイン半導体素子10のドレイン領域として機能する。n-型炭化珪素層2の、n+型炭化珪素基板1側に対して反対側(基体おもて面側)の表面層には、第1p型ベース領域3が選択的に設けられている。n-型炭化珪素層2の、第1p型ベース領域3以外の部分がドリフト領域である。
n-型炭化珪素層2の、n+型炭化珪素基板1側に対して反対側の表面には、第1p型ベース領域3を覆うようにp型炭化珪素層4が設けられている。p型炭化珪素層4の不純物濃度は、第1p型ベース領域3の不純物濃度よりも低くてもよい。p型炭化珪素層4の内部には、深さ方向に第1p型ベース領域3に対向する部分に、n+型ソース領域5およびp+型コンタクト領域6がそれぞれ選択的に設けられている。また、p型炭化珪素層4の内部には、p型炭化珪素層4を深さ方向に貫通してn-型炭化珪素層2に達するn型半導体領域7が設けられている。
n型半導体領域7は、n+型ソース領域5に対してp+型コンタクト領域6の反対側にn+型ソース領域5と離して配置されている。p型炭化珪素層4の、n+型ソース領域5、p+型コンタクト領域6およびn型半導体領域7以外の部分(以下、第2p型ベース領域とする)4aは、第1p型ベース領域3とともにベース領域として機能する。n型半導体領域(以下、n型JFET領域とする)7は、隣り合うベース領域間に挟まれたJFET(Junction FET)領域であり、n-型炭化珪素層2とともにドリフト領域として機能する。
第2p型ベース領域4aの、n+型ソース領域5とn型JFET領域7とに挟まれた部分の表面上には、ゲート絶縁膜8を介してゲート電極9が設けられている。同一の単位セルを構成するn型JFET領域7の表面上にゲート絶縁膜8を延在させ、ゲート絶縁膜8を挟んでn型JFET領域7と深さ方向に対向するようにゲート電極9が設けられていてもよい。層間絶縁膜11は、炭化珪素基体100のおもて面全面に、ゲート電極9を覆うように設けられている。層間絶縁膜11に開口されたコンタクトホールには、n+型ソース領域5およびp+型コンタクト領域6が露出されている。
ソース電極(第1電極)12は、コンタクトホールを介してn+型ソース領域5およびp+型コンタクト領域6に接するとともに、層間絶縁膜11によりゲート電極9と電気的に絶縁されている。ソース電極12は、複数の金属膜を積層した積層構造を有していてもよい。図2には、例えば、基体おもて面側から窒化チタン(TiN)膜21、チタン(Ti)膜22、窒化チタン膜23、チタン膜24、およびアルミニウム(Al)膜25を順に積層した5層構造のソース電極12を示す。窒化チタン膜21は、層間絶縁膜11を覆う。窒化チタン膜21は、層間絶縁膜11上からコンタクトホールのn+型ソース領域5上にまで延在し、n+型ソース領域5に接していてもよい。
チタン膜22は、窒化チタン膜21の表面およびコンタクトホールの内壁に沿って設けられ、コンタクトホールのn+型ソース領域5およびp+型コンタクト領域6に接する。窒化チタン膜23は、チタン膜22上に設けられている。チタン膜24は、窒化チタン膜23上に設けられている。窒化チタン膜21、チタン膜22、窒化チタン膜23およびチタン膜24は、バリアメタルとして機能する。バリアメタルは、ソース電極12から炭化珪素基体100および層間絶縁膜11側への金属原子の拡散を防止する機能を有する。また、バリアメタルは、バリアメタルを構成する各金属膜間またはバリアメタルを挟んで対向する領域間での相互反応を防止する機能を有する。
アルミニウム膜25は、チタン膜24上に設けられている。アルミニウム膜25に代えて、例えば、アルミニウム−シリコン(Al−Si)膜、アルミニウム−シリコン−銅(Al−Si−Cu)膜またはアルミニウム−銅(Al−Cu)膜を設けてもよい。ソース電極12は、メイン半導体素子10のソースパッド(電極パッド)となる。ソース電極12上には、めっき膜13および半田膜14を介して端子ピン15が接合されている。端子ピン15は、所定直径を有する丸棒状(円柱状)の配線部材であり、ソース電極12の電位を外部に取り出す外部接続用端子(例えばインプラントピン)となる。すなわち、端子ピン15の一方の端部は、半導体チップ(炭化珪素基体100)を実装したケース(不図示)の外側に露出し、外部装置(不図示)と電気的に接続される。端子ピン15は、高温度条件下(例えば200℃〜300℃)においてもソース電極12との密着性が高く、ワイヤボンディングに比べて剥離しにくい。
端子ピン15の他方の端部は、基体おもて面に対して略垂直に立てた状態で、めっき膜13に半田接合されている。図2には、端子ピン15を簡略して図示するが、実際には、半田膜14上に棒状の端子ピン15が縦長に直立して接合される。ソース電極12に複数の端子ピン15が接合されていてもよい。ソース電極12に接合される端子ピン15の直径および本数は、メイン半導体素子10の電流能力の大きさに基づいて決定される。端子ピン15の直径が大きくなるほど、また、ソース電極12に接合される端子ピン15の本数が多いほど、メイン半導体素子10の電流能力が大きくなる。めっき膜13の表面積は、ソース電極12に1つの端子ピン15を接合する場合には端子ピン15の端部(底面)の表面積とほぼ同程度であり、ソース電極12に複数(n個、n>1)の端子ピン15を接合する場合にはすべての端子ピン15が接合可能な大きさ(=端子ピン15の端部の面積×n)となる。
ソース電極12の表面の、めっき膜13に覆われた部分以外の部分は、第1保護膜16で覆われている。第1保護膜16は、めっき膜13形成時に、めっき膜13の濡れ広がりを防止するマスクとして機能する。めっき膜13と第1保護膜16との境界上に、めっき膜13および第1保護膜16の端部を覆うように第2保護膜17が設けられている。第2保護膜17は、端子ピン15の半田接合時に、半田膜14の濡れ広がりを防止するマスクとして機能する。第2保護膜17は、第1保護膜16の全面を覆っていてもよい。第2保護膜17を設けることで、めっき膜13と第1保護膜16との間に隙間が生じている場合であっても、ソース電極12が露出されることはない。
メイン半導体素子10を構成するすべての単位セルのゲート電極9は、図示省略する部分でゲートパッド(電極パッド)電気的に接続されている。ゲートパッドの構成は、ソース電極12と同様である。また、ゲートパッド上には、ソース電極12と同様に、めっき膜13および半田膜14を介して端子ピン15が接合されている。ゲートパッドに接合される端子ピン15の直径および本数は、メイン半導体素子10の電流能力に基づいて決定すればよい。炭化珪素基体100の裏面(n+型炭化珪素基板1の裏面)全面に、裏面電極(第2電極)18が設けられている。裏面電極18は、メイン半導体素子10のドレイン電極として機能する。
次に、メイン半導体素子10を保護・制御するための回路部について、例えば、過電圧保護部30、電流センス部40、温度センス部50および演算回路部60を例に図1を参照して説明する。過電圧保護部30は、p型アノード領域31とn-型炭化珪素層2との間のpn接合33で形成されたダイオードであり、例えばサージ等の過電圧(OV:Over Voltage)からメイン半導体素子10を保護する。図1には、過電圧保護部30を2箇所に配置した場合を示す。p型アノード領域31は、n-型炭化珪素層2の、n+型炭化珪素基板1側に対して反対側(基体おもて面側)の表面層に選択的に設けられ、n-型炭化珪素層2との間にpn接合33を形成する。
アノード電極32は、コンタクトホール(不図示)を介してp型アノード領域31に接する。また、アノード電極32は、メイン半導体素子10のソース電極12に電気的に接続されている。アノード電極32の構成は、メイン半導体素子10のソース電極12と同様である。アノード電極32は、過電圧保護部30の電極パッド(以下、OVパッドとする)となる。図示省略するが、アノード電極32上には、メイン半導体素子10のソース電極12と同様に、めっき膜13および半田膜14を介して端子ピン15が接合されている(図2参照)。アノード電極32に接合される端子ピン15の直径および本数は、過電圧保護部30の電流能力に基づいて決定すればよい。n+型炭化珪素基板1および裏面電極18は、それぞれ過電圧保護部30のカソード領域およびカソード電極として機能する。
電流センス部40は、メイン半導体素子10に流れる過電流(OC:Over Current)を検出する機能を有する。電流センス部40は、メイン半導体素子10と同一構成の単位セルを数個程度備えた縦型MOSFETである。すなわち、電流センス部40は、第1,2p型ベース領域41,42、n+型ソース領域43、p+型コンタクト領域44、n型JFET領域45、ゲート絶縁膜46およびゲート電極47からなるMOSゲート構造部と、ソース電極48と、を備える。電流センス部40のMOSゲート構造部を構成する各部は、それぞれ、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部の対応する各部と同一の構成を有する。
ソース電極48の構成は、メイン半導体素子10のソース電極12と同様である。ソース電極48は、電流センス部40の電極パッド(以下、OCパッドとする)となる。図示省略するが、ソース電極48上には、メイン半導体素子10のソース電極12と同様に、めっき膜13および半田膜14を介して端子ピン15が接合されている。ソース電極48に接合される端子ピン15の直径および本数は、電流センス部40の電流能力に基づいて決定すればよい。また、ソース電極48は、センス抵抗49を介してメイン半導体素子10のソース電極12に電気的に接続されている。
電流センス部40は、メイン半導体素子10のオン・オフで流れるドレイン電流の一部を、センス抵抗49を介して微小電流として検出し分流する。ゲート絶縁膜46の一部の厚さを厚くして、ゲート電極47の一部47aを層間絶縁膜(不図示)側に凸状に突出させてもよい。電流センス部40を構成するすべての単位セルのゲート電極47は、メイン半導体素子10のゲートパッドに電気的に接続されている。裏面電極18は、電流センス部40のドレイン電極として機能する。すなわち、電流センス部40のゲートパッドおよびドレイン電極は、それぞれ、メイン半導体素子10のゲートパッドおよびドレイン電極と共通である。
温度センス部50は、p型アノード領域51とn型カソード領域52との間のpn接合53で形成されたダイオードであり、当該ダイオードの温度特性を利用してメイン半導体素子10の温度を検出する機能を有する。p型アノード領域51は、n-型炭化珪素層2の、n+型炭化珪素基板1側に対して反対側の表面層に選択的に設けられている。n型カソード領域52は、p型アノード領域51の内部に選択的に設けられ、p型アノード領域51との間にpn接合53を形成する。アノード電極54は、コンタクトホール(不図示)を介してp型アノード領域51に接する。カソード電極55は、コンタクトホール(不図示)を介してn型カソード領域52に接する。また、カソード電極55は、メイン半導体素子10のソース電極12に電気的に接続されている。
アノード電極54およびカソード電極55の構成は、メイン半導体素子10のソース電極12と同様である。アノード電極54は、温度センス部50のアノードパッドとなる。カソード電極55は、温度センス部50のカソードパッドとなる。図示省略するが、アノード電極54およびカソード電極55上には、それぞれ、メイン半導体素子10のソース電極12と同様に、めっき膜13および半田膜14を介して端子ピン15が接合されている(図2参照)。アノード電極54およびカソード電極55それぞれに接合される端子ピン15の直径および本数は、温度センス部50の電流能力に基づいて決定すればよい。
温度センス部50は、炭化珪素基体100のおもて面上に堆積したp型ポリシリコン(Poly−Si)層とn型ポリシリコン層との間のpn接合で形成されたダイオードであってもよい。この場合、温度センス部50を構成するp型ポリシリコン層およびn型ポリシリコン層は、例えばメイン半導体素子10のゲート電極9を形成する際に炭化珪素基体100のおもて面上に堆積したポリシリコン層の一部を用いて形成すればよい。温度センス部50をポリシリコン層で形成することで、温度センス部50は、メイン半導体素子10に流れる電流の悪影響を受けにくくなる。
演算回路部60は、過電圧保護部30、電流センス部40および温度センス部50を制御する。また、演算回路部60は、過電圧保護部30、電流センス部40および温度センス部50等の出力信号に基づいてメイン半導体素子10を制御する。具体的には、演算回路部60は、例えば、メイン半導体素子10の温度が過剰に上昇したときに、メイン半導体素子10に印加するゲート電圧を低下させてメイン半導体素子10に流れる電流を制限することでメイン半導体素子10を保護する。演算回路部60は、例えばCMOS(Complementary MOS:相補型MOS)回路など複数の半導体素子で構成されるが、図1にCMOS回路を構成するnチャネルMOSFETを示す。
演算回路部60のCMOS回路を構成するnチャネルMOSFETは、例えば、メイン半導体素子10と同一構成の縦型MOSFETであってもよい。すなわち、演算回路部60のCMOS回路を構成するnチャネルMOSFETは、第1,2p型ベース領域61,62、n+型ソース領域63、p+型コンタクト領域64、n型JFET領域65、ゲート絶縁膜66およびゲート電極67からなるMOSゲート構造部と、ソース電極68と、を備える。演算回路部60のCMOS回路を構成するnチャネルMOSFETのMOSゲート構造部を構成する各部は、それぞれ、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部の対応する各部と同一の構成を有する。
ソース電極68や、演算回路部60を構成する他の半導体素子のおもて面電極(不図示)は、図示省略する部分で演算回路部60の電極パッド(以下、演算部パッド(不図示)とする)に電気的に接続されている。演算部パッドの構成は、例えば、メイン半導体素子10のソース電極12と同様である。図示省略するが、演算部パッド上には、メイン半導体素子10のソース電極12と同様に、めっき膜13および半田膜14を介して端子ピン15が接合されている。演算部パッドに接合される端子ピン15の直径および本数は、演算回路部60の電流能力に基づいて決定すればよい。
上述したソース電極12(以下、ソースパッド12とする)、ゲートパッド、アノード電極32(以下、OVパッド32とする)、ソース電極48(以下、OCパッド48とする)、アノード電極54(以下、アノードパッド54とする)、カソード電極55(以下、カソードパッド55とする)および演算部パッド等の各電極パッドは、炭化珪素基体100のおもて面に所定間隔で離して、所定の平面レイアウトに配置される。すなわち、炭化珪素基体100のおもて面のほぼ全面が所定間隔で離して配置した複数のめっき膜13で覆われる。各電極パッドは、電気的に絶縁されている。各電極パッド上のめっき膜13は、第1保護膜16により電気的に絶縁されている。
次に、各電極パッドの平面レイアウトについて説明する。図3〜5は、実施の形態1にかかる半導体装置の電極パッドの平面レイアウトの一例を示す平面図である。図3,4には、ソースパッド12、ゲートパッド19、OVパッド32、OCパッド48、アノードパッド54およびカソードパッド55の平面レイアウトを示す。また、図3,4には、ソースパッド12、ゲートパッド19、OVパッド32、OCパッド48、アノードパッド54およびカソードパッド55を、それぞれS、G、OV、OC、AおよびKと示す(図5〜9においても同様)。図5には、ソースパッド12、ゲートパッド19、OVパッド32、OCパッド48、アノードパッド54、カソードパッド55および演算部パッド69の平面レイアウトを示す。図5には、演算部パッド69を演算部と示す(図8においても同様)。
メイン半導体素子10は、他の回路部に比べて電流能力が大きい。このため、図3,4に示すように、ソースパッド12は、活性領域101の有効領域(活性領域101として用いる領域)の、ソースパッド12以外の電極パッドを配置した領域を除く領域のほぼ全面に配置される。ソースパッド12の平面レイアウトは、要求される仕様に応じて種々変更可能であり、例えばメイン半導体素子10の電流容量などにより決定される。具体的には、例えば、ソースパッド12以外の電極パッドを活性領域101の中央部に直線状に1列に配置した場合、ソースパッド12以外のすべての電極パッドを挟むように2つのソースパッド12を配置してもよい(図3)。
また、チップ(炭化珪素基体100)サイズによっては、略矩形状の平面形状の半導体チップ(炭化珪素基体100)の各頂点にそれぞれ対向する4つのソースパッド12を配置してもよい(図4)。この場合、活性領域101の、他の電極パッドを挟まずに隣り合って配置されるソースパッド12間に挟まれた部分103にゲートランナー(不図示)を配置可能である。ゲートランナーには、メイン半導体素子10を構成するすべての単位セルのゲート電極9が電気的に接続される。例えば、メイン半導体素子10のゲート電極9をストライプ状の平面レイアウトに配置した場合、ゲート抵抗が高くなりメイン半導体素子10の各単位セルで動作タイミングのずれ(アンバランス動作)が生じる虞があるが、ゲートランナーを配置することで各単位セルの動作タイミングをほぼ同じにすることができる。
電流センス部40は、メイン半導体素子10と同じ条件で動作させるため、例えばメイン半導体素子10の一部の単位セルを用いて構成される。すなわち、OCパッド48は、活性領域101内の有効領域に配置される。ソースパッド12およびOCパッド48以外の電極パッドは、活性領域101内の無効領域(活性領域101として用いない領域)に配置してもよい。また、ゲートパッド19は、エッジ終端領域102(例えば幅100μm程度)に配置してもよい。OVパッド32、アノードパッド54およびカソードパッド55は、過電圧保護部30および温度センス部50の素子構造とともにエッジ終端領域102に配置してもよい。好ましくは、アノードパッド54およびカソードパッド55は、メイン半導体素子10の電流量の多い領域付近(例えば活性領域101の中央部)に配置されることがよい。
ソースパッド12以外の電極パッドを並列に配置する場合、その並び順は種々変更可能である。例えば、アノードパッド54とカソードパッド55との間に他の電極パッドが配置されていてもよい。図3では、アノードパッド54およびカソードパッド55を隣接して図示しているが、実際はアノードパッド54およびカソードパッド55は電気的に絶縁されている(図4〜9においても同様)。隣り合う電極パッド間の距離x1は、例えば500μm以下程度と狭くすることが可能である。チップサイズはメイン半導体素子10の電流能力が大きくなるほど大きくなる。チップサイズを5mm2とした場合、隣り合う電極パッド間の距離x1を500μm程度としたときに、直線状に1列に5つの電極パッドを配置可能である。チップサイズが小さくなるほど活性領域101の表面積が小さくなる。このため、各電極パッドを2列に配置してもよい。
演算回路部60は、上述したようにCMOS回路など複数の半導体素子で構成される。このため、演算回路部60は、演算回路部60を構成する複数の半導体素子のおもて面電極(ソース電極68等)の他に、演算部パッド69を備える。メイン半導体素子10と同一の炭化珪素基体100に演算回路部60を配置する場合、演算回路部60を構成する複数の半導体素子の素子構造(おもて面電極も含む)が活性領域101の有効領域に配置されていればよい。演算部パッド69は、活性領域101の有効領域および無効領域のいずれに配置してもよいし(図5)、エッジ終端領域102に配置してもよい。演算部パッド69を活性領域101に配置する場合、可能な限りエッジ終端領域102寄りに配置することが好ましい。図5には、図3に示す電極パッドの平面レイアウトに、活性領域101の、エッジ終端領域102との境界付近に演算部パッド69を追加した状態を示す。
次に、実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法について、例えば1200Vの耐圧クラスのメイン半導体素子10を作製する場合を例に説明する。まず、例えば2.0×1019/cm3の不純物濃度となるように窒素(N)などのn型不純物(ドーパント)をドーピングした炭化珪素単結晶のn+型炭化珪素基板(半導体ウエハ)1を用意する。n+型炭化珪素基板1のおもて面は、例えば<11−20>方向に4度程度のオフ角を有する(000−1)面であってもよい。次に、n+型炭化珪素基板1のおもて面に、例えば1.0×1016/cm3の不純物濃度となるように窒素などのn型不純物をドーピングしたn-型炭化珪素層2を例えば10μmの厚さでエピタキシャル成長させる。
次に、フォトリソグラフィおよびイオン注入により、n-型炭化珪素層2の表面層にメイン半導体素子10の第1p型ベース領域3を選択的に形成する。このとき、メイン半導体素子10の第1p型ベース領域3とともに、メイン半導体素子10と同一の炭化珪素基体100に配置される回路部の同一構成のp型領域を形成する。具体的には、メイン半導体素子10と同一の炭化珪素基体100に配置される回路部のp型領域とは、例えば、過電圧保護部30のp型アノード領域31、電流センス部40の第1p型ベース領域41、温度センス部50のp型アノード領域51、および演算回路部60の第1p型ベース領域61等である。第1p型ベース領域3と深さや不純物濃度が異なる場合(例えば、過電圧保護部30のp型アノード領域31)、さらに、フォトリソグラフィおよびイオン注入を1組とする工程を繰り返し行えばよい。
次に、n-型炭化珪素層2の表面に、例えば2.0×1016/cm3の不純物濃度となるようにアルミニウムなどのp型不純物をドーピングしたp型炭化珪素層4を例えば0.5μmの厚さでエピタキシャル成長させる。ここまでの工程で、n+型炭化珪素基板1のおもて面上にn-型炭化珪素層2およびp型炭化珪素層4を順に積層してなる炭化珪素基体100が作製される。次に、フォトリソグラフィおよびイオン注入を1組とする工程を異なるイオン注入条件で繰り返し行うことで、n+型ソース領域5、p+型コンタクト領域6およびn型JFET領域7を形成する。n+型ソース領域5、p+型コンタクト領域6およびn型JFET領域7を形成する順序は種々変更可能である。このとき、これらの領域それぞれとともに、メイン半導体素子10と同一の炭化珪素基体100に配置される回路部の同一構成のn+型領域、p+型領域およびn型領域を形成する。
具体的には、メイン半導体素子10と同一の炭化珪素基体100に配置される回路部のn+型領域とは、例えば、電流センス部40のn+型ソース領域43および演算回路部60のn+型ソース領域63等である。メイン半導体素子10と同一の炭化珪素基体100に配置される回路部のp+型領域とは、例えば、電流センス部40のp+型コンタクト領域44および演算回路部60のp+型コンタクト領域64等である。メイン半導体素子10と同一の炭化珪素基体100に配置される回路部のn型領域とは、例えば、電流センス部40のn型JFET領域45、温度センス部50のn型カソード領域52および演算回路部60のn型JFET領域65等である。p型炭化珪素層4の、深さ方向に第1p型ベース領域41,61と対向する部分がそれぞれ電流センス部40の第2p型ベース領域42および演算回路部60の第2p型ベース領域62となる。
次に、イオン注入により炭化珪素基体100に形成した複数の領域を活性化させるための熱処理(アニール)を例えば1620℃程度の温度で2分間程度行う。次に、例えば、酸素(O2)ガスと水素(H2)ガスとの混合ガス雰囲気中における1000℃程度の温度の熱処理により炭化珪素基体100のおもて面を熱酸化し、例えば100nm程度の厚さでゲート絶縁膜を形成する。これにより、炭化珪素基体100のおもて面全面が絶縁膜で覆われる。この絶縁膜は、メイン半導体素子10のゲート絶縁膜8、電流センス部40のゲート絶縁膜46、演算回路部60のゲート絶縁膜66等となる。次に、絶縁膜上に、例えばリン(P)がドープされたポリシリコン層を形成する。次に、このポリシリコン層をパターニングして選択的に除去し、メイン半導体素子10のゲート電極9、電流センス部40のゲート電極47、演算回路部60のゲート電極67として残す。
次に、炭化珪素基体100のおもて面全面に、ゲート電極9,47,67を覆うように、例えばリンガラス(PSG:Phospho Silicate Glass)などによる層間絶縁膜11を例えば1.0μmの厚さで成膜(形成)する。次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、層間絶縁膜11およびゲート絶縁膜8,46,66をパターニングしてメイン半導体素子10および各回路部のコンタクトホールを形成する。次に、熱処理(リフロー)により層間絶縁膜11を平坦化する。次に、例えばスパッタ法により、層間絶縁膜11を覆うように、窒化チタン膜21を形成(成膜)する。次に、例えばスパッタ法により、窒化チタン膜21の表面、コンタクトホールの側壁、およびコンタクトホールに露出する炭化珪素半導体部の表面に沿ってチタン膜22を形成する。
次に、例えばスパッタ法により、炭化珪素基体100の裏面(n+型炭化珪素基板1の裏面)に、裏面電極18となる例えばニッケル(Ni)膜を形成する。そして、例えば970℃の温度での熱処理により、チタン膜22により炭化珪素半導体部とのオーミック接合と、裏面電極18と炭化珪素基体100とのオーミック接合と、を形成する。次に、例えばスパッタ法により、チタン膜22上に窒化チタン膜23を形成する。次に、例えばスパッタ法により、窒化チタン膜23上にチタン膜24を形成する。次に、例えばスパッタ法により、チタン膜24上にアルミニウム膜25などアルミニウムを主材料とする金属膜を形成する。これら窒化チタン膜21、チタン膜22、窒化チタン膜23、チタン膜24およびアルミニウム膜25を積層することで、おもて面電極となる金属積層膜が形成される。
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、おもて面電極となる金属積層膜をパターニングする。このパターニングにより、金属積層膜の、ソースパッド12、ゲートパッド19、OVパッド32、OCパッド48、アノードパッド54、カソードパッド55、演算回路部60を構成する各半導体素子のおもて面電極および演算部パッド69等となる部分を所定の平面レイアウトで残す。次に、裏面電極18として形成したニッケル膜の表面に、裏面電極18となる例えばチタン膜、ニッケル膜および金(Au)膜を順に形成する。次に、各電極パッドのめっき膜13の形成領域以外の部分を第1保護膜16で覆う。このとき、各電極パッド間に第1保護膜16を埋め込み、電極パッド同士を電気的に絶縁する。第1保護膜16の形成前に、各電極パッド間に他の絶縁膜を埋め込んで、電極パッド同士を電気的に絶縁してもよい。
次に、第1保護膜16をマスクとして、各電極パッドの表面にめっき膜13を形成する。これにより、炭化珪素基体100のおもて面のほぼ全面がめっき膜13で選択的に覆われる。次に、第1保護膜16とめっき膜13との境界を第2保護膜17で覆う。次に、各電極パッドのめっき膜13上に端子ピン15を半田(半田膜14)接合する。その後、炭化珪素基体100をチップ状に切断(ダイシング)して個片化することで、図1,2,5に示すMOSFETが完成する。
以上、説明したように、実施の形態1によれば、同一の炭化珪素基体に設けたすべての電極パッドにめっき膜および半田膜を介して端子ピンを接合することで、高温度条件下で電極パッドとの密着性の低いボンディングワイヤを用いずに半導体装置を作製(製造)することができる。このため、例えば、炭化珪素等のワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体装置の動作温度である例えば200℃〜300℃程度(シリコン(Si)では150℃程度)の高温度条件下においても高い信頼性を確保することができる。また、ボンディングワイヤを用いないため、ボンディングワイヤの切断や、ボンディングワイヤの引き回しによる悪影響を回避することができ、半導体装置の信頼性を向上させることができる。
また、従来のようにボンディングワイヤを用いる場合、ソースパッド以外の電極パッドは、ワイヤボンディングしやすいように活性領域の、エッジ終端領域との境界付近に配置される。それに対して、実施の形態1によれば、端子ピンを用いるため、半導体チップの中央部に電極パッドを配置したとしても、電極パッドから電位を取り出すことができる。このため、電極パッドの配置の自由度が高い(電極パッドの配置に制約がない)。また、従来のようにボンディングワイヤを用いる場合、電極パッドのサイズ(表面積)や電極パッド間の距離(500μm超)に制約があり小さくすることが難しいため、半導体装置の小型化に限界がある。それに対して、実施の形態1によれば、端子ピンの直径を小さくしたり、電極パッド上にめっき膜を形成するための工程を最適化したりすることで、電極パッドのサイズを小さくすることができる。このため、従来よりもチップサイズを小さくすることができ、半導体装置の小型化が可能である。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる半導体装置の構造について説明する。図6〜9は、実施の形態2にかかる半導体装置の電極パッドの平面レイアウトの一例を示す平面図である。実施の形態2にかかる半導体装置は、ソースパッド12、ゲートパッド19、OVパッド32、OCパッド48、アノードパッド54、カソードパッド55および演算部パッド69の平面レイアウトの平面レイアウトが実施の形態1にかかる半導体装置と異なる。図6,7,9には、ソースパッド12、ゲートパッド19、OVパッド32、OCパッド48、アノードパッド54およびカソードパッド55の平面レイアウトを示す。図8には、ソースパッド12、ゲートパッド19、OVパッド32、OCパッド48、アノードパッド54、カソードパッド55および演算部パッド69の平面レイアウトを示す。
図6〜9に示すように、活性領域101の、エッジ終端領域102との境界付近に、ソースパッド12以外の各電極パッドを配置してもよい。この場合、活性領域101の有効領域の、ソースパッド12以外の電極パッドを配置した領域を除く領域のほぼ全面に、1つのソースパッド12を配置してもよいし(図6)、2つのソースパッド12を配置してもよい(図7)。また、演算部パッド69は、ソースパッド12以外の他の電極パッドと可能な限り離して、かつ可能な限りエッジ終端領域102寄りに配置することが好ましい。具体的には、例えば、演算部パッド69と、ソースパッド12以外の他の電極パッドと、をそれぞれ半導体チップの対辺(頂点を共有しない辺)100a,100b寄りに配置してもよい(図8)。図8には、図6に示す電極パッドの平面レイアウトに、活性領域101の、エッジ終端領域102との境界付近に演算部パッド69を追加した状態を示す。
また、図9に示すように、ソースパッド12を活性領域101の中央に配置し、ソースパッド12を挟み込むようにソースパッド12以外の電極パッドを2箇所に分けて配置してもよい。具体的には、例えば、ゲートパッド19およびOCパッド48と、OVパッド32、アノードパッド54およびカソードパッド55と、をそれぞれ半導体チップの対辺100c,100d寄りに配置する。そして、ゲートパッド19およびOCパッド48と、OVパッド32、アノードパッド54およびカソードパッド55と、の間にソースパッド12を配置してもよい。半導体チップの対辺100c,100dにそれぞれ配置する電極パッドの種類および個数は種々変更可能である。実施の形態1と同様に、ソースパッド12およびOCパッド48以外の各電極パッドをさらに外側、すなわちエッジ終端領域102に配置してもよい。
以上、説明したように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、従来の半導体装置では、活性領域の、エッジ終端領域との境界付近にソースパッド以外の電極パッドを配置している。このため、実施の形態2によれば、従来の半導体装置に本発明を適用し、各回路部の配置を変えずに小型化が可能である。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3において、メイン半導体素子10および電流センス部40の各MOSゲート構造部の配置や諸条件の一例について説明する。図11は、実施の形態3にかかる半導体装置の平面レイアウトの一例を示す平面図である。図12は、図11の切断線Y1−Y1’における断面構造を示す断面図である。図13は、図11の切断線X1−X1’における断面構造を示す断面図である。図14は、図11の切断線Y1−Y1’における断面構造の別の一例を示す断面図である。ここでは、メイン半導体素子10と同一の炭化珪素基体100に、例えば、電流センス部40、温度センス部50およびゲートパッド部20を配置した場合を示すが、実施の形態1と同様に第1過電圧保護部や演算回路部を配置してもよい。
図11に示すように、炭化珪素基体100のおもて面には、活性領域101に、ソースパッド(ソース電極)12、ゲートパッド19、OCパッド(ソース電極)48、アノードパッド(アノード電極)54およびカソードパッド(カソード電極)55が所定の平面レイアウトで設けられている。ソースパッド12の平面レイアウトは、要求される仕様に応じて種々変更可能である。例えば、ソースパッド12はソースパッド12以外のすべての電極パッドを囲む略矩形枠状の平面レイアウトに配置し、ソースパッド12以外の電極パッドは活性領域101の中央部に直線状に1列に配置してもよい。また、各電極パッドの平面レイアウトは、実施の形態1,2(図3〜9参照)と同様であってもよい。
図12に示すように、メイン半導体素子10の各MOSゲート構造部を構成する半導体領域は、活性領域101に配置される各電極パッドの平面レイアウトによらず、活性領域101全体にわたって所定のピッチx2で配置される。電流センス部40のMOSゲート構造部70bは、炭化珪素基体100にメイン半導体素子10として配置したMOSゲート構造部の一部を用いて構成される。電流センス部40のMOSゲート構造部70bは、後述する第2方向Yに隣り合うメイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aとのピッチx3を、メイン半導体素子10の各MOSゲート構造部70a間のピッチx2と等しくすることができる(x2=x3)。
具体的には、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aは、p型ベース領域71、n+型ソース領域72、p+型コンタクト領域73、n型JFET領域74、ゲート絶縁膜75およびゲート電極76で構成される。p型ベース領域71は、炭化珪素基体100のおもて面側の表面層に選択的に設けられている。p型ベース領域71は、実施の形態1と同様に第1,2p型ベース領域で構成されていてもよい。p型ベース領域71の内部には、n+型ソース領域72およびp+型コンタクト領域73がそれぞれ選択的に設けられている。隣り合うp型ベース領域71間には、n型JFET領域74が設けられている。
これらp型ベース領域71、n+型ソース領域72、p+型コンタクト領域73およびn型JFET領域74は、ソースパッド12直下(深さ方向に対向する部分)だけでなく、活性領域101の全体にわたってソースパッド12直下以外の部分にも配置されている。すなわち、活性領域101全体が有効領域となる。p型ベース領域71、n+型ソース領域72およびp+型コンタクト領域73は、後述するようにソースパッド12とのコンタクト(電気的接触)のために、例えば基体おもて面に平行な方向に延びるストライプ状の平面レイアウトに配置されることが好ましい。p型ベース領域71は、活性領域101の全体にわたって例えば所定のピッチx2で等間隔に配置されていてもよい。
n+型ソース領域72、p+型コンタクト領域73およびn型JFET領域74は、ストライプ状のp型ベース領域71と同じ方向(以下、第1方向とする)Xに延びるストライプ状の平面レイアウトに配置される。n+型ソース領域72およびp+型コンタクト領域73は、ソースパッド12の直下の部分においてソースパッド12に接する。n+型ソース領域72およびp+型コンタクト領域73の、ゲートパッド19、アノードパッド54およびカソードパッド55の直下の部分は、図示省略する部分でソースパッド12に接する。炭化珪素基体100にメイン半導体素子10として配置したMOSゲート構造部のうち、OCパッド48直下の部分(深さ方向にドレイン側に対向する部分)が電流センス部40のMOSゲート構造部70bとして用いられ、それ以外の部分がメイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aとなる。
具体的には、ストライプ状のp型ベース領域71の少なくとも1本の一部が、電流センス部40のMOSゲート構造部70bを構成するp型ベース領域71となる。このため、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aと電流センス部40のMOSゲート構造部70bとは、第1方向Xに連続している(図13)。OCパッド48の直下の部分において、n+型ソース領域72およびp+型コンタクト領域73はOCパッド48に接する。OCパッド48は、ソースパッド12に対して数千分の1程度の大きさ(例えば20μm四方以上50μm四方程度)を有する。OCパッド48は、ストライプ状のp型ベース領域71の複数本に深さ方向に対向する幅(第1方向Xと直交する方向(以下、第2方向とする)Yの幅)で配置されていてもよい(図12)。
ソースパッド12およびOCパッド48の直下において、p型ベース領域71の、n+型ソース領域72とn型JFET領域74とに挟まれた部分の表面上には、ゲート絶縁膜75を介してゲート電極76が設けられている。ゲート電極76は、層間絶縁膜77によりソースパッド12およびOCパッド48と電気的に絶縁されている。温度センス部50およびゲートパッド部20には、ゲート電極76は配置されていない。ゲートパッド19、アノードパッド54、カソードパッド55および後述する温度センス部50のダイオード80は、炭化珪素基体100のおもて面上の層間絶縁膜77および酸化膜78により、炭化珪素基体100と電気的に絶縁されている。
温度センス部50は、p型ポリシリコン層81とn型ポリシリコン層82との間のpn接合で形成されたダイオード80である。p型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82は、酸化膜78上に配置され、それぞれアノードパッド54およびカソードパッド55に接する。ゲートパッド19には、図示省略する部分で、MOSゲート構造部70a,70bのすべてのゲート電極76が電気的に接続されている。各電極パッドには、実施の形態1と同様に、それぞれめっき膜13および半田膜14を介して端子ピン(不図示)が接合されている。各電極パッドは、実施の形態1と同様に、第1,2保護膜16,17により互いに電気的に絶縁されている。
なお、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aを構成するp型ベース領域71は実施の形態1(図1,2参照)のメイン半導体素子10の第1,2p型ベース領域3,4aに相当し、p型ベース領域71以外の各部(符号72〜76)はそれぞれ実施の形態1のメイン半導体素子10の対応する各部(符号5〜9)に相当する。電流センス部40のMOSゲート構造部70bを構成するp型ベース領域71は実施の形態1の電流センス部40の第1,2p型ベース領域41,42に相当し、p型ベース領域71以外の各部(符号72〜76)はそれぞれ実施の形態1の電流センス部40の対応する各部(符号43〜47)に相当する。
このようにMOSゲート構造部70a,70bを構成する半導体領域を配置することで、活性領域101全体を有効領域とすることができる。かつ、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aの一部で電流センス部40のMOSゲート構造部70bを構成することで、メイン半導体素子10と電流センス部40とを分離するために通常配置される無効領域(例えば600μm幅〜300μm幅)がなくなる。これにより、半導体チップの縮小化を図ることができ、1枚の半導体ウエハから切断される半導体チップの収率が向上する。このため、結晶欠陥が多く存在する炭化珪素ウエハを用いる場合に特に有用である。
また、メイン半導体素子10と電流センス部40とを分離する無効領域がなくなることで、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aと電流センス部40のMOSゲート構造部70bとをピッチを変えずに配置することができる。これにより、電流センス部40に流れ込むドリフト電流が低減することを抑制することができるため、電流センス部40の過電流検出精度が向上する。また、メイン半導体素子10と電流センス部40とを分離する無効領域がなくなることで、無効領域による特性劣化(例えばオン抵抗RonAが高くなるなど)を防止することができる。
また、炭化珪素半導体装置において、チップサイズが大きくなるほど(例えば8mm2以上)、ボンディングワイヤを用いた配線構造を採用することは難しく、端子ピンを用いた配線構造が採用される。また、従来の端子ピンを用いた配線構造では、メイン半導体素子と電流センス部とを分離する無効領域が多い。このため、実施の形態3は、チップサイズが大きい場合に特に有用である。メイン半導体素子10および電流センス部40ともにMOSFETであり、電流アンバランスが生じたとしても壊れにくい。このため、メイン半導体素子10と電流センス部40とを分離する無効領域を設けなくても特性上の問題は生じない。
また、本発明においては、電極パッドに端子ピンが半田付けされるため、電流センス部40のMOSゲート構造部70bは、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aと異なる設計値に設定されることが好ましい。その理由は、次の通りである。電流センス部40は、メイン半導体素子10と同じ特性を有するように、メイン半導体素子10と同じ設計値に設計される。しかし、OCパッド48に半田付けされる端子ピン(不図示:図2の符号15)の直径がソースパッド12に半田付けされる端子ピン(不図示)の直径に比べて小さいことで、端子ピンの半田付け時、OCパッド48にはソースパッド12にかかる応力よりも大きい応力がかかる。
この端子ピンの半田付け時にかかる応力により、電流センス部40のゲート閾値電圧がメイン半導体素子10のゲート閾値電圧と異なる値になってしまうことが発明者らによって確認された。この場合、メイン半導体素子10と電流センス部40とが所定の電流比率で動作しなくなり、電流センス部40に大電流が流れやすい。これにより、電流センス部40の耐圧がメイン半導体素子10の耐圧よりも低下するため、電流センス部40の電圧利得(電圧増幅率)がメイン半導体素子10の電圧利得と同じになるようにする必要があるからである。そこで、例えば、電流センス部40のゲート閾値電圧がメイン半導体素子10のゲート閾値電圧に可能な限り近づくように、電流センス部40の初期設計値を変更する。
具体的には、例えば、電流センス部40のゲートしきい値電圧を変化させる変数の一つであるチャネル長L2を初期設計値(すなわちメイン半導体素子10のチャネル長L1)と異なる設計値に変更すればよい。電流センス部40のチャネル長L2の設計値の変更方法は、次の通りである。まず、初期設計値に基づいて予め作製したまたはシミュレーションした半導体装置から、メイン半導体素子10と電流センス部40とのゲート閾値電圧のずれを取得する。このメイン半導体素子10と電流センス部40とのゲート閾値電圧のずれに基づいて、電流センス部40のチャネル長L2を再算出する。そして、この再算出値に基づく新たな設計値で最終的に製品となる半導体装置を作製すればよい。
電流センス部40のチャネル長L2の再算出においては、端子ピンの半田付け時にOCパッド48にかかる応力により変化した電流センス部40のゲート閾値電圧がメイン半導体素子10のゲート閾値電圧に近づくように算出すればよい。端子ピンの半田付け時の応力により生じるメイン半導体素子10と電流センス部40とのゲート閾値電圧のずれは、通常1V程度であり、再現性を有する。このため、再算出した電流センス部40のチャネル長L2に基づく新たな設計値で最終的に製品となる半導体装置を作製することで、電流センス部40のゲート閾値電圧を所定の許容誤差でメイン半導体素子10のゲート閾値電圧に近づけた半導体装置を容易に作製することができる。
このように、メイン半導体素子10と電流センス部40とのゲート閾値電圧のずれに基づいて電流センス部40のチャネル長L2を再算出して設定することで、電流センス部40の耐圧を向上させることができる。メイン半導体素子10と電流センス部40とのゲート閾値電圧のずれの許容誤差は、例えば±0.5V程度ある。仮に、端子ピンの半田付け時にOCパッド48にかかる応力により電流センス部40のゲート閾値電圧が変化したとしても、電流センス部40の耐圧がメイン半導体素子10の耐圧以上であったとする。この場合には、電流センス部40のチャネル長L2を再算出せずに、初期設計値で最終的に製品となる半導体装置を作製すればよい。
図14に示すように、ゲートパッド19、アノードパッド54およびカソードパッド55の直下は、MOSゲート構造部70aを構成する半導体領域を配置せずに無効領域としてもよい。この場合、MOSゲート構造部は、第1方向Xに延びるストライプ状の平面レイアウトに配置されてもよいし、マトリクス状の平面レイアウトに配置されていてもよい。MOSゲート構造部をストライプ状の平面レイアウトに配置する場合、p型ベース領域71、n+型ソース領域72、p+型コンタクト領域73およびn型JFET領域74は、活性領域101内の有効領域に、第1方向Xに延びるストライプ状の平面レイアウトに配置される。
MOSゲート構造部をマトリクス状の平面レイアウトに配置する場合、p型ベース領域71は、活性領域101の有効領域に、マトリクス状の平面レイアウトに配置される。p+型コンタクト領域73はp型ベース領域71の中央部付近に配置され、n+型ソース領域72はp+型コンタクト領域73の周囲を囲む平面レイアウトに配置される。n型JFET領域74は、隣り合うp型ベース領域71間を通る格子状の平面レイアウトに配置される。ゲートパッド19、アノードパッド54およびカソードパッド55の直下には、隣接するメイン半導体素子10または電流センス部40を構成するp型ベース領域71およびp+型コンタクト領域73が延在していてもよい。
実施の形態3においては、炭化珪素基体100にメイン半導体素子10として配置したMOSゲート構造部の一部が電流センス部40のMOSゲート構造部70bとして用いられる。かつメイン半導体素子10と電流センス部40との電圧利得を可能な限り近づけるように電流センス部40のチャネル長L2が設定される。この条件を満たすことができれば、例えば、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aと、電流センス部40のMOSゲート構造部70bと、が異なる平面レイアウトで配置されていてもよい。
以上、説明したように、実施の形態3によれば、実施の形態1,2と同様の効果を得ることができる。また、実施の形態3によれば、活性領域全体にわたってMOSゲート構造部を構成する半導体領域を配置し、その一部で電流センス部を構成することで、半導体チップの縮小化や、1枚の半導体ウエハから切断される半導体チップの収率向上、メイン半導体素子の電流能力向上などを図ることができる。また、実施の形態3によれば、電流センス部のゲート閾値電圧がメイン半導体素子のゲート閾値電圧に近づくように電流センス部のチャネル長を設定することで、電流センス部の耐圧がメイン半導体素子の耐圧よりも低下することを防止することができる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4にかかる半導体装置の構造について説明する。図15は、実施の形態4にかかる半導体装置の要部の平面レイアウトを示す平面図である。図16,17は、実施の形態4にかかる半導体装置の構造の一例を示す断面図である。ここでは、実施の形態4にかかる半導体装置の平面レイアウトは実施の形態3と同様とするが(図11参照)、実施の形態1と同様に第1過電圧保護部や演算回路部を配置してもよい。図15には、図11のOCパッド48付近の平面レイアウトを示す。図16には、図11の切断線Y1−Y1’における断面構造を示す。図17には、図11の切断線X1−X1’における断面構造を示す。
実施の形態4にかかる半導体装置が実施の形態3にかかる半導体装置と異なる点は、メイン半導体素子10の一部に、電流センス部40を過電圧から保護するための第2過電圧保護部90を備える点である。
具体的には、図15に示すように、第2過電圧保護部90は、電流センス部40の周囲を囲む例えば略矩形枠状に配置される。図15において、第2過電圧保護部90は二つの太破線枠で囲まれた部分である。例えば、p型ベース領域71がストライプ状の平面レイアウトに配置されているとする。第2方向Yにおいて最も電流センス部40側のp型ベース領域71aと、当該p型ベース領域71a間に配置されたp型ベース領域71bと、は、第2方向Yに平行なp型領域(以下、p型ベース連結部とする)71cで連結されている。p型ベース連結部71cは、例えば、p型ベース領域71と同じ深さおよび不純物濃度を有し、p型ベース領域71として機能する。
p型ベース連結部71cは、p型ベース領域71の、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aとなる部分同士を連結しており、深さ方向ZにOCパッド48に対向しない。また、p型ベース連結部71cは、電流センス部40を挟むように2本配置される。すなわち、第2方向Yにおいて最も電流センス部40側のp型ベース領域71aと、p型ベース連結部71cと、で形成される矩形枠内に電流センス部40が配置される。第2過電圧保護部90は、第2方向Yにおいて最も電流センス部40側のp型ベース領域71aと、p型ベース連結部71cと、に沿った略矩形枠状の平面レイアウトに配置され、p型ベース領域71aおよびp型ベース連結部71cに深さ方向に対向する。図15には、MOSゲート構造部の、p型ベース領域71およびn型JFET領域以外の構成部を図示省略する。
図示省略するが、第2過電圧保護部90は、電流センス部40の周囲を囲む略同心円状に配置されてもよい。この場合、電流センス部40を挟んで隣り合う少なくとも2本ずつのp型ベース連結部71cが第2方向Yに延びるストライプ状の平面レイアウトに配置される。これら4本以上のp型ベース連結部71cと、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aとなるp型ベース領域71(p型ベース領域71aを含む)と、で電流センス部40の周囲を囲む同心円状の平面レイアウトが形成される。そして、これら4本以上のp型ベース連結部71cと、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aとなるp型ベース領域71(p型ベース領域71aを含む)と、に沿った同心円状の平面レイアウトに第2過電圧保護部90が配置されればよい。
図16,17に示すように、第2過電圧保護部90は、n型またはp型の第1半導体領域(第3半導体領域)91で構成される。第1半導体領域91は、n-型炭化珪素層2(ドリフト領域)の、p型ベース領域71よりもドレイン側に深い部分に、n-型炭化珪素層2とn+型炭化珪素基板1との界面に達しない深さで選択的に設けられている。第1半導体領域91は、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aを構成するp型ベース領域71のうち、最も電流センス部40側のp型ベース領域71に深さ方向Zに対向し、当該p型ベース領域71に接する(図16)。かつ、第1半導体領域91は、p型ベース連結部71cに深さ方向Zに対向し、p型ベース連結部71cに接する(図17)。
また、上述したように第2過電圧保護部90が電流センス部40の周囲を囲む略同心円状に配置されるとする。図示省略するが、この場合、第1半導体領域91は、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aを構成するp型ベース領域71のうち、第2方向Yに隣り合う複数本のp型ベース領域71に深さ方向Zに対向する位置にそれぞれ配置されればよい。
電流センス部40の寸法はメイン半導体素子10に対して千分の一程度と大幅に小さく、通常、電流センス部40にはメイン半導体素子10に比べて過電圧やサージがかかりやすい。このため、第1半導体領域91を設けた部分で、メイン半導体素子10の耐圧を電流センス部40の耐圧よりも低くする。これにより、メイン半導体素子10は、第1半導体領域91を設けた部分で過電圧を吸収しやすい構造となるため、電流センス部40に過電圧がかかることを抑制することができる。第1半導体領域91の導電型(n型,p型)は設計条件に基づいて種々変更可能である。n型の第1半導体領域91を配置する場合、第1半導体領域91の不純物濃度は、ドリフト領域(n-型炭化珪素層2)の不純物濃度よりも高くする。
n型の第1半導体領域91を配置した場合、p型ベース領域71と第1半導体領域91との間のpn接合からドレイン側に広がる空乏層の延びが抑制される。このため、第1半導体領域91を設けた部分におけるメイン半導体素子10の耐圧が低くなる。p型の第1半導体領域91を配置した場合、p型ベース領域71とドリフト領域との間のpn接合よりもドレイン側に深い位置に、第1半導体領域91とドリフト領域との間のpn接合が形成される。このため、第1半導体領域91とドリフト領域との間のpn接合に電界集中しやすく、第1半導体領域91を設けた部分におけるメイン半導体素子10の耐圧が低くなる。このように、第1半導体領域91の導電型に依らず、第1半導体領域91を設けた部分におけるメイン半導体素子10の耐圧を電流センス部40の耐圧よりも低くすることができる。
また、第1半導体領域91の内部に、p型ベース領域71に接するように、第2半導体領域92が選択的に設けられていてもよい。第2半導体領域(第3半導体領域)92の導電型(n型,p型)は設計条件に基づいて種々変更可能である。例えば、第2半導体領域92は、第1半導体領域91と同導電型で、かつ第1半導体領域91と不純物濃度の異なる半導体領域であってもよい。また、第2半導体領域92は、第1半導体領域91と異なる導電型であってもよい。メイン半導体素子10が第1半導体領域91を設けた部分で過電圧を吸収しやすい構造になればよく、第1半導体領域91の導電型や、第2半導体領域92を設けるか否かは設計条件に基づいて種々変更可能である。例えば、n型の第1半導体領域91のみで第2過電圧保護部90を構成する場合が最も過電圧を吸収しやすい構造となる。
また、互いに導電型の異なる第1,2半導体領域91,92で第2過電圧保護部90を構成する場合、第1,2半導体領域91,92内をソース側に広がる空乏層の延びが早くなり、過電圧を吸収する速度が速くなる。このため、第2過電圧保護部90を設けた部分でのメイン半導体素子10のブレイクダウンを早めることができる。p型の第1半導体領域91の内部にn型の第2半導体領域92を配置する場合、第2半導体領域92の厚さt1で過電圧を吸収する速度が決まる。n型の第1半導体領域91の内部にp型の第2半導体領域92を配置する場合、第1半導体領域91の、ドリフト領域と第2半導体領域92とに挟まれた部分t2で過電圧を吸収する速度が決まる。
第1,2半導体領域91,92は、イオン注入により形成可能である。このため、上述した実施の形態1にかかる半導体装置の製造方法において、それぞれ1回のイオン注入工程を追加するだけで、第2過電圧保護部90を容易に配置することができる。第1,2半導体領域91,92を形成するためのイオン注入工程は、イオン注入の加速電圧を適宜設定すれば、通常イオン注入工程を実施可能ないずれのタイミングで行ってもよい。例えば、基体おもて面からp型ベース領域71よりも深い所定位置にのみ第1,2半導体領域91,92が形成されるようにイオン注入の加速電圧を設定することで、p型ベース領域71の形成後であっても、第1,2半導体領域91,92を形成することができる。
第1,2半導体領域91,92は、それぞれ、イオン注入条件(導電型、深さ、不純物濃度)の同じ他の半導体領域と同時に形成されてもよい。また、第1,2半導体領域91,92を形成するためのイオン注入工程は、多段イオン注入(加速電圧およびドーズ量の異なる複数回のイオン注入)であってもよい。図示省略するが、第1,2半導体領域91,92の平面形状は種々変更可能であり、例えば略矩形状や三角形状、円形状であってもよい。
図18は、実施の形態4にかかる半導体装置の構造の別の一例を示す断面図である。図18に示すように、ゲートパッド19、アノードパッド54およびカソードパッド55の直下は、MOSゲート構造部70aを構成する半導体領域を配置せずに無効領域としてもよい。この場合、電流センス部40のMOSゲート構造部70bの周囲を囲むように、メイン半導体素子10のMOSゲート構造部70aが配置される。第1半導体領域91の配置は、上述した通りである。ソースパッド12は、OCパッド48の周囲のみを囲む平面レイアウトに配置される。OCパッド48以外の電極パッドは、OCパッド48と異なる部分で、その周囲をソースパッド12に囲まれていてもよい。
以上、説明したように、実施の形態4によれば、実施の形態1〜3と同様の効果を得ることができる。実施の形態4によれば、メイン半導体素子の、電流センス部に隣り合う部分に設けた第1,2半導体領域により過電圧を吸収する構造とすることができるため、電流センス部を過電圧から保護することができる。
以上において本発明は、上述した各実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上述した各実施の形態では、ソースパッド以外の電極パッドを複数配置しているが、ソースパッドの他に1つの電極パッドを配置した構成であっても半導体装置の信頼性を向上させることができる。メイン半導体素子をプレーナゲート型MOSFETとした場合を例に説明しているが、バイポーラトランジスタやIGBT、トレンチゲート型半導体装置などさまざまな素子構造の半導体装置をメイン半導体素子とすることが可能である。メイン半導体素子と同一の半導体チップに配置する半導体素子は、メイン半導体素子を保護・制御するための回路部に限らず種々変更可能である。また、各部の寸法や不純物濃度等は要求される仕様等に応じて種々設定される。また、本発明は、窒化ガリウム(GaN)などの他のワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体装置や、シリコンを用いた半導体装置においても同様の効果を奏する。また、各実施の形態では第1導電型をn型とし、第2導電型をp型としたが、本発明は第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としても同様に成り立つ。