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JP6735014B2 - めっき処理装置 - Google Patents
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JP6735014B2 - めっき処理装置 - Google Patents

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Description

本開示はめっき処理装置に関する。
本出願は、2018年3月22日出願の日本出願第2018−054649号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
特開2002−075058号公報(特許文献1)には、耐食性に優れる銅ブスバーとして、銅または銅合金の基体とその表面を被包するチタンまたはチタン合金シートの被覆層とからなり、基体とシートとの当接界面およびシート端縁同士の当接界面を拡散接合したものが開示されている。
特開2002−075058号公報
本開示の一態様に係るめっき処理装置は、
被めっき物をめっき液に浸漬することにより前記被めっき物の表面にめっき層を形成するめっき処理装置であって、
前記めっき液を収容するめっき槽と、
前記被めっき物に給電しつつ回転することにより、前記被めっき物を前記めっき槽に収容された前記めっき液に浸漬し、次いで前記めっき液の外に搬送する給電ローラと、
前記めっき槽の内部に配置され、前記めっき槽に収容された前記めっき液に電気的に接触するアノードケースと、
前記給電ローラおよび前記アノードケースに供給する電力を制御する制御盤と、
前記給電ローラと前記制御盤とを電気的に接続する第1ブスバーと、
前記アノードケースと前記制御盤とを電気的に接続する第2ブスバーと、
を備え、
前記第1ブスバーおよび前記第2ブスバーは、それぞれ銅製の基材および前記基材表面を覆うチタン製の被覆層を有する、複数のブスバー部材から構成され、
前記第1ブスバーおよび前記第2ブスバーは、前記ブスバー部材同士が接続される第1接続部と、前記ブスバー部材が、前記給電ローラ、前記アノードケース、または前記制御盤に接続される第2接続部とを有し、
前記ブスバー部材は、前記第1接続部および前記第2接続部以外の部分において、前記基材と前記被覆層との間に間隔を有する、
めっき処理装置、である。
図1は、本開示の実施形態に係るめっき処理装置の一例の概略を表す図である。 図2は、本開示の実施形態に係るめっき処理装置の一例において用いられるブスバー部材の一例の概略を表す図である。 図3は、本開示の実施形態に係るめっき処理装置の別の一例の概略を表す図である。 図4は、図3に示すめっき処理装置において、給電ローラとブスバーの接続部の構成の一例の概略を表す図である。 図5は、図3に示すめっき処理装置において、アノードケースとブスバーの接続部の構成の一例の概略を表す図である。 図6は、本開示の実施形態に係るめっき処理装置の更に別の一例の概略を表す図である。 図7は、ブスバー部材同士が接続されている第1接続部の構成の一例を表す部分拡大図である。 図8は、ブスバー部材同士が接続されている第1接続部の構成の別の一例を表す部分拡大図である。 図9は、図8に示す第1接続部の部分断面を表す図である。
[本開示が解決しようとする課題]
一般に、長尺シート状の被めっき物に連続的にめっき処理を行うことが可能なめっき処理装置においては、被めっき物を搬送しつつ当該被めっき物に給電する給電ローラと、めっき槽中に設けられたアノードケースとを通電することによってめっき処理が行われている。給電ローラとアノードケースはそれぞれ制御盤に接続されており、制御盤によって電流密度等の調整が行われる。
サイズが大きい被めっき物に効率よくめっき処理を行うには、給電ローラとアノードケースに大電流を流す必要がある。このため、給電ローラと制御盤、およびアノードケースと制御盤との接続には、ケーブルや電線を用いるのではなく、高い導電性を有する銅(例えばC1100等)製のブスバーが用いられている。
しかしながら、銅は酸化性酸に対する腐食抵抗性が低いため、めっき槽に近い部分においては銅製のブスバーに樹脂ライニングを施して銅がめっき液と接触しないようにする等の対策が必要である。樹脂ライニングが施されたブスバーは、ライニング層が健全な状態に安定維持されている間は問題ないものの、通電時にブスバーに発生する熱によって樹脂の剥離を生じやすい。樹脂ライニングがブスバーから剥離すると、その剥離部分から銅の腐食が進行してしまうおそれがある。
銅製のブスバーをめっき液から保護する方法としては、他には、耐食性に優れたチタンを銅の表面に溶接する方法が知られている。
上述の特許文献1に記載の銅ブスバーは、銅が、耐食性が高いチタンに被覆されることによって保護されている。特許文献1に記載の銅ブスバーを製造するためには、還元性もしくは真空雰囲気下で700℃〜850℃に加熱して銅とチタンとを拡散接合する必要があるため、予め銅の酸化膜や汚染物を除去する等の工程を行う必要があり、製造方法が煩雑なものとなってしまう。また、このような高温で銅を処理することは、銅の強度を低下させてしまう可能性がある。更に、サイズが大きなブスバー(例えば、長さが数メートルから数十メートルに及ぶブスバー)を製造するためには、非常に大規模な炉を用いるか、複数の小さなサイズのブスバーを繋ぎ合わせて製造する必要がある。大規模な炉を用いることは現実的ではなく、また、複数のブスバーを繋ぎ合わせることは、ブスバーを製造する工程を煩雑化させるばかりか、チタン同士が接触する接合部が増えることにより電気抵抗を増加させることにもなってしまう。
上記のように、特許文献1に記載の銅ブスバーは、銅とチタンの界面は全体に亘って拡散接合により一体化されている。この場合には、通電時の発熱によって銅が膨張すると、チタンの熱膨張率の方が小さいため、膨張する銅をチタンが押さえ込むこととなる。このため、ブスバーの長期の使用においては、チタンにクラックが発生する等の不具合が生じる可能性がある。
また、銅製のブスバーにおいて銅を保護する方法として他には、銅の表面に樹脂ライニングを設ける方法がある。しかしながら、樹脂は長期の耐久性に劣り、また、電気抵抗が高いため、通電時にブスバー同士もしくはブスバーとブスバー以外の部材との接続部が比較的高温になってしまう。
そこで本開示は、高い耐食性を有し、かつ長期に亘って安定して使用可能なブスバーを備えためっき処理装置を提供することを目的とする。
[本開示の効果]
本開示によれば、高い耐食性を有し、かつ長期に亘って安定して使用可能なブスバーを備えためっき処理装置を提供することができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の一態様に係るめっき処理装置は、
被めっき物をめっき液に浸漬することにより前記被めっき物の表面にめっき層を形成するめっき処理装置であって、
前記めっき液を収容するめっき槽と、
前記被めっき物に給電しつつ回転することにより、前記被めっき物を前記めっき槽に収容された前記めっき液に浸漬し、次いで前記めっき液の外に搬送する給電ローラと、
前記めっき槽の内部に配置され、前記めっき槽に収容された前記めっき液に電気的に接触するアノードケースと、
前記給電ローラおよび前記アノードケースに供給する電力を制御する制御盤と、
前記給電ローラと前記制御盤とを電気的に接続する第1ブスバーと、
前記アノードケースと前記制御盤とを電気的に接続する第2ブスバーと、
を備え、
前記第1ブスバーおよび前記第2ブスバーは、それぞれ銅製の基材および前記基材表面を覆うチタン製の被覆層を有する、複数のブスバー部材から構成され、
前記第1ブスバーおよび前記第2ブスバーは、前記ブスバー部材同士が接続される第1接続部と、前記ブスバー部材が、前記給電ローラ、前記アノードケース、または前記制御盤に接続される第2接続部とを有し、
前記ブスバー部材は、前記第1接続部および前記第2接続部以外の部分において、前記基材と前記被覆層との間に間隔を有する、
めっき処理装置、である。
上記(1)に記載の開示の態様によれば、高い耐食性を有し、かつ長期に亘って安定して使用可能なブスバーを備えためっき処理装置を提供することができる。なお、ブスバー部材が制御盤に接続されるとは、ブスバー部材が制御盤に直接的に接続される場合、およびブスバー部材が導電性部材を介して制御盤に間接的に接続される場合の両方を含む。後者だと、制御盤が腐食環境下にない場合には、その周辺において耐食性のない導電性部材を使用しても問題なく、また、導電性部材と制御盤とを接続した方が電気抵抗を低減することができ、大電流を流すことができる。
(2)上記(1)に記載のめっき処理装置は、
前記間隔が1μm以上であることが好ましい。
上記(2)に記載の開示の態様によれば、前記銅製の基材と前記チタン製の被覆層との間に1μm以上の間隔があることにより、通電による発熱で前記銅製の基材が熱膨張した場合に前記チタン製の被覆層にかかる応力をより抑制することができる。
(3)上記(1)または上記(2)に記載のめっき処理装置は、
前記第1接続部において、前記基材同士が直接溶接されていることが好ましい。
上記(3)に記載の開示の態様によれば、ブスバー部材同士が接続されている第1接続部において電気抵抗を小さくし、これにより、通電による発熱をより低減することができる。
(4)上記(1)または上記(2)に記載のめっき処理装置は、
前記第1接続部において、いずれか一方の前記ブスバー部材の端部はT字型の形状を有し、さらに、前記第1接続部は複数のねじ穴を備え、前記複数のねじ穴にねじ込まれた複数のボルトによって接続されていることが好ましい。
上記(4)に記載の開示の態様によれば、ブスバー部材同士を十分な強度で容易に接続することができ、また、その分離も容易に行うことができる。
(5)上記(1)から上記(4)のいずれか一項に記載のめっき処理装置は、
前記第2接続部において、前記ブスバー部材、または前記ブスバー部材と接続される前記給電ローラ、前記アノードケース、または前記制御盤の接続部分はT字型の形状を有し、さらに、前記第2接続部は複数のねじ穴を備え、前記複数のねじ穴にねじ込まれた複数のボルトによって接続されていることが好ましい。
上記(5)に記載の開示の態様によれば、ブスバー部材とブスバー部材以外の部材(例えば、アノードケース、給電ローラ、制御盤および制御盤に接続された導電性部材等)とを十分な強度で容易に接続することができ、また、その分離も容易に行うことができる。
(6)上記(4)または上記(5)に記載のめっき処理装置は、
前記ボルトの数が、前記第1接続部または前記第2接続部を流れる電流125A当たり1個以上である、ことが好ましい。
上記(6)に記載の開示の態様によれば、T字型の第1接続部または第2接続部において電気抵抗を小さくすることができ、これにより、T字型の第1接続部または第2接続部における発熱をより少なくすることができる。
(7)上記(4)から上記(6)のいずれか一項に記載のめっき処理装置は、
前記ボルトがステンレス製であることが好ましい。
上記(7)に記載の開示の態様によれば、T字型の第1接続部または第2接続部において接続強度をより高くすることができる。
(8)上記(4)から上記(7)のいずれか一項に記載のめっき処理装置は、
前記ブスバー部材の前記ボルトがねじ込まれる部分のねじ穴の内周面が前記チタン製の被覆層によって被覆されている、ことが好ましい。
上記(8)に記載の開示の態様によれば、T字型の第1接続部または第2接続部において、ブスバー部材の耐食性をより高くすることができる。
[本開示の実施態様の詳細]
本開示の実施態様に係るめっき処理装置の具体例を、以下に、より詳細に説明する。
なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1に本開示の実施形態に係るめっき処理装置の一例の概略を示す。図1に示すように本開示の実施形態に係るめっき処理装置は、めっき槽1と、給電ローラ2と、アノードケース3と、第1ブスバー10Aと、第2ブスバー10Bとを備えている。めっき槽1にはめっき液4が充填されており、また、めっき液4の液面にはアノードケース3が設けられている。アノードケース3の中には、被めっき物5にめっきする対象の金属が設けられている。被めっき物5は長尺シート状のものであり、送りローラ7と給電ローラ2あるいは送りローラ7同士によって挟まれて搬送され、図1の左側から右側へと移動する。被めっき物5はめっき槽1の外部で給電ローラ2によって給電され、めっき槽1内においてカソードとして作用する。このためめっき槽1内において、被めっき物5と、アノードケース3の内部に設けられた金属との間で電気分解が生じ、アノードケース3の内部の金属がめっき液4中に溶解し、被めっき物5の表面にめっき膜となって析出する。
長尺シート状の被めっき物5はめっきされる面の面積が大きいため、連続的に効率よくめっき処理を行うためには、被めっき物5とアノードケース3に大電流を供給する必要がある。このため給電ローラ2とアノードケース3はそれぞれ、大電流を流すことができる第1ブスバー10Aおよび第2ブスバー10Bを介して制御盤6と接続されている。
長尺シート状の被めっき物としては、例えば、鋼板や、三次元網目状構造の骨格を有する金属多孔体を製造するための基材(すなわち、三次元網目状構造の骨格を有する樹脂成形体)を好ましく用いることができる。
なお、図1に示すめっき処理装置においては第1ブスバー10Aと第2ブスバー10Bがそれぞれ制御盤6と接続されているが、制御盤6とめっき槽1とが十分に離れていて制御盤6が腐食環境下にない場合には、第1ブスバー10Aおよび第2ブスバー10Bは制御盤6に接続された導電性部材と接続されていてもよい。ここで、導電性部材とは、例えば、タフピッチ銅(C1100)や無酸素銅(C1020)等の銅製のブスバー、アルミニウム製のブスバー、およびそれらの少なくとも一部にめっきを施したもの等が挙げられる。制御盤6が腐食環境下にない場合には、その周辺において耐食性のない導電性部材を使用しても問題なく、また、導電性部材と制御盤6とを接続した方が電気抵抗を低減できる場合もある。第1ブスバー10Aおよび第2ブスバー10Bは、少なくとも、めっき槽1の周辺の腐食環境にある場所において用いられていればよい。制御盤6に導電性部材が接続されている場合には、第1ブスバー10Aおよび第2ブスバー10Bと導電性部材とを接続することによって、給電ローラ2またはアノードケース3に大電流を流すことができる。
めっき液4の組成は特に限定されるものではなく、被めっき物5にめっきする対象の金属または合金に応じて適宜選択すればよく、公知のものを利用することができる。例えば、被めっき物5にニッケルをめっきする場合には、ニッケルめっき液を、銅をめっきする場合には銅めっき液を用いればよい。
第1ブスバー10Aおよび第2ブスバー10Bは、それぞれ複数のブスバー部材から構成されている。
図2に本開示の実施形態に係るめっき処理装置において用いるブスバー部材16の一例の部分断面図を示す。図2に示すように、ブスバー部材16は、銅製の基材12の表面がチタン製の被覆層11で覆われてなるものである。ブスバー部材16において、ブスバー部材16同士が接続されている部分(第1接続部)や、ブスバー部材16とブスバー部材16以外の部材(例えば、アノードケース、給電ローラ、制御盤および制御盤に接続された導電性部材等)とが接続されている部分(第2接続部)は、接続部における電気抵抗を低くする観点から、銅製の基材12とチタン製の被覆層11が密着していることが好ましい。なお、第1接続部においては、後述するように、ブスバー部材16同士の銅製の基材12同士を直接接合によって接続することも有り得、この場合には銅製の基材12同士によって導通がとれるため、第1接続部において銅製の基材12とチタン製の被覆層11が密着していなくてもよい。
また、ブスバー部材16において、少なくとも、第1接続部以外の部分または第2接続部以外の部分においては、銅製の基材12とチタン製の被覆層11との間に間隔13が形成されている。間隔13とは、銅製の基材12の面とチタン製の被覆層11の面との離間距離のことをいう。ブスバー部材16は、銅製の基材12とチタン製の被覆層11との間に間隔13を有していることにより、通電時の熱によって銅製の基材12が膨張したとしても間隔13が緩衝領域となり、被覆層11に過大な応力が加わらないようにすることができる。
銅製の基材12とチタン製の被覆層11との間の間隔13は、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが更に好ましい。また、銅製の基材12の腐食を抑制する観点からは、銅製の基材12とチタン製の被覆層11との間の間隔13は、30μm以下であることが好ましい。
ブスバー部材16は、銅製の基材12の表面がチタン被覆層11で覆われた構造をしているため耐食性に優れており、仮にブスバー部材16の表面にめっき液4が付着したとしても銅製の基材12が腐食することがない。このためブスバー部材16はメンテナンスが容易であり、長期に亘って安定に使用することができる。また、ブスバー部材16をめっき液4中に浸漬した状態でも通電することが可能である。
後述するように、ブスバー部材16は、銅製の基材12を特に表面処理等の処理をすることなくチタンを被覆することによって製造される。このため、銅製の基材12の表面には、厚みが約1μm程度の酸化被膜が形成されている。銅製の基材12の表面に酸化被膜が形成されている場合には、銅製の基材12とチタン製の被覆層11との密着性が低くなり、前記間隔13を形成しやすくなる。
第1ブスバー10Aおよび第2ブスバー10Bのサイズは特に限定されるものではなく、めっき処理装置の大きさに応じて適宜変更すればよい。めっき処理装置は大抵の場合、1メートルから2メートル程度のめっき槽1を複数備えるため、第1ブスバー10Aおよび第2ブスバー10Bを構成するブスバー部材16の長さは、数メートルから数十メートルとなる。また、ブスバー部材16の幅も限定的ではなく、例えば、100mmから500mm程度であればよく、厚みも同様に、5mmから15mm程度であればよい。なお、ブスバー部材16の主面の形状は、長方形に限らず、L字型やコの字型であっても構わない。
ブスバー部材16において銅製の基材12は銅以外の成分が含まれていても構わないが、ブスバー部材16の電気抵抗を小さくする観点からは、高純度の銅からなるものである方が好ましい。
ブスバー部材16においてチタン製の被覆層11は、純チタンである必要は特に無く、チタンを主成分としていればよい。チタン製の被覆層11には、耐食性の向上や電気抵抗の低減等を目的として、チタン以外の成分が含まれても構わない。
チタン製の被覆層11は、厚みが厚いほどブスバー部材16の耐食性を高くすることができるが、一方で接続部の電気抵抗の増大の原因となってしまう。このため、チタン製の被覆層11の厚みは、0.1mm以上、2.0mm以下であることが好ましく、0.3mm以上、1.5mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上、1.0mm以下であることが更に好ましい。
ブスバー部材16は、例えば、チタンを円筒状に成形し、その中空部分に銅を挿入して圧延することにより製造することができる。ブスバー部材16のサイズに応じて圧延の条件を適宜変更し、銅製の基材12とチタン製の被覆層11との間の間隔13が1μm以上となるようにすればよい。また、ブスバー部材16の端部において銅が露出しないように、溶接等によってチタンを端部に被覆すればよい。
なお、第1接続部および第2接続部においては、例えば、ボルトによる締め付け圧力によって銅製の基材12とチタン製の被覆層11との間に間隔13が生じないようにすればよい。
本開示の実施形態に係るめっき処理装置は、めっき槽1において被めっき物5が水平方向に搬送されてめっきされるものであってもよいし、垂直方向に搬送されてめっきされるものであってもよい。
図3に、めっき槽1において被めっき物5が水平方向に搬送されてめっきされるタイプのめっき処理装置30の構成の一例の概略を示す。めっき処理装置30は、被めっき物5を図3の左側から右側に送る構成となっており、第1めっき槽31と、この第1めっき槽31の下流側に配置された第2めっき槽32とを備えている。
第1めっき槽31は、めっき液4と、給電ローラ20(円筒状陰極)と、容器内壁に設けられた陽極25とを備えている。給電ローラ20は第1ブスバー10Aを介して制御盤6または制御盤6に接続された導電性部材と接続され、給電される。また、図3には示されていないが、陽極25もブスバーを介して制御盤6または制御盤6に接続された導電性部材と接続され、給電される。被めっき物5が給電ローラ20に沿ってめっき液4の中を通過することにより、被めっき物5の一面側(図3の下面側)にめっき膜が形成される。
図4に、給電ローラ20と第1ブスバー10Aを接続した状態の一例の概略を示す。図4に示す例では、付勢部材23によって給電ブラシ22が給電ローラ20の回転軸21の外周面の一部に押圧付勢されて滑り接触している。付勢部材23の一端部は、筐体24の内面に取り付けられている。給電ローラ20、回転軸21、給電ブラシ22、付勢部材23および筐体24は導電性の材料によって構成されていればよい。これにより、第1ブスバー10Aを筐体24に接続することで、給電ローラ20に給電することができる。
図3に示すめっき処理装置30において、第2めっき槽32は、被めっき物5の他面側(図3の上面側)にめっき膜を形成するための複数のめっき槽1を備えている。被めっき物5は、各めっき槽1に隣接して配置された複数の送りローラ7と、複数の給電ローラ2とによって挟まれた状態で順次送られる。給電ローラ2は第1ブスバー10Aを介して制御盤6または制御盤6に接続された導電性部材と接続され、給電される。給電ローラ2への給電は、図4に示す構成と同様の方法で行うことができる。
複数のめっき槽1内には、被めっき物5の前記他面側にめっき液4を介してアノードケース3が設けられている。図3には示していないが、アノードケース3は第2ブスバー10Bを介して制御盤6または制御盤6に接続された導電性部材に接続され、給電される。アノードケース3の中には、被めっき物5にめっきする対象の金属が設けられており、アノードケース3および給電ローラ2(槽外給電陰極)に給電することで、被めっき物5の前記他面側にめっき膜が形成される。
図5に、アノードケース3と第2ブスバー10Bを接続した状態の一例の概略を示す。図5に示す例では、アノードケース3はめっき液4の液面に配置されており、内部には被めっき物5にめっきする対象の金属が収容されている。また、アノードケース3は、内部に設けられた金属とめっき液4とが接触可能なように構成されていればよい。第2ブスバー10Bはアノードケース3の一部に接続されていればよい。アノードケース3が導電性の材料によって構成されていることで、アノードケース3の内部に設けられた金属に給電することができる。
図6に、めっき槽において被めっき物5が垂直方向に搬送されてめっきされるタイプのめっき処理装置の構成の一例の概略を示す。図6に示すめっき処理装置は、図示しない予備めっき槽と、予備めっき槽の下流側に配置された引き上げ式の本めっき槽40とを備えている。
予備めっき槽は、図1に示すめっき処理装置のように、被めっき物5を水平方向に搬送し、めっき液中で被めっき物5の一面側に予備的にめっきを行うものである。
本めっき槽40は、めっき液4、第1押えローラ41、第1給電ローラ42、一対の第1アノードケース43、第1送りローラ44、第2送りローラ45、一対の第2アノードケース46、第2給電ローラ47および第2押えローラ48を備えている。
本めっき槽40において、被めっき物5は、第1押えローラ41と第1給電ローラ42とによって挟まれて順次搬送され、めっき液4内に設けられた一対の第1アノードケース43同士の間に引き込まれる。第1アノードケース43の中には被めっき物5にめっきする対象の金属が収容されており、また、第1アノードケース43は内部に設けられた金属とめっき液4とが接触可能なように構成されている。第1給電ローラ42の回転軸および一対の第1アノードケース43に給電することで、被めっき物5の両面側にめっき膜を形成することができる。
次いで、被めっき物5は、めっき液4内において第1送りローラ44および第2送りローラ45によって、一対の第2アノードケース46同士の間に順次送られる。更に、被めっき物5は第2押えローラ48と第2給電ローラ47とによって搬送され、めっき液4から順次引き上げられる。第2アノードケース46の中には被めっき物5にめっきする対象の金属が収容されており、また、第2アノードケース46は内部に設けられた金属とめっき液4とが接触可能なように構成されている。一対の第2アノードケース46および第2給電ローラ47の回転軸に給電することで、被めっき物5の両面側にめっき膜を形成することができる。第1給電ローラ42の回転軸および第2給電ローラ47の回転軸は、第1ブスバー10Aを介して制御盤6または制御盤6に接続された導電性部材と接続され、給電される。第1給電ローラ42の回転軸および第2給電ローラ47の回転軸への給電は、図4に示す構成と同様の方法で行うことができる。また、一対の第1アノードケース43および一対の第2アノードケース46は、第2ブスバー10Bを介して制御盤6または制御盤6に接続された導電性部材と接続され、給電される。
これまで説明しためっき処理装置において、給電ローラと制御盤、陽極と制御盤、およびアノードケースと制御盤との電気的接続をそれぞれ1つのブスバー部材によって行うことは少なく、複数のブスバー部材同士が接続されて用いられることが多い。本開示においては、ブスバー部材同士が接続されている部分を第1接続部、ブスバー部材とブスバー部材以外の部材(例えば、アノードケース、給電ローラ、制御盤および制御盤に接続された導電性部材等)が接続されている部分を第2接続部というものとする。なお、ブスバー部材の両端部がそれぞれ別のブスバー部材と接続されている場合には、そのブスバーは第1接続部のみを有するものである。また、ブスバーの両端部がそれぞれブスバー以外の部材と接続されている場合には、そのブスバーは第2接続部のみを有するものである。
本開示の実施形態に係るめっき処理装置において、第1ブスバー10Aおよび第2ブスバー10Bが第1接続部を有する場合には、第1接続部は銅製の基材12同士が直接溶接された構造を有していることが好ましい。
図7に、銅製の基材12同士が溶接されている第1接続部の構成の概略を説明するための断面図を示す。図7において左側に示されている銅製の基材12は紙面に対して垂直方向に延在しており、右側に示されている銅製の基材12は図7の上側に延在している。第1接続部を形成するためには、ブスバー部材16同士が接触する部分の被覆層11を除去し、銅製の基材12同士を直接接触させて溶接すればよい。銅製の基材12同士が接合されていることにより、第1接続部における電気抵抗を非常に小さくして給電効率を向上させることができ、通電時の第1接続部での発熱を少なくし、30℃程度以下にすることができる。更に、銅製の基材12同士が接合している部分の面積を比較的小さくすることができる。
銅製の基材12同士は、深溶込みが可能な電子ビーム溶接によって溶接されていることが好ましい。銅製の基材12同士を電子ビーム溶接する際には、銅製の基材12の表面は特に表面処理等の特別な処理をする必要がない。なお、銅製の基材12同士が溶接されていると、第1接続部においてブスバー部材16同士を分離することができなくなるため、めっき処理装置の停止時やメンテナンス時においてブスバー部材16同士を分離する必要がない部分にこの構成を採用することが好ましい。
ブスバー部材16同士が接続されている第1接続部の構成としては、ブスバー部材16同士をボルトによって接続する構成も好ましい態様として挙げられる。ブスバー部材16同士をボルトによって接続すると、銅製の基材12同士が溶接されている場合に比べて、第1接続部における電気抵抗は大きくなるが、ブスバー部材16同士の接続や分離を容易に行うことができる。このため、めっき処理装置の停止時やメンテナンス時においてブスバー部材16同士を分離する必要がある部分においては、ボルトによって接続する構成を採用することが好ましい。
図8に、ブスバー部材16同士がボルト14によって接続された第1接続部の構成の概略を説明するための斜視図を示す。ブスバー部材16の表面は全面がチタンで覆われているため、ブスバー部材16同士を重ね合わせて接続すると電気抵抗が大きくなり、通電により発熱が生じ易くなってしまう。このため、ブスバー部材16同士をボルト14によって接続する場合には、図8に示すように、少なくとも一方のブスバー部材16の端部をT字型とし、ブスバー部材16同士が接触する部分の面積を大きくして接続部における電気抵抗を小さくすることが好ましい。これにより、通電時の第1接続部の発熱を少なくし、30℃以下程度にすることができる。
ブスバー部材16とブスバー部材16以外の部材が接続されている第2接続部も、第1接続部と同様に、ボルト14によって接続する構成を採用することができる。これにより、ブスバー部材16とブスバー部材16以外の部材とを容易に接続したり分離したりすることができる。第2接続部も、電気抵抗を小さくするためには、ブスバー部材16の端部もしくはブスバー部材16以外の部材、またはブスバー部材16の端部およびブスバー部材16以外の部材がT字型であることが好ましい。
第1接続部または第2接続部は、T字型の形状をしていて接続部の面積が大きくなっていると、ブスバー部材16同士あるいはブスバー部材16とブスバー部材16以外の部材との接触が不安定になりやすいため、複数のボルト14を用いて接続強度を高くすることが好ましい。
ブスバー部材16同士あるいはブスバー部材16とブスバー部材16以外の部材との接触面積が大きい程、接触を安定させるために、第1接続部または第2接続部に使用するボルトの本数を多くすることが好ましい。例えば、ボルト14の本数は、ブスバー部材16同士あるいはブスバー部材16とブスバー部材16以外の部材とが接触している面積を基準として、2本/m以上であることが好ましい。また、第1接続部または第2接続部におけるボルトの本数は、第1接続部または第2接続部を流れる電流125A当たり1個以上であることが好ましい。
ボルト14の材質は特に限定されるものではないが、耐食性に優れ、かつ、大きな締め付けトルクに耐え得るものであることが好ましい。例えば、ステンレス製の六角ボルトを好ましく用いることができる。ボルト14がステンレス製のボルトである場合には、ボルト14によって接続された第1接続部または第2接続部の接続強度をより高くすることができる。
また、ボルト14のサイズは特に限定されるものではなく、締め付けトルク等を考慮すると、例えば、JIS B 1180:2014によるM12等を好ましく用いることができる。なお、十分な設置スペースを確保できる場合には、更に大径のボルトでも良い。
図9に、図8に示すブスバー部材16同士の接続部の部分断面図を示す。図9に示すように、ブスバー部材16の第1接続部または第2接続部において、ボルト14を用いて接続を行う場合には、ブスバー10は、ボルト14がねじ込まれる部分のねじ穴の内周面15もチタン製の被覆層11によって被覆されていることが好ましい。これにより、第1接続部または第2接続部におけるブスバー部材16の耐食性をより高めることができる。
1 めっき槽
2 給電ローラ
3 アノードケース
4 めっき液
5 被めっき物
6 制御盤
7 送りローラ
10A 第1ブスバー
10B 第2ブスバー
11 チタン製の被覆層
12 銅製の基材
13 間隔
14 ボルト
15 ねじ穴の内周面
16 ブスバー部材
20 給電ローラ
21 回転軸
22 給電ブラシ
23 付勢部材
24 筐体
25 陽極
30 めっき処理装置
31 第1めっき槽
32 第2めっき槽
40 本めっき槽
41 第1押えローラ
42 第1給電ローラ
43 第1アノードケース
44 第1送りローラ
45 第2送りローラ
46 第2アノードケース
47 第2給電ローラ
48 第2押えローラ

Claims (8)

  1. 被めっき物をめっき液に浸漬することにより前記被めっき物の表面にめっき層を形成するめっき処理装置であって、
    前記めっき液を収容するめっき槽と、
    前記被めっき物に給電しつつ回転することにより、前記被めっき物を前記めっき槽に収容された前記めっき液に浸漬し、次いで前記めっき液の外に搬送する給電ローラと、
    前記めっき槽の内部に配置され、前記めっき槽に収容された前記めっき液に電気的に接触するアノードケースと、
    前記給電ローラおよび前記アノードケースに供給する電力を制御する制御盤と、
    前記給電ローラと前記制御盤とを電気的に接続する第1ブスバーと、
    前記アノードケースと前記制御盤とを電気的に接続する第2ブスバーと、
    を備え、
    前記第1ブスバーおよび前記第2ブスバーは、それぞれ銅製の基材および前記基材表面を覆うチタン製の被覆層を有する、複数のブスバー部材から構成され、
    前記第1ブスバーおよび前記第2ブスバーは、前記ブスバー部材同士が接続される第1接続部と、前記ブスバー部材が、前記給電ローラ、前記アノードケース、または前記制御盤に接続される第2接続部とを有し、
    前記ブスバー部材は、前記第1接続部および前記第2接続部以外の部分において、前記基材と前記被覆層との間に間隔を有する、めっき処理装置。
  2. 前記間隔は1μm以上である、請求項1に記載のめっき処理装置。
  3. 前記第1接続部において、前記基材同士が直接溶接されている、
    請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のめっき処理装置。
  4. 前記第1接続部において、いずれか一方の前記ブスバー部材の端部はT字型の形状を有し、
    さらに、前記第1接続部は複数のねじ穴を備え、前記複数のねじ穴にねじ込まれた複数のボルトによって接続されている、請求項1または請求項2記載のめっき処理装置。
  5. 前記第2接続部において、前記ブスバー部材、または前記ブスバー部材と接続される前記給電ローラ、前記アノードケース、または前記制御盤の接続部分はT字型の形状を有し、
    さらに、前記第2接続部は複数のねじ穴を備え、前記複数のねじ穴にねじ込まれた複数のボルトによって接続されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のめっき処理装置。
  6. 前記ボルトの数は、前記第1接続部または前記第2接続部を流れる電流125A当たり1個以上である、請求項4または請求項5のいずれか一項に記載のめっき処理装置。
  7. 前記ボルトはステンレス製である、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のめっき処理装置。
  8. 前記ブスバー部材の前記ボルトがねじ込まれる部分のねじ穴の内周面が前記チタン製の被覆層によって被覆されている、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のめっき処理装置。
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