JP6737090B2 - 電気デバイス用正極及びそれを用いたリチウムイオン電池 - Google Patents
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Description
本実施形態の電気デバイス用正極10は、正極活物質と、導電助剤と、を備える。正極活物質は、化学式:Li1.5[NiaCobMnc[Li]d]O3で表される固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を含有する。なお、式中、Liはリチウム、Niはニッケル、Coはコバルト、Mnはマンガン、Oは酸素を示す。また、式中、a,b,c及びdは、0<a<1.4、0≦b<1.4、0<c<1.4、0.1<d≦0.4、a+b+c+d=1.5、1.1≦a+b+c<1.4の関係を満足する。このような電気デバイス用正極10を用いることにより、電気デバイスの放電容量を高くすることができる。また、このような電気デバイス用正極10を用いることにより、電気デバイスの充放電電位を高くすることができる。
本実施形態の電気デバイス用正極10は、正極活物質を備える。正極活物質は、化学式:Li1.5[NiaCobMnc[Li]d]O3で表される固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を含有する。なお、式中、Liはリチウム、Niはニッケル、Coはコバルト、Mnはマンガン、Oは酸素を示す。また、式中、a,b,c及びdは、0<a<1.4、0≦b<1.4、0<c<1.4、0.1<d≦0.4、a+b+c+d=1.5、1.1≦a+b+c<1.4の関係を満足する。このような電気デバイス用正極10を用いることにより、電気デバイスの放電容量を高くすることができる。また、このような電気デバイス用正極10を用いることにより、電気デバイスの充放電電位を高くすることができる。なお、各元素の組成は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により測定できる。
本実施形態の電気デバイス用正極10は、導電助剤を備える。導電助剤は、繊維状導電助剤と粒状導電助剤とを含有する。すなわち、本実施形態の電気デバイス用正極10は、繊維状導電助剤と、粒状導電助剤と、を備える。このような複数の導電助剤を用いる相乗効果により、繊維状導電助剤又は粒状導電助剤を単独で用いた場合と比較して、サイクル特性を向上させることができる。また、このような導電助剤を用いることにより、低電位における電気デバイスの電圧降下も低減することができる。
本実施形態の電気デバイス用正極10は、正極活物質層11を備えることができる。正極活物質層11は、本実施形態の、正極活物質と、導電助剤と、を備えることができる。繊維状導電助剤及び粒状導電助剤の合計の導電助剤の含有量は、正極活物質層11全体に対して、1〜10質量%が好ましく、2〜6質量%がより好ましい。導電助剤の合計含有量をこのような範囲とすることにより、正極活物質層11の導電性を向上させることができる。
本実施形態の電気デバイス用正極10は、正極集電体12と、正極集電体12の少なくとも一方の面に配置される正極活物質層11と、を備えることができる。正極集電体12は、正極活物質層11と後述する正極タブ31などの間で、電子の受け渡しが可能なように配置することができる。正極集電体12を形成する材料は、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ステンレス鋼(SUS)などの金属が好ましい。これらの中でも、正極集電体12を形成する材料として、アルミニウム(Al)を用いることが好ましい。
本実施形態の電気デバイスは、上述したような電気デバイスを備えることができる。そのため、本実施形態の電気デバイスは、サイクル特性を高く、電圧降下を小さくすることができる。電気デバイスとしては、例えば、後述するリチウムイオン電池20や電気二重層キャパシタなどが挙げられる。
本実施形態の電気デバイスは、リチウムイオン電池20とすることができる。具体的には、本実施形態のリチウムイオン電池20は、電気デバイス用正極10を備えることができる。そのため、本実施形態のリチウムイオン電池20は、サイクル特性を高く、電圧降下を小さくすることができる。なお、リチウムイオン電池20は、電気デバイス用正極10の他、必要に応じて、図1に示すように、電気デバイス用負極23、電解質層27、正極タブ31、負極タブ33及び外装体35などをさらに備えることができる。すなわち、リチウムイオン電池20は、外装体35と、外装体35に収容される電池素子40と、を備えることができる。電池素子40は、複数の単電池層37を積層することにより形成することができる。単電池層37は、電気デバイス用正極10と、電気デバイス用負極23と、電気デバイス用正極10と電気デバイス用負極23との間に配置される電解質層27と、を備えることができる。また、単電池層37は、図1に示すように、複数積層して電気的に並列に配置することもできる。
電気デバイス用負極23は、負極集電体24と、負極集電体24の少なくとも一方の面に配置される負極活物質層25と、を備えることができる。
本実施形態のリチウムイオン電池20は、負極集電体24の少なくとも一方の面に配置された負極活物質層25を備えることができる。負極集電体24は、負極活物質層25と後述する負極タブ33などの間で、電子が受け渡しできるように配置することができる。負極集電体24を形成する材料は、例えば、銅(Cu)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ステンレス鋼(SUS)などの金属が好ましい。これらの中でも、負極集電体24を形成する材料として、銅(Cu)を用いることが好ましい。
負極活物質層25は、例えば、負極活物質、導電助剤及びバインダなどを含むことができる。
本実施形態のリチウムイオン電池20は、電気デバイス用正極10と電気デバイス用負極23との間に配置される電解質層27をさらに備えることができる。電解質層27は、電気デバイス用負極23と電気デバイス用正極10とを隔離し、リチウムイオンの移動を仲介する。電解質層27の膜厚は、内部抵抗を低減させる観点から、1〜100μmが好ましく、5〜50μmであることがさらに好ましい。電解質層27は非水電解質を含む。非水電解質としては、イオン伝導性ポリマーにリチウム塩が溶解したゲル状又は固体状のポリマー電解質、並びに有機溶媒にリチウム塩が溶解した液体電解質を用いることができる。
リチウムイオン電池20は、正極集電体12と、リチウムイオン電池20の外部の機器とを電気的に接続する正極タブ31をさらに備えることができる。また、リチウムイオン電池20は、負極集電体24と、リチウムイオン電池20の外部の機器とを電気的に接続する負極タブ33をさらに備えることができる。正極タブ31及び負極タブ33を形成する材料は、特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケルからなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。なお、正極タブ31及び負極タブ33を形成する材料は、同一でも異なっていてもよい。
本実施形態のリチウムイオン電池20は、電池素子40を収容する外装体35をさらに備えることができる。外装体35は、例えば、缶や、フィルムにより形成されたものが挙げられる。また、外装体35の形状は、特に限定されず、円筒型、角型、シート型とすることができる。特に限定されないが、小型化及び軽量化などの観点より、外装体35はフィルムにより形成されていることが好ましい。なかでも、高出力化や冷却性能の観点からは、フィルムはラミネートフィルムであることが好ましく、ラミネートフィルムはアルミニウムを含むことが好ましい。また、リチウムイオン電池20は扁平積層型リチウムイオン電池であることが好ましい。このようなリチウムイオン電池20は、放電容量及び放熱性能を高くすることができるため、車両に搭載する場合に最適である。アルミニウムを含むラミネートフィルムの一例としては、PP/アルミニウム/ナイロンの3層ラミネートフィルムが挙げられる。
(正極の作製)
酢酸ニッケル、酢酸コバルト及び酢酸マンガンの2mol/Lの水溶液を調製した。次いで、組成がLi1.5[Ni0.281Co0.281Mn0.688[Li0.25]]O3となるように、これらを所定量秤量して、混合溶液を調製した。そして、マグネティックスターラーで混合溶液を攪拌しながら、混合溶液にアンモニア水をpH7になるまで滴下した。さらに、この混合溶液に、2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液を滴下し、ニッケル−コバルト−マンガンの複合炭酸塩を沈殿させた。得られた沈殿物を吸引ろ過した後、水洗して、120℃程度、5時間ほどの条件で乾燥を行った。そして、得られた乾燥物を500℃程度、5時間ほどの条件で仮焼成を行った。これに水酸化リチウムを、組成がLi1.5[Ni0.281Co0.281Mn0.688[Li0.25]]O3となるように加え、自動乳鉢で30分間程度混練した。さらに、大気中、昇温速度50℃/時間で加熱し、その後750℃で12時間ほど本焼成を行い、正極活物質を得た。
アルゴンガス雰囲気のグローブボックス内にて、上述のようにして得られた正極と、金属リチウムの負極とを直径15mmの円形に打ち抜いた後それぞれ対向させ、この間に電解質層を配置した。電解質層は、ポリプロピレンを材料とする厚み20μmのものを2枚用いた。なお、正極と負極は、リチウムイオン電池作製前に、真空乾燥機にて100℃で2時間乾燥したものを用いた。
上述のようにして得られたコインセルを、室温下(25℃)で、最高電圧が4.8Vとなるまで0.1Cで定電流充電した後、電池の最低電圧が2.0Vとなるまで0.1Cで定電流放電する充放電サイクルを1サイクルだけ行い、リチウムイオン電池を得た。
繊維状導電助剤Aの添加量を2.0質量部、粒状導電助剤Aの添加量を1.0質量部とした以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
正極の導電助剤に1.5質量部の繊維状導電助剤Bと1.5質量部の粒状導電助剤Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。なお、繊維状導電助剤Bの繊維径は10nm、比表面積は180m2/gであった。また、粒状導電助剤Bの平均一次粒子径は26nm、比表面積は150m2/gであった。
正極の導電助剤に1.5質量部の繊維状導電助剤Bと1.5質量部の粒状導電助剤Aを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
正極の導電助剤に1.5質量部の繊維状導電助剤Aと1.5質量部の繊維状導電助剤Bを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
正極の導電助剤に3.0質量部の繊維状導電助剤Aのみを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
正極の導電助剤に3.0質量部の繊維状導電助剤Bのみを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
正極の導電助剤に3.0質量部の繊維状導電助剤Cのみを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。なお、繊維状導電助剤Cの繊維径は150nmであり、比表面積は7.7m2/gであった。
正極の導電助剤に3.0質量部の粒状導電助剤Aのみを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
正極の導電助剤に3.0質量部の粒状導電助剤Bのみを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
正極の導電助剤に3.0質量部の粒状導電助剤Cのみを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。なお、粒状導電助剤Cの平均一次粒子径は47nm、比表面積は108m2/gであった。
実施例及び比較例のハーフセルのリチウムイオン電池について、放電容量、電圧降下及び100サイクル目の放電容量維持率の評価を実施した。結果を表1に合わせて示す。
室温下(25℃)で、最高電圧が4.6Vとなるまで0.1Cで定電流充電した後、最低電圧が2.0Vとなるまで0.1Cで定電流放電する充放電サイクルを、5サイクル行った。そして、5サイクル目において、4.6Vから2.0Vまで放電した時の電気容量を放電容量とした。
最高電圧が4.6Vとなるまで0.2Cで定電流充電した後、最低電圧が2.0Vとなるまで0.1Cで定電流放電する充放電サイクルを、1サイクル行った。そして、1サイクル目において、リチウムイオン電池の放電容量が200mAh/gになった時の電圧と、3.20Vとの差を算出し、電圧降下の値とした。なお、上記3.20Vの値は、1サイクル目において、放電容量が80mAh/gになった時の放電曲線の傾きから、電圧降下が生じずに放電容量が200mAh/gになった時の電圧を推測したものである。なお、参考のため、実施例1と比較例1の充放電曲線を図2に示す。
室温下(25℃)で、最高電圧が4.6Vとなるまで0.1Cで定電流充電した後、最低電圧が2.0Vとなるまで1.0Cで定電流放電する充放電サイクルを、100サイクル行った。そして、1サイクル目と100サイクル目において、4.6Vから2.0Vまで放電した時の放電容量を測定し、100サイクル目の放電容量に対する1サイクル目の放電容量の割合を100サイクル目の放電容量維持率とした。
負極活物質として、金属リチウムに代えて、以下のようにして作製したケイ素含有合金を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
まず、遊星型ボールミル(ドイツ フリッチュ社製P−6)を用いて、メカニカルアロイ法により金属粉末を合金化させた。具体的には、質量比で、Si:Sn:Ti=60:10:30となるように調製した金属粉末と、ジルコニア製粉砕ボールとを、ジルコニア製容器に投入した。その後、ジルコニア製容器を固定する台座を、600rpmで12.5時間回転させて、金属粉末を合金化した。
金属リチウムに代えて、実施例5で用いたケイ素含有合金を用いた以外は、実施例2と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
金属リチウムに代えて、実施例5で用いたケイ素含有合金を用いた以外は、実施例4と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
金属リチウムに代えて、実施例5で用いたケイ素含有合金を用いた以外は、比較例2と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
金属リチウムに代えて、実施例5で用いたケイ素含有合金を用いた以外は、比較例3と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
金属リチウムに代えて、実施例5で用いたケイ素含有合金を用いた以外は、比較例5と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
金属リチウムに代えて、実施例5で用いたケイ素含有合金を用いた以外は、比較例6と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
金属リチウムに代えて、実施例5で用いたケイ素含有合金を用いた以外は、比較例7と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
実施例及び比較例のケイ素含有合金を用いたフルセルのリチウムイオン電池について、50サイクル目の放電容量維持率及びクーロン効率の評価を実施した。結果を表2に合わせて示す。
50サイクル目の放電容量維持率は、以下のようにして測定した。室温下(25℃)で、最高電圧が4.6Vとなるまで0.1Cで定電流充電した後、最低電圧が2.0Vとなるまで1.0Cで定電流放電する充放電サイクルを、50サイクル行った。そして、1サイクル目と50サイクル目において、4.6Vから2.0Vまで放電した時の放電容量を測定し、50サイクル目の放電容量に対する1サイクル目の放電容量の割合を50サイクル目の放電容量維持率とした。
クーロン効率は以下のようにして測定した。室温下(25℃)で、最高電圧が4.6Vとなるまで0.1Cで定電流充電した後、最低電圧が2.0Vとなるまで1.0Cで定電流放電する充放電サイクルを、50サイクル行った。そして、各サイクルにおける充電容量に対する放電容量の割合の平均値をクーロン効率とした。なお、充電容量は2.0Vから4.6Vまで充電した時の電気容量、放電容量は4.6Vから2.0Vまで放電した時の電気容量とした。
20 リチウムイオン電池
Claims (5)
- 化学式:
Li1.5[NiaCobMnc[Li]d]O3
(式中、Liはリチウム、Niはニッケル、Coはコバルト、Mnはマンガン、Oは酸素を示し、a,b,c及びdは、0<a<1.4、0≦b<1.4、0<c<1.4、0.1<d≦0.4、a+b+c+d=1.5、1.1≦a+b+c<1.4の関係を満足する)で表される固溶体リチウム含有遷移金属酸化物を含有する正極活物質と、
繊維状導電助剤と、
粒状導電助剤と、
を備え、
前記粒状導電助剤の比表面積に対する前記繊維状導電助剤の比表面積の比は0.6以上1.3以下である電気デバイス用正極。 - 前記繊維状導電助剤の繊維径は5nm以上50nm以下であり、前記繊維状導電助剤のアスペクト比は10以上である請求項1に記載の電気デバイス用正極。
- 前記粒状導電助剤の平均一次粒子径は45nm以下であり、前記粒状導電助剤の比表面積は110m2/g以上である請求項1又は2に記載の電気デバイス用正極。
- 前記粒状導電助剤の質量に対する前記繊維状導電助剤の質量の比は0.8以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気デバイス用正極。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気デバイス用正極を備えたリチウムイオン電池。
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