JP6737792B2 - 溝付き麺 - Google Patents
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Description
このように、特許文献1または2に開示された麺では、例えばスパゲティにおいて要求されている「中心に芯の残る良好な食感(アルデンテ)」を得ることが困難であった。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、茹で時間を短縮すると共に麺線の中心領域と表面近傍の食感のバランスが良好な溝付き麺を提供することを目的とする。
さらに、互いに隣り合う溝の間の麺線のうち最も小さな厚さを有する部分が、麺線の横断面において、麺線の横断面の直径に対して20〜60%の厚さを有することも好ましい。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る溝付き麺10を示す。麺10は、麺線方向Lに延びるスパゲッティの乾麺からなっている。麺10の外周部には、麺線方向Lに沿って、3本の溝11が形成されている。
図3は、麺10に形成された溝11の部分拡大断面図である。麺10に溝11が形成されたことで、麺線の表面に開口部11aが形成され、開口部11aから溝11の最深部11bに向かって、互いに対向する一対の辺が緩やかに湾曲している。これら一対の辺のうち、麺線の中心点Pに近い方の辺11cと開口部11aの交点に、第1の開口端部11dが位置し、麺線の中心点Pから遠い方の辺11eと開口部11aの交点に、第2の開口端部11fが位置する。
また、中心領域12の面積が、3本の溝11がないものとした場合における麺線の主外形の面積に対して6〜34%の値を有するように、中心領域12が設定されている。中心領域12の内側には、3本の溝11の一部が存在するが、溝が存在しない中実な麺線部分が、中心領域12の85%以上を占めている。中心領域12の面積を所定の範囲としても、溝の形状によっては、溝に入り込む湯による麺線内部への水分と熱の浸透の程度が変わりうる。しかし、中心領域12に占める中実な麺線部分を中心領域12の85%以上とすることで、中心領域と表面近傍の食感のバランスが良好になるように茹で上げることが可能となる。
このような溝付き麺10は、図2に示した麺線の断面形状に対応する形状の貫通孔が形成されたダイスを用いて麺材料を押出成形した後、乾燥させることにより製造することができる。
ここで、上述したように、3本の溝11における鋭角θ1を調節すると、中心領域12とそれぞれの外側領域13の面積を変更することができることから、外側領域13が茹で上がった時点における中心領域12の茹で上がり具合を調節することができる。
このように、3本の溝11における鋭角θ1を調節することで、短時間に中心に芯の残る良好な食感(アルデンテ)を得ることができ、さらに、中心領域と表面近傍の良好な食感のバランスによる極めて良好な食感を得ることができる。例えば、電子レンジによる短時間の調理でも、良好な食感を得ることができる。
なお、上述したように、中心領域12は、3本の溝11の一部から水分と熱を吸収することから、3本の溝11の麺線の横断面における深さが変化すると、中心領域12の水分と熱の浸透のしやすさが変化する。従って、麺の中心領域と表面近傍の良好な食感のバランスを得るために、麺線の横断面において、3本の溝11は、麺線の直径Dに対して20〜60%の深さTを有することが好ましい。
なお、図2に示した3本の溝11における鋭角θ1は、全て同一の値であったが、これに限るものでなく、それぞれの溝11におけるθ1が12〜28度の範囲内において異なる値に設定されていても良い。
図4に、実施の形態2に係る溝付き麺20の横断面を示す。図2に示した麺10は、3本の溝11を有していたが、この実施の形態2に係る溝付き麺20は、麺線方向Lに沿って、4本の溝21が形成されている。
麺線は、実施の形態1と同様に、その横断面において、直径Dを有するほぼ円形の主外形を有する。4本の溝21は、麺線の周方向に90度間隔、すなわち、麺線を周方向に4分割するように配置され、麺線の中心点Pに対して同じ回転方向に延在している。
図5は、麺20に形成された溝21の部分拡大断面図である。麺線の表面に開口部21aが形成されており、開口部21aから溝21の最深部21bに向かって一対の辺が緩やかに湾曲している。これら一対の辺のうち、麺線の中心点Pに近い方の辺21cと開口部21aの交点に、第1の開口端部21dが位置し、麺線の中心点Pから遠い方の辺21eと開口部21aの交点に、第2の開口端部21fが位置する。
また、中心領域の面積が、4本の溝21がないものとした場合における麺線の主外形の面積に対して4〜35%の値を有するように、中心領域22が設定されている。中心領域22の内側には、4本の溝21の一部が存在するが、溝が存在しない中実な麺線部分が、中心領域の85%以上を占めている。
さらに、四角形の中心領域22の外側には、4本の第6の直線C6および4本の溝21により互いに分割された4つの外側領域23が形成されている。
このような4本の溝21におけるθ2を調節することでも、短時間に溝付き麺20を茹で上げ、中心に芯の残る良好な食感、さらに、中心領域と表面近傍の良好な食感のバランスによる極めて良好な食感を得ることができる。
実施例1
デュラムセモリナ100質量部に対して水26質量部を混合し、混練して生地とした。パスタ製造機に、図2に示したような3本の溝を有する麺線の断面形状に対応する形状の貫通孔が形成されたダイスを取り付け、−600mmHgの減圧条件下、混練した生地を押出成形した後、常法により乾燥して乾燥スパゲッティを製造した。
図2および3に示した寸法について、麺線断面の直径D=2mm、鋭角θ1=12度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=6.4%、直径Dに対する3本の溝11の深さT=50%とした。
図6(A)に、実施例2に係る乾燥スパゲッティの横断面を示す。なお、図示簡略化のため、図中のハッチングは省略した。鋭角θ1=15度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=9.7%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
図6(B)に示される断面図に対応するように、鋭角θ1=20度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=17.4%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
図6(C)に示される断面図に対応するように、鋭角θ1=25度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=26.9%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
図6に図示しないが、鋭角θ1=28度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=33.2%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
図6(D)示される断面図に対応するように、鋭角θ1=10度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=4.4%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
図6(E)に示される断面図に対応するように、鋭角θ1=30度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=38.1%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
図6(F)に示される断面図に対応するように、鋭角θ1=35度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=49.9%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
なお、表1の評価基準は、図3に示した外側領域13と中心領域12の食感のバランスが良く、スパゲッティの食感が良好であれば、点数が高くなり、外側領域13と中心領域12の食感のバランスが崩れ、スパゲッティの食感が良くないと、点数が低くなるものである。
実施例1〜5では、中心領域12の外側に位置する外側領域13が適度に茹で上がった時点で中心領域12にも程よく芯が残り、外側領域13と中心領域12の食感のバランスが良く、スパゲッティの食感が良好であったことを示している。
一方、比較例1では、中心領域12の面積と麺線の主外形の面積の割合R1が4.4%、すなわち、表2の中で中心領域12の面積が最も小さかった。このため、中心領域12に熱が伝わりすぎて柔らかすぎる食感となり、外側領域13と中心領域12の食感のバランスが崩れてしまったと推測される。また、比較例2および3では、割合R1が38%以上と表2の中でも中心領域12の面積が比較的大きく、これに対して、外側領域13の面積が小さかった。このため、外側領域13に熱が伝わりすぎて柔らかすぎる食感となり、外側領域13と中心領域12の食感のバランスが崩れてしまったと推測される。
なお、実施例1〜5および比較例1〜3のスパゲッティの中心領域12に麺線が占める割合R2は、全て85%以上であり、中心領域12に対して中実な麺線部分が占める割合が不足することはなかった。
実施例6
図4に示したような4本の溝を有する麺線の断面形状に対応する形状の貫通孔が形成されたダイスを用いて、鋭角θ2=12度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=4.9%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
図7(A)に、実施例7に係る乾燥スパゲッティの横断面を示す。鋭角θ2=15度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=7.6%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
図7(B)に示される断面図に対応するように、鋭角θ2=20度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=13.5%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
図7(C)に示される断面図に対応するように、鋭角θ2=25度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=20.5%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
図7(D)に示される断面図に対応するように、鋭角θ2=30度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=29.2%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
図7に図示しないが、鋭角θ2=33度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=34.5%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
図7(E)に示される断面図に対応するように、鋭角θ2=10度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=3.4%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
図7(F)に示される断面図に対応するように、鋭角θ2=35度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=38.3%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
表3より、鋭角θ2が12〜33度、中心領域22の面積と麺線の主外形の面積の割合R1が4〜35%に設定されると、中心領域12の外側に位置する外側領域23と中心領域22の食感のバランスが良くなり、良好な食感のスパゲッティが得られることが分かった。
実施例12
麺線の直径Dに対する3本の溝11の深さTを15%とする他は、実施例4と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
麺線の直径Dに対する3本の溝11の深さTを20%とする他は、実施例4と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
麺線の直径Dに対する3本の溝11の深さTを35%とする他は、実施例4と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
麺線の直径Dに対する3本の溝11の深さTを60%とする他は、実施例4と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
麺線の直径Dに対する3本の溝11の深さTを70%とする他は、実施例4と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
また、実施例4および13〜15の評価結果の平均点が4点に近くなったことから、さらに良好なスパゲッティの食感を得るためには、溝11の深さTを20〜60%に設定することが好ましいことが分かった。
Claims (4)
- 麺線方向に沿って3本の溝が形成されると共に麺線の横断面がほぼ円形の主外形を有する溝付き麺において、
前記3本の溝は、麺線の横断面において、麺線の周方向に120度間隔で配置されると共に麺線の横断面の中心点に対して同じ回転方向に延在し、
それぞれの前記溝は、互いに対向し且つ前記溝の開口部から前記溝の最深部に向かって延びる一対の辺と、前記一対の辺のうち前記中心点に近い辺における第1の開口端部と、前記一対の辺のうち前記中心点から遠い辺における第2の開口端部とを有し、
それぞれの前記溝における前記第1の開口端部および前記最深部を通る直線と前記第1の開口端部および前記中心点を通る直線により形成される鋭角の角度が20〜25度であり、
前記3本の溝のそれぞれの前記第1の開口端部および前記第2の開口端部の中点と前記最深部とを通る3本の直線から成る三角形で形成される中心領域の面積が、前記3本の溝がないものとした場合の前記主外形の面積に対して17〜27%の値を有し、
前記中心領域の85%以上を麺線が占めることを特徴とする溝付き麺。 - 麺線方向に沿って4本の溝が形成されると共に麺線の横断面がほぼ円形の主外形を有する溝付き麺において、
前記4本の溝は、麺線の横断面において、麺線の周方向に90度間隔で配置されると共に麺線の横断面の中心点に対して同じ回転方向に延在し、
前記溝は、互いに対向し且つ前記溝の開口部から前記溝の最深部に延びる一対の辺と、前記一対の辺のうち前記中心部に近い辺における第1の開口端部と、前記一対の辺のうち前記中心部から遠い辺における第2の開口端部とを有し、
それぞれの前記溝における前記第1の開口端部および前記最深部を通る直線と前記第1の開口端部および前記中心点を通る直線により形成される鋭角の角度が20〜25度であり、
前記4本の溝のそれぞれの前記第1の開口端部および前記第2の開口端部の中点と前記最深部とを通る4本の直線から成る四角形で形成される中心領域の面積が、前記4本の溝がないものとした場合の前記主外形の面積に対して13〜21%の値を有し、
前記中心領域の85%以上を麺線が占めることを特徴とする溝付き麺。 - 前記3本の溝、あるいは、前記4本の溝が、麺線の横断面において、麺線の横断面の直径に対して20〜60%の深さを有する請求項1または2に記載の溝付き麺。
- 互いに隣り合う溝の間の麺線のうち最も小さな厚さを有する部分が、麺線の横断面において、麺線の横断面の直径に対して20〜60%の厚さを有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の溝付き麺。
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