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JP6737792B2 - 溝付き麺 - Google Patents
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Description

この発明は、溝付き麺に係り、特に、麺線方向に沿って複数の溝が形成された溝付き麺に関する。
従来から、茹で時間の短縮を目的として、麺線方向に沿って溝または切込みが付された麺が提案されている。例えば、特許文献1には、ほぼ円形の横断面を有する麺線の直径に対して1/2〜4/5の深さを有する1本の楔形の溝が付された麺が開示されている。ところが、楔形の溝が麺線の横断面の中心領域にも及んでいると、調理時に麺の表面近傍にだけでなく中心領域にも熱が伝わりやすいため、溝なしの麺よりも茹で時間を短縮することはできるものの、全体的に麺が柔らかくなり、良好な食感を実現することができなかった。
また、特許文献2には、円形の横断面を有する中実の中心領域が形成されると共に開口部の幅よりも最深部の幅の方が広い複数の溝が付されている麺が開示されている。ところが、このような開口部の幅よりも最深部の幅の方が広い溝では、茹で上がった際に溝が十分に塞がれずに残ってしまい、溝なしの麺とは異なる食感となり、溝なしの麺として食感を向上することができなかった。
このように、特許文献1または2に開示された麺では、例えばスパゲティにおいて要求されている「中心に芯の残る良好な食感(アルデンテ)」を得ることが困難であった。
これに対して、特許文献3および4には、円形の横断面を有する中心領域から表面まで渦巻き状に湾曲して延在する断面形状を有する複数の溝を形成することで、中心に芯の残る良好な食感(アルデンテ)を得ようとする溝付き麺が提案されている。
特許第3658477号公報 特開平4−211337号公報 特許第5102252号公報 特許第5726493号公報
しかしながら、特許文献3および4に例示された溝では、茹で時間を短縮しながらもアルデンテの食感を有する麺を得ることはできるものの、麺線の中心領域と表面近傍の良好な食感のバランスとの点ではいまだ不十分な面があった。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、茹で時間を短縮すると共に麺線の中心領域と表面近傍の食感のバランスが良好な溝付き麺を提供することを目的とする。
この発明に係る溝付き麺は、麺線方向に沿って3本の溝が形成されると共に麺線の横断面がほぼ円形の主外形を有する溝付き麺において、3本の溝は、麺線の横断面において、麺線の周方向に120度間隔で配置されると共に麺線の横断面の中心点に対して同じ回転方向に延在し、それぞれの溝は、互いに対向し且つ溝の開口部から溝の最深部に向かって延びる一対の辺と、一対の辺のうち中心点に近い辺における第1の開口端部と、一対の辺のうち中心点から遠い辺における第2の開口端部とを有し、それぞれの溝における第1の開口端部および最深部を通る直線と第1の開口端部および中心点を通る直線により形成される鋭角の角度が2025度であり、3本の溝のそれぞれの第1の開口端部および第2の開口端部の中点と最深部とを通る3本の直線から成る三角形で形成される中心領域の面積が、3本の溝がないものとした場合の主外形の面積に対して1727%の値を有し、中心領域の85%以上を麺線が占めるものである。
また、この発明に係る溝付き麺は、麺線方向に沿って4本の溝が形成されると共に麺線の横断面がほぼ円形の主外形を有する溝付き麺において、4本の溝は、麺線の横断面において、麺線の周方向に90度間隔で配置されると共に麺線の横断面の中心点に対して同じ回転方向に延在し、溝は、互いに対向し且つ溝の開口部から溝の最深部に延びる一対の辺と、一対の辺のうち中心部に近い辺における第1の開口端部と、一対の辺のうち中心部から遠い辺における第2の開口端部とを有し、それぞれの溝における第1の開口端部および最深部を通る直線と第1の開口端部および中心点を通る直線により形成される鋭角の角度が2025度であり、4本の溝のそれぞれの第1の開口端部および第2の開口端部の中点と最深部とを通る4本の直線から成る四角形で形成される中心領域の面積が、4本の溝がないものとした場合の主外形の面積に対して1321%の値を有し、中心領域の85%以上を麺線が占めるものであっても良い。
3本の溝、あるいは、4本の溝が、麺線の横断面において、麺線の横断面の直径に対して20〜60%の深さを有することが好ましい。
さらに、互いに隣り合う溝の間の麺線のうち最も小さな厚さを有する部分が、麺線の横断面において、麺線の横断面の直径に対して20〜60%の厚さを有することも好ましい。
この発明によれば、それぞれの溝における第1の開口端部および最深部を通る直線と第1の開口端部および中心点を通る直線により形成される鋭角の角度が12〜28度であり、3本の溝のそれぞれの第1の開口端部および第2の開口端部の中点と最深部とを通る3本の直線から成る三角形で形成される中心領域の面積が、3本の溝がないものとした場合の主外形の面積に対して6〜34%の値を有し、中心領域の85%以上を麺線が占めるので、茹で時間を短縮すると共に中心領域と表面近傍の良好な食感のバランスを得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る溝付き麺の斜視図である。 実施の形態1に係る溝付き麺を示す横断面図である。 実施の形態1に係る溝付き麺の部分拡大断面図である。 実施の形態2に係る溝付き麺を示す横断面図である。 実施の形態2に係る溝付き麺の部分拡大断面図である。 (A)〜(F)は、実施例2〜4および比較例1〜3で製造されたスパゲッティを示す横断面図である。 (A)〜(F)は、実施例7〜10および比較例4、5で製造されたスパゲッティを示す横断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る溝付き麺10を示す。麺10は、麺線方向Lに延びるスパゲッティの乾麺からなっている。麺10の外周部には、麺線方向Lに沿って、3本の溝11が形成されている。
図2に示されるように、麺線は、その横断面において、直径Dを有するほぼ円形の主外形を有する。3本の溝11は、麺線の周方向に120度間隔、すなわち、麺線を周方向に3分割するように配置され、麺線の中心点Pに対して同じ回転方向に延在している。
図3は、麺10に形成された溝11の部分拡大断面図である。麺10に溝11が形成されたことで、麺線の表面に開口部11aが形成され、開口部11aから溝11の最深部11bに向かって、互いに対向する一対の辺が緩やかに湾曲している。これら一対の辺のうち、麺線の中心点Pに近い方の辺11cと開口部11aの交点に、第1の開口端部11dが位置し、麺線の中心点Pから遠い方の辺11eと開口部11aの交点に、第2の開口端部11fが位置する。
ここで、麺線の表面に位置する第1の開口端部11dと溝11の最深部11bを通る第1の直線C1を想定する。そして、第1の開口端部11dと中心点Pを通る第2の直線C2、すなわち、第1の開口端部11dを通る麺線の横断面の直径Dを想定すると、第1の直線C1と第2の直線C2により鋭角θ1が形成され、鋭角θ1は、12〜28度の範囲に設定されている。なお、図2において、3本の溝11における鋭角θ1は、全て同一の値を有している。
また、麺線の表面に位置する第1の開口端部11dと第2の開口端部11fの中点11gを想定し、中点11gと溝11の最深部11bを通る第3の直線C3を想定する。図2に示されるように、3本の溝11のそれぞれに第3の直線C3が通っており、これら3本の第3の直線C3により形成される三角形の領域を中心領域12とする。
また、中心領域12の面積が、3本の溝11がないものとした場合における麺線の主外形の面積に対して6〜34%の値を有するように、中心領域12が設定されている。中心領域12の内側には、3本の溝11の一部が存在するが、溝が存在しない中実な麺線部分が、中心領域12の85%以上を占めている。中心領域12の面積を所定の範囲としても、溝の形状によっては、溝に入り込む湯による麺線内部への水分と熱の浸透の程度が変わりうる。しかし、中心領域12に占める中実な麺線部分を中心領域12の85%以上とすることで、中心領域と表面近傍の食感のバランスが良好になるように茹で上げることが可能となる。
三角形の中心領域12の外側には、3本の第3の直線C3および3本の溝11により互いに分割された3つの外側領域13が形成されている。また、それぞれの溝11における第1の直線C1と第2の直線C2により形成される鋭角θ1を12〜28度の範囲内で調節することで、中心領域12とそれぞれの外側領域13の面積を変更することができる。
なお、麺10のサイズは特に限定されるものではないが、例えば、麺線の直径Dを1.8〜2.8mm、麺線の長さを250mmあるいは165mmとすることができる。
このような溝付き麺10は、図2に示した麺線の断面形状に対応する形状の貫通孔が形成されたダイスを用いて麺材料を押出成形した後、乾燥させることにより製造することができる。
調理の際に麺10を高温の湯の中に投入して茹でると、麺線の外周面を通して水分と熱が麺線の内部へ浸透するが、このとき、3本の溝11の中にも高温の湯が入り込み、麺線の外周面だけでなく、3本の溝11の内壁部分からも麺線の内部に水分と熱が浸透する。このため、麺線の横断面の表面近傍に位置する外側領域13に水分と熱が浸透しやすくなっている。これに対して、中心領域12は、3本の溝11の一部から水分と熱が浸透するが、3つの外側領域13の内側に位置することから、麺線の外周面からの影響を受けにくく、水分と熱が浸透しにくい構造となっている。
中心領域12の面積を小さくすると、中心領域12を占める中実な麺線部分の割合も小さくなることから、中心領域12が水分と熱の影響を受けやすくなる。すなわち、中心領域12の面積を調節して、中実な麺線部分の割合を調節することで、中心領域12の水分と熱の浸透しやすさを調節することができる。
ここで、上述したように、3本の溝11における鋭角θ1を調節すると、中心領域12とそれぞれの外側領域13の面積を変更することができることから、外側領域13が茹で上がった時点における中心領域12の茹で上がり具合を調節することができる。
このため、3本の溝11における鋭角θ1を予め12〜28度の範囲内に調節しておくと、中心領域12の外側に位置する外側領域13が適度に茹で上がった時点で、中心領域12にわずかに芯を残すことができる。
このように、3本の溝11における鋭角θ1を調節することで、短時間に中心に芯の残る良好な食感(アルデンテ)を得ることができ、さらに、中心領域と表面近傍の良好な食感のバランスによる極めて良好な食感を得ることができる。例えば、電子レンジによる短時間の調理でも、良好な食感を得ることができる。
また、麺10は、高温の湯の中で茹でることにより、吸水して膨張し、3本の溝11が塞がって、ほぼ円形の断面形状となる。このため、溝なしの麺と同様の外観および舌触りが得られる。
なお、上述したように、中心領域12は、3本の溝11の一部から水分と熱を吸収することから、3本の溝11の麺線の横断面における深さが変化すると、中心領域12の水分と熱の浸透のしやすさが変化する。従って、麺の中心領域と表面近傍の良好な食感のバランスを得るために、麺線の横断面において、3本の溝11は、麺線の直径Dに対して20〜60%の深さTを有することが好ましい。
また、3本の溝11に高温の湯が入り込むと、互いに隣り合う溝11の間に位置する中実な麺線部分には、それぞれの溝11から水分と熱が浸透する。このため、互いに隣り合う溝11の間に位置する中実な麺線部分の厚さが変化すると、麺10の茹で上がり具合と食感が変化する。従って、互いに隣り合う溝11の間の麺線のうち最も小さな厚さを有する部分は、麺線の直径Dに対して20〜60%の厚さWを有することが好ましい。
なお、図2に示した3本の溝11における鋭角θ1は、全て同一の値であったが、これに限るものでなく、それぞれの溝11におけるθ1が12〜28度の範囲内において異なる値に設定されていても良い。
図2に示した溝11は、その横断面において、最深部11aに緩やかに湾曲する一対の辺を有していたが、これに限るものでなく、直線状の辺を有していても良い。また、最深部11aは、丸みを有していたが、これに限るものではなく、尖った形状としても良い。
実施の形態2
図4に、実施の形態2に係る溝付き麺20の横断面を示す。図2に示した麺10は、3本の溝11を有していたが、この実施の形態2に係る溝付き麺20は、麺線方向Lに沿って、4本の溝21が形成されている。
麺線は、実施の形態1と同様に、その横断面において、直径Dを有するほぼ円形の主外形を有する。4本の溝21は、麺線の周方向に90度間隔、すなわち、麺線を周方向に4分割するように配置され、麺線の中心点Pに対して同じ回転方向に延在している。
図5は、麺20に形成された溝21の部分拡大断面図である。麺線の表面に開口部21aが形成されており、開口部21aから溝21の最深部21bに向かって一対の辺が緩やかに湾曲している。これら一対の辺のうち、麺線の中心点Pに近い方の辺21cと開口部21aの交点に、第1の開口端部21dが位置し、麺線の中心点Pから遠い方の辺21eと開口部21aの交点に、第2の開口端部21fが位置する。
ここで、麺線の表面に位置する第1の開口端部21dと溝21の最深部21bを通る第4の直線C4を想定する。そして、第1の開口端部21dと中心点Pを通る第5の直線C5を想定すると、第4の直線C4と第5の直線C5により鋭角θ2が形成され、鋭角θ2は、12〜33度の範囲に設定されている。なお、図4において、4本の溝21における鋭角θ2は、全て同一の値を有している。
また、麺線の表面に位置する第1の開口端部21dと第2の開口端部21fの中点21gを想定し、中点21gと溝21の最深部21bを通る第6の直線C6を想定する。図4に示されるように、4本の溝21のそれぞれに第6の直線C6が通っており、これら4本の第6の直線C6により形成される四角形の領域を中心領域22とする。
また、中心領域の面積が、4本の溝21がないものとした場合における麺線の主外形の面積に対して4〜35%の値を有するように、中心領域22が設定されている。中心領域22の内側には、4本の溝21の一部が存在するが、溝が存在しない中実な麺線部分が、中心領域の85%以上を占めている。
さらに、四角形の中心領域22の外側には、4本の第6の直線C6および4本の溝21により互いに分割された4つの外側領域23が形成されている。
実施の形態1と同様に、4本の溝21における鋭角θ2を12〜33度の範囲内で調節することで、中心領域22とそれぞれの外側領域23の面積を変更することができる。
このような4本の溝21におけるθ2を調節することでも、短時間に溝付き麺20を茹で上げ、中心に芯の残る良好な食感、さらに、中心領域と表面近傍の良好な食感のバランスによる極めて良好な食感を得ることができる。
実施の形態1に示したような3本の溝が形成された溝付き麺について、各部分の角度および寸法を変更した複数の溝付き麺を製造した。
実施例1
デュラムセモリナ100質量部に対して水26質量部を混合し、混練して生地とした。パスタ製造機に、図2に示したような3本の溝を有する麺線の断面形状に対応する形状の貫通孔が形成されたダイスを取り付け、−600mmHgの減圧条件下、混練した生地を押出成形した後、常法により乾燥して乾燥スパゲッティを製造した。
図2および3に示した寸法について、麺線断面の直径D=2mm、鋭角θ1=12度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=6.4%、直径Dに対する3本の溝11の深さT=50%とした。
実施例2
図6(A)に、実施例2に係る乾燥スパゲッティの横断面を示す。なお、図示簡略化のため、図中のハッチングは省略した。鋭角θ1=15度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=9.7%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例3
図6(B)に示される断面図に対応するように、鋭角θ1=20度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=17.4%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例4
図6(C)に示される断面図に対応するように、鋭角θ1=25度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=26.9%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例5
図6に図示しないが、鋭角θ1=28度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=33.2%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
比較例1
図6(D)示される断面図に対応するように、鋭角θ1=10度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=4.4%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
比較例2
図6(E)に示される断面図に対応するように、鋭角θ1=30度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=38.1%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
比較例3
図6(F)に示される断面図に対応するように、鋭角θ1=35度、中心領域12と麺線の主外形の面積との割合R1=49.9%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
このような乾燥スパゲッティを沸騰水で3分間茹でるという調理を行った。そして、表1に示される評価基準に基づいて、茹で上がったスパゲッティの食感を評価して、10名分の評価結果の平均点を求めるという食感評価試験を実施した。
なお、表1の評価基準は、図3に示した外側領域13と中心領域12の食感のバランスが良く、スパゲッティの食感が良好であれば、点数が高くなり、外側領域13と中心領域12の食感のバランスが崩れ、スパゲッティの食感が良くないと、点数が低くなるものである。
実施例1〜5および比較例1〜3のスパゲッティに対して、表1に示した評価基準に基づいて食感を評価して、10名分の評価結果の平均点を求めた。その結果を表2に示す。
実施例1〜5のスパゲッティでは、いずれも、評価結果の平均点が4点に近くなった。これに対して、比較例1〜3のスパゲッティでは、いずれも、評価結果の平均点が3点未満となった。
実施例1〜5では、中心領域12の外側に位置する外側領域13が適度に茹で上がった時点で中心領域12にも程よく芯が残り、外側領域13と中心領域12の食感のバランスが良く、スパゲッティの食感が良好であったことを示している。
一方、比較例1では、中心領域12の面積と麺線の主外形の面積の割合R1が4.4%、すなわち、表2の中で中心領域12の面積が最も小さかった。このため、中心領域12に熱が伝わりすぎて柔らかすぎる食感となり、外側領域13と中心領域12の食感のバランスが崩れてしまったと推測される。また、比較例2および3では、割合R1が38%以上と表2の中でも中心領域12の面積が比較的大きく、これに対して、外側領域13の面積が小さかった。このため、外側領域13に熱が伝わりすぎて柔らかすぎる食感となり、外側領域13と中心領域12の食感のバランスが崩れてしまったと推測される。
表2より、鋭角θ1が12〜28度、中心領域12の面積と麺線の主外形の面積の割合R1が6〜34%に設定されていると、外側領域13と中心領域12の食感のバランスが良くなり、良好な食感のスパゲッティが得られることが分かった。
なお、実施例1〜5および比較例1〜3のスパゲッティの中心領域12に麺線が占める割合R2は、全て85%以上であり、中心領域12に対して中実な麺線部分が占める割合が不足することはなかった。
次に、実施の形態2に示したような4本の溝が形成された溝付き麺について、各部分の角度および寸法を変更した複数の溝付き麺を製造した。
実施例6
図4に示したような4本の溝を有する麺線の断面形状に対応する形状の貫通孔が形成されたダイスを用いて、鋭角θ2=12度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=4.9%とする他は、実施例1と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例7
図7(A)に、実施例7に係る乾燥スパゲッティの横断面を示す。鋭角θ2=15度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=7.6%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例8
図7(B)に示される断面図に対応するように、鋭角θ2=20度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=13.5%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例9
図7(C)に示される断面図に対応するように、鋭角θ2=25度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=20.5%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例10
図7(D)に示される断面図に対応するように、鋭角θ2=30度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=29.2%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例11
図7に図示しないが、鋭角θ2=33度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=34.5%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
比較例4
図7(E)に示される断面図に対応するように、鋭角θ2=10度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=3.4%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
比較例5
図7(F)に示される断面図に対応するように、鋭角θ2=35度、中心領域22と麺線の主外形の面積との割合R1=38.3%とする他は、実施例6と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例6〜11および比較例4および5のスパゲッティに対して、表1に示した評価基準に基づいて食感を評価して、10名分の評価結果の平均点を求めた。その結果を表3に示す。
実施例6〜11のスパゲッティでは、いずれも、評価結果の平均点が4点に近くなった。これに対して、比較例4および5のスパゲッティでは、いずれも、評価結果の平均点が3点未満となった。
表3より、鋭角θ2が12〜33度、中心領域22の面積と麺線の主外形の面積の割合R1が4〜35%に設定されると、中心領域12の外側に位置する外側領域23と中心領域22の食感のバランスが良くなり、良好な食感のスパゲッティが得られることが分かった。
さらに、麺線の直径Dに対する溝の深さTを変化させて、複数の溝付き麺を製造した。
実施例12
麺線の直径Dに対する3本の溝11の深さTを15%とする他は、実施例4と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例13
麺線の直径Dに対する3本の溝11の深さTを20%とする他は、実施例4と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例14
麺線の直径Dに対する3本の溝11の深さTを35%とする他は、実施例4と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例15
麺線の直径Dに対する3本の溝11の深さTを60%とする他は、実施例4と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例16
麺線の直径Dに対する3本の溝11の深さTを70%とする他は、実施例4と同様に乾燥スパゲッティを製造した。
実施例12〜16のスパゲッティに対して、表1に示した評価基準に基づいて食感を評価して、10名分の評価結果の平均点を求めた。その結果を表4に示す。なお、表4には、麺線の直径Dに対する3本の溝11の深さTが50%であった実施例4の評価結果を再掲している。
実施例12〜16のスパゲッティでは、いずれも、評価結果の平均点が3点以上となったが、麺線の直径Dに対する3本の溝11の溝の深さTを変更したことで、中心領域12の外側に位置する外側領域13と中心領域12の食感のバランスが変化して、評価結果の平均点も変化したと推測される。
また、実施例4および13〜15の評価結果の平均点が4点に近くなったことから、さらに良好なスパゲッティの食感を得るためには、溝11の深さTを20〜60%に設定することが好ましいことが分かった。
10,20 溝付き麺、11,21 溝、11a,21a 開口部、11b,21b 最深部、11c,21c 中心点に近い方の辺、11d,21d 第1の開口端部、11e,21e 中心点から遠い方の辺、11f,21f 第2の開口端部、11g,21g 中点、12,22 中心領域、13,23 外側領域、C1 第1の直線、C2 第2の直線、C3 第3の直線、C4 第4の直線、C5 第5の直線、C6 第6の直線、P 中心点、θ1,θ2 鋭角、D 直径、L 方向、T 深さ、W 厚さ。

Claims (4)

  1. 麺線方向に沿って3本の溝が形成されると共に麺線の横断面がほぼ円形の主外形を有する溝付き麺において、
    前記3本の溝は、麺線の横断面において、麺線の周方向に120度間隔で配置されると共に麺線の横断面の中心点に対して同じ回転方向に延在し、
    それぞれの前記溝は、互いに対向し且つ前記溝の開口部から前記溝の最深部に向かって延びる一対の辺と、前記一対の辺のうち前記中心点に近い辺における第1の開口端部と、前記一対の辺のうち前記中心点から遠い辺における第2の開口端部とを有し、
    それぞれの前記溝における前記第1の開口端部および前記最深部を通る直線と前記第1の開口端部および前記中心点を通る直線により形成される鋭角の角度が2025度であり、
    前記3本の溝のそれぞれの前記第1の開口端部および前記第2の開口端部の中点と前記最深部とを通る3本の直線から成る三角形で形成される中心領域の面積が、前記3本の溝がないものとした場合の前記主外形の面積に対して1727%の値を有し、
    前記中心領域の85%以上を麺線が占めることを特徴とする溝付き麺。
  2. 麺線方向に沿って4本の溝が形成されると共に麺線の横断面がほぼ円形の主外形を有する溝付き麺において、
    前記4本の溝は、麺線の横断面において、麺線の周方向に90度間隔で配置されると共に麺線の横断面の中心点に対して同じ回転方向に延在し、
    前記溝は、互いに対向し且つ前記溝の開口部から前記溝の最深部に延びる一対の辺と、前記一対の辺のうち前記中心部に近い辺における第1の開口端部と、前記一対の辺のうち前記中心部から遠い辺における第2の開口端部とを有し、
    それぞれの前記溝における前記第1の開口端部および前記最深部を通る直線と前記第1の開口端部および前記中心点を通る直線により形成される鋭角の角度が2025度であり、
    前記4本の溝のそれぞれの前記第1の開口端部および前記第2の開口端部の中点と前記最深部とを通る4本の直線から成る四角形で形成される中心領域の面積が、前記4本の溝がないものとした場合の前記主外形の面積に対して1321%の値を有し、
    前記中心領域の85%以上を麺線が占めることを特徴とする溝付き麺。
  3. 前記3本の溝、あるいは、前記4本の溝が、麺線の横断面において、麺線の横断面の直径に対して20〜60%の深さを有する請求項1または2に記載の溝付き麺。
  4. 互いに隣り合う溝の間の麺線のうち最も小さな厚さを有する部分が、麺線の横断面において、麺線の横断面の直径に対して20〜60%の厚さを有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の溝付き麺。
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