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JP6738492B2 - 水処理方法および水処理装置 - Google Patents
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Description

本発明は、化学工業、紙・パルプ、印刷、機械、食品、製薬等の工場から排出される溶解性COD成分を含有する溶解性COD含有水のCODを低減する水処理方法および水処理装置の技術に関する。
化学工場、紙・パルプ工場、印刷工場、機械製造工場、食品工場、製薬工場等から、様々な性状の排水が排出されている。これらの排水中には、化学的酸素要求量(COD)を指標とする有機物が含有されており、COD成分をそのまま放流すると環境汚染の原因となる可能性がある。そのため、水質汚濁防止法において、特定施設を有する事業場から海域および湖沼等に排出される排水のCOD濃度に対して一律排水基準が定められており、COD濃度を排水基準以下に低減することが求められている。
また、一律排水基準だけでは水質汚濁防止が不十分な地域において、都道府県が条例によって上乗せ排水基準を定めている。CODの上乗せ排水基準は、業種および地域によって様々ではあるが、20mg/L以下の厳しい基準を定めている例もある。
そこで、排水のCODを低減するため、主に生物処理が適用されている。しかし、生物処理単独ではCODを十分に低減できない性状の排水もある。この場合、排水が難生分解性であり、かつ、溶解性のCOD成分を含有することが主な原因である。そのため、難生分解性であり、かつ、溶解性のCOD成分を低減するため、凝集処理、フェントン処理、オゾン処理および活性炭処理等の物理化学的処理が行われている。
凝集処理は、懸濁物質に由来するCOD成分の除去には効果的であるが、溶解性COD成分の低減率は低く、規制値を満足するために大量の凝集剤の添加が必要となる場合がある。このように、難生分解性であり、かつ、溶解性のCOD成分の除去が大きな課題となっている。
また、凝集処理の後段において活性炭吸着によるCOD低減が行われることもある。活性炭処理も溶解性COD成分の低減に有効であるが、凝集処理における溶解性COD成分の低減が不十分である場合、頻繁に活性炭を交換する必要があるためランニングコストが嵩む点が課題である。
一方、フェントン処理およびオゾン処理のような酸化処理は、溶解性COD成分の低減にも有効である。しかし、フェントン処理は、過酸化水素、硫酸第一鉄、pH調整剤等の薬品消費量および汚泥発生量が多く、ランニングコストの面において経済的な排水処理方法とは言い難い。また、オゾン処理は、オゾン発生装置が高価であり、また、酸素発生装置および廃オゾン分解装置等の周辺設備が必要であることから、イニシャルコストが高い点が問題である。
これらの問題を解決するため、凝集処理性能の向上が図られている。例えば、特許文献1では、凝集沈殿処理において、COD成分を吸着可能なカチオン性官能基を有した有機系微粒子を添加し、溶解性COD成分を低減する方法が提案されている。しかし、この方法は有機系微粒子の添加濃度が固形分で500〜3000mg/Lと多く、有機系微粒子がそのまま汚泥となるため、汚泥発生量が多い点において経済的な処理方法とは言い難い。さらに、有機系微粒子を分散させるために、薬剤中に脂肪族系炭化水素液体および界面活性剤を添加するため、これら添加物の被処理液中への残留が懸念される。
また、特許文献2では、凝集処理において、重量平均分子量が1000以上のアニオン性高分子電解質を添加した後に重量平均分子量が1万以上100万以下のカチオン性高分子電解質を添加するノニオン性の溶解性COD成分の除去方法が提案されている。しかし、特許文献2の実施例で示されている紙パルプ工場以外の排水におけるCOD成分の除去性能は未知数であり、当該排水の処理水CODを十分に低濃度まで低減できているとは言えない。
特許文献3では、カチオン性モノマに対するアニオン性モノマの共重合比率が0.1〜3質量%の範囲である両性有機凝結剤を添加する凝集処理方法が提案されている。しかし、特許文献3の実施例で示されているように、懸濁物質を高濃度に含有する製紙工業廃水の濁度低減には有効であるが、溶解性COD成分の処理性能については明確ではない。
特許文献4では、流動床式生物反応槽で生物処理した排水に凝結剤を添加後、カチオン性高分子凝集剤を添加して凝集処理する製紙排水の処理方法が提案されている。しかし、特許文献4では凝集処理の原水として使用された生物処理水の溶解性COD成分が不明であり、溶解性COD成分の処理性能については明確ではない。
従来技術によって排水のCODを低減することは可能であるが、難生分解性の溶解性COD成分の処理性能は十分とは言えない。また、特許文献1に記載されている有機系微粒子や、公知である粉末活性炭を使用する凝集処理を行えば、難生分解性の溶解性COD成分も低減可能であるが、これら固形の吸着材は多くの添加量が必要であり、汚泥発生量を増大させる問題がある。このように、従来技術では、溶解性COD成分を低減するために、排水処理費用が増加することが懸念される。
特許第4923834号公報 特開2009−154095号公報 特許第5560626号公報 特開2014−028365号公報
本発明の目的は、溶解性COD成分を含有するCOD含有水の凝集処理において、汚泥発生量を抑えながら、難生分解性の溶解性COD成分を低減することができる水処理方法および水処理装置を提供することにある。
本発明は、溶解性COD成分を含有するCOD含有水にCOD低減剤を添加して凝集処理を行う凝集処理工程を含み、前記COD低減剤は、50重量%水溶液の粘度が1,000mPa・s以上であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.0meq/g以上(pH6)であるジメチルアミン・エピクロロヒドリン・アンモニア縮合物を含み、前記凝集処理工程の前段に、被処理水を生物処理する生物処理工程を含み、前記COD含有水は、前記生物処理工程で得られる生物処理水である、水処理方法である。
前記水処理方法において、前記COD含有水の溶解性CODMnは、20mg/L以上であることが好ましい。
前記水処理方法において、前記生物処理工程の前段に、有機物を含有する有機物含有水を濃縮する濃縮工程を含み前記生物処理工程において、前記濃縮工程で得られた濃縮水を生物処理することが好ましい。
前記水処理方法における前記生物処理工程において、膜分離活性汚泥法により生物処理を行うことが好ましい。
また、本発明は、溶解性COD成分を含有するCOD含有水にCOD低減剤を添加して凝集処理を行う凝集処理手段を備え、前記COD低減剤は、50重量%水溶液の粘度が1,000mPa・s以上であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.0meq/g以上(pH6)であるジメチルアミン・エピクロロヒドリン・アンモニア縮合物を含み、前記凝集処理手段の前段に、被処理水を生物処理する生物処理手段を備え、前記COD含有水は、前記生物処理手段で得られる生物処理水である、水処理装置である。
前記水処理装置において、前記COD含有水の溶解性CODMnは、20mg/L以上であることが好ましい。
前記水処理装置において、前記生物処理手段の前段に、有機物を含有する有機物含有水を濃縮する濃縮手段を備え前記生物処理手段は、前記濃縮手段で得られた濃縮水を生物処理するものであることが好ましい。
前記水処理装置において、前記生物処理手段は、膜分離活性汚泥法により生物処理を行うものであることが好ましい。
本発明によれば、溶解性COD成分を含有するCOD含有水の凝集処理において、汚泥発生量を抑えながら、難生分解性の溶解性COD成分を低減することができる水処理方法および水処理装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。図1に示す水処理装置1は、凝集装置10と、沈殿槽12とを備える。凝集装置10は、第一反応槽14と、第二反応槽16と、凝集槽18とを備える。第一反応槽14は、COD低減剤添加ライン20を備え、第二反応槽16は、無機凝集剤添加ライン22およびpH調整剤添加ライン24を備え、凝集槽18は、高分子凝集剤添加ライン26を備える。第一反応槽14、第二反応槽16、凝集槽18には、撹拌手段として例えば撹拌翼を有する撹拌機28、撹拌機30、撹拌機32がそれぞれ設置されている。
図1に示す水処理装置1において、第一反応槽14の水入口には、被処理水流入ライン34が接続されている。第一反応槽14の薬剤入口には、COD低減剤添加ライン20が接続されている。反応槽14の水出口には、水排出ライン36の一端が接続され、第二反応槽16の水入口には、水排出ライン36の他端が接続されている。
第二反応槽16の薬剤入口には、無機凝集剤添加ライン22およびpH調整剤添加ライン24が接続されている。また、第二反応槽16の水出口には、水排出ライン38の一端が接続され、凝集槽18の水入口には、水排出ライン38の他端が接続されている。
凝集槽18の薬剤入口には、高分子凝集剤添加ライン26が接続されている。また、凝集槽18の水出口には、水排出ライン40の一端が接続され、沈殿槽12の水入口には、水排出ライン40の他端が接続されている。
沈殿槽12の処理水出口には、処理水排出ライン42が接続され、沈殿槽12の汚泥排出口には、汚泥排出ライン44が接続されている。
本実施形態に係る水処理装置1の動作の一例について説明する。
被処理水である、溶解性COD成分を含有するCOD含有水が、被処理水流入ライン34を通り、第一反応槽14に供給されると共に、COD低減剤がCOD低減剤添加ライン20から第一反応槽14に供給される(COD低減剤供給工程)。第一反応槽14内の被処理水およびCOD低減剤は、撹拌機28により撹拌され、溶解性COD成分は不溶化される(不溶化工程)。
ここで、COD低減剤は、50重量%水溶液の粘度が500mPa・s以上であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.0meq/g以上(pH6)であるポリアミン系ポリマー、40重量%水溶液の粘度が1,500mPa・s以上であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.0meq/g以上(pH6)であるポリエチレンイミン、および、40重量%水溶液の粘度が5,000mPa・s以上であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.0meq/g以上(pH6)であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドのうち少なくとも1つを含む。
溶解性COD成分は、負電荷に帯電すると共に、分子内に−OH、−COOH、−NH、−NH−等の親水性の官能基を有するため、水中に分散および溶解している状態であるが、COD低減剤は分子構造中に正電荷を有するカチオン密度が高い化合物であるため、COD含有水にCOD低減剤が添加されることで、溶解性COD成分の負電荷が荷電中和され、凝集しやすい性状となると考えられる。また、上記COD低減剤のうち、第2級アミンである−NH−、または−OH等を分子内に有するポリアミン系ポリマーは、溶解性COD成分の親水性官能基と水素結合を形成し、溶解性COD成分を不溶化しやすくなると推定される。
不溶化されたCOD成分を含む不溶化COD含有水は、第一反応槽14から水排出ライン36を通り、第二反応槽16に供給されると共に、無機凝集剤が無機凝集剤添加ライン22から、pH調整剤がpH調整剤添加ライン24から第二反応槽16に供給される(無機凝集剤添加工程)。第二反応槽16内の不溶化COD含有水、無機凝集剤およびpH調整剤は、撹拌機30により撹拌される。所定のpHに調整された無機凝集剤は金属水酸化物となり、不溶化されたCOD成分と共に微細フロックが形成される(フロック形成工程)。
微細フロックを含む微細フロック含有水は、第二反応槽16から水排出ライン38を通り、凝集槽18に供給されると共に、高分子凝集剤が高分子凝集剤添加ライン26から凝集槽18に供給される(高分子凝集剤添加工程)。凝集槽18内の微細フロック含有水および高分子凝集剤は、撹拌機32により撹拌される。高分子凝集剤は微細フロック同士を会合させ、フロックを成長させる(フロック成長工程)。
フロックを含むフロック含有水は、凝集槽18から水排出ライン40を通り、沈殿槽12に供給される。沈殿槽12内では、自然沈降等により処理水とフロックとに固液分離される(固液分離工程)。そして、溶解性COD成分が低減された処理水が、処理水排出ライン42から排出され、フロックが汚泥として、汚泥排出ライン44から排出される。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置では、上記COD低減剤を用いることにより、難生分解性の溶解性COD成分の凝集処理に使用する薬品の使用量を抑え、凝集処理における汚泥発生量を抑えながら、難生分解性の溶解性COD成分を低減することができる。また、薬品消費量および汚泥発生量が少なく、イニシャルコスト、ランニングコストの面において経済的な方法である。さらに、凝集処理におけるフロック形成、フロック沈降性、処理水外観にも優れる。
本発明の実施形態に係る水処理装置の他の例の概略を図2に示し、その構成について説明する。図2に示す水処理装置3は、濃縮手段として濃縮装置50と、生物処理手段として生物処理装置52と、凝集処理手段として第一反応槽54、第二反応槽56および沈殿槽58を有する凝集処理装置と、を備える。水処理装置3は、濃縮装置50の前段に被処理水を貯留するための被処理水槽(図示せず)を備えてもよい。
図2に示す水処理装置3において、濃縮装置50の入口には、被処理水流入ライン60が接続されている。濃縮装置50の出口と生物処理装置52の入口とは、濃縮水ライン62により接続されている。生物処理装置52の出口と第一反応槽54の入口とは、生物処理水ライン64により接続されている。第一反応槽54の出口と第二反応槽56の入口とは、水排出ライン66により接続されている。第二反応槽56の出口と沈殿槽58の入口とは、水排出ライン68により接続されている。沈殿槽58の処理水出口には、処理水排出ライン70が接続され、下部の汚泥出口には、汚泥排出ライン72が接続されている。第一反応槽54には、無機凝集剤添加ライン74、COD低減剤添加ライン76、pH調整剤添加ライン78が接続され、撹拌羽根等を有する撹拌機82が設置されていてもよい。第二反応槽56には、高分子凝集剤添加ライン80が接続され、撹拌羽根等を有する撹拌機84が設置されていてもよい。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置3の動作の一例について説明する。
被処理水である、有機物を含有する有機物含有水は、必要に応じて被処理水槽に貯留された後、被処理水流入ライン60を通して、濃縮装置50に供給される。濃縮装置50において、有機物含有水が濃縮される(濃縮工程)。濃縮工程で得られた濃縮水は、濃縮水ライン62を通して、生物処理装置52に供給される。生物処理装置52において、濃縮水は生物処理される(生物処理工程)。
次に、生物処理工程で処理された生物処理水に凝集剤が添加され、凝集処理により処理水が得られる(凝集処理工程)。凝集処理工程は、具体的には例えば以下の通りである。
生物処理工程で処理された生物処理水は、生物処理装置52から生物処理水ライン64を通して第一反応槽54に供給される。第一反応槽54において、無機凝集剤が無機凝集剤添加ライン74を通して添加され(無機凝集剤添加工程)、COD低減剤がCOD低減剤添加ライン76を通して添加される(COD低減剤添加工程)。第一反応槽54内の生物処理水、無機凝集剤およびCOD低減剤は、撹拌機82により撹拌され、有機物が不溶化される(不溶化工程)。必要に応じてpH調整剤がpH調整剤添加ライン78を通して第一反応槽54に添加されて、pH調整が行われてもよい(pH調整工程)。所定のpHに調整された無機凝集剤は例えば金属水酸化物となり、不溶化された有機物と共に微細フロックが形成される(フロック形成工程)。
ここで、COD低減剤は、50重量%水溶液の粘度が500mPa・s以上であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.0meq/g以上(pH6)であるポリアミン系ポリマー、40重量%水溶液の粘度が1,500mPa・s以上であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.0meq/g以上(pH6)であるポリエチレンイミン、および、40重量%水溶液の粘度が5,000mPa・s以上であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.0meq/g以上(pH6)であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドのうち少なくとも1つを含む。
微細フロックを含む第一反応水(微細フロック含有水)は、第一反応槽54から水排出ライン66を通して、第二反応槽56に供給される。第二反応槽56において、高分子凝集剤が高分子凝集剤添加ライン80を通して添加される(高分子凝集剤添加工程)。第二反応槽56内の微細フロック含有水および高分子凝集剤は、撹拌機84により撹拌される。高分子凝集剤は微細フロック同士を会合させ、フロックを成長させる(フロック成長工程)。
フロックを含む第二反応水(フロック含有水)は、第二反応槽56から水排出ライン68を通して、沈殿槽58に供給される。沈殿槽58において、自然沈降等により処理水とフロックとに固液分離される(固液分離工程)。そして、有機物が低減された処理水は、処理水排出ライン70を通して排出され、フロックは汚泥として、汚泥排出ライン72を通して排出される。
本発明者らは、有機物含有水を濃縮処理することにより濃縮水を得て、濃縮水を生物処理した後、凝集処理により処理することにより、COD成分、色素等の有機物や、濁質等が含まれる有機物含有水において、良好な凝集処理性能を示し、有機物等を効率的に低減することができることを見出した。
濃縮処理後に生物処理を行うことにより、濃縮処理を行わずに生物処理を行う場合と分解生成物が異なり、濃縮処理後に生物処理を行った生物処理水の方が凝集処理において有機物等が低減しやすい。これは、濃縮処理後に生物処理を行った生物処理水の方が、より負電荷に帯電をしている化学物質が増えているため、無機凝集剤、COD低減剤、または高分子凝集剤等の凝集剤により荷電中和されて凝集しやすい形状になると推測される。
濃縮工程における濃縮は、様々な方法を用いてよく、例えば、蒸発処理や膜ろ過処理等を用いて濃縮することができる。
蒸発処理としては、自然蒸発、加熱蒸発、噴霧蒸発、真空蒸発等の方法が挙げられる。
膜ろ過処理に使用する膜は、特に制限はないが、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)、ナノろ過膜(NF膜)、または逆浸透膜(RO膜)等が挙げられる。濃縮を効果的に行うことができる等の点から、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)、ナノろ過膜(NF膜)が好ましく、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)がより好ましく、限外ろ過膜(UF膜)がさらに好ましい。分離粒径が小さい逆浸透膜(RO膜)であると膜が閉塞しやすく、精密ろ過膜(MF膜)であると分離粒径が大きく、他の膜よりも濃縮されにくく、凝集後の有機物を効果的に低減することができない場合がある。
精密ろ過膜の孔径は、0.1μm以上、10μm以下であり、限外ろ過膜の公称孔径は、0.001μm以上、0.1μm未満である。分画分子量で表すと、限外ろ過膜の分画分子量は、1,000以上、1,000,000未満である。
ろ過膜の材質は、特に制限はないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルスルホン(PES)、セルロースアセテート(CA)等の有機膜、セラミック製等の無機膜等が挙げられる。
ろ過膜の形状は、特に制限はないが、例えば、中空糸膜の他に、管状膜、平膜、スパイラル等でもよい。ろ過膜の通水方式は、特に制限はないが、内圧式、外圧式等のあらゆる通水方式が適用可能であり、クロスフローろ過やデッドエンドろ過等のあらゆるろ過方法が適用可能である。
生物処理工程では、好気性生物処理または嫌気性生物処理が行われる。例えば、好気性微生物や嫌気性微生物等の微生物により濃縮水中の有機物等を生物学的に酸化または還元させる処理であり、例えば、標準活性汚泥法、生物膜法、膜分離活性汚泥法(MBR)、固定床法、流動床法等の方法によるものが挙げられる。
COD低減剤である、50重量%水溶液の粘度が500mPa・s以上であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.0meq/g以上(pH6)であるポリアミン系ポリマーとしては、ジメチルアミン・エピクロロヒドリン・アンモニア縮合物や、ジメチルアミン・エピクロロヒドリン・エチレンジアミン縮合物等が挙げられる。ジメチルアミン・エピクロロヒドリン・アンモニア縮合物の50重量%水溶液の粘度は、500mPa・s以上であればよく、特に制限はないが、800mPa・s以上であれば好ましく、1,000mPa・s以上であればより好ましい。50重量%水溶液の粘度の上限は、特に制限はないが、4,000mPa・s以下であることが好ましく、2,000mPa・s以下であればより好ましい。カチオンコロイド当量値は、6.0meq/g以上(pH6)であればよく、特に制限はないが、6.5meq/g以上(pH6)であることが好ましい。
COD低減剤であるジメチルアミン・エピクロロヒドリン・エチレンジアミン縮合物の50重量%水溶液の粘度は、500mPa・s以上であればよく、特に制限はないが、800mPa・s以上であれば好ましい。50重量%水溶液の粘度の上限は、特に制限はないが、4,000mPa・s以下であることが好ましく、2,000mPa・s以下であればより好ましい。カチオンコロイド当量値は、6.0meq/g以上(pH6)であればよく、特に制限はないが、6.5meq/g以上(pH6)であることが好ましい。
COD低減剤であるポリエチレンイミンの40重量%水溶液の粘度は、1,500mPa・s以上であればよく、特に制限はないが、2,000mPa・s以上であればより好ましい。40重量%水溶液の粘度の上限は、特に制限はないが、4,000mPa・s以下であることが好ましい。カチオンコロイド当量値は、6.0meq/g以上(pH6)であればよく、特に制限はないが、6.5meq/g以上(pH6)であることが好ましい。
COD低減剤であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドの40重量%水溶液の粘度は、5,000mPa・s以上であればよく、特に制限はないが、8,000mPa・s以上であればより好ましい。40重量%水溶液の粘度の上限は、特に制限はないが、15,000mPa・s以下であることが好ましい。カチオンコロイド当量値は、6.0meq/g以上(pH6)であればよく、特に制限はないが、6.2meq/g以上(pH6)であることが好ましい。
これらのうち、溶解性COD成分の低減効果が高い等の点から、50重量%水溶液の粘度およびカチオンコロイド当量値が上記範囲であるジメチルアミン・エピクロロヒドリン・アンモニア縮合物、またはジメチルアミン・エピクロロヒドリン・エチレンジアミン縮合物、および40重量%水溶液の粘度およびカチオンコロイド当量値が上記範囲であるポリエチレンイミンが好ましく、50重量%水溶液の粘度およびカチオンコロイド当量値が上記範囲であるジメチルアミン・エピクロロヒドリン・アンモニア縮合物、またはジメチルアミン・エピクロロヒドリン・エチレンジアミン縮合物がより好ましい。
ここで、40重量%水溶液または50重量%水溶液の粘度は、化合物の分子量を表す指標であり、数値が大きくなるほど高分子量の化合物となる。40重量%水溶液または50重量%水溶液の粘度は、ブルックフィールド型回転粘度計等の粘度計によって測定される。
また、カチオンコロイド当量値とは、化合物中における正電荷の強さを表す指標であり、数値が大きくなるほど正電荷の強い化合物となる。カチオンコロイド当量値は、コロイド滴定法によって求められる。具体的には、薬剤を分散させた水溶液をポリビニル硫酸カリウム溶液で滴定する。滴定時の溶液pHは4〜10とする。
ジメチルアミン・エピクロロヒドリン・アンモニア縮合物は、下記式(1)
Figure 0006738492
で表される構造、および、下記式(2)
Figure 0006738492
で表される構造を含むポリマーである。上記ポリマーでは、式(2)で表される構造と式(1)で表される構造の割合が、モル比(式(2)で表される構造:式(1)で表される構造)で例えば0.01:9.99〜7:3であればよい。
ジメチルアミン・エピクロロヒドリン・エチレンジアミン縮合物は、式(1)で表される構造、および、下記式(3)
Figure 0006738492
で表される構造を含むポリマーである。上記ポリマーでは、式(3)で表される構造と式(1)で表される構造の割合が、モル比(式(3)で表される構造:式(1)で表される構造)で例えば0.01:9.99〜7:3であればよい。
ポリエチレンイミンは、下記式(4)
Figure 0006738492
で表される構造を含むポリマーである。
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドは、下記式(5)
Figure 0006738492
で表される構造を含むポリマーである。
本実施形態に係る水処理方法および水処理装置において、COD低減剤の添加量は、無機凝集剤の添加量に対するCOD低減剤の添加量の重量比(COD低減剤の添加量/無機凝集剤の添加量)で、0.1以下であることが好ましく、0.002以上0.07以下であることがより好ましい。この重量比が0.1を超えると、COD低減剤の添加量が過剰となり、最適条件と比べて処理水質が悪化する場合があり、0.002未満であると、COD成分の低減効果を示さない場合がある。COD低減剤の添加量は、ジャーテスト等によって最適添加量を設定するとよい。
処理対象である溶解性COD成分を含む溶解性COD含有水は、如何なる由来の水でもよく、特に制限はないが、例えば、化学工場、紙・パルプ工場、印刷工場、機械製造工場、食品工場、製薬工場等の排水が挙げられ、例えば、上記各種工場から排出される糖類含有排水、フミン酸含有排水、布加工排水等の排水が挙げられる。また、有機物を含む有機物含有水は、色素等の色度成分および溶解性COD成分等の有機物を含む水であれば如何なる由来の水でもよく、特に制限はないが、例えば、化学工場、紙・パルプ工場、印刷工場、機械製造工場、食品工場、製薬工場等の排水が挙げられ、例えば、上記各種工場から排出される糖類含有排水、フミン酸含有排水、布加工排水等の排水が挙げられる。処理対象である溶解性COD含有水は、上記各種排水が活性汚泥法により処理された活性汚泥処理水、上記各種排水が膜分離活性汚泥法により処理された膜分離活性汚泥処理水等の生物処理水であってもよく、COD低減剤による溶解性COD成分の低減効果が高い等の点から、特に上記各種排水の膜分離活性汚泥処理水に好適に適用される。
COD含有水の溶解性CODMnは、20mg/L以上であればよく、60mg/L以上であることが好ましく、90mg/L以上であることがより好ましい。COD含有水の溶解性CODMnが20mg/L未満であると、COD低減剤による溶解性COD成分の低減効果が小さくなる場合がある。ここで、COD含有水の溶解性CODとは、COD含有水をろ紙(No.5C)でろ過した後のろ過液のCODのことを言う。
また、有機物含有水の溶解性CODMnは、例えば、8mg/L以上であり、50mg/L以上であることが好ましく、100mg/L以上であることがより好ましい。有機物含有水の溶解性CODMnが8mg/L未満であると、COD低減剤による溶解性COD成分の低減効果が小さくなる場合がある。ここで、有機物含有水の溶解性CODとは、有機物含有水をろ紙(No.5C)でろ過した後のろ過液のCODのことを言う。
COD含有水の色度は、例えば、5〜2,000度の範囲である。
また、有機物含有水の色度は、例えば、5度以上であり、10度以上であることが好ましく、100度以上であることがより好ましい。
COD含有水のSS濃度は、例えば、300mg/L未満である。COD含有水のSS濃度が300mg/Lを超えると、COD低減剤による溶解性COD成分の低減効果が小さくなる場合がある。
無機凝集剤としては、例えば、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄等の鉄系無機凝集剤、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム系無機凝集剤等が挙げられる。
無機凝集剤の添加量には、特に制限はない。処理対象の溶解性COD含有水の懸濁物質、色度およびCOD等の濃度によって変わるが、例えば50〜5,000mg/Lの範囲が好ましい。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の酸や、水酸化ナトリウム等のアルカリである。
pHは、例えば、4〜11の範囲に調整すればよい。
無機凝集剤添加後の撹拌速度は、例えば、100〜300rpmの急速撹拌とすればよい。
本実施形態では、より良好な凝集処理を行うため、高分子凝集剤を添加してフロック径を成長させることが好ましい。良好な凝集処理を行う点で、COD低減剤および無機凝集剤による凝集反応が完了した後に高分子凝集剤を添加することが好ましい。具体的には、第二反応槽16の後段の凝集槽18において、または、第一反応槽54の後段の第二反応槽56において、高分子凝集剤を添加すればよい。
高分子凝集剤としては、ノニオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤またはカチオン性高分子凝集剤等、特に制限されるものではないが、例えば、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリルアミドプロパンスルフォン酸ナトリウム、キトサン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレートおよびポリアミジン等が挙げられる。高分子凝集剤は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子凝集剤の重量平均分子量は、例えば、500,000〜1,000,000,000の範囲であり、1,000,000〜50,000,000の範囲であることが好ましい。
高分子凝集剤の添加量には、特に制限はないが、例えば、0.5〜10mg/Lの範囲であることが好ましい。
高分子凝集剤添加後は撹拌速度を緩やかにし(例えば、20〜50rpm)、フロック径を成長させることが好ましい。
凝集処理(不溶化工程、フロック形成工程、フロック成長工程)における液温度は、特に制限はなく、例えば、15〜35℃の範囲である。
凝集処理後の処理水とフロックとの固液分離は、沈殿槽に限定されるものではない。固液分離方法は、特に制限はなく、例えば、沈殿処理、ろ過処理、膜分離処理等が挙げられる。沈殿処理は、特に制限はなく、例えば、沈殿槽を用いた自然沈殿処理以外に、遠心分離器等を用いた強制沈殿処理でもよい。また、ろ過処理も特に制限はなく、例えば、重力式、圧力式、サイフォン式、上向流式、ろ材循環式、連続ろ過式等のろ過器と、アンスラサイト、砂、けい砂、砂利、活性炭、プラスチック等のろ材とを用いてろ過することができる。膜分離処理も特に制限はなく、例えば、精密ろ過膜、限外ろ過膜等を用いて膜分離することができる。
有機物含有水を濃縮処理した濃縮水の溶解性CODMnは、例えば、300mg/L以上であり、500mg/L以上であることが好ましく、1000mg/L以上であることがより好ましい。濃縮水の溶解性CODMnが8mg/L未満であると、COD低減剤による溶解性COD成分の低減効果が小さくなる場合がある。ここで、有機物含有水の溶解性CODとは、有機物含有水をろ紙(No.5C)でろ過した後のろ過液のCODのことを言う。
処理水の溶解性CODMnは、本実施形態に係る水処理方法および水処理装置により、例えば、20mg/L以下を達成することができ、処理水の色度は、例えば、10度以下を達成することができる。
また、本実施形態に係る水処理方法および水処理装置により、例えば、被処理水を濃縮し、生物処理した生物処理水の30%以上の溶解性CODMn、好ましくは60%以上の溶解性CODMnを低減することができ、生物処理水の35%以上、好ましくは80%以上の色度を低減することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で処理する溶解性COD含有水として、糖類含有排水の活性汚泥処理水、化学工場系排水の膜分離活性汚泥処理水、フミン酸含有排水および布加工排水の活性汚泥処理水、乳製品製造工場排水の生物膜処理水を用いた。
<実施例1−1>
糖類含有排水の活性汚泥処理水(溶解性CODMn 94mg/L、SS 20mg/L以下)250mLをガラスビーカに入れ、COD低減剤として50重量%水溶液の粘度が1,170mPa・s(25℃)であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.7meq/g(pH6)であるジメチルアミン・エピクロロヒドリン・アンモニア縮合物(以下、COD低減剤A1と称する。)を固形分として20mg/L添加して、150rpmの回転速度で10分間撹拌した。COD低減剤A1は、上記式(1)および式(2)に示す構造を含むポリマーであり、重量平均分子量は約100,000である。次に、ポリ塩化アルミニウム(PAC)を400mg/L添加し、苛性ソーダを加えてpHを7.0に調整して、150rpmの回転速度で5分間撹拌した。その後、アクリルアミド・アクリル酸系共重合ポリマーである高分子凝集剤(アニオンコロイド当量値:50meq/g、0.1重量%水溶液の粘度:50mPa・s(25℃))を2mg/L添加して、150rpmの回転速度で1分間撹拌した後、40rpmで5分間撹拌して、フロック径を成長させた。撹拌終了後の処理水を定量濾紙(ADVANTEC製、No.5A)でろ過し、ろ過液のCODMnを測定した。CODMnは、工場排水試験法(JIS K 0102)の「100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量」により、測定した。
COD低減剤の40重量%水溶液または50重量%水溶液の粘度は、ブルックフィールド型回転粘度計(英弘精機株式会社製、DV−1)を用いて測定した。
COD低減剤のカチオンコロイド当量値は、コロイド滴定法により下記の方法で求めた。滴定時の溶液pHは6.0とした。
<コロイド滴定法>
1.カチオンコロイド当量値の分析方法
(1)予め試料の蒸発残分(重量%)を測定する。
(2)純水で固形分として20mg/Lに希釈した試料100mLをビーカーに採る。
(3)塩酸または水酸化ナトリウム水溶液でpHを6.0に調整して、約1分間撹拌する。
(4)トルイジンブルー指示薬を2〜3滴加えて撹拌する。
(5)N/400ポリビニル硫酸カリウム試薬(N/400PVSK)で滴定する。滴定速度は2mL/分程度とする。検水が青から赤紫色に変色してから10秒以上保持する点を終点とする。
(6)コロイド当量値(meq/g[純分])=PVSK滴定量(mL)×PVSKファクタ/2/0.4
2.アニオンコロイド当量値の分析方法
(1)予め試料の蒸発残分(重量%)を測定する。
(2)ビーカーに「純水:95mL」と「N/200−メチルグリコールキトサン(MGK)水溶液:5.0mL」を加え、続いて「0.1N NaOH:0.5mL」を加えて1分撹拌する。
(3)(2)に、固形分として1,000mg/Lに希釈した試料5.0mLを加えて5分間撹拌する。
(4)トルイジンブルー指示薬を2〜3滴加えて撹拌する。
(5)N/400ポリビニル硫酸カリウム試薬(N/400PVSK)で滴定する。滴定速度は2mL/分程度とする。検水が青から赤紫色に変色してから10秒以上保持する点を終点とする。
(6)ブランク試験(純水:100mL)を上記操作と同様に行う。
(7)コロイド当量値(meq/g[純分])=(ブランク滴定量(mL)−試料滴定量(mL))×PVSKファクタ/2/蒸発残分(%)×100
参考例1−2>
COD低減剤A1を、40重量%水溶液の粘度が2,500mPa・s(25℃)であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.6meq/g(pH6)であるポリエチレンイミン(以下、COD低減剤Bと称する。)に変更したこと以外は、実施例1−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMnを測定した。COD低減剤Bは、上記式(4)に示す構造を含むポリマーであり、重量平均分子量は約200,000である。
<比較例1−1>
COD低減剤A1を、50重量%水溶液の粘度が70mPa・s(25℃)であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.8meq/g(pH6)であるジメチルアミン・エピクロロヒドリン・アンモニア縮合物(以下、COD低減剤A1’と称する。)に変更したこと以外は、実施例1−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMnを測定した。COD低減剤A1’は、上記式(1)および上記式(2)に示す構造を含むポリマーであり、重量平均分子量は約10,000である。
<比較例1−2>
上記糖類含有排水にCOD低減剤を添加せずに、PACを400mg/L添加し、苛性ソーダを加えてpHを7.0に調整して、150rpmの回転速度で5分間撹拌した。その後は、実施例1−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMnを測定した。
表1に、実施例および比較例のCODMnの測定結果を示す。また、実施例および比較例の処理におけるフロック形成、フロック沈降性、上澄み水(処理水)外観を以下の基準により目視にて評価した。評価基準は以下の全ての実施例および比較例も同様である。
(フロック形成)
良好:概ね2mm以上のフロックが形成される。
やや不良:1mm前後のフロックが形成される。
不良:フロックがほとんど形成されない。
(フロック沈降性)
良好:撹拌終了後、3分以内にほとんどのフロックが沈降する。
やや不良:撹拌終了後、10分以内にほとんどのフロックが沈降する。
不良:撹拌終了後、10分経過しても上澄み水にフロックが残存する。
(上澄み水外観)
良好:30分静置後の上澄み水は清澄で濁度および色度がほとんど無い。
やや不良:30分静置後の上澄み水にやや濁度および色度が残存する。
不良:30分静置後の上澄み水に濁度および色度が残存する。
Figure 0006738492
表1に示すように、COD低減剤A1を添加した実施例1−1、COD低減剤Bを添加した参考例1−2、COD低減剤A1’を添加した比較例1−1のCODMnを比較すると、実施例1−1が最も良好にCODが低減された。また、COD低減剤を添加しなかった比較例1−2と比較すると、実施例1−1および参考例1−2の方が良好であった。
このように、COD低減剤A1およびCOD低減剤BはCOD低減効果を有することが明らかである。また、COD低減剤A1と同じくジメチルアミン・エピクロロヒドリン・アンモニア縮合物であるCOD低減剤A1’は、実施例に比べてCOD低減効果が低かった。COD低減剤A1’が低粘度であることが原因と考えられる。
参考例2−1>
糖類含有排水の活性汚泥処理水(溶解性CODMn 58mg/L、SS 20mg/L以下)250mLをガラスビーカに入れ、COD低減剤として50重量%水溶液の粘度が920mPa・s(25℃)であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.5meq/g(pH6)であるジメチルアミン・エピクロロヒドリン・エチレンジアミン縮合物(以下、COD低減剤C1と称する。)を固形分として10mg/L添加して、150rpmの回転速度で10分間撹拌した。COD低減剤C1は、上記式(1)および上記式(3)に示す構造を含むポリマーであり、重量平均分子量は約80,000である。次に、PACを200mg/L添加し、苛性ソーダを加えてpHを7.0に調整して、150rpmの回転速度で5分間撹拌した。その後、アクリルアミド・アクリル酸系共重合ポリマーである高分子凝集剤(アニオンコロイド当量値:50meq/g、0.1重量%水溶液の粘度:50mPa・s(25℃))を1mg/L添加して、150rpmの回転速度で1分間撹拌した後、40rpmで5分間撹拌して、フロック径を成長させた。撹拌終了後の処理水を定量濾紙No.5Aでろ過し、ろ過液のCODMnを測定した。
参考例2−2>
COD低減剤C1を、50重量%水溶液の粘度が2,870mPa・s(25℃)であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.5meq/g(pH6)であるジメチルアミン・エピクロロヒドリン・エチレンジアミン縮合物(以下、COD低減剤C2と称する。)に変更したこと以外は、参考例2−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMnを測定した。COD低減剤C2は、上記式(1)および上記式(3)に示す構造を含むポリマーであり、重量平均分子量は約250,000である。
参考例2−3>
COD低減剤C1を、50重量%水溶液の粘度が510mPa・s(25℃)であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.5meq/g(pH6)であるジメチルアミン・エピクロロヒドリン・エチレンジアミン縮合物(以下、COD低減剤C3と称する。)に変更したこと以外は、参考例2−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMnを測定した。COD低減剤C3は、上記式(1)および上記式(3)に示す構造を含むポリマーであり、重量平均分子量は約40,000である。
<比較例2>
上記排水にCOD低減剤を添加せずに、PACを200mg/L添加し、苛性ソーダを加えてpHを7.0に調整して、150rpmの回転速度で5分間撹拌した。その後は、参考例2−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMnを測定した。
表2に、参考例および比較例のCODMnの測定結果、フロック形成、フロック沈降性、上澄み水外観の評価結果を示す。
Figure 0006738492
表2に示すように、COD低減剤C1を添加した参考例2−1と、COD低減剤C2を添加した参考例2−2、およびCOD低減剤C3を添加した参考例2−3とを比較すると、参考例2−1の方が、良好にCODが低減された。また、COD低減剤を添加しなかった比較例2と比較すると、参考例2−1、2−2および2−3の方が良好であった。
このように、COD低減剤C1、COD低減剤C2およびCOD低減剤C3は、COD低減効果を有することが明らかである。また、参考例2−1と参考例2−2および参考例2−3との比較から、薬剤成分がジメチルアミン・エピクロロヒドリン・エチレンジアミン縮合物であっても、50重量%水溶液の粘度の違いによってCOD低減効果に差があることが分かる。ジメチルアミン・エピクロロヒドリン・エチレンジアミン縮合物の中でもCOD低減効果が高い薬剤は、50重量%水溶液の粘度が800〜2,000mPa・sの範囲である性状を有するCOD低減剤C1であると言える。
<実施例3−1>
化学工場系排水の膜分離活性汚泥処理水(溶解性CODMn 110mg/L、SS 5mg/L未満)250mLをガラスビーカに入れ、COD低減剤A1を固形分として20mg/L添加して、150rpmの回転速度で10分間撹拌した。次に、PACを1000mg/L添加し、苛性ソーダを加えてpHを7.0に調整して、150rpmの回転速度で5分間撹拌した。その後、アクリルアミド・アクリル酸系共重合ポリマーである高分子凝集剤(アニオンコロイド当量値:50meq/g、0.1重量%水溶液の粘度:50mPa・s)を2mg/L添加して、150rpmの回転速度で1分間撹拌した後、40rpmで5分間撹拌して、フロック径を成長させた。撹拌終了後の処理水を定量濾紙No.5Aでろ過し、ろ過液のCODMnを測定した。
参考例3−2>
COD低減剤A1を、40重量%水溶液の粘度が11,000mPa・s(25℃)であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.2meq/g(pH6)であるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(以下、COD低減剤Dと称する。)に変更したこと以外は、実施例3−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMnを測定した。COD低減剤Dは、上記式(5)に示す構造を含むポリマーであり、重量平均分子量は約600,000である。
<比較例3>
上記排水にCOD低減剤を添加せずに、PACを1000mg/L添加し、苛性ソーダを加えてpHを7.0に調整して、150rpmの回転速度で5分間撹拌した。その後は、実施例3−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMnを測定した。
表3に、実施例および比較例のCODMnの測定結果、フロック形成、フロック沈降性、上澄み水外観の評価結果を示す。
Figure 0006738492
表3に示すように、COD低減剤A1を添加した実施例3−1と、COD低減剤Dを添加した参考例3−2とを比較すると、実施例3−1の方が、良好にCODが低減された。また、COD低減剤を添加しなかった比較例3と比較すると、実施例3−1および参考例3−2の方が良好であった。
本試験に用いた排水は、膜分離活性汚泥の膜透過水であるため、排水はSSをほとんど含有せず、COD成分はほぼ溶解性である。比較例3のCODMnの測定結果から分かる通り、当該排水は無機凝集剤だけではCODをほとんど低減することができない性状である。一方、実施例3−1および参考例3−2においてはCODMnが低減されているため、COD低減剤A1およびCOD低減剤Dは、除去が困難な溶解性COD成分の低減に有効であることが明らかである。また、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドであるCOD低減剤Dよりも、ジメチルアミン・エピクロロヒドリン・アンモニア縮合物であるCOD低減剤A1の方が効果的であった。
<実施例4−1>
フミン酸含有排水(溶解性CODMn 100mg/L、SS 5mg/L以下、色度 1,900度)250mLをガラスビーカに入れ、COD低減剤A1を固形分として20mg/L添加して、150rpmの回転速度で10分間撹拌した。次に、35%塩化第二鉄溶液を600mg/L添加し、苛性ソーダを加えてpHを4.0に調整して、150rpmの回転速度で5分間撹拌した。その後、アクリルアミド・アクリル酸系共重合ポリマーである高分子凝集剤(アニオンコロイド当量値:50meq/g、0.1重量%水溶液の粘度:50mPa・s)を3mg/L添加して、150rpmの回転速度で1分間撹拌した後、40rpmで5分間撹拌して、フロック径を成長させた。撹拌終了後の処理水を定量濾紙No.5Aでろ過し、ろ過液のCODMnおよび色度を測定した。色度は、色度計(日本電色株式会社製、Water Analyzer 2000N)を用いて測定した。
参考例4−2>
COD低減剤A1を、COD低減剤Dに変更したこと以外は、実施例4−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMnを測定した。
<比較例4>
上記排水にCOD低減剤を添加せずに、35%塩化第二鉄溶液を600mg/L添加し、苛性ソーダを加えてpHを4.0に調整して、150rpmの回転速度で5分間撹拌した。その後は、実施例4−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMnおよび色度を測定した。
表4に、実施例および比較例のCODMnおよび色度の測定結果、フロック形成、フロック沈降性、上澄み水外観の評価結果を示す。
Figure 0006738492
表4に示すように、COD低減剤A1を添加した実施例4−1と、COD低減剤Dを添加した参考例4−2とを比較すると、実施例4−1の方が、良好にCODが低減された。また、COD低減剤A1を添加した実施例4−1と、COD低減剤を添加しなかった比較例4のCODMnおよび色度を比較すると、実施例4−1の方が良好である。
本試験に用いた排水は色度由来のCOD成分を含有していた。COD低減剤A1はこのような性状の排水処理にも効果的であり、COD成分の低減効果だけでなく、色度低減効果も期待できる。
<実施例5−1>
布加工排水の活性汚泥処理水(溶解性CODMn 54mg/L、SS 5mg/L以下)250mLをガラスビーカに入れ、COD低減剤A1を固形分として1mg/L添加して、150rpmの回転速度で10分間撹拌した。次に、40重量%塩化第二鉄溶液を420mg/L添加し、苛性ソーダを加えてpHを5.0に調整して、150rpmの回転速度で5分間撹拌した。その後、アクリルアミド・アクリル酸系共重合ポリマーである高分子凝集剤(アニオンコロイド当量値:50meq/g、0.1重量%水溶液の粘度:50mPa・s)を1mg/L添加して、150rpmの回転速度で1分間撹拌した後、40rpmで5分間撹拌して、フロック径を成長させた。撹拌終了後の処理水を定量濾紙No.5Aでろ過し、ろ過液のCODMnを測定した。また、発生した汚泥量を測定した。
<実施例5−2>
上記排水にCOD低減剤A1を固形分として2mg/L添加して、150rpmの回転速度で10分間撹拌した。次に、40重量%塩化第二鉄溶液を390mg/L添加し、苛性ソーダを加えてpHを5.0に調整した。その後は、実施例5−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMn、発生した汚泥量を測定した。
<比較例5>
上記排水にCOD低減剤を添加せずに、40重量%塩化第二鉄溶液を500mg/L添加し、苛性ソーダを加えてpHを5.0に調整して、150rpmの回転速度で5分間撹拌した。その後は、実施例5−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMn、発生した汚泥量を測定した。
表5に、実施例および比較例のCODMnの測定結果、汚泥量、フロック形成、フロック沈降性、上澄み水外観の評価結果を示す。
Figure 0006738492
表5に示すように、COD低減剤A1を添加した実施例5−1および5−2と、COD低減剤を添加しなかった比較例5のCODMnを比較すると、実施例5−1および5−2の方が良好である。また、実施例5−1および5−2の汚泥量は、比較例5と比較して削減されていた。
このように、実施例5−1および実施例5−2は、比較例5より少ない塩化第二鉄添加量であるのにもかかわらず、比較例5より良好にCODが低減されている。塩化第二鉄添加量の削減に伴い、苛性ソーダの消費量および汚泥発生量も削減されるため、排水処理費用を安く抑えることが可能である。よって、COD低減剤A1を使用する排水処理は、処理水質の向上と、排水処理費用の削減に寄与できると言える。
<実施例6−1>
乳製品製造工場排水の生物膜処理水(溶解性CODMn 27mg/L、SS 268mg/L)250mLをガラスビーカに入れ、COD低減剤A1を固形分として8mg/L添加して、150rpmの回転速度で10分間撹拌した。次に、35重量%塩化第二鉄溶液を250mg/L添加し、苛性ソーダを加えてpHを4.0に調整して、150rpmの回転速度で5分間撹拌した。その後、アクリルアミド・アクリル酸系共重合ポリマーである高分子凝集剤(アニオンコロイド当量値:50meq/g、0.1重量%水溶液の粘度:50mPa・s)を1mg/L添加して、150rpmの回転速度で1分間撹拌した後、40rpmで5分間撹拌して、フロック径を成長させた。撹拌終了後の処理水を定量濾紙No.5Aでろ過し、ろ過液のCODMnを測定した。
参考例6−2>
COD低減剤A1を、COD低減剤Dに変更したこと以外は、実施例6−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMnを測定した。
<比較例6>
上記排水にCOD低減剤を添加せずに、35重量%塩化第二鉄溶液を250mg/L添加し、苛性ソーダを加えてpHを4.0に調整して、150rpmの回転速度で5分間撹拌した。その後は、実施例6−1と同様の処理を行い、処理水のろ過液のCODMnを測定した。
表6に、実施例および比較例のCODMnの測定結果、フロック形成、フロック沈降性、上澄み水外観の評価結果を示す。
Figure 0006738492
表6に示すように、COD低減剤A1を添加した実施例6−1と、COD低減剤Dを添加した参考例6−2とを比較すると、実施例6−1の方が、良好にCODが低減された。また、COD低減剤A1を添加した実施例6−1と、COD低減剤を添加しなかった比較例6のCODMnを比較すると、実施例6−1の方が良好である。
このように、COD低減剤A1は、溶解性CODMn 27mg/Lのような低濃度排水のCOD成分の低減にも効果的であると言える。
以上のように、溶解性COD成分を含有するCOD含有水の凝集処理において、汚泥発生量を抑えながら、難生分解性の溶解性COD成分を低減することができた。
1,3 水処理装置、10 凝集装置、12,58 沈殿槽、14,54 第一反応槽、16,56 第二反応槽、18 凝集槽、20,76 COD低減剤添加ライン、22,74 無機凝集剤添加ライン、24,78 pH調整剤添加ライン、26,80 高分子凝集剤添加ライン、28,30,32,82,84 撹拌機、34,60 被処理水流入ライン、36,38,40,66,68 水排出ライン、42,70 処理水排出ライン、44,72 汚泥排出ライン、50 濃縮装置、52 生物処理装置、62 濃縮水ライン、64 生物処理水ライン。

Claims (8)

  1. 溶解性COD成分を含有するCOD含有水にCOD低減剤を添加して凝集処理を行う凝集処理工程を含み、
    前記COD低減剤は、50重量%水溶液の粘度が1,000mPa・s以上であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.0meq/g以上(pH6)であるジメチルアミン・エピクロロヒドリン・アンモニア縮合物を含み、
    前記凝集処理工程の前段に、被処理水を生物処理する生物処理工程を含み、
    前記COD含有水は、前記生物処理工程で得られる生物処理水であることを特徴とする水処理方法。
  2. 請求項1に記載の水処理方法であって、
    前記COD含有水の溶解性CODMnは、20mg/L以上であることを特徴とする水処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の水処理方法であって、
    前記生物処理工程の前段に、
    有機物を含有する有機物含有水を濃縮する濃縮工程を含み
    前記生物処理工程において、前記濃縮工程で得られた濃縮水を生物処理することを特徴とする水処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水処理方法であって、
    前記生物処理工程において、膜分離活性汚泥法により生物処理を行うことを特徴とする水処理方法。
  5. 溶解性COD成分を含有するCOD含有水にCOD低減剤を添加して凝集処理を行う凝集処理手段を備え、
    前記COD低減剤は、50重量%水溶液の粘度が1,000mPa・s以上であり、かつ、カチオンコロイド当量値が6.0meq/g以上(pH6)であるジメチルアミン・エピクロロヒドリン・アンモニア縮合物を含み、
    前記凝集処理手段の前段に、被処理水を生物処理する生物処理手段を備え、
    前記COD含有水は、前記生物処理手段で得られる生物処理水であることを特徴とする水処理装置。
  6. 請求項に記載の水処理装置であって、
    前記COD含有水の溶解性CODMnは、20mg/L以上であることを特徴とする水処理装置。
  7. 請求項5または6に記載の水処理装置であって、
    前記生物処理手段の前段に、
    有機物を含有する有機物含有水を濃縮する濃縮手段を備え
    前記生物処理手段は、前記濃縮手段で得られた濃縮水を生物処理するものであることを特徴とする水処理装置。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の水処理装置であって、
    前記生物処理手段は、膜分離活性汚泥法により生物処理を行うものであることを特徴とする水処理装置。
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