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JP6742893B2 - タイヤ - Google Patents
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JP6742893B2 - タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤに関するものである。
近年、軽量化やリサイクルのし易さから、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー等の樹脂材料を使用したタイヤが開発されている。
例えば、下記特許文献1には、環状のタイヤ骨格体の外周部に補強コード層(補強層)を有し、タイヤ骨格体を樹脂材料で形成したタイヤ、更には、補強層にも樹脂材料を使用したタイヤが開示されている。
特開2012−046030号公報
しかしながら、タイヤ骨格体や補強層に樹脂材料を用いたタイヤは、低ロス性等に優れるものの、走行時の発熱等によってタイヤが高温になると樹脂材料が軟化するため、タイヤが高温になる高速走行時の耐久性(以下、「高速耐久性」)に改善の余地がある。
これに対して、タイヤの高速耐久性の改善のために、タイヤの表面を覆う層表面層に低ロス性に優れるゴム(ゴム表面層)を用いる手段が考えられるが、ゴム表面層を単純に低ロス化すると、ゴム表面層の貯蔵弾性率(E’)が低下して、タイヤのショルダー部、ビード部及びそれらの周辺部材の歪みが大きくなるため、タイヤの高速耐久性を十分には向上させることができなかった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、樹脂材料を用いつつも、高速耐久性に優れるタイヤを提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
<1> 樹脂材料を50〜100質量%含む樹脂組成物からなる環状のタイヤ骨格体と、
該タイヤ骨格体のタイヤ径方向外側であって、一対のビードコア間にトロイド状に延在する1層以上のカーカスプライ及び該カーカスプライを被覆するカーカスプライコーティングゴムを含むカーカス層と、
前記タイヤ骨格体のタイヤ径方向外側であって、前記カーカス層のタイヤ径方向外側又は内側に設けられた補強層と、
該補強層のタイヤ径方向外側に設けられ、少なくともトレッドゴムを含むゴム表面層と、
を備え、
前記補強層は、樹脂材料を50〜100質量%含む樹脂組成物で、補強部材を被覆してなり、
前記カーカスプライコーティングゴムは、初期荷重160mg、周波数52Hz、25℃における動歪1%時の損失正接tanδが0.05〜0.2であり、かつ、初期荷重160mg、周波数52Hz、25℃における動歪1%時の貯蔵弾性率E’が2〜10MPaであるタイヤである。
タイヤ骨格体を支えるカーカス層に含まれるカーカスプライコーティングゴムが上記特性を有することで、補強層が樹脂材料を含む樹脂組成物で構成されていても、タイヤの高速耐久性に優れる。
<2> 前記カーカスプライコーティングゴムは、初期荷重160mg、周波数52Hz、25℃における動歪1%時の損失正接tanδが0.05〜0.13であり、かつ、初期荷重160mg、周波数52Hz、25℃における動歪1%時の貯蔵弾性率E’が4〜8MPaである<1>に記載のタイヤである。
タイヤ骨格体を支えるカーカス層に含まれるカーカスプライコーティングゴムが上記特性を有することで、タイヤの高速耐久性により優れる。
<3> 前記カーカスプライコーティングゴムが、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物からなり、該カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜5.0質量部の有機酸を含む<1>又は<2>に記載のタイヤである。
カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中の有機酸量が上記範囲内であることで、カーカスプライコーティングゴムから樹脂材料への有機酸の移行を抑制し、補強層の劣化を抑制することができ、タイヤの高速耐久性により優れる。
<4> 前記カーカスプライコーティングゴムが、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物からなり、該カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜5.5質量部の加硫促進剤を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載のタイヤである。
カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中の加硫促進剤量が上記範囲内であることで、カーカスプライコーティングゴムから樹脂材料への加硫促進剤の移行を抑制し、補強層の劣化を抑制することができ、タイヤの高速耐久性により優れる。
<5> 前記補強部材が、タイヤ周方向に巻回されている<1>〜<4>のいずれか1つに記載のタイヤである。
補強部材が、タイヤ周方向に巻回されていることで、タイヤの耐パンク性、耐カット性、周方向剛性が向上し、また、周方向剛性が向上することで、タイヤ骨格体のクリープを抑制することもできる。
<6> 前記補強層及び前記タイヤ骨格体の少なくとも一方に用いる樹脂組成物が、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの少なくとも一方を含む<1>〜<5>のいずれか1つに記載のタイヤである。
樹脂組成物が、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの少なくとも一方を含むことで、タイヤをより軽量化することができ、タイヤをよりリサイクルし易くなる。
<7> 前記熱可塑性樹脂及び前記熱可塑性エラストマーの少なくとも一方が、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系又はポリウレタン系である<6>に記載のタイヤである。
熱可塑性樹脂及び前記熱可塑性エラストマーの少なくとも一方が、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系又はポリウレタン系であることで、更に補強層及び/又はタイヤ骨格体をリサイクルし易くなる。
本発明によれば、樹脂材料を用いつつも、高速耐久性に優れるタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤの一実施形態の断面図である。 本発明のタイヤの一実施形態の断面図の一部を拡大した拡大図である。
以下に、本発明のタイヤを、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
図1は、本発明のタイヤの一実施形態の断面図である。また、図2に、図1の一部を拡大した拡大図を示す。図2中の符号は、図1中の符号と同じである。以下、図1を中心に説明する。
図1に示すタイヤは、タイヤ骨格体10と、該タイヤ骨格体10のタイヤ径方向外側に設けられた補強層20と、該補強層20のタイヤ径方向外側に設けられ、トレッドゴム32、サイドゴム34及びガムチェーファー36を含むゴム表面層30と、を備える。
図1に示すタイヤのタイヤ骨格体10は、環状に形成されており、そのタイヤ幅方向の断面において、一対のビード部11と、ビード部11のタイヤ径方向外側に連なる一対のサイド部12と、サイド部12のタイヤ幅方向内側に連なり、各々のサイド部12のタイヤ径方向外側端同士を繋ぐクラウン部13と、を有しており、クラウン部13のタイヤ径方向外側に補強層20が設けられている。タイヤ骨格体10は、樹脂材料を50〜100質量%含む樹脂組成物からなる。ここで、単に「樹脂」と表現した場合、「樹脂」とは、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、及び熱硬化性樹脂を含む概念であり、加硫ゴムは含まない。後述する被覆層22を構成する樹脂組成物においても同様である。タイヤ骨格体10が樹脂組成物からなることで、タイヤを軽量化することができ、タイヤをリサイクルし易くなる。
ビード部11には、一般のタイヤと同様の円環状のビードコア14が埋設されており、ビードコア14には、スチールコード等を使用できる。
また、図1及び図2に示すタイヤの補強層20は、補強部材21と、該補強部材21を被覆する被覆層22とからなる。ここで、補強層20の被覆層22には、樹脂材料を50〜100質量%含む樹脂組成物が用いられている。被覆層22に用いる樹脂組成物と、タイヤ骨格体10に用いる樹脂組成物とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
補強部材21は、タイヤ周方向に巻回されていることが好ましい。補強部材21が、タイヤ周方向に巻回されていることで、タイヤの耐パンク性、耐カット性、周方向剛性が向上し、また、周方向剛性が向上することで、タイヤ骨格体のクリープを抑制することもできる。
タイヤ骨格体10のタイヤ径方向外側であって、タイヤ骨格体10とゴム表面層30との間には、一対のビードコア14間にトロイド状に延在するカーカスプライ及び該カーカスプライを被覆するカーカスプライコーティングゴムを含むカーカス層40を有する。
図1及び図2において、カーカス層40は、タイヤ赤道(タイヤの回転の軸線に垂直であってタイヤトレッドの中央を通る線)を含む帯域で重なるカーカス層40aとカーカス層40bとで構成されているが、カーカス層40は1つの連続する層で構成されていてもよい。
更に、カーカス層40はタイヤ骨格体10のタイヤ径方向内側、タイヤ骨格体10と補強層20の間、タイヤ骨格体10と補強層20のタイヤ径方向外側、いずれに配置することもできる。製造の容易さ、外傷からのタイヤ骨格体10の保護の観点からは、タイヤ骨格体10と補強層20のタイヤ径方向外側に配置することが好ましい。
以下、符号を省略して説明する。
<ゴム表面層>
ゴム表面層は、補強層のタイヤ径方向外側に設けられ、少なくともトレッドゴムを含む。ゴム表面層は、更に、サイドゴム及びガムチェーファーを含んでいてもよい。
トレッドゴム、サイドゴム及びガムチェーファー、並びにカーカスプライコーティングゴムは、いずれも加硫ゴムである。加硫前のカーカスプライコーティングゴムを構成するゴム組成物は、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物と称する。つまり、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物を加硫して得られるゴムがカーカスプライコーティングゴムである。トレッドゴム、サイドゴム及びガムチェーファーにおいても同様である。
なお、特記している場合を除き、「ゴム」は加硫済ゴムを意味し、ゴム組成物は未加硫または半加硫状態である。ここで、加硫済みとは、最終製品として必要とされる加硫度に至っている状態をいい、半加硫状態とは、未加硫の状態よりは加硫度が高いが、最終製品として必要とされる加硫度に至っていない状態をいう。
<カーカス層>
カーカス層は、図1を用いて説明したように、タイヤ骨格体のタイヤ径方向外側であって、一対のビードコア間にトロイド状に延在する1層以上のカーカスプライ及び該カーカスプライを被覆するカーカスプライコーティングゴムを含む。
カーカスプライコーティングゴムは、初期荷重160mg、周波数52Hz、25℃における動歪1%時の損失正接tanδが0.05〜0.2であり、かつ、初期荷重160mg、周波数52Hz、25℃における動歪1%時の貯蔵弾性率E’が2〜10MPaである。
以下、単に「tanδ」、「E’」と称するときは、それぞれ「初期荷重160mg、周波数52Hz、25℃における動歪1%時の損失正接tanδ」及び「初期荷重160mg、周波数52Hz、25℃における動歪1%時の貯蔵弾性率E’」を指す。
tanδが0.05〜0.2であり、かつ、E’が2〜10MPaであるカーカスプライコーティングゴムでカーカスプライが被覆されたカーカス層を用いることで、樹脂材料を補強層に用いたタイヤの高速耐久性を向上させることができる。
タイヤ骨格体はタイヤの基本形状を成し、補強層はタイヤ骨格体の周方向剛性を向上する役割を果たすものである。本発明において、タイヤ骨格体及び補強層には、樹脂材料を50〜100質量%含む樹脂組成物が用いられている。タイヤ骨格体及び補強層に樹脂材料を用いることで、従前のゴムタイヤに比べ、タイヤは軽量化し、低ロス性等に優れる。その一方、タイヤが高速に回転し、タイヤと路面との摩擦等によりタイヤが高温になると樹脂材料が軟化するため、高速耐久性が低くなり易かった。タイヤの高速耐久性を改善するには、tanδの低い低ロスゴムをカーカスプライコーティングゴムに適用し、かかるカーカスプライコーティングゴムでカーカスプライが被覆されたカーカス層を用いるに適用する手段が考えられる。しかし、単に低ロスゴムをカーカスプライコーティングゴムに適用しただけでは、カーカスプライコーティングゴムの貯蔵弾性率(E’)も下がり、歪みが大きくなるため、十分な高速耐久性を維持することができなかった。
これに対し、上記範囲のtanδとE’を有するカーカスプライコーティングゴムでカーカスプライが被覆されたカーカス層を用いると、発熱が抑えられ、補強層に含まれる樹脂材料の軟化を抑制することができる。その結果、タイヤの高速耐久性に優れると考えられる。
カーカスプライコーティングゴムのtanδは0.2以下でないとタイヤの発熱を抑制することができない。カーカスプライコーティングゴムのtanδを低くすることで、低ロス化し易いが、単純に低ロス化すると、カーカスプライコーティングゴムのE’が低下して、タイヤの剛性を守るべきカーカス層のE’が低下して、カーカスプライコーティングゴムの歪みが大きくなるため、タイヤの高速耐久性を十分には向上させることができない。よって、カーカスプライコーティングゴムのtanδは0.5以上であり、カーカスプライコーティングゴムのE’は、2MPa以上である。一方、カーカスプライコーティングゴムのE’が10MPaを超えるとカーカス層が剛直化し、タイヤ骨格体、補強層、トレッドゴム等を含むゴム表面層に負荷を与えることとなり、タイヤの耐久性を損ねる、
カーカスプライコーティングゴムのtanδは0.06〜0.13であることが好ましく、E’は4〜8MPaであることが好ましい。
カーカスプライコーティングゴムによって被覆されるカーカスプライを構成する繊維コードの作製に用いるコードとしては、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維等の有機繊維を単独で用いたコード、複数の有機繊維を混撚若しくは交撚したコード、スチールコード等が挙げられる。以上の中でも、タイヤの耐久性の観点から、複数の有機繊維を混撚若しくは交撚したコード、又はスチールコードが好ましい。
コードは、フィラメント束を撚り合わせて作ることができる。撚り合わせるフィラメント束の数については特に制限はなく、通常、フィラメント束を2本又は3本撚り合わせたコードが使用される。カーカスプライを構成する補強繊維コードの打ち込み本数は、特に制限されず、例えば、30〜60本/50mmとすることができる。
以上の繊維コードを有するカーカスプライをゴム引きすることで、繊維コード/ゴム複合体を得ることができ、カーカスプライコーティングゴムで被覆されたカーカスプライを含むカーカス層を得ることができる。
繊維コードのゴム引きに先立って、繊維コードに接着剤を付与し、繊維コードとカーカスプライコーティングゴムとの接着性を向上させてもよい。
カーカスプライコーティングゴムは、上記のtanδ及びE’の数値範囲を満たすように、ゴム成分の種類又はブレンド比、配合剤の種類又は配合量を調整したゴム組成物(カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物)を使用することができる。また、トレッドゴム、サイドゴム及びガムチェーファーも同様に、各々の機能に応じた特性を有するように、ゴム成分の種類又はブレンド比、配合剤の種類又は配合量を調整したゴム組成物を使用することができる。
〔ゴム成分〕
ここで、ゴム成分としては、天然ゴム(NR)の他、合成イソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム(SIR)等の合成ジエン系ゴムを使用でき、また、他の合成ゴムを使用することもできる。これらゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
特に、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物においては、ゴム成分として、天然ゴム及びスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)が好ましい。カーカスプライのコード端からの耐亀裂性を向上する観点から、天然ゴムを主成分とすることがより好ましい。具体的には、ゴム成分中、天然ゴムが50質量%を超えることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、65質量%以上であることがより好ましい。
〔充填剤〕
充填剤としては、カーボンブラック、シリカ等が挙げられる。
充填剤は、各種ゴム組成物中、ゴム成分100質量部に対して25〜60質量部含まれることが好ましい。充填剤の含有量が、25質量部以上であれば、十分な耐亀裂性が得られ、タイヤの耐久性を高めることができる。また、60質量部以下であると、タイヤが脆弱になることを防止し、耐久性の悪化を防ぐことができる。同様の観点から、ゴム成分100質量部に対して30〜50質量部であることがより好ましい。
(カーボンブラック)
カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物に用いられるカーボンブラックとしては、例えば、HAF(窒素吸着比表面積:75〜80m/g)、HS−HAF(窒素吸着比表面積:78〜83m/g)、LS−HAF(窒素吸着比表面積:80〜85m/g)、FEF(窒素吸着比表面積:40〜42m/g)、GPF(窒素吸着比表面積:26〜28m/g)、N339(窒素吸着比表面積:88〜96m/g)、LI−HAF(窒素吸着比表面積:73〜75m/g)、IISAF(窒素吸着比表面積:97〜98m/g)、HS−IISAF(窒素吸着比表面積:98〜99m/g)等が挙げられる。
これらの内、HAF(窒素吸着比表面積:75〜80m/g)、HS−HAF(窒素吸着比表面積:78〜83m/g)、LS−HAF(窒素吸着比表面積:80〜85m/g)、FEF(窒素吸着比表面積:40〜42m/g)、LI−HAF(窒素吸着比表面積:73〜75m/g)が好ましい。
これらのカーボンブラックは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
(シリカ)
カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物に、カーボンブラックに加えて、所望によりシリカを配合してもよい。カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物のゴム成分100質量部に対して、シリカを10質量部以下含むことができる。
シリカとしては湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましく、湿式シリカを用いるのが特に好ましい。シリカのBET比表面積(ISO 5794/1に準拠して測定する)は40〜350m/gであるのが好ましい。BET表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。この観点から、BET表面積が80〜350m/gの範囲にあるシリカが更に好ましく、BET表面積が120〜350m/gの範囲にあるシリカが特に好ましい。このようなシリカとしては東ソーシリカ社製、商品名「ニプシルAQ」(BET比表面積 =220m/g)、「ニプシルKQ」、デグッサ社製商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m/g)等の市販品を用いることができる。
〔加硫剤〕
加硫剤としては、硫黄が挙げられる。
カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物においては、カーカスプライコーティングゴムとカーカスプライのコードとの接着性が求められるため、トレッドゴム用ゴム組成物、サイドゴム用ゴム組成物等に用いられる加硫剤量よりも多くの加硫剤を用いる傾向にある。
具体的には、加硫剤は、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中、ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部含まれることが好ましい。加硫剤の含有量が0.1質量部以上であれば十分に加硫でき、10質量部以下であれば過加硫状態を防止でき、ゴム組成物が硬く、脆弱になることを防止できる。上記観点から、加硫剤は、1.3〜7.0質量部がより好ましく、2.3〜5.0質量部が更に好ましい。加硫剤の配合量を7.0質量部以下にすれば、ゴム組成物の耐老化性の低下も防止することができる。また、加硫剤を3.0質量部以上配合すれば、初期接着性も向上することができ、より好ましい。
また、ゴム組成物に使用する配合剤としては、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、既述の充填剤及び加硫剤の他、有機酸、軟化剤、老化防止剤、酸化亜鉛(亜鉛華)、加硫促進剤等が挙げられる。
有機酸としては、ステアリン酸等のカルボン酸が挙げられる。
軟化剤としては、鉱物由来のミネラルオイル、石油由来のアロマチックオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイル、天然物由来のパームオイル等が挙げられる。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール(M)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)等のチアゾール系加硫促進剤、1,3−ジフェニルグアニジン(DPG)等のグアニジン系加硫促進剤等が挙げられる。
カーカス層は、タイヤ表面に露出しないため、オゾン劣化用老化防止剤を含まなくてもよく、具体的には、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中のオゾン劣化用老化防止剤の配合量をゴム成分100質量部に対し0.1質量部未満とすることができる。
ゴム組成物は、例えば、バンバリーミキサー、ロール等を用いて、ゴム成分に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して混練した後、熱入れ、押出等することにより製造することができる。ゴム組成物を所望の形状に成形し、加硫することで、トレッドゴム、サイドゴム及びガムチェーファー、並びにカーカスプライコーティングゴムを作製することができる。各ゴム組成物の加硫は、例えば、タイヤ骨格体及び補強層と、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物で被覆されたカーカスプライと、トレッドゴム用ゴム組成物、サイドゴム用ゴム組成物、及びチェーファー用ゴム組成物とを、図1に示す位置に配置した未加硫タイヤを成形した後に行うことができる。また、繊維コードを有するカーカスプライをゴム引きすることで、繊維コード/ゴム複合体で構成されたカーカス層と、加硫済みのゴム表面層と、タイヤ骨格体と、補強層とを組み立ててもよい。
〔有機酸〕
カーカスプライコーティングゴムは、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物からなり、該カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対して0.1〜5.0質量部の有機酸を含むことが好ましい。
ゴム組成物の加硫を促進する観点から、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物には、通常、ゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上の有機酸が含まれ、カーカスプライコーティングゴム中に有機酸が残存する傾向にある。有機酸は、通常、ステアリン酸に代表される低分子カルボン酸であることから、カーカスプライコーティングゴム中の有機酸量が多いと、カーカスプライコーティングゴムから有機酸が染み出ることがある。カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中の有機酸量が、ゴム成分100質量部に対して5.0質量部以下であることで、カーカスプライコーティングゴムからの有機酸の染み出しを抑制することができ、カーカスプライコーティングゴムから染み出した有機酸による樹脂材料の劣化を抑制し、タイヤの高速耐久性をより向上することができる。
カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中の有機酸量は、ゴム成分100質量部に対して0.5質量部以上であることがより好ましい。カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中の有機酸量がゴム成分100質量部に対して0.5質量部以上であることは、カーカスプライコーティングゴムの加硫状態がより高く、タイヤの耐久性に優れるといえる。
なお、ゴム組成物中の有機酸は、上述した配合剤としてのステアリン酸等の他、例えば、ゴム成分として使用できる天然ゴム等にも含まれている。
〔加硫促進剤〕
カーカスプライコーティングゴムは、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物からなり、該カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物がゴム成分100質量部に対して0.1〜5.5質量部の加硫促進剤を含むことが好ましい。
ゴム組成物の加硫を促進する観点から、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物には、通常、100質量部に対して0.1質量部以上の加硫促進剤が含まれ、カーカスプライコーティングゴム中には、通常、加硫促進剤が残存する。加硫促進剤は、既に例示したように、通常、1,3−ジフェニルグアニジンに代表される低分子化合物が用いられることから、カーカスプライコーティングゴム中の加硫促進剤量が多いと、カーカスプライコーティングゴムから加硫促進剤が染み出ることがある。カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中の加硫促進剤量が、ゴム成分100質量部に対して5.5質量部以下であることで、カーカスプライコーティングゴムからの加硫促進剤の染み出しを抑制することができ、カーカスプライコーティングゴムから染み出した加硫促進剤による樹脂材料の劣化を抑制し、タイヤの高速耐久性をより向上することができる。
カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中の加硫促進剤量は、ゴム成分100質量部に対して1.0〜5.0質量部であることが好ましい。カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中の加硫促進剤量がゴム成分100質量部に対して1.0質量部以上であることは、カーカスプライコーティングゴムの加硫状態がより高く、タイヤの耐久性に優れるといえる。カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中の加硫促進剤量がゴム成分100質量部に対して5.0質量部以下であることで、カーカスプライコーティングゴムからの加硫促進剤の染み出し量をより減らすことができるため、樹脂材料の劣化をより抑制し、タイヤの高速耐久性をより向上することができる。
カーカスプライコーティングゴムには、樹脂が配合されてもよい。当該樹脂は、通常タイヤ用ゴム組成物に配合されるものを適宜使用することができ、例えば、フェノール樹脂等が挙げられる。フェノール樹脂は、例えば、ノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。また、樹脂の硬化剤として、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン(HMMM)等を配合することもできる。本発明においては、樹脂は、主にゴム組成物のE’及びtanδをコントロールする目的で用いられ、樹脂の配合量は所望の性能を達成するために適宜調整することができる。
<補強層>
補強層は、補強部材と、樹脂材料を50〜100質量%含む樹脂組成物で被覆する被覆層とからなる。補強層は、他の補強部材、例えば2層交錯ベルト部材等と組み合わせて使用しても構わないが、軽量化の観点からは、単独で用いる事が好ましい。
なお、補強層は、例えば、補強部材を樹脂組成物で被覆し、樹脂組成物で被覆された補強部材を、タイヤ骨格体のタイヤ径方向外側に配置することで、作製できる。
補強層に用いる補強部材としては、スチールコード、有機繊維コード、炭素繊維コード等が挙げられ、これらの中でも、タイヤの周方向剛性を向上させる作用に優れる点で、スチールコードが好ましい。
〔樹脂組成物〕
補強層の被覆層には、樹脂材料を50〜100質量%含む樹脂組成物が用いられる。補強層に用いる樹脂組成物において、樹脂材料の含有割合が50質量%以上であれば、タイヤを軽量化する効果が大きくなり、また、タイヤをリサイクルし易くなる。補強部材をゴムで被覆した場合、加熱だけでは、補強部材とゴムとを分離させるのが難しいが、樹脂材料を50〜100質量%含む樹脂組成物を用いた被覆層であれば、加熱のみで補強部材と被覆層とを分離することができ、タイヤをリサイクルする上で有利である。ここで、リサイクルのし易さの観点から、補強層の被覆層に用いる樹脂組成物は、樹脂材料を60〜100質量%含むことが好ましく、70〜100質量%含むことがより好ましい。また、樹脂材料を50〜100質量%含む樹脂組成物を用いた被覆層であれば、補強部材を硬くすることができ、タイヤの高速耐久性をより改善することができる。
なお、本発明のタイヤの補強層は、補強部材を、樹脂材料を50〜100質量%含む樹脂組成物で被覆してなり、補強部材をゴムで被覆してなるカーカス層とは異なる。
ここで、樹脂材料には、ゴムは含まれず、樹脂材料としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
補強層に用いる樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの少なくとも一方を含むことが好ましく、熱可塑性エラストマーを含むことが更に好ましい。熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーを用いて補強層を形成することで、補強層のリサイクルが更にし易くなる。また、熱可塑性エラストマーを用いて補強層を形成することで、補強層の歪入力に対する耐久性が向上する。
ここで、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーは、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になる高分子化合物であり、本明細書では、このうち、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になり且つゴム状弾性を有する高分子化合物を熱可塑性エラストマーとし、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になり且つゴム状弾性を有しない高分子化合物を熱可塑性樹脂として、区別する。
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリスチレン系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂、ポリウレタン系熱可塑性樹脂等が挙げられる。
補強層をリサイクルし易くする観点から、樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂及び前記熱可塑性エラストマーの少なくとも一方は、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系又はポリウレタン系であることが好ましい。すなわち、熱可塑性樹脂においては、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、又はポリウレタン系熱可塑性樹脂が好ましい。
これらの中でも、歪入力に対する耐久性の観点から、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂、ポリウレタン系熱可塑性樹脂が好ましい。
[熱可塑性エラストマー]
熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)等が挙げられる。
既述のように、補強層をリサイクルし易くする観点から、樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂及び前記熱可塑性エラストマーの少なくとも一方は、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系又はポリウレタン系であることが好ましい。すなわち、熱可塑性エラストマーにおいては、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、又はポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)が好ましい。
これらの中でも、歪入力に対する耐久性の観点から、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)が好ましい。
熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーは、単体で使用してもよいし、2種以上の組合せをブレンドして使用してもよい。また、樹脂材料自体の融点(又は軟化点)としては、通常100℃〜350℃、好ましくは100℃〜250℃程度であるが、タイヤの生産性及び耐久性の両立の観点から120℃〜250℃程度が好ましく、120℃〜200℃が更に好ましい。融点(又は軟化点)が前記温度範囲内の材料を用いることで、好適な生産性を確保することができる。
(ポリアミド系熱可塑性エラストマー)
ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)は、弾性を有する高分子化合物であり、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと、非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーと、を有する共重合体からなる熱可塑性の樹脂材料であって、ハードセグメントを構成するポリマーの主鎖にアミド結合(−CONH−)を有するものを意味する。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、少なくともポリアミドが結晶性で融点の高いハードセグメントを構成し、他のポリマー(例えば、ポリエステル、ポリエーテル等)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成している材料が挙げられる。また、ポリアミド系熱可塑性エラストマーには、ハードセグメント及びソフトセグメントの他に、ジカルボン酸等の鎖長延長剤が用いられていてもよい。
ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)のハードセグメントを形成するポリアミドとしては、ω−アミノカルボン酸やラクタムの重縮合体や、ジアミンとジカルボン酸との共縮重合体等が挙げられる。
ω−アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
ラクタムとしては、ラウリルラクタム、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、2−ピロリドン等が挙げられる。
ジアミンとしては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルペンタメチレンジアミン、メタキシレンジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。
また、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)のソフトセグメントを形成するポリマーとしては、ポリエステルや、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ABA型トリブロックポリエーテル等のポリエーテルもしくはジアミン変性体が挙げられる。
ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)のハードセグメントとソフトセグメントとの組合せとしては、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリエチレングリコールの組合せ、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリプロピレングリコールの組合せ、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリテトラメチレンエーテルグリコールの組合せ、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ABA型トリブロックポリエーテルの組合せ、が好ましく、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ABA型トリブロックポリエーテルの組合せが特に好ましい。
ポリアミド系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントを形成するポリマー及びソフトセグメントを形成するポリマーを公知の方法によって共重合することで合成することができる。また、ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、市販品を利用することができ、例えば、宇部興産株式会社製の「UBESTA XPA」シリーズ(例えば、XPA9063X1、XPA9055X1、XPA9048X2、XPA9048X1、XPA9040X1、XPA9040X2、XPA9044等)、ダイセル・エポニック株式会社製の「べスタミド」シリーズ(例えば、E40−S3、E47−S1、E47−S3、E55−S1、E55−S3、EX9200、E50−R2)等が挙げられる。
(ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー)
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)は、少なくともポリオレフィンが結晶性で融点の高いハードセグメントを構成し、他のポリマー(例えば、ポリオレフィンないし他のポリオレフィン)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成している材料が挙げられる。ハードセグメントを形成するポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられる。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、結晶性のポリオレフィンが融点の高いハードセグメントを構成し、非晶性のポリマーがガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成している共重合体が挙げられる。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン−α−オレフィンランダム共重合体、オレフィンブロック共重合体等が挙げられ、例えば、プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチル−1ペンテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、1−ブテン−4−メチル−ペンテン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、プロピレン−メタクリル酸共重合体、プロピレン−メタクリル酸メチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸エチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸ブチル共重合体、プロピレン−メチルアクリレート共重合体、プロピレン−エチルアクリレート共重合体、プロピレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチル−1ペンテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−ブチルアクリレート共重合体、プロピレン−メタクリル酸共重合体、プロピレン−メタクリル酸メチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸エチル共重合体、プロピレン−メタクリル酸ブチル共重合体、プロピレン−メチルアクリレート共重合体、プロピレン−エチルアクリレート共重合体、プロピレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート共重合体が更に好ましい。
また、エチレンとプロピレンといったように2種以上のポリオレフィン樹脂を組み合わせて使用してもよい。また、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー中のポリオレフィン含率は、50質量%以上100質量%以下が好ましい。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの数平均分子量としては、5,000〜10,000,000であることが好ましい。ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの数平均分子量が5,000〜10,000,000にあると、樹脂材料の機械的物性が十分であり、加工性にも優れる。同様の観点から、7,000〜1,000,000であることが更に好ましく、10,000〜1,000,000が特に好ましい。これにより、樹脂材料の機械的物性及び加工性を更に向上させることができる。また、ソフトセグメントを構成するポリマーの数平均分子量としては、強靱性及び低温柔軟性の観点から、200〜6000が好ましい。更に、ハードセグメント(x)及びソフトセグメント(y)の質量比(x:y)は、成形性の観点から、50:50〜95:5が好ましく、50:50〜90:10が更に好ましい。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントを形成するポリマーおよびソフトセグメントを形成するポリマーを公知の方法によって共重合することで合成することができる。
また、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、市販品を利用することができ、例えば、三井化学社製の「タフマー」シリーズ、三井・デュポンポリケミカル(株)「ニュクレル」シリーズ、「エルバロイAC」シリーズ、住友化学(株)「アクリフト」シリーズ、「エバテート」シリーズ、東ソー(株)「ウルトラセン」シリーズ、プライムポリマー製の「プライムTPO」シリーズ等を用いることができる。
(ポリウレタン系熱可塑性エラストマー)
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)としては、少なくともポリウレタンが物理的な凝集によって疑似架橋を形成してハードセグメントを構成し、他のポリマーが非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成している材料が挙げられる。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)のソフトセグメントには、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(ブチレンアジベート)ジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオール等の高分子ジオール化合物と、1,2−エチレンジイソシアネート、1,3−プロピレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、を使用することができる。
また、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)のハードセグメントには、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ヒドロキノン、レゾルシン、クロロヒドロキノン、ブロモヒドロキノン、メチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、フェノキシヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビスフェノールA、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、1,4−ジヒドロキシナフタリン、2,6−ジヒドロキシナフタリン等の低分子ジオール化合物と、1,2−エチレンジイソシアネート、1,3−プロピレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、を使用することができる。
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントを形成するポリマー及びソフトセグメントを形成するポリマーを公知の方法によって共重合することで合成することができる。また、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、市販品を利用することができ、例えば、BASF社製の「エラストラン」シリーズ(例えば、ET680、ET880、ET690、ET890等)、株式会社クラレ製の「クラミロンU」シリーズ(例えば、2000番台、3000番台、8000番台、9000番台)、日本ミラクトラン株式会社製の「ミラクトラン」シリーズ(例えば、XN−2001、XN−2004、P390RSUP、P480RSUI、P26MRNAT、E490、E590、P890)等が挙げられる。
(ポリエステル系熱可塑性エラストマー)
ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)は、弾性を有する高分子化合物であり、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと、非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーと、を有する共重合体からなる熱可塑性の樹脂材料であって、ハードセグメントを構成するポリマーとしてポリエステル樹脂を含むものである。
ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)のハードセグメントを形成する結晶性のポリエステルとしては、芳香族ポリエステルを用いることができる。芳香族ポリエステルは、例えば、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールとから形成することができる。ハードセグメントを形成する芳香族ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられ、ポリブチレンテレフタレートが好ましい。
ハードセグメントを形成する好適な芳香族ポリエステルの一つとしては、テレフタル酸及び/又はジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレートが挙げられ、更に、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸、或いは、これらのエステル形成性誘導体等のジカルボン酸成分と、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−p−クオーターフェニル等のジオール成分と、から誘導されるポリエステル、或いは、これらのジカルボン酸成分及びジオール成分を2種以上併用した共重合ポリエステルであってもよい。
ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)のソフトセグメントを形成するポリマーとしては、例えば、脂肪族ポリエーテル及び脂肪族ポリエステルから選択されたポリマーが挙げられる。
脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート等が挙げられる。
これらの脂肪族ポリエーテル及び脂肪族ポリエステルの中でも、得られる共重合体の弾性特性の観点から、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペート等が好ましい。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントを形成するポリマー及びソフトセグメントを形成するポリマーを公知の方法によって共重合することで合成することができる。また、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、市販品を利用することができ、例えば、東レ・デュポン株式会社製の「ハイトレル」シリーズ(例えば、3046、5557、5577、6347、4047、4767、4777等)、東洋紡株式会社製の「ベルプレン」シリーズ(P30B、P40B、P40H、P55B、P70B、P150B、P280B、P450B、P150M、S1001、S2001、S5001、S6001、S9001等)等が挙げられる。
[熱硬化性樹脂]
また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。
樹脂組成物には、樹脂材料の他に、所望に応じて、ゴム、各種充填剤(例えば、シリカ、炭酸カルシウム、クレイ)、老化防止剤、オイル、可塑剤、着色剤、耐候剤、補強材等の添加剤を含有させてもよい。
また、補強層の被覆層と補強部材との接着性能をより向上させるために、被覆層と補強部材との間に接着剤層を設けてもよく、また、被覆層は、異なる材料を複数積層したものであってもよい。ここで、接着剤層には、例えば、熱可塑性樹脂若しくは熱可塑性エラストマー、溶剤系接着剤、水系接着剤、熱硬化性樹脂等を用いることができる。
<タイヤ骨格体>
タイヤ骨格体(タイヤケース)は、図1を用いて説明したように、環状で、樹脂材料を50〜100質量%含む樹脂組成物からなる。
タイヤ骨格体に用いる樹脂組成物は、補強層の被覆層に用いる樹脂組成物と同一でも異なってもよいが、被覆層とタイヤ骨格体の接着性や物性値の差を考慮すると、同一であることが好ましい。
タイヤ骨格体の無荷重時のタイヤ最大幅部での厚さは、通常0.5〜2.5mm、好ましくは1〜2mmであり、タイヤ骨格体は、主としてゴムからなるタイヤケースのタイヤ内面に設けられることがある、厚さが通常100μm以下の樹脂製のインナーライナーとは異なる。
タイヤ骨格体に用いることができる樹脂組成物において、樹脂材料の含有割合が50質量%以上であれば、タイヤをリサイクルし易くなる。ここで、リサイクルのし易さの観点から、タイヤ骨格体に用いることができる樹脂組成物は、樹脂材料を90〜100質量%含むことが好ましい。
タイヤ骨格体に用いることができる樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの少なくとも一方を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーを用いてタイヤ骨格体を形成することで、リサイクルが更にし易くなり、加えて、従来のゴム製タイヤに比べて構造を簡素化でき、タイヤを更に軽量化することができる。
タイヤ骨格体に用いることができる樹脂組成物には、補強層の被覆層に用いる樹脂組成物として説明した、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーを用いることができる。
また、同じく、タイヤ骨格体をリサイクルし易くする観点から、樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂及び前記熱可塑性エラストマーの少なくとも一方は、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系又はポリウレタン系であることが好ましい。すなわち、熱可塑性樹脂においては、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、又はポリウレタン系熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性エラストマーにおいては、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、又はポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)が好ましい。
更に、歪入力に対する耐久性の観点から、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂、ポリウレタン系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、及びポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)からなる群より選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。
また、樹脂材料以外に添加できる添加剤についても、補強層の被覆層に用いる樹脂組成物と、同様である。
樹脂組成物を用いたタイヤ骨格体は、特開2012−046030号公報(特許文献1)の第2実施形態に従って製造することができ、例えば、射出成形によりタイヤ骨格体の半体を作製し、該半体同士を互いに向かい合わせ接合することで作製でき、接合の際は、使用している樹脂組成物中の樹脂材料の融点以上の温度で押圧することが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〜18及び比較例1〜4〕
特開2012−046030号公報(特許文献1)の第2実施形態に従い、樹脂材料としてポリアミド系熱可塑性エラストマー(ポリアミド系熱可塑性エラストマー、宇部興産社製、商品名「UBESTA XPA9055X1」)を用いて、射出成形によりタイヤ骨格体の半体を作製し、該半体同士を互いに向かい合わせ、使用したポリアミド系熱可塑性エラストマーの融点以上の温度で押圧して接合し、タイヤ骨格体(タイヤケース)を作製した。
次に、該タイヤ骨格体のタイヤ径方向外側に、ポリアミド系熱可塑性エラストマーで被覆されたスチールコードを、タイヤの周方向に螺旋巻回して、補強層を配設した。
該タイヤ外面に接着剤を塗布し、常法にて用意したガムチェーファー、サイドゴム、更に、カーカスプライを表1〜表2に示す配合処方のゴム組成物からなるカーカスプライコーティングゴムで被覆したカーカス層を用意し、図1に示されるカーカス層40のように、それぞれ補強層の中央で重ねて、補強層のタイヤ径方向外側に配設するようタイヤ成型を行った。更に、常法にて用意したトレッドゴム用ゴム組成物からなるゴム表面層をカーカス層のタイヤ径方向外側に配設した後、加硫して、タイヤ(空気入りタイヤ)を作製した。
なお、作製したタイヤ骨格体の無荷重時のタイヤ最大幅部での厚さは、2mmとした。
また、作製したタイヤのタイヤ骨格体及びスチールコードの被覆層は、ポリアミド系熱可塑性エラストマーからなり、樹脂材料の割合が100質量%である。
また、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中の有機酸量、並びにカーカスプライコーティングゴムの25℃における動歪1%時の損失正接tanδ、及び25℃における動歪1%時の貯蔵弾性率E’を以下の方法で測定した。
更に、得られたタイヤに対して、下記の方法で、高速耐久性(高速ドラム耐久性)を評価した。
(1)カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中の有機酸量の測定
JIS K6237:2012に準拠して、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中の有機酸量を求めた。結果を表1〜表2の「配合」欄の「有機酸」欄に示す。
(2)tanδ及びE’の測定
カーカスプライコーティングゴムに用いたゴム組成物を用いて、作製したタイヤと同じ加硫条件で得たゴムから、長さ50mm、幅5mm、厚み2mmのゴムシートを切り出し、株式会社上島製作所製の動的粘弾性測定装置を用いて、初期荷重160mg、周波数52Hzの条件下で、25℃における動歪1%時の損失正接tanδと25℃における動歪1%時の貯蔵弾性率E’を測定した。結果を表1〜表2の「tanδ」欄及び「E’」欄に示す。
(3)高速ドラム耐久性
各供試タイヤを、25℃±2℃の室内で内圧300kPaに調整した後、24時間放置し、その後、空気圧の再調整を行い、400kgの荷重をタイヤに負荷して、直径約3mのドラムの上で、速度100km/hにて、10分ごとに10kmずつ速度を上昇させて、走行させた。タイヤが故障したときの距離を耐久距離として、実施例1の値を100として、指数値の大小から、下記評価基準にてタイヤの高速耐久性を評価した。
(評価基準)
◎:指数が100以上
○:指数が95以上100未満
△:指数が90以上95未満
×:指数が90未満
表1及び2中の配合成分の詳細は以下のとおりである。
〔ゴム成分〕
NR:天然ゴム、インドネシア製、商品名「SIR20」
SBR:スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、JSR株式会社製、商品名「#1500」
Liq SBR:以下の手順で液体SBR(Liq SBR)を得た。
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、シクロヘキサン300g、1,3−ブタジエン40g、スチレン13g、ジテトラヒドロフリルプロパン23mmolを加え、更にn−ブチルリチウム23mmolを加えた後、50℃で2時間重合反応を行い、活性末端を有する液体SBR(Liq−SBR)を得た。この際の重合転化率は、ほぼ100%であった。
〔カーボンブラック〕
CB1 GPF:旭カーボン株式会社製、商品名「#55(GPF)」
CB2 HAF:旭カーボン株式会社製、商品名「#70(HAF)」
〔各種成分〕
有機酸:ステアリン酸
加硫促進剤:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
なお、有機酸は、配合成分としてステアリン酸を用い、表中の「有機酸」欄の量は、天然ゴム等に含まれる有機酸量も包含するカーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物中の全有機酸量を表す。
表1〜表2から、補強層の補強部材の被覆層とタイヤ骨格体を樹脂組成物(樹脂材料100質量%)から構成し、トレッドゴム、サイドゴム、及びガムチェーファーからなるゴム表面層と、tanδが0.05〜0.2であり、かつ、E’が2〜10MPaであるカーカスプライコーティングゴムでカーカスプライが被覆されたカーカス層を有する実施例のタイヤは、比較例のタイヤよりも、高速耐久性が高いことが分かる。
本発明によれば、樹脂材料を用いつつも、高速耐久性に優れるタイヤを提供することができる。
10 タイヤ骨格体
11 ビード部
12 サイド部
13 クラウン部
14 ビードコア
20 補強層
21 補強部材
22 被覆層
30 ゴム表面層
32 トレッドゴム
34 サイドゴム
36 ガムチェーファー
40 カーカス層

Claims (7)

  1. 樹脂材料を50〜100質量%含む樹脂組成物からなる環状のタイヤ骨格体と、
    該タイヤ骨格体のタイヤ径方向外側であって、一対のビードコア間にトロイド状に延在する1層以上のカーカスプライ及び該カーカスプライを被覆するカーカスプライコーティングゴムを含むカーカス層と、
    前記タイヤ骨格体のタイヤ径方向外側であって、前記カーカス層のタイヤ径方向外側又は内側に設けられた補強層と、
    該補強層のタイヤ径方向外側に設けられ、少なくともトレッドゴムを含むゴム表面層と、
    を備え、
    前記補強層は、樹脂材料を50〜100質量%含む樹脂組成物で、補強部材を被覆してなり、
    前記カーカスプライコーティングゴムは、初期荷重160mg、周波数52Hz、25℃における動歪1%時の損失正接tanδが0.05〜0.2であり、かつ、初期荷重160mg、周波数52Hz、25℃における動歪1%時の貯蔵弾性率E’が2〜10MPaであるタイヤ。
  2. 前記カーカスプライコーティングゴムは、初期荷重160mg、周波数52Hz、25℃における動歪1%時の損失正接tanδが0.05〜0.13であり、かつ、初期荷重160mg、周波数52Hz、25℃における動歪1%時の貯蔵弾性率E’が4〜8MPaである請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記カーカスプライコーティングゴムが、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物からなり、該カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜5.0質量部の有機酸を含む請求項1又は請求項2に記載のタイヤ。
  4. 前記カーカスプライコーティングゴムが、カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物からなり、該カーカスプライコーティングゴム用ゴム組成物が、前記ゴム成分100質量部に対して0.1〜5.5質量部の加硫促進剤を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ。
  5. 前記補強部材が、タイヤ周方向に巻回されている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ。
  6. 前記補強層及び前記タイヤ骨格体の少なくとも一方に用いる樹脂組成物が、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの少なくとも一方を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ。
  7. 前記熱可塑性樹脂及び前記熱可塑性エラストマーの少なくとも一方が、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系又はポリウレタン系である請求項6に記載のタイヤ。
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