JP6744253B2 - ボール減速機 - Google Patents
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Description
この発明は、回転を減速して伝達するために使用されるボール減速機に関するものである。
従来から、ボール減速機は、歯車減速装置と比較して、小型で且つ大きな減速比を得られることから、各種機械(例えば、産業用ロボット、舵角可変式ステアリング装置等)の動力伝達部に使用されている。
図23は、このような従来のボール減速機200を示す図である。なお、図23(a)は、従来のボール減速機200の縦断面図であり、図23(b)は、図23(a)のA16−A16線に沿って切断して示すボール減速機200の断面図である。
図23に示すように、ボール減速機200は、入力軸201に形成された偏心カム202の外周側にベアリング203を介して偏心回転板204が取り付けられており、偏心回転板204が偏心カム202によって偏心駆動されるようになっている。また、このボール減速機200は、図示しない出力軸に連結される出力側回転体205が偏心回転板204の径方向内方側の両側にそれぞれ配置されており、入力軸201が出力側回転体205の内周側にベアリング206を介して相対回動できるように支持されている。また、このボール減速機200は、産業用ロボットの一部等に固定される固定部材207が偏心回転板204の径方向外方側の両側にボール208を介してそれぞれ配置されており、出力側回転体205が固定部材207の内周側にベアリング210を介して回動可能に支持されている。そして、偏心回転板204と固定部材207とに挟まれるボール208は、偏心回転板204の側面に形成された第1波形溝(外サイクロイド曲線で形作られる第1サイクロイド溝)211と固定部材207の内側面(偏心回転板204に対向する側面)に形成された第2波形溝(内サイクロイド曲線で形作られる第2サイクロイド溝)212とに転動できるように係合されており、偏心回転板204と固定部材207とを連結している。なお、第2波形溝212の波数は、第1波形溝211の波数よりも2波多くなるように形成されている。
また、出力側回転体205は、偏心吸収機構213を介して偏心回転板204に連結されている。偏心吸収機構213は、偏心回転板204が出力側回転体205に対して偏心運動するのを可能にするものであり(偏心回転板204の偏心を吸収するものであり)、偏心回転板204の回転を出力側回転体205に伝達するようになっている。この偏心吸収機構213は、偏心回転板204と出力側回転体205との間に介装された複数のボール214と、このボール214を転動可能に収容する偏心回転板204の駆動環状溝215と、出力側回転体205の従動環状溝216とによって構成されている。駆動環状溝215及び従動環状溝216は、偏心カム202の偏心量を考慮して形状及び大きさが決定され、偏心回転板204が入力軸201の回転中心に対して偏心回転する際のボール214の動きを許容し、出力側回転体205がボール214を介して偏心回転板204と一体に回動するのを可能にしている(特許文献1参照)。
このような従来のボール減速機200は、例えば、偏心回転板204の第1波形溝211の波数をN−2とし、固定部材207の第2波形溝212の波数をNとした場合、入力軸201が図示しない電動機等によって回転駆動されると、偏心回転板204が入力軸201の偏心カム202によって偏心駆動され、出力側回転体205が偏心吸収機構213を介して偏心回転板204と一体となって回転することになるが、出力側回転体205が入力軸201の1回転に対して−2/(N−2)回転(入力軸201の回転方向と逆の方向に2/(N−2)回転)することになる。すなわち、従来のボール減速機200は、偏心回転板204の第1波形溝211の波数をN−2とし、固定部材207の第2波形溝212の波数をNとした場合、減速比が2/(N−2)になる。
しかしながら、図23に示す従来のボール減速機200は、偏心回転板204の両側面にそれぞれ第1波形溝211が形成され、偏心回転板204の両側にそれぞれ配置された固定部材207の内側面に第2波形溝212が形成されているため、合計4側面(4箇所)に波形溝211,211,212,212を高精度に形成しなければならず、加工工数が嵩むという問題を有していた。
そこで、本発明は、構造が簡単で、加工工数が少ないボール減速機の提供を目的とする。
請求項1に係る発明は、入力側回転体2の回転を出力側回転体8に減速して伝達するボール減速機1に関するものである。この発明に係るボール減速機1は、入力側回転体2と一体に回動する偏心円板カム3と、偏心円板カム3の外周側に相対回動可能に嵌合され、偏心円板カム3によって揺動させられる揺動体4と、揺動体4の外周面25に沿って複数配置されたボール5と、揺動体4の両側面4a,4bのうちの一方に対向して位置する第1側面部20を有し、被固定部材に固定される固定部材7と、を備えている。そして、出力側回転体8は、揺動体4の両側面4a,4bのうちの他方に対向して位置する第2側面部21を有し、回転中心43aとしての軸心が入力側回転体2の回転中心2aと同軸上に位置するように配置されている。また、第1側面部20と第2側面部21のいずれか一方は、入力側回転体2の回転中心2aに直交する仮想平面において、回転中心2aから放射状に延びる方向を径方向とすると、ボール5を第1側面部20と第2側面部21のいずれか一方の径方向に沿って転動可能に案内する径方向溝32が入力側回転体2の回転中心2aの回りに複数形成されている。また、第1側面部20と第2側面部21のいずれか他方は、前記仮想平面において、回転中心2aを中心とする仮想円の外縁に沿った方向を周方向とすると、ボール5を第1側面部20と第2側面部21のいずれか他方の前記周方向に沿って波形状に案内する環状の波形溝33が形成されている。また、ボール5は、径方向溝32及び波形溝33に転動可能に係合され、揺動体4が偏心円板カム3によって揺動させられると、径方向溝32及び波形溝33内を転動させられる。また、揺動体4は、第1側面部20と第2側面部21のいずれか一方から突出する回転抑制ボス23に係合する回転抑制穴24が形成されている。また、揺動体4の回転抑制穴24は、入力側回転体2の回転中心2aに対する偏心円板カム3の偏心量(e)の2倍の隙間(2e)が回転抑制ボス23との間に形成される。また、揺動体4の外周面25には、ボール5と線接触する曲面部26,57,61が形成されている。
請求項2に係る発明は、入力側回転体102,103の回転を出力側回転体108に減速して伝達するボール減速機101に関するものである。この発明に係るボール減速機101は、入力側回転体102,103と一体に回動する偏心円板カム104と、偏心円板カム104の外周側に相対回動可能に嵌合され、偏心円板カム104によって揺動させられる揺動体105と、揺動体105の外周面105bに沿って複数配置されたボール106と、揺動体105を揺動できるように径方向内方側に収容すると共に、被固定部材に固定される固定部材107と、揺動体105及び固定部材107の一方の側面105c,136aに対向するように配置され、入力側回転体102,103に相対回動可能に支持された第1出力側回転体108Aと、揺動体105及び固定部材107の他方の側面105d,136bに対向するように配置され、第1出力側回転体108Aに一体回動できるように固定されると共に、入力側回転体102,103に相対回動可能に支持され、第1出力側回転体108Aと共に出力側回転体108を構成する第2出力側回転体108Bと、を備えている。そして、固定部材107は、入力側回転体102,103の回転中心102a,103aに直交する仮想平面において、回転中心102,103から放射状に延びる方向を径方向とすると、ボール106を前記径方向にスライド移動可能に案内する径方向溝138がボール106の数と同数形成されると共に、径方向溝138の径方向内方端がボール106の出入りを可能にする開口端になっている。また、第1出力側回転体108Aは、固定部材107の一方の側面136aに対向する第1側面部132を有している。また、第2出力側回転体108Bは、固定部材107の他方の側面136bに対向する第2側面部141を有している。また、第1側面部132及び第2側面部141は、前記仮想平面において、回転中心102a,103aを中心とする仮想円の外縁に沿った方向を周方向とすると、ボール106を前記周方向に沿って波形状に案内する環状の波形溝140が形成されている。また、揺動体105は、第1側面部132と第2側面部141のいずれか一方から突出する回転抑制ボス132に係合する回転抑制穴131が形成されている。また、揺動体105の回転抑制穴131は、入力側回転体102,103の回転中心102a,103aに対する偏心円板カム104の偏心量(e)の2倍の隙間(2e)が回転抑制ボス132との間に形成される。また、揺動体105の外周面105bには、ボール106と線接触する曲面部129が形成されている。
請求項1の発明に係るボール減速機は、揺動体に対向する出力側回転体と固定部材のうちの一方の側面部にのみ波形溝を形成するようになっているため、波形溝を4側面にそれぞれ形成する構造が複雑な従来例と比較し、構造を簡単化することができ、加工工数を削減することができる。
請求項2の発明に係るボール減速機は、揺動体及び固定部材に対向する第1出力側回転体の第1側面部と第2出力側回転体の第2側面部の2箇所にのみ波形溝を形成するようになっているため、波形溝を4側面にそれぞれ形成する構造が複雑な従来例と比較し、構造を簡単化することができ、加工工数を削減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳述する。
[第1実施形態]
(全体構造)
図1は、本発明の第1実施形態に係るボール減速機1の縦断面図である。この図1に示すように、本実施形態に係るボール減速機1は、入力軸(入力側回転体)2、偏心円板カム3、揺動体4、複数のボール(鋼球)5、外側揺動リング6、固定部材7、出力側回転体8、及びカバー10等で構成されている。
(全体構造)
図1は、本発明の第1実施形態に係るボール減速機1の縦断面図である。この図1に示すように、本実施形態に係るボール減速機1は、入力軸(入力側回転体)2、偏心円板カム3、揺動体4、複数のボール(鋼球)5、外側揺動リング6、固定部材7、出力側回転体8、及びカバー10等で構成されている。
(入力軸)
図1及び図2に示すように、入力軸2は、軸本体部11が第1ベアリング12を介して固定部材7によって回動自在に支持されており、図示しない電動機等によって回転駆動されるようになっている。この入力軸2は、軸本体部11よりも大径の鍔状部13が軸本体部11に隣接して形成され、第1ベアリング12の側面が鍔状部13の側面に突き当てられ、第1ベアリング12を固定部材7のボス部14の内周側突起15と鍔状部13との間に保持するようになっている。また、この入力軸2は、鍔状部13よりも軸先端側で且つ鍔状部13に隣接する位置に偏心円板カム3が形成されている。この偏心円板カム3は、その中心3aが入力軸2の回転中心2a(軸本体部11の回転中心11a)に対して偏心量(e)だけ偏心して位置する円板であり、入力軸2の回転中心2aの回りに入力軸2と一体となって偏心回転する。そして、偏心円板カム3の外周側には、揺動体4が第2ベアリング16を介して相対回動可能に取り付けられている。また、入力軸2は、第3ベアリング17を取り付ける先端軸部18が形成されている。この先端軸部18は、その回転中心18aが入力軸2の回転中心2a(軸本体部11の回転中心11a)と同心であり、出力側回転体8を第3ベアリング17を介して回動可能に支持するようになっている。なお、以下の説明において、入力軸2の回転中心2aに直交する仮想平面を考えた場合、径方向とは、その仮想平面上を回転中心2aから放射状に延びる方向をいうものとする。また、入力軸2の回転中心2aに直交する仮想平面を考えた場合、周方向とは、入力軸2の回転中心2aを中心とする仮想円の外縁に沿った方向をいうものとする。
図1及び図2に示すように、入力軸2は、軸本体部11が第1ベアリング12を介して固定部材7によって回動自在に支持されており、図示しない電動機等によって回転駆動されるようになっている。この入力軸2は、軸本体部11よりも大径の鍔状部13が軸本体部11に隣接して形成され、第1ベアリング12の側面が鍔状部13の側面に突き当てられ、第1ベアリング12を固定部材7のボス部14の内周側突起15と鍔状部13との間に保持するようになっている。また、この入力軸2は、鍔状部13よりも軸先端側で且つ鍔状部13に隣接する位置に偏心円板カム3が形成されている。この偏心円板カム3は、その中心3aが入力軸2の回転中心2a(軸本体部11の回転中心11a)に対して偏心量(e)だけ偏心して位置する円板であり、入力軸2の回転中心2aの回りに入力軸2と一体となって偏心回転する。そして、偏心円板カム3の外周側には、揺動体4が第2ベアリング16を介して相対回動可能に取り付けられている。また、入力軸2は、第3ベアリング17を取り付ける先端軸部18が形成されている。この先端軸部18は、その回転中心18aが入力軸2の回転中心2a(軸本体部11の回転中心11a)と同心であり、出力側回転体8を第3ベアリング17を介して回動可能に支持するようになっている。なお、以下の説明において、入力軸2の回転中心2aに直交する仮想平面を考えた場合、径方向とは、その仮想平面上を回転中心2aから放射状に延びる方向をいうものとする。また、入力軸2の回転中心2aに直交する仮想平面を考えた場合、周方向とは、入力軸2の回転中心2aを中心とする仮想円の外縁に沿った方向をいうものとする。
(揺動体)
図1、図3及び図4に示すように、揺動体4は、固定部材7と出力側回転体8との間に配置され、偏心円板カム3によって揺動させられるようになっている。そして、この揺動体4は、一方の側面4aが固定部材7の第1側面部20に対向し、他方の側面4bが出力側回転体8の第2側面部21に対向するように位置している。また、この揺動体4は、第2ベアリング16が嵌合される軸受け穴22を径方向の中心部に有し、固定部材7の回転抑制ボス23が嵌合される回転抑制穴24を軸受け穴22の周囲に複数有している。揺動体4の回転抑制穴24は、丸棒状突起である回転抑制ボス23との隙間が偏心円板カム3の偏心量(e)の2倍(2e)になるように形成されており、揺動体4が偏心円板カム3によって揺動させられるのを可能にしている。また、この揺動体4は、複数のボール5を外周面25で転動可能に支持するようになっている。揺動体4の外周面25は、図3(a)に示すように軸受け穴22と同心の円形状であり、ボール5と線接触する曲面部26(揺動体側の転動溝)がボール5と同数形成されている。この揺動体4の曲面部26は、揺動体4を機械加工する場合、揺動体4に対するボール5の転動軌跡をシミュレーションソフト(例えば、ANSYS)で解析し、その解析データとボール径等をマシニングセンタに入力し、マシニングセンタに装着したボールエンドミル等の加工工具をボール5の転動軌跡に沿うように動かして加工する。また、この揺動体4の曲面部26は、揺動体4を射出成形する場合、揺動体4に対するボール5の転動軌跡をシミュレーションソフト(例えば、ANSYS)で解析し、その解析データとボール径等を金型加工機械に入力し、金型加工機械の加工具を入力データに基づいて動かし、金型のキャビティ内に曲面部形成面を加工して、射出成形時にキャビティ内の曲面部形成面を転写することにより形作られる。
図1、図3及び図4に示すように、揺動体4は、固定部材7と出力側回転体8との間に配置され、偏心円板カム3によって揺動させられるようになっている。そして、この揺動体4は、一方の側面4aが固定部材7の第1側面部20に対向し、他方の側面4bが出力側回転体8の第2側面部21に対向するように位置している。また、この揺動体4は、第2ベアリング16が嵌合される軸受け穴22を径方向の中心部に有し、固定部材7の回転抑制ボス23が嵌合される回転抑制穴24を軸受け穴22の周囲に複数有している。揺動体4の回転抑制穴24は、丸棒状突起である回転抑制ボス23との隙間が偏心円板カム3の偏心量(e)の2倍(2e)になるように形成されており、揺動体4が偏心円板カム3によって揺動させられるのを可能にしている。また、この揺動体4は、複数のボール5を外周面25で転動可能に支持するようになっている。揺動体4の外周面25は、図3(a)に示すように軸受け穴22と同心の円形状であり、ボール5と線接触する曲面部26(揺動体側の転動溝)がボール5と同数形成されている。この揺動体4の曲面部26は、揺動体4を機械加工する場合、揺動体4に対するボール5の転動軌跡をシミュレーションソフト(例えば、ANSYS)で解析し、その解析データとボール径等をマシニングセンタに入力し、マシニングセンタに装着したボールエンドミル等の加工工具をボール5の転動軌跡に沿うように動かして加工する。また、この揺動体4の曲面部26は、揺動体4を射出成形する場合、揺動体4に対するボール5の転動軌跡をシミュレーションソフト(例えば、ANSYS)で解析し、その解析データとボール径等を金型加工機械に入力し、金型加工機械の加工具を入力データに基づいて動かし、金型のキャビティ内に曲面部形成面を加工して、射出成形時にキャビティ内の曲面部形成面を転写することにより形作られる。
このようにして形成された揺動体4は、ボール5が曲面部26に線接触した状態(図4(b)の太線29で示すような線接触状態)で転動するため、ボール5が平坦な外周面25に点接触した状態で転動する場合と比較し、ボール5との接触部の変形(塑性変形、摩耗)が生じ難く、耐久性が向上する。なお、本実施形態に係る揺動体は、射出成形で形作る場合、曲面部がアンダーカット形状になるが、成形収縮によって円滑に金型から分離できるようになっている。
(外側揺動リング)
図1及び図5に示すように、外側揺動リング6は、円環状に形成されており、揺動体4の径方向外方側で、且つ固定部材7の第1側面部20と出力側回転体8の第2側面部21との間に配置されている。この外側揺動リング6は、揺動体4、及び揺動体4の外周面25(曲面部26)で支持された複数のボール5を揺動体係合穴27内に収容できるようになっている。そして、この外側揺動リング6は、その内周面28と揺動体4の外周面25(曲面部26)との間に複数のボール5を保持するようになっている。
図1及び図5に示すように、外側揺動リング6は、円環状に形成されており、揺動体4の径方向外方側で、且つ固定部材7の第1側面部20と出力側回転体8の第2側面部21との間に配置されている。この外側揺動リング6は、揺動体4、及び揺動体4の外周面25(曲面部26)で支持された複数のボール5を揺動体係合穴27内に収容できるようになっている。そして、この外側揺動リング6は、その内周面28と揺動体4の外周面25(曲面部26)との間に複数のボール5を保持するようになっている。
(固定部材)
図1及び図6に示すように、固定部材7は、図示しない被固定部材(例えば、機械のフレーム、又はロボットのアーム)に固定され、入力軸2の軸本体部11をボス部14の内周面に取り付けられた第1ベアリング12によって回転自在に支持するようになっている。また、この固定部材7は、揺動体4の一方の側面4aに対向する第1側面部20の内側面20a(一方の側面4aに対向する側面)にボール支持突起30が形成されている。このボール支持突起30は、断面形状が先細の台形形状の環状体であり、ボス部14のベアリング取付穴31の中心31aと同心に形成された環状体である。そして、このボール支持突起30は、揺動体4の曲面部26で支持されたボール5に係合する径方向溝32が周方向に沿って等間隔で複数形成されている。この径方向溝32は、ボール支持突起30を径方向に切り欠くように形成され、径方向に直交する断面形状がボール5の半径と同様の曲率半径の円弧形状であり、出力側回転体8の波形溝33内を転動するボール5の径方向での移動軌跡に合わせ、ボール5の移動軌跡の径方向中間位置における溝深さが最も深く、移動軌跡の径方向中間位置から径方向内方端及び径方向外方端へ向かうに従って溝深さが滑らかに漸減するように、径方向内方側から径方向外方側へ向かって略円弧状の断面形状になっている。また、固定部材7の径方向溝32は、出力側回転体8の波形溝33の波数をN波とすると、(N+1)箇所に形成され、(N+1)個のボール5を1個ずつ転動可能に収容する。このような固定部材7の径方向溝32は、偏心円板カム3が1回転し、揺動体4が1ストローク分だけ揺動させられると、ボール5を揺動体4の揺動量に応じた分だけ径方向に転動させることができる。また、固定部材7は、第1側面部20と揺動体4との接触面積を減らして接触抵抗を低減するため、ボール支持突起30よりも径方向内方側の第1側面部20及びボール支持突起30よりも径方向外方側の第1側面部20に、接触逃がし凹所34,35が周方向に沿って複数形成されている。また、固定部材7は、その径方向外方端側にカバー取付部36が形成されている。そして、このカバー取付部36の内側には、揺動体4が揺動可能に収容されると共に、出力側回転体8が回動可能に収容されるようになっている。また、この固定部材7のカバー取付部36は、正面側から見た外形形状が略矩形形状になっており、位置決めピン取付穴37、組立用ねじ穴38、及び固定ボルト挿入穴40が各コーナー部(4隅)に形成されている。位置決めピン取付穴37には、カバー10の位置決めピン係合穴41に係合する位置決めピン(図示せず)が圧入されるようになっている。これにより、カバー10は、固定部材7に位置決めされた状態で固定される。また、組立用ねじ穴38には、カバー10を固定部材7に固定する組立用ボルトのねじ部(図示せず)が螺合されるようになっている。また、固定ボルト挿入穴40には、図外の被固定部材にカバー10及び固定部材7を一体として取り付けるための固定ボルトの軸部(図示せず)が挿入される。なお、固定部材7の接触逃がし凹所34,35には、グリース等の潤滑剤が適宜収容される。
図1及び図6に示すように、固定部材7は、図示しない被固定部材(例えば、機械のフレーム、又はロボットのアーム)に固定され、入力軸2の軸本体部11をボス部14の内周面に取り付けられた第1ベアリング12によって回転自在に支持するようになっている。また、この固定部材7は、揺動体4の一方の側面4aに対向する第1側面部20の内側面20a(一方の側面4aに対向する側面)にボール支持突起30が形成されている。このボール支持突起30は、断面形状が先細の台形形状の環状体であり、ボス部14のベアリング取付穴31の中心31aと同心に形成された環状体である。そして、このボール支持突起30は、揺動体4の曲面部26で支持されたボール5に係合する径方向溝32が周方向に沿って等間隔で複数形成されている。この径方向溝32は、ボール支持突起30を径方向に切り欠くように形成され、径方向に直交する断面形状がボール5の半径と同様の曲率半径の円弧形状であり、出力側回転体8の波形溝33内を転動するボール5の径方向での移動軌跡に合わせ、ボール5の移動軌跡の径方向中間位置における溝深さが最も深く、移動軌跡の径方向中間位置から径方向内方端及び径方向外方端へ向かうに従って溝深さが滑らかに漸減するように、径方向内方側から径方向外方側へ向かって略円弧状の断面形状になっている。また、固定部材7の径方向溝32は、出力側回転体8の波形溝33の波数をN波とすると、(N+1)箇所に形成され、(N+1)個のボール5を1個ずつ転動可能に収容する。このような固定部材7の径方向溝32は、偏心円板カム3が1回転し、揺動体4が1ストローク分だけ揺動させられると、ボール5を揺動体4の揺動量に応じた分だけ径方向に転動させることができる。また、固定部材7は、第1側面部20と揺動体4との接触面積を減らして接触抵抗を低減するため、ボール支持突起30よりも径方向内方側の第1側面部20及びボール支持突起30よりも径方向外方側の第1側面部20に、接触逃がし凹所34,35が周方向に沿って複数形成されている。また、固定部材7は、その径方向外方端側にカバー取付部36が形成されている。そして、このカバー取付部36の内側には、揺動体4が揺動可能に収容されると共に、出力側回転体8が回動可能に収容されるようになっている。また、この固定部材7のカバー取付部36は、正面側から見た外形形状が略矩形形状になっており、位置決めピン取付穴37、組立用ねじ穴38、及び固定ボルト挿入穴40が各コーナー部(4隅)に形成されている。位置決めピン取付穴37には、カバー10の位置決めピン係合穴41に係合する位置決めピン(図示せず)が圧入されるようになっている。これにより、カバー10は、固定部材7に位置決めされた状態で固定される。また、組立用ねじ穴38には、カバー10を固定部材7に固定する組立用ボルトのねじ部(図示せず)が螺合されるようになっている。また、固定ボルト挿入穴40には、図外の被固定部材にカバー10及び固定部材7を一体として取り付けるための固定ボルトの軸部(図示せず)が挿入される。なお、固定部材7の接触逃がし凹所34,35には、グリース等の潤滑剤が適宜収容される。
(出力側回転体)
図1及び図7に示すように、出力側回転体8は、揺動体4の両側面4a,4bのうちの他方の側面4bに対向して位置する第2側面部21と、この第2側面部21の径方向内方側に一体に形成された軸受用円筒部42と、この軸受用円筒部42と一体に形成された出力軸部43と、を有している。この出力側回転体8は、軸受用円筒部42の径方向内方側に位置する軸受け穴44が第3ベアリング17を介して入力軸2の先端軸部18で回動自在に支持されると共に、軸受用円筒部42の外周側が第4ベアリング45を介してカバー10で回動自在に支持され、出力軸部43が入力軸2の回転中心2aと同心で回転するようになっている。そして、第2側面部21の内側面21a(揺動体4の他方の側面4bに対向する側面)には、揺動体4の外周面25(曲面部26)によって支持されたボール5に係合する波形溝33が出力軸部43の回転中心(軸心)43aを中心として環状(無端状)に形成されている。この波形溝33は、ボール5を第2側面部21の周方向に沿って波形状に案内するようになっており、径方向内方端を谷底33aとし、径方向外方端を山頂33bとし、谷底33aと山頂33bとの径方向中間位置を波高さ中央位置とすると、谷底33aの溝深さ及び山頂33bの溝深さが波高さ中央位置の溝深さよりも深くなるように、溝深さが滑らかに変化している。このような形状の波形溝33に対し、径方向溝32は、径方向中間位置が波形溝33の波高さ中央位置に対応し、この径方向中間位置における溝深さが最も深く、波形溝33の谷底33aに対応する径方向位置及び波形溝33の山頂33bに対応する径方向位置に向かうにしたがって溝深さが浅くなるように形成されている。そして、出力側回転体8は、偏心円板カム3が1回転し、揺動体4が1ストローク分だけ揺動させられ、ボール5が固定部材7の径方向溝32内を径方向に1往復すると、波形溝33の1波分だけ回動する。出力軸部43は、その回転中心43aが入力軸2の回転中心2aと同心となるように配置され、図示しない被駆動部材に接続される。また、出力側回転体8は、第2側面部21と揺動体4との接触面積を減らして接触抵抗を低減するため、波形溝33よりも径方向内方側の第2側面部21に、接触逃がし凹所46が形成されると共に、肉抜き穴47が周方向に沿って複数形成されている。なお、接触逃がし凹所46には、グリース等の潤滑剤が適宜収容される。
図1及び図7に示すように、出力側回転体8は、揺動体4の両側面4a,4bのうちの他方の側面4bに対向して位置する第2側面部21と、この第2側面部21の径方向内方側に一体に形成された軸受用円筒部42と、この軸受用円筒部42と一体に形成された出力軸部43と、を有している。この出力側回転体8は、軸受用円筒部42の径方向内方側に位置する軸受け穴44が第3ベアリング17を介して入力軸2の先端軸部18で回動自在に支持されると共に、軸受用円筒部42の外周側が第4ベアリング45を介してカバー10で回動自在に支持され、出力軸部43が入力軸2の回転中心2aと同心で回転するようになっている。そして、第2側面部21の内側面21a(揺動体4の他方の側面4bに対向する側面)には、揺動体4の外周面25(曲面部26)によって支持されたボール5に係合する波形溝33が出力軸部43の回転中心(軸心)43aを中心として環状(無端状)に形成されている。この波形溝33は、ボール5を第2側面部21の周方向に沿って波形状に案内するようになっており、径方向内方端を谷底33aとし、径方向外方端を山頂33bとし、谷底33aと山頂33bとの径方向中間位置を波高さ中央位置とすると、谷底33aの溝深さ及び山頂33bの溝深さが波高さ中央位置の溝深さよりも深くなるように、溝深さが滑らかに変化している。このような形状の波形溝33に対し、径方向溝32は、径方向中間位置が波形溝33の波高さ中央位置に対応し、この径方向中間位置における溝深さが最も深く、波形溝33の谷底33aに対応する径方向位置及び波形溝33の山頂33bに対応する径方向位置に向かうにしたがって溝深さが浅くなるように形成されている。そして、出力側回転体8は、偏心円板カム3が1回転し、揺動体4が1ストローク分だけ揺動させられ、ボール5が固定部材7の径方向溝32内を径方向に1往復すると、波形溝33の1波分だけ回動する。出力軸部43は、その回転中心43aが入力軸2の回転中心2aと同心となるように配置され、図示しない被駆動部材に接続される。また、出力側回転体8は、第2側面部21と揺動体4との接触面積を減らして接触抵抗を低減するため、波形溝33よりも径方向内方側の第2側面部21に、接触逃がし凹所46が形成されると共に、肉抜き穴47が周方向に沿って複数形成されている。なお、接触逃がし凹所46には、グリース等の潤滑剤が適宜収容される。
(カバー)
図1及び図8に示すように、カバー10は、フランジ部48と円筒部50とを一体に有しており、径方向内方に出力側回転体8を回動可能に収容する空間が形成されている。フランジ部48は、正面側から見た外形形状が固定部材7のカバー取付部36の外形形状と同様の略矩形形状になっており、位置決めピン係合穴41、組立用ボルト取付穴51、及び固定ボルト挿入穴52が各コーナー部(4隅)に形成されている。このカバー10の位置決めピン係合穴41、組立用ボルト取付穴51、固定ボルト挿入穴52は、固定部材7の位置決めピン取付穴37、組立用ねじ穴38、及び固定ボルト挿入穴40に一対一で対応するように形成されている。そして、カバー10の位置決めピン係合穴41には、固定部材7に固定された位置決めピン(図示せず)が挿入される。また、組立用ボルト取付穴51には、固定部材7とカバー10を締め付け固定する組立用ボルト(図示せず)が係合される。また、固定ボルト挿入穴52には、図外の被取付物にカバー10及び固定部材7を一体として取り付けるための固定ボルト(図示せず)が係合される。カバー10のフランジ部48は、出力側回転体8に対向する側面48aが出力側回転体8の第2側面部21との間に隙間が生じるように配置されている。また、カバー10の円筒部50は、軸受嵌合穴53の内周面が第4ベアリング45の外周面に嵌合され、第4ベアリング45を介して出力側回転体8の軸受用円筒部42を回転自在に支持している。また、円筒部50の軸方向端部には、第4ベアリング45のアウターレースの側面側に位置するベアリング位置決め突起54が形成されている。このベアリング位置決め突起54は、出力側回転体8のベアリング位置決め段部55との間に第4ベアリング45を収容し、第4ベアリング45が出力側回転体8とカバー10との間から抜け出すのを防止している。
図1及び図8に示すように、カバー10は、フランジ部48と円筒部50とを一体に有しており、径方向内方に出力側回転体8を回動可能に収容する空間が形成されている。フランジ部48は、正面側から見た外形形状が固定部材7のカバー取付部36の外形形状と同様の略矩形形状になっており、位置決めピン係合穴41、組立用ボルト取付穴51、及び固定ボルト挿入穴52が各コーナー部(4隅)に形成されている。このカバー10の位置決めピン係合穴41、組立用ボルト取付穴51、固定ボルト挿入穴52は、固定部材7の位置決めピン取付穴37、組立用ねじ穴38、及び固定ボルト挿入穴40に一対一で対応するように形成されている。そして、カバー10の位置決めピン係合穴41には、固定部材7に固定された位置決めピン(図示せず)が挿入される。また、組立用ボルト取付穴51には、固定部材7とカバー10を締め付け固定する組立用ボルト(図示せず)が係合される。また、固定ボルト挿入穴52には、図外の被取付物にカバー10及び固定部材7を一体として取り付けるための固定ボルト(図示せず)が係合される。カバー10のフランジ部48は、出力側回転体8に対向する側面48aが出力側回転体8の第2側面部21との間に隙間が生じるように配置されている。また、カバー10の円筒部50は、軸受嵌合穴53の内周面が第4ベアリング45の外周面に嵌合され、第4ベアリング45を介して出力側回転体8の軸受用円筒部42を回転自在に支持している。また、円筒部50の軸方向端部には、第4ベアリング45のアウターレースの側面側に位置するベアリング位置決め突起54が形成されている。このベアリング位置決め突起54は、出力側回転体8のベアリング位置決め段部55との間に第4ベアリング45を収容し、第4ベアリング45が出力側回転体8とカバー10との間から抜け出すのを防止している。
(本実施形態に係るボール減速機の作動)
以上のような本実施形態に係るボール減速機1は、入力軸2と偏心円板カム3とが一体になって1回転すると、揺動体4が偏心円板カム3の偏心量(e)の2倍の寸法(2e)だけ揺動させられ、揺動体4の外周面25(曲面部26)によって支持されたボール5が固定部材7の径方向溝32内を1往復する。この際、出力側回転体8は、ボール5が固定部材7の径方向溝32内を第1側面部20の径方向に沿って移動するだけであるため、固定部材7に対して波形溝33の1波分だけ回動させられる。したがって、本実施形態に係るボール減速機1は、波形溝33の波数がNであり、径方向溝32の溝数が(N+1)であるため、入力軸2の1回転に対し、出力側回転体8が入力軸2と逆方向へ1/N回転することになる。なお、本実施形態に係るボール減速機1は、図6及び図7に示すように、出力側回転体8の波形溝33の波数(N)が51であり、固定部材7の径方向溝32の溝数(N+1)が52である場合を例示している。したがって、本実施形態に係るボール減速機1は、入力軸2の回転を1/51(1/N)に減速して出力側回転体8に伝達する。
以上のような本実施形態に係るボール減速機1は、入力軸2と偏心円板カム3とが一体になって1回転すると、揺動体4が偏心円板カム3の偏心量(e)の2倍の寸法(2e)だけ揺動させられ、揺動体4の外周面25(曲面部26)によって支持されたボール5が固定部材7の径方向溝32内を1往復する。この際、出力側回転体8は、ボール5が固定部材7の径方向溝32内を第1側面部20の径方向に沿って移動するだけであるため、固定部材7に対して波形溝33の1波分だけ回動させられる。したがって、本実施形態に係るボール減速機1は、波形溝33の波数がNであり、径方向溝32の溝数が(N+1)であるため、入力軸2の1回転に対し、出力側回転体8が入力軸2と逆方向へ1/N回転することになる。なお、本実施形態に係るボール減速機1は、図6及び図7に示すように、出力側回転体8の波形溝33の波数(N)が51であり、固定部材7の径方向溝32の溝数(N+1)が52である場合を例示している。したがって、本実施形態に係るボール減速機1は、入力軸2の回転を1/51(1/N)に減速して出力側回転体8に伝達する。
(本実施形態に係るボール減速機の第1の効果)
以上のように構成された本実施形態に係るボール減速機1は、揺動体4に対向する出力側回転体8の第2側面部21にのみ波形溝33を形成するようになっているため、波形溝211,211,212,212を4箇所にそれぞれ形成する従来例のボール減速機200と比較し(図23参照)、構造が簡単であり、加工工数の削減が可能になる。
以上のように構成された本実施形態に係るボール減速機1は、揺動体4に対向する出力側回転体8の第2側面部21にのみ波形溝33を形成するようになっているため、波形溝211,211,212,212を4箇所にそれぞれ形成する従来例のボール減速機200と比較し(図23参照)、構造が簡単であり、加工工数の削減が可能になる。
(本実施形態に係るボール減速機の第2の効果)
また、本実施形態に係るボール減速機1は、径方向溝32と波形溝33との交差する箇所にボール5が位置するようになっているため、ボール208が偏心回転板204の第1波形溝211の溝壁と固定部材207の第2波形溝212の溝壁に同時に接触するように構成された従来のボール減速機200と比較し(図23参照)、構造が簡単になり、径方向溝32及び波形溝33の加工が容易になると共に、揺動体4、固定部材7、及び出力側回転体8等の組立作業が容易になる。
また、本実施形態に係るボール減速機1は、径方向溝32と波形溝33との交差する箇所にボール5が位置するようになっているため、ボール208が偏心回転板204の第1波形溝211の溝壁と固定部材207の第2波形溝212の溝壁に同時に接触するように構成された従来のボール減速機200と比較し(図23参照)、構造が簡単になり、径方向溝32及び波形溝33の加工が容易になると共に、揺動体4、固定部材7、及び出力側回転体8等の組立作業が容易になる。
(本実施形態に係るボール減速機の第3の効果)
また、本実施形態に係るボール減速機1は、ボール5が揺動体4の曲面部26に線接触した状態で転動するため、ボール5が平坦な外周面25に点接触した状態で転動する場合と比較し、ボール5との接触部の変形(塑性変形、摩耗)が生じ難く、耐久性が向上する。
また、本実施形態に係るボール減速機1は、ボール5が揺動体4の曲面部26に線接触した状態で転動するため、ボール5が平坦な外周面25に点接触した状態で転動する場合と比較し、ボール5との接触部の変形(塑性変形、摩耗)が生じ難く、耐久性が向上する。
(揺動体の第1変形例)
図9は、揺動体4の第1変形例を示す図である。なお、図9(a)は揺動体4の正面図であり、図9(b)は図9(a)のA6−A6線に沿って切断して示す揺動体4の断面図であり、図9(c)は揺動体4の側面図であり、図9(d)は揺動体4の背面図であり、図9(e)は図9(b)のB3部の拡大図である。
図9は、揺動体4の第1変形例を示す図である。なお、図9(a)は揺動体4の正面図であり、図9(b)は図9(a)のA6−A6線に沿って切断して示す揺動体4の断面図であり、図9(c)は揺動体4の側面図であり、図9(d)は揺動体4の背面図であり、図9(e)は図9(b)のB3部の拡大図である。
本変形例に係る揺動体4は、図9(e)に示すような加工工具56を使用し、その加工工具56をボール5の転動軌跡に沿って動かすことによって、アンダーカット部分の無い曲面部57(揺動体側の転動溝)を外周面25に形成することができる。本変形例に係る揺動体4の曲面部57は、上記実施形態に係る揺動体4の曲面部26の約半分になり、ボール5と線接触する長さも上記実施形態に係る揺動体4の曲面部26の約半分になるが、アンダーカット部分が無いため、ボール減速機1の組立順序の制限がなく、また、射出成形時における成形収縮を利用せずに離型できる。その結果、本変形例に係る揺動体4は、成形収縮による離型を考慮しなくてもよい分だけ部品設計上の制限を少なくすることができ、高精度の曲面部57(揺動体側の転動溝)が形作られる。
(揺動体の第2変形例)
図10は、揺動体4の第2変形例を示す図である。なお、図10(a)は揺動体4の正面図であり、図10(b)は揺動体4の側面図であり、図10(c)は揺動体4の背面図であり、図10(d)は図10(a)のA7−A7線に沿って切断して示す揺動体4の断面図である。
図10は、揺動体4の第2変形例を示す図である。なお、図10(a)は揺動体4の正面図であり、図10(b)は揺動体4の側面図であり、図10(c)は揺動体4の背面図であり、図10(d)は図10(a)のA7−A7線に沿って切断して示す揺動体4の断面図である。
本変形例に係る揺動体4は、ボール5が第1実施形態に係るボール減速機1の半分に削減された状態で使用されるものである。この揺動体4は、外周面25から径方向外方へ向かって突出する回転抑制突起58がボール5の数と同数形成され、回転抑制突起58が固定部材7の隣り合う径方向溝32,32に沿って転動するボール5,5の間に位置し、偏心円板カム3によって円滑に揺動させられるものの、偏心円板カム3の周りを回転するのが抑えられる。また、この揺動体4は、隣り合う一対の回転抑制突起58,58の間の外周面25に、図4(b)に示すアンダーカット形状の曲面部26(揺動体側の転動溝)が形成されるか、又は、図9(e)に示すアンダーカット形状の無い曲面部57(揺動体側の転動溝)が形成される。
このような本変形例に係る揺動体4は、回転抑制突起58が周り止めの機能を発揮するため、第1実施形態に係る揺動体4の複数の回転抑制穴24を形成しなくてもよいため、成形収縮のばらつきを生じにくく、高精度に製造できる。その結果、本変形例に係る揺動体4は、成形収縮を利用して金型から離型する場合においても、外周面25の曲面部26(揺動体側の転動溝)を高精度に成形できる。また、本変形例に係る揺動体4は、第1実施形態に係る揺動体4の複数の回転抑制穴24を形成しなくてもよいため、射出成形時におけるウェルドラインが生じにくく、第1実施形態に係る揺動体4よりも強度を大きくできる。
[第2実施形態]
(全体構造)
図11は、本発明の第2実施形態に係るボール減速機1の縦断面図である。本実施形態に係るボール減速機1は、出力側回転体8に回転抑制ボス60を複数形成し、その回転抑制ボス60を揺動体4の回転抑制穴24に係合するようになっている点が第1実施形態に係るボール減速機1と相違する。そして、本実施形態に係るボール減速機1は、後述する揺動体4の外周面25側の形状、及び出力側回転体8の一部(回転抑制ボス60)を除き、その他の構成が第1実施形態に係るボール減速機1と同様である。したがって、本実施形態に係るボール減速機1の説明は、第1実施形態に係るボール減速機1の説明と重複する説明を省略する。
(全体構造)
図11は、本発明の第2実施形態に係るボール減速機1の縦断面図である。本実施形態に係るボール減速機1は、出力側回転体8に回転抑制ボス60を複数形成し、その回転抑制ボス60を揺動体4の回転抑制穴24に係合するようになっている点が第1実施形態に係るボール減速機1と相違する。そして、本実施形態に係るボール減速機1は、後述する揺動体4の外周面25側の形状、及び出力側回転体8の一部(回転抑制ボス60)を除き、その他の構成が第1実施形態に係るボール減速機1と同様である。したがって、本実施形態に係るボール減速機1の説明は、第1実施形態に係るボール減速機1の説明と重複する説明を省略する。
本実施形態に係るボール減速機1において、出力側回転体8の回転抑制ボス60と揺動体4の回転抑制穴24との隙間は、第1実施形態に係るボール減速機1における固定部材7の回転抑制ボス23と揺動体4の回転抑制穴24との隙間と同様に、偏心円板カム3の偏心量(e)の2倍の寸法(2e)である。そして、このような本実施形態に係るボール減速機1は、揺動体4が偏心円板カム3によって揺動させられながら出力側回転体8と共に出力軸部43の回転中心43aの周りを回転させられる。
(揺動体)
図12は、本実施形態に係るボール減速機1の揺動体4を示す図である。なお、図12(a)は揺動体4の正面図であり、図12(b)は揺動体4の側面図であり、図12(c)は図12(b)のB4部の拡大図であり、図12(d)は図12(a)のA8−A8線に沿って切断して示す揺動体4の断面図である。
図12は、本実施形態に係るボール減速機1の揺動体4を示す図である。なお、図12(a)は揺動体4の正面図であり、図12(b)は揺動体4の側面図であり、図12(c)は図12(b)のB4部の拡大図であり、図12(d)は図12(a)のA8−A8線に沿って切断して示す揺動体4の断面図である。
揺動体4は、上述のとおり、偏心円板カム3によって揺動させられながら出力側回転体8と共に回転する。そして、この揺動体4によって転動可能に支持されるボール5は、固定部材7の径方向溝32内を転動すると共に出力側回転部材8の波形溝33内を転動するようになっている。その結果、本実施形態に係るボール減速機1は、ボール5が揺動体4の外周面25に沿って相対回動することになる。
このような揺動体4の外周面25は、軸受け穴22と同心の円形状であり、ボール5と線接触する曲面部61(揺動体側の転動溝)が周方向に沿って連続して形成されている。この揺動体4の曲面部61は、出力側回転体8の波形溝33と同じ波数になる。そして、この揺動体4の曲面部61は、揺動体4を機械加工する場合、揺動体4に対するボール5の転動軌跡をシミュレーションソフト(例えば、ANSYS)で解析し、その解析データとボール径等をマシニングセンタに入力し、マシニングセンタに装着したボールエンドミル等の加工工具をボール5の転動軌跡に沿うように動かして加工する。また、この揺動体4の曲面部61は、揺動体4を射出成形する場合、揺動体4に対するボール5の転動軌跡をシミュレーションソフト(例えば、ANSYS)で解析し、その解析データとボール径等を金型加工機械に入力し、金型加工機械の加工具を入力データに基づいて動かし、金型のキャビティ内に曲面部形成面を加工して、射出成形時にキャビティ内の曲面部形成面を転写することにより形作られる。なお、図12(c)において、ボール5の転動軌跡62は、曲面部61に2点鎖線で表したように、複雑な連続した形状になっている。また、本実施形態に係る揺動体4は、曲面部61が第1実施形態に係る揺動体4の曲面部26と同様にアンダーカット形状に形成されているが(図4(a)参照)、第1実施形態の第1変形例に係る揺動体4の曲面部57と同様にアンダーカット形状の無い曲面部61にしてもよい(図9(e)参照)。
(出力側回転体)
図13は、本実施形態に係るボール減速機1の出力側回転体8を示す図である。なお、図13(a)は出力側回転体8の側面図であり、図13(b)は出力側回転体8の縦断面図(図13(c)のA9−A9線に沿って切断して示す断面図)であり、図13(c)は出力側回転体8の正面図である。
図13は、本実施形態に係るボール減速機1の出力側回転体8を示す図である。なお、図13(a)は出力側回転体8の側面図であり、図13(b)は出力側回転体8の縦断面図(図13(c)のA9−A9線に沿って切断して示す断面図)であり、図13(c)は出力側回転体8の正面図である。
本実施形態に係るボール減速機1の出力側回転体8は、揺動体4の回転抑制穴24に係合される回転抑制ボス60が第2側面部21に形成されている点を除き、他の構成が第1実施形態に係るボール減速機1の出力側回転体8と同様である。なお、本実施形態に係るボール減速機1において、出力側回転体8の回転抑制ボス60は、第1実施形態に係るボール減速機1の固定部材7の回転抑制ボス23と同様に、揺動体4の回転抑制穴24と偏心円板カム3の偏心量eの2倍(2e)の隙間をもって係合する。これにより、本実施形態における出力側回転体8は、偏心円板カム3によって揺動させられる揺動体4を出力軸部43の回転中心43aの周りに回転させることができる。
以上のような本実施形態に係るボール減速機1は、第1実施形態に係るボール減速機1の第1乃至第3の効果と同様の効果を得ることができる。
[第3実施形態]
(全体構造)
図14は、本発明の第3実施形態に係るボール減速機101の縦断面図である。この図14に示すように、本実施形態に係るボール減速機101は、入力軸(入力側回転体)102、キャップ(入力側回転体)103、偏心円板カム104、揺動体105、複数のボール(鋼球)106、固定部材107、及び出力側回転体108(第1出力側回転体108A、第2出力側回転体108B)等で構成されている。
(全体構造)
図14は、本発明の第3実施形態に係るボール減速機101の縦断面図である。この図14に示すように、本実施形態に係るボール減速機101は、入力軸(入力側回転体)102、キャップ(入力側回転体)103、偏心円板カム104、揺動体105、複数のボール(鋼球)106、固定部材107、及び出力側回転体108(第1出力側回転体108A、第2出力側回転体108B)等で構成されている。
(入力軸)
図14及び図15に示すように、入力軸102は、第1ベアリング110を介して第1出力側回転体108Aを回動自在に支持しており、図示しない電動機等によって回転駆動されるようになっている。この入力軸102は、軸本体部111よりも大径の鍔状部112が軸本体部111に隣接して形成され、その鍔状部112に隣接して軸受支持部113が形成され、その軸受支持部113に第1ベアリング110が取り付けられ、第1ベアリング110を第1出力側回転体108Aの軸受穴114の内周側突起115と鍔状部112との間に保持するようになっている。また、この入力軸102は、軸受支持部113よりも軸先端側で且つ軸受支持部113に隣接する位置に偏心円板カム104が形成されている。この偏心円板カム104は、その中心104aが入力軸102の回転中心102a(軸本体部111の回転中心111a)に対して偏心量(e)だけ偏心して位置する偏心軸部であり、入力軸102の回転中心102aの回りに入力軸102と一体となって偏心回転する。そして、偏心円板カム104の外周側には、揺動体105が第2ベアリング116を介して相対回動可能に取り付けられている。また、入力軸102は、キャップ103を取り付ける先端軸部117が形成されている。この先端軸部117は、その回転中心が軸本体部102の回転中心102aと同心であり、キャップ103の軸穴118に嵌合され、先端面117aがキャップ103の軸穴118内に突出するストッパ突起120に突き当てられている。また、入力軸102の先端軸部117には、キャップ103を固定するためのボルト121のねじ軸部121aと螺合するねじ穴(雌ねじ)122が形成されている。なお、以下の説明において、入力軸102の回転中心102aに直交する仮想平面を考えた場合、径方向とは、その仮想平面上を回転中心102aから放射状に延びる方向を言うものとする。また、入力軸102の回転中心102aに直交する仮想平面を考えた場合、周方向とは、入力軸102の回転中心102aを中心とする仮想円の外縁に沿った方向を言うものとする。
図14及び図15に示すように、入力軸102は、第1ベアリング110を介して第1出力側回転体108Aを回動自在に支持しており、図示しない電動機等によって回転駆動されるようになっている。この入力軸102は、軸本体部111よりも大径の鍔状部112が軸本体部111に隣接して形成され、その鍔状部112に隣接して軸受支持部113が形成され、その軸受支持部113に第1ベアリング110が取り付けられ、第1ベアリング110を第1出力側回転体108Aの軸受穴114の内周側突起115と鍔状部112との間に保持するようになっている。また、この入力軸102は、軸受支持部113よりも軸先端側で且つ軸受支持部113に隣接する位置に偏心円板カム104が形成されている。この偏心円板カム104は、その中心104aが入力軸102の回転中心102a(軸本体部111の回転中心111a)に対して偏心量(e)だけ偏心して位置する偏心軸部であり、入力軸102の回転中心102aの回りに入力軸102と一体となって偏心回転する。そして、偏心円板カム104の外周側には、揺動体105が第2ベアリング116を介して相対回動可能に取り付けられている。また、入力軸102は、キャップ103を取り付ける先端軸部117が形成されている。この先端軸部117は、その回転中心が軸本体部102の回転中心102aと同心であり、キャップ103の軸穴118に嵌合され、先端面117aがキャップ103の軸穴118内に突出するストッパ突起120に突き当てられている。また、入力軸102の先端軸部117には、キャップ103を固定するためのボルト121のねじ軸部121aと螺合するねじ穴(雌ねじ)122が形成されている。なお、以下の説明において、入力軸102の回転中心102aに直交する仮想平面を考えた場合、径方向とは、その仮想平面上を回転中心102aから放射状に延びる方向を言うものとする。また、入力軸102の回転中心102aに直交する仮想平面を考えた場合、周方向とは、入力軸102の回転中心102aを中心とする仮想円の外縁に沿った方向を言うものとする。
(キャップ)
図14及び図16に示すように、キャップ103は、入力軸102の先端軸部117にボルト121で固定され、入力軸102と共に入力側回転体を構成し、回転中心103aが入力軸102の回転中心102aと一致するように形成されている。このキャップ103は、回転中心103aに沿った一端側(図16(b)の右端側)に開口する軸穴118と、回転中心103aに沿った他端側(図16(b)の左端側)に開口するボルト頭部収容穴123と、ボルト頭部収容穴123と軸穴118とを連通するボルト軸部挿通穴124と、が形成されている。また、このキャップ103は、円筒状の外周面103bの一端側にリング状の軸受ストッパ125が形成され、外周面103bに取り付けられた第3ベアリング126の側面が軸受ストッパ125に突き当てられており、第2出力側回転体108Bの軸受穴127内の内周側突起128と軸受ストッパ125との間に第3ベアリング126を保持するようになっている。なお、キャップ103は、軸穴118の回転中心及び外周面103bの回転中心がキャップ103の回転中心103aと同心である。
図14及び図16に示すように、キャップ103は、入力軸102の先端軸部117にボルト121で固定され、入力軸102と共に入力側回転体を構成し、回転中心103aが入力軸102の回転中心102aと一致するように形成されている。このキャップ103は、回転中心103aに沿った一端側(図16(b)の右端側)に開口する軸穴118と、回転中心103aに沿った他端側(図16(b)の左端側)に開口するボルト頭部収容穴123と、ボルト頭部収容穴123と軸穴118とを連通するボルト軸部挿通穴124と、が形成されている。また、このキャップ103は、円筒状の外周面103bの一端側にリング状の軸受ストッパ125が形成され、外周面103bに取り付けられた第3ベアリング126の側面が軸受ストッパ125に突き当てられており、第2出力側回転体108Bの軸受穴127内の内周側突起128と軸受ストッパ125との間に第3ベアリング126を保持するようになっている。なお、キャップ103は、軸穴118の回転中心及び外周面103bの回転中心がキャップ103の回転中心103aと同心である。
(揺動体)
図14及び図17に示すように、揺動体105は、偏心円板カム104によって揺動させられるように円板状に形成され、中心の軸受穴130が第2ベアリング116の外周面に嵌合され、偏心円板カム104と相対回動できるように第2ベアリング116で支持されている。この揺動体105は、その中心105aが偏心円板カム104の中心104aと同心となるように形成され、外周面105bが偏心円板カム104の中心104aと同心の円筒面であり、外周面105bに形成した曲面部129(揺動体側の転動溝)で複数のボール106を線接触状態を保ちながら転動可能に支持している。また、揺動体105は、軸受穴130の径方向外方側に、周方向に沿って8カ所の回転抑制穴131が等間隔で形成されている。この揺動体105の回転抑制穴131は、第1出力側回転体108Aの第1側面部132に形成された回転抑制ボス133が隙間(偏心円板カム104の偏心量eの2倍の隙間2e)をもって係合され、揺動体105が偏心円板カム104で円滑に揺動させられるようになっている。そして、この揺動体105は、出力側回転体108と共に回動するようになっているため、ボール106と線接触する曲面部129が周方向に沿って連続して形成されており、波形溝140の溝数と同数の波数となるように形成されている。また、この揺動体105の曲面部129は、出力側回転体108の波形溝140が第1出力側回転体108Aと第2出力側回転体108Bとで軸方向(中心105aに沿った方向)への変位方向が逆転するため(図21及び図22参照)、その波形溝140の変位に倣って軸方向への変位方向が逆転する(図17(b)参照)。そして、図17(c)に示す曲面部129の形状(断面形状)は、第1実施形態に係る揺動体4の曲面部26と同様にアンダーカット形状に形成されると(図4(a)参照)、ボール106との接触部分に作用する力の軸方向(中心105aに沿った方向)成分の合成力が打ち消し合うことになり、揺動体105に作用するスラスト力を抑えることができるので好ましいが、第1実施形態の第1変形例に係る揺動体4の曲面部57と同様のアンダーカット形状の無い曲面部61と同様の形状にしてもよい(図9(e)参照)。この揺動体105の曲面部129は、揺動体105を機械加工する場合、揺動体105に対するボール106の転動軌跡をシミュレーションソフト(例えば、ANSYS)で解析し、その解析データとボール径等をマシニングセンタに入力し、マシニングセンタに装着したボールエンドミル等の加工工具をボール106の転動軌跡に沿うように動かして加工する。また、この揺動体105の曲面部129は、揺動体105を射出成形する場合、揺動体105に対するボール106の転動軌跡をシミュレーションソフト(例えば、ANSYS)で解析し、その解析データとボール径等を金型加工機械に入力し、金型加工機械の加工具を入力データに基づいて動かし、金型のキャビティ内に曲面部形成面を加工して、射出成形時にキャビティ内の曲面部形成面を転写することにより形作られる。
図14及び図17に示すように、揺動体105は、偏心円板カム104によって揺動させられるように円板状に形成され、中心の軸受穴130が第2ベアリング116の外周面に嵌合され、偏心円板カム104と相対回動できるように第2ベアリング116で支持されている。この揺動体105は、その中心105aが偏心円板カム104の中心104aと同心となるように形成され、外周面105bが偏心円板カム104の中心104aと同心の円筒面であり、外周面105bに形成した曲面部129(揺動体側の転動溝)で複数のボール106を線接触状態を保ちながら転動可能に支持している。また、揺動体105は、軸受穴130の径方向外方側に、周方向に沿って8カ所の回転抑制穴131が等間隔で形成されている。この揺動体105の回転抑制穴131は、第1出力側回転体108Aの第1側面部132に形成された回転抑制ボス133が隙間(偏心円板カム104の偏心量eの2倍の隙間2e)をもって係合され、揺動体105が偏心円板カム104で円滑に揺動させられるようになっている。そして、この揺動体105は、出力側回転体108と共に回動するようになっているため、ボール106と線接触する曲面部129が周方向に沿って連続して形成されており、波形溝140の溝数と同数の波数となるように形成されている。また、この揺動体105の曲面部129は、出力側回転体108の波形溝140が第1出力側回転体108Aと第2出力側回転体108Bとで軸方向(中心105aに沿った方向)への変位方向が逆転するため(図21及び図22参照)、その波形溝140の変位に倣って軸方向への変位方向が逆転する(図17(b)参照)。そして、図17(c)に示す曲面部129の形状(断面形状)は、第1実施形態に係る揺動体4の曲面部26と同様にアンダーカット形状に形成されると(図4(a)参照)、ボール106との接触部分に作用する力の軸方向(中心105aに沿った方向)成分の合成力が打ち消し合うことになり、揺動体105に作用するスラスト力を抑えることができるので好ましいが、第1実施形態の第1変形例に係る揺動体4の曲面部57と同様のアンダーカット形状の無い曲面部61と同様の形状にしてもよい(図9(e)参照)。この揺動体105の曲面部129は、揺動体105を機械加工する場合、揺動体105に対するボール106の転動軌跡をシミュレーションソフト(例えば、ANSYS)で解析し、その解析データとボール径等をマシニングセンタに入力し、マシニングセンタに装着したボールエンドミル等の加工工具をボール106の転動軌跡に沿うように動かして加工する。また、この揺動体105の曲面部129は、揺動体105を射出成形する場合、揺動体105に対するボール106の転動軌跡をシミュレーションソフト(例えば、ANSYS)で解析し、その解析データとボール径等を金型加工機械に入力し、金型加工機械の加工具を入力データに基づいて動かし、金型のキャビティ内に曲面部形成面を加工して、射出成形時にキャビティ内の曲面部形成面を転写することにより形作られる。
(固定部材)
図14及び図18に示すように、固定部材107は、正面側の形状が略四角形状であり、中心部に揺動体収容穴134が形成されている。この固定部材107は、外縁に沿うように形成された固定枠部135と、この固定枠部135の径方向内方側に形成された径方向溝形成円板部136と、を有している。そして、固定部材107は、固定枠部135の四隅にボルト穴137が形成され、この四箇所のボルト穴137に固定用ボルト(図示せず)が挿入され、図示しない被固定部材(例えば、機械のフレーム、又はロボットのアーム)に固定用ボルトで固定されるようになっている。この固定部材107は、揺動体収容穴134の中心134aが入力軸102の回転中心102aと同心となるように被固定部材に固定される。そして、固定部材107の揺動体収容穴134には、揺動体105が揺動できるように収容される。また、この固定部材107は、揺動体収容穴134の内周面134bから径方向に沿って延びる径方向溝138が周方向に沿って等間隔で複数(波形溝140の波数をNとすると、(N+1)/3箇所)形成されている。この径方向溝138は、径方向内方端がボール106の出入りを可能にする開口端であり、溝幅がボール106の直径よりも僅かに大きく形成され、溝長さ(径方向長さ)が揺動体105の揺動量(偏心円板カム104の偏心量e)を考慮した長さに形成され、揺動体105の外周面105bに支持されたボール106が径方向に沿ってスライド移動させられるようになっている。また、この固定部材107は、径方向溝形成円板部136の板厚がボール106の直径よりも小さく形成されており、径方向溝138に係合されたボール106の中心を径方向溝形成円板部136の板厚方向中心位置に合致させた場合、ボール106が径方向溝形成円板部136の両側に均等に出っ張り、その径方向溝138内のボール106が出力側回転体108に形成された波形溝140に転動可能に係合されるようになっている。このような固定部材107の径方向溝138は、偏心円板カム104が1回転し、揺動体105が1ストローク分だけ揺動させられると、ボール106を揺動体105の揺動量に応じた分だけ径方向に転動させることができる。なお、本実施形態において、固定部材107の径方向溝形成円板部136は、その板厚が揺動体105の板厚と同一寸法になっている。
図14及び図18に示すように、固定部材107は、正面側の形状が略四角形状であり、中心部に揺動体収容穴134が形成されている。この固定部材107は、外縁に沿うように形成された固定枠部135と、この固定枠部135の径方向内方側に形成された径方向溝形成円板部136と、を有している。そして、固定部材107は、固定枠部135の四隅にボルト穴137が形成され、この四箇所のボルト穴137に固定用ボルト(図示せず)が挿入され、図示しない被固定部材(例えば、機械のフレーム、又はロボットのアーム)に固定用ボルトで固定されるようになっている。この固定部材107は、揺動体収容穴134の中心134aが入力軸102の回転中心102aと同心となるように被固定部材に固定される。そして、固定部材107の揺動体収容穴134には、揺動体105が揺動できるように収容される。また、この固定部材107は、揺動体収容穴134の内周面134bから径方向に沿って延びる径方向溝138が周方向に沿って等間隔で複数(波形溝140の波数をNとすると、(N+1)/3箇所)形成されている。この径方向溝138は、径方向内方端がボール106の出入りを可能にする開口端であり、溝幅がボール106の直径よりも僅かに大きく形成され、溝長さ(径方向長さ)が揺動体105の揺動量(偏心円板カム104の偏心量e)を考慮した長さに形成され、揺動体105の外周面105bに支持されたボール106が径方向に沿ってスライド移動させられるようになっている。また、この固定部材107は、径方向溝形成円板部136の板厚がボール106の直径よりも小さく形成されており、径方向溝138に係合されたボール106の中心を径方向溝形成円板部136の板厚方向中心位置に合致させた場合、ボール106が径方向溝形成円板部136の両側に均等に出っ張り、その径方向溝138内のボール106が出力側回転体108に形成された波形溝140に転動可能に係合されるようになっている。このような固定部材107の径方向溝138は、偏心円板カム104が1回転し、揺動体105が1ストローク分だけ揺動させられると、ボール106を揺動体105の揺動量に応じた分だけ径方向に転動させることができる。なお、本実施形態において、固定部材107の径方向溝形成円板部136は、その板厚が揺動体105の板厚と同一寸法になっている。
(第1出力側回転体)
図14及び図19に示すように、第1出力側回転体108Aは、揺動体105の両側面105c,105dのうちの一方の側面105c、及び固定部材107の径方向溝形成円板部136の両側面136a,136bのうちの一方の側面136aに対向して位置する第1側面部132を有している。また、第1出力側回転体108Aは、入力軸102に取り付けられた第1ベアリング110を収容する軸受穴114が形成され、第1ベアリング110のアウターレースの側面が軸受穴114の端部に形成された内周側突起115に突き当てられるようになっている。この第1出力側回転体108Aの第1側面部132は、第2出力側回転体108Bを連結固定するための回転抑制ボス133が周方向に等間隔で複数(8箇所)形成されている。この回転抑制ボス133は、揺動体105の回転抑制穴131を貫通して第2出力側回転体108Bの第2側面部141に形成された回転抑制ボス収容凹部142に嵌合されるようになっている。そして、この回転抑制ボス133には、第2出力側回転体108Bをボルト143で固定するためのねじ穴(雌ねじ)144が形成されている。また、第1出力側回転体108Aの第1側面部132は、隣り合う回転抑制ボス133,133間に接触逃がし凹所145が形成され、その接触逃がし凹所145内にグリース等の潤滑剤が適宜収容される。また、第1出力側回転体108Aの第1側面部132は、回転抑制ボス133及び接触逃がし凹所145の径方向外方側に波形溝140が形成されている。
図14及び図19に示すように、第1出力側回転体108Aは、揺動体105の両側面105c,105dのうちの一方の側面105c、及び固定部材107の径方向溝形成円板部136の両側面136a,136bのうちの一方の側面136aに対向して位置する第1側面部132を有している。また、第1出力側回転体108Aは、入力軸102に取り付けられた第1ベアリング110を収容する軸受穴114が形成され、第1ベアリング110のアウターレースの側面が軸受穴114の端部に形成された内周側突起115に突き当てられるようになっている。この第1出力側回転体108Aの第1側面部132は、第2出力側回転体108Bを連結固定するための回転抑制ボス133が周方向に等間隔で複数(8箇所)形成されている。この回転抑制ボス133は、揺動体105の回転抑制穴131を貫通して第2出力側回転体108Bの第2側面部141に形成された回転抑制ボス収容凹部142に嵌合されるようになっている。そして、この回転抑制ボス133には、第2出力側回転体108Bをボルト143で固定するためのねじ穴(雌ねじ)144が形成されている。また、第1出力側回転体108Aの第1側面部132は、隣り合う回転抑制ボス133,133間に接触逃がし凹所145が形成され、その接触逃がし凹所145内にグリース等の潤滑剤が適宜収容される。また、第1出力側回転体108Aの第1側面部132は、回転抑制ボス133及び接触逃がし凹所145の径方向外方側に波形溝140が形成されている。
(第2出力側回転体)
図14及び図20に示すように、第2出力側回転体108Bは、揺動体105の両側面105c、105dのうちの他方の側面105d、及び固定部材107の径方向溝形成円板部136の両側面136a,136bのうちの他方の側面136bに対向して位置する第2側面部141を有している。この第2出力側回転体108Bの第2側面部141は、第1出力側回転体108Aの回転抑制ボス133に対向する位置に、回転抑制ボス133に嵌合される回転抑制ボス収容凹部142が回転抑制ボス133と同数形成されている。また、第2出力側回転体108Bの第2側面部141は、隣り合う回転抑制ボス収容凹部142,142間に接触逃がし凹所146が形成され、その接触逃がし凹所146内にグリース等の潤滑剤が適宜収容される。また、第2出力側回転体108Bは、キャップ103に取り付けられた第3ベアリング126を収容する軸受穴127が形成され、第3ベアリング126のアウターレースの側面が軸受穴127の端部に形成された内周側突起128に突き当てられるようになっている。また、第2出力側回転体108Bは、第2側面部141側の径方向内方端側に、第2ベアリング116との接触を避ける逃がし穴147が形成されている。また、第2出力側回転体108Bの第2側面部141は、回転抑制ボス収容凹部142及び接触逃がし凹所146の径方向外方側に波形溝140が形成されている。また、第2出力側回転体108Bは、第1出力側回転体108Aの回転抑制ボス133に対向する位置に、第2側面部141の反対側に位置する側面148側に開口するボルトヘッド収容凹所150が形成されると共に、ボルトヘッド収容凹所150と回転抑制ボス収容凹部142とを連通するボルト穴151が形成されている。そして、この第2出力側回転体108Bは、ボルトヘッド収容凹所150及びボルト穴151に挿入されたボルト143のねじ軸部143aが第1出力側回転体108Aの回転抑制ボス133のねじ穴144に螺合され、第1出力側回転体108Aに固定され、第1出力側回転体108Aと一体となって出力側回転体108を構成する。なお、この第2出力側回転体108Bは、第2側面部141の反対側に位置する側面148側で、且つ、ボルトヘッド収容凹所150よりも径方向内方側の位置に周方向に沿って複数のねじ穴152が形成され、第2出力側回転体108Bによって回動させられる図示しない被回転部材が複数のねじ穴152に螺合される図示しない複数のボルトで固定される。
図14及び図20に示すように、第2出力側回転体108Bは、揺動体105の両側面105c、105dのうちの他方の側面105d、及び固定部材107の径方向溝形成円板部136の両側面136a,136bのうちの他方の側面136bに対向して位置する第2側面部141を有している。この第2出力側回転体108Bの第2側面部141は、第1出力側回転体108Aの回転抑制ボス133に対向する位置に、回転抑制ボス133に嵌合される回転抑制ボス収容凹部142が回転抑制ボス133と同数形成されている。また、第2出力側回転体108Bの第2側面部141は、隣り合う回転抑制ボス収容凹部142,142間に接触逃がし凹所146が形成され、その接触逃がし凹所146内にグリース等の潤滑剤が適宜収容される。また、第2出力側回転体108Bは、キャップ103に取り付けられた第3ベアリング126を収容する軸受穴127が形成され、第3ベアリング126のアウターレースの側面が軸受穴127の端部に形成された内周側突起128に突き当てられるようになっている。また、第2出力側回転体108Bは、第2側面部141側の径方向内方端側に、第2ベアリング116との接触を避ける逃がし穴147が形成されている。また、第2出力側回転体108Bの第2側面部141は、回転抑制ボス収容凹部142及び接触逃がし凹所146の径方向外方側に波形溝140が形成されている。また、第2出力側回転体108Bは、第1出力側回転体108Aの回転抑制ボス133に対向する位置に、第2側面部141の反対側に位置する側面148側に開口するボルトヘッド収容凹所150が形成されると共に、ボルトヘッド収容凹所150と回転抑制ボス収容凹部142とを連通するボルト穴151が形成されている。そして、この第2出力側回転体108Bは、ボルトヘッド収容凹所150及びボルト穴151に挿入されたボルト143のねじ軸部143aが第1出力側回転体108Aの回転抑制ボス133のねじ穴144に螺合され、第1出力側回転体108Aに固定され、第1出力側回転体108Aと一体となって出力側回転体108を構成する。なお、この第2出力側回転体108Bは、第2側面部141の反対側に位置する側面148側で、且つ、ボルトヘッド収容凹所150よりも径方向内方側の位置に周方向に沿って複数のねじ穴152が形成され、第2出力側回転体108Bによって回動させられる図示しない被回転部材が複数のねじ穴152に螺合される図示しない複数のボルトで固定される。
(波形溝)
図14、図19、図20、及び図21に示すように、波形溝140は、第1出力側回転体108Aの第1側面部132と第2出力側回転体108Bの第2側面部141に跨って形成されており、偶数個(N=50)の波が入力軸102の回転中心102aの回りに連続して環状に形成され、固定部材の(N+1)/3箇所(17箇所)の径方向溝138に収容されたボール106と転動可能に係合するようになっている。この波形溝140は、波の径方向内方端に位置する部分を谷底140aとし、波の径方向外方端に位置する部分を山頂140bとすると、谷底140aが第1出力側回転体108Aの第1側面部132と第2出力側回転体108Bの第2側面部141とに跨って形成され、奇数番の波の山頂140bの溝深さが第1側面部132と第2側面部141のいずれか一方側よりも第1側面部132と第2側面部141のいずれか他方側に深く形成され、偶数番の波の山頂140bの溝深さが第1側面部132と第2側面部141のいずれか他方側よりも第1側面部132と第2側面部141のいずれか一方側に深く形成され、谷底140aから山頂140bに向かって溝深さが漸増するように形成されている。即ち、この波形溝140は、鋸の「あさり(歯振)」と類似した形状になっている。このような第1出力側回転体108Aの波形溝140と第2出力側回転体108Bの波形溝140、及び固定部材107の径方向溝138に係合するボール106は、径方向溝138内を径方向に沿って移動する際に、3次元的に形成された波形溝140によって入力軸102の回転中心102aに沿った方向にも移動する。なお、波形溝140は、上述のとおり、第1出力側回転体108Aの第1側面部132と第2出力側回転体108Bの第2側面部141に跨って形成されているが、第1出力側回転体108Aと第2出力側回転体108Bとを固定する際に、第1出力側回転体108Aの位置決め溝153と第2出力側回転体108Bの位置決め溝154とを位置合わせすることにより(図14、図19、及び図20参照)、第1出力側回転体108Aと第2出力側回転体108Bとが高精度に位置決めされた状態で固定されるため、第1出力側回転体108A側の波形溝140と第2出力側回転体108B側の波形溝140とでずれを生じることがなく、高精度に形作られる。
図14、図19、図20、及び図21に示すように、波形溝140は、第1出力側回転体108Aの第1側面部132と第2出力側回転体108Bの第2側面部141に跨って形成されており、偶数個(N=50)の波が入力軸102の回転中心102aの回りに連続して環状に形成され、固定部材の(N+1)/3箇所(17箇所)の径方向溝138に収容されたボール106と転動可能に係合するようになっている。この波形溝140は、波の径方向内方端に位置する部分を谷底140aとし、波の径方向外方端に位置する部分を山頂140bとすると、谷底140aが第1出力側回転体108Aの第1側面部132と第2出力側回転体108Bの第2側面部141とに跨って形成され、奇数番の波の山頂140bの溝深さが第1側面部132と第2側面部141のいずれか一方側よりも第1側面部132と第2側面部141のいずれか他方側に深く形成され、偶数番の波の山頂140bの溝深さが第1側面部132と第2側面部141のいずれか他方側よりも第1側面部132と第2側面部141のいずれか一方側に深く形成され、谷底140aから山頂140bに向かって溝深さが漸増するように形成されている。即ち、この波形溝140は、鋸の「あさり(歯振)」と類似した形状になっている。このような第1出力側回転体108Aの波形溝140と第2出力側回転体108Bの波形溝140、及び固定部材107の径方向溝138に係合するボール106は、径方向溝138内を径方向に沿って移動する際に、3次元的に形成された波形溝140によって入力軸102の回転中心102aに沿った方向にも移動する。なお、波形溝140は、上述のとおり、第1出力側回転体108Aの第1側面部132と第2出力側回転体108Bの第2側面部141に跨って形成されているが、第1出力側回転体108Aと第2出力側回転体108Bとを固定する際に、第1出力側回転体108Aの位置決め溝153と第2出力側回転体108Bの位置決め溝154とを位置合わせすることにより(図14、図19、及び図20参照)、第1出力側回転体108Aと第2出力側回転体108Bとが高精度に位置決めされた状態で固定されるため、第1出力側回転体108A側の波形溝140と第2出力側回転体108B側の波形溝140とでずれを生じることがなく、高精度に形作られる。
図22は、ボール106が波形溝140内を転動させられた場合のボール106の転動軌跡155を示す図である。なお、図22(a)は、ボール106の転動軌跡155の平面図(入力軸102の回転中心102aに直交する仮想平面に投影した転動軌跡155)である。また、図22(b)は、図22(a)のA15−A15線に沿って切断して示す仮想断面上に、隣り合う転動軌跡の波W1,W2を投影して示す図である。そして、この図22に示したボール106の転動軌跡155は、波形溝140の溝形状を示している。また、図22において、Rは径方向を表し、Zは入力軸102の回転中心102aに沿った方向を示している。
この図22に示すように、ボール106の転動軌跡155において、隣り合う転動軌跡155の波W1,W2のうちの第1の波W1は、波形溝140の谷底140aから山頂140bに向かうにしたがって−Z方向に一定の割合で傾斜している。また、転動軌跡155の第2の波W2は、波形溝140の谷底140aから山頂140bに向かうにしたがって+Z方向に一定の割合で傾斜している。そして、第1の波W1の−Z方向への移動量は、第2の波W2の+Z方向への移動量と同一になっている。なお、例えば、転動軌跡155の第1の波W1を形作る波形溝140は、山頂140bに対応する部分が第1出力側回転体108Aの第1側面部132側で深くなるように形成されている。この第1の波W1に対し、転動軌跡155の第2の波W2を形作る波形溝140は、山頂140bに対応する部分が第2出力側回転体108Bの第2側面部141側で深くなるように形成されている。
(本実施形態に係るボール減速機の作動)
以上のような本実施形態に係るボール減速機101は、入力軸102と偏心円板カム104とが一体になって1回転すると、揺動体105が偏心円板カム104の偏心量(e)の2倍の寸法(2e)だけ揺動させられ、揺動体105の外周面105bで支持されたボール106が固定部材107の径方向溝138内を1往復する。この際、出力側回転体108(第1出力側回転体108A及び第2出力側回転体108B)は、ボール106が固定部材107の径方向溝138内を第1側面部132及び第2側面部141の径方向に沿って移動するだけであるため、固定部材107に対して波形溝140の1波分だけ回動させられる。したがって、本実施形態に係るボール減速機101は、波形溝140の波数がNであり、径方向溝138の溝数が(N+1)/3であるため、入力軸102の1回転に対し、出力側回転体108が入力軸102と逆方向へ1/N回転することになる。なお、本実施形態に係るボール減速機101は、図18及び図21に示すように、出力側回転体108の波形溝140の波数(N)が50であり、固定部材107の径方向溝138の溝数(N+1)/3が17である場合を例示している。したがって、本実施形態に係るボール減速機101は、入力軸102の回転を1/50(1/N)に減速して出力側回転体108に伝達する。
以上のような本実施形態に係るボール減速機101は、入力軸102と偏心円板カム104とが一体になって1回転すると、揺動体105が偏心円板カム104の偏心量(e)の2倍の寸法(2e)だけ揺動させられ、揺動体105の外周面105bで支持されたボール106が固定部材107の径方向溝138内を1往復する。この際、出力側回転体108(第1出力側回転体108A及び第2出力側回転体108B)は、ボール106が固定部材107の径方向溝138内を第1側面部132及び第2側面部141の径方向に沿って移動するだけであるため、固定部材107に対して波形溝140の1波分だけ回動させられる。したがって、本実施形態に係るボール減速機101は、波形溝140の波数がNであり、径方向溝138の溝数が(N+1)/3であるため、入力軸102の1回転に対し、出力側回転体108が入力軸102と逆方向へ1/N回転することになる。なお、本実施形態に係るボール減速機101は、図18及び図21に示すように、出力側回転体108の波形溝140の波数(N)が50であり、固定部材107の径方向溝138の溝数(N+1)/3が17である場合を例示している。したがって、本実施形態に係るボール減速機101は、入力軸102の回転を1/50(1/N)に減速して出力側回転体108に伝達する。
(本実施形態に係るボール減速機の第1の効果)
以上のように構成された本実施形態に係るボール減速機101は、揺動体105及び固定部材107に対向する第1出力側回転体108Aの第1側面部132及び第2出力側回転体108Bの第2側面部141の2箇所のみに波形溝140を形成するようになっているため、波形溝211,211,212,212を4箇所にそれぞれ形成する従来例のボール減速機200と比較し(図23参照)、加工工数の削減が可能になる。
以上のように構成された本実施形態に係るボール減速機101は、揺動体105及び固定部材107に対向する第1出力側回転体108Aの第1側面部132及び第2出力側回転体108Bの第2側面部141の2箇所のみに波形溝140を形成するようになっているため、波形溝211,211,212,212を4箇所にそれぞれ形成する従来例のボール減速機200と比較し(図23参照)、加工工数の削減が可能になる。
(本実施形態に係るボール減速機の第2の効果)
また、本実施形態に係るボール減速機101は、径方向溝138と波形溝140との交差する箇所にボール106が位置するようになっているため、ボール208が偏心回転板204の第1波形溝211の溝壁と固定部材207の第2波形溝212の溝壁に同時に接触するように構成された従来のボール減速機200と比較し(図23参照)、径方向溝138及び波形溝140の加工が容易になると共に、揺動体105、固定部材107、及び出力側回転体108(第1出力側回転体108A及び第2出力側回転体108B)等の組立作業が容易になる。
また、本実施形態に係るボール減速機101は、径方向溝138と波形溝140との交差する箇所にボール106が位置するようになっているため、ボール208が偏心回転板204の第1波形溝211の溝壁と固定部材207の第2波形溝212の溝壁に同時に接触するように構成された従来のボール減速機200と比較し(図23参照)、径方向溝138及び波形溝140の加工が容易になると共に、揺動体105、固定部材107、及び出力側回転体108(第1出力側回転体108A及び第2出力側回転体108B)等の組立作業が容易になる。
(本実施形態に係るボール減速機の第3の効果)
また、本実施形態に係るボール減速機1は、ボール106が揺動体105の曲面部129に線接触した状態で転動するため、ボール106が平坦な外周面105bに点接触した状態で転動する場合と比較し、ボール106との接触部の変形(塑性変形、摩耗)が生じ難く、耐久性が向上する。
また、本実施形態に係るボール減速機1は、ボール106が揺動体105の曲面部129に線接触した状態で転動するため、ボール106が平坦な外周面105bに点接触した状態で転動する場合と比較し、ボール106との接触部の変形(塑性変形、摩耗)が生じ難く、耐久性が向上する。
なお、本実施形態のボール減速機101は、第1出力側回転体108Aの第1側面部132に回転抑制ボス133を形成し、第2出力側回転体108Bの第2側面部141に回転抑制ボス収容凹部142を形成するようになっているが、第1出力側回転体108Aの第1側面部132に回転抑制ボス収容凹部142を形成し、第2出力側回転体108Bの第2側面部141に回転抑制ボス133を形成するようにしてもよい。
[第1乃至第3実施形態の変形例]
本発明の第1及び第2実施形態に係るボール減速機1は、第1乃至第4ベアリング12,16,17,45として、ボールベアリング、ローラベアリング、ブッシュ等が使用される。また、本発明の第3実施形態に係るボール減速機101は、第1乃至第3ベアリング110,116,126として、ボールベアリング、ローラベアリング、ブッシュ等が使用される。
本発明の第1及び第2実施形態に係るボール減速機1は、第1乃至第4ベアリング12,16,17,45として、ボールベアリング、ローラベアリング、ブッシュ等が使用される。また、本発明の第3実施形態に係るボール減速機101は、第1乃至第3ベアリング110,116,126として、ボールベアリング、ローラベアリング、ブッシュ等が使用される。
また、本発明の第1及び第2実施形態に係るボール減速機1は、全体(入力軸2、揺動体4、外側揺動リング6、固定部材7、出力側回転体8、及びカバー10)を金属で形成する場合、全体の一部を合成樹脂材料で形成する場合、又は第1乃至第4ベアリング12,16,17,45及びボール5以外の全体を合成樹脂材料で形成する場合が考えられる。また、本発明の第3実施形態に係るボール減速機101は、全体(入力軸102、キャップ103、揺動体105、固定部材107、及び出力側回転体108)を金属で形成する場合、全体の一部を合成樹脂材料で形成する場合、又は第1乃至第3ベアリング110,116,126及びボール106以外の全体を合成樹脂材料で形成する場合が考えられる。
1,101……ボール減速機、2,102……入力軸(入力側回転体)、2a,102a……回転中心、3,104……偏心円板カム、4,105……揺動体、4a,105c,136a……一方の側面、4b,105d,136b……他方の側面、5,106……ボール、7,107……固定部材、8,108……出力側回転体、20,132……第1側面部、21,141……第2側面部、23,60,133……回転抑制ボス、24,131……回転抑制穴、25,105b……外周面、26,57,61,129……曲面部、32,138……径方向溝、33,140……波形溝、43a……回転中心、108A……第1出力側回転体、108B……第2出力側回転体
Claims (2)
- 入力側回転体の回転を出力側回転体に減速して伝達するボール減速機において、
前記入力側回転体と一体に回動する偏心円板カムと、
前記偏心円板カムの外周側に相対回動可能に嵌合され、前記偏心円板カムによって揺動させられる揺動体と、
前記揺動体の外周面に沿って複数配置されたボールと、
前記揺動体の両側面のうちの一方に対向して位置する第1側面部を有し、被固定部材に固定される固定部材と、を備え、
前記出力側回転体は、前記揺動体の両側面のうちの他方に対向して位置する第2側面部を有し、回転中心としての軸心が前記入力側回転体の回転中心と同軸上に位置するように配置され、
前記第1側面部と前記第2側面部のいずれか一方は、前記入力側回転体の回転中心に直交する仮想平面において、前記回転中心から放射状に延びる方向を径方向とすると、前記ボールを前記第1側面部と前記第2側面部のいずれか一方の前記径方向に沿って転動可能に案内する径方向溝が前記入力側回転体の回転中心の回りに複数形成され、
前記第1側面部と前記第2側面部のいずれか他方は、前記仮想平面において、前記回転中心を中心とする仮想円の外縁に沿った方向を周方向とすると、前記ボールを前記第1側面部と前記第2側面部のいずれか他方の前記周方向に沿って波形状に案内する環状の波形溝が形成され、
前記ボールは、前記径方向溝及び前記波形溝に転動可能に係合され、前記揺動体が前記偏心円板カムによって揺動させられると、前記径方向溝及び前記波形溝内を転動させられ、
前記揺動体は、前記第1側面部と前記第2側面部のいずれか一方から突出する回転抑制ボスに係合する回転抑制穴が形成され、
前記揺動体の前記回転抑制穴は、前記入力側回転体の回転中心に対する前記偏心円板カムの偏心量の2倍の隙間が前記回転抑制ボスとの間に形成され、
前記揺動体の外周面には、前記ボールと線接触する曲面部が形成された、
ことを特徴とするボール減速機。 - 入力側回転体の回転を出力側回転体に減速して伝達するボール減速機において、
前記入力側回転体と一体に回動する偏心円板カムと、
前記偏心円板カムの外周側に相対回動可能に嵌合され、前記偏心円板カムによって揺動させられる揺動体と、
前記揺動体の外周面に沿って複数配置されたボールと、
前記揺動体を揺動できるように径方向内方側に収容すると共に、被固定部材に固定される固定部材と、
前記揺動体及び前記固定部材の一方の側面に対向するように配置され、前記入力側回転体に相対回動可能に支持された第1出力側回転体と、
前記揺動体及び前記固定部材の他方の側面に対向するように配置され、前記第1出力側回転体に一体回動できるように固定されると共に、前記入力側回転体に相対回動可能に支持され、前記第1出力側回転体と共に前記出力側回転体を構成する第2出力側回転体と、を備え、
前記固定部材は、前記入力側回転体の回転中心に直交する仮想平面において、前記回転中心から放射状に延びる方向を径方向とすると、前記ボールを前記径方向にスライド移動可能に案内する径方向溝が前記ボールの数と同数形成されると共に、前記径方向溝の径方向内方端が前記ボールの出入りを可能にする開口端になっており、
前記第1出力側回転体は、前記固定部材の一方の側面に対向する第1側面部を有し、
前記第2出力側回転体は、前記固定部材の他方の側面に対向する第2側面部を有し、
前記第1側面部及び前記第2側面部は、前記仮想平面において、前記回転中心を中心とする仮想円の外縁に沿った方向を周方向とすると、前記ボールを前記周方向に沿って波形状に案内する環状の波形溝が形成され、
前記揺動体は、前記第1側面部と前記第2側面部のいずれか一方から突出する回転抑制ボスに係合する回転抑制穴が形成され、
前記揺動体の前記回転抑制穴は、前記入力側回転体の回転中心に対する前記偏心円板カムの偏心量の2倍の隙間が前記回転抑制ボスとの間に形成され、
前記揺動体の外周面には、前記ボールと線接触する曲面部が形成された、
ことを特徴とするボール減速機。
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