以下、添付図面を参照して、本願の開示する接合システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
また、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、鉛直上向きをZ軸の正方向とする直交座標系を示す場合がある。
<1.接合システムの構成>
まず、本実施形態に係る接合システムの構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る接合システムの構成を示す模式平面図であり、図2は、同模式側面図である。また、図3は、上ウェハおよび下ウェハの模式側面図である。
図1に示す本実施形態に係る接合システム1は、第1基板W1と第2基板W2とを接合することによって重合ウェハTを形成する(図3参照)。
第1基板W1は、例えばシリコンウェハや化合物半導体ウェハ等の半導体基板に複数の電子回路が形成された基板である。また、第2基板W2は、例えば電子回路が形成されていないベアウェハである。第1基板W1と第2基板W2とは、略同径を有する。なお、第2基板W2に電子回路が形成されていてもよい。
以下では、第1基板W1を「上ウェハW1」と記載し、第2基板W2を「下ウェハW2」と記載する。また、これらを総称する場合、「ウェハW」と記載する場合がある。
また、以下では、図3に示すように、上ウェハW1の板面のうち、下ウェハW2と接合される側の板面を「接合面W1j」と記載し、接合面W1jとは反対側の板面を「非接合面W1n」と記載する。また、下ウェハW2の板面のうち、上ウェハW1と接合される側の板面を「接合面W2j」と記載し、接合面W2jとは反対側の板面を「非接合面W2n」と記載する。
また、図1に示すように、接合システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2および処理ステーション3は、X軸正方向に沿って、搬入出ステーション2および処理ステーション3の順番で並べて配置される。また、搬入出ステーション2および処理ステーション3は、一体的に接続される。
搬入出ステーション2は、載置台10と、搬送領域20とを備える。載置台10は、複数の載置板11を備える。各載置板11には、複数枚(例えば、25枚)の基板を水平状態で収容するカセットC1,C2,C3がそれぞれ載置される。例えば、カセットC1は上ウェハW1を収容するカセットであり、カセットC2は下ウェハW2を収容するカセットであり、カセットC3は重合ウェハTを収容するカセットである。
搬送領域20は、載置台10のX軸正方向側に隣接して配置される。かかる搬送領域20には、Y軸方向に延在する搬送路21と、この搬送路21に沿って移動可能な搬送装置22とが設けられる。搬送装置22は、Y軸方向だけでなく、X軸方向にも移動可能かつZ軸周りに旋回可能であり、載置板11に載置されたカセットC1〜C3と、後述する処理ステーション3の第3処理ブロックG3との間で、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬送を行う。
なお、載置板11に載置されるカセットC1〜C3の個数は、図示のものに限定されない。また、載置板11には、カセットC1,C2,C3以外に、不具合が生じた基板を回収するためのカセット等が載置されてもよい。
処理ステーション3には、各種装置を備えた複数の処理ブロック、例えば3つの処理ブロックG1,G2,G3が設けられる。例えば処理ステーション3の正面側(図1のY軸負方向側)には、第1処理ブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(図1のY軸正方向側)には、第2処理ブロックG2が設けられる。また、処理ステーション3の搬入出ステーション2側(図1のX軸負方向側)には、第3処理ブロックG3が設けられる。
第1処理ブロックG1には、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jを処理ガスのプラズマによって改質する表面改質装置30が配置される。表面改質装置30は、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jにおけるSiO2の結合を切断して単結合のSiOとすることで、その後親水化されやすくするように当該接合面W1j,W2jを改質する。
なお、表面改質装置30では、例えば減圧雰囲気下において処理ガスである酸素ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。そして、かかる酸素イオンが、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jに照射されることにより、接合面W1j,W2jがプラズマ処理されて改質される。
第2処理ブロックG2には、表面親水化装置40と、接合装置41とが配置される。表面親水化装置40は、例えば純水によって上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j,W2jを親水化するとともに、接合面W1j,W2jを洗浄する。表面親水化装置40では、例えばスピンチャックに保持された上ウェハW1または下ウェハW2を回転させながら、当該上ウェハW1または下ウェハW2上に純水を供給する。これにより、上ウェハW1または下ウェハW2上に供給された純水が上ウェハW1または下ウェハW2の接合面W1j,W2j上を拡散し、接合面W1j,W2jが親水化される。接合装置41は、上ウェハW1および下ウェハW2を接合する。接合装置41の構成については、後述する。
第3処理ブロックG3には、図2に示すように、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTのトランジション(TRS)装置50,51が下から順に2段に設けられる。
また、図1に示すように、第1処理ブロックG1、第2処理ブロックG2および第3処理ブロックG3に囲まれた領域には、搬送領域60が形成される。搬送領域60には、搬送装置61が配置される。搬送装置61は、例えば鉛直方向、水平方向および鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有する。かかる搬送装置61は、搬送領域60内を移動し、搬送領域60に隣接する第1処理ブロックG1、第2処理ブロックG2および第3処理ブロックG3内の所定の装置に上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを搬送する。
また、図1に示すように、接合システム1は、制御装置300を備える。制御装置300は、接合システム1の動作を制御する。かかる制御装置300は、例えばコンピュータであり、図示しない制御部および記憶部を備える。記憶部には、接合処理等の各種処理を制御するプログラムが格納される。制御部は記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって接合システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から制御装置300の記憶部にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、例えばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカード等がある。
<2.表面改質装置の構成>
次に、上述した表面改質装置30の構成について図4を参照して説明する。図4は、表面改質装置30の構成を示す模式断面図である。
図4に示すように、表面改質装置30は、内部を密閉可能な処理容器70を有する。処理容器70の搬送領域60(図1参照)側の側面には、上ウェハW1または下ウェハW2の搬入出口71が形成され、当該搬入出口71にはゲートバルブ72が設けられる。
処理容器70の内部には、ステージ80が配置される。ステージ80は、たとえば下部電極であり、例えばアルミニウムなどの導電性材料で構成される。ステージ80の下方には、例えばモータ等を備えた複数の駆動部81が設けられる。複数の駆動部81は、ステージ80を昇降させる。
ステージ80と処理容器70の内壁との間には、複数のバッフル孔が設けられた排気リング103が配置される。排気リング103により、処理容器70内の雰囲気が処理容器70内から均一に排気される。
ステージ80の下面には、導体で形成された給電棒104が接続される。給電棒104には、例えばブロッキングコンデンサなどから成る整合器105を介して、第1の電源としての第1の高周波電源106が接続される。プラズマ処理時には、第1の高周波電源106から、例えば400kHzの高周波電圧が、ステージ80に印加される。
処理容器70の内部には、上部電極110が配置される。ステージ80の上面と上部電極110の下面は、互いに平行に、所定の間隔をあけて対向して配置されている。ステージ80の上面と上部電極110の下面の間隔は、駆動部81により調整される。
上部電極110には、例えばブロッキングコンデンサなどから成る整合器111を介して第2の電源としての第2の高周波電源112が接続されている。プラズマ処理時には、第2の高周波電源112から、例えば40kHzの高周波電圧が、上部電極110に印加される。このように、第1の高周波電源106から下部電極であるステージ80に、第2の高周波電源112から上部電極110にそれぞれ高周波電圧が印加されることにより、処理容器70の内部にプラズマが発生する。
本実施形態において、下部電極としてのステージ80、給電棒104、整合器105、第1の高周波電源106、上部電極110、整合器111、第2の高周波電源112は、処理容器70内に処理ガスのプラズマを発生させるプラズマ発生機構の一例である。なお、第1の高周波電源106および第2の高周波電源112は、後述する制御装置300によって制御される。
上部電極110の内部には中空部120が形成されている。中空部120には、ガス供給管121が接続されている。ガス供給管121は、内部に処理ガスや除電用ガスを貯留するガス供給源122に連通している。また、ガス供給管121には、処理ガスや除電用ガスの流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群123が設けられている。そして、ガス供給源122から供給された処理ガスや除電用ガスは、供給機器群123で流量制御され、ガス供給管121を介して、上部電極110の中空部120に導入される。処理ガスには、例えば酸素ガス、窒素ガス、アルゴンガス等が用いられる。また、除電用ガスには、例えば窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスが用いられる。
中空部120の内部には、処理ガスや除電用ガスの均一拡散を促進するためのバッフル板124が設けられている。バッフル板124には、多数の小孔が設けられている。上部電極110の下面には、中空部120から処理容器70の内部に処理ガスや除電用ガスを噴出させる多数のガス噴出口125が形成されている。本実施形態において、中空部120、ガス供給管121、ガス供給源122、供給機器群123、バッフル板124及びガス噴出口125は、ガス供給機構の一例である。
処理容器70には、吸気口130が形成される。吸気口130には、処理容器70の内部の雰囲気を所定の真空度まで減圧する真空ポンプ131に連通する吸気管132が接続される。本実施形態において、吸気口130、真空ポンプ131及び吸気管132は、減圧機構の一例である。
ステージ80の上面すなわち上部電極110との対向面は、上ウェハW1および下ウェハW2よりも大きい径を有する平面視円形の水平面である。かかるステージ80の上面にはステージカバー90が載置され、上ウェハW1または下ウェハW2は、かかるステージカバー90上に載置される。
ここで、従来の表面改質装置では、下部電極の上面に静電チャックを設け、静電チャックを用いて基板を吸着保持した状態でプラズマ処理を行っていた。しかしながら、静電チャックは高価であるため製造コストの面で不利である。
一方、表面改質処理の目的は、基板の表面を改質することであるため、基板の表面を微細加工するエッチング処理等と比べて、基板の位置ずれを防止することに関して高い精度は要求されない。
そこで、本実施形態に係る表面改質装置30は、静電チャックに代えて、基板を吸着せずに載置するステージカバー90を備える構成とした。
また、従来の表面改質装置では、基板の裏面へのゴミ等の転写を抑制するという点で更なる改善の余地があった。
そこで、本実施形態に係る表面改質装置30では、基板の裏面へのゴミ等の転写を抑制するために、ステージカバー90の上面に少なくとも3つの突起91bを設け、これらの突起91bにより上ウェハW1または下ウェハW2を支持することで、上ウェハW1または下ウェハW2の裏面と載置面との接触面積を低減させることとした。
また、従来の表面改質装置において、静電チャックの周囲には、基板の表面におけるプラズマ処理の均一性を向上させるための環状のフォーカスリングが設けられていた。フォーカスリングは、静電チャックに覆われない下部電極の外周部を覆うように設けられるため、下部電極の外周部がプラズマに曝されてダメージを受けることを防止することができる。
しかしながら、従来の表面改質装置では、静電チャックとフォーカスリングとは別部材として設けられていたため、静電チャックとフォーカスリングとの隙間からプラズマが進入して下部電極にダメージを与えるおそれがあった。
そこで、本実施形態に係るステージカバー90は、基板の載置部91とフォーカスリング部92とが一体的に形成された構成とした。
以下、本実施形態に係るステージカバー90の構成について図5A〜図5Cを参照して説明する。図5Aは、ステージカバー90の模式斜視断面図であり、図5Bは、ステージカバー90の模式平面図である。また、図5Cは、第1貫通口周辺の拡大模式断面図である。なお、図5Aには、図5Bに示すA−A線矢視の模式断面斜視図を示している。また、図5Cには、図5Aに示すH部の拡大模式断面図を示している。
図5Aおよび図5Bに示すように、ステージカバー90は、載置部91と、フォーカスリング部92と、複数の貫通口カバー部材93とを備える。
載置部91、フォーカスリング部92および複数の貫通口カバー部材93は、同一の材料を用いて形成される。具体的には、載置部91、フォーカスリング部92および複数の貫通口カバー部材93は、石英で形成される。
なお、載置部91、フォーカスリング部92および複数の貫通口カバー部材93は、石英以外の材料で形成されてもよい。たとえば、載置部91、フォーカスリング部92および複数の貫通口カバー部材93は、シリコンで形成されてもよい。
載置部91、フォーカスリング部92および複数の貫通口カバー部材93のうち、載置部91およびフォーカスリング部92は、一体的に形成される。たとえば、載置部91およびフォーカスリング部92は、単一の石英を切削加工することにより形成することができる。一方、貫通口カバー部材93は、載置部91およびフォーカスリング部92とは別体に形成される。
載置部91は、上ウェハW1または下ウェハW2よりも大径かつステージ80よりも小径の上面91aを有する円板状の部分であり、ステージ80の上面中央部に載置される。
載置部91の上面91aには、9つの突起91bが設けられる。上ウェハW1または下ウェハW2は、これら9つの突起91bにより、上面91aから浮いた状態で支持される。
具体的には、図5Bに示すように、載置部91は、後述する第2貫通口91cよりも内周側に3つ突起91bを有するとともに、第2貫通口91cよりも外周側に6つの突起91bを有する。各突起91bの直径はたとえば2〜5mmであり、高さはたとえば0.2〜0.5mmである。
内周側の3つの突起91bは、上面91aの中心点O(すなわち上ウェハW1または下ウェハW2の中心点)からの距離がいずれもd1となる位置にそれぞれ配置される。また、3つの突起91bは、周方向に均等に配置される。
外周側の6つの突起91bは、上面91aの中心点Oからの距離がいずれもd2(>d1)となる位置にそれぞれ配置される。また、6つの突起91bは、3つの突起91bに対して30°ずらして周方向に均等に配置される。
このように、本実施形態に係るステージカバー90は、9つの突起91bを備え、内周側に配置された3つの突起91b(第1突起)と、外周側に配置された6つの突起91b(第2突起)とを用いて上ウェハW1または下ウェハW2の裏面を支持する。これにより、たとえば上ウェハW1または下ウェハW2を上面91aに直接載置する場合と比較して、上ウェハW1または下ウェハW2の裏面と載置面との接触面積を低減することができる。したがって、上ウェハW1または下ウェハW2の裏面へのゴミ等の転写を抑制することができる。
突起91bの数を少なくするほど、上ウェハW1および下ウェハW2の裏面へのゴミの転写が抑制される一方、上ウェハW1および下ウェハW2を安定して支持しておくことが困難となる。上ウェハW1および下ウェハW2を安定して支持するために、載置部91は、少なくとも3つの突起91bを有することが好ましい。
本実施形態に係る載置部91によれば、上面91aの内周側と外周側とにそれぞれ3つ以上の突起91bが周方向に並べて配置されるため、仮に、上ウェハW1または下ウェハW2に反りがある場合でも、上ウェハW1または下ウェハW2を上面91aに接触させることなく安定的に支持することができる。
なお、載置部91は、少なくとも3つの突起91bを備えていればよく、必ずしも9つの突起91bを有することを要しない。たとえば、載置部91は、内周側に3つ、外周側に3つそれぞれ周方向に均等に配置された6つの突起91bを有する構成であってもよい。
載置部91は、ステージ80に形成された複数の第1貫通口85の各々に連通する複数の第2貫通口91cを有する。表面改質装置30は、複数の第1貫通口85および第2貫通口91cの各々に挿通される複数の昇降ピン150(図5C参照)を備える。昇降ピン150は、表面改質装置30に搬入された上ウェハW1または下ウェハW2を搬送装置61から受け取る際もしくは表面改質装置30から搬出される上ウェハW1または下ウェハW2を搬送装置61へ渡す際に、上ウェハW1または下ウェハW2を下方から支持して昇降させる。
フォーカスリング部92は、載置部91の外周部に配置されて、9つの突起91bに支持された上ウェハW1または下ウェハW2の外周を取り囲む環状の部分である。
フォーカスリング部92は、載置部91よりも肉厚に形成される。具体的には、フォーカスリング部92の上面92aは載置部91の上面91aよりも高い位置に配置され、フォーカスリング部92の下面92bは載置部91の下面91dよりも低い位置に配置される。
フォーカスリング部92の上面92aと載置部91の上面91aとの高低差によって生じる第1段差部94は、上ウェハW1または下ウェハW2の大幅な位置ずれもしくはステージカバー90からの脱落を防止するガイドとして機能する。
また、フォーカスリング部92の下面92bと載置部91の下面91dとの高低差によって生じる第2段差部95は、ステージカバー90とステージ80との嵌合部として機能する。具体的には、ステージ80の上面外周部は、上面中央部に対して一段低く形成されており、上面外周部と上面中央部との高低差により生じる第3段差部86に、ステージカバー90の第2段差部95が嵌め合わされる。これにより、ステージカバー90は、ステージ80に対する位置ずれが防止された状態でステージ80上に載置される。
フォーカスリング部92を構成する石英は、反応性イオンを引き寄せない絶縁性または導電性の材料であり、反応性イオンを、内側の上ウェハW1または下ウェハW2に効果的に入射せしめるように作用する。これにより、プラズマ処理の面内均一性が向上する。
また、フォーカスリング部92は、ステージ80よりも大径に形成され、載置部91に覆われないステージ80の上面外周部を覆う。これにより、ステージ80の上面外周部がプラズマに曝されてダメージを受けることを防止することができる。
さらに、本実施形態に係るフォーカスリング部92は、上述したように、載置部91と一体的に形成されることから、載置部91とフォーカスリング部92との間には隙間は形成されない。したがって、従来の表面改質装置のように、静電チャックとフォーカスリングとの隙間からプラズマが進入して下部電極がダメージを受けるといった事態を防止することができる。
貫通口カバー部材93は、ステージ80に形成された第1貫通口85に挿通され、且つ、載置部91に形成された第2貫通口91cに連通する部材である。
本実施形態に係るステージカバー90は、9つの突起91bを用いて上ウェハW1または下ウェハW2を載置部91の上面91aから浮かせた状態で支持する。すなわち、上ウェハW1または下ウェハW2の下面と載置部91の上面91aとの間には隙間が形成される。このため、プラズマがかかる隙間を通って第1貫通口85に進入し、第1貫通口85の内周面にダメージを与えるおそれがある。
そこで、本実施形態に係るステージカバー90では、第1貫通口85に挿通される貫通口カバー部材93によって第1貫通口85の内周面を被うこととした。これにより、第1貫通口85の内周面をプラズマから保護することができる。
また、本実施形態に係るステージカバー90では、載置部91と貫通口カバー部材93とを別体に形成し、載置部91と貫通口カバー部材93との隙間にラビリンス構造を形成することとした。
具体的には、図5Cに示すように、貫通口カバー部材93は、円筒部93aとフランジ部93bとを備える。円筒部93aは、第1貫通口85に挿通される円筒状の部分であり、第1貫通口85の内周面と対向する外周面と、昇降ピン150の外周面と間隔をあけて対向する内周面とを有する。
フランジ部93bは、円筒部93aの上端に設けられ、円筒部93aの径方向外方に延びて載置部91の上面91aに係止される環状の部材である。具体的には、載置部91の上面91aには、第1貫通口85の周囲を凹ませた第4段差部87が形成され、フランジ部93bは、かかる第4段差部87に係止される。
フランジ部93bの上面93b1には環状の凸部93b2が形成される。また、フランジ部93bの上面93b1およびステージ80の第4段差部87と対向する載置部91の下面91d1には環状の凹部91d2が形成される。
そして、環状の凹部91d2と環状の凸部93b2とが非接触で嵌合することにより、上記ラビリンス構造が形成される。これにより、第1貫通口85を通過してステージ80の裏側へ到達するプラズマを低減させることができる。
<3.接合装置の構成>
次に、接合装置41の構成について図6〜図13を参照して説明する。図6は、接合装置41の構成を示す模式平面図であり、図7は、同模式側面図である。また、図8は、位置調節機構210の構成を示す模式側面図である。また、図9は、反転機構220の構成を示す模式平面図であり、図10および図11は、同模式側面図(その1)および(その2)である。また、図12は、保持アーム221および保持部材222の構成を示す模式側面図であり、図13は、接合装置41の内部構成を示す模式側面図である。
図6に示すように、接合装置41は、内部を密閉可能な処理容器190を有する。処理容器190の搬送領域60側の側面には、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬入出口191が形成され、当該搬入出口191には開閉シャッタ192が設けられる。
処理容器190の内部は、内壁193によって搬送領域T1と処理領域T2に区画される。上述した搬入出口191は、搬送領域T1における処理容器190の側面に形成される。また、内壁193にも、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬入出口194が形成される。
搬送領域T1のY軸負方向側には、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを一時的に載置するためのトランジション200が設けられる。トランジション200は、例えば2段に形成され、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTのいずれか2つを同時に載置することができる。
搬送領域T1には、搬送機構201が設けられる。搬送機構201は、例えば鉛直方向、水平方向および鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有する。そして、搬送機構201は、搬送領域T1内、または搬送領域T1と処理領域T2との間で上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを搬送する。
搬送領域T1のY軸正方向側には、上ウェハW1および下ウェハW2の水平方向の向きを調節する位置調節機構210が設けられる。位置調節機構210は、図8に示すように基台211と、上ウェハW1および下ウェハW2を吸着保持して回転させる保持部212と、上ウェハW1および下ウェハW2のノッチ部の位置を検出する検出部213とを有する。
かかる位置調節機構210では、保持部212に吸着保持された上ウェハW1および下ウェハW2を回転させながら検出部213で上ウェハW1および下ウェハW2のノッチ部の位置を検出することで、当該ノッチ部の位置を調節して上ウェハW1および下ウェハW2の水平方向の向きを調節する。
また、搬送領域T1には、上ウェハW1の表裏面を反転させる反転機構220が設けられる。反転機構220は、図9〜図12に示すように上ウェハW1を保持する保持アーム221を有する。
保持アーム221は、水平方向に延在する。また保持アーム221には、上ウェハW1を保持する保持部材222が例えば4箇所に設けられる。保持部材222は、図12に示すように保持アーム221に対して水平方向に移動可能に構成されている。また保持部材222の側面には、上ウェハW1の外周部を保持するための切り欠き223が形成される。これら保持部材222は、上ウェハW1を挟み込んで保持することができる。
保持アーム221は、図9〜図11に示すように、例えばモータ等を備えた第1駆動部224に支持される。保持アーム221は、この第1駆動部224によって、水平軸周りに回動自在である。また保持アーム221は、第1駆動部224を中心に回動自在であると共に、水平方向に移動自在である。
第1駆動部224の下方には、例えばモータ等を備えた第2駆動部225が設けられる。第1駆動部224は、この第2駆動部225によって、鉛直方向に延在する支持柱226に沿って鉛直方向に移動可能である。
このように、保持部材222に保持された上ウェハW1は、第1駆動部224と第2駆動部225によって、水平軸周りに回動することができるとともに鉛直方向および水平方向に移動することができる。また、保持部材222に保持された上ウェハW1は、第1駆動部224を中心に回動して、位置調節機構210から後述する上チャック230との間を移動することができる。
また、図7に示すように、処理領域T2には、上チャック230と下チャック231とが設けられる。上チャック230は、上ウェハW1を上方から吸着保持する。また、下チャック231は、上チャック230の下方に設けられ、下ウェハW2を下方から吸着保持する。
上チャック230は、図7に示すように、処理容器190の天井面に設けられた支持部材280に支持される。支持部材280には、下チャック231に保持された下ウェハW2の接合面W2jを撮像する上部撮像部281(図13参照)が設けられる。上部撮像部281は、上チャック230に隣接して設けられる。
また、図6、図7および図13に示すように、下チャック231は、当該下チャック231の下方に設けられた第1下チャック移動部290に支持される。第1下チャック移動部290は、後述するように下チャック231を水平方向(Y軸方向)に移動させる。また、第1下チャック移動部290は、下チャック231を鉛直方向に移動自在、且つ鉛直軸回りに回転可能に構成される。
第1下チャック移動部290には、上チャック230に保持された上ウェハW1の接合面W1jを撮像する下部撮像部291が設けられている。下部撮像部291は、下チャック231に隣接して設けられる。
また、図6、図7および図13に示すように、第1下チャック移動部290は、当該第1下チャック移動部290の下面側に設けられ、水平方向(Y軸方向)に延伸する一対のレール295に取り付けられる。第1下チャック移動部290は、レール295に沿って移動自在に構成される。
一対のレール295は、第2下チャック移動部296に設けられる。第2下チャック移動部296は、当該第2下チャック移動部296の下面側に設けられ、水平方向(X軸方向)に延伸する一対のレール297に取り付けられる。そして、第2下チャック移動部296は、レール297に沿って移動自在に、すなわち下チャック231を水平方向(X軸方向)に移動させるように構成される。なお、一対のレール297は、処理容器190の底面に設けられた載置台298上に設けられる。
次に、上チャック230と下チャック231の構成について図14〜図16を参照して説明する。図14は、上チャック230および下チャック231の構成を示す模式側面図である。また、図15は、上チャック230を下方から見た場合の模式平面図であり、図16は、下チャック231を上方から見た場合の模式平面図である。
図14に示すように、上チャック230は、複数、例えば3つの領域230a,230b,230cに区画される。これら領域230a,230b,230cは、図15に示すように、上チャック230の中心部から周縁部(外周部)に向けてこの順で設けられる。領域230aは平面視において円形状を有し、領域230b,230cは平面視において環状形状を有する。
各領域230a,230b,230cには、図14に示すように上ウェハW1を吸着保持するための吸引管240a,240b,240cがそれぞれ独立して設けられる。各吸引管240a,240b,240cには、異なる真空ポンプ241a,241b,241cがそれぞれ接続される。このように、上チャック230は、各領域230a,230b,230c毎に上ウェハW1の真空引きを設定可能に構成されている。
上チャック230の中心部には、当該上チャック230を厚み方向に貫通する貫通孔243が形成される。この上チャック230の中心部は、当該上チャック230に吸着保持される上ウェハW1の中心部W1aに対応している。そして、貫通孔243には、基板押圧機構250の押圧ピン253が挿通するようになっている。押圧ピン253は、押圧部材の一例である。
基板押圧機構250は、上チャック230の上面に設けられ、押圧ピン253によって上ウェハW1の中心部を押圧する。押圧ピン253は、シリンダ部251およびアクチュエータ部252によって鉛直軸沿いに直動可能に設けられ、先端部において対向する基板(本実施形態では上ウェハW1)をかかる先端部で押圧する。具体的には、押圧ピン253は、後述する上ウェハW1および下ウェハW2の接合時に、まず上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aとを当接させるスタータとなる。
下チャック231は、図16に示すように、複数、例えば2つの領域231a,231bに区画される。これら領域231a,231bは、下チャック231の中心部から周縁部に向けてこの順で設けられる。そして、領域231aは平面視において円形状を有し、領域231bは平面視において環状形状を有する。
各領域231a,231bには、図14に示すように下ウェハW2を吸着保持するための吸引管260a,260bがそれぞれ独立して設けられる。各吸引管260a,260bには、異なる真空ポンプ261a,261bがそれぞれ接続される。このように、下チャック231は、各領域231a,231b毎に下ウェハW2の真空引きを設定可能に構成されている。
下チャック231の周縁部には、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTが当該下チャック231から飛び出したり、滑落したりすることを防止するストッパ部材263が複数箇所、例えば5箇所に設けられる。
<4.接合システムの具体的動作>
次に、以上のように構成された接合システム1の具体的な動作について、図17〜図18Hを参照して説明する。
図17は、接合システム1が実行する処理の処理手順の一部を示すフローチャートである。また、図18A〜図18Hは、接合装置41の動作説明図(その1)〜(その8)である。なお、図17に示す各種の処理は、制御装置300による制御に基づいて実行される。
まず、複数枚の上ウェハW1を収容したカセットC1、複数枚の下ウェハW2を収容したカセットC2、および空のカセットC3が、搬入出ステーション2の所定の載置板11に載置される。その後、搬送装置22によりカセットC1内の上ウェハW1が取り出され、処理ステーション3の第3処理ブロックG3のトランジション装置50に搬送される。
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第1処理ブロックG1の表面改質装置30に搬送される。このとき、ゲートバルブ72が開かれており、処理容器70内が大気圧に開放されている。上ウェハW1は表面改質装置30に搬入されると、搬送装置61から、予め上昇していた複数の昇降ピン150に受け渡される。その後、搬送装置61が表面改質装置30から退出し、ゲートバルブ72が閉じられる。
その後、上ウェハW1を複数の昇降ピン150で保持した状態で、真空ポンプ131を作動させ、吸気口130を介して処理容器70の内部の雰囲気が予め設定された真空度、例えば67Pa〜333Pa(0.5Torr〜2.5Torr)まで減圧される。続いて、複数の昇降ピン150が下降し、上ウェハW1がステージカバー90に載置される。具体的には、上ウェハW1は、9つの突起91bによって載置部91の上面91aから浮いた状態で支持される。
このように、本実施形態に係る表面改質装置30では、9つの突起91bを用いて上ウェハW1を載置部91の上面91aから浮かせた状態で支持することとしたため、上ウェハW1の裏面へのゴミ等の転写を抑制することができる。また、従来の表面改質装置と異なり、静電チャックを用いないため、製造コストを抑えることができる。
なお、大気圧下で上ウェハW1をステージカバー90に載置しようとすると、上ウェハW1が水平方向にずれるおそれがあるため、このように所定の真空度まで減圧された後に上ウェハW1がステージカバー90に載置される。そして、後述するように上ウェハW1を処理中、処理容器70内の雰囲気は予め設定された真空度に維持される。
その後、ガス供給源122から供給された処理ガスが、上部電極110の下面のガス噴出口125から、処理容器70の内部に均一に供給される。そして、第1の高周波電源106から下部電極であるステージ80に、第2の高周波電源112から上部電極110にそれぞれ高周波電圧が印加される。これにより、下部電極であるステージ80と上部電極110との間に電界が形成され、この電界によって処理容器70の内部に供給された処理ガスがプラズマ化される。
この処理ガスのプラズマ(以下、「処理用プラズマ」という場合がある。)によって、ステージ80上の上ウェハW1の接合面W1jが改質されると共に、接合面W1j上の有機物が除去される。このとき、主として処理用プラズマ中の酸素ガスのプラズマが接合面W1j上の有機物の除去に寄与する。さらに、酸素ガスのプラズマは、上ウェハW1の接合面W1jの酸化、すなわち親水化を促進させることもできる。また、処理用プラズマ中のアルゴンガスのプラズマはある程度の高エネルギーを有しており、このアルゴンガスのプラズマによって接合面W1j上の有機物が積極的(物理的)に除去される。さらに、アルゴンガスのプラズマは、処理容器70内の雰囲気中に含まれる残留水分を除去するという効果もある。こうして処理用プラズマによって、上ウェハW1の接合面W1jが改質される(ステップS101)。
上述したように、本実施形態に係る表面改質装置30では、載置部91とフォーカスリング部92とが一体化されたステージカバー90が、下部電極であるステージ80上に載置される。したがって、従来の表面改質装置のように、静電チャックとフォーカスリングとの隙間からプラズマが進入して下部電極がダメージを受けるといった事態を防止することができる。
また、本実施形態に係る表面改質装置30では、複数の貫通口カバー部材93を用いてステージ80に形成される複数の第1貫通口85の内周面を被うこととしたため、上ウェハW1の下面と載置部91の上面91aとの隙間を通って第1貫通口85に進入したプラズマが、第1貫通口85の内周面にダメージを与えることを防止することができる。
上ウェハW1の接合面W1jが改質されると、処理容器70内への処理ガスの供給を停止すると共に、下部電極であるステージ80および上部電極110への高周波電圧の印加を停止する。その後、真空ポンプ131を停止し、処理容器70内の減圧を停止する。続いて、ゲートバルブ72が開けられた後、すなわち処理容器70内が大気圧に開放された後、複数の昇降ピン150を上昇させて上ウェハW1をステージ80から搬送装置61に受け渡す。その後、上ウェハW1は、搬送装置61によって処理容器70から搬出される。
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第2処理ブロックG2の表面親水化装置40に搬送される。表面親水化装置40では、スピンチャックに保持された上ウェハW1を回転させながら、当該上ウェハW1上に純水を供給する。そうすると、供給された純水は上ウェハW1の接合面W1j上を拡散し、表面改質装置30において改質された上ウェハW1の接合面W1jに水酸基(シラノール基)が付着して当該接合面W1jが親水化される。また、当該純水によって、上ウェハW1の接合面W1jが洗浄される(ステップS102)。
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第2処理ブロックG2の接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された上ウェハW1は、トランジション200を介して搬送機構201により位置調節機構210に搬送される。そして位置調節機構210によって、上ウェハW1の水平方向の向きが調節される(ステップS103)。
その後、位置調節機構210から反転機構220の保持アーム221に上ウェハW1が受け渡される。続いて搬送領域T1において、保持アーム221を反転させることにより、上ウェハW1の表裏面が反転される(ステップS104)。すなわち、上ウェハW1の接合面W1jが下方に向けられる。
その後、反転機構220の保持アーム221が、第1駆動部224を中心に回動して上チャック230の下方に移動する。そして、反転機構220から上チャック230に上ウェハW1が受け渡される。上ウェハW1は、上チャック230にその非接合面W1nが吸着保持される(ステップS105)。
このとき、すべての真空ポンプ241a、241b、241cを作動させ、上チャック230のすべての領域230a、230b、230cにおいて、上ウェハW1を真空引きしている。上ウェハW1は、後述する下ウェハW2が接合装置41に搬送されるまで上チャック230で待機する。
上ウェハW1に上述したステップS101〜S105の処理が行われている間、下ウェハW2の処理が行われる。まず、搬送装置22によりカセットC2内の下ウェハW2が取り出され、処理ステーション3のトランジション装置50に搬送される。
次に、下ウェハW2は、搬送装置61によって表面改質装置30に搬送され、下ウェハW2の接合面W2jが改質される(ステップS106)。なお、ステップS106における下ウェハW2の接合面W2jの改質は、上述したステップS101と同様である。
その後、下ウェハW2は、搬送装置61によって表面親水化装置40に搬送され、下ウェハW2の接合面W2jが親水化されるとともに当該接合面W2jが洗浄される(ステップS107)。なお、ステップS107における下ウェハW2の接合面W2jの親水化および洗浄は、上述したステップS102と同様である。
その後、下ウェハW2は、搬送装置61によって接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された下ウェハW2は、トランジション200を介して搬送機構201により位置調節機構210に搬送される。そして位置調節機構210によって、下ウェハW2の水平方向の向きが調節される(ステップS108)。
その後、下ウェハW2は、搬送機構201によって下チャック231に搬送され、下チャック231に吸着保持される(ステップS109)。このとき、すべての真空ポンプ261a、261bを作動させ、下チャック231のすべての領域231a、231bにおいて、下ウェハW2を真空引きしている。そして、下ウェハW2の接合面W2jが上方を向くように、当該下ウェハW2の非接合面W2nが下チャック231に吸着保持される。
次に、上チャック230に保持された上ウェハW1と下チャック231に保持された下ウェハW2との水平方向の位置調節が行われる(ステップS110)。
なお、位置調節に先立っては、図18Aに示すように、上ウェハW1の接合面W1jには予め定められた複数、例えば3点の基準点A1〜A3が設定され、同様に下ウェハW2の接合面W2jには予め定められた複数、例えば3点の基準点B1〜B3が設定される。これら基準点A1〜A3,B1〜B3としては、例えば上ウェハW1および下ウェハW2上に形成された所定のパターンがそれぞれ用いられる。なお、基準点の数は任意に設定可能である。
まず、図18Aに示すように、上部撮像部281および下部撮像部291の水平方向位置の調節を行う。具体的には、下部撮像部291が上部撮像部281の略下方に位置するように、第1下チャック移動部290と第2下チャック移動部296によって下チャック231を水平方向に移動させる。そして、上部撮像部281と下部撮像部291とで共通のターゲットXを確認し、上部撮像部281と下部撮像部291の水平方向位置が一致するように、下部撮像部291の水平方向位置が微調節される。
次に、図18Bに示すように、第1下チャック移動部290によって下チャック231を鉛直上方に移動させた後、上チャック230と下チャック231の水平方向位置の調節を行う。
具体的には、第1下チャック移動部290と第2下チャック移動部296によって下チャック231を水平方向に移動させながら、上部撮像部281を用いて下ウェハW2の接合面W2jの基準点B1〜B3を順次撮像する。同時に、下チャック231を水平方向に移動させながら、下部撮像部291を用いて上ウェハW1の接合面W1jの基準点A1〜A3を順次撮像する。なお、図18Bは上部撮像部281によって下ウェハW2の基準点B1を撮像するとともに、下部撮像部291によって上ウェハW1の基準点A1を撮像する様子を示している。
撮像された画像データは、制御装置300に出力される。制御装置300では、上部撮像部281で撮像された画像データと下部撮像部291で撮像された画像データとに基づいて、上ウェハW1の基準点A1〜A3と下ウェハW2の基準点B1〜B3とがそれぞれ合致するように、第1下チャック移動部290と第2下チャック移動部296によって下チャック231の水平方向位置を調節させる。こうして上チャック230と下チャック231の水平方向位置が調節され、上ウェハW1と下ウェハW2の水平方向位置が調節される。
次に、図18Cに示すように、第1下チャック移動部290によって下チャック231を鉛直上方に移動させて、上チャック230と下チャック231の鉛直方向位置の調節を行い、当該上チャック230に保持された上ウェハW1と下チャック231に保持された下ウェハW2との鉛直方向位置の調節を行う(ステップS111)。このとき、下ウェハW2の接合面W2jと上ウェハW1の接合面W1jとの間の間隔は所定の距離、例えば80μm〜200μmになっている。
図18Dは、上述したステップS111までの処理が終わった後の上チャック230、上ウェハW1、下チャック231および下ウェハW2の様子を示している。図18Dに示すように、上ウェハW1は、上チャック230のすべての領域230a、230b、230cにおいて真空引きされて保持され、下ウェハW2も下チャック231のすべての領域231a、231bにおいて真空引きされて保持されている。
次に、上ウェハW1と下ウェハW2の接合処理が行われる。具体的には、真空ポンプ241aの作動を停止して、図18Eに示すように、領域230aにおける吸引管240aからの上ウェハW1の真空引きを停止する。このとき、領域230b,230cでは、上ウェハW1が真空引きされて吸着保持されている。その後、基板押圧機構250の押圧ピン253を下降させることによって、上ウェハW1の中心部W1aを押圧しながら当該上ウェハW1を下降させる。このとき、押圧ピン253には、上ウェハW1がない状態で当該押圧ピン253が70μm移動するような荷重、例えば200gがかけられる。このように、基板押圧機構250の押圧ピン253によって、上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aを当接させて押圧する(ステップS112)。
そうすると、押圧された上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aとの間で接合が開始する(図18E中の太線部)。すなわち、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jはそれぞれステップS101,S106において改質されているため、まず、接合面W1j,W2j間にファンデルワールス力(分子間力)が生じ、当該接合面W1j,W2j同士が接合される。さらに、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jはそれぞれステップS102,S107において親水化されているため、接合面W1j,W2j間の親水基が水素結合し、接合面W1j,W2j同士が強固に接合される。
その後、図18Fに示すように、押圧ピン253によって上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aを押圧した状態で、真空ポンプ241bの作動を停止して、領域230bにおける吸引管240bからの上ウェハW1の真空引きを停止する。
そうすると、領域230bに保持されていた上ウェハW1が下ウェハW2上に落下する。さらにその後、真空ポンプ241cの作動を停止して、領域230cにおける吸引管240cからの上ウェハW1の真空引きを停止する。このように上ウェハW1の中心部W1aから周縁部W1bに向けて、上ウェハW1の真空引きを段階的に停止し、上ウェハW1が下ウェハW2上に段階的に落下して当接する。そして、上述した接合面W1j,W2j間のファンデルワールス力と水素結合による接合が中心部W1aから周縁部W1bに向けて順次拡がる。
こうして、図18Gに示すように上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jが全面で当接し、上ウェハW1と下ウェハW2が接合される(ステップS113)。
その後、図18Hに示すように、押圧ピン253を上チャック230まで上昇させる。また、下チャック231において吸引管260a、260bからの下ウェハW2の真空引きを停止して、下チャック231による下ウェハW2の吸着保持を解除する。これにより、接合装置41での接合処理が終了する。
<5.変形例>
次に、ステージカバー90の変形例について図19A〜図19Cを参照して説明する。図19A〜図19Cは、第1〜第3変形例に係るステージカバーの構成を示す拡大模式断面図である。
図19Aに示すように、第1変形例に係るステージカバー90Aは、載置部91Aの下面91Ad1に環状の凸部91Ad2を有し、貫通口カバー部材93Aが備えるフランジ部93Abの上面93Ab1に環状の凹部93Ab2を有する。凸部91Ad2と凹部93Ab2とが非接触で嵌合することによってラビリンス構造が形成される。
このように、ラビリンス構造は、フランジ部93b,93Abの上面93b1,93Ab1および載置部91,91Aの下面91d1,91Ad1の一方に環状の凹部91d2,93Ab2が形成されるとともに、他方に環状の凸部93b2,91Ad2が形成され、凹部91d2,93Ab2と凸部93b2,91Ad2とが非接触で嵌合することによって形成されるものであればよい。
また、ステージカバーは必ずしもラビリンス構造を有することを要しない。この場合、たとえば図19Bに示すように、ステージカバー90Bは、載置部91Bと貫通口カバー部材93Bとが一体的に形成されたものであってもよい。
また、貫通口カバー部材は必ずしも設けられることを要しない。この場合、たとえば図19Cに示すように、ステージカバー90Cは、ステージ80C上に載置される載置部91Cの上面91Caに、第2貫通口91cの周囲を取り囲む環状の突起91Ca1を備えた構成としてもよい。
突起91Ca1は、上述した9つの突起91bと同じ高さを有する。したがって、上ウェハW1または下ウェハW2は、9つの突起91bだけでなく突起91Ca1によっても支持されることとなる。上ウェハW1または下ウェハW2が環状の突起91Ca1に支持されることで、第2貫通口91cは、上ウェハW1または下ウェハW2および環状の突起91Ca1によって塞がれた状態となる。これにより、プラズマの第2貫通口91cへの進入を防止することができる。
上述してきたように、本実施形態に係る表面改質装置30は、上ウェハW1または下ウェハW2(基板の一例)における他の基板との接合面W1j、W2jを処理ガスのプラズマによって改質する表面改質装置である。本実施形態に係る表面改質装置30は、内部を密閉可能な処理容器70と、処理容器70内に処理ガスのプラズマを発生させる下部電極としてのステージ80、給電棒104、整合器105、第1の高周波電源106、上部電極110、整合器111および第2の高周波電源112(プラズマ発生機構の一例)と、処理容器70内に配置されるステージ80と、ステージ80上に載置されるステージカバー90とを備える。ステージカバー90は、載置部91と、環状のフォーカスリング部92とを備える。載置部91は、上ウェハW1または下ウェハW2と対向する上面91a(載置面の一例)と上面91aから突出する少なくとも3つの突起91bとを有し、少なくとも3つの突起91bを用いて上ウェハW1または下ウェハW2を上面91aから浮かせた状態で支持する。フォーカスリング部92は、載置部91と同一の材料を用いて載置部91と一体的に形成され、載置部91の外周部に配置されて、少なくとも3つの突起91bに支持された上ウェハW1または下ウェハW2の外周を取り囲む。
したがって、本実施形態に係る表面改質装置30によれば、ステージ80をプラズマから保護することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。