JP6753938B2 - 硬化性組成物、硬化物、光学部材、レンズ及び化合物 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、ビアリール構造を有する重合性化合物と、このような重合性化合物を含む液晶ディスプレイが開示されている。ビアリール構造を有する重合性化合物としては、ビアリール骨格に、ベンゼン環、シクロヘキサン環、または、シクロヘキセン環が縮合した縮合環含有化合物が挙げられている。なお、特許文献2には、ビアリール骨格に縮合した縮合環の環構成原子がヘテロ原子である例示化合物は開示されていない。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
一般式(1)中、X1、X2、Y1及びY2はそれぞれ独立に、酸素原子、イオウ原子、水素原子もしくは置換基が結合していてもよい窒素原子、又は、水素原子もしくは置換基が結合していてもよい炭素原子であり、
Z1は、X1−C=C−Y1とともに5〜7員の環a1を形成する原子または原子団であって、酸素原子、イオウ原子、窒素原子及び炭素原子から選択される少なくとも1つを含み、
Z2は、X2−C=C−Y2とともに5〜7員の環a2を形成する原子または原子団であって、酸素原子、イオウ原子、窒素原子及び炭素原子から選択される少なくとも1つを含み、
環a1は、環骨格原子として酸素原子、イオウ原子又は窒素原子を有し、X1、Y1及びZ1の環a1骨格原子のうち隣り合う2つの原子を環骨格原子とする縮合環をさらに有していてもよく、
環a2は環骨格原子として酸素原子、イオウ原子又は窒素原子を有し、X2、Y2及びZ2の環a2骨格原子のうち隣り合う2つの原子を環骨格原子とする縮合環をさらに有していてもよく、
A1及びA2は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、A1及びA2の少なくとも一つは、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1つの架橋性基を含む置換基を表し、
R1、R2、R101及びR102は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。
[2] A1及びA2は、それぞれ独立に、下記一般式(2)で表される基である[1]に記載の硬化性組成物;
一般式(2)中、Alkyleneは炭素数2〜6のアルキレン基を表し、L1は−O−、−S−又は−NH−を表し、n1は0〜10の整数を表し、Pは水素原子又は下記一般式(P1)〜(P4)のいずれかで表される基であり、
n1が2以上である時、複数のAlkylene及びL1は互いに異なっていてもよい;
一般式(P1)〜(P4)中、R511、R512、R513、R521、R522、R523、R531、R532、R533、R541、R542、R543、R544及びR545は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、mは0〜2の整数を表し、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、
mが2である時、複数のR11及びR12は互いに異なっていてもよい。
[3] 環a1及び環a2が環骨格原子として窒素原子を有する[1]又は[2]に記載の硬化性組成物。
[4] 一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物である[1]に記載の硬化性組成物;
一般式(3)中、A1及びA2は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、A1及びA2の少なくとも一つは、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1つの架橋性基を含む置換基を表し、
R1〜R5及びR101〜R105は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。
[5] A1及びA2は、それぞれ独立に、下記一般式(4)で表される基である[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化性組成物;
一般式(4)中、Alkyleneは炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R531、R532及びR533はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、n2は0〜10の整数を表し、
n2が2以上である時、複数のAlkyleneは互いに異なっていてもよい。
[6] 一般式(1)で表される化合物とは異なる(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1つと、光ラジカル重合開始剤及び熱ラジカル重合開始剤から選択される少なくとも1つと、をさらに含有する[1]〜[5]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[7] 25℃における粘度が3000mPa・s以上20000mPa・s未満である[1]〜[6]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の硬化性組成物の硬化物。
[9] [8]に記載の硬化物を含む光学部材。
[10] [8]に記載の硬化物を含むレンズ。
[11] 下記一般式(1)で表される化合物;
一般式(1)中、X1、X2、Y1及びY2は、それぞれ独立に、酸素原子、イオウ原子、水素原子もしくは置換基が結合していてもよい窒素原子、又は、水素原子もしくは置換基が結合していてもよい炭素原子であり、
Z1は、X1−C=C−Y1とともに5〜7員の環a1を形成する原子または原子団であって、酸素原子、イオウ原子、窒素原子及び炭素原子から選択される少なくとも1つを含み、
Z2は、X2−C=C−Y2とともに5〜7員の環a2を形成する原子または原子団であって、酸素原子、イオウ原子、窒素原子及び炭素原子から選択される少なくとも1つを含み、
環a1は、環骨格原子として酸素原子、イオウ原子又は窒素原子を有し、X1、Y1及びZ1の環a1骨格原子のうち隣り合う2つの原子を環骨格原子とする縮合環をさらに有していてもよく、
環a2は、環骨格原子として酸素原子、イオウ原子又は窒素原子を有し、X2、Y2及びZ2の環a2骨格原子のうち隣り合う2つの原子を環骨格原子とする縮合環をさらに有していてもよく、
A1及びA2は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、A1及びA2の少なくとも一つは、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1つの架橋性基を含む置換基を表し、
R1、R2、R101及びR102は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。
[12] A1及びA2は、それぞれ独立に、下記一般式(2)で表される基である[11]に記載の化合物;
一般式(2)中、Alkyleneは炭素数2〜6のアルキレン基を表し、L1は−O−、−S−又は−NH−を表し、n1は0〜10の整数を表し、Pは水素原子又は下記一般式(P1)〜(P4)のいずれかで表される基であり、
n1が2以上である時、複数のAlkylene及びL1は互いに異なっていてもよい;
一般式(P1)〜(P4)中、R511、R512、R513、R521、R522、R523、R531、R532、R533、R541、R542、R543、R544及びR545は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、mは0〜2の整数を表し、R11及びR12は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、
mが2である時、複数のR11及びR12は互いに異なっていてもよい。
[13] 環a1及び環a2が環骨格原子として窒素原子を有する[11]又は[12]に記載の化合物。
[14] 一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物である[11]に記載の化合物;
一般式(3)中、A1及びA2は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、A1及びA2の少なくとも一つは、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1つの架橋性基を含む置換基を表し、
R1〜R5及びR101〜R105は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。
[15] A1及びA2は、それぞれ独立に、下記一般式(4)で表される基である[11]〜[14]のいずれかに記載の化合物;
一般式(4)中、Alkyleneは炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R531、R532及びR533はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、n2は0〜10の整数を表し、
n2が2以上である時、複数のAlkyleneは互いに異なっていてもよい。
なお、本明細書中において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタクリレートを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイル及びメタクリロイルを表す。本発明におけるモノマーは、オリゴマー及びポリマーと区別され、重量平均分子量が1,000以下の化合物をいう。
本発明は、下記一般式(1)で表される化合物を含む硬化性組成物に関する。また、本発明は、下記一般式(1)で表される化合物に関する。
A1及びA2は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、A1及びA2の少なくとも一つは、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1つの架橋性基を含む置換基を表す。
R1、R2、R101及びR102は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。
また、一般式(3)におけるR1、R2、R101及びR102の好ましい範囲は、一般式(1)におけるR1、R2、R101及びR102の好ましい範囲と同様である。
本発明は、上述した一般式(1)で表される化合物を含有する硬化性組成物に関する。本発明の硬化性組成物は、特定の構造を有する化合物を含有するため、成形性に優れており、硬化性組成物から硬化物を成形する際の製造効率が高い。これは、本発明の硬化性組成物が成形に適した一定以上の粘度を有していることによるものと考えられる。本発明の硬化性組成物は一般式(1)で表される化合物を含有するため、硬化性組成物の粘度を高めることができ、成形に適した粘度にすることができる。これにより、成形時に成形型から硬化性組成物が漏れ出ること(樹脂漏れ)を抑制することができ、硬化物の製造効率を高めることができる。また、硬化性組成物の粘度を適切な範囲に制御することにより、硬化物の転写性や金型追従性を高めることができ、微細な凹凸(シワ)やクラックの発生が抑制された硬化物を得ることができる。さらに、硬化性組成物が金型外に漏れ出ることにより生じる工程設備の汚染を抑制することもできる。
本発明の硬化性組成物は、一般式(1)で表される化合物とは異なる(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1つを含むことが好ましい。(メタ)アクリレートモノマーは、分子中に2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーであってもよいが、分子中に1つの(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、さらに、下記一般式(13)又は下記一般式(14)で表される非共役ビニリデン基含有化合物を含んでもよい。
また、R21とR22の組又はR25とR26の組のうち、いずれか一方の組のみにおいて2つの置換基の少なくとも一方が水素原子であることが好ましく、いずれか一方の組のみにおいて2つの置換基の両方が水素原子であることがより好ましい。
R21及びR22はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を表し、かつ、炭素数1〜5の炭化水素基が環を形成していないことが好ましい。R21及びR22のうち、一方のみが水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を表し、かつ、炭素数1〜5の炭化水素基が環を形成していないことが好ましい。
本発明では、一般式(14)中、R21、R22、R25及びR26は、それぞれ独立に水素原子及び炭素原子のみからなる置換基を表し、Aは脂環(非芳香性の炭化水素)構造であることが特に好ましい。
合成により製造する場合は、一般式(13)又は(14)で表される非共役ビニリデン基含有化合物の製造方法としては特に制限はなく、公知の方法で合成することができる。例えば、本発明に好ましく用いることができるβ−カリオフィレンを合成する場合は、J.Am.Chem.Soc.85,362(1964)、Tetrahedron Lette.,24,1885(1983)に記載の方法などで、合成することができる。
本発明の硬化性組成物は、光ラジカル重合開始剤及び熱ラジカル重合開始剤から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光ラジカル重合開始剤を用いることができる。
本発明の硬化性組成物は、熱ラジカル重合開始剤を含むことが好ましい。熱ラジカル重合開始剤をあらかじめ硬化性組成物に添加しておくことで、硬化性組成物を熱重合することにより、耐熱性が高い硬化物を成形することができる。
なお、硬化性組成物は、上述した光ラジカル重合開始剤と熱ラジカル重合開始剤の両方を含むことが好ましく、この場合、光ラジカル重合開始剤と熱ラジカル重合開始剤の合計含有量は、硬化性組成物の全質量に対して、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5.0質量%であることがより好ましく、0.05〜3.0質量%であることがさらに好ましい。
本発明の硬化性組成物は必要に応じて増粘剤をさらに含有するものであってもよい。増粘剤は、硬化性組成物の粘度を所望の範囲内に調整する必要がある際にのみ添加されることが好ましい。
以下の構造式において、Ra及びRbは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。なお、1つのポリマー中における、複数のRaは同一であっても、異なっていてもよい。また、nは0〜10の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
本発明では、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、硬化性組成物が、上述した以外のポリマー、モノマー、分散剤、可塑剤、熱安定剤、または、離型剤等の添加剤を含んでいてもよい。
本発明の硬化性組成物を半硬化することで、半硬化物を製造することができる。半硬化物の製造方法は、本発明の硬化性組成物を半硬化する工程を含み、半硬化する工程は、光照射や加熱をする工程とすることができる。
以下、半硬化物の製造方法、及び硬化物の製造方法について、具体的に説明する。なお、硬化物の製造方法は、半硬化物の製造方法を含むため、両者に共通する製造方法の好ましい態様については半硬化物の製造方法において記載する。
半硬化物の製造方法は、硬化性組成物に対して、光照射及び/又は加熱して、25℃、周波数10Hzにおける複素粘度が105〜108mPa・sの半硬化物を得る工程を含むことが好ましい。
半硬化物の製造方法では、硬化性組成物を、光照射及び/又は加熱する前から熱重合するときに用いる成形型に直接設置してもよく、別の型に入れて半硬化物を製造した後で熱重合するときに用いる成形型に移動させてもよい。
本発明は、上述した方法で製造される半硬化物に関するものであってもよい。このような半硬化物は、後述する硬化物の製造方法に好ましく用いることができる。ここで、半硬化物の複素粘度の好ましい範囲は、上述した半硬化物の製造方法における半硬化物の複素粘度の好ましい範囲と同様である。
硬化物の製造方法は、半硬化物を成形型に入れ加圧変形し、加熱して熱重合させるか、もしくは光照射して光重合させることにより硬化物を得る重合工程を含むことが好ましい。
硬化物の製造方法は、本発明の硬化性組成物に対して光照射及び加熱のうち少なくとも一つを行って、25℃、周波数10Hzにおける複素粘度が105〜108mPa・sの半硬化物を得る工程と、半硬化物を成形型に入れ加圧変形し、光照射及び加熱のうち少なくとも一つを行って硬化物を得る重合工程とを含むことが好ましい。なお、硬化物の製造工程における光照射の条件と加熱条件は、上述した半硬化工程における条件と同様である。
本発明は、硬化性組成物の硬化物に関するものでもある。硬化物は、上述した半硬化成分を硬化することで形成される。本発明の硬化物は、上述した硬化物の製造方法によって製造されたものであることが好ましい。
本発明の硬化物は、光学部材用途の中でもレンズなどに用いる観点から、屈折率が高いことが好ましい。本発明の硬化物は、波長589nmにおける屈折率nDが1.58以上であることが好ましく、1.60以上であることがより好ましく、1.61以上であることがさらに好ましい。硬化物の589nmにおける屈折率は、アッベ計(株式会社アタゴ社製)を用いて測定することができる。
本発明の硬化物は、最大厚みが0.1〜10mmであることが好ましい。最大厚みは、より好ましくは0.1〜5mmであり、特に好ましくは0.15〜3mmである。本発明の硬化物は、最大直径が1〜1000mmであることが好ましい。最大直径は、より好ましくは2〜200mmであり、特に好ましくは2.5〜100mmである。このようなサイズの硬化物は、高屈折率を有する光学部材用途として特に有用である。このような厚い成形体は、溶液キャスト法で製造しようとしても溶剤が抜けにくいため一般に容易ではなく、成形が容易ではない。しかしながら、本発明の硬化性組成物を用いれば、成形が容易で、ハンドリング性も高く、高品質な硬化物を得ることができる。
本発明は、上述した硬化物を含む光学部材に関するものでもある。本発明の硬化物は、光学特性に優れた成形体であるため、光学部材に好ましく用いられる。本発明の光学部材の種類は、特に制限されない。特に、硬化性組成物の優れた光学特性を利用した光学部材、特に光を透過する光学部材(いわゆるパッシブ光学部材)として好適に利用することができる。このような光学部材を備えた光学機能装置としては、例えば、各種ディスプレイ装置(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等)、各種プロジェクタ装置(OHP(Overhead projector)、液晶プロジェクタ等)、光ファイバー通信装置(光導波路、光増幅器等)、カメラやビデオ等の撮影装置等が例示される。
本発明の硬化物を用いた光学部材は、特にレンズ基材に好ましく用いられる。本発明の硬化性組成物を用いて製造されたレンズ基材は低アッベ数を有し、好ましくは、高屈折性、光線透過性、軽量性を併せ持ち、光学特性に優れている。また、硬化性組成物を構成するモノマーの種類を適宜調整することにより、レンズ基材の屈折率を任意に調節することが可能である。
なお、本明細書中において「レンズ基材」とは、レンズ機能を発揮することができる単一部材を意味する。レンズ基材の表面や周囲には、レンズの使用環境や用途に応じて膜や部材を設けることができる。例えば、レンズ基材の表面には、保護膜、反射防止膜、ハードコート膜等を形成することができる。また、ガラスレンズ基材や、プラスチックレンズ基材に積層させた複合レンズにすることができる。さらにレンズ基材の周囲を基材保持枠などに嵌入して固定することもできる。ただし、これらの膜や枠などは、レンズ基材に付加される部材であり、本明細書中でいうレンズ基材そのものとは区別される。
レンズ基材は低アッベ数であることから色収差補正レンズに好ましく用いることができ、色収差補正レンズとしては例えば、携帯電話やデジタルカメラ等の撮像用レンズやテレビ、ビデオカメラ等の撮映レンズ、さらには車載レンズ、内視鏡レンズに使用されることが好ましい。
2−ヒドロキシエチルアクリレート100gに、トリエチルアミン132mLと、酢酸ブチル650mLとを加え攪拌した。反応溶液を5℃に保ちつつ、メタンスルホン酸クロリド70mLを1時間かけて滴下した。1時間攪拌後、反応溶液に水500mLを加え、攪拌した後、水層を除去する操作を3回繰り返した。次いで、ジブチルヒドロキシトルエンを30mg加えた後、減圧することで酢酸ブチルを留去し、化合物(A)を160g得た。
2−ヒドロキシエチルアクリレートをエチレングリコールモノアリルエーテルに代えた以外は、化合物(A)の合成と同様にして、化合物(B)を合成した。
CHIRALITY 12 (2000) p510に記載された方法で、前駆体(1)を合成した。
6−キノリノールを7−キノリノールに代えた以外は、前駆体(1)の合成と同様にして、前駆体(2)を合成した。
前駆体(1)7.2gにテトラヒドロフラン50mL、ニトロベンゼン0.05mL、炭酸カリウム13.8g、及びテトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)0.8gを加え攪拌した。得られた反応溶液に、化合物(A)を15g加え、80℃に保ちつつ、5時間反応させた後、トルエンを100mL加え攪拌した。この反応溶液に、水100mLを加え、60℃に保ちつつ攪拌した後、水層を除去する操作を3回繰り返した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(2)を9.2g得た。化合物(2)の1H−NMR(Nuclear Nagnetic Resonance)データは下記の通りであった。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ4.05−4.15ppm(m、4H)、4.25−4.35ppm(m、4H)、5.70−5.85ppm(m,4H)、5.95−6.05ppm(m,2H)、7.20−7.35ppm(m,4H)、7.85ppm(d,2H)、8.15ppm(d,2H)、8.75ppm(dd,2H)
化合物(A)を化合物(B)に代えた以外は、化合物(2)の合成と同様にして、化合物(1)を合成した。化合物(1)の1H−NMRデータは下記の通りであった。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ3.95−4.05ppm(m、4H)、δ4.10−4.20ppm(m、4H)、4.25−4.35ppm(m、4H)、5.20−5.30ppm(m,4H)、5.85−5.95ppm(m,2H)、7.20−7.35ppm(m,4H)、7.85ppm(d,2H)、8.15ppm(d,2H)、8.78pm(dd,2H)
化合物(A)をp−トルエンスルホン酸(2R)−(−)−グリシジル(東京化成工業(株)製)に代えた以外は、化合物(2)の合成と同様にして、化合物(8)を合成した。化合物(8)の1H−NMRデータは下記の通りであった。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ2.63−2.67ppm(dd,2H)、2.83ppm(t,2H)、3.25−3.30ppm(m、2H)、3.75−3.80ppm(m、2H)4.20−4.25ppm(dd、2H)、7.20−7.35ppm(m,4H)、7.85ppm(d,2H)、8.15ppm(d,2H)、8.78ppm(dd,2H)
前駆体(1)を前駆体(2)に代えた以外は、化合物(2)の合成と同様にして、化合物(12)を合成した。化合物(12)の1H−NMRデータは下記の通りであった。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ4.05−4.15ppm(m、4H)、4.25−4.35ppm(m、4H)、5.70−5.85ppm(m,4H)、5.95−6.05ppm(m,2H)、7.18ppm(dd,2H)、7.50ppm(d,2H)7.90ppm(d,2H)、8.20ppm(d,2H)、8.75ppm(dd,2H)
特許第4803331号公報の段落0070を参考にして、比較化合物(1)を合成した。
下記表に記載の組成となるように上記の化合物に下記成分を添加し、攪拌して均一にし、硬化性組成物を調製した。
(メタ)アクリレートモノマーとして、下記の化合物を用いた。
モノマー1:大阪有機化学工業社製、商品名 ビスコート#192 PEA
特許第5898551号公報の段落0102を参考にして、増粘ポリマー(E−1)を合成した。重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)法による標準ポリスチレン換算で38,700、分散度(Mw/Mn)は、3.8であった。
非共役ビニリデン基含有化合物として、下記の化合物(井上香料社製、β−カリオフィレン)を用いた。なお、光学異性体は特に限定する必要はない。
光ラジカル重合開始剤として、下記化合物(BASF社製、Irgacure819)を用いた。
熱ラジカル重合開始剤として、下記化合物を用いた。
パーブチルO:日本油脂株式会社製
パークミルH−80:日本油脂株式会社製
<硬化性組成物の特性(硬化性組成物の25℃、10Hzにおける粘度)>
実施例及び比較例で得た硬化性組成物について、HAAKE社製レオストレスRS600を用いて、25℃、10Hzにおける動的な複素粘度の値を測定し、硬化性組成物の液粘度とした。
上型(天井部型)、胴型、および下型(底部型)からなる直径4.0mmのレンズ形成用の熱成形用金型の天井部型を取り外し、硬化性組成物10mgを注入した。注入した硬化性組成物に対して、Execure3000(HOYA(株)社製)を用いて15mW/cm2の紫外線を20秒間照射し、半硬化物を作製した。ついで、天井部型で半硬化物を挟み込み、熱成形用金型を80℃に加熱した。その後、半硬化物に2.94MPa(30kgf/cm2)の圧力を印加したまま200℃まで昇温し、その後室温まで冷却した。
硬化性組成物を熱成形用金型に注入してから室温に冷却するまでの工程において、熱成形用金型のクリアランス(胴型と上下型の間に形成される隙間)へ硬化性組成物(樹脂)が漏れた重量を測定し、以下の基準で評価した。なお、B評価以上を合格レベルとした。
A:硬化性組成物(樹脂)漏れ量が、0.1mg未満であった。
B:硬化性組成物(樹脂)漏れ量が、0.1mg以上0.2mg未満であった。
C:硬化性組成物(樹脂)漏れ量が、0.2mg以上であった。
直径10mm、厚み1mmの透明ガラス型に実施例及び比較例で得た硬化性組成物を注入し、Execure3000(HOYA(株)社製)を用いて15mW/cm2の紫外線を20秒間照射し、半硬化物を得た。次いで、得られた半硬化物を透明ガラス型から取り出して、ホットプレートを用いて200℃で5分間加熱し、硬化物を得た。得られた硬化物の589nmにおける屈折率を、アッベ計(株式会社アタゴ社製)を用いて測定し、硬化物の屈折率とした。589nmにおける屈折率が1.58以上を合格レベルとした。
金型成形型(硬化性組成物と接する面がレンズ形成用の曲面である)に実施例及び比較例で得た硬化性組成物を200mg注入した。次いで、硬化性組成物の金型成形型と接していない側のすべての表面上を覆うように透明なガラスレンズ(硝材BK−7、屈折率1.509)を被せて、硬化性組成物のすべての表面が金型成形型またはガラスレンズに接するように(泡が混入しないように)充填した状態とした。この状態とした後、ガラスレンズの上方から、Execure3000(HOYA(株)社製)を用いて15mW/cm2の紫外線を20秒間照射し、半硬化物を作製した。ついで、金型成形型およびガラスレンズによって挟まれた状態を維持したまま、半硬化物に0.196MPa(2kgf/cm2)の圧力を印加しながら200℃まで昇温した後、室温まで冷却した。その後、硬化性組成物の硬化物(高さ200μm)とガラスレンズが積層された複合レンズとを、金型成形型から取り出した。以下の評価に用いるために上記の工程を10回繰り返し、10個の複合レンズを作製した。
(転写性)
上記のとおり作製した各複合レンズの外観を、Taylor−Hobson社製Form Talysurf S5C及びキーエンス社製デジタルマイクロスコープ(商品名:VHX−1000)を用いて評価した。
レンズのフランジ部表面に、微細な凹凸(シワ)又はレンズにクラックが発生しているものを不良品、発生していないものを良品とした。10個の複合レンズを評価し、そのうちの良品の割合を良品率とし、以下の基準で評価した。
A:良品率が80%以上であった。
B:良品率が50%以上80%未満であった。
C:良品率が50%未満であった。
また、一般式(1)で表される化合物の部分構造Aが(メタ)アクリロイル基の化合物である場合は、複合レンズの転写性がより良好となった。
Claims (15)
- 下記一般式(1)で表される化合物を含む硬化性組成物;
一般式(1)中、X1、X2、Y1及びY2は、それぞれ独立に、酸素原子、イオウ原子、水素原子もしくは置換基が結合していてもよい窒素原子、又は、水素原子もしくは置換基が結合していてもよい炭素原子であり、
Z1は、X1−C=C−Y1とともに5〜7員の環a1を形成する原子または原子団であって、酸素原子、イオウ原子、窒素原子及び炭素原子から選択される少なくとも1つを含み、
Z2は、X2−C=C−Y2とともに5〜7員の環a2を形成する原子または原子団であって、酸素原子、イオウ原子、窒素原子及び炭素原子から選択される少なくとも1つを含み、
環a1は、環骨格原子として酸素原子、イオウ原子又は窒素原子を有し、X1、Y1及びZ1の環a1骨格原子のうち隣り合う2つの原子を環骨格原子とする縮合環をさらに有していてもよく、
環a2は、環骨格原子として酸素原子、イオウ原子又は窒素原子を有し、X2、Y2及びZ2の環a2骨格原子のうち隣り合う2つの原子を環骨格原子とする縮合環をさらに有していてもよく、
A1及びA2は、それぞれ独立に、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1つの架橋性基を含む置換基を表し、
R1、R2、R101及びR102は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。 - 前記A1及び前記A2は、それぞれ独立に、下記一般式(2)で表される基である請求項1に記載の硬化性組成物;
一般式(2)中、Alkyleneは炭素数2〜6のアルキレン基を表し、L1は−O−、−S−又は−NH−を表し、n1は0〜10の整数を表し、Pは下記一般式(P1)〜(P4)のいずれかで表される基であり、
n1が2以上である時、複数のAlkylene及びL1は互いに異なっていてもよい;
一般式(P1)〜(P4)中、R511、R512、R513、R521、R522、R523、R531、R532、R533、R541、R542、R543、R544及びR545は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、mは0〜2の整数を表し、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、
mが2である時、複数のR11及びR12は互いに異なっていてもよい。 - 前記環a1及び前記環a2が環骨格原子として窒素原子を有する請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
- 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物である請求項1に記載の硬化性組成物;
一般式(3)中、A1及びA2は、それぞれ独立に、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1つの架橋性基を含む置換基を表し、
R1〜R5及びR101〜R105は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。 - 前記A1及び前記A2は、それぞれ独立に、下記一般式(4)で表される基である請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物;
一般式(4)中、Alkyleneは炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R531、R532及びR533は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、n2は0〜10の整数を表し、
n2が2以上である時、複数のAlkyleneは互いに異なっていてもよい。 - 前記一般式(1)で表される化合物とは異なる(メタ)アクリレートモノマーの少なくとも1つと、光ラジカル重合開始剤及び熱ラジカル重合開始剤から選択される少なくとも1つと、をさらに含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 25℃における粘度が3000mPa・s以上20000mPa・s未満である請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物の硬化物。
- 請求項8に記載の硬化物を含む光学部材。
- 請求項8に記載の硬化物を含むレンズ。
- 下記一般式(1)で表される化合物;
一般式(1)中、X1、X2、Y1及びY2は、それぞれ独立に、酸素原子、イオウ原子、水素原子もしくは置換基が結合していてもよい窒素原子、又は、水素原子もしくは置換基が結合していてもよい炭素原子であり、
Z1は、X1−C=C−Y1とともに5〜7員の環a1を形成する原子または原子団であって、酸素原子、イオウ原子、窒素原子及び炭素原子から選択される少なくとも1つを含み、
Z2は、X2−C=C−Y2とともに5〜7員の環a2を形成する原子または原子団であって、酸素原子、イオウ原子、窒素原子及び炭素原子から選択される少なくとも1つを含み、
環a1は、環骨格原子として酸素原子、イオウ原子又は窒素原子を有し、X1、Y1及びZ1の環a1骨格原子のうち隣り合う2つの原子を環骨格原子とする縮合環をさらに有していてもよく、
環a2は、環骨格原子として酸素原子、イオウ原子又は窒素原子を有し、X2、Y2及びZ2の環a2骨格原子のうち隣り合う2つの原子を環骨格原子とする縮合環をさらに有していてもよく
A1及びA2は、それぞれ独立に、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1つの架橋性基を含む置換基を表し、
R1、R2、R101及びR102は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。 - 前記A1及び前記A2は、それぞれ独立に、下記一般式(2)で表される基である請求項11に記載の化合物;
一般式(2)中、Alkyleneは炭素数2〜6のアルキレン基を表し、L1は−O−、−S−又は−NH−を表し、n1は0〜10の整数を表し、Pは下記一般式(P1)〜(P4)のいずれかで表される基であり、
n1が2以上である時、複数のAlkylene及びL1は互いに異なっていてもよい;
一般式(P1)〜(P4)中、R511、R512、R513、R521、R522、R523、R531、R532、R533、R541、R542、R543、R544及びR545は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、mは0〜2の整数を表し、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、
mが2である時、複数のR11及びR12は互いに異なっていてもよい。 - 前記環a1及び前記環a2が環骨格原子として窒素原子を有する請求項11又は12に記載の化合物。
- 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物である請求項11に記載の化合物;
一般式(3)中、A1及びA2は、それぞれ独立に、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基及び(メタ)アクリロイル基から選択される少なくとも1つの架橋性基を含む置換基を表し、
R1〜R5及びR101〜R105は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。 - 前記A1及び前記A2は、それぞれ独立に、下記一般式(4)で表される基である請求項11〜14のいずれか1項に記載の化合物;
一般式(4)中、Alkyleneは炭素数2〜6のアルキレン基を表し、R531、R532及びR533は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、n2は0〜10の整数を表し、
n2が2以上である時、複数のAlkyleneは互いに異なっていてもよい。
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