JP6754202B2 - K−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセット、K−ras遺伝子増幅用キット、K−ras遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法 - Google Patents
K−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセット、K−ras遺伝子増幅用キット、K−ras遺伝子増幅方法、多型解析方法、及び薬効判定方法 Download PDFInfo
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Description
G13D変異型のK−ras遺伝子を検出する場合、被験検体中のG13D変異型のK−ras遺伝子のコピー数が、コドン13が野生型であるK−ras遺伝子のコピー数に対して十分に多ければ、このような特異性が高くないプライマーを用いた場合にも正しい判定が行われるかもしれない。
しかし、腫瘍等に由来するG13D変異型のK−ras遺伝子のコピー数が、正常組織に由来する野生型のK−ras遺伝子のコピー数に対して著しく少ない場合には、コピー数が多い野生型のK−ras遺伝子にG13D変異型アリルに特異的なプライマーが結合して非特異的な核酸増幅が行われやすい。被験検体中のG13D変異型のK−ras遺伝子のコピー数が、コドン13が野生型のK−ras遺伝子のコピー数に対して著しく少ない場合としては、例えば、被験検体である腫瘍組織に正常組織が多く混入している場合や、被験検体として循環血中のDNAを使用する場合、などが挙げられる。
一方で、G13D変異型アリルに非特異的な増幅反応を抑制しようとすると、十分なコピー数が存在しないG13D変異型アリルの核酸増幅は効率的に行われず、偽陰性を生じやすい。
特に、高い検出感度を得るために高い効率で核酸増幅を行う必要がある場合には、アリル特異性と増幅効率との両立が高いレベルで要求されるため一層困難である。
<1> 下記(1)、(2)又は(3)のフォワードプライマーセットである、核酸増幅法によりK−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅するためのK−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセット:
(1)配列番号1の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
を含むフォワードプライマーセット、
(2)配列番号2の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
を含むフォワードプライマーセット、
(3)配列番号2の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
を含むフォワードプライマーセット。
<2> <1>に記載のK−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセットを用いるK−ras遺伝子増幅方法。
<3> 試料中の核酸を鋳型として、前記K−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセットを一反応液中で用いてK−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅すること、を含む<2>に記載のK−ras遺伝子増幅方法。
<4> <2>又は<3>に記載のK−ras遺伝子増幅方法によりK−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅することと、
前記増幅の増幅産物から得た一本鎖核酸と、前記増幅産物から得た一本鎖核酸にハイブリダイズするプローブとのハイブリッドを形成することと、
前記ハイブリッドを含む反応液の温度を変化させ、前記ハイブリッドの解離状態に基づくシグナルの変動を測定することと、
前記シグナルの変動に基づいてK−ras遺伝子のコドン13の多型を解析することと、を含む多型解析方法。
<5> 前記増幅することと、前記ハイブリッドを形成することとが同時に進行する、<4>に記載の多型解析方法。
<6> 前記プローブがK−ras遺伝子のコドン13を含む領域にハイブリダイズするプローブである、<4>又は<5>に記載の多型解析方法。
<7> 前記プローブが蛍光標識化プローブである、<4>〜<6>のいずれか一つに記載の多型解析方法。
<8> <4>〜<7>のいずれか一つに記載の多型解析方法によりK−ras遺伝子のコドン13の多型を解析することと、
前記解析で得た解析結果に基づいて薬剤の薬効を判定することと、を含む薬効判定方法。
<9> 前記薬剤が抗上皮成長因子受容体抗体薬である、<8>に記載の薬効判定方法。
<10> <1>に記載のK−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセットを含む、K−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅するためのK−ras遺伝子増幅用キット。
<11> K−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅するための1以上のリバースプライマーを含む、<10>に記載のK−ras遺伝子増幅用キット。
<12> K−ras遺伝子のコドン13を含む領域にハイブリダイズするプローブを含む、<10>又は<11>に記載のK−ras遺伝子増幅用キット。
<13> 前記プローブが蛍光標識化プローブである、<12>に記載のK−ras遺伝子増幅用キット。
また、本明細書において組成物中のある成分の量について言及する場合、組成物中に当該成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に別途定義しない限り、当該量は、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
また、本明細書において「Tm値」とは、二本鎖核酸が解離する温度(融解温度:Tm)であって、一般に、260nmにおける吸光度が吸光度全上昇分の50%に達した時点の温度と定義される。二本鎖核酸、例えば二本鎖DNAを含む溶液を加熱していくと、260nmにおける吸光度が上昇する。これは、二本鎖DNAにおける両鎖間の水素結合が加熱によってほどけ、一本鎖DNAに解離(DNAの融解)することが原因である。そして、全ての二本鎖DNAが解離して一本鎖DNAになると、その吸光度が加熱開始時の吸光度(二本鎖DNAのみの吸光度)の約1.5倍程度を示し、これによって解離が完了したと判断できる。Tm値は、この現象に基づき設定される。
本発明の一実施形態にかかるK−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセット(以下、単に「本発明のフォワードプライマーセット」という。)は、下記フォワードプライマーセット(1)、(2)又は(3)であり、核酸増幅法によりK−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅するために用いられる。
フォワードプライマーセット(1)
配列番号1の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
を含むフォワードプライマーセット、
フォワードプライマーセット(2)
配列番号2の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
を含むフォワードプライマーセット、
フォワードプライマーセット(3)
配列番号2の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
を含むフォワードプライマーセット。
このような本発明のフォワードプライマーセットによれば、K−ras遺伝子のコドン13を含む領域を野生型又は変異型それぞれについて特異性高く、且つ、高効率に増幅することができる。
配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマー、配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマー及び配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーは、それぞれK−ras遺伝子のG13D変異型のコドン13を含む領域を特異的に増幅するためのフォワードプライマーである。
・配列番号1: CTAGCtagttggagctggtgG
・配列番号2: CTAGCagttggagctggtgG
・配列番号3:TGCTCtggtagttggagctggtgA
・配列番号4: TGCTCggtagttggagctggtgA
・配列番号5: TGCTCgtagttggagctggtgA
配列番号1〜配列番号5において、3’末端の大文字で示されている塩基はK−ras遺伝子のコドン13の多型部位に対応する塩基である。また、5’末端の大文字で示されている塩基は、各プライマーのK−ras遺伝子の結合領域には相補性を有さない、人工的に付加した配列である。
配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマー、配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマー及び配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーは、それぞれ3’末端の塩基がアデニン(A)であり、G13D変異型K−ras遺伝子のアンチセンス鎖の多型部位と相補性を有している。
本発明のフォワードプライマーセットは、組織試料、全血試料等の生体試料におけるK−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅する際に使用することが好ましい。
本発明の一実施形態にかかるK−ras遺伝子増幅方法(以下、単に「本発明のK−ras遺伝子増幅方法」という。)は、試料中の核酸を鋳型として、前記フォワードプライマーセット(1)〜(3)のいずれか1つを用いて、K−ras遺伝子のコドン13を含む領域を野生型の及びG13D変異型それぞれに特異的に増幅する方法である。前記K−ras遺伝子増幅方法によれば、野生型のコドン13又はG13D変異型のコドン13それぞれに特異性高く、且つ、高効率にK−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅することができる。また、本発明のK−ras遺伝子増幅方法においては、本発明のフォワードプライマーセットを一反応液中で用いて核酸増幅を行うこともできる。
上記反応液におけるアルブミンの添加割合は、例えば、0.01質量%〜2質量%であり、好ましくは0.1質量%〜1質量%であり、より好ましくは0.2質量%〜0.8質量%である。アルブミンとしては、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン、ラット血清アルブミン、ウマ血清アルブミン等が挙げられ、特に制限されない。これらのアルブミンはいずれか1種類を使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
PCR反応液における各種プライマーの添加割合は、特に制限されない。例えば、上記プライマーセット(1)、(2)又は(3)を用いたときの2つのフォワードプライマー及びリバースプライマーの合計の添加割合は、0.01μmol/L〜50μmol/Lであることが好ましく、0.5μmol/L〜5μmol/Lであることがより好ましい。
また、2つのフォワードプライマーの合計の添加割合は、0.01μmol/L〜10μmol/Lであることが好ましく、0.1μmol/L〜1μmol/Lであることがより好ましい。リバースプライマーの添加割合は、0.05μmol/L〜50μmol/Lであることが好ましく、0.5μmol/L〜5μmol/Lであることがより好ましい。
PCR反応液中のDNAポリメラーゼの添加割合は、目的核酸を増幅する目的で当業界において通常用いられる割合であればよい。
溶媒としては、Tris−HCl、Tricine、MES(2-morpholinoethanesulfonic acid)、MOPS(3-morpholinopropanesulfonic acid)、HEPES(4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid)、CAPS(N-cyclohexyl-3-aminopropanesulfonic acid)等の緩衝液が挙げられ、市販のPCR用緩衝液やPCRキットに付属の緩衝液等をそのまま使用すればよい。
また、PCR反応液には、グリセロール、ヘパリン、ベタイン、NaN3、KCl、MgCl2、MgSO4等が含まれていてもよい。
例えば、合計100サイクル以下、好ましくは70サイクル以下、より好ましくは50サイクル以下である。各工程の温度変化は、例えば、サーマルサイクラー等を用いて自動的に制御すればよい。なお、アニーリング工程と伸長工程とを同じ温度条件とし、2工程でPCRを行ってもよい。
核酸増幅に使用するリバースプライマーは特に制限されず、従来公知の方法によって設定できる。当業者は、本発明の一実施形態にかかるフォワードプライマーセットと組み合わせてK−ras遺伝子のコドン13を含む領域の核酸を増幅することができるリバースプライマーを得ることができる。
リバースプライマーは、本発明のフォワードプライマーセットに含まれるフォワードプライマーと近いTm値に設定することが好ましい。例えば、フォワードプライマーのTm値との差が10℃以内に設定することが好ましく、5℃以内に設定することがより好ましい。Tm値の算出は後述の通りに行うことができる。このようなプライマーの設計手法は当業者に公知である。例えば、OligoAnalyzer(http://sg.idtdna.com/calc/analyzer)などの設計ツールが公開されており、これらを用いることもできる。
増幅産物の塩基長は特に制限されないが、例えば、50mer〜1000mer、又は80mer〜200merに設定することができる。
・配列番号7:ggtcctgcaccagtaatatgca
本発明の一実施形態にかかる多型解析方法(以下、単に「本発明の多型解析方法」という。)は、本発明のK−ras遺伝子増幅方法によりK−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅する増幅工程と、上記増幅工程で得られた増幅産物の一本鎖増幅核酸と、K−ras遺伝子のコドン13の多型部位を含む領域にハイブリダイズ可能なプローブとのハイブリッドを形成するハイブリッド形成工程と、上記ハイブリッドを含む反応液の温度を変化させ、上記ハイブリッドの解離状態に基づくシグナルの変動を測定するシグナル測定工程と、上記シグナルの変動に基づいてK−ras遺伝子のコドン13の多型を解析する解析工程と、を含むものである。本発明の多型解析方法によれば、試料中の核酸を鋳型として、K−ras遺伝子のコドン13の遺伝子多型部位が野生型である核酸及びK−ras遺伝子のコドン13の遺伝子多型部位がG13D変異型である核酸を、同一反応液において同時に高効率且つ野生型又はG13D変異型それぞれに特異性高く増幅し、K−ras遺伝子のコドン13の多型を解析することができる。
上記反応液における多型解析用プローブの添加割合は特に制限されない。例えば、多型解析用プローブを10nmol/L〜400nmol/Lの範囲となるように添加することが好ましく、20nmol/L〜200nmol/Lの範囲となるように添加することがより好ましい。
例えば、解離における加熱温度は、上記増幅産物が解離できる温度であれば特に制限されないが、例えば、85℃〜95℃である。加熱時間も特に制限されないが、通常、1秒間〜10分間であり、好ましくは1秒間〜5分間である。また、解離した一本鎖増幅核酸と多型解析用プローブとのハイブリダイズは、例えば、解離後、解離における加熱温度を降下させることによって行うことができる。温度条件は、例えば40℃〜50℃である。
このようなグアニン消光プローブが検出目的配列にハイブリダイズすると、蛍光色素で標識化された末端のシトシン(C)が検出目的配列におけるグアニン(G)に近づくことによって、蛍光色素の発光が弱くなる(蛍光強度が減少する)という現象を示す。このようなグアニン消光プローブを使用すれば、シグナルの変動により、ハイブリダイズと解離とを容易に確認することができる。標識物質は、通常、ヌクレオチドのリン酸基に結合することができる。
Tm値の決定は、例えば、以下のようにして行うことができる。前述のように、例えば、末端のC塩基が標識化された標識化プローブ(グアニン消光プローブ)を使用した場合、得られた蛍光強度の変動から、各温度における単位時間当たりの蛍光強度変化量を算出する。変化量を(−d(蛍光強度増加量)/dt)とする場合は、例えば、最も低い値を示す温度をTm値として決定することができる。また、変化量を(d(蛍光強度増加量)/dt)とする場合は、例えば、最も高い値を示す温度をTm値として決定することができる。
なお、標識化プローブとして、単独でシグナルを示さず且つハイブリッド形成によりシグナルを示すプローブを使用した場合には、反対に、蛍光強度の減少量を測定すればよい。
例えば、K−ras遺伝子のG13D変異型のコドン13を検出する場合、その変異型塩基を含む検出目的配列に完全に相補的な多型解析用プローブを使用し、形成したハイブリッドのTm値が、基準値として予め決定しておいた完全に相補的なハイブリッドのTm値と同じであれば、目的塩基はG13D変異型と判断できる。また、形成したハイブリッドのTm値が、基準値として予め決定しておいた一塩基異なるハイブリッドのTm値と同じ(完全に相補的なハイブリッドのTm値よりも低い値)であれば、目的塩基は野生型と判断できる。また、両方のTm値が検出された場合には、G13D変異型を示す核酸と野生型を示す核酸とが共存していると決定できる。
図1(A)に、ある1つの核酸混合物の温度と吸光度または蛍光強度等の検出信号との関係で表された融解曲線、及び同図(B)微分融解曲線を示す。この微分融解曲線からピークを検出することにより、核酸Wtの融解温度TmW及び核酸Mtの融解温度TmMを検出して、TmW及びTmMを含む温度範囲の各々を設定する。
なお、温度範囲ΔTW及び温度範囲ΔTMは、同一の幅(例えば、10℃)または異なる幅(例えば、温度範囲ΔTWが10℃、温度範囲ΔTMが7℃)となるように設定してもよい。また、温度範囲ΔTW及び温度範囲ΔTMは、それぞれの融解温度TmからプラスX℃、マイナスX℃の幅(X℃は例えば15℃以内、望ましくは10℃以内)というように設定してもよい。
ただし、Tsは各温度範囲における下限値、Teは上限値である。また、各温度Tにおけるベース値B(T)は、下記(2)式により求まる値であり、検出信号に含まれるバックグラウンドレベルを表すものである。このベース値を検出信号の微分値から減算することにより、検出信号に含まれるバックグラウンドの影響を除去する。
ただし、a={f(Te)−f(Ts)}/(Te−Ts)である。
面積比は、下記(3)式により求めることができる。
例えば、K−ras遺伝子のG13D変異型の存在の有無の判定は、上記(3)式の面積比のカットオフ値を10%と設定し、10%以上であればG13D変異型のコドン13が存在する(陽性)であると判定してもよい。カットオフ値は、希望する検出感度及び特性に応じて適宜設定すればよい。
多型解析用プローブは、特に制限されず、従来公知の方法によって設定できる。例えば、遺伝子多型部位を含む検出対象配列として、K−ras遺伝子のセンス鎖の配列に基づいて設計してもよいし、アンチセンス鎖の配列に基づいて設計してもよい。また、遺伝子多型部位を含む領域に結合するよう設計し、野生型及び変異型それぞれとの親和性が異なるように設計してもよい。あるいは、遺伝子多型部位を含まない領域に結合するよう設計してもよい。当業者は、適用する多型解析の方法に応じて、好適なプローブを従来公知の方法によって設計することができる。
本発明の一実施形態にかかる薬効判定方法(以下、単に「本発明の薬効判定方法」という。)は、本発明の多型解析方法によりK−ras遺伝子のコドン13の多型を解析することと、上記解析における解析結果に基づいて薬剤の薬効を判定することと、を含むものである。
得られた判定結果は、薬剤の効果の予測に用いることができるほか、投与量の変更、他の薬剤への切り替え等を含めた治療方針の決定に用いることができる。
例えば、K−ras遺伝子のコドン13がG13D変異型であった場合、抗EGFR抗体薬の薬効が低いと予測されるため、他の薬剤への切り替えを行うことができる。薬剤の効果の予測、投与量の変更、他の薬剤への切り替え等を含めた治療方針の決定は、K−ras遺伝子の他の変異の有無や、他の関連遺伝子の遺伝子型の判定と組み合わせて行ってもよい。
また、薬剤は抗EGFR抗体薬に限られず、K−ras遺伝子のコドン13が野生型かG13D変異型かにより薬効に差異がある薬剤であればよい。
本発明の一実施形態にかかるK−ras遺伝子遺伝子増幅用キット(以下、単に「本発明のキット」という。)は、本発明のフォワードプライマーセットを含むものであり、核酸増幅法によりK−ras遺伝子のコドン13を含む目的領域を増幅するために用いられる。本発明のキットが本発明のフォワードプライマーセットを含むことにより、K−ras遺伝子のコドン13の遺伝子多型部位を含む領域を、野生型及びG13D変異型それぞれに特異的性高く且つ効率的に増幅することができる。
本発明のキットは、本発明のフォワードプライマーセットを用いた遺伝子増幅法により得られる増幅産物を検出するために、増幅産物にハイブリダイズ可能な各プローブをさらに含むことが好ましい。このプローブは、前述のように、蛍光標識化プローブであることが好ましい。リバースプライマー及びプローブについては、前述したリバースプライマー及びプローブに関する事項をそのまま適用することができる。
なお、「別個に収容」とは、各試薬が非接触状態を維持できるように区分けされていればよく、必ずしも独立して取扱い可能な個別の容器に収容される必要はない。
野生型特異的増幅用プライマー4種と、G13D変異型特異的増幅用プライマー3種との全ての組み合わせについて評価を行った。
また、表4に示す塩基配列中、大文字の塩基は、K−ras遺伝子のコドン13のG13D遺伝子多型部位に対応する塩基であることを示す。
PCRは、95℃で60秒間処理した後、95℃で1秒間及び58℃で15秒間を1サイクルとして、50サイクル繰り返した。
Tm解析は、95℃で1秒間、40℃で60秒間処理し、続けて温度の上昇速度1℃/3秒で40℃から95℃まで温度を上昇させ、その間の経時的な蛍光強度の変化を測定した。なお、Tm解析における蛍光色素BODIPY FLの励起波長は420nm〜485nmであり、検出波長は520nm〜555nmである。
式中、「野生型特異的ピーク」はTm値解析の微分融解曲線における、コドン13が野生型であるK−ras遺伝子に特異的なピークであり、「変異型特異的ピーク」は、コドン13がG13D変異型であるK−ras遺伝子に特異的なピークである。ピークの面積は前述の通り算出した。前述の方法において、温度範囲ΔTW及び温度範囲ΔTMはいずれもは6°Cとした。
上記式によって求められた面積比(%)が10%以上であった場合にG13D変異型K−ras遺伝子が存在する(陽性)、10%未満であった場合にG13D変異型K−ras遺伝子が存在しない(陰性)と判定した。
野生型テンプレートを用いたときのTm値解析によって得た微分融解曲線を図2に、0.3%変異型テンプレートを用いたときのTm値解析によって得た微分融解曲線を図3に、それぞれ示す。
また、K−ras遺伝子の全コピー数に対して0.3%のコピー数が含まれるコドン13がG13D変異型であるK−ras遺伝子を偽陽性無く検出することができるということは、循環血中に存在する腫瘍由来のコドン13がG13D変異型であるK−ras遺伝子を、臨床上使用できる程度に検出可能であることを示している。
Claims (12)
- 下記(1)、(2)又は(3)のフォワードプライマーセットである、核酸増幅法によりK−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅するためのK−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセット:
(1)配列番号1の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、配列番号3の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
を含むフォワードプライマーセット、
(2)配列番号2の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、配列番号4の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
を含むフォワードプライマーセット、
(3)配列番号2の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、配列番号5の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるフォワードプライマーと、
を含むフォワードプライマーセット。 - 請求項1に記載のK−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセットを用いるK−ras遺伝子増幅方法。
- 試料中の核酸を鋳型として、前記K−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセットを一反応液中で用いてK−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅すること、を含む請求項2に記載のK−ras遺伝子増幅方法。
- 請求項2又は請求項3に記載のK−ras遺伝子増幅方法によりK−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅することと、
前記増幅の増幅産物から得た一本鎖核酸と、前記増幅産物から得た一本鎖核酸にハイブリダイズするプローブとのハイブリッドを形成することと、
前記ハイブリッドを含む反応液の温度を変化させ、前記ハイブリッドの解離状態に基づくシグナルの変動を測定することと、
前記シグナルの変動に基づいてK−ras遺伝子のコドン13の多型を解析することと、を含む多型解析方法。 - 前記増幅することと、前記ハイブリッドを形成することとが同時に進行する、請求項4に記載の多型解析方法。
- 前記プローブがK−ras遺伝子のコドン13を含む領域にハイブリダイズするプローブである、請求項4又は請求項5に記載の多型解析方法。
- 前記プローブが蛍光標識化プローブである、請求項4〜請求項6のいずれか一項に記載の多型解析方法。
- 請求項4〜請求項7のいずれか一項に記載の多型解析方法によりK−ras遺伝子のコドン13の多型を解析することと、
前記コドン13が野生型である場合と比較して、コドン13の多型がG13D変異型であった場合に抗上皮成長因子受容体抗体薬の薬効が低いと判定することと、を含む薬効判定方法。 - 請求項1に記載のK−ras遺伝子増幅用フォワードプライマーセットを含む、K−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅するためのK−ras遺伝子増幅用キット。
- K−ras遺伝子のコドン13を含む領域を増幅するための1以上のリバースプライマーを含む、請求項9に記載のK−ras遺伝子増幅用キット。
- K−ras遺伝子のコドン13を含む領域にハイブリダイズするプローブを含む、請求項9又は請求項10に記載のK−ras遺伝子増幅用キット。
- 前記プローブが蛍光標識化プローブである、請求項11に記載のK−ras遺伝子増幅用キット。
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