以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
図1は、一実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。図1に示すプラズマ処理装置1は、チャンバ本体12、及び、マイクロ波出力装置16を備えている。プラズマ処理装置1は、ステージ14、アンテナ18、及び、誘電体窓20を更に備え得る。
チャンバ本体12は、その内部に処理空間Sを提供している。チャンバ本体12は、側壁12a及び底部12bを有している。側壁12aは、略筒形状に形成されている。この側壁12aの中心軸線は、鉛直方向に延びる軸線Zに略一致している。底部12bは、側壁12aの下端側に設けられている。底部12bには、排気用の排気孔12hが設けられている。また、側壁12aの上端部は開口している。
側壁12aの上端部の上には誘電体窓20が設けられている。この誘電体窓20は、処理空間Sに対向する下面20aを有する。誘電体窓20は、側壁12aの上端部の開口を閉じている。この誘電体窓20と側壁12aの上端部との間にはOリング19が介在している。このOリング19により、チャンバ本体12の密閉がより確実なものとなる。
ステージ14は、処理空間S内に収容されている。ステージ14は、鉛直方向において誘電体窓20と対面するように設けられている。また、ステージ14は、誘電体窓20と当該ステージ14との間に処理空間Sを挟むように設けられている。このステージ14は、その上に載置される被加工物WP(例えば、ウエハ)を支持するように構成されている。
一実施形態において、ステージ14は、基台14a及び静電チャック14cを含んでいる。基台14aは、略円盤形状を有しており、アルミニウムといった導電性の材料から形成されている。基台14aの中心軸線は、軸線Zに略一致している。この基台14aは、筒状支持部48によって支持されている。筒状支持部48は、絶縁性の材料から形成されており、底部12bから垂直上方に延びている。筒状支持部48の外周には、導電性の筒状支持部50が設けられている。筒状支持部50は、筒状支持部48の外周に沿ってチャンバ本体12の底部12bから垂直上方に延びている。この筒状支持部50と側壁12aとの間には、環状の排気路51が形成されている。
排気路51の上部には、バッフル板52が設けられている。バッフル板52は、環形状を有している。バッフル板52には、当該バッフル板52を板厚方向に貫通する複数の貫通孔が形成されている。このバッフル板52の下方には上述した排気孔12hが設けられている。排気孔12hには、排気管54を介して排気装置56が接続されている。排気装置56は、自動圧力制御弁(APC:Automatic Pressure Control valve)と、ターボ分子ポンプといった真空ポンプとを有している。この排気装置56により、処理空間Sを所望の真空度まで減圧することができる。
基台14aは、高周波電極を兼ねている。基台14aには、給電棒62及びマッチングユニット60を介して、RFバイアス用の高周波電源58が電気的に接続されている。高周波電源58は、被加工物WPに引き込むイオンのエネルギーを制御するのに適した一定の周波数、例えば、13.65MHzの高周波(以下適宜「バイアス用高周波」という)を、設定されたパワーで出力する。マッチングユニット60は、高周波電源58側のインピーダンスと、主に電極、プラズマ、チャンバ本体12といった負荷側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合器を収容している。この整合器の中には自己バイアス生成用のブロッキングコンデンサが含まれている。
基台14aの上面には、静電チャック14cが設けられている。静電チャック14cは、被加工物WPを静電吸着力で保持する。静電チャック14cは、電極14d、絶縁膜14e、及び、絶縁膜14fを含んでおり、概ね円盤形状を有している。静電チャック14cの中心軸線は軸線Zに略一致している。この静電チャック14cの電極14dは、導電膜によって構成されており、絶縁膜14eと絶縁膜14fの間に設けられている。電極14dには、直流電源64がスイッチ66及び被覆線68を介して電気的に接続されている。静電チャック14cは、直流電源64より印加される直流電圧により発生するクーロン力によって、被加工物WPを吸着保持することができる。また、基台14a上には、フォーカスリング14bが設けられている。フォーカスリング14bは、被加工物WP及び静電チャック14cを囲むように配置される。
基台14aの内部には、冷媒室14gが設けられている。冷媒室14gは、例えば、軸線Zを中心に延在するように形成されている。この冷媒室14gには、チラーユニットからの冷媒が配管70を介して供給される。冷媒室14gに供給された冷媒は、配管72を介してチラーユニットに戻される。この冷媒の温度がチラーユニットによって制御されることにより、静電チャック14cの温度、ひいては被加工物WPの温度が制御される。
また、ステージ14には、ガス供給ライン74が形成されている。このガス供給ライン74は、伝熱ガス、例えば、Heガスを、静電チャック14cの上面と被加工物WPの裏面との間に供給するために設けられている。
マイクロ波出力装置16は、チャンバ本体12内に供給される処理ガスを励起させるためのマイクロ波を出力する。マイクロ波出力装置16は、マイクロ波の周波数、パワー、及び、帯域幅を可変に調整するよう構成されている。マイクロ波出力装置16は、例えば、マイクロ波の帯域幅を略0に設定することによって、単一周波数のマイクロ波を発生することができる。また、マイクロ波出力装置16は、その中に複数の周波数成分を有する帯域幅を有したマイクロ波を発生することができる。これら複数の周波数成分のパワーは同一のパワーであってもよく、帯域内の中心周波数成分のみが他の周波数成分のパワーよりも大きいパワーを有していてもよい。一例において、マイクロ波出力装置16は、マイクロ波のパワーを0W〜5000Wの範囲内で調整することができ、マイクロ波の周波数又は中心周波数を2400MHz〜2500MHzの範囲内で調整することでき、マイクロ波の帯域幅を0MHz〜100MHzの範囲内で調整することができる。また、マイクロ波出力装置16は、帯域内におけるマイクロ波の複数の周波数成分の周波数のピッチ(キャリアピッチ)を0〜25kHzの範囲内で調整することができる。
プラズマ処理装置1は、導波管21、チューナ26、モード変換器27、及び、同軸導波管28を更に備えている。マイクロ波出力装置16の出力部は、導波管21の一端に接続されている。導波管21の他端は、モード変換器27に接続されている。導波管21は、例えば、矩形導波管である。導波管21には、チューナ26が設けられている。チューナ26は、可動板26a及び可動板26bを有している。可動板26a及び可動板26bの各々は、導波管21の内部空間に対するその突出量を調整可能なように構成されている。チューナ26は、基準位置に対する可動板26a及び可動板26bの各々の突出位置を調整することにより、マイクロ波出力装置16のインピーダンスと負荷、例えば、チャンバ本体12のインピーダンスとを整合させる。
モード変換器27は、導波管21からのマイクロ波のモードを変換して、モード変換後のマイクロ波を同軸導波管28に供給する。同軸導波管28は、外側導体28a及び内側導体28bを含んでいる。外側導体28aは、略円筒形状を有しており、その中心軸線は軸線Zに略一致している。内側導体28bは、略円筒形状を有しており、外側導体28aの内側で延在している。内側導体28bの中心軸線は、軸線Zに略一致している。この同軸導波管28は、モード変換器27からのマイクロ波をアンテナ18に伝送する。
アンテナ18は、誘電体窓20の下面20aの反対側の面20b上に設けられている。アンテナ18は、スロット板30、誘電体板32、及び、冷却ジャケット34を含んでいる。
スロット板30は、誘電体窓20の面20b上に設けられている。このスロット板30は、導電性を有する金属から形成されており、略円盤形状を有している。スロット板30の中心軸線は軸線Zに略一致している。スロット板30には、複数のスロット孔30aが形成されている。複数のスロット孔30aは、一例においては、複数のスロット対を構成している。複数のスロット対の各々は、互いに交差する方向に延びる略長孔形状の二つのスロット孔30aを含んでいる。複数のスロット対は、軸線Z周りの一以上の同心円に沿って配列されている。また、スロット板30の中央部には、後述する導管36が通過可能な貫通孔30dが形成される。
誘電体板32は、スロット板30上に設けられている。誘電体板32は、石英といった誘電体材料から形成されており、略円盤形状を有している。この誘電体板32の中心軸線は軸線Zに略一致している。冷却ジャケット34は、誘電体板32上に設けられている。誘電体板32は、冷却ジャケット34とスロット板30との間に設けられている。
冷却ジャケット34の表面は、導電性を有する。冷却ジャケット34の内部には、流路34aが形成されている。この流路34aには、冷媒が供給されるようになっている。冷却ジャケット34の上部表面には、外側導体28aの下端が電気的に接続されている。また、内側導体28bの下端は、冷却ジャケット34及び誘電体板32の中央部分に形成された孔を通って、スロット板30に電気的に接続されている。
同軸導波管28からのマイクロ波は、誘電体板32内を伝搬して、スロット板30の複数のスロット孔30aから誘電体窓20に供給される。誘電体窓20に供給されたマイクロ波は、処理空間Sに導入される。
同軸導波管28の内側導体28bの内孔には、導管36が通っている。また、上述したように、スロット板30の中央部には、導管36が通過可能な貫通孔30dが形成されている。導管36は、内側導体28bの内孔を通って延在しており、ガス供給系38に接続されている。
ガス供給系38は、被加工物WPを処理するための処理ガスを導管36に供給する。ガス供給系38は、ガス源38a、弁38b、及び、流量制御器38cを含み得る。ガス源38aは、処理ガスのガス源である。弁38bは、ガス源38aからの処理ガスの供給及び供給停止を切り替える。流量制御器38cは、例えば、マスフローコントローラであり、ガス源38aからの処理ガスの流量を調整する。
プラズマ処理装置1は、インジェクタ41を更に備え得る。インジェクタ41は、導管36からのガスを誘電体窓20に形成された貫通孔20hに供給する。誘電体窓20の貫通孔20hに供給されたガスは、処理空間Sに供給される。そして、誘電体窓20から処理空間Sに導入されるマイクロ波によって、当該処理ガスが励起される。これにより、処理空間S内でプラズマが生成され、当該プラズマからのイオン及び/又はラジカルといった活性種により、被加工物WPが処理される。
プラズマ処理装置1は、制御器100を更に備えている。制御器100は、プラズマ処理装置1の各部を統括制御する。制御器100は、CPUといったプロセッサ、ユーザインタフェース、及び、記憶部を備え得る。
プロセッサは、記憶部に記憶されたプログラム及びプロセスレシピを実行することにより、マイクロ波出力装置16、ステージ14、ガス供給系38、排気装置56等の各部を統括制御する。
ユーザインタフェースは、工程管理者がプラズマ処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボード又はタッチパネル、プラズマ処理装置1の稼働状況等を可視化して表示するディスプレイ等を含んでいる。
記憶部には、プラズマ処理装置1で実行される各種処理をプロセッサの制御によって実現するための制御プログラム(ソフトウエア)、及び、処理条件データ等を含むプロセスレシピ等が保存されている。プロセッサは、ユーザインタフェースからの指示等、必要に応じて、各種の制御プログラムを記憶部から呼び出して実行する。このようなプロセッサの制御下で、プラズマ処理装置1において所望の処理が実行される。
[マイクロ波出力装置16の構成例]
以下、マイクロ波出力装置16の三つの例の詳細について説明する。
[マイクロ波出力装置16の第1例]
図2は、第1例のマイクロ波出力装置を示す図である。マイクロ波出力装置16は、マイクロ波発生部16a、導波管16b、サーキュレータ16c、導波管16d、導波管16e、第1の方向性結合器16f、第1の測定部16g、第2の方向性結合器16h、第2の測定部16i、及び、ダミーロード16jを有している。
マイクロ波発生部16aは、波形発生部161、パワー制御部162、減衰器163、増幅器164、増幅器165、及び、モード変換器166を有している。波形発生部161は、マイクロ波を発生する。波形発生部161は、制御器100及びパワー制御部162に接続されている。波形発生部161は、制御器100によって指定される設定周波数、設定帯域幅、及び、設定ピッチにそれぞれ応じた周波数(又は中心周波数)、帯域幅、及び、キャリアピッチを有するマイクロ波を発生する。なお、制御器100が帯域内の複数の周波数成分のパワーをパワー制御部162を介して指定している場合には、波形発生部161は、制御器100によって指定された複数の周波数成分のパワーを反映したパワーをそれぞれ有する複数の周波数成分をもったマイクロ波を発生してもよい。
図3は、波形発生部におけるマイクロ波の生成原理を説明する図である。波形発生部161は、例えば、基準周波数と位相を同期させたマイクロ波を発振することが可能なPLL(Phase Locked Loop)発振器と、PLL発振器に接続されたIQデジタル変調器とを有する。波形発生部161は、PLL発振器において発振されるマイクロ波の周波数を制御器100から指定された設定周波数に設定する。そして、波形発生部161は、PLL発振器からのマイクロ波と、当該PLL発振器からのマイクロ波とは90°の位相差を有するマイクロ波とを、IQデジタル変調器を用いて変調する。これにより、波形発生部161は、帯域内において複数の周波数成分を有するマイクロ波、又は、単一周波数のマイクロ波を生成する。
図3に示すように、波形発生部161は、例えば、N個の複素データシンボルに対する逆離散フーリエ変換を行って連続信号を生成することにより、複数の周波数成分を有するマイクロ波を生成することが可能である。この信号の生成方法は、ディジタルテレビ放送等で用いられるOFDMA(Orthogonal Frequency−Division Multiple Access)変調方式と同様の方法であり得る(例えば特許5320260号参照)。
一例では、波形発生部161は、予めデジタル化された符号の列で表された波形データを有している。波形発生部161は、波形データを量子化し、量子化したデータに対して逆フーリエ変換を適用することにより、IデータとQデータとを生成する。そして、波形発生部161は、Iデータ及びQデータの各々に、D/A(Digital/Analog)変換を適用して、二つのアナログ信号を得る。波形発生部161は、これらアナログ信号を、低周波成分のみを通過させるLPF(ローパスフィルタ)へ入力する。波形発生部161は、LPFから出力された二つのアナログ信号を、PLL発振器からのマイクロ波、PLL発振器からのマイクロ波とは90°の位相差を有するマイクロ波とそれぞれミキシングする。そして、波形発生部161は、ミキシングによって生成されたマイクロ波を合成する。これにより、波形発生部161は、一又は複数の周波数成分を有するマイクロ波を生成する。
波形発生部161の出力は、減衰器163に接続されている。減衰器163には、パワー制御部162が接続されている。パワー制御部162は、例えば、プロセッサであり得る。パワー制御部162は、制御器100から指定された設定パワーに応じたパワーを有するマイクロ波がマイクロ波出力装置16から出力されるよう、減衰器163におけるマイクロ波の減衰率を制御する。減衰器163の出力は、増幅器164及び増幅器165を介してモード変換器166に接続されている。増幅器164及び増幅器165は、マイクロ波をそれぞれに所定の増幅率で増幅するようになっている。モード変換器166は、増幅器165から出力されるマイクロ波のモードを変換するようになっている。このモード変換器166におけるモード変換によって生成されたマイクロ波は、マイクロ波発生部16aの出力マイクロ波として出力される。
マイクロ波発生部16aの出力は導波管16bの一端に接続されている。導波管16bの他端は、サーキュレータ16cの第1ポート261に接続されている。サーキュレータ16cは、第1ポート261、第2ポート262、及び、第3ポート263を有している。サーキュレータ16cは、第1ポート261に入力されたマイクロ波を第2ポート262から出力し、第2ポート262に入力したマイクロ波を第3ポート263から出力するように構成されている。サーキュレータ16cの第2ポート262には導波管16dの一端が接続されている。導波管16dの他端は、マイクロ波出力装置16の出力部16tである。
サーキュレータ16cの第3ポート263には、導波管16eの一端が接続されている。導波管16eの他端はダミーロード16jに接続されている。ダミーロード16jは、導波管16eを伝搬するマイクロ波を受けて、当該マイクロ波を吸収するようになっている。ダミーロード16jは、例えば、マイクロ波を熱に変換する。
第1の方向性結合器16fは、マイクロ波発生部16aから出力されて、出力部16tに伝搬するマイクロ波(即ち、進行波)の一部を分岐させて、当該進行波の一部を出力するように構成されている。第1の測定部16gは、第1の方向性結合器16fから出力された進行波の一部に基づき、出力部16tにおける進行波のパワーを示す第1の測定値を決定する。
第2の方向性結合器16hは、出力部16tに戻されたマイクロ波(即ち、反射波)の一部を分岐させて、当該反射波の一部を出力するように構成されている。第2の測定部16iは、第2の方向性結合器16hから出力された反射波の一部に基づき、出力部16tにおける反射波のパワーを示す第2の測定値を決定する。
第1の測定部16g及び第2の測定部16iはパワー制御部162に接続されている。第1の測定部16gは、第1の測定値をパワー制御部162に出力し、第2の測定部16iは、第2の測定値をパワー制御部162に出力する。パワー制御部162は、第1の測定値と第2の測定値の差、即ちロードパワーが、制御器100によって指定される設定パワーに一致するよう、減衰器163を制御し、必要に応じて波形発生部161を制御する。
第1例においては、第1の方向性結合器16fは、導波管16bの一端と他端との間に設けられている。第2の方向性結合器16hは、導波管16eの一端と他端との間に設けられている。
[マイクロ波出力装置16の第2例]
図4は、第2例のマイクロ波出力装置を示す図である。図4に示すように、第2例のマイクロ波出力装置16は、第1の方向性結合器16fが導波管16dの一端と他端との間に設けられている点で、第1例のマイクロ波出力装置16とは異なっている。
[マイクロ波出力装置16の第3例]
図5は、第3例のマイクロ波出力装置を示す図である。図5に示すように、第3例のマイクロ波出力装置16は、第1の方向性結合器16f及び第2の方向性結合器16hの双方が導波管16dの一端と他端との間に設けられている点で、第1例のマイクロ波出力装置16とは異なっている。
以下、マイクロ波出力装置16の第1の測定部16gの第1例及び第2の測定部16iの第1例について説明する。
[第1の測定部16gの第1例]
図6は、第1例の第1の測定部を示す図である。図6に示すように、第1例において、第1の測定部16gは、第1の検波部200、第1のA/D変換器205、及び、第1の処理部206を有している。第1の検波部200は、ダイオード検波を用いて第1の方向性結合器16fから出力される進行波の一部のパワーに応じたアナログ信号を生成する。第1の検波部200は、抵抗素子201、ダイオード202、キャパシタ203、及び、増幅器204を含んでいる。抵抗素子201の一端は、第1の測定部16gの入力に接続されている。この入力には、第1の方向性結合器16fから出力された進行波の一部が入力される。抵抗素子201の他端は、グランドに接続されている。ダイオード202は、例えば、低バリアショットキーダイオードである。ダイオード202のアノードは、第1の測定部16gの入力に接続されている。ダイオード202のカソードは、増幅器204の入力に接続されている。また、ダイオード202のカソードには、キャパシタ203の一端が接続されている。キャパシタ203の他端は、グランドに接続されている。増幅器204の出力は、第1のA/D変換器205の入力に接続されている。第1のA/D変換器205の出力は、第1の処理部206に接続されている。
第1例の第1の測定部16gでは、ダイオード202による整流、キャパシタ203による平滑化、及び、増幅器204による増幅によって、第1の方向性結合器16fからの進行波の一部のパワーに応じたアナログ信号(電圧信号)が得られる。このアナログ信号は、第1のA/D変換器205において、デジタル値Pfdに変換される。デジタル値Pfdは、第1の方向性結合器16fからの進行波の一部のパワーに応じた値を有する。このデジタル値Pfdは第1の処理部206に入力される。
第1の処理部206は、CPUといったプロセッサから構成されている。第1の処理部206には、記憶装置207が接続されている。記憶装置207には、デジタル値Pfdを、出力部16tにおける進行波のパワーに補正するための複数の第1の補正係数が記憶されている。また、第1の処理部206には、マイクロ波発生部16aに対して指定された設定周波数Fset、設定パワーPset、及び、設定帯域幅Wsetが制御器100によって指定される。第1の処理部206は、複数の第1の補正係数から、設定周波数Fset、設定パワーPset、及び、設定帯域幅Wsetに対応付けられた一以上の第1の補正係数を選択し、選択した第1の補正係数とデジタル値Pfdとの乗算を実行することにより、第1の測定値Pfmを決定する。
一例において、記憶装置207には、予め設定された複数の第1の補正係数kf(F,P,W)が記憶されている。ここで、Fは周波数であり、Fの個数は、マイクロ波発生部16aに指定可能な複数の周波数の個数である。Pはパワーであり、Pの個数はマイクロ波発生部16aに指定可能な複数のパワーの個数である。Wは帯域幅であり、Wの個数はマイクロ波発生部16aに指定可能な複数の帯域幅の個数である。なお、マイクロ波発生部16aに指定可能な複数の帯域幅には、略0の帯域幅も含まれる。略0の帯域幅を有するマイクロ波は、単一周波数のマイクロ波、即ち、シングルモード(SP)のマイクロ波である。
複数の第1の補正係数kf(F,P,W)が記憶装置207に記憶されている場合には、第1の処理部206は、kf(Fset,Pset,Wset)を選択し、Pfm=kf(Fset,Pset,Wset)×Pfdの演算を実行することにより、第1の測定値Pfmを決定する。
別の例において、記憶装置207には、複数の第1の補正係数として、複数の第1の係数k1f(F)、複数の第2の係数k2f(P)、及び、複数の第3の係数k3f(W)が記憶されている。ここで、F,P,Wは、第1の補正係数kf(F,P,W)におけるF,P,Wと同じである。
複数の第1の補正係数として、複数の第1の係数k1f(F)、複数の第2の係数k2f(P)、及び、複数の第3の係数k3f(W)が記憶装置207に記憶されている場合には、第1の処理部206は、k1f(Fset)、k2f(Pset)、及び、k3f(Wset)を選択し、Pfm=k1f(Fset)×k2f(Pset)×k3f(Wset)×Pfdの演算を実行することにより、第1の測定値Pfmを決定する。
[第2の測定部16iの第1例]
図7は、第1例の第2の測定部を示す図である。図7に示すように、第1例において、第2の測定部16iは、第2の検波部210、第2のA/D変換器215、及び、第2の処理部216を有している。第2の検波部210は、第1の検波部200と同様に、ダイオード検波を用いて第2の方向性結合器16hから出力される反射波の一部のパワーに応じたアナログ信号を生成する。第2の検波部210は、抵抗素子211、ダイオード212、キャパシタ213、及び、増幅器214を含んでいる。抵抗素子211の一端は、第2の測定部16iの入力に接続されている。この入力には、第2の方向性結合器16hから出力された反射波の一部が入力される。抵抗素子211の他端は、グランドに接続されている。ダイオード212は、例えば、低バリアショットキーダイオードである。ダイオード212のアノードは、第2の測定部16iの入力に接続されている。ダイオード212のカソードは、増幅器214の入力に接続されている。また、ダイオード212のカソードにはキャパシタ213の一端が接続されている。キャパシタ213の他端は、グランドに接続されている。増幅器214の出力は、第2のA/D変換器215の入力に接続されている。第2のA/D変換器215の出力は、第2の処理部216に接続されている。
第1例の第2の測定部16iでは、ダイオード212による整流、キャパシタ213による平滑化、及び、増幅器214による増幅によって、第2の方向性結合器16hからの反射波の一部のパワーに応じたアナログ信号(電圧信号)が得られる。このアナログ信号は、第2のA/D変換器215において、デジタル値Prdに変換される。デジタル値Prdは、第2の方向性結合器16hからの反射波の一部のパワーに応じた値を有する。このデジタル値Prdは第2の処理部216に入力される。
第2の処理部216は、CPUといったプロセッサから構成されている。第2の処理部216には、記憶装置217が接続されている。記憶装置217には、デジタル値Prdを、出力部16tにおける反射波のパワーに補正するための複数の第2の補正係数が記憶されている。また、第2の処理部216には、マイクロ波発生部16aに対して指定された設定周波数Fset、設定パワーPset、及び、設定帯域幅Wsetが制御器100によって指定される。第2の処理部216は、複数の第2の補正係数から、設定周波数Fset、設定パワーPset、及び、設定帯域幅Wsetに対応付けられた一以上の第2の補正係数を選択し、選択した第2の補正係数とデジタル値Prdとの乗算を実行することにより、第2の測定値Prmを決定する。
一例において、記憶装置217には、予め設定された複数の第2の補正係数kr(F,P,W)が記憶されている。F,P,Wは、第1の補正係数kf(F,P,W)におけるF,P,Wと同じである。
複数の第2の補正係数kr(F,P,W)が記憶装置217に記憶されている場合には、第2の処理部216は、kr(Fset,Pset,Wset)を選択し、Prm=kr(Fset,Pset,Wset)×Prdの演算を実行することにより、第2の測定値Prmを決定する。
別の例において、記憶装置217には、複数の第2の補正係数として、複数の第4の係数k1r(F)、複数の第5の係数k2r(P)、及び、複数の第6の係数k3r(W)が記憶されている。F,P,Wは、第1の補正係数kf(F,P,W)におけるF,P,Wと同じである。
複数の第2の補正係数として、複数の第4の係数k1r(F)、複数の第5の係数k2r(P)、及び、複数の第6の係数k3r(W)が記憶装置217に記憶されている場合には、第2の処理部216は、k1r(Fset)、k2r(Pset)、及び、k3r(Wset)を選択し、Prm=k1r(Fset)×k2r(Pset)×k3r(Wset)×Prdの演算を実行することにより、第2の測定値Prmを決定する。
[複数の第1の補正係数kf(F,P,W)を準備する方法]
以下、複数の第1の補正係数を準備する方法について説明する。図8は、複数の第1の補正係数を準備する際のマイクロ波出力装置を含むシステムの構成を示す図である。図8に示すように、複数の第1の補正係数を準備する際には、マイクロ波出力装置16の出力部16tに、導波管WG1の一端が接続される。導波管WG1の他端には、ダミーロードDL1が接続される。また、導波管WG1の一端と他端との間には、方向性結合器DC1が設けられる。この方向性結合器DC1には、センサSD1が接続される。センサSD1には、パワーメータPM1が接続される。方向性結合器DC1は、導波管WG1を伝搬する進行波の一部を分岐させる。方向性結合器DC1によって分岐された進行波の一部は、センサSD1に入力される。センサSD1は、例えば、熱電対式センサであり、受けたマイクロ波のパワーに比例した起電力を発生して、直流出力を提供する。パワーメータPM1は、センサSD1の直流出力から、出力部16tにおける進行波のパワーPfsを決定する。
図9は、複数の第1の補正係数kf(F,P,W)を準備する方法の流れ図である。複数の第1の補正係数kf(F,P,W)を準備する方法では、図8に示すシステムが準備される。そして、図9に示すように、ステップSTa1において、帯域幅WがSP(即ち、シングルモードの帯域幅)に、周波数FがFminに、パワーPがPmaxに設定される。即ち、マイクロ波発生部16aに設定周波数としてFmin、設定帯域幅としてSP、及び、設定パワーとしてPmaxが指定される。なお、Fminは、マイクロ波発生部16aに指定可能な最小の設定周波数であり、Pmaxは、マイクロ波発生部16aに指定可能な最大の設定パワーである。
続くステップSTa2では、マイクロ波発生部16aからのマイクロ波の出力が開始される。続くステップSTa3では、マイクロ波の出力が安定したか否かが判定される。例えば、パワーメータPM1において得られるパワーが安定しているか否かが判定される。マイクロ波の出力が安定すると、続くステップSTa4において、パワーメータPM1によりパワーPfsが求められ、第1の測定部16gにおいてデジタル値Pfdが求められ、kf(F,P,W)=Pfs/Pfdの演算により、第1の補正係数kf(F,P,W)が求められる。
続くステップSTa5では、周波数Fが所定値Fincだけ増分される。続くステップSTa6では、FがFmaxより大きいか否かが判定される。Fmaxは、マイクロ波発生部16aに指定可能な最大の設定周波数である。周波数FがFmax以下である場合には、マイクロ波発生部16aから出力されるマイクロ波の設定周波数が周波数Fに変更される。そして、ステップSTa4からの処理が継続される。一方、ステップSTa6において、FがFmaxよりも大きいと判定されると、ステップSTa7において周波数FがFminに設定され、ステップSTa8においてパワーPが所定値Pincだけ減少される。
続くステップSTa9では、パワーPがPminよりも小さいか否かが判定される。Pminは、マイクロ波発生部16aに指定可能な最小の設定パワーである。ステップSTa9において、PがPmin以上であると判定されると、マイクロ波発生部16aから出力されるマイクロ波の設定周波数が周波数Fに変更され、当該マイクロ波の設定パワーがパワーPに変更される。そして、ステップSTa4からの処理が継続される。一方、ステップSTa9において、PがPminよりも小さいと判定されると、ステップSTa10において、周波数FがFminに設定され、パワーPがPmaxに設定される。続くステップSTa11において、帯域幅Wが所定値Wincだけ増分される。
続くステップSTa12では、WがWmaxより大きいか否かが判定される。Wmaxは、マイクロ波発生部16aに指定可能な最大の設定帯域幅である。ステップSTa12において、WがWmax以下であると判定されると、マイクロ波発生部16aから出力されるマイクロ波の設定周波数が周波数Fに変更され、当該マイクロ波の設定パワーがパワーPに変更され、当該マイクロ波の設定帯域幅が帯域幅Wに変更される。そして、ステップSTa4からの処理が継続される。一方、ステップSTa12において、WがWmaxよりも大きいと判定されると、複数の第1の補正係数kf(F,P,W)の準備が完了する。即ち、マイクロ波発生部16aに指定される設定周波数、設定パワー、及び、設定帯域幅に応じて、デジタル値Pfdをマイクロ波出力装置16の出力部16tにおける進行波のパワーに補正するための、複数の第1の補正係数kf(F,P,W)の準備が完了する。
[複数の第2の補正係数kr(F,P,W)を準備する方法]
図10は、複数の第2の補正係数を準備する際のマイクロ波出力装置を含むシステムの構成を示す図である。図10に示すように、複数の第2の補正係数を準備する際には、マイクロ波出力装置16の出力部16tに、導波管WG2の一端が接続される。導波管WG2の他端には、マイクロ波出力装置16のマイクロ波発生部16aと同一の構成を有するマイクロ波発生部MGが接続される。マイクロ波発生部MGは、反射波を模擬したマイクロ波を導波管WG2に出力する。マイクロ波発生部MGは、波形発生部161と同様の波形発生部MG1、パワー制御部162と同様のパワー制御部MG2、減衰器163と同様の減衰器MG3、増幅器164と同様の増幅器MG4、増幅器165と同様の増幅器MG5、及び、モード変換器166と同様のモード変換器MG6を有している。
導波管WG2の途中には、方向性結合器DC2が設けられる。この方向性結合器DC2には、センサSD2が接続される。センサSD2には、パワーメータPM2が接続される。方向性結合器DC2は、マイクロ波発生部MGによって発生されて、導波管WG2をマイクロ波出力装置16に向けて伝搬するマイクロ波の一部を分岐させる。方向性結合器DC2によって分岐されたマイクロ波の一部は、センサSD2に入力される。センサSD2は、例えば、熱電対式センサであり、受けたマイクロ波の一部のパワーに比例した起電力を発生して、直流出力を提供する。パワーメータPM2は、センサSD2の直流出力から、出力部16tにおけるマイクロ波のパワーPrsを決定する。パワーメータPM2によって決定されるマイクロ波のパワーは、出力部16tにおける反射波のパワーに相当するものである。
図11は、複数の第2の補正係数kr(F,P,W)を準備する方法の流れ図である。複数の第2の補正係数kr(F,P,W)を準備する方法では、図10に示すシステムが準備される。そして、図11に示すように、ステップSTb1において、帯域幅WがSPに、周波数FがFminに、パワーPがPmaxに設定される。即ち、マイクロ波発生部MGに設定周波数としてFmin、設定帯域幅としてSP、及び、設定パワーとしてPmaxが指定される。
続くステップSTb2では、マイクロ波発生部MGからのマイクロ波の出力が開始される。続くステップSTb3では、マイクロ波の出力が安定したか否かが判定される。例えば、パワーメータPM2において得られるパワーが安定しているか否かが判定される。マイクロ波の出力が安定すると、続くステップSTb4において、パワーメータPM2によりパワーPrsが求められ、第2の測定部16iにおいてデジタル値Prdが求められ、kr(F,P,W)=Prs/Prdの演算により、第2の補正係数kr(F,P,W)が求められる。
続くステップSTb5では、周波数Fが所定値Fincだけ増分される。続くステップSTb6では、FがFmaxより大きいか否かが判定される。周波数FがFmax以下である場合には、マイクロ波発生部MGから出力されるマイクロ波の設定周波数が周波数Fに変更される。そして、ステップSTb4からの処理が継続される。一方、ステップSTb6において、FがFmaxよりも大きいと判定されると、ステップSTb7において周波数FがFminに設定され、ステップSTb8においてパワーPが所定値Pincだけ減少される。
続くステップSTb9では、パワーPがPminよりも小さいか否かが判定される。ステップSTb9において、PがPmin以上であると判定されると、マイクロ波発生部MGから出力されるマイクロ波の設定周波数が周波数Fに変更され、当該マイクロ波の設定パワーがパワーPに変更される。そして、ステップSTb4からの処理が継続される。一方、ステップSTb9において、PがPminよりも小さいと判定されると、ステップSTb10において、周波数FがFminに設定され、パワーPがPmaxに設定される。続くステップSTb11において、帯域幅Wが所定値Wincだけ増分される。
続くステップSTb12では、WがWmaxより大きいか否かが判定される。ステップSTb12において、WがWmax以下であると判定されると、マイクロ波発生部MGから出力されるマイクロ波の設定周波数が周波数Fに変更され、当該マイクロ波の設定パワーがパワーPに変更され、当該マイクロ波の設定帯域幅が帯域幅Wに変更される。そして、ステップSTb4からの処理が継続される。一方、ステップSTb12において、WがWmaxよりも大きいと判定されると、複数の第2の補正係数kr(F,P,W)の準備が完了する。即ち、マイクロ波発生部16aに指定される設定周波数、設定パワー、及び、設定帯域幅に応じて、デジタル値Prdをマイクロ波出力装置16の出力部16tにおける反射波のパワーに補正するための、複数の第2の補正係数kr(F,P,W)の準備が完了する。
[複数の第1の係数k1f(F)、複数の第2の係数k2f(P)、及び、複数の第3の係数k3f(W)を準備する方法]
図12は、複数の第1の補正係数として、複数の第1の係数k1f(F)、複数の第2の係数k2f(P)、及び、複数の第3の係数k3f(W)を準備する方法の流れ図である。複数の第1の係数k1f(F)、複数の第2の係数k2f(P)、及び、複数の第3の係数k3f(W)を準備する方法では、図8に示すシステムが準備される。そして、図12に示すように、ステップSTc1において、帯域幅WがSPに、周波数FがFOに、パワーPがPOに設定される。即ち、マイクロ波発生部16aに、設定周波数としてFO、設定帯域幅としてSP、及び、設定パワーとしてPOが指定される。なお、FOは、マイクロ波発生部16aに任意の設定帯域幅及び任意の設定パワーが指定されても、デジタル値PfdとパワーPfsとの間の誤差が略0となるマイクロ波の周波数である。また、Poは、マイクロ波発生部16aに任意の設定帯域幅及び任意の設定周波数が指定されても、デジタル値PfdとパワーPfsとの間の誤差が略0となるマイクロ波のパワーである。
続くステップSTc2では、マイクロ波発生部16aからのマイクロ波の出力が開始される。続くステップSTc3では、マイクロ波の出力が安定したか否かが判定される。例えば、パワーメータPM1において得られるパワーが安定しているか否かが判定される。マイクロ波の出力が安定すると、続くステップSTc4において、パワーPとしてPminが設定され、マイクロ波発生部16aから出力されるマイクロ波の設定パワーがPminに変更される。
続くステップSTc5では、パワーメータPM1によりパワーPfsが求められ、第1の測定部16gにおいてデジタル値Pfdが求められ、k2f(P)=Pfs/Pfdの演算により、第2の係数k2f(P)が求められる。続くステップSTc6では、パワーPが所定値Pincだけ増分される。続くステップSTc7では、パワーPがPmaxよりも大きいか否かが判定される。ステップSTc7において、PがPmax以下であると判定されると、マイクロ波発生部16aから出力されるマイクロ波の設定パワーがパワーPに変更され、ステップSTc5から処理が繰り返される。一方、ステップSTc7において、PがPmaxよりも大きいと判定されると、複数の第2の係数k2f(P)の準備が完了する。
続くステップSTc8では、帯域幅WがSPに、周波数FがFminに、パワーPがPOに設定される。即ち、マイクロ波発生部16aに、設定帯域幅、設定周波数、設定パワーとして、SP、Fmin、POがそれぞれ指定される。
続くSTc9では、パワーメータPM1によりパワーPfsが求められ、第1の測定部16gにおいてデジタル値Pfdが求められ、k1f(F)=Pfs/(Pfd×k2f(PO))の演算により、第1の係数k1f(F)が求められる。続くステップSTc10では、周波数Fが所定値Fincだけ増分される。続くステップSTc11では、周波数FがFmaxよりも大きいか否かが判定される。ステップSTc11において、FがFmax以下であると判定されると、マイクロ波発生部16aから出力されるマイクロ波の設定周波数が周波数Fに変更され、ステップSTc9から処理が繰り返される。一方、ステップSTc11において、FがFmaxよりも大きいと判定されると、複数の第1の係数k1f(F)の準備が完了する。
続くステップSTc12では、帯域幅WがSPに、周波数FがFOに、パワーPがPOに設定される。即ち、マイクロ波発生部16aに、設定帯域幅、設定周波数、設定パワーとして、SP、FO、POがそれぞれ指定される。
続くSTc13では、パワーメータPM1によりパワーPfsが求められ、第1の測定部16gにおいてデジタル値Pfdが求められ、k3f(W)=Pfs/(Pfd×k1f(FO)×k2f(PO))の演算により、第3の係数k3f(W)が求められる。続くステップSTc14では、帯域幅Wが所定値Wincだけ増分される。続くステップSTc15では、帯域幅WがWmaxよりも大きいか否かが判定される。ステップSTc15において、WがWmax以下であると判定されると、マイクロ波発生部16aから出力されるマイクロ波の設定帯域幅が帯域幅Wに変更され、ステップSTc13から処理が繰り返される。一方、ステップSTc15において、WがWmaxよりも大きいと判定されると、複数の第3の係数k3f(W)の準備が完了する。
[複数の第4の係数k1r(F)、複数の第5の係数k2r(P)、及び、複数の第6の係数k3r(W)を準備する方法]
図13は、複数の第2の補正係数として、複数の第4の係数k1r(F)、複数の第5の係数k2r(P)、及び、複数の第6の係数k3r(W)を準備する方法の流れ図である。複数の第4の係数k1r(F)、複数の第5の係数k2r(P)、及び、複数の第6の係数k3r(W)を準備する方法では、図10に示すシステムが準備される。そして、図13に示すように、ステップSTd1において、帯域幅WがSPに、周波数FがFOに、パワーPがPOに設定される。即ち、マイクロ波発生部MGに設定周波数としてFO、設定帯域幅としてSP、及び、設定パワーとしてPOが指定される。
続くステップSTd2では、マイクロ波発生部MGからのマイクロ波の出力が開始される。続くステップSTd3では、マイクロ波の出力が安定したか否かが判定される。例えば、パワーメータPM2において得られるパワーが安定しているか否かが判定される。マイクロ波の出力が安定すると、続くステップSTd4において、パワーPとしてPminが設定され、マイクロ波発生部MGから出力されるマイクロ波の設定パワーがPminに変更される。
続くステップSTd5では、パワーメータPM2によりパワーPrsが求められ、第2の測定部16iにおいてデジタル値Prdが求められ、k2r(P)=Prs/Prdの演算により、第5の係数k2r(P)が求められる。続くステップSTd6では、パワーPが所定値Pincだけ増分される。続くステップSTd7では、パワーPがPmaxよりも大きいか否かが判定される。ステップSTd7において、PがPmax以下であると判定されると、マイクロ波発生部MGから出力されるマイクロ波の設定パワーがパワーPに変更され、ステップSTd5から処理が繰り返される。一方、ステップSTd7において、PがPmaxよりも大きいと判定されると、複数の第5の係数k2r(P)の準備が完了する。
続くステップSTd8では、帯域幅WがSPに、周波数FがFminに、パワーPがPOに設定される。即ち、マイクロ波発生部MGに、設定帯域幅、設定周波数、設定パワーとして、SP、Fmin、POがそれぞれ指定される。
続くSTd9では、パワーメータPM2によりパワーPrsが求められ、第2の測定部16iにおいてデジタル値Prdが求められ、k1r(F)=Prs/(Prd×k2r(PO))の演算により、第4の係数k1r(F)が求められる。続くステップSTd10では、周波数Fが所定値Fincだけ増分される。続くステップSTd11では、周波数FがFmaxよりも大きいか否かが判定される。ステップSTd11において、FがFmax以下であると判定されると、マイクロ波発生部MGから出力されるマイクロ波の設定周波数が周波数Fに変更され、ステップSTd9から処理が繰り返される。一方、ステップSTd11において、FがFmaxよりも大きいと判定されると、複数の第4の係数k1r(F)の準備が完了する。
続くステップSTd12では、帯域幅WがSPに、周波数FがFOに、パワーPがPOに設定される。即ち、マイクロ波発生部MGに、設定帯域幅、設定周波数、設定パワーとして、SP、FO、POがそれぞれ指定される。
続くSTd13では、パワーメータPM2によりパワーPrsが求められ、第2の測定部16iにおいてデジタル値Prdが求められ、k3r(W)=Prs/(Prd×k1r(FO)×k2r(PO))の演算により、第6の係数k3r(W)が求められる。続くステップSTd14では、帯域幅Wが所定値Wincだけ増分される。続くステップSTd15では、帯域幅WがWmaxよりも大きいか否かが判定される。ステップSTd15において、WがWmax以下であると判定されると、マイクロ波発生部MGから出力されるマイクロ波の設定帯域幅が帯域幅Wに変更され、ステップSTd13から処理が繰り返される。一方、ステップSTd15において、WがWmaxよりも大きいと判定されると、複数の第6の係数k3r(W)の準備が完了する。
図6に示した第1例の第1の測定部16gの第1の検波部200によって生成されるアナログ信号を第1のA/D変換器205によって変換することにより得られるデジタル値Pfdは、出力部16tにおける進行波のパワーに対して誤差を有する。当該誤差は、マイクロ波の設定周波数、設定パワー、及び、設定帯域幅に対して依存性を有する。この依存性の一因は、ダイオード検波にある。第1例の第1の測定部16gでは、この誤差を低減させるために予め準備された複数の第1の補正係数から、制御器100によって指示された設定周波数Fset、設定パワーPset、及び、設定帯域幅Wsetに対応付けられた一以上の第1の補正係数、即ち、kf(Fset,Pset,Wset)、又は、k1f(Fset)、k2f(Pset)、及び、k3f(Wset)が選択される。そして、選択された一以上の第1の補正係数がデジタル値Pfdに乗算される。これにより、第1の測定値Pfmが求められる。したがって、出力部16tにおける進行波のパワーと第1の方向性結合器16fから出力される進行波の一部に基づいて求められる第1の測定値Pfmとの間の誤差が低減される。
なお、複数の第1の補正係数kf(F,P,W)の個数は、設定周波数として指定可能な周波数の個数と、設定パワーとして指定可能なパワーの個数と、設定帯域幅として指定可能な帯域幅の個数との積となる。一方、複数の第1の係数k1f(F)、複数の第2の係数k2f(P)、及び、複数の第3の係数k3f(W)が用いられる場合には、複数の第1の補正係数の個数は、複数の第1の係数k1f(F)の個数と、複数の第2の係数k2f(P)の個数と、複数の第3の係数k3f(W)の個数との和となる。したがって、複数の第1の係数k1f(F)、複数の第2の係数k2f(P)、及び、複数の第3の係数k3f(W)を用いる場合には、複数の第1の補正係数kf(F,P,W)を用いる場合に比して、複数の第1の補正係数の個数を少なくすることができる。
また、図7に示した第1例の第2の測定部16iの第2の検波部210によって生成されるアナログ信号を第2のA/D変換器215によって変換することにより得られるデジタル値Prdは、出力部16tにおける反射波のパワーに対して誤差を有する。当該誤差は、マイクロ波の設定周波数、設定パワー、及び、設定帯域幅に対して依存性を有する。この誤差の一因は、ダイオード検波にある。第1例の第2の測定部16iでは、この誤差を低減させるために予め準備された複数の第2の補正係数から、制御器100によって指示された設定周波数Fset、設定パワーPset、及び、設定帯域幅Wsetに対応付けられた一以上の第2の補正係数、即ち、kr(Fset,Pset,Wset)、又は、k1r(Fset)、k2r(Pset)、及び、k3r(Wset)が選択される。そして、選択された一以上の第2の補正係数がデジタル値Prdに乗算される。これにより、第2の測定値Prmが求められる。したがって、出力部16tにおける反射波のパワーと第2の方向性結合器16hから出力される反射波の一部に基づいて求められる第2の測定値Prmとの間の誤差が低減される。
なお、複数の第2の補正係数kr(F,P,W)の個数は、設定周波数として指定可能な周波数の個数と、設定パワーとして指定可能なパワーの個数と、設定帯域幅として指定可能な帯域幅の個数との積となる。一方、複数の第4の係数k1r(F)、複数の第5の係数k2r(P)、及び、複数の第6の係数k3r(W)が用いられる場合には、複数の第2の補正係数の個数は、複数の第4の係数k1r(F)の個数と、複数の第5の係数k2r(P)の個数と、複数の第6の係数k3r(W)の個数との和となる。したがって、複数の第4の係数k1r(F)、複数の第5の係数k2r(P)、及び、複数の第6の係数k3r(W)を用いる場合には、複数の第2の補正係数kr(F,P,W)を用いる場合に比して、複数の第2の補正係数の個数を少なくすることができる。
また、マイクロ波出力装置16では、上述の第1の測定値Pfmと第2の測定値Prmとの差を制御器100によって指定された設定パワーに近づけるよう、パワー制御部162がマイクロ波出力装置16から出力されるマイクロ波のパワーを制御するので、出力部16tに結合される負荷に供給されるマイクロ波のロードパワーが、設定パワーに近づけられる。
以下、マイクロ波出力装置16の第1の測定部16gの第2例及び第2の測定部16iの第2例について説明する。
[第1の測定部16gの第2例]
図14は、第2例の第1の測定部を示す図である。図14に示すように、第2例において、第1の測定部16gは、減衰器301、ローパスフィルタ302、ミキサ303、局部発振器304、周波数掃引コントローラ305、IFアンプ306(中間周波数増幅器)、IFフィルタ307(中間周波数フィルタ)、ログアンプ308、ダイオード309、キャパシタ310、バッファアンプ311、A/D変換器312、及び、第1の処理部313を有している。
減衰器301、ローパスフィルタ302、ミキサ303、局部発振器304、周波数掃引コントローラ305、IFアンプ306(中間周波数増幅器)、IFフィルタ307(中間周波数フィルタ)、ログアンプ308、ダイオード309、キャパシタ310、バッファアンプ311、及び、A/D変換器312は、第1のスペクトル解析部を構成している。第1のスペクトル解析部は、第1の方向性結合器16fから出力された進行波の一部における複数の周波数成分のパワーをそれぞれ表す複数のデジタル値Pfa(F)を求める。
減衰器301の入力には、第1の方向性結合器16fから出力された進行波の一部が入力される。減衰器301によって減衰されたアナログ信号は、ローパスフィルタ302においてフィルタリングされる。ローパスフィルタ302においてフィルタリングされた信号は、ミキサ303に入力される。一方、局部発振器304は、減衰器301に入力される進行波の一部の帯域内における複数の周波数成分を所定の中間周波数の信号に順に変換するために、周波数掃引コントローラ305による制御の下、発信する信号の周波数を順に変更する。ミキサ303は、ローパスフィルタ302からの信号と局部発振器304からの信号をミキシングすることにより、所定の中間周波数の信号を生成する。
ミキサ303からの信号は、IFアンプ306によって増幅され、IFアンプ306によって増幅された信号は、IFフィルタ307においてフィルタリングされる。IFフィルタ307においてフィルタリングされた信号は、ログアンプ308において増幅される。ログアンプ308において増幅された信号は、ダイオード309による整流、キャパシタ310による平滑化、及び、バッファアンプ311による増幅によって、アナログ信号(電圧信号)へと変更される。そして、バッファアンプ311からのアナログ信号がA/D変換器312によってデジタル値Pfaに変更される。このデジタル値Pfaは、上記複数の周波数成分のうちその周波数Fが中間周波数に変更された周波数成分のパワーを表している。第2例の第1の測定部16gでは、帯域に含まれる複数の周波数成分についてデジタル値Pfaがそれぞれ求められ、即ち、複数のデジタル値Pfa(F)が求められ、当該複数のデジタル値Pfa(F)が第1の処理部313に入力される。
第1の処理部313は、CPUといったプロセッサから構成されている。第1の処理部313には、記憶装置314が接続されている。一例において、記憶装置314には、予め設定された複数の第1の補正係数ksf(F)が記憶されている。複数の第1の補正係数ksf(F)は、複数のデジタル値Pfa(F)を、出力部16tにおける進行波の複数の周波数成分のパワーに補正するための係数である。第1の処理部313は、複数の第1の補正係数ksf(F)と複数のデジタル値Pfa(F)とを用いた下式(1)の演算により、第1の測定値Pfmを求める。即ち、第1の処理部313は、複数の第1の補正係数ksf(F)を複数のデジタル値Pfa(F)にそれぞれ乗算することにより得られる複数の積の二乗平均平方根を求めることにより、第1の測定値Pfmを求める。なお、式(1)において、FLはマイクロ波発生部16aに指定可能な帯域における最小周波数である。また、FHはマイクロ波発生部16aに指定可能な帯域における最大周波数である。また、Nは、FLからFHの間の周波数の個数、即ち、スペクトラム解析においてサンプリングされる周波数の個数である。
別の一例においては、記憶装置314には、予め設定された一つの第1の補正係数Kfが記憶されている。第1の処理部313は、第1の補正係数Kfと複数のデジタル値Pfa(F)とを用いた下式(2)の演算により、第1の測定値Pfmを求める。即ち、第1の処理部313は、複数のデジタル値Pfa(F)の二乗平均平方根と第1の補正係数Kfとの積を求めることにより、第1の測定値Pfmを求める。なお、式(2)におけるFL、FH、Nはそれぞれ、式(1)におけるFL、FH、Nと同じある。
[第2の測定部16iの第2例]
図15は、第2例の第2の測定部を示す図である。図15に示すように、第2例において、第2の測定部16iは、減衰器321、ローパスフィルタ322、ミキサ323、局部発振器324、周波数掃引コントローラ325、IFアンプ326(中間周波数増幅器)、IFフィルタ327(中間周波数フィルタ)、ログアンプ328、ダイオード329、キャパシタ330、バッファアンプ331、A/D変換器332、及び、第2の処理部333を有している。
減衰器321、ローパスフィルタ322、ミキサ323、局部発振器324、周波数掃引コントローラ325、IFアンプ326(中間周波数増幅器)、IFフィルタ327(中間周波数フィルタ)、ログアンプ328、ダイオード329、キャパシタ330、バッファアンプ331、及び、A/D変換器332は、第2のスペクトル解析部を構成している。第2のスペクトル解析部は、第2の方向性結合器16hから出力された反射波の一部における複数の周波数成分のパワーをそれぞれ表す複数のデジタル値Pra(F)を求める。
減衰器321の入力には、第2の方向性結合器16hから出力された反射波の一部が入力される。減衰器321によって減衰されたアナログ信号は、ローパスフィルタ322においてフィルタリングされる。ローパスフィルタ322においてフィルタリングされた信号は、ミキサ323に入力される。一方、局部発振器324は、減衰器321に入力される反射波の一部の帯域内における複数の周波数成分を所定の中間周波数の信号に順に変換するために、周波数掃引コントローラ325による制御の下、発信する信号の周波数を順に変更する。ミキサ323は、ローパスフィルタ322からの信号と局部発振器324からの信号をミキシングすることにより、所定の中間周波数の信号を生成する。
ミキサ323からの信号は、IFアンプ326によって増幅され、IFアンプ326によって増幅された信号は、IFフィルタ327においてフィルタリングされる。IFフィルタ327においてフィルタリングされた信号は、ログアンプ328において増幅される。ログアンプ328において増幅された信号は、ダイオード329による整流、キャパシタ330による平滑化、及び、バッファアンプ331による増幅によって、アナログ信号(電圧信号)へと変更される。そして、バッファアンプ331からのアナログ信号がA/D変換器332によってデジタル値Praに変更される。このデジタル値Praは、上記複数の周波数成分のうちその周波数Fが中間周波数に変更された周波数成分のパワーを表している。第2例の第2の測定部16iでは、帯域に含まれる複数の周波数成分についてデジタル値Praがそれぞれ求められ、即ち、複数のデジタル値Pra(F)が求められ、当該複数のデジタル値Pra(F)が第2の処理部333に入力される。
第2の処理部333は、CPUといったプロセッサから構成されている。第2の処理部333には、記憶装置334が接続されている。一例において、記憶装置334には、予め設定された複数の第2の補正係数ksr(F)が記憶されている。複数の第2の補正係数ksr(F)は、複数のデジタル値Pra(F)を、出力部16tにおける反射波の複数の周波数成分のパワーに補正するための係数である。第2の処理部333は、複数の第2の補正係数ksr(F)と複数のデジタル値Pra(F)とを用いた下式(3)の演算により、第2の測定値Prmを求める。即ち、第2の処理部333は、複数の第2の補正係数ksr(F)を複数のデジタル値Pra(F)にそれぞれ乗算することにより得られる複数の積の二乗平均平方根を求めることにより、第2の測定値Prmを求める。なお、式(3)におけるFL、FH、Nはそれぞれ、式(1)におけるFL、FH、Nと同じある。
別の一例においては、記憶装置334には、予め設定された一つの第2の補正係数Krが記憶されている。第2の処理部333は、第2の補正係数Krと複数のデジタル値Pra(F)とを用いた下式(4)の演算により、第2の測定値Prmを求める。即ち、第2の処理部333は、複数のデジタル値Pra(F)の二乗平均平方根と第2の補正係数Krとの積を求めることにより、第2の測定値Prmを求める。なお、式(4)におけるFL、FH、Nはそれぞれ、式(1)におけるFL、FH、Nと同じある。
[複数の第1の補正係数ksf(F)を準備する方法]
以下、複数の第1の補正係数ksf(F)を準備する方法について説明する。図16は、複数の第1の補正係数ksf(F)を準備する方法の流れ図である。複数の第1の補正係数ksf(F)を準備する方法では、図8に示すシステムが準備される。そして、図16に示すように、ステップSTe1において、帯域幅WがSPに、周波数FがFLに、パワーPがPaに設定される。即ち、マイクロ波発生部16aに設定周波数としてFL、設定帯域幅としてSP、及び、設定パワーとしてPaが指定される。なお、Paは、マイクロ波発生部16aに指定可能な任意のパワーであり得る。
続くステップSTe2では、マイクロ波発生部16aからのマイクロ波の出力が開始される。続くステップSTe3では、マイクロ波の出力が安定したか否かが判定される。例えば、パワーメータPM1において得られるパワーが安定しているか否かが判定される。
マイクロ波のパワーが安定すると、続くステップSTe4において、パワーメータPM1によってパワーPfsが求められ、第1の測定部16gにおいてデジタル値Pfaが求められ、ksf(F)=Pfs/Pfaの演算により、第1の補正係数ksf(F)が求められる。続くステップSTe5では、周波数Fが所定値Fincだけ増分される。続くステップSTe6では、周波数FがFHよりも大きいか否かが判定される。ステップSTe6において、FがFH以下であると判定されると、マイクロ波発生部16aから出力されるマイクロ波の設定周波数が周波数Fに変更され、ステップSTe4から処理が繰り返される。一方、ステップSTe6において、FがFHよりも大きいと判定されると、ステップSTe7の処理に進む。
ステップSTe7では、下式(5)に示す演算により、複数の第1の補正係数ksf(F)の二乗平均平方根Kaが求められる。なお、式(5)におけるFL、FH、Nはそれぞれ、式(1)におけるFL、FH、Nと同じある。
続くステップSTe8では、複数の第1の補正係数ksf(F)がそれぞれKaによって除される。これにより、複数の第1の補正係数ksf(F)が得られる。
[複数の第2の補正係数ksr(F)を準備する方法]
以下、複数の第2の補正係数ksr(F)を準備する方法について説明する。図17は、複数の第2の補正係数ksr(F)を準備する方法の流れ図である。複数の第2の補正係数ksr(F)を準備する方法では、図10に示すシステムが準備される。そして、図17に示すように、ステップSTf1において、帯域幅WがSPに、周波数FがFLに、パワーPがPaに設定される。即ち、マイクロ波発生部MGに設定周波数としてFL、設定帯域幅としてSP、及び、設定パワーとしてPaが指定される。
続くステップSTf2では、マイクロ波発生部MGからのマイクロ波の出力が開始される。続くステップSTf3では、マイクロ波の出力が安定したか否かが判定される。例えば、パワーメータPM2において得られるパワーが安定しているか否かが判定される。
マイクロ波のパワーが安定すると、続くステップSTf4では、パワーメータPM2によってパワーPrsが求められ、第2の測定部16iにおいてデジタル値Praが求められ、ksr(F)=Prs/Praの演算により、第2の補正係数ksr(F)が求められる。続くステップSTf5では、周波数Fが所定値Fincだけ増分される。続くステップSTf6では、周波数FがFHよりも大きいか否かが判定される。ステップSTf6において、FがFH以下であると判定されると、マイクロ波発生部MGから出力されるマイクロ波の設定周波数が周波数Fに変更され、ステップSTf4から処理が繰り返される。一方、ステップSTf6において、FがFHよりも大きいと判定されると、ステップSTf7の処理に進む。
ステップSTf7では、下式(6)の演算により、複数の第2の補正係数ksr(F)の二乗平均平方根Kaが求められる。なお、式(6)におけるFL、FH、Nはそれぞれ、式(1)におけるFL、FH、Nと同じある。
続くステップSTf8では、複数の第2の補正係数ksr(F)がそれぞれKaによって除される。これにより、複数の第2の補正係数ksr(F)が得られる。
第2例の第1の測定部16gでは、第1のスペクトル解析部でのスペクトル解析によって得られる複数のデジタル値Pfa(F)のそれぞれに複数の第1の補正係数ksf(F)が乗算される。これにより、出力部16tにおいて得られる進行波の複数の周波数成分のパワーに対して誤差を低減させた複数の積が得られる。そして、当該複数の積の二乗平均平方根を求めて第1の測定値Pfmを決定することにより、出力部16tにおける進行波のパワーと第1の方向性結合器16fから出力される進行波の一部に基づいて求められる第1の測定値Pfmとの間の誤差が低減される。
また、第2例の第2の測定部16iでは、第2のスペクトル解析部でのスペクトル解析によって得られる複数のデジタル値Pra(F)のそれぞれに複数の第2の補正係数ksr(F)が乗算される。これにより、出力部16tにおいて得られる反射波の複数の周波数成分のパワーに対して誤差を低減させた複数の積が得られる。そして、当該複数の積の二乗平均平方根を求めて第2の測定値Prmを決定することにより、出力部16tにおける反射波のパワーと第2の方向性結合器16hから出力される反射波の一部に基づいて求められる第2の測定値Prmとの間の誤差が低減される。
また、上述の第1の測定値Pfmと第2の測定値Prmとの差を制御器100によって指定された設定パワーに近づけるよう、パワー制御部162がマイクロ波出力装置16から出力されるマイクロ波のパワーを制御するので、出力部16tに結合される負荷に供給されるマイクロ波のロードパワーが、設定パワーに近づけられる。
[第1の補正係数Kfを準備する方法]
以下、第1の補正係数Kfを準備する方法について説明する。図18は、第1の補正係数Kfを準備する方法の流れ図である。第1の補正係数Kfを準備する方法では、図8に示すシステムが準備される。そして、図18に示すように、ステップSTg1において、帯域幅WがWbに、周波数FがFCに、パワーPがPbに設定される。即ち、マイクロ波発生部16aに設定周波数としてFC、設定帯域幅としてWb、及び、設定パワーとしてPbが指定される。なお、Pbは、マイクロ波発生部16aに指定可能な任意のパワーであり得る。また、Wbは、所定の帯域幅であり、例えば、100MHzであり得る。また、FCは中心周波数であり、例えば、2450MHzである。
続くステップSTg2では、マイクロ波発生部16aからのマイクロ波の出力が開始される。続くステップSTg3では、マイクロ波の出力が安定したか否かが判定される。例えば、パワーメータPM1において得られるパワーが安定しているか否かが判定される。
マイクロ波のパワーが安定すると、続くステップSTg4において、下式(7)を満たす第1の補正係数Kfが求められる。
[第2の補正係数Krを準備する方法]
以下、第2の補正係数Krを準備する方法について説明する。図19は、第2の補正係数Krを準備する方法の流れ図である。第2の補正係数Krを準備する方法では、図10に示すシステムが準備される。そして、図19に示すように、ステップSTh1において、帯域幅WがWbに、周波数FがFCに、パワーPがPbに設定される。即ち、マイクロ波発生部MGに設定周波数としてFC、設定帯域幅としてWb、及び、設定パワーとしてP b が指定される。
続くステップSTh2では、マイクロ波発生部MGからのマイクロ波の出力が開始される。続くステップSTh3では、マイクロ波の出力が安定したか否かが判定される。例えば、パワーメータPM2において得られるパワーが安定しているか否かが判定される。
マイクロ波のパワーが安定すると、続くステップSTh4において、下式(8)を満たす第2の補正係数Krが求められる。
第1の補正係数Kfは、複数のデジタル値Pfa(F)の二乗平均平方根を出力部16tにおける進行波のパワーに補正するために予め準備されている。第1の測定値Pfmは、この第1の補正係数Kfと複数のデジタル値Pfa(F)の二乗平均平方根との乗算によって求められる。したがって、出力部16tにおける進行波のパワーと第1の方向性結合器16fから出力される進行波の一部に基づいて求められる第1の測定値Pfmとの間の誤差が低減される。
また、第2の補正係数Krは、複数のデジタル値Pra(F)の二乗平均平方根を出力部16tにおける反射波のパワーに補正するために予め準備されている。第2の測定値Prmは、この第2の補正係数Krと複数のデジタル値Pra(F)の二乗平均平方根との乗算によって求められる。したがって、出力部16tにおける反射波のパワーと第2の方向性結合器16hから出力される反射波の一部に基づいて求められる第2の測定値Prmとの間の誤差が低減される。
また、上述の第1の測定値Pfmと第2の測定値Prmとの差を制御器100によって指定された設定パワーに近づけるよう、パワー制御部162がマイクロ波出力装置16から出力されるマイクロ波のパワーを制御するので、出力部16tに結合される負荷に供給されるマイクロ波のロードパワーが、設定パワーに近づけられる。
以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。上述した説明では、マイクロ波出力装置16は、帯域幅を可変に調整することができるものであった。しかしながら、マイクロ波出力装置16は、帯域幅を可変に調整可能であっても、シングルモードのマイクロ波のみを出力するように用いられてもよい。或いは、マイクロ波出力装置16は、シングルモードのマイクロ波のみを出力可能であり、当該マイクロ波の周波数及びパワーを可変に調整可能であってもよい。かかる場合には、複数の第1の補正係数は、kf(F,P)であるか、複数の第1の係数及び複数の第2の係数のみを含む。また、複数の第2の補正係数は、kr(F,P)であるか、複数の第4の係数及び複数の第5の係数のみを含む。