JP6762002B2 - 電力回生型パルス電源 - Google Patents
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Description
図6のプラズマ装置(以下、容量性負荷回路(CE)と称す)は、減圧(真空排気)下で放電ガスや反応ガスを供給する容器内に2つの電極を用いたモデルで示している。図6の上側の電極は駆動電極(5)と呼ばれ、電圧(電力)を供給して放電プラズマを生成するための電極である。図6の下側の電極は対向電極(6)と呼ばれ、電極間の電場を均一にするため駆動電極と対向するように設置される。
図6の(a)は放電停止(OFF)状態から放電(ON)状態への遷移過程を示す図、図6の(b)は放電(ON)状態を示す図、図6の(c)は放電(ON)状態から放電停止(OFF)状態への遷移過程を示す図、図6の(d)は放電停止(OFF)状態を示す図である。
図6の(b)に示す容量性負荷回路(CE)の放電(ON)状態においては、第1半導体スイッチ(SW11)のみが閉じられており(すなわち、オンの状態)、電源(E)から電流(電圧)調節回路(12)を通して、駆動電極(5)に放電のための電力(必要な電圧と電流)が供給される。
容量性負荷回路(CE)の放電(ON)状態では、電力PP=VPIP[W]が供給され、この電力は放電プラズマによって消費されている。
図6の(a)は、放電開始の過程で、第2半導体スイッチ(SW12)を開く(すなわち、オフにする)と同時に第1半導体スイッチ(SW11)を閉じる(すなわち、オンにする)ことにより、容量性負荷回路(CE)の放電停止(OFF)状態から放電(ON)状態へ遷移する過程を示している。
電極(間)の電圧が容量性負荷回路(CE)の放電に必要な電圧に達するには、電極間のコンデンサ(静電容量)に電荷を充電しなければならない。図6の(a)の過程において、電源(E)は電荷Q=CEVP[C]を電流の時間積分値(Q=∫isdt)として供給し、同時に静電エネルギーE=1/2CEVP 2[J]を供給する必要がある。
それゆえに、図6の(a)の容量性負荷回路(CE)の放電開始過程の時間を早くするには、瞬時に大きな電流を供給する必要がある。
このとき静電エネルギーE=1/2CEVP 2[J]は回路配線等でジュール熱として消失しエネルギーの損失となってしまう(すなわち、放電停止となる度に容量性負荷回路(CE)に残った電荷が接地(G)に放電され、再利用することができない)。
前記パルス発生回路は、前記充電器とコンデンサの間に設けられ、充電器からコンデンサへの初期充電電流を流す方向に磁気リセット状態にされる可飽和リアクトルと、
前記コンデンサが初期充電された後にターンオン制御されて該コンデンサと前記可飽和リアクトルとの間に電流路を形成し、該可飽和リアクトルの飽和動作により該コンデンサを逆極性に再充電させる半導体スイッチと、
前記コンデンサの再充電電圧の極性に対して導通し、該コンデンサから前記昇圧・磁気パルス圧縮回路への電流路を形成するダイオードと、
前記コンデンサの再充電電圧で飽和動作し、前記ダイオードを通して前記昇圧・磁気パルス圧縮回路にパルス電流を供給し、該昇圧・磁気パルス圧縮回路側からのキックバック電流に対して該コンデンサに初期充電電圧極性で回生する方向の電流を流す可飽和リアクトルを具備している。
しかしながら、現在、低気圧の容量結合性プラズマ装置に適用できる電力回生型パルス電源はなく、これに関連する技術的思想もない。
仮に、特許文献1の発明を低気圧の容量結合性プラズマ装置に適用しようとしても、この発明はパルス幅を極力狭くするための電源であるため、所望の時間の間、放電プラズマを持続することができず、低気圧の容量結合性プラズマ装置に適用することはできない。
本発明は、低気圧の容量結合型プラズマ処理装置等において所望のパルス幅にわたって安定な放電プラズマの生成を高周波数で繰り返すためのパルス電圧を供給する場合に、比較的簡易な回路により、容量性負荷回路の容量に蓄えられる電荷と静電エネルギーをパルス毎に回生することができ、電力の利用効率を向上させることができる電力回生型パルス電源を提供することを目的とするものである。
充放電回路と、
電流(電圧)調節回路と
を備えた電力回生型パルス電源であって、
前記充放電回路は、第1半導体スイッチと、コンデンサと、リアクトルと、第2半導体スイッチとを備え、
前記コンデンサは、一方の電極が前記第1半導体スイッチと前記リアクトルの間に接続され、他方の電極が接地されており、
前記コンデンサは前記第1半導体スイッチを介して前記電源に接続され、
前記コンデンサは前記第2半導体スイッチと前記リアクトルを介して容量性負荷回路に接続され、
前記電流(電圧)調節回路は、前記電源と前記容量性負荷回路の間に、前記充放電回路と並列に設けられ、第3半導体スイッチを介して前記容量性負荷回路に接続されることを特徴とする、電力回生型パルス電源に関する。
以下、本発明に係る電力回生型パルス電源の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第一実施形態に係る電力回生型パルス電源を示す回路図である。図2は本発明の第一実施形態に係る電力回生型パルス電源の第2半導体スイッチを示す回路図である。図3は本発明の第一実施形態に係る電力回生型パルス電源の動作を示す回路図である。
本発明に係る電力回生型パルス電源は、LC共振回路の原理を発展させたものであるため、まず、LC共振回路について説明する。
図5に示すように、第1コンデンサ(C1)(静電容量C1[F])と第2コンデンサ(C2)(静電容量C2[F])をリアクトル(L)(自己インダクタンスL[H])と半導体スイッチ(SW0)(高速で動作する半導体スイッチを想定)で接続したLC共振回路とする。
半導体スイッチが閉じたままであれば今度は逆に第2コンデンサ(C2)の電荷がリアクトル(L)を通して第1コンデンサ(C1)にもどる。半導体スイッチ(SW0)を閉じたままであれば電荷の移動が第1コンデンサ(C1)と第2コンデンサ(C2)との間で自動的に繰り返される。この現象をLC共振(回路)という。
次に再び半導体スイッチ(SW0)を閉じると引き続き共振が生じ、電荷がコイルを通して第1コンデンサ(C1)に戻りはじめ、一定時間後にすべての電荷が第1コンデンサ(C1)に戻る。ここで半導体スイッチ(SW0)を開くと第1コンデンサ(E1)はE[V]に、第2コンデンサ(E2)は0に保たれる。この現象をパルス放電における放電終了(図3の(d)参照)に適用する。
また、充電および放電に必要な時間はリアクトル(L)の自己インダクタンスを小さくする事で短くする事ができる。現実的な数値として第1コンデンサ(C1)=第2コンデンサ(C2)=1[nF]に対してリアクトル(L)=2[μH]を用いると1/2Tr≒0.1[μs]とする事ができる。パルス周波数が1MHzの時、パルスの周期が1μsであるのに対して十分小さな時間で充電、放電が可能である。ただし、半導体スイッチの応答速度の限界があるため、0.1μsより小さくすることは現実的には難しい。
尚、本発明において、容量性負荷回路(CE)とは、主に産業用プラズマ処理装置等(放電プラズマを用いた成膜装置、エッチング装置、表面処理装置等)の大面積の材料を処理する装置において、放電電極の面積が大きくなり電極がコンデンサとして振る舞う負荷回路のことを指す。
本発明において、充放電回路(1)は、あらかじめ電源(E)からの電荷をコンデンサ(C0)に充電する役割と、コンデンサ(C0)に充電した電荷を放電させて容量性負荷回路(CE)に転送し充電する役割と、容量性負荷回路(CE)に充電した電荷を放電させてコンデンサ(C0)に転送し充電する回生の役割とを担う。
第1半導体スイッチ(SW1)はMOSFETであることがより望ましい。しかし、これに限定されず、例えばサイリスタやIGBT等、半導体スイッチとして通常用いられ、当業者に自明のものであれば、いかなるものでも用いることができる。
第1半導体スイッチ(SW1)が閉じる(すなわちオンになる)ことで、電源(E)から電流が充放電回路(1)内に流れ、コンデンサ(C0)に電荷が蓄えられる。
エネルギーの回生効率を高くするには、コンデンサ(C0)の静電容量は、容量性負荷回路(CE)の静電容量と同程度の静電容量であることが望ましい。しかしこれに限定されず、例えば容量性負荷回路(CE)よりも意図的に少し大きな静電容量にすることで、電源(E)の電圧よりも大きな電圧を容量負荷回路(CE)に供することができる。従ってコンデンサ(C0)は、容量性負荷回路(CE)の静電容量に対して適切な静電容量に調整するために可変容量型のコンデンサを用いることがより望ましい。
第1半導体スイッチ(SW1)が閉じる(すなわちオンになる)ことで、電源(E)から電流が充放電回路(1)内に流れ、コンデンサ(C0)に充電される。コンデンサ(C0)が充電された状態で、第1半導体スイッチ(SW1)を開き(すなわちオフにする)、第2半導体スイッチ(SW2)を閉じる(すなわちオンにする)ことで、コンデンサ(C0)の電荷が後述する第2半導体スイッチ(SW2)の給電用の回路(3)を介して容量性負荷回路(CE)に転送される。
本実施形態において、リアクトル(L)は叙上の位置に設けられることが望ましいが、これに限定されず、例えば、第2半導体スイッチと容量性負荷回路(CE)との間に第2のリアクトル(L)を設ける等、本発明の効果を奏することができる位置や配置数であればいかなるものでもよい。
尚、リアクトル(L)は、パルス電源に通常使用され、当業者に自明のものであれば、いかなるものを用いてもよい。
第2半導体スイッチ(SW2)は、MOSFET(トランジスタ)(T)とダイオード(D)が直列に接続された容量性負荷回路(CE)へ向かう給電用の回路(3)と、容量性負荷回路(CE)からコンデンサ(C0)へ向かう回生用の回路(4)から構成されており、給電用の回路(3)と回生用の回路(4)に接続されているMOSFET(T)とダイオード(D)はいずれも互いに逆向きに接続されている。
第2半導体スイッチは叙上のMOSFET(T)とダイオード(D)の組合せ回路であることが望ましいが、これに限定されず、例えば双方向サイリスタ、逆並列接続した2つのサイリスタ等、半導体スイッチとして通常用いられ、当発明の効果を奏することが当業者に自明のものであればいかなるものでも用いることができる。
サイリスタは、電流が流れきると自動的にOFFになるという点でダイオードと似た動作をするため、サイリスタ単体でMOSFETとダイオードの組合せの代替となり得る。さらに、双方向に動作する双方向サイリスタも存在する。しかしながら、サイリスタは、高速性の観点からあまり好ましくない。
容量性負荷回路(CE)が充電された状態で、第2半導体スイッチ(SW2)の給電用の回路(3)を開いて(すなわちオフにする)第2半導体スイッチ(SW2)の回生用の回路(4)を閉じる(すなわちオンにする)と容量性負荷回路(CE)に充電された電荷が回生用の回路(4)を介してコンデンサ(C0)に転送され、電荷の転送が終了すると第2半導体スイッチ(SW2)の回生用の回路(4)が有するダイオード(D)の作用により、コンデンサ(C0)から容量性負荷回路(CE)方向への電流の逆流が抑止され、容量性負荷回路(CE)に充電した電荷と静電エネルギーがコンデンサ(C0)に回生される。
電流(電圧)調節回路(2)に設けられる抵抗及び半導体は、電源等の電気回路に通常用いられ、当業者に自明のものであれば、いかなるものを用いてもよい。
電流(電圧)調節回路(2)は、第3半導体スイッチ(SW3)を閉じる(すなわち、オンにする)ことによって、電流(電圧)調節回路(2)を通して容量性負荷回路(CE)の放電に必要な一定の電流や電圧又は必要な波形に変調された電流や電圧を持続的に供給することができる。
第3半導体スイッチ(SW3)はMOSFETであることが望ましい。しかし、これに限定されず、例えばサイリスタやIGBT等、半導体スイッチとして通常用いられ、当業者に自明のものであれば、いかなるものでも用いることができる。
第3半導体スイッチ(SW3)が閉じる(すなわちオンになる)ことで、電源(E)から電流が電流(電圧)調節回路(2)を通して容量性負荷回路(CE)に流れ、容量性負荷回路(CE)の放電に必要な電流(電圧)を持続的に供給する。
図3の(a)は容量性負荷回路(CE)の放電が止まっている状態を示す図である。第1半導体スイッチ(SW1)のみを閉じることで、電源(E)の電流がコンデンサ(C0)に移行し、コンデンサ(C0)が充電される。この状態では、第2半導体スイッチ(SW2)及び第3半導体スイッチ(SW3)が開いているため、電源(E)やコンデンサ(C0)の電荷は容量性負荷回路(CE)に転送されない。
第3半導体スイッチを閉じるタイミングは図3の(b)において第2半導体スイッチの給電用回路(3)を閉じるタイミングと同時であっても良い。このとき容量性負荷回路(CE)の充電にはコンデンサ(C0)の電荷の他に、電流(電圧)調整回路(2)からも電流が供給される。現実的には、高速でタイミングを調整するのが難しいため、この後者の方法(同時に閉じる)を取っている。
次に、図4を参照して本発明の第二実施形態に係る電力回生型パルス電源について説明する。
図4は本発明の第二実施形態に係る電力回生型パルス電源を示す回路図である。
本実施形態の電力回生型パルス電源は、叙上の第一実施形態に係る電力回生型パルス電源の構成をすべて備えており、以下の点のみ異なる。
2 電流(電圧)調節回路
3 給電用の回路
4 電力回生用の回路
C0 コンデンサ
CE 容量性負荷回路
D ダイオード
E 電源
G 接地
L リアクトル
R1 第1の抵抗
R2 第2の抵抗
SW1 第1半導体スイッチ
SW2 第2半導体スイッチ
SW3 第3半導体スイッチ
SW4 第4半導体スイッチ
T MOSFET(トランジスタ)
Claims (6)
- 電源と、
充放電回路と、
電流(電圧)調節回路と
を備えた電力回生型パルス電源であって、
前記充放電回路は、第1半導体スイッチと、コンデンサと、リアクトルと、第2半導体スイッチとを備え、
前記コンデンサは、一方の電極が前記第1半導体スイッチと前記リアクトルの間に接続され、他方の電極が接地されており、
前記コンデンサは前記第1半導体スイッチを介して前記電源に接続され、
前記コンデンサは前記第2半導体スイッチと前記リアクトルを介して容量性負荷回路に接続され、
前記電流(電圧)調節回路は、前記電源と前記容量性負荷回路の間に、前記充放電回路と並列に設けられ、第3半導体スイッチを介して前記容量性負荷回路に接続されることを特徴とする、電力回生型パルス電源。 - 前記第2半導体スイッチは、双方向サイリスタ、逆並列接続した2つのサイリスタ、又は逆並列接続された2組のトランジスタとダイオードの直列回路から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の電力回生型パルス電源。
- 前記電流(電圧)調節回路は、抵抗及び/又は半導体を1つ以上含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の電力回生型パルス電源。
- 前記容量性負荷回路が、第4半導体スイッチを介して接地されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電力回生型パルス電源。
- 前記コンデンサが可変容量型のコンデンサであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力回生型パルス電源。
- 前記電源と前記第1半導体スイッチの間及び/又は前記第2半導体スイッチと前記容量性負荷回路の間に抵抗が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電力回生型パルス電源。
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