JP6762666B2 - 野菜果実混合飲料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
糖酸比の調整では、糖度を下げすぎると、濃厚感が失われ、味が薄い飲料となってしまう。他方で、酸度を上げすぎると、酸味を強く感じるようになり、飲みづらい飲料となってしまう。つまり、糖酸比を調整するだけでは、野菜果実混合飲料の過度な甘みを抑制することは非常に手間がかかり、困難である。また、前述のとおり、甘味を抑制する資材は、知られていない。
本実施の形態に係る野菜果実混合飲料(以下、「本飲料」という。)とは、原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料であって、そこに葡萄の果皮加工物が配合されたものである。原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料とは、飲料であって、その主原材料が野菜汁と果汁であり、果汁として少なくとも葡萄果汁が配合されるものをいう。野菜汁とは、野菜の搾汁(ストレート搾汁)、その濃縮汁(ピューレ、ペースト)及び濃縮汁の還元汁、並びにそれらの加工汁である。果汁とは、果実の搾汁(ストレート搾汁)、その濃縮汁(ピューレ、ペースト)及び濃縮汁の還元汁、並びにそれらの加工汁である。野菜汁の原材料となる野菜を例示すると、トマト、ナス、パプリカ、ピーマン、ジャガイモ等のナス科の野菜、ニンジン、セロリ、アシタバ、パセリ等のセリ科の野菜、キャベツ、紫キャベツ、メキャベツ(プチヴェール)、ハクサイ、チンゲンサイ、ダイコン、ケール、クレソン、小松菜、ブロッコリー、カリフラワー、カブ、ワサビ、マスタード等のアブラナ科の野菜、ホウレンソウ、ビート等のアカザ科の野菜、レタス、シュンギク、サラダナ、ゴボウ、ヨモギ等のキク科の野菜、タマネギ、ニンニク、ネギ等のユリ科の野菜、カボチャ、キュウリ、ニガウリ等のウリ科の野菜、インゲンマメ、エンドウマメ、ソラマメ、エダマメ等の豆科の野菜、モロヘイヤ、アスパラガス、ショウガ、サツマイモ、ムラサキイモ、シソ、アカジソ、トウモロコシ等である。果汁の原材料となる果実を例示すると、レモン、オレンジ、ネーブルオレンジ、グレープフルーツ、ミカン、ライム、スダチ、柚子、シイクワシャー、タンカン等の柑橘類、葡萄、リンゴ、ウメ、モモ、サクランボ、アンズ、プラム、プルーン、カムカム、ナシ、洋ナシ、ビワ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、カシス、クランベリー、ブルーベリー、メロン、スイカ、キウイフルーツ、ザクロ、バナナ、グァバ、アセロラ、パインアップル、マンゴー、パッションフルーツ、レイシ等である。葡萄果汁の原材料となる葡萄の品種を例示すると、巨峰、コンコード、マスカット、デラウェア、ピオーネ、ナイアガラ、キャンベル・アーリー等であり、より好ましくは巨峰、コンコード、ピオーネ等の果皮の色が黒、紫もしくは赤の葡萄である。このような色の果皮に通常含まれているのは、アントシアニンである。また、搾汁及び濃縮の詳細な説明のため、本明細書に取り込まれるのは、最新果汁・果実飲料辞典(社団法人日本果汁協会監修)の内容である。
本飲料の糖酸比は、20.7以上且つ25.0以下(20.7乃至25.0)であり、より好ましくは、23.0以上且つ25.0以下(23.0乃至25.0)である。糖酸比とは、糖度を酸度で除した値である。糖酸比が高ければ、甘味が強い。他方、糖酸比が低ければ、酸味が強い。本飲料の糖酸比の調整方法は、後述する。
本飲料の糖度は、9.0度以上であり、好ましくは、9.5度以上であり、より好ましくは、9.5度以上且つ11.5度以下(9.5乃至11.5度)であり、さらに好ましくは、10.6度以上且つ11.5度以下(10.6乃至11.5度)である。本飲料の糖度が9.0度より低いと、濃厚感が失われ、味が薄くなってしまう。本飲料の糖度が高すぎると、糖酸比が所定の範囲であっても、葡萄の果皮加工物を配合することによる過度な甘味の抑制効果が得られなくなってしまう。
本飲料の酸度は、0.56%以下であり、より好ましくは、0.38%以上且つ0.56以下(0.38乃至0.56%)であり、さらに好ましくは、0.42%以上且つ0.56%以下(0.42乃至0.56%)である。本飲料に含まれる成分の一つは、酸であり、具体的には、有機酸であり、例示すると、クエン酸、リンゴ酸、乳酸や酢酸等である。酸度の測定方法は、0.1N水酸化ナトリウム標準液を用いた滴定法である。すなわち、酸度は、クエン酸当量に換算した値である。
本飲料の糖酸比は、20.7乃至25.0であり、より好ましくは、23.0乃至25.0である。本飲料の糖酸比が20.7乃至25.0である場合、本飲料が呈するのは、適度な甘味と酸味を感じるため、甘さが気にならず、さらにはすっきりとした味である。本飲料の糖酸比が25.0より高いと、甘味を強く感じたり、甘味の後残りを感じてしまう。一方で、本飲料の糖酸比が20.7より低いと、酸味を強く感じてしまう。
原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料が呈するのは、過度な甘味である。過度な甘味とは、甘味を強く感じ、且つ甘味の後残りを強く感じることを指す。当該甘味は、糖酸比の上昇によって付与される。糖酸比の上昇は、果汁や甘味料を含有することでなされる。当該甘味が感じられるのは、糖酸比が20.7より高いものである。
本飲料が含有する葡萄の果皮加工物は、飲料への利用に適した形に葡萄の果皮が加工されたものである。当該加工法は、葡萄を剥皮し、得られた果皮又は葡萄の搾汁残渣として得られた果皮を磨り潰す、又は抽出することである。磨り潰すとは、コミトロール、ピンミル、コロイドミル、マスコロイダー等を用いた破砕処理、摩砕処理、微細化処理等の工程を指す。その磨り潰す程度は、特に限定されない。抽出とは、葡萄の果皮を搾汁してエキスを抽出する工程や水、水蒸気、二酸化炭素、エタノール、その他の有機溶剤等の公知の抽出溶媒を用いて葡萄の果皮からエキスを抽出する工程を指す。抽出に供される葡萄の果皮は、磨り潰されたものであってもよい。本明細書において抽出によって得られた葡萄の果皮のエキスを葡萄果皮抽出物とする。市場にて一般的に入手可能な葡萄の果皮加工物を例示すると、ピールペースト、コミュニーテッド果汁、ピールエキス等である。コミュニーテッド果汁とは、果実の果肉だけではなく、果皮までまるごと磨り潰した果汁原材料である。ピールエキスは、葡萄果皮抽出物に該当する。本飲料において配合される葡萄の果皮加工物は、果皮そのものを含有しないものであることが好ましい。例示すると、ピールエキス等である。果実の果皮加工物を配合する目的は、野菜果実混合飲料の過度な甘味の抑制である。過度な甘味が抑制された結果、適度な甘味と酸味を感じるため、甘さが気にならず、さらにはすっきりとした味を呈する。
本飲料の製造方法(以下、「本製法」という。)を主に構成するのは、搾汁工程、調合工程、殺菌工程、充填工程、密封工程及び冷却工程である。これらの工程の一般的な説明のために本願明細書が取り込むのは、最新果汁・果実飲料辞典(社団法人日本果汁協会監修)の内容である。各工程は、適宜省略可能である。
実施例で配合される葡萄の果皮加工物は、葡萄果皮抽出物(ピールエキス)として配合された。葡萄果皮抽出物は、以下の工程にて製造した。まず、生の葡萄を搾汁し、搾汁残渣である果皮を回収した。回収した果皮に水を加え、再搾汁を行い、固液分離後に濃縮し、エキスとして葡萄果皮抽出物を得た。
実施例1乃至5において配合する原材料は、市販の紫人参濃縮汁(Brix=63.1、糖酸比=12.3)、市販の透明人参濃縮汁(Brix=64.2、糖酸比=31.3)、市販のりんご透明濃縮果汁(Brix=69.7、糖酸比=45.3)、市販の葡萄濃縮果汁(Brix=69.3、糖酸比=22.3)、前述の葡萄果皮抽出物(Brix=48.8、糖酸比=20.1)、クエン酸(和光純薬工業株式会社製)、異性化液糖(王子コーンスターチ株式会社製)である。異性化液糖を除くこれらの原材料を表1の通りそれぞれ配合し、加水して混合し、実施例1乃至5のベースとなる調合液を得た。得られた調合液の糖酸比と糖度を測定し(測定結果:Brix=7.8、糖酸比=17.0)、同等の酸度となるようにクエン酸を加えて調整した異性化液糖を、表2に示す各実施例の糖度及び糖酸比となるように添加した。得られた調合液を加熱して95℃到達直後にPETボトルに充填した。充填後のPETボトルを5分程度放置してから水冷した。得られたサンプルは、それぞれ糖度及び酸度の測定並びに官能評価に供した。糖度及び酸度の測定値は、表2に示す。
比較例1乃至5において配合する原材料は、葡萄果皮抽出物を配合しないこと以外は、実施例1乃至5と同様である。異性化液糖を除くこれらの原材料を表1の通りそれぞれ配合し、加水して混合し、比較例1乃至5のベースとなる調合液を得た。得られた調合液の糖酸比と糖度を測定し(測定結果:Brix=7.8、糖酸比=17.0)、同等の酸度となるようにクエン酸を加えて調整した異性化液糖を、表2に示す各比較例の糖度及び糖酸比となるように添加した。得られた調合液を加熱して95℃到達直後にPETボトルに充填した。充填後のPETボトルを5分程度放置してから水冷した。得られたサンプルは、それぞれ糖度及び酸度の測定並びに官能評価に供した。糖度及び酸度の測定値は、表2に示す。
実施例6において配合する原材料は、クエン酸及び異性化液糖を配合しないこと及び追加で市販のレモン濃縮果汁(Brix=53.5、糖酸比=1.3)を配合したこと以外は、実施例1乃至5と同様である。これらの原材料を表1の通りそれぞれ配合し、加水して混合した。得られた調合液を加熱して95℃到達直後にPETボトルに充填した。充填後のPETボトルを5分程度放置してから水冷した。実施例6は、野菜及び果実の原材料のみで実現したものある。得られたサンプルは、糖度及び酸度の測定並びに官能評価に供した。糖度及び酸度の測定値は、表2に示す。
本測定で採用したBrixの測定器は、屈折計(NAR−3T ATAGO社製)である。測定時の品温は、20℃であった。
本測定で採用した酸度の算出方法は、0.1N水酸化ナトリウム標準液を用いた滴定法であり、滴定値よりクエン酸当量に換算して算出した。
実施例1乃至6及び比較例1乃至5の官能評価において評価した項目は、「適度な甘味」、「甘さのキレ」、「濃厚感」である。評価において採用したのは、評点法である。本発明に係る原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料において、「適度な甘味」と「甘さのキレ」は、過度な甘味が抑制されたかどうかの主たる指標である。「適度な甘味」は、甘味と酸味のバランスに関する指標であって、バランスが崩れるとどちらかが強く感じてしまう。「甘さのキレ」は、甘味の後残りに関する指標であって、キレが悪いと甘味の後残りが発生し、すっきりとした味わいを妨げる。「濃厚感」は、飲料の飲み応えに関する指標であって、薄く感じるものは飲料として不適である。
1点:甘味しか感じない
2点:甘味を非常に強く感じる
3点:甘味を強く感じる
4点:甘味を少し強く感じる
5点:適度な甘味と酸味を感じる
4点:酸味を少し強く感じる
3点:酸味を強く感じる
2点:酸味を非常に強く感じる
1点:酸味しか感じない
なお、本発明に係る原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料においては、4点乃至5点を甘すぎない好ましいものとする。
1点:キレがとても悪い
2点:キレが悪い
3点:どちらでもない
4点:キレが良い
5点:キレがとても良い
なお、本発明に係る原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料においては、4点乃至5点をすっきりとした好ましいものとする。
1点:とても薄く感じる
2点:薄く感じる
3点:どちらでもない
4点:濃厚に感じる
5点:とても濃厚に感じる
なお、本発明に係る原材料として葡萄果汁が配合された野菜果実混合飲料においては、1点乃至2点は、味が薄く、飲料として不適であるものとする。
実施例7乃至12において配合する原材料は、前述の実施例1乃至6及び比較例1乃至5の作成に用いたものと同様のものを用いた。異性化液糖を除くこれらの原材料を表3の通りそれぞれ配合し、加水して混合し、実施例7乃至12のベースとなる調合液を得た。得られた調合液の糖酸比と糖度を測定し(測定結果:Brix=8.0、糖酸比=22.9)、クエン酸及び異性化液糖を、表4に示す各実施例の糖度及び酸度となるように添加した。得られた調合液を加熱して95℃到達直後にPETボトルに充填した。充填後のPETボトルを5分程度放置してから水冷した。得られたサンプルは、それぞれ糖度及び酸度の測定並びに官能評価に供した。糖度及び酸度の測定値は、表4に示す。糖度及び酸度の測定は、前述の通り行った。また、官能評価も、専門パネルの人数以外は、前述の通り行った。なお、官能評価は、訓練された専門パネル9名で行った。官能評価結果は、表4の通りであり、表4に示す評点は、平均点を求め、四捨五入した値である。
比較例6乃至10において配合する原材料は、葡萄果皮抽出物を配合しないこと以外は、実施例7乃至12と同様である。異性化液糖を除くこれらの原材料を表3の通りそれぞれ配合し、加水して混合し、比較例6乃至10のベースとなる調合液を得た。得られた調合液の糖酸比と糖度を測定し(測定結果:Brix=8.0、糖酸比=22.9)、クエン酸及び異性化液糖を、表4に示す各比較例の糖度及び酸度となるように添加した。得られた調合液を加熱して95℃到達直後にPETボトルに充填した。充填後のPETボトルを5分程度放置してから水冷した。得られたサンプルは、それぞれ糖度及び酸度の測定並びに官能評価に供した。糖度及び酸度の測定値は、表4に示す。糖度及び酸度の測定は、前述の通り行った。また、官能評価も、専門パネルの人数以外は、前述の通り行った。なお、官能評価は、訓練された専門パネル9名で行った。官能評価結果は、表4の通りであり、表4に示す評点は、平均点を求め、四捨五入した値である。
Claims (6)
- 野菜果実混合飲料であって、
その原材料は、少なくとも、葡萄果汁、及び葡萄の果皮加工物であり、当該野菜果実混合飲料の糖酸比は、20.7乃至25.0であり、当該野菜果実混合飲料の糖度は、9.0度以上11.5度以下であり、前記葡萄の果皮加工物の配合量は、0.2乃至20.0w/v%である。 - 請求項1の飲料であって、
前記糖酸比は、23.0乃至25.0である。 - 請求項1又は2の飲料であって、
前記糖度は、9.5乃至11.5度である。 - 請求項1乃至3のいずれかの飲料であって、
前記葡萄の果皮加工物は、葡萄果皮抽出物である。 - 請求項1乃至4のいずれかの飲料であって、
前記葡萄果汁の配合量は、0.5乃至50.0w/v%である。 - 野菜果実混合飲料の製造方法であって、それを構成するのは、少なくとも、調合工程であり、
ここで、調合されるのは、少なくとも、葡萄果汁及び野菜汁、葡萄の果皮加工物であり、当該葡萄の果皮加工物の配合量は、0.2乃至20.0w/v%であり、それによって得られるのは、野菜果実混合飲料であって、当該野菜果実混合飲料の糖酸比は、20.7乃至25.0であり、当該野菜果実混合飲料の糖度は、9.0度以上11.5度以下である。
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