JP6763365B2 - 粘着シート - Google Patents
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Description
本明細書において、「粘着剤」は再剥離性を有する粘着剤(再剥離型粘着剤)であり、「粘着シート」は再剥離性を有する粘着シート(再剥離粘着シート)である。
塗工層が比較的速く硬化する場合、塗工層の加熱乾燥時の熱風、並びに、加熱乾燥後に得られる粘着シートの巻取り時および養生時に受ける機械的応力等に対して、塗工層および粘着層が影響を受けにくい。そのため、巻芯段差痕、ゆず肌、および巻癖等の不良が抑制され、表面外観が良好な粘着層を有する粘着シートを製造することができる。
塗工層が比較的速く硬化する場合、粘着剤の厚膜塗工が容易である。粘着層を厚膜化できることで、クッション性に優れ、衝撃等から各種光学部材等の被着体を保護する性能(耐衝撃性等)に優れた粘着層を形成することができる。
塗工層が比較的速く硬化する場合、養生期間を短縮化することができる。
しかしながら、一般的に、ウレタン系粘着剤は、アクリル系粘着剤に比して主成分樹脂の分子量が小さいため、硬化しにくい傾向がある。
OH基を3個有する数平均分子量Mnが8000〜20000のポリオール(A1)を含む1種以上のポリオール(A)と1種以上の多官能イソシアネート化合物(B)とを含むウレタン系粘着剤の硬化物からなる粘着層を備えた粘着シートが開示されている(請求項1、9)。
特許文献1に記載の粘着シートは、ポリウレタンポリオールを用いずにポリオールと多官能イソシアネート化合物とを含むウレタン系粘着剤をいわゆるワンショット法で硬化して粘着層を形成したものである。
(条件1)前記カルボン酸エステルが、分子中にエーテル結合を含む。
(条件2)前記カルボン酸エステルが、1分子中に炭素原子を31個以上含む。
特許文献1に記載のウレタン系粘着剤は、硬化性を速めたものではなく、レベリング剤の添加によってゆず肌を抑制している。したがって、厚膜塗工および養生期間の短縮化を実現することはできない。
基材シートと、当該基材シートの一方の面に形成されたウレタン系粘着剤の硬化物からなる粘着層とを含む粘着シートであって、
前記ウレタン系粘着剤は、
1種以上のポリオール(x)と1種以上のポリイソシアネート(y)との共重合反応生成物であるポリウレタンポリオール(A)と、
多官能イソシアネート化合物(B)と、
ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して0.08〜0.70質量部の金属含有触媒(MC)とを含む。
本発明で用いられるウレタン系粘着剤は、1種以上のポリウレタンポリオール(A)と、1種以上の多官能イソシアネート化合物(B)と、1種以上の金属含有触媒(MC)とを含む。
ポリウレタンポリオール(A)は、1種以上のポリオール(x)と1種以上のポリイソシアネート(y)とを共重合反応させて得られる反応生成物である。共重合反応は必要に応じて、1種以上の触媒存在下で行うことができる。共重合反応には必要に応じて、1種以上の溶剤を用いることができる。
ポリオール(x)の種類は特に制限されず、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびひまし油系ポリオール等が挙げられる。中でも、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびこれらの組合せが好ましい。
一般的に、ポリオール(x)の官能基数が少ない程、得られるポリウレタンポリオール(A)の架橋性が低下して硬化性が低下する傾向がある。具体的には、1種以上のポリオール(x)が1種以上の2官能ポリオールを含む場合、特に1種以上のポリオール(x)が1種以上の2官能ポリオールのみからなる場合、得られるポリウレタンポリオール(A)の硬化性が低下する傾向がある。
1種以上のポリオール(x)が1種以上の2官能ポリオールを含む場合、得られるウレタン系粘着剤が硬化しにくく、良好なポットライフを実現できるメリットがあるが、特に厚膜塗工条件においてウレタン系粘着剤からなる塗工層の初期硬化性が不充分となる恐れがある。
ウレタン系粘着剤が良好なポットライフを有し、粘着層が高い凝集力を有することができ、粘着シートの製造工程における粘着層の巻芯段差痕、ゆず肌、および巻癖等の表面外観不良の発生が抑制され、かつ、厚膜塗工条件においても塗工層の硬化性を効果的に高めることができることから、ポリウレタンポリオール(A)の原料である1種以上のポリオール(x)は1種以上の2官能ポリエステルポリオールを含むことが好ましく、1種以上のポリエステルポリオールの総量に占める1種以上の2官能ポリエステルポリオールの量は好ましくは20〜100質量%、より好ましくは30〜100質量%、特に好ましくは50〜100質量%である。
ポリイソシアネート化合物(y)としては公知のものを使用でき、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、および脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
ポリウレタンポリオール(A)の重合には必要に応じて、1種以上の触媒を用いることができる。触媒としては公知のものを使用でき、金属含有触媒(MC)および他の触媒(非金属含有触媒)(NMC)が挙げられる。
ポリウレタンポリオール(A)の重合に用いられる触媒が1種以上の金属含有触媒(MC)を含む場合、ポリウレタンポリオール(A)の重合に使用された1種以上の金属含有触媒(MC)は、最終的にウレタン系粘着剤の成分として残る場合がある。金属含有触媒(MC)としては、錫系化合物および非錫系化合物等が挙げられる。これらの例示は、後記する。
他の触媒(非金属含有触媒)(NMC)としては、3級アミン系化合物等が挙げられる。3級アミン系化合物としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、および1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)等が挙げられる。
反応性の異なる複数種のポリオール(x)を併用する場合、これらの反応性の相違により、単一触媒の系ではゲル化または反応溶液の白濁が生じやすくなる恐れがある。この場合、2種以上の触媒を用いることにより、反応(例えば反応速度等)を制御しやすく、上記問題を解決することができる。反応性の異なる複数種のポリオール(x)を併用する系では、2種以上の触媒を用いることが好ましい。2種以上の触媒の組合せは特に制限されず、3級アミン/有機金属系、錫系/非錫系、および錫系/錫系等が挙げられる。好ましくは錫系/錫系、より好ましくはジブチル錫ジラウレートと2−エチルヘキサン酸錫である。
2−エチルヘキサン酸錫とジブチル錫ジラウレートとの質量比(2−エチルヘキサン酸錫/ジブチル錫ジラウレート)は特に制限されず、好ましくは0超1未満、より好ましくは0.2〜0.6である。当該質量比が1未満であれば、触媒活性のバランスが良く、ゲル化を効果的に抑制することができる。
ポリウレタンポリオール(A)の重合には必要に応じて、1種以上の溶剤を用いることができる。溶剤としては公知のものを使用でき、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、およびアセトン等が挙げられる。
ポリウレタンポリオール(A)の重合方法としては特に制限されず、塊状重合法および溶液重合法等の公知重合方法を適用することができる。
重合手順は特に制限されず、
手順1)1種以上のポリオール(x)、1種以上のポリイソシアネート(y)、必要に応じて1種以上の触媒、および必要に応じて1種以上の溶剤を一括してフラスコに仕込む手順;
手順2)1種以上のポリオール(x)、必要に応じて1種以上の触媒、および必要に応じて1種以上の溶剤をフラスコに仕込み、これに1種以上のポリイソシアネート(y)を滴下添加する手順が挙げられる。
反応を制御しやすいことから、手順2)が好ましい。
触媒を使用しない場合の反応温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上である。触媒を使用しない場合の反応時間は、好ましくは3時間以上である。
なお、水酸基価は、[実施例]の項に記載の方法にて測定することができる。
多官能イソシアネート化合物(B)は、ポリウレタンポリオール(A)の硬化剤である。多官能イソシアネート化合物(B)としては公知のものを使用でき、ポリウレタンポリオール(A)の原料であるポリイソシアネート(y)で例示した化合物(具体的には、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、および、これらのトリメチロールプロパンアダクト体/ビュウレット体/3量体)を用いることができる。
1種以上のポリウレタンポリオール(A)100質量部に対する1種以上の多官能イソシアネート化合物(B)の配合量は特に制限されず、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは5〜25質量部である。配合量が1質量部以上であれば粘着層の凝集力が良好となり、配合量が30質量部以下であれば粘着層の粘着力が良好となる。
本発明で用いられるウレタン系粘着剤はさらに必要に応じて、1種以上可塑剤(P)を含むことができる。ウレタン系粘着剤が1種以上可塑剤(P)を含むことで、粘着層の濡れ性が向上し、粘着シートを被着体に貼着する際に貼着界面に気泡を巻き込みにくくなる。可塑剤(P)としては特に制限されず、他の成分との相溶性等の観点から、炭素数10〜30の有機酸エステルが好ましい。
一般的に粘着層は高温高湿環境に曝されたときに、外部環境の水分の影響を受けて白濁(白化ともいう)して、外観が悪化する場合がある。そのため、粘着層は、耐湿熱白化性が良好であることが好ましい。1種以上のEO基含有有機酸エステルを用いることで、粘着層の親水性が向上し、湿熱白化を抑制することができる。粘着層の親水性向上によって粘着層と外部環境との間の水分の移行が起こりやすくなり、外部から粘着層に水分が侵入したとしても、粘着層から外部環境への水分の排出も起こりやすく、粘着層内の水分量を相対的に低く維持できると考えられる。
なお、「水接触角」は、[実施例]の項に記載の方法にて測定することができる。
配合量が10質量部以上であれば、可塑剤(P)の添加効果(濡れ性向上効果)が効果的に発現することができる。配合量が70質量部以下であれば、本来必要な粘着剤の主有効成分であるポリウレタンポリオール(A)の量が充分に確保され、粘着剤として必要な性能が確保される。
本発明で用いられるウレタン系粘着剤は、1種以上の金属含有触媒(MC)を含む。
なお、1種以上の金属含有触媒(MC)の添加タイミングは特に制限されない。1種以上の金属含有触媒(MC)は、1種以上のポリウレタンポリオール(A)の重合時に添加してもよい。1種以上の金属含有触媒(MC)は、1種以上のポリウレタンポリオール(A)、1種以上の多官能イソシアネート化合物(B)、および必要に応じて他の任意成分を配合してウレタン系粘着剤を調製する際に、添加してもよい。
錫系化合物としては、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキシド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキシド、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、および2−エチルヘキサン酸錫等が挙げられる。
非錫系化合物としては、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、およびブトキシチタニウムトリクロライド等のチタン系;オレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、およびナフテン酸鉛等の鉛系;2−エチルヘキサン酸鉄および鉄アセチルアセトネート等の鉄系;安息香酸コバルトおよび2−エチルヘキサン酸コバルト等のコバルト系;ナフテン酸亜鉛および2−エチルヘキサン酸亜鉛等の亜鉛系;ナフテン酸ジルコニウム等のジルコニウム系が挙げられる。
一般的に、ポリオール(x)の官能基数が少ない程、得られるポリウレタンポリオール(A)の架橋性が低下して硬化性が低下する傾向がある。具体的には、1種以上のポリオール(x)が1種以上の2官能ポリオールを含む場合、特に1種以上のポリオール(x)が1種以上の2官能ポリオールのみからなる場合、得られるポリウレタンポリオール(A)の硬化性が低下する傾向がある。
1種以上のポリオール(x)が1種以上の2官能ポリオールを含む場合、得られるウレタン系粘着剤が硬化しにくく、良好なポットライフを実現できるメリットがあるが、特に厚膜塗工条件においてウレタン系粘着剤からなる塗工層の初期硬化性が不充分となる恐れがある。
1種以上の金属含有触媒(MC)の添加量が0.08質量部以上であれば、ポリウレタンポリオール(A)の種類によらず、ウレタン系粘着剤からなる塗工層の硬化性を効果的に高めることができる。1種以上の金属含有触媒(MC)の添加量が0.70質量部以下であれば、ウレタン系粘着剤は良好なポットライフを有することができる。
塗工層が比較的速く硬化する場合、粘着剤の厚膜塗工が容易である。粘着層を厚膜化できることで、クッション性に優れ、衝撃等から各種光学部材等の被着体を保護する性能(耐衝撃性等)に優れた粘着層を形成することができる。
塗工層が比較的速く硬化する場合、養生期間を短縮化することができる。
本発明で用いられるウレタン系粘着剤は必要に応じて、1種以上の溶剤を含むことができる。溶剤としては公知のものを使用でき、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、およびアセトン等が挙げられる。
本発明で用いられるウレタン系粘着剤は必要に応じて、1種以上の変質防止剤を含むことができる。これにより、粘着層の長期使用による各種特性の低下を抑制することができる。変質防止剤としては、耐加水分解剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、および光安定剤等が挙げられる。
高温高湿環境下等において粘着層に加水分解反応が生じてカルボキシ基が生成した場合、このカルボキシ基を封鎖するために、1種以上の耐加水分解剤を用いることができる。
耐加水分解剤としては、カルボジイミド系、イソシアネート系、オキサゾリン系、およびエポキシ系等が挙げられる。中でも、加水分解抑制効果の観点から、カルボジイミド系が好ましい。
モノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、およびナフチルカルボジイミド等が挙げられる。
ポリカルボジイミド化合物は、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させて生成することができる。ここで、ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、およびテトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。カルボジイミド化触媒としては、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、およびこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシド等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ラジカル捕捉剤および過酸化物分解剤等が挙げられる。ラジカル捕捉剤としては、フェノール系化合物およびアミン系化合物等が挙げられる。過酸化物分解剤としては、硫黄系化合物およびリン系化合物等が挙げられる。
1種以上の酸化防止剤の添加量は特に制限されず、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜2.0質量部、より好ましくは0.1〜1.5質量部、特に好ましくは0.2〜1.0質量部である。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物、およびトリアジン系化合物等が挙げられる。
1種以上の紫外線吸収剤の添加量は特に制限されず、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜3.0質量部、より好ましくは0.1〜2.5質量部、特に好ましくは0.2〜2.0質量部である。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物およびヒンダードピペリジン系化合物等が挙げられる。1種以上の光安定剤の添加量は特に制限されず、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは0.01〜2.0質量部、より好ましくは0.1〜1.5質量部、特に好ましくは0.2〜1.0質量部である。
本発明で用いられるウレタン系粘着剤は必要に応じて、1種以上のレベリング剤を含むことができる。ウレタン系粘着剤に1種以上のレベリング剤を添加することで、粘着層のレベリング性を向上させることができる。レベリング剤としては、アクリル系レベリング剤、フッ素系レベリング剤、およびシリコン系レベリング剤等が挙げられる、粘着シート再剥離後の被着体汚染抑制の観点から、アクリル系レベリング剤等が好ましい。
本発明で用いられるウレタン系粘着剤は必要に応じて、帯電防止剤、シランカップリング剤、着色剤、消泡剤、湿潤剤、耐候安定剤、および軟化剤等の他の1種以上の添加剤を含むことができる。
粘着層は、ウレタン系粘着剤の硬化物からなる。
粘着層のプローブタックは、好ましくは0.01〜0.30N/cm2、より好ましくは0.02〜0.25N/cm2、特に0.05〜0.2N/cm2である。かかる範囲のプローブタックを有する粘着層は、粘着力が好適であり、被着体に対して良好な貼着性を有することができる。
例えば、ポリウレタンポリオール(A)に対して配合する多官能イソシアネート化合物(B)の種類と量を調整することで、粘着層の上記粘着力を好ましい範囲に調整することができる。ポリウレタンポリオール(A)と多官能イソシアネート化合物(B)の種類が同じ条件であれば、多官能イソシアネート化合物(B)の量が多くなる程、プローブタックが低下する傾向がある。
なお、本明細書において、プローブタックは、[実施例]の項に記載の方法にて測定するものとする。
粘着シートの粘着層側を10×20mm2の接触面積でガラス板に貼着し、50mm/分の剥離速度で粘着シートをガラス板から180°方向に剥離した際のせん断力は、好ましくは5〜25N/cm2、より好ましくは6〜20N/cm2、特に好ましくは7〜15N/cm2である。
せん断力が5N/cm2以上であれば、粘着層が伸びにくく、被着体に貼着する際の粘着シートの貼着性が良好となり、被着体に貼着する際の粘着シートの位置調整および貼直しが容易となる。せん断力が25N/cm2以下であれば、粘着層が伸びすぎて被着体に貼着した後に粘着シートの位置ずれ生じることが抑制される。
なお、本明細書において、せん断力は、[実施例]の項に記載の方法にて測定するものとする。
本発明の粘着シートは、基材シートと、ウレタン系粘着剤の硬化物からなる粘着層とを含む。粘着層は、基材シートの片面または両面に形成することができる。必要に応じて、粘着層の露出面は、剥離シート(剥離ライナーともいう)で被覆することができる。なお、剥離シートは、粘着シートを被着体に貼着する際に剥離される。
基材シート11は、シート本体11Aからなる単層シートでもよいし、シート本体11Aの少なくとも一方の面に任意の1層以上の層が積層された積層シートでもよい。粘着シート10X、10Y、10Zの帯電防止の観点から、基材シート11は好ましくは、シート本体11Aとその粘着層12の非形成側の面に形成された帯電防止層11Bとを含む。基材シート11が帯電防止層11Bを含む場合、電子機器に影響を与える静電気の発生等を抑制することができる。
樹脂シートの構成樹脂としては特に制限されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)等エステル系樹脂;ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂;ナイロン66等のアミド系樹脂;ウレタン系樹脂(発泡体を含む);これらの組合せ等が挙げられる。シート本体11Aとしては、PETシート等が好ましい。
ポリウレタンシートを除く樹脂シートの厚みは特に制限されず、好ましくは15〜300μmである。ポリウレタンシート(発泡体を含む)の厚みは特に制限されず、好ましくは20〜50,000μmである。
シート本体11Aは透明性が高いことが好ましく、シート本体11Aのヘーズは好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは2%以下である。
アニオン性の低分子界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、およびアルキルホスフェート等が挙げられる。
カチオン性の低分子界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
両性の低分子界面活性剤としては、アルキルベタインおよびアルキルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。
アニオン性の高分子界面活性剤としては、ポリスチレンスルホン酸型等が挙げられる。
カチオン性の高分子界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体型等が挙げられる。
両性の高分子界面活性剤としては、高級アルキルアミノプロピオン酸塩等のアミノ酸型両性界面活性剤、高級アルキルジメチルベタイン、および高級アルキルジヒドロキシエチルベタイン等のベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
一般的に粘着シートは高温高湿環境に曝されたときに白濁(白化)する場合がある。導電性ポリマー(EP)は界面活性剤(SF)に比して親水性が低いため、帯電防止剤(AS)として1種以上の導電性ポリマー(EP)を用いることで、帯電防止層11Bが湿度の影響を受けにくくなり、湿熱白化を抑制することができると考えられる。
なお、親水性の指標としては、水接触角が挙げられる。帯電防止層11Bは、好ましくは、帯電防止層の表面に水を滴下してから1000ms経過した後の水接触角が40〜110°、より好ましくは60〜110°、特に好ましくは70〜110°である。
シート本体13Aとしては、樹脂シートおよび紙等が挙げられる。
剥離剤層13Lは、シリコーン樹脂等の1種以上の剥離剤を含む。
帯電防止層13Bに用いられる1種以上の帯電防止剤は、上記の基材シート11の帯電防止層11Bと同様である。耐湿熱白化性向上の観点から、帯電防止層13Bは、1種以上の導電性ポリマー(EP)を含むことが好ましい。帯電防止層11Bと同様、帯電防止層13Bは好ましくは、帯電防止層の表面に水を滴下してから1000ms経過した後の水接触角が40〜110°である。
はじめに、基材シート11の表面にウレタン系粘着剤を塗工して、ウレタン系粘着剤からなる塗工層を形成する。塗布方法は公知方法を適用でき、ロールコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、およびグラビアコーター法等が挙げられる。
次に、塗工層を乾燥および硬化して、ウレタン系粘着剤の硬化物を含む粘着層を形成する。加熱乾燥温度は特に制限されず、60〜150℃程度が好ましい。
次に必要に応じて、公知方法により粘着層12の露出面に剥離シート13X、13Yを貼着する。
以上のようにして、粘着シート10X、10Y、10Zを製造することができる。
上記方法とは逆に、13X、13Y、13Zの表面にウレタン系粘着剤を塗工してウレタン系粘着剤からなる塗工層を形成し、次いで塗工層を乾燥および硬化してウレタン系粘着剤の硬化物を含む粘着層12を形成し、最後に粘着層12の露出面に基材シート11を積層してもよい。
本発明の粘着シートは、テープ、ラベル、およびシール等の形態で、使用することができる。本発明の粘着シートは、表面保護シート、化粧用シート、および滑り止めシート等として好適に使用される。
液晶ディスプレイ(LCD)等のフラットパネルディスプレイ、並びに、かかるフラットパネルディスプレイとタッチパネルとを組み合わせたタッチパネルディスプレイは、テレビ(TV)、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、および携帯情報端末等の電子機器に広く使用されている。
本発明の粘着シートは、フラットパネルディスプレイおよびタッチパネルディスプレイ、並びに、これらの製造工程で製造または使用される基板および光学部材等の表面保護シートとして好適に用いられる。
塗工層が比較的速く硬化する場合、粘着剤の厚膜塗工が容易である。粘着層を厚膜化できることで、クッション性に優れ、衝撃等から各種光学部材等の被着体を保護する性能(耐衝撃性等)に優れた粘着層を形成することができる。
塗工層が比較的速く硬化する場合、養生期間を短縮化することができる。
[各種物性の評価項目および評価方法]
(重量平均分子量(Mw))
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により測定した。測定条件は以下の通りとした。なお、Mwは、ポリスチレン換算値である。
<測定条件>
装置:SHIMADZU Prominence(島津製作所社製)、
カラム:TOSOH TSK−GEL GMHXL(東ソー社製)を3本直列に接続、
溶媒:テトラヒドロフラン、
流速:0.5ml/min、
溶媒温度:40℃、
試料濃度:0.1質量%、
試料注入量:100μl。
粘度は、JISZ8803に準拠して、以下の条件で測定した。
装置:B型粘度計 TVB10M(東機産業株式会社)、
ローター:No.3、
回転数:12rpm、
測定温度:25℃。
水酸基価は、JISK0070に準拠して中和滴定法により測定した。
まず、100mlフラスコに無水酢酸25gを入れ、これにピリジンを加えて全量を100mlとした。内容物を充分に振り混ぜて、アセチル化試薬を作製した。得られたアセチル化試薬は、湿気、二酸化炭素、および酸の蒸気に触れないように、褐色瓶内に保存した。
次に、試料を平底フラスコ内に量り取り、これに上記のアセチル化試薬5mlをピペットを用いて加え、フラスコの口に小さな漏斗を置いた。このフラスコの底部(底面から約1cm高さの部分)を、温度95〜100℃のグリセリン浴に浸して加熱した。この際、グリセリン浴の熱を受けてフラスコの首部の温度が上がるのを防ぐために、中央部に丸い穴を開けたドーナツ型の厚紙をフラスコの首部の付け根にかぶせた。グリセリン浴加熱の開始から1時間後にフラスコをグリセリン浴から取り出し、放冷した。次いで、上記漏斗を通して水1mlをフラスコ内に供給し、フラスコを振り動かして無水酢酸を分解した。
無水酢酸の分解を完全にするため、上記と同様の方法で、再びフラスコの底部をグリセリン浴中で10分間加熱した後、フラスコをグリセリン浴から取り出し、放冷した。次いで、上記漏斗を通してエタノール5mlをフラスコ内に供給した。この際、漏斗の内壁全体およびフラスコの内壁全体をエタノールで洗うようにした。
次に、フラスコ内に指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液を用いて滴定し、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いた時点を終点とした。
別途、フラスコ内に試料を入れずに上記と同様の操作を行う空試験を実施した。
次式(1)によりポリウレタンポリオール(A)(固形分)の水酸基価を算出した。
A=((B−C)×f×28.05/S)/(不揮発分濃度/100)+D・・・(1)
(ただし、上記式(1)中、A:水酸基価(mgKOH/g)、B:空試験に用いた0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、C:滴定に用いた0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、f:0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクタ(濃度補正係数)、S:試料の質量(g)、D:酸価(mgKOH/g)。)
本明細書において、水酸基価は、「OH価」と略記する場合がある。
用いた基材シートは、以下の通りである。
<基材シート(SH−1)>
シート本体として厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(エステルフィルムE5100、一方の表面にコロナ処理あり、東洋紡製)を用意し、これをそのまま基材シート(SH−1)として用いた。
導電性ポリマー(EP−1)として導電性ポリチオフェンを含む分散液(エノコートBP105、化研産業(株)製)を用意した。この導電性ポリチオフェン分散液をプロパノールで希釈して、帯電防止性コーティング剤(ASC−1)(不揮発分(NV)1質量%)を得た。シート本体として基材シート(SH−1)を用意した。このシート本体のコロナ処理面に、バーコーター法にて上記の帯電防止性コーティング剤(ASC−1)を塗工し、80℃のオーブンで3分間乾燥させて、厚み0.5μmの帯電防止層を形成した。以上のようにして、帯電防止層付の基材シート(SH−2)を得た。
界面活性剤(SF−1)としてポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ノニオン系界面活性剤)を用意し、これをそのまま帯電防止性コーティング剤(ASC−2)とした。この帯電防止性コーティング剤を用いた以外は基材シート(SH−2)の製造と同様の方法にて、帯電防止層付の基材シート(SH−3)を得た。
合成例、実施例、および比較例で使用した材料は、以下の通りである。
<ポリオール(x)>
(x−1):クラレポリオールP1010(ポリエステルジオール、OH価112、分子量1,000、クラレ(株)製)、
(x−2)F2010:クラレポリオールF2010(ポリエステルトリオール、OH価84、分子量2,000、クラレ(株)製)、
(x−3)PP2000:サンニックスPP−2000(ポリエーテルジオール、OH価56、分子量2,000、三洋化成工業(株)製)、
(x−4)G3000B:アデカポリオールG3000B(ポリエーテルトリオール、OH価56、分子量3,000、ADEKA(株)製)。
(y−1):デスモジュールH(ヘキサメチレンジイソシアネート、住化コベストロウレタン(株)製)。
(MC−1):ジ−n−ブチル錫ジラウレート、
(MC−2):ネオデカン酸ビスマス。
<他の触媒(非金属含有触媒)(NMC)>
(NMC−1)1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン。
(B−1):コロネートHX(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、不揮発分(NV)100質量%、NCO基量21モル%、東ソー(株)製)。
(P−1):モノサイザーW262(ポリエーテルエステル系可塑剤、EO基含有、不揮発分(NV)100質量%、分子量556、DIC(株)製、
(P−2):ポリサイザーW320(アジピン酸系ポリエステル系可塑剤、EO基非含有、不揮発分(NV)100質量%、分子量1000、DIC(株)製)。
(R−1):アセチルアセトン。
(合成例1)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、および滴下ロートを備えた4口フラスコに、窒素雰囲気下で、ポリオール(x−1)100質量部、ポリイソシアネート(y−1)15.5質量部、トルエン77質量部、および金属含有触媒(MC−1)0.02質量部を仕込んだ。フラスコを徐々に昇温させ、約90℃で2
時間反応を行った。その後、赤外吸収(IR)スペクトルで残存イソシアネート基が消失したか否かを確認しつつ反応を継続し、消失を確認した後、直ちにフラスコを冷却させて反応を終了させた。最後に、不揮発分(NV)が60質量%になるようトルエンを加えた。
以上のようにして、ポリウレタンポリオール(A−1)の溶液を得た。この溶液の粘度は3,000mPa・sであった。得られたポリウレタンポリオール(A−1)は、水酸基価が7.6mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)が55,000であった。
配合組成と得られたポリウレタンポリオール(A−1)の溶液の物性評価結果を表1に示す。なお、表1中、2fは2官能、3fは3官能を示す。表1中、各材料の配合量の単位は[質量部]である。表1には、溶液中におけるポリウレタンポリオール(A)100質量部に対する金属含有触媒(MC)の量(単位は質量部)についても合わせて示してある。
合成例2〜5においては、原料の配合組成を表1に示すように変更した以外は合成例1と同様にして、ポリウレタンポリオール(A−2)〜(A−5)の溶液を得た。各合成例において、得られたポリウレタンポリオールの溶液の物性評価結果を表1に示す。
合成例1で得られたポリウレタンポリオール(A−1)の溶液に対して、各種材料を配合した。溶液中のポリウレタンポリオール(A−1)の量を100質量部とした。これに対して、多官能イソシアネート化合物(B−1)を5.4質量部、金属含有触媒(MC−1)のトルエン溶液(不揮発分(NV)2.5質量%)を固形分換算で0.150質量部、添加剤(R−1)を6質量部、溶剤として酢酸エチルを5質量部配合した。これらの材料をディスパーで攪拌することで、ウレタン系粘着剤を得た。得られたウレタン系粘着剤は直ちに、ポットライフの評価に供した。また、得られたウレタン系粘着剤を厚膜塗工性の評価に供した。
基材シートとして、帯電防止層付の基材シート(SH−2)を用意した。この基材シートの帯電防止層の非形成面に、ドクターブレードを用いて、得られたウレタン系粘着剤を、乾燥後の厚みが50μmになるように塗工した。形成された塗工層を120℃で4分間乾燥して、粘着層を形成した。この粘着層の上に、厚み25μmの剥離シート(250010BD、藤森工業製)を貼着して、粘着シートを得た。得られた粘着シートを23℃−50%RHの条件下で1週間養生した後、他の評価に供した。
実施例2〜12、比較例1〜5の各例においては、ウレタン系粘着剤の配合組成と用いた基材シートを表2に示すものに変更した以外は実施例1と同様して、ウレタン系粘着剤および粘着シートを得、評価した。
なお、表2中、各材料の配合量の単位は[質量部]である。金属含有触媒(MC)および他の触媒(NMC)の配合量は、実施例または比較例で新たに添加した触媒の量である。金属含有触媒(MC)の合計量は、合成例で得られたポリウレタンポリオール(A)の溶液に含まれる金属含有触媒(MC)と実施例または比較例で新たに添加した金属含有触媒(MC)の合計量である。また、多官能イソシアネート化合物(B)については、ポリウレタンポリオール(A)中の水酸基(OH)のモル数に対する、多官能イソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基(NCO)のモル数の比(NCO/OH官能基比)についても合わせて示してある。
ウレタン系粘着剤および粘着シートの評価項目および評価方法は、以下の通りである。(ポットライフ)
得られたウレタン系粘着剤を製造後直ちに蓋つきガラス瓶内に入れ、このガラス瓶を25℃の恒温水槽に投入し、投入開始から1時間後および12時間後のウレタン系粘着剤の粘度をそれぞれ測定した。1時間後に対する12時間後の粘度増加率(12時間後の粘度/1時間後の粘度[倍])を求めた。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
○:粘度増加率が2倍未満(優良)、
△:粘度増加率が2倍以上3倍未満(良好)、
×:粘度増加率が3倍以上(実用上問題あり)。
基材シートとして、幅430mm・厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(ルミラーT−60、東レ製)を用意した。試験用の製造装置(コンマコーター:登録商標)を用いて、ロールトゥロール(Roll to Roll)プロセスで粘着シートを製造した。
基材シートの搬送速度は1.0m/分とした。基材シートの片面に、得られたウレタン系粘着剤を乾燥後の厚みが150μmになるように幅400mmで塗工し、塗工層を形成した。次いで、このシートを4m長の130℃に設定されたオーブン内を通過させて、塗工層を乾燥および硬化した。次いで、形成された粘着層の上に幅430mm・厚み25μmの剥離シート(250010BD、藤森工業製)を貼着した。次いで、得られた粘着シートを巻芯(6インチABSコア)に長さ100m巻き取った。得られた粘着シートロールを23℃−50%RHの条件下で1週間養生した。
養生前については、得られた粘着シートロールから、粘着シートの巻終わり側(外側)の末端から1m長の位置で幅400mm・長さ500mmの大きさの試験片を切り出し、以下の評価を行った。
養生後については、得られた粘着シートロールから、粘着シートの巻始め側(内側、巻芯側)の末端から10m長の位置で幅400mm・長さ500mmの大きさの試験片を切り出し、以下の評価を行った。
(1)養生前の評価(初期硬化性):
ダイアルゲージを用いて、試験片の厚みを測定した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎:粘着層が充分に硬化しており、粘着シートの厚みを正確に測定できる(良好)、
○:粘着層は少し柔らかいが、粘着シートの厚みを測定できる(実用上問題なし)、
×:粘着層に流動性があり、粘着シートの厚みを測定できない(実用上問題あり)。
(2)養生後の評価(表面外観):
試験片を蛍光灯にかざして、試験片の表面外観を目視評価した。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎:ゆず肌および巻芯段差痕が見られない(良好)、
○:ゆず肌および/または巻芯段差痕が少し見られる(実用上問題なし)、
×:ゆず肌および/または巻芯段差痕が見られる(実用上問題あり)。
粘着シートから幅100mm・長さ150mmの試験片を切り出した。次いで、23℃−50%RH雰囲気下にて、試験片から剥離シートを剥離し、露出した粘着層の表面をガラス板に貼着した。ガラス板に貼着する際に、粘着シートに皺が形成された、貼着界面に気泡が巻き込まれた、または粘着層の異なる部分同士が互いに密着したものを「不良」と判定した。この評価を10回行った。評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎:不良回数が0回(良好)、
○:不良回数が1〜2回(実用上問題なし)、
×:不良回数が3回以上(実用上問題あり)。
粘着シートから幅25mm・長さ100mmの試験片を切り出した。次いで、23℃−50%RH雰囲気下にて、試験片から剥離シートを剥離し、露出した粘着層の表面をガラス板に貼着し、粘着シート上で2kgローラーを1往復させてこれらを圧着し、24時間放置した。その後、引張試験機を用い、剥離速度0.3m/minで粘着シートの90°剥離試験を実施し、粘着力を測定した。一般的に、ガラスとの粘着力が低く、再剥離しやすい方が、表面保護用途として実用性が高いと言える。
粘着シートから幅30mm・長さ30mmの試験片を切り出した。次いで、23℃−50%RH雰囲気下にて、試験片から剥離シートを剥離し、露出した粘着層の表面のプローブタックを、JIS Z0237に準拠して測定した。装置として、プローブタック測定装置(テスター産業株式会社製)を用いた。粘着層の表面に対して直径5mmφのステンレス製プローブ(20g)を接触荷重1.0N/cm2で1秒間接触させた後、プローブを10mm/秒の速度で粘着層の表面から離した。このときのプローブの剥がれる力を測定した。測定は3回実施し、その平均値を求めた。
粘着シートから幅10mm・長さ50mmの試験片を切り出し、長さ方向の一端から20mmの位置に標線を引き、一端から標線までの領域(幅10mm・長さ20mmの領域)を試験領域とした。23℃−50%RH雰囲気下にて、試験片から剥離シートを剥離し、露出した粘着層の表面の上記試験領域をガラス板に貼着し、粘着シート上で2kgローラーを1往復させてこれらを圧着した。その後、引張試験機を用い、剥離速度50mm/minの条件で、試験片とガラス板とを互いに180°反対方向に引っ張り、せん断力を測定した。測定は5回実施し、その平均値を求めた。
粘着シートから幅25mm・長さ100mmの試験片を切り出した。次いで、23℃−50%RH雰囲気下にて、試験片から剥離シートを剥離し、露出した粘着層の表面の水接触角を測定した。装置として協和界面科学(株)製DM−501を用い、粘着層の表面に水を滴下してから61000ms経過した後の水接触角を測定した。なお、θ/2法で算出した値を測定値とした。測定は5回実施し、その平均値を求めた。
粘着シートから幅25mm・長さ100mmの試験片を切り出した。次いで、23℃−50%RH雰囲気下にて、基材シートの粘着層の非形成側の表面の水接触角を測定した。装置として協和界面科学(株)製DM−501を用い、水を滴下してから1000ms経過した後の水接触角を測定した。なお、θ/2法で算出した値を測定値とした。測定は5回実施し、その平均値を求めた。
粘着シートから幅25mm・長さ100mmの2枚の試験片を切り出した。
一方の試験片は、そのままヘーズの評価に供した(湿熱経過なし)。他方の試験片は、60℃−95%RH雰囲気で48時間放置し、室温雰囲気(20〜25℃)に戻して充分に冷却した後、ヘーズの評価に供した(湿熱経過あり)。いずれの試験片についても、23℃−50%RH雰囲気下にて、試験片から剥離シートを剥離し、粘着層が露出した状態で、JIS K7165に準拠して、ヘーズを測定した。装置として、Turbidimeter NDH5000W(日本電色工業社製)を用いた。光源として、D65光源を用いた。下記式に基づいて、ΔHを求めた。評価基準は以下の通りである。
ΔH=Hb−Ha
(式中、Haは湿熱経過なしの試験片のヘーズ、Hbは湿熱経過ありの試験片のヘーズである。)
<評価基準>
◎:ΔHが2.0未満(優良)、
○:ΔHが2.0以上3.0未満(良好)、
△:ΔHが3.0以上4.0未満(実用上問題なし)、
×:ΔHが4.0以上(実用上問題あり)。
評価結果を表3に示す。
実施例1〜12では、1種以上のポリオール(x)と1種以上のポリイソシアネート(y)との共重合反応生成物であるポリウレタンポリオール(A)と、多官能イソシアネート化合物(B)と、ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して0.08〜0.70質量部の金属含有触媒(MC)とを含むウレタン系粘着剤を製造し、これを用いて厚み50μmの粘着層を含む粘着シートを製造した。
比較例3では、ポリウレタンポリオール(A)を用いなかったため、塗工層の初期硬化性が不充分であり、厚膜塗工性が不良であった。得られた粘着シートは、ガラスに対する貼着性、ガラスに対する粘着力、プローブタック、およびせん断力の評価結果が不良であった。耐湿熱白化性も不良であった。
比較例5では、多官能イソシアネート化合物(B)を用いなかったため、得られたウレタン系粘着剤からなる塗工層は加熱工程で硬化せず、粘着層を形成することができなかった。
11 基材シート
11A シート本体
11B 帯電防止層
12 粘着層
13X、13Y、13Z 剥離シート
13A シート本体
13B 帯電防止層
13L 剥離剤層
Claims (9)
- 基材シートと、当該基材シートの一方の面に形成されたウレタン系粘着剤の硬化物からなる粘着層とを含む、再剥離性を有する粘着シートであって、
前記ウレタン系粘着剤は、
1種以上のポリオール(x)と1種以上のポリイソシアネート(y)との共重合反応生成物であるポリウレタンポリオール(A)と、
多官能イソシアネート化合物(B)と、
ポリウレタンポリオール(A)100質量部に対して0.08〜0.70質量部の金属含有触媒(MC)と、
1種以上の可塑剤(P)とを含み、
1種以上の可塑剤(P)が1分子中に1つ以上のエチレンオキシ基を有する有機酸エステルを含み、
前記粘着層は、当該粘着層の表面に水を滴下してから61000ms経過した後の水接触角が40〜80°である、粘着シート。 - 前記粘着層のプローブタックが0.01〜0.30N/cm2である、請求項1に記載の粘着シート。
- 前記粘着シートの前記粘着層側を10×20mm2の接触面積でガラス板に貼着し、50mm/分の剥離速度で前記粘着シートを前記ガラス板から180°方向に剥離した際の前記粘着層のせん断力が5〜25N/cm2である、請求項1または2に記載の粘着シート。
- 1種以上のポリオール(x)の総量に占める1種以上のポリエステルポリオールの量が50〜100質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
- 1種以上のポリエステルポリオールの総量に占める1種以上の2官能ポリエステルポリオールの量が20〜100質量%である、請求項4に記載の粘着シート。
- 前記基材シートは、シート本体と、当該シート本体の前記粘着層の非形成側の面に形成された帯電防止層とを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の粘着シート。
- 前記帯電防止層は導電性ポリマーを含む、請求項6に記載の粘着シート。
- 前記粘着層の厚みが30〜200μmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粘着シート。
- 表面保護用である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粘着シート。
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