セクションの概要
I.)定義
II.)FLT3抗体
III.)一般的に抗体薬物複合体
III(A).メイタンシノイド
III(B).オーリスタチンおよびドロスタチン
III(C).カリケアマイシン
III(D).他の細胞傷害性薬剤
IV.)FLT3に結合する抗体薬物複合体
V.)リンカー単位
VI.)ストレッチャ単位
VII.)アミノ酸単位
VIII.)スペーサ単位
IX.)薬物単位
X.)薬物負荷量
XI.)ADCの細胞傷害効果を判定する方法
XII.)FLT3を発現する癌の処置
XIII.)抗体に基づく治療法に対する標的としてのFLT3
XIV.)FLT3 ADCカクテル
XV.)併用療法
XVI.)キット/製品
I.)定義:
別段の定めがない限り、本明細書中で使用される技術の全ての用語、記号および他の科学用語または用語法は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。一部の例において、一般的に理解される意味を有する用語を、明瞭化のためにおよび/または容易に言及できるように本明細書中で定義するが、本明細書中にこのような定義を包含することは、当技術分野において一般に理解されるものを超える実質的な相違に相当すると必ずしも解釈されるべきではない。本明細書中に記載の、または本明細書中で言及される技術および手順の多くはよく理解されており、例えばSambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd.Edition(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.に記載される広く利用されている分子クローニング方法論など、当業者により、従来の方法論を使用して一般的に使用される。必要に応じて、市販のキットおよび試薬の使用を含む手順は全般的に、特記しない限り、製造者が定めたプロトコルおよび/またはパラメータに従って実施する。
本明細書中で商品名が使用される場合、商品名に対する言及は、文脈により別段の指示がない限り、商品名製品の、製品処方、ジェネリック薬および活性医薬成分をも指す。
「進行癌」、「局所進行癌」、「進行疾患」および「局所進行疾患」という用語は、関連する組織被膜を通じて拡大する癌を意味し、American Urological Association(AUA)の系の下でステージCの病期、Whitmore−Jewettの系の下でステージC1−C2の病期およびTNM(腫瘍、結節、転移)の系の下でステージT3〜T4およびN+の病期を含むことが意図される。一般に、局所進行性疾患の患者には外科手術は推奨されず、これらの患者は臨床的に限局性の(臓器限定)癌を有する患者と比較して、実質的に有益な転帰とはならない。
「アルキル」という用語は、それ自体で、または別の用語の一部として、ノルマル、2級、3級または環状炭素原子を含有する飽和C1−C12炭化水素を指す。特定のアルキル基は、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子または1〜4個の炭素原子を有するものである。アルキル基の例としては、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル(tBu)、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチルおよびn−ヘキシル、イソヘキシルが挙げられるが限定されない。いくつかの実施形態において、アルキル基は、ノルマル、2級または3級炭素原子を有し、環状炭素原子を有さない。
「アルケニル」という用語は、それ自体で、または別の用語の一部として、少なくとも1個の不飽和部位、すなわち炭素−炭素、sp2二重結合を有する、ノルマル、2級、3級または環状炭素原子を含有するC2−C12炭化水素を指す。特定のアルケニル基は、2〜8個の炭素原子、2〜6個の炭素原子または2〜4個の炭素原子を有するものである。例としては、ビニル(−CH=CH2)、アリル(−CH2CH2=CH2)、シクロペンテニル(−C5H7)および5−ヘキセニル(−CH2CH2CH2CH2CH=CH2)が挙げられるが限定されない。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、ノルマル、2級または3級炭素原子を有し、環状炭素原子を有さない。
「アルキニル」という用語は、それ自体で、または別の用語の一部として、少なくとも1個の不飽和部位、すなわち炭素−炭素、sp三重結合を有する、ノルマル、2級、3級または環状炭素原子を含有するC2−C12炭化水素を指す。特定のアルキニル基は、2〜8個の炭素原子、2〜6個の炭素原子または2〜4個の炭素原子を有するものである。例としては、エチニル(−C≡CH)および2−プロピニル(−CH2C≡CH)が挙げられるが限定されない。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、ノルマル、2級または3級炭素原子を有し、環状炭素原子を有さない。
「アルコキシ」という用語は、Oが分子の残りの部分への結合点であり、アルキルが上記で定義されるとおりである−O−アルキル基を指す。
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、飽和または部分飽和であり、炭素原子ならびに窒素、酸素および硫黄から選択される3個以下のヘテロ原子から選択される1個の環構造あたり3〜12個の環原子を有する、単環式または縮合、架橋またはスピロ多環式環構造を指す。特定のヘテロシクロアルキル基は、1個の環構造あたり3〜8個の環原子または5〜7個の環原子を有するものである。環構造は、場合によっては、炭素または硫黄環員上に2個以下のオキソ基を含有し得る。例示的実体としては、適切に結合された部分の形態で、次のものが挙げられる:
「ヘテロアリール」という用語は、1個の複素環あたり3〜12個の環原子を有する、単環式、縮合二環式または縮合多環式芳香族複素環(炭素原子ならびに窒素、酸素および硫黄から選択される4個以下のヘテロ原子から選択される環原子を有する環構造)を指す。特定のヘテロアリール基は、1個の環構造あたり3〜8個の環原子または5〜7個の環原子を有するものである。ヘテロアリール基の実例としては、適切に結合された部分の形態で、次の実体が挙げられる:
本明細書中で使用される場合、「複素環」、「複素環式」または「ヘテロシクリル」という用語は、上記で定められるとおりの、「ヘテロシクロアルキル」および「ヘテロアリール」部分の両方を包含する。
当業者は、上記で列挙または例示したヘテロシクリル、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキル基の種が網羅的ではなく、これらの定められる用語の範囲内のさらなる種も選択し得ることを認識するであろう。
「ハロゲン」という用語は、塩素、フッ素、臭素またはヨウ素を表す。「ハロ」という用語は、クロロ、フルオロ、ブロモまたはヨードを表す。
「置換される」という用語は、特定の基または部分が1つ以上の置換基を有することを意味する。「非置換」という用語は、特定の基が置換基を持たないことを意味する。「場合により置換される」という用語は、特定の基が置換されていないか、または1つ以上の置換基により置換されていることを意味する。「置換される」という用語が構造系を記載するために使用される場合、置換が、系上の何らかの原子価許容位置で起こることを意味する。
本明細書中で与えられる式は何れも、構造式によって示される構造ならびにある種の変形または形態を有する化合物を表すものとする。特に、本明細書中で与えられる何れの式の化合物も不斉中心を有し得、したがって、異なるエナンチオマー形態で存在し得る。一般式の化合物の全ての光学異性体および立体異性体、およびそれらの混合物は、式の範囲内にあると考えられる。したがって、本明細書中で与えられる式は何れも、ラセミ体、1つ以上のエナンチオマー形態、1つ以上のジアステレオマー形態、1つ以上のアトロプ異性体形態およびそれらの混合物を表すものとする。さらに、特定の構造は、幾何異性体(すなわちシスおよびトランス異性体)として、互変異性体として、またはアトロプ異性体として存在し得る。さらに、本明細書中で与えられる式は何れも、水和物、溶媒和物および非晶質および多形体のような形態が明示的に列挙されないとしても、このような化合物の水和物、溶媒和物および非晶質および多形体の何れか1つ、およびそれらの混合物をも指すものとする。いくつかの実施形態において、溶媒は水であり、溶媒和物は水和物である。
本明細書中で与えられる何れかの式はまた、化合物の非標識形態ならびに同位体標識形態も表すものとする。同位体標識された化合物は、1つ以上の原子が、選択された原子質量または質量数を有する原子によって置換されていることを除いて、本明細書中で与えられる式によって示される構造を有する。本明細書中に記載の化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、36Clおよび125Iなど、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体などが挙げられる。このような同位体標識化合物は、薬物または基質組織分布アッセイを含む、代謝研究(好ましくは14Cによる)、反応速度論研究(例えば2Hまたは3Hによる)、検出またはイメージング技術[陽電子放射断層撮影(PET)または単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)など]において、または患者の放射線処置において有用である。特に、18Fまたは11C標識化合物は、PETまたはSPECT研究のために特に好ましいものであり得る。さらに、重水素(すなわち2H)などのより重い同位体での置換によって、代謝安定性がより高くなり、例えばインビボ半減期延長または必要用量の減少の結果、ある一定の治療上の利点がもたらされ得る。本明細書中に記載の同位体標識化合物およびそのプロドラッグは、一般に、容易に入手可能な同位体標識試薬で非同位体標識試薬を置き換えることによって、下記のスキームまたは実施例および調製で開示される手順を実施することにより調製し得る。
本明細書中で与えられる何らかの式に言及する場合、指定された可変要素に対する可能な種のリストからの特定の部分の選択は、他の箇所に出現する可変要素に対して同じ種を選択することを定めるものではない。言い換えると、可変要素が複数回出現する場合、指定されたリストからの種の選択は、特に明記しない限り、式の他の箇所の同じ可変要素に対する種の選択とは独立している。
本明細書中で置換基のクラスに適用される場合、j>iである「Ci−j」という命名法は、iおよびjを含むiからjの炭素員の数の1つ1つが独立に実現される、本明細書中に記載の組成物、使用または方法の何れかの実施形態を指すものとする。一例として、C1−3という用語は、1個の炭素員(C1)を有する実施形態、2個の炭素員(C2)を有する実施形態および3個の炭素員(C3)を有する実施形態を独立して指す。
Cn−mアルキルという用語は、直鎖または分枝鎖にかかわらず、m>nであるn≦N≦mを満たす鎖中の炭素員の総数Nを有する脂肪族鎖を指す。
本明細書中で列挙される化学名は、AutoNOM(商標)ソフトウェアを使用して生成させた。化学構造とその構造に対して列挙される名称との間に矛盾がある場合、構造を優先する。
割り当ておよび命名法に関する先行する解釈上の考察によれば、セットに対する本明細書中での明確な言及は、化学的に意味があり、特に明記しない限り、このようなセットの実施形態への独立した言及および明確に言及されるセットのサブセットの可能な実施形態の1つ1つへの言及を示唆すると理解される。
「ネイティブのグリコシル化パターンを変化させる」とは、本明細書中で、ネイティブ配列FLT3で見出される1つ以上の炭水化物部分を(根本的なグリコシル化部位を除去するか、または化学的および/または酵素的手段によりグリコシル化を欠失させることの何れかによって)欠失させること、および/またはネイティブ配列FLT3に存在しない1つ以上のグリコシル化部位を付加することを意味することを目的とするものとし、ここで「ネイティブのグリコシル化パターン」は、使用されるFLT−3配列、細胞型および成長条件の特定の組合せから生じる天然の翻訳後グリコシル化パターンを指す。さらに、この句は、存在する様々な炭水化物部分の性質および割合の変化を含む、ネイティブタンパク質のグリコシル化の質的変化を含む。
「類似体」という用語は、構造的に類似しているか、または別の分子(例えばFLT3関連タンパク質)と類似または対応する属性を共有する分子を指す。例えば、FLT3タンパク質の類似体は、FLT3に特異的に結合する抗体またはT細胞によって特異的に結合され得る。
「抗体」という用語は、特に明示されない限り、最も広い意味で使用される。したがって、「抗体」は、天然物または従来のハイブリドーマまたはトランスジェニックマウス技術によって産生されるモノクローナル抗体などの人工物であり得る。FLT3抗体は、モノクローナルおよびポリクローナル抗体、ならびにこれらの抗体の抗原結合ドメインおよび/または1つ以上の相補性決定領域を含有する断片を含む。本明細書中で使用される場合、「抗体」という用語は、FLT3に特異的に結合し、および/または所望の生物学的活性を示し、FLT3に特異的に結合し、および/または所望の生物学的活性を示す限り、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多特異性抗体(例えば二重特異性抗体)および抗体断片を明確に含める。本明細書中で提供される方法および組成物において、あらゆる特異的抗体を使用し得る。したがって、一実施形態において、「抗体」という用語は、組み合わせられて標的抗原に対する特異的結合部位を形成する、軽鎖免疫グロブリン分子からの少なくとも1つの可変領域と、重鎖分子からの少なくとも1つの可変領域とを含む分子を包含する。一実施形態において、抗体はIgG抗体である。例えば、抗体は、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4抗体である。本発明の方法および組成物において有用な抗体は、細胞培養において、ファージにおいて、またはウシ、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル、チンパンジーおよび類人猿を含むが限定されない様々な動物において産生され得る。したがって、一実施形態において、本発明の抗体は哺乳動物抗体である。一次抗体を単離するかまたは特異性もしくは親和性の特徴が変化した変異体を作製するために、ファージ技術を使用し得る。このような技術は、日常的であり、当技術分野で周知である。一実施形態において、本抗体は、当技術分野で公知の組み換え手段によって作製される。例えば、組み換え抗体は、抗体をコードするDNA配列を含むベクターを用いて宿主細胞に遺伝子移入することによって作製し得る。宿主細胞中で少なくとも1個のVLおよび少なくとも1個のVH領域を発現するDNA配列を遺伝子移入するために、1つ以上のベクターを使用し得る。抗体作製および産生の組み換え手段の代表的な記載としては、Delves,ANTIBODY PRODUCTION:ESSENTIAL TECHNIQUES(Wiley,1997);Shephardら、MONOCLONAL ANTIBODIES(Oxford University Press,2000);Goding,MONOCLONAL ANTIBODIES:PRINCIPLES AND PRACTICE(Academic Press,1993);およびCURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY (John Wiley & Sons、最新版)が挙げられる。本発明の抗体は、所望の機能に介在する際の抗体の効力を高めるために組み換え手段によって修飾し得る。したがって、組み換え手段を用いた置換によって抗体を修飾し得ることは本発明の範囲内である。典型的には、置換は保存的置換である。例えば、抗体の定常領域の少なくとも1つのアミノ酸を異なる残基で置換し得る。例えば、米国特許第5,624,821号明細書、米国特許第6,194,551号明細書、国際公開第9958572号パンフレット;およびAngalら、Mol.Immunol.30:105−08(1993)を参照のこと。アミノ酸における修飾には、アミノ酸の欠失、付加および置換が含まれる。一部の場合では、このような変化は望ましくない活性、例えば補体依存性細胞傷害性を低下させるためになされる。本抗体は、共有結合または非共有結合の何れかで、検出可能なシグナルを提供する物質を連結することによって標識されることが多い。多岐にわたる標識および複合化技術が知られており、科学文献および特許文献の両方で広く報告されている。これらの抗体は、正常または欠陥FLT3への結合についてスクリーニングし得る。例えば、ANTIBODY ENGINEERING:A PRACTICAL APPROACH(Oxford University Press,1996)を参照のこと。所望の生物学的活性を有する適切な抗体は、増殖、遊走、接着、軟寒天増殖、血管形成、細胞間情報伝達、アポトーシス、輸送、シグナル伝達を含むが限定されない次のインビトロアッセイ、および腫瘍増殖の阻害などの以下のインビボアッセイを使用して同定し得る。本明細書中で提供される抗体は、診断用途においても有用であり得る。捕捉または非中和抗体として、抗原の受容体結合または生物学的活性を阻害することなく特異的抗原に結合する能力についてそれらをスクリーニングし得る。中和抗体として、抗体は競合結合アッセイにおいて有用であり得る。これらは、FLT3またはその受容体を定量するためにも使用し得る。
本明細書中で使用される場合、抗体の「抗原結合断片」または「抗体断片」(または単に「抗体部分」)という用語は、抗原に特異的に結合する能力を保持するFLT3抗体の1つ以上の断片を指す(例えばFLT3および変異体;図1参照)。抗体の抗原結合機能は全長抗体の断片によって発揮され得ることが示されている。抗体の「抗原結合断片」という用語内に包含される結合断片の例としては、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結される2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab’)2断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片、(V)VHドメインからなるdAb断片(Wardら、(1989)Nature 341:544−546);および(vi)単離相補性決定領域(CDR)が挙げられる。さらに、Fv断片の2つのドメイン、VLおよびVHは、別個の遺伝子によってコードされているものの、組み換え法を用いて、VLおよびVH領域が対になって一価分子を形成する単一タンパク質鎖となることを可能にする合成リンカーによって、それらを連結させ得る(1本鎖Fv(scFv)として知られる;例えば、Birdら(1988)Science 242:423−426およびHustonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883を参照)。このような1本鎖抗体も、抗体の「抗原結合断片」という用語内に包含されるものとする。これらの抗体断片は、当業者にとって公知の従来技術を用いて得られ、断片はインタクトな抗体と同じように有用性についてスクリーニングされる。
「Fc」という用語は、本明細書中で使用される場合、ヒンジ領域、CH2および/またはCH3ドメインを含む領域を指す。
本明細書中で使用される場合、「抗原」の何らかの形態を使用して、FLT3に特異的な抗体を作製し得る。したがって、誘発抗原は、単一エピトープ、複数のエピトープまたはタンパク質全体単独であり得るか、または当技術分野で公知の1つ以上の免疫原性促進剤と組み合わせられ得る。誘発抗原は、単離された全長タンパク質、細胞表面タンパク質(例えば、抗原の少なくとも一部が遺伝子移入された細胞を用いて免疫化)または可溶性タンパク質(例えば、タンパク質の細胞外ドメイン部分のみで免疫化)であり得る。抗原は、遺伝子改変細胞において産生され得る。抗原をコードするDNAは、ゲノムまたは非ゲノム(例えばcDNA)であり得、細胞外ドメインの少なくとも一部をコードする。本明細書中で使用される場合、抗原の文脈における「部分」という用語は、必要に応じて、関心のある抗原の免疫原性エピトープを構成するために、最小限の数のアミノ酸または核酸を指す。アデノウイルスベクター、プラスミドおよび非ウイルスベクター、例えばカチオン性脂質など、を含むが限定されない、関心のある細胞の形質転換に適した何らかの遺伝子ベクターを使用し得る。一実施形態において、本明細書中の方法および組成物の抗体は、関心のあるFLT3の細胞外ドメインの少なくとも一部に特異的に結合する。
本明細書中で提供される抗体またはその抗原結合断片は、「生物活性剤」を構成し得るか、またはその一部であり得る。本明細書中で使用される場合、「生物活性剤」という用語は、抗原に結合し、および/または細胞死滅毒素を増強するために所望の生物学的効果を増強するかまたはそれに介在する何らかの合成または天然化合物を指す。一実施形態において、本発明において有用な結合断片は、生物学的に活性である断片である。本明細書で使用される場合、「生物学的に活性」という用語は、所望の抗原性エピトープに結合し、生物学的効果を直接的または間接的に発揮することが可能な抗体または抗体断片を指す。直接的な影響としては、成長シグナルの調節、刺激および/または阻害、抗アポトーシスシグナルの調節、刺激および/または阻害、アポトーシスもしくは壊死シグナルの調節、刺激および/または阻害、ADCCカスケードの調節、刺激および/または阻害およびCDCカスケードの調節、刺激および/または阻害が挙げられるが限定されない。
抗原結合タンパク質の結合親和性は、結合定数(Ka)および解離定数(Kd)(KD=Kd/Ka)によって決定される。結合親和性は、BIACOREによって、例えば、プロテインAでコーティングされたセンサー表面上への試験抗体の捕捉およびこの表面上を流動するFLT3によって、測定し得る。あるいは、結合親和性は、FORTEBIOによって、例えば、プロテインAでコーティングされた針上への試験抗体受容体の捕捉およびこの表面上を流動するFLT3によって、測定し得る。当業者は、結合親和性を測定するための当技術分野で公知の他の適切なアッセイを同定し得る。
「特異的に結合する」という用語は、抗原結合タンパク質に関して本明細書で使用される場合、抗原結合タンパク質がFLT3ならびにFLT3内の別個のドメインまたは別個のアミノ酸配列に結合し、他の(例えば無関係な)タンパク質に結合しないか、または実質的に結合しないことを意味する。しかし、この用語は、抗体またはその結合断片が密接に関連する分子と交差反応性でもあり得るという事実を排除するものではない。本明細書中に記載のこれらを含む抗体およびその断片ならびにこれらを含む抗体薬物複合体は、密接に関連する分子に結合するよりも少なくとも2、5、10、50、100または1000倍高い親和性でFLT3に特異的に結合し得る。
いかなる形態であれ、例えばFLT3に対する抗体薬物複合体の形態での、本明細書中で開示される抗体の何れの結合も、FLT3へのFL結合の一部または全てを阻止すると予想され得る。しかし、FLT3へのFL結合を実質的に阻害しない抗FLT3抗体が本明細書に記載される。結合を「実質的に阻害する」ために、些細ではない変化の検出可能な量の結合減少が予想され;無作為なタンパク質タンパク質相互作用または非特異的な抗体−抗原相互作用において予想されるようなほんの些細な量の結合と同等である小さな結合変化は包含されない。抗体が標的抗原への別の分子の結合を実質的に阻害するか否かを測定することは、生物物理学的測定または当技術分野で公知の方法による機能的測定を用いて遂行され得る。例えば、2つのタンパク質の相互作用は、物理的結合アッセイ(例えば下記の実施例14参照)で直接的に、またはタンパク質相互作用の下流の効果、例えば受容体を通じたシグナル伝達など、または続く細胞効果、例えば細胞の増殖または増殖の阻害などを測定する機能アッセイを介して間接的に測定し得る。したがって、FLT3へのFLの結合を実質的に阻害しない本明細書中で開示される抗FLT3抗体は、FLT3へのFL結合の顕著な低下を引き起こさず、FLT3を通じたFL結合のシグナル伝達は検出可能である。
「二重特異性」抗体も、本発明の方法および組成物において有用である。本明細書中で使用される場合、「二重特異性抗体」という用語は、少なくとも2つの異なる抗原エピトープに対する結合特異性を有する、抗体、典型的にはモノクローナル抗体を指す。一実施形態において、そのエピトープは同じ抗原に由来する。別の実施形態において、そのエピトープは2つの異なる抗原由来である。二重特異性抗体を作製するための方法は、当技術分野で公知である。例えば、二重特異性抗体は、2つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発現を用いて組み換えにより作製され得る。例えば、Milsteinら、Nature 305:537−39(1983)を参照のこと。あるいは、二重特異性抗体は化学結合を用いて調製され得る。例えば、Brennanら、Science 229:81(1985)を参照のこと。二重特異性抗体としては、二重特異性抗体断片が挙げられる。例えば、Hollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.90:6444−48(1993)、Gruberら、J.Immunol.152:5368(1994)を参照のこと。
本明細書中に記載のモノクローナル抗体は、それらが標的抗原に特異的に結合し、および/または所望の生物学的活性を発揮する限り、具体的には、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来する抗体における対応する配列と同一もしくは相同であるか、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属し、一方で、その鎖の残りが、別の種に由来するかまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体ならびにこのような抗体の断片における対応する配列と同一であるかまたは相同である、「キメラ」抗体を含む(米国特許第4,816,567号明細書;およびMorrisonら、ProC.NatL.Acad.Sci.USA 81:6851−6855(1984))。
本明細書中で使用される場合、「癌」、「新生物」および「腫瘍」という用語は、交換可能に使用され、単数または複数形の何れかで、それらを宿主生物に対して病的状態にする悪性形質転換を受けた細胞を指す。原発性癌細胞(すなわち、悪性形質転換の部位の近くから得られる細胞)は、十分に確立された技術、特に組織学的検査によって非癌性細胞と容易に区別され得る。本明細書中で使用される場合、癌細胞の定義には、原発性癌細胞だけでなく、癌細胞祖先由来のいかなる細胞も含まれる。これには、転移した癌細胞、およびインビトロ培養および癌細胞由来の細胞株が含まれる。固形腫瘍として通常発現する癌のタイプを指す場合、「臨床的に検出可能な」腫瘍は、例えばCATスキャン、MRイメージング、X線、超音波または触診などの手順によって腫瘍量に基づいて検出可能であり、および/または患者から入手可能な試料中の1つ以上の癌特異的抗原の発現より検出可能であるものである。腫瘍は造血器腫瘍、例えば液体腫瘍を意味する血液細胞などの腫瘍であり得る。このような腫瘍に基づく臨床症状の具体例としては、慢性骨髄球性白血病または急性骨髄球性白血病などの白血病;多発性骨髄腫などの骨髄腫;リンパ腫などが含まれる。
「治療剤」という用語は、本明細書中で定義されるような、治療上の利益を提供する、および/または治療上有効な全ての薬剤を指す。治療剤は、例えば、疾患、障害または状態の進行を逆転、改善、緩和、阻害または制限するか、または疾患、障害または状態の重症度を軽減するか、または癌などの疾患の1つ以上の症状に影響を与えるか、もしくはそれを好転させるかまたは改善し得る。このような薬剤は、細胞傷害性または細胞分裂阻害性であり得る。この用語には、化学療法剤、抗新生物剤および本明細書で定義されるような「薬物単位」剤が含まれるが限定されない。
「抗新生物剤」という用語は、新生物または癌の処置において、本明細書で定義されるような、治療上の利益を提供する、および/または治療上有効である全ての薬剤を指す。
本明細書中で開示される抗体薬物複合体およびその医薬組成物の何れかを使用するいくつかの実施形態において、治療剤を含む抗体薬物複合体およびその医薬組成物は、前癌状態または少なくとも1つの前腫瘍状態の細胞を処置すること、例えば癌性細胞への悪性形質転換を予防することにおいても有効である。他の実施形態において、1つ以上の抗新生物剤は、前癌状態または少なくとも1つの前腫瘍状態の細胞を処置すること、例えば癌性細胞への悪性形質転換を予防することにおいても有用である。
「化学療法剤」という用語は、腫瘍増殖を阻害することにおいて有効な全ての化学化合物を指す。化学療法剤の非限定例としては、アルキル化剤;例えば、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン化合物およびアルキルスルホネート;代謝拮抗剤、例えば、葉酸、プリンまたはピリミジンアンタゴニスト;有糸分裂阻害剤、例えば抗チューブリン剤、例えばビンカアルカロイド、オーリスタチンおよびポドフィロトキシン誘導体など;細胞傷害性抗生物質;DNA発現または複製を損なうかまたはこれらを妨害する化合物、例えばDNA副溝結合剤;および増殖因子受容体アンタゴニストが挙げられる。さらに、化学療法剤としては、(本明細書で定められるとおりの)細胞傷害剤、抗体、生体分子および小分子が挙げられる。
「化合物」という用語は、化学的化合物それ自体ならびに、明示的に述べられるか否かにかかわらず、以下のものを排除しようとすることが文脈から明確にならない限り、以下のものを指し、包含する:多形体を含む化合物の非晶質および結晶形態(これらの形態が混合物の一部であり得るかまたは単離されている場合);典型的には、本明細書中で提供される構造において示される形態である、化合物の遊離酸および遊離塩基形態;光学異性体および互変異性体を指す化合物の異性体、(光学異性体には、エナンチオマーおよびジアステレオマー、キラル異性体および非キラル異性体が含まれ、この光学異性体には、単離光学異性体ならびにラセミおよび非ラセミ混合物を含む光学異性体の混合物が含まれる);異性体が、単離形態であってもよく、または1つ以上の他の異性体との混合物であり得る場合;重水素およびトリチウム含有化合物を含む、および治療上および診断上有効な放射性同位体を含む放射性同位体を含有する化合物を含む、本化合物の同位体;二量体、三量体などの形態を含む本化合物の多量体形態;化合物の塩、好ましくは、酸付加塩および塩基付加塩を含む、有機対イオンおよび無機対イオンを有する塩を含む、および双性型を含む、薬学的に許容可能な塩(化合物が2つ以上の対イオンと会合する場合、この2つ以上の対イオンは同じであってもまたは異なっていてもよい);および有機溶媒和物および無機溶媒和物を含む、ヘミ溶媒和物、モノ溶媒和物、ジ溶媒和物などを含む化合物の溶媒和物(この無機溶媒和物は水和物を含む);化合物が2つ以上の溶媒分子と会合する場合、この2つ以上の溶媒分子が同じであってもまたは異なっていてもよい場合。いくつかの例において、本発明の化合物に対して本明細書中でなされる言及には、1つまたはの(one or of)上記形態、例えば塩および/または溶媒和物への明示的な言及が含まれるが、この言及は単なる強調であり、上記で特定されるような上記の形態の他のものを排除するものとして解釈されるべきではない。
「相補性決定領域」および「CDR」という用語が、抗原特異性および結合親和性を付与する抗体可変領域内のアミノ酸の非連続配列を指すことは、当技術分野で公知である。一般的に、各重鎖可変領域に3個のCDRがあり(CDR−H1、CDR−H2、CDR−H3)、各軽鎖可変領域に3個のCDRがある(CDR−L1、CDR−L2、CDR−L3)。
所与のCDRの正確なアミノ酸配列境界は、Kabatら(1991)、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」, 5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(「Kabat」付番スキーム)、Al−Lazikaniら(1997)JMB 273,927−948(「Chothia」付番スキーム)、MacCallumら、J.Mol.Biol.262:732−745(1996),「Antibody−antigen interactions:Contact analysis and binding site topography」,J.Mol.Biol.262,732−745.(「Contact」付番スキーム)、Lefranc MPら、「IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V−like domains」,Dev Comp Immunol,2003 Jan;27(1):55−77(「IMGT」付番スキーム)およびHonegger AおよびPluckthun A,「Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains:an automatic modeling and analysis tool」,J Mol Biol,2001 Jun 8;309(3):657−70,(AHo付番スキーム)により記載されるものを含む、いくつかの周知のスキームの何れかを使用して容易に決定し得る。
所与のCDRの境界は、識別のために使用されるスキームに応じて変化し得る。例えば、Kabatスキームは構造的アライメントに基づき、一方でChothiaスキームは構造情報に基づく。KabatおよびChothiaスキームの両方に対する付番は、最も一般的な抗体領域配列長に基づき、挿入は、挿入文字、例えば「30a」によって調節され、一部の抗体において欠失が出現する。この2つのスキームは、異なる位置にある一定の挿入および欠失(「インデル」)を配置し、その結果、付番が異なる。Contactスキームは、複雑な結晶構造の分析に基づき、多くの点でChothia付番スキームと同様である。それぞれKabat、ChothiaおよびContactスキームにより識別されるようなCDR−L1、CDR−L2、CDR−L3およびCDR−H1、CDR−H2、CDR−H3の位置を以下の表Vに列挙する。CDR−H1の場合、残基付番は、KabatおよびChothia付番スキームの両方を用いて列挙される。
したがって、別段の指定がない限り、所与の抗体またはその領域、例えば可変領域の用語「CDR」および「相補性決定領域」ならびに抗体またはその領域の個々のCDR(例えば、「CDR−H1、CDR−H2)という用語は、本明細書中の上記の既知のスキームの何れかによって定義されるような相補性決定領域を包含するものと理解されるべきである。一部の例において、Kabat、ChothiaまたはContact法によって定義されるCDRなど、特定のCDRまたは複数のCDRの同定のためのスキームが指定される。他の場合、CDRの特定のアミノ酸配列が与えられる。例えば、表Vを参照のこと。
本明細書中で使用される場合、「保存的置換」という用語は、当業者にとって公知であり、一般に、得られる分子の生物学的活性を変化させることなくなされ得るアミノ酸および/またはアミノ酸配列の置換を指す。当業者は、一般に、ポリペプチドの非必須領域における単一アミノ酸置換は、生物学的活性を実質的に変化させないことを認識している(例えば、Watsonら、MOLECULAR BIOLOGY OF THE GENE,The Benjamin/Cummings Pub.Co.,p.224(4th Edition 1987))。このような代表的置換は、好ましくは、表IIおよび表III(a〜b)で示されるものに従いなされる。例えば、このような変化には、イソロイシン(I)、バリン(V)およびロイシン(L)の何れかをこれらの疎水性アミノ酸の何れかの他のものに対して;アスパラギン酸(D)をグルタミン酸(E)に対して、およびその逆で;グルタミン(Q)をアスパラギン(N)に対して、およびその逆で;およびセリン(S)をスレオニン(T)に対して、およびその逆で、置換することが含まれる。他の置換もまた、特定のアミノ酸の環境およびタンパク質の三次元構造におけるその役割に依存して、保存的であると考えられ得る。例えば、アラニン(A)およびバリン(V)がそうであり得るように、グリシン(G)およびアラニン(A)が交換可能であり得ることが多い。比較的疎水性であるメチオニン(M)は、ロイシンおよびイソロイシンと、時としてバリンと交換可能であり得ることが多い。リジン(K)およびアルギニン(R)は、アミノ酸残基の重要な特性がその電荷であり、これらの2つのアミノ酸残基のpKが異なることが重要でない位置で交換可能であることが多い。また他の変化は、特定の環境において「保存的」と考えられ得る(例えば、本明細書中の表III(a);13−15頁「Biochemistry」 2nd ED.Lubert Stryer ed(Stanford UniVersity);Henikoffら、PNAS 1992 Vol 89 10915−10919;Leiら、J Biol Chem 1995 May 19;270(20):11882−6を参照)。他の置換も許容され、経験的に、または既知の保存的置換に従い、決定され得る。
「細胞傷害剤」という用語は、細胞の発現活性、細胞の機能を阻害または防止する、および/または細胞の破壊を引き起こす物質を指す。この用語は、放射性同位体、化学療法剤および、断片および/または変異体を含む、小分子毒素または細菌、真菌、植物もしくは動物由来の酵素活性毒素などの毒素を含むものとする。細胞傷害剤の例としては、オーリスタチン(例えば、オーリスタチンE、オーリスタチンF、MMAEおよびMMAF)、オーロマイシン、メイタンシノイド、リシン、リシンA鎖、コンブレスタチン、デュオカルマイシン、ドラスタチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、タキソール、シスプラチン、cc1065、臭化エチジウム、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ジヒドロキシアントラシン(anthracin)ジオン、アクチノマイシン、ジフテリア毒素、シュードモナス外毒素(PE)A、PE40、アブリン、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ−サルシン、ゲロニン、ミトゲリン、レトストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン、エノマイシン、キュリーシン、クロチン、カリケアマイシン、サパオナリア・オフィシナリス(Sapaonaria officinalis)阻害剤およびグルココルチコイドおよび他の化学療法剤ならびにAt211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212または213、P32などの放射性同位体、Lu177を含むLuの放射性同位体およびAGD−0182と呼ばれる本発明の毒素が挙げられるが限定されない。
本発明の抗体を含む抗体はまた、前述の細胞傷害剤の何れかに、およびまたプロドラッグをその活性型に変換可能な抗癌プロドラッグ活性化酵素にも複合化させ得る。
本明細書中で使用される場合、「二特異性抗体」というは用語、断片が、同じポリペプチド鎖(VH−VL)中に軽鎖可変ドメイン(VL)に連結された重鎖可変ドメイン(VH)を含む、2つの抗原結合部位を有する小抗体断片を指す。同じ鎖上の2個のドメイン間の対形成を可能にするには短すぎるリンカーを使用することによって、ドメインを別の鎖の相補的ドメインと対形成させざるを得ないようにし、2個の抗原結合部位を生成させる。二特異性抗体は、例えば、欧州特許第404,097号明細書;国際公開第93/11161号パンフレット;およびHollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−48(1993)により完全に記載されている。
FLT3発現細胞におけるFLT3結合剤の効果の文脈における「枯渇」という用語は、FLT3発現細胞の数の減少または排除を指す。本発明の目的のために、Fms様チロシンキナーゼ3受容体として知られ、Flk2(胎児肝臓キナーゼ2)、STK1(幹細胞チロシンキナーゼ1)およびCD135としても知られる、FLT3は、III型受容体チロシンキナーゼ(RTK)の一員である。ヒトFLT3は、キナーゼ挿入ドメインによって連結される5個の免疫グロブリン様細胞外ドメインおよび2個の細胞内チロシンキナーゼドメイン(TKD)を有する膜結合受容体を含む993アミノ酸長のRTKをコードする(Stirewalt DLら;Nat ReV Cancer;650−665(2003)。ヒトFLT3遺伝子(遺伝子番号2322(National Center for Biotechnology Information))は染色体13q12上に位置し、マウスFLT3と85%のアミノ酸配列相同性を共有する(Rosnet Oら;Oncogene 8:173−179(1993)。FLT3は正常骨髄およびリンパ球前駆細胞において、およびAML患者の70〜90%の白血病細胞によって(Carow,C.Eら、BLood 87:1089−1096(1996);Rosnet Oら;Leukemia 10:238−248(1996)およびALLにおいても発現される。
「遺伝子産物」という用語は、ペプチド/タンパク質またはmRNAを示すために本明細書中で使用される。例えば、「本発明の遺伝子産物」は、本明細書中で、「癌アミノ酸配列」、「癌タンパク質」、「表Iで列挙される癌のタンパク質」、「癌mRNA」、「表Iで列挙される癌のmRNA」などと呼ばれるときがある。一実施形態において、癌タンパク質は、図1の核酸によってコードされる。癌タンパク質は、断片であり得るか、または、あるいは、図1の核酸によってコードされる全長タンパク質であり得る。一実施形態において、配列同一性または類似性を判定するために癌アミノ酸配列が使用される。別の実施形態において、配列は、図1の核酸によってコードされるタンパク質の天然に存在する対立遺伝子変異体である。別の実施形態において、本配列は、本明細書中でさらに記載されるような配列変異体である。
「ヘテロコンジュゲート(Heteroconjugate)」抗体は、本発明の方法および組成物において有用である。本明細書中で使用される場合、「ヘテロコンジュゲート(Heteroconjugate)抗体」という用語は、2個の共有結合した抗体を指す。このような抗体は、架橋剤を用いることを含む、合成タンパク質化学における既知の方法を用いて調製し得る。例えば、米国特許第4,676,980号明細書を参照のこと。
「相同体」という用語は、例えば、対応する位置で同一または類似である化学残基の配列を有することによって、別の分子と相同性を示す分子を指す。
「同一」または「配列同一性」という用語は、最適にアライメントされ、適切な挿入または欠失と比較される場合の2個の核酸または2個のアミノ酸配列間の同一性の程度を示す。
2つの配列間の「パーセント同一性」は、ギャップの数を考慮した、配列により共有される同一位置の数(すなわち、%同一性=同一位置の数/位置の総数×100)と、この2つの配列の最適アライメントのために導入する必要がある各ギャップの長さとの関数である。配列の比較および2つの配列間のパーセント同一性の決定は、後述するように、数学的アルゴリズムを使用して達成され得る。
2つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、NWSgapdna.CMPマトリクスおよび40、50、60、70または80のギャップウェイトおよび1、2、3、4、5または6の長さウェイトを用いて、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムを使用して決定し得る。2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間のパーセント同一性は、PAM120ウェイト・レジデュー・テーブル(weight residue table)、ギャップ長ペナルティ12およびギャップペナルティ4を使用して、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている、Meyersら、Comput.Appi.Biosci.,4:11−17(1988)のアルゴリズムを用いても決定し得る。さらに、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、Blossum 62マトリクスまたはPAM250マトリクスの何れかおよび16、14、12、10、8、6または4のギャップウェイトおよび1、2、3、4、5または6の長さウェイトを使用し、GCGソフトウェアパッケージ中のGAPプログラムに組み込まれているNeedlemanら、J.MoL.BioL.48:444−453(1970)アルゴリズムを用いて決定し得る。
例として、ポリヌクレオチド配列は、参照配列と100%同一である参照ポリヌクレオチド配列と同一であり得るか、または参照配列と比較した場合、例えば少なくとも50、60、70、75、80、85、90、95、98または99%同一など、ある整数のヌクレオチド変化までを含み得る。このような変化は、少なくとも1個のヌクレオチド欠失、転移および塩基転換を含む置換または挿入から選択され、ここでこの変化は、参照ヌクレオチド配列の5’もしくは3’末端位置で、または、参照配列中のヌクレオチドの間で個々にまたは参照配列内の1つ以上の連続群での何れかで散在する5’もしくは3’末端の間の何れかの位置で起こり得る。ヌクレオチド変化の数は、本明細書中に記載のような参照ポリヌクレオチド配列におけるヌクレオチドの総数に、個々のパーセント同一性の数字上のパーセント(100で割ったもの)を乗じ、その積を参照ポリヌクレオチド中のヌクレオチドの総数から減じることで求められ、すなわち:n.sub.n.ltoreq.x.sub.n−(x.sub.ny)(式中、n.sub.nはヌクレオチド変化の数であり、x.sub.nは、本明細書中に記載のような参照ポリヌクレオチド配列中のヌクレオチドの総数であり(代表的な参照ポリヌクレオチド配列については「配列リスト」中の核酸配列を参照)、yは、50%の場合は0.50、60%の場合は0.60、70%の場合は0.70、75%の場合は0.75、80%の場合は0.80、85%の場合は0.85、90%の場合は0.90、95%の場合は0.95、98%の場合は0.98、99%の場合は0.99または100%の場合は1.00である)は、乗算演算子に対するシンボルであり、ここでx.sub.nおよびyの何らかの非整数の積は、それをx.sub.nから減じる前に最も近い整数に丸められる。
同様に、ポリペプチド配列は、本明細書中に記載のようなポリペプチド参照配列と同一であり得る(代表的な参照ポリペプチド配列については「配列リスト」中のアミノ酸配列を参照)、すなわち100%同一であるか、または、参照配列と比較した場合、ある一定の整数のアミノ酸変化まで含み得、例えば少なくとも50、60、70、75、80、85、90、95、98または99%の同一性など、%同一性が100%未満となる。このような変化は、少なくとも1個のアミノ酸欠失、保存的および非保存的置換を含む置換または挿入からなる群から選択され、ここでこの変化は、参照ポリペプチド配列のアミノもしくはカルボキシ末端位置で、または、参照配列中のアミノ酸の間で個々にまたは参照配列内の1つ以上の連続群での何れかで散在するこれらの末端位置の間の何れかの位置で起こり得る。所与の%同一性に対するアミノ酸変化の数は、ポリペプチド参照配列によりコードされるポリペプチド鎖中のアミノ酸の総数に、個々のパーセント同一性の数字上のパーセント(100で割ったもの)を乗じ、その積を本明細書中に記載のようなポリペプチド参照配列(例えば配列番号1〜21を参照)中のアミノ酸の総数から減じることで求められ、すなわち:n.sub.a.ltoreq.x.sub.a−(x.sub.ay)(式中、n.sub.aはアミノ酸変化の数であり、x.sub.aは、参照ポリペプチド配列中のアミノ酸の総数であり、yは、50%の場合は0.50、60%の場合は0.60、70%の場合は0.70、75%の場合は0.75、80%の場合は0.80、85%の場合は0.85、90%の場合は0.90、95%の場合は0.95、98%の場合は0.98、99%の場合は0.99または100%の場合は1.00である)は、乗算演算子に対するシンボルであり、ここでx.sub.aおよびyの何らかの非整数の積は、それをx.sub.aから減じる前に最も近い整数に丸められる。
パーセント同一性は、配列の長さにわたって決定され得る。本明細書で定義されるように、「75%を超えて同一」という用語は、75%、80%、85%、95%および99%を超える同一性ならびにこの範囲内の全ての離散値および離散した部分的範囲を含む。
一実施形態において、本明細書中で提供される抗体は「ヒト抗体」である。本明細書中で使用される場合、「ヒト抗体」という用語は、相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖および重鎖配列の本質的に配列全体がヒト遺伝子に由来する抗体を指す。一実施形態において、ヒトモノクローナル抗体は、トリオーマ技術、ヒトB細胞技術(例えば、Kozborら、Immunol.Today 4:72(1983)参照、EBV形質転換技術(例えば、Coleら、MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY 77−96(1985)参照)によって、またはファージディスプレイ(例えばMarksら、J.Mol.Biol.222:581(1991)参照)を使用して、調製される。具体的な実施形態において、ヒト抗体は、トランスジェニックマウスにおいて作製される。このような部分的から完全なヒト抗体を作製するための技術は当技術分野で公知であり、あらゆるこのような技術を使用し得る。ある特に好ましい実施形態によれば、完全ヒト抗体配列は、ヒト重鎖および軽鎖抗体遺伝子を発現するように改変されたトランスジェニックマウスにおいて作製される。国際公開第02/43478号パンフレットおよび米国特許第6,657,103号明細書(Abgenix)およびその子孫で見出されるヒト抗体を産生するトランスジェニックマウスの調製の代表的な記載。次いで、所望の抗体を産生するトランスジェニックマウスからのB細胞を融合させて、抗体の連続生産のためのハイブリドーマ細胞株を作製し得る。例えば、米国特許第5,569,825号明細書;同第5,625,126号明細書;同第5,633,425号明細書;同第5,661,016号明細書;および同第5,545,806号明細書;Jakobovits,Adv.Drug Del.Rev.31:33−42(1998);Greenら、J.Exp.Med.188:483−95(1998)を参照のこと。
本明細書で使用される場合、「ヒト化抗体」という用語は、非ヒト(例えばマウス)抗体ならびにヒト抗体由来の配列を含有する抗体の形態を指す。このような抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有するキメラ抗体である。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1個、および典型的には2個の可変ドメインの実質的に全てを含み、超可変ループの全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域の全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体は、場合によっては、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのもの、の少なくとも一部も含む。例えば、Cabilly 米国特許第4,816,567号明細書;Queenら(1989)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029−10033;およびANTIBODY ENGINEERING:A PRACTICAL APPROACH(Oxford University Press 1996)を参照のこと。
本明細書で使用される場合、「阻害する」または「〜の阻害」という用語は、測定可能な量を減少させること、または完全に妨げることを意味する。
「単離された」または「生物学的に純粋な」という句は、ネイティブ状態で見出されるときに物質に通常付随する成分を実質的にまたは本質的に含まない物質を指す。したがって、本発明による単離ペプチドは、好ましくは、それらのインシトゥ環境においてペプチドと通常会合している物質を含有しない。例えば、ポリヌクレオチドは、FLT3遺伝子以外の遺伝子に対応するかもしくは相補的であるか、またはFLT3遺伝子産物もしくはその断片以外のポリペプチドをコードする混入ポリヌクレオチドから実質的に分離される場合、「単離される」と言われる。当業者は、単離FLT3ポリヌクレオチドを得るために、核酸単離手順を容易に使用し得る。タンパク質は、例えば、タンパク質に通常付随する細胞構成物からFLT3タンパク質を取り除くために物理的、機械的または化学的方法が用いられる場合、「単離される」と言われている。当業者は、単離FLT3タンパク質を得るために標準的な精製方法を容易に使用し得る。あるいは、化学的手段によって単離タンパク質を調製し得る。
適切な「標識」としては、放射性核種、酵素、基質、補因子、阻害剤、蛍光部分、化学発光部分、磁性粒子などが挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号明細書;同第3,939,350号明細書;同第3,996,345号明細書;同第4,277,437号明細書;同第4,275,149号明細書;および同第4,366,241号明細書が挙げられる。さらに、本明細書中で提供される抗体は、フルオロボディー(fluorobodies)の抗原結合成分として有用であり得る。例えば、Zeytunら、Nat.Biotechnol.21:1473−79(2003)を参照のこと。
「哺乳動物」という用語は、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマおよびヒトを含む、哺乳動物として分類される何らかの生物を指す。本発明の一実施形態において、哺乳動物はマウスである。本発明の別の実施形態において、哺乳動物はヒトである。
「転移性癌」および「転移性疾患」という用語は、所属リンパ節または遠隔部位に広がっている癌を意味し、AUA系下のステージDの疾患およびTNM系下のステージTxNxM+を含むものとする。
本明細書中で使用される場合、「修飾される」という用語は、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、天然アミノ酸ポリペプチドまたは非天然アミノ酸ポリペプチドへの変化の存在を指す。このような変化または修飾は、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、天然アミノ酸ポリペプチドまたは非天然アミノ酸ポリペプチドの合成後修飾によって、または同時翻訳によって、または天然アミノ酸、非天然アミノ酸、天然アミノ酸ポリペプチドまたは非天然アミノ酸ポリペプチドの翻訳後修飾によって得ることができる。
本明細書中で使用される場合、「モジュレータ」または「試験化合物」または「薬物候補」という用語または文法上の等価物は、癌表現型または癌配列、例えば核酸もしくはタンパク質配列の発現または癌配列の効果(例えばシグナル伝達、遺伝子発現、タンパク質相互作用など)を直接的または間接的に変化させる能力について試験しようとする、何らかの分子、例えばタンパク質、オリゴペプチド、小有機分子、多糖類、ポリヌクレオチドなどを述べる。一態様において、モジュレータは、本発明の癌タンパク質の効果を中和する。「中和する」とは、細胞での結果として生じる効果と同時に、タンパク質の活性が阻害されるかまたは阻止されることを意味する。別の態様において、モジュレータは、本発明の遺伝子の対応するタンパク質のレベルを正常化することによって、本発明の遺伝子およびその対応するタンパク質の効果を中和する。好ましい実施形態において、モジュレータは、発現プロファイル、または本明細書中で提供される発現プロファイル核酸もしくはタンパク質、または下流エフェクター経路を変化させる。ある実施形態において、モジュレータは、癌の表現型を、例えば正常組織フィンガープリントまで抑制する。別の実施形態において、モジュレータは癌表現型を誘導した。一般に、様々な濃度に対して差次的な反応を得るために、複数のアッセイ混合物を様々な薬剤濃度と並行して実行する。典型的には、これらの濃度のうち1つは陰性対照、すなわちゼロ濃度または検出レベルを下回るものとして働く。
モジュレータ、薬物候補または試験化合物は多数の化学クラスを包含するが、典型的にはそれらは有機分子、好ましくは100ダルトンを超え約2500ダルトン未満の分子量を有する有機低分子化合物である。好ましい小分子は、2000未満または1500未満または1000未満または500D未満である。候補薬剤は、タンパク質との構造的相互作用、特に水素結合に必要な官能基を含み、典型的には、少なくともアミン、カルボニル、ヒドロキシルまたはカルボキシル基、好ましくは官能性化学基のうち少なくとも2つを含む。候補薬剤は、上記の官能基の1つ以上で置換された環状炭素または複素環構造および/または芳香族または多環芳香族構造を含むことが多い。モジュレータは、生体分子、例えばペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造類似体またはそれらの組み合わせなども含む。ペプチドが特に好ましい。モジュレータのあるクラスは、例えば約5〜約35個のアミノ酸のペプチドであり、約5〜約20個のアミノ酸が好ましく、約7〜約15個が特に好ましい。好ましくは、癌調節タンパク質は可溶性であり、非膜貫通領域を含み、および/または可溶性を助けるためにN末端Cysを有する。一実施形態において、断片のC末端は遊離酸として維持され、N末端はカップリング、すなわちシステインへのカップリングに役立つ遊離アミンである。一実施形態において、本発明の癌タンパク質は、本明細書中で論じられるような免疫原性物質に複合化される。一実施形態において、癌タンパク質はBSAに複合化される。本発明の、例えば好ましい長さのペプチドは、互いにまたは他のアミノ酸に連結されて、より長いペプチド/タンパク質を生成させ得る。調節ペプチドは、上記で概説されるような天然タンパク質の消化物、ランダムペプチドまたは「偏った」ランダムペプチドであり得る。好ましい実施形態において、ペプチド/タンパク質に基づくモジュレータは、本明細書で定義されるような、抗体およびその断片である。
本明細書中で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少量で存在する可能性のある天然の突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は非常に特異的であり、単一の抗原性エピトープに対して向けられる。対照的に、従来の(ポリクローナル)抗体標品は、典型的には、異なるエピトープに対して向けられた(またはそれらに特異的な)多数の抗体を含む。一実施形態において、ポリクローナル抗体は、複数の抗原エピトープを含有する単一の抗原内の異なるエピトープ特異性、親和性または結合活性を有する複数のモノクローナル抗体を含有する。「モノクローナル」という修飾語は、抗体の実質的に均質な集団から得られるような抗体の特徴を示し、何らかの特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈されるものではない。例えば、本発明に従って使用しようとするモノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature 256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製され得るか、または組み換えDNA法によって作製され得る(例えば米国特許第4,816,567号明細書参照)。「モノクローナル抗体」はまた、例えばClacksonら、Nature 352:624−628(1991)およびMarksら、J.Mol.Biol.222:581−597(1991)に記載の技術を使用して、ファージ抗体ライブラリーからも単離され得る。これらのモノクローナル抗体は、通常、少なくとも約1μM、より通常には少なくとも約300nM、典型的には少なくとも約30nM、好ましくは少なくとも約10nM、より好ましくは少なくとも約3nMまたはそれより良好なKdで結合し、通常はELISAにより測定される。
本明細書中で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少量で存在する可能性のある天然の突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は非常に特異的であり、単一の抗原性エピトープに対して向けられる。対照的に、従来の(ポリクローナル)抗体標品は、典型的には、異なるエピトープに対して向けられた(またはそれらに特異的な)多数の抗体を含む。一実施形態において、ポリクローナル抗体は、複数の抗原エピトープを含有する単一の抗原内の異なるエピトープ特異性、親和性または結合活性を有する複数のモノクローナル抗体を含有する。「モノクローナル」という修飾語は、抗体の実質的に均質な集団から得られるような抗体の特徴を示し、何らかの特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈されるものではない。例えば、本発明に従って使用しようとするモノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature 256:495(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製され得るか、または組み換えDNA法によって作製され得る(例えば米国特許第4,816,567号明細書参照)。「モノクローナル抗体」はまた、例えばClacksonら、Nature 352:624−628(1991)およびMarksら、J.Mol.Biol.222:581−597(1991)に記載の技術を使用して、ファージ抗体ライブラリーからも単離され得る。これらのモノクローナル抗体は、通常、少なくとも約1μM、より通常には少なくとも約300nM、典型的には少なくとも約30nM、好ましくは少なくとも約10nM、より好ましくは少なくとも約3nMまたはそれより良好なKdで結合し、通常はELISAにより測定される。
「非天然アミノ酸」またはそうでなければ「nnAA」と記載されるものは、20種類の共通アミノ酸またはピロリジン(pyrolysine)またはセレノシステインのうち1つではないアミノ酸を指す。nnAAという用語と同義語として使用され得る他の用語は、「非天然コードアミノ酸」、「非天然アミノ酸」、「非天然型のアミノ酸」である。さらに、nnAAという用語には、天然に存在せず、合成により得られ得るか、または非天然アミノ酸の修飾によって得られ得るアミノ酸が含まれるが限定されない。例えば、本発明の目的に対して、パラ−アセチルフェニルアラニンはnnAAとみなされる。
「パラ−アセチルフェニルアラニン」または「pAF」という用語は、以下の化学構造で示されるような3−(4−アセチルフェニル)−2−アミノプロパン酸を意味する。
「医薬賦形剤」は、アジュバント、担体、pH調整剤および緩衝剤、浸透圧調整剤、湿潤剤、保存剤などの物質を含む。
「薬学的に許容可能な」は、ヒトまたは他の哺乳動物と生理学的に適合する、無毒性、不活性および/または組成物を指す。
「ポリヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドの何れかまたは何れかのタイプのヌクレオチドの修飾形態の、少なくとも10塩基または塩基対長のヌクレオチドのポリマー形態を意味し、1本鎖および2本鎖形態のDNAおよび/またはRNAを含むものとする。当技術分野において、この用語は、「オリゴヌクレオチド」と交換可能に使用されることが多い。ポリヌクレオチドは、例えば図1に示されるようなチミジン(T)がウラシル(U)でもあり得る本明細書中で開示されるヌクレオチド配列を含み得;この定義はDNAとRNAとの間の化学構造の違い、特にRNAの4つの主要な塩基のうちの1つがチミジン(T)の代わりにウラシル(U)であるという所見に関連する。
「ポリペプチド」という用語は、少なくとも約4、5、6、7または8個のアミノ酸のポリマーを意味する。本明細書を通して、アミノ酸に対する標準的な3文字(表III参照)または1文字表記を使用する。当技術分野において、この用語は、「ペプチド」または「タンパク質」と交換可能に使用されることが多い。
「組み換え」DNAまたはRNA分子は、インビトロで分子操作を受けたDNAまたはRNA分子である。
本明細書中で使用される場合、「1本鎖Fv」または「scFv」または「1本鎖」抗体という用語は、抗体のVHおよびVLドメインを含む抗体断片を指し、これらのドメインは1本のポリペプチド鎖に存在する。一般に、Fvポリペプチドは、sFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にする、VHとVLドメインとの間のポリペプチドリンカーをさらに含む。sFvの概説については、Pluckthun,THE PHARMACOLOGY OF MONOCLONAL ANTIBODIES,vol.113,RosenburgおよびMoore eds.Springer−Verlag,New York,pp.269−315(1994)を参照のこと。
本明細書中で使用される場合、「特異的」、「特異的に結合する(「specifically binds」および「binds specifically」)」という用語は、標的抗原エピトープへの抗体の選択的結合を指す。抗体は、所定の一連の条件下で、無関係である抗原または抗原混合物への結合と適切な抗原への結合を比較することによって、結合の特異性について試験し得る。抗体が、無関係である抗原または抗原混合物よりも少なくとも2、5、7および好ましくは10倍、適切な抗原に結合する場合、それは特異的とみなされる。一実施形態において、特異的抗体は、FLT3抗原にのみ結合するが、無関係である抗原には結合しない抗体である。別の実施形態において、特異的抗体は、ヒトFLT3抗原に結合するが、FLT3抗原と70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上のアミノ酸相同性がある非ヒトFLT3抗原と結合しない抗体である。別の実施形態において、特異的抗体は、ヒトFLT3抗原に結合するが、FLT3抗原のアミノ酸配列と70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の同一性がある非ヒトFLT3抗原と結合しない抗体である。別の実施形態において、特異的抗体は、ヒトFLT3抗原に結合し、マウスFLT3抗原に結合するが、ヒト抗原との結合度がより高い抗体である。別の実施形態において、特異的抗体は、ヒトFLT3抗原に結合し、霊長類FLT3抗原に結合するが、ヒト抗原との結合度がより高い抗体である。別の実施形態において、特異的抗体は、ヒトFLT3抗原に結合し、何らかの非FLT3抗原に結合するが、ヒト抗原またはその何らかの混合物との結合度がより高い抗体である。
本明細書中で使用される場合、「処置すること」または「治療的」および文法的に関連する用語は、生存延長、罹患率低下および/または代替治療モダリティの副産物である副作用の軽減などの疾患の何らかの結果の何らかの改善を指し;当技術分野において容易に理解されるように、疾患の完全な根絶が好ましいが、治療行為に対する必要条件ではない。
「変異体」という用語は、例えば、具体的に記載されるタンパク質(例えば図1で示されるFLT3タンパク質)の対応する位置に1つ以上の異なるアミノ酸残基を有するタンパク質など、記載されたタイプまたは基準からの変動を呈する分子を指す。類似体は変異体タンパク質の例である。スプライシングアイソフォームおよび一塩基多型(SNP)は、変異体のさらなる例である。
本発明の「FLT3タンパク質」および/または「FLT3関連タンパク質」には、本明細書中で具体的に同定されたもの(図1参照)ならびに、本明細書中で概説されるかまたは当技術分野で容易に利用可能な方法に従い、過度の実験を行うことなく、単離/作製され、特徴評価され得る、アレル変異体、保存的置換変異体、類似体および相同体が含まれる。異なるFLT3タンパク質またはその断片の部分を組み合わせる融合タンパク質、ならびにFLT3タンパク質および異種ポリペプチドの融合タンパク質も含まれる。このようなFLT3タンパク質は、FLT3関連タンパク質、本発明のタンパク質またはFLT3と総称される。「FLT3関連タンパク質」という用語は、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25個または25個を超えるアミノ酸;または少なくとも30、35、40、45、50、55、60、65、70、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、925、930、935、940、945、950、955、960、965、970、975、980、985、990、991、992個または993個以上のアミノ酸のポリペプチド断片またはFLT3タンパク質配列を指す。
II.)FLT3抗体
本発明の別の態様は、FLT3関連タンパク質に結合する抗体を提供する(図1参照)。一実施形態において、FLT3関連タンパク質に結合する抗体は、配列番号2のアミノ酸配列を含むFLT3タンパク質に特異的に結合する抗体である。配列番号2のアミノ酸配列を含むFLT3タンパク質に特異的に結合する抗体としては、他のFLT3関連タンパク質に結合し得る抗体が挙げられる。例えば、配列番号2のアミノ酸配列を含むFLT3タンパク質に結合する抗体は、FLT3変異体およびその相同体または類似体などのFLT3関連タンパク質に結合し得る。
本発明のFLT3抗体は、癌(例えば表I参照)において、予後アッセイ、イメージング、診断および治療方法論のために特に有用である。一実施形態において、例えば免疫アッセイにおいて、癌の検出での使用のための、本明細書中で開示されるFLT3結合アッセイである。同様に、このような抗体は、(例えばADC中で治療剤と組み合わせられる場合)、急性骨髄性白血病(「AML」)および急性リンパ芽球性白血病(ALL)および他の癌(これらの他の癌においてもFLT3が発現されるかまたは過剰発現される限り)の、処置および/または予後診断において有用である。さらに、細胞内で発現される抗体(例えば1本鎖抗体)は、進行性もしくは転移性AMLもしくはALL癌または他の進行性もしくは転移性癌など、FLT3の発現が関与する癌を処置することにおいて治療上有用である。
抗体、具体的にはモノクローナル抗体の調製のための様々な方法は、当技術分野で周知である。例えば、抗体は、単離または免疫複合化形態で、FLT3関連タンパク質、ペプチドまたは断片を使用して適した哺乳動物ホストを免疫化することによって調製し得る(Antibodies:A Laboratory Manual,CSH Press,Eds.,Harlow and Lane(1988);Harlow,Antibodies,Cold Spring Harbor Press,NY(1989))。さらに、FLT3の融合タンパク質、例えばFLT3 GST融合タンパク質なども使用し得る。特定の実施形態において、図1のアミノ酸配列の全てまたは大部分を含むGST融合タンパク質が作製され、次いで適切な抗体を生成させるための免疫原として使用される。別の実施形態において、FLT3関連タンパク質が合成され、免疫原として使用される。
さらに、コードされた免疫原に対する免疫反応を生じさせるために(精製FLT3関連タンパク質またはFLT3発現細胞ありまたはなしで)当技術分野で公知のネイキッドDNA免疫化技術が使用される(総説として、Donnellyら、1997,Ann.Rev.Immunol.15:617−648を参照)。
抗体を生成させるためにFLT3タンパク質の特異的な領域を選択するため、図1で示されるようなFLT3タンパク質のアミノ酸配列を分析し得る。例えば、FLT3構造中の親水性領域を同定するために、FLT3アミノ酸配列の疎水性および親水性分析を使用する。免疫原性構造ならびに他の領域およびドメインを示すFLT3タンパク質の領域は、Chou−Fasman,Garnier−Robson,Kyte−Doolittle,Eisenberg,Karplus−SchultzまたはJameson−Wolf分析など、当技術分野で公知の様々な他の方法を使用して容易に同定し得る。親水性プロファイルは、Hopp,T.P.およびWoods,K.R.,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:3824−3828の方法を用いて生成させ得る。疎水性親水性指標プロファイルは、Kyte,J.およびDoolittle,R.F.,1982,J.Mol.Biol.157:105−132の方法を用いて生成させ得る。パーセント(%)接触可能残基プロファイルは、Janin J.,1979,Nature 277:491−492の方法を使用して生成させ得る。平均柔軟性プロファイルは、Bhaskaran R.,Ponnuswamy P.K.,1988,Int.J.Pept.Protein Res.32:242−255の方法を使用して生成させ得る。ベータターンプロファイルは、Deleage,G.,Roux B.,1987,Protein Engineering 1:289−294の方法を用いて生成させ得る。したがって、これらのプログラムまたは方法の何れかによって同定される各領域は、本発明の範囲内である。FLT3抗体の生成のための好ましい方法は、本明細書中で提供される実施例によってさらに例示される。免疫原としての使用のためのタンパク質またはポリペプチドを調製するための方法は、当技術分野で周知である。BSA、KLHまたは他の担体タンパク質などの担体とのタンパク質の免疫原性複合体を調製するための方法も、当技術分野で周知である。いくつかの状況において、例えばカルボジイミド試薬を用いた直接的複合化が使用され;他の例においては、Pierce Chemical Co.,Rockford,ILによって供給されるものなどの連結試薬が有効である。FLT3免疫原の投与は、当技術分野で理解されているように、適切な期間にわたり適切なアジュバントを使用して注射を行うことによって実施されることが多い。免疫化スケジュールの間、抗体形成の妥当性を判定するために、抗体の力価を取り得る。
FLT3モノクローナル抗体は、当技術分野で周知の様々な手段によって作製し得る。例えば、所望のモノクローナル抗体を分泌する不死化細胞株は、一般的に知られているように、抗体産生B細胞を不死化する、KohlerおよびMilsteinの標準的なハイブリドーマ技術または修飾を用いて調製される。所望の抗体を分泌する不死化細胞株は、抗原がFLT3関連タンパク質である免疫アッセイによってスクリーニングされる。適切な不死化細胞培養物が同定される場合、細胞を増殖させ、抗体をインビトロ培養物または腹水の何れかから産生させ得る。
本発明の抗体または断片は、組み換え手段によっても作製し得る。FLT3タンパク質の所望の領域に特異的に結合する領域は、複数の種由来のキメラまたは相補性決定領域(CDR)移植抗体という状況下でも作製し得る。ヒト化またはヒトFLT3抗体もまた作製し得、これらは治療的状況での使用に好ましい。対応するヒト抗体配列を1つ以上の非ヒト抗体CDRで置換することによる、マウスおよび他の非ヒト抗体をヒト化するための方法は周知である(例えば、Jonesら、1986,Nature 321:522−525;Riechmannら、1988,Nature 332:323−327;Verhoeyenら、1988,Science 239:1534−1536を参照)。また、Carterら、1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4285およびSimsら、1993,J.Immunol.151:2296も参照のこと。
好ましい実施形態において、本発明のヒトモノクローナル抗体は、免疫グロブリン重鎖(VH、DHおよびJHセグメント)および/またはカッパ軽鎖(VKおよびJK)遺伝子座で内在性マウス可変セグメントを有するゲノム配列が、全体または一部、ヒト免疫グロブリン重鎖(VH、DHおよびJH)および/またはカッパ軽鎖(VKおよびJK)遺伝子座の再編成されていない生殖系列可変セグメントを有するヒトゲノム配列で置換されているVeloclmmuneマウスを用いて調製され得る(Regeneron,Tarrytown,NY)。例えば、米国特許第6,586,251号明細書、米国特許第6,596,541号明細書、米国特許第7,105,348号明細書、米国特許第6,528,313号明細書、米国特許第6,638,768号明細書および米国特許第6,528,314号明細書を参照のこと。
さらに、本発明のヒト抗体は、内在性ミューおよびカッパ鎖遺伝子座を不活性化する標的とされる突然変異と一緒に、再編成されていないヒト重鎖(ミューおよびガンマ)およびカッパ軽鎖免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリン遺伝子ミニ遺伝子座を含有するHuMAbマウス(Medarex,Inc.)を使用して、作製され得る(例えば、Lonbergら(1994)Nature 368(6474):856−859を参照のこと)。
別の実施形態において、本発明の完全ヒト抗体は、ヒト重鎖導入遺伝子およびヒト軽鎖トランス染色体(transchomosome)を有するマウスなど、導入遺伝子およびトランス染色体(transchomosome)上にヒト免疫グロブリン配列を有するマウスを用いて作製され得る。本明細書中で、「KMマウス」と呼ばれるこのようなマウスは、Tomizukaら(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:722−727およびTomizukaらに対する国際公開第02/43478号パンフレットに記載されている。
本発明のヒトモノクローナル抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子のライブラリーをスクリーニングするためのファージディスプレイ法を用いて調製することもできる。ヒト抗体を単離するためのこのようなファージディスプレイ法は、当技術分野において確立されている。例えば、Ladnerらに対する米国特許第5,223,409号明細書;同第5,403,484号明細書;および同第5,571,698号明細書;Dowerらに対する米国特許第5,427,908号明細書および同第5,580,717号明細書;Mccaffertyらに対する米国特許第5,969,108号明細書および同第6,172,197号明細書;およびGriffithsらに対する米国特許第5,885,793号明細書;同第6,521,404号明細書;同第6,544,731号明細書;同第6,555,313号明細書;同第6,582,915号明細書および第6,593,081号明細書を参照のこと。
本発明のヒトモノクローナル抗体は、免疫化の際にヒト抗体反応が生じ得るようにヒト免疫細胞が再構成されているSCIDマウスを用いて調製することもできる。このようなマウスは、例えば、Wilsonらに対する米国特許第5,476,996号明細書および同第5,698,767号明細書に記載されている。
さらに、本発明のヒト抗体は、Xenomouse(Amgen Fremont,Inc.,以前のAbgenix,Inc.)と呼ばれる、ヒト重鎖および軽鎖遺伝子座で改変された、抗体産生について不活性化されたトランスジェニックマウスを用いる技術によって作製し得る。ヒト抗体を産生するトランスジェニックマウスを調製する代表的な記述は、米国特許第6,657,103号明細書で見出され得る。また、米国特許第5,569,825号明細書、同第5,625,126号明細書;同第5,633,425号明細書;同第5,661,016号明細書;および同第5,545,806号明細書;およびMendezら、Nature Genetics,15:146−156(1998);Kellerman,S.A.およびGreen,L.L.,Curr.Opin.Biotechnol 13,593−597(2002)も参照のこと。
上記の何らかの作製方法の結果、FLT3または、FLT3に対して85、90、91、92、93、94、95、96、9、98もしくは99%配列同一性を有する相同体もしくは断片もしくはポリペプチド配列に結合する一定の能力を有する抗体が生じる。FLT3に対する抗体、その結合断片およびこれらを含む抗体薬物複合体の結合親和性(KD)は、1mM以下、100nM以下、10nM以下、2nM以下または1nM以下であり得る。あるいは、KDは5〜10nM;または1〜2nMの間であり得る。KDは、1マイクロモル濃度〜500マイクロモル濃度または500マイクロモル濃度〜1nMの間であり得る。
抗原結合タンパク質の結合親和性は、結合定数(Ka)および解離定数(Kd)(KD=Kd/Ka)によって決定される。結合親和性は、BIACOREによって、例えば、プロテインAでコーティングされたセンサー表面上への試験抗体の捕捉およびこの表面上を流動するFLT3によって、測定し得る。あるいは、結合親和性は、FORTEBIOによって、例えば、プロテインAでコーティングされた針上への試験抗体受容体の捕捉およびこの表面上を流動するFLT3によって、測定し得る。当業者は、結合親和性を測定するための当技術分野で公知の他の適切なアッセイを同定し得る。
「特異的に結合する」という用語は、抗原結合タンパク質に関して本明細書で使用される場合、抗原結合タンパク質がFLT3ならびにFLT3内の別個のドメインまたは別個のアミノ酸配列に結合し、他の(例えば無関係な)タンパク質に結合しないか、または実質的に結合しないことを意味する。しかし、この用語は、抗体またはその結合断片が密接に関連する分子と交差反応性でもあり得るという事実を排除するものではない。本明細書中に記載のこれらを含む抗体およびその断片ならびにこれらを含む抗体薬物複合体は、密接に関連する分子に結合するよりも少なくとも2、5、10、50、100または1000倍高い親和性でFLT3に特異的に結合し得る。
好ましい実施形態において、本発明のFLT3 MAbは、American Type Culture Collection(ATCC)受託番号PTA−121831の下に寄託されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞によって産生されるCHv62.21と呼ばれる抗体の重鎖および軽鎖可変領域(図3Aおよび/または3Bを参照)、またはCHv62.21の重鎖および軽鎖可変領域のアミノ酸配列に相同であるアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖可変領域を含み、ここで本抗体は、本発明のFLT3 MAbの所望の機能的特性を保持する。CHv62.21の重鎖可変領域は、配列番号9の1番目の残基(E)〜123番目の残基(S)の範囲のアミノ酸配列からなり、CHv62.21の軽鎖可変領域は、配列番号10の1番目の残基(D)〜108番目の残基(R)残基の範囲のアミノ酸配列からなる。CHv62.21の重鎖可変領域のCDR1−3(Kabat)は、それぞれ配列番号9の31〜35、50〜65および95〜102の範囲のアミノ酸配列からなり、CHv62.21の軽鎖可変領域のCDR1−3(KabatまたはChothia)は、それぞれ配列番号10の24〜34、50〜56および89〜97の範囲のアミノ酸配列からなる(図4および表Vを参照)。本発明の抗体の定常領域として、定常領域の何れかのサブクラスを選択し得る。一実施形態において、重鎖定常領域としてヒトIgG1定常領域および軽鎖定常領域としてヒトIgカッパ定常領域を使用し得る。
例えば、本発明は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
(a)前記重鎖可変領域は、図3Aおよび/または3Bで示される重鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含み;
(b)前記軽鎖可変領域は、図3Aおよび/または3Bで示される軽鎖可変領域アミノ酸配列と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含む、単離モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供する。
他の実施形態において、VHおよび/またはVLアミノ酸配列は、図3Aおよび/または3Bで示されるVHおよびVL配列と85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一である。本明細書中の開示はまた、図3Aおよび/または3Bで示されるaもしくはb、またはVHもしくはVL配列をコードするポリヌクレオチドまたは核酸ならびに、これらと85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるポリヌクレオチドまたは核酸も提供する。
別の実施形態において、本発明は、ヒト化重鎖可変領域およびヒト化軽鎖可変領域を含み、
(a)前記重鎖可変領域は、図3Aおよび/または3Bで示される重鎖可変領域CDRのアミノ酸配列を有する相補性決定領域(CDR)を含み;
(b)前記軽鎖可変領域は、図3Aおよび/または3Bで示される軽鎖可変領域CDRのアミノ酸配列を有するCDRを含む、単離モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供する。
本発明の改変抗体としては、(例えば、抗体の特性を改善するために)VHおよび/またはVL内のフレームワーク残基に対して修飾がなされたものが挙げられる。典型的には、このようなフレームワーク修飾は、抗体の免疫原性を低下させるために行われる。例えば、あるアプローチは、1つ以上のフレームワーク残基を対応する生殖系列配列に「復帰突然変異させる」ことである。より具体的には、体細胞突然変異を受けた抗体は、抗体が由来する生殖系列配列とは異なるフレームワーク残基を含有し得る。このような残基は、抗体フレームワーク配列を、抗体が由来する生殖系列配列と比較することによって同定し得る。フレームワーク領域配列をそれらの生殖系列配置に戻すために、体細胞突然変異は、例えば、部位特異的突然変異誘発またはPCR介在突然変異誘発(例えば、ロイシンからメチオニンへの「復帰突然変異」)によって生殖系列配列に「復帰突然変異」させ得る。このような「復帰突然変異型」抗体も、本発明に包含されるものとする。
別のタイプのフレームワーク修飾は、T細胞エピトープを除去して、それにより抗体の潜在的な免疫原性を低下させるために、フレームワーク領域内で、または1つ以上のCDR領域内でも、1つ以上の残基を突然変異させることを含む。このアプローチは、「脱免疫化」とも呼ばれ、Carrらによる米国特許出願公開第2003/0153043号明細書中でさらに詳細に記載されている。
フレームワークまたはCDR領域内で行われる修飾に加えて、またはこの修飾の代わりに、本発明の抗体は、典型的には、抗体の1つ以上の機能的特性、例えば血清半減期、補体結合、Fc受容体結合および/または抗原依存性細胞傷害性を変化させるために、Fc領域内に修飾を含むように改変され得る。さらに、本発明のFLT3 MAbは、再びMAbの1つ以上の機能的特性を改変するために、化学的に修飾され得る(例えば、1つ以上の化学的部分が抗体に結合され得る)か、またはそのグリコシル化を改変するように修飾され得る。これらの実施形態のそれぞれを以下でさらに詳細に説明する。
一実施形態において、CH1のヒンジ領域は、ヒンジ領域中のシステイン残基の数が変化する、例えば増減するよう修飾される。このアプローチは、Bodmerらによる米国特許第5,677,425号にさらに記載されている。CH1のヒンジ領域中のシステイン残基の数は、例えば、軽鎖および重鎖の組み立てを促進するために、またはFLT3 MAbの安定性を増減させるために変更される。
別の実施形態において、抗体のFcヒンジ領域は、FLT3 MAbの生物学的半減期を短縮させるように突然変異される。より具体的には、1つ以上のアミノ酸突然変異がFcヒンジ断片のCH2−CH3ドメイン界面領域に導入され、その抗体は、ネイティブFc−ヒンジドメインブドウ球菌プロテインA(SpA)結合と比べてSpA結合が低下するようになる。このアプローチは、Wardらによる米国特許第6,165,745号明細書にさらに詳細に記載されている。
別の実施形態において、FLT3 MAbは、その生物学的半減期を延長させるように修飾される。様々なアプローチが可能である。例えば、Wardに対する米国特許第6,277,375号明細書に記載されているように突然変異が導入され得る。あるいは、生物学的半減期を延長させるために、Prestaらによる米国特許第5,869,046号明細書および同第6,121,022号明細書に記載されているように、IgGのFc領域のCH2ドメインの2つのループから取ったサルベージ受容体結合エピトープを含有するように、抗体をCH1またはCL領域内で改変し得る。
さらに他の実施形態において、FLT3 MAbのエフェクター機能を変化させるために少なくとも1つのアミノ酸残基を異なるアミノ酸残基で置換することによって、Fc領域が改変される。例えば、アミノ酸特異的残基から選択される1つ以上のアミノ酸は、抗体のエフェクターリガンドに対する親和性が変化しているが親抗体の抗原結合能を保持するように、異なるアミノ酸残基で置換され得る。親和性が変化させられるエフェクターリガンドは、例えば、Fc受容体または補体のC1成分であり得る。このアプローチは、両者ともWinterらによる米国特許第5,624,821号明細書および同第5,648,260号明細書にさらに詳細に記載されている。
別の実施形態において、重鎖は、Ambrx(La Jolla,CA)によって開発されたReCODE技術を通じて、少なくとも1つのアミノ酸残基を非天然アミノ酸で置換することによって改変される。非天然アミノ酸の一例は、パラ−アセチルフェニルアラニンである。
FLT3関連タンパク質とのFLT3抗体の反応性は、必要に応じて、FLT3関連タンパク質、FLT3発現細胞またはその抽出物を使用して、ウェスタンブロット、免疫沈降、ELISAおよびFACS分析を含む多くの周知の手段によって確立され得る。FLT3抗体またはその断片は、検出可能なマーカーで標識され得るか、または第2の分子に複合化され得る。適切な検出可能マーカーとしては、放射性同位体、蛍光化合物、生物発光化合物、化学発光化合物、金属キレート剤または酵素が挙げられるが限定されない。さらに、2つ以上のFLT3エピトープに特異的な二重特異性抗体は、当技術分野で一般に公知の方法を用いて作製される。ホモ二量体抗体も、当技術分野で公知の架橋技術(例えば、Wolffら、Cancer Res.53:2560−2565)によって作製され得る。
さらに別の好ましい実施形態において、本発明のFLT3 MAbは、CHv62.21と呼ばれる抗体の重鎖および軽鎖を含む抗体である。CHv62.21の重鎖は、配列番号9の1番目の残基(E)〜453番目の残基(K)の範囲のアミノ酸配列からなり、CHv62.21の軽鎖は、配列番号10の1番目の残基(D)〜214番目の残基(C)の範囲のアミノ酸配列からなる。その配列は、図2Aおよび/または2Bおよび図3Aおよび/または3Bで示されている。好ましい実施形態において、CHv62.21は、非天然アミノ酸(「nnAA」)で修飾され、細胞傷害剤に複合化される。一実施形態において、nnAAはpAFである。好ましい実施形態において、細胞傷害剤は、nnAAにおいて特異的に複合化される。
さらに別の実施形態において、本発明のFLT3 MAbは、抗体または抗原結合断片の発現を可能にするために宿主細胞を培養することを含む抗体または抗原結合断片を作製する方法によって作製され、ここで宿主細胞は、以下の(a)〜(C)からなる群から選択される:
(a)配列番号9の1番目のE〜123番目のSの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドおよび配列番号10の1番目のD〜108番目のRの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて遺伝子移入された宿主細胞;
(b)配列番号9の1番目のE〜123番目のSの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターおよび配列番号10の1番目のD〜108番目のRの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて遺伝子移入された宿主細胞;および
(c)配列番号9の1番目のE〜123番目のSの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて遺伝子移入された宿主細胞および配列番号10の1番目のD〜108番目のRの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて遺伝子移入された宿主細胞。
さらに別の実施形態において、本発明のFLT3 MAbは、抗体の発現を可能にするために宿主細胞を培養することを含む抗体を作製する方法によって作製され、ここで宿主細胞は、以下の(a)〜(C)からなる群から選択される:
(a)配列番号9の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドおよび配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞;
(b)配列番号9の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターおよび配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞;および
(c)配列番号9の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞および配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞。
CHv62.21と呼ばれる抗体を産生するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は、(Federal Expressを介して)2014年12月9日にAmerican Type Culture Collection(ATCC),P.O.Box1549,Manassas,VA 20108に送付され、受託番号PTA−121831が割り当てられた。
あるいは、またはさらに、本発明の別の実施形態において、FLT3に結合するMAb、この場合はMAb CHv62.21、は、当技術分野で公知のような翻訳後修飾を受け得る。翻訳後修飾の例としては、化学的修飾、例えばジスルフィド結合、オリゴ糖、N末端ピログルタメート形成、C末端リジンプロセシング、脱アミド化、異性化、酸化、糖化、ペプチド結合切断、還元不可能な架橋、短縮化および当技術分野で公知の他のものが挙げられるが限定されない。Liuら、Heterogeneity of Monoclonal Antibodies,J.Pharma.Sci.vol.97,no.7,pp.2426−2447(July 2008)を参照のこと。他のタイプの修飾としては、非共有相互作用、立体構造の不均一性および凝集が挙げられる(同上)。
さらなる実施形態において、CHv62.21 MAbは、残基1のN末端重鎖グルタメートのピログルタメートへの環化を含む。このような環化が自発的に起こると理解されることを当業者は理解し、認識するであろう。Dickら、Determination of the Origin of the N−Terminal Pyro−Glutamtate Variation in Monoclonal Antibodies Using Model Peptides,Biotechnology and Bioengineering,vol.97,no.3,pp544−553(June 15,2007)を参照のこと。
さらに、またはあるいは、CHv62.21 MAbのアミノ酸は、脱アミド化、異性化、糖化および/または酸化を含むが限定されないさらなる翻訳後修飾を受け得る。本発明のポリペプチドまたはその断片は、グリコシル化、例えば当技術分野で周知のN−結合型またはO−結合型グリコシル化部位、を含むさらなる翻訳後修飾を受け得る。既に記載のように、このような変化を妨げるかまたは最小化するために、またはこのような処理が有益である状況においてそれらを促進するために、ポリペプチドのアミノ酸配列または工程条件の改変(培養、精製および/または保存条件の改変など)を行い得る。さらに、このような調製物は、複数のタイプのプロセシング関連修飾のレベルが様々であるポリペプチドを含み得、例えば、ポリペプチドは、C末端リジンの一部、大部分または実質的に全てが除去され得、および/またはN末端アミノ酸の一部、大部分または実質的に全てがピログルタミン酸に変換され得る(例えば、図2Aおよび/または2Bまたは図3Aおよび/または3Bにおいて、またはコンセンサス配列もしくは抗原結合断片において示されるポリペプチド)。緩衝液の組成および温度の変更などの工程条件は、このような修飾の度合いに顕著な影響を及ぼし得る。
さらなる実施形態において、CHv62.21 MAbは、配列番号9の残基453のC末端重鎖リジンの短縮化を含む。
さらなる実施形態において、CHv62.21 MAbは、G0(アシアロ−、アガラクト、アフコシル化二分岐性複合型N−グリカン);G0F(アシアロ−、アガラクト、コア−フコシル化二分岐性複合型N−グリカン);マンノース−5(N−結合型オリゴマンノース−5);G1F(アシアロ−、モノガラクト、コア−フコシル化二分岐性複合型N−グリカン);G2(アシアロ−、ビガラクト、アフコシル化2分岐性複合型N−グリカン);G2F(アシアロ−、ビガラクト、コアフコシル化2分岐性複合型N−グリカン);A1(モノシアリル化、2分岐性N−結合型オリゴ糖、Neu5Acid);および/またはA2(ジシアリル化、二分岐性N−結合型オリゴ糖Neu5Acid)を含むが限定されない残基303の重鎖アスパラギンへのグリコシル化の付加を含む。
さらにまたはあるいは、別の実施形態において、CHv62.21 MAbは、軽鎖の1つ以上のセリン残基への糖化の付加を含む。一般に、糖化は、還元糖とN末端1級アミンまたはリジン側鎖のアミン基との間の非酵素的反応の結果起こる。当業者は、糖化が、抗体をより酸性にするN末端の一級アミノ酸基またはリジン残基の側鎖上の正電荷を遮蔽し得ることを理解および認識するであろう。
本発明のポリペプチドのアミノ酸配列は、当技術分野で公知の何らかの手段(例えば質量分析法)によって確認し得、本明細書中で開示される配列と同一であり得るか(図2Aおよび/または2Bおよび図3Aおよび/または3Bを参照)、または翻訳後修飾処理の結果として1つ以上のアミノ酸残基でこれらの配列と異なり得る。非限定例として、実質的に均質なポリペプチドの全てまたは一部において、軽鎖または重鎖の何れかに由来するC末端アミノ酸は、タンパク質分解処理または培養中に生じる他の処理によって除去され得る。同様に、N末端アミノ酸は存在しなくてもよく、例えば、1個、2個、3個、4個または5個のN末端アミノ酸が存在しなくてもよい。
別の実施形態において、CHv62.21 MAbの重鎖可変領域は、配列番号9の残基1(E)〜残基123(S)の範囲のアミノ酸配列および配列番号9の残基1(E)〜残基123(S)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されているものからなる群から選択される。
別の実施形態において、CHv62.21 MAbの重鎖は、配列番号9の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列、配列番号9の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されているもの、配列番号9の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、C末端残基453(K)が除去されているもの、および配列番号9の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換され、C末端残基453(K)が除去されているものからなる群から選択される。
別の実施形態において、CHv62.21 MAbまたはその抗原結合断片は、宿主細胞での発現により得られるタンパク質の組み換え産生混合物であり、ここで抗体またはその抗原結合断片の重鎖可変領域は、配列番号9の残基1(E)〜残基123(S)の範囲のアミノ酸配列および配列番号9の残基1(E)〜残基123(S)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されているものからなる群から選択される。
別の実施形態において、CHv62.21 MAbは、宿主細胞での発現により得られるタンパク質の組み換え産生混合物であり、ここで抗体の重鎖は、配列番号9の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列、配列番号9の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されているもの、配列番号9の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、C末端残基453(K)が除去されているもの、および配列番号9の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換され、C末端残基453(K)が除去されているものからなる群から選択される。
別の実施形態において、CHv62.21 MAbは、配列番号9の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列であって、1番目のEがピロ−グルタメートに修飾されているものからなる重鎖と、配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含む。
別の実施形態において、CHv62.21 MAbは、配列番号9の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含む。
別の実施形態において、CHv62.21 MAbは、配列番号9の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列であって、1番目のEがピロ−グルタメートに修飾されており、C末端残基の453番目のKが除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含む。
別の実施形態において、CHv62.21 MAbは、配列番号9の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列であって、C末端残基の453番目のKが除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含む。
本発明のさらに好ましい実施形態において、本発明のFLT3 MAb、具体的にはCHv62.21と表示されるMAbは、重鎖において非天然アミノ酸(「nnAA」)で修飾されている。好ましい実施形態において、アンバーコドンは、nnAAで表されるパラ−アセチルフェニルアラニンの挿入のために配列番号11のアミノ酸位置124に位置する(図3C)。修飾されたCHv62.21は、本発明の目的のためにCHv62.21pAFと表示する。
したがって、本発明の好ましい実施形態において、CHv62.21pAFは以下を含む:
重鎖可変領域は、配列番号11の1番目の残基(E)〜123番目の残基(S)残基の範囲のアミノ酸配列からなり、軽鎖可変領域は、配列番号10の1番目の残基(D)〜108番目の残基(R)残基の範囲のアミノ酸配列からなる。重鎖可変領域のCDR1〜3(Kabat)は、それぞれ配列番号11の31〜35、50〜65および95〜102の範囲のアミノ酸配列からなり、軽鎖可変領域のCDR1〜3(KabatまたはChothia)は、それぞれ配列番号10の24〜34、50〜56および89〜97の範囲のアミノ酸配列からなる(図3B、図3Cおよび表Vを参照)。
パラ−アセチルフェニルアラニンのnnAAが配列番号11の残基124において挿入されている、配列番号11の1番目の残基(E)〜453番目の残基(K)の範囲のアミノ酸配列からなる重鎖および、配列番号10の1番目の残基(D)〜214番目の残基(C)の範囲のアミノ酸配列からなるCHv62.21の軽鎖。その配列は、図2Bおよび/または2Cおよび図3Bおよび/または3Cで示される。好ましい実施形態において、CHv62.21pAFは、細胞傷害剤に複合化される。
さらに別の実施形態において、本発明のFLT3 MAbは、抗体または抗原結合断片の発現を可能にするために宿主細胞を培養することを含む抗体または抗原結合断片を作製する方法によって作製され、ここで宿主細胞は、以下の(a)〜(C)からなる群から選択される:
(a)配列番号11の1番目のE〜123番目のSの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドおよび配列番号10の1番目のD〜108番目のRの範囲のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて遺伝子移入された宿主細胞;
(b)配列番号11の1番目のE〜123番目のSの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターおよび配列番号10の1番目のD〜108番目のRの範囲のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて遺伝子移入された宿主細胞;および
(c)配列番号11の1番目のE〜123番目のSの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて遺伝子移入された宿主細胞および配列番号10の1番目のD〜108番目のRの範囲のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて遺伝子移入された宿主細胞。
さらに別の実施形態において、本発明のFLT3 MAbは、抗体の発現を可能にするために宿主細胞を培養することを含む抗体を作製する方法によって作製され、ここで宿主細胞は、以下の(a)〜(C)からなる群から選択される:
(a)配列番号11の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドおよび配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞;
(b)配列番号11の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターおよび配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞;および
(c)配列番号11の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞および配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞。
さらに別の実施形態において、本発明のFLT3 MAbは、抗体の発現を可能にするために宿主細胞を培養することを含む抗体を作製する方法によって作製され、ここで宿主細胞は、以下の(a)〜(d)からなる群から選択される:
(a)配列番号11の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドおよび配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞;
(b)配列番号11の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターおよび配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞;
(c)配列番号11の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞および配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞;および
(d)配列番号11の1番目のE〜452番目のGの範囲のアミノ酸配列であって1番目のEがピログルタメートに修飾されているものからなる重鎖、および配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖をコードする塩基配列を含むポリヌクレオチドを含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞。
別の実施形態において、CHv62.21pAF MAbの重鎖可変領域は、配列番号11の残基1(E)〜残基123(S)の範囲のアミノ酸配列および配列番号11の残基1(E)〜残基123(S)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されているものからなる群から選択される。
別の実施形態において、CHv62.21pAF MAbの重鎖は、配列番号11の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列、配列番号11の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されているもの、配列番号11の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、C末端残基453(K)が除去されているもの、および配列番号11の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換され、C末端残基453(K)が除去されているものからなる群から選択される。
別の実施形態において、CHv62.21pAF MAbまたはその抗原結合断片は、宿主細胞での発現により得られるタンパク質の組み換え産生混合物であり、ここで抗体またはその抗原結合断片の重鎖可変領域は、配列番号11の残基1(E)〜残基123(S)の範囲のアミノ酸配列および配列番号11の残基1(E)〜残基123(S)のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されているものからなる群から選択される。
別の実施形態において、CHv62.21pAF MAbは、宿主細胞での発現により得られるタンパク質の組み換え産生混合物であり、ここで重鎖は、配列番号11の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列、配列番号11の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されているもの、配列番号11の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、C末端残基453(K)が除去されているもの、および配列番号11の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換され、C末端残基453(K)が除去されているものからなる群から選択される。
別の実施形態において、CHv62.21pAF MAbは、配列番号11の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含む。
別の実施形態において、CHv62.21pAF MAbは、配列番号11の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列であって、1番目のEがピロ−グルタメートに修飾されているものからなる重鎖と、配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含む。
別の実施形態において、CHv62.21pAF MAbは、配列番号11の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列であって、1番目のEがピロ−グルタメートに修飾されており、C末端残基の453番目のKが除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含む。
別の実施形態において、CHv62.21pAF MAbは、配列番号11の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列であって、C末端残基の453番目のKが除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含む。
CHv62.21pAFと呼ばれる抗体を産生するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は、(Federal Expressを介して)2014年12月9日にAmerican Type Culture Collection(ATCC),P.O.Box 1549,Manassas,VA20108に送付され、受託番号PTA−121836を割り当てられた。
III.)一般的な抗体薬物複合体
別の態様において、本発明は、治療薬に複合化させた抗体を含む抗体−薬物複合体(ADC)を提供する。治療剤は、細胞傷害剤、細胞分裂阻害剤、化学療法剤、薬物、成長阻害剤、毒素(例えば、細菌、真菌、植物または動物由来の酵素活性毒素またはその断片)または放射性同位体(すなわち放射性複合体)であり得る。別の態様において、本発明は、ADCを使用する方法をさらに提供する。一態様において、ADCは、オキシム結合を介して細胞傷害剤または検出可能な薬剤に共有結合または連結させられた上記のFLT3 MAbの何れかを含む。
細胞傷害剤または細胞分裂阻害剤、すなわち癌の処置において腫瘍細胞を死滅させるかまたは阻害するための薬物(Syrigos and Epenetos(1999)Anticancer Research 19:605−614;Niculescu−Duvaz and Springer(1997)Adv.Drg Del.Rev.26:151−172;米国特許第4,975,278号明細書)の局所送達のための抗体−薬物複合体の使用によって、腫瘍への薬物部分の標的化送達、およびそれらにおける細胞内蓄積が可能となるが、これらの非複合化薬剤の全身投与の結果、排除しようとする腫瘍細胞だけでなく正常細胞に対しても許容できないレベルの毒性が生じ得る(Baldwinら(1986) Lancet pp.(Mar.15,1986):603−05;Thorpe,(1985)「Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review,」 in Monoclonal Antibodies’84:Biological And Clinical Applications,A.Pincheraら(ed.s),pp.475−506)。それにより最小の毒性で最大限の有効性が求められる。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の両方が、これらのストラテジーにおいて有用であると報告されている(Rowlandら(1986) Cancer Immunol.Immunother.,21:183−87)。これらの方法で使用される薬物としては、ダウノマイシン、ドキソルビシン、メトトレキサートおよびビンデシンが挙げられる(Rowlandら(1986)前出)。抗体−毒素複合体で使用される毒素としては、細菌毒素、例えばジフテリア毒素など、植物毒素、例えばリシンなど、小分子毒素、例えばゲルダナマイシンなど(Mandlerら(2000)Jour,of the Nat.Cancer Inst.92(19):1573−1581;Mandlerら(2000) Bioorganic & Med.Chem.Letters 10:1025−1028;Mandlerら(2002) Bioconjugate Chem.13:786−791)、メイタンシノイド(欧州特許第1391213号明細書;Liuら(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:8618−8623)およびカリケアマイシン(Lodeら(1998)Cancer Res.58:2928;Hinmanら(1993) Cancer Res.53:3336−3342)が挙げられる。毒素は、チューブリン結合、DNA結合またはトポイソメラーゼ阻害を含む機序によって、それらの細胞傷害性および細胞分裂阻害効果に影響を及ぼし得る。いくつかの細胞傷害性薬物は、大きな抗体またはタンパク質受容体リガンドと複合化させる場合、不活性であるかまたは活性がより低い傾向がある。
抗体薬物複合体の例は、正常および悪性Bリンパ球の表面上で見出されるCD20抗原に対して向けられたマウスIgG1カッパモノクローナル抗体およびチオ尿素リンカー−キレート剤により結合させられる111Inまたは90Y放射性同位体から構成される抗体−放射性同位体複合体であるゼバリン(登録商標)(イブリツモマブ・チウキセタン、Biogen/Idec)である(Wisemanら(2000)Eur.Jour.Nucl.Med.27(7):766−77;Wisemanら(2002)Blood 99(12):4336−42;Witzigら(2002)J.Clin.Oncol.20(10):2453−63;Witzigら(2002)J.Clin.Oncol.20(15):3262−69)。
また、カリケアマイシンに連結されたhuCD33抗体から構成される抗体薬物複合体であるマイロターグ(商標)(ゲムツズマブ・オゾガマイシン、Wyeth Pharmaceuticals)は、注射による急性骨髄性白血病の処置について2000年に承認された(Drugs of the Future(2000)25(7):686;米国特許第4970198号明細書;同第5079233号明細書;同第5585089号明細書;同第5606040号明細書;同第5693762号明細書;同第5739116号明細書;同第5767285号明細書;同第5773001号明細書)。
さらに、抗ヒトFLT3抗体は、骨髄性白血病の有望な治療薬としてより早くから評価されている。例えば、FLT3に対する抗体であるIMC−EB10は、Imcloneによって開発された。この抗体は、下流のキナーゼ(MAPK、AktおよびStat5)のFLT3介在性の活性化を阻害するリガンド遮断薬である。この抗体はまた、インビトロで白血病細胞の増殖を阻害し;抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を介して作用することが知られている。EB10は、単独で、およびメトトレキサートと組み合わせて処置した場合、白血病異種移植片の生存期間を延長させた(国際公開第2009/155015号パンフレットおよび米国特許出願公開2011/0008355号明細書参照)。この抗体は、ヒト臨床試験(NCT00887926)においても評価されたが、有効性がなかったため終了となった。また、MMAFと複合化されたEB10もImCloneによって開発されたことを参照のこと(Proc Amer Assoc Cancer Res,Volume 46,2005を参照)。
FLT3に対して開発されたアゴニスト抗体は、原始造血細胞の増殖および/分化を促進し得ることが当技術分野で公知である(国際公開第95/27062号パンフレットを参照)。
生物剤に加えて、多数の小分子阻害剤が開発され、ヒト臨床試験で試験されている。これらの阻害剤の殆どは、FLT3および他のキナーゼを標的とし、したがってFLT3キナーゼそれ自身には特異的ではない。殆どの場合、これらの阻害剤はFLT3−ITDおよびおそらくFLT−TKDを標的とする。したがって、野生型FLT3のみを標的とするために利用可能なものはない。ヒト臨床試験に入ったことが知られている小分子阻害剤は以下のものである:
ミドスタウリンまたはPKC−412(Novartis)、キザルチニブまたはAC220(Ambit)、ネクサバール(Onyx/Bayer)、AZD1152またはバラセルチブ(Astrazeneca)、クレノリニブ(Crenolinib)(Arog)、プレキシコン(第一三共)およびASP2215(アステラス製薬)。全般的に、殆どのヒト臨床試験は現在継続中である。殆どの場合、血小板減少症、好中球減少症、貧血が副作用として観察されている。
さらに、ジスルフィドリンカーSPPを介してメイタンシノイド薬物部分、DM1、に連結されたhuC242抗体から構成される抗体薬物複合体であるカンツズマブ・メルタンシン(mertansine)(Immunogen,Inc.)は、結腸、膵臓、胃など、CanAgを発現する癌の処置に対する第II相試験に進んでいる。
さらに、メイタンシノイド薬物部分(DM1)に連結された抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)モノクローナル抗体から構成される抗体薬物複合体であるMLN−2704(Millennium Pharm.,BZL Biologies,Immunogen Inc.)は、前立腺腫瘍の処置の可能性に対して開発中である。
最後に、ドラスタチンの合成類似体である、オーリスタチンペプチド、オーリスタチンE(AE)およびモノメチルオーリスタチン(MMAE)をキメラモノクローナル抗体cBR96(癌腫においてルイスYに特異的)およびcAC10(血液学的悪性腫瘍においてCD30に特異的)に複合化させた(Doroninaら(2003)Nature Biotechnology 21(7):778−784)。
MMAEに複合化されたCD30 MAbは現在、アドセトリス(Seattle Genetics,Bothell,WA)として市販されている。アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)は、3つの構成成分:1)ヒトCD30に特異的なcAC10と呼ばれるキメラIgG1抗体、2)微小管破壊剤MMAEおよび3)MMAEをcAC10に共有結合させるプロテアーゼ切断可能なリンカーからなるCD−30に対する抗体薬物複合体である。アドセントリス(ADCENTRIS)処方情報を参照のこと。
さらに、ADCの生成に有用な化学療法剤を含むが限定されない治療剤が、本明細書中に記載されている。使用し得る酵素活性毒素およびその断片としては、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、外毒素A鎖(シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ−サルシン、アレウリテス・フォルディイ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPIIおよびPAP−S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシンおよびトリコテセンが挙げられる。例えば、1993年10月28日に公開された国際公開第93/21232号パンフレットを参照のこと。放射性複合化抗体の作製のために、様々な放射性核種を利用可能である。例としては、212Bi、131I、131In、90Yおよび186Reが挙げられる。抗体と細胞傷害剤との複合体は、様々な二官能性タンパク質カップリング剤、例えばN−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(アジプイミド酸ジメチルHClなど)など、活性エステル(スベリン酸ジスクシンイミジルなど)、アルデヒド(グルタルアルデヒドなど)、ビス−アジド化合物(ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミンなど)、ビス−ジアゾニウム誘導体(ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミンなど)、ジイソシアネート(トルエン2,6−ジイソシアネートなど)およびビス活性フッ素化合物(1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼンなど)を使用して作製される。例えば、リシン免疫毒素は、Vitettaら(1987)Science,238:1098に記載されるように調製し得る。炭素−14標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミンペンタ酢酸(MX−DTPA)は、抗体への放射性核種の複合化のための代表的なキレート剤である(国際公開第94/11026号パンフレット)。
抗体および1つ以上の小分子毒素、例えばカリケアマイシン、メイタンシノイド、ドラスタチン、オーリスタチン、トリコテセンおよびCC1065など、および毒素活性を有するこれらの毒素の誘導体の複合体も本明細書中で企図される。
III(A).メイタンシノイド
メイタンシノイド薬物部分としての使用に適したメイタンシン化合物は当技術分野で周知であり、公知の方法に従い天然起源から単離され得るか、遺伝子工学技術(Yuら(2002)PNAS 99:7968−7973参照)を用いて製造され得るか、またはメイタンシノールおよびメイタンシノール類似体は、公知の方法に従って合成により調製され得る。
代表的なメイタンシノイド薬物部分としては、C−19−デクロロ(米国特許第4256746号明細書)(アンサマイトシンP2の水素化リチウムアルミニウム還元によって調製);C−20−ヒドロキシ(またはC−20−デメチル)+/−C−19−デクロロ(米国特許第4,361,650号明細書および同第4,307,016号明細書)(ストレプトマイセス(Streptomyces)またはアクチノマイセス(Actinomyces)を用いた脱メチル化またはLAHを用いた脱塩素化により調製);およびC−20−デメトキシ、C−20−アシルオキシ(−OCOR)、+/−デクロロ(米国特許第4,294,757号明細書)(塩化アシルを用いたアシル化により調製)などの修飾芳香族環を有するものおよび他の位置に修飾を有するものが挙げられる。
代表的なメイタンシノイド薬物部分としては、C−9−SH(米国特許第4,424,219号明細書)(メイタンシノールとH2SまたはP2S5との反応により調製);C−14−アルコキシメチル(デメトキシ/CH2OR)(米国特許第4331598号明細書);C−14−ヒドロキシメチルまたはアシルオキシメチル(CH2OHまたはCH2OAc)(米国特許第4450254号明細書)(ノカルディア(Nocardia)から調製);C−15−ヒドロキシ/アシルオキシ(米国特許第4,364,866号明細書)(ストレプトマイセス(Streptmyces)によるメイタンシノールの変換により調製);C−15−メトキシ(米国特許第4,313,946号明細書および同第4,315,929号明細書)(トレウィア・ヌドルフロラ(Trewia nudlflora)から単離);C−18−N−デメチル(米国特許第4,362,663号明細書および同第4,322,348号明細書)(ストレプトマイセス(Streptmyces)によるメイタンシノールの脱メチル化により調製);および4,5−デオキシ(米国特許第4,371,533号明細書)(メイタンシノールの三塩化チタン/LAH還元により調製)などの修飾を有するものも挙げられる。
メイタンシノイドを含有するADC、その作製方法およびそれらの治療的使用は、例えば、米国特許第5,208,020号明細書;同第5,416,064号明細書;同第6,441,163号明細書および欧州特許第0425235B1号明細書に開示されており、これらの開示は参照により本明細書中に明示的に組み込まれる。Liuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:8618-8623(1996)は、ヒト結腸直腸癌に対するモノクローナル抗体C242に連結されるDM1と呼ばれるメイタンシノイドを含むADCを記載した。本複合体は、培養された結腸癌細胞に対して高い細胞傷害性であることが見出され、インビボ腫瘍成長アッセイにおいて抗腫瘍活性が示された。Chariら、Cancer Research 52:127−131(1992)は、メイタンシノイドがジスルフィドリンカーを介して、ヒト結腸癌細胞株上の抗原に結合するマウス抗体A7または、HER−2/neu癌遺伝子に結合する別のマウスモノクローナル抗体TA.1と複合化されたADCを記載する。細胞あたり3×105のHER−2表面抗原を発現するヒト乳癌細胞株SK−BR−3において、TA.1−メイタンシノイド複合体の細胞傷害性をインビトロで試験した。薬物複合体は、遊離メイタンシノイド薬物と同様の程度の細胞傷害性を達成したが、これは抗体分子あたりのメイタンシノイド分子数を増加させることによって向上させ得る。A7−メイタンシノイド複合体が示した全身細胞傷害性は、マウスにおいて低かった。
III(B).オーリスタチンおよびドラスタチン
いくつかの実施形態において、ADCは、ドラスタチンまたはドロスタチンペプチド類似体および誘導体、オーリスタチン(米国特許第5,635,483号明細書、同第5,780,588号明細書)と複合化された本発明の抗体を含む。ドラスタチンおよびオーリスタチンは、微小管動態、GTP加水分解、ならびに核および細胞分裂を妨げ(Woykeら(2001)Antimicrob.Agents and Chemother.45(12):3580−3584)、抗癌活性(米国特許第5,663,149号明細書)および抗真菌活性(Pettitら(1998)Antimicrob.Agents Chemother.42:2961−2965)を有することが示されている。ドラスタチンまたはオーリスタチン薬物部分は、ペプチド薬物部分のN(アミノ)末端またはC(カルボキシル)末端を通じて抗体に連結させ得る(国際公開第02/088172号パンフレット)。
代表的なオーリスタチンの実施形態は、2004年3月28日に発表され、その開示が、その全体において参照により明示的に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0238649号明細書に記載されている、Senterら、Proceedings of the American Association for Cancer Research,Volume 45,Abstract Number 623で開示されるN末端連結モノメチルオーリスタチン薬物部分DEおよびDFを含む。
典型的には、ペプチドに基づく薬物部分は、2つ以上のアミノ酸および/またはペプチド断片間にペプチド結合を形成することによって調製し得る。このようなペプチド結合は、例えば、ペプチド化学の分野で周知である液相合成法(E.SchroderおよびK.Lubke,「The Peptides」,volume 1,pp76−136,1965,Academic Press参照)に従って調製し得る。オーリスタチン/ドラスタチン薬物部分は、米国特許第5635483号明細書;同第5780588号明細書;Pettitら(1989)J.Am.Chem.Soc.111:5463−5465;Pettitら(1998)Anti−Cancer Drug Design 13:243−277;Pettit,G.R.ら、Synthesis,1996,719−725;Pettitら(1996)J.Chem.Soc.Perkin Trans.15:859−863;およびDoronina(2003)Nat Biotechnol 21(7):778−784の方法に従って調製し得る。
III(C).カリケアマイシン
他の実施形態において、ADCは、1つ以上のカリケアマイシン分子に複合化された本発明の抗体を含む。抗生物質のカリケアマイシンファミリーは、サブピコモル濃度で2本鎖DNA切断を生じさせることが可能である。カリケアマイシンファミリーの複合体の調製については、米国特許第5,712,374号明細書、同第5,714,586号明細書、同第5,739,116号明細書、同第5,767,285号明細書、同第5,770,701号明細書、同第5,770,710号明細書、同第5,773,001号明細書、同第5,877,296号明細書(全てAmerican Cyanamid Company)を参照のこと。使用し得るカリケアマイシンの構造類似体としては、γ1 I、α2 I、α3 I、N−アセチル−γ1 I、PSAGおよびθI 1(Hinmanら、Cancer Research 53:3336−3342(1993)、Lodeら、Cancer Research 58:2925−2928(1998)およびAmerican Cyanamidに対する前述の米国特許)が挙げられるが限定されない。抗体が複合化され得る別の抗腫瘍薬は、葉酸拮抗薬であるQFAである。カリケアマイシンおよびQFAの両方とも、細胞内作用部位を有し、原形質膜を容易に横断しない。したがって、抗体介在性の内在化を通じたこれらの薬剤の細胞取り込みは、それらの細胞傷害効果を大きく促進する。
III(D).他の細胞傷害性薬剤
本発明の抗体に複合化させ得る他の抗腫瘍剤としては、BCNU、ストレプトゾイシン(streptozoicin)、ビンクリスチンおよび5−フルオロウラシル、米国特許第5,053,394号明細書、同第5,770,710号明細書に記載の、まとめてLL−E33288複合体として知られる薬剤ファミリーならびにエスペラミシン(米国特許第5,877,296号明細書)が挙げられる。
使用し得る酵素活性毒素およびその断片としては、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、外毒素A鎖(シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ−サルシン、アレウリテス・フォルディイ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、フィトラカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPIIおよびPAP−S)、モモルディカ・チャランチア(momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サパオナリア・オフィシナリス(sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシンおよびトリコテセンが挙げられる。例えば、国際公開第93/21232号パンフレット(1993年10月28日に公開)を参照のこと。
本発明は、抗体と、核酸分解活性を有する化合物(例えばリボヌクレアーゼまたはDNAエンドヌクレアーゼ、例えばデオキシリボヌクレアーゼ;DNAse)との間に形成されるADCをさらに企図する。
腫瘍の選択的破壊のために、抗体は放射性が高い原子を含み得る。放射性複合化抗体の作製のために、様々な放射性同位体を利用可能である。例としては、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212およびLuの放射性同位体が挙げられる。本複合体が検出に使用される場合、これは、シンチグラフィー研究用の放射性原子、例えばtc99mまたはI123、または核磁気共鳴(NMR)イメージング(磁気共鳴イメージング、mriとしても知られる)用のスピン標識、例えばこれもまたヨウ素−131、インジウム−111、フッ素−19、炭素−13、窒素−15、酸素−17、ガドリニウム、マンガンまたは鉄などを含み得る。
放射性または他の標識は、既知の方法で本複合体に組み込まれ得る。例えば、ペプチドは生合成され得るか、または例えば水素の代わりにフッ素−19を含む適切なアミノ酸前駆体を用いた化学的アミノ酸合成によって合成され得る。tc99mまたはI123、Re186、Re188およびIn111などの標識は、ペプチド中のシステイン残基を介して連結され得る。イットリウム−90は、リジン残基を介して連結され得る。ヨウ素−123を組み込むために、IODOGEN法(Frankerら(1978)Biochem.Biophys.Res.Commun.80:49−57)を使用し得る。「Monoclonal Antibodies in Immunoscintigraphy」(Chatal,CRC Press 1989)は、他の方法を詳細に記載する。
IV.)FLT3に結合する抗体薬物複合化合物
本発明は、とりわけ、治療剤の標的送達のための抗体−薬物複合化合物を提供する。発明者らは、抗体−薬物複合化合物がFLT3を発現する細胞に対して強力な細胞傷害および/または細胞分裂阻害活性を有することを発見した。
このような抗体薬物複合体は、FLT3へのFLの結合を阻止せず、抗体が結合されていてもFLはFLT3を通じてシグナル伝達し得るようになっている。このような抗体は、FLの存在下で細胞傷害活性が低下しないを示す(ここで、FLT3へのFL結合を阻止する抗FLT3抗体薬物複合体は、FLの存在下で細胞傷害性低下を示す)。好ましい実施形態において、本明細書中に記載の抗FLT3薬物複合体は、FLT3へのFLの結合を実質的に阻害しない。
抗体−薬物複合化合物は、少なくとも1つの薬物単位に共有結合した抗体単位を含む。薬物単位は、抗体単位に直接またはリンカー単位(−LU−)を介して共有結合され得る。
いくつかの実施形態において、抗体薬物複合化合物は、以下の式:
L−(LU−D)p(I)
またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を有し;式中:
Lは抗体単位、例えば本発明のFLT3 MAb、例えばCHv62.21またはCHv62.21pAFなどであり、
(LU−D)はリンカー単位−薬物単位部分であり、式中、
LU−はリンカー単位であり、
−Dは標的細胞に対して細胞分裂阻害または細胞傷害活性を有する薬物単位であり;
pは1〜20の範囲である。
いくつかの実施形態において、pは、1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5、1〜4、1〜3または1〜2の範囲である。いくつかの実施形態において、pは、2〜10、2〜9、2〜8、2〜7、2〜6、2〜5、2〜4または2〜3の範囲である。他の実施形態において、pは1、2、3、4、5または6である。いくつかの実施形態において、pは2または4である。いくつかの実施形態において、pは整数である。他の実施形態において、pは平均薬物対抗体比として測定され、これはイネガー(ineger)であってもよいし、または整数でなくてもよい。
いくつかの実施形態において、抗体薬物複合化合物は、以下の式またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を有し:
L−(Aa−Ww−Yy−D)p(II)
式中:
Lは抗体単位、例えばFLT3 MAb、例えばCHv62.21またはCHv62.21pAFなどであり;
−Aa−Ww−Yy−はリンカー単位(LU)であり;式中、
−A−はストレッチャ単位であり、
aは0または1または2または3であり、
各−W−は独立にアミノ酸単位であり、
wは0〜12の範囲の整数であり、
−Y−は自壊性スペーサ単位であり、
yは0、1または2であり、
−Dは標的細胞に対して細胞分裂阻害または細胞傷害活性を有する薬物単位であり;
pは1〜20の整数である。
いくつかの実施形態において、aは0または1であり、wは0または1であり、yは0、1または2である。いくつかの実施形態において、aは0または1であり、wは0または1であり、yは0または1である。いくつかの実施形態において、pは、1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5、1〜4、1〜3または1〜2の範囲である。いくつかの実施形態において、pは、2〜8、2〜7、2〜6、2〜5、2〜4または2〜3の範囲である。他の実施形態において、pは1、2、3、4、5または6である。いくつかの実施形態において、pは2または4である。いくつかの実施形態において、wがゼロでない場合、yは1または2である。いくつかの実施形態において、wが1〜12である場合、yは1または2である。いくつかの実施形態において、wは2〜12であり、yは1または2である。いくつかの実施形態において、aは1であり、wおよびyは0である。
複数の抗体を含む組成物に対して、薬物負荷量は、抗体あたりの薬物分子の平均数pにより表される。薬物負荷量は、抗体あたり1〜20薬物(D)の範囲であり得る。複合化反応の準備における抗体あたりの薬物の平均数は、質量分析、ELISAアッセイおよびHPLCなどの従来の手段によって特徴評価され得る。pの観点における抗体−薬物複合体の定量的分布も決定し得る。いくつかの例において、pが、他の薬物負荷量を伴う抗体−薬物−複合体からのある一定の値である場合の、均質な抗体−薬物−複合体の分離、精製および特徴評価は、逆相HPLCまたは電気泳動などの手段によって達成され得る。代表的な実施形態において、pは2〜8である。
抗体−薬物複合化合物の生成は、当業者に公知のいかなる技術によっても達成され得る。簡潔に述べると、抗体−薬物複合化合物は、抗体単位としての本発明のFLT3 MAbと、薬物と、場合によっては薬物および結合剤を連結させるリンカーと、を含む。好ましい実施形態において、本抗体は、上記のCHv62.21と呼ばれる抗体の重鎖および軽鎖可変領域を含むFLT3 MAbである。より好ましい実施形態において、本抗体は、上記のCHv62.21pAFと呼ばれる抗体の重鎖および軽鎖を含むFLT3 MAbである(式(I)を参照)。
結合剤への薬物および/またはリンカーの共有結合のために、多数の異なる反応が利用可能である。これは、結合剤、例えば、リジンのアミン基、グルタミン酸およびアスパラギン酸の遊離カルボン酸基、システインのスルフヒドリル基および芳香族アミノ酸の様々な部分を含む、結合剤、例えば抗体分子の、アミノ酸残基の反応によって達成されることが多い。共有結合の最も一般的に使用される非特異的な方法の1つは、化合物のカルボキシ(またはアミノ)基を抗体のアミノ(またはカルボキシ)基に連結させるためのカルボジイミド反応である。さらに、化合物のアミノ基を抗体分子のアミノ基に結合させるために、ジアルデヒドまたはイミドエステルのような二官能性薬剤が使用されてきた。結合剤への薬物の結合のためにも利用可能であるのは、シッフ塩基反応である。この方法は、グリコールまたはヒドロキシ基を含有する薬物の過ヨウ素酸酸化を含み、したがってアルデヒドを形成させ、次にこれを結合剤と反応させる。結合は、結合剤のアミノ基とのシッフ塩基の形成を介して起こる。薬物を結合剤に共有結合させるためのカップリング剤として、イソチオシアネートも使用され得る。他の技術が当業者にとって公知であり、本発明の範囲内である。
ある一定の実施形態において、リンカーの前駆体である中間体を適切な条件下で薬物と反応させる。ある一定の実施形態において、反応基は、薬物および/または中間体において使用される。薬物と中間体または誘導体化薬物との間の反応の生成物を、続いて、適切な条件下でFLT3 MAbと反応させる。
V.)リンカー単位
典型的には、抗体−薬物複合化合物は、薬物単位と抗体単位との間にリンカー単位を含む。いくつかの実施形態において、リンカーは、リンカー切断によって細胞内環境において抗体から薬物単位が放出されるように、細胞内条件下で切断可能である。さらに他の実施形態において、リンカー単位は切断可能ではなく、例えば抗体分解によって薬物が放出される。
いくつかの実施形態において、リンカーは、細胞内環境(例えば、リソソームまたはエンドソームまたはカベオレ(caveolea)内)に存在する切断剤によって切断可能である。リンカーは、例えば、リソソームまたはエンドソームプロテアーゼを含むが限定されない、細胞内ペプチダーゼまたはプロテアーゼ酵素によって切断されるペプチジルリンカーであり得る。リンカーはまた、細胞外環境(例えば、細胞膜または組織空間の近傍)に存在する切断剤によって切断され得る。リンカーは、例えば、カテプシンファミリー酵素またはマトリクスメタロプロテイナーゼを含むが限定されない、細胞外ペプチダーゼまたはプロテアーゼ酵素によって切断されるペプチジルリンカーであり得る。いくつかの実施形態において、ペプチジルリンカーは、少なくとも2アミノ酸長または少なくとも3アミノ酸長である。好ましい実施形態において、ペプチジルリンカーは、少なくとも1個のアミノ−オキシ酸単位(Ambrx,Inc.,La Jolla,CA)を含有する。切断剤としては、当技術分野で公知の薬剤が挙げられ得る(例えばDubowchikおよびWalker,1999,Pharm.Therapeutics 83:67−123および米国特許第6,214,345号明細書を参照)。治療剤の細胞内タンパク質分解放出を使用することについてのある長所は、複合化される場合にその薬剤が一般的に減弱化され、その複合体の血清安定性が一般的に高くなることである。
他の実施形態において、切断可能なリンカーはpH感受性であり、すなわち、ある一定のpH値での加水分解に対して感受性である。典型的には、pH感受性リンカーは酸性条件下で加水分解可能である。例えば、リソソーム中で加水分解可能な酸不安定性リンカー(例えば、オキシム、ヒドラゾン、セミカルバゾン、チオセミカルバゾン、シス−アコニットアミド、オルトエステル、アセタール、ケタールなど)を使用し得る。(例えば、米国特許第5,122,368号明細書;同第5,824,805号明細書;同第5,622,929号明細書;DubowchikおよびWalker,1999,Pharm.Therapeutics 83:67−123;Nevilleら、1989,Biol.Chem.264:14653−14661を参照)。このようなリンカーは、血中などの中性pH条件下では比較的安定であるが、リソソームのおおよそのpHであるpH5.5または5.0未満では不安定であるかまたは安定性が低下する。ある一定の実施形態において、加水分解性リンカーは、チオエーテルリンカー(例えば、アシルヒドラゾン結合を介して治療剤に結合されるチオエーテルなど)である(例えば、米国特許第5,622,929号明細書を参照)。
さらに他の実施形態において、リンカーは、当技術分野で公知の還元条件下で切断可能である。(例えば、Thorpeら、1987,Cancer Res.47:5924−5931;Wawrzynczakら、Immunoconjugates:Antibody Conjugates in Radioimagery and Therapy of Cancer(C.W.Vogel ed.,Oxford U.Press,1987を参照。また米国特許第4,880,935号明細書も参照)。リンカーは、細胞内(または細胞外)で見られる還元条件下で切断することもできる。例えば、好ましい実施形態において、特異的リンカーN−O結合を形式上還元して破壊して、リンカーの切断をもたらし得る。
さらに他の実施形態において、リンカー単位は切断可能ではなく、薬物は抗体分解によって放出される。(その全体においておよび全ての目的のために参照により本明細書中に組み込まれる国際公開第2012/166560号パンフレット(Ambrx,Inc.)を参照)。
他の相互に排他的ではない実施形態において、リンカーは、当技術分野で知られているように細胞内在化を促進する。
本発明の組成物および方法とともに使用し得る様々な代表的リンカーは、国際公開第2004/010957号パンフレット、米国特許出願公開第2006/0074008号明細書、米国特許出願公開第20050238649号明細書および米国特許出願公開第2006/0024317号明細書に記載されている(これらはそれぞれ、その全体においておよび全ての目的のために参照により本明細書中に組み込まれる)。
好ましい実施形態において、本発明のLUはAGLと表示され、一般には2−(アミノオキシ)酢酸またはC2H5NO3として知られる。
VI.)ストレッチャ単位
ストレッチャ単位(A)は、存在する場合、抗体単位を、存在するならばアミノ酸単位(−W−)に、存在するならばスペーサ単位(−Y−)に;または薬物単位(−D)に結合可能である。天然にまたは化学的操作を介するかの何れかで、FLT3 MAb(例えばCHv62.21またはCHv62.21pAF)上に存在し得る有用な官能基としては、ケト、アルデヒド、スルフヒドリル、アミノ、ヒドロキシル、炭水化物のアノマーヒドロキシル基およびカルボキシルが挙げられるが限定されない。適切な官能基は、ケト、アルデヒド、スルフヒドリルおよびアミノである。一例において、ケト基は、本発明のMabに組み込まれる非天然アミノ酸(nnAA)上にある。さらなる例において、アルデヒド基は、本発明のMabに組み込まれるnnAA上にある。別の例において、FLT3 MAbの分子内ジスルフィド結合の還元によってスルフヒドリル基が生成され得る。別の実施形態において、FLT3 MAbのリジン部分のアミノ基と2−イミノチオラン(トラウト試薬)または他のスルフヒドリル生成試薬との反応によって、スルフヒドリル基が生成され得る。ある一定の実施形態において、FLT3 MAbは組み換え抗体であり、1つ以上のリジンを保有するように操作されている。ある一定の他の実施形態において、組み換えFLT3 MAbは、さらなるスルフヒドリル基、例えばさらなるシステインを保有するように操作されている。
一実施形態において、ストレッチャ単位は、抗体単位のケト基とオキシム結合を形成する。ケト基は、MAbに組み込まれるnnAA上に存在する。
明示的に示されていない場合でも、1〜20の薬物部分が抗体(p=1〜20)に連結され得ることは、全ての代表的な実施形態から理解されるべきである。
アミノ酸単位
アミノ酸単位(−W−)は、存在する場合、ストレッチャ単位を、スペーサ単位が存在する場合はスペーサ単位に連結させ、ストレッチャ単位を、スペーサ単位がない場合には薬物部分に連結させ、抗体単位を、ストレッチャ単位およびスペーサ単位がない場合には薬物単位に連結させる。
Ww−は、例えば、モノペプチド、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、ノナペプチド、デカペプチド、ウンデカペプチドまたはドデカペプチド単位であり得る。各−W−単位は、独立して、角括弧中に以下で示す式を有し、wは、0〜12の範囲の整数である:
式中、R19としては、水素、メチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、ベンジル、p−ヒドロキシベンジル、−CH2OH、−CH(OH)CH3、−CH2CH2SCH3、−CH2CONH2、−CH2COOH、−CH2CH2CONH2、−CH2CH2COOH、−(CH2)3NHC(=NH)NH2、−(CH2)3NH2、−(CH2)3NHCOCH3、−(CH2)3NHCHO、−(CH2)4NHC(=NH)NH2、−(CH2)4NH2、−(CH2)4NHCOCH3、−(CH2)4NHCHO、−(CH2)3NHCONH2、−(CH2)4NHCONH2、−CH2CH2CH(OH)CH2NH2、2−ピリジルメチル−、3−ピリジルメチル−、4−ピリジルメチル−、フェニル、シクロヘキシルが挙げられるが限定されない。さらなる参考文献については、(参照により本明細書中に完全に組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0072586号明細書および国際公開第2012/047724号パンフレット)を参照のこと。
一定の実施形態において、アミノ酸単位は天然アミノ酸を含み得る。他の実施形態において、アミノ酸単位は非天然アミノ酸を含み得る。
いくつかの実施形態において、アミノ酸単位は、癌または腫瘍関連プロテアーゼを含む1つ以上の酵素によって酵素的に切断されて、薬物単位(−D)を遊離させ得、ある実施形態において、放出時にインビボでプロトン化されて、薬物(D)をもたらす。
アミノ酸単位のある態様において、アミノ酸単位は、バリン−シトルリン(vcまたはval−cit)である。別の態様において、アミノ酸単位はフェニルアラニン−リジン(すなわちfk)である。アミノ酸単位のさらに別の態様において、アミノ酸単位はN−メチルバリン−シトルリンである。
VII.)スペーサ単位
スペーサ単位(−Y−)は、存在する場合、アミノ酸単位が存在するときは、アミノ酸単位を薬物単位に連結させる。あるいは、スペーサ単位は、アミノ酸単位がないときは、ストレッチャ単位を薬物単位に連結させる。スペーサ単位はまた、アミノ酸単位およびストレッチャ単位の両方がないときは、薬物単位を抗体単位に連結させる。スペーサ単位は、非自壊型(non self−immolative)または自壊型(self−immolative)の2種類の一般的なタイプがある。本発明の可能なスペーサの例は当技術分野で公知である。Tokiら、2002,J.Org.Chem.67:1866−1872およびNature Biotechnology 21(7):778−784)を参照のこと。
自壊型(self−immolative)スペーサの他の例としては、2−アミノイミダゾール−5−メタノール誘導体などのPAB基と電子的に同様の芳香族化合物(Hayら、1999,Bioorg.Med.Chem.Lett.9:2237)およびオルトまたはパラ−アミノベンジルアセタールが挙げられるが限定されない。置換および非置換4−アミノ酪酸アミド(Rodriguesら、1995,Chemistry Biology 2:223)、適切に置換されたビシクロ[2.2.1]およびビシクロ[2.2.2]環系(Stormら、1972,J.Amer.Chem.Soc.94:5815)および2−アミノフェニルプロピオン酸アミド(Amsberryら、1990,J.Org.Chem.55:5867)など、アミド結合加水分解時に環化受けるスペーサを使用し得る。グリシンのα位置で置換されるアミン含有薬物の排除(Kingsburyら、1984、J.Med.Chem.27:1447)も、自壊型(self−immolative)スペーサの例である。
VIII.)薬物単位
薬物単位(D)は何らかの治療剤であり得る。例えば、薬物単位は、細胞傷害性、細胞分裂阻害性または免疫調節性(例えば免疫抑制性)または化学療法剤である部分であり得る。Dは、スペーサ単位(存在する場合)、アミノ酸単位(存在する場合)と、ストレッチャ単位(存在する場合)と、または抗体単位との結合を形成し得る原子を有する薬物単位(部分)である。いくつかの実施形態において、薬物単位Dは、スペーサ単位(使用される場合)と結合を形成し得る窒素原子を有する。本明細書で使用される場合、「薬物単位」および「薬物部分」という用語は同義語であり、交換可能に使用される。
細胞傷害性または免疫調節剤の有用なクラスとしては、例えば、抗チューブリン剤、DNA副溝結合剤、DNA複製阻害剤およびアルキル化剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、薬物は、オーリスタチン、例えばオーリスタチンE(当技術分野でドラスタチン−10の誘導体としても知られる)またはその誘導体などである。他の典型的なオーリスタチンとしては、AFP、MMAFおよびMMAEが挙げられる。代表的なオーリスタチンの合成および構造は、米国特許第6,323,315号明細書;同第6,239,104号明細書;同第6,034,065号明細書;同第5,780,588号明細書;同第5,665,860号明細書;同第5,663,149号明細書;同第5,635,483号明細書;同第5,599,902号明細書;同第5,554,725号明細書;同第5,530,097号明細書;同第5,521,284号明細書;同第5,504,191号明細書;同第5,410,024号明細書;同第5,138,036号明細書;同第5,076,973号明細書;同第4,986,988号明細書;同第4,978,744号明細書;同第4,879,278号明細書;同第4,816,444号明細書;および同第4,486,414号明細書に記載されており、これらのそれぞれは、その全体において、および全ての目的のために、参照により本明細書中に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、薬物単位は、カリケアマイシン、カンプトテシン、メイタンシノイドまたはアントラサイクリンである。いくつかの実施形態において、薬物は、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、ビンカアルカロイドなどである。
いくつかの典型的な実施形態において、適切な細胞傷害剤としては、例えば、DNA副溝結合剤(例えば、エネジインおよびレキシトロプシン、CBI化合物;米国特許第6,130,237号明細書も参照)、デュオカルマイシン、タキサン(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル)、ピューロマイシンおよびビンカアルカロイドが挙げられるが限定されない。他の細胞傷害剤としては、例えば、CC−1065、SN−38、トポテカン、モルホリノ−ドキソルビシン、リゾキシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、エキノマイシン、コンブレタスタチン、ネットロプシン、エポチロンAおよびB、エストラムスチン、クリプトフィシン、セマドチン、メイタンシノイド、ディスコデルモライド、エリュテロビンおよびミトキサントロンが挙げられる。
いくつかの実施形態において、薬物は抗チューブリン剤である。抗チューブリン剤の例としては、オーリスタチン、タキサン(例えばタキソール(登録商標)(パクリタキセル)、タキソテール(登録商標)(ドセタキセル))、T67(ツラリック(Tularik))およびビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビン)が挙げられる。他の抗チューブリン剤としては、例えば、バッカチン誘導体、タキサン類似体(例えばエポチロンAおよびB)、ノコダゾール、コルヒチンおよびコルシミド、エストラムスチン、クリプトフィシン、セマドチン、メイタンシノイド、コンブレタスタチン、ディスコデルモライドおよびエリュテロビンが挙げられる。
ある一定の実施形態において、細胞傷害剤は、メイタンシノイド、抗チューブリン剤の別の群である。例えば、具体的な実施形態において、メイタンシノイドはメイタンシンまたはDM−1である(ImmunoGen,Inc.;Chariら、1992,Cancer Res.52:127−131も参照)。
ある一定の実施形態において、細胞傷害剤または細胞分裂阻害剤は、ドラスタチンである。ある一定の実施形態において、細胞傷害剤または細胞分裂阻害剤は、オーリスタチンクラスである。
さらなる実施形態において、薬物単位は、新規のドラプロイン−ドライソリューイン(dolaisoleuine)ペプチド類似体である。したがって、本明細書で提供されるのは、式(I)の化合物 または薬学的に許容可能なその塩である:
式中、
R1およびR2はそれぞれ独立して−Hまたはアルキルであり;
Xは、−O−、−NRZ−、−S−であるかまたは存在せず;
ここでRZは、−Hまたはアルキルであり;
R3は、式:
の基であり;
ここでR15およびR16は、それぞれ独立に、−H、−OH、−NH2、−SH、−N3、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−OH、アルキル−NH2、アルキル−SHまたはアルキル−N3であり;
R4は、式:
の基であり;
ここで、R17およびR18は、それぞれ独立に、−H、−OH、−NH2、−SH、−N3−、−CO2H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキル−OH、アルキル−NH2、−アルキル−SH、−アルキル−N3または−アルキル−CO2Hであり;
R5はsec−ブチルまたはイソブチルであり;
R6は−Hまたはアルキルであり;
R7およびR8は、それぞれ独立に、−H、アルキル、−CO2Ra、CONRbRC、置換もしくは非置換フェニルまたは置換もしくは非置換複素環であり;
ここでRaは、−Hまたはアルキルであり;
RbおよびRCは、それぞれ独立に、Hまたはアルキルであり;
R9は−Hまたはアルキルであるか;またはR9は、R4およびそれらが連結される原子と一緒になって、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
R10は、−Hまたはアルキルであり;
R11は、−Hまたはアルキルであり;
R12は、−Hまたはアルキルであり;
R13は、−Hまたはアルキルであり;
R14は、−H、−OHまたはアルキルであり;
ただし、Xが存在せず、R15、R16、R17およびR18がそれぞれメチルである場合、R8は置換もしくは非置換フェニルまたは置換もしくは非置換複素環ではない。
いくつかの実施形態において、R1およびR2は、それぞれ独立して、−Hまたはアルキル、例えばC1−6アルキルである。いくつかの実施形態において、R1およびR2は、それぞれ独立して、−Hまたはメチルである。いくつかの実施形態において、R1およびR2は、それぞれ独立してアルキルである。いくつかの実施形態において、R1およびR2は両者ともメチルである。いくつかの実施形態において、R1およびR2は両者とも−Hである。
いくつかの実施形態において、Xは存在しない。他の実施形態において、Xは−O−である。いくつかの実施形態において、R1およびR2はそれぞれ独立にアルキルであり、Xは存在しない。いくつかの実施形態において、R1およびR2は両者ともメチルであり、Xは存在しない。他の実施形態において、R1およびR2は両者とも−Hであり、Xは−O−である。いくつかの実施形態において、Xは−NRZ−であり、RZは−Hまたはアルキルである。いくつかの実施形態において、RZは−Hである。いくつかの実施形態において、XはRZがアルキル、例えばC1−6アルキルまたはメチルである。
ある一定の実施形態において、 R3は、式:
であり;
ここでR15およびR16は、それぞれ独立に、−H、−OH、−NH2、−SH、−N3、アルキル、アルケニル、アルキニル、−アルキル−OH、−アルキル−NH2、−アルキル−SHまたは−アルキル−N3である。さらに他の実施形態において、R15およびR16は、それぞれ独立に、−H、アルキル、(CH2)0−6C≡CH、−(CH2)0−6CH=CH2、−(CH2)0−6OH、−(CH2)0−6NH2、−(CH2)0−6SHまたは−(CH2)0−6N3である。いくつかの実施形態において、R15およびR16は、それぞれ独立に、−H、−OHまたはアルキルである。いくつかの実施形態において、R15およびR16は、それぞれ独立に、−H、−OHまたはメチルである。いくつかの実施形態において、R15は−OHであり、R16は水素である。いくつかの実施形態において、R15は−OHであり、R16はメチルである。
ある一定の実施形態において、R3は分子の残部に対してR立体化学配置である。他の実施形態において、R3は、分子の残部に対してS立体化学配置である。ある一定の実施形態において、R3基自体が、1つ以上の不斉中心を含有し、これらの立体中心は、それぞれ独立に、RまたはS配置である。
ある一定の実施形態において、R4は、
であり、ここでR17およびR18は、それぞれ独立に、−H、−OH、−NH2、−SH、−N3、−CO2H、アルキル、アルケニル、アルキニル、−アルキル−OH、−アルキル−NH2、−アルキル−SH、−アルキル−N3または−アルキル−CO2Hである。他の実施形態において、R4は、
であり、ここでR17は、−H、−OH、−NH2、−SH、−N3、−CO2H、アルキル、アルケニル、アルキニル、−アルキル−OH、−アルキル−NH2、−アルキル−SH、−アルキル−N3または−アルキル−CO2Hであり、R18は、−H、−OH、−NH2、−SH、−N3、−CO2H、アルケニル、アルキニル、−アルキル−OH、−アルキル−NH2、−アルキル−SH、−アルキル−N3または−アルキル−CO2Hである。さらに他の実施形態において、R17およびR18は、それぞれ独立に、−H、アルキル、−(CH2)0−6C≡CH、−(CH2)0−6CH=CH2、−(CH2)0−6OH、−(CH2)0−6NH2、−(CH2)0−6SHまたは−(CH2)0−6N3である。いくつかの実施形態において、R17およびR18は、それぞれ独立に、−H、−OH、−NH2、−SH、−N3、−CO2H、アルキル、−アルキル−NH2または−アルキル−N3である。いくつかの実施形態において、R17およびR18は、それぞれ独立に、−H、−OH、−NH2、−SH、−N3、−CO2H、メチル、−CH2NH2または−CH2N3である。
ある一定の実施形態において、R4は、R9およびそれらが連結される原子と一緒になって、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。ある一定の実施形態において、R4は、R9およびそれらが連結される原子と一緒になって、非置換であり得るか、または−OH、−NH2、−SHおよび−N3から選択される1つ以上の基で置換され得る、5〜7員ヘテロシクロアルキル環を形成する。ある一定の実施形態において、ヘテロシクロアルキル環は、非置換であり得るか、または−OH、−NH2、−SHおよび−N3から選択される1つ以上の基で置換されていてもよいピロリジン環である。
ある一定の実施形態において、R4は分子の残部に対してR立体化学配置にある。他の実施形態において、R4は分子の残部に対してS立体化学配置にある。ある一定の実施形態において、R4基自体が、1つ以上の不斉中心を含有し、これらの立体中心は、それぞれ独立に、RまたはS配置である。
ある一定の実施形態において、R5はsec−ブチルである。他の実施形態において、R5はイソブチルである。ある一定の実施形態において、R5は分子の残部に対してR立体化学配置にある。他の実施形態において、R5は、分子の残部に対してS立体化学配置にある。いくつかの実施形態において、R5基内の不斉中心はR配置であり、他の実施形態において、不斉中心はS配置である。
ある一定の実施形態において、R6は−Hである。他の実施形態において、R6はアルキル、例えばC1−8アルキル、C1−4アルキル、メチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態において、R7およびR8は、それぞれ独立に、−H、アルキル、−CO2Raまたは−CONRbRcであり;ここでRaは−Hまたはアルキル、例えばC1−6アルキルまたはメチルであり;RbおよびRcは、それぞれ独立に、−Hまたはアルキル、例えばC1−6アルキルまたはメチルである。
ある一定の実施形態において、R7およびR8は、それぞれ独立に、置換もしくは非置換フェニルまたは置換もしくは非置換複素環であり、ここでフェニルまたは複素環は、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルおよびアルコキシから選択される1つ以上の基で置換され得る。ある一定の他の実施形態において、R7は、非置換3〜8員複素環である。ある一定の他の実施形態において、R7は置換された3〜8員複素環である。ある一定の他の実施形態において、R8は、場合によりハロで置換されているフェニルである。
ある一定の実施形態において、R7は分子の残部に対してR立体化学配置にある。他の実施形態において、R7は分子の残部に対してS立体化学配置にある。
ある一定の実施形態において、R8は分子の残部に対してR立体化学配置である。他の実施形態において、R8は分子の残部に対してS立体化学配置である。
いくつかの実施形態において、R7は、−CO2Ra −CONRbRc;テトラゾリルまたはチアゾリルであり、ここでRaは−Hまたはアルキル、例えばC1−6アルキルまたはメチルであり;RbおよびRcは、それぞれ独立に、−Hまたはアルキル、例えば、C1−6アルキルまたはメチルであり;R8は場合によりハロで置換されているフェニルである。
いくつかの実施形態において、R9は−Hである。他の実施形態において、R9は、アルキル、例えばC1−8アルキル、C1−4アルキル、メチルまたはエチルである。いくつかの実施形態において、R9は−Hまたはメチルである。いくつかの実施形態において、R9はメチルである。
いくつかの実施形態において、R10は−Hである。他の実施形態において、R10は、アルキル、例えばC1−8アルキル、C1−4アルキル、メチルまたはエチルである。いくつかの実施形態において、R10は−Hまたはメチルである。いくつかの実施形態において、R10はメチルである。
いくつかの実施形態において、R11は−Hである。他の実施形態において、R11は、アルキル、例えばC1−8アルキル、C1−4アルキル、メチルまたはエチルである。いくつかの実施形態において、R11は、−Hまたはメチルである。いくつかの実施形態において、R11はメチルである。
いくつかの実施形態において、R12は−Hである。他の実施形態において、R12は、アルキル、例えばC1−8アルキル、C1−4アルキル、メチルまたはエチルである。いくつかの実施形態において、R12は、−Hまたはメチルである。いくつかの実施形態において、R12はメチルである。
いくつかの実施形態において、R13は−Hである。他の実施形態において、R13は、アルキル、例えばC1−8アルキル、C1−4アルキル、メチルまたはエチルである。いくつかの実施形態において、R13は−Hまたはメチルである。いくつかの実施形態において、R13はメチルである。
いくつかの実施形態において、R14は−Hである。いくつかの実施形態において、R14は、アルキル、例えばC1−6アルキル、メチルまたはエチルである。いくつかの実施形態において、R14は−OHである。
ある一定の実施形態において、R14は分子の残部に対してR立体化学配置にある。他の実施形態において、R14は分子の残部に対してS立体化学配置にある。
いくつかの実施形態において、R7は−CO2Raであり、ここでRaは−Hまたはアルキル、例えばC1−6アルキルまたはメチルであり;R8はフェニルであり;R14は−Hである。いくつかの実施形態において、R7は−CONRbRcであり、ここでRbおよびRcはそれぞれ独立に−Hまたはアルキル、例えばC1−6アルキルまたはメチルであり;R8はフェニルであり;R14は−Hである。いくつかの実施形態において、R7はアルキル、例えばC1−6アルキルまたはメチルであり;R8はフェニルであり;R14は−OHである。いくつかの実施形態において、R7はメチルであり、R8はフェニルであり、R14は−OHである。いくつかの実施形態において、R7およびR14は両者とも−Hであり、R8はピリジニル、ピペリジニル、非置換フェニル、またはハロ、例えばフルオロ、クロロもしくはブロモで置換されているフェニルである。いくつかの実施形態において、R7は−CO2Raであり、ここでRaは−Hまたはアルキル、例えばC1−6アルキルまたはメチルであり;R8は−Hまたはアルキル、例えばC1−6アルキルまたはメチルであり;R14はアルキル、例えばC1−6アルキル、メチルまたはエチルである。いくつかの実施形態において、R7は−CO2Raであり、ここでRaは−Hまたはアルキル、例えばC1−6アルキルまたはメチルであり;R8は−Hまたはアルキル、例えばC1−6アルキルまたはメチルであり;R14は−OHである。
ある一定の実施形態において、R1およびR2は、それぞれ独立に、−HまたはC1−6アルキルであり;
Xは−O−であるか、または存在せず;
R3は、
であり;ここでR15およびR16はそれぞれ独立に、−H、−OHまたはC1−6アルキルであり;
R4は、
であり;ここで、R17は、−OH、−NH2、−SH、−N3、−CO2H、−C1−6アルキル−NH2、アルキニル、アルケニルまたは−C1−6アルキル−N3であり;R18は−HまたはC1−6アルキルであり;
R5はsec−ブチルであり;
R6は−Hであり;
R7は、−H、C1−6アルキル、−CO2Ra、−CONRbRc、テトラゾリルまたはチアゾリルであり;ここでRaは−HまたはC1−6アルキルであり;RbおよびRcはそれぞれ−HまたはC1−6アルキルであり;
R8は、−H、C1−6アルキル、置換もしくは非置換フェニルまたは置換もしくは非置換複素環であり;
R9は−Hであり;
R10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に、C1−6アルキルであり;
R14は、−H、C1−6アルキルまたは−OHである。
ある一定の実施形態において、
R1およびR2は、それぞれ独立に、−Hまたはメチルであり;
Xは−O−であるか、または存在せず;
R3は、
であり;ここでR15およびR16はそれぞれ独立に、−H、−OHまたはメチルであり;
R4は、
であり;ここで、R17は、−OH、−NH2、−SH、−N3、−CO2H、アミノメチル、アルキニル、アルケニル、またはアジドメチルであり;R18は−Hまたはメチルであり;
R5はsec−ブチルであり;
R6は−Hであり;
R7は、−H、メチル、−CO2Raまたは−CONRbRcであり;ここでRaは−Hまたはメチルであり;RbおよびRcはそれぞれ−Hまたはメチルであり;
R8は、−H、メチル、エチル、ピリジニル、ピペリジニル、非置換フェニル、ハロで置換されたフェニルであり;
R9は−Hであり;
R10、R11、R12およびR13はそれぞれメチルであり;
R14は、−H、メチルまたは−OHである。
ある一定の実施形態において、
R1およびR2は、それぞれ独立に、−HまたはC1−6アルキルであり;
Xは存在せず;
R3は、
であり;ここでR15およびR16はそれぞれ独立に、−H、−OHまたはC1−6アルキルであり;
R4は
であり;ここでR17は−N3であり、R18は−Hまたはメチルであり;
R5はsec−ブチルであり;
R6は−Hであり;
R7は、−H、C1−6アルキル、−CO2Ra、−CONRbRc、テトラゾリルまたはチアゾリルであり;ここでRaは−HまたはC1−6アルキルであり;RbおよびRcはそれぞれ−HまたはC1−6アルキルであり;
R8は、−H、C1−6アルキル、置換もしくは非置換フェニルまたは置換もしくは非置換複素環であり;
R9は−Hであり;
R10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に、C1−6アルキルであり;
R14は、−H、C1−6アルキルまたは−OHである。
ある一定の実施形態において、
R1およびR2は、それぞれ独立に、−HまたはC1−6アルキルであり;
Xは−O−であり;
R3は、
であり;ここでR15およびR16はそれぞれ独立に、−H、−OHまたはC1−6アルキルであり;
R4は
であり;ここでR17は−N3であり、R18は−Hまたはメチルであり;
R5はsec−ブチルであり;
R6は−Hであり;
R7は、−H、C1−6アルキル、−CO2Ra、−CONRbRc、テトラゾリルまたはチアゾリルであり;ここでRaは−HまたはC1−6アルキルであり;RbおよびRcはそれぞれ−HまたはC1−6アルキルであり;
R8は、−H、C1−6アルキル、置換もしくは非置換フェニルまたは置換もしくは非置換複素環であり;
R9は−Hであり;
R10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に、C1−6アルキルであり;
R14は、−H、C1−6アルキルまたは−OHである。
式(I)のいくつかの実施形態において、式中、
R1およびR2はそれぞれメチルであり;
Xは存在せず;
R3は、式:
の基であり、ここで、R15およびR16はそれぞれメチルであり;
R4は式:
の基であり、ここでR17は、−N3、−NH2、−OH、−SHであり、R18は−Hまたはメチルであり;
R5はsec−ブチルであり;
R6は−Hであり;
R7は、−CO2RaまたはCONRbRcであり;ここでRaは−HまたはC1−6アルキルであり;RbおよびRcは、それぞれ独立に、HまたはC1−6アルキルであり;
R8はフェニルであり;
R9は−Hであり;
R10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立にメチルであり;
R14は−Hである。
式(I)のいくつかの実施形態において、式中、
R1およびR2はそれぞれ−Hであり;
Xは−O−であり;
R3は、式:
の基であり、ここで、R15および16はそれぞれメチルであり;
R4は式:
の基であり、ここでR17は−N3であり、R18は−Hまたはメチルであり;
R5はsec−ブチルであり;
R6は−Hであり;
R7は、−CO2RaまたはCONRbRcであり、ここでRaは−HまたはC1−6アルキルであり;RbおよびRcは、それぞれ独立に、HまたはC1−6アルキルであり;
R8はフェニルであり;
R9は−Hであり;
R10、R11、R12およびR13は、それぞれ独立にメチルであり;
R14は−Hである。
本明細書で提供される何らかの可変基の定義は、化学的に実現可能な場合には、本明細書で提供される可変基の全ての可能な組み合せおよび並べ替えが企図されるように、本明細書中で提供される何らかの他の可変基の定義と組み合わせて使用され得る。
ある一定の実施形態において、式(I)の化合物は、次のものからなる群から選択される:
(S)−メチル2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−3−ヒドロキシ−N−メチルプロパンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパノエート;
(S)−メチル2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,3R)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−3−ヒドロキシ−N−メチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパノエート;
(S)−2−(ジメチルアミノ)−N−((S)−3−ヒドロキシ−1−(((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−((2−(ピリジン−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)(メチル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチルブタンアミド;
(2S,3R)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−3−ヒドロキシ−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−((2−(ピリジン−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;
(2S)−2−(ジメチルアミノ)−N−((2S)−3−ヒドロキシ−1−(((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((2S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−((2−(ピペリジン−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)(メチル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−3−メチルブタンアミド;
(2S,3R)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−3−ヒドロキシ−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((2S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−((2−(ピペリジン−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;
(S)−メチル2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,3S)−3−アジド−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパノエート;
(S)−メチル2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−3−アミノ−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルプロパンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパノエート;
(S)−N−((S)−3−アミノ−1−(((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−((2−(ピリジン−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)(メチル)アミノ)−1−オキソプロパン−2−イル)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド;
(S)−メチル2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−3−アジド−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルプロパンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパノエート;
(S)−メチル2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−4−アジド−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパノエート;
(S)−メチル2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−4−アミノ−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパノエート;
(S)−2−((S)−2−(アミノオキシ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−((2−(ピリジン−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N,3−ジメチルブタンアミド;
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−ヒドロキシプロパンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン;
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((2S,3R)−2−(ジメチルアミノ)−3−ヒドロキシブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン;
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,3S)−3−アジド−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸;
(S)−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((S)−1−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−2−((2S,3R)−2−(ジメチルアミノ)−3−ヒドロキシブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド;
(S)−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((S)−1−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−2−((2S)−2−(ジメチルアミノ)−3−ヒドロキシプロパンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド;
(S)−メチル2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((R)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−3−メルカプト−N−メチルプロパンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパノエート;
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((R)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−3−メルカプト−N−メチルプロパンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸;
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−3−ヒドロキシ−N−メチルプロパンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸;
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,3R)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−3−ヒドロキシ−N−メチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸;
(S)−メチル2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−ジメチルアミノ)−3−ヒドロキシプロパンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパノエート;
(S)−メチル2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((2S,3R)−2−(ジメチルアミノ)−3−ヒドロキシブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパノエート;
(S)−メチル2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,3S)−3−アミノ−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパノエート;
(S)−2−((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,3S)−3−アミノ−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパンアミド)−3−フェニルプロパン酸;
(2S,3S)−3−アジド−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−((フェネチルアミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;
(2S,3S)−3−アジド−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;
(2S,3S)−3−アジド−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−((4−クロロフェネチル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド;
(2S,3S)−3−アジド−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−((2−クロロフェネチル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド;
(2S,3S)−3−アミノ−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(フェネチルアミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;
(2S,3S)−3−アミノ−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;
(2S,3S)−3−アミノ−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−((4−クロロフェネチル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド;
(2S,3S)−3−アミノ−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−((2−クロロフェネチル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド;
(S)−4−アミノ−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(フェネチルアミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;
(S)−4−アミノ−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;
(S)−4−アミノ−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−((4−クロロフェネチル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド;
(S)−4−アミノ−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−((2−クロロフェネチル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド;
メチル((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルペント−4−インアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニネート;
(2S,3S)−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((S)−1−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−3−アジド−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド;
(2S,3S)−3−アジド−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−((2−(ピリジン−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;
(2S,3S)−3−アジド−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((S)−1−(tert−ブチルアミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド; メチル((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,3S)−3−アジド−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−バリネート;
メチル((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−6−アミノ−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルヘキサンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニネート;
メチル((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,4S)−4−アジド−1−(ジメチル−L−バリル)−N−メチルピロリジン−2−カルボキサミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニネート;
(S)−3−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−4−(((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−3−(((S)−1−メトキシ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)(メチル)アミノ)−4−オキソブタン酸;
(2S,3R)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−3−ヒドロキシ−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((1S,2R)−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;
メチル((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N,3−ジメチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−セリネート;
メチル((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,3S)−3−アジド−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−イソロイシネート;
(2S,3S)−3−アミノ−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((S)−1−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド;
(2S,3S)−3−アミノ−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((S)−1−(tert−ブチルアミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド;
メチル((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((S)−3−アジド−N−メチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)プロパンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニネート;
メチル((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,3S)−3−アジド−N−メチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)ブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニネート;
(2S,3S)−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((S)−1−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−3−アジド−N−メチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)ブタンアミド;
(2S,3S)−3−アジド−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((S)−1−(tert−ブチルアミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)ブタンアミド;
tert−ブチル((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,3S)−3−アジド−N−メチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)ブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニネート;
((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,3S)−3−アジド−N−メチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)ブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニン;
tert−ブチル((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,3S)−3−アジド−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニネート;
(2S,3S)−3−アジド−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;
(2S,3S)−3−アジド−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)ブタンアミド;
(2S,3S)−3−アジド−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;
tert−ブチル((2R,3R)−3−((S)−1−((3R,4S,5S)−4−((2S,3S)−3−アミノ−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−メチルブタンアミド)−3−メトキシ−5−メチルヘプタノイル)ピロリジン−2−イル)−3−メトキシ−2−メチルプロパノイル)−L−フェニルアラニネート;
(2S,3S)−3−アミノ−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(1H−テトラゾール−5−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;および
(2S,3S)−3−アミノ−2−((S)−2−(ジメチルアミノ)−3−メチルブタンアミド)−N−((3R,4S,5S)−3−メトキシ−1−((S)−2−((1R,2R)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソ−3−(((S)−2−フェニル−1−(チアゾール−2−イル)エチル)アミノ)プロピル)ピロリジン−1−イル)−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−N−メチルブタンアミド;および薬学的に許容可能なその塩。
式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩、好ましくは上記のものおよび本明細書中で例示される具体的な化合物の塩、このような塩を含む医薬組成物およびこのような塩を使用する方法も本明細書中で提供される。
「薬学的に許容可能な塩」は、無毒性、生物学的に耐容性である、または、そうでなければ対象への投与に生物学的に適切である、本明細書中で表される化合物の遊離酸または塩基の塩を意味するものとする。全般的に、S.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts」,J.Pharm.Sci.1977,66,1−19を参照のこと。好ましい薬学的に許容可能な塩は、薬理学的に有効であり、過度の毒性、刺激またはアレルギー反応がない、対象の組織との接触に適しているものである。本明細書中に記載の化合物は、十分に酸性の基、十分に塩基性の基、または両方のタイプの官能基を保持し得、したがって、いくつかの無機または有機塩基および無機および有機酸と反応して薬学的に許容可能な塩を形成し得る。薬学的に許容可能な塩の例としては、酸付加塩、例えば硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオレート(propiolate)、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオエート、ヘキシン−1,6−ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ベシル酸塩、キシレンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩およびマンデル酸塩および、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムなどの無機塩基またはメチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジン、オルニチンなどの有機塩基との塩、アミノ酸またはアセチルロイシンなどの様々なアミノ酸誘導体との塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
処置目的のために、本明細書中に記載の化合物を含む医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含み得る。薬学的に許容可能な賦形剤は、無毒性であり、そうでなければ対象への投与に生物学的に適している物質である。このような賦形剤は、本明細書中に記載の化合物の処方および投与を容易にし、有効成分と適合性がある。薬学的に許容可能な賦形剤の例としては、安定化剤、滑沢剤、界面活性剤、希釈剤、抗酸化剤、結合剤、着色剤、乳化剤または矯味剤が挙げられる。好ましい実施形態において、医薬組成物は無菌組成物である。
本明細書中に記載の医薬組成物は、様々な剤形の調製のための当技術分野で公知の従来の方法に従い、適切な薬学的溶媒または担体中の溶液、エマルジョン、懸濁液または分散液として、または固形担体とともに、丸剤、錠剤、薬用キャンディー、坐剤、再構成用散剤またはカプセル剤として、処方され得る。局所適用のために、本明細書中に記載の化合物は、好ましくは、クリームまたは軟膏または局所投与に適した同様のビヒクルとして処方される。本明細書中に記載の医薬組成物および化合物は、本発明の方法において、例えば、経口、鼻腔、非経口、直腸、局所、眼または吸入による、適切な送達経路によって投与し得る。
本明細書中で使用される場合の「処置する」または「処置すること」という用語は、治療的有用性を生じさせる目的での、対象への本明細書中に記載の化合物の投与を指すものとする。処置することには、疾患、障害もしくは状態、または癌の1つ以上の症状の進行を逆転させる、改善する、緩和する、阻害する、またはそれらの重症度を軽減することが含まれる。「対象」という用語は、ヒトなど、このような処置を必要とする哺乳動物患者を指す。
本明細書で提供される処置方法において、「有効量」は、このような処置を必要とする対象において所望の治療的恩恵を一般にもたらすのに十分な量または用量を意味する。さらに、「治療的有効量」という用語は、このような量を投与されていない対応する対象と比較した場合、疾患、障害または副作用の治癒、予防または改善をもたらすか、または疾患または障害の進行速度を遅らせるがこれらに限定されない、何らかの量を意味する。この用語はまた、その範囲内で、正常な生理学的機能を増強するのに有効な量、ならびに対象、例えばヒトにおいて生理学的機能を引き起こすのに有効な量を含み、この量は、第2の医薬品の治療効果を増強するか、または促進する。本明細書中に記載の化合物の治療的有効量または用量を含む有効量は、通常の因子、例えば投与方式もしくは経路、または薬物送達、薬剤の薬物動態、感染の重症度もしくは経過、対象の健康状況、状態および体重ならびに処置を行う医師の判断を考慮して、常法、例えばモデリング、用量漸増または臨床治験などによって確認し得る。本明細書中で開示される抗体薬物複合体に対する代表的な用量は、約1μg〜2mg活性化合物/kg対象体重/日、好ましくは約0.05〜100mg/kg/日または約1〜35mg/kg/日または約0.1〜10mg/kg/日の範囲である。総投与量は、単回または分割投与単位(例えば、BID、TID、QID)で与え得る。
本明細書中に記載の化合物は、癌の処置においてさらなる活性成分と組み合わせて医薬組成物または方法において使用され得る。さらなる活性成分は、本明細書中に記載の化合物とは別に投与し得るか、または本明細書中に記載の化合物とともに本明細書中で提供される医薬組成物中に含まれ得る。例えば、さらなる活性成分は、ベルケード、リツキシマブ、メトトレキサート、ハーセプチン、ビンクリスチン、プレドニゾン、イリノテカンなどであるが限定されない、癌に関連する別の標的に対して活性であるものを含む、癌の処置に有効であることが知られているかまたは発見されているものまたはそれらの組み合わせである。このような組み合わせは、有効性を向上させるか、1つ以上の副作用を減少させるか、または開示される化合物の必要用量を減少させるために役立ち得る。
ここで、続く式(I)の化合物の一般的な調製および具体的な実施例についての例示的な合成スキームを参照することにより、式(I)の化合物を説明する。熟練者は、本明細書中の様々な化合物を得るために、所望の生成物をもたらすのに適切な場合、保護ありまたはなしで、最終的に所望される置換基が反応スキームを通じて運ばれるように、出発材料が適切に選択され得ることを認識するであろう。あるいは、最終的に所望される置換基の代わりに、反応スキームを通じて運ばれ得、必要に応じて所望の置換基で置換され得る適切な基を使用することが必要であり得るかまたは所望され得る。さらに、当業者は、反応条件からある一定の官能基(アミノ、カルボキシまたは側鎖基)を保護するために、保護基を使用し得ること、および必要に応じて標準的な条件下でこのような基が除去されることを認識するであろう。スキームAに示される各反応は、好ましくは、室温前後〜使用される有機溶媒の還流温度の温度で行われる。別段の定めがない限り、可変要素は式(I)に関して上記で定義したとおりである。
スキームAを参照して、式(I)の化合物の調製は、(A)と表示されたドライソリューイン(dolaisoleuine)(Dil)の保護された酸形態で開始する(Pettitら(1994)J.Org.Chem.59:1796−1800参照)。化合物(A)はtert−ブチルエステル保護基とともに示されるが、当業者は適切な置換を選択し得る。PGが適切なアミノ保護基、例えばBoc(t−ブトキシカルボニル)またはフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基などである窒素保護バリンまたはイソロイシン誘導体(B)とのカップリングは、標準的なペプチドカップリング条件下で行われる。例えば、反応は、ジエチルシアノホスホネート(DEPC)、PyBrOP、PyBOP、BOP、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1−ヒドロキシ−7−アザ−ベンゾトリアゾール(HOAt)、HBTU(O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、HATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)など、またはそれらの組み合わせの存在下で行われる。反応は、典型的には、ジイソプロピルエチルアミンなどの3級アミン塩基の存在下で行われる。適切な溶媒としては、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチルなどが挙げられる。得られるジペプチド(C)上のアミノ保護基を適切な条件下で脱保護することにより除去する。例えば、PGがBoc基である場合、化合物(C)をトリフルオロ酢酸で処理して遊離アミン(D)を形成させる。PGがFmoc基である場合、化合物(C)をピペリジンまたはジエチルアミンで処理して化合物(D)を得る。次いで、化合物(D)を、上記のようなペプチドカップリング条件下で、必要に応じて保護された形態で、アミノ酸誘導体(E)にカップリングさせて、トリペプチド(F)を生成させる。酸での処理によってカルボキシ保護基を除去して、遊離酸(G)を提供する。
スキームBを参照して、上記のようなペプチドカップリング条件下で、(H)と呼ばれるアミノ保護されたドラプロイン(Dap)(Pettitら(1994)、J.Org.Chem.59:6287−6295参照)をアミン(J)(当業者にとって公知の方法を使用して調製)とカップリングさせる。得られたジペプチド(K)をスキームAについて論じたように脱保護して化合物(L)を得る。
スキームCを参照して、酸(G)およびアミン(L)を上記で論じたようなペプチドカップリング条件下でカップリングさせて、式(I)の化合物を得る。反応の結果が式(I)の保護形態である場合、適切な脱保護条件を使用して、標的化合物を得る。
有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物または薬学的に許容可能なその塩と、薬学的に許容可能な賦形剤と、を含む医薬組成物も本明細書中で提供される。
癌に罹患しているかまたは癌と診断された対象を処置する方法であって、このような処置を必要とする対象に有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物または薬学的に許容可能なその塩を投与することを含む方法も本明細書中で提供される。
このような処置を必要とする対象における癌の処置のための、少なくとも1つの式(I)の化合物または薬学的に許容可能なその塩の使用も本明細書中で提供される。
このような処置を必要とする対象における癌の処置のための薬剤の製造における、少なくとも1つの式(I)の化合物または薬学的に許容可能なその塩の使用も本明細書中で提供される。
このような処置を必要とする対象における癌の処置における使用ための、少なくとも1つの式(I)の化合物または薬学的に許容可能なその塩を含有するキットおよび使用のための説明書も本明細書中で提供される。
このような処置を必要とする対象における癌の処置における使用ための、少なくとも1つの式(I)の化合物または薬学的に許容可能なその塩を含む製品も本明細書中で提供される。
式(I)の化合物が抗体に複合化されている抗体薬物複合体(ADC)も本明細書中で提供される。
式(I)を利用する代表的なADCは、次の構造を有し、ここで「L」または「mAb−s−」は、本明細書中に記載されるCHv62.21と呼ばれるFLT3 MAbを表す。
さらに、式(I)を利用するさらなる代表的なADCは、次の構造を有し、ここで「L」または「mAb−s−」は、本明細書中に記載されるCHv62.21pAFと呼ばれるFLT3 MAbを表す。
好ましい実施形態において、式(I)の化合物は、(2S,3S)−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((S)−1−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−3−アジド−N−メチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)ブタンアミドで示される化合物を含む薬物単位を含む。
好ましい実施形態において、式(I)の化合物は、式(II)として以下に示す化合物を含む薬物単位を含む。
IX.)薬物負荷量
薬物負荷量はpにより表され、分子中の抗体あたりの薬物部分の平均数である。薬物負荷量は、抗体あたり1〜20薬物部分(D)の範囲であり得る。本発明のADCは、1〜20の範囲の薬物部分と複合化された抗体の集まりを含む。複合化反応からのADCの調製における抗体あたりの薬物部分の平均数は、質量分析およびELISAアッセイなどの従来の手段によって特徴評価し得る。pの観点におけるADCの量的分布も決定し得る。いくつかの例において、pが他の薬物負荷量でのADCからのある一定の値である、均質なADCの分離、精製および特徴評価は、電気泳動などの手段によって達成され得る。
いくつかの抗体−薬物複合体に対して、pは、抗体上の結合部位の数によって制限され得る。例えば、結合がシステインチオールである場合、抗体は1つのみ、またはいくつかのシステインチオール基を有し得るか、または、リンカーが結合され得る、1つのみ、またはいくつかの十分に反応性のチオール基を有し得る。ある一定の実施形態において、より高い薬物負荷量、例えばp>5、は、ある一定の抗体−薬物複合体の凝集、不溶性、毒性または細胞透過性喪失を引き起こし得る。ある一定の実施形態において、本発明のADCに対する薬物負荷量は、1〜約8、約2〜約6;約3〜約5;約3〜約4;約3.1〜約3.9;約3.2〜約3.8;約3.2〜約3.7;約3.2〜約3.6;約3.3〜約3.8;または約3.3〜約3.7の範囲である。実際に、ある一定のADCに対して、抗体あたりの薬物部分の最適比は8未満であり得、約2〜約5であり得ることが示されている。
ある一定の実施形態において、薬物部分の理論上の最大値より少ないものが、複合化反応中に抗体に複合化される。抗体は、例えば、以下で論じられるように、薬物−リンカー中間体またはリンカー試薬と反応しないリジン残基を含有し得る。一般に、抗体は、薬物部分に連結され得る遊離および反応性システインチオール基をあまり多くは含有せず;実際に、抗体中の殆どのシステインチオール残基はジスルフィド架橋として存在する。ある一定の実施形態において、抗体は、反応性システインチオール基を生成させるために、部分的または全体還元条件下で、ジチオスレイトール(DTT)またはトリカルボニルエチルホスフィン(TCEP)などの還元剤で還元され得る。ある一定の実施形態において、リジンまたはシステインなどの反応性求核基を露出させるために抗体を変性条件に供する。
ADCの負荷量(薬物/抗体比)は、例えば、(i)抗体に対する、薬物−リンカー中間体またはリンカー試薬のモル過剰を制限すること、(ii)複合化反応時間または温度を制限すること、(iii)システインチオール修飾に対する部分的または限定的な還元条件、(iv)リンカー−薬物結合の数および/または位置の調節のためにシステイン残基の数および位置が改変されるような、組み換え技術による、抗体のアミノ酸配列の操作(本明細書中および国際公開第2006/034488号パンフレット(その全体において参照により本明細書中に組み込まれる)で開示されるように調製されるチオMabまたはチオFabなど)によって、様々な方法で調節され得る。
複数の求核性基を薬物−リンカー中間体またはリンカー試薬と反応させ、続いて薬物部分試薬と反応させる場合、得られる生成物は、1つ以上の薬物部分が抗体に結合される分布を有するADC化合物の混合物であることが理解されるべきである。抗体あたりの薬物の平均数は、抗体に特異的であり、薬物に特異的である二重ELISA抗体アッセイによって混合物から計算され得る。個々のADC分子は、質量分析によって混合物中で同定され、HPLC、例えば、疎水性相互作用クロマトグラフィーにより分離され得る(例えば、Hamblett,K.J.ら、「Effect of drug loading on the pharmacology,pharmacokinetics,and toxicity of an anti−CD30 antibody−drug conjugate」,Abstract No.624,American Association for Cancer Research,2004 Annual Meeting,March 27−31,2004,Proceedings of the AACR,Volume 45,March 2004;Alley,S.C.ら、「Controlling the location of drug attachment in antibody−drug conjugates」,Abstract No.627,American Association for Cancer Research,2004 Annual Meeting,March 27−31,2004,Proceedings of the AACR,Volume 45,March 2004を参照)。ある一定の実施形態において、電気泳動またはクロマトグラフィーによって、複合化混合物から単一の負荷値を有する均質ADCを単離し得る。
X.)ADCの細胞傷害効果を判定する方法
薬物または抗体−薬物複合体が細胞における細胞分裂阻害および/または細胞傷害効果を発揮するか否かを判定する方法は公知である。一般に、抗体薬物複合体の細胞傷害活性または細胞分裂阻害活性は、細胞培地中で抗体薬物複合体の標的タンパク質を発現する哺乳動物細胞を曝露し;細胞を約6時間〜約5日間培養し;細胞生存率を測定することによって測定され得る。抗体薬物複合体の生存能(増殖)、細胞傷害性およびアポトーシス誘導(カスパーゼ活性化)を測定するために、細胞に基づくインビトロアッセイを使用し得る。
抗体薬物複合体が細胞分裂阻害効果を発揮するか否かを判定するために、チミジン取り込みアッセイを使用し得る。例えば、96ウェルプレートに細胞5,000個/ウェルの密度で播種した標的抗原発現癌細胞を、72時間培養し、72時間の最後の8時間の間に0.5μCiの3H−チミジンに曝露し得る。抗体薬物複合体の存在下および非存在下で、培養物の細胞への3H−チミジンの取り込みを測定する。
細胞傷害性を判定するために、壊死またはアポトーシス(プログラム細胞死)を測定し得る。壊死には、典型的には、原形質膜の透過性向上;細胞の膨張および原形質膜の破裂が伴う。アポトーシスは、典型的には、膜ブレビング、細胞質の凝縮および内在性エンドヌクレアーゼの活性化を特徴とする。癌細胞におけるこれらの影響の何れかの判定は、抗体薬物複合体が癌の処置に有用であることを示す。
細胞生存率は、ニュートラルレッド、トリパンブルーまたはALAMAR(商標)ブルーなどの色素の取り込みを細胞において測定することによって測定し得る(例えば、Pageら、1993,Intl.J.Oncology 3:473−476参照)。このようなアッセイにおいて、色素を含む培地中で細胞を温置し、細胞を洗浄し、細胞の色素取り込みを反映する残存色素を分光光度的に測定する。タンパク質結合色素スルホローダミンB(SRB)は、細胞毒性を測定するためにも使用し得る(Skehanら、1990,J.Natl.Cancer Inst.82:1107−12)。
あるいは、MTTなどのテトラゾリウム塩は、生存細胞を検出するが死んだ細胞を検出しないことによって、哺乳動物細胞の生存および増殖に対する定量的比色アッセイにおいて使用される(例えば、Mosmann,1983,J.Immunol.Methods 65:55−63を参照)。
アポトーシスは、例えば、DNA断片化を測定することによって定量し得る。DNA断片化のインビトロでの定量的測定のための市販の測光法が利用可能である。TUNEL(断片化DNAにおける標識ヌクレオチドの取り込みを検出)およびELISAに基づくアッセイを含む、このようなアッセイの例は、Biochemica,1999,no.2,pp.34−37(Roche Molecular Biochemicals)に記載されている。
アポトーシスは、細胞における形態学的変化を測定することによっても判定し得る。例えば、壊死と同様に、原形質膜の完全性の喪失は、ある種の色素(例えばアクリジンオレンジまたは臭化エチジウムなどの蛍光色素)の取り込みを測定することによって判定し得る。アポトーシス細胞数を測定する方法は、DukeおよびCohen, Current Protocols in Immunology(Coliganら編、 1992,pp.3.17.1−3.17.16)に記載されている。細胞は、DNA色素(例えば、アクリジンオレンジ、臭化エチジウムまたはヨウ化プロピジウム)で標識することもでき、核の内膜に沿ってクロマチン凝縮および辺縁趨向について細胞を観察する。アポトーシスを判定するために測定され得る他の形態学的変化としては、例えば、細胞質凝縮、膜ブレビングの増加および細胞の縮小化が挙げられる。
アポトーシス細胞の存在は、培養物の付着および「浮遊」区画の両方で測定し得る。例えば、上清を除去し、付着細胞をトリプシン処理し、遠心分離洗浄段階(例えば2000rpmで10分間)後に調製物を合わせ、(例えばDNA断片化を測定することにより)アポトーシスを検出することによって両区画を回収し得る。(例えば、Piazzaら、1995,Cancer Research 55:3110−16を参照)。
インビボで、適切な動物モデルにおいてFLT3治療用組成物の効果を評価し得る。例えば、癌の外植片または継代異種移植片組織が、ヌードマウスまたはSCIDマウスなどの免疫不全動物に導入される、異種癌モデルを使用し得る(Kleinら、1997,Nature Medicine 3:402−408)。例えば、国際公開第98/16628号パンフレットおよび米国特許第6,107,540号明細書は、原発腫瘍の発生、微小転移および後期疾患に特徴的な骨芽細胞転移の形成を再現可能なヒト前立腺癌の様々な異種移植モデルを記載する。有効性は、腫瘍形成の阻害、腫瘍退縮または転移などを測定するアッセイを用いて予測し得る。
アポトーシスの促進を評価するインビボアッセイは、治療用組成物の評価に有用である。一実施形態において、治療用組成物で処置した腫瘍担持マウスからの異種移植片をアポトーシス病巣の存在について試験し、未処置の対照異種移植片担持マウスと比較し得る。アポトーシス病巣が処置マウスの腫瘍において見出される度合いから、本組成物の治療有効性の指標が提供される。
上記の方法の実施において使用される治療用組成物は、所望の送達方法に適した担体を含む医薬組成物に処方され得る。適切な担体としては、治療用組成物と組み合わせた場合に、治療用組成物の抗腫瘍機能を保持し、概して患者の免疫系と反応性がない、何らかの物質が挙げられる。例としては、滅菌リン酸緩衝塩溶液、静菌水などのいくつかの標準的な医薬担体の何れかが挙げられるが限定されない(一般的には、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th Edition,A.Osal.,Ed.,1980を参照)。
治療用処方物を可溶化し、治療用組成物を腫瘍部位に送達可能な何らかの経路を介して投与し得る。有効である可能性がある投与経路としては、静脈内、非経口、腹腔内、筋肉内、腫瘍内、皮内、臓器内、同所性などが挙げられるが限定されない。静脈内注射のための好ましい処方物は、保存静菌水、滅菌非保存水の溶液中の治療組成物を含み、および/または注射用の0.9%滅菌塩化ナトリウム、USPを含有するポリ塩化ビニルまたはポリエチレンバッグ中で希釈される。治療用タンパク質調製物は、凍結乾燥され、好ましくは真空下で滅菌粉末として保存され、その後、注射前に、静菌水(例えばベンジルアルコール保存剤を含有)または滅菌水中で再構成され得る。
前述の方法を使用した癌の処置のための投与量および投与プロトコールは、方法および標的癌によって変動し、一般に、当技術分野で認識されるいくつかの他の因子に依存する。
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、CHv62.21 MAbまたはCHv62.21pAF MAbの修飾ゆえに、複数種の本発明のADCを含み得る。例えば、本発明には、本発明のADCを含む医薬組成物が含まれ、ここでCHv62.21 MAbは、重鎖C末端リジンを欠く抗体、N末端翻訳後修飾を有する抗体、重鎖C末端リジンを欠き、N末端翻訳後修飾を有する抗体および/または重鎖C末端リジンを有し、N末端翻訳後修飾がない抗体である。
例えば、本発明の医薬組成物は、ADCのCHv62.21 MAbが以下の1)〜4)の群から選択される、2つ以上の種の本発明のADCを含む医薬組成物を含む:
1)配列番号9の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含むCHv62.21 MAb;
2)配列番号9の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されているものからなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含むCHv62.21MAb;
3)配列番号9の残基1(Q)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、C末端残基453(K)が除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含むCHv62.21 MAb;および
4)配列番号9の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されており、C末端残基453(K)が除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含むCHv62.21 MAb。
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、配列番号9の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖とを含むCHv62.21 MAbおよび、配列番号9の残基1(Q)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、C末端残基453(K)が除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖とを含むCHv62.21 MAbを含む医薬組成物を含む。
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、配列番号9の残基1(Q)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、C末端残基453(K)が除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖とを含むCHv62.21 MAbおよび、配列番号9の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されており、C末端残基453(K)が除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖とを含むCHv62.21 MAbを含む医薬組成物を含む。
好ましい実施形態において、本発明の医薬組成物は、ADCのCHv62.21pAF MAbが以下の1)〜4)の群から選択される、2つ以上の種の本発明のADCを含む医薬組成物を含む:
1)配列番号11の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含むCHv62.21pAF MAb;
2)配列番号11の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されているものからなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含むCHv62.21pAF MAb;
3)配列番号11の残基1(Q)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、C末端残基443(T)が除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含むCHv62.21pAF MAb;および
4)配列番号11の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されており、C末端残基443(T)が除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖と、を含むCHv62.21pAF MAb。
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、配列番号11の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖とを含むCHv62.21pAF MAbおよび、配列番号11の残基1(Q)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、C末端残基443(T)が除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖とを含むCHv62.21pAFMAbを含む医薬組成物を含む。
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、配列番号11の残基1(Q)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、C末端残基443(T)が除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖とを含むCHv62.21pAF MAbおよび、配列番号11の残基1(E)〜残基453(K)の範囲のアミノ酸配列であって、N末端残基1(E)がピログルタミン酸に変換されており、C末端残基443(T)が除去されているものからなる重鎖と、配列番号10の残基1(D)〜残基214(C)の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖とを含むCHv62.21pAF MAbを含む医薬組成物を含む。
XI.)FLT3を発現する癌の処置
制約がある一連の組織または細胞で通常発現されるが、表Iで列挙されるものなどの癌でも発現されるタンパク質としてのFLT3の同定によって、このような癌の処置に対するいくつかの治療アプローチが開かれる。
標的化抗腫瘍療法が、標的タンパク質が正常な組織または細胞、さらには正常重要臓器組織でも発現される場合でも有用であったことは、注目に値する。重要臓器は、心臓または結腸などの生命を維持するために必要な臓器である。非重要臓器は、除去可能であり、除去してもその個体が依然として生存可能であるものである。非重要臓器の例は、卵巣、乳房、および前立腺である。
正常組織における標的タンパク質の発現は、重要正常組織でさえも、そのタンパク質がまた過剰発現されるある種の腫瘍に対する治療薬としてのそのタンパク質に対する標的化剤の有用性を損なわない。例えば、重要臓器での発現は、それ自体有害ではない。さらに、前立腺および卵巣など、欠失可能とみなされる臓器は、死亡率に影響を及ぼすことなく除去し得る。最後に、一部の重要臓器は免疫特権のために、正常な臓器発現の影響を受けない。免疫特権臓器は、血液−臓器障壁によって血液から保護され、したがって免疫療法に対して到達不可能である臓器である。免疫特権臓器の例は、脳および精巣である。
したがって、FLT3タンパク質の活性を阻害する治療アプローチは、FLT3を発現する癌(例えば、表Iに記載される癌など)に罹患している患者に有用である。これらの治療アプローチは、一般に3つのクラスに分類される。第1のクラスは、腫瘍細胞増殖の阻害または遅延につながるか、またはその死滅を誘導する腫瘍細胞増殖に関連して、FLT3機能を調整する。第2のクラスは、FLT3タンパク質とその結合パートナーまたは他のタンパク質との結合または会合を阻害するための様々な方法を含む。第3のクラスは、FLT3遺伝子の転写またはFLT3 mRNAの翻訳を阻害するための様々な方法を含む。
したがって、好ましくは、腫瘍組織の免疫組織化学的評価、定量的FLT3イメージング、またはFLT3発現の存在および程度を確実に示す他の技術を用いて、FLT3発現の存在およびレベルについて癌患者を評価し得る。妥当な場合は、この目的のために腫瘍生検または外科標本の免疫組織化学的分析が好ましい。腫瘍組織の免疫組織化学的分析のための方法は、当技術分野で周知である。
XIII.)抗体に基づく治療に対する標的としてのFLT3
FLT3は、抗体に基づく治療ストラテジーにとって魅力的な標的である。細胞外および細胞内の両方の分子を標的化するために、いくつかの抗体ストラテジーが当技術分野で公知である(例えば、補体およびADCC介在性の死滅ならびにイントラボディの使用を参照)。FLT3は、対応する正常細胞と比較して様々な系統の癌細胞によって発現されるので、免疫反応性組成物の非標的臓器および組織への結合によって引き起こされる毒性、非特異的および/または非標的効果なく、優れた感度を示すFLT3免疫反応性組成物の全身投与が用意される。FLT3のドメインと特異的反応性がある抗体は、好ましくは複合体が毒素または治療剤とともにある抗体薬物複合体(すなわちADC)としてFLT3発現癌を全身的に処置するために有用である。
当業者は、抗体が、図1で示されるFLT3配列の免疫原性領域などの免疫原性分子を特異的に標的化し、それに結合するために使用され得ることを理解する。さらに、当業者は、抗体を細胞傷害剤と複合化することが日常的であることを理解する(例えば、Sleversら、Blood 93:11 3678−3684(June 1,1999)参照)。細胞傷害剤および/または治療剤が、その細胞によって発現される分子(例えばFLT3)に特異的な抗体にそれらを複合化させることなどにより細胞に直接送達される場合、細胞傷害剤は、その細胞においてその既知の生物学的効果(すなわち細胞傷害性)を発揮する。
細胞を死滅させるための抗体−細胞傷害剤複合体を使用するための多岐にわたる組成物および方法が当技術分野で公知である。癌との関連において、典型的な方法は、腫瘍を有する哺乳動物に、発現される、結合に到達可能である、または細胞表面上に局在する抗原(例えばFLT3)に結合する標的化剤(例えば、FLT3 MAb、好ましくはCHv62.21またはCHv62.21pAF)に連結される、選択された細胞傷害剤および/または治療剤を含む、生物学的に有効な量の複合体を投与することを伴う。典型的な実施形態は、FLT3を発現する細胞に細胞傷害剤および/または治療剤を送達する方法であり、FLT3エピトープに免疫特異的に結合する抗体に細胞傷害剤を複合化し、細胞を抗体薬物複合体(ADC)に曝露することを含む。別の例示的な実施形態は、転移癌があると疑われる個体を処置する方法であり、細胞傷害剤および/または治療剤に複合化される抗体の治療的有効量を含む医薬組成物をその個体に非経口的に投与する段階を含む。
FLT3抗体を用いた癌免疫療法は、結腸癌(Arlenら、1998,Crit.Rev.Immunol.18:133−138)、多発性骨髄腫(Ozakiら、1997,Blood 90:3179−3186,Tsunenariら、1997,Blood 90:2437−2444)、胃癌(Kasprzykら、1992,Cancer Res.52:2771−2776)、B細胞リンパ腫(Funakoshiら、1996, J.Immunother.Emphasis Tumor Immunol.19:93−101)、白血病(Zhongら、1996,Leuk.Res.20:581−589)、結腸直腸癌(Mounら、1994,Cancer Res.54:6160−6166;Veldersら、1995,Cancer Res.55:4398−4403)および乳癌(Shepardら、1991,J.Clin.Immunol.11:117−127)を含むが限定されない、他のタイプの癌の処置に首尾よく使用されてきた様々なアプローチに従って行い得る。いくつかの治療アプローチには、それぞれ、Y91またはI131の抗CD20抗体への複合化(例えば、ZevalinTM,IDEC Pharmaceuticals Corp.またはBexxar(商標),Coulter Pharmaceuticals)など、毒素または放射性同位体へのネイキッド抗体の複合化が含まれ、一方で、他のアプローチには、ハーセプチン(商標)(トラスツズマブ)とパクリタキセル(Genentech,Inc.)など、抗体および他の治療剤の同時投与が含まれる。好ましい実施形態において、抗体は、上記の細胞傷害剤、好ましくはMMAE(Seattle Genetics)と呼ばれるオーラスタチン(aurastatin)誘導体と複合化される。
FLT3抗体療法は癌の全ての段階に有用であるが、抗体療法は、進行癌または転移癌において特に適切であり得る。本発明の抗体療法による処置は、1ラウンド以上の化学療法を受けた患者に対して適応となる。あるいは、本発明の抗体療法は、化学療法処置を受けていない患者に対しては、化学療法または放射線療法と併用される。さらに、抗体療法によって、特に化学療法剤の毒性にあまり耐容性がない患者に対して、併用化学療法の投与量を減量して使用することが可能になり得る。Fanら(Cancer Res.53:4637−4642,1993),Prewettら(International J.of Onco.9:217−224,1996)およびHancockら(Cancer Res.51:4575−4580,1991)は、化学療法剤との様々な抗体の使用を記載する。
表Iで記載される癌を処置するFLT3モノクローナル抗体としては、腫瘍に対して強力な免疫反応を惹起するものまたは直接的に細胞傷害性であるものが含まれる。この点に関して、FLT3モノクローナル抗体(MAb)は、補体介在性または抗体依存性の細胞傷害性(ADCC)機序の何れかによって、腫瘍細胞溶解を誘発し得、両方とも補体タンパク質上のエフェクター細胞Fc受容体部位との相互作用のために免疫グロブリン分子のインタクトなFc部分を必要とする。さらに、腫瘍増殖に対して直接的な生物学的効果を発揮するFLT3 MAbは、FLT3を発現する癌を処置するのに有用である。直接的に細胞傷害性であるMAbが作用する機序には、細胞増殖の阻害、細胞分化の調整、腫瘍血管形成因子プロファイルの調整およびアポトーシスの誘導が含まれる。特定のFLT3 MAbが抗腫瘍効果を発揮する機序は、一般的に当技術分野で知られるような、ADCC、補体介在性細胞溶解などの細胞死を評価する様々なインビトロアッセイを用いて評価される。
したがって、本発明の治療方法で使用される好ましいモノクローナル抗体は、完全ヒトであり、高親和性で標的FLT3抗原に特異的に結合する抗体である。
XIV.)FLT3 ADCカクテル
本発明の治療方法は、単一のFLT3 ADC、ならびに異なるMAb(すなわち、FLT3 MAbまたは別のタンパク質に結合するMAb)の組合せまたはカクテルの投与を企図する。このようなMAbカクテルは、異なるエピトープを標的とするか、異なるエフェクター機序を利用するか、または細胞傷害性MAbを免疫エフェクター機能に依存するMAbと直接組み合わせるMAbを含有するので、ある種の利点を有し得る。組み合わせたこのようなMAbは、相乗的な治療効果を呈し得る。さらに、FLT3 MAbは、様々な化学療法剤および生物剤、アンドロゲン遮断薬、免疫調節剤(例えばIL−2、GM−CSF)、外科手術または放射線を含むが限定されない他の治療様式と同時に投与し得る。好ましい実施形態において、FLT3 MAbは複合体の形態で投与される。
FLT3 ADC処方物は、抗体を腫瘍細胞に送達可能な何らかの経路を介して投与される。投与経路としては、静脈内、腹腔内、筋肉内、腫瘍内、皮内などが挙げられるが限定されない。処置は、一般に、典型的には0.1、.2、.3、.4、.5、.6、.7、.8、.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20または25mg/kg体重を含むが限定されない範囲の用量での、静脈内注射(IV)などの許容可能な投与経路を介した、FLT3 ADC調製物の反復投与を含む。一般に、10〜1000mgのMAb/週の範囲の用量が効果的であり、十分に耐容性である。
転移性乳癌の処置におけるハーセプチン(登録商標)(トラスツズマブ)での臨床経験に基づいて、およそ4mg/kg患者体重IVの初期負荷用量、続いて約2mg/kg IVのMAb製剤の週用量というものが、許容可能な投与計画に相当する。好ましくは、初期負荷用量は、90分以上の点滴として投与される。初期投与量が十分に耐容性であるならば、周期的な維持用量を30分以上の点滴として投与する。当業者に認識されるように、特定の場合には、様々な因子が理想的な投与計画に影響を及ぼし得る。このような因子としては、例えば、使用されるMAbの結合親和性および半減期、患者におけるFLT3発現の程度、循環する放出FLT3抗原の程度、所望の定常状態抗体濃度レベル、処置頻度および本発明の処置方法と組み合わせて使用される化学療法剤または他の薬剤の影響、ならびに特定の患者の健康状態が挙げられる。
場合によっては、患者は、最も有効な投与計画などの決定を支援するために、所与の試料中のFLT3のレベル(例えば、循環FLT3抗原および/またはFLT3発現細胞のレベル)について評価されるべきである。このような評価は、治療期間を通したモニタリング目的にも使用され、他のパラメータ(例えば、膀胱癌治療における尿細胞診および/または免疫細胞レベル、または類推によって、前立腺癌治療における血清PSAレベル)の評価と組み合わせて、治療の成功を評価するために有用である。
本発明の目的は、FLT3を発現する腫瘍細胞の増殖を阻害または遅延させるFLT3 ADCを提供することである。本発明のさらなる目的は、このようなFLT3 ADCを用いて、特に他の薬物または免疫学的に活性がある処置と組み合わせてこのようなFLT3 ADCを使用して、血管形成および他の生物学的機能を阻害し、それにより、哺乳動物、好ましくはヒトの腫瘍成長を抑えるための方法を提供することである。
XY.)併用療法
一実施形態において、化学療法剤または放射線またはそれらの組み合わせと併せてFLT3 ADCでヒト腫瘍を含む腫瘍を処置する場合、相乗作用がある。言い換えると、FLT3 ADCによる腫瘍増殖の阻害は、化学療法剤または放射線またはそれらの組み合わせと併用した場合に予想を超えて増強される。相乗効果は、例えば、FLT3 ADCのみの処置またはFLT3 ADCおよび化学療法剤または放射線での処置の相加的効果から予想されるよりも、併用処置で腫瘍増殖が大きく阻害されることにより示され得る。好ましくは、相乗効果は、FLT3 ADCからの処置、またはFLT3 ADCと化学療法剤もしくは放射線との相加的組み合わせを用いた処置の何れからも寛解が期待されない場合の、癌の寛解によって実証される。
FLT3 ADCおよび化学療法または放射線の組み合わせ、またはその両方を用いた腫瘍細胞の増殖を阻害するための方法は、化学療法または放射線療法の開始の前に、その最中に、またはその後に、ならびにそれらの何れかの組み合わせ(すなわち、化学療法および/または放射線療法の開始前およびその最中、その前および後、その最中および後、またはその前、最中および後)で、FLT3 ADCを投与することを含む。例えば、FLT3 ADCは、典型的には、放射線療法および/または化学療法を開始する前に、1〜60日間、好ましくは3〜40日間、より好ましくは5〜12日間投与される。しかし、処置プロトコールおよび特定の患者の必要性に応じて、最も効果的な処置を提供し、最終的に患者の寿命を延ばすように、この方法を行う。
化学療法剤の投与は、非経口および腸内経路による全身投与を含む様々な方法で達成し得る。一実施形態において、FLT3 ADCおよび化学療法剤は別個の分子として投与される。化学療法剤または化学療法の特定の例としては、シスプラチン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、ストレプトゾシン、シクロホスファミド、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、プロカルバジン、マイトマイシン、シタラビン、エトポシド、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ブレオマイシン、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル(タキソテール)、アルデスロイキン、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、クラドリビン、ダカルバジン、フロクスウリジン、フルダラビン、ヒドロキシ尿素、イホスファミド、インターフェロンα、ロイプロリド、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、プリカマイシン、ミトタン、ペグアスパルガーゼ、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テニポシド、テストラクトン、チオグアニン、チオテパ、ウラシルマスタード、ビノレルビン、ゲムシタビン、クロラムブシル、タキソールおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
FLT3 ADCと組み合わせて使用される放射線源は、処置されている患者の体外または体内の何れかであり得る。放射線源が患者の体外にある場合、治療は外部照射療法(EBRT)として知られる。放射線源が患者の体内にある場合、その処置は組織内照射療法(BT)と呼ばれる。
上記の治療計画は、さらなる癌処置剤および/または計画、例えばさらなる化学療法、癌ワクチン、シグナル伝達阻害剤、異常な細胞増殖または癌の処置に有用な薬剤、抗体(例えば、国際公開第2005/092380号パンフレット(Pfizer)に記載のような抗CTLA−4抗体)またはIGF−1Rに結合することによって腫瘍増殖を阻害する他のリガンドおよびサイトカインとさらに組み合わせられ得る。
哺乳動物に対してさらなる化学療法が行われる場合、上記の化学療法剤を使用し得る。さらに、増殖因子阻害剤、生物学的反応修飾因子、抗ホルモン療法、選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM)、血管形成阻害剤および抗アンドロゲンを使用し得る。例えば、抗ホルモン剤、例えばNolvadex(タモキシフェン)などの抗エストロゲン剤、またはカソデックス(4’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3−’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド)などの抗アンドロゲン剤を使用し得る。
上記の治療アプローチは、多岐にわたる外科手術、化学療法または放射線療法計画の何れか1つと組み合わせ得る。本発明の治療アプローチは、化学療法(または他の療法)の低投与量の使用および/またはより少ない投与頻度を可能にし得、全ての患者および特に化学療法剤の毒性に十分に耐容性ではない者にとって有利である。
XVI.)キット/製品
本明細書に記載される検査、予後診断、予防、診断および治療用途での使用に対して、キットは本発明の範囲内である。このようなキットは、本明細書中に記載の使用などの使用説明書を含むラベルまたは挿入物と一緒に、バイアル、チューブなどの1つ以上の容器を受けるように区画化されている担体、パッケージまたは容器を含み得、容器のそれぞれは、本方法において使用されるべき別個の要素のうちの1つを含む。例えば、容器は、検出可能に標識されているか、または検出可能に標識され得る抗体を含み得る。キットは、薬物単位を含む容器を含み得る。本キットは、図2A、2Bおよび/または2C、または図3A、3Bおよび/または3C中のアミノ酸配列またはその類似体の全部もしくは一部、またはこのようなアミノ酸配列をコードする核酸分子を含み得る。
本発明のキットは、典型的には、緩衝液、希釈剤、フィルター、針、シリンジを含む市販用および使用者の観点から望ましい材料を含む、上記の容器およびそれに関連する1つ以上の他の容器;担体、パッケージ、容器、バイアルおよび/または、内容および/または使用説明を記載するチューブラベルおよび、使用説明が記載されている添付文書を含む。
本組成物が予後診断、予防的、診断的または実験的な適用などの特定の治療または非治療的適用に使用されることを示すために、容器上または容器にラベルがあり得、また、本明細書中に記載のものなどのインビボまたはインビトロ使用の何れかのための説明も示し得る。説明および/または他の情報は、キットとともに、またはキット上に含まれる挿入物またはラベル上にも含まれ得る。ラベルは、容器上にあり得るか、または容器と関連付けられ得る。ラベルを形成する文字、数字または他の符号が容器自体に成形または刻み付けられる場合、ラベルは容器上にあり得;その容器をさらに保持する入れ物または担体内に、例えば添付文書として存在する場合、ラベルは容器に関連付けられ得る。ラベルは、本組成物が、表Iに記載する組織の癌などの状態を診断、処置、予防または予後診断するために使用されることを示し得る。
「キット」および「製品」という用語は、同義語として使用し得る。
本発明の別の実施形態において、抗体または抗体薬物複合体(ADC)、例えば表Iに記載されるものなどの組織の癌の診断、予後診断、予防および/または治療に有用な物質などの組成物を含有する製品が提供される。製品は、典型的には、少なくとも1つの容器および少なくとも1つのラベルを含む。適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジおよび試験管が挙げられる。容器は、ガラス、金属またはプラスチックなどの様々な材料から形成され得る。容器は、アミノ酸配列、小分子、核酸配列、細胞集団および/または抗体を保持し得る。別の実施形態において、容器は、細胞および組織におけるFLT3のタンパク質発現を評価する際の使用、または関連する検査、予後診断、診断、予防および治療目的での使用のための、抗体、その結合断片または特異的結合タンパク質を含み;これらの目的のために試薬および他の組成物または用具が使用され得るように、このような使用のための指示および/または説明書がこのような容器上に、またはこのような容器とともに含まれ得る。
容器は、あるいは、状態を処置、診断、予後診断または予防するのに有効である組成物を保持し得、滅菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、静脈内溶液バッグまたは皮下注射針によって穿孔可能な栓を有するバイアルであり得る)。組成物中の活性薬剤は、FLT3に特異的に結合可能な抗体またはFLT3に特異的に結合する抗体薬物複合体であり得る。
製品は、リン酸緩衝食塩水、リンゲル液および/またはデキストロース溶液など、薬学的に許容可能な緩衝液を含む第2の容器をさらに含み得る。製品は、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、撹拌機、針、シリンジおよび/または使用のための指示および/または説明を伴う添付文書を含む、市販用および使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
本明細書中の開示のさらなる実施形態は、以下の項に記載の実施形態を含む:
第1項は、配列番号23のアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号29のアミノ酸配列を有するCDRH2、配列番号32のアミノ酸配列を有するCDRH3、配列番号14のアミノ酸配列を有するCDRL1、配列番号17のアミノ酸配列を有するCDRL2および配列番号20のアミノ酸配列を有するCDRL3を含む抗体の実施形態である。代替的な実施形態において、本抗体は、表Vで示されるようなChothia法によって決定されるようなCDRを含む。別の代替的な実施形態において、本抗体は、表Vで示されるようなContact法によって決定されるようなCDRを含む。
第2項は、抗体が、第1項に記載の抗体であって、配列番号11の1番目のE〜123番目のSの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含み、配列番号10の1番目のD〜108番目のRの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む抗体である、さらなる実施形態である。
第3項は、抗体が、第1〜2項の何れか1項に記載の抗体であって、ATCC受託番号PTA−121831のもと寄託されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞により産生される抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含み、ATCC受託番号PTA−121831のもと寄託されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞により産生される抗体の軽鎖のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む抗体;またはATCC受託番号PTA−121836のもと寄託されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞により産生される抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域を含み、ATCC受託番号PTA−121836のもと寄託されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞により産生される抗体の軽鎖のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域を含む抗体である、さらなる実施形態である。
第4項は、抗体が、第1〜3項の何れか1項に記載の抗体であって、IgGサブタイプであるFc領域を含む抗体である、さらなる実施形態である。
第5項は、抗体が、第1〜4項に記載の抗体であって、Fc領域が重鎖のアミノ酸位置124に非天然アミノ酸の置換を含み、非天然アミノ酸がパラ−アセチルフェニルアラニン(pAF)である抗体である、さらなる実施形態である。
第6項は、抗体が、第1〜5項の何れか1項に記載の抗体であって、配列番号11の1番〜452番アミノ酸のアミノ酸配列からなる重鎖を含み、配列番号10の1番目のD〜214番の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗体である、さらなる実施形態である。第6項の代替的な実施形態において、抗体は、第1または2項に記載の抗体であって、配列番号11の1番〜452番アミノ酸のアミノ酸配列からなる重鎖を含み、配列番号10の1番目のD〜214番の範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗体である。
第7項は、抗体が、第1〜6項の何れか1項に記載の抗体であって、配列番号11の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖を含み、配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗体である、さらなる実施形態である。第7項の代替的な実施形態において、抗体は、第1または2項に記載の抗体であって、配列番号11の1番目のE〜453番目のKの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖を含み、配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗体である。
第8項は、抗体が、第1〜7項の何れかに記載の抗体であって、American Type Culture Collection(ATCC)受託番号PTA−121831のもと寄託されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞により産生される抗体の重鎖のアミノ酸配列からなる重鎖を含み、ATCC受託番号PTA−121831のもと寄託されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞により産生される抗体の軽鎖のアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗体である、さらなる実施形態である。第8項の代替的な実施形態は、第5項に記載の抗体であって、American Type Culture Collection(ATCC)受託番号PTA−121831のもと寄託されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞により産生される抗体の重鎖のアミノ酸配列からなる重鎖を含み、ATCC受託番号PTA−121831のもと寄託されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞により産生される抗体の軽鎖のアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗体である。
第9項は、抗体が、第1〜8項の何れかに記載の抗体であって、ATCC受託番号PTA−121836のもと寄託されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞により産生される抗体の重鎖のアミノ酸配列からなる重鎖を含み、ATCC受託番号PTA−121836のもと寄託されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)により産生される抗体の軽鎖のアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗体である、さらなる実施形態である。第9項の別の実施形態は、第1〜5項の何れか1項に記載の抗体であって、ATCC受託番号PTA−121836のもと寄託されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞により産生される抗体の重鎖のアミノ酸配列からなる重鎖を含み、ATCC受託番号PTA−121836のもと寄託されたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)により産生される抗体の軽鎖のアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗体である。
第10項は、抗体が、第1〜9項の何れか1項に記載の抗体であって、重鎖可変領域または重鎖の1番目のEがピログルタメートで置換されている抗体である、さらなる実施形態である。
第11項は、抗体が、第1〜5項の何れかに記載の抗体であって、配列番号11の1番目のE〜452番目Gの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖を含み、重鎖可変領域または重鎖の1番目のEがピログルタメートに修飾されており、配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗体である、さらなる実施形態である。第11項の代替的な実施形態は、第1〜6項の何れか1項に記載の抗体であって、配列番号11の1番目のE〜452番目Gの範囲のアミノ酸配列からなる重鎖を含み、重鎖可変領域または重鎖の1番目のEがピログルタメートに修飾されており、配列番号10の1番目のD〜214番目のCの範囲のアミノ酸配列からなる軽鎖を含む抗体である。
第12項は、第1〜11項の何れか1項に記載の抗体のCDRを含む抗原結合断片であって、FLT−3に結合する抗原結合断片である、さらなる実施形態である。
第13項は、第12項に記載の抗原結合断片であって、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、単離VHおよび単離VLからなる群から選択される抗原結合断片である、さらなる実施形態である。
第14項は、第12項または第13項に記載の抗原結合断片を含む抗体である。
第15項は、先行する第1〜10項または第14項の何れかに記載の抗体に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有する抗体であって、第1〜14項の何れかに記載の抗体のCDRを含む抗体である、さらなる実施形態である。
第16項は、第15項に記載の対応する抗体と同じ親和性でFLT3に結合し、FLT3に結合するFLを実質的に阻害しない第15項に記載の抗体である、さらなる実施形態である。
第17項は、第1項〜第10項または第14項の何れか1項に記載の抗体をコードする1つ以上の単離核酸であるさらなる実施形態である。
第18項は、第12または13項に記載の抗体または断片をコードする1つ以上の単離核酸であるさらなる実施形態である。
第19項は、対応する項に記載の核酸に対して80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有する、第17または18項に記載の核酸のさらなる実施形態である。
第20項は、第17項または第18項または第19項に記載の1つ以上の単離核酸を含む1つ以上の発現ベクターであるさらなる実施形態である。第20項の一実施形態において、第1〜19項の何れかに記載の抗体の重鎖および軽鎖を発現する1つの発現ベクターがある。さらなる実施形態において、第20項に記載の発現ベクターは2個のプロモーターを含む。代替的な実施形態において、第20項に記載の発現ベクターは1個のプロモーターを含む。第20項の異なる実施形態において、2個の発現ベクターがあり、そのうちの1個は重鎖を発現し、他方は軽鎖を発現する。さらなる実施形態において、第20項の各発現ベクターは、同じプロモーターを含む。またさらなる実施形態において、第20項の各発現ベクターは異なるプロモーターを含む。
第21項は、先行する項、第20項に記載の1つ以上の発現ベクターを含む組み換え宿主細胞であるさらなる実施形態である。
第22項は、先行する項、第21項に記載の組み換え宿主細胞を培養することによって産生される抗体であるさらなる実施形態である。
第23項は、先行する項、第22項に記載の抗体および治療剤を含む抗体薬物複合体であるさらなる実施形態である。
第24項は、FLT3に結合する抗体および治療剤を含む抗体薬物複合体であって、FLT3のFLT3リガンド(FL)への結合を実質的に阻害しない抗体薬物複合体である実施形態である。
第25項は、抗体および治療剤を連結するリンカーをさらに含む、第23または24項に記載の抗体薬物複合体であるさらなる実施形態である。
第26項は、リンカーが切断不能リンカーである、第25項に記載の抗体薬物複合体であるさらなる実施形態である。
第27節は、リンカーが2−(アミノオキシ)酢酸である、第26項に記載の抗体薬物複合体であるさらなる実施形態である。
第28項は、治療剤が細胞傷害剤または細胞分裂阻害剤である、第23項〜第27項の何れか1項に記載の抗体薬物複合体であるさらなる実施形態である。
第29項は、治療剤が(2S,3S)−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((S)−1−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−3−アジド−N−メチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)ブタンアミドである、第23〜28項の何れか1項に記載の抗体薬物複合体であるさらなる実施形態である。
第30項は、抗体薬物結合体であって、第23〜29項の何れか1項であり、次の式:
抗体−(リンカー−治療剤)p、
(式中、リンカーは、2−(アミノオキシ)酢酸であり、治療剤は(2S,3S)−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((S)−1−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−3−アジド−N−メチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)ブタンアミドであり、pは、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9および3からなる群から選択される)
を有する抗体薬物複合体である、さらなる実施形態である。
第31項は、pが1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9および3からなる群から選択される第30項に記載の抗体薬物複合体である、さらなる実施形態である。
第32項は、pが1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5からなる群から選択される第31項に記載の抗体薬物複合体である、さらなる実施形態である。
第33項は、pが1.8、1.9および2からなる群から選択される第32項に記載の抗体薬物複合体である、さらなる実施形態である。
第34項は、治療的有効量の第23〜33項の何れかに記載の抗体薬物複合体を含む医薬組成物であるさらなる実施形態である。
第35項は、治療での使用のための第34項に記載の医薬組成物であるさらなる実施形態である。
第36項は、治療での使用が癌の処置である、先行する項、第35項に記載の医薬組成物であるさらなる実施形態である。
第37項は、1つ以上の抗新生物剤と組み合わせた、第34〜36項の何れか1項に記載の医薬組成物であるさらなる実施形態である。
第38項は、対象において癌を処置する方法であって、治療的有効量の第23〜33項の何れかに記載の抗体薬物複合体またはその医薬組成物を前記対象に投与することを含む、さらなる実施形態である。第37項の別の実施形態は、対象において癌を処置する方法であって、治療有効量の第33〜37項の何れか1項に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、実施形態である。
第39項は、第33項〜37項の何れか1項に記載の医薬組成物または第38項に記載の方法であって、癌が、非癌性細胞と比較した場合に、高レベルでFLT3を発現する1つ以上の細胞を含む、さらなる実施形態である。
続くいくつかの実施例によって本発明の様々な態様をさらに説明し、例示するが、これは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
FLT3抗原
Flk2(胎児肝臓キナーゼ2)、STK1(幹細胞チロシンキナーゼ1)およびCD135としても知られる、FLT3、Fms様チロシンキナーゼ3受容体は、III型受容体チロシンキナーゼ(RTK)の一員である。ヒトFLT3は、キナーゼ挿入ドメインによって連結される5個の免疫グロブリン様細胞外ドメインおよび2個の細胞内チロシンキナーゼドメイン(TKD)を有する膜結合受容体を含む993アミノ酸長のRTKをコードする(Stirewalt DLら;Nat Rev Cancer;650−665(2003)。ヒトFLT3遺伝子(遺伝子番号2322(National Center for Biotechnology Information))は染色体13q12上に位置し、マウスFLT3と85%のアミノ酸配列相同性を共有する(Rosnet Oら;Oncogene 8:173−179 (1993)。FLT3は正常骨髄およびリンパ球前駆細胞において、およびAML患者の70〜90%の白血病細胞によって(Carow,C.Eら、BLood 87:1089−1096(1996);Rosnet Oら;Leukemia 10:238−248(1996)およびALLにおいても発現される。FLT3は、造血細胞の増殖、分化およびアポトーシスに関与することが知られている。多くの造血細胞は、受容体二量体化および活性化を促進するFLT3リガンド(FLT3L)を産生し、したがってPI3キナーゼおよびMAPK経路を介してシグナル伝達カスケードを誘導する(Stirewalt D Lら;Nat Rev Cancer;650−665(2003)。AML患者のおよそ30%が、受容体および下流シグナル伝達カスケードの構成的活性化を作動させるFLT3内部縦列重複(ITD)突然変異を有するが、これは疾患の転帰が不良であることに関連する(Gunawardane R Nら;Mom Cancer Ther 12:438−447(2013)。FLT3抗原の例示的な実施形態については、図1を参照のこと。
実施例2
FLT3モノクローナル抗体(MAb)の作製
一実施形態において、FLT3に対する治療用モノクローナル抗体(「MAb」)は、細胞上で発現されるFLT3に結合するFLT3に特異的なエピトープと反応するものを含む。このようなMAbの作製のための免疫原としては、細胞外ドメインまたはFLT3タンパク質配列全体、機能的モチーフを含有すると予測される領域およびアミノ酸配列のコンピュータ分析によって抗原性であると予測されるFLT3の領域をコードするかまたは含有するように設計されるものが挙げられる。免疫原としては、ペプチド、組み換えタンパク質および(内因的にFLT3を発現するか、またはFLT3を発現するように改変されている)細胞が挙げられる。
遺伝子操作されたマウスが完全ヒト可変領域およびマウス定常領域を有する抗体を作製する、VelocImmune(登録商標)技術(Regeneron,Tarrytown,NY)を用いてFLT3に対するMAbを作製した。VelocImmune(登録商標)マウスに対して組み換えヒトFLT3タンパク質で免疫付与した後、(AGS62.21としても知られている)v62−1b21と呼ばれるMAbを作製した。FLT3 MAb、v62−1b21は、FLT3タンパク質およびFLT3発現細胞(組み換えおよび内因性)に特異的に結合する。
選択後、Ambrx(La Jolla,CA)によって開発されたReCODE技術に従い(実施例4−組み換えDNA法を用いたヒトCHv62.21pAFの発現を参照)、VelocImmune(登録商標)抗体由来のヒト可変配列(実施例3−組み換えDNA法を用いたCHv62.21の発現を参照)を、重鎖上の位置124に非天然アミノ酸を組み込むヒト定常領域と組み合わせることにより、v62−1b21(ハイブリドーマ細胞株により天然に産生)をCHO発現完全ヒトネイティブ抗体に変換した。
v62−1b21産生ハイブリドーマ細胞からmRNAを単離した後、v62−1b21に対するDNAコード配列を決定した。以下のプロトコールを使用して、抗Flt3、v62−1b21重鎖および軽鎖可変核酸配列をハイブリドーマ細胞から得た。Trizol試薬(Life Technologies, Gibco BRL)を用いてv62−1b21分泌ハイブリドーマ細胞を溶解させた。全RNAを精製し、Gibco−BRL Superscript Pre−amplificationシステムを用いてオリゴ(dT)12−18プライミングで全RNAから第1鎖cDNAを生成させた。次いで、ヒト免疫グロブリン可変重鎖プライマーおよびヒト免疫グロブリン可変軽鎖プライマーを使用して、第1鎖cDNAを増幅させた。PCR産物の配列決定を行い、可変重鎖および軽鎖領域を決定した。
可変重鎖および軽鎖領域の核酸およびアミノ酸配列は、図2Aおよび/または図2Bおよび図3Aおよび/または図3Bに列挙される。CHv62.21 MAbのヒトIg生殖系列へのアラインメントを図4A〜4Bで示す。
実施例3
組み換えDNA法を用いたCHv62.21の発現
遺伝子移入された細胞中でCHv62.21 MAbを組み換えにより発現させるために、V62.21ハイブリドーマMAb可変重鎖および軽鎖配列をそれぞれヒト重鎖IgG1およびヒト軽鎖Igκ定常領域の上流にクローニングした。完全なCHv62.21 MAbヒト重鎖および軽鎖カセットを、クローニングベクター中のCMVプロモーター/エンハンサーの下流にクローニングした。Lonza GSシステム(Lonza,Basel,Switzerland)での安定発現のために、組み換えCHv62.21 MAb発現コンストラクトをCHO細胞に遺伝子移入した。組み換えCHO細胞から分泌されたCHv62.21 MAbを精製し、フローサイトメトリーにより細胞表面FLT3への結合について評価した。結果から、CHO細胞で発現される組み換えCHv62.21抗体が細胞表面上のFLT3に結合することが示される。
結果からさらに、CHO細胞で発現される組み換え発現CHv62.21がハイブリドーマから精製されたv62.21と同様にFLT3に結合することが示される。組み換え細胞から分泌されるCHv62.21 MAbも、FLT3組み換えタンパク質への結合についてELISAにより評価する。FLT3タンパク質へのCHv62.21の結合は、CHO由来のMAb物質とハイブリドーマ細胞由来のMAb物質との間で同一である。
CHv62.21と呼ばれる抗体を産生するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は、(Federal Expressを介して)2014年12月9日にAmerican Type Culture Collection(ATCC),P.O.Box 1549,Manassas,VA 20108に送付され、受託番号PTA−121831を割り当てられた。
可変重鎖および軽鎖領域の核酸およびアミノ酸配列は、図2Aおよび/または図2Bおよび図3Aおよび/または図3Bに列挙される。
実験的分析の結果として、当技術分野で公知の方法(例えば、プロテアーゼ消化、LCMS分析など)を使用して、CHO細胞由来のCHv62.21 MAbのアミノ酸修飾から、精製CHv62.21 MAbの殆どにおいて重鎖のC末端のリジンの欠失が起こり、精製CHv62.21 MAbの一部で重鎖のN末端のピログルタミル化および重鎖のC末端のリジンの欠失が起こることが示された。
実施例4
組み換えDNA法を用いたヒトCHv62.21pAFの発現
遺伝子移入された細胞中でCHv62.21pAFを組み換えにより発現させるために、v62−1b21ハイブリドーマMAb可変重鎖および軽鎖配列をそれぞれヒト重鎖IgG1およびヒト軽鎖Igκ定常領域の上流にクローニングした。完全なCHv62.21 MAbヒト重鎖および軽鎖カセットを、クローニングベクター中のCMVプロモーター/エンハンサーの下流にクローニングした。次いで、安定クローンの生成のために、アンバーサプレッサーtRNAおよびpAF特異的アミノアシルtRNAシンテターゼを安定に発現するCHO pAFsup1−4E2細胞(Ambrx,La Jolla,CA)に組み換えCHv62.21 MAb発現コンストラクトを遺伝子移入した。安定クローンは、pAFをMAbに組み込むことによりCHv62.21pAFを産生する。安定クローンを遺伝子増幅に供し、続いてサブクローニングした。安定サブクローンから分泌されたCHv62.21pAFを精製し、フローサイトメトリーにより細胞表面FLT3への結合について評価した。結果から、CHO細胞から発現される組み換えCHv62.21pAF抗体が細胞表面上のFLT3に結合することが示される。
CHv62.21pAFと呼ばれる抗体を産生するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は、(Federal Expressを介して)2014年12月9日にAmerican Type Culture Collection(ATCC),P.O.Box 1549,Manassas,VA 20108に送付され、受託番号PTA−121836を割り当てられた。
可変重鎖および軽鎖領域の核酸およびアミノ酸配列は、図2Cおよび/または図2Bおよび図3Cおよび/または図3Bに列挙される。
実験分析の結果として、当技術分野で公知の方法(例えば、プロテアーゼ消化、LCMS分析など)を使用して、CHO細胞由来のCHv62.21pAF MAbのアミノ酸修飾から、精製CHv62.21pAF MAbの殆どにおいて重鎖のC末端のリジンの欠失が起こり、精製CHv62.21pAF MAbの一部で重鎖のN末端のピログルタミル化および重鎖のC末端のリジンの欠失が起こることが示された。
実施例5
リンカー単位AGLの作製
好ましい実施形態において、AGLと表示される本発明のリンカー単位は、本発明のFLT3 MAb、好ましくはCHv62.21pAFを本発明の薬物単位と連結するために使用され、好ましくはAGD−0182は2−(アミノオキシ)酢酸(Chem−Impex International,Inc.,Wood Dale,IL)として一般に知られる。
さらなる実施形態において、本発明のAGLリンカー単位は以下の式を有する:
実施例6
AGD−0182薬物単位の生成および合成
式(II)で記載される薬物単位は、以下の工程を用いて作製した。最初に、CH2Cl2(20.0mL)中のBoc−Dap−OHジシクロヘキシルアミン(10.0g、21.3mmol)およびH−Phe−NH2HCl塩(6.42g、32.0mmol)の23℃の撹拌懸濁液に、DIEA(11.0g、14.9mL、85.3mmol)を添加し、続いてDEPC(5.19g、4.80mL、0.032mol)を添加した。10時間後、LCMSによる分析から、反応が完了したことが示された。粗製反応物をH2O(25mL×2)、続いて塩水(25mL×2)で洗浄した。有機分画を硫酸マグネシウムのパッド上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。溶出液としてCH2Cl2中2%〜10%メタノールを使用するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル40μm、60Å、サイズ)によって、粗製橙色油状物質を精製した。合計7.25gのBoc−Dap−Phe−NH2(16.7mmol、78%)を黄色油状物質として得た。LCMS RT=1.28分(方法B);ESI−MS m/z 434.19[M+H]+。
第2に、CH2Cl2(10mL)中のBoc−Dap−Phe−NH2(7.25g、16.7mmol)の23℃撹拌懸濁液にTFA(10mL)を添加した。5時間後、LCMSによる分析から、反応が完了したことが示された。揮発性有機物を真空中で蒸発させて粗製生成物を得て、さらに精製することなくこれを使用した。全部で6.00gのH−Dap−Phe−NH2が橙色固形物として得られた(13.4mmol、80%)。LCMS RT=0.691分(方法B);ESI−MS m/z 334.17[M+H]+。
次いでDMF(10mL)中のFmoc−MeVal−Abu(3−N3)−Dil−OH TFA塩(456mg、0.586mmol)およびH−Dap−Phe−NH2 TFA塩(457mg、1.02mmol)の23℃撹拌懸濁液に、DIEA(0.350g、0.500mL、2.74mmol)を添加し、続いてHATU(0.520g、1.37mmol)を添加した。10時間後、LCMSによる分析から、反応が完了したことが示された。溶出液として0.1%ギ酸水中の10%〜90%MeCNを使用するPhenomenex Gemini NX−C18 10μ 110Åカラム(150×30mm)での分取RP−HPLCによって、粗製反応物を精製した。ギ酸塩として合計526mgのFmoc−MeVal−Abu(3−N3)−Dil−Dap−Phe−NH2が得られた(0.513mmol、75%)。LCMS RT=1.81分(方法B);ESI−MS m/z 980.39[M+H]+。
最後に、アセトニトリル(10mL)中のFmoc−MeVal−Abu(3−N3)−Dil−Dap−Phe−NH2(525mg、0.513mmol)の23℃撹拌溶液にピペリジン(5mL)を添加した。2時間後、LCMSによる分析から、反応が完了したことが示された。粗製反応溶液にヘキサン(15mL×3)を添加した。アセトニトリル層を真空濃縮した。溶出液として0.1%TFA水中の5%〜95%MeCNを使用するPhenomenex Gemini NX−C18 10μ 110Åカラム(150×30mm)での分取RP−HPLCによって、粗製油状物質を精製した。合計354mgの表題化合物がTFA塩として得られた(0.406mmol、79%)。LCMS RT=1.15分(方法B);ESI−MS m/z 758.24[M+H]+;HRMS m/z 758.4915[C38H63N9O7+H]+。
前述の合成によって、式(II)で示される、(2S,3S)−N−((3R,4S,5S)−1−((S)−2−((1R,2R)−3−(((S)−1−アミノ−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)アミノ)−1−メトキシ−2−メチル−3−オキソプロピル)ピロリジン−1−イル)−3−メトキシ−5−メチル−1−オキソヘプタン−4−イル)−3−アジド−N−メチル−2−((S)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)ブタンアミドで示される次の薬物単位を生成させた。
実施例7
薬物リンカーAGLおよびAGD−0182薬物単位の合成
AGLリンカー単位およびAGD−0182薬物単位の合成は次のように完了した。
次の手順およびプロトコールを用いて方法Aを記載する:
0〜0.50分:均一溶媒80水/10アセトニトリル/10水中1%ギ酸;0.50〜3.50分:直線勾配80水/10アセトニトリル/10水中1%ギ酸〜0水/90アセトニトリル/10水中1%ギ酸;3.50〜3.99分:均一溶媒0水/90アセトニトリル/10水中1%ギ酸;3.99〜4.00分 直線勾配0水/90アセトニトリル/10水中の1%ギ酸〜80水/10アセトニトリル/10水中1%ギ酸。
次の手順およびプロトコールを用いて方法Bを記載する:
0〜0.50分:均一溶媒85水/5アセトニトリル/10水中1%ギ酸;0.50〜1.60分:直線勾配85水/5アセトニトリル/10水中1%ギ酸〜0水/98アセトニトリル/2水中1%ギ酸;1.60〜1.80分 均一溶媒0水/98アセトニトリル/2水中1%ギ酸;1.80〜1.90分 直線勾配0水/98アセトニトリル/2水中1%ギ酸〜85水/5アセトニトリル/10水中1%ギ酸;1.90〜2.00分 均一溶媒85水/5アセトニトリル/10 水中1%ギ酸。
上記の方法を用いて、合成は次のとおりである:
CH2Cl2(20.0mL)中のBoc−Dap−OHジシクロヘキシルアミン(10.0g、21.3mmol)およびH−Phe−NH2HCl塩(6.42g、32.0mmol)の23℃撹拌懸濁液に、DIEA(11.0g、14.9mL、85.3mmol)を添加し、続いてDEPC(5.19g、4.80mL、0.032mol)を添加した。10時間後、LCMSによる分析から、反応が完了したことが示された。粗製反応物をH2O(25mL×2)、続いて塩水(25mL×2)で洗浄した。有機分画を硫酸マグネシウムのパッド上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。溶出液としてCH2Cl2中2%〜10%メタノールを使用するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル40μm、60Å、サイズ)によって、粗製橙色油状物質を精製した。合計7.25gのBoc−Dap−Phe−NH2(16.7mmol、78%)を黄色油状物質として得た。LCMS RT=1.28分(方法B);ESI−MS m/z 434.19[M+H]+。
CH2Cl2(10mL)中のBoc−Dap−Phe−NH2(7.25g、16.7mmol)の23℃撹拌懸濁液にTFA(10mL)を添加した。5時間後、LCMSによる分析から、反応が完了したことが示された。揮発性有機物を真空中で蒸発させて粗製生成物を得て、さらに精製することなくこれを使用した。全部で6.00gのH−Dap−Phe−NH2が橙色固形物として得られた(13.4mmol、80%)。LCMS RT=0.691分(方法B);ESI−MS m/z 334.17[M+H]+。
DMF(10mL)中のFmoc−MeVal−Abu(3−N3)−Dil−OH TFA塩(456mg、0.586mmol)およびH−Dap−Phe−NH2 TFA塩(457mg、1.02mmol)の23℃撹拌懸濁液に、DIEA(0.350g、0.500mL、2.74mmol)を添加し、続いてHATU(0.520g、1.37mmol)を添加した。10時間後、LCMSによる分析から、反応が完了したことが示された。溶出液として0.1%ギ酸水中の10%〜90%MeCNを使用するPhenomenex Gemini NX−C18 10μ 110Åカラム(150×30mm)での分取RP−HPLCによって、粗製反応物を精製した。ギ酸塩として合計526mgのFmoc−MeVal−Abu(3−N3)−Dil−Dap−Phe−NH2が得られた(0.513mmol、75%)。LCMS RT=1.81分(方法B);ESI−MS m/z 980.39[M+H]+。
アセトニトリル(10mL)中のFmoc−MeVal−Abu(3−N3)−Dil−Dap−Phe−NH2(525mg、0.513mmol)の23℃撹拌溶液にピペリジン(5mL)を添加した。2時間後、LCMSによる分析から、反応が完了したことが示された。粗製反応溶液にヘキサン(15mL×3)を添加した。アセトニトリル層を真空濃縮した。溶出液として0.1%TFA水中の5%〜95%MeCNを使用するPhenomenex Gemini NX−C18 10μ 110Åカラム(150×30mm)での分取RP−HPLCによって、粗製油状物質を精製した。TFA塩として合計354mgの結果として生じる化合物(MeVal−Abu(3−N3)−Dil−Dap−Phe−NH2)が得られた(0.406mmol、79%)。LCMS RT=1.15分(方法B);ESI−MS m/z 758.24[M+H]+;HRMS m/z 758.4915[C38H63N9O7+H]+。
DMF(7.0mL)およびDCM(15.0mL)中のMeVal−Abu(3−N3)−Dil−Dap−Phe−NH2(2.0g、2.64mmol)およびBoc−Aoa(0.53g、2.77mmol)の23℃撹拌溶液に、HATU(1.05g、2.77mmol)を添加し、続いてDIPEA(0.51mL、2.92mmol)を添加した。1時間後、反応混合物を真空濃縮して、粗製DMF溶液を得て、これを150mLのEtOACでさらに希釈した。粗製反応混合物を100mLの飽和NaHCO3で洗浄し、続いて100mLの塩水で洗浄した。有機分画を硫酸マグネシウムのパッド上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。溶出液としてCH2Cl2中0%〜5%メタノールを使用するフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル40μm、60Å、サイズ)によって、粗製Boc−Aoa−MeVal−Abu(3−N3)−Dil−Dap−Phe−NH2を精製した。ベージュ色の固形物として、合計2.13gのBoc−Aoa−MeVal−Abu(3−N3)−Dil−Dap−Phe−NH2(2.29mmol、87%)が得られた。LCMS RT=1.46分(方法A);ESI−MS m/z 931.46[M+H]+。
ジオキサン(15.0mL)中のBoc−Aoa−MeVal−Abu(3−N3)−Dil−Dap−Phe−NH2(2.1g、2.26mmol)の23℃撹拌溶液に、ジオキサン中の4M HCl(10.0mL、40.0mmol)を添加した。0.5時間後、反応混合物を真空濃縮して粗製淡黄色油状物質を得た。生じた粗製淡黄色油状物質を6mLのメタノール中で溶解させ、激しく撹拌されている150mLのEtOAC溶液にゆっくりと(滴下して)添加した。この溶液から白色の沈殿物が得られた。生じた白色沈殿物を濾過によって回収し、上清を濃縮して固形物とした。溶出液として0.001M塩酸中5%〜95%MeCNを用いたPhenomenex Gemini 10μ、C18 110Åカラム(150×30mm)での分取RP−HPLCにより、白色沈殿物および濃縮上清の両方を数回に分けて精製した。
得られた生成物分画を合わせ、濃縮し、18時間真空乾燥して、白色固形物を得た。全部で1.31gのAGL−0182−30・HCl(1.51mmol、67%)を得た。LCMS RT=1.16分(方法A);ESI−MS m/z 831.27 [M+H]+。(全般的に表IVを参照)。
好ましい実施形態において、AGL−0182−30は以下の式を有する:
実施例8
CHv62.21pAF MAbの抗体薬物複合化
次のプロトコールを使用して、本明細書中に記載のアルコキシアミンリンカーを用いて、AGL−0182−30と呼ばれるペプチドを含有するドライソルイン(dolaisoluine)−ドラプロインにCHv62.21pAF MAbを複合化し、CHv62.21pAF−AGL−0182−30と呼ばれる本発明の抗体薬物複合体(ADC)を作製した。
AGL−0182−30薬物リンカーの合成は、「薬物リンカーAGLおよびAGD−0182薬物単位の合成」の題名の実施例7に記載の方法を使用して遂行した。
次に、以下のプロトコールを用いて、CHv62.21pAF−AGL−0182−30と呼ばれる本発明の抗体薬物複合体(ADC)を作製した。
簡潔に述べると、最終pH4.0の500mM NaClを含有する9.7mLの50mMクエン酸緩衝液、9.1mLの1.35M酢酸ヒドラジド(水中で溶解)、7.26mLのDMSOおよび5.08mLのAGL−0182−30(DMSO中で溶解)の50mM溶液に、最終pH4.0の、500mM NaClを含有する50mMクエン酸塩緩衝液中で処方した17.17mg/mLの濃度のCHv62.21pAF MAb 215.5mLを添加する。28℃で16〜24時間、複合化を進行させる。12ダイアボリューム(diavolume)の、5%トレハロースを含有する20mMヒスチジンpH6.0での限外濾過/ダイアフィルトレーションによって、過剰なAGL−0182−30および他の小分子反応成分を除去する。
得られた抗体薬物複合体(ADC)をCHv62.21pAF−AGL−0182−30と命名し、これは以下の式を有する。
ここで、MabはCHv62.21pAFであり、pは1.8〜2.0である。この実施例で記載される抗体薬物複合体の平均p値は質量スペクトル分析によりおよそ1.9であった。本発明の一実施形態において、p値は1.5〜2.5である。
得られた本発明のADCはnnAAをADCの抗体成分に組み込み、それにより薬物リンカーがオキシム結合を介して複合化され、表Iで示される癌の治療的処置に使用される。
実施例9
CHv62.21 MAbの特徴評価
FLT3に結合するMAbは、「FLT3モノクローナル抗体(MAb)の作製」の題名の実施例に記載された手順を用いて作製し、当技術分野で公知のアッセイの組み合わせを用いてスクリーニング、同定および特徴評価した。
A.FACS結合
インビトロで増殖させたAMLおよびB−ALL細胞株への結合についてCHv62.21を試験した。(表VII参照)。簡潔に述べると、NHS LCビオチンを用いて、CHv62.21およびアイソタイプ適合対照抗体をビオチン化した。インビトロで、指数関数増殖癌細胞株を全ての実験に使用した。遠心分離により細胞を回収し、洗浄した。細胞に対してFcブロッキングを行い、非特異的結合を減少させた。抗体を10μg/mLの最終濃度に希釈し、細胞とともに4℃で1時間、同時温置した。温置終了時に、細胞を洗浄し、1:200(2.5μg/mL)の最終希釈で、4℃で1時間、二次検出ストレプトアビジン−PE抗体とともに温置した。結合していない二次抗体を洗浄した後、細胞をFACSにより分析し、幾何平均蛍光を測定し、報告した。蛍光比は以下のように計算した:幾何平均CHv62.21/幾何平均アイソタイプ対照=MFR、アイソタイプ対照を上回る倍数表現の尺度。
幾何平均値および平均蛍光比(MFR)値を得て(表VI)、ヒストグラムを示す(表VII)。結果から、CHv62.21が、AMLおよびB−ALLを発現するいくつかのヒト癌細胞株に結合することが示される。
B.ADCC活性
CHv62.21およびCHv62.21pAFをインビトロでADCC活性について試験した。簡潔に述べると、CytoTox 96(登録商標)Non−Radioactive Cytotoxicity Assay(Promega,G1780)を使用して、エフェクター細胞、正常ヒトPBMCの存在下で標的細胞株EOL−1およびSEMを用いて、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)に介在する能力について、ネイキッドおよびADC抗FLT3モノクローナル抗体、CHv62.21およびCHv62.21pAFを試験した。
アッセイを行う1日前に、3バイアルのエフェクター細胞、正常ヒトPBMC(Hemacare、ドナーID:1888)を凍結融解し、洗浄し、10%熱不活性化ウシ胎仔血清を補充したRPMI−1640中、T−175細胞培養フラスコに播種した。フラスコを37℃、5%CO2のインキュベータ中で一晩保存した。翌日、0.25%トリプシン−EDTA(Gibco)を用いてPBMCを培養フラスコから回収し、洗浄し、アッセイ緩衝液(PRMI1640+0.1%FBS)中細胞1.0e6個/ウェルの濃度で播種した。陽性対照細胞株Rajiと一緒に、標的細胞SEMおよびEOL−1を回収し、洗浄し、アッセイ緩衝液を用いて細胞2.0e5個/ウェルの濃度で播種した。
試験試料をアッセイ緩衝液中で2.5μg/mLの最終濃度にそれぞれ希釈した。等体積の標的細胞、試験試料およびエフェクター細胞を96ウェル丸底プレートのウェルに3つ組で添加した。プレートを穏やかに遠心分離し、加湿した37℃インキュベータ中で4時間温置した。4時間の温置後、アッセイプレートを遠心分離し、50μLの体積の上清を回収し、新しい96ウェルプレートに移した。比色LDH検出キット;CytoTox 96(登録商標)Non−Radioactive Cytotoxicity Assay(Promega)を使用し、490nmで吸光度を読み取ることによって、上清中の乳酸デヒドロゲナーゼの活性を測定した。
最初に、実験、エフェクター自発的、標的自発的および標的最大ウェルの全ての吸光度値から培養培地バックグラウンドウェルの吸光度値の平均を差し引くことによって、データを分析した。次に、補正した吸光度読み取りの平均値を正規化し、以下の式を使用することによってADCC活性を計算した:
ADCC(%)={(実験−エフェクター自発的−標的自発的)/(標的最大−標的自発的)}×100
図7の結果は、CHv62.21およびCHv62.21pAF MAbがADCC活性を示さないことを示す。しかし、陽性対照であるリツキシマブは、Raji細胞株においてADCC活性を確認する。
実施例10
CHv62.21pAF−AGL−0182−30は、インビボで腫瘍の増殖を阻害する。
正常細胞におけるFLT3の限定的発現とともに、腫瘍細胞におけるFLT3の顕著な発現により、FLT3は抗体療法および同様にADCを介する治療のための良好な標的となる。したがって、ヒトALL、AMLおよびB−LL癌異種移植マウスモデルにおけるCHv62.21pAF−AGL−0182−30の治療効果を評価する。
マウス癌異種移植モデル(例えば、皮下および同所性)において、腫瘍増殖および転移形成に対する抗体薬物複合体の有効性を研究する。
雄SCIDマウスの右側腹部にマトリゲル(Collaborative Research)と1:1希釈で混合した5×104〜106個の癌細胞を注射することにより、皮下(s.c.)腫瘍を生成させる。腫瘍形成に対するADC効力を試験するために、すなわち、腫瘍細胞注射と同じ日にADC注射を開始する。対照として、マウスに精製ヒトIgGまたはPBSの何れか;またはヒト細胞で発現しない無関係の抗原を認識する精製MAbを注射する。予備実験において、腫瘍増殖に対して対照IgGまたはPBSとの間で差は見られない。腫瘍サイズは、ノギス測定によって決定し、腫瘍体積は、幅2x長さ/2として計算し、ここで、幅は最小寸法であり、長さは最大寸法である。直径1.5cmを超える皮下腫瘍を有するマウスを屠殺する。
異種移植片癌モデルの長所は、血管新生および血管形成の研究が可能であることである。腫瘍の成長は、新しい血管の発生に部分的に依存する。毛細血管系および発生中の血液ネットワークは宿主起源であるものの、血管新生の開始および構造は異種移植腫瘍によって制御される(Davidoffら、Clin Cancer Res.(2001)7:2870;Solesvikら、Eur J Cancer Clin Oncol.(1984)20:1295)。血管新生に対する抗体および小分子の効果は、腫瘍組織およびその周囲の微小環境のIHC分析によるなど、当技術分野で公知の手順に従い、研究される。
CHv62.21pAF−AGL−0182−30 ADCは、MV4−11皮下確立癌異種移植片で示される癌細胞株において形成を阻害する。これらの結果から、局所および進行期の癌および好ましくは表Iで示される癌の処置におけるCHv62.21pAF−AGL−0182−30の有用性が示される。
FLT3 ADC:
モノクローナル抗体は、「FLT3モノクローナル抗体(MAb)の作製」の題名の実施例に記載のように、FLT3に対して作製された。さらに、MAbは、CHv62.21pAF−AGL−0182−30を形成するために、「CHv62.21pAF MAbの抗体薬物複合化」の題名の実施例に記載のように、毒素に複合化される。FACSおよびFLT3への結合能を決定するための当技術分野で公知の他の方法によって、CHv62.21pAFおよびCHv62.21pAF−AGL−0182−30の特徴評価を行う。
細胞株および異種移植片:
当技術分野で公知のように、L−グルタミンおよび10%FBSを補充したDMEM中で細胞を維持する。MV4−11異種移植片は、SCIDマウスにおける連続的な増殖によって維持される。
CB17/SCIDマウスに移植されたヒトB骨髄単球性白血病細胞株MV4−11の皮下確立異種移植モデルにおけるCHv62.21pAF−AGL−0182−30の有効性および用量滴定。
この実験において、ヒトB骨髄単球性白血病MV4−11細胞(マウス1匹あたり細胞3.0×106個)を個々のSCIDマウスの側腹部に注射し、腫瘍を成長させた。平均腫瘍体積が所定のサイズ(200mm3)に到達したとき、動物を腫瘍サイズで対応させ、Study Director Software(v.2.1;Studylog Systems,Inc.,South San Francisco,CA)を用いて、各群で平均腫瘍サイズおよび変動が同様となる処置群および対照群にランダム化した。薬物投与の前日の午後に、腹腔内注射により20mg/kgのFc遮断薬(mLYS−1C3.1−hIgG1)を全ての試験マウスに予め負荷した。
CHv62.21pAF−AGL−0182−30を静脈内注射によって単回ボーラスとして3つの異なる投与レベル(0.5、1.0および2.0mg/kg)で投与した。20mMヒスチジン/5%トレハロース、pH6.0および91.1−AGL−0182−30をビヒクルおよびADC対照としてそれぞれ使用した。各投与の直前に得られた各動物の個々の体重に基づいて、全ての薬剤を投与した。試験終了時まで、ノギス測定を用いて、各群の腫瘍成長を週2回監視した。クルスカル・ワリス検定を用いて、動物屠殺前の最終日に対する腫瘍体積データの統計学的解析を行った。実験あたりの過誤率を保護するために、テューキー検定の手順(両側)を用いてペアワイズ比較を行った。
この研究は、CB17/SCIDマウスで皮下に確立されたMV4−11ヒトB骨髄単球性白血病異種移植モデルにおいて、CHv62.21pAF−AGL−0182−30の有効性を評価し、そのADC対照(91.1−AGL−0182−30)と比較した。静脈内(i.v.)ボーラス注射によって単回投与として3つの異なる投与レベル(0.5、1.0および2.0mg/kg)でCHv62.21pAF−AGL−0182−30を投与した。ADC対照として、91.1−AGL−0182−30をi.v.により2mg/kgで投与した。ビヒクル対照として、20mMヒスチジン/5%トレハロース、pH6.0を使用した。
結果から、ビヒクル処置とACD対照との間に統計学的な差がないことが示された(p>0.9999)。2.0mg/kgのCHv62.21pAF−AGL−0182−30は、投与開始時の開始腫瘍サイズと比較した場合、腫瘍を100%、統計学的に有意に退縮させた(p<0.0001)。ビヒクル対照と比較して、1.0mg/kgのCHv62.21pAF−AGL−0182−30は、腫瘍成長を78.1%、統計学的に有意に阻害した(p<0.0001)。CHv62.21pAF−AGL−0182−30は0.5mg/kgの用量でこのモデルにおいて何ら有効性を示さなかった(p=0.5344)。(図5)。
CB17SCIDマウスに移植されたヒトB骨髄単球性白血病細胞株MV4−11の皮下確立異種移植モデルにおけるCHv62.21pAF−AGL−0182−30(ADC)およびCHv62.21pAF(ネイキッド抗体)の有効性。
別の実験において、ヒトB骨髄単球性白血病MV4−11細胞(マウス1匹あたり細胞3.0×106個)を個々のSCIDマウスの側腹部に注射し、腫瘍を成長させた。平均腫瘍体積が所定のサイズ(200mm3)に到達したとき、動物を腫瘍サイズで対応させ、Study Director Software(v.2.1;Studylog Systems,Inc.,South San Francisco,CA)を用いて、各群で平均腫瘍サイズおよび変動が同様となる処置群および対照群にランダム化した。薬物投与の前日の午後に、腹腔内注射により20mg/kgのFc遮断薬(mLYS−1C3.1−hIgG1)を全ての試験マウスに予め負荷した。CHv62.21pAF−AGL−0182−30およびADC対照(91.1−AGL−0182−30)を静脈内注射により単回ボーラスとして1mg/kgで投与した。AGS62P(CHv62.21pAFとしても知られる)およびネイキッド抗体対照(91.1−pAF)を静脈内注射により単回ボーラスとして2mg/kgで投与した。各投与の直前に得られた各動物の個々の体重に基づいて、全ての薬剤を投与した。試験終了時まで、ノギス測定を用いて、各群の腫瘍成長を週2回監視した。クルスカル・ワリス検定を用いて、動物屠殺前の最終日に対する腫瘍体積データの統計学的解析を行った。実験あたりの過誤率を保護するために、テューキー検定の手順(両側)を用いてペアワイズ比較を行った。
この研究では、CHv62.21pAF−AGL−0182−30(ADC)およびCHv62.21pAF(ネイキッド抗体)の有効性を評価した。
結果から、ADC対照(91.1−AGL−0182.30)と比較して、静脈注射による単回用量としての1.0mg/kgのCHv62.21pAF−AGL−0182−30は、腫瘍成長を51.4%、統計学的に有意に阻害した(p=0.0010)ことが示される。ネイキッド抗体対照(91.1−pAF)と比較して、静脈内注射による単回投与としての2.0mg/kgのCHv62.21pAFは、統計学的な差を示さなかった(p=0.6570)。さらに、結果から、1.0mg/kgのCHv62.21pAF−AGL−0182−30は、2.0mg/kgのCHv62.21pAFと比較した場合、腫瘍増殖を54.3%、統計学的に有意に阻害したことが示された(p=0.0134)。(図6)。
CB17SCIDマウスに移植されたヒトB骨髄単球性白血病細胞株MV4−11の皮下確立異種移植モデルにおけるCHv62.21pAF−AGL−0182−30(ADC)およびCHv62.21pAF(ネイキッド抗体)の有効性。
別の実験において、ヒトB骨髄単球性白血病MV4−11細胞(マウス1匹あたり細胞3.0×106個)を個々のSCIDマウスの側腹部に注射し、腫瘍を成長させた。平均腫瘍体積が所定のサイズ(200mm3)に到達したとき、動物を腫瘍サイズで対応させ、Study Director Software(v.2.1;Studylog Systems,Inc.,South San Francisco,CA)を用いて、各群で平均腫瘍サイズおよび変動が同様となる処置群および対照群にランダム化した。薬物投与の前日の午後に、腹腔内注射により20mg/kgのFc遮断薬(mLYS−1C3.1−hIgG1)を全ての試験マウスに予め負荷した。CHv62.21pAF−AGL−0182−30およびADC対照(91.1−AGL−0182−30)を2mg/kg QWで2週間にわたり、静脈内注射により投与した。AGS62P(CHv62.21pAFとしても知られる)およびネイキッド抗体対照(91.1−pAF)を静脈内注射により数週間にわたり2mg/kg QWで投与した。各投与の直前に得られた各動物の個々の体重に基づいて、全ての薬剤を投与した。試験終了時まで、ノギス測定を用いて、各群の腫瘍成長を週2回監視した。クルスカル・ワリス検定を用いて、動物屠殺前の最終日に対する腫瘍体積データの統計学的解析を行った。実験あたりの過誤率を保護するために、テューキー検定の手順(両側)を用いてペアワイズ比較を行った。
この研究では、2週間の時間枠にわたる複数回投与計画を用いてCHv62.21pAF−AGL−0182−30(ADC)およびChv62.21pAF(ネイキッド抗体)の有効性を評価した。
結果から、ADC対照(91.1−AGL−0182.30)と比較して、静脈内注射による複数回用量としての2.0mg/kgのCHv62.21pAF−AGL−0182−30は、第17日に100%腫瘍退縮で、腫瘍成長を統計学的に有意に阻害した(p=0.0001)ことが示される。ネイキッド抗体対照(91.1−pAF)と比較して、静脈内注射による複数回投与としての2.0mg/kgのCHv62.21pAFは、統計学的な差を示さなかった。(図13)。
CB17 SCIDマウスにおける皮下確立SEM−xcl異種移植モデルにおけるCHv62.21pAF−AGL−0182−30の有効性。
別の実験において、ヒト急性リンパ芽球性白血病SEM−xcl細胞(マウス1匹あたり細胞1.0×106個)を個々のSCIDマウスの側腹部に注射し、腫瘍を成長させた。平均腫瘍体積が所定のサイズ(200mm3)に到達したとき、動物を腫瘍サイズで対応させ、Study Director Software(v.2.1;Studylog Systems,Inc.,South San Francisco,CA)を用いて、各群で平均腫瘍サイズおよび変動が同様となる処置群および対照群にランダム化した。
第0日に静脈内注射により、単回ボーラス投与として、CHv62.21pAF−AGL−0182−30を5.0mg/kg、2.0mg/kgまたは1.0mg/kgで投与した。同じ経路および投与スケジュールを用いて、対照ADC、AGS91.1−pAF−AGL−0182−30を5.0mg/kgで投与した。ビヒクルとして20mMヒスチジン/5%トレハロース、pH5.2を使用した。各投与の直前に得られた各動物の個々の体重に基づいて、全ての薬剤を投与した。試験終了時まで、ノギス測定を用いて、各群の腫瘍成長を週2回監視した。クルスカル・ワリス検定を用いて、動物屠殺前の最終日に対する腫瘍体積データの統計学的解析を行った。実験あたりの過誤率を保護するために、テューキー検定の手順(両側)を用いてペアワイズ比較を行った。
結果から、対照ADC、AGS91.1−pAF−AGL−0182−30と、またはビヒクル対照と比較した場合、全3種類の投与量レベル(5.0、2.0および1.0mg/kg)のCHv62.21pAF−AGL−0182−30が強力な抗腫瘍活性を示し(p<0.0001)、その結果、概して腫瘍成長の阻害が75%を超えたことが示される。さらに、5.0mg/kgで投与した場合、CHv62.21pAF−AGL−0182−30は、最初の開始腫瘍体積と比較した場合、腫瘍を57.3%、有意に退縮させた。5.0mg/kgと2.0mg/kgまたは1.0mg/kgとの間の統計学的に有意な効力の差が認められた。(図14)。
結論
要約すると、図5、6、13および14からCHv62.21pAF−AGL−0182−30と称されるFLT3 ADCは、FLT3に結合する対照ADCおよびネイキッド抗体と比較した場合、FLT3を発現する腫瘍細胞の増殖を有意に阻害したことが示される。したがって、CHv62.21pAF−AGL−0182−30は、表Iで示される癌を処置および管理するための治療目的で使用され得る。
実施例11
FLT3 ADCの使用を通じたヒト癌腫の処置および診断のためのヒト臨床治験
FLT3に特異的に結合するFLT3 ADCは、本発明に従って使用され、ある種の腫瘍、好ましくは表1に列挙されるものの処置において使用される。これらの適応症のそれぞれと関連して、2つの臨床アプローチが首尾よく進められる。
I.)補助的療法:補助的療法において、化学療法剤または抗新生物剤および/または放射線療法またはそれらの組み合わせと併用してFLT3 ADCで患者を処置する。標準的な第1および第2選択の治療にFLT3 ADCを追加することによって、標準的なプロトコール下で、表Iに列挙されるものなど、原発癌標的を処置する。プロトコール設計は、次の例、原発または転移病巣の腫瘍量の減少、無増悪生存期間の延長、全体的な生存率、患者の健康の改善、疾患の安定化ならびに、標準的な化学療法および他の生物剤の通常の用量を減少させることが可能であることを含むが限定されないもの、によって評価した場合の有効性に対処する。これらの投与量減少は、化学療法剤または生物剤の用量関連毒性を低減することによって、追加および/または長期治療を可能にする。FLT3 ADCは、化学療法剤または抗新生物剤と組み合わせて、いくつかの補助的な臨床治験において利用される。
II.)単独療法:腫瘍の単独療法におけるFLT3 ADCの使用に関連して、FLT3 ADCを化学療法剤または抗新生物剤なしで患者に投与する。一実施形態において、広範な転移性疾患を有する末期癌患者において、単独療法が臨床的に行われる。プロトコール設計は、次の例、原発または転移病巣の腫瘍量の減少、無増悪生存期間の延長、全体的な生存率、患者の健康の改善、疾患の安定化ならびに、標準的な化学療法および他の生物剤の通常の用量を減少させることが可能であることを含むが限定されないもの、によって評価した場合の有効性に対処する。
投与量
投与計画は、最適な所望の反応を提供するように調節され得る。例えば、単回ボーラスを投与し得、数回の分割用量を経時的に投与し得るか、または治療状況の緊急事態によって示される場合、用量を比例的に増減させ得る。投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬単位形態で非経口組成物を処方することは、特に有利である。本明細書中で使用される場合、投薬単位形態とは、処置しようとする哺乳動物対象のための単位投与量として適している物理的に個別の単位を指し;各単位は、必要とされる医薬担体に関連して所望の治療効果を生じさせるように計算された所定量の活性化合物を含有する。本発明の投薬単位形態に対する仕様は、(a)抗体および/またはADCの特有の特徴および達成しようとする特定の治療的または予防的効果および(b)個体における感受性の処置のためにこのような活性化合物を配合する技術分野における固有の限界によって決定されるかまたはそれに直接依存する。
本発明に従って併用して投与されるFLT3 ADCの治療的有効量に対する代表的な非限定的範囲は、約0.5〜約10mg/kg、約1〜約5mg/kg、少なくとも1mg/kg、少なくとも2mg/kg、少なくとも3mg/kgまたは少なくとも4mg/kgである。他の代表的な非限定的範囲は、例えば約0.5〜約5mg/kg、または例えば約0.8〜約5mg/kg、または例えば約1〜約7.5mg/kgである。本発明の高用量の実施形態は、10mg/kgを超える投与量に関する。投与量値は、緩和しようとする状態のタイプおよび重症度によって変化し得、単回または複数回投与を含み得ることに留意されたい。何らかの特定の被験者にとって、個々のニーズおよび組成物の投与を管理または監督する者の専門的判断に従って、具体的な投与計画を経時的に調整すべきであり、本明細書中に記載の投与量範囲は単なる代表例であり、特許請求される組成物の範囲または実施を制限するものではないことをさらに理解されたい。
臨床開発計画(CDP)
CDPは、補助的療法または単独療法に関連して、FLT3 ADCの処置を監視し、発展させる。治験は、最初に安全性を実証し、その後、反復投与で有効性を確認する。治験は、標準的な化学療法を標準的な治療+FLT3 ADCと比較する非盲検試験である。認識されるように、患者の登録に関連して利用され得る1つの非限定的な基準は、生検によって決定されるような、それらの腫瘍におけるFLT3発現レベルである。
何らかのタンパク質または抗体注入に基づく治療剤と同様に、安全性の懸念は、主に、(i)サイトカイン放出症候群、すなわち低血圧、発熱、震え、悪寒;(ii)物質に対する免疫原性反応の発現(すなわち、抗体治療に対する患者によるヒト抗体の発現、またはHAMA反応);および(iii)FLT3を発現する正常細胞に対する毒性に関する。これらの安全上の懸念のそれぞれを監視するために、標準的な試験およびフォローアップが利用される。FLT3 ADCは、ヒト投与時に安全であることが分かる。
実施例12
正常および癌患者由来検体におけるFLT3タンパク質の検出
骨髄細胞集団における急性リンパ球性白血病(AML)患者の末梢血からのPBMC試料において、抗FLT3抗体を用いた癌におけるFLT3タンパク質の検出を評価した。
A.FACS結合物質および方法
この実験において、CD45、CD33、CD34、CD3、CD20、CD38および抗Flt3−ビオチンまたはアイソタイプ−ビオチンmAbの何れかのカクテルとともに試料を温置した。ビオチン化mAbに対する二次検出は、ストレプトアビジン−PEであった。ストレプトアビジン−PE(SAv−PE)検出試薬を用いて蛍光マイナス1(FMO)対照カクテルを調製し、ゲーティング細胞集団に対して使用した。データ取得のために、LSRIIフローサイトメーター(BD Biosciences)を使用した。
リンパ球は、CD33+/3−/20−(髄芽球)、CD33+/3−/34+/38−(幹細胞)、CD33−/3+(T細胞)およびCD33−/20+(B細胞)の4つの異なる集団が同定されたCD45+集団においてゲーティングした。Flowjoソフトウェアバージョン9.5.4(Tri−Star,Ashland,OR)を用いて分析を行った。蛍光値は、幾何平均(MFI)として報告する。
B.結果
AML患者試料について表VIIIに記載される結果から、抗FLT3 MAbが、試験した全試料の骨髄細胞、幹細胞、T細胞およびB細胞集団に結合することが示される。
さらに、表VIIIで示されるように、試験した全試料のMFIR分布プロットから、骨髄細胞、幹細胞およびB細胞集団において中程度の変動性が示され、一方でT細胞はMFIRの変動性が小さかった。骨髄芽球の平均MFIRは約963.1であり、一方で幹細胞に対する平均MFIRは318.2であり、T細胞に対する平均MFIRは9.842であり、B細胞に対するMFIRはAMLにおいて72.60であった。正常試料に対する平均MFIRは、骨髄では642.4、幹細胞に対して68.29、T細胞に対して11.66、B細胞に対して13.73であった。
表VIIIに記載される結果全体から、本発明のCHv62.21 MAbおよびCHv62.21pAF MAbなどの抗FLT3 MAbが、AMLで過剰発現されるFLT3タンパク質を検出し得ることが示される。
実施例13
CHv62.21pAFおよびCHv62.21pAF−AGL−0182−30が介在するインビトロ細胞傷害性
FLT3を内因的に発現する、ヒト白血病MV−4−11およびMOLM−13細胞株およびFLT3を発現しないヒト白血病細胞株、Karpas299を使用して、FLT3抗体(CHv62.21pAF)およびFLT3 ADC(CHv62.21pAF−AGL−0182−30)がFLT3依存性細胞傷害性に介在する能力を評価した。
簡潔に述べると、MV−4−11、MOLM−13およびKarpas299細胞を、それぞれ細胞1500個、2000個および3000個/ウェルの密度にて50μLの完全培地中で96ウェルプレートに播種し、37℃;5%CO2の組織培養インキュベータに入れた。翌日、非特異的結合を減少させるために細胞を25μL/ウェルの体積でFcブロッキングし、cHv62.21pAF−AGL−0182−30、AGD−0182に複合化されたアイソタイプ対照抗体(91.1pAF−AGL−0182−30)、cHv62.21pAFおよびアイソタイプ対照抗体(91.1pAF)の4倍保存溶液を完全培地中で調製し、25μLのADCおよび抗体の連続希釈物を適切なウェルに添加した。37℃;5%CO2の組織培養インキュベータ中で5日間、cHv62.21pAF−AGL−0182−30、91.1pAF−AGL−0182−30、cHv62.21pAFおよび91.1pAFで細胞を処理した。温置期間終了時に、20μLのPresto Blueを各ウェルに添加し、2時間温置した。540励起および590発光波長を使用して、BioTek Synergy H4プレートリーダーを用いて、プレートの読み取りを行った。
表IXの結果から、抗FLT3 ADC(CHv62.21pAF−AGL−0182−30)が、FLT3を発現するMOLM−13およびMV−4−11細胞株の細胞傷害性を選択的に誘導し得、一方でFLT3非発現Karpas299細胞株の細胞傷害性を誘導不可能であることが示される。抗FLT3抗体(CHv62.21pAF)は、MOLM−13およびMV−4−11細胞株において細胞傷害性を誘導しない。したがって、これらのデータから、FLT3 MAb CHv62.21pAF単独では細胞の細胞傷害性を誘導しないことが明らかとなる。むしろ、FLT3 ADC CHv62.21pAF−AGL−0182−30のみが、FLT3を発現するMOLM−13およびMV−4−11細胞を選択的に死滅させ得、一方で非FLT3発現Karpas299細胞には影響を及ぼさない。
実施例14
先行技術のFLT3 MAbを上回るCHv62.21pAFの長所
本発明のCHv62.21pAF MAbは、FLT3に結合する他のMAbを上回るいくつかの長所を示す。特に、本発明のADCの治療的有用性を考慮して見た場合。例えば、先行技術は、AML患者を化学療法で処置した後、血漿FLT3リガンド(「FL」)の発現が増加することを教示する。Takashiら、Blood vol.117(12)(2011年3月)を参照。さらに、FL増加はFLT阻害剤の活性を顕著に低下させることが示されている。同上。モノメチルオーリスタチンF(EB10−MMAF)と複合化されたEB10は、抗ヒトFLT3抗体を含むADCとして報告されている。(Proc Amer Assoc Cancer Res,Volume 46,2005を参照)。EB10はFLを遮断することが示されている。米国特許第8,071,099号(Imclone)を参照のこと。したがって、本発明の目的は、FLT3抗原に結合するがFLに結合しないMAbを操作することである。
ある実験において、本発明のCHv62.21 MAbはFLを遮断しないことが確認された。簡潔に述べると、組み換えヒトFLT3−FcをR and D Systemsから購入した。Luminexによって提供された手順に従って、標準的なスルホ−NHS/EDC化学を用いて、このタンパク質を活性化Luminexミクロスフェアの表面上に固定化した。いくつかの他のタンパク質とともに、このタンパク質のHisタグ付加型を、Luminexミクロスフェアに複合化し、この手順において対照とした。
さらに、FLT3リガンドもR and D Systemsから購入した。製造者の推奨に従い、Thermo Scientific EZ−Link スルホ−NHS−LC−ビオチン、No−Weigh Formulaを使用して、このリガンドをビオチン化した。タンパク質をスルホ−NHS−LC−ビオチンと2時間反応させた後、DPBSに対する透析によって、取り込まれなかったビオチンを除去した。
緩やかに振盪しながらRTで120分間、PBS、2%BSA、0.05%Tween20および0.1%アジ化ナトリウムを含有する緩衝液中で調製した様々な濃度のビオチン化リガンドとミクロスフェアを反応させることにより、ミクロスフェアの表面上に固定化されたFLT3のビオチン化リガンドへの結合能を評価した。温置終了時に、ミクロスフェアを吸引し、洗浄した。ストレプトアビジン−R−フィコエリスリン(Moss,Inc.)を用いて、その固定化受容体に結合したビオチン化FLT3リガンドを検出した。ミクロスフェアに付随する蛍光をLuminex装置で測定した。この評価から、5ng/mLのビオチン化FLT3リガンドの濃度がロバストなシグナルを生じさせるのに十分であったが、ミクロスフェアと結合されるFLT3を飽和させなかったことが明らかになった。
最後に、FLT3抗体が潜在的にリガンドを遮断する能力を評価するために、5ng/mLのビオチン化FLT3リガンド+10μg/mLの試験中の様々な抗体を含有する混合物を調製した。これらの混合物をミクロスフェア上に固定したFLT3に適用し、60分間温置した。温置終了時に、ミクロスフェアを吸引し、洗浄した。ストレプトアビジン−R−フィコエリスリン(Moss,Inc.)を用いて、その固定化受容体に結合したビオチン化FLT3リガンドを検出した。ミクロスフェアに付随する蛍光をLuminex装置で測定した。リガンドをブロックする能力を有する抗体は、MFI(中央蛍光強度)の低下によって観察された。
図8の結果から、FLT3 MAb CHv62.21が非FL遮断薬であり、v62−1b37.1と表示される別のFLT3 Mab(表X)が、EB10と表示される先行技術のFLT3 MAbと同様のFL遮断薬であることが確認される(米国特許第8,071,099号明細書を参照)。
FLT3を内因的に発現するヒト白血病EOL−1細胞株を用いて、ヒトFLT3リガンドの効果への、FLT3抗体(CHv62.21およびv62−1b37.1)の介在能力を評価した。アイソタイプ対照抗体(mLys−1C3.1)も使用した。EOL−1細胞を細胞2000個/ウェルの密度にて50μLの完全培地中で96ウェルプレートに播種し、37℃;5%CO2の組織培養インキュベータに入れた。翌日、50、10または5ng/mLのヒトFLT3リガンド(25μLの完全培地中)および10、1、0.1および0μg/mLの試験抗体(25μLの完全培地中)で細胞を処理した。培地単独を未処理対照として使用した。細胞を37℃;5%CO2の組織培養インキュベータ中で5日間処理した。温置期間終了時に、100μLのCell Titer Gloを各ウェルに添加し、室温で振盪しながら30分間温置した。Luminescenceを用いるBioTek Synergy H4プレートリーダーを使用してプレートの読み取りを行い、Graphpad Prismソフトウェアを用いてグラフ化した。
図9の結果から、v62−1b37.1がFLT3リガンドの存在下で高濃度で増殖を阻害するが、CHv62.21は増殖に何ら影響を及ぼさないことが示される。ヒトFLT3リガンド単独では、EOL−1細胞株の増殖に影響がない。
癌処置のための化学療法後に血漿中のFL濃度が増加したという教示に基づいて(Takashiら、前出を参照)、本発明のFLT3 MAbがFLを遮断しない場合に長所があることが示された。この点を確認するために、リガンド遮断MAbの細胞傷害活性がFLの存在下で低下する一方で、非リガンド遮断MAbの細胞傷害活性は、FLの存在下で低下しないことが示された。
FLT3を内因的に発現するヒト白血病RS−4−11細胞株を用いて、ヒトFLT3リガンド(hFL)の非存在下および存在下でのFLT3依存性細胞傷害性への、FLT3 ADC(cHv62.21pAF−AGL−0182−30およびv62−1b21.1−AGL−0129−08)の介在能を評価した。
簡潔に述べると、RS−4−11細胞を細胞3000個/ウェルの密度にて50μLの完全培地中で96ウェルプレートに播種し、37℃;5%CO2の組織培養インキュベータに入れた。翌日、ADCを10μg/mLになるように完全培地中で調製し、1:5の連続希釈を行い、合計9点の濃度とした。25μLのADCの連続希釈物を、ヒトFLT3リガンド(100ng/mLを25μL/ウェルに添加)ありおよびなしで、適切なウェルに添加した。37℃;5%CO2の組織培養インキュベータ中で5日間、ヒトFLT3リガンドありおよびなしで、v62−1b21.1−AGL−0129−08(表XI、国際公開第2015/183978号パンフレット、Agensys,Inc.)およびv62−1b37.1−AGL−0129−08を用いて細胞を処理した。温置期間終了時に、20μLのPresto Blueを各ウェルに添加し、2時間温置した。540励起および590発光波長を用いるBioTek Synergy H4プレートリーダーを使用してプレートの読み取りを行い、Graphpad Prismソフトウェアを用いてグラフ化した。
図10(a)および10(b)の結果から、抗FLT3 ADC(v62−1b21.1−AGL−0129−08およびv62−1b37.1−AGL−0129−08)が、FLT3発現RS−4−11細胞株の細胞傷害性を誘導し得ることが示される。抗FLT3 ADC、v62−1b21.1−AGL−0129−08は、ヒトFLT3リガンドの存在下および非存在下で同様のレベルの細胞傷害性を有する。しかし、抗FLT3 ADC、v62−1b37.1−AGL−0129−08の細胞傷害活性は、リガンドなしでのADC処理と比較して、ヒトFLT3リガンドの存在下で低下している。
別の実験において、ヒト白血病MOLM−13細胞株の表面上で発現されるFLT3への、抗FLT3抗体、CHv62.21およびv62−1b37.1の結合能をヒトFLT3リガンド(hFL)の存在下で評価した。アイソタイプ対照抗体、AGS91.1−pAFを陰性対照として使用した。
簡潔に述べると、MOLM−13細胞を丸底96ウェルプレート上に細胞50,000個/ウェルの密度で播種した。プレートを150μL/ウェルのPBSで1回洗浄した。非特異的結合を減少させるために、細胞をFACS緩衝液(PBS+2%FBS+0.1%アジ化ナトリウム)中50μL/ウェルの体積でFcブロッキングした(20μg/mL)。細胞を4℃で15分間温置した。ヒトFLT3リガンドを100ng/mLで適切なウェルに添加し、プレートにわたって1:2で連続希釈を行い、合計11点の濃度とした。ビオチン化FLT3抗体を添加する前に細胞を4℃で30分間温置した。温置後、ビオチン化抗FLT3抗体およびアイソタイプ対照抗体をFACS緩衝液中で10μg/mLおよび1μg/mLに調製し、25μLをウェルに添加し、4℃で1時間温置した。細胞をFACS緩衝液で2回洗浄し、ストレプトアビジン−PE(Jackson immune)を100μL/ウェルで添加し、4℃で1時間温置した。細胞をFACS緩衝液で2回洗浄し、Attune Cytometer(Life technologies)上で読み取り、Flow Jo(Tree Star)ソフトウェアで分析した。
図11(a)の結果から、ヒトFLT3リガンドは、抗FLT3抗体、AGS62PがMOLM−13細胞に結合するのを妨害しないことが示される。しかし、ヒトFLT3リガンドは、抗FLT3抗体、cHv62−1b37.1のMOLM−13細胞への結合を用量依存的に妨害する。
最後に、FLT3を内因的に発現するヒト白血病MOLM−13細胞株を用いて、ヒトFLT3リガンド(hFL)の非存在下および存在下でのFLT3依存性細胞傷害性へのFLT3 ADC、AGS62P1の介在能を評価した。アイソタイプ対照ADC、AGS91.1.88−pAF−AGL−0182−30を陰性対照として使用した。
簡潔に述べると、MOLM−13細胞を細胞2000個/ウェルの密度にて50μLの完全培地中で96ウェルプレートに播種し、37℃;5%CO2の組織培養インキュベータに入れた。翌日、非特異的結合を減少させるために、細胞を25μL/ウェルの体積でFcブロッキングした。ADCを10μg/mLの最終濃度になるように完全培地中で調製し、1:5の連続希釈を行い、合計9点の濃度とした。12.5μLのADCの連続希釈物を、ヒトFLT3リガンド(100ng/mLを12.5μL/ウェルで添加)ありおよびなしで、適切なウェルに添加した。37℃;5%CO2の組織培養インキュベータ中で5日間、ヒトFLT3リガンドありおよびなしで、AGS62P1およびAGS91.1.88−pAF−AGL−0182−30を用いて細胞を処理した。温置期間終了時に、20μLのPresto Blueを各ウェルに添加し、2時間温置した。540励起および590発光波長を用いるBioTek Synergy H4プレートリーダーを使用してプレートの読み取りを行い、Graphpad Prismソフトウェアを用いてグラフ化した。
図11(b)の結果から、ヒトFLT3リガンドが、MOLM−13細胞における抗FLT3 ADC(CHv62.21pAF−AGL−0182−30)介在性の細胞傷害性を妨害しないことが示される。
したがって、FLT3 MAbが治療の状況で使用され得る一方で、全てのFLT3 MAbが同じではない。図8〜11の結果から、FLに結合しないFLT3 MAbは、FLに結合することが示されているFLT3 MAbよりも卓越した長所を示すことが示される。さらに、本発明のADCの治療的有用性に照らして、この結果から、CHv62.21pAF−AGL−0182−30などの非リガンド遮断薬FLT3 MAbを含むADCが、FL存在下で、リガンド遮断薬FLT3 Mabを含むADCと比較して、抗腫瘍効果を保持することが示される。当業者は、化学療法処置後にFLの存在が増加することが知られていることを理解する。さらに、FLの存在の上昇がFLT3阻害剤の活性を低下させることが示されていることが知られている。したがって、図8〜11の結果から、癌患者におけるリガンド遮断薬FLT3 MAbを含むADCと比較した場合、非リガンド遮断薬FLT3 Mabを含むADCがより良好な治療指数および抗腫瘍効果を有することが示唆される。
実施例15
CHv62.21pAF−AGL−0182−30の安定性試験
FLT3 ADC CHv62.21pAF−AGL−0182−30およびAGL−0301−20と表示される別の細胞傷害性化合物(国際公開第2014/043403号パンフレット、Agensys,Inc.を参照)を用いた別のFLT3 ADCの安定性をインビトロで評価した。この実験において、ヒト血清(Millipore)に0.4mg/mLの各ADCおよびリン酸塩pH7.3を最終濃度50mMで添加し、加湿インキュベータ中で37℃で温置した。100μLのアリコートを回収し、−80℃で5分、3時間、25.25時間、51.25時間および171.2時間で凍結させた。全試料を回収した後、各ADCの抗体および薬物成分を定量するためにELISAを実施した。
結果から、CHv62.21pAF−AGL−0182−30薬物抗体結合は、実験図12(A)の時間経過にわたって安定であることが示される。しかし、図12(B)から、v62−1b21−AGL−0301−20に対する薬物−抗体結合は不安定であり、その結果、実験の時間経過にわたって顕著な脱複合化(de−conugation)をもたらすことが示される。
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