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JP6767620B2 - 熱交換器およびそれを用いた冷凍システム - Google Patents
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JP6767620B2 - 熱交換器およびそれを用いた冷凍システム - Google Patents

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Description

本発明は熱交換器およびそれを用いた冷凍システムに関し、特に、冷媒が流れる板状のプレートフィンを積層して構成されたプレートフィン積層型の熱交換器とそれを用いた冷凍システムに関する。
一般に空気調和機や冷凍機等の冷凍システムは、圧縮機によって圧縮した冷媒を凝縮器や蒸発器等の熱交換器に循環させ第2流体と熱交換させて冷房もしくは暖房を行うが、前記熱交換器の熱交換効率によってシステムとしての性能や省エネ性が大きく左右される。従って、熱交換器は高効率化が強く求められている。
この熱交換器の高効率化は、その手法の一つとしては熱交換流体が流れる伝熱管の細径化があり、また他の手法の一つとしては各伝熱管へ分流する冷媒を例えば均一に分流することがある。
このような中にあって、冷凍システムの熱交換器は、一般的には、フィン群に伝熱管を貫通させて構成したフィンチューブ型熱交換器を用いており、その伝熱管の細径化を図って熱交換効率の向上及び小型化が進められている(例えば、特許文献1参照)。
一方、熱交換効率向上のための熱交換流体の分流は、各伝熱管へ熱交換流体を案内するヘッダ流路に分流制御管を組み込んで各伝熱管への冷媒の分流を均一し熱交換効率の向上を図っている(例えば、特許文献2参照)。
図29は上記特許文献1記載の熱交換器を示し、この熱交換器100は、フィン群101に伝熱管102を貫通させて構成してあって、その冷媒入口側ヘッダ管103に分流制御管104が設けてある。分流制御管104には複数の冷媒分流口105が列設してあり、冷媒分流口105の大きさを冷媒入口から離れるに従い小さくなるようにして、各伝熱管102に流れる冷媒を均一に分流させるようになっている。
この熱交換器は冷媒の分流を冷媒入口側で行っているので、圧力損失増による冷媒温度の上昇を抑制しつつ各伝熱管へと分流するようになり、各分流制御管へ例えば均等に分流することができ、熱交換効率を向上させることができる、というものである(冷媒の分流を冷媒出口側で行うと、圧力損失(以下、圧損と略称する)が大きくなって冷媒温度が高くなり熱交換させる第2流体との温度差が少なくなって分流の均一化による熱交換効率の向上効果を相殺し逆に熱交換効率を低下させてしまうため冷媒入口側で冷媒を分流している)。
特開2010−78289号公報 特開2012−207912号公報
しかしながら、上記特許文献1記載のフィンチューブ型熱交換器は、その伝熱管が管であるが故に細径化に限度があり、伝熱管の細径化による熱交換効率の向上は限界に近づきつつある。
しかしこの伝熱管は、プレートフィン積層型熱交換器であれば容易に細径化できる。すなわち、プレートフィン積層型熱交換器は、プレートフィンに凹状溝をプレス成形して伝熱管に相当する流路を形成しているので、当該流路の断面積を小さくすることは容易であり、その流路はフィンチューブ型熱交換器の伝熱管に比べさらに小さくできる。
そこで出願人は流路を有するプレートフィンを積層して構成したプレートフィン積層型熱交換器に特許文献2に記載の分流制御管を組み合わせて熱交換効率の向上を図ることを検討した。
しかしながら、上記プレートフィン積層型熱交換器のヘッダ流路に分流制御管を組み込んでも分流制御管による分流効果が十分に発揮されず、分流による熱交換効率の向上に大きな課題があることを見いだした。
本発明はこのような点に鑑み鋭意検討して流路の細径化と分流効果による熱交換効率の向上を両立させたもので、高効率な熱交換器及びそれを用いた高性能な冷凍システムの提供を目的としたものである。
本発明は、上記目的を達成するため、熱交換器は、第1流体が流れる流路を有するプレートフィン積層体の各プレートフィン積層間に第2流体を流して、前記第1流体と前記第2流体との間で熱交換する熱交換器であって、
前記プレートフィン積層体のプレートフィンは、前記第1流体が並行に流れる複数の第1流体流路を有する流路領域と、前記流路領域の各第1流体流路に連通する入口側ヘッダ流路と出口側ヘッダ流路とを有したヘッダ領域と、を備えるとともに、前記第1流体流路は前記プレートフィンに凹状溝を設けて形成し、
かつ、第1流体の蒸発出口となる前記出口側ヘッダ流路に分流制御管を設けた構成としてある。
これにより、第1流体流路の流路断面積の細径化を図って熱交換効率を向上することができるとともに、各第1流体流路へ設計通り確実に第1流体を分流させることができ、分流均一化による熱交換効率の向上が加わってその熱交換効率を高いものとすることができる。すなわち、このプレートフィン積層型の熱交換器は、第1流体流路を細径化したことによって第1流体の圧損がヘッダ流路側よりヘッダ出口側の方が数倍も大きくなる。一方、第1流体の分流は圧損の分布状況によって大きく影響される。そのため、このプレートフィン積層型熱交換器は既述したように、分流制御管を従来からの常識である入口側ヘッダ流路に設けても出口側ヘッダ流路の圧損が数倍も高いため第1流体流路を流れる第1流体は出口側ヘッダ流路の圧損に依拠することになるので、設計通りに分流できなかった。しかしながら本発明では、前記入口・出口側ヘッダ流路での圧損差の大きさ及び圧損分布状況の把握に基づき分流制御管を圧損が高い出口側ヘッダ流路に設けているので、分流に大きな影響を与える数倍も高い出口側ヘッダ流路内の圧損分布を制御して分流を均一化でき、分流均一化による熱交換効率の向上も達成することができる。
本発明は、上記構成により、流路の細径化と分流均一化を両立させて、熱交換効率の高い熱交換器及びそれを用いた省エネ性の高い高性能な冷凍システムを提供することができる。
本発明の実施の形態1におけるプレートフィン積層型熱交換器の外観を示す斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器を上下に分離した状態で示す分解斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器の分解斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器から分流制御管を抜き出した状態を示す斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器のヘッダ領域部分を示す側面図 図1のA−A断面図 図1のB−B断面図 図2のC−C断面図 本発明の実施の形態1におけるプレートフィン積層型熱交換器における流入出管の接続部分とヘッダ開口部分を切断して示す斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器におけるプレートフィン積層体の冷媒流路群部分を切断して示す斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器における冷媒流路群部分を切断して示す斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器におけるプレートフィン積層体の位置決め用ボス孔部分を切断して示す斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器におけるプレートフィン積層体のヘッダ開口部分を切断して示す斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィン積層体における分流制御管挿入部分を示す斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器における分流制御管の斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器の分流制御管部分を示す断面図 同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィン積層体を構成するプレートフィンの平面図 同プレートフィンのヘッダ領域を示す拡大平面図 同プレートフィンの構成を一部を拡大して示す分解図 同プレートフィンの平面図で、(a)は第1プレートフィンの平面図、(b)は第2プレートフィンの平面図、(c)は第1、第2両フィンプレートを重ねたときの状態を説明するための平面図 同プレートフィンの流路領域に設けた突起を示す拡大斜視図 同プレートフィンの冷媒流路Uターン側端部に設けた突起を示す拡大斜視図 本発明の実施の形態2におけるプレートフィン積層型熱交換器の外観を示す斜視図 同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィン積層体を構成するプレートフィンの平面図 同プレートフィン積層型熱交換器におけるプレートフィンの構成を一部を拡大して示す分解図 同プレートフィン積層型熱交換器におけるプレートフィン積層体の冷媒流路群部分を切断して示す斜視図 本発明のプレート積層型熱交換器を用いた空気調和機の冷凍サイクル図 同空気調和機の概略断面図 従来の熱交換器の断面図
第1の発明は、熱交換機であり、この熱交換器は、第1流体が流れる流路を有するプレートフィン積層体の各プレートフィン積層間に第2流体を流して、前記第1流体と前記第2流体との間で熱交換する熱交換器であって、
前記プレートフィン積層体のプレートフィンは、前記第1流体が並行に流れる複数の第
1流体流路を有する流路領域と、前記流路領域の各第1流体流路に連通する入口側ヘッダ流路と出口側ヘッダ流路とを有したヘッダ領域と、を備えるとともに、前記第1流体流路は前記プレートフィンに凹状溝を設けて形成し、
かつ、第1流体の蒸発出口となる前記出口側ヘッダ流路に分流制御管を設けた構成としてある。
これにより、第1流体流路の流路断面積の細径化を図って熱交換効率を向上することができるとともに、各第1流体流路へ設計通り確実に第1流体を分流させることができ、分流均一化による熱交換効率の向上が加わってその熱交換効率を高いものとすることができる。すなわち、このプレートフィン積層型の熱交換器は、第1流体流路を細径化したことによって第1流体の圧損がヘッダ流路側よりヘッダ出口側の方が数倍も大きくなる。一方、第1流体の分流は圧損の分布状況によって大きく影響される。そのため、このプレートフィン積層型熱交換器は既述したように、分流制御管を従来からの常識である入口側ヘッダ流路に設けても出口側ヘッダ流路の圧損が数倍も高いため第1流体流路を流れる第1流体は出口側ヘッダ流路の圧損に依拠することになるので、設計通りに分流できなかった。しかしながら本発明では、前記入口出口側ヘッダ流路での圧損差の大きさ及び圧損分布状況の把握に基づき分流制御管を圧損が高い出口側ヘッダ流路に設けているので、分流に大きな影響を与える数倍も高い出口側ヘッダ流路内の圧損分布を制御して分流を均一化でき、分流均一化による熱交換効率の向上も達成することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記分流制御管は複数の第1流体分流口を有していて、当該第1流体分流口は第1流体入口側の開口面積が第1流体出口側の開口面積よりも大きい構成としてある。
これにより、第1流体入口側近くの第1流体流路と第1流体出口側近くの第1流体流路間に生じる流体流量の偏りを抑制して第1流体量を均等化でき、熱交換効率を更に向上させることができるとともに、分流口を開けるだけの簡単な筒構成により第1流体出口側部分における圧損等を制御して第1流体の確実な分流ができ、安価に提供することができる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記プレートフィンに形成した第1流体流路は略U字状にUターンさせて前記第1流体流路と連通する入口側のヘッダ流路と出口側のヘッダ流路をプレートフィンの一端部側に纏めた構成としてある。
これにより、プレートフィンを長くすることなく第1流体流路を長くして第1流体の熱交換量を増大させ、熱交換効率を向上させることができるとともに、熱交換器のさらなる小型化も推進できる。
第4の発明は冷凍システムであり、この冷凍システムは冷凍サイクルを構成する熱交換器を前記第1〜第3のいずれかの発明に記載の熱交換器としたものである。
これにより、この冷凍システムは、熱交換器の熱交換効率が高いので、省エネ性の高い高性能な冷凍システムとすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
なお、本開示の熱交換器は、以下の実施形態に記載したプレートフィン積層型熱交換器の構成に限定されるものではなく、以下の実施形態において説明する技術的思想と同等の熱交換器の構成を含むものである。
また、以下で説明する実施形態は、本発明の一例を示すものであって、実施形態において示される構成、機能、動作などは、例示であり、本開示を限定するものではない。
図1は本実施形態のプレートフィン積層型熱交換器(以下、単に熱交換器と称する)1の外観を示す斜視図、図2はプレートフィン積層型熱交換器を上下に分離した状態で示す分解斜視図、図3はプレートフィン積層型熱交換器の分解斜視図、図4は同プレートフィン積層型熱交換器から分流制御管を抜き出した状態を示す斜視図、図5はプレートフィン積層型熱交換器のヘッダ領域部分を示す側面図、図6〜図8はプレートフィン積層型熱交換器の断面図である。
図1〜図9に示すように、本実施形態の熱交換器1は蒸発器として用いる場合に好適な熱交換器であり、第1流体である冷媒が流入する流入管(入口ヘッダ)4と、長方形の板状である複数のプレートフィン2aを積層して構成されたプレートフィン積層体2と、プレートフィン2aの中の流路を流れた冷媒を排出する流出管(出口ヘッダ)5とを有している。
また、プレートフィン積層体2の積層方向の両側(図1では上側及び下側)には、プレートフィン2aと平面視が略同一形状のエンドプレート3a、3bが設けられている。エンドプレート3a、3bは、剛性を有する板材で形成されており、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属材を研削により金属加工して形成されている。
なお、上記エンドプレート3a、3b、複数のプレートフィン2aは積層された状態でロウ付け接合されて一体化しているが、他の耐熱性のある固定方法、例えば化学的な接合部材を用いて接合されていてもよい。
また、本実施形態では、上記プレートフィン積層体2の両側のエンドプレート3a、3bは、ボルト・ナット若しくはカシメピン軸等の連結手段9によってその長手方向両端部が連結固定されている。すなわち、プレートフィン積層体両側のエンドプレート3a、3bはプレートフィン積層体2を挟持した形でプレートフィン積層体2を機械的に連結固定した形となっている。
また、本実施形態では、更に前記エンドプレート3a、3bの長手方向一端部(図1では左側端部)のヘッダ領域対応部分に補強プレート16a、16bを配置し、この補強プレート16a、16bを前記連結手段9の締結によって連結固定することによりエンドプレート3a、3bをも含めてプレートフィン積層体2を機械的に挟持している。
なお、上記補強プレート16a、16bもエンドプレート3a、3bと同様に剛性を有する板材、例えばステンレス、アルミニウム合金などの金属材料によって形成されているが、前記エンドプレート3a、3bよりも剛性の高い材料、若しくは厚い板厚のものとしておくのが好ましい。
また、上記プレートフィン2aは内部に第1流体である冷媒が流れる複数の並行した冷媒流路群(この冷媒流路群を含むプレートフィン2aの冷媒流路構成については後に詳述する)を有しており、この冷媒流路群は略U字状に形成されていて、これと繋がる前記流入管4、流出管5(以下、流入管4および流出管5を合わせて流入出管と称する)は、プレートフィン積層体2の一方側(図1では上側)のエンドプレート3aの一端部側に纏めて配置されている。
上記のように構成された本実施形態の熱交換器1は、冷媒がプレートフィン積層体2の各プレートフィン2aの内部の複数の流路群を長手方向に並行に流れUターンして折り返
し流出管5から排出される。一方、第2流体である空気は、プレートフィン積層体2を構成するプレートフィン2aの積層間に形成された隙間を通り抜ける。これにより第1流体である冷媒と第2流体である空気との熱交換が行われる。
次に、図10〜図13、図17〜図22を用いて上記熱交換器1の主体をなすプレートフィン積層体2とこれを構成するプレートフィン2aについて説明する。
図10〜図13はプレートフィン積層体の一部を切断して示す斜視図、図17〜図22はプレートフィンの構成を示す図である。
プレートフィン積層体2は、図10に示すように、二種類の流路構成を有するプレートフィン2a(第1プレートフィン6、第2プレートフィン7)が積層されて構成されている。
上記プレートフィン2aの第1プレートフィン6と第2プレートフィン7は、それぞれ図19に示すように、後に詳述する冷媒流路構成がプレス成形された第1板状部材6aと、これと同じ構成の第2板状部材6bとを向い合せてロウ付け接合することにより構成されている。上記第1板状部材6a、第2板状部材6bは、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属薄板からなる。
以下、プレートフィン2aに形成されている流路構成について説明する。
なお、プレートフィン2aの第1プレートフィン6と第2プレートフィン7は後述する冷媒流路11の位置がずれている以外は同じ構成なので、図17〜図19等においては第1プレートフィン6の場合みの図番を付与して説明する。
プレートフィン2a(6、7)は、図17に示すように、長手方向の一方端部(図17においては左側)にヘッダ領域Hが形成されており、その他の領域が流路領域Pとなっている。そして、ヘッダ領域Hに流入側のヘッダ開口8aと、出口側のヘッダ開口8bの両方が形成され、前記流入管4と流出管5が接続されている。
また、流路領域Pにはヘッダ開口8aからの冷媒が流れる第1流体流路である冷媒流路11が複数並行形成されており、この冷媒流路11群はプレートフィン6の他端部(図13における右側端部近傍)において折り返し、出口側のヘッダ開口8bへと繋がっている。詳述すると、上記冷媒流路11群は、流入側のヘッダ開口8aに繋がる往路側流路部11aと出口側のヘッダ開口8bへと繋がる復路側流路部11bとからなっていて、略U字状に折り返す形となっており、流入側のヘッダ開口8aからの冷媒は往路側流路部11aから復路側流路部11bへとUターンして出口側のヘッダ開口8bへと流れるようになっている。
また、上記流入、流出側のヘッダ開口8a、8bの周りには、図18に拡大して示すように、ヘッダ開口8a、8bと冷媒流路11群とをつなぐヘッダ流路10、14がそれぞれ形成されている。このヘッダ流路10は、ヘッダ開口8a、8bの外周から膨出するよう形成された外周流路10aと、この外周流路10aの冷媒流路11群側に延びる一本の連絡流路10bと、この連絡流路10bを冷媒流路11群の各流路に繋ぐ多分岐流路10cとからなる。
なお、ヘッダ流路10における外周流路10a、連絡流路10bおよび多分岐流路10cは、流路領域Pに並設された各冷媒流路11に比して幅広に形成されており、流れ方向に直交する縦断面形状が矩形形状を有している。
また、上記出口側のヘッダ開口8bの開口形状は流入口側のヘッダ開口8aの開口形状より大きな直径となっている。これは、当該熱交換器が凝縮器として使用されるため出口側で冷媒がガス化して体積が増加しているからである。
また、流入側のヘッダ開口8aへつながる往路側流路部11aの本数は、出口側のヘッダ開口8bへと冷媒が流れる復路側流路部11bの本数より少なく設定されている。これは、ヘッダ開口8a、8bの直径が異なることと同じ理由であり、熱交換された後の冷媒の体積が小さくなるためである。
本実施形態では往復路流路部11aの本数は2本、往路側流路部11bの本数は5本を例示しているが、これに限られるものではない。
また、上記プレートフィン2a(6、7)においては、流入側のヘッダ開口8aからの冷媒が流れ込む往路側流路部11aが形成された領域と、出口側のヘッダ開口8bへと流れる復路側流路部11bが形成された領域との間には、プレートフィン2a(6、7)内における冷媒同士の熱伝導を低減(断熱)する目的でスリット15が形成されている。
以上のような構成のプレートフィン2a(6、7)を積層してプレートフィン積層体2が構成されているが、このプレートフィン積層体2を主体としたこの熱交換器は、図4、図14、図16等に示すように、その出口側となるヘッダ流路14に冷媒の分流制御管24が設けられている。
図14に示すように、分流制御管24は、冷媒の蒸発出口となる出口側のヘッダ開口8b、すなわち出口側のヘッダ流路14内に挿設してあり、その先端部は、図16に示すように、ヘッダ開口が設けられていない側のエンドプレート3bまで延び、当該エンドプレート3bによって閉塞した状態となっている。なお、この分流制御管24はその先端部を閉塞し、エンドプレート3bに当接状態とする構成としてもよいものである。
そして、上記分流制御管24はヘッダ開口8bの内径より小径の管で構成されていてヘッダ開口内面との間に冷媒流通用間隙25を形成しており、その長手方向、すなわちプレートフィン2aの積層方向に複数の分流口26が略等間隔に形成されている。
上記複数の分流口26は冷媒が流れる方向、すなわち出口側のヘッダ開口8bに行くにしたがってその孔径が小さくなるように形成されている。
また、上記分流制御管24は図15に示すように補強プレート16aに取付けてあり、補強プレート16aをプレートフィン積層体2両側のエンドプレート3aへの締結によってヘッダ開口8b内に挿設されるようになっている。
上記分流制御管24が取り付けられている補強プレート16aには前記分流制御管24と対向する他方の面に流出管5が接続固定されている。
以上のように構成したこの熱交換器は、更にプレートフィン積層体2のフィン積層間隔の保持と剛性アップのため以下のように構成されているので、説明しておく。
すなわち、プレートフィン積層体2を構成するプレートフィン2a(6、7)は、その一方、この例では第1プレートフィン6には、図20(a)に示すように、その流路領域Pに、複数の突起12(第1突起:12a、12aa、第2突起:12b)が長手方向に所定間隔おいて形成されている。
上記図20(a)は第1プレートフィン6、(b)は第2プレートフィン7、(c)は両フィンプレート2a(6、7)を重ねたときの状態を示している。
この図20に示すように、第1突起12a、12aaは、プレートフィン長辺縁部(図20(a)では左右両側の長辺縁部)の平面端部19a及びスリット15の両側縁部の平面端部19bにそれぞれ形成されており、図11に示すように積層方向に隣接対向する第2プレートフィン7の長辺縁部の平面端部19aと当接(第1突起12aaはスリット15の両側縁部の平面端部19bに当接するが図示せず)して第2プレートフィン7との間の積層間距離を所定の長さに規定している。そして、上記第1突起12aは、各長辺縁部の端縁より内側、例えば端縁から1mm以上内側(冷媒流路11側)に離れて位置するように形成してある。
第2突起12bは、図20(a)から明らかなように、冷媒流路11群の流路間、この例では非流路部18となる窪み平面部20に所定間隔をおいて形成されている。この第2突起12bは、図20(b)に示す積層方向に隣接する第2プレートフィン7の窪み平面部20に当接して第1突起12aと同様に第2プレートフィン7との間の積層間距離を所定の長さに規定している。
また、上記各突起12(12a、12aa、12b)は、図21に示すように、第1プレートフィン6の前記平面端部19a、19bおよび窪み平面部20の一部を切り起こすことによって形成されており(以下、突起12(12a、12aa、12b)を切り起こし突起と称す)、その切り起こし端縁Yがプレートフィン2aの積層間を流れる第2流体の矢印で示す流れ方向と対向し、切り起こし立ち上り片Zが第2流体の流れに沿うようになっている。本実施形態では第2流体の流れ方向に向かって開口するような断面略コ字状に切り起こし形成してある。
そして、上記各切り起こし突起12(12a、12aa、12b)は、各プレートフィン2a(6、7)、エンドプレート3(3a、3b)のロウ付け接合時にその各頂面が隣接するプレートフィン2a(6、7)に固着され、各プレートフィン2a(6、7)を一体に連結している。
なお、上記第1切り起し突起12a、12aaおよび第2切り起し突起12bは第2流体(空気)の流れ方向に沿って直線状になるように配設されているが、千鳥配列に配設してもよいものである。
また、前記プレートフィン2a(6)は、図22に示すように、その冷媒流路11群がUターンする流路領域Pの折返し側の端部のフィン平面部21にも複数の突起22(22a、22b)が形成されている。この突起22(22a、22b)もフィン平面部21を切り起して形成されており(以下、突起22(22a、22b)も切り起こし突起と称す)、その切り起し突起22(22a、22b)の切り起こし端縁Yが第2流体の流れに対向している。また、上記切り起こし突起22(22a、22b)は位置決め用ボス孔13の下流側に設け、位置決め用ボス孔13の下流側直近の切り起こし突起22aは位置決め用ボス孔13の下流側の流れを縮流する形状、例えば第2流体の流れに向ってハの字状に開口する形に切り起こし形成されている。そして、上記突起22aよりも更に下流側の各突起22bはそれぞれその中心線が一つ下流側の突起22bの中心線とずれるように千鳥配置されている。
なお、上記各切り起こし突起22(22a、22b)も前記切り起こし突起12(第1切り起こし突起:12a、12aa、第2切り起こし突起:12b)と同様、その各頂面
が隣接するプレートフィン2a(7)に当接し固着され、隣接するプレートフィン2aの間の隙間を所定の長さに規定するとともに各プレートフィン2a同士を連結している。
また、前記プレートフィン2a(6、7)には、図12に示すように、ヘッダ領域Hと流路領域Pの端部に位置決め用の貫通孔(以下、位置決め用ボス孔と称す)13が形成されている。この位置決め用ボス孔13はプレートフィン2a(6、7)の両側に積層されるエンドプレート3a、3bおよび補強プレート16a、16bにも形成されている。そして、上記位置決め用ボス孔13は複数のプレートフィン2a(6、7)を積層するときの位置決めピン治具を装着して他のプレートフィン2aの高精度な積層を可能としており、この実施形態ではプレートフィン積層体2の補強プレート16a、16bおよびエンドプレート3a、3bを連結するボルト等の連結手段9(図3参照)が位置決めピン治具を兼用する形となっている。
更に、上記プレートフィン2a(6、7)の両端部に設けられた位置決め用ボス孔13の外周部分には、上下に膨出した孔外周部(以下、位置決め用ボス孔外周部と称す)13aが形成されている。この位置決め用ボス孔外周部13aは冷媒が流れる流路とは異なる空間を形成しており、図12に示すように、積層方向に隣接するプレートフィン2a(6、7)の間で当接して、プレートフィン2aの積層間隙を保持するヘッダ領域支持部となっている。
そして、この位置決め用ボス孔13の周りに形成される位置決め用ボス孔外周部13aは、図13に示すヘッダ領域Hに形成されている入口、出口両方のヘッダ流路10(10a、10b、10c)とともに、これと積層方向で対向する他方のヘッダ流路10及び位置決め用ボス孔外周部13aにロウ付け固着されプレートフィン2a(6、7)の端部分を一体に連結している。
なお、本開示における冷媒流路11としては、例えば、冷媒が流れる方向に直交する断面形状が、円形形状のもので説明しているが、円形形状の他に、矩形形状などを含む。
また、本実施形態においては、冷媒流路11は、積層方向の両方側に突出した形状のもので説明しているが、積層方向の片側のみに突出して形成されるものであってもよい。なお、本開示において、円形形状とは、円形、楕円、および閉鎖曲線で形成された複合曲線形状も含むものとする。
以上のように本実施形態の熱交換器は構成されており、以下その作用効果について説明する。
まず、冷媒の流れと熱交換作用について説明する。
冷媒は、プレートフィン積層体2の一端部側に接続されている流入管4から流入側のヘッダ開口8aを介して各プレートフィン2aのヘッダ流路10、すなわちヘッダ開口8a周りの外周流路10a、連絡流路10b、多分岐流路10cを介して冷媒流路11群へ流れる。各プレートフィン2aの冷媒流路11群に流れた冷媒はその往路側流路部11aから復路側流路部11bへと折り返して出口側のヘッダ流路10、出口側のヘッダ開口8bを介して流出管5より冷凍システムの冷媒回路へと流れる。
そして、上記冷媒流路11を流れる際に冷媒は前記プレートフィン積層体2のプレートフィン2a積層間を通り抜ける空気と熱交換する。
ここで、上記熱交換器は、入口側となるヘッダ開口8aから冷媒流路11群を介して出
口側となるヘッダ流路14に流れてきた冷媒ガスは、図16の矢印に示すように冷媒流通用間隙25から分流制御管24の管壁に形成された複数の分流口26を経て分流制御管24内へと流れ、出口側のヘッダ開口8bから流出管5へと流出する。
そして、上記分流制御管24に設けた分流口26は、出口側のヘッダ開口8bに行くにしたがってその孔径が小さくなるように形成されているから、冷媒流路11群の各流路を流れる冷媒量を均等化するようになる。
すなわち、この熱交換器は、冷媒流路11を細径化したことによって冷媒の圧損が入口側のヘッダ流路10より出口側のヘッダ流路14の方が数倍も大きくなっている。一方、冷媒の分流は圧損の分布状況によって大きく影響される。よって、この熱交換器は、分流制御管24を従来からの常識である入口側のヘッダ流路10に設けても出口側のヘッダ流路14の圧損が数倍も高いため冷媒流路11を流れる冷媒は出口側のヘッダ流路14の圧損に依拠することになるので、設計通りに分流できない。
しかしながら、本実施形態の熱交換器では、上記分流制御管24を圧損が高い出口側のヘッダ流路14に設けてあり、これにより分流に大きな影響を与える数倍も高い出口側のヘッダ流路14内の軸線方向の圧損分布が均一になるように制御することができる。よって、冷媒流路11群の各流路を流れる冷媒分流量を均一化できるのである。
また、この熱交換器は、流入管4から流入した冷媒が入口側のヘッダ開口8aを通過し、各プレートフィンの内部の冷媒流路11に導入され、出口側のヘッダ開口8bに流入し、流出管5から流出する。
この際、各流路に発生する圧損のために、流入管4から遠い方のプレートフィンの冷媒流路11(図16で、より右に近いプレートフィンの冷媒流路)の方より、流入管4に近い方のプレートフィンの冷媒流路11(図16で、より左に近いプレートフィンの競売流路)の方が冷媒が流れやすい。換言すれば、冷媒の流量に偏りが生じる可能性がある。
ところが、出口側のヘッダ開口8b内部に分流制御管24を挿入し、最も出口側の分流口26aの開口面積を、図16に示すように、分流制御管24の出口側(図16で、より左側に近い部分)に設けた分流口26aを、分流制御管24の反出口側(図16で、より右側に近い部分)より小径にして分流口を通る冷媒の圧損を増加させることで、前記のような冷媒流量の偏流を生じず、各プレートフィンの内部の第1流体流路11の冷媒量を均等化でき、熱交換効率を向上させることができる。
その結果、この熱交換器は、冷媒流路11群部分での熱交換効率が向上し、更に熱効率の高い熱交換器とすることができる。
更にまた、上記した分流制御管24による冷媒分流の均一化構成は分流制御管24に分流口26を穿孔するだけの簡単な構成であるから、安価に提供することができる。
そして、更に上記分流制御管24は補強プレート16aに一体化して設けてあるから、補強プレート16aを装着するだけでヘッダ流路14内に挿設することができ、分流制御管24を溶接等によって後付けする場合等に懸念されるプレートフィンロウ付け部分のロウ溶解によるプレートフィン接合不良やそれに伴う冷媒漏れ等の品質不良を防止でき、高品質且つ高効率の熱交換器とすることができる。
また、上記補強プレート16aは分流制御管24及び補強プレート16aに接続されていて流出管5との間の電位差が前記分流制御管24と流出管5とを直付け接続した場合の
両者の間の電位差よりも小さくなる材料で形成してあるから、分流制御管24と流出管5とを直付け接続した場合に生じる異種金属接触腐食の発生を防止することができ、長期使用における信頼性を大きく向上させることができる。特に流入出管を銅管で構成し、分流制御管24をステンレス等で構成することが多い空気調和機用熱交換器にあっては顕著な効果が期待でき、効果的である。
なお、上記分流制御管24はこの実施形態では補強プレート16aに設けてあるが、エンドプレート3a側に設けてもよく、また、補強プレート16aを用いていないタイプの場合はエンドプレート3aの対向する面に分流制御管24と流出管5を設けてもよいものである。
また、この実施形態では冷媒流路11群がUターンする形状のものを想定しているが、後述する実施の形態2で説明する直線状の冷媒流路11群としたものであっても同様に適用することができる。
以上のように、この熱交換器は、プレートフィン積層型であっても各冷媒流路11への冷媒の分流を均一化でき、熱交換効率が向上するものであるが、更に次のよう効果も有するものである。
すなわち、この種の熱交換器は、プレートフィン積層体2のヘッダ領域Hに冷媒の強い圧力が加わり、ヘッダ流路10のあるヘッダ領域H部分等が膨張変形しようとする。
しかしながら、本実施形態で示す熱交換器は、前記プレートフィン積層体2のヘッダ領域対応部分、すなわちプレートフィン積層体2の両側部を覆うエンドプレート3a、3bのヘッダ領域対応部分は、連結手段9によってエンドプレート3a、3b同士を連結しているので、エンドプレート3a、3bのヘッダ領域対応部分が外方へ膨張変形してしまうのを防止できる。
すなわち、図8において、ヘッダ領域部分に加わる冷媒の高い圧力は、上方のエンドプレート3aには上向きに、そして、下方のエンドプレート3bには下向きにそれぞれ変形させようとするが、上方のエンドプレート3aに加わる上向きの膨張変形力は上方のエンドプレート3aに接続された流入管4に存在する冷媒からの下向きの圧力も受けるので、この力で前記上向きの膨張変形力が相殺される形となり、上側のエンドプレート3aのヘッダ領域対応部分の外方への膨張変形が防止できる。そして、下方のエンドプレート3bに加わる下向きの膨張変形力は既述したようにこのエンドプレート3bを上方のエンドプレート3aに連結していることによって抑制することができる。その結果、全体としての膨張変形を緩和することができる。
特に本実施形態では、上記エンドプレート3a、3bのヘッダ領域対応部分の外面に補強プレート16a、16bを設け、この補強プレート16a、16b同士を連結手段9で連結してエンドプレート3a、3bを外方からプレートフィン積層体2に押し付ける形としているので、エンドプレート3a、3bのヘッダ領域対応部分の強度が補強プレート16a、16b自体の剛性によって強化され、そのヘッダ領域対応部分の膨張変形を強力に抑制するようになる。
また、上記補強プレート16a、16bを設けたことにより本実施形態において例示したU字状の流路構成としていても、ヘッダ領域対応部分の膨張変形を確実に抑制することができる。すなわち、本実施形態のプレートフィン積層体2はプレートフィン2aに設けた冷媒流路11を略U字状にUターンさせて入口側のヘッダ流路10及び出口側のヘッダ流路14をプレートフィンの一端部側に纏めているため、当該部分には入口側及び出口側
の圧力がダブルでかかることになる。しかしながら、本実施形態で示す構成とすればこのようなダブルの冷媒圧力が加わってもこれに抗して膨張変形を確実に防止することができる。
したがって、冷媒量が多い熱交換器であったり、圧縮比率が高い環境対応型の冷媒を使用するものであったりしても、プレートフィン積層体2のヘッダ領域部分の膨張変形を防止できる。そして、その結果、上記冷媒の圧力をより高い状態のものとして使用することが可能となり、効率の高い熱交換器とすることができる。
しかも、この熱交換器では前記プレートフィン2aに形成した冷媒流路用の凹状溝の断面積を小さくすることによって冷媒流路11群の各流路面積の細径化を図り、熱交換効率を向上させるとともに小型化を推進することができる。
つまり、プレートフィン積層体2のヘッダ領域対応部分での膨張変形を防止しつつ冷媒流路11の流路断面積の細径化を図って熱交換効率を向上し、かつ、小型化を促進することができる。
なお、前記補強プレート16a、16bはヘッダ領域対応部分のみに設ければよいので、当該補強プレート16a、16bを設けたことによって増加する体積増加は最小限に抑えることができ、熱交換器の小型化を損なうことなく膨張変形防止と熱交換効率の向上を実現することができる。
また、上記ボルト等の連結手段9はプレートフィン2a、エンドプレート3a、3b、補強プレート16a、16bを積層するときのガイドピン(治具)として利用することができ、これにより積層精度を高めるとともに、生産性も向上させることができる。
また、本実施形態の熱交換器においては、前記プレートフィン2aに設ける冷媒流路11群は略U字状に形成して折り返すようにしてあるから、プレートフィン2aを大きく(長さ寸法を長く)することなく冷媒流路長を長くすることができる。
これにより、冷媒と空気の熱交換効率を高め、冷媒を確実に過冷却状態にして冷凍システムの効率を向上させることができる。しかも、熱交換器の小型化も実現することができる。
しかも上記冷媒流路11群の往路側流路部11aと復路側流路部11bとの間はスリット15が形成されていて熱的に分断された形となっているので、冷媒流路11群の往路側流路部から復路側流路部への熱移動を阻止して冷媒を効率よく過冷却することができ、熱交換効率のさらなる向上を図ることができる。
また、この実施形態の熱交換器は、プレートフィン積層体2の流路領域Pには複数の切り起こし突起12(12a、12b)が設けてあるから、流路領域Pにおける熱交換効率を向上させることができる。詳述すると、上記切り起こし突起12(12a、12b)はその切り起こし端縁Yがプレートフィン2aの積層間を流れる第2流体の流れ方向と対向するように形成されているから、プレートフィン積層間の間隔を一定化するとともに、切り起こし突起12(12a、12b)の下流側に生じがちな死水域を極小とし、かつ、切り起こし端縁Y部分で前縁効果を生じさせることができる。しかも第2流体の流れ方向と対向するように切り起し形成しているから、第2流体に対する流れ抵抗も小さなものとすることができる。したがって、プレートフィン積層体2の流路領域Pにおける流路抵抗増大を抑制しつつその熱交換効率を大きく向上させることができる。
なお、プレートフィン2aに設ける切り起こし突起12(12a、12b)は第2流体に対し千鳥配列したり、風上側より風下側を多く形成したりするなど、切り起こし突起12の配置構成に関しては、各種の構成を提示することができるが、熱交換器の仕様、構成、および使用者の要望に応じて熱伝達率を向上させる最適な構成が選択されればよい。
また、上記各切り起こし突起12(12a、12b)は、プレートフィン積層体2の間隙を流れる空気の流れ方向が開口する形に切り起こし形成しているから、空気が流れる方向、すなわち冷媒流路と交差する方向の冷媒流路間の窪み平面20から肉盗みする必要がなくなる。したがって、切り起こし突起12bを円柱状突起等のように隆起させて形成するものに比べ冷媒流路同士の間の窪み平面20は肉盗み寸法不要な分だけ狭いものとすることができ、その分プレートフィン2aの幅、換言すると熱交換器を小型化することができる。
加えて、前記プレートフィン2aはその長辺部分の端縁が冷媒流路11の交互位置ずれ配置(図11参照)により幅狭平面20aと幅広平面20bとなっていて、幅広平面20b側に切り起こし突起12bを形成してその頂面を隣接するプレートフィン2aの幅狭平面20aに固着しているから、幅狭平面20a側の幅を広くするなどしなくてもよくなる。すなわち幅広平面20bを利用して幅広平面側に切り起し突起を設け幅狭平面20aに当接固着する形とすることにより、プレートフィン長辺部分の幅狭平面側の幅を広くすることなくそのまま幅狭平面のままとすることができ、その分熱交換器の小型化を促進することができる。
また、上記切り起こし突起12(12a、12b)は、各プレートフィン2a、エンドプレート3a、3bのロウ付け接合時にその各頂面が隣接するプレートフィン2aに固着しているので、各プレートフィン2aを一体に連結する役目も果たし、プレートフィン積層体2の剛性を向上させることができる。
特に本実施形態では、冷媒流路11群の連絡流路10bの延長線上部分は非流路部18とし、この非流路部18を利用して前記突起12(12a、12b)の一部、すなわち第2切り起こし突起12bを設けているので、冷媒流路11群部分のフィンプレート間の積層間隙を確実に維持することができる。これによって冷媒流路11群部分での空気の流れをバラツキのない安定したものとして熱交換効率を向上させることができる。
また、上記プレートフィン積層体2の長辺部分に設けた第1切り起こし突起12aは、強度的に弱くなりがちなプレートフィン積層体2の長辺縁部の強度を向上させることになり、効果的である。特に、プレートフィン積層体2のスリット15の両側縁部分に設けた第1切り起こし突起12aは、スリット15を設けたことによって分断され強度が低下するスリット縁部分の強度を向上させるので、熱交換効率の向上を図りつつスリット近傍の変形をも防止でき効果的である。
なお、上記スリット15の両側縁部分に設けた第1切り起こし突起12aはスリット15を跨る形で設けてもよいが、この場合は冷媒流路11群の往路側流路部11aと復路側流路部11bとの間で熱伝導が起きてスリット15による断熱効果の低下が懸念される。しかしながら、本実施形態のようにスリット15の両側縁部分にそれぞれ分けて設けておけばこのような熱伝導懸念もなくなり、効果的である。また、第1切り起こし突起12aaはスリット15から離れた場所に設けてもよい。
また、上記プレートフィン積層体2の長辺部分及びスリット15の両側部分に設けた第1切り起こし突起12aはプレートフィン積層体2のプレートフィン長辺の端縁から離れた位置に設けてあるから、プレートフィン積層体2のプレートフィン2aに結露水が生じ
この結露水がプレートフィン2aの端縁に沿って流れ排出されるような形となるとき、前記第1切り起こし突起12aによって流れが遮られ当該切り押し突起12a部分に溜まって各種の障害が発生するのを未然に防止することができ、信頼性の高い熱交換器とすることができる。
また、本実施形態の熱交換器においては、前記プレートフィン2aの冷媒流路Uターン側端部にも更に切り起こし突起22(22a、22b)が設けてあるから、冷媒流路11がないプレートフィン2aのUターン側端部の熱交換寄与度を上げることができる。したがって、プレートフィン2aの流路領域全長に渡って熱交換効率を高めることができ、熱交換器の熱効率を向上させることができる。
特に上記プレートフィン2aのUターン側端部は、位置決め用ボス孔13があってその下流側が死水域となるため熱交換寄与度が極端に低いものとなっているが、この実施の形態では上記位置決め用ボス孔13の下流側に複数の切り起こし突起22(22a、22b)を設けているので、位置決め用ボス孔13下流側全域の熱交換寄与度を向上させることができる。
特に、上記位置決め用ボス孔13の下流側直近の切り起こし突起22aは、位置決め用ボス孔13の下流側の流れを縮流する形状としてあるから、位置決め用ビス孔下流側に生じる熱交換寄与度の低い死水領域を極小化することができ、その分更に熱交換効率を向上させることができる。
加えて、上記各切り起こし突起22(22a、22b)は前記流路領域Pに設けた切り起し突起12(12a、12b)と同様に切り起し形成してその切り起こし端縁Yが第2流体の流れに対向する形としてあるから、切り起こし端縁部分で前縁効果を生じさせることができ、その分熱交換効率を更に向上させることができる。
そして、前記位置決め用ボス孔13の下流側に設けた複数の切り越し突起22、23は第2流体の流れに対し蛇行する千鳥配列となっているから、そのすべてが有効に熱交換機能を発揮し、熱交換寄与度が高いものとなる。
そしてさらに、上記各切り起こし突起22(22a、22b)もその頂部は隣接するプレートフィン2aに固着されてプレートフィン2aの短辺部分を積層状態に連結固定しているから、プレートフィン積層体2の剛性を高めることもできる。
なお、上記位置決め用ボス孔13の下流側直近に設けた切り起こし突起22は本実施形態では第2流体の流れ方向に向かって開口するような断面略コ字状に切り起こし形成してあるが、これは略L字状の一対の切り起しとして向かい合う形態としたものであってもよく、位置決め用ボス孔13の下流側の流れを縮流する形状となっておればよいものである。
(実施の形態2)
本実施形態の熱交換器は、図23〜図26に示すように、冷媒流路群の形状とヘッダ開口の設置位置が前記実施の形態1の熱交換器と異なるもので、前記実施の形態1の熱交換器と同じ機能を有する部分には同一番号を附記し異なる部分を中心に説明する。
図23は実施の形態2における熱交換器の外観を示す斜視図、図24は同プレートフィン積層型熱交換器のプレートフィン積層体を構成するプレートフィンの平面図同熱交換器におけるプレートフィンの平面図、図25は同熱交換器におけるプレートフィンの構成を一部を拡大して示す分解図、図26は同熱交換器におけるプレートフィン積層体の冷媒流
路群部分を切断して示す斜視図である。
図23〜図26において、本実施形態の熱交換器は、プレートフィン2aに設けられている冷媒流路11群が直線状であって、その一端部側に入口側のヘッダ開口8a、他端部側に出口側のヘッダ開口8bが設けられている。そして、入口側のヘッダ開口8aに流入管4、出口側のヘッダ開口8bに流出管5が接続されており、冷媒はプレートフィン2aの一端部側から他端部側に直線状にながれて流出するようになっている。
また入口側のヘッダ開口8a周りに形成されているヘッダ流路10は、ヘッダ開口周りの外周流路10a、連絡流路10b、多分岐流路10cからなるが、連絡流路10bは外周流路10aからプレートフィン2aの短辺方向に延びるように形成された後、多分岐流路10cに繋がっており、出口側のヘッダ流路14もこの入口側のヘッダ流路10と同じように構成されていて、両者は対称的な形状をなしている。
また、プレートフィン積層体2両側のエンドプレート3a、3bは補強プレート16a、16bを用いることなく連結手段9によって連結し、エンドプレート3a、3b両端のヘッダ領域Hでの膨張変形を防止する構成となっている。
以上のように構成されて熱交換器は、冷媒流路11群をU字状にしたことによる効果を除き細部の構成、効果を含め前記実施の形態1で説明した熱交換器と同様であり、説明は省略する。
なお、前記実施の形態1のプレートフィン2aのUターン側端部に設けた切り起し突起22は、この例では入口及び出口両側のヘッダ領域に適宜設ければよく、前記Uターン側端部に設けた切り起し突起22(22a、22b)と同様の思想、例えば死水域となるヘッダ流路10の下流側に形成するなどすればよい。
(実施の形態3)
この実施の形態3は、先に示した各実施形態の熱交換器の一つを用いて構成した冷凍システムである。
本実施の形態では冷凍システムの一例として空気調和機を説明する。図27は空気調和機の冷凍サイクル図、図28は同空気調和機の室内機を示す概略断面図である。
図27、図28において、この空気調和装置は、室外機51と、室外機51に接続された室内機52から構成されている。室外機51には、冷媒を圧縮する圧縮機53、冷房暖房運転時の冷媒回路を切り替える四方弁54冷媒と外気の熱を交換する室外熱交換器55、冷媒を減圧する減圧器56が配設されている。また、室内機52には、冷媒と室内空気の熱を交換する室内熱交換器57と、室内送風機58とが配設されている。そして、前記圧縮機53、四方弁54、室内熱交換器57、減圧器56、室外熱交換器55を冷媒回路で連結してヒートポンプ式冷凍サイクルを形成している。
本実施形態による冷媒回路には、テトラフルオロプロペンまたはトリフルオロプロペンをベース成分とし、ジフルオロメタンまたはペンタフルオロエタンまたはテトラフルオロエタンを、地球温暖化係数が5以上、750以下となるように、望ましくは350以下、さらに望ましくは150以下となるようにそれぞれ2成分混合もしくは3成分混合した冷媒を使用している。
上記空気調和機は、冷房運転時には、四方弁54を圧縮機53の吐出側と室外熱交換器55とが連通するように切り換える。これにより、圧縮機53によって圧縮された冷媒は
高温高圧の冷媒となって四方弁54を通って室外熱交換器55に送られる。そして、外気と熱交換して放熱し、高圧の液冷媒となり、減圧器56に送られる。減圧器56では減圧されて低温低圧の二相冷媒となり、室内機52に送られる。室内機52では、冷媒は室内熱交換器57に入り室内空気と熱交換して吸熱し、蒸発気化して低温のガス冷媒となる。この時室内空気は冷却されて室内を冷房する。さらに冷媒は室外機51に戻り、四方弁54を経由して圧縮機53に戻される。
暖房運転時には、四方弁54を圧縮機53の吐出側と室内機52とが連通するように切り換える。これにより、圧縮機53によって圧縮された冷媒は高温高圧の冷媒となって四方弁54を通り、室内機52に送られる。高温高圧の冷媒は室内熱交換器57に入り、室内空気と熱交換して放熱し、冷却され高圧の液冷媒となる。この時、室内空気は加熱されて室内を暖房する。その後、冷媒は減圧器56に送られ、減圧器56において減圧されて低温低圧の二相冷媒となり、室外熱交換器55に送られて外気と熱交換して蒸発気化し、四方弁54を経由して圧縮機53へ戻される。
上記のように構成された空気調和機は、その室外熱交換器55或いは室内熱交換器57に前記各実施の形態で示した熱交換器を使用することにより、熱交換器がヘッダ領域部分での膨張変形がなく小型且つ高効率であるから、省エネ性の高い高性能な冷凍システムとすることができる。
本発明は、出口側ヘッダ流路内の圧損分布を制御することによって分流を均一化でき、分流均一化と流路の細径化による熱交換効率の向上により小型且つ高効率な熱交換器及びそれを用いた省エネ性の高い高性能な冷凍システムを提供することができる。よって、家庭用及び業務用エアコン等に用いる熱交換器や各種冷凍機器等に幅広く利用でき、その産業的価値は大なるものがある。
1 熱交換器
2 プレートフィン積層体
2a プレートフィン
3、3a、3b エンドプレート
4 流入管(入口ヘッダ)
5 流出管(出口ヘッダ)
6 第1プレートフィン
6a 第1板状部材
6b 第2板状部材
7 第2プレートフィン
8、8a、8b ヘッダ開口
9 連結手段(ボルト・ナット)
10 ヘッダ流路
10a 外周流路
10b 連絡流路
10c 多分岐流路
11 冷媒流路(第1流体流路)
11a 往路側流路部
11b 復路側流路部
12 切り起こし突起
12a、12aa 突起(第1切り起こし突起)
12b 突起(第2切り起こし突起)
13 貫通孔(位置決め用ボス孔)
13a 孔外周部(位置決め用ボス孔外周部)
14 ヘッダ流路
15 スリット
16a、16b 補強プレート
17 分流衝突壁
18 非流路部
19a、19b 平面端部
20 窪み平面部
20a 幅狭平面
20b 幅広平面
21 フィン平面部
22(22a、22b) 突起(切り起し突起)
24 分流制御管
25 冷媒流通用間隙
26、26a、26b 分流口
27 中空枠体
51 室外機
52 室内機
53 圧縮機
54 四方弁
55 室外熱交換器
56 減圧器
57 室内熱交換器
58 室内送風機

Claims (4)

  1. 第1流体が流れる流路を有するプレートフィン積層体の各プレートフィン積層体間に第2流体を流して、前記第1流体と前記第2流体との間で熱交換する熱交換器であって、前記プレートフィン積層体のプレートフィンは、前記第1流体が並行に流れる複数の第1流体流路を有する流路領域と、前記流路領域の各第1流体流路に連通するヘッダ流路を有したヘッダ領域と、を備えるとともに、前記第1流体流路は前記プレートフィンに凹状溝を設けて形成し、かつ、前記ヘッダ流路は入口側ヘッダ流路と出口側ヘッダ流路とを備え、入口側ヘッダ流路と出口側ヘッダ流路とのうち、第1流体の蒸発出口となる前記出口側ヘッダ流路にのみ前記第1流体を第1流体流路から合流させ流出する第1流体分流制御管を設けた熱交換器。
  2. 第1流体分流制御管は複数の第1流体分流口を設けて構成し、前記第1流体分流口は蒸発出口となる出口管から遠い方の開口面積を前記出口管から近い方の開口面積よりも大きく設定した請求項1に記載の熱交換器。
  3. プレートフィンに形成した第1流体流路は略U字状にUターンさせて前記第1流体流路と連通するヘッダ領域をプレートフィンの一端部側に纏めた請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 冷凍サイクルを構成する熱交換器を前記第1項〜第3項のいずれか一項に記載の熱交換器とした冷凍システム。
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