以下、添付図面を参照して、本願の開示する便器洗浄装置および水洗大便器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
以下では先ず、第1の実施形態に係る便器洗浄装置の構成の概要について図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る便器洗浄装置の構成の概要を示す図である。
図1に示すように、便器洗浄装置4は、便器本体2へ洗浄水を供給する給水機能部20と、カメラ60とを備える。カメラ60は、例えば便蓋200(後述する図2参照)の裏側など、ボウル部11の汚物受け面11aを臨む位置に設置され、ボウル部11を撮像する。なお、カメラ60は、撮像部の一例である。
給水機能部20は、制御部50と、記憶部51とを備える。なお、給水機能部20は、制御部50や記憶部51の他に、洗浄水が流れる給水路や洗浄水を貯留する貯水タンクなどの構成要素を備えるが、かかる構成要素については、図3を用いて後述する。
制御部50は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの図示しない演算処理装置を備え、給水機能部20全体およびカメラ60などを制御する。
記憶部51は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ等の記憶装置であり、基準画像情報データベース(DB(Data Base))51aを有する。基準画像情報DB51aには、汚れが付着していない状態のボウル部11を示す基準画像情報52が格納される。
なお、図1では、理解の便宜のため、基準画像情報52として、汚れが付着していない状態のボウル部11の画像そのものを示したが、これは例示であって限定されるものではない。すなわち、基準画像情報52は、例えば、汚れが付着していない状態のボウル部11の画像における輝度、色相、彩度、階調などを数値化し、後述するボウル部11の汚れの有無を判定する処理の際に基準となり得る基準値(しきい値)などであってもよい。
上記のように構成された便器洗浄装置4において、制御部50は、ボウル部11の汚れの有無に応じてボウル部11への洗浄動作を制御する。詳しくは、制御部50は、先ずカメラ60で撮像された画像情報62を取得する(ステップS1)。より詳しくは、例えば、図示しない使用者が排便して1回目のボウル部11に対する洗浄動作が完了した後に、制御部50は、カメラ60を用いてボウル部11を撮像し、かかる撮像によって得られた画像情報62を取得する。
なお、図1の例では、画像情報62としてボウル部11の画像そのものを示したが、基準画像情報52と同様、これに限定されるものではなく、例えば撮像したボウル部11の画像における輝度等の数値であってもよい。また、上記した1回目の洗浄動作は、ボウル部11へ洗浄水を供給し、ボウル部11全体を均一に洗浄する洗浄動作であるものとする。
続いて、制御部50は、基準画像情報DB51aに格納されている基準画像情報52を取得する(ステップS2)。次いで、制御部50は、カメラ60で撮像された画像情報62と基準画像情報52とを比較して、ボウル部11における汚れの有無を判定する(ステップS3)。なお、上記した汚れの有無を判定する処理については、後述する。
図1の画像情報62の例では、ボウル部11に汚物等の汚れLが付着している状態を示している。従って、制御部50は、ボウル部11に汚れLが有ると判定することとなる。
ここで、ボウル部11における汚れLの付着について説明する。上記のように、排便後にボウル部11へ洗浄水を供給して1回目の洗浄動作が行われたにもかかわらず、ボウル部11に汚れLが付着する事象は、例えばボウル部11の形状バラツキなどに起因している。すなわち、ボウル部11において、汚物等の汚れLが付着する位置は、例えばボウル部11の形状バラツキや使用者ごとの身体的特徴(例えば排便姿勢や大便の硬さ)の差異などに起因して偏ることがある。
そのため、上記した1回目の洗浄動作のように、ボウル部11全体を均一に洗浄するだけでは、汚れLを完全に洗い流すことができず、図1の画像情報62に示すように、ボウル部11に汚れLが残ることがある。
そこで、制御部50は、次に使用者が排便して2回目の洗浄動作を行う際、汚れLの有無を判定する処理の判定結果に基づいてボウル部11への洗浄動作を制御するようにした(ステップS4)。
具体的には、制御部50は、例えばボウル部11に汚れLが有ると判定された場合、汚れLが付着している領域に向けて供給される洗浄水の量を、汚れLが付着していない領域よりも増加させる洗浄動作を行うようにする。なお、かかる洗浄動作の様子を図1の下段に示した。図1の下段では、洗浄水の流れを矢印Mで示し、汚れLの付着した領域に対する洗浄水が他の領域よりも多く供給されている様子を示している。
このように、本実施形態に係る便器洗浄装置4にあっては、カメラ60で撮像したボウル部11の画像情報62から汚れLの有無や位置を学習し、次回の洗浄動作に反映させるようにしたので、使用者の作業負荷を増加させることなく、洗浄性能を向上させることができる。
以下、図1に示した本実施形態に係る便器洗浄装置4の構成について、より具体的に説明してゆく。図2は、便器洗浄装置4を備えた水洗大便器1を模式的に示す斜視図である。
図2に示すように、水洗大便器1は、洋式の便器本体2と、衛生洗浄装置3と、便器洗浄装置4とを備え、トイレ室内に設置される。便器本体2は、汚物受け面11aで汚物を受けることが可能なボウル部11を備える。なお、図2では、床置き式の便器本体2を示したが、これに限定されるものではなく、壁掛け式であってもよい。
衛生洗浄装置3は、便器本体2の上部に設けられる。衛生洗浄装置3は、本体部70と、便座100と、便蓋200とを備える。便座100および便蓋200はともに、開閉可能なように本体部70に取り付けられる。
本体部70は、ノズルユニット71と、ケース部73とを備える。ノズルユニット71は、洗浄水を使用者の身体等へ噴出する洗浄ノズル72を備える。洗浄ノズル72は、ケース部73に対して進退可能に構成される。
詳しくは、例えば、洗浄ノズル72には、図示しないモータなどの駆動源が接続される。洗浄ノズル72は、駆動源の駆動により、便器本体2のボウル部11内へ進出した位置と、ケース部73内に後退して格納される位置との間で進退させられる。なお、図2では、進出した位置にある洗浄ノズル72を二点鎖線で示す一方、後退した位置にある洗浄ノズル72を破線で示した。
洗浄ノズル72は、進出した位置で洗浄水を使用者の身体へ噴出させて局部を洗浄する。また、洗浄ノズル72は、後退した位置で洗浄水を使用前の便器本体2の汚物受け面11aへ噴出させて汚物の付着を抑制するようにしてもよい。ケース部73は、上記したノズルユニット71などを収容する。
便器洗浄装置4の給水機能部20は、便器本体2の後方に設けられた化粧パネル26の内部に配置され、外部から視認できない状態となっている。また、便器洗浄装置4のカメラ60は、図2に示す例では、便蓋200の裏側に設置されるが、これに限定されるものではない。すなわち、カメラ60は、例えば便座100の裏側や洗浄ノズル72付近など、ボウル部11を撮像可能であれば、その他の場所に設置されてもよい。
次に、図3を参照して便器本体2および給水機能部20についてさらに詳しく説明する。図3は、第1の実施形態に係る水洗大便器1を模式的に示す全体構成図である。なお、図3を含む各図面では、説明に必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略する場合がある。
図3に示すように、便器本体2は、ボウル部11に加え、排水トラップ管路12を備える。また、ボウル部11は、リム部14と、リム吐水口15と、ジェット吐水口16とを備える。
リム部14は、汚物受け面11aの上縁に形成される。リム吐水口15は、リム部14の内周面14aに形成される開口である。リム吐水口15は、後述するリム側給水路35に接続され、かかるリム側給水路35から供給された洗浄水をボウル部11の汚物受け面11aへ吐水して汚物受け面11aにおいて旋回流を生じさせる。なお、本明細書では、リム吐水口15から洗浄水が吐水されることを「リム吐水」という場合がある。
ジェット吐水口16は、汚物受け面11aの底部11a1に設けられ、排水トラップ管路12側に向けて対向するように形成される開口である。ジェット吐水口16は、後述するジェット側給水路42に接続され、かかるジェット側給水路42から供給された洗浄水を排水トラップ管路12へ吐水し、排水トラップ管路12内を洗浄水で急速に満たすことで、サイホン作用を早期に発生させる。なお、本明細書では、ジェット吐水口16から洗浄水が吐水されることを「ジェット吐水」という場合がある。
排水トラップ管路12は、入口部12aと、トラップ上昇部12bと、トラップ下降部12cとを備える。入口部12aは、汚物受け面11aの底部11a1と連続するように設けられ、ボウル部11からの洗浄水を排水トラップ管路12へ流入させる。トラップ上昇部12bは、入口部12aから斜め上方へ向けて延びるように形成される。トラップ下降部12cは、トラップ上昇部12bから下方へ向けて延びるように形成される。
また、トラップ下降部12cの下端には、排水管17が接続される。したがって、便器洗浄が行われる場合、ボウル部11の洗浄水は、排水トラップ管路12の入口部12a、トラップ上昇部12bおよびトラップ下降部12cを介して排水管17へと排水される。
なお、排水トラップ管路12およびボウル部11には、洗浄水が貯留される。ここで、排水トラップ管路12等に溜まった洗浄水を「溜水」と称し、図3において符号Wで示す。このように、排水トラップ管路12等が溜水で満たされることで、溜水が封水として機能し、排水管17からの臭気等がボウル部11側へ逆流することを防止する。
ここで、上記したリム吐水およびジェット吐水について説明する。便器洗浄が行われる際、まずリム吐水が行われ、ボウル部11の汚物受け面11aを洗浄する。以下では、かかるリム吐水を「前リム吐水」という場合がある。なお、前リム吐水は、ジェット吐水が終了するまで継続される。
続いて、前リム吐水と並行して、ジェット吐水が行われる。これにより、上記したように排水トラップ管路12においてサイホン作用が生じ、よって吐水された洗浄水や溜水は、汚物とともに排水トラップ管路12から排水管17へ排出される。
ジェット吐水の終了後も、引き続きリム吐水が行われる。リム吐水口15から吐水された洗浄水は、ボウル部11の汚物受け面11aを再度洗浄するとともに、排水トラップ管路12へ流れる。これにより、排水トラップ管路12の溜水が補給されて水位が上昇し、便器洗浄が完了する。以下では、ジェット吐水終了後のリム吐水を「後リム吐水」という場合がある。
給水機能部20は、給水路21と、貯水タンク22と、ポンプ23と、制御装置24とを備える。給水路21は、一端側が水道管などの給水源Nに接続される。また、給水路21には、弁などの各種器具が設けられる。詳しくは、給水路21には、上流側から順に止水栓30、ストレーナ31、定流量弁32、電磁弁33および切替弁34が設けられる。
また、給水路21は、切替弁34の下流側において、リム吐水口15へ洗浄水を供給するリム側給水路35と、貯水タンク22へ洗浄水を供給するタンク側給水路36とに分岐される。
止水栓30は、給水源Nから給水路21への洗浄水の流入を停止させるための器具であるが、通常は開けた状態とされる。ストレーナ31は、洗浄水に混入したゴミなどの異物を除去する。定流量弁32は、給水源Nから流入された洗浄水を、所定の流量以下に調整する。
電磁弁33は、制御装置24からの制御信号に応じて開閉する。切替弁34は、制御装置24からの制御信号に応じて動作し、洗浄水の流路をリム側給水路35とタンク側給水路36との間で切り替える。なお、制御装置24は、電磁弁33および切替弁34のうち一方あるいは両方の弁開度を適宜に制御することで、リム吐水口15から吐水される洗浄水(リム吐水)の瞬間流量を可変とすることができる。かかる瞬間流量を変えることで、ボウル部11において洗浄水が供給される位置を調整することができるが、これについては後述する。
リム側給水路35は、下流側がリム吐水口15に接続され、給水源Nからの洗浄水をリム吐水口15へ流通させる。また、リム側給水路35の途中には、リム側バキュームブレーカ37が設けられ、例えば給水路21に負圧が発生した場合に、リム吐水口15から逆流が生じることを防止する。
タンク側給水路36は、下流側が貯水タンク22に接続される。タンク側給水路36の途中にも、タンク側バキュームブレーカ38が設けられ、例えば給水路21に負圧が発生した場合に、貯水タンク22からの逆流が生じることを防止する。なお、リム側バキュームブレーカ37またはタンク側バキュームブレーカ38から洗浄水が溢れた場合、溢れた洗浄水は戻り管路39を通って貯水タンク22へ流入する。
貯水タンク22は、ジェット吐水用の洗浄水を貯水する。貯水タンク22の内部には、上側フロートスイッチ40と、下側フロートスイッチ41とが配置される。上側フロートスイッチ40は、貯水タンク22内の水位が所定の貯水水位に達するとオンに切り替わり、制御装置24はこれを検知して、電磁弁33を閉弁させる。一方、下側フロートスイッチ41は、貯水タンク22内の水位が所定の水位まで低下するとオンに切り替わり、制御装置24はこれを検知して、ポンプ23を停止させる。
また、貯水タンク22には、ジェット側給水路42が接続される。かかるジェット側給水路42は、上流側が貯水タンク22の底面付近に配置される一方、下流側はジェット吐水口16に接続される。
ポンプ23は、ジェット側給水路42の途中に設けられ、制御装置24からの制御信号に応じて駆動する。したがって、ポンプ23は、駆動を示す制御信号が入力されると、貯水タンク22の洗浄水を加圧し、加圧した洗浄水をジェット側給水路42を介してジェット吐水口16から吐水させる。
次に、制御装置24の構成について図4を参照して説明する。図4は、制御装置24の構成を示すブロック図である。
なお、制御装置24は、上記したCPU、RAM、ROM(Read Only Memory)や入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータである。かかるマイクロコンピュータのCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、便器洗浄装置4の動作を制御する。
かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から図示しない記憶部にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、例えばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
図4に示すように、制御装置24は、上記した制御部50および記憶部51を備える。制御部50は、カメラ制御部50aと、画像取得部50bと、判定部50cと、洗浄制御部50dとを備える。また、記憶部51は、上記した基準画像情報DB51aと、洗浄動作情報DB51bとを備える。
カメラ制御部50aは、カメラ60を制御してボウル部11を撮像させる。詳しくは、カメラ制御部50aは、例えば使用者による排便が終わって1回目のボウル部11に対する洗浄動作が完了した後に、カメラ60を制御してボウル部11を撮像させる。画像取得部50bは、カメラ60によって撮像されたボウル部11の画像情報62(図1参照)を取得し、取得した画像情報62を判定部50cへ出力する。なお、上記では、画像情報62が画像取得部50bから判定部50cへ出力されるようにしたが、これに限られず、例えば画像取得部50bは取得した画像情報62を記憶部51に記憶させ、判定部50cは記憶部51から画像情報62を取得するようにしてもよい。
判定部50cは、基準画像情報DB51aから取得し、画像情報62と基準画像情報52とを比較して、ボウル部11における汚れLの有無を判定する。
詳しくは、判定部50cは、画像情報62と基準画像情報52とを比較して、画像における輝度などの差分を算出し、差分の値がしきい値以上である場合、ボウル部11に汚れLが有ると判定する。他方、判定部50cは、差分の値がしきい値未満である場合、ボウル部11に汚れLが無いと判定する。そして、判定部50cは、判定結果を示す情報を洗浄制御部50dへ出力する。
なお、判定部50cが行う汚れLの有無を判定する処理の方法は、上記に限定されるものではなく、その他の方法を用いてもよい。すなわち、例えば判定部50cは、画像情報62における輝度のバラツキによる影響を抑制するため、2値化処理の一つである動的しきい値法を用いて汚れLの有無を判定してもよい。
具体的には、判定部50cは、カメラ60で撮像した画像情報62について平均化してベースとなる輝度のグラフを算出し、そこから所定値をオフセットして基準画像情報52としての動的しきい値を設定する。そして、判定部50cは、平均化前の画像情報62と平均化後の画像情報62との差分を算出し、差分の値が動的しきい値以上の部位(具体的には、輝度が周辺の輝度と比べて極度に変化している部位)を抽出し、かかる抽出した部位を汚れLとして判定するようにしてもよい。なお、判定部50cにあっては、抽出した部位のうち、面積が所定面積以上の部位を汚れLとして判定するようにしてもよい。また、上記では動的しきい値法を用いたが、これに限られず、汚れLの有無を判定可能であれば、例えば固定しきい値法などその他の方法を用いてもよい。
また、判定部50cは、ボウル部11の汚物受け面11aを複数の領域に区画し、区画された領域ごとに汚れLの有無を判定する。図5は、判定部50cによって区画されるボウル部11の領域を説明するための図である。
図5に示すように、判定部50cは、上面視においてボウル部11の汚物受け面11aを9つの領域A〜Iに区画する。詳しくは、領域Iは、汚物受け面11aの底部11a1付近および排水トラップ管路12の入口部12aを含む領域に設定される。また、領域A〜Gは、上面視において汚物受け面11aの中心付近に設定された領域Iを囲み、放射状となるように区画された領域に設定される。なお、図5では、ボウル部11を9つの領域A〜Iに区画したが、これは例示であって限定されるものではなく、領域の数や形状は任意に設定可能である。
そして、判定部50cは、ボウル部11に汚れLが有ると判定した場合、かかる汚れLが有る領域A〜Iについての情報も判定結果として洗浄制御部50dへ出力する。なお、図5に示す例では、汚れLが領域Fに付着した状態を示している。
なお、判定部50cにおいて汚れLがボウル部11中央の領域Iに有ると判定された場合は、汚物受け面11aの底部11a1や排水トラップ管路12の入口部12a付近の溜水内に、残留した汚物が有ると推定するものとする。
図4の説明に戻ると、洗浄制御部50dは、判定部50cによる判定結果に基づいてボウル部11への洗浄動作を制御する。具体的には、洗浄制御部50dは、判定結果に基づいて洗浄動作情報DB51bに記憶されている洗浄動作の情報を取得し、かかる情報に基づいてボウル部11に対する洗浄動作を行う。
ここで、洗浄動作情報DB51bについて図6を参照して説明する。図6は、洗浄動作情報DB51bに記憶された洗浄動作情報テーブルの一例を示す図である。
図6に示すように、洗浄動作情報テーブルの一例は、「洗浄動作情報ID」、「汚れ付着位置」および「洗浄動作情報」などの情報を含み、これらの情報は互いに関連付けられている。
「洗浄動作情報ID」は、洗浄動作情報ごとに割り当てられる識別情報である。「汚れ付着位置」は、上記した領域A〜Iのうち汚れLが有ると判定された領域を示す情報である。なお、「汚れ付着位置」には、汚れLが無いと判定された場合も「無し」として設定される。また、ここでは、理解の便宜のため、汚れLが無いと判定された場合と、汚れLの有無の判定前に用いられる初期設定の場合とを同じ洗浄動作情報IDでまとめることとするが、これに限定されず、別々の洗浄動作情報IDとしてもよい。
「洗浄動作情報」は、領域A〜Iのうち汚れLが有ると判定された領域を重点的に洗浄することのできる洗浄動作の内容を示す情報である。以下では、かかる洗浄動作の内容を「洗浄パターン」と記載する場合がある。
具体的には、「洗浄動作情報」には、汚れLがあると判定された領域A〜Iに対応する洗浄パターンA〜Iが設定されるとともに、汚れLが無いと判定された場合または初期設定の場合に対応する洗浄パターンKが設定される。
洗浄パターンKは、基準となる洗浄パターンであり、例えばボウル部11に対して初期設定量の洗浄水を供給してボウル部11全体を均一に洗浄するとともに、ポンプ23の吐出量も初期設定吐出量とした洗浄動作の内容とされる。
例えば、洗浄パターンKでは、前リム吐水の洗浄水量を0.8L、ジェット吐水の洗浄水量を2.2L、後リム吐水の洗浄水量を1.0Lとし、総洗浄水量を4.0Lとする。なお、本明細書においては、理解を容易にするため、洗浄水量を具体的な数値を挙げて説明するが、かかる数値はあくまで一例であって限定されるものではない。
上記した洗浄パターンA〜Iには、例えば対応する領域A〜Iを重点的に洗浄することのできる電磁弁33や切替弁34の弁開度やポンプ23の吐出量などの情報が含まれる。
洗浄パターンA〜Iのうち洗浄パターンA〜Hは、リム吐水を制御することで、対応する領域A〜Hを重点的に洗浄する洗浄動作の内容である。詳説すると、ボウル部11のリム吐水口15(図3参照)は、開口面積やリム吐水する角度などが所定の設計値となるように形成されている。上記した設計値は既知であることから、例えばリム吐水口15から吐水される洗浄水の流量(正確には瞬間流量)をどのような値にすれば、洗浄水がボウル部11において旋回しながらどの領域まで到達するかを実験等を通じて予め求めることができる。
したがって、洗浄パターンA〜Hには、対応する領域A〜Hに洗浄水が到達するような瞬間流量を実現することのできる、電磁弁33や切替弁34の弁開度などの情報が含まれる。
これについて図7を用いて具体的に説明する。図7は、上記した洗浄パターンA〜Hのうち、汚れLが領域Fに有り、洗浄パターンFで洗浄動作が行われる様子を示す図である。
図7に示すように、電磁弁33等の弁開度が洗浄パターンFで制御され、リム吐水口15から吐水される洗浄水の瞬間流量が適宜に調節されると、太矢印で示される洗浄水は、リム部14を旋回しながら、領域Fに到達したときに旋回の水勢が弱まる。そして、洗浄水は、汚れLの有る領域Fを通って排水トラップ管路12の入口部12aへ落水していくこととなる。このように、本実施形態では、電磁弁33等の弁開度を制御することで、洗浄水を狙った領域Fへ他の領域よりも多く供給することができ、領域Fの汚れLを効率よく洗い流すことが可能となる。
例えば、洗浄パターンA〜Hでは、前リム吐水の洗浄水量を洗浄パターンKよりも多い1.0L、ジェット吐水の洗浄水量を洗浄パターンKより少ない2.0L、後リム吐水の洗浄水量を1.0Lとする。
すなわち、例えば図7に示す例では、領域Fに対して洗浄水を他の領域よりも多く供給することから、前リム吐水の洗浄水量は増加することとなる。また、本実施形態では、上記のように、かかる増加分だけジェット吐水の洗浄水量から減少させるようにしてもよい。これにより、総洗浄水は4.0Lのままで変わらないため、便器洗浄装置4における節水性能が低下することを回避することができる。
次に、洗浄パターンIについて説明する。洗浄パターンIは、領域Iに汚れLが有る場合に対応する洗浄動作の内容が含まれる。詳しくは、上記したように、汚れLが領域Iに有ると判定された場合は、排水トラップ管路12等の溜水内に残留した汚物が有ると推定される。これは、1回目の洗浄動作において、サイホン作用が十分に発生していなかった可能性がある。
そこで、洗浄パターンIでは、ポンプ23の吐出量が、基準となる洗浄パターンKにおける吐出量よりも多くなるような値に設定される。これにより、2回目の洗浄動作では、サイホン作用が十分に発生し、汚物が溜水に残留しないようにすることができる。
例えば、洗浄パターンIでは、前リム吐水の洗浄水量を洗浄パターンKよりも少ない0.6L、ジェット吐水の洗浄水量を洗浄パターンKより多い2.4L、後リム吐水の洗浄水量を1.0Lとする。
すなわち、領域Iに対してジェット吐水の洗浄水を洗浄パターンKよりも多く供給することから、ジェット吐水の洗浄水量は増加することとなる。また、本実施形態では、上記のように、かかる増加分だけリム吐水の洗浄水量から減少させるようにしてもよい。これにより、総洗浄水は4.0Lのままで変わらないため、便器洗浄装置4における節水性能が低下することを回避することができる。
図4の説明に戻ると、洗浄制御部50dは、判定部50cにおける判定結果に基づき、洗浄動作情報DB51bの洗浄パターンA〜Kのうちのいずれかを選択する。具体的には、洗浄制御部50dは、領域Aに汚れLが有ると判定された場合は洗浄パターンAを、領域Iに汚れL(正確には溜水に残留した汚物)が有ると判定された場合は洗浄パターンIを、汚れLが無いと判定された場合は洗浄パターンKを選択する。
そして、洗浄制御部50dは、使用者による次の排便が終わって2回目の洗浄動作を行う際、選択した洗浄パターンに応じて電磁弁33、切替弁34およびポンプ23などを制御し、対応する領域を重点的に洗浄する。
このように、洗浄制御部50dは、複数の領域A〜Iのうち、判定部50cによって汚れLが有ると判定された領域に対して、例えば洗浄水の量を増加させるなどの洗浄動作を行うことで、汚れLを効率よく洗い流すことが可能となり、洗浄性能を向上させることができる。
次に、便器洗浄装置4の具体的な動作例について図8を参照して説明する。図8は、便器洗浄装置4における具体的な動作例を示す図である。
図8に示すように、便器洗浄装置4は、1回目の洗浄動作において、初期設定の場合に選択される洗浄パターンKでの洗浄動作を実行する。そして、便器洗浄装置4は、1回目の洗浄動作後のボウル部11を撮像して得た画像情報62から、汚れLが領域Fに有ると判定された場合、2回目の洗浄動作において、洗浄パターンFでの洗浄動作を実行する。
これにより、領域Fが重点的に洗浄されることとなる。そして、便器洗浄装置4は、例えば2回目の洗浄動作後のボウル部11の画像情報62から、汚れLが無いと判定された場合、3回目の洗浄動作において、基準たる洗浄パターンKでの洗浄動作を実行する。
なお、上記では、2回目の洗浄動作後のボウル部11に汚れLが無いことから、3回目の洗浄動作を洗浄パターンKとしたが、これに限られず、例えば洗浄パターンFを複数回継続して行うようにしてもよい。これにより、ボウル部11において比較的汚れ易い領域(ここでは例えば領域F)が継続して重点的に洗浄されることとなり、洗浄性能をより向上させることができる。
また、上記では、汚れLが有ると判定される領域が一つの場合を例にとって説明したが、複数の領域に汚れLが有ると判定される場合もあり得る。かかる場合、汚れLが有ると判定された領域に対応する洗浄パターンを組み合わせるようにしてもよい。すなわち、洗浄制御部50dは、例えば領域Aと領域Bとに汚れLが有ると判定された場合、洗浄パターンAと洗浄パターンBとを組み合わせ、領域Aと領域Bに対して洗浄水の量を増加させる洗浄動作を行うようにしてもよい。これにより、ボウル部11の汚れLが広範囲に亘る場合であっても、効率よく洗浄でき、洗浄性能をより一層向上させることができる。
次に、図9を参照し、便器洗浄装置4の制御部50が実行する処理について説明する。図9は、制御部50が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図9に示すように、制御部50は、先ず使用者の排便後に洗浄動作を実行する(ステップS11)。制御部50は、ステップS11の処理を最初に行う際は、洗浄パターンKに基づいた洗浄動作を行うものとする。また、制御部50は、ステップS11の処理を2回目以降に行うときは、後述するステップS14またはステップS15で選択された洗浄パターンに基づいた洗浄動作を行うものとする。
次に、制御部50は、ボウル部11をカメラ60を用いて撮像して画像情報62を取得する(ステップS12)。続いて、制御部50は、画像情報62と基準画像情報52とを比較して、ボウル部11における汚れLの有無を判定する(ステップS13)。
次に、制御部50は、ボウル部11に汚れLが有ると判定された場合(ステップS13,Yes)、次回の洗浄動作として、洗浄パターンA〜Iから、汚れLが有ると判定された領域A〜Iに対応する洗浄パターンを選択する(ステップS14)。
他方、制御部50は、ボウル部11に汚れLが無いと判定された場合(ステップS13,No)、次回の洗浄動作として、基準となる洗浄パターンKを選択する(ステップS15)。なお、ステップS14,S15で選択された洗浄パターンA〜I,Kは、次回の洗浄動作を実行するまで、例えば洗浄動作情報DB51bに記憶されるようにしてもよい。そして、制御部50は、次回にステップS11の処理で洗浄動作を実行する際に洗浄動作情報DB51bから読み出し、洗浄パターンA〜I,Kに対応する洗浄動作を行う。
上述してきたように、第1の実施形態に係る便器洗浄装置4は、カメラ60と、判定部50cと、洗浄制御部50dとを備える。カメラ60は、ボウル部11を撮像する。判定部50cは、カメラ60で撮像された画像情報62と、汚れLが付着していない状態のボウル部11を示す基準画像情報52とを比較して、ボウル部11における汚れLの有無を判定する。洗浄制御部50dは、判定部50cによる判定結果に基づいてボウル部11への洗浄動作を制御する。これにより、本実施形態にあっては、使用者の作業負荷を増加させることなく、洗浄性能を向上させることができる。
(第1変形例)
次に、第1変形例に係る便器洗浄装置4について説明する。上記した第1の実施形態では、判定部50cによって汚れLが無いと判定された場合と初期設定の場合とで共に、基準となる洗浄パターンKが選択されるように構成したが、これに限定するものではない。
すなわち、汚れLが無いと判定された場合、洗浄パターンK以外の洗浄パターンが選択されるようにしてもよい。図10は、第1変形例に係る洗浄動作情報DB51bを示す図である。なお、以下においては、第1の実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、第1変形例では、洗浄パターンKとは異なる洗浄パターンK2が洗浄動作情報DB51bに記憶され、判定部50cにおいて汚れLが無いと判定された場合、かかる洗浄パターンK2が洗浄制御部50dによって選択されるようにした。ここで、洗浄パターンK2にあっては、ポンプ23の吐出量が、基準となる洗浄パターンKにおける吐出量よりも多くなるような値に設定されるものとする。
このように、洗浄制御部50dは、判定部50cによって汚れLの付着が無いと判定された場合に、ジェット吐水口16から吐水される洗浄水の量を、基準となる洗浄水の量(ここでは洗浄パターンKでのジェット吐水の量)よりも増加させる動作を次回の洗浄動作として行うようにした。これにより、汚れLが無いと判定された後の洗浄動作では、サイホン作用を確実に発生させて、洗浄性能を向上させることができる。
例えば、洗浄パターンK2では、前リム吐水の洗浄水量を洗浄パターンKよりも少ない0.5L、ジェット吐水の洗浄水量を洗浄パターンKより多い2.5L、後リム吐水の洗浄水量を1.0Lとする。
すなわち、ジェット吐水の洗浄水量は洗浄パターンKの場合よりも増加することとなるが、かかる増加分だけリム吐水の洗浄水量から減少させる。これにより、総洗浄水は4.0Lのままで変わらないため、便器洗浄装置4における節水性能が低下することを回避することができる。
次に、第1変形例に係る便器洗浄装置4の具体的な動作例について図11Aを参照して説明する。図11Aは、第1変形例に係る便器洗浄装置4における具体的な動作例を示す図である。
図11Aに示すように、便器洗浄装置4は、1回目の洗浄動作において、初期設定の場合に選択される洗浄パターンKでの洗浄動作を実行する。そして、便器洗浄装置4は、1回目の洗浄動作後のボウル部11を撮像して得た画像情報62から、汚れLが無いと判定された場合、2回目の洗浄動作において、洗浄パターンK2での洗浄動作を実行する。また、2回目の洗浄動作後も汚れLが無いと判定された場合、3回目以降も洗浄パターンK2での洗浄動作を継続して実行する。これにより、第1変形例では、汚れLが無いと判定されている間は、サイホン作用を確実に発生させ、洗浄性能を向上させ続けることができる。
(第2変形例)
次に、第2変形例に係る便器洗浄装置4について説明する。第2変形例では、図10に括弧書きで示すように、汚れLが無いと判定された場合に洗浄パターンK3が洗浄制御部50dによって選択されるようにした。
ここで、洗浄パターンK3にあっては、リム吐水およびジェット吐水からの洗浄水の量が、基準となる洗浄パターンKにおける洗浄水の量よりも少なくなるような値に設定されるものとする。
このように、洗浄制御部50dは、判定部50cによって汚れLの付着が無いと判定された場合に、ボウル部11に対する洗浄水の量を、基準となる洗浄水の量(ここでは洗浄パターンKでの総洗浄水の量)よりも減少させる動作を次回の洗浄動作として行うようにした。これにより、汚れLが無いと判定された後の洗浄動作では、洗浄水の量が減少して節水化を図ることができる。
例えば、洗浄パターンK3では、前リム吐水の洗浄水量を洗浄パターンKよりも少ない0.7L、ジェット吐水の洗浄水量を洗浄パターンKより少ない2.1L、後リム吐水の洗浄水量を1.0Lとし、総洗浄水は3.8Lとする。
なお、後リム吐水は、排水トラップ管路12の溜水の補給に用いられるため、過度に減少させると溜水の水位が低下して封水切れを起すことがある。そのため、上記した例では、後リム吐水の洗浄水量を洗浄パターンKと同じ1.0Lとして封水切れの発生を抑制するようにしたが、これに限定されるものではなく、後リム吐水の洗浄水量も洗浄パターンKより少ない値にしてもよい。
次に、第2変形例に係る便器洗浄装置4の具体的な動作例について図11Bを参照して説明する。図11Bは、第2変形例に係る便器洗浄装置4における具体的な動作例を示す図である。
図11Bに示すように、便器洗浄装置4は、1回目の洗浄動作において、初期設定の場合に選択される洗浄パターンKでの洗浄動作を実行する。そして、便器洗浄装置4は、1回目の洗浄動作後に得た画像情報62から、汚れLが無いと判定された場合、2回目の洗浄動作において、洗浄パターンK3での洗浄動作を実行する。また、2回目の洗浄動作後も汚れLが無いと判定された場合、3回目以降も洗浄パターンK3での洗浄動作を継続して実行する。これにより、第2変形例では、汚れLが無いと判定されている間は、さらなる節水化を継続的に行うことができる。
(第2の実施形態)
次いで、第2の実施形態に係る便器洗浄装置4について説明する。第1の実施形態などでは、汚れLの有無に応じて洗浄水の量を変更する動作を行うようにしたが、これに限定されるものではない。
具体的には、第2の実施形態に係る便器洗浄装置4において、洗浄制御部50dは、判定部50cによって汚れLが有ると判定された場合、ボウル部11に対して洗剤を含む洗浄水の供給動作を行うようにした。
詳しくは、例えば図3に想像線で示すように、便器洗浄装置4の給水機能部20は、洗剤用タンク45aと、洗剤供給路45bと、電磁弁45cとを備える。洗剤用タンク45aは、ボウル部11用の洗剤を貯留する。洗剤供給路45bは、洗剤用タンク45aと切替弁34の上流側の給水路21とを接続する。電磁弁45cは、洗浄制御部50dによって制御され、洗剤供給路45bを開閉する。
上記のように構成された便器洗浄装置4において、洗浄制御部50dは、汚れLが有ると判定された場合、洗浄水をボウル部11へ供給するタイミングで電磁弁45cを開弁し、洗剤用タンク45aに貯留された洗剤を洗浄水と混合させる。そして、洗剤を含む洗浄水は、例えばリム吐水口15から汚れLが有る領域へ供給されることとなる。
このように、第2の実施形態にあっては、洗剤を含む洗浄水を汚れLの有る領域へ供給することが可能となり、汚れLを効率よく洗い流して洗浄性能をより一層向上させることができる。
(第3の実施形態)
次いで、第3の実施形態に係る便器洗浄装置4について説明する。上記した第2の実施形態では、汚れLの有る領域に洗剤を含む洗浄水を供給するようにしたが、第3の実施形態では、洗浄制御部50dは、判定部50cによって汚れLが有ると判定された場合、ボウル部11に対して殺菌水の供給動作を行うようにした。
詳しくは、例えば図3に想像線で示すように、便器洗浄装置4の給水機能部20は、殺菌水生成部46aと、殺菌水供給路46bと、電磁弁46cとを備える。殺菌水生成部46aは、例えば給水源Nから供給された洗浄水で殺菌水を生成する。図示は省略するが、殺菌水生成部46aは、例えば、洗浄水が貯留された容器内に一対の電極が配置された電解槽を備え、電極に直流電流を通電して洗浄水を電気分解させることで、殺菌水を生成する。
殺菌水供給路46bは、殺菌水生成部46aと切替弁34の上流側の給水路21とを接続する。電磁弁46cは、洗浄制御部50dによって制御され、殺菌水供給路46bを開閉する。
上記のように構成された便器洗浄装置4において、洗浄制御部50dは、汚れLが有ると判定された場合、電磁弁46cを開弁する。なお、このとき、電磁弁33を閉弁して、殺菌水のみをボウル部11へ供給するようにしてもよい。殺菌水生成部46aで生成された殺菌水は、殺菌水供給路46bを通って、例えばリム吐水口15から汚れLが有る領域へ供給されることとなる。
このように、第3の実施形態にあっては、殺菌水を汚れLの有る領域へ供給することが可能となり、汚れLを効率よく洗い流して洗浄性能をより一層向上させることができる。
なお、上記した第1〜第3の実施形態で示した、ボウル部11に対する洗浄水の量の変更動作、洗剤を含む洗浄水の供給動作、および、殺菌水の供給動作は、適宜に組み合わせてもよい。すなわち、便器洗浄装置4にあっては、ボウル部11に対する洗浄水の量の変更動作、洗剤を含む洗浄水の供給動作、および、殺菌水の供給動作のうち少なくともいずれかを洗浄動作として行うことができれば、洗浄性能を向上させることができる。
(第4の実施形態)
次いで、第4の実施形態に係る便器洗浄装置4の構成について説明する。第4の実施形態にあっては、複数の使用者がいる場合に、便器洗浄装置4は使用者を識別し、識別した使用者に対応する洗浄動作を行う構成とした。これにより、第4の実施形態にあっては、使用者ごとに適した洗浄動作を行うことが可能となり、洗浄性能をより一層向上させることができる。
以下、第4の実施形態について図12等を参照しつつ説明する。図12は、第4の実施形態に係る便器洗浄装置4の構成を示すブロック図である。
図12に示すように、便器洗浄装置4は、入力部80をさらに備える。また、制御部50は識別部50eを、記憶部51は個人情報DB51cをさらに備える。
入力部80は、使用者を識別するための情報が入力されるデバイスである。例えば、入力部80は、使用者からの便器洗浄指示を受け付ける操作パネルと共用化されてもよい。すなわち、図示は省略するが、操作パネルには、例えば数字が付された複数のボタンが配置され、使用者は、水洗大便器1を使用する際、自身に振り当てられた番号のボタンを押す。これにより、押されたボタンを示す信号が制御部50の識別部50eへ出力される。
個人情報DB51cは、ボタンの数字と使用者とが関連付けられるとともに、使用者ごとに過去に選択された洗浄パターンが記憶されている。識別部50eは、押されたボタンを示す信号が入力されると、かかる信号と対応する使用者の情報を個人情報DB51cから取得し、水洗大便器1を使用する使用者を識別する。そのとき、識別部50eは、識別した使用者の洗浄パターンの情報も個人情報DB51cから取得して洗浄制御部50dへ出力する。
そして、洗浄制御部50dは、識別部50eによって識別された使用者が水洗大便器1を使用した場合、当該使用者に対応する洗浄動作の情報、すなわち洗浄パターンに基づいて洗浄動作を行う。
なお、上記した便器洗浄装置4では、使用者自身によって押されるボタンの種類(番号)によって使用者を識別するようにしたが、これは例示であって限定されるものではない。すなわち、例えば、水洗大便器1が病院に設置される場合は、バーコードリーダを入力部80として機能させ、患者の手や足に巻かれるバーコードを入力部80で読み取ることで、使用者を識別するようにしてもよい。さらには、例えばトイレ室の入口に、顔認証器や指紋認証器を入力部80として設置し、使用者の顔画像データや指紋データから使用者を識別するようにしてもよい。
次に、第4の実施形態に係る便器洗浄装置4の具体的な動作例について図13を参照して説明する。図13は、第4の実施形態に係る便器洗浄装置4における具体的な動作例を示す図である。
図13に示すように、便器洗浄装置4は、最初に使用者Xが使用した場合、1回目の洗浄動作においては、初期設定の場合に選択される洗浄パターンKでの洗浄動作を実行する。便器洗浄装置4は、1回目の洗浄動作後のボウル部11を撮像して得た画像情報62から、汚れLが領域Fに有ると判定された場合、洗浄パターンFを選択する。そして、便器洗浄装置4は、使用者Xの情報と、使用者Xが水洗大便器1を使用したときの洗浄動作の情報、すなわち選択した洗浄パターンFとを対応付けて個人情報DB51cに記憶させる。
続いて、使用者Xが再び水洗大便器1を使用して2回目の洗浄動作を行う場合、便器洗浄装置4は、使用者Xを識別できるため、個人情報DB51cから使用者Xに対応する洗浄パターンFの情報を取得し、洗浄パターンFでの洗浄動作を実行する。これにより、領域Fが重点的に洗浄されることとなる。そして、以降、使用者Xが水洗大便器1を使用する際は、汚れLが有ると判定されるまで、洗浄パターンFでの洗浄動作を繰り返し行う。すなわち、便器洗浄装置4は、使用者Xに適した洗浄動作は、洗浄パターンFでの洗浄動作と推定して、使用者Xと識別されるとき(図13の例では水洗大便器1の4回目の使用時)は洗浄パターンFでの洗浄動作を繰り返し行うこととする。
なお、図13に示す例では、水洗大便器1を3回目に使用者Yが使用するものとする。図13では、使用者Yが水洗大便器1を使用して洗浄動作を行う場合、汚れLが領域Cに有ると判定されたことから、使用者Yに適した洗浄動作は、洗浄パターンCでの洗浄動作と推定する。そして、便器洗浄装置4は、使用者Yと識別されるとき(図13の例では水洗大便器1の5回目の使用時)は洗浄パターンCでの洗浄動作を繰り返し行うこととする。これにより、第4の実施形態にあっては、使用者ごとに適した洗浄動作を行うことが可能となり、洗浄性能をより一層向上させることができる。
次に、図14を参照し、第4の実施形態に係る便器洗浄装置4の制御部50が実行する処理について説明する。図14は、第4の実施形態に係る制御部50が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図14に示すように、制御部50は、先ず使用者を識別する(ステップS10)。続いて、制御部50は、識別された使用者に対応する洗浄パターンを個人情報DB51cから取得して洗浄動作を行う(ステップS11)。なお、制御部50は、識別された使用者に対応する洗浄パターンが個人情報DB51cに記憶されていない場合は、基準となる洗浄パターンKで洗浄動作を行う。その後のステップS12からステップS15までの処理は、従前の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
そして、制御部50は、ステップS14またはステップS15の処理で洗浄パターンが選択されると、ステップS16において、使用者の情報と選択した洗浄パターンの情報とを対応付けて記憶部51の個人情報DB51cに記憶し、次回以降の洗浄動作に備える。
(第5の実施形態)
次いで、第5の実施形態に係る便器洗浄装置4の構成について説明する。第5の実施形態にあっては、例えば1回目の洗浄動作が完了した後に撮像した画像情報62において汚れLが有ると判定された場合、汚れLが有る領域に対して洗浄動作を再度行うようにした。
このように、第5の実施形態にあっては、汚れLが有ると判定された場合に、洗浄動作を続けて実行するようにしたことから、ボウル部11の汚れLをすぐに洗い流すことができ、洗浄性能を向上させることができる。
しかしながら、上記したように洗浄動作を続けて行うように構成すると、使用者にとっては予期しない洗浄動作が行われることとなるため、使用者に対して違和感を与えるおそれがあった。
そこで、第5の実施形態に係る便器洗浄装置4にあっては、汚れLが有る場合に洗浄動作を再度行うことを許可する「自動洗浄モード」を設けるようにした。そして、かかる「自動洗浄モード」が使用者によって選択されている場合に限って、再度の洗浄動作を行うようにした。これにより、第5の実施形態においては、使用者に対して違和感を与えることなく、ボウル部11の汚れLをすぐに洗い流すことができ、洗浄性能を向上させることができる。
以下、図15等を参照して詳しく説明する。図15は、第5の実施形態に係る便器洗浄装置4の構成を示すブロック図である。図15に示すように、便器洗浄装置4は、モード設定部90をさらに備える。
モード設定部90は、使用者が「自動洗浄モード」を選択するためのデバイスである。モード設定部90は、例えば操作パネルと共用化され、操作パネルに設けられたボタンなどを用いることができる。かかるボタンたるモード設定部90が使用者によって操作されると、「自動洗浄モード」が選択されたことを示す信号を洗浄制御部50dへ出力する。なお、モード設定部90が使用者によって再び操作されると、「自動洗浄モード」が解除されたことを示す信号を洗浄制御部50dへ出力する。
そして、洗浄制御部50dは、自動洗浄モードが選択されたことを示す信号が入力され、かつ、汚れLが有ると判定される場合に、汚れLが有る領域に対して洗浄動作を再度行う。
次に、図16を参照し、第5の実施形態に係る便器洗浄装置4の制御部50が実行する処理について説明する。図16は、第5の実施形態に係る制御部50が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図16に示すように、ステップS11からステップS15までの処理は、従前の実施形態と同じであるため、説明を省略する。制御部50は、ステップS14において洗浄パターンA〜Iから、汚れLが有ると判定された領域A〜Iに対応する洗浄パターンを選択した後、自動洗浄モードが選択されているか否かを判定する(ステップS17)。
制御部50は、自動洗浄モードが選択されていないと判定された場合(ステップS17,No)、そのまま処理を終了する。他方、制御部50は、自動洗浄モードが選択されていると判定された場合(ステップS17,Yes)、ステップS14で選択した洗浄パターンに基づいた洗浄動作を再度行う(ステップS18)。
これにより、汚れLが有る領域に対して洗浄動作が行われ、結果として汚れLをすぐに洗い流すことが可能となる。また、上記したように、自動洗浄モードが使用者によって選択されている場合に限って再度の洗浄動作を行うように構成したことから、使用者に対して違和感を与えることもない。
なお、上記した各実施形態においては、電磁弁33等の弁開度を制御してリム吐水の瞬間流量を変えることで、ボウル部11において洗浄水が供給される位置を調整するようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、リム吐水口15付近に、リム吐水の開口面積を可変にする機構を設けたり、リム吐水口15の吐水方向を変える機構を設けたりして、洗浄水が供給される位置を調整するようにしてもよい。
また、水洗大便器1において、衛生洗浄装置3は必須の構成要件ではなく、衛生洗浄装置3を備えない構成であってもよい。かかる場合、便座100および便蓋200は、便器本体2に取り付けられることとなる。
また、上記では、貯水タンク22内の洗浄水をポンプ23で加圧してジェット吐水するように構成したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、ポンプ23で加圧した洗浄水をリム吐水およびジェット吐水の両方に用いるようにしてもよい。また、上記した第1〜第5の実施形態、第1、第2変形例は、適宜に組み合わせてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。