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JP6769812B2 - 模擬手榴弾 - Google Patents
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Description

本発明は、演習または訓練に用いられる模擬手榴弾に関するものである。
従来、手榴弾は、用途に応じて、例えば、破片手榴弾、攻撃手榴弾、発煙手榴弾、照明手榴弾、対処用手榴弾などが存在する。例えば、下記特許文献1に記載された榴弾は、中空弾体の内部に爆薬が充填され、信管が備えられている。
一般的に、手榴弾に充填される爆薬としての炸薬は、例えばトリニトロトルエンなどである。この炸薬は、雷管や信管からの起爆によって爆轟し、爆轟波によって爆発音を発する。特に、破片手榴弾は、爆轟波によって、金属製の容器である弾殻が炸裂して破片を方々に飛散させ、また、爆轟波が伝搬することで、周囲に影響を及ぼす。
特開2001−19583号公報
しかし、上記したとおり、手榴弾は爆轟することで爆発音を発するため、屋内で手榴弾が用いられると、反響によって投擲者の聴覚に障害を及ぼす可能性がある。また、手榴弾は、爆轟波による弾殻の飛散や、爆轟波の伝搬によって、周囲に影響を及ぼすため、演習や訓練で用いることができない。そのため、例えば、各個の戦闘訓練では、実物の戦闘用手榴弾(以下、実物の戦闘用手榴弾を「実手榴弾」と記す。)の替わりに、丸めた段ボールなどで作製された物が、実手榴弾を模した手榴弾(以下、実手榴弾を模した手榴弾「模擬手榴弾」と記す。)として用いられていた。ただし、一部の投擲訓練では、実手榴弾の他、模擬手榴弾として、特定の実手榴弾と同じ鋳鉄製で同じ重量の弾体を有する物などが用いられていたが、これは、安全を確保するために人員の立入を制限した場所で行われていた。
このうち、段ボールなどで作製された模擬手榴弾は、形状、大きさ、重さおよび重心が実手榴弾と異なり、爆発もしないため、実手榴弾における動作および爆発の影響範囲を模した演習や訓練ができない。また、実手榴弾および特定の実手榴弾と同じ鋳鉄製で同じ重量の模擬手榴弾は、人体に直接命中した場合、死傷する危険性があるため一部の人員の立入を制限した場所での投擲訓練以外、対人を伴う戦闘訓練での使用はできない。
本発明は、上記の実情に鑑みて提案されたものである。すなわち、屋内での演習や訓練を可能とし、かつ、実手榴弾と同等の演習や訓練を可能とする模擬手榴弾の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る模擬手榴弾は、弾殻に備えられた雷管と、前記弾殻の内側に備えられたガス発生器と、前記弾殻の内側において前記ガス発生器の周囲に充填された散布剤と、から構成されたことを特徴とする。
本発明に係る模擬手榴弾は、前記散布剤が、着色された粘性の液体または着色された粉体である、ことを特徴とする。
本発明に係る模擬手榴弾は、前記弾殻の素材が、プラスチックである、ことを特徴とする。
本発明に係る模擬手榴弾は、内側から前記弾殻を支持する支持部材が備えられた、ことを特徴とする。
本発明に係る模擬手榴弾は、形状、大きさ、重さおよび重心の位置が戦闘用の手榴弾と同じである、ことを特徴とする。
本発明に係る模擬手榴弾は上記した構成である。すなわち、炸薬が備えられていないことから爆発音を発することがないため、実手榴弾と比較して爆発音が抑えられると共に、屋内での反響が抑えられる。したがって、屋内での演習や訓練を実現することができる。また、模擬手榴弾は、炸薬に替えて散布剤が充填されているため、雷管が発火することでガス発生器から発生した噴出ガスの圧力によって弾殻が炸裂すると共に散布剤が飛散して周囲に付着する。したがって、散布剤が飛散した範囲や付着した位置を視認することができ、散布剤の跡を実手榴弾における影響範囲と仮定することで、実手榴弾と同等の演習や訓練を実現することができる。
本発明に係る模擬手榴弾は、散布剤が、着色された粘性の液体または着色された粉体である。すなわち、散布剤が着色されているため、散布剤が飛散した範囲や付着した位置を視認することができ、実手榴弾と同等の演習や訓練を実現することができる。特に、散布剤が粘性であれば付着しやすいため、散布剤が飛散した範囲や付着した位置を容易に視認することができる。
本発明に係る模擬手榴弾は、弾殻の素材が、プラスチックである。すなわち、プラスチックは軽量かつ軟質であることから、弾殻が炸裂しても飛散した破片に殺傷能力がないため、屋内において、実手榴弾と同等の演習や訓練を実現することができる。
本発明に係る模擬手榴弾は、内側から前記弾殻を支持する支持部材が備えられている。この構成により、外力に対する反力が作用し、弾殻の外形が保持される。したがって、弾殻が軟質であったとしても、安易に壊れることがなく、実手榴弾と同等の演習や訓練を実現することができる。
本発明に係る模擬手榴弾は、形状、大きさ、重さおよび重心の位置が戦闘用の手榴弾と同じである。したがって、実手榴弾と同等の演習や訓練を実現することができる。
本発明の実施形態に係る模擬手榴弾の断面の概略が示された概略断面図である。
以下に、本発明の実施形態に係る模擬手榴弾を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る模擬手榴弾1の断面が示されている。なお、以下の説明では、模擬手榴弾1の高さ方向における上下を上方および下方とし、横幅方向を側方とする。
図1に示されているとおり、模擬手榴弾1は、外郭を形成する弾殻2と、内側から弾殻2を支持する支持体としての弾体3と、弾殻2の内側において弾体3の隙間4に充填された散布剤5と、弾殻2に備えられた雷管ホルダー6とから構成されている。
弾殻2の形状は、ほぼ球体であり、中空である。弾殻2の素材は、例えば、プラスチックである。プラスチックを組成する合成樹脂は、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂、発泡状の気泡が含まれた発泡プラスチックなどである。なお、弾殻2の素材は、安易に壊れ難く、かつ、仮に人体に当たった際に身体に外傷を負わせない程度に軟質であれば、任意である。また、弾殻2の形状は、破片手榴弾、攻撃手榴弾、発煙手榴弾、照明手榴弾、対処用手榴弾などに対応したものであれば任意であり、筒状であってもよい。
弾体3は、弾殻2の形状を維持するための骨組みであり、複数の隙間4が形成されている。弾体3の素材は合成樹脂であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンなどである。なお、弾体3の素材は、内側から支持することで弾殻2の外形を維持することができ、かつ、仮に人体に当たった際に身体に外傷を負わせない程度に軟質であれば、任意である。
散布剤5は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA:polyvinyl alcohol)やポリエチレングレコール(PEG:Polyethylene glycol)などの粘性の液体である。散布剤5は、例えば、白色、赤色、黄色などで着色されている。なお、散布剤5の素材は、飛散した範囲が視認でき、付着し易ければ任意であり、また、散布剤5の色は、視認し易い色であれば任意であり、また、散布剤5の形状は、飛散し易く、飛散した範囲が視認でき、付着し易ければ任意であり、例えば、粉体であってもよい。
雷管ホルダー6は、安全レバー7と、安全ピン(図示省略)と、刺突や打撃によって発火する雷管8と、噴出ガスを発生させるガス発生器10と、噴出ガスの発生時間を遅らせる延期薬9と、ガス発生器10から発生したガスを誘導するガス筒11と、このガス筒11を封止する栓部材13とから構成されている。
雷管8は、例えば、センターファイア方式のボクサー型、発火金が一体化したベルダン型、バッテリ型などである。雷管8に収容された爆紛(図示省略)は、例えば、その組成に鉛を含まない無鉛爆粉であって、ジアゾジニトロフェノール、硝酸バリウム、ケイ化カルシウム及び三硫化アンチモンが含まれている。特に、ジアゾジニトロフェノールが20〜40重量%、硝酸バリウムが20〜40重量%、ケイ化カルシウムが5〜30重量%、三硫化アンチモンが重量1〜20%からなるものとし、テトラセンを0〜20重量%、ガラス粉を0〜20重量%含み、これらの合計100重量%に対し、0.5〜10重量%の粘調剤をさらに添加すると好ましい。さらに、ジアゾジニトロフェノールが20〜40重量%、硝酸バリウムが20〜40重量%、ケイ化カルシウムが5〜30重量%、三硫化アンチモンが重量1〜20%からなるものとし、テトラセンを0〜20重量%、ガラス粉を0〜20重量%含んだ無鉛爆粉の組成において、これらの合計100重量%に対し、0〜10重量%のタルク若しくは二酸化ケイ素、またはタルク及び二酸化ケイ素の混合物を添加することが好ましい。また、トリシネートを組成とするものなどが含まれていてもよい。
延期薬9は、例えば、過酸化バリウム、鉛丹、クロム酸鉛に各種金属または合金の粉末が混合された混合物などである。
ガス発生器10は、散布剤5を散布させために用いられるものであり、スリット加工が施されたケースの中にガス発生剤が収納されている。ガス発生剤は、例えば、シングルベース、ダブルベース、トリプルベース、マルチベースなどの無煙火薬などである。なお、ガス発生器10は、一般的な実手榴弾には備えられていない。
ガス筒11は、側面に複数の孔12が形成された筒状であり、上端にガス発生器10が接続され、下端が栓部材13で封止されている。ガス筒11は金属製であるが、ガス発生器10から発生したガスによる圧力に耐えられる素材であれば、任意である。
上記した各部材から構成された模擬手榴弾1は、形状、大きさ、重さおよび重心の位置が、実手榴弾と同じである。例えば、栓部材13や安全レバー7などに重りが取り付けられ、実手榴弾に近似した重さと重心が実現されている。
このように構成された模擬手榴弾1は、安全ピンが抜かれて安全レバー7が外れると、撃針(図示省略)によって雷管8が打撃され、雷管8に収容された爆紛が加圧されて燃焼し、高温の燃焼ガスが生成される。燃焼ガスが延期薬9に着火すると、延期薬9は、例えば3秒から5秒の時間をかけて燃焼し、ガス発生器10に着火する。ガス発生器10から発生した噴出ガスは、ケースのスリット部から放出され、ガス筒11を通って孔12から吹き出し、弾殻2の内部に充満する。噴出ガスの圧力によって弾殻2の内圧が上昇すると弾殻2が炸裂し、散布剤5が飛散する。
したがって、演習や訓練では、投擲者が安全ピンおよび安全レバー7を外して目標に向けて模擬手榴弾1を投げ、数秒後に弾殻2が炸裂すると、散布剤5が周囲に飛散して付着する。
以上のとおり、模擬手榴弾1が構成されている。次に、模擬手榴弾1の効果を説明する。
上記したとおり、模擬手榴弾1は、弾殻2の内側に散布剤5が充填されている。すなわち、炸薬が備えられていないことから爆発音を発することがないため、実手榴弾と比較して爆発音が抑えられると共に、屋内での反響が抑えられる。したがって、屋外および屋内での実手榴弾と同等の演習や訓練を実現することができる。また、模擬手榴弾1は、炸薬に替えて散布剤5が充填されているため、雷管8が発火することでガス発生器10から発生した噴出ガスの圧力によって弾殻2が炸裂すると共に散布剤5が飛散して周囲に付着する。したがって、散布剤5が飛散した範囲や付着した位置を視認することができ、散布剤5の跡を実手榴弾における影響範囲と仮定することで、実手榴弾と同等の演習や訓練を実現することができる。
模擬手榴弾1によれば、散布剤5は着色されている。この構成により、散布剤5が飛散した範囲や付着した位置を視認することができ、実手榴弾と同等の演習や訓練を実現することができる。
また、散布剤5は、例えば、ポリビニルアルコールやポリエチレングレコールなどの粘性の液体である。すなわち、プラスチックは軽量かつ軟質であることから、弾殻2が炸裂しても飛散した破片に殺傷能力がないため、屋内において、実手榴弾と同等の演習や訓練を実現することができる。特に、散布剤5が粘性であれば付着しやすいため、散布剤5が飛散した範囲や付着した位置を容易に視認することができる。
模擬手榴弾1は、弾殻2の形状を維持するための骨組みとして、内側から弾殻2を支持する弾体3が備えられている。この構成により、外力に対する反力が作用し、弾殻2の外形が保持される。したがって、弾殻2が軟質であっても、安易に壊れることがなく、実手榴弾と同等の演習や訓練を実現することができる。
模擬手榴弾1は、形状、大きさ、重さおよび重心の位置が、実手榴弾と同じである。したがって、実手榴弾と同等の演習や訓練を実現することができる。
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。
1 模擬手榴弾
2 弾殻
3 弾体(支持体)
4 隙間
5 散布剤
6 雷管ホルダー
7 安全レバー
8 雷管
9 延期薬
10 ガス発生器
11 ガス筒
12 孔
13 栓部材

Claims (4)

  1. 中空の弾殻と、
    前記弾殻に備えられた雷管と、
    前記弾殻の内側に備えられたガス発生器と、
    前記弾殻の内側において前記ガス発生器の周囲に充填された散布剤と、
    内側から前記弾殻を支持し、かつ、複数の隙間が形成されて当該隙間に前記散布剤が充填された支持部材と、から構成され、
    前記ガス発生器から噴出したガスの圧力によって、前記弾殻が炸裂すると共に前記散布剤が飛散する、
    ことを特徴とする模擬手榴弾。
  2. 前記散布剤が、着色された粘性の液体または着色された粉体である、
    ことを特徴とする請求項1に記載された模擬手榴弾。
  3. 前記弾殻の素材が、プラスチックである、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された模擬手榴弾。
  4. 形状、大きさ、重さおよび重心の位置が戦闘用の手榴弾と同じである
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された模擬手榴弾。
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