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JP6773066B2 - 連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法及び異常判定装置 - Google Patents
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JP6773066B2 - 連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法及び異常判定装置 - Google Patents

連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法及び異常判定装置 Download PDF

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Description

本発明は、連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法及び異常判定装置に関する。
製鉄所における連続式加熱炉(以下、単に加熱炉という)では、副生ガスを燃焼させて鋼片を加熱している。加熱炉の燃焼制御(燃焼空気量制御)として、燃料ガスの使用量に対して予め規定された空気比を持って燃焼させる空気比制御と、加熱炉内の排ガス中の酸素濃度を一定値にする排ガス酸素濃度制御の二つが存在する。排ガス酸素濃度制御は、加熱炉内の排ガス中の酸素濃度を0.5〜2.0体積%の低い値に設定することで空気比を低く保つための制御である。一般的に排ガス中の酸素濃度は次の式によって表される。
Figure 0006773066
ここで、Aは理論空気量を表し、ガス量(G)が1.0に対して完全燃焼が必要な空気量を意味している。また、Gは理論排ガス量を表し、ガス量(G)が1.0、燃焼空気量(A)が理論空気量Aであった時に発生する排ガス量を意味している。また、mは空気比であり、m=燃焼空気量A/理論空気量Aで表される。
製鉄所においては、理論空気量と異なるガス種を同じ加熱炉で使用したり、加熱炉内への侵入空気の発生により、一定の空気比としても、排ガス中の酸素濃度が一定となっていない。さらに、加熱炉外に排出される排ガスの持ち出す顕熱(排ガス損失熱)は、加熱炉内の排ガス中の酸素濃度と燃料ガスの使用量で推定できることから、排ガス酸素濃度制御が用いられているのが一般的である。
ここで、従来の排ガス酸素濃度制御を行うものとして、例えば、特許文献1乃至5に示すものが知られている。
特許文献1に示す炎症制御補方法は、外気が侵入し得る燃焼制御方法において、火口に供給される燃料流量が設定値以上のときは一定範囲で空燃比を操作し、燃料流量が設定値未満のときは、空燃比を前記一定範囲に保ちながら燃焼設備の内圧を操作して侵入空気量を調節することにより排ガス中の酸素濃度を制御するものである。
また、特許文献2に示す連続鋼材加熱炉は、蓄熱式切替燃焼バーナを有する燃焼制御毎の誘引排ガスヘッダ管に酸素濃度を検出する酸素濃度検出器と、酸素濃度検出器の検出値に基づいて加熱炉内の空気比を制御する制御手段とを備えたものである。
更に、特許文献3に示す連続式加熱炉の操業方法は、各燃焼帯の内で燃焼排ガス流れの最下流に位置する燃焼帯の入口又はその近傍に局所的な加熱を行う燃焼バーナを配置し、燃焼バーナの近傍の燃焼排ガス中の酸素濃度が目標酸素濃度となるように燃焼バーナに対する空気比を制御するものである。
また、特許文献4に示す加熱炉の加熱炉の燃焼制御方法は、排気中の未燃分燃料濃度と酸素濃度とを測定し、これらの測定値に基づいて、燃料と空気とのバーナへの供給量の比率を調整するものである。
また、特許文献5に示す直火式連続加熱炉の無酸化加熱方法は、直火式連続加熱炉において鋼材を加熱するに際し、加熱帯及び均熱帯においては空気比1.0以下の還元雰囲気で燃焼を行い、予熱帯においては加熱帯及び均熱帯における燃料流量及び未燃ガス濃度に基づいて予め算出した完全燃焼必要空気量を供給し、加熱炉炉尻の排ガス中の酸素濃度に基づいて予熱帯への供給空気量を加減するものである。
特公昭58−43658号公報 特許第4653689号公報 特開2001−272028号公報 特開平9−280551号公報 特公平5−2725号公報
ここで、これら従来の特許文献1乃至5に示す技術のいずれにあっても、加熱炉内に酸素濃度計を設置し、その酸素濃度計から得られた情報をもとに、排ガス酸素濃度制御を行っている。
しかしながら、これら従来の特許文献1乃至5に示す技術のいずれにあっても、酸素濃度計に異常が発生した場合には、燃焼空気量の制御ができなくなってしまう問題がある。特に、酸素濃度計の応答遅れの場合には、一見すると、それなりの数値が表示されており、操炉担当者が異常が発生していることに気付くことができない。酸素濃度計に応答遅れが発生すると、当該応答遅れにより空気比を変動させても酸素濃度計の反応が遅くなるため、結果的に大きく空気比を変化させることになる。空気比が大きく変動することで目標値よりも低い値の酸素濃度となるまで空気比を変化させた結果、燃焼空気不足となる可能性がある。
従って、本発明はこの従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、加熱炉内に設置された酸素濃度計の応答遅れ時間が長い場合に異常と判定し、空気比を異常にすることなく制御することができる、連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法及び異常判定装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法は、連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法であって、前記酸素濃度計により第1の特定時間から第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記連続式加熱炉内の排ガス中の酸素濃度を取得する酸素濃度取得ステップと、燃料ガス流量計により前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記連続式加熱炉に設けられたバーナへの燃料ガス流量を取得する燃料ガス流量取得ステップと、燃焼空気流量計により前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記バーナへの燃焼空気量を取得する燃焼空気流量取得ステップと、取得した燃焼空気流量と前記連続式加熱炉内で使用される理論空気量とから前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に変化する空気比を算出する空気比算出ステップと、前記第1の特定時間における排ガス中の酸素濃度を目的変数とし、取得された前記第1の特定時間における前記燃料ガス流量及び算出された前記第1の特定時間における前記空気比を説明変数として重回帰分析を行い、重回帰分析の結果得られる前記第1の特定時間における排ガス中の予測酸素濃度と取得された前記第1の特定時間における排ガス中の酸素濃度との前記第1の特定時間における相関係数Rを算出し、この相関係数Rの算出を前記第1の特定時間における相関係数Rから前記第2の特定時間における相関係数Rまで連続的に行って、連続的に変化する相関係数Rを算出する相関係数算出ステップと、前記酸素濃度計により排ガス中の酸素濃度を測定した前記第1の特定時間から、連続的に変化する前記相関係数Rが最大値に至る時間までの前記酸素濃度計の応答遅れ時間を算出する応答遅れ時間算出ステップと、算出された前記酸素濃度計の応答遅れ時間が、所定の閾値よりも長い場合に、前記酸素濃度計の異常と判定する異常判定ステップとを含むことを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定装置は、連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定装置であって、前記酸素濃度計により第1の特定時間から第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記連続式加熱炉内の排ガス中の酸素濃度を取得する酸素濃度取得部と、燃料ガス流量計により前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記連続式加熱炉に設けられたバーナへの燃料ガス流量を取得する燃料ガス流量取得部と、燃焼空気流量計により前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記バーナへの燃焼空気量を取得する燃焼空気流量取得部と、取得した燃焼空気流量と前記連続式加熱炉内で使用される理論空気量とから前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に変化する空気比を算出する空気比算出部と、前記第1の特定時間における排ガス中の酸素濃度を目的変数とし、取得された前記第1の特定時間における前記燃料ガス流量及び算出された前記第1の特定時間における前記空気比を説明変数として重回帰分析を行い、重回帰分析の結果得られる前記第1の特定時間における排ガス中の予測酸素濃度と取得された前記第1の特定時間における排ガス中の酸素濃度との前記第1の特定時間における相関係数Rを算出し、この相関係数Rの算出を前記第1の特定時間における相関係数Rから前記第2の特定時間における相関係数Rまで連続的に行って、連続的に変化する相関係数Rを算出する相関係数算出部と、前記酸素濃度計により排ガス中の酸素濃度を測定した前記第1の特定時間から、連続的に変化する前記相関係数Rが最大値に至る時間までの前記酸素濃度計の応答遅れ時間を算出する応答遅れ時間算出部と、算出された前記酸素濃度計の応答遅れ時間が、所定の閾値よりも長い場合に、前記酸素濃度計の異常と判定する異常判定部とを備えていることを要旨とする。
本発明に係る、連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法及び異常判定装置によれば、連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の応答遅れ時間が長い場合に異常と判定し、空気比を異常にすることなく制御することができる、連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法及び異常判定装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定装置の概略構成図である。 図1に示す異常判定装置における処理の流れを示すフローチャートである。 連続式加熱炉において燃料ガス流量及び酸素濃度の0時間(第1の特定時間T1)から35時間(第2の特定時間T2)に至るまでの変動データの一例を示すグラフである。 連続式加熱炉において空気比及び酸素濃度の0時間(第1の特定時間T1)から35時間(第2の特定時間T2)に至るまでの変動データの一例を示すグラフである。 相関係数算出部で算出された連続的に変化する相関係数Rの一例を示すグラフである。 応答遅れ時間分を是正した連続的に変化する相関係数Rの一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。また、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
図1には、本発明の一実施形態に係る連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定装置の概略構成が示されている。連続式加熱炉(以降、単に加熱炉という)1は、被加熱材Sを所定温度にまで加熱する加熱炉本体2を備えている。加熱炉本体2の被加熱材Sの装入側には装入扉3が設けられ、加熱炉本体2の被加熱材Sの抽出側には抽出扉4が設けられている。被加熱材Sは、装入扉3のある装入側から抽出扉4のある抽出側にスキッド12で搬送する間に所定温度に加熱される。
そして、加熱炉本体2の装入側端部近傍には煙道11が設けられており、排ガスは、煙道11からその煙道11の途中に設けられたレキュペレータ7によって熱交換されつつ煙突9に排出されるようになっている。
そして、加熱炉本体2内の煙道11の近傍には、被加熱材Sを加熱するリジェネバーナ5が設けられるとともに、加熱炉本体2内には、装入側から抽出側に向けて所定ピッチで複数のバーナ6が設けられている。各バーナ6も、被加熱材Sを加熱するのである。
ここで、リジェネバーナ5には、燃料ガス供給源10から燃料ガス流量計52を介して燃料ガスが導入されるとともに、燃焼空気供給源54から燃焼空気流量計53及び蓄熱体51を介して燃焼空気が導入される。そして、リジェネバーナ5では、これら導入された燃料ガス及び燃焼空気によって燃焼し、燃焼された排ガスが蓄熱体51及び排ガス流量計55を介して煙突9に排出されるようになっている。ここで、符号56は、排ガス配管に設けられた吸引ブロワである。
また、各バーナ6には、燃料ガス供給源10から燃料ガス流量計61を介して燃料ガスが導入されるとともに、煙道11に設置されたレキュペレータ7で熱交換された燃焼空気が燃焼空気流量計62を介して導入される。各バーナ6では、これら導入された燃料ガス及び燃焼空気によって燃焼し、燃焼された排ガスが煙道11から排出されるようになっている。ここで、符号71は、熱風温度計、73は吸引ブロワである。
また、加熱炉本体2の煙道11入口近傍であって加熱炉本体2の天井部には、排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度計8が設置されている。
この酸素濃度計8は、図3に示すように、加熱炉本体2内の排ガス中の酸素濃度を、0時間(第1の特定時間T1)から35時間(第2の特定時間T2)に至るまで連続的に測定する。
また、リジェネバーナ5用の燃料ガス流量計52及び各バーナ6用の燃料ガス流量計61は、それぞれ、図3に示すように、リジェネバーナ5に導入される燃料ガス流量、各バーナ6に導入される燃料ガス流量を、0時間(第1の特定時間T1)から35時間(第2の特定時間T2)に至るまで連続的に測定する。
ここで、酸素濃度計8で測定された排ガス中の酸素濃度の変動データと、リジェネバーナ5用の燃料ガス流量計52及び各バーナ6用の燃料ガス流量計61で測定された燃料ガス流量の変動データとの関係を、図3(変動データの一例を示す)から見てみる。酸素濃度計8で測定された排ガス中の酸素濃度の変動データは、燃料ガス流量の変動データに対し、明確に応答時間の遅れを見ることはできないが、若干遅れている。
更に、リジェネバーナ5用の燃焼空気流量計53及び各バーナ6用の燃焼空気流量計62は、それぞれ、リジェネバーナ5に導入される燃焼空気流量、各バーナ6に導入される燃焼空気流量を、0時間(第1の特定時間T1)から35時間(第2の特定時間T2)に至るまで連続的に測定する。
ここで、酸素濃度計8で測定された排ガス中の酸素濃度の変動データと、リジェネバーナ5用の燃焼空気流量計53及び各バーナ6用の燃焼空気流量計62で測定された燃焼空気流量を基に算出した空気比の変動データとの関係を、図4(変動データの一例を示す)から見てみる。酸素濃度計8で測定された排ガス中の酸素濃度の変動データは、リジェネバーナ5用の燃焼空気流量計53及び各バーナ6用の燃焼空気流量計62で測定された燃焼空気流量を基に算出した空気比の変動データに対し、明確に応答時間の遅れを見ることができる。
従って、本実施形態にあっては、燃料ガス流量及び空気比をパラメータとして用いて、酸素濃度計8の応答遅れ時間を算出し、当該応答遅れ時間が長いときには異常と判定するために、酸素濃度計8の異常判定装置20を備えている。
ここで、異常判定装置20は、図1に示すように、酸素濃度計8、リジェネバーナ5用の燃料ガス流量計52、各バーナ6用の燃料ガス流量計61、リジェネバーナ5用の燃焼空気流量計53、及び各バーナ6用の燃焼空気流量計62に接続されている。
この異常判定装置20は、酸素濃度計8の応答遅れ時間が長いときに異常判定するものであり、酸素濃度取得部21、燃料ガス流量取得部22、燃焼空気流量取得部23、空気比算出部24、相関係数算出部25、応答遅れ時間算出部26及び異常判定部27を備えている。
異常判定装置20は、酸素濃度取得部21、燃料ガス流量取得部22、燃焼空気流量取得部23、空気比算出部24、相関係数算出部25、応答遅れ時間算出部26及び異常判定部27の各機能をコンピュータソフトウェア上でプログラムを実行することで実現するための演算処理機能を有するコンピュータシステムである。そして、このコンピュータシステムは、ROM,RAM,CPU等を備えて構成され、ROM等に予め記憶された各種専用のプログラムを実行することにより、前述した各機能をソフトウェア上で実現する。
ここで、異常判定装置20の酸素濃度取得部21は、酸素濃度計8に接続され、酸素濃度計8により第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間T2(35時間)に至るまで連続的に測定された加熱炉本体2内の排ガス中の酸素濃度を取得する。
また、燃料ガス流量取得部22は、リジェネバーナ5用の燃料ガス流量計52及び各バーナ6用の燃料ガス流量計61に接続され、燃料ガス流量計52、61により第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間(35時間)T2に至るまで連続的に測定された燃料ガス流量を取得する。
更に、燃焼空気流量取得部23は、リジェネバーナ5用の燃焼空気流量計53及び各バーナ6用の燃焼空気流量計62により第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間T2(35時間)に至るまで連続的に測定されたリジェネバーナ5及びバーナ6への燃焼空気量を取得する。
また、空気比算出部24は、燃焼空気流量取得部23から取得した燃焼空気流量と加熱炉本体2内で使用される理論空気量とから第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間T2(35時間)に至るまで連続的に変化する空気比を算出する。
そして、相関係数算出部25は、第1の特定時間T1(0時間)における排ガス中の酸素濃度を目的変数とし、燃料ガス流量取得部22で取得された第1の特定時間T1(0時間)における燃料ガス流量及び空気比算出部24で算出された第1の特定時間T1(0時間)における空気比を説明変数として次の(1)式により重回帰分析を行う。
y=a+a+b ……(1)
ここで、y:加熱炉本体2における排ガス中の酸素濃度の予測値である予測濃度、x:空気比、x:燃料ガス流量、b:定数項である。
また、相関係数算出部25は、重回帰分析の結果得られる第1の特定時間T1(0時間)における排ガス中の予測酸素濃度yと、酸素濃度取得部21で取得された第1の特定時間T1(0時間)における排ガス中の酸素濃度(実測された酸素濃度)との第1の特定時間T1(0時間)における相関係数R(重決定係数ともいう)を算出する。
また、相関係数算出部25は、この相関係数Rの算出を第1の特定時間T1(0時間)における相関係数Rから第2の特定時間T2(35時間)における相関係数Rまで連続的に行って、連続的に変化する相関係数Rを算出する。
つまり、相関係数算出部25は、(1)式におけるyとxとxの時間を第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間(35時間)まで少しずつずらしながら重回帰分析を何度も実施し、その都度、相関係数Rを算出して連続的に変化する相関係数Rを算出する。
相関係数算出部25で算出された連続的に変化する相関係数Rの一例を図5に示す。
図5を参照すると、相関係数Rは、酸素濃度計8により排ガス中の酸素濃度を測定した第1の特定時間T1(0時間)から連続的に変化し、この一例では、第1の特定時間T1(0時間)から49分(DT)後に相関係数Rが最大値となっている。
従って、応答遅れ時間算出部26は、酸素濃度計8により排ガス中の酸素濃度を測定した第1の特定時間T1(0時間)から相関係数Rが最大値に至る時間DT(49分後)までの酸素濃度計8の応答遅れ時間を算出する。
そして、異常判定部27は、応答遅れ時間算出部26で算出された応答遅れ時間が所定の閾値よりも長い場合には、酸素濃度計8の異常と判定する。この閾値は、過去の実績から定められるものであり、例えば、0〜5分程度である。
ここで、図5に示した一例では、応答遅れ時間49分は閾値(0〜5分)よりも長いので、酸素濃度計8は異常と判定される。
また、異常判定装置20の異常判定部27には、表示装置30が接続されている。この表示装置30は、プリンタなどの出力装置によって構成され、異常判定部27で酸素濃度計8の異常と判定されたときに、前述の応答遅れ時間を表示する。
なお、図5において、酸素濃度計8により排ガス中の酸素濃度を測定した第1の特定時間T1(0時間)における相関係数Rは、0.0035となっており、ほとんど無相関となっているが、応答遅れ時間49分を加味すると、相関係数Rは0.435(最大値)となり、一定の相関を考えることができる。
従って、酸素濃度計8の応答遅れ時間49分を是正すると、連続的に変化する相関係数Rは、図6に示すようになり、是正後は応答遅れ時間がほとんど生じないところで、相関係数Rが最大値をもつことになる。
このため、酸素濃度計8の応答遅れ時間分だけ早くなるように、制御することで、応答遅れ時間がほとんど生じずに、排ガス中酸素濃度制御を行うことが可能となる。
次に、異常判定装置20における処理の流れについて、図2を参照して説明する。
異常判定装置20の酸素濃度取得部21は、酸素濃度取得ステップである以下に示すステップS1を実行する。また、燃料ガス流量取得部22は、燃料ガス流量取得ステップであるステップS2を実行する。また、燃焼空気流量取得部23は燃焼空気流量取得ステップであるステップS3を実行し、空気比算出部24は、空気比算出ステップであるステップS4を実行する。更に、相関係数算出部25は、相関係数算出ステップであるステップS5を実行し、応答遅れ時間算出部26は、応答遅れ算出ステップであるステップS6を実行し、異常判定部27は、異常判定ステップであるステップS7〜S9を実行する。
先ず、ステップS1で、酸素濃度取得部21は、酸素濃度計8により第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間T2(35時間)に至るまで連続的に測定された加熱炉本体2内の排ガス中の酸素濃度を取得する。
次いで、ステップS2で、燃料ガス流量取得部22は、燃料ガス流量計52、61により第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間(35時間)T2に至るまで連続的に測定された燃料ガス流量を取得する。
更に、ステップS3で、燃焼空気流量取得部23は、リジェネバーナ5用の燃焼空気流量計53及び各バーナ6用の燃焼空気流量計62により第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間T2(35時間)に至るまで連続的に測定されたリジェネバーナ5及びバーナ6への燃焼空気量を取得する。
そして、ステップS4で、空気比算出部24は、燃焼空気流量取得部23から取得した燃焼空気流量と加熱炉本体2内で使用される理論空気量とから第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間T2(35時間)に至るまで連続的に変化する空気比を算出する。
次いで、ステップS5で、相関係数算出部25は、第1の特定時間T1(0時間)における排ガス中の酸素濃度を目的変数とし、燃料ガス流量取得部22で取得された第1の特定時間T1(0時間)における燃料ガス流量及び空気比算出部24で算出された第1の特定時間T1(0時間)における空気比を説明変数として前述の(1)式により重回帰分析を行い、重回帰分析の結果得られる第1の特定時間T1(0時間)における排ガス中の予測酸素濃度yと、酸素濃度取得部21で取得された第1の特定時間T1(0時間)における排ガス中の酸素濃度(実測された酸素濃度)との第1の特定時間T1(0時間)における相関係数Rを算出する。
また、ステップS5で、相関係数算出部25は、この相関係数Rの算出を第1の特定時間T1(0時間)における相関係数Rから第2の特定時間T2(35時間)における相関係数Rまで連続的に行って、連続的に変化する相関係数Rを算出する。
次いで、ステップS6で、応答遅れ時間算出部26は、酸素濃度計8により排ガス中の酸素濃度を測定した第1の特定時間T1(0時間)から相関係数Rが最大値に至る時間DTまでの酸素濃度計8の応答遅れ時間を算出する。
そして、ステップS7で、異常判定部27は、応答遅れ時間算出部26で算出された応答遅れ時間が所定の閾値よりも長いか否かを判定し、長い場合(YES)にはステップS8に移行し、同じか短い場合(NO)には処理を終了する。
異常判定部27は、ステップS8で異常判定と認定し、ステップS9にて、ステップS6で算出された応答遅れ時間を表示装置30に対し出力し、処理を終了する。
このように、本実施形態に係る連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法及び異常判定装置によれば、第1の特定時間T1における相関係数Rから第2の特定時間T2における相関係数Rまで連続的に変化する相関係数Rを算出し、酸素濃度計8により排ガス中の酸素濃度を測定した第1の特定時間T1から、連続的に変化する相関係数Rが最大値に至る時間までの酸素濃度計8の応答遅れ時間を算出し、算出された酸素濃度計8の応答遅れ時間が、所定の閾値よりも長い場合に、酸素濃度計8の異常と判定する。
これにより、連続式加熱炉1内に設置された酸素濃度計8の応答遅れ時間が長い場合に異常と判定し、酸素濃度計8に不可避な応答時間遅れが発生した時も、空気比を異常にすることなく排ガス中酸素濃度制御をおこなうことができる。
また、酸素濃度計8の異常と判定されたときに、算出された酸素濃度計8の応答遅れ時間を表示装置30に出力し、表示装置30が応答遅れ時間を表示するので、操炉担当者が表示装置30を見て酸素濃度計8の異常をいち早く検知することができる。
そして、操炉担当者は、酸素濃度計8の応答遅れ時間をいち早く是正することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、酸素濃度計8による測定、燃料ガス流量計52、61による測定、及び燃焼空気流量計53、62による測定における第1の特定時間T1は0時間、第2の特定時間T2は35時間としてあるが、これらの時間は任意に設定することができる。
1 連続式加熱炉
2 加熱炉本体
3 装入扉
4 抽出扉
5 リジェネバーナ
6 バーナ
7 レキュペレータ
8 酸素濃度計
9 煙突
10 燃料ガス供給源
11 煙道
12 スキッド
20 異常判定装置
21 酸素濃度取得部
22 燃料ガス流量取得部
23 燃焼空気流量取得部
24 空気比算出部
25 相関係数算出部
26 応答遅れ時間算出部
27 異常判定部
30 表示装置
51 蓄熱体
52 燃料ガス流量計
53 燃焼空気流量計
54 燃焼空気供給源
55 排ガス流量計
56 吸引ブロワ
61 燃料ガス流量計
62 燃焼空気流量計
71 熱風温度計
72 吸引ブロワ
S 被加熱材
T1 第1の特定時間
T2 第2の特定時間

Claims (4)

  1. 連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法であって、
    前記酸素濃度計により第1の特定時間から第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記連続式加熱炉内の排ガス中の酸素濃度を取得する酸素濃度取得ステップと、
    燃料ガス流量計により前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記連続式加熱炉に設けられたバーナへの燃料ガス流量を取得する燃料ガス流量取得ステップと、
    燃焼空気流量計により前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記バーナへの燃焼空気量を取得する燃焼空気流量取得ステップと、
    取得した燃焼空気流量と前記連続式加熱炉内で使用される理論空気量とから前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に変化する空気比を算出する空気比算出ステップと、
    前記第1の特定時間における排ガス中の酸素濃度を目的変数とし、取得された前記第1の特定時間における前記燃料ガス流量及び算出された前記第1の特定時間における前記空気比を説明変数として重回帰分析を行い、重回帰分析の結果得られる前記第1の特定時間における排ガス中の予測酸素濃度と取得された前記第1の特定時間における排ガス中の酸素濃度との前記第1の特定時間における相関係数Rを算出し、この相関係数Rの算出を前記第1の特定時間における相関係数Rから前記第2の特定時間における相関係数Rまで連続的に行って、連続的に変化する相関係数Rを算出する相関係数算出ステップと、
    前記酸素濃度計により排ガス中の酸素濃度を測定した前記第1の特定時間から、連続的に変化する前記相関係数Rが最大値に至る時間までの前記酸素濃度計の応答遅れ時間を算出する応答遅れ時間算出ステップと、
    算出された前記酸素濃度計の応答遅れ時間が、所定の閾値よりも長い場合に、前記酸素濃度計の異常と判定する異常判定ステップとを含むことを特徴とする連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法。
  2. 前記異常判定ステップで前記酸素濃度計の異常と判定されたときに、算出された前記酸素濃度計の応答遅れ時間を表示装置に出力し、前記表示装置が前記応答遅れ時間を表示する表示ステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法。
  3. 連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定装置であって、
    前記酸素濃度計により第1の特定時間から第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記連続式加熱炉内の排ガス中の酸素濃度を取得する酸素濃度取得部と、
    燃料ガス流量計により前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記連続式加熱炉に設けられたバーナへの燃料ガス流量を取得する燃料ガス流量取得部と、
    燃焼空気流量計により前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記バーナへの燃焼空気量を取得する燃焼空気流量取得部と、
    取得した燃焼空気流量と前記連続式加熱炉内で使用される理論空気量とから前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に変化する空気比を算出する空気比算出部と、
    前記第1の特定時間における排ガス中の酸素濃度を目的変数とし、取得された前記第1の特定時間における前記燃料ガス流量及び算出された前記第1の特定時間における前記空気比を説明変数として重回帰分析を行い、重回帰分析の結果得られる前記第1の特定時間における排ガス中の予測酸素濃度と取得された前記第1の特定時間における排ガス中の酸素濃度との前記第1の特定時間における相関係数Rを算出し、この相関係数Rの算出を前記第1の特定時間における相関係数Rから前記第2の特定時間における相関係数Rまで連続的に行って、連続的に変化する相関係数Rを算出する相関係数算出部と、
    前記酸素濃度計により排ガス中の酸素濃度を測定した前記第1の特定時間から、連続的に変化する前記相関係数Rが最大値に至る時間までの前記酸素濃度計の応答遅れ時間を算出する応答遅れ時間算出部と、
    算出された前記酸素濃度計の応答遅れ時間が、所定の閾値よりも長い場合に、前記酸素濃度計の異常と判定する異常判定部とを備えていることを特徴とする連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定装置。
  4. 前記異常判定部で前記酸素濃度計の異常と判定されたときに、前記応答遅れ時間を表示する表示装置を備えていることを特徴とする請求項3に記載の連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定装置。
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