JP6773066B2 - 連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法及び異常判定装置 - Google Patents
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Description
製鉄所においては、理論空気量と異なるガス種を同じ加熱炉で使用したり、加熱炉内への侵入空気の発生により、一定の空気比としても、排ガス中の酸素濃度が一定となっていない。さらに、加熱炉外に排出される排ガスの持ち出す顕熱(排ガス損失熱)は、加熱炉内の排ガス中の酸素濃度と燃料ガスの使用量で推定できることから、排ガス酸素濃度制御が用いられているのが一般的である。
特許文献1に示す炎症制御補方法は、外気が侵入し得る燃焼制御方法において、火口に供給される燃料流量が設定値以上のときは一定範囲で空燃比を操作し、燃料流量が設定値未満のときは、空燃比を前記一定範囲に保ちながら燃焼設備の内圧を操作して侵入空気量を調節することにより排ガス中の酸素濃度を制御するものである。
また、特許文献2に示す連続鋼材加熱炉は、蓄熱式切替燃焼バーナを有する燃焼制御毎の誘引排ガスヘッダ管に酸素濃度を検出する酸素濃度検出器と、酸素濃度検出器の検出値に基づいて加熱炉内の空気比を制御する制御手段とを備えたものである。
また、特許文献4に示す加熱炉の加熱炉の燃焼制御方法は、排気中の未燃分燃料濃度と酸素濃度とを測定し、これらの測定値に基づいて、燃料と空気とのバーナへの供給量の比率を調整するものである。
しかしながら、これら従来の特許文献1乃至5に示す技術のいずれにあっても、酸素濃度計に異常が発生した場合には、燃焼空気量の制御ができなくなってしまう問題がある。特に、酸素濃度計の応答遅れの場合には、一見すると、それなりの数値が表示されており、操炉担当者が異常が発生していることに気付くことができない。酸素濃度計に応答遅れが発生すると、当該応答遅れにより空気比を変動させても酸素濃度計の反応が遅くなるため、結果的に大きく空気比を変化させることになる。空気比が大きく変動することで目標値よりも低い値の酸素濃度となるまで空気比を変化させた結果、燃焼空気不足となる可能性がある。
そして、加熱炉本体2の装入側端部近傍には煙道11が設けられており、排ガスは、煙道11からその煙道11の途中に設けられたレキュペレータ7によって熱交換されつつ煙突9に排出されるようになっている。
ここで、リジェネバーナ5には、燃料ガス供給源10から燃料ガス流量計52を介して燃料ガスが導入されるとともに、燃焼空気供給源54から燃焼空気流量計53及び蓄熱体51を介して燃焼空気が導入される。そして、リジェネバーナ5では、これら導入された燃料ガス及び燃焼空気によって燃焼し、燃焼された排ガスが蓄熱体51及び排ガス流量計55を介して煙突9に排出されるようになっている。ここで、符号56は、排ガス配管に設けられた吸引ブロワである。
また、加熱炉本体2の煙道11入口近傍であって加熱炉本体2の天井部には、排ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度計8が設置されている。
また、リジェネバーナ5用の燃料ガス流量計52及び各バーナ6用の燃料ガス流量計61は、それぞれ、図3に示すように、リジェネバーナ5に導入される燃料ガス流量、各バーナ6に導入される燃料ガス流量を、0時間(第1の特定時間T1)から35時間(第2の特定時間T2)に至るまで連続的に測定する。
更に、リジェネバーナ5用の燃焼空気流量計53及び各バーナ6用の燃焼空気流量計62は、それぞれ、リジェネバーナ5に導入される燃焼空気流量、各バーナ6に導入される燃焼空気流量を、0時間(第1の特定時間T1)から35時間(第2の特定時間T2)に至るまで連続的に測定する。
ここで、異常判定装置20は、図1に示すように、酸素濃度計8、リジェネバーナ5用の燃料ガス流量計52、各バーナ6用の燃料ガス流量計61、リジェネバーナ5用の燃焼空気流量計53、及び各バーナ6用の燃焼空気流量計62に接続されている。
この異常判定装置20は、酸素濃度計8の応答遅れ時間が長いときに異常判定するものであり、酸素濃度取得部21、燃料ガス流量取得部22、燃焼空気流量取得部23、空気比算出部24、相関係数算出部25、応答遅れ時間算出部26及び異常判定部27を備えている。
ここで、異常判定装置20の酸素濃度取得部21は、酸素濃度計8に接続され、酸素濃度計8により第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間T2(35時間)に至るまで連続的に測定された加熱炉本体2内の排ガス中の酸素濃度を取得する。
更に、燃焼空気流量取得部23は、リジェネバーナ5用の燃焼空気流量計53及び各バーナ6用の燃焼空気流量計62により第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間T2(35時間)に至るまで連続的に測定されたリジェネバーナ5及びバーナ6への燃焼空気量を取得する。
また、空気比算出部24は、燃焼空気流量取得部23から取得した燃焼空気流量と加熱炉本体2内で使用される理論空気量とから第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間T2(35時間)に至るまで連続的に変化する空気比を算出する。
y=a1x1+a2x2+b ……(1)
ここで、y:加熱炉本体2における排ガス中の酸素濃度の予測値である予測濃度、x1:空気比、x2:燃料ガス流量、b:定数項である。
また、相関係数算出部25は、この相関係数R2の算出を第1の特定時間T1(0時間)における相関係数R2から第2の特定時間T2(35時間)における相関係数R2まで連続的に行って、連続的に変化する相関係数R2を算出する。
相関係数算出部25で算出された連続的に変化する相関係数R2の一例を図5に示す。
図5を参照すると、相関係数R2は、酸素濃度計8により排ガス中の酸素濃度を測定した第1の特定時間T1(0時間)から連続的に変化し、この一例では、第1の特定時間T1(0時間)から49分(DT)後に相関係数R2が最大値となっている。
そして、異常判定部27は、応答遅れ時間算出部26で算出された応答遅れ時間が所定の閾値よりも長い場合には、酸素濃度計8の異常と判定する。この閾値は、過去の実績から定められるものであり、例えば、0〜5分程度である。
ここで、図5に示した一例では、応答遅れ時間49分は閾値(0〜5分)よりも長いので、酸素濃度計8は異常と判定される。
なお、図5において、酸素濃度計8により排ガス中の酸素濃度を測定した第1の特定時間T1(0時間)における相関係数R2は、0.0035となっており、ほとんど無相関となっているが、応答遅れ時間49分を加味すると、相関係数R2は0.435(最大値)となり、一定の相関を考えることができる。
このため、酸素濃度計8の応答遅れ時間分だけ早くなるように、制御することで、応答遅れ時間がほとんど生じずに、排ガス中酸素濃度制御を行うことが可能となる。
異常判定装置20の酸素濃度取得部21は、酸素濃度取得ステップである以下に示すステップS1を実行する。また、燃料ガス流量取得部22は、燃料ガス流量取得ステップであるステップS2を実行する。また、燃焼空気流量取得部23は燃焼空気流量取得ステップであるステップS3を実行し、空気比算出部24は、空気比算出ステップであるステップS4を実行する。更に、相関係数算出部25は、相関係数算出ステップであるステップS5を実行し、応答遅れ時間算出部26は、応答遅れ算出ステップであるステップS6を実行し、異常判定部27は、異常判定ステップであるステップS7〜S9を実行する。
次いで、ステップS2で、燃料ガス流量取得部22は、燃料ガス流量計52、61により第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間(35時間)T2に至るまで連続的に測定された燃料ガス流量を取得する。
更に、ステップS3で、燃焼空気流量取得部23は、リジェネバーナ5用の燃焼空気流量計53及び各バーナ6用の燃焼空気流量計62により第1の特定時間T1(0時間)から第2の特定時間T2(35時間)に至るまで連続的に測定されたリジェネバーナ5及びバーナ6への燃焼空気量を取得する。
次いで、ステップS5で、相関係数算出部25は、第1の特定時間T1(0時間)における排ガス中の酸素濃度を目的変数とし、燃料ガス流量取得部22で取得された第1の特定時間T1(0時間)における燃料ガス流量及び空気比算出部24で算出された第1の特定時間T1(0時間)における空気比を説明変数として前述の(1)式により重回帰分析を行い、重回帰分析の結果得られる第1の特定時間T1(0時間)における排ガス中の予測酸素濃度yと、酸素濃度取得部21で取得された第1の特定時間T1(0時間)における排ガス中の酸素濃度(実測された酸素濃度)との第1の特定時間T1(0時間)における相関係数R2を算出する。
次いで、ステップS6で、応答遅れ時間算出部26は、酸素濃度計8により排ガス中の酸素濃度を測定した第1の特定時間T1(0時間)から相関係数R2が最大値に至る時間DTまでの酸素濃度計8の応答遅れ時間を算出する。
そして、ステップS7で、異常判定部27は、応答遅れ時間算出部26で算出された応答遅れ時間が所定の閾値よりも長いか否かを判定し、長い場合(YES)にはステップS8に移行し、同じか短い場合(NO)には処理を終了する。
このように、本実施形態に係る連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法及び異常判定装置によれば、第1の特定時間T1における相関係数R2から第2の特定時間T2における相関係数R2まで連続的に変化する相関係数R2を算出し、酸素濃度計8により排ガス中の酸素濃度を測定した第1の特定時間T1から、連続的に変化する相関係数R2が最大値に至る時間までの酸素濃度計8の応答遅れ時間を算出し、算出された酸素濃度計8の応答遅れ時間が、所定の閾値よりも長い場合に、酸素濃度計8の異常と判定する。
また、酸素濃度計8の異常と判定されたときに、算出された酸素濃度計8の応答遅れ時間を表示装置30に出力し、表示装置30が応答遅れ時間を表示するので、操炉担当者が表示装置30を見て酸素濃度計8の異常をいち早く検知することができる。
そして、操炉担当者は、酸素濃度計8の応答遅れ時間をいち早く是正することができる。
例えば、酸素濃度計8による測定、燃料ガス流量計52、61による測定、及び燃焼空気流量計53、62による測定における第1の特定時間T1は0時間、第2の特定時間T2は35時間としてあるが、これらの時間は任意に設定することができる。
2 加熱炉本体
3 装入扉
4 抽出扉
5 リジェネバーナ
6 バーナ
7 レキュペレータ
8 酸素濃度計
9 煙突
10 燃料ガス供給源
11 煙道
12 スキッド
20 異常判定装置
21 酸素濃度取得部
22 燃料ガス流量取得部
23 燃焼空気流量取得部
24 空気比算出部
25 相関係数算出部
26 応答遅れ時間算出部
27 異常判定部
30 表示装置
51 蓄熱体
52 燃料ガス流量計
53 燃焼空気流量計
54 燃焼空気供給源
55 排ガス流量計
56 吸引ブロワ
61 燃料ガス流量計
62 燃焼空気流量計
71 熱風温度計
72 吸引ブロワ
S 被加熱材
T1 第1の特定時間
T2 第2の特定時間
Claims (4)
- 連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法であって、
前記酸素濃度計により第1の特定時間から第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記連続式加熱炉内の排ガス中の酸素濃度を取得する酸素濃度取得ステップと、
燃料ガス流量計により前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記連続式加熱炉に設けられたバーナへの燃料ガス流量を取得する燃料ガス流量取得ステップと、
燃焼空気流量計により前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記バーナへの燃焼空気量を取得する燃焼空気流量取得ステップと、
取得した燃焼空気流量と前記連続式加熱炉内で使用される理論空気量とから前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に変化する空気比を算出する空気比算出ステップと、
前記第1の特定時間における排ガス中の酸素濃度を目的変数とし、取得された前記第1の特定時間における前記燃料ガス流量及び算出された前記第1の特定時間における前記空気比を説明変数として重回帰分析を行い、重回帰分析の結果得られる前記第1の特定時間における排ガス中の予測酸素濃度と取得された前記第1の特定時間における排ガス中の酸素濃度との前記第1の特定時間における相関係数R2を算出し、この相関係数R2の算出を前記第1の特定時間における相関係数R2から前記第2の特定時間における相関係数R2まで連続的に行って、連続的に変化する相関係数R2を算出する相関係数算出ステップと、
前記酸素濃度計により排ガス中の酸素濃度を測定した前記第1の特定時間から、連続的に変化する前記相関係数R2が最大値に至る時間までの前記酸素濃度計の応答遅れ時間を算出する応答遅れ時間算出ステップと、
算出された前記酸素濃度計の応答遅れ時間が、所定の閾値よりも長い場合に、前記酸素濃度計の異常と判定する異常判定ステップとを含むことを特徴とする連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法。 - 前記異常判定ステップで前記酸素濃度計の異常と判定されたときに、算出された前記酸素濃度計の応答遅れ時間を表示装置に出力し、前記表示装置が前記応答遅れ時間を表示する表示ステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法。
- 連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定装置であって、
前記酸素濃度計により第1の特定時間から第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記連続式加熱炉内の排ガス中の酸素濃度を取得する酸素濃度取得部と、
燃料ガス流量計により前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記連続式加熱炉に設けられたバーナへの燃料ガス流量を取得する燃料ガス流量取得部と、
燃焼空気流量計により前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に測定された前記バーナへの燃焼空気量を取得する燃焼空気流量取得部と、
取得した燃焼空気流量と前記連続式加熱炉内で使用される理論空気量とから前記第1の特定時間から前記第2の特定時間に至るまで連続的に変化する空気比を算出する空気比算出部と、
前記第1の特定時間における排ガス中の酸素濃度を目的変数とし、取得された前記第1の特定時間における前記燃料ガス流量及び算出された前記第1の特定時間における前記空気比を説明変数として重回帰分析を行い、重回帰分析の結果得られる前記第1の特定時間における排ガス中の予測酸素濃度と取得された前記第1の特定時間における排ガス中の酸素濃度との前記第1の特定時間における相関係数R2を算出し、この相関係数R2の算出を前記第1の特定時間における相関係数R2から前記第2の特定時間における相関係数R2まで連続的に行って、連続的に変化する相関係数R2を算出する相関係数算出部と、
前記酸素濃度計により排ガス中の酸素濃度を測定した前記第1の特定時間から、連続的に変化する前記相関係数R2が最大値に至る時間までの前記酸素濃度計の応答遅れ時間を算出する応答遅れ時間算出部と、
算出された前記酸素濃度計の応答遅れ時間が、所定の閾値よりも長い場合に、前記酸素濃度計の異常と判定する異常判定部とを備えていることを特徴とする連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定装置。 - 前記異常判定部で前記酸素濃度計の異常と判定されたときに、前記応答遅れ時間を表示する表示装置を備えていることを特徴とする請求項3に記載の連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定装置。
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| JP2018047293A JP6773066B2 (ja) | 2018-03-14 | 2018-03-14 | 連続式加熱炉内に設置された酸素濃度計の異常判定方法及び異常判定装置 |
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