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JP6777557B2 - 伝達関数に関する不確実性の測定値を提供するための装置及び方法 - Google Patents
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JP6777557B2 - 伝達関数に関する不確実性の測定値を提供するための装置及び方法 - Google Patents

伝達関数に関する不確実性の測定値を提供するための装置及び方法 Download PDF

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Description

本開示は、測定装置の伝達関数を推定する装置、及び伝達関数の推定に関連する確実性(又は不確実性)の推定値を提供する装置に関する。伝達関数における確実性の推定値を提供する方法も開示される。確実性(又は不確実性)の推定値は、推定された伝達関数がどのように使用されるか、又は推定された伝達関数がどのように修正又は更新されるかを制御するために使用され得る。
実世界の変数の値を測定することが多くの場合望まれる。実世界の変数には、温度、圧力、電圧、電流フロー等がある。多くの状況において、実世界の変数を測定するために提供される測定システムは、実世界の変数を、典型的には電気信号である別の変数に変換し得る。例えば、比較的高い電圧であり得る電圧を測定する場合、例えば、アナログ/デジタル変換器による後の処理に都合のよい電圧範囲に変換するために、電圧を分圧器に通過させることが望ましい場合がある。したがって、分圧器は、直流DC(0Hz)での減衰と、伝達関数が周波数によってどのように変化するかとの両方の観点から、伝達関数を有する。同様に、電流を測定する場合、他の電流測定装置間でシャント又は電流変成器を使用して電流を測定することができる。ここでもまた、シャント、変成器等は、入力電流が出力値に変換されるような伝達特性を有する。その後、その出力値は、後続の処理回路によって再び処理され得る。可変利得増幅器やアナログ/デジタル変換器などの信号経路内の他の部品も信号に影響を与え、センサからアナログ/デジタル変換器への信号処理チェーン全体は結合伝達関数によって表すことができる。
伝達関数を示す変換器、回路又は他の部品の提供は、出力信号が、未知の入力信号(未知の入力信号が測定されるべき量を表すので、「測定量」とみなすことができる)と、測定回路の伝達関数との関数であることを意味する。したがって、より大きな不確実性が出力結果に導入されている。
本開示の第1の態様によれば、少なくとも1つの測定装置の伝達関数を確立するための伝達関数装置が提供され、測定装置は、測定量の値を推定し、ここで、測定量に既知の摂動が加えられ、測定装置の出力は、既知の摂動に対する応答を識別するために検査され、伝達関数装置は、測定装置の伝達関数における不確実性を推定する。
好ましくは、測定量は、導体における電流フロー及び導体の測定されたノードにおける電圧のうちの少なくとも1つである。したがって、電力測定の確実性又は不確実性の推定値と共に、導体を介して供給される電力を有する1つ又は複数の負荷によって消費される電力の推定値を提供することが可能となる。
伝達関数は、信号処理チェーンの全体又は一部に対して決定されてもよい。信号処理チェーンの一部の伝達関数を推定することは、信号チェーンの他の部分が信頼できるか、又は既知又は較正された伝達関数を有する場合に適切であり得る。
有利には、伝達関数装置は電力量計内に含まれる。
本開示の第2の態様によれば、測定量が、伝達関数を有する測定装置によって処理される測定量における信頼度値を提供する方法であって、測定量に対する信頼度値の推定値を提供するステップを含む方法が提供される。
有利には、信頼度値は伝達関数の確実性の推定値に基づいている。
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して、非限定的な例としてのみ、以下に説明される。
電子電力量計内の構成要素を概略的に示す図。 伝達関数がどのように既知でないかを考慮する分圧器を概略的に示す図。 未知の伝達関数の問題を克服するための国際公開WO2014/072773に記載されている装置の一実施形態を概略的に示す図。 電圧を測定するための国際公開WO2014/072733に開示されている第2の装置及び波形を概略的に示す図。 図4の装置からの出力信号Vを概略的に示す図。 国際公開WO2013/038176に記載されているような電流測定装置を概略的に示す図。 伝達装置のチャネル内の構成要素のブロック図を示す。 時間に対する伝達関数の推定の発展型を示す図。 時間に対する伝達関数の不確実性の発展型を示す図。
図1は、電力供給点、例えば住宅又は事業所に設置された電力量計として知られている電力消費量計の一部を形成する電力測定装置10を概略的に示している。この例では、導通導体14及び中性導体16を有する単相交流電源12が負荷18に電力を供給する。当業者には周知のように、負荷によって消費される電力量は、導通導体14と中性導体16との間の電圧と、負荷によって引き出される電流と、正弦波電圧電流に対する交流電圧波形と交流電流波形との間の位相角とに依存する。例えば、取り出される電流量に高調波成分がかなり存在するより複雑な波形の場合、消費される瞬時電力の累計を維持することによって電力消費を測定する必要がある。
電流を測定するために、この例では、電力測定装置10は、負荷18と電源12との間の活給電線によって表される導電経路において名目上既知の抵抗のシャント抵抗20を有する。シャント抵抗は、非常に低い値、典型的にはミリオーダー程度である。シャント抵抗20を介して降下した電圧は、シャント抵抗20を通過する電流に比例する。その結果、シャント抵抗は電流−電圧伝達関数を有するとみなすことができる。従って、抵抗20の抵抗値が既知であるか、又はより正確である場合に、要素20及び22の伝達関数が既知であるという条件で、シャント抵抗20の両端間の電圧を測定して信号処理回路24に出力を提供するように構成された電圧測定装置22によって導体14内の電流の推定を確実に行うことができる。測定装置22は、電流信号に適用される利得を変化させて、適度なダイナミックレンジを有するアナログ/デジタル変換器が、少なくともより小さい電流フローに関して、分解能を失うことなく非常に小さい電流から非常に大きな電流の範囲に対応することを可能にするプログラマブル利得増幅器を含む。
さらに、電圧測定装置26が、導体14と中性導体16との間の電圧差を測定するために設けられている。家庭環境では、電圧は一般に115〜250ボルトRMSの範囲内にあり、したがってピーク電圧300ボルトを超える。その結果、電圧測定装置26は、図2を参照してより詳細に説明するように、電源電圧領域から入力電圧を、例えば、電圧測定装置26内のアナログ/デジタル変換器による信号取得に適したより小さな電圧領域に変換するために、多くの場合、分圧器を含む。電圧測定装置は、単一の設計の測定回路が異なる電源電圧を有する設備又は国で使用できるように、プログラマブル電圧減衰器及び/又はプログラマブル増幅器を含むことができる。電圧測定装置26及び電流測定装置20,22,24からの電圧及び電流の瞬時測定値は、電源12から負荷18によって取得された二乗平均平方根電力を計算するように構成された計算ユニット28に提供され、計算ユニット28は、任意には、負荷18を操作する消費者が電力源12から受け取った電力量に対して適切に課金されるように、料金表に電力量を乗算するように構成されている。計算ユニット28は、リアルタイムクロック30と接続されており、各電圧及び電流測定が消費電力の真の適切な計算にために時間領域において適切に割り当てられている。
図2は、導体14から入力電圧Vinを受け取り、導体16に設けられた中性電圧を基準にして入力電圧Vinを分圧する分圧器35の抵抗を概略的に示す。この例では、第1及び第2の抵抗40及び42は、導体14及び16間に直列に接続されている。同じ電流が各抵抗に流れるので、出力電圧Voは、入力電圧Vinに対して
o=Vin R2/R1+R2
によって関連している。
ここで、R1は抵抗40の値であり、R2は抵抗42の値である。したがって、分圧器は、抵抗R1及びR2の相対値によって設定される伝達関数を有する。電圧を正確に知るためには、分圧器の伝達関数を正確に知る必要がある。
伝達関数を決定する方法は従来技術で既知であり、電圧伝達関数及び電流伝達関数をどのように推定するかについての開示を実施するために読者によって参照される国際公開WO2014/072733及び国際公開WO2013/038176に記載されている。しかしながら、参照を容易にするために、それらの特許出願の事例が本明細書に含まれる。
国際公開WO2014/072733において、電圧測定回路の伝達関数は、いくつかのアプローチによって決定することができる。図3に示す1つのアプローチは、正確に既知の値(Rint1及びRint2)を有する2つの抵抗50及び52を提供して、抵抗50及び52のいずれかが図2の第1の抵抗40を表す外部抵抗Rextとともに分圧器を形成するようにすることである。直列接続されたスイッチ60及び62の制御の下で、抵抗40と抵抗50との間、次いで抵抗40と抵抗52との間に連続的な分圧器を形成することにより、異なる分圧比が形成され、抵抗50及び52の値が既知である場合、分圧器の伝達関数を決定することができる。スイッチ60及び62は較正中に逆位相で駆動されるが、通常の使用では一方のスイッチ、例えばSW1はオンのままであり、他方はオフにして、分圧器の分圧比が、公称的に一定に維持されるようにする。
ツェナーダイオード65のような保護デバイスは、例えば、電界効果トランジスタとして実施される可能性が高いスイッチ60及び62のうちの1つの故障のために、抵抗50及び52の両端に生じる可能性がある最大電圧(順方向及び逆方向の両方)を制限することができる。出力電圧Vは、ADC68によって測定される。
図4に示す別のアプローチは、分圧器の両端の電圧を順次変更することである。これは、R2とローカル接地との間に作用する電圧を変更することによって最も好都合に実行される。このような構成が図4に示されており、抵抗40及び42が再び直列に設けられて分圧器が構成される。しかしながら、抵抗40に接続されていない抵抗42の端部は、第1のスイッチ70を介して直接的に、又は第2のスイッチ72と直列の電圧源74を介して接地に順次接続することができる。したがって、スイッチS1及びS2を順次切り替えることによって図5に示すように、分圧器の出力における電圧が変調される。電圧74の値が、(設計者によって指定されたように)確実に所定のレベル内にあることが分かれば、第2の抵抗42の値が既知である場合、分圧器の伝達関数を決定することができる。さらに、電圧74が2つ又は複数の制御可能な出力電圧を提供できる場合、抵抗40及び42によって形成される分圧器の伝達関数は、抵抗40又は42のいずれかの値を知らなくても決定できる。出力電圧Vは、デジタルフィルタ24などの後続の回路に供給される前に、デジタル領域への変換のために、アナログ−デジタル変換器68に提供される。電圧源及びスイッチは、例えば、抵抗42に対する接地電圧を形成する演算増幅器に接続され得る。
本明細書に記載の技術、又は国際公開WO2014/072733に開示されている技術は、本開示の実施において互換的に使用することができ、単相系又は多相系のいずれかに適切である。
同様に、図1に関して説明したように、電流測定回路の伝達関数も既知である必要がある。
適切な構成が図6に示されている。ここで、シャント抵抗20は、図1に関して先に示したように、電源12と負荷18との間の導通導体の電流流路に接続されている。シャント抵抗20の両端間の電圧は、電圧測定回路22によって、例えばアナログ/デジタル変換器の形で測定される。電流測定経路の伝達関数を決定するために、電流測定回路80が設けられている。電流測定回路80は、抵抗20に追加電流を制御可能に流すことができる制御可能な電流源/電流シンクを備える。抵抗20の抵抗は、非常に低く、それゆえ、その接点における不純物の結果として変化しやすいので、値は非常に不確実であり得る。値が周知で、かつ制御されている付加的な電流は、アナログ/デジタル変換器22によって測定可能な抵抗20の両端間の対応する電圧を上昇させ、この情報を使用して電流測定経路の伝達関数を決定することができる。図5に示す構成では、回路80は、抵抗の一端に電流を注入し、他端で電流を除去する。したがって、この構成では、電流フローは双方向性であり得る。しかしながら、他の構成では、電流が抵抗を介して引き出されるように、抵抗20の負荷端に対してのみ接続を行うことができる。
制御可能な電流源80は、例えば、オン又はオフのいずれかであるように、実質的にバイナリ方式で動作され得る。しかしながら、国際公開WO2013/038176で検討されているように、電流源は、例えば、図17cを参照すると、より大きな分解能のために複数の電流値に変調されてもよい。
したがって、電圧測定領域及び電流測定領域における伝達関数を推定することができ、又は電力量計が使用されている間にこれらの伝達関数を推定するために少なくとも十分なデータを得ることができる。
使用において、電圧測定回路及び電流測定装置において適用される摂動は、一般に、既知の周波数、及び基本の供給周波数又は負荷周波数の高調波ではないと仮定して選択される周波数で提供される。しかしながら、負荷18の性能は既知ではなく、かつ負荷18は電気的にノイズが多いかもしれない。例えば、負荷は、ノイズの多いスイッチモードの電源を有する大規模コンピュータ負荷であり得、蛍光照明を含み得、負荷に接続された装置の集合体であり得る。結果として、電流波形の周波数スペクトル、及び電源に向かって戻るように導体を伝播するノイズに起因する実際の電圧波形は、伝達関数の決定を妨げる可能性がある。実際、負荷からの高調波は、伝達関数の推定値を変動させ得る摂動周波数でのノイズを表す。
摂動信号と比較した伝達関数及び/又はノイズの連続的な推定値の変動は、装置を使用して作成された伝達関数、ひいては電流、電圧又は電力の測定値における確実性のレベル又は逆に不確実性のレベルを決定するために使用することができる。不確実性は、所定の数の伝達関数推定値の変化を観察し、次いで、信頼度又は不確実性の推定値を提供するためのT検定又は標準偏差などの統計ツールを使用して、これらの値間のばらつきを分析することによって決定され得る。さらに、信頼度又は不確実性の測定値(一方はおそらく他のものの補間である)を使用して、摂動周波数が不適切であることを判断することができる。摂動周波数が不適切である場合は、例えば、摂動周波数が干渉しており、かつ所定の変化又は摂動周波数に関して比較的静的な場所を発見するために周波数スペクトルを探索した結果としての変化を引き起こすことに起因する。
いくつかの実施形態では、偽の結果の影響を低減するために重み付けを適用することができる。したがって、測定値と、入力信号又は伝達関数の推定値のグループ又は平均値との差が、測定値を重み付けするために使用され、大きな差に対して後続の計算ではより少ない重みが与えられる。その後の計算には、例えば、信号経路における増幅器利得を調整することによって、又はアナログ/デジタル変換後に適用されるスケーリング係数を調整することによって、伝達関数の推定値を更新すること、又は測定装置を改良することが含まれ得る。利得変化又はスケーリング係数変化を用いて、摂動信号に対するシステムの応答を所定の値に設定することにより、電流及び/又は電圧の測定が目的に十分に正確であることを保証することができる。
摂動周波数をチャージするための閾値は、固定されていてもよく、又は確実性又は不確実性の以前の推定値に基づいて動的であってもよい。
信頼度の尺度を出力することは、診断オペレーションを実行することが可能となるので、ネットワークオペレータにとって有利である。例えば、1つ又は複数の電力量計ユニットからの信頼度の尺度が、時間とともに系統的な変化を示す場合、例えば、ある日のある時刻に信頼度が高いが、他の時間に信頼度が低い場合、電源オペレータは、ノイズの多い負荷が使用されていると推定することができる。負荷がネットワークに接続するための許容可能な負荷であるかどうかについてさらに検証を促す可能性がある。さらに、信頼度の尺度を消費者の請求書を評価する際に使用することもでき、信頼度の尺度は、電力オペレータまたは供給業者が消費者への過剰請求を行わないことに関する規制要件に違反しないことを確実にするために、対応する電力測定値と相関している。
伝達関数の測定値と共に信頼度の尺度を出力することにより、測定システムの動作を変更する目的で伝達関数を適用するか、又はスケーリング係数又は補正係数を調整するかの決定を行うことができる。例えば、信頼度がある値を超えた場合、伝達関数の測定値は、較正値として記憶するのに十分に正確であると見なすことができ、又は、伝達関数の動的な補償のためのリアルタイムの追跡アルゴリズムの一部として直接的に適用することができる。したがって、例えば、信号処理中に抽出される電流摂動信号の大きさが期待値の99.3%を繰り返し、信号に関連する不確実性の推定値が約0.1%であることにより、伝達関数が誤っているように見える場合、装置は、電流の測定値が正確なままとなるように、スケーリング係数を100/99.3=1.007に更新する。
図7は、全体として100で示され、本開示の実施形態を構成する伝達関数測定装置内の機能ブロックを概略的に示す。装置100は、図1のブロック26に含まれ得るADC68等のADCの出力、又は図1のブロック22によって表されるような電流測定チャネルに関連するADCに応答的である。ADC68の出力は、ADC性能のばらつきに対応するためのスケーリング、ウィンドウ処理又は等化などの信号調整を必要とすることがあり、かつ/又は、特に、多相系の場合のように、図7に示されるものとそれぞれ類似または同一のいくつかのチャネルの間でデータが収集される場合があるため、後続の処理で使用するためにデータを整列させる必要がある。信号調整は、ブロック110によってデジタル領域で実行することができる。次に、ブロック110からの調整信号は、測定装置によって提供される摂動信号を抽出する役割を有する抽出回路120に提供される。これに関連して、抽出は、伝達関数計算器130及び不確実性計算器140への摂動信号の測定値を提供するために、摂動信号の周りの入力信号を帯域通過フィルタリングすることと同義であると見なすことができる。不確実性計算器は、伝達関数が想定できる場合には抽出器120からの摂動信号を直接的に用いて動作するか、又は伝達関数計算器からの出力を用いて付加的又は代替的に動作することができる。
不確実性推定器は、不確実性の推定における不確実性の下限を推定する方法として、摂動信号の変化の値又は大きさ、及び/又は他の信号に対する摂動信号の相対的な電力を決定し得る。さらに、部品公差又はADC分解能に起因する下限は、不確実性推定器にプログラムされ得る。
ブロック120からのフィルタ処理された信号は、アキュムレータ150に提供されて、アキュムレータ150が、例えば、一連の瞬時電圧測定値又は電流測定値をより大きな時間期間に亘って総計値に合計するように機能するローパスフィルタのように機能して、下流プロセスの計算負荷を減少させることもできる。
図7には1つのチャネルしか示されていないが、同様のチャネルを設けて電力計が電源の単相で支配的な電圧及び電流を測定できるようにしてもよい。電源の各相又は他の相に関して必要とされる追加の測定ごとに、追加のチャネルを設けることができる。
動作時に、伝達測定装置がスイッチオンされると、伝達関数と伝達関数の誤差との両方を正確に推定するのに少し時間がかかる。図8には、時間に対する伝達関数の推定値の変化が示されている。任意の実行の伝達関数の推定値は実線で示されており、鎖線は2つの精度限界を表している。図8及び図9の水平鎖線160は、測定装置の絶対精度限界を表す。これは、製造、試験及び使用による信号源の精度限界、すなわち励起信号のサイズにおける不確実性によって決定される。例えば、不確実性は、供給源を測定する試験装置の有限分解能に起因してもよいし、部品がリフローされるときのストレスに起因してもよいし、又は温度及び未知温度係数による供給源の変化に起因してもよい。この誤差は、任意のシステムで定義される。別の限界162は、有限信号からノイズ比への収束中の精度限界であり、例えば、アナログ処理チェーン内の任意の増幅器及びADC内での精度限界である。ノイズの存在による不確実性は、より大きく始まるが、絶対的な精度限界に向かって、最終的にはノイズが無相関となり、かつ伝達関数の計算方法が(例えば、有限長の漏れ積分器を介して)打ち切られていない場合まで漸進的である。同じノイズ条件で別の動作が行われる場合、不確実性は、異なる応答を有するが、収束限界162によって設定された限界内にある。
図9は、時間に対する収束誤差と絶対誤差との組合せの総誤差の展開を示しており、ここでもまた、不確実性を表す伝達関数の誤差は、比較的大きな値から始まるが、絶対精度限界に向って再び漸進的に経時的に減少する。
伝達関数の推定値は、重み付け推定値の累計として形成される合成値とすることができる伝達関数の先行する推定値と、伝達関数値の新たな推定値との差に基づいて更新することができる。この差は、不確実性の推定値に従って重み付けされ、次いで合成値に加えられて、新たな合成値が生成される。不確実性の推定値が大きすぎる場合、更新プロセスが禁止されるか、又はより緩やかに収束するように変更されるか、又はデフォルト値を初期値として使用するように変更され得る。代替例として、伝達関数の推定に適用されるステップサイズは、所定の値に設定することができる。すなわち、伝達関数のパラメータを所定の値だけ増加又は減少させることができる。ここで、値のサイズは、不確実性の推定値と適用された更新の数との関数である。前に述べたように、別の方法では、信号処理チェーンの伝達関数の推定値を変更しないでおくことができる(たとえば、不確実性の推定値を、補正係数を更新することができるか否か、かつ最近の測定値にどのくらいの重みを与えるべきかを決定する際の制御係数として使用しつつ、「製造時」の値で補正係数を定期的に更新することができる)。
さらに、摂動信号の観測可能性を改善するために、摂動信号の周波数の変化及び/又は摂動信号の振幅の変化を生じさせるために、不確実性の推定値を使用することができる。
本明細書で説明される装置は、専用ハードウェアによって、又はプロセッサユニットと連動して実行される適切なコードのいずれかによって、デジタル領域内でのみ実施することができる。プロセッサはそれを高速で実行する必要はなく、クロック速度はリアルタイムで必要とされる計算タスクを実行するのに十分な数十MHzである。試験において、本発明者らは0.2%の精度で電力測定システムを構築し、実行した。コールドスタートから、システムは30秒後に0.5%以内の伝達関数を推定し、128秒以内に0.25%の精度に改善した。これに関連して、「コールドスタート」は、システムが、分圧器又は電流測定変換器の伝達関数の以前の推定値を知らないことを意味する。
システムが以前の推定値の記録を有する場合、伝達関数又は不確実性の推定値又は補正係数の突然の変化は、故障状態(測定装置を無効にする悪意のある試みを含む可能性がある)を示す可能性があり、注意のためにフラグを立てることができる。データは、伝達関数、不確実性値又は補正係数の展開を経時的に調べて、電力量計の動作を摂動させた故障、改ざん又は他の事象を探索する分析のために記憶又は送信することができる。
したがって、伝達関数の良否または信頼度を推定するシステム、及び測定装置、例えば電圧測定装置、電流測定装置及び/又は電力測定装置を提供することが可能であり、その値の信頼度の推定量の値及び推定値を出力することができる。
提示されている特許請求の範囲は、米国特許庁に提出するのに適した単一従属形式であるが、明らかに実行不可能な場合を除いて、それぞれの請求項は同じタイプの他の先行する請求項に従属すると考えるべきである。

Claims (22)

  1. 測定量の値を推定する測定装置の伝達関数又は前記測定装置に適用される補正係数を推定するための伝達関数装置であって、
    前記伝達関数装置は、該測定量に既知の周波数を有する既知の摂動を加え、前記既知の周波数に基づいて前記測定装置の出力から前記既知の摂動を抽出することによって前記既知の摂動に対する応答を識別し、前記応答に基づいて前記伝達関数又は前記補正係数における不確実性の推定値を決定するよう構成され、
    前記伝達関数の推定値と前記伝達関数の合成値との間の差が、前記合成値を修正するために使用する際に前記伝達関数の推定値に適用される重み付けを決定するために使用される、伝達関数装置。
  2. 測定量の値を推定する測定装置の伝達関数又は前記測定装置に適用される補正係数を推定するための伝達関数装置であって、
    前記伝達関数装置は、該測定量に既知の周波数を有する既知の摂動を加え、前記既知の周波数に基づいて前記測定装置の出力から前記既知の摂動を抽出することによって前記既知の摂動に対する応答を識別し、前記応答に基づいて前記伝達関数又は前記補正係数における不確実性の推定値を決定するよう構成され、
    a)補正係数の推定値と補正係数の合成値との間の差が、前記合成値を修正するために使用する際に補正係数の推定値に適用される重み付けを決定するために使用されるか、またはb)不確実性の推定値が更新閾値を下回った場合、補正係数の古い推定値が補正係数の新しい推定値によって上書きされる、伝達関数装置。
  3. 不確実性の推定値は、既知の摂動に応答して伝達関数又は補正係数の一連の推定値における変化を調べることによって計算される、請求項1または2に記載の伝達関数装置。
  4. 不確実性の推定値は、標準偏差計算を一連の結果に適用することにより算出される、請求項に記載の伝達関数装置。
  5. 不確実性の推定値が既知の摂動を修正するために使用されるか、又は不確実性の推定値が所定の速度よりも速いか又は閾値を超える速度で変化した場合に、既知の摂動の変更を開始する、請求項1または2に記載の伝達関数装置。
  6. 前記閾値は、不確実性の以前の測定値に基づく動的閾値である、請求項に記載の伝達関数装置。
  7. 前記閾値は所定の閾値である、請求項に記載の伝達関数装置。
  8. 既知の摂動の変更が、既知の摂動の周波数を変更することである、請求項に記載の伝達関数装置。
  9. 前記周波数の変更は、その周波数におけるノイズ又は高調波エネルギーが低減された周波数に移動するように行われる、請求項に記載の伝達関数装置。
  10. 電圧及び電流の少なくとも一方を測定するように構成された測定装置と組み合わせられる、請求項1または2に記載の伝達関数装置。
  11. 前記伝達関数、前記補正係数、及び前記不確実性の推定値のうちの1つ又は複数が、較正チェック、故障診断及び改ざん検出のうちの少なくとも1つを実行するためにプロセッサによって解析される、請求項1または2に記載の伝達関数装置。
  12. a)伝達関数、b)補正係数、及びc)不確実性の推定値のうちの少なくとも1つが、較正チェック、故障診断、改ざん検出のうちの少なくとも1つを実行するための分析のために遠隔のエンティティに送信される、請求項1または2に記載の伝達関数装置。
  13. 前記不確実性の推定値は、伝達関数の修正又は更新、伝達関数を有効に使用するための使用法、補正係数の修正又は更新、及び伝達関数装置から出力された伝達関数又は補正係数
    の推定値がデフォルト値に置き換えられているかどうかのうちの少なくとも1つを制御するために使用される、請求項1または2に記載の伝達関数装置。
  14. 不確実性の推定値が閾値を超える場合、伝達関数又は補正係数の更新が禁止される、請求項13に記載の伝達関数装置。
  15. 電力量計に含まれるか、又は電力量計と組み合わせて使用される、請求項1または2に記載の伝達関数装置。
  16. 測定量の値を推定する測定装置の伝達関数又は前記測定装置に適用される補正係数を推定するための伝達関数装置であって、
    前記伝達関数装置は、該測定量に既知の周波数を有する既知の摂動を加え、前記既知の周波数に基づいて前記測定装置の出力から前記既知の摂動を抽出することによって前記既知の摂動に対する応答を識別し、前記応答に基づいて前記伝達関数又は前記補正係数における不確実性の推定値を決定するよう構成され、
    電力量計に含まれるか、又は電力量計と組み合わせて使用され、電源の位相における電流の推定値及び電源の位相の電圧が、電圧変換器及び電流変換器の伝達関数又は補正係数の推定値に基づいて形成される、伝達関数装置。
  17. 測定量の値を推定する測定装置の伝達関数又は前記測定装置に適用される補正係数を推定するための伝達関数装置であって、
    前記伝達関数装置は、該測定量に既知の周波数を有する既知の摂動を加え、前記既知の周波数に基づいて前記測定装置の出力から前記既知の摂動を抽出することによって前記既知の摂動に対する応答を識別し、前記応答に基づいて前記伝達関数又は前記補正係数における不確実性の推定値を決定するよう構成され、
    力量計に含まれるか、又は力量計と組み合わせて使用され、前記電力量計は、多相電源又は分相電源に関連し、電圧及び電流の推定は、各位相に対して行われる、伝達関数装置。
  18. 測定量が伝達関数を有する測定装置によって処理される測定量における信頼度値を提供する方法であって、
    伝達関数の確実性の推定値に基づいて前記測定量の推定値及び前記測定量の信頼度値を提供するステップと、
    前記測定量に既知の周波数を有する既知の摂動を適用するステップと、
    前記既知の摂動を適用し、測定装置の出力から前記既知の摂動を抽出した結果として、前記測定装置からの前記出力の変化を識別するステップと、
    前記変化及び前記既知の摂動に基づいて前記伝達関数を推定するステップと、
    前記伝達関数の前記推定値における変動の分析に基づいて、前記伝達関数の信頼度値を推定するステップと、
    前記伝達関数の推定値と前記伝達関数の合成値との間の差を使用して、前記合成値を修正するために使用する際に前記伝達関数の推定値に適用される重み付けを決定するステップと、を含む方法。
  19. 前記変動の分析は、標準偏差、T検定、又は他の適切な実質的分析の1つを形成することを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 信頼度の推定値が許容可能な値の範囲内にない場合、前記既知の摂動のパラメータを変更するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  21. 前記既知の摂動のパラメータは、前記既知の摂動の周波数及び前記既知の摂動の振幅のうちの一つである、請求項20に記載の方法。
  22. 信頼度の推定値は、a)伝達関数の更新を制御すること、b)伝達関数の確実性を推定するためのプロセスを制御又は修正すること、c)潜在的な障害状態にフラグを立てることのうちの少なくとも1つのために使用される、請求項18に記載の方法。
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