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JP6782724B2 - デマンドレスポンスの発動要請に対する電力抑制装置、プログラム及び方法 - Google Patents
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JP6782724B2 - デマンドレスポンスの発動要請に対する電力抑制装置、プログラム及び方法 - Google Patents

デマンドレスポンスの発動要請に対する電力抑制装置、プログラム及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、需要家毎に、デマンドレスポンス(DR:Demand Response)の発動要請に応じて電力を抑制する技術に関する。
小売電気事業者は、事前に電力需要を計画し、その計画に応じて電力を発電事業者や電力市場から調達する。事前の計画と実際の需要実績との差分(インバランス)を、送配電事業者が調整力電源を用いて調整する一方、調整に要する費用については、インバランス料金として小売電気事業者から回収される。小売電気事業者が取り得るインバランス回避の一つに「ネガワット取引」がある(例えば非特許文献1参照)。これは、実際の需要実績が、計画した電力需要以上となると予測した場合に、小売電気事業者が需要抑制量を調達するものである。
ここで、需要抑制量を調達するために、小売電気事業者と需要家との間に「アグリゲータ(電力仲介事業者)」が介在する形態がある。
図1は、アグリゲータを介したネガワット取引の一例となるシステム構成図である。
図1によれば、アグリゲータは、複数の需要家を束ねて、需要抑制量を小売電気事業者と取引する。
アグリゲータが、需要家に対して消費電力の抑制を要請する仕組みとして、「デマンドレスポンス」がある。デマンドレスポンスとは、「市場価格の高騰時又は系統信頼性の低下時に、電気料金価格の設定又はインセンティブの支払に応じて、需要家側が電力の使用を抑制するよう電力消費パターンを変化させること」をいう。
小売電気事業者は、電力需要が計画を上回る場合(電力需要の逼迫が見込まれる場合)、アグリゲータへ電力抑制を要求する。
これに対し、アグリゲータは、電力抑制の要請先とする複数の需要家を抽出し、各需要家へ、デマンドレスポンスの発動要請を送信する。
発動要請を受信した各需要家は、その要請に対する許諾/拒否の判断結果を含む、デマンドレスポンスの要請応答を、アグリゲータへ返信する。
アグリゲータは、許諾した需要家全ての電力抑制量の総和が、必要とされる抑制量に満たない場合、再度、新たな需要家を検索し、各需要家へ発動要請を送信する。最終的に、アグリゲータは、必要とされる電力抑制量を満たすまで需要家を検索し、可能な抑制量を小売電気事業者へ応答する。その後、要請期間の開始時刻に達した際に、発動要請を許諾した需要家の設備装置は、電力を抑制し始めるように制御される。
特許第6220556号公報
資源エネルギー庁、「ネガワット取引に関するガイドライン」、[online]、第6頁、類型1、[平成30年3月19日検索]、インターネット<URL:http://www.meti.go.jp/press/2016/09/20160901003/20160901003-1.pdf> 電力中央研究所、「オフィスにおけるデマンドレスポンス制御試験II」、[online]、[平成30年2月28日検索]、インターネット<URL:http://criepi.denken.or.jp/jp/kenkikaku/report/leaflet/Y10040.pdf> NHK放送文化研究所、「2015年 国民生活時間調査 報告書」、[online]、[平成30年2月28日検索]、インターネット<URL:https://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/pdf/20160217_1.pdf>
従来、需要家がオフィスである場合、デマンドレスポンスの発動要請の後、空調装置の制御によって温熱快適性が損なわれ、オフィスワーカが、要請期間中に、空調装置の制御をキャンセルする率が上昇する、という実証結果の報告がある(例えば非特許文献2参照)。
これに対して、電力抑制が必要な場合に需要家の協力を得やすくすることを目的として、過去の電力抑制の要請期間に需要家が被った不利益の度合いを評価する評価装置を用いて、電力抑制の対象となる需要家を選択する技術もある(例えば特許文献1参照)。
複数のユーザが居住する需要家については、一つの需要家であっても個々のユーザにより快適性の感じ方は異なりうる。また、需要家の電力消費は、その需要家を構成するユーザの生活行動や設備装置の使い方にも依存する。しかしながら、特許文献1に記載の技術によれば、同一需要家内のユーザ毎に異なる快適性や、ユーザ毎に異なる設備装置の使い方を考慮していないという問題がある。
そこで、本発明は、需要家内のユーザの快適性を考慮して電力抑制を制御することができる電力抑制装置、プログラム及び方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、需要家のユーザ自ら最適な設定数値に変更可能な設備装置に対して、デマンドレスポンスの発動要請に応じて電力を抑制する電力抑制装置において、
要請期間開始時における設備装置の要請前設定数値と、要請期間完了後における設備装置の要請後設定数値との組み合わせ毎に、発動要請数に対する要請完了数を記憶した実績テーブルと、
発動要請の受信時に、実績テーブルを用いて、設備装置の要請前設定数値に対して、発動要請数に対する要請完了数が所定条件を満たす要請後設定数値を決定する設定数値決定手段と、
設備装置に対して、要請後設定数値に変更する設定数値変更手段と
を有することを特徴とする。
本発明の電力抑制装置における他の実施形態によれば、
設備装置は、空調装置であり、
設定数値は、設定温度であり、
実績テーブルにおける要請完了数は、発動要請が許諾され、且つ、発動要請に基づいて変更された設定温度が需要家にキャンセルされることなく完了した数であることも好ましい。
本発明の電力抑制装置における他の実施形態によれば、
設定温度のキャンセルとは、空調装置の当該設定温度に対して需要家のユーザ自らが不快を感じて当該設定温度を変更する場合であることも好ましい。
本発明の電力抑制装置における他の実施形態によれば、
発動要請の要請期間開始時における要請前設定数値を、設備装置から取得し、実績テーブルに記録する設定数値取得手段と、
設備装置の作用を表す環境数値を、設備装置から取得し、実績テーブルに記録する環境数値取得手段とを更に有することも好ましい。
本発明の電力抑制装置における他の実施形態によれば、
実績テーブルは、所定時間帯毎に生成されており、
設定数値決定手段は、発動要請に応じた時間帯に対応する当該実績テーブルを用いて、要請後設定数値を決定することも好ましい。
本発明の電力抑制装置における他の実施形態によれば、
設定数値決定手段の所定条件は、「要請完了数/発動要請数」に基づく所定閾値であることも好ましい。
本発明の電力抑制装置における他の実施形態によれば、
実績テーブルは、要請前設定数値と要請後設定数値との組み合わせ毎に、発動要請数に対する要請許諾数を更に記録し、
設定数値決定手段の所定条件は、「要請完了数/要請許諾数」に基づく所定閾値であることも好ましい。
本発明の電力抑制装置における他の実施形態によれば、
要請前設定数値と要請後設定数値との組み合わせ毎に、設備装置の電力差を対応付けた電力差テーブルを更に有し、
発動要請には、抑制要請電力が含まれており、
設定数値決定手段は、抑制要請電力よりも電力差が大きい要請後設定数値を決定することも好ましい。
本発明の電力抑制装置における他の実施形態によれば、
設備装置における、設定数値毎の電力値を取得する電力値取得手段を更に有し、
電力差テーブルには、要請前設定数値と要請後設定数値との組み合わせ毎に、実際の電力値に基づく電力差が上書きされることも好ましい。
本発明の電力抑制装置における他の実施形態によれば、
電力差テーブルを用いて、要請前設定数値から、設定数値決定手段によって決定された要請後設定数値までで抑制可能な電力差を、要請応答として返信する要請応答手段を
更に有することも好ましい。
本発明の電力抑制装置における他の実施形態によれば、
当該電力抑制装置の機能が、HEMS(Home Energy Management System)ゲートウェイに組み込まれており、
HEMSゲートウェイが、アグリゲータ(電力仲介事業者)から発動要請を受信することによって、設備装置の設定数値を変更することも好ましい。
本発明の電力抑制装置における他の実施形態によれば、
当該電力抑制装置は、アグリゲータ側に設置されており、
当該電力抑制装置は、HEMSゲートウェイを介して、設備装置の設定数値を変更することも好ましい。
本発明によれば、需要家のユーザ自ら最適な設定数値に変更可能な設備装置に対して、デマンドレスポンスの発動要請に応じて電力を抑制する装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
要請期間開始時における設備装置の要請前設定数値と、要請期間完了後における設備装置の要請後設定数値との組み合わせ毎に、発動要請数に対する要請完了数を記憶した実績テーブルと、
発動要請の受信時に、実績テーブルを用いて、設備装置の要請前設定数値に対して、発動要請数に対する要請完了数が所定条件を満たす要請後設定数値を決定する設定数値決定手段と、
設備装置に対して、要請後設定数値に変更する設定数値変更手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明のプログラムにおける他の実施形態によれば、プログラムの機能は、需要家によって所持される携帯端末のアプリケーションとして組み込まれており、
携帯端末が、アグリゲータから発動要請を受信することによって、HEMSゲートウェイを介して、設備装置の設定数値を変更する
ようにコンピュータを機能させることも好ましい。
本発明によれば、需要家のユーザ自ら最適な設定数値に変更可能な設備装置に対して、デマンドレスポンスの発動要請に応じて電力を抑制する装置の電力抑制方法において、
装置は、
要請期間開始時における設備装置の要請前設定数値と、要請期間完了後における設備装置の要請後設定数値との組み合わせ毎に、発動要請数に対する要請完了数を記憶した実績テーブルを有し、
装置は、
発動要請の受信時に、実績テーブルを用いて、設備装置の要請前設定数値に対して、発動要請数に対する要請完了数が所定条件を満たす要請後設定数値を決定する第1のステップと、
設備装置に対して、要請後設定数値に変更する第2のステップと
を実行することを特徴とする。
本発明の電力抑制装置、プログラム及び方法によれば、需要家内のユーザの快適性を考慮して電力抑制を制御することができる。
アグリゲータを介したネガワット取引の一例となるシステム構成図である。 本発明の電力抑制装置を異なる箇所に設置した複数のシステム構成図である。 本発明における電力抑制装置の機能構成図である。 本発明の利用用途を表すシーケンス図である。 発動要請毎に、電力抑制装置によって取得された情報のテーブルである。 本発明における実績テーブルの第1の例である。 本発明における実績テーブルの第2の例である。 初期状態に基づく電力差テーブルである。 実績値に基づいて実績テーブル及び電力差テーブルを混在させたテーブルである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
本発明の電力抑制装置は、需要家のユーザ自ら最適な設定数値に変更可能な設備装置5に対して、アグリゲータ事業設備2から受信したデマンドレスポンスの発動要請に応じて電力を抑制する。
需要家内の設備装置は、例えば空調装置であってもよい。空調装置は、需要家内のユーザに対する快適性に最も影響を与えるものだからである。勿論、空調装置に限られず、給湯設備やIH(Induction heating)装置であってもよい。また、オフィスや工場で使用される様々な設備装置であってもよい。
図2は、本発明の電力抑制装置を異なる箇所に設置した複数のシステム構成図である。
アグリゲータ事業設備2からの電力抑制の要請を契機として、電力抑制装置1は、需要家のHEMSゲートウェイ(Home Energy Management System)3を介して、需要家内に設置された設備装置5と通信(設備装置5の設定変更を指示)する。
「HEMSゲートウェイ」とは、需要家内の設備装置(例えば空調装置)やスマートメータと通信し、電力の消費を抑制するべく設備装置の設定数値(例えば設定温度)を制御する装置をいう。
HEMSゲートウェイ3と設備装置5、及びHEMSゲートウェイ3とスマートメータ6とは、例えばECHONET Liteのプロトコルを介して通信する。
図2(a)によれば、電力抑制装置1は、アグリゲータ側に設置される。電力抑制装置1は、需要家のHEMSゲートウェイ3経由で、設備装置5から設定数値や環境数値、スマートメータ6から電力量計測値を取得する。アグリゲータが需要家に対して電力抑制を要請する場合、電力抑制装置1は、アグリゲータ事業設備2からの要請を契機として、これら取得した値を用いて、各需要家の設備装置5に設定すべき数値、及び当該数値に設定した場合の抑制可能な電力を算出し、アグリゲータ事業設備2へ応答する。各需要家に関する応答をもとにアグリゲータ事業設備2は、アグリゲータに求められる電力需要の抑制量に寄与する需要家を複数選択する。電力抑制装置1は選択された需要家のHEMSゲートウェイ3を介して、設備装置5と通信(設備装置の設定変更を指示)する。
図2(b)によれば、電力抑制装置1の機能は、HEMSゲートウェイ3に組み込まれている。HEMSゲートウェイ3の電力抑制装置1の機能は、設備装置5と通信する。
図2(c)によれば、電力抑制装置1の機能は、ホームゲートウェイ4に組み込まれている。ホームゲートウェイ4の電力抑制装置1の機能は、HEMSゲートウェイ3を介して、設備装置5と通信する。
図2(d)によれば、電力抑制装置1の機能は、ユーザが所持するスマートフォン7に組み込まれている。スマートフォン7の電力抑制装置1の機能は、HEMSゲートウェイ3を介して、設備装置5と通信する。
電力抑制装置1は、アグリゲータ事業設備2から受信したデマンドレスポンスの発動要請に応じて、HEMSゲートウェイ3を介して、設備装置5の設定数値(例えば空調装置の設定温度)を変更することができる。
ここで、本発明の電力抑制装置1は、抑制可能な設定数値を、需要家内のユーザの快適性に応じて算出する。そして、電力抑制装置1は、デマンドレスポンスの発動要請に対する要請応答を、アグリゲータ事業設備2へ応答する。要請応答としては、発動要請に対する許諾/拒否に加えて、抑制可能電力を含むものであってもよい。
図3は、本発明における電力抑制装置の機能構成図である。
図4は、本発明の利用用途を表すシーケンス図である。
図3によれば、電力抑制装置1は、要請受信部101と、要請応答部102と、実績テーブル11と、設定数値決定部12と、設定数値変更部13と、設定数値取得部14と、環境数値取得部15と、電力差テーブル16と、電力値取得部17とを有する。これら機能構成部は、装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。また、これら機能構成部の処理の流れは、装置の電力抑制方法としても理解できる。
以下では、図4における利用用途を説明した後、図3における電力抑制装置1の各機能について詳述する。
図4によれば、需要家内の設備装置5は空調装置であって、夏場の冷房装置の設定温度(設定数値)を制御するシーケンスが表されている。
(S1)需要家内について、空調装置5の設定温度26°Cであり、室内温度(環境数値)26°Cであったとする。電力抑制装置1は、これら数値を、HEMSゲートウェイ3を介して収集する。
(S2)このとき、電力抑制装置1は、アグリゲータ事業設備2から、デマンドレスポンスの発動要請を受信したとする(後述する要請受信部101参照)。
(S3)電力抑制装置1は、需要家内のユーザの快適性に応じて、設定温度を決定する(後述する設定数値決定部12参照)。ここでは、電力を抑制するべく、例えば設定温度29°Cに決定したとする。また、電力抑制装置1は、デマンドレスポンスを許諾した旨の要請応答を、アグリゲータ事業設備2へ返信する。
(S4)要請され許諾したデマンドレスポンスの要請期間の開始時刻になると、電力抑制装置1は、HEMSゲートウェイ3を介して、空調装置5の設定温度を29°Cに変更する(後述する設定数値変更部13参照)。
(S5)需要家内の室内温度が、少しずつ上昇していく。電力抑制装置1は、室内温度27°Cになったことを記録する。
(S6)電力抑制装置1は、室内温度28°Cになったことを記録する。
(S7)電力抑制装置1は、室内温度29°Cになったことを記録する。
(S8)このとき、需要家内のユーザは、不快な「暑さ」を感じて、空調装置5の設定温度を27°Cに変更し、電力抑制をキャンセルしたとする。電力抑制装置1は、空調装置5の設定温度が27°Cに変更されたことを記録する。
(S9)その後、電力抑制装置1は、室内温度27°Cになったことを記録する。
(S10)電力抑制装置1は再び、アグリゲータ事業設備2から、デマンドレスポンスの発動要請を受信したとする。
(S11)電力抑制装置1は、設定数値を決定する。過去の需要家内のユーザに対する実績テーブルを参照して、電力を抑制するべく、例えば設定温度を28°Cに決定したとする。このとき、電力抑制装置1は、デマンドレスポンスを許諾した旨の要請応答を、アグリゲータ事業設備2へ返信する。
(S12)要請され許諾したデマンドレスポンスの要請期間の開始時刻になると、電力抑制装置1は、HEMSゲートウェイ3を介して、空調装置5へ、設定温度を28°Cに変更する。
(S13)需要家内の室内温度が、少しずつ上昇していく。電力抑制装置1は、室内温度28°Cになったことを記録する。この場合であっても、需要家内のユーザは、快適性について、「暑いというほどじゃない」として、その設定温度28°Cを受け入れる可能性が高いといえる。
前述のシーケンスは、設備装置5が、冷房の空調装置であって、設定温度が高くなるほど、消費電力が低くなる場合を表す。逆に、設備装置5が、暖房の空調装置であって、設定温度が低くなるほど、消費電力が低くなる場合であってもよい。即ち、本発明によれば、需要家のユーザが、電力抑制をキャンセルしない程度まで、省電力を維持することができるように、設定数値を決定する。
[要請受信部101]
要請受信部101は、アグリゲータ事業設備2から、デマンドレスポンスの発動要請を受信する。そして、発動要請を受信した旨を、設定数値決定部12へ通知する。
発動要請には、要請期間が含まれており、電力抑制量も含まれたものであってもよい。
[設定数値取得部14]
設定数値取得部14は、発動要請の「要請期間開始時における要請前設定数値」を設定数値決定部12が推定するため、及び要請期間完了時に要請完了実績を設定数値決定部12が判定するために、設定数値を、HEMSゲートウェイ3を介して設備装置5から取得する。設定数値は、設備装置5が空調装置である場合、設定温度となる。取得された要請前設定数値は、実績テーブル11へ出力される。
[環境数値取得部15]
環境数値取得部15は、需要家内の「環境数値」を、HEMSゲートウェイ3を介して設備装置5から取得する。勿論、HEMSゲートウェイ3から取得させるものであってもよい。環境数値は、設備装置5が空調装置である場合、室内温度となる。取得された環境数値は、実績テーブル11へ出力される。
図5は、発動要請毎に、電力抑制装置によって取得された情報のテーブルである。
図5のテーブルによれば、発動要請には、要請日及び要請期間が指定される。
設定数値取得部14によって、要請前設定数値(要請前の設定温度)が取得される。また、設定数値取得部14によって、発動要請の要請期間が完了した時点の設備装置5の設定数値が取得される。
環境数値取得部15によって、環境数値(室内温度)が取得される。
設定数値決定部12によって、要請後設定数値(要請後の設定温度)と、発動要請に対する応答実績(許諾/拒否)とが決定される。また、設定数値決定部12によって、当該発動要請の要請完了実績(完了/キャンセル)が判定される。
設定数値変更部13によって、設備装置5(空調装置)に対して、要請後設定数値(要請後の設定温度)で変更される。
「要請完了」とは、発動要請によって設定数値が変更された後、ユーザによってキャンセルされることなく、電力抑制が完了したことをいう。
設定数値(設定温度)に対するキャンセルとは、空調装置5の当該設定温度に対して、需要家のユーザ自らが不快を感じて、より電力を消費する側(夏季、設備装置5が空調装置の場合、より低い温度)に当該設定温度を変更する場合を意味する。
尚、電力値取得部17によって、HEMSゲートウェイ経由でスマートメータから要請前電力と要請後電力が取得され、記録される。このとき、要請前電力と要請後電力との電力差も記録される。要請前電力及び要請後電力は、要請期間開始前及び要請期間完了後の所定のタイミングでスマートメータから取得する電力値(W:ワット値)であってもよいし、または、要請期間開始前及び要請期間完了後の所定の時間の消費電力量(Wh:ワットアワー値)を所定の時間で除算した値であってもよい。
[実績テーブル11]
実績テーブル11は、「要請期間開始時における設備装置の要請前設定数値」と、「要請期間完了後における設備装置の要請後設定数値」との組み合わせ毎に、「発動要請数に対する要請完了数」を記憶する。
図6は、本発明における実績テーブルの第1の例である。
図6によれば、「列」として、要請期間開始時における設備装置の要請前設定数値を並べ、「行」として、要請期間完了後における設備装置の要請後設定数値を並べている。
行列の各「セル」には、「要請完了数/発動要請数、要請完了確率(%)」が記録されている。
「要請完了数」は、発動要請が許諾され、且つ、発動要請に基づいて変更された設定温度(設定数値)が需要家にキャンセルされることなく完了した数である。要請完了確率は発動要請数に対する要請完了数の割合である。
図6によれば、例えば要請前・設定温度25°Cの際に、要請後・設定温度が27°Cへ変化している場合、5回の発動要請に対して、要請完了数が5回となっており、要請完了確率100%となっている。
一方で、例えば要請前・設定温度25°Cであっても、要請後・設定温度が28°Cへ変化している場合、6回の発動要請に対して、要請完了数が4回となっており、要請完了確率67%となっている。
このように、設備装置5が夏場の冷房装置である場合、電力抑制によって設定温度が高くなるほど、要請完了確率も低くなっている。
また、図6によれば、実績テーブルは、所定時間帯(時間幅毎、日毎、曜日毎、平日/休日毎、月毎、季節毎など)に作成されている。需要家内のユーザは、時間帯によって、在室するユーザの人数や属性(子供/成人/年寄など)も異なるためである。即ち、在室するユーザの人数や属性よって、ユーザの快適性も異なり、要請完了数も異なるためである。例えば、ユーザの生活行動と在宅状況とを、時間帯の観点から調査した報告もある(例えば非特許文献3参照)。
図7は、本発明における実績テーブルの第2の例である。
図7の実績テーブルは、図6の実績テーブルと比較して、要請前設定数値と要請後設定数値との組み合わせ毎に、発動要請数に対する「要請許諾数」が更に記録されている。
図7によれば、例えば要請前・設定温度25°Cの際に、要請後・設定温度が27°Cへ変化している場合、5回の発動要請における要請許諾数5回に対して、要請完了数が5回となっており、要請許諾数を基準とした要請完了確率は100%となっている。
一方で、例えば要請前・設定温度25°Cであっても、要請後・設定温度が28°Cへ変化している場合、6回の発動要請における要請許諾数5回に対して、要請完了数が4回となっており、要請許諾数を基準とした要請完了確率は80%となっている。
[設定数値決定部12]
設定数値決定部12は、はじめに、発動要請に含まれる要請期間の開始時刻における設備装置の設定数値を要請前設定数値として推定する。推定にあたり、次の2つの値を比較する。1つ目は、設定数値取得部14が取得する設備装置5の現在(発動要請を受信した時)の設定数値である。2つ目は、発動要請日及び要請期間に対応する所定時間帯(時間幅毎、日毎、曜日毎、平日/休日毎、月毎、季節毎など)に対応する実績テーブル11の中の「要請前・設定数値」の各列について、全ての要請後・設定数値の範囲に渡る要請数の総和が最大となる要請前・設定数値(図6の例では要請前・設定数値が24°Cの場合、要請数の総和は23となり最大)である。これらを比較し、いずれかを発動要請に含まれる要請期間の開始時における設備装置の要請前設定数値として採用する。例えば、10分程度後の近い将来に要請期間が開始する発動要請を受信した場合には、現在の設定数値を要請前設定数値として採用し、逆に遠い将来(数時間以上経過後)に要請期間が開始する発動要請を受信した場合には、当該時間帯の実績テーブル11にある要請前・設定数値の中から該当する値を採用するなど、発動要請の内容に応じて使い分けても良い。
次に、実績テーブル11を用いて、設備装置の要請前設定数値に対して、発動要請数に対する要請完了数が「所定条件」を満たす要請後設定数値を決定する。
ここで、所定条件は、例えば以下の2つの場合がある。
(1)「要請完了数/発動要請数」に基づく所定閾値(例えば80%)以上
(2)「要請完了数/要請許諾数」に基づく所定閾値(例えば80%)以上
これは、設備装置5が、冷房の空調装置であって、設定温度が高くなるほど、消費電力が低くなる場合である。本発明によれば、需要家のユーザが、電力抑制をキャンセルしない程度まで、即ち快適性を損ねない程度まで省電力を維持することができるように、設定数値を決定する。
また、「時間帯」に応じて複数の実績テーブル11が作成されている場合、設定数値決定部12は、発動要請に応じた時間帯に対応する当該実績テーブル11を用いて、要請後設定数値を決定する。
前述した設定数値決定部12は、実績テーブル11に過去の十分なデータが取得されていることを前提としている。ここで、実績テーブル11のデータが十分でない場合についても説明する。
(実績テーブル11が初期状態である場合)
需要家に依存しない固定の設定数値で決定する。
(方法1)固定値(例えば要請前の環境数値(室内温度)に対して+2°Cを上限とする)
(方法2)既存の温熱指標を用いて決定する(例えばPMV(Predicted Mean Vote、予測温冷感申告)が+0.5の時の温度を上限とする)
尚、PMVとは、人体の熱負荷と人間の温冷感を結びつけた温熱環境の評価指数である。
(設備装置から設定数値のみ取得できる場合)
当該設備装置の過去の設定数値を取得できる場合、当該時間帯のその設定数値の範囲の上限で決定する。
[要請応答部102]
要請応答部102は、発動要請に対して、要請の許諾/拒否を含む「要請応答」を、アグリゲータ事業設備2へ返信する。
具体的には、電力抑制装置1は、HEMSゲートウェイ3やスマートフォン7を介して、ユーザに発動要請の許諾/拒否を問い合わせるものであってもよい。勿論、アグリゲータからのデマンドレスポンスの発動要請に対して、電力抑制装置1が要請応答を自動的にアグリゲータへ返信することとし、ユーザへの許諾/拒否の問い合わせ省くことを予め、設定しておくものであってもよい。本発明は、発動要請に対して許諾されている場合にのみ、有効に機能する。
[設定数値変更部13]
設定数値変更部13は、HEMSゲートウェイ3を介して設備装置5に対して、設定数値を要請後設定数値に変更する。設備装置5が空調装置である場合、決定された設定温度に変更する。
[電力値取得部17]
電力値取得部17は、発動要請により設備装置5の設定数値を変更する前後で消費される電力値を、HEMSゲートウェイ3を介してスマートメータ6から取得する。取得された電力値は、図5のテーブルへ出力される。
また、後述する電力差テーブルの初期値を算出するために、電力値取得部17は、HEMSゲートウェイ3を介して設備装置5(例えば空調装置)から定格消費電力を取得する。
[電力差テーブル16]
電力差テーブル16は、「要請前設定数値」と「要請後設定数値」との組み合わせ毎に、「設備装置の電力差」を対応付けたものである。
特に、デマンドレスポンスの発動要請に、「抑制要請電力」が含まれている場合、設定数値決定部12は、抑制要請電力よりも電力差が大きい要請後設定数値を決定することができる。
図8は、初期状態に基づく電力差テーブルである。
図8によれば、「要請前設定数値」と「要請後設定数値」との組み合わせ毎に、抑制できる消費電力を表す。ここで、電力抑制装置1は、抑制可能な消費電力が、デマンドレスポンスの発動要請によって要求された抑制電力を満たすことができない場合には、拒否とした要請応答を返信することができる。また、要請応答は、許諾とした要請応答に、抑制可能な消費電力、または抑制可能な消費電力の値と、抑制が要請される時間を乗算した抑制可能な消費電力量を含めることもできる。
また、図8の電力差テーブルは、前述した図6の実績テーブル11と同様に、所定時間帯(時間幅毎、日毎、曜日毎、平日/休日毎、月毎、季節毎など)に作成されている。
尚、図8について、括弧()付きは、設備装置5に基づく初期値を意味する。具体的には、設備装置5(例えば空調装置)から取得する定格消費電力の値を用いて算出される、設定温度を1°C変更した場合の消費電力差の概算値である。例えば、定格消費電力の8%(定格消費電力500Wの場合、1°C変更による消費電力差40W)とする。定格消費電力の取得にはECHONET Liteを用いることができる。
図9は、実績値に基づいて実績テーブル及び電力差テーブルを混在させたテーブルである。
図9によれば、電力差テーブルには、要請前設定数値と要請後設定数値との組み合わせ毎に、実際の電力値に基づく電力差が上書きされる。実際の電力値は、例えばECHONET Liteのプロトコルを用いて、HEMSゲートウェイ3を介して設備装置5から取得することができる。
尚、図9について、印※付きは、消費電力差の実績値を表す。取得した実績値が増えると共に、括弧()付き電力差が、印※付き電力差に上書きされていく。
電力差テーブル16を用いることによって、要請応答部102は、要請前設定数値から、設定数値決定部12によって決定された要請後設定数値までに抑制可能な電力差を、要請応答として返信することができる。
以上、詳細に説明したように、本発明のプログラム、装置及び方法によれば、需要家内のユーザの快適性を考慮して電力抑制を制御することができる。
需要家の視点からは、デマンドレスポンスの発動要請を許諾した後に、ユーザの不快によって電力抑制がキャンセルされる可能性が低くなる。特に、電力抑制の要請期間中にキャンセルされたことに対して、需要家にペナルティが生じる場合、そのペナルティの発生を事前に抑制することができる。これによって、ユーザにとって快適性に無理のない範囲で消費電力を抑制することができ、デマンドレスポンスの発動要請に対する許諾数を増加させ、アグリゲータからの報酬の増加も期待できる。
電力供給事業者及びアグリゲータの視点からは、デマンドレスポンスの発動要請が許諾される確率を高めることができると共に、電力需要をスムーズに調整することができる。また、発動要請が許諾された電力抑制期間中に、需要家のユーザ自らがキャンセルする確率も低くなり、アグリゲータにとっては、電力供給事業者へ支払うペナルティを抑制することができる。
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
1 電力抑制装置
101 要請受信部
102 要請応答部
11 実績テーブル
12 設定数値決定部
13 設定数値変更部
14 設定数値取得部
15 環境数値取得部
16 電力差テーブル
17 電力値取得部
2 アグリゲータ事業設備
3 HEMSゲートウェイ
4 ホームゲートウェイ
5 設備装置、空調装置
6 スマートメータ
7 スマートフォン

Claims (15)

  1. 需要家のユーザ自ら最適な設定数値に変更可能な設備装置に対して、デマンドレスポンスの発動要請に応じて電力を抑制する電力抑制装置において、
    要請期間開始時における設備装置の要請前設定数値と、要請期間完了後における設備装置の要請後設定数値との組み合わせ毎に、発動要請数に対する要請完了数を記憶した実績テーブルと、
    発動要請の受信時に、前記実績テーブルを用いて、設備装置の要請前設定数値に対して、発動要請数に対する要請完了数が所定条件を満たす要請後設定数値を決定する設定数値決定手段と、
    前記設備装置に対して、前記要請後設定数値に変更する設定数値変更手段と
    を有することを特徴とする電力抑制装置。
  2. 前記設備装置は、空調装置であり、
    前記設定数値は、設定温度であり、
    前記実績テーブルにおける前記要請完了数は、発動要請が許諾され、且つ、発動要請に基づいて変更された設定温度が需要家にキャンセルされることなく完了した数である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力抑制装置。
  3. 前記設定温度のキャンセルとは、前記空調装置の当該設定温度に対して需要家のユーザ自らが不快を感じて当該設定温度を変更する場合である
    ことを特徴とする請求項2に記載の電力抑制装置。
  4. 発動要請の要請期間開始時における要請前設定数値を、前記設備装置から取得し、前記実績テーブルに記録する設定数値取得手段と、
    前記設備装置の作用を表す環境数値を、前記設備装置から取得し、前記実績テーブルに記録する環境数値取得手段と
    を更に有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電力抑制装置。
  5. 前記実績テーブルは、所定時間帯毎に生成されており、
    前記設定数値決定手段は、前記発動要請に応じた時間帯に対応する当該実績テーブルを用いて、要請後設定数値を決定する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電力抑制装置。
  6. 前記設定数値決定手段の前記所定条件は、「要請完了数/発動要請数」に基づく所定閾値である
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電力抑制装置。
  7. 前記実績テーブルは、要請前設定数値と要請後設定数値との組み合わせ毎に、発動要請数に対する要請許諾数を更に記録し、
    前記設定数値決定手段の前記所定条件は、「要請完了数/要請許諾数」に基づく所定閾値である
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電力抑制装置。
  8. 要請前設定数値と要請後設定数値との組み合わせ毎に、設備装置の電力差を対応付けた電力差テーブルを更に有し、
    前記発動要請には、抑制要請電力が含まれており、
    前記設定数値決定手段は、前記抑制要請電力よりも前記電力差が大きい要請後設定数値を決定する
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電力抑制装置。
  9. 前記設備装置における、設定数値毎の電力値を取得する電力値取得手段を更に有し、
    前記電力差テーブルには、要請前設定数値と要請後設定数値との組み合わせ毎に、実際の電力値に基づく電力差が上書きされる
    ことを特徴とする請求項8に記載の電力抑制装置。
  10. 前記電力差テーブルを用いて、要請前設定数値から、前記設定数値決定手段によって決定された要請後設定数値までで抑制可能な電力差を、要請応答として返信する要請応答手段を
    更に有することを特徴とする請求項8又は9に記載の電力抑制装置。
  11. 当該電力抑制装置の機能が、HEMS(Home Energy Management System)ゲートウェイに組み込まれており、
    前記HEMSゲートウェイが、アグリゲータ(電力仲介事業者)から前記発動要請を受信することによって、前記設備装置の設定数値を変更する
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の電力抑制装置。
  12. 当該電力抑制装置は、アグリゲータ側に設置されており、
    当該電力抑制装置は、HEMSゲートウェイを介して、前記設備装置の設定数値を変更する
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の電力抑制装置。
  13. 需要家のユーザ自ら最適な設定数値に変更可能な設備装置に対して、デマンドレスポンスの発動要請に応じて電力を抑制する装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムにおいて、
    要請期間開始時における設備装置の要請前設定数値と、要請期間完了後における設備装置の要請後設定数値との組み合わせ毎に、発動要請数に対する要請完了数を記憶した実績テーブルと、
    発動要請の受信時に、前記実績テーブルを用いて、設備装置の要請前設定数値に対して、発動要請数に対する要請完了数が所定条件を満たす要請後設定数値を決定する設定数値決定手段と、
    前記設備装置に対して、前記要請後設定数値に変更する設定数値変更手段と
    してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  14. 前記プログラムの機能は、需要家によって所持される携帯端末のアプリケーションとして組み込まれており、
    前記携帯端末が、アグリゲータから前記発動要請を受信することによって、HEMSゲートウェイを介して、設備装置の設定数値を変更する
    ようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項13に記載のプログラム。
  15. 需要家のユーザ自ら最適な設定数値に変更可能な設備装置に対して、デマンドレスポンスの発動要請に応じて電力を抑制する装置の電力抑制方法において、
    前記装置は、
    要請期間開始時における設備装置の要請前設定数値と、要請期間完了後における設備装置の要請後設定数値との組み合わせ毎に、発動要請数に対する要請完了数を記憶した実績テーブルを有し、
    前記装置は、
    発動要請の受信時に、前記実績テーブルを用いて、設備装置の要請前設定数値に対して、発動要請数に対する要請完了数が所定条件を満たす要請後設定数値を決定する第1のステップと、
    前記設備装置に対して、前記要請後設定数値に変更する第2のステップと
    を実行することを特徴とする装置の電力抑制方法。
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