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JP6786982B2 - リードを備える電子楽器、その電子楽器の制御方法、及びその電子楽器用のプログラム - Google Patents
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JP6786982B2 - リードを備える電子楽器、その電子楽器の制御方法、及びその電子楽器用のプログラム - Google Patents

リードを備える電子楽器、その電子楽器の制御方法、及びその電子楽器用のプログラム Download PDF

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Description

本発明は、リードを備える電子楽器、その電子楽器の制御方法、及びその電子楽器用のプログラムに関する。
アコースティック管楽器(例えばサクソフォン、クラリネットのような、リードを用いる木管楽器)では、リードに触れる唇と舌の位置と圧力との変化が楽音の音色を変化させて多彩な演奏表現を実現している。
特許文献1には、楽音を電子的に合成して出力する電子管楽器が開示されている。この電子管楽器は、感圧式のリップセンサ(感圧センサ)をリードに複数配置し、唇と舌との位置を検出して楽音制御している。
特開平7−72853号公報
ところで、リードを備える電子楽器では、リード上の唇(リップ)位置等を求めるためにリップの接触状態を検出する複数の検出部が設けられる。
この検出部が配置された領域をまたいで大きくはみ出すように、演奏者のリップが位置する場合には、検出部に接触しているリップの接触面積が少なくなり、検出部から出力される出力値が小さくなる。
このような状態のときに、ノイズ等の影響によって、リップが接触していない検出部から出力値が出力されると、相対的にノイズ等の影響によって出力された出力値の割合が多くなるため、リード上のどの位置にリップが位置しているかを求める計算に大きな誤差が発生し、演奏者の意図しない発音が行われる場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、演奏者のリップが、検出部が配置された領域をまたいで大きくはみ出している場合でもノイズの影響を受け難い電子楽器、その電子楽器の制御方法、及びその電子楽器用のプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の構成により把握される。
本発明の電子楽器は、先端部から基端部に向かってリップの接触状態を検出する複数の検出部が設けられたリードと、前記検出部の出力値に基づき前記リード上での前記リップの重心位置を決定する制御部と、を備え、前記制御部は、閾値以上の前記出力値を出力している前記検出部を判定する第1処理と、前記第1処理によって前記閾値以上の前記出力値を出力していると判定された前記検出部の前記出力値に基づいて前記重心位置を決定する第2処理と、を含む処理を実行する。
本発明に係る電子楽器の制御方法は、先端部から基端部に向かってリップの接触状態を検出する複数の検出部が設けられたリードを備える電子楽器の制御方法であって、閾値以上の出力値を出力している前記検出部を求める第1ステップと、前記第1ステップによって求めた前記検出部に対応する前記出力値を用いて、前記リード上での前記リップの重心位置を決定する第2ステップと、を含む。
本発明に係る電子楽器用のプログラムは、先端部から基端部に向かってリップの接触状態を検出する複数の検出部が設けられたリードを備える電子楽器の制御部に、閾値以上の出力値を出力している前記検出部を求める第1処理と、前記第1処理によって求めた前記検出部に対応する前記出力値を用いて、前記リード上での前記リップの重心位置を決定する第2処理と、を含む処理を実行させる。
本発明によれば、演奏者のリップが、検出部が配置された領域をまたいで大きくはみ出している場合でもノイズの影響を受け難い電子楽器、その電子楽器の制御方法、及びその電子楽器用のプログラムを提供することができる。
(a)は本発明の実施形態に係る電子楽器の平面図、(b)は電子楽器の側面図である。 電子楽器の機能構成を示すブロック図である。 (a)はマウスピースを示す断面図、(b)はマウスピースを示す下面図である。 演奏者Pの口腔とマウスピースとの接触状態を示す図である。 (a)はリップ接触範囲C1で接触したリードの下面図とセンサ出力値を示す図、(b)はリップ接触範囲C2で接触したリードの下面図とセンサ出力値を示す図、(c)はリップ接触範囲C2及びタン接触範囲C3で接触したリードの下面図とセンサ出力値を示す図である。 リードに含まれる検出部を模式的に示す図である。 第1実施形態においてノイズがない場合及びノイズがある場合における出力値及び重心位置の一例を示す表である。 図7に対応するグラフである。 第1実施形態においてノイズがない場合及びノイズがある場合における出力値及び重心位置の他の例を示す表である。 図9に対応するグラフである。 第1実施形態においてノイズがない場合及びノイズがある場合における出力値及び重心位置の別の例を示す表である。 図11に対応するグラフである。 第1実施形態において重心位置を決定する手順を示すフローチャートである。 第2実施形態においてリードに含まれる検出部及び仮想検出部を模式的に示す図である。 第2実施形態において仮想出力がない場合及び仮想出力がある場合における出力値及び重心位置の一例を示す表である。 図15に対応するグラフである。 第2実施形態において重心位置を決定する手順を示すフローチャートである。
以下では、はじめに、本発明の実施形態において用いられる、電子楽器用のリード11(以下、単に、リード11ともいう)を含む電子楽器100の基本的な内容について説明を行い、その後、電子楽器用のリード11についての詳細な説明を行う。
[電子楽器及び電子楽器用リード]
図1(a)は本発明の実施形態に係る電子楽器100の平面図、(b)は電子楽器100の側面図である。
電子楽器100は、リードを用いる木管楽器であるアコースティック管楽器の奏法(例えば、ピッチベンドやビブラート)に応じて演奏を表現する電子楽器である。
本実施形態では、電子楽器100がサクソフォンである例を説明するが、これに限定されるものではなく、クラリネット等、リードを用いる他の管楽器の電子楽器に適用してもよい。
(電子楽器)
図1(a)、(b)に示すように、電子楽器100は、管体部100aを備え、管体部100a上の操作子1、サウンドシステム9と、マウスピース10と、を備える。
電子楽器100の形状は、アコースティック管楽器のサクソフォンの形状を模している。
管体部100aは、サクソフォンの管体部を模した形状を有する本体の筐体部である。
操作子1は、演奏者P(ユーザ)が指で操作する操作部であり、音高を決定する演奏キー、楽曲のキーに合わせて音高を変える機能、音高の微調整を行う機能等を設定する設定キーを含む。
マウスピース10は、演奏者Pが口腔で操作する部品であり、詳細は後述する。
サウンドシステム9は、スピーカ等を有し、楽音出力を行う部品である。
また、図1(a)の電子楽器100の一部透視部分に示すように、管体部100a内部に設けられた基板上に、息圧検出部2、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)5、ROM(Read Only Memory)6、RAM(Random Access Memory)7、音源8が設けられている。
息圧検出部2は、演奏者Pからマウスピース10に吹き込まれた息の圧力(息圧)を検出するセンサである。
音源8は、楽音を生成する回路である。
CPU5、ROM6、及びRAM7については後述する。
次に、図2を参照して、電子楽器100の機能構成を説明する。図2は、電子楽器100の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、電子楽器100は、操作子1と、息圧検出部2と、リップ検知部3と、タン検知部4と、CPU5と、ROM6と、RAM7と、音源8と、サウンドシステム9と、を備える。
リップ検知部3と、タン検知部4とは、マウスピース10に設けられるリード11に含まれる(図3参照)。
また、電子楽器100のサウンドシステム9を除く各部は、バス9aを介して互いに接続されている。
操作子1は、上述のとおり演奏キー、設定キー等の各種キーを有し、演奏者Pから各種キー操作を受け付けて、その操作情報をCPU5に出力する。
設定キーは、音色の設定機能、楽曲のキーに合わせて音高を変える機能、音高の微調整を行う機能を設定するとともに、リップ検知部3において検出されたリップLの接触位置及びリップLの接触面積に応じて微調整されるモードを楽音の音色、音量、高さの中から予め選択する機能を設定するキーである。
息圧検出部2は、演奏者Pからマウスピース10に吹き込まれた息の息圧を検出し、その息圧情報をCPU5に出力する。
リップ検知部3は、演奏者Pのリップ(唇)Lの接触を検出する静電容量方式のタッチセンサであり、タッチセンサにおけるリップLの接触位置及びリップLの接触面積に応じた静電容量をリップLの検出情報としてCPU5に出力する。
リップLの接触位置(重心位置)の算出については後述する。
タン検知部4は、演奏者Pのタン(舌)の接触を検出する静電容量方式のタッチセンサであり、タッチセンサにおけるタンの接触面積に応じた静電容量をタンの検出情報としてCPU5に出力する。
CPU5は、電子楽器100の各部を制御する。
CPU5は、ROM6から指定されたプログラムを読み出してRAM7に展開し、展開されたプログラムと協働して各種処理を実行する。
より具体的には、CPU5は、操作子1から入力された操作情報と、息圧検出部2から入力された息圧情報と、リップ検知部3から入力されたリップLの接触の検出情報と、タン検知部4から入力されたタンの接触の検出情報と、に基づいて、楽音の生成を音源8に指示する。
例えば、CPU5は、操作子1から入力された操作情報としての音高情報に基づいて、楽音の音高を設定し、息圧検出部2から入力された息圧情報に基づいて、楽音の音量を設定し、リップ検知部3から入力されたリップLの検出情報に基づくリップ接触位置及びリップ接触面積に応じた出力値(静電容量)に従い、楽音の音色、音量、高さの少なくとも1つを微調整し、タン検知部4から入力されたタン(舌)の接触の検出情報に基づいて、楽音のノートオン/オフを設定する。
ROM6は、読み出し専用の半導体メモリであり、各種データ及び各種プログラムを記憶する。
RAM7は、揮発性の半導体メモリであり、データやプログラムを一時的に格納するワークエリアを有する。
音源8は、シンセサイザであり、操作子1での操作情報や、リップ検知部3からのリップLの検出情報、タン検知部4からのタンの検出情報に基づいたCPU5の楽音の生成指示(楽音制御)に従い、楽音を生成して楽音信号をサウンドシステム9に出力する。
なお、音源8は、楽音信号をフィルタリングするLPFを有するが、LPFは、音源8とサウンドシステム9との間や、サウンドシステム9内に設けられてもよい。
サウンドシステム9は、音源8から入力された楽音信号に信号増幅等を施し、内蔵のスピーカから楽音として出力する。
(マウスピース及びリード)
次に、図3及び図4を参照して、マウスピース10の基本的な内容について説明する。
図3(a)はマウスピース10を示す断面図であり、(b)はマウスピース10を示す下面図である。
図3(a)において、マウスピース10の長手方向に沿って、演奏者Pの口側を「ティップ」(本発明の先端部に相当する)と称し、管体部100a側を「ヒール」(本発明の基端部に相当する)と称することとする。
図3(a)、(b)に示すように、マウスピース10は、マウスピース本体部10aと、電子楽器用のリード11と、固定金具12と、を有する。
マウスピース本体部10aは、演奏者Pが息を吹き込む開口部13を有するマウスピースの本体部品であり、管体部100aに接続される。
リード11は、マウスピース本体部10aの下方、つまり、アコースティック管楽器のリード位置に対応して設けられている。
リード11は、固定金具12によってマウスピース本体部10aに固定されている。
図3(b)に示すように、リード11は、基板と基板に設けられた複数の検出部40,31〜39を有している。
そして、複数の検出部40,31〜39は、基板にティップからヒールに向かって整列した状態で設けられている。
検出部40は、タン検知部4が有する静電容量方式のタッチセンサS10の電極部である。
検出部31〜39は、リップ検知部3が有する静電容量方式のタッチセンサS21〜S29の電極部である。
検出部31〜39は、リード11のティップ側からヒール側に向かってほぼ均等間隔で並び、ほぼ等しい幅を有している。
図4は、演奏者Pの口腔とマウスピース10との接触状態を示す図である。
図4に示すように、演奏者Pは、電子楽器100の演奏時に、上側前歯E1をマウスピース本体部10aの上部に当て、下側前歯E2を下側のリップLで巻き込み、リード11に触れる。
このようにして、マウスピース10は、上側前歯E1とリップLとで保持される。
演奏時の口腔内部のタンは、奏法により、リード11に触れている状態のタンT1(実線)と、リード11に触れていない状態のタンT2(破線)と、のいずれかとなる。
そして、タッチセンサS10,S21〜S29は、検出部40,31〜39に対するリップL及びタンの接触状態(タンT1:接触、又はタンT2:非接触)を検出し、検出情報をCPU5に対して出力する。
CPU5は、追って詳しく述べるように、タッチセンサS21〜S29から出力される検出情報に応じて、リード11におけるリップLの接触位置(重心位置)を算出する。
また、CPU5は、タンが接触したことをタッチセンサS10から出力される検出情報に基づいて判断する。
(リップ検知部及びタン検知部の出力特性)
図5を参照して、リップ検知部3及びタン検知部4の出力特性を説明する。図5(a)はリップ接触範囲C1で接触したリード11の下面図とセンサ出力を示す図、(b)はリップ接触範囲C2で接触したリード11の下面図とセンサ出力を示す図、(c)はリップ接触範囲C2及びタン接触範囲C3で接触したリード11の下面図とセンサ出力を示す図である。
図5(a)〜(c)においてセンサ出力を示すグラフでは、横軸にリード11上の位置をとり、縦軸に、検出部のそれぞれに対応するタッチセンサSの出力強度(出力電圧)を棒グラフ状に表している。
ただし、図5では、便宜上、検出部36〜39及びこれら検出部36〜39に対応する出力強度は省略されている。
図5(a)に示すように、演奏者PがリップLをリップ接触範囲C1に最も強く当てるように接触させると、リップ接触範囲C1に対応する検出部32におけるタッチセンサS22の出力強度が最大となる分布が得られる。
また、図5(b)に示すように、演奏者PがリップLをリップ接触範囲C2に最も強く当てるように接触させると、リップ接触範囲C2に対応する検出部33,34におけるタッチセンサS23,S24の出力強度が最大となる分布が得られる。
ただし、図5(a)、図5(b)では、検出部40におけるタッチセンサS10の出力強度は得られていない。
このように、静電容量方式のタッチセンサでは、リップ接触範囲C1,C2と重なる検出部だけでなく、当該重なる検出部に隣接する検出部も反応する。
そのため、後述するように、CPU5は、リップ接触範囲における接触中心、つまり重心位置をリップ接触位置として割り出すこととしている。
また、図5(c)に示すように、演奏者PがリップLをリップ接触範囲C2に接触させたまま、タンをタン接触範囲C3に接触させると、リップ接触範囲C2と重なる検出部33,34に対応するタッチセンサS23、S24の出力値が最大となる分布とともに、タン接触範囲C3と重なる検出部40に対応するタッチセンサS10に大きな出力値が得られる。
つまり、CPU5は、後述のようにしてリップ接触位置を決めるためにリップLの重心位置を算出するとともに、タン検知部4の検出情報としてのタッチセンサS10の出力値が所定の閾値以上か否かにより、タンが接触しているか又は接触していないかを判定する。
(リップLの重心位置の算出)
重心(重心位置)は、複数の検出部31〜39からの夫々の出力値と、複数の検出部31〜39の識別子(位置番号)とに基づいて算出され、以下、図6を参照して、具体的に、リップLの重心位置の算出手法を説明する。
図6は、リード11に含まれる検出部40,31〜39を模式的に示した図である。
図6では、以後の説明がわかりやすいようにするために、検出部31〜39の位置を、検出部31側からP1〜P9で表し、各位置に番号「1」〜「9」を付与している。
そして、リップLのリード11への接触位置(重心位置xG)は、タッチセンサS21〜S29の出力値miと検出部31〜39の位置番号xiとを用いて、次式で算出することが出来る。
Figure 0006786982
ここで、nはタッチセンサの数である。
なお、この式は一般に重心位置を算出するときに用いられる式である。
例えば、位置「P1」から「P9」に対応するタッチセンサS21〜S29の出力値が{0,0,0,0,90,120,150,120,90}である場合、リップLの重心位置xGは、
Figure 0006786982

と算出される。
なお、装置としての処理では、リップLの重心位置xGを、例えば0から127までの整数値(7ビットの2進数)で表現して処理を行っている。
このようなビット表現への変換は、一般的なビット表現への変換と同様であるが、本実施形態では、検出部31〜39の位置番号xiが1から9になっているため、重心位置xGの最小数値が1となり0ではない。
このため、重心位置xGの最小数値が1のときに0を割り当てるために、重心位置xGから1を引いた値(つまり、上記例であれば、6.0)を用いてビット表現に変換、つまり、その6.0を電極数の最大数9で割った後、127を掛けるようにしている。
[第1実施形態]
以上を踏まえ、第1実施形態に係る電子楽器、特に重心位置の算出について詳細に説明する。
なお、重心位置の算出は、制御部としてのCPU5がROM6に記憶されているプログラムを実行することによって実現される。
(センサ出力の態様と重心位置との関係)
図7〜図12を参照して、リップ検知部3のセンサの出力値の態様と重心位置との関係を説明する。
図7、図9、図11は、ノイズがない場合及びノイズがある場合におけるセンサの出力値及び重心位置の例を示す表である。
図8、図10、図12は、それぞれ図7、図9、図11に対応するグラフであり、横軸はリード11上の位置を検出部31〜39に対応したP1〜P9で示しており、縦軸はセンサの出力値を、それぞれ示している。
まず、演奏者Pがリード11の中央付近を咥えた状態に対応するセンサの出力特性の一例を図11、図12に示す。
この例では、位置P4〜P8に亘って連続して比較的大きな出力値{128,255,255,255,128}が出力され、位置P1〜P3,P9の出力値はゼロであるか、又は無視し得るほど小さい。
この状態では、位置P6を中心にして、位置P4,P5及び位置P7,P8の出力値が対称となるように分布することが多い。
したがって、この状態では、図12に例示するように、センサの出力値を示すグラフは全体として山形となる。
この場合、図12(a)のようにノイズがなければ、重心位置は6.0と算出される。
他方、図12(b)のようにノイズがあると重心位置は例えば5.96と算出され、ノイズのない状態における重心位置から僅かにずれる。
ただし、このような重心位置のズレは、生成される楽音(高さ、大きさなど)に影響を及ぼすほどではないと考えられる。
つまり、ノイズが重心位置に与える影響は比較的小さいと言える。
次いで、演奏者Pがリード11を、検出部31〜39の範囲を超えて深く咥えた状態では、センサ出力は例えば図7、図8のように表れる。
この例では、最もヒール側の位置P9における出力値が比較的大きく、位置P1〜P8における出力値は無視し得るほど小さい。
つまり、リップセンサの出力値を示すグラフが全体として山形をなしていない場合である。
この場合において、図8(a)のようにノイズがない、つまり位置P1〜P8の出力値がゼロであれば、重心位置は、上述した「数1」に基づき9.0と算出される。
他方、図8(b)のように位置P2,P4,P5においてノイズ{10,10,2}が生じれば、重心位置は8.1と算出され、ノイズのない状態における重心位置から0.9ほど大きくずれる。
このように、ノイズを除く実質的な出力値が最もヒール側の1個の検出部に表れる場合、重心位置はノイズの影響を受けやすい。
なお、上記では、ヒール側で説明したが、最もティップ側の位置P1における出力値が比較的大きく、位置P2〜P9における出力値は無視し得るほど小さい場合にも、単に同じことがティップ側で起きているだけであるので、同様に、重心位置はノイズの影響を受けやすい。
また、演奏者Pがリード11のヒール側を咥えた状態では、例えば図9、図10のように、ヒール寄りの位置P6〜P9における出力値{128,255,255,255}が比較的大きく、位置P1〜P5における出力値は無視し得るほど小さくなる現象が生じ得る。
つまり、リップセンサの出力値を示すグラフが全体として山形をなしているものの、対称性を有していない場合である。
この場合において、図10(a)のようにノイズがない、つまり位置P1〜P5の出力値がゼロであれば、重心位置は7.7と算出される。他方、図10(b)のように位置P2,P4,P5においてノイズ{10,10,2}が生じれば、重心位置は7.6と算出され、ノイズのない状態における重心位置から0.1ほどずれる。
このように、ノイズを除く実質的な出力値がヒール側の端の数個の検出部に表れる場合、重心位置は、図8との関連で説明した例(実質的な出力値が位置P9だけの場合)ほどではないにしても、ノイズの影響を受けることになる。
つまり、図8、図10及び図12を参照して説明したことをまとめると、リップLの接触による出力値が出力されている検出部の数がヒール側に片寄り、しかも、その検出部の数が少なくなるほど、重心位置の計算はノイズの影響を受けやすいことになる。
なお、上記ではヒール側で説明したが、ティップ側においても同様であり、リップLの接触による出力値が出力されている検出部の数がティップ側に片寄り、しかも、その検出部の数が少なくなるほど、重心位置の計算はノイズの影響を受けやすいことになる。
ここで、リップLがリード11上の中央近傍にある状態では(図11、図12参照)、ノイズを除く出力値は、一定数だけ連続する位置(例えば位置P4〜P8)に亘って観察されるとともに、出力値を示すグラフは、対称性を有する山形となることが多い。
また、ノイズを除く出力値が観察される位置が連続する一定数は、リード11が有する検出部全体の数や、個々の検出部の形状により変わり得るが、例えば図6のように、リード11が9個の検出部を有する場合、上述した一定数は5個又は6個であることが多い。
一方、リップLの位置がヒール側に寄りすぎると(図7〜図10参照)、リップセンサの出力値を示すグラフは非対称となる。
この現象は、仮にヒール側の位置に更なる検出部をリード11が有しているとするならば出力されたであろう出力値が欠けるために生ずる。
なお、リップLの位置がティップ側に寄りすぎた場合にも同様である。
つまり、ヒール側やティップ側に、さらに、検出部があったとすれば、リップLの接触による出力値を出力する検出部の数がもっと多かったと予想される程度に出力値を出力している検出部の数が少なく、そのリップLの接触による出力値が出力されていると予想される検出部がヒール側又はティップ側に片寄って、全体で見たときに非対称な山形になっている場合には、ノイズは重心位置の計算に少なからず影響を及ぼすといえる。
特に、ノイズを除く出力値が、最もティップ側又は最もヒール側に位置する検出部(例えば、位置P1又はP9に対応する検出部31又は39)のみから出力される場合には、ノイズの影響が大きくなる傾向にある。
(重心位置の算出手順)
上述したセンサ出力の態様と重心位置との関係性を踏まえて、第1実施形態では、CPU5は、一定の条件の下で、閾値以上の出力値に基づいて重心位置を決定する。
以下、図13に示すフローチャートを参照しながら、重心位置の決定に関する処理を説明する。
電子楽器100の電源が投入されると、CPU5は、ST11において、リップ検知部3に含まれる検出部31〜39の出力値を更新する処理を行う。
次いで、CPU5は、ステップST12において、最もティップ側又は最もヒール側に位置する検出部31又は検出部39の出力値が、予め設定された閾値以上であるかどうかを判定する。
この処理は、本発明の第3処理に対応し、リップLがティップ側又はヒール側に片寄った位置に位置している可能性を判断するための1つの指標となる処理である。
ここで閾値は、例えば「100」のように具体的な数値で設定されてもよいし、1個の検出部から出力される最大の出力値のうちの一定割合(例えば10%や20%)と設定されてもよい。
また、閾値は、最もティップ側の検出部31と最もヒール側の検出部39とのそれぞれについて別個に設定されてもよい。
ただし、閾値は、ノイズと評価される出力値をほぼ除去することができ、かつ、有効と評価される出力値を除去しないように、設定されることが望ましい。
ステップST12に関わる処理において、最もティップ側又は最もヒール側に位置する検出部31又は検出部39の出力値が閾値以上であると判定されると、CPU5における処理は、ステップST13に進む。
一方、検出部31又は検出部39の出力値が閾値未満であると判定されると、リップLの位置はティップ側又はヒール側に著しく片寄った位置にいないと考えられるため、通常の処理を実施すべく、CPU5における処理は、ステップST15に進む。
次に、ステップST13に進むと、ステップST13では、CPU5は、最もティップ側又は最もヒール側に位置する検出部31又は検出部39から、閾値以上の出力値を出力している検出部がいくつ連続しているかを求め、求められた検出部の数が設定値数未満であるかどうかを判定する。
この処理は、本発明の第1処理及び第4処理に相当し、上述したように、リップLの位置がティップ側又はヒール側に片寄っている可能性がある状態において、リップLの接触によると思われる出力値が出力されている検出部の数を確認することでノイズの影響が問題となるほどにリップLがティップ側又はヒール側に片寄っている、つまり、リップLの接触によって反応している検出部の数が少なすぎる状態であるか否かを判断するための処理である。
ここで、設定値は、予め設定される値であり、リップLがリード11上の中央近傍に位置する状態のときに見られる、リード11の長手方向に連続する閾値以上の検出部の数(図12の例では「5」)以下に設定される。
つまり、リップLが、検出部の存在する領域からはみ出していないときに出力値が観測される検出部の数以下の場合には、出力値を出力している検出部の数が通常よりも少ないことを意味するため、その通常の数を設定値にすることで、その設定値以下である場合にはティップ側又はヒール側にリップLが片寄りすぎており、出力値が得られる検出部の数が少なくなりすぎていると判断することができる。
なお、ノイズの影響を極力小さくすることを重視する場合には、設定値はリップLがティップ側又はヒール側に片寄っていないときに出力値を出力している検出部の数に等しくすることが好ましい。
一方、重心位置の大幅な移動を回避することで足りる場合、例えば、ノイズの影響を受けたときに、図10を参照して説明した程度の重心位置のズレであれば問題ないような場合には、通常、リップLの接触によって出力値を出力している検出部の数が5(図12の状態)であるのに対して、それよりも少ない数である3を設定値に設定して、図10に示すリップLの接触によって出力値を出力している検出部の数が4である場合までを許容するように設定値を通常の数よりも小さく設定してもよい。
ステップST13において、上述した連続する検出部の数が設定値未満であると判定されると、CPU5における処理はステップST14に進む。
上述した連続する検出部の数が設定値以上であると判定されると、CPU5における処理はステップST15に進む。
ステップST14では、CPU5は、閾値以上の出力値を出力すると判定した検出部の出力値に基づいて重心位置を決定する。
この場合、CPU5は、閾値未満の出力値を有する検出部の出力値をゼロとして扱うことになる。
この処理は、本発明の第2処理に相当する。
ステップST14に進んでいることは、リップLの位置がティップ側又はヒール側に片寄りすぎた結果、リップLの接触による出力値が得られる検出部の数が少なく、ノイズの影響を受けやすい状態であることから、ステップST14では、閾値以上の出力値を出力している検出部のみによってリップLの重心位置を求める処理を実施し、ノイズの影響を受けることを回避している。
その後、ステップST15において、CPU5は、決定した重心位置を音に反映させる。
一方、ステップST12,ST13から直ちにステップST15に進む場合には、ステップST15の処理を実行する前に、全ての検出部の出力値を用いて重心位置を求める処理が行われる。
ステップST12,ST13から直ちにステップST15に進む場合にも、閾値によってノイズと思われる出力値を出力している検出部を見極めてその検出部の出力値を計算に利用しないようにするほうが一見よいように感じるかもしれないが、ノイズによる出力であるのかリップLの接触による出力であるのかの境目になるような出力値である場合には、本来、ノイズとして扱われるべきところが、リップLの接触による出力とされたり、逆に、リップLの接触による出力であるにも関わらず、ノイズによる出力として扱われる場合があり得る。
より具体的に説明すると、閾値が小さければ、ノイズであるにも関わらずノイズと判断されない確率が高くなり、逆に、閾値が大きければ、ノイズではないにも関わらずノイズと判断される確率が高くなる。
一方、ステップST12,ST13から直ちにステップST15に進む場合には、リップLが多くの検出部に接触している状態にあるといえ、重心位置の計算は図12を参照して説明したように、ノイズの影響を受け難い状態にあるため、閾値で判断するよりも、通常の計算を実行するほうがよい場合も少なくなく、このため、本実施形態では、ステップST12,ST13から直ちにステップST15に進む場合には、ステップST15の処理を実行する前に、全ての検出部の出力値を用いて重心位置を求める処理を行うようにしている。
ただし、確実にノイズであるか否かを判別できる適切な閾値を与えることができる状況である場合は、ステップST12,ST13から直ちにステップST15に進む場合でも、ステップST14と同様の処理を行うようにしてもよい。
つまり、常に、閾値以上の出力値を出力している検出部だけに制限してリップLの重心位置を計算するようにしてもよい。
そして、CPU5は、上述したステップST11〜ステップST15を繰り返し実行する。
このように、第1実施形態では、ノイズではないと評価される出力値がティップ側又はヒール側に偏って表れており、かつ、ノイズではないと評価される出力値を出力している検出部の数が設定値未満であるというノイズの影響で重心位置の計算結果に大きな誤差が出やすい状況であっても、ノイズの影響を受けていない確からしい重心位置を決定することができる。
そのため、リード11上のリップLの物理的な位置と求めたリップLの重心位置との間の乖離が少なくでき、演奏者Pの意図により近い楽音の生成が可能となる。
[第2実施形態]
図14〜図17を参照して、本発明の第2実施形態に係る電子楽器を説明する。
第2実施形態に係る電子楽器の物理的及び機能的な内容は、第1実施形態に係る電子楽器100と同様である。
ただし、制御手段としてのCPU5が実行する処理の内容、特に重心位置の算出手法が、第1実施形態と異なっている。
したがって、以下、重心位置の算出手法を中心に説明する。
(仮想検出部及び仮想出力値)
図14は、仮想検出部の一例を示す図である。また、図15は、仮想検出部を加えていない場合と加えている場合の出力値及び重心位置の例を示す表であり、図16は、図15に対応するグラフであり、横軸はリード11上の位置を検出部31〜39に対応したP1〜P9で示しており、縦軸はセンサの出力値を、それぞれ示している。
なお、以降では、グラフ等と検出部との関係がわかりやすいように、検出部に対する符号としてもP1〜P13との表記を用いる。
リード11上の検出部31〜39の物理的な個数は変わらないが、CPU5は、一定の条件下で、例えば図14に破線で示すように物理的にある最もヒール側の検出部39(以下、単に最もヒール側の検出部という場合がある)の更にヒール側に仮想的な仮想出力値を有する仮想検出部(本例では仮想検出部P10〜P13)を生成する。
この仮想検出部を生成する処理は、本発明の第5処理に相当する。
なお、以下では、ヒール側で説明するが、第1実施形態でも述べたように、同様の状況はティップ側でも起こるため、CPU5は、条件に応じて、物理的に最もティップ側の検出部31(以下、単に最もティップ側の検出部という場合がある)の更にティップ側に仮想検出部を生成する。
そして、CPU5は、このような仮想検出部に対して後述するような仮想的な出力値(以下、仮想出力値ともいう)を割り当て、この仮想出力値を有する仮想検出部を含めて上述した重心位置を算出する。
このような仮想検出部及び仮想出力値が生成されるための条件は、最もティップ側又は最もヒール側の検出部が閾値以上の出力値を出力していること、かつ、最もティップ側又は最もヒール側の検出部から閾値以上の出力値を出力している検出部が連続する数が設定値未満であること、である。
この条件は、既に、第1実施形態で説明したとおり、リップLの位置がティップ側又はヒール側に片寄った位置にあり、リップLが接触している検出部の数が少ない状況に当たる条件であり、設定値及び閾値は、第1実施形態において説明したのと同様に設定される。
そして、以下で説明するように、いくつの仮想検出部を生成するかは、設定値を基準として定められ、仮想検出部に割り当てる仮想出力値は、リップLがティップ側やヒール側に片寄った位置にいないときに見られる通常の状態である対称性を有する山形の出力値を再現できるように決められる。
具体的に、図を参照しながら説明する。例えば図16(a)では、位置P7〜P9に対応する出力値が{128,255,255}であり、他の位置P1〜P6の出力値が{0}である。
一方、このようにヒール側に片寄っていない場合には、図12に示したように閾値が例えば「100」であれば、閾値以上の検出部の数としては5つであり、第1実施形態で述べたように、設定値としては、この通常の状態における閾値以上の検出部の数が設定されているため、図16(a)に示す場合、設定値よりも2つ不足している状態にあることがわかる。
なお、この不足数は、最もヒール側の検出部P9からティップ側に閾値以上の出力値を出力している検出部の数を検出部P9を含めて数えれば3つとして求められ、設定値の数5と差分をとることで求めることが可能である。
ここで、この検出部の数の不足は、リップLがヒール側に寄りすぎた位置にあることが原因のため、検出部P9よりも更にヒール側に2つの検出部が存在したと考えたときに、その2つの検出部の出力値を加えた出力値の山形状は、通常の出力値のときに見られる図12(a)に示すような出力値の山形状、つまり、対称性を有する山形の出力値になるものと考えられる。
このことから、検出部P9よりも更にヒール側に2つの検出部が存在したと考えたときに、その追加した仮想検出部P10,P11の仮想的な仮想出力値が、全体で見たときに、図16(b)に示すような対称性を有する山形となるようにするのが自然であると考えられる。
したがって、対称性を有する山形となるように、仮想検出部P10,P11に対して、閾値以上の出力値を出力している検出部P7,P8,P9(以下、実有効検出部という)を含めて対称性を有する山形とするために、実有効検出部(検出部のP7,P8,P9)と仮想検出部P10,P11をまとめて有効検出部として取り扱い、この有効検出部(検出部のP7,P8,P9及び仮想検出部P10,P11)の中央の検出部(検出部P8)を基準に出力値の山形状が対称となるように、仮想検出部P10,P11に仮想出力値を設定する(図16(b)参照)。
つまり、図16の例でいえば、2個の仮想検出部P11,P12に対して、それぞれ{255,128}の仮想出力値を割り当てるようにして、図16(b)のようにする。
なお、本説明はヒール側で行っているが、ティップ側であっても同様である。
そして、仮想的な位置P10,P11に番号「10」、「11」を割り当てるとすると、実有効検出部及び仮想検出部(有効検出部)の出力値に基づいて算出される重心位置は、次式のとおり9.0となる。
Figure 0006786982

これに対して、仮想検出部の仮想出力値を考慮することなく算出された重心位置は、図15、図16(a)に示すように8.2である。
したがって、仮想検出部の仮想出力値にも基づいて重心位置を計算することで、算出結果が理想的な重心位置に近づくことが期待される。
ところで、仮想出力値も用いて決定した重心位置が、実際にあり得る最もヒール側の重心位置よりも更にヒール側に算出される場合があり得るが、このような重心位置は現実的ではないため、この場合には、CPU5は、重心位置を、実際にあり得る最もヒール側の位置(例えば図14の位置P9)に決定する処理を行う。
なお、ティップ側であっても、同様のこと、つまり、仮想出力値も用いて決定した重心位置が、実際にあり得る最もティップ側の重心位置よりも更にティップ側に算出される場合があるが、この場合にも、CPU5は、重心位置を、実際にあり得る最もティップ側の位置(例えば図14の位置P1)に決定する処理を行う。
このような物理的な検出部が存在する位置よりも外側に重心位置があると算出されたときに、最も外側に位置する検出部の位置を重心位置とする処理は、本発明の第6処理に相当する。
(重心位置の算出手順)
図17に示すフローチャートを参照しながら、第2実施形態における重心位置の決定に関する処理を説明する。
第2実施形態における重心位置の決定手順は、基本的に第1実施形態における重心位置の決定手順と同様である。
異なる手順は、ステップST24において重心位置が決定される際に、実有効検出部の出力値に加えて仮想検出部の仮想出力値を(つまり、有効検出部の出力値を)使用することである。
ただし、仮想出力値に基づいて算出された重心位置が、現実的にとり得る位置(図14ではP1〜P9)の範囲から外れる場合には、上述した第6処理に相当する処理が行われ、重心位置が現実的にとり得る最もティップ側又はヒール側の位置に決定されることになる。
これにより、よりもっともらしい重心位置を算出することが可能となる。
実際には、重心位置は小数点以下の数値を有する形で算出される、つまり、いずれかの検出部の番号に合わせているわけではなく、計算としては、2つの検出部の間にリップLの重心位置が存在するような状況も算出されるようになっているため、上記のような仮想検出部を想定して計算を行うほうが、第1実施形態よりも、より高い精度で重心位置を求めることができる。
なお、ステップST22,ST23から直ちにステップST25に進む場合には、第1実施形態と同様に、ステップST25の処理を実行する前に、全ての検出部の出力値を用いて重心位置を求める処理を行っている。
このように、第2実施形態では、重心位置を決定する際に有効検出部の出力値を用いるため、よりもっともらしい重心位置を得ることができる。その結果、演奏者Pがティップ側又はヒール側を咥えたときにも、演奏者Pの意図により近い楽音を生成することが可能となる。
以上、具体的な実施形態に基づいて本発明の電子楽器用リード及び電子楽器について説明してきたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲には、本発明の目的が達成される範囲での様々な変形や改良などが含まれるものであり、そのことは当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
<請求項1>
先端部から基端部に向かってリップの接触状態を検出する複数の検出部が設けられたリードと、
前記検出部の出力値に基づき前記リード上での前記リップの重心位置を決定する制御部と、を備え、
前記制御部は、
閾値以上の前記出力値を出力している前記検出部を判定する第1処理と、
前記第1処理によって前記閾値以上の前記出力値を出力していると判定された前記検出部の前記出力値に基づいて前記重心位置を決定する第2処理と、を含む処理を実行することを特徴とする電子楽器。
<請求項2>
前記制御部は、最も先端部側又は基端部側に位置する前記検出部が前記閾値以上の前記出力値を出力しているかを判定する第3処理と、
前記第3処理によって最も先端部側又は基端部側に位置する前記検出部が前記閾値以上の前記出力値を出力していると判定された場合に、その最も先端部側又は基端部側に位置する前記検出部から前記閾値以上の前記出力値を出力している前記検出部が連続していくつあるかを求める第4処理と、
前記第4処理によって求められた前記検出部の数が予め設定された数未満である場合に仮想出力値を有する仮想検出部を設定する第5処理と、を実行し、
前記仮想出力値も用いるようにして前記第2処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
<請求項3>
前記第5処理は、前記第3処理で基端部側に位置する前記検出部が前記閾値以上の前記出力値を出力していると判定され、前記第4処理によって求められた前記検出部の数が予め設定された数未満である場合に、その不足する数の前記仮想検出部が最も基端部側に位置する前記検出部から、さらに、基端部側に存在するものとするとともに、最も基端部側に位置する前記検出部から連続して前記閾値以上の前記出力値を出力している前記検出部を実有効検出部とし、前記実有効検出部と前記仮想検出部とを含めた検出部を有効検出部として、前記実有効検出部の前記出力値を用いて、前記有効検出部の中央に位置する検出部を基準に前記出力値が対称状態となるように前記仮想検出部に前記仮想出力値を設定する処理であることを特徴とする請求項2に記載の電子楽器。
<請求項4>
前記制御部は、前記仮想出力値も用いるようにして前記第2処理を実行して決定した前記重心位置が、実際にあり得る最も基端部側の前記重心位置よりも、さらに、基端部側である場合に、前記重心位置を実際にあり得る最も基端部側の前記重心位置とする第6処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の電子楽器。
<請求項5>
前記第5処理は、前記第3処理で先端部側に位置する前記検出部が前記閾値以上の前記出力値を出力していると判定され、前記第4処理によって求められた前記検出部の数が予め設定された数未満である場合に、その不足する数の前記仮想検出部が最も先端部側に位置する前記検出部から、さらに、先端部側に存在するものとするとともに、最も先端部側に位置する前記検出部から連続して前記閾値以上の前記出力値を出力している前記検出部を実有効検出部とし、前記実有効検出部と前記仮想検出部とを含めた検出部を有効検出部として、前記実有効検出部の前記出力値を用いて、前記有効検出部の中央に位置する検出部を基準に前記出力値が対称状態となるように前記仮想検出部に前記仮想出力値を設定する処理であることを特徴とする請求項2に記載の電子楽器。
<請求項6>
前記制御部は、前記仮想出力値も用いるようにして前記第2処理を実行して決定した前記重心位置が、実際にあり得る最も先端部側の前記重心位置よりも、さらに、先端部側である場合に、前記重心位置を実際にあり得る最も先端部側の前記重心位置とする第6処理を実行することを特徴とする請求項5に記載の電子楽器。
<請求項7>
先端部から基端部に向かってリップの接触状態を検出する複数の検出部が設けられたリードを備える電子楽器の制御方法であって、
閾値以上の出力値を出力している前記検出部を求める第1ステップと、
前記第1ステップによって求めた前記検出部に対応する前記出力値を用いて、前記リード上での前記リップの重心位置を決定する第2ステップと、を含むことを特徴とする電子楽器の制御方法。
<請求項8>
先端部から基端部に向かってリップの接触状態を検出する複数の検出部が設けられたリードを備える電子楽器の制御部に、
閾値以上の出力値を出力している前記検出部を求める第1処理と、
前記第1処理によって求めた前記検出部に対応する前記出力値を用いて、前記リード上での前記リップの重心位置を決定する第2処理と、を含む処理を実行させることを特徴とする電子楽器用のプログラム。
100 電子楽器
3 リップ検知部
5 CPU(制御部)
10 マウスピース
11 電子楽器用リード(リード)
31〜39 検出部
S11〜S19 タッチセンサ

Claims (8)

  1. 先端部から基端部に向かってリップの接触状態を検出する複数の検出部が設けられたリードと、
    前記検出部の出力値に基づき前記リード上での前記リップの重心位置を決定する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    閾値以上の前記出力値を出力している前記検出部を判定する第1処理と、
    前記第1処理によって前記閾値以上の前記出力値を出力していると判定された前記検出 の前記出力値に基づいて前記重心位置を決定する第2処理と、を含む処理を実行するこ とを特徴とする電子楽器。
  2. 前記制御部は、最も先端部側又は基端部側に位置する前記検出部が前記閾値以上の前記出力値を出力しているかを判定する第3処理と、
    前記第3処理によって最も先端部側又は基端部側に位置する前記検出部が前記閾値以上の前記出力値を出力していると判定された場合に、その最も先端部側又は基端部側に位置する前記検出部から前記閾値以上の前記出力値を出力している前記検出部が連続していくつあるかを求める第4処理と、
    前記第4処理によって求められた前記検出部の数が予め設定された数未満である場合に仮想出力値を有する仮想検出部を設定する第5処理と、を実行し、
    前記仮想出力値も用いるようにして前記第2処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
  3. 前記第5処理は、前記第3処理で基端部側に位置する前記検出部が前記閾値以上の前記出力値を出力していると判定され、前記第4処理によって求められた前記検出部の数が予め設定された数未満である場合に、その不足する数の前記仮想検出部が最も基端部側に位置する前記検出部から、さらに、基端部側に存在するものとするとともに、最も基端部側に位置する前記検出部から連続して前記閾値以上の前記出力値を出力している前記検出部を実有効検出部とし、前記実有効検出部と前記仮想検出部とを含めた検出部を有効検出部として、前記実有効検出部の前記出力値を用いて、前記有効検出部の中央に位置する検出部を基準に前記出力値が対称状態となるように前記仮想検出部に前記仮想出力値を設定する処理であることを特徴とする請求項2に記載の電子楽器。
  4. 前記制御部は、前記仮想出力値も用いるようにして前記第2処理を実行して決定した前記重心位置が、実際にあり得る最も基端部側の前記重心位置よりも、さらに、基端部側である場合に、前記重心位置を実際にあり得る最も基端部側の前記重心位置とする第6処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の電子楽器。
  5. 前記第5処理は、前記第3処理で先端部側に位置する前記検出部が前記閾値以上の前記出力値を出力していると判定され、前記第4処理によって求められた前記検出部の数が予め設定された数未満である場合に、その不足する数の前記仮想検出部が最も先端部側に位置する前記検出部から、さらに、先端部側に存在するものとするとともに、最も先端部側に位置する前記検出部から連続して前記閾値以上の前記出力値を出力している前記検出部を実有効検出部とし、前記実有効検出部と前記仮想検出部とを含めた検出部を有効検出部として、前記実有効検出部の前記出力値を用いて、前記有効検出部の中央に位置する検出部を基準に前記出力値が対称状態となるように前記仮想検出部に前記仮想出力値を設定する処理であることを特徴とする請求項2に記載の電子楽器。
  6. 前記制御部は、前記仮想出力値も用いるようにして前記第2処理を実行して決定した前記重心位置が、実際にあり得る最も先端部側の前記重心位置よりも、さらに、先端部側である場合に、前記重心位置を実際にあり得る最も先端部側の前記重心位置とする第6処理を実行することを特徴とする請求項5に記載の電子楽器。
  7. 先端部から基端部に向かってリップの接触状態を検出する複数の検出部が設けられたリードを備える電子楽器の制御方法であって、
    閾値以上の出力値を出力している前記検出部を求める第1ステップと、
    前記第1ステップによって求めた前記検出部に対応する前記出力値を用いて、前記リード上での前記リップの重心位置を決定する第2ステップと、を含むことを特徴とする電子楽器の制御方法。
  8. 先端部から基端部に向かってリップの接触状態を検出する複数の検出部が設けられたリードを備える電子楽器の制御部に、
    閾値以上の出力値を出力している前記検出部を求める第1処理と、
    前記第1処理によって求めた前記検出部に対応する前記出力値を用いて、前記リード上での前記リップの重心位置を決定する第2処理と、を含む処理を実行させることを特徴とする電子楽器用のプログラム。
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