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JP6790664B2 - タイヤ - Google Patents
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Description

本発明は、排水性能、ノイズ性能、及び、ディモールド性能を向上させたタイヤに関する。
従来、図7に示されるように、タイヤ周方向に連続してのびる主溝bの溝壁cに、複数の凹部dが設けられたタイヤaが知られている。このようなタイヤaは、凹部dが、主溝b内を流れる水に対して乱流を生じさせやすくするので、水と主溝bの溝壁cとの剥離を促進する。また、凹部dは、主溝b内を流れる空気に対しては抵抗として働くので、空気の流れを妨げて気柱共鳴音を低減し得る。従って、凹部dが設けられたタイヤaは、優れた排水性能とノイズ性能とを有する。なお、溝壁cに設けられる凹部dに替えて、溝内に突出する凸部(図示省略)を設けた場合でも、同じ効果を得ることが知られている。
しかしながら、この種のタイヤは、加硫成形後、加硫金型をタイヤから離間する際に、凹部dや凸部のタイヤ半径方向に断面積が一定であるので、凹部dや凸部を形成する加硫金型の突部や溝部が、ゴムと大きく干渉するため、欠損や引っ掻き傷といった損傷が与えられるという問題(このような加硫金型の離間時のゴム損傷等は、ディモールドと呼ばれる場合がある。)があった。
特開2009−227222号公報
本発明は、主溝の溝壁に設けられる突部の形状を改善することを基本として、排水性能、ノイズ性能、及び、ディモールド性能を向上させ得るタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のは、トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本の主溝が設けられたタイヤであって、前記主溝は、溝底と、前記溝底から前記トレッド部の踏面に向かってのびる一対の溝壁とを含み、少なくとも1つの前記溝壁には、溝内に突出する複数の突部がタイヤ周方向に配置されており、前記各突部は、前記トレッド部の踏面に沿った横断面が、タイヤ半径方向外側に向かって漸増する漸増部を有することを特徴とする。
本発明は、前記突部が、前記横断面が半円形状の突部を含むのが望ましい。
本発明は、前記突部が、前記横断面が三角形状の突部を含むのが望ましい。
本発明は、前記突部の前記横断面において、溝幅方向の最大突出量が、タイヤ周方向の最大幅よりも大きいのが望ましい。
本発明は、前記突部のタイヤ半径方向の外端と前記踏面とのタイヤ半径方向の距離が、前記主溝の溝深さの6%〜36%であるのが望ましい。
本発明は、前記突部のタイヤ半径方向の内端と前記主溝の前記溝底とのタイヤ半径方向の距離が、前記主溝の溝深さの7%〜40%であるのが望ましい。
本発明は、前記突部は、第1突部と、前記第1突部よりもタイヤ半径方向の長さが小さい第2突部とを少なくとも含むのが望ましい。
本発明は、前記第1突部のタイヤ周方向の少なくとも一方側には、前記第2突部が隣り合い、前記第2突部のタイヤ周方向の少なくとも一方側には、前記第1突部が隣り合うのが望ましい。
本発明は、前記第1突部のタイヤ半径方向の長さが、前記第2突部のタイヤ半径方向の長さの1.2〜1.8倍であるのが望ましい。
本発明は、前記突部のタイヤ周方向ピッチが、前記突部のタイヤ周方向の最大幅の1.5〜4倍であるのが望ましい。
本発明は、前記突部の前記溝壁に対する法線方向の最大高さが、0.3〜1.5mmであるのが望ましい。
本発明のタイヤは、主溝の溝壁に溝内に突出する複数の突部がタイヤ周方向に配置されている。このような突部は、主溝内を流れる水に対して乱流を生じさせやすくするので、水と主溝の溝壁との剥離を促進する。また、突部は、主溝内を流れる空気に対して抵抗として働くので、空気の流れを妨げて気柱共鳴音を低減し得る。
各突部は、トレッド部の踏面に沿った横断面が、タイヤ半径方向外側に向かって漸増する漸増部を有している。このような漸増部によって、加硫成形後、加硫金型をタイヤから離間する際に、突部を形成する加硫金型の凹部がゴムからスムーズに離間するので、欠損や引っ掻き傷が抑制される。従って、本発明のタイヤは、排水性能、ノイズ性能、及び、ディモールド性能が向上する。
本発明の一実施形態のトレッド部の展開図である。 主溝の断面図である。 図1の主溝の斜視図である。 (a)は、図3のA−A断面図(b)は、図3のB−B断面図である。 突部の正面図である。 他の実施形態の主溝の斜視図である。 従来例の主溝の斜視図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本発明の一実施形態を示すタイヤ1のトレッド部2の展開図が示される。本発明は、例えば、乗用車用や重荷重用の空気入りタイヤ、及び、タイヤの内部に加圧された空気が充填されない非空気式タイヤ等の様々なタイヤに用いることができる。本実施形態のタイヤ1は、乗用車用の空気入りタイヤである。
図1に示されるように、本実施形態のトレッド部2には、タイヤ周方向に連続してのびる主溝3が設けられている。主溝3は、本実施形態では、最もトレッド端Te側に配された一対のショルダー主溝3A、3Aと、ショルダー主溝3Aとタイヤ赤道Cとの間に配される一対のクラウン主溝3B、3Bとで形成されている。なお、主溝3は、このような構成に限定されるものではなく、種々の態様を取りうる。
トレッド部2は、本実施形態では、一対のショルダー陸部4A、4A、一対のミドル陸部4B、4B、及び一本のクラウン陸部4Cを有している。ショルダー陸部4Aは、ショルダー主溝3Aとトレッド端Teとの間に区分されている。ミドル陸部4Bは、ショルダー主溝3Aとクラウン主溝3Bとの間に区分されている。クラウン陸部4Cは、一対のクラウン主溝3B、3B間に区分されている。
前記「トレッド端」Teは、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷である正規状態のタイヤ1に、正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置として定められる。正規状態において、両トレッド端Te、Te間のタイヤ軸方向の距離がトレッド幅TWとして定められる。特に断りがない場合、タイヤの各部の寸法等は、正規状態で測定された値である。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。
「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。タイヤ1が乗用車用である場合、正規内圧は、180kPaである。
「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。タイヤ1が乗用車用の場合、正規荷重は、前記荷重の88%に相当する荷重である。
本実施形態のショルダー陸部4Aには、トレッド端Teからタイヤ赤道C側にのびショルダー陸部4A内で終端するショルダーラグ溝5Aと、ショルダーラグ溝5Aの内端5eとショルダー主溝3Aとを継ぐ第1ショルダーサイプ5Bとが設けられている。ショルダー陸部4Aには、ショルダーラグ溝5Aや第1ショルダーサイプ5Bの他、例えば、ショルダー陸部4Aを横断する第2ショルダーサイプ5C、又は、ショルダーラグ溝5Aと交差するショルダー浅溝5D等が設けられても良い。
本実施形態のミドル陸部4Bには、ミドル陸部4Bを横断する第1ミドルサイプ6Aが設けられている。ミドル陸部4Bには、第1ミドルサイプ6Aの他、例えば、ショルダー主溝3Aからのびてミドル陸部4B内で終端する第2ミドルサイプ6B、又は、ショルダー主溝3Aと第1ミドルサイプ6Aとを継ぐ第3ミドルサイプ6C等が設けられても良い。
本実施形態のクラウン陸部4Cには、第1クラウンサイプ7Aと第2クラウンサイプ7Bとが設けられている。第1クラウンサイプ7Aは、一方のクラウン主溝(図では左側)3Bから他方のクラウン主溝(図では右側)3B側へのびかつタイヤ赤道Cを越えてクラウン陸部4C内で終端している。第2クラウンサイプ7Bは、他方のクラウン主溝3Bから一方のクラウン主溝3B側へのびかつタイヤ赤道Cを越えることなくクラウン陸部4C内で終端している。
ショルダー陸部4A、ミドル陸部4B、及び、クラウン陸部4Cのパターンは、このような態様に限定されるものではなく、種々変更しうる。
主溝3は、本実施形態では、直線状にのびている。このような主溝3は、溝内の水がスムーズに流れるので、優れた排水性能を有する。主溝3は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、波状やジグザグ状にのびるものでも良い。
主溝3は、溝の最深部をなす溝底11と、溝底11からトレッド部2の踏面2aに向かってのびる一対の溝壁12、12とを含んでいる。本実施形態では、一方のショルダー主溝(図では左側)3Aは、溝壁12a、12bを有し、他方のショルダー主溝(図では右側)3Aは、溝壁12c、12dを有している。一方のクラウン主溝3Bは、溝壁12e、12fを有し、他方のクラウン主溝3Bは、溝壁12g、12hを有している。
図2は、主溝3の長手に対する直角方向の断面図である。図2に示されるように、本実施形態の溝壁12は、トレッド部2の踏面2aまでのびている。溝壁12は、本実施形態では、トレッド部2の踏面2aからタイヤ半径方向内側へ緩傾斜でのびる面取り状の外側部13と、外側部13のタイヤ半径方向の内端13iから溝底11側に外側部13よりも急傾斜でのびる内側部14とを含んでいる。
図3に示されるように、少なくとも1つの溝壁12には、溝内に突出する複数の突部15がタイヤ周方向に配置されている。このような突部15は、主溝3内を流れる水に対して乱流を生じさせやすくするので、水と主溝3の溝壁12との剥離を促進する。また、突部15は、主溝3内を流れる空気に対して抵抗として働くので、空気の流れを妨げて気柱共鳴音を低減し得る。従って、本実施形態のタイヤ1は、優れた排水性能とノイズ性能とを発揮する。
図1に示されるように、突部15は、本実施形態では、ショルダー主溝3A及びクラウン主溝3Bの全ての溝壁12a乃至12hに設けられている。以下、本明細書では、一方のショルダー主溝3Aの溝壁12bに配置された突部15について説明されるが、その他の溝壁12に配置された突部15についても同様であり、その説明が省略される。
図4(a)は、図3のA−A断面図、図4(b)は、図3のB−B断面図である。図4(a)、(b)に示されるように、突部15は、トレッド部2の踏面2aに沿った横断面が、タイヤ半径方向外側に向かって漸増する漸増部16を有している。このような漸増部16によって、加硫成形後、加硫金型をタイヤ1から離間する際に、突部15を形成する反転模様の加硫金型の凹部(図示省略)がトレッド部2のゴムからスムーズに離間するので、欠損や引っ掻き傷が抑制される。また、漸増部16は、摩耗初期から終期にかけて小さくなる溝容積に比例して、突部15の容積を小さくする。これにより、主溝3の溝容積が大きく維持されている摩耗初期では、大きな気柱共鳴音を効果的に抑制し、主溝3の溝容積が小さくなる摩耗終期では、溝内の水の流れの抵抗が小さくなる。従って、排水性能とノイズ性能とディモールド性能とが向上する。
図2に示されるように、漸増部16は、本実施形態では、突部15のタイヤ半径方向の内端15iからタイヤ半径方向外側に向かって形成され、突部15のタイヤ半径方向の外端15eに達すること無く終端している。このような漸増部16は、突部15の内端15iにおいて、加硫金型の離間がスムーズに行えるので、ディモールド性能がさらに向上する。
突部15は、漸増部16のタイヤ半径方向の外端16eから突部15の外端15eまで、横断面がタイヤ半径方向外側に向かって漸減する漸減部17を、さらに含んでいる。これにより、突部15の外端15eにおいても、加硫金型の離間がスムーズに行えるので、ディモールド性能がさらに向上する。
上述の作用を効果的に発揮させる観点より、漸増部16のタイヤ半径方向の高さL2は、好ましくは、突部15のタイヤ半径方向の高さL1の50%以上であり、より好ましくは、高さL1の70%以上である。また、漸増部16の高さL2は、好ましくは、突部15の高さL1の98%以下であり、より好ましくは、95%以下である。
突部15は、横断面が半円形状の突部18(図4(a)に示される)を含んでいる。これにより、前記加硫金型の凹部が、よりスムーズにゴムから離間するので、ディモールド性能が向上する。また、主溝3内を流れる空気を多方向に反射させるので、高いノイズ性能が発揮される。突部15は、本実施形態では、そのタイヤ半径方向の内端15iから外端15eまで、横断面が半円形状の突部18で形成されている。漸増部16は、本実施形態では、半円錐状で形成されている。
図5に示されるように、突部15の外端15eと踏面2aとのタイヤ半径方向の距離Laは、主溝3の溝深さD1の6%〜36%であるのが望ましい。距離Laが、主溝3の溝深さD1の6%未満の場合、突部15の体積が過度に大きくなり、溝3内の水の流れが悪化して排水性能が低下するおそれがある。距離Laが主溝3の溝深さD1の36%を超える場合、突部15の体積が小さくなり、気柱共鳴音の低減効果や水に対する乱流による水と溝壁12との剥離効果が悪化するおそれがある。
上述の作用を効果的に発揮させるために、突部15の内端15iと溝底11とのタイヤ半径方向の距離Lbは、好ましくは、主溝3の溝深さD1の7%〜40%であるのが望ましい。
図2に示されるように、突部15は、本実施形態では、内側部14に設けられている。即ち、突部15は、外端15eが緩斜面で形成される外側部13に設けられていない。これにより、一層、加硫形成後、スムーズに加硫金型をタイヤ1から離間することができるので、ディモールド性能が向上する。このような観点より、内側部14の傾斜角度θは、5〜15度であるのが望ましい。内側部14の傾斜角度θは、内側部14を踏面2a側に滑らかに延長させた延長線14cと、踏面2aを延長線14c側に延長させた仮想線2cとの交点14eにおける仮想線2cの法線nとのなす角である。
突部15は、その横断面において、溝幅方向の最大突出量H1が、タイヤ周方向の最大幅W1(図5に示す)よりも大きいのが望ましい。これにより、一層、水に対する乱流が生じ易くなるとともに、空気に対する抵抗が大きくなるので、気柱共鳴音の低減効果や水と溝壁12との剥離効果が向上する。
図5に示されるように、突部15は、そのタイヤ周方向のピッチPが、突部15のタイヤ周方向の最大幅W1の1.5〜4倍であるのが望ましい。突部15のピッチPが、突部15の最大幅W1の1.5倍未満の場合、主溝3の溝容積が小さくなり、排水抵抗が過度に大きくなるおそれがある。突部15のピッチPが、突部15の最大幅W1の4倍を超える場合、突部15による水に対する乱流発生効果や気柱共鳴音の低減効果が悪化するおそれがある。
上述の作用を効果的に発揮させる観点より、また、突部15は、溝壁12に対する法線方向の最大高さha(図2に示す)が、0.3〜1.5mmであるのが望ましい。
突部15は、第1突部19と、第1突部19よりもタイヤ半径方向の長さが小さい第2突部20とを少なくとも含んでいる。このようなタイヤ1は、溝壁12のタイヤ半径方向位置で、第1突部19と第2突部20とが形成される第1領域22aと、第1突部19のみが形成される第2領域22bとを含んでいる。第1領域22a及び第2領域22bは、突部15の配設ピッチが異なるので、タイヤ半径方向の内外で異なる乱流が発生するため、気流の攪乱効果が高められ、より一層、ノイズ性能が向上する。本実施形態では、第1領域22aは、第2領域22bよりもタイヤ半径方向の外側に設けられる。また、第1突部19及び第2突部20が設けられることによって、突部15の内端15i又は外端15eのタイヤ半径方向位置が位置ずれする。このため、加硫成形後の加硫金型の離間時、突部15の内端15i及び外端15eに作用する荷重が、タイヤ半径方向に位置ずれするので、ディモールド性能が、一層高められる。
第1突部19のタイヤ周方向の少なくとも一方側には、第2突部20が隣り合っている。第2突部20のタイヤ周方向の少なくとも一方側には、第1突部19が隣り合っている。これにより、第1突部19及び第2突部20のタイヤ周方向の少なくとも一方側に、タイヤ半径方向の長さが異なる他方の突部15が設けられるので、上述の作用が効果的に発揮される。本実施形態では、タイヤ周方向に沿って、第1突部19、第1突部19、及び、第2突部20の順で繰り返す繰り返し部21が設けられている。なお、本発明では、例えば、第1突部19、第2突部20、及び、第2突部20の順で繰り返して設けられても良いし、第1突部19、第2突部20の順で繰り返して設けられても良い。本実施形態では、突部15は、各サイプが主溝3に連通する連通位置からタイヤ周方向の両側に、ピッチPよりも大きい間隔を設けて配されている。即ち、陸部4A乃至4Cの剛性が高い位置に突部15が設けられるので、ディモールド性能が高く維持される。突部15の配設態様は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、タイヤ周方向に連続してピッチPで配されても良い。
本実施形態では、第1突部19のタイヤ半径方向の外端19eと第2突部20のタイヤ半径方向の外端20eとが、タイヤ半径方向で同じ高さ位置に設けられている。即ち、第1突部19の内端19iと第2突部20の内端20iとがタイヤ半径方向に大きく位置ずれしている。これにより、加硫金型の離間時、離間の起点となって、とりわけ、大きな荷重の作用する突部15の内端15iが、タイヤ半径方向に位置ずれするので、ディモールド性能が高められる。
上述の作用を効果的に発揮させるために、第1突部19のタイヤ半径方向の長さL1aは、第2突部20のタイヤ半径方向の長さL1bの1.2〜1.8倍であるのが望ましい。長さ比(L1a/L1b)が1.8倍を超える場合、第2突部20の剛性が小さくなるおそれがある。
図6には、他の実施形態の突部15が示されている。なお、本明細書では、上述の突部15と同じ構成は、その説明が省略される。突部15は、横断面が、三角形状の突部26を含んでいる。この実施形態では、横断面が三角形状の突部26が、突部15の内端15iから外端15eまで連続して形成されている。このような突部15も、排水性能、ノイズ性能を維持しつつディモールド性能を向上させ得る。また、この突部26は、半円形状の突部18に比して、最大突出量H1(図2に示す)及び最大幅W1(図5に示す)が同じ場合、表面積が小さくなるので、より高いディモールド性能を発揮する。この実施形態の突部15は、略半三角錐状で形成されている。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は例示の実施形態に限定されるものではなく、種々の態様に変形して実施しうるのは言うまでもない。
図1の基本パターンを有するサイズ215/60R16の空気入りタイヤが、表1の仕様に基づき試作された。そして、各試供タイヤのディモールド性能、排水性能、及び、ノイズ性能がテストされた。各試供タイヤの共通仕様やテスト方法は、以下の通りである。
突部のピッチP/W1:3(倍)
突部のタイヤ周方向の最大幅W1:0.6mm
第1突部の外端と踏面との距離La/D1:20%
第1突部の内端と踏面との距離Lb/D1:24%
溝壁の傾斜角度θ:9度
従来例は、突部に代わり、横断面が矩形でタイヤ半径方向の内外で一定の凹部が形成されている。最大高さhaは、凹部の凹み量(mm)を意味する。
<ディモールド性能>
加硫金型からの脱型後、主溝の溝壁に生じたディモールドの発生状況が、テスターの目視による官能により評価された。結果は、従来例を100とする評点で表示されている。数値が大きいほど、ディモールドが少なくて優れている。
<排水性能>
試供タイヤが、下記の条件で、排気量2500ccの乗用車の全輪に装着された。そして、テストドライバーが、水深3mm程度のウェット路面のテストコースを走行させ、このときの、トラクション性能、ブレーキ性能、及び、旋回性能に関する走行特性がテストドライバーの官能により評価された。結果は、従来例を100とする評点で表示されている。数値が大きい程、良好である。
リム:18×8.0J
内圧:230kPa
<ノイズ性能>
上記の車両を用い、ECE R117に準拠して直線状にのびるテストコースを、エンジン停止かつギヤをニュートラルの状態で走行させた。走行中心線から横に7.5mを隔てて、かつテスト路面から高さ1.2mの位置にマイクロホンを設置し、マイクロホンに最も近い位置での通過速度を60km/hとして、最大騒音レベルdB(A)が測定された。評価は、最大騒音レベルの逆数であり、従来例の騒音レベルを100とする指数で表示されている。数値が大きいほどノイズ性能に優れている。
テストの結果などが表1に示される。
Figure 0006790664
Figure 0006790664
テストの結果、実施例のタイヤは、従来例のタイヤに比べて、排水性能やノイズ性能が維持されつつ、ディモールド性能が向上していることが確認できる。また、タイヤサイズを変化させて同じテストを行ったが、このテスト結果と同じ傾向が示された。
1 タイヤ
2 トレッド部
2a 踏面
3 主溝
11 溝底
12 溝壁
15 突部
16 漸増部

Claims (10)

  1. トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本の主溝が設けられたタイヤであって、
    前記主溝は、溝底と、前記溝底から前記トレッド部の踏面に向かってのびる一対の溝壁とを含み、
    少なくとも1つの前記溝壁には、溝内に突出する複数の突部がタイヤ周方向に配置されており、
    前記各突部は、前記トレッド部の踏面に沿った横断面が、タイヤ半径方向外側に向かって漸増する漸増部を有し、
    前記突部は、第1突部と、前記第1突部よりもタイヤ半径方向の長さが小さい第2突部とを少なくとも含み、
    前記第1突部のタイヤ周方向の少なくとも一方側には、前記第2突部が隣り合い、
    前記第2突部のタイヤ周方向の少なくとも一方側には、前記第1突部が隣り合うことを特徴とするタイヤ。
  2. トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本の主溝が設けられたタイヤであって、
    前記主溝は、溝底と、前記溝底から前記トレッド部の踏面に向かってのびる一対の溝壁とを含み、
    少なくとも1つの前記溝壁には、溝内に突出する複数の突部がタイヤ周方向に配置されており、
    前記各突部は、前記トレッド部の踏面に沿った横断面が、タイヤ半径方向外側に向かって漸増する漸増部を有し、
    前記突部は、第1突部と、前記第1突部よりもタイヤ半径方向の長さが小さい第2突部とを少なくとも含み、
    前記第1突部のタイヤ半径方向の長さは、前記第2突部のタイヤ半径方向の長さの1.2〜1.8倍であることを特徴とするタイヤ。
  3. トレッド部に、タイヤ周方向に連続してのびる少なくとも1本の主溝が設けられたタイヤであって、
    前記主溝は、溝底と、前記溝底から前記トレッド部の踏面に向かってのびる一対の溝壁とを含み、
    少なくとも1つの前記溝壁には、溝内に突出する複数の突部がタイヤ周方向に配置されており、
    前記各突部は、前記トレッド部の踏面に沿った横断面が、タイヤ半径方向外側に向かって漸増する漸増部を有し、
    前記突部のタイヤ周方向ピッチは、前記突部のタイヤ周方向の最大幅の1.5〜4倍であることを特徴とするタイヤ。
  4. 前記突部は、前記横断面が半円形状の突部を含む請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 前記突部は、前記横断面が三角形状の突部を含む請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤ。
  6. 前記突部の前記横断面において、溝幅方向の最大突出量は、タイヤ周方向の最大幅よりも大きい請求項1乃至5のいずれかに記載のタイヤ。
  7. 前記突部のタイヤ半径方向の外端と前記踏面とのタイヤ半径方向の距離は、前記主溝の溝深さの6%〜36%である請求項1乃至6のいずれかに記載のタイヤ。
  8. 前記突部のタイヤ半径方向の内端と前記主溝の前記溝底とのタイヤ半径方向の距離は、前記主溝の溝深さの7%〜40%である請求項1乃至7のいずれかに記載のタイヤ。
  9. 前記突部は、第1突部と、前記第1突部よりもタイヤ半径方向の長さが小さい第2突部とを少なくとも含む請求項3に記載のタイヤ。
  10. 前記突部の前記溝壁に対する法線方向の最大高さは、0.3〜1.5mmである請求項1乃至9のいずれかに記載のタイヤ。
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