以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。
<全体構成>
まず、本実施形態に係る地震動警告システム1の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係る地震動警告システム1の全体構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る地震動警告システム1は、地震動警告装置10と、1以上の機器20と、地震情報提供システム30とを有し、例えばインターネット等の広域的なネットワークNを介して通信可能に接続されている。
地震情報提供システム30は、例えば気象庁等が各種の地震情報を提供するための情報処理装置(コンピュータ)又は情報処理システムである。
地震情報提供システム30は、地震動警告装置10からの要求に応じて、過去に発生した地震に関する情報(例えば、地震の震央地点や地震規模等)が含まれる地震情報データ500を当該地震動警告装置10に送信する。また、地震情報提供システム30は、所定の規模以上の地震が発生した場合等に、当該地震に関する情報が含まれる緊急地震速報データ900を地震動警告装置10に送信する。
機器20は、例えばMFP(Multifunction Peripheral)等の画像形成装置、プロジェクタ、電子黒板装置、テレビ会議端末等の各種機器である。機器20には、加速度センサと、例えばスピーカや警告灯等の警報機とが搭載されている。機器20は、高層ビル等の建物BLDの各階に設置されている。
機器20は、加速度センサにより揺れを観測すると、当該機器20が設置されている地点(設置点)における観測結果を示す機器観測データ400を地震動警告装置10に送信する。
また、機器20は、地震動警告装置10から警告通知を受信すると、警報機から所定の音等を出力することにより、長周期地震動による揺れが発生することを周囲に警告する。
なお、建物BLD内の1つの階に複数台の機器20が設置されていても良い。また、建物BLD内に、機器20が設置されていない階があっても良い。
地震動警告装置10は、機器20が設置されている地点(設置点)毎に、長周期地震動の影響を予測した上で、予測結果に応じて機器20に警告通知を送信する情報処理装置(コンピュータ)又は情報処理システムである。
地震動警告装置10は、長周期地震動の影響の予測及び警告の通知を行うための地震動警告プログラム100と、当該予測及び通知に用いられる各種データを記憶する記憶部110とを有する。記憶部110には、機器20の設置点における特性(例えば、設置点の標高等)を示す基礎特性データ300と、警告を通知するか否かを判定するための閾値設定データ600とが記憶されている。
地震動警告装置10は、地震動警告プログラム100により、機器20から受信した機器観測データ400と、地震情報提供システム30から受信した地震情報データ500とを記憶部110に蓄積する。そして、地震動警告装置10は、地震動警告プログラム100により、基礎特性データ300と、機器観測データ400と、地震情報データ500とに基づいて、機器20の設置点毎に、長周期地震動の影響を予測するための分析データ700を作成する。
また、地震動警告装置10は、地震動警告プログラム100により、地震情報提供システム30から受信した緊急地震速報データ900と、分析データ700とに基づいて、機器20の設置点毎に、当該設置点における長周期地震動の影響を予測する。そして、地震動警告装置10は、地震動警告プログラム100により、当該予測結果と、閾値設定データ600とに基づいて、機器20に警告を通知するか否かを判定した上で、判定結果に応じて当該機器20に警告を通知する。
ここで、本実施形態に係る地震動警告システム1の処理の概略について、図2を参照しながら説明する。図2は、一実施形態に係る地震動警告システム1の処理の概略を説明する図である。
S1)地震動警告装置10は、地震動警告プログラム100により、機器20から機器観測データ400を受信した場合、当該機器観測データ400を記憶部110に記憶させる。また、地震動警告装置10は、地震動警告プログラム100により、地震情報提供システム30から地震情報データ500を受信した場合、当該地震情報データ500を記憶部110に記憶させる。
このように、地震動警告装置10は、機器観測データ400と、地震情報データ500とを記憶部110に蓄積する。
S2)地震動警告装置10は、地震動警告プログラム100により、記憶部110に記憶されている基礎特性データ300と、記憶部110に蓄積されている機器観測データ400及び地震情報データ500とに基づいて、分析データ700を作成する。
分析データ700は、機器20の設置点における長周期地震動の影響を予測するためのデータであり、当該設置点における卓越周期や固有周期、減衰定数等が含まれる。
S3)地震情報提供システム30は、所定の規模以上の地震が発生した場合等に、緊急地震速報データ900を地震動警告装置10に送信する。
S4)地震動警告装置10は、地震情報提供システム30から緊急地震速報データ900を受信した場合、地震動警告プログラム100により、当該緊急地震速報データ900と、分析データ700とに基づいて、長周期地震動の影響を予測する。そして、地震動警告装置10は、地震動警告プログラム100により、当該予測結果を示す予測結果データ800を作成する。
予測結果データ800には、機器20の設置点を示す設置点コードと、当該設置点における揺れの予測値(絶対速度応答スペクトル予測値)とが含まれる。
S5)次に、地震動警告装置10は、地震動警告プログラム100により、予測結果データ800と、閾値設定データ600とに基づいて、機器20に警告を通知するか否かを判定する。すなわち、地震動警告プログラム100は、予測結果データ800に含まれる揺れの予測値が、閾値設定データ600に含まれる閾値を超えているか否かを判定する。そして、地震動警告プログラム100は、揺れの予測値が閾値を超えている場合、当該機器20に警告を通知すると判定する。
S6)次に、地震動警告装置10は、機器20に警告を通知すると判定された場合、地震動警告プログラム100により、当該機器20に警告通知を送信する。
S7)そして、機器20は、地震動警告装置10から警告通知を受信した場合、機器プログラム200により、警告を出力する。
このように、本実施形態に係る地震動警告システム1では、機器20が設置されている地点(設置点)における揺れの予測値が閾値を超えている場合、当該設置点に設置されている機器20に警告を出力させる。このため、本実施形態に係る地震動警告システム1では、例えば、同一の建物BLD内であっても階に応じて長周期地震動の影響が異なる場合に、階に応じて、長周期地震動の発生を示す警告を出力することができる。
すなわち、本実施形態に係る地震動警告システム1では、例えば、同一の建物BLD内の低層階では揺れが小さく、高層階では揺れが大きい場合等に、低層階の機器20では警告を出力させない一方で、高層階の機器20では警告を出力させることができる。また、本実施形態に係る地震動警告システム1では、例えば、同一の階でも場所によって長周期地震動の影響が異なる場合に、揺れが小さい場所の機器20では警告を出力させない一方で、揺れが大きい場所の機器20では警告を出力させることができる。
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態に係る地震動警告装置10のハードウェア構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、一実施形態に係る地震動警告装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態に係る地震動警告装置10は、入力装置11と、表示装置12と、外部I/F13と、通信I/F14と、ROM(Read Only Memory)15とを有する。また、本実施形態に係る地震動警告装置10は、RAM(Random Access Memory)16と、CPU(Central Processing Unit)17と、HDD(Hard Disk Drive)18とを有する。これら各ハードウェアは、それぞれがバス19で相互に接続されている。
入力装置11は、例えば各種ボタンやタッチパネル、キーボード、マウス等であり、地震動警告装置10に各種の操作を入力するのに用いられる。表示装置12は、例えばディスプレイ等であり、地震動警告装置10による各種の処理結果を表示する。なお、地震動警告装置10は、入力装置11及び表示装置12のうちの少なくとも一方を有していなくても良い。
外部I/F13は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体13a等がある。地震動警告装置10は、外部I/F13を介して、記録媒体13aの読み取りや書き込みを行うことができる。記録媒体13aには、例えば、SDメモリカード(SD memory card)やUSBメモリ、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)等がある。
通信I/F14は、ネットワークNを介して、他の装置(例えば、機器20や地震情報提供システム30等)とデータ通信を行うためのインタフェースである。
ROM15は、電源を切ってもデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。RAM16は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。CPU17は、例えばHDD18やROM15からプログラムやデータをRAM16上に読み出して、各種処理を実行する演算装置である。
HDD18は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。HDD18に格納されているプログラムやデータには、例えば、地震動警告プログラム100、基本ソフトウェアであるOS(Operating System)、OS上で動作する各種アプリケーションプログラム等がある。なお、本実施形態に係る地震動警告装置10は、HDD18に代えて、例えば、SSD(Solid State Drive)を有していても良い。
本実施形態に係る地震動警告装置10は、図3に示すハードウェア構成を有することにより、後述する各種処理を実現することができる。
次に、本実施形態に係る機器20が画像形成装置である場合のハードウェア構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、一実施形態に係る機器20が画像形成装置である場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4に示すように、本実施形態に係る機器20は、コントローラ21と、操作パネル22と、外部I/F23と、通信I/F24と、プリンタ25と、スキャナ26と、加速度センサ27と、警報機28とを有する。また、コントローラ21は、CPU31と、RAM32と、ROM33と、NVRAM34と、HDD35とを有する。
ROM33は、各種プログラムやデータを格納している不揮発性の半導体メモリである。RAM32は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。NVRAM34は、例えば設定情報等を格納している半導体メモリである。また、HDD35は、各種プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。HDD35に格納されているプログラムやデータには、例えば、機器プログラム200等がある。なお、本実施形態に係る機器20は、HDD35に代えて、例えば、SSDを有していても良い。
CPU31は、ROM33やNVRAM34、HDD35等からプログラムやデータ、設定情報等をRAM32上に読み出し、処理を実行することで、各種処理を実行する演算装置である。
操作パネル22は、ユーザからの入力を受け付ける入力部と、表示を行う表示部とを備えている。外部I/F23は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体23a等がある。機器20は、外部I/F23を介して、記録媒体23aの読み取りや書き込みを行うことができる。記録媒体23aには、例えば、ICカード、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。
通信I/F24は、ネットワークNを介して、他の装置(例えば、地震動警告装置10等)とデータ通信を行うためのインタフェースである。プリンタ25は、印刷データを印刷する印刷装置である。スキャナ26は、原稿を読み取って電子ファイル(画像ファイル)を生成する読取装置である。
加速度センサ27は、例えば3軸加速度センサであり、x軸方向、y軸方向及びz軸方向の3方向を成分とする加速度を測定するセンサである。なお、以降では、一例として、x軸方向は「南北方向」、y軸方向は「東西方向」、z軸方向は「上下方向」であるものとして説明する。警報機28は、例えばスピーカや警告灯等である。
本実施形態に係る機器20は、図4に示すハードウェア構成を有することにより、後述する各種処理を実現することができる。
<機能構成>
次に、本実施形態に係る地震動警告システム1の機能構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、一実施形態に係る地震動警告システム1の機能構成の一例を示す図である。
図5に示すように、本実施形態に係る機器20は、観測部201と、警告出力部202と、通信部203とを有する。これら各部は、機器20にインストールされた機器プログラム200が、CPU31に実行させる処理により実現される。
観測部201は、地震による揺れ(地震動)が生じた場合、当該揺れを観測して、機器20の設置点における観測結果を示す機器観測データ400を作成する。
警告出力部202は、地震動警告装置10から警告通知を受信すると、警告を出力する。警告出力部202は、例えば所定の音(警告音やメッセージ(音声)等)を出力しても良いし、警告灯の点灯等を行っても良い。
通信部203は、観測部201により作成された機器観測データ400を地震動警告装置10に送信する。また、通信部203は、地震動警告装置10から警告通知を受信する。
図5に示すように、本実施形態に係る地震動警告装置10は、通信部101と、地震情報要求部102と、分析部103と、予測部104と、データ管理部105と、警告判定部106と、警告通知部107とを有する。これら各部は、地震動警告装置10にインストールされた地震動警告プログラム100が、CPU17に実行させる処理により実現される。
また、本実施形態に係る地震動警告装置10は、記憶部110を有する。記憶部110は、例えばHDD18等を用いて実現可能である。なお、記憶部110は、地震動警告装置10とネットワークNを介して接続される記憶装置等を用いて実現されていても良い。
通信部101は、機器20から機器観測データ400を受信する。また、通信部101は、地震情報要求部102により作成された取得要求を地震情報提供システム30に送信すると共に、地震情報提供システム30から地震情報データ500や緊急地震速報データ900を受信する。更に、通信部101は、警告判定部106による判定結果に応じて、警告通知を機器20に送信する。
地震情報要求部102は、地震情報提供システム30から地震情報データ500を取得するための取得要求を作成する。ここで、地震情報データ500には、防災情報データ510と、長周期地震動観測データ520とがある。防災情報データ510は、発生した地震の震央地点や地震規模等が含まれるデータである。長周期地震動観測データ520は、地震により長周期地震動が生じた場合に、所定の固有周期及び減衰定数を有する建物が受ける絶対速度応答スペクトル等が含まれるデータである。
したがって、地震情報要求部102は、防災情報データ510を取得するための取得要求(防災情報データの取得要求)と、長周期地震動観測データ520の取得要求(長周期地震動観測データの取得要求)とを作成する。
分析部103は、基礎特性データ300と、機器観測データ400と、地震情報データ500とに基づいて、分析データ700を作成する。分析データ700は、機器20の設置点における長周期地震動の影響を予測するためデータであり、例えば、当該機器20の設置点を示す設置点コード、当該設置点における卓越周期、固有周期、減衰定数等が含まれるデータである。
予測部104は、通信部101により緊急地震速報データ900が受信された場合、当該緊急地震速報データ900と、分析データ700とに基づいて、当該分析データ700に含まれる設置点コードが示す設置点における長周期地震動の影響を予測する。そして、予測部104は、予測結果を示す予測結果データ800を作成する。
データ管理部105は、各種データを管理する。すなわち、データ管理部105は、各種データを記憶部110に記憶させると共に、各種データを記憶部110から取得する。
例えば、データ管理部105は、通信部101により受信された機器観測データ400を記憶部110に記憶させる。また、例えば、データ管理部105は、通信部101により受信された地震情報データ500(防災情報データ510及び長周期地震動観測データ520)を記憶部110に記憶させる。更に、例えば、データ管理部105は、分析部103により作成された分析データ700を記憶部110に記憶させる。
警告判定部106は、予測部104により作成された予測結果データ800と、記憶部110に記憶されている閾値設定データ600とに基づいて、当該予測結果データ800に含まれる設置点コードが示す設置点の機器20に警告を通知するか否かを判定する。すなわち、警告判定部106は、当該設置点において、予測結果データ800に含まれる絶対速度応答スペクトル予測値が、閾値設定データ600に含まれる絶対速度応答スペクトル閾値を超えているか否かを判定する。
警告通知部107は、警告判定部106により警告を通知すると判定された場合、警告通知を作成する。警告通知とは、例えば、長周期地震動の発生を示す警告を機器20に出力させるための通知である。そして、警告通知部107は、通信部101により、予測結果データ800に含まれる設置点コードが示す設置点の機器20に警告通知を送信する。
記憶部110は、基礎特性データ300と、機器観測データ400と、地震情報データ500と、閾値設定データ600と、分析データ700と、予測結果データ800とを記憶する。以降では、これらのデータの詳細について説明する。
まず、基礎特性データ300の詳細について、図6を参照しながら説明する。図6は、基礎特性データ300の一例を示す図である。
図6に示すように、基礎特性データ300には、設置点コードと、地域コードと、設置点の緯度・経度と、設置点の標高と、建物の軒高と、建物の地上階数と、建物の地下階数と、機器設置階と、機器設置方位とが含まれる。
設置点コードは、機器20が設置されている地点(設置点)を識別する識別情報である。設置点コードは、例えば、機器20が設置されている建物BLDを識別する識別情報(建物ID等)と、建物BLD内で機器20が設置されている階を識別する識別情報(階ID等)とが含まれる。なお、例えば、同一の階に複数台の機器20が設置されている場合は、設置点コードには、更に、同一の階で機器20を識別する識別情報(機器ID等)が含まれても良い。
地域コードは、設置点が属する地域(例えば、市区町村等)を識別する情報である。設置点の緯度・経度は、設置点の緯度及び経度である。設置点の標高は、地上面から設置点までの高さである。
建物の軒高は、機器20が設置されている建物BLDの軒高である。建物の地上階数は、機器20が設置されている建物BLDの階のうち、地上にある階の数である。建物の地下階数は、機器20が設置されている建物BLDの階のうち、地下にある階の数である。機器設置階は、機器20が設置されている階(すなわち、設置点コードが示す設置点を含む階)である。機器設置方位は、設置点コードが示す設置点に設置された機器20の正面方向の方位である。
このように、基礎特性データ300は、機器20が設置されている設置点における各種の特性が含まれるデータである。記憶部110には、設置点コード毎に、複数の基礎特性データ300が記憶されている。
次に、機器観測データ400の詳細について、図7を参照しながら説明する。図7は、機器観測データ400の一例を示す図である。
図7に示すように、機器観測データ400には、設置点コードと、観測開始時刻と、観測時間と、成分方向と、サンプリング周波数と、加速度波形データとが含まれる。
設置点コードは、機器20の設置点を識別する識別情報である。観測開始時刻は、地震による揺れ(地震動)の観測を開始した時刻である。観測時間は、地震動の観測を開始してから終了するまでの時間である。成分方向は、加速度センサ27により測定された加速度の成分方向(すなわち、x軸方向(南北方向)、y軸方向(東西方向)及びz軸方向(上下方向))である。サンプリング周波数は、単位時間あたりに加速度センサ27が加速度を測定する回数(頻度)である。
加速度波形データは、観測を開始してから終了するまでの間に加速度センサ27により測定された加速度の大きさと、観測時間との関係を示す波形データある。すなわち、加速度波形データは、例えば、横軸及び縦軸をそれぞれ観測時間及び加速度の大きさとした座標系に、加速度センサ27により測定された加速度の大きさを観測時間に応じてプロットしたデータである。
このように、機器観測データ400は、機器20が設置されている設置点において当該機器20が揺れ(地震動)を観測した結果(加速度波形データ)が含まれるデータである。記憶部110には、設置点コード及び観測開始時刻毎に、複数の機器観測データ400が記憶される。
次に、地震情報データ500の詳細について、図8を参照しながら説明する。図8は、地震情報データ500の一例を示す図である。地震情報データ500には、防災情報データ510と、長周期地震動観測データ520とがある。
図8(a)に示すように、防災情報データ510は、地震検知時刻と、検知地点コードと、発生時刻と、震央地点コードと、地震規模と、震源地の緯度・経度と、震源深度と、震源方向と、震源距離とが含まれる。
地震検知時刻は、地震計等により地震が検知された時刻である。検知地点コードは、地震が検知された地点(例えば、地震計等が設置されている地点)を識別する識別情報である。発生時刻は、検知された地震が発生した時刻である。震央地点コードは、検知された地震の震央地点(すなわち、震源の真上にある地表上の地点)を識別する識別情報である。
地震規模は、検知された地震が発するエネルギーの大きさを表す指標値(マグニチュード)である。震源地の緯度・経度は、震央地点の緯度及び経度である。震源深度は、検知された地震における震源の深度である。震源方向は、地震が検知された地点(検知地点コードが示す地点)から震源に向かう方向である。震源距離は、地震が検知された地点(検知地点コードが示す地点)から震源までの距離である。
このように、防災情報データ510は、例えば気象庁等により観測された地震に関する各種情報が含まれるデータである。記憶部110には、地震情報データ500として、複数の防災情報データ510が記憶される。
また、図8(b)に示すように、長周期地震動観測データ520は、観測点の緯度・経度と、観測開始時刻と、観測時間と、固有周期と、減衰定数と、絶対速度応答スペクトルとが含まれる。
観測点の緯度・経度は、長周期地震動が観測された地点の緯度及び経度である。観測開始時刻は、長周期地震動の観測を開始した時刻である。観測時間は、長周期地震動の観測を開始してから終了するまでの時間である。固有周期は、予め決められた建物の固有周期である。減衰定数は、予め決められた建物の減衰定数である。絶対速度応答スペクトルは、予め決められた固有周期及び減衰定数を有する建物が長周期地震動により受ける絶対速度のx軸方向(南北方向)成分とy軸方向(東西方向)成分との合成速度(すなわち、水平動合成速度)である。なお、絶対速度応答スペクトルは、更に、上下成分(すなわち、例えば、鉛直上方向成分及び鉛直下方向成分)が含まれていても良い。
このように、長周期地震動観測データ520は、例えば気象庁等により観測された長周期地震動に関する各種情報が含まれるデータである。記憶部110には、地震情報データ500として、1以上の長周期地震動観測データ520が記憶される。
次に、閾値設定データ600の詳細について、図9を参照しながら説明する。図9は、閾値設定データ600の一例を示す図である。
図9に示すように、閾値設定データ600は、設置点コードと、絶対速度応答スペクトル閾値とを有する。
設置点コードは、機器20の設置点を識別する識別情報である。絶対速度応答スペクトル閾値は、予測結果データ800に含まれる絶対応答スペクトル予測値の閾値である。絶対応答スペクトル閾値は、例えばユーザ等により予め設定される。
このように、閾値設定データ600は、機器20の設置点における絶対速度応答スペクトルの閾値が含まれるデータである。記憶部110には、設置点コード毎に、複数の閾値設定データ600が記憶されている。
次に、分析データ700の詳細について、図10を参照しながら説明する。図10は、分析データ700の一例を示す図である。
図10に示すように、分析データ700は、設置点コードと、仮想震源地の震央地点コードと、仮想震源地の緯度・経度と、仮想震源値の震源深度と、設置点の卓越周期と、設置点の固有周期と、設置点の減衰定数と、距離減衰率と、表層地盤増幅率と、回帰係数とが含まれる。
設置点コードは、機器20の設置点を識別する識別情報である。仮想震源地の震央地点コードは、仮想的に設定された震源(仮想震源)の震央地点(すなわち、仮想震源の真上にある地表上の地点)を識別する識別情報である。仮想震源地の緯度・経度は、仮想震源の震央地点における緯度及び経度である。仮想震源値の震源深度は、仮想震源の深度である。
設置点の卓越周期は、設置点コードが示す設置点における地盤の卓越周期である。設置点の固有周期は、設置点コードが示す設置点の固有周期である。設置点の減衰定数は、設置点コードが示す設置点の減衰定数である。
距離減衰率は、設置点コードが示す設置点と仮想震源地との間における単位距離あたりの地震動減衰率である。表層地盤増幅率は、設置点コードが示す設置点の工学的地盤から地表に地震動が伝わる場合における増幅率である。回帰係数は、長周期地震動による影響の予測結果となる「絶対速度応答スペクトル予測値」を目的変数とする重回帰分析に用いる回帰係数である。
このように、分析データ700は、機器20の設置点における各種の分析結果(分析部103による分析結果)が含まれるデータである。記憶部110には、設置点コード毎に、複数の分析データ700が記憶されている。
次に、予測結果データ800の詳細について、図11を参照しながら説明する。図11は、予測結果データ800の一例を示す図である。
図11に示すように、予測結果データ800は、設置点コードと、絶対速度応答スペクトル予測値とが含まれる。
設置点コードは、機器20の設置点を識別する識別情報である。絶対速度応答スペクトル予測値は、設置点コードが示す設置点における影響の予測値(すなわち、当該設置点における絶対速度(水平動合成速度)の予測値)である。
このように、予測結果データ800は、機器20の設置点における予測結果(予測部104による予測結果)が含まれるデータである。記憶部110には、設置点コード毎に、複数の予測結果データ800が記憶されている。
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る地震動警告システム1の処理の詳細について説明する。
≪地震情報データ500の格納処理≫
まず、地震情報データ500を地震情報提供システム30から取得して、記憶部110に記憶させる処理について、図12を参照しながら説明する。図12は、地震情報データ500の格納処理の一例を示すシーケンス図である。
まず、地震動警告装置10の地震情報要求部102は、例えば予め決められた日時に、防災情報データの取得要求を作成する(ステップS1201)。
次に、地震動警告装置10の通信部101は、地震情報要求部102により作成された防災情報データの取得要求を地震情報提供システム30に送信する(ステップS1202)。そして、通信部101は、地震情報提供システム30から返信された防災情報データ510を受信する。
次に、地震動警告装置10の地震情報要求部102は、長周期地震動観測データの取得要求を作成する(ステップS1203)。
次に、地震動警告装置10の通信部101は、地震情報要求部102により作成された長周期地震動観測データの取得要求を地震情報提供システム30に送信する(ステップS1204)。そして、通信部101は、地震情報提供システム30から返信された長周期地震動観測データ520を受信する。
次に、地震動警告装置10のデータ管理部105は、通信部101により受信された防災情報データ510及び長周期地震動観測データ520を、地震情報データ500として、記憶部110に記憶させる(ステップS1205)。これにより、防災情報データ510及び長周期地震動観測データ520が、地震情報データ500として、記憶部110に格納される。
なお、防災情報データ510及び長周期地震動観測データ520が地震情報提供システム30から返信されなかった場合、データ管理部105は、上記のステップS1205の処理を行わなくても良い。
≪機器観測データ400の格納処理≫
次に、機器20から受信した機器観測データ400を記憶部110に記憶させる処理について、図13を参照しながら説明する。図13は、機器観測データ400の格納処理の一例を示すシーケンス図である。
まず、機器20の観測部201は、地震による揺れ(地震動)が生じた場合、当該揺れを観測する(ステップS1301)。すなわち、観測部201は、加速度センサ27により、x軸方向、y軸方向及びz軸方向の3方向を成分とする加速度を測定する。
次に、機器20の観測部201は、当該機器20の設置点における観測結果を示す機器観測データ400を作成する(ステップS1302)。
次に、機器20の通信部203は、観測部201により作成された機器観測データ400を地震動警告装置10に送信する(ステップS1303)。このように、機器20は、地震による揺れ(地震動)を観測して、当該機器20の設置点における観測結果を示す機器観測データ400を地震動警告装置10に送信する。
地震動警告装置10のデータ管理部105は、通信部101により機器観測データ400を受信すると、当該機器観測データ400を記憶部110に記憶させる(ステップS1304)。これにより、機器観測データ400が記憶部110に格納される。
≪分析データ700の作成処理≫
次に、記憶部110に記憶されている基礎特性データ300、機器観測データ400及び地震情報データ500に基づいて、分析データ700を作成する処理について、図14を参照しながら説明する。図14は、分析データ700の作成処理の一例を示すフローチャートである。なお、図14に示す分析データ700の作成処理は、予め設定された所定の時間毎(例えば1週間毎や1か月毎等)又は予め設定された日時に実行される。
まず、地震動警告装置10のデータ管理部105は、地震情報データ500を記憶部110から取得する(ステップS1401)。
次に、地震動警告装置10のデータ管理部105は、記憶部110に記憶されている基礎特性データ300のうち、1件の基礎特性データ300を取得する(ステップS1402)。
次に、地震動警告装置10のデータ管理部105は、取得した基礎特性データ300に対応する機器観測データ400を記憶部110から取得する(ステップS1403)。すなわち、データ管理部105は、取得した基礎特性データ300と同一の設置点コードが含まれる機器観測データ400を記憶部110から取得する。
次に、地震動警告装置10の分析部103は、取得された基礎特性データ300と、機器観測データ400と、地震情報データ500とに基づいて、分析データ700を作成する(ステップS1404)。すなわち、分析部103は、基礎特性データ300と、機器観測データ400と、地震情報データ500とに基づいて、仮想震源を設定した上で、当該基礎特性データ300に含まれる設置点コードが示す設置点における卓越周期や固有周期、減衰定数、距離減衰率、表層地盤増幅率、回帰係数等を算出することで、分析データ700を作成する。
次に、地震動警告装置10のデータ管理部105は、分析部103により作成された分析データ700を記憶部110に記憶させる(ステップS1405)。これにより、データ管理部105により取得された基礎特性データ300に対応する分析データ700が記憶部110に格納される。
次に、地震動警告装置10のデータ管理部105は、次の基礎特性データ300があるか否かを判定する(ステップS1406)。すなわち、データ管理部105は、記憶部110に記憶されている基礎特性データ300のうち、未だ取得していない基礎特性データ300があるか否かを判定する。
ステップS1406において、次の基礎特性データ300が無いと判定された場合、地震動警告装置10は、処理を終了する。
一方、ステップS1406において、次の基礎特性データ300があると判定された場合、地震動警告装置10のデータ管理部105は、当該次の基礎特性データ300を記憶部110から取得する(ステップS1407)。そして、地震動警告装置10は、ステップS1403以降の処理を行う。
これにより、基礎特性データ300毎に(すなわち、設置点コード毎に)、分析データ700が作成されて、記憶部110に格納される。なお、同一の設置点コードが含まれる分析データ700が記憶部110に既に格納されている場合、データ管理部105は、分析データ700を上書きすれば良い。ただし、この場合、データ管理部105は、上書きせずに、例えば作成日を付加することにより、異なる分析データ700として記憶部110に格納しても良い。
≪長周期地震動の予測及び警告処理≫
次に、地震情報提供システム30から緊急地震速報データ900が送信された場合に、長周期地震動による影響を予測して、当該予測された影響に応じて機器20から警告を出力する処理について、図15を参照しながら説明する。図15は、長周期地震動の予測及び警告処理の一例を示すシーケンス図である。
まず、地震情報提供システム30は、例えば所定の規模以上の地震が発生した場合、当該地震に関する情報が含まれる緊急地震速報データ900を地震動警告装置10に送信する(ステップS1501)。
ここで、地震情報提供システム30から送信される緊急地震速報データ900の詳細について、図16を参照しながら説明する。図16は、緊急地震速報データ900の一例を示す図である。
図16に示すように、緊急地震速報データ900は、地震発生時刻と、震央地点コードと、地震規模と、震源地の緯度・経度と、震源深度と、予想地域コードと、予想震度と、予想到達時刻とが含まれる。
地震発生時刻は、地震が発生した時刻である。震央地点コードは、発生した地震の震央地点(すなわち、震源の真上にある地表上の地点)を識別する識別情報である。地震規模は、発生した地震が発するエネルギーの大きさを表す指標値(マグニチュード)である。
震源地の緯度・経度は、震央地点の緯度及び経度である。震源深度は、発生した地震における震源の深度である。予想地域コードは、震度の予測対象とする地域(例えば、市区町村等)を識別する情報である。予想震度は、予測地域コードが示す地域において予測される震度である。予想到達時刻は、予測地域コードが示す地域に主要動が到達する予測時刻である。
このように、緊急地震速報データ900は、例えば気象庁等により観測された地震に関する各種情報が含まれるデータである。
図15に戻る。地震動警告装置10のデータ管理部105は、通信部101により緊急地震速報データ900を受信すると、分析データ700を記憶部110から取得する(ステップS1502)。
次に、地震動警告装置10の予測部104は、緊急地震速報データ900と、分析データ700とに基づいて、当該分析データ700に含まれる設置点コードが示す設置点における長周期地震動の影響を予測する。そして、予測部104は、予測結果を示す予測結果データ800を作成する(ステップS1503)。すなわち、予測部104は、緊急地震速報データ900に基づいて、当該設置点における絶対速度応答スペクトル予測値を算出することで、予測結果データ800を作成する。絶対速度応答スペクトル予測値は、分析データ700に含まれる回帰係数を用いて、重回帰分析を行うことで算出することができる。
次に、地震動警告装置10のデータ管理部105は、予測部104により作成された予測結果データ800を記憶部110に記憶させる(ステップS1504)。
次に、地震動警告装置10の警告判定部106は、予測結果データ800と、当該予測結果データ800に対応する閾値設定データ600とに基づいて、当該予測結果データ800に対応する機器20に警告を通知するか否かを判定する(ステップS1505)。
すなわち、警告判定部106は、予測結果データ800毎に、当該予測結果データ800に含まれる絶対速度応答スペクトル予測値が、設置点コードが同一の閾値設定データ600に含まれる絶対速度応答スペクトル閾値を超えているか否かを判定する。そして、警告判定部106は、絶対速度応答スペクトル予測値が絶対速度応答スペクトル閾値を超えている場合、当該設置点コードが示す設置点の機器20に警告を通知すると判定する。
ステップS1505において、警告を通知すると判定された機器20が存在しない場合、地震動警告装置10は、処理を終了する。
一方、ステップS1505において、警告を通知すると判定された機器20が存在する場合、地震動警告装置10の警告通知部107は警告通知を作成する(ステップS1506)。
なお、警告通知部107は、絶対速度応答スペクトル予測値と絶対速度応答スペクトル閾値との差に応じた警告通知を作成しても良い。例えば、絶対速度応答スペクトル予測値と絶対速度応答スペクトル閾値との差が、所定の値より大きい場合、警告通知部107は、警告音の出力及び警告灯の点灯を行うための警告通知を作成する。一方で、例えば、絶対速度応答スペクトル予測値と絶対速度応答スペクトル閾値との差が、所定の値以下である場合、警告通知部107は、警告音の出力を行うための警告通知を作成する等である。
次に、地震動警告装置10の通信部101は、警告通知部107により作成された警告通知を、警告判定部106により警告を通知すると判定された機器20に対して送信する(ステップS1507)。
機器20の警告出力部202は、通信部203により警告通知を受信すると、長周期地震動の発生を示す警告を出力する(ステップS1508)。すなわち、警告出力部202は、長周期地震動の発生を示す警告として、例えば警告音を警報機28から出力する。また、警告出力部202は、長周期地震動の発生を示す警告として、「地震が発生しました。大きな揺れに備えて下さい。」等のメッセージを警報機28から出力しても良い。更に、警告出力部202は、長周期地震動の発生を示す警告として、警告灯の点灯等を行っても良い。
なお、警告出力部202は、例えば、予め登録されたメールアドレス宛に当該メッセージを含むメールを送信しても良いし、予め登録された電話番号宛に当該メッセージを含むFAXを送信しても良い。
これにより、当該機器20が設置されている階の居住者等は、長周期地震動の発生により揺れが生じることを知ることができる。
以上のように、本実施形態に係る地震動警告システム1では、例えば高層ビル等の建物BLDの各階に設置された機器20は、地震動の観測に応じて、機器観測データ400を地震動警告装置10に送信する。また、本実施形態に係る地震動警告システム1では、地震動警告装置10は、機器20の設置点の特性を示す基礎特性データ300と、機器観測データ400と、地震情報提供システム30から取得した地震情報データ500とに基づいて、分析データ700を作成する。
更に、本実施形態に係る地震動警告システム1では、地震情報提供システム30から緊急地震速報データ900を受信した場合に、分析データ700に基づいて、各設置点における長周期地震動の影響を予測する。そして、本実施形態に係る地震動警告システム1では、当該予測結果に応じて、長周期地震動の発生を示す警告を機器20に通知する。
これにより、本実施形態に係る地震動警告システム1では、機器20が設置されている地点毎に、長周期地震動による影響を予測して、当該予測した影響に応じた警告を行うことができる。言い換えれば、本実施形態に係る地震動警告システム1では、建物BLD内で機器20が設置されている階や当該建物BLDの特性(建物BLDの軒高や総階数等)等を考慮した影響の予測及び警告を行うことができるようになる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。