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JP6790882B2 - リチウムイオン二次電池用正極の製造方法 - Google Patents
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JP6790882B2 - リチウムイオン二次電池用正極の製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、リチウムイオン二次電池用正極の製造方法に関する。
特開平6−196169号公報(特許文献1)は、発泡アルミニウム(Al)に、スラリーを含浸することにより、リチウムイオン二次電池用正極(以下単に「正極」と記される場合がある)を製造することを開示している。
特開平6−196169号公報
正極の集電体としてAl箔が普及している。典型的には、Al箔の表面に、スラリーが塗布され、乾燥されることにより、正極が製造される。スラリーは、溶媒中に正極合材が分散した粒子分散液である。スラリーは、正極活物質、導電材、結着材および溶媒等が混合されることにより調製される。
集電体として、発泡Alのような多孔質Al基材も提案されている(特許文献1を参照のこと)。ただし多孔質Al基材の普及は進んでいない。電池のエネルギー密度を高めることが困難なためである。すなわち多孔質Al基材への含浸性を確保するためには、スラリーの粘度が、ある程度低い必要がある。そのためスラリーの固形分比率が必然的に低くなる。固形分比率は、溶媒以外の成分(すなわち正極合材)の質量比率を示す。スラリーの固形分比率が低いため、多孔質Al基材に正極合材を密に充填することが困難である。
本開示の目的は、多孔質Al基材への正極合材の充填量を増加させることにある。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし、本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、本開示の範囲が限定されるべきではない。
本開示のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法は、以下の(A)〜(C)を含む。
(A)正極活物質と導電材と結着材と溶媒とを混合することにより、顆粒を調製する。
(B)顆粒を多孔質アルミニウム基材に充填する。
(C)顆粒が充填された多孔質アルミニウム基材を圧延することにより、リチウムイオン二次電池用正極を製造する。
顆粒が、85質量%以上100質量%未満の固形分比率を有し、かつ多孔質アルミニウム基材の平均開気孔径よりも小さいメジアン径を有するように調製される。
スラリーの固形分比率が高くなる(すなわち溶媒が少なくなる)と、スラリーの粘度が高くなり、含浸性が低下する。多孔質Al基材の内部までスラリーが浸透しないため、正極合材の充填量が少なくなり、充填量のばらつきも大きくなると考えられる。
このような従来知見に反して、本開示の製造方法では、溶媒が大幅に少ない。これにより、正極合材と溶媒との混合物はスラリー(粒子分散液)にならずに、粒の集合体(すなわち「顆粒」)になる。さらに顆粒は、多孔質Al基材の平均開気孔径よりも小さいメジアン径を有するように調製される。そのため、顆粒は多孔質Al基材の内部まで入り込むことができる。その結果、スラリーが使用される場合に比して、正極合材の充填量が増加すると考えられる。
顆粒の固形分比率が85質量%未満であると、混合時に顆粒の粒成長が進行しやすいため、小さいメジアン径を実現することが困難である。その結果、顆粒のメジアン径が、多孔質Al基材の平均開気孔径よりも大きくなり、充填量が却って減少する可能性がある。さらに固形分比率が低くなると、混合物がスラリー化するため、顆粒が調製できない可能性もある。固形分比率が100質量%である(すなわち溶媒が全く存在しない)場合、粒子の凝集が促進されず、顆粒を調製することが困難である。
図1は、本開示の実施形態に係る正極の製造方法の概略を示すフローチャートである。 図2は、電極製造装置の構成の一例を示す概略断面図である。 図3は、正極合材の充填量と、顆粒の固形分比率との関係を示すグラフである。 図4は、充填量の標準偏差と、顆粒の固形分比率との関係を示すグラフである。 図5は、顆粒のメジアン径と、顆粒の固形分比率との関係を示すグラフである。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし以下の説明は本開示の範囲を限定するものではない。
<リチウムイオン二次電池用正極の製造方法>
図1は、本開示の実施形態に係る正極の製造方法の概略を示すフローチャートである。本実施形態の製造方法は、「(A)顆粒の調製」、「(B)充填」、「(C)仮圧延」、「(D)乾燥」および「(E)本圧延」を含む。以下、本実施形態の製造方法が順を追って説明される。
《(A)顆粒の調製》
本実施形態の製造方法は、正極活物質と導電材と結着材と溶媒とを混合することにより、顆粒を調製することを含む。
顆粒は、たとえば、攪拌造粒により調製される。ここでは一般的な攪拌造粒装置(たとえばアーステクニカ社製の「ハイスピードミキサ」等)が使用され得る。たとえば、攪拌造粒装置の攪拌槽に、正極活物質、導電材、結着材および溶媒が所定の質量比で投入され、攪拌、混合されることにより、顆粒が調製される。
好ましくは、正極活物質と導電材とが予め混合される。導電材が正極活物質に付着することにより、電子伝導性が向上することが期待される。その後、正極活物質と導電材との混合物に対して、結着材および溶媒が混合されることにより、顆粒が調製され得る。
本実施形態の顆粒は、85質量%以上100質量%未満の固形分比率を有するように調製される。顆粒の固形分比率が85質量%未満であると、混合(造粒)時に顆粒の粒成長が進行しやすいため、小さいメジアン径を実現することが困難である。その結果、顆粒のメジアン径が、多孔質Al基材の平均開気孔径よりも大きくなり、充填量が却って減少する可能性がある。さらに固形分比率が低くなると、混合物がスラリー化するため、顆粒が調製できない可能性もある。固形分比率が100質量%である場合、粒子の凝集が促進されず、顆粒を調製することが困難である。顆粒は、好ましくは85質量%以上95質量%以下の固形分比率を有するように調製される。
さらに顆粒は、後述の多孔質Al基材の平均開気孔径よりも小さいメジアン径を有するように調製される。これにより顆粒が多孔質Al基材の内部まで入り込むことができ、充填量が増加すると考えられる。本明細書の「メジアン径」は、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において微粒側から累積50%の粒径を示す。以下、メジアン径は「D50」とも記される。顆粒のD50は、固形分比率、攪拌羽根の回転数、解砕羽根の回転数、攪拌時間等により調整され得る。攪拌羽根の回転数は、たとえば、3000〜6000rpm(典型的には4000〜5000rpm)であってもよい。攪拌時間は、たとえば、20〜60秒であってもよい。
顆粒は、好ましくは多孔質Al基材の平均開気孔径の1/2(2分の1)未満、より好ましくは多孔質Al基材の平均開気孔径の1/3(3分の1)未満、最も好ましくは多孔質Al基材の平均開気孔径の1/4(4分の1)未満のD50を有するように調製される。多孔質Al基材の平均開気孔径が、たとえば600μmのとき、顆粒は、たとえば97μm以上121μm以下のD50を有するように調製されてもよい。
(正極活物質)
顆粒は、たとえば80〜98.5質量%の正極活物質を含むように調製されてもよい。正極活物質は特に限定されるべきではない。正極活物質は、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、LiNixCoyMnz2(式中、x、y、zは、0<x<1、0<y<1、0<z<1、x+y+z=1を満たす)、LiFePO4等であってもよい。1種の正極活物質が単独で使用されてもよいし、2種以上の正極活物質が組み合わされて使用されてもよい。正極活物質は、たとえば1〜30μmのD50を有してもよい。
(導電材)
顆粒は、たとえば1〜15質量%の導電材を含むように調製されてもよい。導電材は特に限定されるべきではない。導電材は、たとえば、アセチレンブラック、サーマルブラック、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、黒鉛等であってもよい。1種の導電材が単独で使用されてもよいし、2種以上の導電材が組み合わされて使用されてもよい。
(結着材)
顆粒は、たとえば0.5〜5質量%の結着材を含むように調製されてもよい。結着材は特に限定されるべきではない。結着材は、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸(PAA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等であってもよい。1種の結着材が単独で使用されてもよいし、2種以上の結着材が組み合わされて使用されてもよい。
(溶媒)
溶媒は、結着材の分散性または溶解性が考慮され、適切なものが選択されるべきである。たとえば、結着材がPVdFである場合、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶媒が使用され得る。たとえば、結着材がPAA、CMC等である場合、水(純水)が溶媒として使用され得る。
《(B)充填》
本実施形態の製造方法は、顆粒を多孔質Al基材に充填することを含む。
(多孔質アルミニウム基材)
多孔質Al基材はシート状でよい。多孔質Al基材は、たとえば、0.1〜1mm(典型的には0.2〜0.5mm)の厚さを有してもよい。多孔質Al基材は、たとえば、Al溶湯を発泡させ、その後凝固させることにより製造され得る。あるいは多孔質Al基材は、発泡樹脂にAlメッキを施し、その後発泡樹脂を熱処理により除去することによっても製造され得る。多孔質Al基材は、純アルミニウムによって構成されていてもよいし、アルミニウム合金によって構成されていてもよい。
多孔質Al基材は、三次元網目構造を有し得る。多孔質Al基材が集電体として使用されることにより、Al箔が集電体である場合に比して、正極の厚さ方向の電子伝導性が向上することが期待される。
多孔質Al基材は、複数の開気孔を含む。多孔質Al基材の平均開気孔径(「呼び孔径」と称される場合もある)は、次のようにして測定される。すなわち、多孔質Al基材の表面が電子顕微鏡(SEM)等によって観察される。無作為に20個の開気孔が抽出される。各開気孔のフェレー径が測定される。20個のフェレー径の算術平均が、平均開気孔径とされる。多孔質Al基材は、たとえば、150〜1000μmの平均開気孔径を有してもよい。電子伝導性および強度等の観点から、多孔質Al基材は、好ましくは300μm以上900μm以下の平均開気孔径を有し、より好ましくは450μm以上750μm以下の平均開気孔径を有し、最も好ましくは550μm以上650μm以下の平均開気孔径を有する。
エネルギー密度の観点から、多孔質Al基材は高い空隙率を有することが望ましい。
空隙率は、下記式:
空隙率(%)=(1−多孔質Alの見かけ比重)÷Alの真比重×100%
により算出される。多孔質Al基材の見かけ比重は、多孔質Al基材の質量が多孔質Al基材の見かけ体積(=面積×厚さ)で除されることにより算出される。多孔質Al基材は、好ましくは75%以上の空隙率を有し、より好ましくは80%以上の空隙率を有し、最も好ましくは85%以上の空隙率を有する。機械的強度の観点から、多孔質Al基材は、たとえば、90%以下の空隙率を有してもよい。
多孔質Al基材は、集電リードとの接続部を有していてもよい。たとえば、多孔質Al基材において接続部となるべき部分を予め圧延により潰しておくことが考えられる。これにより当該部分には、顆粒が侵入できないため、集電リードを溶接することができる。
(製造装置)
図2は、電極製造装置の構成の一例を示す概略断面図である。電極製造装置100は、充填槽10、充填ロール20、仮圧延ロール30、乾燥炉40および本圧延ロール50を備える。充填槽10には、入口および出口が設けられている。充填槽10内には、充填ロール20が複数配置されている。充填槽10の出口には、仮圧延ロール30が配置されている。さらにその後には、乾燥炉40および本圧延ロール50が配置されている。各ロールに描かれた曲線矢印は、各ロールの回転方向を示している。
充填槽10には、顆粒1が充填されている。多孔質Al基材2は、入口から充填槽10に供給される。充填ロール20が回転することにより、顆粒1が流動し、顆粒1が多孔質Al基材2内に入り込む。すなわち、顆粒1が多孔質Al基材2に充填される。
《(C)仮圧延》
本実施形態の製造方法は、顆粒1が充填された多孔質Al基材2を圧延することを含む。圧延により、多孔質Al基材2内に顆粒1が固定され、正極(電極)が完成する。圧延は1回だけ実施されてもよいし、2回以上に分けて実施されてもよい。たとえば、顆粒1の充填直後に仮圧延が実施されることにより、顆粒1が多孔質Al基材2内に仮固定される。仮圧延後、乾燥が実施される。乾燥後、本圧延によって、正極が最終的な狙い厚さに調整され得る。
図2では、充填槽10の出口に仮圧延ロール30が配置されている。顆粒1が充填された多孔質Al基材2は、充填槽10から出た直後に仮圧延されることが望ましい。これにより顆粒1の脱落が抑制される。仮圧延時の圧縮率は、好ましくは10%以上50%以下である。圧縮率は、下記式:
圧縮率(%)=(圧縮前の厚さ−圧縮後の厚さ)÷圧縮前の厚さ×100%
により算出される。仮圧延時の圧縮率が10%以上であることにより、顆粒1の脱落が抑制される傾向がある。仮圧延時(乾燥前)の圧縮率が50%を超えると、溶媒が滲み出すことがある。これにより搬送路、ロール等の清掃が必要になる場合もある。しかし溶媒の滲み出しは、完成電極の性能および品質への影響は小さいと考えられる。したがって生産性を無視する限り、50%を超える圧縮率としてもよい。圧縮率は、より好ましくは10%以上40%以下であり、最も好ましくは10%以上30%以下である。
《(D)乾燥》
本実施形態の製造方法は、正極を乾燥することを含んでもよい。乾燥炉40は、たとえば、熱風式乾燥炉、赤外線式乾燥炉等であり得る。熱風式の場合、熱風温度は、たとえば、100〜160℃程度でよい。本実施形態では、顆粒1の固形分比率が非常に高いため、乾燥炉40の炉長を短縮できる。これにより乾燥コストの低減が期待される。さらに本実施形態では、自然乾燥で足りる場合、あるいは乾燥が実質的に不要な場合もあり得る。
《(E)本圧延》
本実施形態の製造方法は、乾燥後の正極をさらに圧延することを含んでもよい。本圧延では、正極が最終的な厚さに調整される。正極は、最終的に、たとえば50〜150μmの厚さを有するように圧延されてもよい。
以下、実施例が説明される。ただし以下の例は本開示の範囲を限定するものではない。
<実験1>
<比較例>
以下の材料が準備された。
正極活物質:ニッケルマンガンコバルト酸リチウム
導電材:アセチレンブラック
結着材溶液:PVdFのNMP溶液
溶媒:NMP
多孔質Al基材:発泡Al(平均開気孔径600μm、厚さ0.3mm、空隙率85%)
攪拌造粒装置の攪拌槽に、正極活物質および導電材が投入された。正極活物質および導電材が乾式で混合された。これにより粉体混合物が得られた。次いで、攪拌槽に、結着材溶液および溶媒が投入された。正極活物質、導電材、結着材および溶媒が混合された。これによりスラリーが調製された。固形分の配合は、「正極活物質:導電材:結着材=89.5:8:2.5(質量比)」とされた。固形分比率は45質量%とされた。
スラリーが多孔質Al基材に充填された。スラリーが乾燥された。多孔質Al基材が圧延された。これにより正極が製造された。
<比較例2〜4>
下記表1に示されるように、スラリーの固形分比率が変更されることを除いては、比較例1と同じ製造方法により、正極が製造された。
<実施例1>
《(A)顆粒の調製》
攪拌造粒装置の攪拌槽に、正極活物質および導電材が投入された。正極活物質および導電材が乾式で混合された。これにより粉体混合物が得られた。攪拌羽根の回転数は4500rpmとされ、攪拌時間は15秒とされた。次いで、攪拌槽に、結着材溶液が投入された。正極活物質、導電材、結着材および溶媒が混合された。攪拌羽根の回転数は4500rpmとされ、攪拌時間は20秒とされた。これにより顆粒1が調製された。固形分の配合は、「正極活物質:導電材:結着材=91:8:1(質量比)」とされた。固形分比率は85質量%とされた。
レーザ回折散乱式粒子径分布測定装置「マイクロトラックMT3000II」および乾式試料供給機(いずれもマイクロトラックベル社製)により、顆粒1のD50が測定された。測定結果は下記表1に示されている。
《(B)充填、(C)仮圧延、(D)乾燥、(E)本圧延》
図2に示される電極製造装置100が準備された。電極製造装置100に、顆粒1および多孔質Al基材2が供給された。これにより、顆粒1が多孔質Al基材2に充填された。さらに顆粒1が充填された多孔質Al基材2が圧延されることにより、正極が製造された。なお仮圧延時の圧縮率は20%とされた。
<実施例2、3、比較例5、6>
下記表1に示されるように、固形分比率が変更されることを除いては、実施例1と同じ製造方法により、正極が製造された。
<評価>
打ち抜きポンチにより、多孔質Al基材から20個の円板試料(直径2cm)が打ち抜かれた。精密天秤により、20個の円板試料の質量が測定された。20個の算術平均値が算出された。以下、この算術平均値はブランク値と称される。
同様に正極から、20個の円板試料が打ち抜かれた。精密天秤により円板試料の質量が測定された。円板試料の質量からブランク値が差し引かれることにより、正極合材の充填量が算出された。充填量の算術平均値および標準偏差が算出された。結果は下記表1に示されている。
<結果>
上記表1に示されるように、実施例では、比較例に比して正極合材の充填量が増加していた。顆粒が85質量%以上100質量%未満の固形分比率を有し、かつ多孔質Al基材の平均開気孔径よりも小さいD50を有するように調製されたためと考えられる。実施例では、充填量が多いだけでなく、充填量のばらつき(標準偏差)も小さい。
図3は、正極合材の充填量と、顆粒の固形分比率との関係を示すグラフである。図4は、充填量の標準偏差と、顆粒の固形分比率との関係を示すグラフである。図3および4に示されるように、スラリーと顆粒とでは、固形分比率の変化に対する充填量の挙動が全く異なる。すなわち、スラリーでは、固形分比率が55質量%を超えると、固形分比率が高くなる程、充填量が減少し、充填量の標準偏差が大きくなっている。他方、顆粒では、固形分比率が高い程、充填量が増加し、充填量の標準偏差が小さくなっている。顆粒の固形分比率が85質量%以上であることにより、充填量が顕著に増加し、なおかつ充填量のばらつきが顕著に抑制されている。
図5は、顆粒のメジアン径と、顆粒の固形分比率との関係を示すグラフである。固形分比率が85質量%以上の領域において、顆粒のD50が顕著に小さくなる傾向が認められる。
<実験2>
実施例1〜3において仮圧延時の圧縮率が検討された。結果は下記表2に示されている。下記表2中、「++」、「+」、「±」「−」は、それぞれ以下の内容を示す。
「++」は、顆粒が脱落せず、かつ溶媒が滲み出さなかったことを示す。
「+」は、僅かに顆粒が脱落したか、または僅かに溶媒が滲み出したことを示す。
「±」は、溶媒が滲み出したことを示す。
「−」は、顆粒が脱落したことを示す。
上記表2に示されるように、50%以下の圧縮率において、溶媒の滲み出しが抑制される傾向が確認された。10%以上の圧縮率において、顆粒の脱落が抑制される傾向が確認された。したがって仮圧延時(乾燥前)の圧縮率は、好ましくは10%以上50%以下である。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記の説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 顆粒、2 基材、10 充填槽、20 充填ロール、30 仮圧延ロール、40 乾燥炉、50 本圧延ロール、100 電極製造装置。

Claims (1)

  1. 正極活物質と導電材と結着材と溶媒とを混合することにより、顆粒を調製すること、
    前記顆粒を多孔質アルミニウム基材に充填すること、および
    前記顆粒が充填された前記多孔質アルミニウム基材を圧延することにより、リチウムイオン二次電池用正極を製造すること
    を含み、
    前記リチウムイオン二次電池用正極を乾燥すること、および
    乾燥後の前記リチウムイオン二次電池用正極を圧延すること、
    をさらに含み、
    前記顆粒が、
    85質量%以上100質量%未満の固形分比率を有し、かつ
    前記多孔質アルミニウム基材の平均開気孔径よりも小さいメジアン径を有する
    ように調製される、
    リチウムイオン二次電池用正極の製造方法。
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