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JP6796982B2 - メタリック意匠の評価方法 - Google Patents
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JP6796982B2 - メタリック意匠の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、メタリック意匠の評価方法に関する。
様々な光輝性顔料(アルミフレーク、マイカフレーク、グラファイト等)を含むメタリック塗料が広く用いられている。メタリック塗料を塗装して得られた塗膜の色(以下「メタリック色」という)は、観察角度により色の見え方が変化する。これに対して、観察角度により色の見え方が変化しない塗色は「ソリッド色」と呼ばれている。
特許文献1には、メタリック塗膜の有するメタリック感の測定方法として、複数のメタリック塗膜において、複数の受光角で反射光の測色を行い、得られたL明度の組を変数とみなして主成分分析を行い、輝度感のパラメータと白味感のパラメータをL明度の線形結合式によって表現する方法が記載されている。
特開2004−286672号公報
シルバーメタリック、スーパーメタリック等のメタリック塗膜においては、ハイライト(正反射光からの角度が小さい観察角度、例えば15°の受光角)で高明度、シェード(正反射光からの角度が大きい観察角度、例えば75°の受光角)で低明度となるように、変色性(フリップフロップ)が大きいことから、目視の評価と整合するようなパラメータを得ることが困難であった。
特許文献1に記載の方法では、目視の評価結果と受光角の異なるL明度とを対応付けて分析することにより、線形結合式の各係数が導出されている。特許文献1によって得られる主成分パラメータは、目視の評価結果に依存して求まることから、目視の評価結果から独立した、簡潔なパラメータによりメタリック感を表現することはできていない。
また、本発明者らの検討によれば、ハイライトの明度が高く、観察角度が少し変わるだけで明度が大きく下がる超金属調塗色を評価するには、従来のパラメータでは的確な評価が困難であることが分かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、メタリック感を簡潔なパラメータにより定量化することが可能なメタリック意匠の評価方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、メタリック意匠を有する意匠面の鏡面光沢度と、前記意匠面の正反射方向から離れた角度における明度との比を計算して、前記比によりメタリック意匠を評価することを特徴とするメタリック意匠の評価方法を提供する。
また、前記鏡面光沢度は、入射角を60°±5°として測定してもよい。
また、前記明度は、入射角を45°±5°とし、正反射方向から入射方向に向かって45°±5°となる角度を受光角として測定してもよい。
また、前記明度は、XYZ表色系における明度Y、X101010表色系における明度Y10、L表色系またはL表色系における明度Lのいずれかであってもよい。
また、前記明度は、XYZ表色系における明度Yであることが好ましい。
また、前記意匠面が、メタリック塗膜又は金属層を有してもよい。
本発明によれば、正反射光近傍の測色パラメータである鏡面光沢度と、正反射光から離れた角度における明度との組み合わせにより、メタリック感を簡潔なパラメータにより定量化して、目視の評価結果に近い序列を得ることができる。
(a)鏡面光沢度、及び(b)明度の測定角度の説明図である。
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。図1(a)に、鏡面光沢度の測定角度の説明図を示し、図1(b)に、明度の測定角度の説明図を示す。
本実施形態のメタリック意匠の評価方法は、メタリック意匠を有する意匠面10の鏡面光沢度を測定する工程と、意匠面10の正反射方向12から離れた角度の受光方向14における明度を測定する工程と、鏡面光沢度:明度の比を計算する工程を有し、この比の値によりメタリック意匠を評価することができる。
(鏡面光沢度の測定)
鏡面光沢度の測定方法としては、例えばJIS Z 8741(鏡面光沢度−測定方法)が挙げられる。この方法では、意匠面10を試料面として、意匠面10に対して所定の入射方向11から光を入射し、鏡面反射による正反射方向12の光束が測定される。
入射角θは、入射方向11と法線方向13との成す角度である。正反射方向12と法線方向13との成す角度である正反射角θは、入射角θに等しい。
屈折率が可視波長範囲全域にわたって一定値1.567であるガラス表面を標準面とし、入射角θに対する標準面からの鏡面反射光束をφ0Sとする。入射角θに対する試料面(意匠面)からの鏡面反射光束をφとしたとき、鏡面光沢度G(θ)は、次の式で求められる。
(θ)=(φ/φ0S)×GOS(θ
ここで、GOS(θ)は、標準面の鏡面光沢度であり、標準面の屈折率が1.567であれば、入射角θによらず、GOS(θ)=100%である。このため、次の式によっても鏡面光沢度G(θ)を求めることができる。なお、鏡面光沢度の単位(%)は省略可能である。
(θ)=(φ/φ0S)×100(%)
入射角θは、意匠面の反射の程度に応じて、例えば、20°、45°、60°、75°、85°等から選択することが可能である。入射角60°における鏡面光沢度(60度鏡面光沢度)が標準的に使用可能であるが、60°±5°(55〜65°)の範囲内から入射角を定めてもよい。設定された角度の許容誤差としては、例えば0.1°や0.2°が挙げられる。
鏡面光沢度の測定装置は、入射方向11に光源(図示せず)を有し、正反射方向12に受光器(図示せず)を有する。光源から意匠面に平行光束を入射することにより、意匠面から反射した平行光束を受光器で測定することができる。光源及び受光器と意匠面との間には、レンズ、開口等を含む光学系を設けてもよい。開口の寸法により、光束の開き角を規制することができる。
(明度の測定)
明度としては、シルバー系の色に対して反射量(明るさ)を定量できるパラメータであればよく、例えば、XYZ表色系における明度Y、X101010表色系における明度Y10、L表色系またはL表色系における明度L等が挙げられる(例えば旧JIS Z 8701、旧JIS Z 8729、JIS Z 8781等を参照)。
明度Yと明度Lとの間には、一般にL=116(Y/100)1/3−16の関係があるが、L表色系またはL表色系は均等色空間を意図して定められた表色系であり、心理量の影響が大きいため、明度Lよりも明度Yを採用することが好ましい。
光源としては、法線方向13に対して同一の入射角θを与える円周状に光源を設ける円環照明でもよく、入射角θの円周上の一点のみに光源を設ける一方向照明でもよく、入射角θの円周上の多数の点に光源を設ける環状照明でもよい。
一方向照明の場合、正反射方向12と受光方向14が、入射方向11と法線方向13を含む面(入射面)内にあり、受光角θは、正反射方向12と受光方向14との成す角度として求められる。このとき、正反射方向12から入射方向11に向かう方向(図1(a)の時計回り)の回転角において受光角θの符号を正とし、入射方向11から遠ざかる方向(図1(a)の反時計回り)の回転角において受光角θの符号を負とする。受光角θが正の値である場合は、正の符号(+)を省略してもよい。受光方向14が法線方向13に一致する(受光角θが正反射角θに等しい)場合、入射方向11が法線方向13の周りでずれても受光方向14のずれを抑制できるので好ましい。
受光方向14は、正反射方向12に対する角度を受光角θとして、例えば15°、25°、45°、60°、75°、110°等から選択することが可能である。10°、15°、25°等の小さい受光角θはハイライト、75°、110°等の大きい受光角θはシェード、45°等の受光方向14が法線方向13に近くなる受光角θはフェースと称される。例えば、入射角θを45°±5°(40〜50°)の範囲内とし、受光角θを45°±5°(40〜50°)の範囲内としてもよい。設定された角度の許容誤差としては、例えば0.1°や0.2°が挙げられる。
明度は、多角度分光光度計等の色彩計を用いて測定が可能である。
(メタリック感の評価)
鏡面光沢度と、明度との比を計算する場合、さらに比の値に対して、定数の加算、減算、乗算、べき乗等、一定の演算を施した結果を評価に用いてもよい。鏡面光沢度は、正反射方向の測光により求まることから、正反射の寄与が大きいほど、大きな値となる。また、正反射方向から離れた角度における明度は、拡散反射の寄与が大きいほど、大きな値となる。平坦な鏡面状の金属素材であれば、正反射が強く、拡散反射が弱くなることから、(鏡面光沢度/明度)の比をとる場合には、値が大きいほど、目視でのメタリック感が高いと直感的に評価しやすいので、好ましい。
意匠面10は、メタリック塗膜を有してもよく、金属箔などの金属層を有してもよい。メタリック塗膜としては、アルミニウム、銅、ニッケル合金、ステンレス等の鱗片状金属顔料、表面を金属酸化物で被覆した鱗片状金属顔料、表面に着色顔料を化学吸着させた鱗片状金属顔料、表面に酸化還元反応を起こさせることにより酸化アルミニウム層を形成した鱗片状アルミニウム顔料等の金属粒子顔料を含む塗膜が挙げられる。金属層としては、金属箔、金属蒸着層、金属めっき層などが挙げられる。
メタリック塗膜を形成するための塗料(メタリック塗料)は、ビヒクル、顔料、溶媒(有機溶剤や水など)、必要に応じて適宜の添加物を配合し、均一に分散させることで調製することができる。また、メタリック塗料は、金属粒子顔料以外の顔料として、一般の光輝性塗料や着色顔料を含んでもよい。メタリック塗膜の色は、シルバーに限らず、赤、青、黄、緑などの色彩を帯びてもよい。
光輝性顔料としては、アルミニウムを固溶した板状酸化鉄顔料、ガラスフレーク顔料、表面を金属又は金属酸化物で被覆したガラスフレーク顔料、表面に着色顔料を化学吸着させたガラスフレーク顔料、表面を二酸化チタンで被覆した干渉マイカ顔料、干渉マイカ顔料を還元した還元マイカ顔料、表面に着色顔料を化学吸着させた着色マイカ顔料、表面を酸化鉄で被覆した着色マイカ顔料、表面を二酸化チタンで被覆したグラファイト顔料、表面を二酸化チタンで被覆したシリカフレークやアルミナフレーク顔料、板状酸化鉄顔料、ホログラム顔料、合成マイカ顔料、らせん構造を持つコレステリック液晶ポリマー顔料、オキシ塩化ビスマス顔料などが挙げられる。
着色顔料としては、例えば、透明性酸化鉄顔料、チタンイエロー等の複合酸化物顔料等の無機顔料;アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属キレートアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、インジゴ系顔料等の有機顔料、カーボンブラック顔料、酸化チタン顔料等が挙げられる。
ビヒクルとしては、樹脂成分が挙げられる。樹脂成分としては、具体的には、水酸基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロック体も含む)などの架橋剤とを併用したものが挙げられる。
塗膜の作製方法は、基板上に均一な膜厚の光輝性塗料を塗装できるものであれば、特に限定されるものではないが、エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレーなどのスプレー方式が好ましい。意匠面10を基板上に形成する場合の基板には、塗料を塗装する前に、あらかじめ下塗り塗料や中塗り塗料による塗膜を形成しておくことができる。また、光輝性塗料の塗膜の上には、該塗膜を保護する等の目的で、クリヤー塗料の塗膜を1層または2層以上形成することができる。
金属粒子顔料として、粒径(長径)が10μm以上で、厚さ(短径)が0.1μm以下(例えば0.05μm程度)等の蒸着アルミニウム顔料のように、高アスペクト比のフレークを用いると、メタリック感を向上することができる。しかし、金属粒子の配向が塗膜の面方向に揃っていないと、塗膜から出射する反射光量は高くても、各フレークの正反射方向が意匠面の正反射方向と一致しにくくなる。目視で明るく見える方向にバラつきが生じると、反射光の指向性は下がり、平坦な金属素材のようなメタリック感は低下する。
近年、従来の金属調意匠よりも金属素材に近い超金属調意匠、及びこれを塗膜で実現可能な超金属調塗色が注目されている。メタリック感が最も高いと評価できる意匠としては、鏡面状に研磨された金属素材、金属箔、金属蒸着膜、金属めっきが挙げられる。しかし、金属素材は重量があり、自動車等の輸送機器や、携帯機器等においては、エネルギー効率向上や軽量性の観点から敬遠される傾向がある。金属箔は、貼付・箔押し等の加工をするのが高コストである。成形部品の表面に金属蒸着膜や金属めっきを形成する場合も、高コストである上、成形部品の形状や寸法等によっては、蒸着やめっきの加工が困難な場合がある。
このため、塗装(塗膜)によりメタリック感の高い意匠を実現することが要望されており、メタリック感の客観的な指標が求められている。熟練した複数人の観察者が目視により評価する場合には、人の視感に即した高度な評価が可能であるが、観察者の育成に時間がかかり、観察者の疲労や体調等の影響も考慮する必要がある。
本発明者らが金属素材、金属箔、金属蒸着膜等の均一な金属面の反射特性を検討した結果、反射率の角度依存性は、正反射光の反射率が最高であり、受光角が正反射方向から離れるほど、反射率が低下すること、そして、受光角が15°程度と小さい(受光方向が正反射方向に近い)場合でも、明度の低下が著しいことが分かった。5〜10°等の低い角度で明度を測定することも考えられるが、特殊な測定器が必要となり、測定に時間がかかる。そこで、正反射光の測定による鏡面光沢度を利用することにより、メタリック感の高い意匠の特性を簡便に測定することができる。
上述した鏡面光沢度と明度との比によれば、金属粒子の配向不良等によるメタリック感の低下(粒子感の増大)を従来のパラメータよりも高度に反映させることができ、メタリック感の高い意匠の開発、評価等に有用である。従来の金属調意匠から、超金属調意匠、金属素材に至るまで、視覚的なメタリック感を統一的な指標により評価することができる。目視の評価と整合する結果が、目視の評価から独立した簡潔なパラメータから得られるので、塗装ライン等のオンライン上の検査にも容易に適用することができる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。また、「部」は「質量部」を意味する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
(1)水酸基含有アクリル樹脂の製造
温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器にエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート50部を仕込み、撹拌混合し、135℃に昇温した。次いで、メチルメタクリレート38部、エチルアクリレート17部、n−ブチルアクリレート17部、ヒドロキシエチルメタクリレート7部、ラウリルメタクリレート20部、アクリル酸1部及び2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)2部からなるモノマー/重合開始剤の混合物を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成した。
その後、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート10部、2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.6部からなる混合物を同温度に保持した反応容器内に1時間30分かけて滴下し、さらに2時間熟成した。
次に、未反応のエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを減圧下で留去し、水酸基価54mgKOH/g、数平均分子量20,000、樹脂固形分65質量%の水酸基含有アクリル樹脂を得た。ここで数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものを意味する。
(2)有機溶剤型塗料1の製造
(1)で得られた水酸基含有アクリル樹脂75部、ユーバン(登録商標)28−60(商品名、ブチルエーテル化メラミン樹脂、三井化学社製)25部からなる樹脂成分100部(固形分)あたり、アルミニウムペーストGX−180A(商品名、旭化成アルミ社製、固形分74質量%、一次平均粒子径16.9μmの鱗片状アルミニウム顔料ペースト)を固形分として10部配合して攪拌混合し、塗装に適正な粘度に希釈して、固形分約25%の有機溶剤型塗料1を調製した。
(3)有機溶剤型塗料2の製造
(1)で得られた水酸基含有アクリル樹脂75部、ユーバン(登録商標)28−60(商品名、ブチルエーテル化メラミン樹脂、三井化学社製)25部からなる樹脂成分100部(固形分)あたり、アルミニウムペーストGX−180A(商品名、旭化成アルミ社製、固形分74質量%、一次平均粒子径16.9μmの鱗片状アルミニウム顔料ペースト)を固形分として30部配合して攪拌混合し、塗装に適正な粘度に希釈して、固形分約25%の有機溶剤型塗料2を調製した。
(4)有機溶剤型塗料3の製造
(1)で得られた水酸基含有アクリル樹脂75部、ユーバン(登録商標)28−60(商品名、ブチルエーテル化メラミン樹脂、三井化学社製)25部からなる樹脂成分100部(固形分)あたり、METASHEEN(登録商標)71−0010(商品名、BASF社製、固形分10質量%、蒸着アルミニウムスラリー)を固形分として10部配合して攪拌混合し、塗装に適正な粘度に希釈して、固形分約12%の有機溶剤型塗料3を調製した。
(5)蒸着アルミニウム顔料液の製造
METASHEEN(登録商標)71−0010(商品名、BASF社製、固形分10質量%、蒸着アルミニウムスラリー)に、酢酸ブチルを加えて攪拌混合し、固形分0.5質量%の蒸着アルミニウム顔料液を調製した。
(6)塗板用基材の作製
脱脂及びりん酸亜鉛処理した鋼板(JIS G 3141、大きさ400mm×300mm×0.8mm)にカチオン電着塗料「エレクロン(登録商標)9400HB」(商品名:関西ペイント社製、エポキシ樹脂ポリアミン系カチオン樹脂に硬化剤としてブロックポリイソシアネート化合物を使用したもの)を硬化塗膜に基づいて膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で20分加熱して架橋硬化させて電着塗膜を得た。
得られた電着塗面に、中塗り塗料「ルーガベーク(登録商標)中塗りN−2グレー」(商品名:関西ペイント社製、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系、有機溶剤型)をエアスプレーにて硬化塗膜に基づいて膜厚30μmになるように塗装し、140℃で30分加熱して架橋硬化させて、中塗り塗膜を形成した塗板を基材とした。
(7)評価用塗板の作製
(Sample1)
(5)で得られた基材に、(2)で得られた有機溶剤型塗料1を、エアスプレーを使用して、乾燥膜厚15μmとなるように塗装し、塗装後、室温にて15分間放置した後に、「ルーガベーク(登録商標)クリヤー」(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂・アミノ樹脂系、有機溶剤型)を、ミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度25℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として、膜厚30μmとなるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉を使用して、140℃で30分間加熱し、複層塗膜を同時に乾燥硬化せしめて、測定に供する塗板を作製した。
(Sample2)
(5)で得られた基材に、(3)で得られた有機溶剤型塗料2を、エアスプレーを使用して、乾燥膜厚5μmとなるように塗装し、塗装後、室温にて15分間放置した後に、「ルーガベーク(登録商標)クリヤー」(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂・アミノ樹脂系、有機溶剤型)を、ミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度25℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として、膜厚30μmとなるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉を使用して、140℃で30分間加熱し、複層塗膜を同時に乾燥硬化せしめて、測定に供する塗板を作製した。
(Sample3)
(6)で得られた基材に、(4)で得られた有機溶剤型塗料3を、エアスプレーを使用して、乾燥膜厚2μmとなるように塗装し、塗装後、室温にて15分間放置した後に、「ルーガベーク(登録商標)クリヤー」(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂・アミノ樹脂系、有機溶剤型)を、ミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度25℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として、膜厚30μmとなるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉を使用して、140℃で30分間加熱し、複層塗膜を同時に乾燥硬化せしめて、測定に供する塗板を作製した。
(Sample4)
(6)で得られた基材に、(5)で得られた蒸着アルミニウム顔料液を、W−101−102P(エアスプレーガン、アネスト岩田社製)を使用して、塗料調節つまみを0.5回転分開放、吹き付け空気圧0.2MPa、ガン距離30cm、ガン速度10cm/sの条件で、1ステージ塗装し、塗装後、室温にて15分間放置した後に、「ルーガベーク(登録商標)クリヤー」(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂・アミノ樹脂系、有機溶剤型)を、ミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度25℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として、膜厚30μmとなるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉を使用して、140℃で30分間加熱し、複層塗膜を同時に乾燥硬化せしめて、測定に供する塗板を作製した。
(Sample5)
(6)で得られた基材に、(5)で得られた蒸着アルミニウム顔料液を、W−101−102P(エアスプレーガン、アネスト岩田社製)を使用して、塗料調節つまみを0.5回転分開放、吹き付け空気圧0.2MPa、ガン距離30cm、ガン速度10cm/sの条件で、2ステージ塗装し、塗装後、室温にて15分間放置した後に、「ルーガベーク(登録商標)クリヤー」(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂・アミノ樹脂系、有機溶剤型)を、ミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度25℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として、膜厚30μmとなるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉を使用して、140℃で30分間加熱し、複層塗膜を同時に乾燥硬化せしめて、測定に供する塗板を作製した。
(Sample6)
(6)で得られた基材に、(5)で得られた蒸着アルミニウム顔料液を、W−101−102P(エアスプレーガン、アネスト岩田社製)を使用して、塗料調節つまみを0.5回転分開放、吹き付け空気圧0.2MPa、ガン距離30cm、ガン速度10cm/sの条件で、5ステージ塗装し、塗装後、室温にて15分間放置した後に、「ルーガベーク(登録商標)クリヤー」(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂・アミノ樹脂系、有機溶剤型)を、ミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度25℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として、膜厚30μmとなるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉を使用して、140℃で30分間加熱し、複層塗膜を同時に乾燥硬化せしめて、測定に供する塗板を作製した。
(Sample7)
(6)で得られた基材に、(5)で得られた蒸着アルミニウム顔料液を、W−101−102P(エアスプレーガン、アネスト岩田社製)を使用して、塗料調節つまみを0.5回転分開放、吹き付け空気圧0.2MPa、ガン距離30cm、ガン速度10cm/sの条件で、10ステージ塗装し、塗装後、室温にて15分間放置した後に、「ルーガベーク(登録商標)クリヤー」(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂・アミノ樹脂系、有機溶剤型)を、ミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度25℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として、膜厚30μmとなるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉を使用して、140℃で30分間加熱し、複層塗膜を同時に乾燥硬化せしめて、測定に供する塗板を作製した。
(Sample8)
平滑なブリキ板に家庭用アルミホイルを貼り付け、溶剤を用いてホイル表面を脱脂した後に、「ルーガベーク(登録商標)クリヤー」(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂・アミノ樹脂系、有機溶剤型)を、ミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度25℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として、膜厚30μmとなるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉を使用して、140℃で30分間加熱し、クリヤー塗膜を乾燥硬化せしめて、測定に供する塗板を作製した。
(8)塗板の評価
(明度の測定)
MA68II(商品名、多角度分光光度計、エックスライト社製)を使用して、(7)で得られた塗板の意匠面の測色を行い、XYZ表色系におけるY値、及びL表色系におけるL値を測定した。入射角は45°、受光角は15°及び45°である。
以下、受光角15°におけるY値を「Y15」で表し、受光角45°におけるY値を「Y45」で表し、受光角15°におけるL値を「L 15」で表し、受光角45°におけるL値を「L 45」で表す。
また、フリップフロップ値「FF」については、次の式により算出した。
FF=2×(Y15−Y45)/(Y15+Y45
(鏡面光沢度の測定)
マイクロ−トリ−グロス(商品名、光沢計、BYKガードナー社製)を使用して、(7)で得られた塗板の意匠面に対して、入射角60°から光を照射して、正反射光を受光し、鏡面光沢度を測定した。入射角60°における鏡面光沢度を「Gs60」で表す。
また、鏡面光沢度Gs60の値を、明度Y45又はL 45の値で除することにより、「Gs60/Y45」及び「Gs60/L 45」の値を算出した。
(ミクロ光輝感データの測定)
撮像装置を用いて、塗板の意匠面の画像データを取得し、取得した画像データから、ミクロ光輝感を表すデータである「HG」及び「SB」を次の式により計算した。
IPSL≧0.32の場合、HG=500・IPSL−142.5
0.32>IPSL≧0.15の場合、HG=102.9・IPSL−15.4
0.15>IPSLの場合、HG=0
HB=(BV−50)/2
ここで、IPSL及びBVは次の式によって求められる。
IPSL=∫ 2πP(ν,θ)dνdθ/P(0,0)
BV=PHav+350PSav
ここで、P(ν,θ)は、取得した画像データから生成した2次元の輝度分布データを2次元フーリエ変換処理して得られるパワースペクトル、νは空間周波数、θは角度である。0〜Nは粒子感に対応する空間周波数領域である。∫ dνは空間周波数領域0〜Nの範囲の積分であり、∫ 2π dθは角度領域0〜2πの範囲の積分である。
また、PHav、PSavはそれぞれ輝度画像の平均ピーク高さ、及び平均ピーク裾広がり率であり、PHav=3V/A、PSav=L/PHavである。ここで、V及びAは、それぞれ「GL+32」の閾値で2値化した時の閾値以上の総輝度体積および総輝度面積であり、Lは「GL+24」の閾値で2値化した時の平均粒径である。ここで、GLは、画像データの平均グレーレベルである。
Figure 0006796982
Figure 0006796982
結果を表1及び表2に示す。目視のメタリック感は、一般的なシルバー塗色の評点を1、アルミホイルの評点を5として、熟練した作業者の目視によりランク付けをした。
蒸着アルミニウム顔料液の塗膜であるsample4〜7は、ステージが多いほど隠蔽性が向上し、sample7では、目視で透けている印象を与えなかった。sample4〜7の目視の評点は、いずれも4とした。表1では、評点4をsample7で代表させ、表2でsample4〜7を対比できるようにした。
15値を目視の評点と比較すると、相関はなく、アルミホイルのL 15値は、一般的なシルバー塗色よりも低くなっている。同様にFF値についても、目視の評点とは異なる結果となっている。
正反射光の測定結果であるGs60値については、8種のサンプル中ではアルミホイルの値が最大となった。そこで、Gs60/L 45の比をとることで、目視のメタリック感と整合する結果が得られた。また、Gs60/Y45の比によれば、アルミホイルの数値が100に近い値となり、メタリック感の序列をより分かりやすく定量化することができた。そこで、Gs60/L 45やGs60/Y45のように、鏡面光沢度と明度との比をとることで、メタリック感を簡便な測定方法で定量化可能なパラメータが得られた。
sample4〜7(塗装ステージ数は各々1,2,5,10)については、表2に示すように、従来のパラメータであるFF値では明確な差が生じなかったが、Gs60/L 45及びGs60/Y45の比によれば、塗装ステージ数が少ないほど、比の値が大きく、金属感が高いという結果が得られた。ハイライト(例えば受光角が15°)の明るさについては、塗装ステージ数が多いほどL 15の値が大きく、見かけ上はより白くなる。しかし、塗装ステージ数が多いほど塗膜中に蒸着アルミニウム顔料として用いたアルミフレークの配向が乱れるため、鏡面光沢度Gs60の値は小さくなった。
フェース(例えば受光角が45°±5°)の明るさについても、塗装ステージ数の増加により塗膜による隠蔽性が増すにつれて、L 45の値が大きく、明度が高くなった。シェード(例えば受光角が75°〜110°)の明るさも、特に測定結果を示さないが、同様の傾向を示すと考えられる。
見かけの金属感は、ハイライトの明度とフェース又はシェードの黒さを同時に観察することで、より高く評価される。ハイライトが明るい(白い)だけでなく、フェース又はシェードが暗い(黒い)場合にも金属感が高くなると考えられることから、sample4〜7の中では、sample4が最も金属感が高く、sample7が最も金属感が低いと評価することもできる。つまり、表2の結果によれば、Gs60/L 45やGs60/Y45のように、鏡面光沢度と明度との比をとることで、目視の金属感の差異が小さいsample4〜7の間でも、金属感の感覚に近い数値を得て評価することができた。
10…意匠面、11…入射方向、12…正反射方向、13…法線方向、14…受光方向。

Claims (4)

  1. メタリック意匠を有する意匠面の、入射角を60°±5°として測定した鏡面光沢度と、前記意匠面の、入射角を45°±5°とし、正反射方向から入射方向に向かって45°±5°となる角度を受光角として測定した明度との比を計算して、前記比によりメタリック意匠を評価することを特徴とするメタリック意匠の評価方法。
  2. 前記明度は、XYZ表色系における明度Y、X101010表色系における明度Y10、L表色系またはL表色系における明度Lのいずれかであることを特徴とする請求項に記載のメタリック意匠の評価方法。
  3. 前記明度は、XYZ表色系における明度Yであることを特徴とする請求項に記載のメタリック意匠の評価方法。
  4. 前記意匠面が、メタリック塗膜又は金属層を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のメタリック意匠の評価方法。
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