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JP6806697B2 - 撚り数差のあるハイブリッド補強要素 - Google Patents
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JP6806697B2 - 撚り数差のあるハイブリッド補強要素 - Google Patents

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Description

本発明は、補強要素、タイヤ、半完成品およびかかる補強要素を製造する方法に関する。
連続テキスタイル(textile)繊維(紡織繊維)またはモノフィラメント、例えばポリエステル、ナイロン、セルロースまたはアラミドで作られた繊維から製造されたテキスタイル補強要素がタイヤにおいて重要な役割を果たし、かかるタイヤとしては、非常に高速で走行することが認定された高性能タイヤが挙げられる。タイヤの要件を満たすため、補強要素は、高い破壊強度、高い引張り弾性モジュラス、優れた疲れ耐久度および最後に補強要素が補強しやすいゴムまたは他のポリマーで作られたマトリックスへの良好な付着性を示すのに必要である。
各々が要素テキスタイルモノフィラメントで作られた2本のマルチフィラメントストランドで構成されている補強要素が先行技術から知られている。モノフィラメントの2本のストランドは、諸撚糸を形成するためにツイスティングによって一方が他方の周りに巻かれている。テキスタイルモノフィラメントから成る各ストランドは、製造プロセスにおける段階に応じて、一般に、紡績糸または過剰撚りと呼ばれている。
これら補強要素の製造方法もまた、先行技術から周知である。第1のステップの際、テキスタイルモノフィラメントの各紡績糸(より適切に言えば、「ヤーン」と呼ばれている)をまず最初に個々にそれ自体(初期撚り数R1′およびR2′で、ただし、R1′=R2′)所与の方向D′に(それぞれ、SまたはZの横棒に従ってターンの向きを示す認定された用語によればそれぞれS方向またはZ方向に)撚ってテキスタイルモノフィラメントがそれ自体ストランドの軸線回りの螺旋の状態に変形状態になったストランドまたは過剰撚り(より適切に言えば、「ストランド」)を形成する。次に、第2ステップの際、次に2本のストランドをこれらが同種の材料で作られたモノフィラメントから成るにせよ異種材料で作られたモノフィラメントから成るにせよいずれにせよ(補強要素の場合、ハイブリッドまたはコンポジットと呼ばれている)最初の撚り数R3で互いに撚り合わせ、その結果、方向D′とは逆の方向D3において(それぞれ、ZまたはS方向において)R3=R′1=R2′となってケーブリング(cabling)された補強要素(より適切に言えば、「コード」と呼ばれる)を得る。この補強要素は、撚りの釣り合わせが取られたと呼ばれており、その理由は、2本のストランドが最終補強要素中において、R1′=R2′なので同一の残留撚りを有するからである。この残留撚りは、ゼロでありまたはゼロに近く、その理由は、R3=R1′=R2′でありかつ方向D′が方向D3とは逆だからである。
ツイスティング(twisting)の目的は、補強要素の横方向密着力を生じさせ、その疲労性能を高めるとともに更に補強マトリックスとの付着性を向上させるよう材料の特性を適合させることにある。
かかる補強要素、これらの構成および製造方法は、当業者には周知である。これら補強要素は、非常に多くの文献において、例えば欧州特許第021485号明細書、同第220642号明細書、同第225391号明細書、同第335588号明細書、同第467585号明細書、米国特許第3419060号明細書、同第3977172号明細書、同第4155394号明細書、同第5558144号明細書、国際公開第97/06294号パンフレットまたは欧州特許第848767号明細書またはより最近においては、国際公開第2012/104279号パンフレット、同第2012/146612号パンフレット、同第2014/057082号パンフレットに詳細に記載されている。
欧州特許第021485号明細書 欧州特許第220642号明細書 欧州特許第225391号明細書 欧州特許第335588号明細書 欧州特許第467585号明細書 米国特許第3419060号明細書 米国特許第3977172号明細書 米国特許第4155394号明細書 米国特許第5558144号明細書 国際公開第97/06294号パンフレット 欧州特許第848767号明細書 国際公開第2012/104279号パンフレット 国際公開第2012/146612号パンフレット 国際公開第2014/057082号パンフレット
これら補強要素を有するタイヤまたは半完成品を補強することができるようにするため、耐久度または疲労強度(引張り、曲げ、圧縮)およびこれら補強要素の破壊力は、極めて重要である。知られているように、一般的に言って、材料が所与の場合に、用いられる撚りが強ければ強いほど、耐久度がそれだけ一層高くなるが、他方において、引張り破壊強度(単位重量当たりで表された場合のテナシティと呼ばれている)は、撚りが強くなるにつれて容赦なく低下し、これは、当然のことながら、補強の観点からは不利である。
それ故、タイヤ製造業者のような補強要素の設計者は、材料が所与の場合でありかつ撚りが所与の場合に耐久度および破壊強度の面における機械的性質を向上させることができる補強要素を絶えず探している。
この目的のため、本発明の一要旨は、高モジュラステキスタイル(textile)モノフィラメントの単一のストランドおよび低モジュラス繊維モノフィラメントの単一のストランドを有する補強要素であって、ストランドは、一方向D3に撚り数R3で一方が他方の周りに巻かれており、高モジュラス繊維モノフィラメントのストランドは、方向D1に残留撚り数R1を有し、低モジュラス繊維モノフィラメントのストランドは、方向D2に残留撚り数R2を有し、残留撚り数R1,R2は、
‐R2が実質的にゼロではない場合、R1>R2であり、
‐R2が実質的にゼロである場合、R1は、実質的にゼロではないようなものであることを特徴とする補強要素にある。
本発明の補強要素は、釣り合いの取れた補強要素の破壊強度および耐久度に対する改良と均等な破壊強度および耐久度を有する。
上記において思い起こされたように、先行技術の補強要素では、撚り数R3は、耐久度を向上させることができるが、破壊強度を犠牲にする。これとは対照的に、本発明の補強要素では、撚り数R3の増強と関連した破壊強度の低下は、以下に説明する比較試験の結果によって実証されるように残留撚り数R2よりも厳密に言って高い残留撚り数R1によって補償される。
実質的にゼロの残留撚りという表現は、残留撚りが撚り数R3の厳密に言って2.5%未満であることを意味する。実質的にゼロではない残留撚りという表現は、残留撚りが撚り数R3の2.5%以上であることを意味している。
テキスタイルモノフィラメントの高モジュラスストランドという表現は、厳密に言って25cN/テックスよりも高いいわゆる最終モジュラスを有するストランドを意味している。これとは対照的に、テキスタイルモノフィラメントの低モジュラスストランドという表現は、25cN/テックス以下のいわゆる最終モジュラスを有するストランドを意味している。この定義は、接着剤なしのストランドのことを意味する機おろしのままのストランドおよび接着剤の層で覆われたストランドのことを意味する接着剤被覆ストランドに等しく当てはまる。接着剤被覆ストランドの場合、この定義は、製造品から直接きたストランドと補強要素からきたストランドの両方に区別なく当てはまり、このことは、これらストランドが製造品から直接くるにせよ半完成品またはタイヤから取り出されたものであるにせよいずれにせよそうである。
最終モジュラスは、タイプ“4D”グリップ(100daN未満の破断強度用)またはタイプ“4E”グリップ(少なくとも100daNに等しい破断強度用)を備えた“INSTRON”引張り試験装置を用いて公知の仕方で20℃において得られる力(荷重)‐伸び率曲線から求められる。試験対象のストランドは、200mm/minの公称速度で4Dグリップの場合、400mmの初期長さにわたり、また4Eグリップの場合、800mmの初期長さにわたって引張り試験を受ける。与えられた結果の全ては、10の測定値の平均値である。
測定されたストランドを引張り試験する前に、1メートル当たり100撚り数に等しい「保護撚り」と呼ばれる予備撚りがアラミドで作られかつ330テックス以上の番手を備えたストランドを除いて利用され、かかるストランドについては、予備撚りは、1メートル当たり80撚り数に等しい。
全体的外観が実質的に直線状の力‐伸び率曲線の場合、最終モジュラスは、ストランドの原糸番手によって除算した力‐伸び率曲線からの破壊強度の80%に相当する点の勾配として定められる。全体的外観が実質的に非直線状の力‐伸び率曲線、例えば、1つまたは2つ以上の変曲点を有する力‐伸び率曲線の場合、最終モジュラスは、ストランドの原糸番手によって除算した力‐伸び率曲線上の2つの点A,B相互間の勾配として定義され、点Aは、ストランドの破壊強度の40%に対応し。点Bは、ストランドの破壊強度の60%に対応している。
ストランドの番手(または線形密度)は、規格ASTM・D1423に準拠して定められている。番手は、テックス(製品の1000mのグラムで表された重量、‐0.111テックスは、1デニールに等しいことを思い起こされたい)で与えられる。
テキスタイルモノフィラメントの各ストランドは、潜在的に互いに織編される場合がある複数の要素テキスタイルモノフィラメントから成る。各ストランドは、50〜2000本のモノフィラメントから成る。
製造品から直接きたまたは半完成品もしくはタイヤから取られた補強要素の場合、各残留撚り数R1,R2は、補強要素を解いてR3を得ることができるようにし、次に各ストランドを解き、R1およびR2を得ることができるようにすることによって求められる。各撚り数R1,R2,R3は、例えばテンションメーターを用いて2010年1月付けの規格ASTM・D・885/D・885MA(パラグラフ30)に準拠して求められる。
R2が実質的にゼロである本発明の実施形態では、本発明により、破壊強度の著しい改善を可能にすると同時に本発明に等しい撚り数R3を有する釣り合いの取れた補強要素の耐久度と同等の耐久度を維持することができる。
R2が実質的にゼロではない本発明の実施形態では、本発明により、耐久度の著しい改善を可能にすると同時に本発明の撚り数よりも小さい撚り数R3を有する釣り合いの取れた補強要素の破壊強度と同等の破壊強度を維持することができる。
有利には、テキスタイルモノフィラメント」の高モジュラスストランドの最終モジュラスは、30cN/テックス以上であり、好ましくは35cN/テックス以上であり、より好ましくは40cN/テックス以上である。
有利には、テキスタイルモノフィラメントの低モジュラスストランドの最終モジュラスは、20cN/テックス以下、好ましくは15cN/テックス以下、より好ましくは10cN/テックス以下である。
有利には、テキスタイルモノフィラメントの高モジュラスストランドの最終モジュラスとテキスタイルモノフィラメントの低モジュラスストランドの最終モジュラスの比は、2以上、好ましくは5以上、より好ましくは7以上である。本発明の有利な実施形態では、この比は、15以下、好ましくは10以下である。
本願では、「テキスタイル」または「テキスタイル材料」という用語は、極めて一般的な観点では、これが天然であるにせよ合成であるにせよいずれにせよ、金属物質以外の物質で作られていて任意の適当な変換プロセスによって原糸、繊維またはフィルムの状態に変換できる任意の材料を意味している。例えば、ポリマー紡糸プロセス、例えばメルト紡糸、溶液紡糸またはゲル紡糸を参照するのが良く、ただし、以下の例は、本発明を限定するものではない。
非ポリマー物質で作られた(例えば、鉱物、例えばガラスで作られまたは非ポリマー有機物質、例えばカーボンで作られた)材料がテキスタイル材料の定義に含まれるが、本発明は、好ましくは、熱可塑性型と非熱可塑性型の両方のポリマー物質で作られた材料を用いて実施される。
熱可塑性または非熱可塑性型のポリマー物質の例示として、例えば、セルロース、特にレーヨン、ポリ塩化ビニル(略して“PVA”)、ポリケトン、アラミド(芳香族ポリアミド)、芳香族ポリエステル、ポリベンザゾール、略して“PBO”)、ポリイミド、ポリエステル、特にPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)、PPT(ポリプロピレンテレフタレート)、PPN(ポリプロピレンナフタレート)の中から選択されたポリエステルを挙げることができる。
一実施形態では、R2が実質的にゼロではない場合、方向D1,D2は、互いに同一である。
有利には、方向D1,D2,D3は、R2が実質的にゼロではない場合に互いに同一であり、方向D1,D3は、R2が実質的にゼロである場合に互いに同一である。この場合、これは、迅速でありしかも費用のあまりかからない製造方法である。これは、各ストランドに加えられることが必要であるR1′およびR2′が厳密に最終限度まで小さくされるからである。具体的に言えば、この実施形態では、残留撚り数R1,R2は、撚り数R1′,R2′がR3よりも大きく(またはこれに等しい)しかも残留撚り数R1,R2が撚り数R1′,R2′の過剰分に由来する方法の場合とは異なり、最終撚り数R3で完全に使い尽くされるということに起因している。
好ましい一実施形態では、高モジュラステキスタイルモノフィラメントは、芳香族ポリアミド、好ましくはアラミドで作られる。
アラミドモノフィラメントに関し、周知のように、これは、少なくとも85%が2つの芳香族コア、特にポリ(P‐フェニレンテレフタルアミド)(またはPPTA)で作られていて、長期間かけて光学的に異方性の紡糸組成物から製造されている繊維に直接結合されたアラミド結合によって互いに保持された芳香族基で作られている線形高分子のモノフィラメントであるということが思い起こされよう。
好ましい実施形態では、低モジュラスモノフィラメントは、セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリケトン、脂肪族ポリアミド、ポリエステル、ポリベンザゾール、ポリイミドおよびこれら材料のモノフィラメントの混合物から選択され、好ましくは、脂肪族ポリアミド、ポリエステルおよびこれら材料のモノフィラメントの混合物から選択された材料で作られる。
ポリエステルモノフィラメントに関し、周知のように、これは、エステル結合によって互いに保持された基で形成されている線形高分子のモノフィラメントであることが思い起こされよう。ポリエステルは、ニカルボン酸またはこの誘導体のうちの1つとジオールとのエステル化による重縮合によって作られる。例えば、ポリエチレンテレフタレートをテレフタル酸とエチレングリコールの重縮合によって製造することができる。
ナイロンモノフィラメントの場合、周知のように、これは、アラミド結合が1つまたは2つ以上の脂肪族基または脂環式基に直接結合した合成ポリアミド鎖から得られた高分子のモノフィラメントであることが思い起こされよう。ナイロンの一例は、ポリ‐(ヘキサメチレンアジプアミド)である。
当業者には周知のように、撚りを互いに異なる2つの仕方で、即ち、単純に1メートル当たりの撚り数(t/m)で(これは、互いに異なる形式(密度)および/または互いに異なる番手の材料を比較しようとした場合により厳密である)モノフィラメントの螺旋角(これは、撚り係数Kと同等である)かのいずれかで測定するとともに表すことができる。
有利には、R3は、1メートル当たり200撚り数から450撚り数まで,好ましくは1メートル当たり250撚り数から400撚り数までの範囲にある。撚り数R3は、補強要素の耐久度を定める。かくして、所望の耐久度にしたがって適当な撚り数R3を選択することができる。撚り数R3が高ければ高いほど、耐久度がそれだけ一層良好になる。かくして、1メートル当たり280撚り数から400撚り数までの範囲にある撚り数R3が好ましくは選択されることになる。
有利には、補強要素は、130から200、好ましくは140から190までの範囲にある撚り係数を有する。かかる撚り係数により、耐久性があるとともに高い破壊強度を有し、しかもストランドの撚りおよび番手が高い生産速度と両立しうる補強要素を得ることができる。
補強要素の撚り係数Kは、以下の既知の関係式にしたがって補強要素の撚り数R3に関連付けられる。
K=(撚り数R3)×[(番手T3/(1000・ρ3]))1/2
上式において、撚り数R3は、1メートル当たりの撚り数(t/m)で表され、番手T3=T1+T2は、テックス(1000mのグラムで表された重量)で表され、最後に、ρ3は、補強要素の構成材料の単位体積当たりの密度または質量(g/cm3で表される。)(例えば、セルロースについては約1.50g/cm3、アラミドについては1.44g/cm3、ポリエステル、例えばPETについては1.38g/cm3、ナイロンについては1.14g/cm3)である。本発明のハイブリッド補強要素の場合、ρ3は、当然のことながら、これらのストランドのそれぞれの番手T1,T2によって重み付けされた高モジュラスおよび低モジュラスモノフィラメントストランドの密度ρ1,ρ2の平均値であり、即ち、ρ3=(ρ1・T1+ρ2・T2)/(T1+T2)である。
有利には、R1は、1メートル当たり10撚り数から150撚り数まで、好ましくは1メートル当たり20撚り数から120撚り数まで、より好ましくは1メートル当たり50撚り数から110撚り数までの範囲にある。残留撚り数R1が大きすぎる場合、特に低伸び率において補強要素について高すぎるほどのモジュラスを得られる場合があり、これによりタイヤの製造方法に問題が生じる。これとは対照的に、残留撚り数R1が小さすぎる場合、これにより耐久度をもたらす撚り数R3に起因して生じる破壊強度の低下を補償することができない。
R2が実質的にゼロではない実施形態では、R2は、1メートル当たり10撚り数から100撚り数まで、好ましくは1メートル当たり15撚り数から75撚り数まで、より好ましくは1メートル当たり20撚り数から60撚り数までの範囲にある。
有利には、比R1/R3は、0.05から0.45まで、好ましくは0.10から0.40まで、好ましくは0.13から0.40まで、より好ましくは0.13から0.36まで、更により好ましくは0.20から0.35までの範囲にある。かかる比R1/R3により、撚り数R3が所与の場合、補強要素の良好な耐久度および満足の行く破壊強度を得ることができると同時に、特にタイヤをシェーピングするときにそれによってはタイヤの製造方法に問題を生じないほど大きい破断時伸び率を維持することができる。
有利には、積R1×R3は、3000以上、好ましくは15000以上、好ましくは30000以上、更により好ましくは44000以上である。具体的には、R3が高ければ高いほど、補強要素の耐久度がそれだけ一層良好である。R1′が低ければ低いほど、したがって、R1が高ければ高いほど、破壊強度がそれだけ一層良好である。かくして、積R1・R3の値が高ければ高いほど、補強要素の耐久度と破壊強度の両方がそれだけ一層良好である。しかしながら、R3が高ければ高いほど、補強要素の破壊強度の値についてのばらつきの恐れがそれだけ一層高くなる。かくして、有利には、積R1・R3は、48000以下である。積R1・R3の値を48000に制限することによって、破壊強度の工業的変動性の恐れが減少する。
有利には、比R3/R2およびR3は、0.10から10.50までの範囲にあるR3/R2および1メートル当たり200撚り数から450撚り数までの範囲にあるR3、好ましくは2.00から8.25までの範囲にあるR3/R2および1メートル当たり250撚り数から400撚り数までの範囲にあるR3、好ましくは2.00から7.10までの範囲にあるR3/R2および1メートル当たり280撚り数から400撚り数までの範囲にあるR3を満たす。さらにより好ましくは、R3/R2およびR3は、3.20から8.75までの範囲にあるR3/R2および1メートル当たり235撚り数から375撚り数までの範囲にあるR3を満す。R3/R2の間隔において上述したR3の値に関し、破壊強度と耐久度の妥協点が向上する。
有利には、比R1/R2は、1.90から10.00まで、好ましくは1.90から5.00まで、より好ましくは1.90から2.50までの範囲にある。
一実施形態では、テキスタイルモノフィラメントの高モジュラスストランドの番手T1は、90テックスから400テックスまで、好ましくは100テックスから350テックスまで、より好ましくは140テックスから210テックスまでの範囲にある。
別の実施形態では、テキスタイルモノフィラメントの低モジュラスストランドの番手T2は、80テックスから350テックスまで、好ましくは90テックスから290テックスまで、より好ましくは120テックスから190テックスまで(端点が含まれる)の範囲にある。
かかる番手T1,T2は、タイヤにおける使用と適合性がある。番手が小さいと、十分に高い破壊強度が得られず、これに対し、番手が大きいと、太すぎてタイヤで使用するのが困難な補強要素が生じることになる。
補強要素の破断時力は、30daN以上であり、好ましくは35daN以上である。破壊強度が高ければ高いほど、その耐攻撃性、特に例えば穴ぼこや縁石を含む「ロードハザード」型の攻撃に対するその態勢がそれだけ一層良好である。2010年1月付けの規格ASTM・D・885/D・885MAに準拠して測定された破壊強度はまた、接着剤なしの要素のことを意味する機おろしのままの補強要素から算定でき、これは、ちょうど同様に、接着剤の層で被覆された要素のことを意味する接着剤被覆補強要素から算定できる。接着剤被覆補強要素の場合、かかる算定は、製造から直接取られた補強要素を用いるか半完成品またはタイヤから取られた補強要素を用いるかのいずれによっても区別なく実施できる。
本発明の別の要旨は、半完成品であって、エラストマーマトリックス中に埋め込まれた上述の補強要素を有することを特徴とする半完成品にある。本発明の半完成品の一例は、2つのエラストマースキム相互間で補強要素をカレンダ加工することによって形成されているエラストマーマトリックス中に埋め込まれた補強要素を含む補強要素のプライである。
本発明の別の要旨は、上述した補強要素を少なくとも1つ含むタイヤである。
本発明のタイヤは、特に、乗用車、4×4およびSUV(スポーツユーティリティビークル)型の自動車向きであるのが良いが、二輪車、例えばモータサイクル、またはバン、「ヘビー」ビークル、即ち地下鉄電車、バス、重量物運搬車両(ローリー、牽引車両、トレーラ)から選択された産業車両、オフロード車、例えば農業機械または土木工学機械、および他の輸送または取り扱い車両向きであっても良い。
好ましくは、タイヤは、乗用車、4×4または“SUV”(スポーツユーティリティビークル)型の自動車向きであるのが良い。
一実施形態では、タイヤが、各々少なくとも1つの環状補強構造体および環状補強構造体周りの巻き上げ部によってビードの各々内に繋留されたカーカス補強材を含む2つのビードを有する場合、カーカス補強材は、上述した少なくとも1つの補強要素を有する。
別の実施形態では、タイヤが、各々少なくとも1つの環状補強構造体および環状補強構造体周りの巻き上げ部によってビードの各々内に繋留されたカーカス補強材を含む2つのビードを有する場合、タイヤは、カーカス補強材の半径方向外側に配置されたクラウン補強材を有し、クラウン補強材は、ワーキング補強材およびワーキング補強材の半径方向外側に配置されたフープ補強材を含み、フープ補強材は、上述した補強要素を少なくとも1つ有する。
好ましくは、たが掛けプライは、上述するとともに互いに実質的に平行なたが掛けテキスタイル補強要素から成る。かかるたが掛け補強要素は、タイヤの円周方向と多くとも10°に等しく、好ましくは5°〜10°までの範囲にある角度をなす。
さらに別の実施形態では、タイヤが、各々少なくとも1つの環状補強構造体および環状補強構造体周りの巻き上げ部によってビードの各々内に繋留されたカーカス補強材を含む2つのビードを有する場合、タイヤは、サイドウォール補強材を有し、サイドウォール補強材は、上述した補強要素を少なくとも1つを有する。
特定の有利な一実施形態では、タイヤは、ランフラットタイヤであるように設計されている。
具体的に言えば、数年間、タイヤ製造業者は、車両に搭載するスペアホイール(スペアタイヤ)の存在を不要にすると同時に、車両がタイヤのうちの1本または2本以上から圧力が著しく失われまたは完全に失われているにもかかわらず、その走行を続けることができるようにすることを保証しようとした。それにより、例えば、スペアホイールを取り付ける上で危険な場合の多い環境下において、停車させる必要なくサービスセンタまでたどり着くことができる。
1つの想定される解決手段は、ランフラット走行することができるよう設計されるとともに自立型サイドウォール(「ゼロ圧力(zero pressure)」についてこれらの商標表示“ZP”または「自立型タイヤ(self supporting tyre)」についてこれらの商標表示“SST”と呼ばれる場合がある)を備えたタイヤを用いることである。
インフレーション圧力が使用圧力に近い場合(これは、この場合、「通常走行」モードと呼ばれる)、タイヤが“IM”(inflated mode :インフレートされたモード)走行性能と呼ばれるできるだけ良好な性能を示すことが望ましい。このIM走行性能は、とりわけ、質量、転がり抵抗または更に快適さを含む。
インフレーション圧力が使用圧力と比較して著しく減少しまたはそれどころかゼロである(これは、この場合、「ランフラット(run-flat)」モードと呼ばれる)である場合、タイヤは、所与の距離を所与の速度で走行することができるようにする必要がある。“EM”(extended mobility :延長移動性)走行性能と呼ばれているこの性能は、法律によって要求されまたは自動車製造業者がタイヤをランフラット走行できるものとして宣伝することができるようにすることを目的として自動車製造業者によって要求されている。この性能は、主として、カーカス補強材の補強要素の耐久度に依存し、この耐久度は、有利には、本発明の補強要素によって高い。
本発明は、高モジュラスストランドがアラミドモノフィラメントで作られ、低モジュラスストランドがポリエステルモノフィラメントで作られている補強要素の場合に特に有利である。具体的に言えば、補強要素は、低変形率(通常の走行モードにおいて)において比較的低いモジュラス、この場合、ポリエステルの低モジュラスを有し、これは、IM走行性能を提供するのに十分であることが判明している。補強要素は、高変形率(ランフラットモードにおいて)において比較的高いモジュラス、この場合、アラミドの高モジュラスを有し、アラミドは、それ自体においてEM走行性能を提供するのに十分であることが判明している。
ランフラット走行向きに設計された掛かるタイヤは、好ましくは、カーカス補強材の軸方向内側に位置決めされたサイドウォールインサートを有する。
有利には、カーカス補強材は、単一のカーカスプライを含む。
単一のカーカスプライの存在により、2枚のカーカスプライを含むカーカス補強材を備えたタイヤよりも柔軟性の高いカーカス補強材を備えたタイヤを得ることができる。かくして、タイヤの垂直剛性が減少し、その快適さが向上し、かくして、ランフラット走行するよう設計されたタイヤの場合、自立型サイドウォールを備えていない標準タイヤの快適さのレベルにこれを近づけることができる。
本発明の別の要旨は、上述の補強要素を製造する方法であって、
‐方向D1′において初期撚り数R1′でテキスタイルモノフィラメントの高モジュラスストランドを得るステップと、
‐方向D2′において初期撚り数R2′でテキスタイルモノフィラメントの低モジュラスストランドを得るステップと、
‐方向D3において撚り数R3でテキスタイルモノフィラメントの高モジュラスおよび低モジュラスストランドの一方を他方の周りに巻いて、
‐テキスタイルモノフィラメントの高モジュラスストランドが方向D1において残留撚り数R1を有し、かつ
‐テキスタイルモノフィラメントの低モジュラスストランドが方向D2において残留撚り数R2を有するようにするステップとを含み、
‐残留撚り数R1,R2は、
‐R2が実質的にゼロである場合、R1>R2であり、
‐R2が実質的にゼロである場合、R1が実質的にゼロではないようなものであることを特徴とする方法にある。
好ましい一実施形態では、R1′<R2′である。
好ましい一実施形態では、R1′<R3である。
好ましくは、D1′とD2′は、同一である。
有利には、D3は、D1′およびD2′の逆である。
好ましくは、R1′<R3かつR2′<R3である。
本発明は、非限定的な例示として与えられているに過ぎない以下の説明を図面の参照により読むと良好に理解されよう。
本発明の第1の実施形態にしたがってランフラット走行するよう設計されたタイヤの半径方向断面図である。 図1のタイヤの補強要素の詳細図である。 第2の実施形態としてのタイヤの図1と類似した図である。 第3の実施形態としてのタイヤの図1に類似した図である。 種々の補強要素に関する力‐伸び率曲線を示す図である。
「半径方向」という用語を用いる際、当業者によるこの言葉の数種類の互いに異なる使い方を区別することが重要である。第1に、この表現は、タイヤの半径を意味している。この意味では、点または箇所(本明細書では、「点」と「箇所」は区別なく用いられる)PAが点Bよりもタイヤの回転軸線の近くに位置する場合、点Aは、点Bの「半径方向内側」(または点PBの「内側に半径方向」)に位置すると呼ばれる。これとは逆に、点Cがタイヤの回転軸線から見て点Dよりも遠くに位置する場合、点PCは、点Dの「半径方向外側」(または点PDの「外側に半径方向」)に位置すると呼ばれる。前進方向が小さな半径(大きな半径)に向かう方向である場合、前進方向は、「半径方向内方(または外方)」と呼ばれる。半径方向距離について言及している場合にも当てはまるのは、この用語の意味である。
他方、補強要素またはレインフォーサは、補強要素またはレインフォーサが円周方向と65°以上かつ90°以下の角度をなす場合に「半径方向」であると呼ばれる。
最後に、「半径方向横断面」または「半径方向断面」はこの場合、タイヤの回転軸線を含む平面で取った断面を意味している。
「軸方向」は、タイヤの回転軸線に平行な方向である。点Eが点Fよりもタイヤの中間平面の近くに位置する場合、点Eは、点Fの「軸方向内側」(または点Fの「内側に軸方向」)に位置すると呼ばれる。これとは逆に、点Gが点Hよりもタイヤの中間平面から見て遠くに位置する場合、点Gは、点Hの「軸方向外側」(または点Hの「外側に軸方向」)に位置すると呼ばれる。
タイヤの「中間平面」は、タイヤの回転軸線に垂直でありかつ各ビードの環状補強構造体から等距離のところに位置する平面である。
「円周方向」は、タイヤの半径と軸方向の両方に対して垂直な方向である。
本発明のタイヤの実施例
図1は、本発明の第1の実施形態としての全体符号10で示されたタイヤを半径方向断面で概略的に示している。タイヤ10は、ランフラット型のものである。タイヤ10は、乗用車用のものである。
このタイヤ10は、補強要素16,18の2枚のクラウンプライおよびたが掛けプライ19で形成されたクラウン補強材14を含むクラウン12を有している。クラウン補強材14の上にはトレッド20が載せられている。この場合、たが掛け補強材17は、ワーキング補強材15の半径方向外側に配置されている。たが掛け補強材17は、ワーキング補強材15とトレッド20との間に半径方向に介在して設けられている。クラウン12の半径方向内側寄りの延長部として、2つの自立型サイドウォール22が設けられている。
タイヤ10は、サイドウォール22の半径方向内側に位置しかつ各々がビードエイペックスゴムの塊30を載せた環状補強構造体26、この場合ビードワイヤ28を有する2つのビード24と、半径方向カーカス補強材32とを更に有している。
カーカス補強材32は、好ましくは、補強要素36の単一のカーカスプライ34を有し、カーカス補強材32は、環状補強構造体26周りの巻き上げ部(折り返し部)によってビード24の各々内に繋留され、それにより、各ビード24内に、ビードからサイドウォールを貫通してクラウンに向かって延びる主要ストランド38および巻き上げ部40を形成し、巻き上げ部40の半径方向外端42は、タイヤの高さの実質的に中間のところに位置している。カーカス補強材32は、ビード24からサイドウォール22を通ってクラウン12に向かって延びている。クラウン補強材14は、カーカス補強材32の半径方向外側に配置されている。かくして、クラウン補強材14は、カーカス補強材32とトレッド20との間に半径方向に介在して配置されている。
クラウンプライ16,18およびカーカスプライ34について用いられるゴム配合物は、代表的には天然ゴム、カーボンブラック、加硫系および通常の添加剤を主成分とする補強要素の圧延のための従来型配合物である。補強要素、特にこの場合カーカス補強材中の補強要素が繊維(テキスタイル/textile)で作られている場合、繊維補強要素とこれを被覆したゴム配合物との接着は、例えば、RFL型の通常のグルーによって保証される。
タイヤ10は、カーカス補強材32の軸方向内側に位置した2つのサイドウォールインサート44を更に有している。特徴的な三日月形の半径方向断面を備えたこれらインサート44は、サイドウォールを補強するようになっている。これらインサートは、少なくとも1種類のポリマー配合物、好ましくはゴム配合物を含む。国際公開第02/096677号パンフレットは、かかるインサートを作るために使用できるゴム配合物の多くの例を提供している。各サイドウォールインサート44は、ランフラット状況における車両の重量の一部に相当する荷重の支持に寄与する可能性を備えている。
タイヤは、サイドウォール22の軸方向内側にかつクラウン補強材14の半径方向内側に位置するとともに2つのビード24相互間に延びる好ましくはブチルで作られた気密内側層46を更に有している。サイドウォールインサート44は、内側層46の軸方向外側に位置している。かくして、サイドウォールインサート44は、カーカス補強材32と内側層46との間に軸方向に配置されている。
たが掛けプライ19は、タイヤ10の円周方向Zと多くとも10°に等しく、好ましくは5°から10°までの範囲にある角度をなす本発明のたが掛けテキスタイル補強要素36を有する。変形例として、本発明にしたがって作られてはいない補強要素を使用しても良い。かかる補強要素は、例えば、熱収縮材料、例えばこの場合ポリアミド‐6,6で作られたテキスタイルモノフィラメントの2本のストランドから成り、各ストランドは、250撚り数/メートルで互いに撚り合わされた(直接ケーブリング機械で)2本の140テックス紡績糸から成る。
カーカスプライ34は、繊維補強要素36から成り、これら繊維補強要素のうちの1つが図2に示されている。補強要素36は、相互に平行である。各補強要素36は、半径方向である。換言すると、各補強要素36は、タイヤ10の軸方向に実質的に平行な平面内に延びている。
各補強要素36は、この場合芳香族ポリアミド、例えばアラミドで作られたテキスタイルモノフィラメントの単一の高モジュラスストランド54およびこの場合ポリエステルまたは脂肪族ポリアミド、例えばポリエステルで作られたテキスタイルモノフィラメントの単一の低モジュラスストランド56から成り、これらストランド54,56は、方向D3において撚り数R3で一方を他方の回りに螺旋状に互いに巻かれている。各補強要素36は、ストランド54およびストランド56で構成されている。
この場合、方向D3は、S方向である。補強要素56の撚り数R3は、1メートル当たり200撚り数から450撚り数まで、好ましくは1メートル当たり250撚り数から400撚り数まで、より好ましくは1メートル当たり280撚り数から400撚り数までの範囲にあり、この場合、R3=1メートル当たり340撚り数である。
ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレートまたはポリプロピレンナフタレートから選択される。この場合、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
モノフィラメントの高モジュラスストランド54の番手T1は、90テックスから400テックスまで、好ましくは100テックスから350テックスまで、より好ましくは140テックスから210テックスまでの範囲にある。この場合、T1=167テックスである。モノフィラメントの低モジュラスストランド56の番手T2は、80テックスから350テックスまで、好ましくは90テックスから290テックスまで、より好ましくは120テックスから190テックスまでの範囲にある。この場合、T2=144テックスである。
モノフィラメントの高モジュラスストランド54は、方向D1において実質的にゼロではない材料撚り数R1を有する。モノフィラメントの低モジュラスストランド56は、方向D2において残留撚り数R2を有する。本発明によれば、R2が実質的にゼロではない場合、R1>R2であり、R2が実質的にゼロである場合、R1は、実質的にゼロではない。
モノフィラメントの高モジュラスストランド54の残留撚り数R1は、1メートル当たり10撚り数から150撚り数まで、好ましくは1メートル当たり20撚り数から120撚り数まで、より好ましくは1メートル当たり50撚り数から110撚り数までの範囲にある。この場合、R1=1メートル当たり100撚り数である。
モノフィラメントの低モジュラスストランド56の残留撚り数R2は、1メートル当たり10撚り数から100撚り数まで、好ましくは1メートル当たり15撚り数から75撚り数まで、より好ましくは1メートル当たり20撚り数から60撚り数までの範囲にあり、その結果、R2が実質的にゼロではなくまたはゼロであるかどうかに応じて条件R1>R2またはR1>0が満たされる。この場合、R2=1メートル当たり50撚り数である。
この場合、R2が実質的にゼロではないので、D1とD2は、同一である。好ましくは、D1、D2およびD3は、互いに同一であり、この場合、S方向である。
R2が実質的にゼロである場合、D1とD3は、同一である。
比R1/R3は、0.05から0.45まで、好ましくは0.10から0.40まで、好ましくは0.13から0.40まで、より好ましくは0.13から0.36まで、更により好ましくは0.20から0.35までの範囲にある。この場合、R1/R3=0.29である。
積R1・R3は、3000以上、好ましくは15000以上、好ましくは30000以上である。この場合、R1・R3=34000である。他の実施形態では、R1・R3は、44000以上である。積R1・R3は、48000以下である。
補強要素36は、比R3/R2およびR3が0.10から10.50までの範囲にあるR3/R2および1メートル当たり200撚り数から450撚り数までの範囲にあるR3、好ましくは2.00から8.25までの範囲にあるR3/R2および1メートル当たり250撚り数から400撚り数までの範囲にあるR3、好ましくは2.00から7.10までの範囲にあるR3/R2および1メートル当たり280撚り数から400撚り数までの範囲にあるR3を満たすようなものである。さらにより好ましくは、R3/R2およびR3は、3.20から8.75までの範囲にあるR3/R2および1メートル当たり235撚り数から375撚り数までの範囲にあるR3を満たす。この場合、R3=1メートル当たり340撚り数の場合、R3/R2=6.80である。
さらに、補強要素36は、比R1/R2が1.90から10.00まで、好ましくは1.90から5.00まで、より好ましくは1.90から2.50までの範囲にあるようなものである。この場合、R1/R2=2.00である。
補強要素36は、130から200まで、好ましくは140から190までの範囲にある撚り係数Kを有する。この場合、K=160である。
テキスタイルモノフィラメントの高モジュラスストランド54の最終モジュラスMf1は、30cN/テックス以上、好ましくは35cN/テックス以上、より好ましくは40cN/テックス以上である。この場合、Mf1=64.5cN/テックスである。
テキスタイルモノフィラメントの低モジュラスストランド56の最終モジュラスMf2は、20cN/テックス以上、好ましくは15cN/テックス以上、より好ましくは10cN/テックス以上である。この場合、Mf2=7.1cN/テックスである。
テキスタイルモノフィラメントの高モジュラスストランド54の最終モジュラスとテキスタイルモノフィラメントの低モジュラスストランド56の最終モジュラスの比Mf1/Mf2は、2以上、好ましくは5以上、より好ましくは7以上である。好ましくは、Mf1/Mf2は、15以下、好ましくは10以下である。この場合、Mf1/Mf2=9.1である。
補強要素36の破断時力は、30daN以上、好ましくは35daN以上である。この場合、接着剤の層、好ましくはRFL型の接着剤の層で覆われた補強要素36についてFr=37.5daNであり、接着剤の層のない機おろしのままの補強要素36についてはFr=38.1daNである。
上述の値は、製造からの直接の補強要素について測定されている。変形例として、上述の値は、半完成品またはタイヤから取り出された補強要素について測定される。
図3および図4は、それぞれ、本発明の第2および第3の実施形態としてのタイヤを示している。第1の実施形態の要素に類似した要素は、同一の参照符号で示されている。
第1の実施形態のタイヤ10とは異なり、図3の第2の実施形態としてのタイヤ10は、ランフラット走行するようには設計されていない。したがって、このタイヤは、サイドウォールインサート44を備えていない。
変形形態では、第2の実施形態のタイヤ10は、本発明のフープ補強要素を有する。別の変形形態では、第2の実施形態のタイヤ10は、本発明にしたがって作られてはいないフープ補強要素を有する。
第2の実施形態のタイヤとは異なり、図4の第3の実施形態としてのタイヤ10は、好ましくは単一のサイドウォール補強プライ50を含むサイドウォール補強材48を有する。
サイドウォール補強材48は、主ストランド38の軸方向外側に配置されていて、このサイドウォール補強材は、各ビード24内で、カーカスプライ34の巻き上げ部または上折り返し部40の軸方向外側に延びている。変形例として、サイドウォール補強材48は、主ストランド38とカーカスプライ34の巻き上げ部40との間に半径方向に配置されても良い。
サイドウォール補強材48の半径方向内端52は、カーカス補強材32の巻き上げ部40の半径方向外端53の半径方向内側に位置している。サイドウォール補強材25の半径方向外端54は、サイドウォール補強材48に半径方向に隣接して位置するクラウンプライ、この場合半径方向最も内側のワーキングプライ18の軸方向外端55の軸方向内側に位置している。端53,55に対する端52,54の他の形態が可能であり、これについては例えば国際公開第2014/040976号パンフレットに記載されている。
この第3の実施形態では、サイドウォール補強材は、本発明の補強要素から成る。
また、本発明にしたがって作られても良く、または作られなくても良いたが掛け補強要素および本発明にしたがって作られても良くまたは作られなくても良いカーカス補強要素を有する第3の実施形態としてのタイヤを想定することが可能である。
補強要素の製造方法
今、補強要素36を製造する方法について説明する。本発明の方法は、当業者に周知であるリング形スレッディング機械を用いて実施できるが、直接ケーブリング機械を用いて実施することも可能である。
テキスタイルモノフィラメントの高モジュラスストランド54を得るステップでは、開始点は、テキスタイルモノフィラメントの高モジュラス紡績糸であり、この紡績糸を方向D1′においてR1′の初期撚りで撚る。これにより、ストランド54が生じる。
別のステップでは、テキスタイルモノフィラメントの低モジュラスストランド56を得るこの時点では、開始点は、テキスタイルモノフィラメントの低モジュラス紡績糸であり、この紡績糸を方向D2′においてR2′の初期撚りで撚る。これにより、ストランド56が生じる。
撚りが全くないことを意味する初期状態における各紡績糸(より適切に言えば、「ヤーン」と呼ばれる)を極めて一般に25μm未満の極めて小さい直径の複数の、代表的な数十本から数百本の要素テキスタイルモノフィラメントで周知の仕方で形成する。各ストランド54′、56′内において、テキスタイルモノフィラメントは、繊維ストランドの軸線回りの螺旋の状態に変形している。
D1′とD2′は、同一であり、この場合、Z方向である。加うるに、R1′<R2′であり、この場合、R1′=1メートル当たり240撚り数であり、R2′=1メートル当たり290撚り数である。
次に、テキスタイルモノフィラメントの高モジュラスおよび低モジュラスストランド54,56を方向D3において撚り数R3で互いの周りに巻き、その結果、一方において、テキスタイルモノフィラメントの高モジュラスストランドは、方向D1においてこの場合実質的にゼロではない残留撚り数R1を有し、他方において、テキスタイルモノフィラメントの低モジュラスストランドが方向D2において残留撚り数R2を有するようになる。残留撚り数R1,R2は、R2が実質的にゼロではない場合、R1>R2であり、R2が実質的にゼロである場合、R1が実質的にゼロではないようなものである。この場合、補強要素36の実施例では、R1>R2である。
この目的のため、ストランド54,56を撚り数R3で巻き、その結果、R1′<R3かつR2′<R3であり、この場合、方向D1′,D2′とは逆の方向D3においてR3=1メートル当たり340撚り数である。
比較試験および測定
本発明の補強要素36、本発明の別の補強要素37、および比較例としての役目を果たす他の補強要素の特性が表1で比較されている。これら全ての補強要素に関し、T1=167テックスかつT2=144テックスである。PETは、ヒョウスン(Hyosung )社によって商標名HSP40NAAで市販されている。アラミドは、テイジン(Teijin)社によって商標名Twaron1000で市販されている。
2010年1月付けの規格ASTM・D・885/D・885MAに準拠して求められた破断強度を事前状態調節を受けた機おろしのままの補強要素(これは、接着剤のない要素であることを意味している)に関して20℃で測定する。「事前状態調節」という用語は、欧州規格DIN EN 20139(20±2℃の温度、65±2%の相対湿度)に準拠して標準雰囲気中での測定に先立って少なくとも24時間にわたって保管されていることを意味している。
要素ストランドまたは補強要素の番手(または線密度)を規格ASTM・D1423に準拠して求める。番手は、テックスで与えられている(製品の1000mのグラム当たりの重量、0.111テックスが1デニールに等しいことを思い起こされたい)。
ASTM・D430‐06(方法A)にしたがって曲げ耐久度試験を実施することによって耐久度を求め、この試験中、エラストマーマトリックス内に埋め込まれた数個の補強要素を有する半完成品がプーリと接触した状態で前後に動くようにする。600000サイクル後、補強要素をエラストマーマトリックスから取り出し、破断時力Ftを測定する。この破断時力Ftを曲げ耐久度試験前における破断時力Frと比較する。%ドロップオフDtが差の関係式(1−Ft/Fr)によって与えられ、耐久度は、関係式100・Ft/Frによって与えられ、これは、表1に報告されている。
図5は、本発明の種々の比較用補強要素I〜V、36,37の力‐伸び率曲線CI〜CV、C36、C37を与えている。
Figure 0006806697
表1
表示NMは、値が測定されなかったことを示している。
補強要素I,V相互の比較は、本願の背景技術の説明の欄で言及した破断時力および耐久度に対する撚り数R3の既知作用効果を示している。R3=290t・m-1(I)からR3=340t・m-1(VI)に増大することにより、耐久度が改善されているが、補強要素の破断時力は、減少している。
補強要素I,II,III相互の比較結果の示すところによれば、R1=R2であるような2つの残留撚り数R1,R2は、補強要素の撚り数R3の増大と関連した破断時力の低下を補償することができない。
補強要素I,IV相互の比較結果の示すところによれば、撚り数R3を補強要素Iと同一に維持した状態でR1=R2であるような残留撚り数R1,R2により、破断時力は同一のままであるが、依然として耐久度が低下している。
補強要素I,36相互の比較結果の示すところによれば、本発明により、2つの残留撚り数R1,R2は、R1>R2であるようなR1の場合、コントロール(対照例)Iの破断時力と同等の破断時力と、撚り数R3=340t・m-1がコントロールの撚り数(R3=290t・m-1)よりも高いのでコントロールIの耐久度と比較して極めて顕著に改善されている耐久度との両方を得ることができる。
補強要素I,37相互の比較結果の示すところによれば、本発明により、2つの残留撚り数R1,R2は、R1>R2であるようなR1の場合、コントロールIの耐久度と同等の耐久度と、撚り数がコントロールIの撚り数に等しいので(R3=290t・m-1)向上した破断時力との両方を得ることができる。
補強要素IV,37相互の比較結果の示すところによれば、同一の撚り数R3=290t・m-1の場合、R1=R2であるような補強要素IVの2つの実質的にゼロではない2つの残留撚り数R1,R2により、この同じ撚り数R3=290t・m-1の場合、R1>R2により耐久度を減少させないで破断時力を向上させることができる補強要素37とは異なり、コントロールIとの比較により耐久度の低下が生じる。
本発明は、上述の実施形態には限定されない。
具体的に言えば、タイヤのカーカス補強材32は、2枚のカーカスプライ34を含むことができる。
巻き上げ部40がクラウンプライ18と主ストランド38との間に上方に延びる実施形態もまた想定できる。
また、上述しまたは上記において想定された種々の実施形態の特性をこれらの特性が互いに両立するという条件と組み合わせることが可能であろう。

Claims (10)

  1. 複数本の高モジュラステキスタイルモノフィラメントの単一のストランド(54)および複数本の低モジュラステキスタイルモノフィラメントの単一のストランド(57)を有する補強要素(36)であって、前記ストランド(54,57)は、一方向D3に撚り数R3で一方を他方の回りに巻かれており、前記高モジュラステキスタイルモノフィラメントのストランド(54)は、方向D1に残留撚り数R1を有し、前記低モジュラステキスタイルモノフィラメントのストランド(57)は、方向D2に残留撚り数R2を有し、前記残留撚り数R1,R2は、
    ‐R2が撚り数R3の2.5%以上である場合、R1>R2であり、
    ‐R2が撚り数R3の厳密に言って2.5%未満である場合、R1は撚り数R3の2.5%以上であり、
    ‐前記方向D1,D2,D3は、R2が撚り数R3の2.5%以上である場合、互いに同一であり、
    ‐前記方向D1,D3は、R2が撚り数R3の厳密に言って2.5%未満である場合、互いに同一であり、
    R3は、1メートル当たり200撚り数から450撚り数までの範囲にあり、比R1/R3は、0.05から0.45までの範囲にある、補強要素(36)。
  2. 前記高モジュラステキスタイルモノフィラメントは、芳香族ポリアミドで作られており、且つ、
    前記低モジュラステキスタイルモノフィラメントは、セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリケトン、脂肪族ポリアミド、ポリエステル、ポリベンザゾール、ポリイミドおよびこれら材料のモノフィラメントの混合物から選択される、請求項1に記載の補強要素(36)。
  3. 以下の関係で定められる撚り係数Kを有し、
    K=(撚り数R3)×[(番手T3/(1000・ρ3]))1/2
    この関係において、撚り数R3は、1メートル当たりの撚り数(t/m)で表され、番手T3は、テックスで表され、ρ3は、補強要素の構成材料の単位体積当たりの密度または質量(g/cm3 で表され、
    撚り係数Kは、130から200までの範囲にある、請求項1に記載の補強要素(36)。
  4. R1は、1メートル当たり10撚り数から150撚り数までの範囲にある、請求項1に記載の補強要素(36)。
  5. R2が撚り数R3の2.5%以上である場合、R2は、1メートル当たり10撚り数から100撚り数までの範囲にある、請求項1に記載の補強要素(36)。
  6. 比R3/R2およびR3は、0.10から10.50までの範囲にあるR3/R2および1メートル当たり200撚り数から450撚り数までの範囲にあるR3を満たす、請求項1に記載の補強要素(36)。
  7. 比R1/R2は、1.90から10.00までの範囲にある、請求項1に記載の補強要素(36)。
  8. タイヤ(10)であって、請求項1に記載の補強要素(36)を少なくとも1つ有する、タイヤ(10)。
  9. 各々が少なくとも1つの環状補強構造体(26)および前記環状補強構造体(26)周りの巻き上げ部によって前記ビード(24)の各々内に繋留されたカーカス補強材(32)を含む2つのビード(24)を有し、前記カーカス補強材(32)は、請求項1に記載の補強要素(36)を少なくとも1つ有する、請求項8記載のタイヤ(10)。
  10. 請求項1に記載の補強要素(36)を製造する方法であって、
    ‐方向D1′において初期撚り数R1′でテキスタイルモノフィラメントの前記高モジュラスストランド(54)を得るステップと、
    ‐方向D2′において初期撚り数R2′でテキスタイルモノフィラメントの前記低モジュラスストランド(56)を得るステップと、
    ‐方向D3において撚り数R3でテキスタイルモノフィラメントの前記高モジュラスおよび前記低モジュラスストランド(54,56)の一方を他方の周りに巻いて、
    ‐テキスタイルモノフィラメントの前記高モジュラスストランド(54)が方向D1において残留撚り数R1を有し、かつ
    ‐テキスタイルモノフィラメントの前記低モジュラスストランド(56)が方向D2において残留撚り数R2を有するようにするステップとを含み、
    ‐前記残留撚り数R1,R2は、
    ‐R2が撚り数R3の2.5%以上である場合、R1>R2であり、
    ‐R2が撚り数R3の厳密に言って2.5%未満である場合、R1が実質的にゼロではないものである、方法。
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