JP6806874B2 - ナノファイバシートの製造方法、ナノファイバシートの製造装置、及び極薄シートの製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1〜3は、肌に貼付された状態で視認され難いナノファイバシートを製造する技術を開示するものではない。
極薄シートはその厚さが5.1μm以上500μm以下であることが好ましい。
極薄シートの製造方法は、目的とする前記極薄シートの輪郭形状に関する情報に基づいて、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら、該極薄シートの輪郭形状の範囲内に前記原料液を吐出する目的形状形成工程を備えることが好ましい。
前記目的形状形成工程においては、前記輪郭形状の周縁端から内方に向かって漸次厚みが増加する、幅5mm以内のテーパー状の周縁領域が形成されるように、前記原料液を吐出することが好ましい。
ナノファイバシート10は、図1に示すように、基材層12と、高分子化合物のナノファイバを含むナノファイバ層11とを備えている。ナノファイバ層11の一方の面には基材層12が配置されている。ナノファイバ層11は非常に薄いものであるが、説明の便宜上、図2及び図3においてはナノファイバ層11が非常に大きく描かれている。
ナノファイバシート10は、対象物の外観や表面形状を改善することを目的として使用されるものである。ナノファイバシート10におけるナノファイバ層11を、対象物に貼付すると、例えば肌に貼付すると、肌のシミや皺を効果的に隠蔽することができる。
ナノファイバ層11の周縁端17の厚みD1は、以下の〔ナノファイバ層の三次元形状の測定方法〕によって測定することができる。
ナノファイバ層11の周縁端17の厚みD1は、ナノファイバ層の第1面の表面の三次元形状を、レーザー式三次元形状測定システム(例えば、コムス社製、測定システムEMS2002AD−3D、及びキーエンス社製 変位センサLK−2000の組合せ)を用いることによって、測定される。先ず、基材層をオートステージ上に載置してナノファイバシートをセットする。次いで、オートステージをX軸方向に移動させながら、レーザー変位計を走査させ、所定の計測ピッチXPでナノファイバ層の第1面の表面の高さを計測する。そして、オートステージをX軸と直交するY軸方向に、計測ピッチYPでずらして、オートステージをX軸方向に移動させながら、レーザー変位計を走査させ、所定の計測ピッチXPでナノファイバ層の第1面の表面の高さを計測する動作を繰り返すことにより、ナノファイバ層の第1面の表面形状データを得る。X軸方向の計測ピッチは0.235mmとし、Y軸方向の計測ピッチYPは0.350mmとし、高さ(Z軸)方向の分解能は0.1μmとする。また、測定範囲は、平面視、即ちX軸方向及びY軸方向においてナノファイバ層全体が含まれる範囲とし、対象物に応じて計測ピッチは適宜変更しても差し支えない。以上の測定を無荷重下にて行う。そして、測定された三次元形状データに基づいて、ナノファイバ層の周縁端の厚みを測定する。以下に前記周縁端との厚みの測定方法の詳細を説明する。特に断らない限り、以下の説明において「厚み」はこの方法で測定した値のことを意味する。
先ず、平面視におけるナノファイバ層の輪郭形状を表す平面輪郭線を求める。平面輪郭線は、前記三次元形状データに基づいて取得してもよく、顕微鏡等を用いたナノファイバの拡大観察によって取得してもよい。ナノファイバを含むナノファイバ層は、表面から飛び出した繊維が存在すること、及び局所的に繊維の少ない部分や多い部分が形成されていることが一般的であるので、前記三次元形状データに基づいて得られる厚み等の測定値を位置ごとにプロットしたグラフ、具体的には平面輪郭線や後述する断面輪郭線又は80%厚み等高線がノイズを含んでいることがある。斯かるノイズを除去する観点から、平面輪郭線、断面輪郭線又は80%厚み等高線に対し、多項近似式による近似曲線化処理を行う。当該処理により複数の近似曲線が得られる場合は、三次元形状データに最も近い近似曲線を選択する。次いで、平面輪郭線を近似曲線化した平面輪郭曲線を三次元形状データに対応させ、該三次元形状データにおけるナノファイバ層の周縁端を特定し、該周縁端の厚みを測定する。
先ず、前記三次元形状データにおいて、厚みが最大となる位置を頂点位置として特定し、該頂点位置におけるナノファイバ層の厚みを求める。次いで、前記三次元形状データに基づき、厚みが頂点位置の厚みの80%となる領域の輪郭を示す等高線(以下、「80%厚み等高線」ともいう)を求め、該等高線の位置を、前記平面輪郭曲線とともに前記三次元形状データに反映させる。例えば、図11に示すように、前記三次元形状データに平面輪郭曲線C0及び80%厚み等高線C80を反映させる。この80%厚み等高線は、前述した近似曲線化処理を行ったものを用いる。次いで、平面輪郭曲線上の任意の位置を第1のポイントとし、該平面輪郭曲線の周長を10等分する第1〜第10のポイントを該平面輪郭曲線上に設定する。図11に示す符号N1〜N10は、第1〜第10ポイントの一例である。次いで、第1〜第10のポイントそれぞれにおいて、前記三次元形状データにおけるナノファイバ層の断面輪郭線を求める。断面輪郭線は、平面視において平面輪郭曲線上の第1〜第10のポイントそれぞれと前記80%等高線とを最短距離で結ぶ線分に沿って、前記三次元形状データのナノファイバ層を切断したときの断面の輪郭線である。次いで、第1〜第10のポイントそれぞれにおける断面輪郭線に対し、前述した近似曲線化処理を行い、断面輪郭曲線を取得する。次いで、得られた各断面輪郭曲線に、これと対応する第1〜第10のポイントの位置を反映させて、断面輪郭曲線におけるナノファイバ層の周縁端の位置を特定する。次いで、得られた各断面輪郭曲線において、周縁端からナノファイバ層の内方に向かって漸次厚みが増加する領域であって、その幅が3mm以上の傾斜領域を特定する。当該幅は、断面輪郭曲線における、周縁端から頂点位置までの長さ、又は周縁端から後述する最大厚み部までの長さである。また、断面輪郭曲線において漸次厚みが増加するパターンとしては、例えば直線状に増加するパターンや、シグモイド曲線や指数関数曲線等のように曲線状に増加するパターン、多段的に増加するパターン等が挙げられる。そして、第1〜第10のポイントのうち、前記傾斜領域を有する断面輪郭曲線が確認されたポイントの数を計測する。計測した傾斜領域を有する断面輪郭曲線のポイント数を「n」としたとき、「(n/10)×100(%)」により、第1〜第10のポイントの合計10箇所に対する、傾斜領域を有する断面輪郭曲線の数の割合(%)を求めることができる。即ち、ナノファイバ層の周縁全長に対してグラデーション領域を何%有しているのかを判断することができる。例えば、第1〜第10のポイントのうち、5箇所で前記傾斜領域を有する断面輪郭曲線が確認された場合、測定対象のナノファイバ層は、該ナノファイバ層の周縁全長に対しグラデーション領域を50%有するものと判断することができる。
後述するグラデーション領域Gにおける最大厚み部15の厚みや傾斜角度等といった、グラデーション領域G及び内方領域Mの各寸法は、特に断りがない限り、前記傾斜領域を有する各ポイントの断面輪郭曲線から求められる測定値の算術平均値とする。
また、ノズル20を移動させながらナノファイバの堆積体を形成すると、ノズル20の移動軌道に沿ってナノファイバが堆積するため、該ナノファイバの堆積体の平面視形状は、ノズル20の移動軌跡に沿った形状となる。これにより、所望の平面視形状のナノファイバ層11を容易に形成することができる。
捕集部40を移動させる移動機構としては、例えば捕集部40のナノファイバが堆積される面とは反対側の面を保持するステージと、該ステージを平面方向に移動させる複数のモーターを備えたもの等が挙げられる。
上述した計算J1及び計算J2は、ナノファイバの堆積部どうしの重なりの程度に基づき、第1の移動軌道r1と第2の移動軌道r2との離間距離を計算する〔図6(b)参照〕。
幅方向Yにおける重複領域の厚みD10〔図6(b)参照〕は、内方領域Mの最低厚みD5に対して好ましくは100%以上、より好ましくは125%以上であり、また好ましくは250%以下、より好ましくは200%以下であり、また好ましくは100%以上250%以下であり、より好ましくは125%以上200%以下である。幅方向Yにおける重複領域Eの厚みD10は、該重複領域Eにおける最低厚みである。
幅方向Yにおける重複領域の幅W10〔図6(b)参照〕は、好ましくは1mm以上、より好ましくは4mm以上であり、また好ましくは80mm以下、より好ましくは60mm以下であり、また好ましくは1mm以上80mm以下であり、より好ましくは4mm以上60mm以下である。
先に決定された移動軌道に囲まれた領域を決定する。先に決定された移動軌道を決定軌道hともいい、該決定軌道hに囲まれた領域を決定軌道内領域Hともいう。計算J3では、決定軌道内領域H内にナノファイバ層11の平面視形状の略相似形となる周回状の移動軌道(以下、相似軌道kともいう)を想定し得るか否かを判断する。相似軌道kは、決定軌道内領域Hを形成する決定軌道hに対応するものであるため、相似軌道kを形成する軌道線が決定軌道内領域H内に納まる場合は、当該相似軌道kを想定し得ると判断する。即ち、決定軌道hと相似軌道kとの相互に対応し合う部分が隣り合うように、相似軌道kが配されるか否かを判断する。
工程(1)P1では、下記の条件(1)を満たすか否かを判定する。条件(1)を満たす場合、次の処理として工程(2)P2が行われる。条件(1)を満たさない場合、決定軌道hの一部h1,h2どうしが対向する部分H1に相似軌道を想定できないと判断する〔図8(a)参照〕。また、条件(1)を満たさない場合、後述する、周回状とならない軌道も想定できないと判断する。
条件(1):相似軌道kの一部k1が決定軌道の一部h2よりも内方側に配置され、且つ相似軌道の他の一部k2が決定軌道の他の一部h1よりも内方側に配置される。
条件(2):相似軌道の一部k1と、決定軌道の一部h1とが隣り合って配置され、且つ相似軌道の他の一部k2と、決定軌道の他の一部h2とが隣り合って配置される。
前記条件(2)を満たさない場合、工程(3)P3では、幅方向Yにおいて相似軌道の一部k1と他の一部k2との離間距離を2等分する中央線CL1を移動軌道として決定する。中央線CL1は、相似軌道と異なり、周回状とならない軌道である。
以下、移動軌道Obを構成する第1の移動軌道を単にr1、該第1の移動軌道の内方に位置する第1〜第3内方側軌道それぞれを単にs1〜s3ともいう。
上記と同様の観点から、軌道計算工程は、ナノファイバ層の厚みが所定の設定値となるように、例えば設計上の内方領域Mの最低厚みD5以上となるように、ノズル及び捕集部の少なくとも一方が同一の軌道に沿った移動を繰り返す、繰り返し回数を計算することが好ましい。斯かる計算を、以下計算J4ともいう。計算J4は、ナノファイバ層11における所定の位置における厚みが、設定された厚みとなるように、例えば設計上の内方領域Mの最低厚みD5以上となるように、各移動軌道に対し、軌道に沿った移動の繰り返し回数を算出する。計算J4は、前述した計算J2において計算される、重複領域Eの厚みの上限が、設計上の所定の厚み以上とならない場合に有効である。
本実施形態のナノファイバシート10は、ナノファイバ層11を、肌等の対象物に貼付して使用する。ナノファイバ層の肌への貼付性を向上させる観点から、ナノファイバ層11の平面視形状が、曲率が異なる複数の曲線部分を輪郭に含む形状、複数の直線部分を輪郭に含む形状、又は該曲線部分と該直線部分とを輪郭に含む形状であることが好ましい。例えば、曲率が異なる複数の曲線部分を輪郭に含む形状としては、平面視形状が、楕円形等の曲率が複数種類の曲線部分を含む形状や、曲率の異なる複数の曲線部分が凹凸を形成する形状(図1参照)等が挙げられる。また、複数の直線部分を輪郭に含む形状としては、平面視形状が矩形、三角形、四角形、六角形等の多角形状や、矢印形、星形等が挙げられる。さらに、曲線部分と直線部分とを輪郭に含む形状としては、半円、扇形、涙形、ハート形等が挙げられる。このような形状のナノファイバ層11は、顔等のような複雑な形状に追従し易く、貼付し易い。
また、ナノファイバ層11のシミや皺の隠蔽性を向上させる観点から、内方領域Mの凹部18における厚みD5(図2参照)が、好ましくは5.1μm以上、より好ましくは10μm以上、好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下であり、また、好ましくは5.1μm以上500μm以下、より好ましくは10μm以上400μm以下である。上記と同様の観点から、グラデーション領域Gにおける最大厚み部15の厚みD3は、好ましくは5.1μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下であり、また好ましくは5.1μm以上500μm以下、より好ましくは10μm以上400μm以下である。
上記と同様の観点から、グラデーション領域Gにおける周縁端17と最大厚み部15との厚みの差D2(図2参照)は、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また好ましくは500μm以下、より好ましくは400μm以下であり、また好ましくは5μm以上500μm以下、より好ましくは10μm以上400μm以下である。
原料液供給路の供給端は、ノズル20の近傍に配置されていることが好ましく、例えばノズル20から10mm以内の範囲に供給端を配置することが好ましい。
ナノファイバ層11は、繊維形成可能な高分子化合物を含むナノファイバが堆積することにより形成される。ナノファイバ層11を水不溶性にする観点から、ナノファイバ層11は、繊維形成可能な高分子化合物として、水不溶性高分子化合物のナノファイバを含むことが好ましい。斯かる構成により、ナノファイバ層に化粧料に用いられる水溶性成分を含ませても、該ナノファイバ層11の保形性を維持することができる。水不溶性高分子化合物としては、例えばナノファイバ形成後に不溶化処理できる完全鹸化ポリビニルアルコール、架橋剤と併用することでナノファイバ形成後に架橋処理できる部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリ(N−プロパノイルエチレンイミン)グラフト−ジメチルシロキサン/γ−アミノプロピルメチルシロキサン共重合体等のオキサゾリン変性シリコーン、ツエイン(とうもろこし蛋白質の主要成分)、あるいはポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸樹脂等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。これらの水不溶性高分子化合物は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ナノファイバ層11がナノファイバに加えて他の成分を含んでいる場合には、ナノファイバ層11に占めるナノファイバの含有量は、好ましくは40質量%以上95質量%以下、より好ましくは70質量%以上90質量%以下である。
ナノファイバ層11における他の成分の含有量は、好ましくは5質量%以上60質量%以下、より好ましくは10質量%以上30質量%以下である。
原料液としては、繊維形成可能な高分子化合物を溶媒に溶解又は分散させた溶液を用いることができる。繊維形成可能な高分子化合物は、上述した各高分子化合物が用いられる。
原料液の溶媒としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は複数混合して用いることができる。
また本発明を、ノズルから原料液を吐出させ、該原料液から生じた粒子を捕集部上の基材に堆積させて、厚さ5.1μm以上500μm以下の極薄シートを製造する、極薄シートの製造方法にも適用することができる。この場合、例えば静電スプレーを採用することができる。
原料液から生じた繊維の太さは例えば10nm以上とすることが好ましく、0.1μm以上とすることが更に好ましく、0.3μm以上とすることが一層好ましい。また原料液から生じた繊維の太さは、30μm以下とすることが好ましく、3μm以下とすることが更に好ましく、1μm以下とすることが一層好ましい。原料液から生じた繊維の太さは、特に、10nm以上30μm以下とすることが好ましく、0.1μm以上3μm以下とすることが更に好ましく、0.3μm以上1μm以下とすることが一層好ましい。
原料液に含まれる繊維の原料は、ナノファイバを構成する原料と同様とすることができる。
原料液に含まれる粒子の原料は、ナノファイバを構成する原料と同様とすることができる。
例えば、上述した実施形態の電界紡糸装置100では、捕集部40が対向電極30であったが、捕集部40と対向電極30はそれぞれ別体の部材であってもよい。この場合、捕集部40と対向電極30とは隣接して配されている。
また、上述した実施形態のナノファイバシート10は、基材層12を備えていたが、該基材層12を備えていないものであってもよい。
また、上述した実施形態においては、軌道計算工程において、ナノファイバの堆積分布に関する要因として、ノズル20の移動速度と、原料液の吐出速度と、ノズル20と捕集部40との間の距離とを採用していたが、これら以外の要因を採用してもよく、あるいはこれらと他の要因とを組み合わせて採用してもよい。
対向電極との間に高電圧を印加したノズルから原料液を吐出させ、電界紡糸法により該原料液から生じたナノファイバを捕集部上に堆積させる、ナノファイバシートの製造方法であって、
前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら、前記ナノファイバを前記捕集部上に堆積させることにより、周縁端から内方に向かって漸次厚みが増加するグラデーション領域を有する所定のナノファイバシートを製造する、ナノファイバシートの製造方法。
前記ナノファイバの堆積分布に関する要因と、堆積する該ナノファイバの厚みとの相関関係に基づいて、前記所定のナノファイバシートを形成し得る、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方の移動軌道を決定する軌道計算工程と、
前記軌道計算工程で決定された前記移動軌道に基づき、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら、前記ナノファイバを堆積させる堆積工程とを備える、前記<1>に記載のナノファイバシートの製造方法。
<3>
前記ナノファイバの堆積分布に関する要因が、前記ノズル若しくは前記捕集部の移動速度、前記原料液の吐出速度、前記ノズルと前記対向電極との間の電位差、前記ノズルと前記捕集部との間の距離、ノズルの内径、及びノズルの材質から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである、前記<2>に記載のナノファイバシートの製造方法。
<4>
前記所定のナノファイバシートは、その平面視において、前記グラデーション領域に囲まれた内方領域を有しており、
前記軌道計算工程においては、前記内方領域の最低厚みが、所定の設定値以上となるように前記移動軌道を計算する、前記<2>又は<3>に記載のナノファイバシートの製造方法。
<5>
前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら前記ナノファイバを前記捕集部上に堆積させる工程が、
前記ノズル及び前記捕集部の何れか一方を、前記ナノファイバの堆積部が帯状の第1堆積領域を形成するように第1の移動軌道に沿って移動させる第1工程と、前記ノズル及び前記捕集部の何れか一方を、前記ナノファイバの堆積部が、第1又は先に形成された帯状堆積領域と幅方向の一部どうしが連続的に重複する第2帯状堆積領域を形成するように第2の移動軌道に沿って移動させる単一又は複数の第2工程とを具備する、前記<2>〜<4>の何れか1に記載のナノファイバシートの製造方法。
<6>
前記帯状堆積領域の幅方向の長さを二等分する位置を帯状領域の中点とし、前記帯状堆積領域と他の帯状堆積領域とが重複する領域を重複領域としたとき、
前記重複領域は、幅方向における、前記帯状堆積領域の中点と、該帯状堆積領域における前記他の帯状堆積領域が配される側の外縁との間に位置している、前記<5>に記載のナノファイバシートの製造方法。
<7>
幅方向において、前記重複領域の範囲内に、前記帯状堆積領域の中点と、前記他の帯状堆積領域の中点とが位置している、前記<6>に記載のナノファイバシートの製造方法。<8>
先に決定された前記移動軌道を決定軌道とし、前記第1の移動軌道に囲まれた領域内、又は前記決定軌道に囲まれた領域内を決定軌道内領域としたとき、
前記軌道計算工程において、前記決定軌道内領域内に、前記ナノファイバの堆積体の平面視形状の略相似形となる周回状の相似軌道、又は周回状とならない軌道を計算する、前記<5>〜<7>の何れか1に記載のナノファイバシートの製造方法。
<9>
前記軌道計算工程において、前記移動軌道を設定する範囲の面積や形状に応じて、前記相似軌道、又は前記周回状とならない軌道を計算する、前記<8>に記載のナノファイバシートの製造方法。
<10>
前記軌道計算工程において、前記決定軌道と前記相似軌道との相互に対応し合う部分が隣り合うように、該相似軌道が配されるか否かを判断する、前記<8>又は<9>に記載のナノファイバシートの製造方法。
前記ノズル及び前記捕集部の何れか一方又は双方を一定速度で移動させる、前記<1>〜<10>の何れか1に記載のナノファイバシートの製造方法。
<12>
前記ノズル及び前記捕集部の何れか一方が移動する移動軌道は、互いに略相似形となる複数の軌道を入れ子状に内包する軌道群と、前記複数の軌道どうしを連結する渡り線との組み合わせ、又は一筆書き可能な線状である、前記<1>〜<11>の何れか1に記載のナノファイバシートの製造方法。
<13>
前記ナノファイバシートの平面視形状が、曲率が異なる複数の曲線部分を輪郭に含む形状、複数の直線部分を輪郭に含む形状、又は該曲線部分と該直線部分とを輪郭に含む形状である、前記<1>〜<12>の何れか1に記載のナノファイバシートの製造方法。
<14>
前記捕集部上に基材層を配し、該基材層上に前記ナノファイバを堆積させる、前記<1>〜<13>の何れか1に記載のナノファイバシートの製造方法。
<15>
前記ナノファイバシート、前記基材層、又はこれら両者を切断する切断工程を具備する、前記<14>に記載のナノファイバシートの製造方法。
<16>
前記所定のナノファイバシートは、その平面視において、前記グラデーション領域に囲まれた内方領域を有しており、
前記帯状堆積領域と他の帯状堆積領域とが重複する領域を重複領域としたとき、
幅方向における前記重複領域の最低厚みは、前記内方領域の最低厚みに対して100%以上、好ましくは125%以上であり、また250%以下、好ましくは200%以下であり、また100%以上250%以下であり、好ましくは125%以上200%以下である、前記<5>〜<10>の何れか1に記載のナノファイバシートの製造方法。
<17>
前記重複領域の最低厚みは、0.2μm以上、好ましくは1μm以上であり、また100μm以下、好ましくは10μm以下であり、また0.2μm以上100μm以下であり、好ましくは1μm以上10μm以下である、前記<16>に記載のナノファイバシートの製造方法。
<18>
前記重複領域の幅は、幅方向における堆積領域の中点と他の堆積領域の中点との離間距離に対して1%以上、好ましくは5%以上であり、また90%以下、好ましくは80%以下であり、また1%以上90%以下であり、好ましくは5%以上80%以下である、前記<16>又は<17>に記載のナノファイバシートの製造方法。
<19>
幅方向における前記重複領域の幅は、1mm以上、好ましくは4mm以上であり、また80mm以下、好ましくは60mm以下であり、また1mm以上80mm以下であり、好ましくは4mm以上60mm以下である、前記<16>〜<18>の何れか1に記載のナノファイバシートの製造方法。
<20>
原料液を吐出するノズルと、該ノズルと対向するように配され、該ノズルとの間に電界を生じさせる対向電極と、前記原料液を電気的に延伸して生成したナノファイバを集積する捕集部と、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させる機構とを具備するナノファイバシートの製造装置であって、
制御部内に入力された移動軌道のデータに基づき、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら、前記ナノファイバを前記捕集部上に堆積させることが可能になされており、
前記制御部に、前記<2>に記載のナノファイバシートの製造方法の前記軌道計算工程で決定された移動軌道のデータが、入力されているか又は入力可能になされている、ナノファイバシートの製造装置。
<21>
ノズルから原料液を吐出させ、該原料液から生じた繊維又は粒子を捕集部上に堆積させて、厚さ5.1μm以上500μm以下の極薄シートを製造する、極薄シートの製造方法であって、
目的とする前記極薄シートの輪郭形状に関する情報に基づいて、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら、該極薄シートの輪郭形状の範囲内に前記原料液を吐出する目的形状形成工程を備え、
前記目的形状形成工程においては、前記輪郭形状の周縁端から内方に向かって漸次厚みが増加する、幅5mm以内のテーパー状の周縁領域が形成されるように、前記原料液を吐出する、極薄シートの製造方法。
11 ナノファイバ層
12 基材層
15 最大厚み部
17 ナノファイバ層の周縁端
20 ノズル
30 対向電極
40 捕集部
50 移動機構
100 電界紡糸装置
G グラデーション領域
e1 第1堆積領域
e2 第2帯状堆積領域
Ob 移動軌道
r1 第1の移動軌道
r2 第2の移動軌道
Claims (12)
- 対向電極との間に高電圧を印加したノズルから原料液を吐出させ、電界紡糸法により該原料液から生じたナノファイバを捕集部上に堆積させる、ナノファイバシートの製造方法であって、
前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら、前記ナノファイバを前記捕集部上に堆積させることにより、周縁端から内方に向かって漸次厚みが増加するグラデーション領域を有する所定のナノファイバシートを製造する工程を備え、
前記工程は、
前記ナノファイバの堆積分布に関する要因と、堆積する該ナノファイバの厚みとの相関関係に基づいて、前記所定のナノファイバシートを形成し得る、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方の移動軌道を決定する軌道計算工程と、
前記軌道計算工程で決定された前記移動軌道に基づき、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら、前記ナノファイバを堆積させる堆積工程とを備える、ナノファイバシートの製造方法。 - 前記ナノファイバの堆積分布に関する要因が、前記ノズル若しくは前記捕集部の移動速度、前記原料液の吐出速度、前記ノズルと前記対向電極との間の電位差、前記ノズルと前記捕集部との間の距離、ノズルの内径、及びノズルの材質から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせである、請求項1に記載のナノファイバシートの製造方法。
- 前記所定のナノファイバシートは、その平面視において、前記グラデーション領域に囲まれた内方領域を有しており、
前記軌道計算工程においては、前記内方領域の最低厚みが、所定の設定値以上となるように前記移動軌道を計算する、請求項1又は2に記載のナノファイバシートの製造方法。 - 前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら前記ナノファイバを前記捕集部上に堆積させる工程が、
前記ノズル及び前記捕集部の何れか一方を、前記ナノファイバの堆積部が帯状の第1堆積領域を形成するように第1の移動軌道に沿って移動させる第1工程と、前記ノズル及び前記捕集部の何れか一方を、前記ナノファイバの堆積部が、第1又は先に形成された帯状堆積領域と幅方向の一部どうしが連続的に重複する第2帯状堆積領域を形成するように第2の移動軌道に沿って移動させる単一又は複数の第2工程とを具備する、請求項1〜3の何れか1項に記載のナノファイバシートの製造方法。 - 対向電極との間に高電圧を印加したノズルから原料液を吐出させ、電界紡糸法により該原料液から生じたナノファイバを捕集部上に堆積させる、ナノファイバシートの製造方法であって、
前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら、前記ナノファイバを前記捕集部上に堆積させることにより、周縁端から内方に向かって漸次厚みが増加するグラデーション領域を有する所定のナノファイバシートを製造する工程を備え、
前記ノズル及び前記捕集部の何れか一方が移動する移動軌道は、互いに略相似形となる複数の軌道を入れ子状に内包する軌道群と、前記複数の軌道どうしを連結する渡り線との組み合わせ、又は一筆書き可能な線状である、ナノファイバシートの製造方法。 - 前記ノズル及び前記捕集部の何れか一方又は双方を一定速度で移動させる、請求項1〜5の何れか1項に記載のナノファイバシートの製造方法。
- 前記ナノファイバシートの平面視形状が、曲率が異なる複数の曲線部分を輪郭に含む形状、複数の直線部分を輪郭に含む形状、又は該曲線部分と該直線部分とを輪郭に含む形状である、請求項1〜6の何れか1項に記載のナノファイバシートの製造方法。
- 前記捕集部上に基材層を配し、該基材層上に前記ナノファイバを堆積させる、請求項1〜7の何れか1項に記載のナノファイバシートの製造方法。
- 前記ナノファイバシート、前記基材層、又はこれら両者を切断する切断工程を具備する、請求項8に記載のナノファイバシートの製造方法。
- 原料液を吐出するノズルと、該ノズルと対向するように配され、該ノズルとの間に電界を生じさせる対向電極と、前記原料液を電気的に延伸して生成したナノファイバを集積する捕集部と、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させる機構とを具備するナノファイバシートの製造装置であって、
制御部内に入力された移動軌道のデータに基づき、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら、前記ナノファイバを前記捕集部上に堆積させることが可能になされており、
前記制御部に、請求項1に記載のナノファイバシートの製造方法の前記軌道計算工程で決定された移動軌道のデータが、入力されているか又は入力可能になされている、ナノファイバシートの製造装置。 - ノズルから原料液を吐出させ、該原料液から生じた繊維又は粒子を捕集部上に堆積させて、厚さ5.1μm以上500μm以下の極薄シートを製造する、極薄シートの製造方法であって、
目的とする前記極薄シートの輪郭形状に関する情報に基づいて、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら、該極薄シートの輪郭形状の範囲内に前記原料液を吐出する目的形状形成工程を備え、
前記目的形状形成工程は、
前記繊維又は前記粒子の堆積分布に関する要因と、堆積する該繊維又は該粒子の厚みとの相関関係に基づいて、前記極薄シートを形成し得る、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方の移動軌道を決定する軌道計算工程と、
前記軌道計算工程で決定された前記移動軌道に基づき、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら、前記繊維又は前記粒子を堆積させる堆積工程とを備え、
前記目的形状形成工程においては、前記輪郭形状の周縁端から内方に向かって漸次厚みが増加する、幅5mm以内のテーパー状の周縁領域が形成されるように、前記原料液を吐出する、極薄シートの製造方法。 - ノズルから原料液を吐出させ、該原料液から生じた繊維又は粒子を捕集部上に堆積させて、厚さ5.1μm以上500μm以下の極薄シートを製造する、極薄シートの製造方法であって、
目的とする前記極薄シートの輪郭形状に関する情報に基づいて、前記ノズル及び前記捕集部の少なくとも一方を移動させながら、該極薄シートの輪郭形状の範囲内に前記原料液を吐出する目的形状形成工程を備え、
前記目的形状形成工程においては、
前記ノズル及び前記捕集部の何れか一方が移動する移動軌道が、互いに略相似形となる複数の軌道を入れ子状に内包する軌道群と、前記複数の軌道どうしを連結する渡り線との組み合わせ、又は一筆書き可能な線状であり、
前記輪郭形状の周縁端から内方に向かって漸次厚みが増加する、幅5mm以内のテーパー状の周縁領域が形成されるように、前記原料液を吐出する、極薄シートの製造方法。
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