I 定義
本明細書で使用するとき、用語「化石由来の」材料とは、原油(石油)、天然ガス、石炭、泥炭等の化石資源から製造される材料を指す。
本明細書で使用するとき、用語「化石に由来しない」材料とは、非化石資源から製造される材料を指す。明瞭性のため及び本発明の目的のため、用語「再生可能」材料、「バイオベース」材料、「非石油」材料、及び「化石に由来しない」材料が、交換可能に使用される。
本明細書で使用するとき、用語「再生可能」材料とは、その消費速度に匹敵する速度(例えば、100年の時間枠内で)で自然過程によって製造される資源である、再生可能な資源から製造される材料を指す。この再生可能な資源は、自然に、又は農業技術によって補充され得る。再生可能資源の非限定的な例としては、植物(例えば、サトウキビ、ビート、トウモロコシ、ジャガイモ、柑橘果実、木本植物、リグノセルロース、ヘミセルロース、及びセルロース廃棄物)、動物、魚、細菌、真菌、及び林産物が挙げられる。これら資源は、自然発生、交雑、又は遺伝子組み換えされた生物であってよい。化石資源は、形成に100年よりも長くかかり、したがって、これらは再生可能資源とは見なされない。
本明細書で使用するとき、用語「再生可能な含有量」は、ASTM D6866〜10、方法Bを用いて決定して、材料中の全有機炭素の重量(質量)の百分率としての材料中の再生可能資源に由来する炭素の量を指す。
本明細書で使用される場合、用語「触媒」は、活性触媒又は触媒前駆体のいずれかを指す。
本明細書で使用される場合、用語「活性触媒」とは、脱水中に反応器内に存在し、脱水に関与する触媒の形態である、その場脱水触媒を指す。本発明の活性触媒は、カチオン及び実験式[H2(1−x)PO(4−x)]−(式中、xは、0超かつ1未満の実数である)によって表されるアニオンを有する非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩を含む。
本明細書で使用される場合、用語「触媒前駆体」は、脱水反応が開始する前又は触媒の三重点を超える水分圧及び温度の水蒸気を含む気体供給流がプレ反応脱水触媒と接触する前に、反応器に充填され、反応器内に存在する触媒の形態である、プレ反応脱水触媒を指す。触媒前駆体は、脱水反応中、又はその物理的及び化学的特性が変化して、活性触媒になることができるプロセス条件で活性触媒に変換される。本発明の触媒前駆体は、カチオン及び実験式[H2(1−x)PO(4−x)]−(式中、xは0(リン酸塩は完全に水和されており、アニオンは分子式[H2PO4]−によって表される)又は1(リン酸塩は完全脱水されており、アニオンは実験式[PO3]−によって表される)によって表されるアニオンを有する結晶性リン酸塩を含む。
本明細書で使用される場合、用語「縮合性」は、結晶性かつ完全に脱水された物質を指す。
本明細書で使用される場合、用語「三重点」は、三相の境界曲線(平衡線とも呼ばれる)の交点である、触媒の水分圧対温度相平衡図中の点を指し、触媒の三相が熱力学的平衡で共存する場合、第1の相平衡線は、触媒の結晶性かつ完全に脱水された相と結晶性かつ完全に水和された相とを分離し、第2の相平衡線は、触媒の結晶性かつ完全に脱水された相と非晶質かつ部分的に脱水された相とを分離し、第3の相平衡線は、触媒の非晶質かつ部分的に脱水された相と結晶性かつ完全に水和された相とを分離する(図1を参照)。
本明細書で使用される場合、用語「三重点水分圧」は、触媒の三重点における水分圧を指す。
本明細書で使用される場合、用語「三重点温度」は、触媒の三重点における温度を指す。
本明細書で使用される場合、用語「リン酸塩」は、中性に帯電しているリン酸塩を指す。
本明細書で使用される場合、用語「一リン酸塩]又は「オルトリン酸塩」は、そのアニオン[PO4]3−が、中央のリン原子の周りにほぼ正四面体配置で配置された4つの酸素原子で構成されている任意のリン酸塩を指す。
本明細書で使用される場合、用語「縮合リン酸塩」は、PO4四面体の頂点共有によって生成される1つ又はいくつかのP−O−P結合を含む任意のリン酸塩を指す。
本明細書で使用される場合、用語「ポリリン酸塩」は、線状構造を有する、すなわち、PO4四面体の頂点共有による線状P−O−P結合を含んで有限鎖を形成する任意の縮合リン酸塩を指す。
本明細書で使用するとき、用語「シクロリン酸塩」は、環状構造を有する任意の縮合リン酸塩を指す。
本明細書で使用される場合、用語「水和物」は、その結晶構造内のイオンに会合している多数の水分子(すなわち、nH2O)を有する塩(すなわち、塩・nH2O)を指す。
本明細書で使用するとき、用語「一価カチオン」は、+1の正電荷を有する任意のカチオンを指す。
本明細書で使用される場合、用語「多価カチオン」は、+2以上の正電荷を有する任意のカチオンを指す。
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロポリアニオン」は、共有結合しているXOp多面体及びYOr多面体を備え、これによってX−O−Y結合並びに可能性としてX−O−X結合及びY−O−Y結合を含む任意のアニオンを指し、式中、X及びYは任意の原子を表し、p及びrは任意の正の整数である。
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロポリリン酸塩」は、Xがリン(P)を表し、Yが任意の他の原子を表す、任意のヘテロポリアニオンを指す。
本明細書で使用するとき、用語「リン酸塩付加物」は、共有結合していない1つ又は2つ以上の非リン酸アニオン及び1つ又は2つ以上のリン酸アニオンを有する任意の化合物を指す。
本明細書で使用される場合、用語「非晶質」は、結晶性物質の長距離秩序性のない物質の状態を指す。非晶質物質は、非晶質の固体又は液体のいずれかであってよい。本発明の文脈において、非晶質含量が50重量以上である物質が、非晶質物質であると考えられる。物質の非晶質含量は、X線回折(x-ray diffraction、XRD)、赤外分光法(infrared spectroscopy、IR)、ラマン分光法、示差走査熱量測定法(differential scanning calorimetry、DSC)、又は固体核磁気共鳴(solid-state nuclear magnetic resonance、NMR)分光法が挙げられるがこれらに限定されない、当業者に既知の任意の方法によって求められる。例示として、XRD技術に基づく方法では、X線散乱パターンに対する別個の結晶性(IC)及び非晶質(IA)の寄与は、ガウス、ローレンツ、ボイト、又は当業者に既知の関連する関数を使用して散乱パターンを別個の寄与にデコンボリューションするプロファイル当てはめ技術を用いて求められる。次いで、重量%で示す非晶質含量XAは、規定のブラッグ角範囲(本発明の文脈において、例えば、2θ=5°〜50°、Cu線λ=1.54059Å)に対する、非晶質が寄与する散乱強度の面積(IA)と総散乱強度の面積(結晶性+非晶質の寄与、IT=IC+IA)との間の比、すなわち、
本明細書で使用される場合、用語「結晶性」は、その構成要素が高次の微細構造で配置され、長距離秩序を有する結晶格子を形成している物質の状態を指す。本発明の文脈において、非晶質含量が50重量%未満の物質が、考えられる結晶質物質である。
本明細書で使用するとき、用語「化学的に不活性な」物質は、別の物質(複数可)と接触するとき、平衡条件下で同じ化学形態のまま留まる物質を指す。本発明の文脈において、「有意に化学的に不活性な」物質と見なされるためには、その物質の約90重量%超が同じ化学形態のまま留まらなくてはならず、「本質的に化学的に不活性な」物質と見なされるためには、その物質の約98重量%超が同じ化学形態のまま留まらなくてはならない。
本明細書で使用するとき、用語「抗酸化剤」は、水素原子の供与、又は、安定化有機ラジカルを形成し、それによってラジカル連鎖プロセスを終了させるためのオレフィン結合の反応のいずれかによって、ラジカル連鎖プロセスを終了させることが可能な分子を指す。抗酸化剤の非限定的な例は、チオール、ポリフェノール、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxy toluene、BHT)、及びブチル化ヒドロキシアニソール(butylated hydroxy anisole、BHA)を含む。
本明細書で使用するとき、用語「LA」は乳酸を指し、「AA」はアクリル酸を指し、「AcH」はアセトアルデヒドを指し、また「PA」はプロピオン酸を指す。
本明細書で使用される場合、モル%で示す用語「変換率」は、[ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の流入量(モル/分)−ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の流出量(モル/分)]/[ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の流入量(モル/分)]×100として定義される。
本明細書で使用される場合、モル%で示す用語「収率」は、[生成物の流出量(モル/分)/ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の流入量(モル/分)]×100として定義される。
本明細書で使用するとき、モル%で示す用語「選択率」は、[収率/変換率]×100として定義される。
本明細書で使用するとき、用語「全炭素バランス」は、[((一酸化炭素のmol流出量+二酸化炭素のmol流出量+メタンのmol流出量)+(2×(酢酸のmol流出量+アセトアルデヒドのmol流出量+エタンのmol流出量+エチレンのmol流出量))+(3×(アクリル酸のmol流出量+プロピオン酸のmol流出量+ヒドロキシプロピオン酸のmol流出量+ヒドロキシアセトンのmol流出量)+(5×2,3ペンタンジオンのmol流出量)+(6×アクリル酸ダイマーのmol流出量))/(3×ヒドロキシプロピオン酸のmol流入量)]×100として定義される。ヒドロキシプロピオン酸誘導体がヒドロキシプロピオン酸の代わりに使用される場合、上記式は、ヒドロキシプロピオン酸誘導体における炭素原子数に従って調整する必要がある。
本明細書で使用される場合、h−1で示す用語「毎時気体空間速度」又は「GHSV」は、60×[合計気体流量(mL/分)/触媒前駆体空床体積(mL)]として定義される。合計気体流量は、標準温度及び圧力条件(Standard Temperature and Pressure、STP、0℃及び1バール)で計算される。
本明細書で使用される場合、h−1で示す用語「毎時重量空間速度」又は「WHSV」は、60×[合計LA流量(g/分)/触媒前駆体重量(g)]として定義される。この定義の目的のために、触媒前駆体重量は、結晶性リン酸塩の重量のみを含み、任意の不活性担体の重量を含まない。
本明細書で使用される場合、h−1で示す用語「毎時液空間速度(Liquid Hourly Space Velocity)」又は「LHSV」は、60×[合計液流量(mL/分)/触媒前駆体空床体積(mL)]として定義される。この定義の目的のために、触媒前駆体重量は、結晶性リン酸塩の重量のみを含み、任意の不活性担体の重量を含まない。
II ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための活性触媒
予想外なことに、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩を含む活性触媒は、1)高い収率及び選択率(すなわち、少量及び少ない副生成物)、並びに効率(すなわち、短い滞留時間)で、2)長い触媒寿命で、並びに3)腐食速度の遅い工業的に適切な反応器において、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を脱水して、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物にできることが見出された。非限定的な例として、結晶性リン酸塩(例えば、リンのカチオンに対するモル比が約1である触媒前駆体)を、触媒の三重点を超える水分圧及び温度で水蒸気と接触させたとき、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩を可逆的に形成することができる。また出願人らは、予想外なことに、脱水反応は乾燥条件下で実施しなければならないという当該技術分野における通説に反して、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を脱水してアクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物にするために、本発明の活性触媒は十分な水蒸気の存在下であることが必要であることも見出した。理論に束縛されることを望むわけではないが、出願人らは、操作条件下において、リン酸二水素塩(完全に水和された)が縮合リン酸塩(完全に脱水された)に完全に脱水されるのを防ぐために水蒸気が必要であるので、ヒドロキシプロピオン酸及びその誘導体のアクリル酸及びその誘導体への選択的酸触媒脱水又はリン酸化及び脱リン酸化に必要なブレンステッド酸部位が維持されているという仮説を立てている。いくつかのリン酸塩がいくつかの操作条件で部分的に脱水される能力を図1に示す。図中、結晶性かつ完全に脱水されたポリリン酸塩(MIPO3)nは、特定の範囲の水分圧及び温度において非晶質かつ部分的に脱水された塩MIH2(1−x)PO(4−x)になり、次いで、水分圧が更に上昇するにつれて又は温度が低下するにつれて、リン酸二水素塩MIH2PO4の形態で再び結晶性になる。
本発明の一実施形態では、活性触媒は、カチオン及び実験式[H2(1−x)PO(4−x)]−(式中、xは、0超かつ1未満の任意の実数である)によって表されるアニオンを含むリン酸塩を含む。本発明の別の実施形態では、当該リン酸塩は、非晶質かつ部分的に脱水されている。
本発明の一実施形態では、活性触媒は、カチオン及び実験式[H2(1−x)PO(4−x)]−(式中、xは、0超かつ1未満の任意の実数である)によって表されるアニオンを含む非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩を含む。リン酸塩におけるカチオンの非限定的な例は、金属カチオン、有機金属カチオン、アンモニウム、置換アンモニウム、オキシカチオン、及び当業者に既知の他のカチオンである。置換アンモニウム及び他のカチオンの非限定的な例は、イソプロピルアンモニウム、エチレンジアンモニウム、サルコシニウム、L−ヒスチジニウム、グリシニウム、及び4−アミノピリジニウムである。オキシカチオンの非限定的な例は、パーバナジル及びバナジルイオンである。本発明の別の実施形態では、当該カチオンは、一価カチオンである。一価カチオンの非限定的な例は、アルカリ金属のカチオン、有機金属カチオン、アンモニウム、置換アンモニウム、オキシカチオン(例えば、パーバナジル)、及び当業者に既知の他のカチオンである。本発明の更に別の実施形態では、当該一価カチオンは、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+、Ag+、Tl+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、当該一価カチオンは、K+、Rb+、Cs+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の一実施形態では、当該一価カチオンは、K+、Cs+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該リン酸塩は、非晶質かつ部分的に脱水されており、当該xは、0超かつ1未満の任意の実数であり、当該カチオンは、K+、Cs+、及びこれらの混合物からなる群から選択される一価カチオンである。本発明のなお更に別の実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩は、LiH2(1−x)PO(4−x)、NaH2(1−x)PO(4−x)、KH2(1−x)PO(4−x)、RbH2(1−x)PO(4−x)、CsH2(1−x)PO(4−x)、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択され、xは、0超かつ1未満の任意の実数である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩は、KH2(1−x)PO(4−x)であり、xは、0超かつ1未満の任意の実数である。本発明の一実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩は、CsH2(1−x)PO(4−x)であり、xは、0超かつ1未満の任意の実数である。
本発明の一実施形態では、活性触媒は、1つ以上のカチオン及び1つ以上のリン酸アニオンからなる非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩を含み、少なくとも1つのリン酸アニオンは、実験式[H2(1−x)PO(4−x)]−(式中、xは、0超かつ1未満の任意の実数である)によって表される。本発明の目的のために、「1つ以上のカチオン」は、異なる種類のカチオンを指す。本発明の別の実施形態では、当該カチオンは、一価カチオンである。本発明の更に別の実施形態では、当該一価カチオンは、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+、Ag+、Tl+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、当該一価カチオンは、K+、Rb+、Cs+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の一実施形態では、当該一価カチオンは、K+、Cs+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、活性触媒は、実験式
(式中、M
I及びN
Iは、2つの異なる一価カチオンであり、xは、0超かつ1未満の任意の実数であり、wは、0超かつ1未満の任意の実数である)によって表される非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩を含む。本発明の別の実施形態では、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩は、Li
wNa
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Li
wK
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Li
wRb
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Li
wCs
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Na
wK
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Na
wRb
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Na
wCs
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、K
wRb
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、K
wCs
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Rb
wCs
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択され、xは、0超かつ1未満の任意の実数であり、wは、0超かつ1未満の任意の実数である。
本発明の一実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩を含む活性触媒は、非リン酸塩化合物を更に含み、当該非リン酸塩化合物は、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩に対して著しく化学的に不活性である。本発明の別の実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩と当該非リン酸塩化合物との重量比は、約1:10〜約4:1である。
本発明の一実施形態では、当該非リン酸塩化合物は、酸化ケイ素(シリカ、SiO2とも呼ばれる)を含む。本発明の別の実施形態では、当該非リン酸塩化合物は、本質的にシリカからなる。本発明の更に別の実施形態では、当該シリカは、非晶質シリカ(本明細書では、溶融シリカ又は溶融石英とも呼ばれる)、石英、トリジマイト石、クリストバル石、モガン石、コース石、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、シリカは、非晶質シリカである。本発明の一実施形態では、シリカは、約10m2/g未満の比表面積を有する。
本発明の別の実施形態では、当該非リン酸塩化合物は、カチオン及びアニオンを含む。非リン酸塩化合物中のアニオンの非限定的な例は、ヒ酸塩、縮合ヒ酸塩、硝酸塩、硫酸塩、縮合硫酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、クロム酸塩、縮合クロム酸塩、バナジン酸塩、ニオブ酸塩、タンタル酸塩、セレン酸塩、縮合ケイ酸塩、縮合アルミン酸塩、ゲルマン酸塩、縮合ゲルマン酸塩、モリブデン酸塩、縮合モリブデン酸塩、他のモノマーオキシアニオン、ポリオキシアニオン、ヘテロポリリン酸塩、例えば、ヒ酸リン酸塩(arsenatophosphates)、ホスホアルミン酸塩、ホスホホウ酸塩、ホスホクロム酸塩、ホスホモリブデン酸塩、ホスホケイ酸塩、ホスホ硫酸塩、ホスホタングステン酸塩、及びリン酸付加物、例えば、テルル酸、ハロゲン化物、ホウ酸塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、クロム酸塩、ケイ酸塩、シュウ酸塩、これらの混合物が付加されたリン酸アニオン、又は当業者に明らかであり得る他のものである。
本発明の一実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩は、LiH2(1−x)PO(4−x)、NaH2(1−x)PO(4−x)、KH2(1−x)PO(4−x)、RbH2(1−x)PO(4−x)、CsH2(1−x)PO(4−x)、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択され、xは、0超かつ1未満の任意の実数であり、当該非リン酸塩化合物は、非晶質シリカ、石英、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩は、KH2(1−x)PO(4−x)であり、xは、0超かつ1未満の任意の実数であり、当該非リン酸塩化合物は、非晶質シリカである。本発明の更に別の実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩は、CsH2(1−x)PO(4−x)であり、xは、0超かつ1未満の任意の実数であり、当該非リン酸塩化合物は、非晶質シリカである。
本発明の一実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩は、LiwNa(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、LiwK(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、LiwRb(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、LiwCs(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、NawK(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、NawRb(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、NawCs(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、KwRb(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、KwCs(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、RbwCs(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択され、xは、0超かつ1未満の任意の実数であり、wは、0超かつ1未満の任意の実数であり、当該非リン酸塩化合物は、非晶質シリカ、石英、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、当該非リン酸塩化合物は、カチオンと、分子式[H(a−2b)ScO(4c−b)](2c−a)−及び[Ta2dO(5d+e)]2e−によって表される群から選択されるオキシアニオンとを含む中性に帯電しているオキシ塩を含み、で表され、式中、a及びbは、正の整数又はゼロであり、c、d、及びeは、正の整数であり、(a−2b)はゼロ以上であり、(2c−a)はゼロ超である。本発明の別の実施形態では、当該非リン酸塩化合物は、シリカを更に含む。
本発明の一実施形態では、当該オキシ塩の当該カチオンは、一価カチオン、多価カチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。当該オキシ塩の当該多価カチオンの非限定的な例は、アルカリ土類金属、遷移金属、ポスト遷移又は卑金属、及びメタロイドのカチオン;有機金属カチオン、置換アンモニウムカチオン、オキシカチオン(例えば、バナジル)、及び当業者に既知の他のカチオンである。本発明の別の実施形態では、当該オキシ塩の当該多価カチオンは、金属であるBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのカチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の更に別の実施形態では、当該オキシ塩の当該多価カチオンは、金属であるMg、Ca、Sr、Ba、Y、Mn、Al、Erのカチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、当該オキシ塩の当該多価カチオンは、二価カチオン、三価カチオン、四価カチオン、五価カチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の一実施形態では、当該オキシ塩の当該多価カチオンは、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Sc3+、Y3+、Ti3+、Ti4+、Zr2+、Zr4+、Hf4+、V3+、V4+、Nb3+、Cr2+、Cr3+、Mo3+、Mo4+、Mn2+、Mn3+、Re4+、Al3+、Ga3+、In3+、Si4+、Ge4+、Sn4+、Pb4+、Sb3+、Sb5+、Bi3+、La3+、Ce3+、Ce4+、Pr3+、Nd3+、Sm3+、Eu3+、Gd3+、Tb3+、Dy3+、Ho3+、Er3+、Tm3+、Yb3+、Lu3+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該オキシ塩の当該多価カチオンは、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Y3+、Mn2+、Mn3+、Al3+、Er3+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の更に別の実施形態では、当該オキシ塩の当該多価カチオンはBa2+である。
当該オキシ塩の当該一価カチオンの非限定的な例は、アルカリ金属のカチオンである。本発明の一実施形態では、当該オキシ塩の当該一価カチオンは、金属であるLi、Na、K、Rb、Cs、Ag、Tlのカチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該オキシ塩の当該一価カチオンは、金属であるK、Rb、Csのカチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、当該オキシ塩の当該オキシアニオンは、分子式[SO4]2−、[S2O7]2−、[HSO4]1−、[SO4]2−、[HSO4]−、[Ta2O6]2−、[Ta2O7]4−、[Ta2O9]8−、[Ta2O10]10−、[Ta2O11]12−、[Ta4O11]2−、[Ta4O15]10−、及びこれらの混合物によって表される群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該オキシ塩の当該オキシアニオンは、分子式[SO4]2−、[Ta2O6]2−、及びこれらの混合物によって表される群から選択される。
当該オキシ塩の非限定的な例は、アルカリ土類金属の硫酸塩、アルカリ土類金属のタンタル酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の混合物の硫酸塩、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属の混合物のタンタル酸塩である。本発明の一実施形態では、当該オキシ塩は、CaSO4、SrSO4、BaSO4、SrK2(SO4)2、SrRb2(SO4)2、Ca2K2(SO4)3、Ca2Rb2(SO4)3、Ca2Cs2(SO4)3、CaTa4O11、SrTa4O11、BaTa4O11、MgTa2O6、CaTa2O6、SrTa2O6、BaTa2O6、Mg2Ta2O7、Ca2Ta2O7、Sr2Ta2O7、SrK2Ta2O7、Ba2Ta2O7、Ba3Ta2O8、Mg4Ta2O9、Ca4Ta2O9、Sr4Ta2O9、Ba4Ta2O9、Ca5Ta2O10、Ca2KTa3O10、Ca2RbTa3O10、Ca2CsTa3O10、Sr2KTa3O10、Sr2RbTa3O10、Sr2CsTa3O10、Mg5Ta4O15、Sr5Ta4O15、Ba5Ta4O15、Sr2KTa5O15、Ba2KTa5O15、Sr6Ta2O11、Ba6Ta2O11、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該オキシ塩は、CaSO4、CaTa2O6、SrSO4、SrTa2O6、BaSO4、BaTa2O6、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の更に別の実施形態では、当該オキシ塩は、BaSO4、BaTa2O6、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩は、KH2(1−x)PO(4−x)、RbH2(1−x)PO(4−x)、CsH2(1−x)PO(4−x)、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択され、xは、0超かつ1未満の任意の実数であり、当該非リン酸塩化合物は、CaSO4、CaTa2O6、SrSO4、SrTa2O6、BaSO4、BaTa2O6、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩は、KH2(1−x)PO(4−x)であり、xは、0超かつ1未満の任意の実数であり、当該非リン酸塩化合物は、BaSO4である。本発明の更に別の実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩は、CsH2(1−x)PO(4−x)であり、xは、0超かつ1未満の任意の実数であり、当該非リン酸塩化合物は、BaSO4である。
本発明のなお更に別の実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩は、KwRb(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、KwCs(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、RbwCs(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択され、xは、0超かつ1未満の任意の実数であり、wは、0超かつ1未満の任意の実数であり、当該非リン酸塩化合物は、CaSO4、CaTa2O6、SrSO4、SrTa2O6、BaSO4、BaTa2O6、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、当該xは、約0.8に等しい。本発明の別の実施形態では、当該xは、約0.8未満である。本発明の更に別の実施形態では、当該xは、約0.6未満である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該xは、約0.5未満である。本発明の一実施形態では、当該xは、約0.1〜約0.5である。本発明の別の実施形態では、当該xは、約0.25〜約0.45である。本発明の更に別の実施形態では、当該xは、約0.4に等しい。本発明のなお更に別の実施形態では、当該xは約0.4に等しく、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩の当該一価カチオンはCs+である。
本発明の一実施形態では、当該wは、約0.9超である。本発明の別の実施形態では、当該wは、約0.8超である。本発明の更に別の実施形態では、当該wは、約0.2未満である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該wは、約0.1未満である。
本発明の一実施形態では、当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩は、水和物塩である。本発明の別の実施形態では、当該オキシ塩は、水和物塩である。本発明の更に別の実施形態では、当該非リン酸塩化合物は、水和物化合物である。水和物の塩又は化合物は、当該塩又は化合物の式単位当たり、特定の数の水分子を含有する。水和物の塩又は化合物の非限定的な例は、半水和物、一水和物、セスキ水和物、二水和物、三水和物、四水和物、五水和物、六水和物、七水和物、八水和物、九水和物、九水和物、及び十水和物の塩又は化合物である。
本発明の一実施形態では、当該活性触媒は、不活性担体を更に含む。不活性担持体の非限定的な例は、シリカ、ケイ酸塩、アルミナ、アルミン酸塩、アルミノケイ酸塩、チタニア、チタン酸塩、ジルコニア、ジルコン酸塩、炭素(例えば活性炭、ダイヤモンド、グラファイト、又はフラーレン等)、硫酸塩、リン酸塩、タンタル酸塩、セリア、他の金属酸化物、及びこれらの混合物である。本発明の更に別の実施形態では、不活性支持体は、シリカから本質的になる。本発明の更に別の実施形態では、シリカは、非晶質シリカ、石英、トリジマイト石、クリストバル石、モガン石、コース石、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、シリカは、非晶質シリカである。本発明の一実施形態では、シリカは、約10m2/g未満の比表面積を有する。本発明の別の実施形態では、不活性支持体は、活性触媒の総重量に基づいて約20重量%〜約90重量%の量に相当する。
本発明の一実施形態では、当該活性触媒の総重量に基づく非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩の重量は、約5重量%〜約90重量%である。本発明の別の実施形態では、当該活性触媒の総重量に基づく非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩の重量は、約8重量%〜約60重量%である。本発明の更に別の実施形態では、当該活性触媒の総重量に基づく非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩の重量は、約12重量%〜約40重量%である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該活性触媒の総重量に基づく非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩の重量は、約12重量%〜約17重量%である。本発明の一実施形態では、当該活性触媒の総重量に基づく非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩の重量は、約26重量%〜約32重量%である。
本発明の一実施形態では、活性触媒は、CsH2(1−x)PO(4−x)及び溶融シリカからなり、活性触媒の総重量に基づく当該CsH2(1−x)PO(4−x)の重量は、約14重量%であり、xは、0超かつ1未満の任意の実数である。本発明の別の実施形態では、活性触媒は、CsH2(1−x)PO(4−x)及び溶融シリカからなり、活性触媒の総重量に基づく当該CsH2(1−x)PO(4−x)の重量は、約28重量%であり、xは、0超かつ1未満の任意の実数である。本発明の更に別の実施形態では、活性触媒は、KH2(1−x)PO(4−x)及び溶融シリカからなり、活性触媒の総重量に基づく当該KH2(1−x)PO(4−x)の重量は、約15重量%であり、xは、0超かつ1未満の任意の実数である。本発明のなお更に別の実施形態では、活性触媒は、KH2(1−x)PO(4−x)及び溶融シリカからなり、活性触媒の総重量に基づく当該KH2(1−x)PO(4−x)の重量は、約30重量%であり、xは、0超かつ1未満の任意の実数である。本発明の一実施形態では、活性触媒は、RbH2(1−x)PO(4−x)及び溶融シリカからなり、活性触媒の総重量に基づく当該RbH2(1−x)PO(4−x)の重量は、約14重量%であり、xは、0超かつ1未満の任意の実数である。本発明の別の実施形態では、活性触媒は、RbH2(1−x)PO(4−x)及び溶融シリカからなり、活性触媒の総重量に基づく当該RbH2(1−x)PO(4−x)の重量は、約29重量%であり、xは、0超かつ1未満の任意の実数である。
本発明の活性触媒は、いくつかの化学反応を触媒するために利用され得る。反応の非限定的な例は、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物のアクリル酸への脱水;3−ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物のアクリル酸への脱水;グリセリンのアクロレインへの脱水;水の存在下における乳酸の3−ヒドロキシプロピオン酸への異性化;水素ガスの存在下におけるヒドロキシプロピオン酸のプロピオン酸又は1−プロパノールへの還元;脂肪族アルコールのアルケン又はオレフィンへの脱水;脂肪族アルコールのエーテルへの脱水素;その他脱水素、加水分解、アルキル化、脱アルキル化、酸化、不均化、エステル化、環化、異性化、縮合、芳香族化、重合;及び当業者に明らかであり得るその他の反応である。
III ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための触媒前駆体
本発明の一実施形態では、触媒前駆体は、1つ以上の一価カチオンからなるリン酸塩を含み、全カチオンの総モルとリンの総モルとの比は、約1である。本発明の別の実施形態では、当該リン酸塩は、結晶性かつ完全に脱水されたリン酸塩、結晶性かつ完全に水和されたリン酸塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、触媒前駆体は、カチオン及び実験式[H2(1−x)PO(4−x)]−(式中、xは、0又は1である)によって表されるアニオンを含むリン酸塩を含む。本発明の別の実施形態では、当該リン酸塩は、結晶性である。
本発明の一実施形態では、触媒前駆体は、カチオン及び実験式[H2(1−x)PO(4−x)]−(式中、xは、0又は1である)によって表されるアニオンを含む結晶性リン酸塩を含む。カチオンの非限定的な例は、金属カチオン、有機金属カチオン、アンモニウム、置換アンモニウム、オキシカチオン、及び当業者に既知の他のカチオンである。置換アンモニウム及び他のカチオンの非限定的な例は、イソプロピルアンモニウム、エチレンジアンモニウム、サルコシニウム、L−ヒスチジニウム、グリシニウム、及び4−アミノピリジニウムである。オキシカチオンの非限定的な例は、パーバナジル及びバナジルイオンである。本発明の別の実施形態では、当該カチオンは、一価カチオンである。一価カチオンの非限定的な例は、アルカリ金属のカチオン、有機金属カチオン、アンモニウム、置換アンモニウム、オキシカチオン(例えば、パーバナジル)、及び当業者に既知の他のカチオンである。本発明の更に別の実施形態では、当該一価カチオンは、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+、Ag+、Tl+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、当該一価カチオンは、K+、Rb+、Cs+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の一実施形態では、当該一価カチオンは、K+、Cs+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該リン酸塩は、結晶性であり、当該xは、0又は1であり、当該一価カチオンは、K+、Cs+、及びこれらの混合物からなる群から選択される一価カチオンである。本発明の更に別の実施形態では、当該結晶性リン酸塩は、LiH2(1−x)PO(4−x)、NaH2(1−x)PO(4−x)、KH2(1−x)PO(4−x)、RbH2(1−x)PO(4−x)、CsH2(1−x)PO(4−x)、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択され、xは、0又は1である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該結晶性リン酸塩は、KH2(1−x)PO(4−x)であり、xは、0又は1である。本発明の一実施形態では、当該結晶性リン酸塩は、CsH2(1−x)PO(4−x)であり、xは、0又は1である。
本発明の一実施形態では、触媒前駆体は、1つ以上のカチオン及び1つ以上のリン酸アニオンからなる結晶性リン酸塩を含み、少なくとも1つのリン酸アニオンは、実験式[H2(1−x)PO(4−x)]−によって表され、xは、0又は1である。本発明の目的のために、「1つ以上のカチオン」は、異なる種類のカチオンを指す。本発明の別の実施形態では、当該カチオンは、一価カチオンである。本発明の更に別の実施形態では、当該一価カチオンは、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+、Ag+、Tl+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、当該一価カチオンは、K+、Rb+、Cs+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の一実施形態では、当該一価カチオンは、K+、Cs+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、触媒前駆体は、実験式
によって表される結晶性リン酸塩を含み、M
I及びN
Iは、2つの異なる一価カチオンであり、xは、0又は1であり、wは、0超かつ1未満の任意の実数である。本発明の別の実施形態では、結晶性リン酸塩は、Li
wNa
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Li
wK
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Li
wRb
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Li
wCs
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Na
wK
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Na
wRb
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Na
wCs
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、K
wRb
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、K
wCs
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、Rb
wCs
(1−w)H
2(1−x)PO
(4−x)、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択され、xは、0又は1であり、wは、0超かつ1未満の任意の実数である。
本発明の一実施形態では、当該結晶性リン酸塩を含む触媒前駆体は、非リン酸塩化合物を更に含み、当該非リン酸塩化合物は、当該結晶性リン酸塩に対して著しく化学的に不活性である。本発明の別の実施形態では、当該結晶性リン酸塩と当該非リン酸塩化合物との重量比は、約1:10〜約4:1である。
本発明の一実施形態では、当該非リン酸塩化合物は、酸化ケイ素(シリカ、SiO2とも呼ばれる)を含む。本発明の別の実施形態では、当該非リン酸塩化合物は、本質的にシリカからなる。本発明の更に別の実施形態では、当該シリカは、非晶質シリカ(本明細書では、溶融シリカ又は溶融石英とも呼ばれる)、石英、トリジマイト石、クリストバル石、モガン石、コース石、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、シリカは、非晶質シリカである。本発明の一実施形態では、シリカは、約10m2/g未満の比表面積を有する。
本発明の別の実施形態では、当該非リン酸塩化合物は、アニオン及びカチオン含む。非リン酸塩化合物中のアニオンの非限定的な例は、ヒ酸塩、縮合ヒ酸塩、硝酸塩、硫酸塩、縮合硫酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、クロム酸塩、縮合クロム酸塩、バナジン酸塩、ニオブ酸塩、タンタル酸塩、セレン酸塩、縮合ケイ酸塩、縮合アルミン酸塩、ゲルマン酸塩、縮合ゲルマン酸塩、モリブデン酸塩、縮合モリブデン酸塩、他のモノマーオキシアニオン、ポリオキシアニオン、ヘテロポリリン酸塩、例えば、ヒ酸リン酸塩、ホスホアルミン酸塩、ホスホホウ酸塩、ホスホクロム酸塩、ホスホモリブデン酸塩、ホスホケイ酸塩、ホスホ硫酸塩、ホスホタングステン酸塩、及びリン酸付加物、例えば、テルル酸、ハロゲン化物、ホウ酸塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、クロム酸塩、ケイ酸塩、シュウ酸塩、これらの混合物が付加されたリン酸アニオン、又は当業者に明らかであり得る他のものである。
本発明の一実施形態では、当該結晶性リン酸塩は、LiH2(1−x)PO(4−x)、NaH2(1−x)PO(4−x)、KH2(1−x)PO(4−x)、RbH2(1−x)PO(4−x)、CsH2(1−x)PO(4−x)、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択され、xは、0又は1であり、当該非リン酸塩化合物は、非晶質シリカ、石英、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該結晶性リン酸塩は、KH2(1−x)PO(4−x)であり、xは0又は1であり、当該非リン酸塩化合物は非晶質シリカである。本発明の別の実施形態では、当該結晶性リン酸塩は、CsH2(1−x)PO(4−x)であり、xは0又は1であり、当該非リン酸塩化合物は非晶質シリカである。
本発明の一実施形態では、当該結晶性リン酸塩は、LiwNa(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、LiwK(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、LiwRb(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、LiwCs(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、NawK(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、NawRb(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、NawCs(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、KwRb(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、KwCs(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、RbwCs(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択され、xは、0又は1であり、wは、0超かつ1未満の任意の実数であり、当該非リン酸塩化合物は、非晶質シリカ、石英、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、当該非リン酸塩化合物は、カチオンと、分子式[H(a−2b)ScO(4c−b)](2c−a)−及び[Ta2dO(5d+e)]2e−によって表される群から選択されるオキシアニオンとを含む中性に帯電しているオキシ塩を含み、で表され、式中、a及びbは、正の整数又はゼロであり、c、d、及びeは、正の整数であり、(a−2b)はゼロ以上であり、(2c−a)はゼロ超である。本発明の別の実施形態では、当該非リン酸塩化合物は、シリカを更に含む。
本発明の一実施形態では、当該オキシ塩の当該カチオンは、一価カチオン、多価カチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。当該オキシ塩の当該多価カチオンの非限定的な例は、アルカリ土類金属、遷移金属、ポスト遷移又は卑金属、及びメタロイドのカチオン;有機金属カチオン、置換アンモニウムカチオン、オキシカチオン(例えば、バナジル)、及び当業者に既知の他のカチオンである。本発明の別の実施形態では、当該オキシ塩の当該多価カチオンは、金属であるBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luのカチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の更に別の実施形態では、当該オキシ塩の当該多価カチオンは、金属であるMg、Ca、Sr、Ba、Y、Mn、Al、Erのカチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、当該オキシ塩の当該多価カチオンは、二価カチオン、三価カチオン、四価カチオン、五価カチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の一実施形態では、当該オキシ塩の当該多価カチオンは、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Sc3+、Y3+、Ti3+、Ti4+、Zr2+、Zr4+、Hf4+、V3+、V4+、Nb3+、Cr2+、Cr3+、Mo3+、Mo4+、Mn2+、Mn3+、Re4+、Al3+、Ga3+、In3+、Si4+、Ge4+、Sn4+、Pb4+、Sb3+、Sb5+、Bi3+、La3+、Ce3+、Ce4+、Pr3+、Nd3+、Sm3+、Eu3+、Gd3+、Tb3+、Dy3+、Ho3+、Er3+、Tm3+、Yb3+、Lu3+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該オキシ塩の当該多価カチオンは、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Y3+、Mn2+、Mn3+、Al3+、Er3+、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の更に別の実施形態では、当該オキシ塩の当該多価カチオンはBa2+である。
当該オキシ塩の当該一価カチオンの非限定的な例は、アルカリ金属のカチオンである。本発明の一実施形態では、当該オキシ塩の当該一価カチオンは、金属であるLi、Na、K、Rb、Cs、Ag、Tlのカチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該オキシ塩の当該一価カチオンは、金属であるK、Rb、Csのカチオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、当該オキシ塩の当該オキシアニオンは、分子式[SO4]2−、[S2O7]2−、[HSO4]1−、[SO4]2−、[HSO4]−、[Ta2O6]2−、[Ta2O7]4−、[Ta2O9]8−、[Ta2O10]10−、[Ta2O11]12−、[Ta4O11]2−、[Ta4O15]10−、及びこれらの混合物によって表される群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該オキシ塩の当該オキシアニオンは、分子式[SO4]2−、[Ta2O6]2−、及びこれらの混合物によって表される群から選択される。
当該オキシ塩の非限定的な例は、アルカリ土類金属の硫酸塩、アルカリ土類金属のタンタル酸塩、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の混合物の硫酸塩、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属の混合物のタンタル酸塩である。本発明の一実施形態では、当該オキシ塩は、CaSO4、SrSO4、BaSO4、SrK2(SO4)2、SrRb2(SO4)2、Ca2K2(SO4)3、Ca2Rb2(SO4)3、Ca2Cs2(SO4)3、CaTa4O11、SrTa4O11、BaTa4O11、MgTa2O6、CaTa2O6、SrTa2O6、BaTa2O6、Mg2Ta2O7、Ca2Ta2O7、Sr2Ta2O7、SrK2Ta2O7、Ba2Ta2O7、Ba3Ta2O8、Mg4Ta2O9、Ca4Ta2O9、Sr4Ta2O9、Ba4Ta2O9、Ca5Ta2O10、Ca2KTa3O10、Ca2RbTa3O10、Ca2CsTa3O10、Sr2KTa3O10、Sr2RbTa3O10、Sr2CsTa3O10、Mg5Ta4O15、Sr5Ta4O15、Ba5Ta4O15、Sr2KTa5O15、Ba2KTa5O15、Sr6Ta2O11、Ba6Ta2O11、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該オキシ塩は、CaSO4、CaTa2O6、SrSO4、SrTa2O6、BaSO4、BaTa2O6、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の更に別の実施形態では、当該オキシ塩は、BaSO4、BaTa2O6、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、当該結晶性リン酸塩は、KH2(1−x)PO(4−x)、RbH2(1−x)PO(4−x)、CsH2(1−x)PO(4−x)、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択され、xは、0又は1であり、当該非リン酸塩化合物は、CaSO4、CaTa2O6、SrSO4、SrTa2O6、BaSO4、BaTa2O6、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、当該結晶性リン酸塩は、KH2(1−x)PO(4−x)であり、xは0又は1であり、当該非リン酸塩化合物はBaSO4である。本発明の別の実施形態では、当該結晶性リン酸塩は、CsH2(1−x)PO(4−x)であり、xは0又は1であり、当該非リン酸塩化合物はBaSO4である。
本発明のなお更に別の実施形態では、当該結晶性リン酸塩は、KwRb(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、KwCs(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、RbwCs(1−w)H2(1−x)PO(4−x)、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択され、xは、0又は1であり、wは、0超かつ1未満の任意の実数であり、当該非リン酸塩化合物は、CaSO4、CaTa2O6、SrSO4、SrTa2O6、BaSO4、BaTa2O6、これらの水和物形態のいずれか、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、当該wは、約0.9超である。本発明の別の実施形態では、当該wは、約0.8超である。本発明の更に別の実施形態では、当該wは、約0.2未満である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該wは、約0.1未満である。
本発明の一実施形態では、当該結晶性リン酸塩は、水和物塩である。本発明の別の実施形態では、当該オキシ塩は、水和物塩である。本発明の別の実施形態では、当該非リン酸塩化合物は、水和物化合物である。水和物の塩又は化合物は、当該塩又は化合物の式単位当たり、特定の数の水分子を含有する。水和物の塩又は化合物の非限定的な例は、半水和物、一水和物、セスキ水和物、二水和物、三水和物、四水和物、五水和物、六水和物、七水和物、八水和物、九水和物、九水和物、及び十水和物の塩又は化合物である。
本発明の一実施形態では、当該触媒前駆体は、不活性担体を更に含む。不活性担持体の非限定的な例は、シリカ、ケイ酸塩、アルミナ、アルミン酸塩、アルミノケイ酸塩、チタニア、チタン酸塩、ジルコニア、ジルコン酸塩、炭素(例えば活性炭、ダイヤモンド、グラファイト、又はフラーレン等)、硫酸塩、リン酸塩、タンタル酸塩、セリア、他の金属酸化物、及びこれらの混合物である。本発明の更に別の実施形態では、不活性支持体は、シリカから本質的になる。本発明の更に別の実施形態では、シリカは、非晶質シリカ、石英、トリジマイト石、クリストバル石、モガン石、コース石、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の更に別の実施形態では、当該シリカは、非晶質シリカである。本発明の一実施形態では、シリカは、約10m2/g未満の比表面積を有する。本発明の別の実施形態では、不活性担体は、触媒前駆体の総重量に基づいて約20重量%〜約90重量%の量に相当する。
本発明の一実施形態では、触媒前駆体の総重量に基づく結晶性リン酸塩の重量は、約5重量%〜約90重量%である。本発明の別の実施形態では、触媒前駆体の総重量に基づく結晶性リン酸塩の重量は、約8重量%〜約60重量%である。本発明の更に別の実施形態では、触媒前駆体の総重量に基づく結晶性リン酸塩の重量は、約12重量%〜約40重量%である。本発明のなお更に別の実施形態では、触媒前駆体の総重量に基づく結晶性リン酸塩の重量は、約12重量%〜約17重量%である。本発明の一実施形態では、触媒前駆体の総重量に基づく結晶性リン酸塩の重量は、約26重量%〜約32重量%である。
本発明の一実施形態では、触媒前駆体は、CsPO3及び溶融シリカからなり、触媒前駆体の総重量に基づく当該CsPO3の重量は、約13重量%である。本発明の別の実施形態では、触媒前駆体は、CsPO3及び溶融シリカからなり、触媒前駆体の総重量に基づく当該CsPO3の重量は、約26重量%である。本発明の更に別の実施形態では、触媒前駆体は、KPO3及び溶融シリカからなり、触媒前駆体の総重量に基づく当該KPO3の重量は、約13重量%である。本発明のなお更に別の実施形態では、触媒前駆体は、KPO3及び溶融シリカからなり、触媒前駆体の総重量に基づく当該KPO3の重量は、約26重量%である。本発明の一実施形態では、触媒前駆体は、RbPO3及び溶融シリカからなり、触媒前駆体の総重量に基づく当該RbPO3の重量は、約13重量%である。本発明の別の実施形態では、触媒前駆体は、RbPO3及び溶融シリカからなり、触媒前駆体の総重量に基づく当該RbPO3の重量は、約26重量%である。
本発明の一実施形態では、触媒前駆体は、CsH2PO4及び溶融シリカからなり、触媒前駆体の総重量に基づく当該CsH2PO4の重量は、約14重量%である。本発明の別の実施形態では、触媒前駆体は、CsH2PO4及び溶融シリカからなり、触媒前駆体の総重量に基づく当該CsH2PO4の重量は、約28重量%である。本発明の更に別の実施形態では、触媒前駆体は、KH2PO4及び溶融シリカからなり、触媒前駆体の総重量に基づく当該KH2PO4の重量は、約15重量%である。本発明のなお更に別の実施形態では、触媒前駆体は、KH2PO4及び溶融シリカからなり、触媒前駆体の総重量に基づく当該KH2PO4の重量は、約30重量%である。本発明の一実施形態では、触媒前駆体は、RbH2PO4及び溶融シリカからなり、触媒前駆体の総重量に基づく当該RbH2PO4の重量は、約14重量%である。本発明の別の実施形態では、触媒前駆体は、RbH2PO4及び溶融シリカからなり、触媒前駆体の総重量に基づく当該RbH2PO4の重量は、約29重量%である。
本発明の一実施形態では、触媒前駆体は、
(NH
4)
l(H
(2+k−l)P
kO
(3k+1))、
(NH
4)
α(H
(w−α)P
(2v+w)O
(5v+3w))、
及び(H(CH
2)
βCOO)M
Iからなる群から選択される2つ以上の異なるリン酸塩化合物を含み、式中、M
Iは、Li
+、Na
+、K
+、Rb
+、Cs
+、Ag
+、Tl
+、及びこれらの混合物からなる群から選択される一価カチオンであり、i、k、m、q、s、及びvは、0超の整数であり、j、l、p、r、u、及びαは、0以上の実数であり、t、w、及びβは、0以上の整数であり、(2+i−j)、(2+k−l)、(m−p)、(q−r)、(t−u)、及び(w−α)は、0以上であり、当該触媒前駆体中の当該1つ以上の一価カチオンの総モルとリンの総モルとの比は約1である。
本発明の別の実施形態では、触媒前駆体は、1つ以上の一価カチオンと、分子式
によって表される群から選択される1つ以上のリン酸アニオンとから本質的になる1つ以上のリン酸塩を含み、yは、1以上の任意の整数であり、zは、3以上の任意の整数である。本発明の文脈において、分子式
によって表されるアニオンは、David R.Gardによる「Phosphoric Acids and Phosphates,Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology」(オンライン公開:2005年7月15日)及びD.E.C.Corbridgeによる「Phosphorus:Chemistry,Biochemistrty and Technology」(2013年)に記載されているようにシクロリン酸塩のアニオン又は長鎖線状ポリリン酸塩のアニオンのいずれかを指し得る。分子式
が長鎖ポリリン酸塩のアニオンを指すとき、2つの末端基酸素による過剰な負電荷のわずかな摂動を含まないという点で、この分子式は正確ではない。
本発明の触媒前駆体は、いくつかの化学反応を触媒するために利用され得る。反応の非限定的な例は、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物のアクリル酸への脱水;3−ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物のアクリル酸への脱水;グリセリンのアクロレインへの脱水;水の存在下における乳酸の3−ヒドロキシプロピオン酸への異性化;水素ガスの存在下におけるヒドロキシプロピオン酸のプロピオン酸又は1−プロパノールへの還元;脂肪族アルコールのアルケン又はオレフィンへの脱水;脂肪族アルコールのエーテルへの脱水素;その他脱水素、加水分解、アルキル化、脱アルキル化、酸化、不均化、エステル化、環化、異性化、縮合、芳香族化、重合;及び当業者に明らかであり得るその他の反応である。
IV 触媒を調製する方法
本発明の文脈において、リン酸塩の三重点は、リン酸塩の三相(すなわち、結晶性かつ完全に水和された、結晶性かつ完全に脱水された、及び非晶質かつ部分的に脱水された)が熱力学的平衡で共存する温度及び水分圧である。例として、限定するものではないが、三重点は、水分圧対温度相平衡図(図1を参照)における(3本のうちの)2本の相境界曲線の交点を決定することによって位置決めすることができる:曲線A:低い温度及び水分圧における、結晶性かつ完全に水和されたリン酸塩と結晶性かつ完全に脱水されたリン酸塩との間の相境界(例えば、リン酸カリウム塩については約248℃及び0.85バール未満、セシウムリン酸塩については約267℃及び0.35バール未満);曲線B:高い温度及び中程度の水分圧における、結晶性かつ完全に脱水されたリン酸塩と非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩との間の相境界(例えば、リン酸カリウム塩については約248℃及び0.85バール超、セシウムリン酸塩については約267℃及び0.35バール超);及び曲線C:高い温度及び高い水分圧における、結晶性かつ完全に水和されたリン酸塩と非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩との間の相境界。
相境界曲線は、例えば、その場X線回折(XRD)、熱分析(例えば、熱重量分析、示差熱分析、及び示差走査熱量測定法)、ラマン分光法、赤外分光法(IR)、核磁気共鳴(NMR)分光法、又はTaninouchi、Y.−k.,et al.,J.Electrochem.Soc.156:B572−B579(2009)若しくはIkeda,A.and Haile,S.M.,Solid State Ionics 2012,213:63〜71(2012)(全て参照として本明細書に組み込まれる)に記載されている方法が挙げられるが、これらに限定されない、当業者に既知の任意の方法によって決定することができる。例として、その場XRD法に基づく方法では、結晶性リン酸塩を含む触媒前駆体を、高温(例えば、450℃)で、不活性ガス(例えば、窒素、ヘリウム、又は空気)及び特定の水分圧の水蒸気からなる気体供給流と、平衡になるまで接触させる。続いて、X線回折パターンの変化を観察しながら、相転移が見られるまで温度を徐々に低下させる。異なる水分圧で同じ手順を繰り返し、転移温度を記録する。水分圧(対数目盛)を転移温度(線形目盛)に対してプロットし、アレニウス式(log10(PH2O)=A+B/T)に当てはめる。最後に、2本の相境界曲線(すなわち、図1中の曲線Aと曲線B)間の交点を決定することによって三重点を算出する。
本発明の活性触媒は、触媒の水分圧対温度相平衡図(例えば、図1)において、曲線Bと曲線Cとの間(三重点の上方の二股に分かれた領域)に位置する非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩である。これら活性触媒は、図1中の曲線A及びCの上方又は曲線A及びBの下方のいずれかに位置する結晶性リン酸塩を含有する触媒前駆体を、相平衡図における曲線Bと曲線Cとの間に位置する非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩になるのに十分な、結晶性リン酸塩の温度若しくは水分圧又は両方の組み合わせに供することによって生成することができる。
本発明の一実施形態では、結晶性リン酸塩を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、当該結晶性リン酸塩を当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩に変換するのに十分な温度及び水分圧で実施される。本発明の別の実施形態では、結晶性リン酸塩を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を、水蒸気、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、当該結晶性リン酸塩を当該非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩に変換するのに十分な温度及び水分圧で実施され、当該接触によって、当該ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物からアクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物が生成される。
本発明の一実施形態では、当該気体供給流が当該結晶性リン酸塩を含む触媒前駆体と接触する温度は、約120℃〜約700℃である。本発明の別の実施形態では、当該気体供給流が当該結晶性リン酸塩を含む触媒前駆体と接触する温度は、約150℃〜約500℃である。本発明の更に別の実施形態では、当該気体供給流が当該結晶性リン酸塩を含む触媒前駆体と接触する温度は、約300℃〜約450℃である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該気体供給流が当該結晶性リン酸塩を含む触媒前駆体と接触する温度は、約325℃〜約400℃である。
本発明の一実施形態では、当該気体供給流中の水分圧は、約0.4バール以上である。本発明の別の実施形態では、当該気体供給流中の水分圧は、約0.8バール以上である。本発明の更に別の実施形態では、当該気体供給流中の水分圧は、約0.4バール〜約20バールである。本発明のなお更に別の実施形態では、当該気体供給流中の水分圧は、約0.8バール〜約16バールである。本発明の一実施形態では、当該気体供給流中の水分圧は、約13バールである。
本発明の一実施形態では、当該気体供給流の全圧は、約1バール以上である。本発明の別の実施形態では、当該気体供給流の全圧は、約4バール以上である。本発明の更に別の実施形態では、当該気体供給流の全圧は、約4バール〜約35バールである。本発明のなお更に別の実施形態では、当該気体供給流の全圧は、約8バール〜約30バールである。本発明の一実施形態では、当該気体供給流の全圧は、約26バールである。
本発明の一実施形態では、CsPO3又はCsH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩CsH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約400℃であり、当該水分圧は、約3バール〜約20バールである。本発明の別の実施形態では、CsPO3又はCsH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩CsH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約375℃であり、当該水分圧は、約2バール〜約10バールである。本発明の更に別の実施形態では、CsPO3又はCsH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩CsH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約350℃であり、当該水分圧は、約1.5バール〜約5バールである。本発明のなお更に別の実施形態では、CsPO3又はCsH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩CsH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約325℃であり、当該水分圧は、約1バール〜約2バールである。本発明の一実施形態では、CsPO3又はCsH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩CsH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約300℃であり、当該水分圧は、約0.7バール〜約1.2バールである。
本発明の一実施形態では、CsPO3又はCsH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩CsH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該水分圧は、約1バールであり、当該温度は、約300℃〜約325℃である。本発明の別の実施形態では、CsPO3又はCsH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩CsH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該水分圧は、約2バールであり、当該温度は、約325℃〜約375℃である。本発明の更に別の実施形態では、CsPO3又はCsH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩CsH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該水分圧は、約3バールであり、当該温度は、約325℃〜約400℃である。本発明のなお更に別の実施形態では、CsPO3又はCsH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩CsH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該水分圧は、約10バールであり、当該温度は、約375℃〜約500℃である。
本発明の一実施形態では、当該触媒前駆体の総重量に基づく当該CsPO3の重量は、約13重量%である。本発明の別の実施形態では、当該触媒前駆体の総重量に基づく当該CsPO3の重量は、約26重量%である。
本発明の一実施形態では、KPO3又はKH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩KH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約400℃であり、当該水分圧は、約5バール〜約400バールである。本発明の別の実施形態では、KPO3又はKH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩KH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約375℃であり、当該水分圧は、約4バール〜約100バールである。本発明の更に別の実施形態では、KPO3又はKH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩KH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約350℃であり、当該水分圧は、約3バール〜約50バールである。本発明のなお更に別の実施形態では、KPO3又はKH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩KH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約325℃であり、当該水分圧は、約2バール〜約20バールである。本発明の一実施形態では、KPO3又はKH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩KH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約300℃であり、当該水分圧は、約1.5バール〜約7バールである。
本発明の一実施形態では、KPO3又はKH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩KH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該水分圧は、約2バールであり、当該温度は、約275℃〜約325℃である。本発明の別の実施形態では、KPO3又はKH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩KH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該水分圧は、約4バールであり、当該温度は、約285℃〜約375℃である。本発明の更に別の実施形態では、KPO3又はKH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩KH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該水分圧は、約8バールであり、当該温度は、約300℃〜約450℃である。
本発明の一実施形態では、当該触媒前駆体の総重量に基づく当該KPO3の重量は、約13重量%である。本発明の別の実施形態では、当該触媒前駆体の総重量に基づく当該KPO3の重量は、約26重量%である。
本発明の一実施形態では、RbPO3又はRbH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩RbH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約400℃であり、当該水分圧は、約4バール〜約200バールである。本発明の別の実施形態では、RbPO3又はRbH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩RbH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約375℃であり、当該水分圧は、約3バール〜約50バールである。本発明の更に別の実施形態では、RbPO3又はRbH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩RbH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約350℃であり、当該水分圧は、約2.5バール〜約25バールである。本発明のなお更に別の実施形態では、RbPO3又はRbH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩RbH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約325℃であり、当該水分圧は、約1.5バール〜約10バールである。本発明の一実施形態では、RbPO3又はRbH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩RbH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該温度は、約300℃であり、当該水分圧は、約1バール〜約4バールである。
本発明の一実施形態では、RbPO3又はRbH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩RbH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該水分圧は、約1.5バールであり、当該温度は、約290℃〜約325℃である。本発明の別の実施形態では、RbPO3又はRbH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩RbH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該水分圧は、約3バールであり、当該温度は、約300℃〜約375℃である。本発明の更に別の実施形態では、RbPO3又はRbH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩RbH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該水分圧は、約3バールであり、当該温度は、約325℃〜約400℃である。本発明のなお更に別の実施形態では、RbPO3又はRbH2PO4を含む触媒前駆体を、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩RbH2(1−x)PO(4−x)を含む活性触媒に変換する方法は、当該触媒前駆体を水蒸気を含む気体供給流と接触させることを含み、当該接触は、所定の温度及び水分圧で実施され、当該水分圧は、約10バールであり、当該温度は、約375℃〜約500℃である。
本発明の一実施形態では、当該触媒前駆体の総重量に基づく当該RbPO3の重量は、約13重量%である。本発明の別の実施形態では、当該触媒前駆体の総重量に基づく当該RbPO3の重量は、約26重量%である。
本発明の一実施形態では、触媒を調製する方法は、当該気体供給流と接触させる前に、当該触媒前駆体の粒子を成形することを更に含む。成形作業の非限定的な例として、造粒、凝集、圧縮、ペレット化、及び押し出しがある。本発明の別の実施形態では、触媒を調製する方法は、当該気体供給流と接触させる前に、当該触媒前駆体の粒子をサイズ低減又は粉砕することを更に含む。本発明の一実施形態では、触媒を調製する方法は、当該気体供給流と接触させる前に、当該触媒前駆体の粒子を篩分けして、特定のサイズ分布の材料を選択することを更に含む。本発明の別の実施形態では、触媒を調製する方法は、当該触媒前駆体の粒子を中央粒径が約50μm〜約500μmになるように篩分けすることを更に含む。本発明の更に別の実施形態では、触媒を調製する方法は、当該触媒前駆体の粒子を中央粒径が約100μm〜約200μmになるように篩分けすることを更に含む。本発明のなお更に別の実施形態では、触媒を調製する方法は、当該触媒前駆体の粒子を粒径が約106μm〜約212μmになるように篩分けすることを更に含む。
本発明の一実施形態では、活性触媒は、(a)KH2PO4と非晶質シリカとを約2:1〜約1:8の重量比で混合して触媒前駆体を生成することと、(b)当該触媒前駆体を約200℃〜約650℃で約1時間〜約12時間加熱して、焼成された触媒前駆体を生成することと、(c)任意選択的に、当該焼成された触媒前駆体を粉砕及び篩分けして、粉砕され、焼成された触媒前駆体を生成することと、(d)当該焼成された触媒前駆体又は当該粉砕され、焼成された触媒前駆体を、窒素及び水蒸気を含む気体供給流と接触させることとを介して調製され、当該気体供給流中の水分圧は、約5バール〜約15バールであり、当該接触は、約325℃〜約425℃の温度で実施されて、当該活性触媒が生成される。
本発明の別の実施形態では、活性触媒は、(a)KH2PO4とBaSO4とを約2:1〜約1:8の重量比で混合して触媒前駆体を生成することと、(b)当該触媒前駆体を約200℃〜約650℃で約1時間〜約12時間加熱して、焼成された触媒前駆体を生成することと、(c)任意選択的に、当該焼成された触媒前駆体を粉砕及び篩分けして、粉砕され、焼成された触媒前駆体を生成することと、(d)当該焼成された触媒前駆体又は当該粉砕され、焼成された触媒前駆体を、窒素及び水蒸気を含む気体供給流と接触させることとを介して調製され、当該気体供給流中の水分圧は、約5バール〜約15バールであり、当該接触は、約325℃〜約425℃の温度で実施されて、当該活性触媒が生成される。
本発明の別の実施形態では、活性触媒は、(a)K2HPO4、(NH4)2HPO4、及び非晶質シリカを約1.3:1.0:16.1〜約1.3:1.0:1.2の重量比で混合して触媒前駆体を生成することと、(b)当該触媒前駆体を約200℃〜約650℃で約1時間〜約12時間加熱して、焼成された触媒前駆体を生成することと、(c)任意選択的に、当該焼成された触媒前駆体を粉砕及び篩分けして、粉砕された触媒前駆体を生成することと、(d)当該焼成された触媒前駆体又は当該粉砕され、焼成された触媒前駆体を、窒素及び水蒸気を含む気体供給流と接触させることとを介して調製され、当該気体供給流中の水分圧は、約5バール〜約15バールであり、当該接触は、約325℃〜約425℃の温度で実施されて、当該活性触媒が生成される。
触媒前駆体を調製する方法は、2つ以上の異なる成分を混合することを含み得る。この混合工程は、固体混合、含浸、又は共沈などが挙げられるが、これらに限定されない、当業者に既知の任意の方法で実施できる。固体混合法では、様々な成分が、例えば、剪断、伸展、混練、押出、ボールミル及びその他の方法が挙げられるがこれらに限定されない当業者に既知の任意の方法を用いて、任意選択による粉砕工程を伴って物理的に混合され、別の方法としては、任意の追加処理又は活性化工程が続く。含浸法では、不溶性成分(例えば、不活性担体)の懸濁液を、触媒前駆体可溶性成分の溶液で処理し、次いで、得られた材料を、混合物がより活性化された、すなわち好ましい状態へと変換される条件下で処理又は活性化する。共沈法では、触媒前駆体成分の均質溶液を、追加成分を加えることによって沈殿させ、続いて、任意に濾過及び加熱して、溶媒及び揮発性材料(例えば、水、硝酸、二酸化炭素、アンモニア、又は酢酸)を除去する。
触媒前駆体成分を界面活性剤と混合し、続いて加熱することによって、触媒前駆体の表面積を増加させることができる。本発明の一実施形態では、触媒を調製する方法は、当該気体供給流と接触させる前に、1つ以上の界面活性剤を当該触媒前駆体と混合することを更に含む。本発明の別の実施形態では、当該1つ又は2つ以上の界面活性剤は、カチオン性又は双性イオン性である。界面活性剤の非限定的な例として、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化デシルトリメチルアンモニウム、及び臭化オクタデシルトリメチルアンモニウムがある。
加熱により、化学反応、熱分解、相転移、及び/又は揮発性材料の除去を促進できる。本発明の一実施形態では、活性触媒を調製する方法は、当該気体供給流と接触させる前に、当該触媒前駆体を180℃以上の温度で加熱することを更に含む。本発明の別の実施形態では、活性触媒を調製する方法は、当該気体供給流と接触させる前に、当該触媒前駆体を300℃以上の温度で加熱することを更に含む。本発明の更に別の実施形態では、活性触媒を調製する方法は、当該気体供給流と接触させる前に、当該触媒前駆体を約350℃〜約650℃の温度で加熱することを更に含む。本発明のなお更に別の実施形態では、活性触媒を調製する方法は、当該気体供給流と接触させる前に、当該触媒前駆体を約400℃〜約450℃の温度で加熱することを更に含む。当該加熱は、典型的には、例えば、対流、伝導、放射、マイクロ波加熱、及びその他などが挙げられるがこれらに限定されない、当業者に既知の任意の方法を用いて行われる。加熱は、シャフト炉、回転窯、炉床炉、流動床反応器、噴霧乾燥器(spay dryers)を含む、様々な設計の炉、噴霧器、又は反応器などが挙げられるがこれらに限定されない設備を用いて実施される。当該加熱の時間は、本発明の一実施形態では、約1時間〜約72時間である。別の実施形態では、当該加熱の時間は、約2時間〜約12時間である。更に別の実施形態では、当該加熱の時間は、約4時間である。一実施形態では、当該加熱における温度勾配は、約0.5°℃/分〜約20°℃/分である。別の実施形態では、当該加熱における温度勾配は、約10°℃/分である。
V アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を作製する方法
ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物へと脱水する方法を提供する。本発明の一実施形態では、ヒドロキシプロピオン酸は、乳酸(2−ヒドロキシプロピオン酸)、3−ヒドロキシプロピオン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択され、ヒドロキシプロピオン酸誘導体は、乳酸誘導体、3−ヒドロキシプロピオン酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の別の実施形態では、当該ヒドロキシプロピオン酸は乳酸であり、当該ヒドロキシプロピオン酸誘導体は乳酸誘導体である。乳酸は、D−乳酸、L−乳酸、又はこれらの混合物(ラセミ混合物を含む)であり得る。乳酸誘導体は、乳酸の金属若しくはアンモニウム塩、乳酸のアルキルエステル、乳酸オリゴマー、乳酸の環状ジエステル、乳酸無水物、2−アルコキシプロピオン酸若しくはそのアルキルエステル、2−アリールオキシプロピオン酸若しくはそのアルキルエステル、2−アシルオキシプロピオン酸若しくはそのアルキルエステル、又はこれらの混合物であってよい。乳酸の金属塩の非限定的な例は、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、及び乳酸カルシウムである。乳酸のアルキルエステルの非限定的な例は、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸2−エチルヘキシル、及びこれらの混合物である。乳酸の環状ジエステルの非限定的な例は、ジラクチドである。2−アルコキシプロピオン酸の非限定的な例は、2−メトキシプロピオン酸及び2−エトキシプロピオン酸である。2−アリールオキシプロピオン酸の非限定的な例は、2−フェノキシプロピオン酸である。2−アシルオキシプロピオン酸の非限定的な例は、2−アセトキシプロピオン酸である。本発明の更に別の実施形態では、乳酸誘導体は、乳酸メチルである。乳酸メチルは、未希釈、又は、水、メタノール又はこれらの混合物による溶液中にあってもよい。
3−ヒドロキシプロピオン酸誘導体は、3−ヒドロキシプロピオン酸の金属塩若しくはアンモニウム塩、3−ヒドロキシプロピオン酸のアルキルエステル、3−ヒドロキシプロピオン酸オリゴマー、3−アルコキシプロピオン酸若しくはそのアルキルエステル、3−アリールオキシプロピオン酸若しくはそのアルキルエステル、3−アシルオキシプロピオン酸若しくはそのアルキルエステル、又はこれらの混合物であってよい。3−ヒドロキシプロピオン酸の金属塩の非限定的な例は、3−ヒドロキシプロピオン酸ナトリウム、3−ヒドロキシプロピオン酸カリウム、及び3−ヒドロキシプロピオン酸カルシウムである。ヒドロキシプロピオン酸のアルキルエステルの非限定的な例は、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸2−エチルヘキシル、及びこれらの混合物である。3−アルコキシプロピオン酸の非限定的な例は、3−メトキシプロピオン酸及び3−エトキシプロピオン酸である。3−アリールオキシプロピオン酸の非限定的な例は、3−フェノキシプロピオン酸である。3−アシルオキシプロピオン酸の非限定的な例は、3−アセトキシプロピオン酸である。
ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物は、糖発酵、又は糖若しくはグリセリン等の他の原材料の化学的変換によって生成され得る。今日世界のほぼ全ての乳酸の製造は、糖発酵によるが、しかしながら、現在、化学的変換技術は、パイロット規模又はデモ規模である。また、糖原材料は、第1世代の糖(すなわち、トウモロコシ、サトウキビ、テンサイ、小麦、ジャガイモ、米等からの糖)又は第2世代の糖(すなわち、バイオマス、又はバガス、トウモロコシストーバ、籾殻、麦稈等の農業廃棄物の加水分解からの糖)であってもよい。
アクリル酸誘導体は、アクリル酸の金属塩若しくはアンモニウム塩、アクリル酸のアルキルエステル、アクリル酸オリゴマー、又はこれらの混合物であってよい。アクリル酸の金属塩の非限定的な例は、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、及びアクリル酸カルシウムである。アクリル酸のアルキルエステルの非限定的な例は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、又はこれらの混合物である。
本発明の一実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を作製する方法は、所定の温度、水分圧、GHSV、及びWHSVにおいて反応器内で、水蒸気及びヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む気体供給流を、本発明の第II章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための活性触媒)に開示されている任意の活性触媒又は第III章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための触媒前駆体)に開示されている任意の触媒前駆体と接触させて、当該ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を脱水することを含み、当該反応器内において脱水の結果としてアクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物が生成される。
本発明の一実施形態では、当該気体供給流は、水蒸気及びヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む。本発明の別の実施形態では、当該気体供給流は、本質的に化学的に不活性なガス(本明細書では希釈剤とも呼ぶ)を更に含む。本発明の文脈において、本質的に化学的に不活性なガスは、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物に対して本質的に化学的に不活性であるが、必ずしも当該触媒に対して不活性ではない、任意のガスである。本質的に化学的に不活性なガス又は希釈剤の非限定的な例は、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、及びこれらの混合物である。本発明の更に別の実施形態では、当該本質的に化学的に不活性なガス又は希釈剤は、窒素を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、当該本質的に化学的に不活性なガス又は希釈剤は、窒素から本質的になる。本発明の一実施形態では、当該気体供給流は、空気及び酸素からなる群から選択される気体を更に含む。
本発明の一実施形態では、当該気体供給流中のヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約0.5モル%〜約95モル%(STP条件下)である。本発明の別の実施形態では、当該気体供給流中のヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約1.5モル%〜約20モル%(STP条件下)である。本発明の更に別の実施形態では、当該気体供給流中のヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約2モル%〜約5モル%(STP条件下)である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該気体供給流中のヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約2.5モル%(STP条件下)である。本発明の一実施形態では、当該気体供給流中のヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約2.5モル%(STP条件下)であり、当該気体供給流中の水蒸気の濃度は、約50モル%(STP条件下)であり、当該気体供給流中の窒素の濃度は、約47.5モル%(STP条件下)である。本発明の別の実施形態では、当該気体供給流中のヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約10モル%(STP条件下)であり、当該気体供給流中の水蒸気の濃度は、約90モル%(STP条件下)である。
本発明の一実施形態では、当該気体供給流中の乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約0.5モル%〜約95モル%である。本発明の別の実施形態では、当該気体供給流中の乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約1.5モル%〜約20モル%である。本発明の更に別の実施形態では、当該気体供給流中の乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約2モル%〜約5モル%である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該気体供給流中の乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約2.5モル%である。本発明の一実施形態では、当該気体供給流中の乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約2.5モル%であり、当該気体供給流中の水蒸気の濃度は約50モル%であり、当該気体供給流中の窒素の濃度は約47.5モル%である。本発明の別の実施形態では、当該気体供給流中の乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約10モル%であり、当該気体供給流中の水蒸気の濃度は約90モル%である。
本発明での使用に好適な反応器の非限定的な例は、静的反応器、撹拌槽反応器、再循環反応器、流動床反応器、充填床流通式反応器、及びこれらの組み合わせである。本発明の一実施形態では、気体供給流は反応器に向かって下方に流れる。本発明の別の実施形態では、気体供給流は反応器に向かって上方に流れる。本発明の更に別の実施形態では、気体供給流は、反応器に向かって水平に流れる。
本発明の一実施形態では、反応器は、充填床流通式反応器である。典型的には、充填床流通式反応器は、管状反応器である。本発明の別の実施形態では、管状充填床流通式反応器は、単層反応器である。本発明の更に別の実施形態では、管状充填床流通式反応器は、二層反応器である。例示的な管状単層反応器の半断面を図2に示し、例示的な管状二層反応器の半断面を図3に示す。
図2中、単層反応器3は、内面35から外面55まで延在し、壁厚を有する単層25(壁とも呼ばれる)からなる。内面35は、触媒65と接触している。本発明の一実施形態では、単層反応器は、壁、外面、及び内面を備え、当該壁は、壁材で作製され、壁厚を有し、かつ当該外面から当該内面まで延在し、当該内面は、当該触媒と接触している。本発明の別の実施形態では、単層反応器の壁厚は、継ぎ目のない溶接鋼パイプの公称パイプ標準(Nominal Pipe Standard、NPS)(ANSI B36.10、1979年)に従う。本発明の更に別の実施形態では、単層反応器の壁厚は、約0.65インチ(1.651mm)〜約0.5インチ(12.7mm)である。本発明のなお更に別の実施形態では、単層反応器の壁厚は、約0.65インチ(1.651mm)〜約0.432インチ(10.973mm)である。本発明の一実施形態では、単層反応器の壁厚は、約0.065インチ(1.651mm)〜約0.337インチ(8.56mm)である。本発明の別の実施形態では、単層反応器の壁厚は、約0.133インチ(3.378mm)である。
図3中、二層反応器5は、触媒60と接触しており、かつ二層反応器5の最内面である内面30を備える。二層反応器5は、内層厚を有する内層10、外層厚を有する外層20、外層20と内層10との間の境界面40、及び管状反応器5の最外面である外表面50からなる。本発明の一実施形態では、二層反応器5の外層20は、2層以上の副層からなる。本発明の別の実施形態では、二層反応器は、外層、内層、外面、内表面、及び当該外層と当該内層との間の境界面を備え、当該外層は、外層材料から作製され、外層厚を有し、かつ当該境界面から当該外面まで延在し、当該内層は、内層材料から作製され、内層厚を有し、かつ当該内面から当該境界面まで延在し、当該内面は、当該触媒と接触している。本発明の更に別の実施形態では、当該外層は、2層以上の副層を含む。
本発明の一実施形態では、二層反応器の内層厚は、約1mm〜約20mmである。本発明の別の実施形態では、二層反応器の内層厚は、約1.5mm〜約10mmである。本発明の更に別の実施形態では、二層反応器の内層厚は、約2mm〜約8mmである。本発明のなお更に別の実施形態では、二層反応器の内層厚は、約3mm〜約6mmである。
本発明の一実施形態では、二層反応器の外層厚は、約1mm〜約20mmである。本発明の別の実施形態では、二層反応器の外層厚は、約1.6mm〜約12.7mmである。本発明の更に別の実施形態では、二層反応器の外層厚は、約2mm〜約9mmである。本発明のなお更に別の実施形態では、二層反応器の外層厚は、約3mm〜約6mmである。
本発明の一実施形態では、単層又は二層の反応器の外径(outer diameter、OD)は、継ぎ目のない溶接鋼パイプの公称パイプ標準(NPS)(ANSI B36.10、1979年)に従う。本発明の別の実施形態では、単層又は二層の反応器のODは、約0.84インチ(21.34mm)〜約9.625インチ(244.48mm)である。本発明の更に別の実施形態では、単層又は二層の反応器のODは、約1.315インチ(33.4mm)〜約6.625インチ(168.28mm)である。本発明のなお更に別の実施形態では、単層又は二層の反応器のODは、約2.375インチ(60.33mm)〜約4.5インチ(114.3mm)である。本発明の一実施形態では、単層又は二層の反応器のODは、約1.315インチ(33.4mm)である。
二層反応器の内層は、様々な方法によって形成することができる。二層反応器の内層を形成する方法の非限定的な例は、内層を外層に接合する、及び内層材料を含む浴中に外層を浸漬することである。本発明の一実施形態では、内層は、内層を外層に接合するプロセスによって形成される。本発明の別の実施形態では、接合プロセスは、クラッディング、レーザクラッディング、爆発クラッディング、電磁溶融クラッディング、融接、爆発溶接、糊付け、プレス、圧延、共押出、熱噴霧、電気めっき、及び化学蒸着からなる群から選択される。接合プロセスの非限定的な例は、ステンレス鋼外層の内側の銅管(内層)のクラッディング、ステンレス鋼外層内側のジルコニウム管(内層)の爆発クラッディング、ステンレス鋼外層上への銀の電気めっきである。本発明の更に別の実施形態では、内層は、平坦なシートの形態で外側層に接合され、次いで、内層及び外層を有する反応器管に溶接される。
本発明の更に別の実施形態では、内層は、内層材料を含む浴中に外層を浸漬するプロセスによって形成される。浸漬プロセスを介して形成されたステンレス鋼の外層材料及びアルミニウム又はアルミニウム及びケイ素混合物の内層材料の非限定的な例は、以下の市販合金である:アルミナ化鋼タイプ1ステンレス409及びアルミナ化鋼タイプ1ステンレス439(内層材料は、アルミニウムとケイ素との混合物である)、並びにアルミナ化鋼タイプ2(内側層材料は、アルミニウムのみである)(全てAK Steel Corp.(West Chester,OH)製)。浸漬プロセスは、バッチ、連続、又は半連続のモードで操作することができる。
本発明の活性触媒は、非晶質かつ部分的に脱水されたリン酸塩であるので、反応器に対して腐食性である場合がある。予想外なことに、二層反応器の内層材料又は単層反応器の壁材中のいくつかの特定の金属は、活性触媒の腐食作用を低減するか又はなくすことができる、すなわち、これら金属は耐食性反応器金属であることが見出された。いかなる理論にも束縛されるものではないが、出願人らは、耐食性反応器金属は、1)反応器の内面(すなわち、触媒及び気体供給流と接触している反応器の表面)上に酸化物及びこれら酸化物を含有する薄い不動態化層を形成するか、又は2)脱水条件下で金属として腐食免疫(corrosion immunity)を有すると考える。酸化物系表面不動態化層は、反応器の内面が酸化されたときに形成され得る。本発明の一実施形態では、酸化は脱水中に生じる。本発明の別の実施形態では、酸化は脱水前に生じる。本発明の更に別の実施形態では、脱水前に生じる酸化は、反応器の前処理工程の結果であり得る。いずれの場合も、酸化物系表面不動態化層は、他の反応器金属の酸化及び生じたイオンの触媒床への移動(すなわち、腐食)を低減するか又はなくす。触媒粒子への金属イオンの移動は、反応器の強度自体を低下させることに加えて、生成されるアクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物の収率及び選択率、及び触媒寿命に対して有害な影響を有し得る。酸化物中の金属カチオンは、内層材料又は壁材中の金属であり得る。
本発明の一実施形態では、接合プロセスの後に内面が酸化される。本発明の別の実施形態では、浸漬プロセスの後に内面が酸化される。
酸化物系表面不動態化層を形成する金属の非限定的な例は、反応器が脱水反応前又は脱水反応中に酸化されたときに、様々な内層又は壁材中に相当量で(例えば、約1重量%超)含有されているアルミニウムである。本発明の一実施形態では、内面が酸化され、アルミナを含む酸化物系表面不動態化層が形成される。アルミニウム含有量が高く、反応器の内面上にアルミナの酸化物系表面不動態化層を形成する壁材の非限定的な例は、以下の市販合金である:Sandvik AB(Stockholm,Sweden)製のKANTHAL APM(フェライト鉄−クロム−アルミニウム合金;FeCrAl合金)及びKANTHAL APMT(フェライト鉄−クロム−アルミニウム−モリブデン合金;FeCrAlMo合金);Haynes International,Inc.(Kokomo,IN)製のHAYNES(登録商標)214(登録商標)及びHAYNES(登録商標)HR−224(登録商標)合金(両方ともNi系合金);Special Metals Corporation(Huntington,WV)製のINCONEL(登録商標)合金693及びINCONEL(登録商標)合金601(両方ともNi系合金)、並びにINCOLLOY(登録商標)合金MA956(Fe−Cr−Al合金);並びにResistalloy Trading Limited(Sheffield,South Yorkshire,UK)製のFercalloy、Fercalloy 145、Fercalloy 135、及びResistalloy 134。
酸化物系表面不動態化層を形成する金属の非限定的な例は、反応器が脱水反応前又は脱水反応中に酸化されたときに、様々な内層又は壁材中に相当量(例えば、約1重量%超)含有されているケイ素である。本発明の一実施形態では、内面が酸化され、シリカを含む酸化物系表面不動態化層が形成される。ケイ素含有量が高く、反応器の内面上にシリカの酸化物系表面不動態化層を形成する壁材の非限定的な例は、以下の市販合金である:Sandvik AB(Stockholm,Sweden)製のSandvik SX及びSandvik 253 MA(両方ともオーステナイト鋼合金である);Haynes International,Inc.(Kokomo,IN)製のHAYNES(登録商標)HR−160(登録商標)及びHastelloy(登録商標)D−205合金(両方ともNi系合金である)。本発明の目的のために、Ni系合金は、約35重量%を超える量のNiを含有する合金である。
二層反応器の内層材料である金属混合物の非限定的な例は、ステンレス鋼の外層がアルミニウム及びケイ素を含む高温浴に浸漬され、アルミニウム及びケイ素の内層を形成するときに、浸漬プロセスを介して内層として形成されるアルミニウム及びケイ素の混合物である。次いで、脱水反応前又は脱水反応中に内層の表面を酸化させて、アルミナ及びシリカを含む反応器の内面上に酸化物系表面不動態化層を形成する。本発明の一実施形態では、内面が酸化され、アルミナ及びシリカを含む酸化物系表面不動態化層が形成される。
典型的には、酸化物系表面不動態化層の厚さは、約0.1nm〜1μmである。本発明の一実施形態では、酸化物系表面不動態化層の厚さは、約0.3nm〜約100nmである。本発明の別の実施形態では、酸化物系表面不動態化層の厚さは、約1nm〜約50nmである。本発明の更に別の実施形態では、酸化物系表面不動態化層の厚さは、約5nm〜約25nmである。
内層は、接合プロセス又は浸漬プロセスのいずれかによって形成された後、酸化されて、内面上に酸化物系表面不動態化層を形成することができる。気体供給流は水蒸気を含むので、脱水プロセス前又は脱水プロセス中に酸化プロセスを行い得る。酸化プロセス条件は、内層材料に依存し、典型的には当業者に周知である。脱水前の酸化プロセスの非限定的な例は、空気又は酸素雰囲気の使用を伴って、1)約500℃超の温度及び数時間の持続時間、又は2)工程1では、温度が約600℃であり、持続時間が約1時間であり、工程2では、温度が約1,000℃であり、持続時間が約1時間である2工程プロセスを含む。
本発明の一実施形態では、内層材料は、アルミニウム、ケイ素、銅、銀、金、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、白金、パラジウム、ジルコニウム、又はこれらの混合物からなる群から選択される。上記の金属の群から、アルミニウム、ケイ素、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、及びジルコニウムは、酸化物及び酸化物系表面不動態化層を形成することによって活性触媒の腐食作用を低減するか又はなくすが、一方、銅、銀、金、白金、及びパラジウムは、その耐食免疫により、金属(酸化物ではない)として活性触媒の腐食作用を低減するか又はなくす。本発明の別の実施形態では、反応器材料組成物は、アルミニウム、ケイ素、及びこれらの混合物からなる群から選択される金属を含む。本発明の別の実施形態では、内層材料は、銅、銀、及び金からなる群から選択される。本発明の更に別の実施形態では、内層材料は、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、白金、パラジウム、ジルコニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、内層材料は、アルミニウム、ケイ素、銅、銀、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の一実施形態では、内層材料は銅である。本発明の別の実施形態では、内層材料は銀である。本発明の別の実施形態では、内層材料はジルコニウムである。本発明の更に別の実施形態では、内層材料はチタンである。
本発明の一実施形態では、内層材料が、アルミニウム、ケイ素、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択されるとき、接合プロセスの後に内面を酸化する。本発明の別の実施形態では、内層材料が、アルミニウム、ケイ素、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択されるとき、浸漬プロセスの後に内面を酸化する。
本発明の一実施形態では、外層材料は、炭素鋼、ステンレス鋼、チタン、Ni系合金、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、外層材料はNi系合金である。本発明の更に別の実施形態では、外層材料は、ステンレス鋼及び炭素鋼からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、外層材料は炭素鋼である。本発明の一実施形態では、外層材料はステンレス鋼である。
本発明の一実施形態では、二層反応器の外層材料はステンレス鋼であり、内層材料は、アルミニウム、ケイ素、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、二層反応器の外層材料はステンレス鋼であり、内層材料はアルミニウムである。本発明の更に別の実施形態では、二層反応器の外層材料は炭素鋼であり、内層材料は、アルミニウム、ケイ素、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、二層反応器の外層材料は炭素鋼であり、内層材料はアルミニウムである。
ステンレス鋼の非限定的な例は、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、及び二相ステンレス鋼である。全てのステンレス鋼は、少なくとも10.5重量%のクロムを含有する。フェライト系ステンレス鋼は、400シリーズに分類され、ニッケルをほとんど含有せず、その一般的なグレードとしては、409、439、18Cr−2Mo、26Cr−1Mo、29Cr−4Mo、及び29Cr−4Mo−2Niが挙げられる。マルテンサイト系ステンレス鋼は、400シリーズに分類され、フェライトグレードよりも高い濃度の炭素を有し、その一般的なグレードとしては、410及び420が挙げられる。オーステナイト系ステンレス鋼のグレードは、200及び300シリーズに分類され、ステンレス鋼生産の70%超を占め、最低16重量%のクロム及び2重量%〜20重量%のニッケルを含有し、その最も一般的なグレードは、201、301、304、316、及び316Lである。最後に、二相ステンレス鋼は、オーステナイト系及びフェライト系のステンレス鋼の混合微細構造を有し、19重量%〜32重量%のクロム、最大5重量%のモリブデン、及びオーステナイト系ステンレス鋼よりも低いニッケル含有量を有する。Sandvik AB(Stockholm,Sweden)、Outokumpu Group(Espoo,Finland)、ThyssenKrupp AG(Essen,Germany)、Acerinox S.A.(Madrid,Spain)、及びAK Steel Corp.(West Chester,OH)が、ステンレス鋼グレードの主な製造業者である。
本発明の一実施形態では、二層反応器の外層材料はステンレス鋼であり、内層材料は銅である。本発明の別の実施形態では、二層反応器の外層材料はステンレス鋼であり、内層材料は銀である。本発明の更に別の実施形態では、二層反応器の外層材料はステンレス鋼であり、内層材料はチタンである。本発明のなお更に別の実施形態では、二層反応器の外層材料はステンレス鋼であり、内層材料はジルコニウムである。
本発明の一実施形態では、二層反応器の外層材料は炭素鋼であり、内層材料は銅である。炭素鋼は、0.12重量%〜2重量%の範囲の炭素、0.4重量%〜0.6重量%の範囲の銅、1.65重量%以下のマンガン、及び0.6重量%以下のケイ素を含有する。本発明の別の実施形態では、二層反応器の外層材料は炭素鋼であり、内層材料は銀である。本発明の更に別の実施形態では、二層反応器の外層材料は炭素鋼であり、内層材料はチタンである。本発明のなお更に別の実施形態では、二層反応器の外層材料は炭素鋼であり、内層材料はジルコニウムである。
本発明の一実施形態では、外層材料はステンレス鋼であり、内層材料は、アルミニウム及びケイ素を含む浴中に二層反応器の外層材料を浸漬するプロセスによって形成され、二層反応器の内面は酸化され、アルミナ及びシリカを含む酸化物系表面不動態化層を形成する。本発明の別の実施形態では、外層材料はステンレス鋼であり、内層材料は、アルミニウムを含む浴中に二層反応器の外層材料を浸漬するプロセスによって形成され、二層反応器の内面は酸化され、アルミナを含む酸化物系表面不動態化層を形成する。
本発明の一実施形態では、耐食性反応器金属は、アルミニウム、ケイ素、銅、銀、金、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、白金、パラジウム、ジルコニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、耐食性反応器金属は、アルミニウム、ケイ素、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の更に別の実施形態では、耐食性反応器金属は、銅、銀、金、白金、パラジウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、耐食性反応器金属は、アルミニウム、ケイ素、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の一実施形態では、耐食性反応器金属はアルミニウムである。本発明の別の実施形態では、耐食性反応器金属はケイ素である。本発明の更に別の実施形態では、耐食性反応器金属は、アルミニウム、ケイ素、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明のなお更に別の実施形態では、耐食性反応器金属は銅である。本発明の一実施形態では、耐食性反応器金属は銀である。
本発明の一実施形態では、耐食性反応器金属は、約1重量%を超える量で反応器材料中に存在する。本発明の別の実施形態では、耐食性反応器金属は、約2重量%を超える量で反応器材料中に存在する。本発明の更に別の実施形態では、耐食性反応器金属は、約3重量%を超える量で反応器材料中に存在する。本発明のなお更に別の実施形態では、耐食性反応器金属は、約4重量%を超える量で反応器材料中に存在する。本発明の一実施形態では、耐食性反応器金属は、約1重量%〜約6重量%の量で反応器材料中に存在する。本発明の別の実施形態では、耐食性反応器金属は、約3重量%〜約5重量%の量で反応器材料中に存在する。
本発明の一実施形態では、壁材は、約1重量%を超える量のアルミニウムを含む。本発明の別の実施形態では、壁材は、約2重量%を超える量のアルミニウムを含む。本発明の更に別の実施形態では、壁材は、約3重量%を超える量のアルミニウムを含む。本発明のなお更に別の実施形態では、壁材は、約4重量%を超える量のアルミニウムを含む。本発明の一実施形態では、壁材は、約1重量%〜約50重量%の量のアルミニウムを含む。本発明の別の実施形態では、壁材は、約1重量%〜約6重量%の量のアルミニウムを含む。本発明の更に別の実施形態では、壁材は、約1重量%〜約4重量%の量のアルミニウムを含む。本発明のなお更に別の実施形態では、壁材は、約3重量%〜約5重量%の量のアルミニウムを含む。
本発明の一実施形態では、壁材は、約1重量%を超える量のケイ素を含む。本発明の別の実施形態では、壁材は、約2重量%を超える量のケイ素を含む。本発明の更に別の実施形態では、壁材は、約3重量%を超える量のケイ素を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、壁材は、約4重量%を超える量のケイ素を含む。本発明の一実施形態では、壁材は、約1重量%〜約50重量%の量のケイ素を含む。本発明の別の実施形態では、壁材は、約1重量%〜約6重量%の量のケイ素を含む。本発明の更に別の実施形態では、壁材は、約3重量%〜約5重量%の量のケイ素を含む。
本発明の一実施形態では、壁材は、約50重量%〜約75重量%の量のニッケルを更に含む。本発明の別の実施形態では、壁材は、約15重量%〜約20重量%の量のクロムを更に含む。本発明の更に別の実施形態では、壁材は、約3重量%〜約30重量%の量の鉄を更に含む。本発明のなお更に別の実施形態では、壁材は、約50重量%〜約75重量%の量のニッケルと、約15重量%〜約20重量%の量のクロムと、約3重量%〜約30重量%の量の鉄とを更に含む。本発明の一実施形態では、壁材は、約1重量%を超える量のアルミニウムと、約50重量%〜約75重量%の量のニッケルと、約15重量%〜約20重量%の量のクロムと、約3重量%〜約30重量%の量の鉄とを含む。上記開示内の組成を有する市販の壁材の非限定的な例は、Haynes International,Inc.(Kokomo,IN)製のHAYNES(登録商標)214(登録商標)及びHAYNES(登録商標)HR−224(登録商標)合金である。
本発明の一実施形態では、壁材は、約60重量%の量のニッケルを更に含む。本発明の別の実施形態では、壁材は、約20重量%〜約30重量%の量のクロムを更に含む。本発明の更に別の実施形態では、壁材は、約3重量%〜約20重量%の量の鉄を更に含む。本発明のなお更に別の実施形態では、壁材は、約60重量%の量のニッケルと、約20重量%〜約30重量%の量のクロムと、約3重量%〜約20重量%の量の鉄とを更に含む。本発明の一実施形態では、壁材は、約1重量%を超える量のアルミニウムと、約60重量%の量のニッケルと、約20重量%〜約30重量%の量のクロムと、約3重量%〜約20重量%の量の鉄とを含む。上記開示内の組成を有する市販の壁材の非限定的な例は、Special Metals Corporation(Huntington,WV)製のINCONEL(登録商標)合金693及びINCONEL(登録商標)合金601である。
本発明の一実施形態では、壁材は、約70重量%の量の鉄を更に含む。本発明の別の実施形態では、壁材は、約22重量%の量のクロムを更に含む。本発明の更に別の実施形態では、壁材は、約70重量%の量の鉄と、約22重量%の量のクロムとを更に含む。本発明のなお更に別の実施形態では、壁材は、約1重量%を超える量のアルミニウムと、約70重量%の量の鉄と、約22重量%の量のクロムとを含む。上記開示内の組成を有する市販の壁材の非限定的な例は、Sandvik AB(Stockholm,Sweden)製のKANTHAL APM及びKANTHAL APMT;並びにSpecial Metals Corporation(Huntington,WV)製のINCOLLOY(登録商標)合金MA956(Fe−Cr−Al合金)である。
本発明の一実施形態では、壁材は、約10重量%〜約65重量%の量のニッケルを更に含む。本発明の別の実施形態では、壁材は、約15重量%〜約30重量%の量のクロムを更に含む。本発明の更に別の実施形態では、壁材は、約2重量%〜約65重量%の量の鉄を更に含む。本発明のなお更に別の実施形態では、壁材は、約1重量%を超える量のケイ素と、約10重量%〜約65重量%の量のニッケルと、約15重量%〜約30重量%の量のクロムと、約2重量%〜約65重量%の量の鉄とを含む。上記開示内の組成を有する市販の壁材の非限定的な例は、Sandvik AB(Stockholm,Sweden)製のSandvik SX及びSandvik 253 MA;並びにHaynes International,Inc.(Kokomo,IN)製のHAYNES(登録商標)HR−160(登録商標)及びHastelloy(登録商標)D−205合金である。
本発明の一実施形態では、単一層式反応器は、約1.3mm/年よりも低い腐食速度を有する。本発明の別の実施形態では、二層式反応器は、約1.3mm/年よりも低い腐食速度を有する。本発明の目的のために、腐食速度は、図4(Haynes International,Inc.のパンフレットからコピー)に示されているような金属組織学的技術を使用して測定される。より具体的には、この技術(当業者に既知)では、試験金属クーポンを触媒床に埋め込み、TOS(時間)の期間にわたって脱水反応を進行させる。脱水反応が停止した後、金属クーポンを触媒床から取り出し、典型的な金属組織学的分析に供するが、これは、図4に示すように、熱硬化性樹脂中にサンプルを埋め込み、当該樹脂を硬化させ、当該サンプルを研削してその表面を露出させ、当該サンプルのSEM分析を行って、金属損失[(A−B)/2]をmmで計算することを含む。次いで、CR={[(A−B)/2]×24×365}/TOS(式中、24は1日当たりの時間数を指し、365は1年当たりの日数を指す)として腐食速度(corrosion rate、CR)を1年当たりのmm(mm/y)で計算する。なお、この式は、TOS(典型的には数時間〜約72時間)にわたって観察された腐食を1年まで線形外挿すると仮定するものであるので、必ずしも正確ではない。
本発明の一実施形態では、腐食速度は約1mm/年よりも低い。本発明の別の実施形態では、腐食速度は約0.5mm/年よりも低い。本発明の更に別の実施形態では、腐食速度は約0.13mm/年よりも低い。本発明のなお更に別の実施形態では、腐食速度は、約0.05mm/年よりも低い。
本発明の一実施形態では、当該耐食性反応器金属は、約400℃で約700kJ/モルO2を超える酸化物の形成の標準自由エネルギーを有する。酸化物の形成の標準自由エネルギーは、当業者に周知であるように、エリンガムダイアグラムに見出すことができる。本発明の別の実施形態では、当該耐食性反応器金属は、約400℃で950kJ/モルO2を超える酸化物の形成の標準自由エネルギーを有する。本発明の更に別の実施形態では、当該耐食性反応器金属は、約400℃で約1050kJ/モルO2を超える酸化物の形成の標準自由エネルギーを有する。本発明のなお更に別の実施形態では、当該耐食耐性反応器金属は、Ca、Mg、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、当該耐食性反応器金属は、約25℃、約7未満のpH、及び水中約10−6モル/kgの酸化種の濃度で、標準水素電極(standard hydrogen electrode、SHE)に対して約0.2V未満の電位を有する。反応器金属の電位は、金属のプールベダイアグラムに見出すことができるか、又は当業者に周知であるように、ネルンスト式を使用して推定することができる。本発明の別の実施形態では、当該耐食性反応器金属は、約25℃、約7未満のpH、及び水中約10−6モル/kgの酸化種の濃度で、標準水素電極(SHE)に対して約0V未満の電位を有する。本発明の更に別の実施形態では、当該耐食性反応器金属は、約25℃、約7未満のpH、及び水中約10−6モル/kgの酸化種の濃度で、標準水素電極(SHE)に対して約0.2V〜約−0.3Vの電位を有する。
本発明の一実施形態では、当該脱水中の温度は、約100℃超である。本発明の別の実施形態では、当該脱水中の温度は、約120℃〜約700℃である。本発明の更に別の実施形態では、当該脱水中の温度は、約150℃〜約500℃である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該脱水中の温度は、約300℃〜約450℃である。本発明の一実施形態では、当該脱水中の温度は、約325℃〜約400℃である。本発明の別の実施形態では、当該脱水中の温度は、約350℃である。本発明の更に別の実施形態では、当該脱水中の温度は、約375℃である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該脱水中の温度は、当該触媒の三重点温度以上である。本発明の一実施形態では、当該脱水中の温度は、当該触媒の三重点温度よりも少なくとも10℃高い。本発明の別の実施形態では、当該脱水中の温度は、当該触媒の三重点温度よりも少なくとも50℃高い。本発明の更に別の実施形態では、当該脱水中の温度は、当該触媒の三重点温度よりも少なくとも100℃高い。
本発明の一実施形態では、当該脱水中の当該水分圧は、約0.4バール以上である。本発明の別の実施形態では、当該脱水中の当該水分圧は、約0.8バール以上である。本発明の更に別の実施形態では、当該脱水中の当該水分圧は、約4バール以上である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該脱水中の当該水分圧は、約5バール〜約35バールである。本発明の一実施形態では、当該脱水中の当該水分圧は、約13バールである。本発明の一実施形態では、当該脱水中の当該水分圧は、当該触媒の三重点水分圧以上である。本発明の別の実施形態では、当該脱水中の当該水分圧は、当該触媒の三重点水分圧よりも少なくとも1バール高い。本発明の更に別の実施形態では、当該脱水中の当該水分圧は、当該触媒の三重点水分圧よりも少なくとも2バール高い。本発明のなお更に別の実施形態では、当該脱水中の当該水分圧は、当該触媒の三重点水分圧よりも少なくとも5バール高い。
脱水は、真空下、大気圧、又は大気圧よりも高い圧力で実施してよい。本発明の一実施形態では、脱水は、少なくとも約1バールの全圧下で実施される。本発明の別の実施形態では、脱水は、約2バール〜約100バールの全圧下で実施される。本発明の更に別の実施形態では、脱水は、約5バール〜約40バールの全圧下で実施される。本発明のなお更に別の実施形態では、脱水は、約10バール〜約35バールの全圧下で実施される。本発明の一実施形態では、脱水は、約1.6バールの全圧下で実施される。本発明の別の実施形態では、脱水は、約8バールの全圧下で実施される。本発明の更に別の実施形態では、脱水は、約26バールの全圧下で実施される。
本発明の一実施形態では、脱水における当該GHSVは、約720h−1〜約36,000h−1である。本発明の別の実施形態では、当該GHSVは、約1,440h−1〜約18,000h−1である。本発明の更に別の実施形態では、当該GHSVは、約2,300h−1〜約6,000h−1である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該GHSVは、約2,300h−1〜約3,600h−1である。本発明の一実施形態では、当該GHSVは、約2,300h−1である。本発明の別の実施形態では、当該GHSVは、約3,600h−1である。
本発明の一実施形態では、WHSVは、約0.02h−1〜約10h−1である。本発明の別の実施形態では、WHSVは、約0.2h−1〜約2h−1である。本発明の更に別の実施形態では、WHSVは、約0.3h−1〜約1.4−1である。本発明のなお更に別の実施形態では、WHSVは、約0.3h−1〜約0.4−1である。本発明の一実施形態では、当該WHSVは、約0.4h−1である。
本発明の文脈において、「接触させる」とは、当該水蒸気及びヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む気体供給流を、当該触媒の表面にごく近接させる行為を指す。ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物は、脱水反応が生じるように十分遅いが、当該接触工程の温度において、ヒドロキシプロピオン酸、アクリル酸、又はこれらの誘導体が望ましくない生成物に分解されることを回避するには十分速い速度で、触媒の表面に接触しなければならない。WHSV、GHSV、LHSV、及びWHSVと触媒比表面積(specific surface area、SA)との比(WVSA=WHSV/SA)(単位:g/m2・h、gはヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物のgを指す)として計算することができる、到達可能な触媒表面積の単位当たり重量速度(weight velocity per unit of accessible catalyst surface area、WVSA)などが挙げられるがこれらに限定されない、いくつかのパラメーターを用いて、当該接触工程の速度を説明することができる。当業者に周知の静的容積及び重量法、並びに動的法が挙げられるが、これらに限定されない、不活性ガスの吸着に基づく多くの方法を用いて、到達可能な表面積を求めることができる。
本発明の一実施形態では、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物は、約10−4g・m−2・h−1〜約104g・m−2・h−1のWVSAで触媒に接触する。本発明の別の実施形態では、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物は、約10−2g・m−2・h−1〜約10−2g・m−2・h−1のWVSAで触媒に接触する。本発明の更に別の実施形態では、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物は、約0.1g・m−2・h−1〜約10g・m−2・h−1のWVSAで触媒に接触する。
本発明の一実施形態では、当該ヒドロキシプロピオン酸は乳酸であり、当該気体供給流は希釈剤を含み、当該希釈剤は窒素から本質的になり、当該温度は約300℃〜約450℃であり、当該水分圧は0.8バール以上であり、当該GHSVは約2,300h−1〜約3,600h−1であり、当該WHSVは約0.2h−1〜約2h−1である。
本発明の一実施形態では、TOSは、約2時間よりも長い。本発明の別の実施形態では、TOSは、約2時間〜約24時間である。本発明の更に別の実施形態では、TOSは、約24時間〜約48時間である。本発明のなお更に別の実施形態では、TOSは、約24時間〜約72時間である。本発明の一実施形態では、TOSは、約72時間である。本発明の別の実施形態では、TOSは、約1000時間よりも長い。本発明の更に別の実施形態では、TOSは、約1年間である。
本発明の一実施形態では、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも50モル%の収率で生成される。本発明の別の実施形態では、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約70%の収率で生成される。本発明の更に別の実施形態では、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約80モル%の収率で生成される。
本発明の一実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約50モル%の選択率で生成される。本発明の別の実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約70モル%の選択率で生成される。本発明の更に別の実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約80モル%の選択率で生成される。
本発明の一実施形態では、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約70モル%の収率及び少なくとも約70モル%の選択率で生成される。本発明の別の実施形態では、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約80モル%の収率及び少なくとも約80モル%の選択率で生成される。
本発明の一実施形態では、プロピオン酸は、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に不純物として生成され、プロピオン酸の選択率は、約5モル%未満である。本発明の別の実施形態では、プロピオン酸は、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に不純物として生成され、プロピオン酸の選択率は、約1モル%未満である。
本発明の一実施形態では、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約70モル%の収率及び約72時間のTOSにわたって少なくとも約70モル%の選択率で生成され、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に不純物としてプロピオン酸が生成され、当該プロピオン酸の選択率は、当該約72時間の当該TOSにわたって約5モル%未満である。本発明の別の実施形態では、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約80モル%の収率及び約72時間のTOSにわたって少なくとも約80モル%の選択率で生成され、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に不純物としてプロピオン酸が生成され、当該プロピオン酸の選択率は、当該約72時間の当該TOSにわたって約1モル%未満である。
本発明の一実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、及びこれらの混合物の約50%を超える変換率で生成される。本発明の別の実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、及びこれらの混合物の約80%を超える変換率で生成される。
本発明の一実施形態では、酢酸、ピルビン酸、1,2−プロパンジオール、ヒドロキシアセトン、アクリル酸二量体、及び2,3−ペンタンジオンは各々、約2モル%未満の収率でアクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に生成される。本発明の別の実施形態では、酢酸、ピルビン酸、1,2−プロパンジオール、ヒドロキシアセトン、アクリル酸二量体、及び2,3−ペンタンジオンは各々、約0.5モル%未満の収率でアクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に生成される。本発明の更に別の実施形態では、アセトアルデヒドは、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に、約8モル%未満の収率で生成される。本発明のなお更に別の実施形態では、アセトアルデヒドは、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に、約4モル%未満の収率で生成される。本発明の一実施形態では、アセトアルデヒドは、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に、約3モル%未満の収率で生成される。
本発明の一実施形態では、当該リン酸塩は結晶性であり、当該xは1であり、当該カチオンはK+であり、当該壁材は、約50重量%〜約75重量%の量のニッケルと、約15重量%〜約20重量%の量のクロムと、約3重量%〜約30%の量の鉄とを更に含み、当該アルミニウムの当該量は、約3重量%〜約5重量%であり、当該ヒドロキシプロピオン酸は乳酸であり、当該温度は約375℃であり、当該水分圧は約13バールであり、当該GHSVは約2,300h−1であり、当該WHSVは約0.3h−1〜約0.4h−1であり、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約80%の収率、及び約72時間のTOSにわたって少なくとも約80%の選択率で生成され、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に不純物としてプロピオン酸が生成され、当該プロピオン酸の選択率は、約72時間のTOSにわたって約1モル%未満である。
本発明の別の実施形態では、当該リン酸塩は結晶性であり、当該xは1であり、当該カチオンはCs+であり、当該壁材は、約50重量%〜約75重量%の量のニッケルと、約15重量%〜約20重量%の量のクロムと、約3重量%〜約30%の量の鉄とを更に含み、当該アルミニウムの当該量は、約3重量%〜約5重量%であり、当該ヒドロキシプロピオン酸は乳酸であり、当該温度は約375℃であり、当該水分圧は約13バールであり、当該GHSVは約2,300h−1であり、当該WHSVは約0.3h−1〜約0.4h−1であり、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約80%の収率、及び約72時間のTOSにわたって少なくとも約80%の選択率で生成され、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に不純物としてプロピオン酸が生成され、当該プロピオン酸の選択率は、約72時間の当該TOSにわたって約1モル%未満である。
本発明の更に別の実施形態では、当該リン酸塩は結晶性であり、当該xは1であり、当該カチオンはK+であり、当該壁材は、約60重量%の量のニッケルと、約20重量%〜約30重量%の量のクロムと、約3重量%〜約20%の量の鉄とを更に含み、当該アルミニウムの当該量は、約1重量%〜約4重量%であり、当該ヒドロキシプロピオン酸は乳酸であり、当該温度は約375℃であり、当該水分圧は約13バールであり、当該GHSVは約2,300h−1であり、当該WHSVは約0.3h−1〜約0.4h−1であり、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約80%の収率、及び約72時間のTOSにわたって少なくとも約80%の選択率で生成され、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約80モル%の収率、及び約72時間のTOSにわたって少なくとも約80モル%の選択率で生成され、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に不純物としてプロピオン酸が生成され、当該プロピオン酸の選択率は、約72時間の当該TOSにわたって約1モル%未満である。
本発明のなお更に別の実施形態では、当該リン酸塩は結晶性であり、当該xは1であり、当該カチオンはCs+であり、当該壁材は、約60重量%の量のニッケルと、約20重量%〜約30重量%の量のクロムと、約3重量%〜約20%の量の鉄とを更に含み、当該アルミニウムの当該量は、約1重量%〜約4重量%であり、当該ヒドロキシプロピオン酸は乳酸であり、当該温度は約375℃であり、当該水分圧は約13バールであり、当該GHSVは約2,300h−1であり、当該WHSVは約0.3h−1〜約0.4h−1であり、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約80%の収率、及び約72時間のTOSにわたって少なくとも約80%の選択率で生成され、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約80モル%の収率、及び約72時間のTOSにわたって少なくとも約80モル%の選択率で生成され、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に不純物としてプロピオン酸が生成され、当該プロピオン酸の選択率は、約72時間の当該TOSにわたって約1モル%未満である。
本発明の一実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を作製する方法は、所定の温度、水分圧、GHSV、及びWHSVにおいて単層反応器内で水蒸気及びヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む気体供給流を触媒と接触させて、当該ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を脱水することを含み、当該触媒は、カチオン及び実験式[H2(1−x)PO(4−x)]−によって表されるアニオンを含むリン酸塩を含み、xは、0以上かつ1以下の任意の実数であり、当該水分圧は、約0.4バール以上であり、当該単層反応器は、壁、外面、及び内面を備え、当該壁は、壁材から作製され、壁厚を有し、かつ当該外面から当該内面まで延在し、当該壁材は、約1重量%を超える量のアルミニウムを含み、当該内面は、当該触媒と接触しており、当該単層反応器は、当該脱水中に約1.3mm/y未満の腐食速度を有し、当該単層反応器における当該脱水の結果としてアクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物が生成される。
本発明の別の実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を作製する方法は、所定の温度、水分圧、GHSV、及びWHSVにおいて単層反応器内で水蒸気及び乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物を含む気体供給流を触媒と接触させて、当該乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物を脱水することを含み、当該触媒は、一価カチオン及び実験式[H2(1−x)PO(4−x)]−によって表されるアニオンを含むリン酸塩を含み、xは、0以上かつ1以下の任意の実数であり、当該カチオンは、K+、Cs+、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該温度は、約300℃〜約450℃であり、当該水分圧は、約0.4バール以上であり、当該GHSVは、約2,300h−1であり、当該WHSVは、約0.3h−1〜約0.4h−1であり、当該単層反応器は、壁、外面、及び内面を備え、当該壁は、壁材から作製され、壁厚を有し、かつ当該外面から当該内面まで延在し、当該壁材は、約1重量%を超える量のアルミニウムを含み、当該内面は、当該触媒と接触しており、当該単層反応器は、当該脱水中に約1.3mm/y未満の腐食速度を有し、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物は、少なくとも約80モル%の収率、及び約72時間のTOSにわたって少なくとも約80モル%の選択率で生成され、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物と共に不純物としてプロピオン酸が生成され、当該プロピオン酸の選択率は、約72時間の当該TOSにわたって約1モル%未満である。
本発明の更に別の実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を作製する方法は、所定の温度、水分圧、GHSV、及びWHSVにおいて単層反応器内で水蒸気及びヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む気体供給流を触媒と接触させて、当該ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を脱水することを含み、当該触媒は、カチオン及び実験式[H2(1−x)PO(4−x)]−によって表されるアニオンを含むリン酸塩を含み、xは、0以上かつ1以下の任意の実数であり、当該水分圧は、約0.4バール以上であり、当該単層反応器は、壁、外面、及び内面を備え、当該壁は、壁材から作製され、壁厚を有し、かつ当該外面から当該内面まで延在し、当該壁材は、約1重量%を超える量のケイ素を含み、当該内面は、当該触媒と接触しており、当該単層反応器は、当該脱水中に約1.3mm/y未満の腐食速度を有し、当該単層反応器における当該脱水の結果としてアクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物が生成される。
本発明のなお更に別の実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を作製する方法は、所定の温度、水分圧、GHSV、及びWHSVにおいて二層反応器内で水蒸気及びヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む気体供給流を触媒と接触させて、当該ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を脱水することを含み、当該触媒は、カチオン及び実験式[H2(1−x)PO(4−x)]−によって表されるアニオンを含むリン酸塩を含み、xは、0以上かつ1以下の任意の実数であり、当該水分圧は、約0.4バール以上であり、当該二層反応器は、外層、内層、外面、内面、及び当該外層と当該内層との間の境界面を備え、当該外層は、外層材料から作製され、外層厚を有し、かつ当該境界面から当該外面まで延在し、当該内層は、内層材料から作製され、内層厚を有し、かつ当該内面から当該境界面まで延在し、当該内層材料は、アルミニウム、ケイ素、銅、銀、金、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、白金、パラジウム、ジルコニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該内面は、当該触媒と接触しており、当該二層反応器は、当該脱水中に約1.3mm/y未満の腐食速度を有し、当該二層反応器における当該脱水の結果としてアクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物が生成される。
本発明の一実施形態では、当該水蒸気及びヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む気体供給流は、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む液体供給流を水蒸気と接触させることによって生成される。本発明の別の実施形態では、当該水蒸気及び乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物を含む気体供給流は、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物を含む液体供給流を水蒸気と接触させることによって生成される。本発明の更に別の実施形態では、当該ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む液体供給流は、1つ以上の本質的に化学的に不活性な液体を更に含んでいてよい。本質的に化学的に不活性な液体の非限定的な例は、水、炭化水素、塩素化炭化水素、フッ素化炭化水素、臭化炭化水素、エステル、エーテル、ケトン、アルデヒド、酸、アルコール、又はこれらの混合物である。炭化水素の非限定的な例は、C5〜C8線状及び分岐状アルカンである。エステルの非限定的な例は、酢酸エチルである。エーテルの非限定的な例は、ジフェニルエーテルである。ケトンの非限定的な例は、アセトンである。アルコールの非限定的な例は、メタノール、エタノール、並びにC3〜C8直鎖及び分枝鎖アルコールである。本発明の一実施形態では、当該1つ又は2つ以上の本質的に化学的に不活性な液体は、水を含む。本発明の一実施形態では、当該1つ又は2つ以上の本質的に化学的に不活性な液体は、水から本質的になる。
本発明の一実施形態では、水及びヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む液体供給流を、液体供給流用の触媒反応器の上流の蒸発器に供給して、当該触媒に接触させる前に、少なくとも部分的に、水蒸気及びヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む気体供給流にする。本発明の別の実施形態では、水及びヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む液体供給流を触媒反応器に直接投入して、当該触媒と接触させる。本発明の更に別の実施形態では、本質的に化学的に不活性なガス又は本質的に化学的に不活性な液体を、蒸発器内又は触媒反応器内に投入する。ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む液体供給流と、本質的に化学的に不活性なガス又は本質的に化学的に不活性な液体とを、当該蒸発器又は当該触媒反応器内に一緒に投入又は別々に投入してよい。本質的に化学的に不活性なガスの非限定的な例は、窒素、ヘリウム、空気、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素、水蒸気、及びこれらの混合物である。本質的に化学的に不活性な液体の非限定的な例は、水、炭化水素、塩素化炭化水素、フッ素化炭化水素、臭化炭化水素、エステル、エーテル、ケトン、アルデヒド、酸、アルコール、又はこれらの混合物である。
本発明の一実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を作製する方法は、a)ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む液体供給流を提供することと、b)任意選択的に、当該液体供給流を本質的に化学的に不活性なガスと合わせて液体/気体ブレンドを形成することと、c)約0.4バール以上の水分圧下で、当該液体供給流又は当該液体/気体ブレンドを、本発明の第II章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための活性触媒)に開示されている任意の触媒又は第III章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための触媒前駆体)に開示されている任意の触媒前駆体と接触させて、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を生成することとを含む。
本発明の別の実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を作製する方法は、a)ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液を含む液体供給流を提供することと、b)任意選択的に、当該液体供給流を本質的に化学的に不活性なガスと合わせて液体/気体ブレンドを形成することと、c)約0.4バール以上の水分圧下で、当該液体供給流又は当該液体/気体ブレンドを、本発明の第II章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための活性触媒)に開示されている任意の触媒又は第III章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための触媒前駆体)に開示されている任意の触媒前駆体と接触させて、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を生成することとを含む。
本発明の更に別の実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を作製する方法は、a)ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液を含む液体供給流を提供することと、b)任意選択的に、当該液体供給流を本質的に化学的に不活性なガスと合わせて液体/気体ブレンドを形成することと、c)当該液体供給流又は当該液体/気体ブレンドを蒸発させて気体供給流を生成することと、d)約0.4バール以上の水分圧下で、当該気体供給流を、本発明の第II章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための活性触媒)に開示されている任意の触媒又は第III章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための触媒前駆体)に開示されている任意の触媒前駆体と接触させて、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を生成することとを含む。
本発明のなお更に別の実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を作製する方法は、a)ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液を含む液体供給流を提供することであって、当該ヒドロキシプロピオン酸が当該水溶液中において本質的にモノマー形態であることと、b)任意選択的に、当該液体供給流を本質的に化学的に不活性なガスと合わせて液体/気体ブレンドを形成することと、c)当該液体供給流又は当該液体/気体ブレンドを蒸発させて気体供給流を生成することと、d)約0.4バール以上の水分圧下で、当該気体供給流を、本発明の第II章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための活性触媒)に開示されている任意の触媒又は第III章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための触媒前駆体)に開示されている任意の触媒前駆体と接触させて、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を生成することとを含む。
本発明の一実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を作製する方法は、a)ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液を含む液体供給流を提供することであって、当該ヒドロキシプロピオン酸が当該水溶液中において本質的にモノマー形態であり、当該ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物が、当該水溶液の約10重量%〜約25重量%を占めることと、b)任意選択的に、当該液体供給流を本質的に化学的に不活性なガスと合わせて液体/気体ブレンドを形成することと、c)当該液体供給流又は当該液体/気体ブレンドを蒸発させて気体供給流を生成することと、d)約0.4バール以上の水分圧下で、当該気体供給流を、本発明の第II章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための活性触媒)に開示されている任意の触媒又は第III章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための触媒前駆体)に開示されている任意の触媒前駆体と接触させて、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を生成することとを含む。
本発明の別の実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を作製する方法は、a)ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液を含む液体供給流を提供することであって、当該ヒドロキシプロピオン酸が当該水溶液中にオリゴマーを含むことと、b)当該液体供給流を約50℃〜約100℃の温度で加熱して、当該ヒドロキシプロピオン酸のオリゴマーを加水分解し、モノマーヒドロキシプロピオン酸を含む液体供給流を生成することと、c)任意選択的に、当該モノマーヒドロキシプロピオン酸を含む液体供給流を本質的に化学的に不活性なガスと合わせて液体/気体ブレンドを形成することと、d)当該モノマーヒドロキシプロピオン酸を含む液体供給流又は当該液体/気体ブレンドを蒸発させて気体供給流を生成することと、e)約0.4バール以上の水分圧下で、当該気体供給流を、本発明の第II章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための活性触媒)に開示されている任意の触媒又は第III章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための触媒前駆体)に開示されている任意の触媒前駆体と接触させて、当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を生成することとを含む。
本発明の更に別の実施形態では、アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を作製する方法は、a)ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液を含む液体供給流を提供することと、b)任意選択的に、当該液体供給流を本質的に化学的に不活性なガスと合わせて液体/気体ブレンドを形成することと、c)当該液体供給流又は当該液体/気体ブレンドを蒸発させて気体供給流を生成することと、d)約0.4バール以上の水分圧下で、当該気体供給流を、本発明の第II章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための活性触媒)に開示されている任意の触媒又は第III章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための触媒前駆体)に開示されている任意の触媒前駆体と接触させて、アクリル酸流を生成することと、e)当該アクリル酸流を冷却して当該アクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を含む液体アクリル酸流を生成することとを含む。
本発明の一実施形態では、当該液体供給流中のヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約2重量%〜約95重量%である。本発明の別の実施形態では、当該液体供給流中のヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約5重量%〜約60重量%である。本発明の更に別の実施形態では、当該液体供給流中のヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約10重量%〜約40重量%である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該液体供給流中のヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約20重量%である。
本発明の一実施形態では、液体供給流は、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液を含む。本発明の別の実施形態では、液体供給流は、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液を含む。本発明の別の実施形態では、当該水溶液中の当該乳酸誘導体は、乳酸の金属若しくはアンモニウム塩、乳酸のアルキルエステル、乳酸オリゴマー、乳酸の環状ジエステル、乳酸無水物、2−アルコキシプロピオン酸若しくはそのアルキルエステル、2−アリールオキシプロピオン酸若しくはそのアルキルエステル、2−アシルオキシプロピオン酸若しくはそのアルキルエステル、又はこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、当該水溶液中の乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約2重量%〜約95重量%である。本発明の別の実施形態では、当該水溶液中の乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約5重量%〜約60重量%である。本発明の更に別の実施形態では、当該水溶液中の乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約10重量%〜約40重量%である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該水溶液中の乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の濃度は、約20重量%である。本発明の一実施形態では、当該液体供給流は、乳酸誘導体と共に乳酸の水溶液を含む。本発明の別の実施形態では、当該液体供給流は、当該液体供給流の総重量に基づいて、約30重量%未満の乳酸誘導体を含む。本発明の更に別の実施形態では、当該液体供給流は、当該液体供給流の総重量に基づいて、約10重量%未満の乳酸誘導体を含む。本発明のなお更に別の実施形態では、当該液体供給流は、当該液体供給流の総重量に基づいて、約5重量%未満の乳酸誘導体を含む。
乳酸は、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の当該水溶液中で、モノマー形態で、又はオリゴマーとして存在してよい。本発明の一実施形態では、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の当該水溶液中の乳酸のオリゴマーは、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の総量に基づいて、約30重量%未満である。本発明の別の実施形態では、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の当該水溶液中の乳酸のオリゴマーは、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の総量に基づいて、約10重量%未満である。本発明の更に別の実施形態では、当該乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液中の乳酸のオリゴマーは、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の総量に基づいて、約5重量%未満である。本発明のなお更に別の実施形態では、乳酸は、当該乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液中で本質的にモノマー形態である。
乳酸、乳酸誘導体、及びこれらの混合物の水溶液からオリゴマーを除去するプロセスは、精製工程、又は、加熱による加水分解工程を含んでよい。本発明の一実施形態では、加熱工程は、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液を約50℃〜約100℃の温度で加熱して、乳酸のオリゴマーを加水分解することを含んでよい。本発明の別の実施形態では、加熱工程は、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液を約95℃〜約100℃の温度で加熱して、乳酸のオリゴマーを加水分解することを含んでよい。本発明の更に別の実施形態では、加熱工程は、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液を、約50℃〜約100℃の温度で加熱して、乳酸のオリゴマーを加水分解し、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の総量に基づいて少なくとも80重量%の、モノマー形態の乳酸を含むモノマー乳酸水溶液を生成することを含んでよい。本発明のなお更に別の実施形態では、加熱工程は、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液を、約50℃〜約100℃の温度で加熱して、乳酸のオリゴマーを加水分解し、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の総量に基づいて少なくとも95重量%の、モノマー形態の乳酸を含むモノマー乳酸水溶液を生成することを含んでよい。本発明の一実施形態では、約88重量%の乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の水溶液を水で希釈し、オリゴマーを加水分解して、約20重量%の乳酸水溶液を生成する。乳酸オリゴマーは、沸点が高いため、アクリル酸選択率が低下する原因となり得る。水溶液における含水量が減少するにつれて、蒸発工程における喪失に起因して、触媒反応への供給材料の喪失が増加する。更に、乳酸オリゴマーは、コーキング、触媒の不活化、及び反応器の目詰まりを引き起こす場合がある。
本発明の別の実施形態では、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む液体供給流は、1つ以上の抗酸化剤を更に含み得る。本発明の別の実施形態では、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む液体供給流は、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、又はこれらの混合物を更に含む。本発明の更に別の実施形態では、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシプロピオン酸誘導体、又はこれらの混合物を含む液体供給流は、エチレングリコール、エタンジチオール、メタノール、メタンチオール、又はこれらの混合物を更に含む。
液体供給流は、単純な管を用いて又は噴霧ノズルを通して、蒸発器内又は触媒反応器内に導入され得る。噴霧ノズルの非限定的な例は、ファンノズル、圧力旋回噴霧機、空気噴射噴霧機、二液噴霧機、回転噴霧機、及び超臨界二酸化炭素噴霧機を含む。本発明の一実施形態では、水溶液の液滴は、直径約500μm未満である。本発明の別の実施形態では、水溶液の液滴は、直径約200μm未満である。本発明の更に別の実施形態では、水溶液の液滴は、直径約100μm未満である。
蒸発工程では、当該液体供給流又は当該液体/気体ブレンドを加熱して、気体供給流を生成する。本発明の一実施形態では、蒸発工程中の温度は、約165℃〜約450℃である。本発明の別の実施形態では、蒸発工程中の温度は、約200℃〜約400℃である。本発明の更に別の実施形態では、蒸発工程中の温度は、約250℃〜約375℃である。本発明のなお更に別の実施形態では、蒸発工程中の温度は、約300℃〜約375℃である。本発明の一実施形態では、蒸発工程中の温度は、約250℃である。本発明の別の実施形態では、蒸発工程中の温度は、約375℃である。
本発明の一実施形態では、当該蒸発工程中の蒸発器における滞留時間は、約0.2秒〜約10秒である。本発明の別の実施形態では、当該蒸発工程中の蒸発器における滞留時間は、約0.5秒〜約5秒である。本発明の更に別の実施形態では、当該蒸発工程中の蒸発器における滞留時間は、約1秒〜約3秒である。本発明のなお更に別の実施形態では、当該蒸発工程中の蒸発器における滞留時間は、約0.5秒〜約0.6秒である。
蒸発工程は、真空下、大気圧、又は大気圧よりも高い圧力で実施してよい。本発明の一実施形態では、蒸発工程は、少なくとも約1バールの全圧下で実施される。本発明の別の実施形態では、蒸発工程は、約2バール〜約100バールの全圧下で実施される。本発明の更に別の実施形態では、蒸発工程は、約5バール〜約40バールの圧力下で実施される。本発明のなお更に別の実施形態では、蒸発工程は、約10バール〜約35バールの全圧下で実施される。本発明の一実施形態では、蒸発工程は、少なくとも約1.6バールの全圧下で実施される。本発明の別の一実施形態では、蒸発工程は、約8バールの全圧下で実施される。本発明の更に別の実施形態では、蒸発工程は、約26バールの全圧下で実施される。
蒸発工程は、噴霧器、プレート熱交換器、未充填流通式反応器、及び固定床流通式反応器などであるがこれらに限定されない、様々な種類の蒸発器内で実施してよい。蒸発工程は、液体供給流が下方に流れる、又は上方に流れる、又は水平に流れる蒸発器内で実施してよい。本発明の一実施形態では、蒸発工程は、液体供給流が下方に流れる蒸発器内で実施される。また、蒸発工程は、バッチ形態で実施してよい。
本発明の一実施形態では、蒸発器の内面の材料は、非晶質シリカ、石英、他の酸化ケイ素、ホウケイ酸ガラス、シリコン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の更に別の実施形態では、蒸発器の内面の材料は、非晶質シリカ又はホウケイ酸ガラスである。
本発明の一実施形態では、蒸発及び脱水工程を1つの工程にまとめる。本発明の別の実施形態では、蒸発及び脱水工程を、1つの反応器内で逐次実施する。本発明の更に別の実施形態では、蒸発及び脱水工程を、タンデム反応器内で逐次実施する。
脱水で生成されたアクリル酸流を冷却して、生成物流として液体アクリル酸流を得る。アクリル酸流を冷却するのに必要な時間は、アクリル酸の重合又はエチレンへの分解を低減するように制御しなければならない。本発明の一実施形態では、冷却工程でのアクリル酸流の滞留時間は、約30秒未満である。本発明の別の実施形態では、冷却工程でのアクリル酸流の滞留時間は、約0.1秒〜約10秒である。
本発明に従って生成されたアクリル酸、アクリル酸誘導体、又はこれらの混合物を含む液体アクリル酸流を、米国特許出願公開第20130274518(A1)号又は同第20150329462(A1)号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている抽出、乾燥、蒸留、冷却、部分融解、及びデカントのプロセスの一部又は全てを用いて精製して、粗アクリル酸及び氷アクリル酸を生成することができる。精製後、粗アクリル酸及び氷アクリル酸を、米国特許出願公開第20130274697(A1)号又は同第20130273384(A1)号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されてるものと類似のプロセスを使用して重合して、超吸収性ポリマーを生成することができる。
本発明の一実施形態では、当該粗アクリル酸をアルコールによってエステル化し、アクリレートモノマーを生成させる。アルコールの非限定例は、メタノール、エタノール、ブタノール(n−ブチルアルコール)、2−エチルヘキサノール、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、イソオクチルアルコール、ラウリルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ヒドロキシエチルアルコール、ヒドロキシプロピルアルコール、並びに、ヒドロキシアルキル及びアルキルアルカノールアミンなどのポリオールである。本発明の別の実施形態では、当該粗アクリル酸をメタノール、エタノール、n−ブチルアルコール、又は2−エチルヘキサノールによってエステル化し、それぞれアクリル酸メチルモノマー、アクリル酸エチルモノマー、n−ブチルアクリレートモノマー、又は2−エチルヘキシルアクリレートモノマーを生成させる。本発明の更に別の実施形態では、当該アクリル酸メチルモノマー、アクリル酸エチルモノマー、n−ブチルアクリレートモノマー、又は2−エチルヘキシルアクリレートモノマーを重合し、それぞれアクリル酸メチルポリマー、アクリル酸エチルポリマー、n−ブチルアクリレートポリマー、又は2−エチルヘキシルアクリレートポリマーを生成させる。本発明のなお更に別の実施形態では、当該アクリル酸メチルモノマー、アクリル酸エチルモノマー、n−ブチルアクリレートモノマー、又は2−エチルヘキシルアクリレートモノマーを別のモノマーと共重合し、それぞれアクリル酸メチルコポリマー、アクリル酸エチルコポリマー、n−ブチルアクリレートコポリマー、又は2−エチルヘキシルアクリレートコポリマーを生成させる。別のモノマーの非限定例は、酢酸ビニル及びエチレンである。本発明の一実施形態では、当該アクリル酸メチルポリマー、アクリル酸エチルポリマー、n−ブチルアクリレートポリマー、又は2−エチルヘキシルアクリレートポリマーをメタクリル酸メチル(MMA)とブレンドし、それぞれMMA及びアクリル酸メチルポリマーのブレンド、MMA及びアクリル酸エチルポリマーのブレンド、MMA及びn−ブチルアクリレートポリマーのブレンド、又はMMA及び2−エチルヘキシルアクリレートポリマーのブレンドを生成させる。ポリマー、コポリマー、又はブレンドの非限定的応用は、表面コーティング、塗料、レジン、接着剤、プラスチック、及び分散液である。本発明の別の実施形態では、当該アルコールはバイオベースアルコールである。本発明の更に別の実施形態では、当該別のモノマーはバイオベースモノマーである。本発明のなお更に別の実施形態では、当該MMAはバイオベースMMAである。
本発明の一実施形態では、アクリル酸を作製する方法は、
a)約88重量%乳酸水溶液を水で希釈して、約20重量%乳酸水溶液を形成することと、
b)当該約20重量%乳酸水溶液を約95℃〜約100℃の温度で加熱して乳酸のオリゴマーを加水分解し、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の総量に基づいて少なくとも約95重量%の、モノマー形態の乳酸を含むモノマー乳酸溶液を生成することと、
c)当該モノマー乳酸溶液を窒素と合わせて液体/気体ブレンドを形成することと、
d)約300℃〜約375℃の温度で、蒸発器内において、約0.5秒〜約0.6秒の滞留時間で当該液体/気体ブレンドを蒸発させて、約2.5モル%の乳酸及び約50モル%の水蒸気を含む気体供給流を生成することと、
e)所定の温度、水分圧、GHSV、及びWHSVにおいて単層反応器内で、当該気体供給流を、本発明の第II章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための活性触媒)又は第III章(「ヒドロキシプロピオン酸又はその誘導体を脱水してアクリル酸又はその誘導体にするための触媒前駆体)に開示されている任意の触媒と接触させて、当該乳酸を脱水し、アクリル酸流を生成することであって、当該水分圧が、約0.4バール以上であり、当該単層反応器が、壁、外面、及び内面を備え、当該壁が、壁材から作製され、壁厚を有し、かつ当該外面から当該内面まで延在し、当該壁材が、約1重量%を超える量のアルミニウムを含み、当該内面が当該触媒と接触しており、当該単層反応器が、当該脱水中に約1.3mm/y未満の腐食速度を有することと、
f)約0.1秒〜約10秒の滞留時間で当該アクリル酸流を冷却して、当該アクリル酸を含む当該液体アクリル酸流を生成することとを含む。
本発明の別の実施形態では、アクリル酸を作製する方法は、
a)約88重量%乳酸水溶液を水で希釈して、約20重量%乳酸水溶液を形成することと、
b)当該約20重量%乳酸水溶液を約95℃〜約100℃の温度で加熱して乳酸のオリゴマーを加水分解し、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の総量に基づいて少なくとも約95重量%の、モノマー形態の乳酸を含むモノマー乳酸溶液を生成することと、
c)当該モノマー乳酸溶液を窒素と合わせて液体/気体ブレンドを形成することと、
d)約300℃〜約375℃の温度で、蒸発器内において、約0.5秒〜約0.6秒の滞留時間で当該液体/気体ブレンドを蒸発させて、約2.5モル%の乳酸及び約50モル%の水蒸気を含む気体供給流を生成することと、
e)所定の温度、水分圧、GHSV、及びWHSVにおいて単層反応器内で、当該気体供給流を触媒と接触させて当該乳酸を脱水し、アクリル酸流を生成することであって、当該触媒が、リン酸塩CsH2(1−x)PO(4−x)を含み、xが、0以上かつ1以下の任意の実数であり、当該単層反応器が、壁、外面、及び内面を備え、当該壁が、壁材から作製され、壁厚を有し、かつ当該外面から当該内面まで延在し、当該壁材が、約50重量%〜約75重量%の量のニッケルと、約15重量%〜約20重量%の量のクロムと、約3重量%〜約30%の量の鉄と、約3重量%〜約5重量%の量のアルミニウムとを含み、当該温度が約375℃であり、当該水分圧が約13バールであり、当該GHSVが約2,300h−1であり、当該WHSVが約0.3h−1〜約0.4h−1であり、当該アクリル酸が、少なくとも約80モル%の収率、及び約72時間のTOSにわたって少なくとも約80モル%の選択率で生成され、当該アクリル酸と共に不純物としてプロピオン酸が生成され、当該プロピオン酸の選択率が、約72時間の当該TOSにわたって約1モル%未満であり、当該内面が当該触媒と接触しており、当該単層反応器が、当該脱水中に約1.3mm/y未満の腐食速度を有することと、
f)約0.1秒〜約10秒の滞留時間で当該アクリル酸流を冷却して、当該アクリル酸を含む液体アクリル酸流を生成することとを含む。
本発明の更に別の実施形態では、アクリル酸を作製する方法は、
a)約88重量%乳酸水溶液を水で希釈して、約20重量%乳酸水溶液を形成することと、
b)当該約20重量%乳酸水溶液を約95℃〜約100℃の温度で加熱して乳酸のオリゴマーを加水分解し、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の総量に基づいて少なくとも約95重量%の、モノマー形態の乳酸を含むモノマー乳酸溶液を生成することと、
c)当該モノマー乳酸溶液を窒素と合わせて液体/気体ブレンドを形成することと、
d)約300℃〜約375℃の温度で、蒸発器内において、約0.5秒〜約0.6秒の滞留時間で当該液体/気体ブレンドを蒸発させて、約2.5モル%の乳酸及び約50モル%の水を含む気体供給流を生成することと、
e)所定の温度、水分圧、GHSV、及びWHSVにおいて単層反応器内で、当該気体供給流を触媒と接触させて当該乳酸を脱水し、アクリル酸流を生成することであって、当該触媒が、リン酸塩KH2(1−x)PO(4−x)を含み、xが、0以上かつ1以下の任意の実数であり、当該単層反応器が、壁、外面、及び内面を備え、当該壁が、壁材から作製され、壁厚を有し、かつ当該外面から当該内面まで延在し、当該壁材が、約50重量%〜約75重量%の量のニッケルと、約16重量%〜約20重量%の量のクロムと、約3重量%〜約30%の量の鉄と、約3重量%〜約5重量%の量のアルミニウムとを含み、当該温度が約375℃であり、当該水分圧が約13バールであり、当該GHSVが約2,300h−1であり、当該WHSVが約0.3h−1〜約0.4h−1であり、当該アクリル酸が、少なくとも約80%の収率、及び約72時間のTOSにわたって少なくとも約80%の選択率で生成され、プロピオン酸が、約72時間の当該TOSにわたって約1モル%未満の選択率で生成され、当該内面が当該触媒と接触しており、当該単層反応器が、当該脱水中に約1.3mm/y未満の腐食速度を有することと、
f)約0.1秒〜約10秒の滞留時間で当該アクリル酸流を冷却して、当該アクリル酸を含む液体アクリル酸流を生成することとを含む。
本発明のなお更に別の実施形態では、アクリル酸を作製する方法は、
a)約88重量%乳酸水溶液を水で希釈して、約20重量%乳酸水溶液を形成することと、
b)当該約20重量%乳酸水溶液を約95℃〜約100℃の温度で加熱して乳酸のオリゴマーを加水分解し、乳酸、乳酸誘導体、又はこれらの混合物の総量に基づいて少なくとも約95重量%の、モノマー形態の乳酸を含むモノマー乳酸溶液を生成することと、
c)当該モノマー乳酸溶液を窒素と合わせて液体/気体ブレンドを形成することと、
d)約300℃〜約375℃の温度で、蒸発器内において、約0.5秒〜約0.6秒の滞留時間で当該液体/気体ブレンドを蒸発させて、約2.5モル%の乳酸及び約50モル%の水蒸気を含む気体供給流を生成することと、
e)所定の温度、水分圧、GHSV、及びWHSVにおいて二層反応器内で、当該気体供給流を触媒と接触させて当該乳酸を脱水し、アクリル酸流を生成することであって、当該触媒が、リン酸塩KH2(1−x)PO(4−x)を含み、xが、0以上かつ1以下の任意の実数であり、当該二層反応器が、外層、内層、外面、内面、及び当該外層と当該内層との間の境界面を備え、当該外層が、外層材料から作製され、外層厚を有し、かつ当該境界面から当該外面まで延在し、当該内層が、内層材料から作製され、内層厚を有し、かつ当該内面から当該境界面まで延在し、当該内層材料が、アルミニウム、ケイ素、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該内面が、当該触媒と接触しており、当該外層が、ステンレス鋼及び炭素鋼からなる群から選択され、当該内層が、当該内層材料を含む浴中に当該外層を浸漬するプロセスによって形成され、当該浸漬プロセスの後に当該内面を酸化させ、当該温度が約375℃であり、当該水分圧が約13バールであり、当該GHSVが約2,300h−1であり、当該WHSVが約0.3h−1〜約0.4h−1であり、当該アクリル酸が、少なくとも約80モル%の収率、及び約72時間のTOSにわたって少なくとも約80モル%の選択率で生成され、当該アクリル酸と共に不純物としてプロピオン酸が生成され、当該プロピオン酸の選択率が、約72時間の当該TOSにわたって約1モル%未満であり、当該二層反応器が、当該脱水中に約1.3mm/y未満の腐食速度を有することと、
f)約0.1秒〜約10秒の滞留時間で当該アクリル酸流を冷却して、当該アクリル酸を含む液体アクリル酸流を生成することとを含む。
以下の実施例は、本発明を説明するものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。
実施例1−13重量% KPO3、37重量% Ba2P2O7、及び50%溶融シリカを含む触媒前駆体
硝酸バリウム(Ba(NO3)2(150.00g、550.5mmol;Sigma−Aldrich Co.,St.Louis,MO;カタログ番号202754)、リン酸二カリウムK2HPO4(31.96g、183.5mmol;Sigma−Aldrich Co.,St.Louis,MO;カタログ番号60347)、及びリン酸水素二アンモニウム(NH4)2HPO4(99.21g、734.0mmol;Sigma−Aldrich Co.,St.Louis,MO;カタログ番号379980)を合わせ、遊星ボールミル(Retsch GmbH,Haan,Germany;モデルPM 100;カタログ番号20.540.0003)を用いて一緒に粉砕して、微粉を得た。次いで、材料を1Lのガラスビーカーに移し、空気循環を備えた研究室用炉(Nabertherm GmbH,Lilienthal,Germany;カタログ番号N30/85 HA;条件:450℃、12時間、2℃/分の加熱勾配、及び普通排気)を用いて焼成した。焼成された固形物を粉砕し、篩分けして、106μm〜212μmの粒径の固形物を得た。次いで、4.18gのこの固形物及び4.18gの溶融シリカ(Sigma−Aldrich Co.,St.Louis,MO;カタログ番号342831;粉砕し、106〜212μmに篩分けされている)をガラスシンチレーションバイアルに添加し、十分にブレンドされるまでボルテックスミキサーで混合した。得られた触媒前駆体は、13重量% KPO3、37重量% Ba2P2O7、及び50%溶融シリカを含有していた。
実施例2−20重量%乳酸水溶液
455gの88重量%L−乳酸溶液(Corbion Purac Co.,Lenexa,KS)を1,508gの水で希釈した。希釈した溶液を95℃に加熱し、約12時間撹拌しながらその温度で保持した。次いで、当該溶液を室温まで冷却し、当業者に一般的に知られている方法を使用して、DAD検出器及びAtlantis T3カラム(Waters Corp.,Milford,MA;カタログ番号186003748)を備えるAgilent 1100 HPLCシステム(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)によってその乳酸モノマー濃度を測定して、本質的にオリゴマーを含まない20重量% L−乳酸水溶液を生成した。
実施例3−触媒前駆体の試験
OD12.7mm(1/2インチ)、ID9.5mm、及び長さ60cmのステンレス鋼ガラス張り管状反応器(SGE Analytical Science Pty Ltd.,Ringwood,Australia;P/N:08277028)に、以下のように3つのゾーンで充填した:1)底部ゾーン:0.4gの石英ウール、24.1gの4〜20メッシュの溶融シリカ(Sigma−Aldrich Co.,St.Louis,MO;カタログ#342831)、及び0.2gの石英ウールを充填して、長さ30.5cm(12インチ)の底部ゾーンを得た;2)中間ゾーン/脱水ゾーン:実施例1で調製した触媒前駆体8.81gを充填して、長さ10.2cm(4インチ、触媒床体積7.2mL)の触媒床を得た;及び3)最上ゾーン/蒸発器ゾーン:0.1gの石英ウールを脱水ゾーンの上に置き、続いて、3.6gの溶融シリカ(4〜20メッシュ)を置いて、長さ5.1cm(2インチ)の蒸発器ゾーンを得た。
まず、反応器をアルミニウム製ブロック内に入れ、次いで、シリーズ3210クラムシェル炉(Applied Test Systems,Butler,PA)内に、蒸発器ゾーンの上面が当該アルミニウム製ブロックの上面に位置合わせするように入れた。この反応器を下方流配置にセットアップし、Knauer Smartline 100供給ポンプ(Knauer GmbH(Berlin,Germany))、Brooks 0254ガス流量制御装置(Brooks Instrument LLC(Hatfield,PA))、Brooks背圧調整器、及びTeflonをライニングしたキャッチタンクを備えた。反応器の頭部に、窒素供給ラインとしての3.2mm(1/8インチ)ステンレス鋼ライン、及び供給ポンプに接続された液体原料供給ラインとしての1.6mm(1/16インチ)ポリエーテルエーテルケトン(PEEK(商標))管(Supelco Inc.,Bellafonte,PA)を装着した。反応器の底部は、3.2mm(1/8インチ)溶融シリカをライニングしたステンレス鋼管及びSwagelok(商標)継手を用いてキャッチタンクに接続した。反応の過程中、反応器の壁温が約375℃で一定に維持されるように、クラムシェル炉を加熱した。
反応器には、別々に液体原料と気体原料が供給され、触媒床に達する前に混合された。不活性ガスは、24.8barg(360psig)の圧力の窒素であり、反応器内に130mL/分(STP条件下)の速度で供給された。液体原料は、乳酸の水溶液(実施例2で得られた20重量% L−乳酸)であり、反応器内に0.13mL/分の速度で供給された。蒸発ゾーンの後、得られた気体供給流は、以下の組成を有していた:49.6モル%水、47.9モル%窒素、及び2.5モル%乳酸。脱水ゾーンでは、GHSVは約2,262h−1であり、WHSVは約0.38h−1であり、水分圧は約13バール(186psi)であった。
気体生成物流を冷却し、FID検出器及びVarian CP−PoraBond Qカラム(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA;カタログ番号CP7351)を備えたAgilent 7890A GC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)によってオンライン分析した。液体生成物流をキャッチタンクに回収し、ダイオードアレイ検出器(diode array detector、DAD)及びAtlantis T3カラム(Waters Corp.,Milford,MA;カタログ番号186003748)を備えたAgilent 1100 HPLC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)と、FID検出器及びAgilent CP−Wax 58 FFAP CBカラム(Agilent Technologies,Inc,Santa Clara,CA;カタログ番号CP7717)を備えたHewlett Packard HP6890シリーズGC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)とを用いて、(当業者に一般的に知られている方法を用いて)オフライン分析した。
液体生成物流を冷却し、約72時間の期間にわたって回収した。全アクリル酸収率は84.4モル%であり、アクリル酸選択率は87.2モル%であり、乳酸変換率は96.7モル%であり、プロピオン酸選択率は0.74モル%であった。
比較例4−316Lステンレス鋼(316L SS)クーポン
316L SSクーポンを、エメリー布(320グリット、続いて500グリット)で磨き、溶媒(アセトン、ヘキサン、次いで、クロロホルム)で洗浄した。クーポンの寸法は、マイクロメータを用いて30.03mm×8.01mm×1.5mmと測定され、クーポンの重量は反応器内に入れる前に2,819.80mgと測定された。この合金の公称化学組成は、約65重量%の鉄、約17重量%のクロム、約12重量%のニッケル、及び2〜3重量%のモリブデンを含む。
比較例5−316L SSクーポンの腐食試験
OD12.7mm(1/2インチ)、ID9.5mm、及び長さ60cmのステンレス鋼ガラス張り管状反応器(SGE Analytical Science Pty Ltd.,Ringwood,Australia;P/N:08277028)に、以下のように3つのゾーンで充填した:1)底部ゾーン:0.4gの石英ウール、25.15gの4〜20メッシュの溶融シリカ(Sigma−Aldrich Co.,St.Louis,MO;カタログ# 342831)、及び0.1gの石英ウールを充填して、長さ29.5cm(11.6インチ)の底部ゾーンを得た;2)中間ゾーン/脱水ゾーン:実施例1で調製した触媒前駆体1.44gを充填して、このゾーンの底部に長さ2.54cm(1インチ)の触媒床を得、次いで、比較例4で調製した316L SSクーポンを当該触媒前駆体上に置き、次いで、実施例1で調製した触媒前駆体7.31gを当該クーポンの周囲及び上に更に充填して、全長10.2cm(4インチ)の触媒床(合計8.75gの触媒前駆体塊、及び触媒床体積7.2mL)を得た;並びに3)最上ゾーン/蒸発器ゾーン:0.1gの石英ウールを脱水ゾーンの上に置き、続いて、3.8gの溶融シリカ(4〜20メッシュ)を置いて、長さ5.1cm(2インチ)の蒸発器ゾーンを得た。
まず、反応器をアルミニウム製ブロック内に入れ、次いで、シリーズ3210クラムシェル炉(Applied Test Systems,Butler,PA)内に、蒸発器ゾーンの上面が当該アルミニウム製ブロックの上面に位置合わせするように入れた。この反応器を下方流配置にセットアップし、Knauer Smartline 100供給ポンプ(Knauer GmbH(Berlin,Germany))、Brooks 0254ガス流量制御装置(Brooks Instrument LLC(Hatfield,PA))、Brooks背圧調整器、及びTeflonをライニングしたキャッチタンクを備えた。反応器の頭部に、窒素供給ラインとしての3.2mm(1/8インチ)ステンレス鋼ライン、及び供給ポンプに接続された液体原料供給ラインとしての1.6mm(1/16インチ)ポリエーテルエーテルケトン(PEEK(商標))管(Supelco Inc.,Bellafonte,PA)を装着した。反応器の底部は、3.2mm(1/8インチ)溶融シリカをラクィニングしたステンレス鋼管及びSwagelok(商標)継手を用いてキャッチタンクに接続した。反応の過程中、反応器の壁温が約375℃で一定に維持されるように、クラムシェル炉を加熱した。
反応器には、別々に液体原料と気体原料が供給され、触媒床に達する前に混合された。不活性ガスは、24.8barg(360psig)の圧力の窒素であり、反応器内に130mL/分(STP条件下)の速度で供給された。液体原料は、乳酸の水溶液(実施例2で得られた20重量%L−乳酸)であり、反応器内に0.13mL/分の速度で供給された。蒸発ゾーンの後、得られた気体供給流は、以下の組成を有していた:49.6モル%水、47.9モル%窒素、及び2.5モル%乳酸。脱水ゾーンでは、GHSVは約2,262h−1であり、WHSVは約0.38h−1であり、水分圧は約13バール(186psi)であった。
気体生成物流を冷却し、FID検出器及びVarian CP−PoraBond Qカラム(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA;カタログ番号CP7351)を備えたAgilent 7890A GC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)によってオンライン分析した。液体生成物流をキャッチタンクに回収し、ダイオードアレイ検出器(DAD)及びAtlantis T3カラム(Waters Corp.,Milford,MA;カタログ番号186003748)を備えたAgilent 1100 HPLC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)と、FID検出器及びAgilent CP−Wax 58 FFAP CBカラム(Agilent Technologies,Inc,Santa Clara,CA;カタログ番号CP7717)を備えたHewlett Packard HP6890シリーズGC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)とを用いて、(当業者に一般的に知られている方法を用いて)オフライン分析した。
液体生成物流を冷却し、約72時間の期間にわたって回収した。全(すなわち、72時間の期間にわたる)アクリル酸収率は81.7モル%であり、アクリル酸選択率は83.8モル%であり、乳酸変換率は97.5モル%であり、プロピオン酸選択率は2.02モル%であった。実験の終了時に、脱水ゾーンからクーポンを取り出したところ、腐食速度は3.04mm/yと計算された。
実施例6−熱処理されたHAYNES(登録商標)214(登録商標)合金クーポン
HAYNES(登録商標)214(登録商標)合金クーポン(Haynes International Inc.,Kokomo,IN)を、エメリー布(320グリット、続いて500グリット)で磨き、溶媒(アセトン、ヘキサン、次いで、クロロホルム)で洗浄し、使用前にマッフル炉(600℃で1時間、続いて、1000℃で1時間;Wilt Industries Inc.,Lake Pleasant,NY)で加熱処理(すなわち、酸化)した。クーポンの寸法は、マイクロメータを用いて30.38mm×7.97mm×1.48mmと測定され、クーポンの重量は反応器内に入れる前に2,768.44mgと測定された。この合金の公称化学組成は、約75重量%のニッケル、約16重量%のクロム、約3重量%の鉄、及び約4.5重量%のアルミニウムを含む。クーポンの熱処理(すなわち、脱水前に行った酸化)は、合金に含まれるアルミニウムを酸化し、アルミナを含む酸化物系表面不動態化層を形成することを目的としていた。
実施例7−熱処理されたHAYNES(登録商標)214(登録商標)合金クーポンの腐食試験
OD12.7mm(1/2インチ)、ID9.5mm、及び長さ60cmのステンレス鋼ガラス張り管状反応器(SGE Analytical Science Pty Ltd.,Ringwood,Australia;P/N:08277028)に、以下のように3つのゾーンで充填した:1)底部ゾーン:0.4gの石英ウール、25.19gの4〜20メッシュの溶融シリカ(Sigma−Aldrich Co.,St.Louis,MO;カタログ# 342831)、及び0.1gの石英ウールを充填して、長さ29.5cm(11.6インチ)の底部ゾーンを得た;2)中間ゾーン/脱水ゾーン:実施例1で調製した触媒前駆体2.18gを充填して、このゾーンの底部に長さ2.54cm(1インチ)の触媒床を得、次いで、実施例6で調製した熱処理されたHAYNES(登録商標)214(登録商標)合金クーポンを当該触媒前駆体上に置き、次いで、実施例1で調製した触媒前駆体6.18gを当該クーポンの周囲及び上に更に充填して、全長10.2cm(4インチ)の触媒床(合計8.36gの触媒前駆体塊、及び触媒床体積7.2mL)を得た;並びに3)最上ゾーン/蒸発器ゾーン:0.1gの石英ウールを脱水ゾーンの上に置き、続いて、4.32gの溶融シリカ(4〜20メッシュ)を置いて、長さ5.1cm(2インチ)の蒸発器ゾーンを得た。
まず、反応器をアルミニウム製ブロック内に入れ、次いで、シリーズ3210クラムシェル炉(Applied Test Systems,Butler,PA)内に、蒸発器ゾーンの上面が当該アルミニウム製ブロックの上面に位置合わせするように入れた。この反応器を下方流配置にセットアップし、Knauer Smartline 100供給ポンプ(Knauer GmbH(Berlin,Germany))、Brooks 0254ガス流量制御装置(Brooks Instrument LLC(Hatfield,PA))、Brooks背圧調整器、及びTeflonをライニングしたキャッチタンクを備えた。反応器の頭部に、窒素供給ラインとしての3.2mm(1/8インチ)ステンレス鋼ライン、及び供給ポンプに接続された液体原料供給ラインとしての1.6mm(1/16インチ)ポリエーテルエーテルケトン(PEEK(商標))管(Supelco Inc.,Bellafonte,PA)を装着した。反応器の底部は、3.2mm(1/8インチ)溶融シリカをラクィニングしたステンレス鋼管及びSwagelok(商標)継手を用いてキャッチタンクに接続した。反応の過程中、反応器の壁温が約375℃で一定に維持されるように、クラムシェル炉を加熱した。
反応器には、別々に液体原料と気体原料が供給され、触媒床に達する前に混合された。不活性ガスは、24.8barg(360psig)の圧力の窒素であり、反応器内に130mL/分(STP条件下)の速度で供給された。液体原料は、乳酸の水溶液(実施例2で得られた20重量%L−乳酸)であり、反応器内に0.13mL/分の速度で供給された。蒸発ゾーンの後、得られた気体供給流は、以下の組成を有していた:49.6モル%水、47.9モル%窒素、及び2.5モル%乳酸。脱水ゾーンでは、GHSVは約2,262h−1であり、WHSVは約0.38h−1であり、水分圧は約13バール(186psi)であった。
気体生成物流を冷却し、FID検出器及びVarian CP−PoraBond Qカラム(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA;カタログ番号CP7351)を備えたAgilent 7890A GC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)によってオンライン分析した。液体生成物流をキャッチタンクに回収し、ダイオードアレイ検出器(DAD)及びAtlantis T3カラム(Waters Corp.,Milford,MA;カタログ番号186003748)を備えたAgilent 1100 HPLC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)と、FID検出器及びAgilent CP−Wax 58 FFAP CBカラム(Agilent Technologies,Inc,Santa Clara,CA;カタログ番号CP7717)を備えたHewlett Packard HP6890シリーズGC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)とを用いて、(当業者に一般的に知られている方法を用いて)オフライン分析した。
液体生成物流を冷却し、約72時間の期間にわたって回収した。全(すなわち、72時間の期間にわたる)アクリル酸収率は86.2モル%であり、アクリル酸選択率は88.5モル%であり、乳酸変換率は97.3モル%であり、プロピオン酸選択率は0.58モル%であった。実験の終了時に、脱水ゾーンからクーポンを取り出したところ、腐食速度は0.79mm/yと計算された。
実施例8−HAYNES(登録商標)HR−160(登録商標)合金クーポン
使用前に、HAYNES(登録商標)HR−160(登録商標)合金クーポン(Haynes International Inc.,Kokomo,IN)を、エメリー布(320グリット、続いて500グリット)で磨き、溶媒(アセトン、ヘキサン、次いで、クロロホルム)で洗浄した。クーポンの寸法は、マイクロメータを用いて29.13mm×8.20mm×1.51mmと測定され、クーポンの重量は反応器内に入れる前に2,710.33mgと測定された。この合金の公称化学組成は、約37重量%のニッケル、約29重量%のコバルト、約28重量%のクロム、約2重量%の鉄、及び約2.75重量%のケイ素を含む。なお、クーポンを使用前に熱処理しなかった(すなわち、脱水前に酸化しなかった)ので、脱水前にシリカを含む酸化物系表面不動態化層は形成されていたと予想される。
実施例9−HAYNES(登録商標)HR−160(登録商標)合金クーポンの腐食試験
OD12.7mm(1/2インチ)、ID9.5mm、及び長さ60cmのステンレス鋼ガラス張り管状反応器(SGE Analytical Science Pty Ltd.,Ringwood,Australia;P/N:08277028)に、以下のように3つのゾーンで充填した:1)底部ゾーン:0.4gの石英ウール、24.64gの4〜20メッシュの溶融シリカ(Sigma−Aldrich Co.,St.Louis,MO;カタログ# 342831)、及び0.1gの石英ウールを充填して、長さ29.5cm(11.6インチ)の底部ゾーンを得た;2)中間ゾーン/脱水ゾーン:実施例1で調製した触媒前駆体2.41gを充填して、このゾーンの底部に長さ2.54cm(1インチ)の触媒床を得、次いで、実施例8で調製したHAYNES(登録商標)HR−160(登録商標)クーポンを当該触媒前駆体上に置き、次いで、実施例1で調製した触媒前駆体6.63gを当該クーポンの周囲及び上に更に充填して、全長10.2cm(4インチ)の触媒床(合計9.04gの触媒前駆体塊、及び触媒床体積7.2mL)を得た;並びに3)最上ゾーン/蒸発器ゾーン:0.1gの石英ウールを脱水ゾーンの上に置き、続いて、4.38gの溶融シリカ(4〜20メッシュ)を置いて、長さ5.1cm(2インチ)の蒸発器ゾーンを得た。
まず、反応器をアルミニウム製ブロック内に入れ、次いで、シリーズ3210クラムシェル炉(Applied Test Systems,Butler,PA)内に、蒸発器ゾーンの上面が当該アルミニウム製ブロックの上面に位置合わせするように入れた。この反応器を下方流配置にセットアップし、Knauer Smartline 100供給ポンプ(Knauer GmbH(Berlin,Germany))、Brooks 0254ガス流量制御装置(Brooks Instrument LLC(Hatfield,PA))、Brooks背圧調整器、及びTeflonをライニングしたキャッチタンクを備えた。反応器の頭部に、窒素供給ラインとしての3.2mm(1/8インチ)ステンレス鋼ライン、及び供給ポンプに接続された液体原料供給ラインとしての1.6mm(1/16インチ)ポリエーテルエーテルケトン(PEEK(商標))管(Supelco Inc.,Bellafonte,PA)を装着した。反応器の底部は、3.2mm(1/8インチ)溶融シリカをラクィニングしたステンレス鋼管及びSwagelok(商標)継手を用いてキャッチタンクに接続した。反応の過程中、反応器の壁温が約375℃で一定に維持されるように、クラムシェル炉を加熱した。
反応器には、別々に液体原料と気体原料が供給され、触媒床に達する前に混合された。不活性ガスは、24.8barg(360psig)の圧力の窒素であり、反応器内に130mL/分(STP条件下)の速度で供給された。液体原料は、乳酸の水溶液(実施例2で得られた20重量% L−乳酸)であり、反応器内に0.13mL/分の速度で供給された。蒸発ゾーンの後、得られた気体供給流は、以下の組成を有していた:49.6モル%水、47.9モル%窒素、及び2.5モル%乳酸。脱水ゾーンでは、GHSVは約2,262h−1であり、WHSVは約0.38h−1であり、水分圧は約13バール(186psi)であった。
気体生成物流を冷却し、FID検出器及びVarian CP−PoraBond Qカラム(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA;カタログ番号CP7351)を備えたAgilent 7890A GC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)によってオンライン分析した。液体生成物流をキャッチタンクに回収し、ダイオードアレイ検出器(DAD)及びAtlantis T3カラム(Waters Corp.,Milford,MA;カタログ番号186003748)を備えたAgilent 1100 HPLC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)と、FID検出器及びAgilent CP−Wax 58 FFAP CBカラム(Agilent Technologies,Inc,Santa Clara,CA;カタログ番号CP7717)を備えたHewlett Packard HP6890シリーズGC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)とを用いて、(当業者に一般的に知られている方法を用いて)オフライン分析した。
液体生成物流を冷却し、約72時間の期間にわたって回収した。全(すなわち、72時間の期間にわたる)アクリル酸収率は88モル%であり、アクリル酸選択率は89.4モル%であり、乳酸変換率は98.4モル%であり、プロピオン酸選択率は0.42モル%であった。実験の終了時に、脱水ゾーンからクーポンを取り出し、腐食速度は1.22mm/yと計算された。
実施例10−銅クーポン
銅クーポンを、エメリー布(320グリット、続いて500グリット)で磨いた。クーポンの寸法は、マイクロメータを用いて29.46mm×7.66mm×1.18mmと測定され、クーポンの重量は反応器内に入れる前に2,400.59mgと測定された。
実施例11−銅クーポンの腐食試験
OD12.7mm(1/2インチ)、ID9.5mm、及び長さ60cmのステンレス鋼ガラス張り管状反応器(SGE Analytical Science Pty Ltd.,Ringwood,Australia;P/N:08277028)に、以下のように3つのゾーンで充填した:1)底部ゾーン:0.4gの石英ウール、22.33gの4〜20メッシュの溶融シリカ(Sigma−Aldrich Co.,St.Louis,MO;カタログ# 342831)、及び0.1gの石英ウールを充填して、長さ29.5cm(11.6インチ)の底部ゾーンを得た;2)中間ゾーン/脱水ゾーン:実施例1で調製した触媒前駆体2.05gを充填して、このゾーンの底部に長さ2.54cm(1インチ)の触媒床を得、次いで、実施例10で調製した銅クーポンを当該触媒前駆体上に置き、次いで、実施例1で調製した触媒前駆体5.63gを当該クーポンの周囲及び上に更に充填して、全長10.2cm(4インチ)の触媒床(合計7.68gの触媒前駆体塊、及び触媒床体積7.2mL)を得た;並びに3)最上ゾーン/蒸発器ゾーン:0.1gの石英ウールを脱水ゾーンの上に置き、続いて、3.93gの溶融シリカ(4〜20メッシュ)を置いて、長さ5.1cm(2インチ)の蒸発器ゾーンを得た。
まず、反応器をアルミニウム製ブロック内に入れ、次いで、シリーズ3210クラムシェル炉(Applied Test Systems,Butler,PA)内に、蒸発器ゾーンの上面が当該アルミニウム製ブロックの上面に位置合わせするように入れた。この反応器を下方流配置にセットアップし、Knauer Smartline 100供給ポンプ(Knauer GmbH(Berlin,Germany))、Brooks 0254ガス流量制御装置(Brooks Instrument LLC(Hatfield,PA))、Brooks背圧調整器、及びTeflonをライニングしたキャッチタンクを備えた。反応器の頭部に、窒素供給ラインとしての3.2mm(1/8インチ)ステンレス鋼ライン、及び供給ポンプに接続された液体原料供給ラインとしての1.6mm(1/16インチ)ポリエーテルエーテルケトン(PEEK(商標))管(Supelco Inc.,Bellafonte,PA)を装着した。反応器の底部は、3.2mm(1/8インチ)溶融シリカをラクィニングしたステンレス鋼管及びSwagelok(商標)継手を用いてキャッチタンクに接続した。反応の過程中、反応器の壁温が約375℃で一定に維持されるように、クラムシェル炉を加熱した。
反応器には、別々に液体原料と気体原料が供給され、触媒床に達する前に混合された。不活性ガスは、24.8barg(360psig)の圧力の窒素であり、反応器内に130mL/分(STP条件下)の速度で供給された。液体原料は、乳酸の水溶液(実施例2で得られた20重量%L−乳酸)であり、反応器内に0.13mL/分の速度で供給された。蒸発ゾーンの後、得られた気体供給流は、以下の組成を有していた:49.6モル%水、47.9モル%窒素、及び2.5モル%乳酸。脱水ゾーンでは、GHSVは約2,262h−1であり、WHSVは約0.38h−1であり、水分圧は約13バール(186psi)であった。
気体生成物流を冷却し、FID検出器及びVarian CP−PoraBond Qカラム(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA;カタログ番号CP7351)を備えたAgilent 7890A GC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)によってオンライン分析した。液体生成物流をキャッチタンクに回収し、ダイオードアレイ検出器(DAD)及びAtlantis T3カラム(Waters Corp.,Milford,MA;カタログ番号186003748)を備えたAgilent 1100 HPLC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)と、FID検出器及びAgilent CP−Wax 58 FFAP CBカラム(Agilent Technologies,Inc,Santa Clara,CA;カタログ番号CP7717)を備えたHewlett Packard HP6890シリーズGC(Agilent Technologies,Inc.,Santa Clara,CA)とを用いて、(当業者に一般的に知られている方法を用いて)オフライン分析した。
液体生成物流を冷却し、約72時間の期間にわたって回収した。全(すなわち、72時間の期間にわたる)アクリル酸収率は86モル%であり、アクリル酸選択率は88.1モル%であり、乳酸変換率は97.6モル%であり、プロピオン酸選択率は0.53モル%であった。実験の終了時に、脱水ゾーンからクーポンを取り出したところ、腐食は観察されず、その結果、腐食速度は0mm/yと計算された。
実施例の結果は、以下の表1に表形式で見ることができる。
上述の記載は、理解を明確にするためにのみ与えられているものであり、当業者にとって本発明の範囲内の変更は自明のことであるので、上述の記載によって不必要な限定が行われるものではないことが理解されるべきである。
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
相互参照される又は関連する特許若しくは出願のいずれも含めた、本明細書に引用されている全ての文書は、明示的に除外される、又は特に限定されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。