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JP6809701B2 - モノマー化合物、ポリマー化合物、ポリマー複合体、それらの製造方法、電解質材料、および、それを利用した用途 - Google Patents
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JP6809701B2 - モノマー化合物、ポリマー化合物、ポリマー複合体、それらの製造方法、電解質材料、および、それを利用した用途 - Google Patents

モノマー化合物、ポリマー化合物、ポリマー複合体、それらの製造方法、電解質材料、および、それを利用した用途 Download PDF

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Description

本発明は、アニオン性ポリマーを合成可能なモノマー化合物、それによるポリマー化合物、ポリマー化合物によって得られるポリマー複合体、それらの製造方法、ポリマー化合物を用いた電解質材料、ならびに、その用途としてリチウムイオン電池および空気電池に関する。
全固体リチウムイオン電池の電解質として高分子電解質が研究されている。例えば、アニオン性ポリマーを主鎖とし、Liイオンをカウンターカチオンとするポリマーがリチウムイオン電池の高分子電解質と使用できることが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。しかしながら、非特許文献1では、トリブロックコポリマーを用いるため、Liイオン密度が十分でなく、導電率のさらなる向上が求められている。また、低温環境下では導電率が低下するため、使用できない。
一方、リチウムイオン電池の電解質に難燃性のイオン液体を用いることが知られている。例えば、Liイオンをグライムと錯形成したイオン液体が開発され、リチウムイオン電池の電解質への適用が研究されている(例えば、非特許文献2、非特許文献3を参照)。非特許文献2および3によれば、Liイオンとグライムとの結合は比較的弱く、Liイオンによる高い導電率が期待されている。しかしながら、このようなイオン液体は、このままでは全固体リチウムイオン電池には適用できない。
R.Bouchetら,Nature Materials,Vol.12,May 2013,452−457 K.Yoshidaら,J.Am.Chem.Soc.2011,133,13121−13129 Ce Zhangら,J.Phys.Chem.B 2014,118,5144−5153
本発明の課題は、0℃以下のような低温環境下においても、優れた導電率を示すポリマー複合体を製造するためのモノマー化合物、そのポリマー化合物、これらを用いたポリマー複合体、それらの製造方法、それを用いた電解質材料、および、それを用いた用途を提供することである。
本発明によるモノマー化合物は、一般式(1)で表され、これにより上記課題を解決する。


ここで、Tfは、トリフルオロメタンスルホニル基(−SOCF)を表し、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基である。
前記Rは、水素またはメチル基であってもよい。
前記置換基は、ハロゲン基、水酸基、アミノ基およびエポキシ基からなる群から選択されてもよい。 本発明によるポリマー化合物は、一般式(2)で表され、これにより上記課題を解決する。

ここで、Tfは、トリフルオロメタンスルホニル基(−SOCF)を表し、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、nは、10以上100,000以下の整数である。

前記Rは、水素またはメチル基であってもよい。 本発明によるポリマー複合体は、一般式(3)で表されるアニオン性ポリマー化合物を主鎖とし、
一般式(4)で表される錯体をカウンターカチオンとし、これにより上記課題を解決する。

ここで、Tfは、トリフルオロメタンスルホニル基(−SOCF)を表し、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、nは、10以上100,000以下の整数であり、RおよびRは、同一または別異の、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、mは1以上4以下の整数である。
前記Rは、水素またはメチル基であり、前記Rおよび前記Rは、同一または別異の、メチル基またはエチル基であってもよい。
本発明による上述のモノマー化合物を製造する方法は、NHSOCFにMH(Mは、Li、Na、KおよびCsからなる群から選択される元素)を反応させる第1のステップと、前記第1のステップで得られた反応物に一般式(I)で表される化合物を反応させる第2のステップと、前記第2のステップで得られた反応物に水素化リチウム、水酸化リチウム、および、リチウムアルコキシドからなる群から選択されるリチウム塩を反応させる第3のステップとを包含し、これにより上記課題を解決する。

ここで、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される元素である。
前記第1のステップは、極性溶媒中で−100℃以上30℃以下の温度範囲で反応させてもよい。
前記第2のステップは、極性溶媒中で−100℃以上30℃以下の温度範囲で反応させてもよい。
前記第3のステップは、極性溶媒中で−100℃以上30℃以下の温度範囲で反応させてもよい。
本発明による上述のモノマー化合物を製造する方法は、NHSOCFにMH(Mは、Li、Na、KおよびCsからなる群から選択される元素)を反応させる第1のステップと、前記第1のステップで得られた反応物と、一般式(I)で表される化合物と、トリエチルアミン、ピリジンおよび1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンからなる群から選択されるアミン類とを反応させる第2のステップとを包含し、これにより上記課題を解決する。

ここで、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される元素である。
本発明による上述のモノマー化合物を製造する方法は、NHSOCFと、一般式(I)で表される化合物と、トリエチルアミン、ピリジンおよび1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンからなる群から選択されるアミン類とを反応させる第1のステップと、前記第1のステップで得られた反応物にハロゲン化リチウムを反応させる第2のステップとを包含し、これにより上記課題を解決する。

ここで、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される元素である。
本発明による上述のポリマー化合物を製造する方法は、上述のモノマー化合物を、ラジカル重合、リビングラジカル重合、イオン重合、リビングイオン重合、光重合および熱重合からなる群から選択される重合法で重合させるステップを包含し、これにより上記課題を解決する。
前記リビングラジカル重合は、原子移動ラジカル移動重合(Atom TransferRadical Polymerization:ATRP)であってもよい。
本発明におる上述のポリマー複合体を製造する方法は、上述のポリマー化合物と、一般式(II)で表されるグライムとを、極性溶媒中で混合するステップを包含し、これにより上記課題を解決する。

ここで、RおよびRは、同一または別異の、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、mは1以上4以下の整数である。
前記混合するステップは、不活性ガス雰囲気中で行われてもよい。
本発明による電解質材料は、少なくとも上述のポリマー複合体を含有し、これにより上記課題を解決する。
本発明によるリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に位置する高分子電解質層とを備え、前記高分子電解質層は、上述の電解質材料からなり、これにより上記課題を解決する。
本発明によるリチウムイオン空気電池は、空気極と、負極と、前記空気極および前記負極の間に位置する高分子電解質層とを備え、前記高分子電解質層は、上述の電解質材料からなり、これにより上記課題を解決する。
本発明によるモノマー化合物は、メタクリレート基に直接窒素が結合しているので、モノマー化合物そのものをコンパクトにできる。このようなモノマー化合物を用いれば、アニオン性となるポリマー化合物が得られるが、コンパクトなモノマー化合物を用いているのでポリマー化合物の密度が向上し得る。その結果、含有されるLiイオンの密度も向上する。このような本発明のモノマー化合物を出発物質として得られるポリマー複合体は、本発明のポリマー化合物をアニオン性ポリマー化合物の主鎖とし、Liイオンとグライムまたはグライム誘導体との錯体をカウンターカチオンとするので、Liイオンが容易に移動し、Liイオンの解離度およびLiイオンの輸率が向上し得る。さらに、本発明のポリマー複合体の結晶性の低下に伴い、ガラス転移温度が劇的に低下するので、とりわけ低温でも極めて優れた導電率を有することができる。このようなポリマー複合体をリチウムイオン電池または空気電池の高分子電解質層に用いれば、通常環境下のみならず低温環境下でも使用できるため、環境に依存することなく、有利である。
本発明のモノマー化合物を製造する過程を示す図 本発明のモノマー化合物を製造する別の過程を示す図 本発明のモノマー化合物を製造するさらに別の過程を示す図 本発明のポリマー化合物を製造する過程を示す図 本発明のポリマー複合体を製造する過程を示す図 本発明のリチウムイオン二次電池を示す模式図 本発明の空気電池を示す模式図 実施例1におけるモノマー化合物を合成する過程を示す図 実施例1で得られた生成物の外観を示す図 実施例1の生成物のH NMRスペクトルを示す図 実施例1の生成物の13C NMRスペクトルを示す図 実施例1の生成物のFT−IRスペクトルを示す図 実施例2におけるポリマー化合物を合成する過程を示す図 実施例2のポリマー化合物の合成におけるモノマー化合物の消費割合と時間との関係を示す図 実施例2のポリマー化合物の合成におけるポリマー化合物の分子量のモノマー化合物の転化率の依存性を示す図 実施例2のポリマー化合物の合成におけるポリマー化合物の分子量分布のモノマー化合物の転化率の依存性を示す図 実施例3におけるポリマー複合体を合成する過程を示す図 実施例3の生成物のH NMRスペクトルを示す図 実施例3の生成物のDSC挙動を示す図 実施例3の生成物の導電率の温度依存性を示す図 実施例5におけるモノマー化合物を合成する過程を示す図 実施例6におけるモノマー化合物を合成する過程を示す図
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、同様の要素には同様の番号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
実施の形態1では、本発明のモノマー化合物およびその製造方法について説明する。
本発明によるモノマー化合物は、一般式(1)で表される。
ここで、Tfは、トリフルオロメタンスルホニル基(−SOCF)を表し、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基である。
本発明によるモノマー化合物は、メタクリレート基に直接窒素が結合し、この窒素にトリフルオロメタンスルホニル基が結合している。従来、窒素の両端にトリフルオロメタンスルホニル基を有するもの、および、合成の容易さからメタクリレート基にエステル結合を介して種々のアルキル基、次いで窒素が結合するものが知られている(例えば、A.S.Shaplovら,Electrochimica Acta 2011,57,74−90を参照)。しかしながら、本願発明者らは、メタクリレート基に直接窒素を結合させるという発想により、後述する合成方法に創意工夫を行った結果、モノマー化合物の小型化に成功した。
は、好ましくは、水素またはメチル基である。これらであれば、合成が容易であり、モノマー化合物がよりコンパクトになるため有利である。
なお、Rを修飾する置換基は、反応性のある置換基であれば制限はないが、例示的には、ハロゲン基、水酸基、アミノ基およびエポキシ基からなる群から選択される。これらの置換基であれば、モノマー化合物の特性に大きな影響を与えないが、置換基によりさらなる特性を付与することができる。
次に、本発明のモノマー化合物の製造方法について説明する。
図1は、本発明のモノマー化合物を製造する過程を示す図である。
ステップS110:NHSOCF(トリフルオロメタンスルホニルアミン:NHTf)にMH(Mは、Li、Na、KおよびCsからなる群から選択される元素)を反応させる(第1のステップとも呼ぶ)。これにより、アルカリ金属のトリフルオロメタンスルホニルアミド(NHMTf)110(図1)が得られる。ここでMは、Li、Na、KおよびCsからなる群から選択される元素である。
第1のステップは、具体的には、NHTfとMHとを極性溶媒中で−100℃以上30℃以下の温度範囲で反応させる。好ましくは、−100℃以上0℃以下の温度範囲にすることにより、副反応を抑制し、高純度に所望の生成物を得ることができる。NHTfおよびMHが溶解する極性溶媒であれば特に制限はないが、例示的には、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル(AcN)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトン、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、メチルエチルケトン、プロパノール等がある。これらであれば、確実にNHTfおよびMHが溶解する。
反応は1時間以上48時間以下で完了し、極性溶媒をエバポレータ等により除去することにより、粉末状の生成物としてNHMTf110が得られる。なお、MHは、NHTfのモル当量と少なくとも同じとなるように混合されるのがよい。少なくとも同じであればよいので、MHを、NHTfよりも多く用いてもよい。
ステップS120:ステップS110で得られた反応物110(すなわち、NHMTf)に一般式(I)で表される化合物120(図1)を反応させる(第2のステップとも呼ぶ)。これにより、反応物130(図1)が得られる。
ここで、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される元素である。なお、Rを修飾する置換基は、上述したように、反応性のある置換基であれば制限はないが、例示的には、ハロゲン基、水酸基、アミノ基およびエポキシ基からなる群から選択される。
第2のステップは、具体的には、NHMTf110と一般式(I)の化合物120とを極性溶媒中で−100℃以上30℃以下の温度範囲で反応させる。好ましくは、−100℃以上0℃以下の温度範囲にすることにより、副反応を抑制し、高純度に所望の生成物を得ることができる。NHMTf110および化合物120が溶解する極性溶媒であれば特に制限はないが、例示的には、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、メチルエチルケトン等がある。これらであれば、確実にNHMTf110および化合物120が溶解する。
NHMTf110を含有する極性溶媒に一般式(I)の化合物120を1時間以上5時間以下の時間をかけて添加し、撹拌すればよい。これにより、反応が開始し、MX(Mは、Mは、Li、Na、KおよびCsからなる群から選択される元素であり、Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される元素である)が析出する。MXの析出物を濾過により除去し、濾液から極性溶媒をエバポレータ等により除去することにより、粉末状の生成物として反応物130が得られる。
一般式(I)の化合物120は、ステップS110で用いたNHTfのモル当量と少なくとも同じとなるように混合されればよい。なお、0℃以下の温度で添加している場合に、添加後、溶媒の温度を室温まで昇温させてもよい。これにより、反応が促進される。本願明細書において、室温とは、0℃より高く30℃以下の温度範囲を意図する。
ステップS130:ステップS120で得られた反応物130(図1)に、水素化リチウム、水酸化リチウム、および、リチウムアルコキシドからなる群から選択されるリチウム塩を反応させる(第3のステップとも呼ぶ)。これにより、一般式(1)で表される本発明のモノマー化合物140(図1)が得られる。リチウムアルコキシドは、例示的には、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムtert−ブトキシド等を挙げられるが、アルコキシド基を有するリチウム化合物であれば特に制限はない。
第3のステップは、具体的には、反応物130とリチウム塩とを極性溶媒中で−100℃以上30℃以下の温度範囲で反応させる。好ましくは、−100℃以上0℃以下の温度範囲にすることにより、副反応物の生成を抑制し、高純度に所望の生成物を得ることができる。反応物130およびリチウム塩が溶解する極性溶媒であれば特に制限はないが、例示的には、テトラヒドロフラン(THF)、水、メタノール、エタノール、アセトニトリル(AcN)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトン、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、メチルエチルケトン、プロパノール等がある。これらであれば、確実に反応物130およびリチウム塩が溶解する。リチウム塩を含有する極性溶媒に、反応物130を含有する極性溶媒を0.5時間以上3時間以下の時間をかけて添加し、撹拌すればよい。ここでは、リチウム塩は、反応物130のモル当量と少なくとも同じとなるように添加される。なお、0℃以下の温度で添加している場合に、添加後、混合物の温度を室温まで昇温させてもよい。これにより、反応がさらに促進される。
極性溶媒をエバポレータ等により除去することにより、粉末状の生成物として一般式(1)で表されるモノマー化合物140が得られる。
図2は、本発明のモノマー化合物を製造する別の過程を示す図である。
ステップS210:NHSOCF(NHTf)にMH(Mは、Li、Na、KおよびCsからなる群から選択される元素)を反応させる(第1のステップとも呼ぶ)。このステップは、図1を参照して説明した第1のステップ(S110)と同様であるため説明を省略する。
ステップS220:ステップS210で得られた反応物(すなわち、NHMTf110)と、一般式(I)で表される化合物120(図2)と、トリエチルアミン(EtN)、ピリジンおよび1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)からなる群から選択されるアミン類とを反応させる(第2のステップとも呼ぶ)。これにより、一般式(1)で表される本発明のモノマー化合物140(図2)が得られる。
ここで、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される元素である。なお、Rを修飾する置換基は、上述したように、反応性のある置換基であれば制限はないが、例示的には、ハロゲン基、水酸基、アミノ基およびエポキシ基からなる群から選択される。
第2のステップは、具体的には、NHMTf110と一般式(I)の化合物120とアミン類とを極性溶媒中で−100℃以上30℃以下の温度範囲で反応させる。好ましくは、−100℃以上0℃以下の温度範囲にすることにより、副反応を抑制し、高純度に生成物を得ることができる。NHMTf110、化合物120およびアミン類が溶解する極性溶媒であれば特に制限はないが、例示的には、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール、エタノール、アセトニトリル(AcN)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトン、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、メチルエチルケトン、プロパノール等がある。これらであれば、上述の化合物を溶解させることができる。
NHMTf110を含有する極性溶媒に、アミン類次いで一般式(I)の化合物120を1時間以上5時間以下の時間をかけて添加し、撹拌すればよい。これにより、反応が開始し、中間体を経て、本発明のモノマー化合物140を得ることができる。図2に示す製造方法は、図1を参照して説明した製造方法に比べて、工程が少なく、収率がよいため、大量生産に向いている。
一般式(I)の化合物120およびアミン類は、ステップS210で用いたNHTfのモル当量と少なくとも同じとなるように混合されればよい。なお、0℃以下の温度で添加している場合に、添加後、混合物の温度を室温まで昇温させてもよい。これにより、反応がさらに促進され、析出物としてアミンのハロゲン化物が生成し得る。極性溶媒をエバポレータ等により除去することにより、粉末状の生成物として一般式(1)で表されるモノマー化合物140が得られる。
図3は、本発明のモノマー化合物を製造するさらに別の過程を示す図である。
ステップS310:NHSOCF(NHTf)と、一般式(I)で表される化合物120(図3)と、トリエチルアミン(EtN)、ピリジンおよび1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)からなる群から選択されるアミン類とを反応させる(第1のステップとも呼ぶ)。これにより、生成物310(図3)が得られる。なお、図3では、分かり易さのために、生成物310は、アミン類としてEtNを用いた場合の生成物を示す。
ここで、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される元素である。なお、Rを修飾する置換基は、上述したように、反応性のある置換基であれば制限はないが、例示的には、ハロゲン基、水酸基、アミノ基およびエポキシ基からなる群から選択される。
第1のステップは、具体的には、NHTfと一般式(I)の化合物120とアミン類とを極性溶媒中で−100℃以上30℃以下の温度範囲で反応させる。好ましくは、−100℃以上0℃以下の温度範囲にすることにより、副反応を抑制し、高純度に生成物310を得ることができる。NHTf、化合物120およびアミン類が溶解する極性溶媒であれば、特に制限はないが、例示的には、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル(AcN)、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトン、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、メチルエチルケトン、プロパノール等がある。これらであれば、上述の化合物を溶解させることができる。
NHTfを含有する極性溶媒に、アミン類次いで一般式(I)の化合物120を1時間以上5時間以下の時間をかけて添加し、撹拌すればよい。これにより、反応が開始し、反応物310を得ることができる。なお、0℃以下の温度で添加している場合に、添加後、混合物の温度を室温まで昇温させてもよい。これにより、反応が促進される。
ステップS320:ステップS310で得られた反応物310にハロゲン化リチウムを反応させる(第2のステップとも呼ぶ)。ハロゲン化リチウムは、塩化リチウム、フッ化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム等である。
第2のステップは、具体的には、化合物310とハロゲン化リチウムとを極性溶媒中で−100℃以上30℃以下の温度範囲で反応させる。好ましくは、−100℃以上0℃以下の温度範囲にすることにより、副反応を抑制し、高純度に生成物を得ることができる。化合物310およびハロゲン化リチウムが溶解する極性溶媒であれば特に制限はないが、例示的には、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール、エタノール、アセトニトリル(AcN)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトン、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、メチルエチルケトン、プロパノール等がある。これらであれば、上述の化合物を溶解させることができる。
極性溶媒中で化合物310にハロゲン化リチウムを添加し、撹拌すればよい。これにより、反応が開始し、析出物としてアミンのハロゲン化物が生成し、本発明のモノマー化合物140(図3)を得ることができる。図3に示す製造方法は、図1を参照して説明した製造方法に比べて、工程が少なく、かつ、収率がよいため、大量生産に向いている。極性溶媒をエバポレータ等により除去することにより、粉末状の生成物として一般式(1)で表されるモノマー化合物140が得られる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、本発明のポリマー化合物およびその製造方法について説明する。
本発明のポリマー化合物は、一般式(2)で表される。
ここで、Tfは、トリフルオロメタンスルホニル基(−SOCF)を表し、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、nは、10以上100,000以下の整数である。
本発明のポリマー化合物は、メタクリレート基に直接窒素が結合し、この窒素にトリフルオロメタンスルホニル基が結合したものが繰り返し単位となっている。このような構造は窒素を中心に非対称であるため、結晶性が低下し、ガラス転移温度が低下する。
nは、繰り返し単位の数であるが、nが10未満であると、結晶性の低下が生じず、ガラス転移温度が低下しない場合がある。nが100,000を超えると、溶媒への溶解性が低下し、後述するポリマー複合体の合成が困難となる。好ましくは、nは、10以上50,000以下の範囲の整数である。この範囲であれば、結晶性の低下したポリマー化合物が得られる。さらに好ましくは、nは、50以上10,000以下の範囲の整数である。
一般式(2)で表される本発明のポリマー化合物の重量平均分子量(M)は、好ましくは、5,000〜1,000,000の範囲である。重量平均分子量が5,000以上であれば、結晶性の低下が期待され、1,000,000以下であれば、溶媒に溶解し得る。さらに好ましくは、重量平均分子量は、15,000〜40,000の範囲である。
一般式(2)で表される本発明のポリマー化合物の数平均分子量(M)は、好ましくは、5,000〜1,000,000の範囲である。重量平均分子量が5,000以上であれば、結晶性の低下が期待され、1,000,000以下であれば、溶媒に溶解し得る。さらに好ましくは、重量平均分子量は、15,000〜40,000の範囲である。
一般式(2)で表される本発明のポリマー化合物の分子量分布(M/M)は、好ましくは、1以上3以下の範囲である。これにより、後述する本発明のポリマー複合体を合成できる。好ましくは、M/Mは、1以上1.5以下の範囲である。さらに好ましくは、M/Mは、1以上1.2以下の範囲である。
は、好ましくは、水素またはメチル基である。これらであれば、合成が容易であり、ポリマー化合物がよりコンパクトになるため有利である。
なお、Rを修飾する置換基は、反応性のある置換基であれば制限はないが、例示的には、ハロゲン基、水酸基、アミノ基およびエポキシ基からなる群から選択される。これらの置換基であれば、ポリマー化合物の特性に大きな影響を与えないが、置換基によりさらなる特性を付与することができる。
なお、一般式(2)において、Rは、すべてのnに対して、同一であってもよいし、別異であってもよい。Rが同一であれば、合成が容易であるため好ましい。Rが別異であれば、ポリマー化合物に種々の機能性を付与できる場合がある。
また、一般式(2)におけるポリマー化合物の末端は、後述する重合法(あるいは停止法)によって可変であるため、制限はないが、例示的には、水素またはメチル基等の炭化水素基となる。
次に、本発明のポリマー化合物の製造方法について説明する。
図4は、本発明のポリマー化合物を製造する過程を示す図である。
ステップS410:実施の形態1で説明した本発明のモノマー化合物140(図4)を重合させる。これにより、一般式(2)で表される本発明のポリマー化合物410が得られる。小型化したモノマー化合物140を用いているので、得られるポリマー化合物410の密度を向上させることができる。当然ながら、含有されるLiイオンの密度も向上し得る。
重合は、金属錯体下で重合される任意の方法が採用されるが、例えば、ラジカル重合、リビングラジカル重合、イオン重合、リビングイオン重合、光重合および熱重合からなる群から選択される。重合法としてリビングラジカル重合の中でも原子移動ラジカル移動重合(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)を採用した場合、有機ハロゲン化物を開始剤に、1価または2価の銅、2価〜4価のチタン、2価または3価の鉄、2価のコバルト、2価のニッケル、3価または5価のモリブデン、3価のルテニウム等の金属錯体を触媒に用いることができる。
例示的な有機ハロゲン化物は、tert−ブチルα−ブロモイソブチレート、メチルα−ブロモイソブチレート、2−ブロモイソ酪酸エチル、2−ブロモイソ酪酸2−ヒドロキシエチル、エチルビス(2−ブロモイソブチレート)、1,1,1−Tris(2−ブロモイソブチリルオキソメチル)エタン、ドデシル2−ブロモイソブチレート、オクタデシル2−ブロモイソブチレート等があるが、ラジカル重合開始剤として使用できるものであれば、これに限らない。
上述の金属錯体の中でも反応性の観点から、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅等の1価の銅の金属錯体と、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅、シアン化第二銅、酸化第二銅等の2価の銅の金属錯体との組み合わせが好ましい。
さらに、開始剤および金属錯体に加えて、触媒活性を高めるために、2,2’−ビピリジル、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジル等の2,2’−ビピリジル誘導体、N−ブチル−2−ピリジルメタンイミン、N−オクチル−2−ピリジルメタンイミン、Tris(2−ピリジルメチル)アミン等の配位子を用いてもよい。
具体的には、極性溶媒に、実施の形態1で説明した式(1)で表されるモノマー化合物140および開始剤、必要に応じて、配位子を添加し、これに金属錯体を添加し、反応させればよい。ここで、極性溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール、エタノール、アセトニトリル(AcN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトン、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、メチルエチルケトン、プロパノール等である。反応は、室温より高く100℃以下の温度の比較的マイルドな温度で加熱することによって促進する。生成物は、洗浄および遠心分離によって固体粉末として回収される。
(実施の形態3)
実施の形態3では、本発明のポリマー複合体およびその製造方法について説明する。
本発明のポリマー複合体は、一般式(3)で表されるアニオン性ポリマー化合物を主鎖とし、一般式(4)で表される錯体をカウンターカチオンとするポリマーを含有する。
ここで、Tfは、トリフルオロメタンスルホニル基(−SOCF)を表し、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、nは、10以上100,000以下の整数である。
およびRは、同一または別異の、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、mは1以上4以下の整数である。
nは、繰り返し単位の数であるが、nが10未満であると、結晶性の低下が生じず、ガラス転移温度が低下しない場合がある。nが100,000を超えると、溶媒への溶解性が低下し、ポリマー複合体の合成が困難となる。好ましくは、nは、10以上50,000以下の範囲の整数である。この範囲であれば、結晶性の低下したポリマー複合体が得られる。さらに好ましくは、nは、50以上10,000以下の整数である。
本発明のポリマー複合体の重量平均分子量(M)は、好ましくは、5,000〜1,000,000の範囲である。重量平均分子量が5,000以上であれば、結晶性の低下が期待され、製膜時のハンドリング特性から1,000,000以下が好ましい。さらに好ましくは、重量平均分子量は、15,000〜40,000の範囲である。
本発明のポリマー複合体の数平均分子量(M)は、好ましくは、5,000〜1,000,000の範囲である。数平均分子量が5,000以上であれば、結晶性の低下が期待され、製膜時のハンドリング特性から1,000,000以下が好ましい。さらに好ましくは、数平均分子量は、15,000〜40,000の範囲である。
本発明のポリマー複合体の分子量分布(M/M)は、好ましくは、1以上1.5以下の範囲である。本発明のポリマー複合体を用いて電解質膜を得る場合、上述の狭い分子量分布を満たしていれば、機械強度に優れた電解質膜を提供できる。さらに好ましくは、(M/M)は、1以上1.2以下の範囲である。これにより、0℃以下の低温において確実に優れたイオン導電性を示し、かつ安定したフィルム形態保持力を有する電解質膜を製造することが可能となる。例えば、本発明のポリマー複合体(フィルム状)は、室温以下においても、2.0×10−6S/cm以上の導電率と薄膜状フルム形態を有する。
mが5以上になると、一般式(4)で表されるカウンターカチオンからLiイオンが移動するのを阻害する場合があり、導電率の低下を引き起こす。
は、好ましくは、水素またはメチル基であり、RおよびRは、好ましくは、同一または別異の、メチル基またはエチル基である。これらであれば、合成が容易であり、高密度なポリマー複合体となるため有利である。なお、R〜Rが有し得る置換基は、反応性のある置換基であれば制限はないが、例示的には、ハロゲン基、水酸基、アミノ基およびエポキシ基からなる群から選択される。
本発明のポリマー複合体によれば、Liイオンが、一般式(4)で表されるように、グライムまたはグライム誘導体で囲まれた構造を有しているため、一般式(3)で表されるアニオン性ポリマー化合物の有するアニオンと、Liイオンの有するカチオンとの結合性が弱まり、Liイオンが容易に移動し、Liイオンの解離度およびLiイオンの輸率が向上し得る。
さらに、本発明のポリマー複合体は、メタクリレート基に直接窒素が結合し、この窒素にトリフルオロメタンスルホニル基が結合したものが繰り返し単位となっている。このような構造は窒素を中心に非対称であるため、結晶性が低下し、ガラス転移温度が劇的に低下する。したがって、室温のみならず0℃以下の低温(例えば、−70℃〜0℃)でも極めて優れた導電率を有することができる。さらに、本発明のポリマー複合体は、イオン液体ポリマーであるので、イオン液体の特徴である難燃性を備える。
本発明のポリマー複合体は、通常、固体材料であるが、THF、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、メタノール、エタノール、アセトニトリル(AcN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトン、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、メチルエチルケトン、プロパノール等の極性溶媒に溶解し、粘性液体となる。したがって、本発明のポリマー複合体を粘性液体で使用してもよい。粘性液体を基板や電極等への塗布し、溶媒を除去すれば、本発明のポリマー複合体からなる膜が容易に得られる。
以上のような特徴を有する本発明のポリマー複合体を電解質材料としてリチウムイオン電池または空気電池の高分子電解質に用いれば、通常環境下のみならず低温環境下でも使用できるため、環境に依存することなく使用でき、安全性の高い、全固体リチウムイオン電池または全固体空気電池を提供できる。
なお、一般式(3)において、Rは、すべてのnに対して、同一であってもよいし、別異であってもよい。Rが同一であれば、合成が容易であるため好ましい。Rが別異であれば、ポリマー化合物に種々の機能性を付与できる場合がある。
また、一般式(3)におけるアニオン性ポリマー化合物の主鎖の末端は、重合法(あるいは停止法)によって可変であるため、制限はないが、例示的には、水素またはメチル基等の炭化水素基となる。
また、一般式(4)で表されるカウンターカチオンにおけるmの値は、すべてのnに対して、同一であってもよいし、別異であってもよい。mが同一であれば、合成が容易であるため好ましい。mが別異であれば、カウンターカチオンにおけるLiイオンの結合性が変化するので、導電率、Liイオンの解離度あるいは輸率を制御できる。
次に、本発明のポリマー複合体の製造方法について説明する。
図5は、本発明のポリマー複合体を製造する過程を示す図である。
ステップS510:実施の形態2で説明した式(2)で表されるポリマー化合物410(図5)と、一般式(II)で表されるグライムまたはグライム誘導体510(図5)とを極性溶媒中で混合する。ポリマー化合物410については、説明を省略する。グライムまたはグライム誘導体510とは、対称または非対称グリコールエーテルと呼ばれる場合もあり、通常液体である。
ここで、RおよびRは、同一または別異の、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、mは1以上4以下の整数である。RおよびRが有し得る置換基は、反応性のある置換基であれば制限はないが、例示的には、ハロゲン基、水酸基、アミノ基およびエポキシ基からなる群から選択される。
極性溶媒であれば、ポリマー化合物410およびグライムまたはグライム誘導体510を溶解する。極性溶媒は、具体的には、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、メタノール、エタノール、アセトニトリル(AcN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、アセトン、ジオキサン、酢酸エチル、クロロホルム、メチルエチルケトン、プロパノール等がある。
極性溶媒にポリマー化合物410とグライムまたはグライム誘導体510とを添加し、撹拌すればよい。撹拌後、目視にて均一な粘性物質となれば、一般式(3)および一般式(4)で表される本発明のポリマー複合体520(図5)が形成されたといえる。ポリマー化合物410は粉末であり、グライムまたはグライム誘導体510が液体であるが、ポリマー複合体520が形成されない場合には、均一な粘性物質が得られない。このように、単に混合し撹拌するだけでよいので、高価な装置等を不要とし、安価に提供できる。
ここで、グライムまたはグライム誘導体510は、ポリマー化合物410を製造するためのモノマー化合物120(図4)におけるLiのモル当量と少なくとも同じとなるように、ポリマー化合物410と混合されるのがよい。なお、混合は、好ましくは、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の不活性ガス雰囲気下で行われる。これにより、反応を促進する。
また、好ましくは、ポリマー化合物410として、分子量分布(重量平均分子量(M)/数平均分子量(M))が1.2以下であるポリマー化合物を使用すれば、0℃以下の低温において確実に優れたイオン導電性を示し、かつ、安定したフィルム形態保持力を有する電解質膜を製造することが可能となる。
実施の形態3では、Liイオンが、一般式(4)で表されるように、グライムまたはグライム誘導体で囲まれた構造を有するポリマー複合体520(図5)について詳述してきたが、図5のステップS510において、グライムまたはグライム誘導体510(図5)に代えて、あるいは、グライムまたはグライム誘導体510(図5)とともに、テトラヒドロフラン、アセトン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、モルホリン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレンジアミン、ピリジンおよびトリエチルアミンからなる群から選択される溶媒を用いてもよい。これにより、Liイオンをこれら溶媒あるいはこれら溶媒とグライムまたはグライム誘導体510との組み合わせで囲んだ構造を有するポリマー複合体を構成してもよい。この場合も、Liイオンとこれら溶媒とが錯体を形成するので、一般式(3)で表されるアニオン性ポリマー化合物を主鎖とし、Liイオンと少なくともこれら溶媒とからなる錯体をカウンターカチオンとするポリマー複合体となる。
こらら溶媒を用いた場合であっても、グライムまたはグライム誘導体を用いた場合と同様に、ポリマー複合体におけるLiイオンの移動を容易に、Liイオンの解離度およびLiイオンの輸率を向上し得、ポリマー複合体の結晶性が低下し、ガラス転移温度が低下し、室温のみならず低温でも極めて優れた導電率を有することができる。
本発明のポリマー複合体の別の製造方法について説明する。実施の形態1で説明した本発明のモノマー化合物140(図1〜図3)と、一般式(II)で表されるグライムまたはグライム誘導体510(図5)とを混合し、モノマー化合物140のLiとグライムまたはグライム誘導体とが錯形成したモノマー化合物を合成し、これを重合してもよい。重合は、例えば、実施の形態2のステップS410と同様に行うことができる。
(実施の形態4)
実施の形態4では、実施の形態3で説明したポリマー複合体を電解質材料として用いた用途として、リチウムイオン二次電池および空気電池について説明する。
図6は、本発明のリチウムイオン二次電池を示す模式図である。
本発明のリチウムイオン二次電池600は、少なくとも、正極610と、負極620と、正極610と負極620との間に位置する高分子電解質630とを備える。ここで、高分子電解質630は、実施の形態3で説明した一般式(3)および(4)で表されるポリマー複合体520(図5)を含有する電解質材料からなる。ポリマー複合体520の説明は重複するため省略する。
正極610は、少なくとも、リチウムを吸蔵・放出可能な任意の正極活物質を含有する。例示的な正極活物質は、LiNiOに代表されるLi−Ni系複合酸化物、LiNi0.5Mn0.5に代表されるLi−Ni−Mn系複合酸化物、LiFePOに代表されるLi−リン酸鉄系複合酸化物などのリチウム−遷移金属複合酸化物があるが、リチウムイオン二次電池に通常用いられる正極活物質を採用できる。
正極610は、正極活物質に加えて導電性を向上させるための導電性材料、さらには、これらを結合させるバインダなどをさらに含有して構成される正極活物質層を有してもよい。例示的な導電性材料は、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノファイバなどのカーボンブラック、グラフェンなどの炭素材料なとがある。バインダは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等があるが、これらに限定されない。
正極610は、正極活物質層の表面に正極集電体をさらに有し、外部との電気接続を可能にするよう構成されてもよい。正極集電体は、例示的にはアルミニウム、ステンレス、鉄、クロム、ニッケル、マンガン等の金属材料からなるが、導電性の任意の材料が使用される。形状は、箔状、板状、メッシュ状であり得る。
負極620は、少なくとも、リチウムを吸蔵・放出可能な任意の負極活物質を含有する。例示的な負極活物質は、Li、Sn、Si、Sb、Ge、C等の単体金属またはこれらを含有する合金等があるが、リチウムイオン二次電池に通常用いられる負極活物質を採用できる。
負極620は、負極活物質に加えて導電性を向上させるための導電性材料、さらには、これらを結合させるバインダなどをさらに含有して構成される負極活物質層を有してもよい。例示的な導電性材料およびバインダは、上述のとおりである。
負極620は、負極活物質層の表面に負極集電体をさらに有し、外部との電気接続を可能にするよう構成されてもよい。負極集電体もまた、正極集電体と同様である。
リチウムイオン二次電池600の例示的な製造方法は、正極610を形成し、その上に、ポリマー複合体520(図5)を含有する溶液を塗布し、高分子電解質層630を形成し、その上に負極620を形成すればよい。必要に応じて、加熱あるいは放置により溶媒が除去される。
図7は、本発明の空気電池を示す模式図である。
本発明の空気電池700は、少なくとも、正極として機能する空気極710と、負極720と、空気極710と負極720との間に位置する高分子電解質730とを備える。ここで、高分子電解質730は、実施の形態3で説明した一般式(3)および(4)で表されるポリマー複合体520(図5)を含有する電解質材料からなる。ポリマー複合体520の説明は重複するため省略する。
空気極710には、既存の空気電池の空気極を使用できる。例示的には、空気極710は、触媒として、白金、ロジウム、パラジウム、銀、ルテニウム等の金属、および/または、ペロブスカイト酸化物、マンガン酸化物、コバルト酸化物、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銅、ルテニウム酸化物等の酸化物が担持された炭素材料である。炭素材料は、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノファイバなどのカーボンブラック、グラフェンなどである。
空気極710は、表面に空気極集電体をさらに有し、外部との電気接続を可能にするよう構成されてもよい。空気極集電体は、例示的にはアルミニウム、ステンレス、鉄、クロム、ニッケル、マンガン等の金属材料からなるが、導電性の任意の材料が使用され、メッシュ状である。
負極720は、少なくとも、リチウムを吸蔵・放出可能な任意の負極活物質を含有する。例示的な負極活物質は、Li金属、リチウム合金、Si合金、Sn合金、リチウム含有酸化物、酸化スズ等の金属酸化物、ニッケル硫化物等の金属硫化物、窒化リチウム等の金属窒化物等があるが、空気次電池に通常用いられる負極活物質を採用できる。
負極720は、負極活物質に加えて導電性を向上させるための導電性材料、さらには、これらを結合させるバインダなどをさらに含有して構成される負極活物質層を有してもよい。例示的な導電性材料およびバインダは、リチウムイオン二次電池で説明した導電性材料およびバインダと同様である。
負極720は、負極活物質層の表面に負極集電体をさらに有し、外部との電気接続を可能にするよう構成されてもよい。負極集電体もまた、例示的にはアルミニウム、ステンレス、鉄、クロム、ニッケル、マンガン等の金属材料からなるが、導電性の任意の材料が使用される。形状は、箔状、板状、メッシュ状であり得る。
空気電池700の例示的な製造方法は、空気極710を形成し、その上に、ポリマー複合体520(図5)を含有する溶液を塗布し、高分子電解質層730を形成し、その上に負極720を形成すればよい。必要に応じて、加熱あるいは放置により溶媒が除去される。
図6および図7では、リチウムイオン二次電池600および空気電池700として分かり易さのために単一のセルを示すが、このようなセルが複数接続していてもよい。このようなリチウムイオン二次電池は、電池ケース(図示せず)に収容されて、チップ型、コイン型、ボタン型、モールド型、パウチ型、ラミネート型、円筒型、角型等のキャパシタであってもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池600および空気電池700によれば、高分子電解質層630、730が、本発明のポリマー複合体520(図5)からなる電解質材料から構成されるため、通常環境下のみならず低温環境下でも使用できる。
次に具体的な実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明がこれら実施例に限定されないことに留意されたい。
[合成に用いた試薬]
以降の実施例および比較例で用いた試薬は、すべて、特級試薬であった。トリフルオロメタンスルホンアミド(NHSOCF、純度98%)、メタノール、水素化リチウム(LiH、純度95%)、アセトニトリル(AcN)、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、2−ブロモイソ酪酸エチル(EBIB)、2,2’−ビピリジン(BIPY)、クロロホルム、テトラグライム(G4)、トリエチルアミン(EtN、純度99%)、および、塩化リチウムを、東京化成工業株式会社から購入した。塩化メタクリロイル(純度97%)、塩化第一銅(Cu(I)Cl)、および、塩化第二銅(Cu(II)Cl)を、和光純薬工業株式会社から購入した。使用前にメタノール、G4、AcN、DMFおよびTHFを乾燥させた。
[実施例1]
実施例1では、一般式(1)において、Rがメチル基であるモノマー化合物を合成した。
図8は、実施例1におけるモノマー化合物を合成する過程を示す図である。
NHSOCF(NHTf)に、MH(Mは、Li、Na、KおよびCsからなる群から選択される元素)としてLiHを反応させた(図1および図8のステップS110)。具体的には、NHSOCF(15.2g、0.1mol)を極性溶媒としてメタノール(20mL)に溶解させた。この溶液に、LiH(0.837g、0.1mol)およびメタノール(30mL)から得られるCHOLiのメタノール溶液を添加した。この際、混合時の温度を−40℃となるようにした。混合、撹拌後、メタノールをロータリーエバポレータにより除去した。
次に、得られた生成物(NHLiSOCF、NHLiTf)に、一般式(I)においてRがメチル基である塩化メタクリロイルを反応させた(図1および図8のステップS120)。具体的には、生成物(NHLiTf)を極性溶媒としてAcN(70mL)に溶解させ、0℃まで冷却した。この溶液に、塩化メタクリロイル(12.1g、0.12mol)を撹拌しながら、3時間かけて添加した。添加後、混合物をさらに1時間撹拌し、室温まで加熱した。室温にて24時間撹拌後、濾過により析出物である塩化リチウム(LiCl)を分離し、濾液からAcNをロータリーエバポレータにより除去した。得られた生成物がトリフルオロメタンスルホニルメタクリルアミド(図8のTFSMA)であることを核磁気共鳴(NMR、JEOL製、JEM−ECX400)により確認した。
次に、TFSMAにさらにリチウム塩としてLiHを反応させた(図1および図8のステップS130)。具体的には、−40℃に冷却した極性溶媒としてTHF(70mL)にLiH(20mmol)を撹拌しながら溶解した。この溶液に、TFSMA(20mmol)をTHF(30mL)に溶解した溶液を1時間かけて滴下した。この混合溶液を室温まで加熱し、24時間保持した。その後、溶液を濾過し、THFをロータリーエバポレータにより除去した。
このようにして生成物(15.4g、収率71%)を得た。得られた生成物を観察し、NMR、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR、Thermo Scientifc製、Nicolet iS50)および液体クロマトグラフィ質量分析法(LC/MS、Waters製、Xevo G2−S QTof)により同定した。H NMRスペクトルを、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用い、生成物にアセトニトリル−Dを加えて、溶解させて、400MHz、室温で測定した。13C NMRスペクトルを、内部標準としてメタノールを用い、生成物にメタノール−Dを加えて、溶解させて、100MHz、室温で測定した。FT−IRスペクトルを、生成物をKBrに溶解させて、透過法により測定した。LC/MSは、標準物質としてポリエチレングリコール(PEG)を用いた標準溶液(有機溶媒はLiBr:3.5g/L含有、Acetonitrile:HO=2:3)を用い、生成物のピーク面積と標準溶液のピーク面積との比から検量線を求め、重量平均分子量および数平均分子量を算出した。これらの結果を図9〜図12に示す。
図9は、実施例1で得られた生成物の外観を示す図である。
図9はグレースケールで示されるが、試料容器中にコントラストが明るく示される部分が生成物であり、白色の固体粉末であることを確認した。
図10は、実施例1の生成物のH NMRスペクトルを示す図である。
図11は、実施例1の生成物の13C NMRスペクトルを示す図である。
図10によれば、ビニル基の末端水素に由来するシグナルAおよびBが、それぞれ、6.07(2H)ppmおよび5.49(2H)ppmに、メチル基の水素に由来するシグナルCが、1.86(3H)ppmに観察された。
図11によれば、(1)〜(5)の炭素に由来するシグナル(1)〜(5)が、それぞれ、176.32ppm、144.33ppm、123.72ppm、120.65ppmおよび18.53ppmに観察された。
図12は、実施例1の生成物のFT−IRスペクトルを示す図である。
FT−IRスペクトルで観察された吸収ピークa〜eは、それぞれ、図12に示す分子の振動/回転に割り当てることができた。注目すべきは、スルホンアミド基(CO−N−SO)のS=OおよびC=Oの伸縮振動にそれぞれ起因する1320cm−1および1590cm−1のピークが観察されたことから、スルホンアミドがグラフトされたことが確認された。
さらに、LC/MSによれば、モノマー化合物のアニオンとしてCNOSの理論値216.1542に対して、生成物のm/zは215.9913であった。
以上の結果から、実施例1で得られた生成物は、一般式(1)においてRがメチル基であり、メタクリレート基に直接窒素が結合したモノマー化合物(図8のLiTFSMA)であり、小型化に成功したことが示された。以降では、実施例1で得られたモノマー化合物をLiTFSMAと称する。
[実施例2]
実施例2では、一般式(2)において、Rがメチル基であるポリマー化合物を合成した。
図13は、実施例2におけるポリマー化合物を合成する過程を示す図である。
実施例1で得られたモノマー化合物LiTFSMAを重合させた(図4および図13のステップS410)。ここでは、重合法として、リビングラジカル重合の1つである原子移動ラジカル移動重合(ATRP)を採用した。シュレンク管に、極性溶媒としてDMFを入れ、LiTFSMAと、開始剤としてEBIBであるハロゲン化物と、BIPYである配位子とを添加した。次いで、シュレンク管内をアルゴンガスでパージし、20分間脱酸した。アルゴンガスの充填はグローブボックス内で行った。次いで、これらの混合溶液に、金属錯体として、塩化第一銅および塩化第二銅を添加し、シュレンク管に三方活栓を付けた。ここで用いたLiTFSMA、EBIB、金属錯体およびBIPYのモル比を表1に示す。
表1の上段のMは、各試薬の分子量であり、下段の[M]は、EBIBを1モルとした際のモル比を表す。
次いで、シュレンク管を60℃のオイルバス中で撹拌し、重合を開始した。重合時間は、1〜7時間であった。1時間おきに一定容量の溶液をシュレンク管から取り出し、NMRによりモノマー転化率、ならびに、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC、Shodex製、GPC−101)により重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布を求めた。GPCでは、PEGを用いた標準溶液(有機溶媒はLiBr:3.5g/L含有、アセトニトリル:HO=2:3)を用い、生成物のピーク面積と標準溶液のピーク面積との比から検量線を求めた。結果を図14〜図16に示す。
7時間重合を行った後、反応物をAcNとクロロホルムとの混合溶媒で希釈し、遠心分離機により回収した。なお、希釈および遠心分離を3回繰り返し、白色粉末の生成物(4.83g、収率97%)を得た。なお、生成物が、一般式(2)においてRがメチル基であるポリマー化合物(図13のPLiTFSMA)であることを、NMRおよびFTIRにより確認した。
図14は、実施例2のポリマー化合物の合成におけるモノマー化合物の消費割合と時間との関係を示す図である。
図14において、[M]は、仕込み時のモノマー化合物の濃度であり、[M]は、残留するモノマー化合物の濃度であり、縦軸はモノマー化合物の消費割合を表す。図14によれば、モノマー化合物の消費割合が線形であることから、ATRPが良好に行われたことを確認した。
図15は、実施例2のポリマー化合物の合成におけるポリマー化合物の分子量のモノマー化合物の転化率の依存性を示す図である。
図16は、実施例2のポリマー化合物の合成におけるポリマー化合物の分子量分布のモノマー化合物の転化率の依存性を示す図である。
図15において、縦軸のMは数平均分子量を表す。図15によれば、モノマー化合物の転化に伴うポリマー化合物の分子量の変化が線形であることから、ATRPが良好に行われたことを確認した。特に、重合を7時間行うことにより、仕込み時のモノマー化合物の80%がポリマー化合物に転化され、その際の数平均分子量は、29,176であった。
図16において、縦軸のMは重量平均分子量を表し、Mは数平均分子量を表し、M/Mは分子量分布を表す。図16によれば、重合が進むに伴い、分子量のばらつきが低減することが分かり、特に、モノマー転化率が50%以上であれば、分子量分布がほぼない、すなわちM/Mが1.2以下を満たすポリマー化合物が得られる。
図15および図16から、種々のモノマー転化率で得られるポリマー化合物の重量平均分子量、数平均分子量および分子量分布をまとめて、表2に示す。以降では、実施例2で得られたポリマー化合物をPLiTFSMAと称する。
[実施例3]
実施例3では、一般式(3)においてRがメチル基であり、一般式(4)においてRおよびRがメチル基であり、mが4である、ポリマー複合体を合成した。
図17は、実施例3におけるポリマー複合体を合成する過程を示す図である。
実施例2で合成したPLiTFSMAと、一般式(II)においてRおよびRがメチル基であり、mが4であるテトラグライム(G4、テトラエチレングリコールジメチルエーテル)とを極性溶媒としてTHF中で混合した(図5および図17のステップS510)。このとき、PLiTFSMAとG4とは、アルゴンガスでパージされたグローブボックス内で、1:1(モル当量)を満たすように混合された。混合物を撹拌したところ、均一な粘性のある液体となった。次いで、THFをロータリーエバポレータにより除去した。これにより、白色の固体粉末が得られた。
得られた均一な粘性の液体を観察し、NMRにより複合体であることを同定した。H NMRスペクトルを、内部標準としてテトラメチレンシラン(TMS)を用い、液体にCDClを加えて、400MHz、室温で測定した。結果を図18に示す。
図18は、実施例3の生成物のH NMRスペクトルを示す図である。
図18には、比較のためにG4のNMRスペクトルも併せて示す。図18によれば、実施例3の生成物では、G4の(1)〜(3)の水素に由来するシグナル(1)〜(3)が観察されたが、すべてのシグナルが完全にシフトしていることから、ステップS510の混合によって、PLiTFSMAとG4とはポリマー複合体(以降では、実施例3の生成物をPLi(G4)TFSMAと称する)を形成していることが確認された。
PLi(G4)TFSMAについて示差走査熱量測定(DSC、Shimadzu製、DTG−60)を行い、ガラス転移温度および熱容量を求めた。測定は、標準物質として空のプラチナセルを用い、−100℃から100℃まで、次いで100℃から−100℃まで、昇温・降温速度(10℃/分)で、窒素雰囲気中で行った。結果を図19に示す。
図19は、実施例3の生成物のDSC挙動を示す図である。
図19には、比較のために、実施例2の生成物であるPLiTFSMAのDSC挙動も併せて示す。図19のPLi(G4)TFSMAのDSC挙動によれば、約−74℃付近にベースラインのシフト(図19の領域1910)が見られた。一方、図19のPLiTFSMAのDSC挙動によれば、約32℃付近にベースラインのシフト(図19の領域1920)が見られた。これらからガラス転移温度を詳細に算出したところ、PLi(G4)TFSMAおよびPLiTFSMAのガラス転移温度は、それぞれ、−74.2℃および32.3℃と算出された。また、比熱容量を算出したところ、PLi(G4)TFSMAおよびPLiTFSMAの比熱容量は、それぞれ、0.35537mJ/deg・mgおよび0.094161mJ/deg・mgであった。このことから、結晶性の低下に伴い、ガラス転移温度が劇的に低下したことが示された。
次に、PLi(G4)TFSMAの導電率の温度依存性を調べた。測定用の電池セルは次のようにして調整された。両面研磨したステンレス鋼の円盤状電極の片面に、PLi(G4)TFSMAを溶解させたTHF溶液(10wt%)を滴下し、真空下で5時間維持し、THFを除去した。次いで、PLi(G4)TFSMAが付与されたステンレス鋼電極を、120℃で2時間熱処理した。その後、これをカウンタ電極としてステンレス鋼電極で挟み、測定用電池セルとした。この際、PLi(G4)TFSMAの厚さは100μmであった。
測定用電池セルをサーモスタット付オーブンチャンバに配置し、マルチ周波数LCRメータ(Agilent Technology製、E4980AプレシジョンLCR)および抵抗器(R)を用いて、交流インピーダンス測定を行った。測定は、20Hz〜2MHzの範囲の種々の周波数、−5℃〜125℃の種々の温度(−5℃、15℃、35℃、55℃、75℃、95℃および115℃)において行われた。結果を図20に示す。
図20は、実施例3の生成物の導電率の温度依存性を示す図である。
図20には、比較のために、実施例2の生成物であるPLiTFSMAの導電率の温度依存性も併せて示す。図20によれば、55℃以下から室温近傍までの領域において、PLi(G4)TFSMAの導電率はガラス転移に伴う低下を伴わず、PLiTFSMAよりも高い値を示した。このことは、本発明のポリマー複合体において、Liイオンとグライムまたはグライム誘導体との錯体をカウンターカチオンとするので、室温近傍の温度域においてもLiイオンが容易に移動し、高いLiイオンの解離度および高いLiイオンの輸率が維持されることを示す。
室温(例えば、25℃)以下の極低温域においては、PLi(G4)TFSMAの導電率は、PLiTFSMAのそれよりも高い値を有することが分かった。特に注目すべきは、室温以下の極低温域(例えば、−5℃)におけるPLi(G4)TFSMAの導電率は、2.0×10−6S/cmであった。本発明のポリマー複合体の結晶性の低下に伴い、ガラス転移温度が劇的に低下するので、とりわけ低温でも極めて優れた導電率を有し、これをリチウムイオン電池または空気電池の高分子電解質層に用いれば、通常環境下のみならず低温環境下でも使用できることが示された。以上の結果を表3および表4にまとめる。
[比較例4]
PLiTFSMAに代えて、非特許文献1の図1に示すポリマー(非特許文献1の表1の試料A−BCE_3)を用い、これをG4混合した。混合および撹拌の条件は、実施例3と同様であった。混合・撹拌したところ、ポリマーが分散した状態が目視にて確認され、均一な粘性の液体とならなかった。実施例3および比較例4の結果から、アニオン性ポリマーを主鎖としLiイオンをカウンターカチオンとする任意のポリマーでは、G4に代表されるグライムまたはグライム誘導体と錯体を形成せず、一般式(2)で表されるポリマー化合物がグライムまたはグライム誘導体との錯形成、さらにはポリマー複合体の合成に有効であることが示された。
[実施例5]
実施例5では、一般式(1)において、Rがメチル基であるモノマー化合物を合成した。
図21は、実施例5におけるモノマー化合物を合成する過程を示す図である。
NHSOCF(NHTf)に、(Mは、Li、Na、KおよびCsからなる群から選択される元素)としてLiHを反応させた(図2および図21のステップS210)。具体的には、NHTf(7.6g、0.05mol)を極性溶媒としてメタノール(10mL)に溶解させた。この溶液に、LiH(0.4184g、0.05mol)およびメタノール(15mL)から得られるCHOLiのメタノール溶液を添加した。この際、混合時の温度を−40℃となるようにした。混合し、撹拌後、メタノールをロータリーエバポレータにより除去した。
次に、得られた生成物(NHLiSOCF、NHLiTf)と、一般式(I)においてRがメチル基である塩化メタクリロイルと、アミン類としてトリエチルアミン(EtN)とを反応させた(図1および図21のステップS220)。具体的には、生成物(NHLiTf)を極性溶媒としてTHF(70mL)に溶解させ、0℃まで冷却した。この溶液に、EtN(5.11g、0.05mol)、次いで、塩化メタクリロイル(6.0g、0.06mol)を撹拌しながら、3時間かけて添加した。添加後、混合物をさらに1時間撹拌し、室温まで加熱した。室温にて24時間撹拌後、濾過により析出物である塩化トリエチルアミン(EtNCl)を分離し、濾液からTHFをロータリーエバポレータにより除去した。生成物をTHF(100mL)で3回洗浄し、THFを除去した。
このようにして生成物(10.05g、収率90%)を得た。得られた生成物を観察したところ、白色の固体粉末であった。実施例1と同様に、NMR、FT−IRおよびLC/MSにより同定した。
H NMRスペクトルによれば、実施例1と同様に、特徴的なピークが検出された。ビニル基の末端水素に由来するシグナルAおよびBが、それぞれ、6.07(2H)ppmおよび5.49(2H)ppmに、メチル基の水素に由来するシグナルCが、1.86(3H)ppmに観察された。
13C NMRスペクトルによれば、実施例1と同様に、特徴的なピークが検出された。(1)〜(5)の炭素(図11)に由来するシグナル(1)〜(5)が、それぞれ、176.32ppm、144.33ppm、123.72ppm、120.65ppmおよび18.53ppmに観察された。
以上の結果から、実施例5で得られた生成物は、一般式(1)においてRがメチル基であり、メタクリレート基に直接窒素が結合したモノマー化合物(図21のLiTFSMA)であることが示された。このことから、本発明のモノマー化合物は、図1に示す製造方法以外に、図2に示す製造方法が有効であり、少ない工程数で、かつ、より高い収率で製造されることが示された。
[実施例6]
実施例6では、一般式(1)において、Rがメチル基であるモノマー化合物を合成した。
図22は、実施例6におけるモノマー化合物を合成する過程を示す図である。
NHSOCF(NHTf)と、一般式(I)においてRがメチル基である塩化メタクリロイルと、アミン類としてトリエチルアミン(EtN)とを反応させた(図3および図22のステップS310)。具体的には、NHTf(15.2g、0.1mol)を極性溶媒としてTHF(50mL)に溶解させ、−41℃まで冷却した。この溶液に、EtN(20.5g、0.2mol)、次いで、塩化メタクリロイル(10.8g、0.1mol)を撹拌しながら、3時間かけて添加した。添加後、混合物をさらに1時間撹拌し、室温まで加熱した。室温にて24時間撹拌後、THFをロータリーエバポレータにより除去した。
次に、得られた生成物とリチウム塩としてLiClとを反応させた(図3のおよび図22のステップS320)。具体的には、得られた生成物に、リチウム塩としてLiClを含有するTHF溶液(0.05mol/L、200mL)を添加し、0℃にて、48時間撹拌した。濾過により析出物である塩化トリエチルアミン(EtNCl)を分離し、濾液からTHFをロータリーエバポレータにより除去した。生成物をTHF(150mL)で3回洗浄し、THFを除去した。
このようにして生成物(21.94g、収率98%)を得た。得られた生成物を観察したところ、白色の固体粉末であった。実施例1と同様に、NMR、FT−IRおよびLC/MSにより同定した。
H NMRスペクトルによれば、実施例1と同様に、特徴的なピークが検出された。ビニル基の末端水素に由来するシグナルAおよびBが、それぞれ、6.07(2H)ppmおよび5.49(2H)ppmに、メチル基の水素に由来するシグナルCが、1.86(3H)ppmに観察された。
13C NMRスペクトルによれば、実施例1と同様に、特徴的なピークが検出された。(1)〜(5)の炭素(図11)に由来するシグナル(1)〜(5)が、それぞれ、176.32ppm、144.33ppm、123.72ppm、120.65ppmおよび18.53ppmに観察された。
以上の結果から、実施例6で得られた生成物は、一般式(1)においてRがメチル基であり、メタクリレート基に直接窒素が結合したモノマー化合物(図22のLiTFSMA)であることが示された。このことから、本発明のモノマー化合物は、図1に示す製造方法以外に、図3に示す製造方法が有効であり、少ない工程数で、かつ、より高い収率で製造されることが示された。
本発明のモノマー化合物を用いて得られるポリマー化合物は、Liイオンの密度が高く、ガラス転移温度が低いため、通常使用環境に加えて、0℃以下の低温環境下においても、高い導電率を達成する。このようなポリマー化合物は、リチウムイオン二次電池および空気電池の電解質となり、このようなリチウムイオン二次電池および空気電池は、ノートパソコン、携帯電話等のポータブル電子機器等に利用され得る。
600 リチウムイオン二次電池
610 正極
620、720 負極
630、730 高分子電解質層
700 空気電池
710 空気極

Claims (20)

  1. 一般式(1)で表されるモノマー化合物。


    ここで、Tfは、トリフルオロメタンスルホニル基(−SOCF)を表し、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基である。
  2. 前記Rは、水素またはメチル基である、請求項1に記載のモノマー化合物。
  3. 前記置換基は、ハロゲン基、水酸基、アミノ基およびエポキシ基からなる群から選択される、請求項1に記載のモノマー化合物。
  4. 一般式(2)で表されるポリマー化合物。

    ここで、Tfは、トリフルオロメタンスルホニル基(−SOCF)を表し、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、nは、10以上100,000以下の整数である。
  5. 前記Rは、水素またはメチル基である、請求項4に記載のポリマー化合物。
  6. 一般式(3)で表されるアニオン性ポリマー化合物を主鎖とし、
    一般式(4)で表される錯体をカウンターカチオンとする、ポリマー複合体。

    ここで、Tfは、トリフルオロメタンスルホニル基(−SOCF)を表し、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、nは、10以上100,000以下の整数であり、RおよびRは、同一または別異の、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、mは1以上4以下の整数である。
  7. 前記Rは、水素またはメチル基であり、前記Rおよび前記Rは、同一または別異の、メチル基またはエチル基である、請求項6に記載のポリマー複合体。
  8. 請求項1に記載のモノマー化合物を製造する方法であって、
    NHSOCFにMH(Mは、Li、Na、KおよびCsからなる群から選択される元素)を反応させる第1のステップと、
    前記第1のステップで得られた反応物に一般式(I)で表される化合物を反応させる第2のステップと、
    前記第2のステップで得られた反応物に水素化リチウム、水酸化リチウム、および、リチウムアルコキシドからなる群から選択されるリチウム塩を反応させる第3のステップと
    を包含する、方法。

    ここで、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される元素である。
  9. 前記第1のステップは、極性溶媒中で−100℃以上30℃以下の温度範囲で反応させる、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第2のステップは、極性溶媒中で−100℃以上30℃以下の温度範囲で反応させる、請求項8に記載の方法。
  11. 前記第3のステップは、極性溶媒中で−100℃以上30℃以下の温度範囲で反応させる、請求項8に記載の方法。
  12. 請求項1に記載のモノマー化合物を製造する方法であって、
    NHSOCFにMH(Mは、Li、Na、KおよびCsからなる群から選択される元素)を反応させる第1のステップと、
    前記第1のステップで得られた反応物と、一般式(I)で表される化合物と、トリエチルアミン、ピリジンおよび1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンからなる群から選択されるアミン類とを反応させる第2のステップと
    を包含する、方法。

    ここで、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される元素である。
  13. 請求項1に記載のモノマー化合物を製造する方法であって、
    NHSOCFと、一般式(I)で表される化合物と、トリエチルアミン、ピリジンおよび1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンからなる群から選択されるアミン類とを反応させる第1のステップと、
    前記第1のステップで得られた反応物にハロゲン化リチウムを反応させる第2のステップと
    を包含する、方法。

    ここで、Rは、水素、または、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、Xは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択される元素である。
  14. 請求項4に記載のポリマー化合物を製造する方法であって、
    請求項1に記載のモノマー化合物を、ラジカル重合、リビングラジカル重合、イオン重合、リビングイオン重合、光重合および熱重合からなる群から選択される重合法で重合させるステップを包含する、方法。
  15. 前記リビングラジカル重合は、原子移動ラジカル移動重合(Atom TransferRadical Polymerization:ATRP)である、請求項14に記載の方法。
  16. 請求項6に記載のポリマー複合体を製造する方法であって、
    請求項4に記載のポリマー化合物と、一般式(II)で表されるグライムとを、極性溶媒中で混合するステップを包含する、方法。

    ここで、RおよびRは、同一または別異の、置換基を有するまたは有しない、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基またはシクロヘキシル基であり、mは1以上4以下の整数である。
  17. 前記混合するステップは、不活性ガス雰囲気中で行われる、請求項16に記載の方法。
  18. 少なくとも請求項6に記載のポリマー複合体を含有する電解質材料。
  19. 正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に位置する高分子電解質層とを備えたリチウムイオン二次電池であって、
    前記高分子電解質層は、請求項18に記載の電解質材料からなる、リチウムイオン二次電池。
  20. 空気極と、負極と、前記空気極および前記負極の間に位置する高分子電解質層とを備えたリチウムイオン空気電池であって、
    前記高分子電解質層は、請求項18に記載の電解質材料からなる、空気電池。
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