JP6822751B2 - 内装シートとその施工方法および施工構造 - Google Patents
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これに対し表面強度や衝撃吸収性の高い化粧仕上げ材として腰壁材がある。木材や硬質樹脂からなるパネル状の腰壁材と軟質樹脂からなるシート状の腰壁材があり、後者のシート状腰壁材の中でも長尺タイプのものは施工効率がよく、病院や福祉施設など広範囲の壁面に施工するのに適している。
特許文献1には、基材上に発泡樹脂層と透明フィルム層とを順次積層してシート状に形成された腰壁材が開示されている。
そして上記のような長尺シート状腰壁材の裏面である不織布層に壁紙用自動糊付け機により壁紙用接着剤を塗布し、出隅および/または入隅を有する壁面に長尺方向を壁面の横方向に向けて連続して貼着することを特徴とする長尺シート状腰壁材の施工方法であり、また上記長尺シート状腰壁材が壁紙用接着剤により出隅および/または入隅を有する壁面に長尺方向を壁面の横方向に向けて連続して貼着されてなることを特徴とする長尺シート状腰壁材の施工構造である。
本発明の内装シートはセルロース系繊維と熱可塑性樹脂製繊維との重量比が50:50〜100:0である繊維からなる不織布層と、前記不織布層に積層された熱可塑性樹脂層とを備えた内装シートであり、優れた柔軟性を有することをその要旨とする。ここで、内装シートを構成する各層について説明する。
不織布層は内装シートに柔軟性と適度な耐衝撃吸収性を与えるものであり、セルロース系繊維と熱可塑性樹脂製繊維との重量比が50:50〜100:0である繊維からなる不織布からなる。ここでセルロース系繊維としてはコットン、麻、レーヨン、パルプなどが挙げられ、中でもコットンやレーヨンを含有する不織布は柔軟性に優れるため好ましい。熱可塑性樹脂製繊維としてはポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエステルなどのポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタンなどの繊維が挙げられる。
また内装シートの成形加工時に成形機によってかかるテンションにより不織布が切れにくくなるよう、JIS L1913に準拠した測定方法において、伸び率が20%以上である不織布が好ましい。
不織布層の厚みは0.1mm〜1.5mmが好ましく、0.2mm〜1.0mmがより好ましい。厚みが0.1mm未満では内装シートを特に腰壁材として使用する際、耐衝撃吸収性が十分に発揮されにくく、1.5mmを超えると内装シートの柔軟性が低下して施工性が悪くなる可能性がある。よって不織布層の厚みは0.1mm〜1.5mmであることが好ましい。
不織布層の目付量は20g/m2〜150g/m2であることが好ましく、より好ましくは30g/m2〜100g/m2である。目付量が20g/m2未満では十分な耐衝撃吸収性が得られにくく、150g/m2を超えると内装シートの柔軟性と施工性が低下する可能性がある。よって不織布層の目付量は20g/m2〜150g/m2が好適である。
熱可塑性樹脂層は内装シートに耐摩耗性や耐傷付き性といった表面強度や意匠などの機能を付与する機能層として必要とされる。また熱可塑性樹脂層の柔軟性も不織布層と同じく内装シートの柔軟性および施工性に大きく影響する。
熱可塑性樹脂層の柔軟性については、JIS K7106に準拠した測定方法において、曲げこわさが20MPa以下であることが好ましく、10MPa以下がより好ましい。熱可塑性樹脂層の曲げこわさが20MPa以下であると内装シートの柔軟性が向上し、出隅や入隅部分の収まりが良くより施工性に優れるものとなる。
ここで前述したように不織布層が熱可塑性樹脂製繊維を含有することにより、不織布層とその上に積層される熱可塑性樹脂層との密着性が向上し、例えば熱可塑性樹脂層がポリ塩化ビニル系樹脂からなる場合は、不織布層に含有する熱可塑性樹脂製繊維はポリエステル、アクリル、ポリウレタンなどの繊維がポリ塩化ビニル系樹脂からなる熱可塑性樹脂層との密着性が良く好適である。
本発明の内装シートは前述の不織布層と熱可塑性樹脂層とが積層されてなり、JIS K7106に準拠した測定方法における曲げこわさが20MPa以下である内装シートである。本発明の内装シートは、壁面に施工した出隅や入隅においても納まりが良く、施工後に出隅や入隅に浮きや剥がれが生じないという優れた柔軟性及び施工性を有するものである。
内装シート全体の厚みとしては0.5mm〜3.5mm程度であり、好ましくは0.5mm〜3.0mmであり、より好ましくは0.5mm〜2.0mmである。0.5mm未満であると耐衝撃吸収性が不十分となる可能性があり、3.5mmを超えると柔軟性や施工性が低下する恐れがある。本発明の内装シートは長尺状のシートであり、幅は800mm〜1100mm程度、長さは10m前後が施工作業性に優れ好ましい。通常紙管などに巻かれた状態で梱包・搬送される。
また内装シートの表層の上面にエンボス加工などによって凹凸(しぼ)を形成することができる。凹凸(しぼ)を形成することで、意匠のバリエーションが増やすことが可能である。
続いて、本発明の内装シートが壁面に施工されてなる施工構造について説明する。
本発明の内装シートは適度な衝撃吸収性を備えており、壁面の特に床面から1m程度の高さまでの腰壁部分に好適に使用できる。
本発明の施工構造においては、内装シートは壁面を構成する下地に対し接着剤によって貼着されている。内装シートを下地に貼着するために用いる接着剤としては通常内装シートに使用される接着剤が使用できる。具体的にはウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤など床材用接着剤や、澱粉系接着剤などの壁紙用接着剤等である。
内装シート1はその長尺方向を壁面の横方向に向けて施工されており、壁面Aの出隅Bや入隅Cにも連続して施工される。本発明の内装シート1は出隅Bや入隅Cにも納まりよく施工され、そのままでも施工後の浮き剥がれの心配はないが、コーナー部を保護するためのガード材などを上から設けてもよい。床面を覆う床材と内装シート1の境界部分や壁面の上部を覆う壁紙と内装シート1との境界部分には、通常の内装仕上げに用いられる巾木や見切り材などを施工して仕上げることができる。
次に本発明の内装シートを壁面に施工する場合の施工方法について説明する。
本発明の内装シートを壁面に施工する際には、前述のような接着剤を用いて壁面に貼着する。接着剤は内装シートの裏面または下地表面あるいは内装シート裏面と下地表面の両方に塗付し、各接着剤の所定のオープンタイムを取った後に貼り付けを行う。接着剤の塗布方法については、前述の床用接着剤の場合は主に櫛目ごてやローラーなどを用いて下地表面や内装シートの裏面に接着剤を塗布する。同じく前述の壁用接着剤の場合には、通常壁紙を施工する際に使用する壁紙用自動糊付け機により内装シートの裏面に接着剤を塗布する。
塩化ビニル系樹脂1:サスペンジョン塩化ビニル系樹脂 平均重合度 1000
塩化ビニル系樹脂2:ペースト用塩化ビニル系樹脂 平均重合度 850
(ドデシルベンゼンスルホン酸Na5.0重量%)
可塑剤:ジ‐2‐エチルヘキシルフタレート
安定剤:Ba−Zn系安定剤
充填剤:軽質炭酸カルシウム
コットン繊維60重量%とポリエステル繊維40重量%からなる厚み0.4mm、目付量75g/m2のスパンレース不織布である不織布層に、表1の配合1の樹脂組成物をミキサーで加熱混練後にカレンダー成形機で成形してなる厚み0.4mmのベース樹脂層と、その上に積層したポリ塩化ビニル樹脂からなる厚み0.07mmのプリントフィルムと、その上に表1の配合2の樹脂組成物をミキサーで加熱混練後にカレンダー成形機で成形してなる厚み0.2mmの透明層からなる熱可塑性樹脂層を積層し、エンボス加工して厚み1.0mm幅900mmの長尺内装シートを得た。
実施例1で使用したものと同じ不織布層に、表1の配合1の樹脂組成物をミキサーで加熱混練後にカレンダー成形機で成形してなる厚み0.4mmのベース樹脂層の表面に転写紙により印刷を施した転写樹脂層と、その上に表1の配合3の樹脂組成物をミキサーで加熱混練後にカレンダー成形機で成形してなる厚み0.2mmの透明層からなる熱可塑性樹脂層を積層し、エンボス加工して厚み1.0mm幅900mmの長尺内装シートを得た。
不織布層に、コットン繊維60重量%とポリエステル繊維40重量%からなる厚み0.4mm、目付量40g/m2のスパンレース不織布を用いた以外は、実施例1と同じである厚み1.0mm幅900mmの長尺内装シートを得た。
不織布層に、コットン繊維100重量%からなる厚み0.4mm、目付量80g/m2のスパンレース不織布を用いた以外は、実施例2と同じである厚み1.0mm幅900mmの長尺内装シートを得た。
不織布層に、ポリエステル繊維100重量%からなる厚み0.4mm、目付量80g/m2のスパンボンド不織布を用いた以外は、実施例2と同じである厚み1.0mm幅900mmの長尺内装シートを得た。
厚み1.0mm幅900mmの市販品の長尺腰壁シートを用いた。
JIS K7106に準拠した測定方法により、内装シートの曲げこわさを測定した。また、各実施例及び比較例の不織布層と積層する前の熱可塑性樹脂層についても同条件で曲げこわさを測定した。
各実施例及び比較例に用いた不織布層について、JIS L1913に準拠した測定方法により引張強度を測定した。
各実施例及び比較例の内装シートについて、不織布層と熱可塑性樹脂層との密着性を評価した。
○:強固に密着しており、手で引き剥がせない
△:密着しており、手で何とか一部引き剥がせる
×:密着が不十分であり、手で引き剥がせる
出隅及び入隅を有する壁面にウレタン系接着剤を櫛目ごてを用いて塗布し、所定のオープンタイム経過後に各実施例及び比較例の内装シートの裏面(不織布層側)を壁面に合わせるようにして貼着した後の浮きや剥がれを評価した。
○:出隅・入隅に浮きや剥がれはない
△:出隅・入隅に若干の浮きや剥がれがある
×:出隅・入隅に浮きや剥がれがある
壁紙自動糊付け機に各実施例及び比較例の内装シートを通し、糊付け作業が可能かどうか評価した。
○:使用できる
×:使用できない
一方、比較例に関してはいずれも内装シートの曲げこわさが20MPaを超えており、出入隅を有する壁面に施工後に出入隅部に浮きや剥がれを生じてしまい、また柔軟性に乏しいため壁紙用糊付け機にかけることができず、使用は不可能であった。また比較例1は不織布層と熱可塑性樹脂層との密着性に劣っており、これは比較例1の不織布層がスパンボンド不織布であり繊維間の空間が少なく表面が比較的平滑であることが原因と考えられ、実施例で用いた繊維間に適度な空間があり表面に凹凸を有するスパンレース不織布の方がアンカー効果により密着性が良くなったと考えられる。
100×100mmの石膏ボードに100×100mmの内装シートまたは壁紙を両面テープで貼り付けたものを試験体とし、床面に静置した試験体の上に1kgのなす形錘を落球高さ50cmまたは1mから落下させ、試験体の表面及び裏面の状態を目視にて観察した。
被検ウイルスとして、鳥インフルエンザウイルスA/whistling swan/Shimane/499/83(H5N3)株を使用した。(以下、H5N3株という)。
発育鶏卵の漿尿膜腔内で増殖させたH5N3株を滅菌リン酸緩衝食塩液(PBS;pH7.2)で1.0×106EID50/0.1mLになるように希釈して試験用ウイルス液を調製した。
またブランクとして試験前(内装シートに接触させる前)の試験用ウイルス液のウイルス力価(log10EID50/0.1ml )も上記手順で算出し、内装シートの抗ウイルス性は試験前のウイルス液のウイルス力価から内装シートに接触させて1時間後のウイルス液のウイルス力価を引いた差で評価した。この差が大きいほど内装シートの抗ウイルス性が強いことを示す。
○:ウイルス力価(試験前)とウイルス力価(1時間後)の差が3以上4未満
△:ウイルス力価(試験前)とウイルス力価(1時間後)の差が2以上3未満
×:ウイルス力価(試験前)とウイルス力価(1時間後)の差が2未満
2 不織布層
3 熱可塑性樹脂層
3a 透明層
3b ベース樹脂層
3c プリントフィルム
3d 転写樹脂層
A 壁面
B 出隅
C 入隅
D 壁紙用糊付け機
Claims (5)
- セルロース系繊維と熱可塑性樹脂製繊維との重量比が50:50〜100:0である繊維からなりJIS L1913に準拠した測定方法における引張強度が20N/20mm〜49N/20mmである不織布層と、
前記不織布層に積層され、可塑剤が添加されたポリ塩化ビニル系樹脂からなる熱可塑性樹脂層と、を備え、
JIS K7106に準拠した測定方法における曲げこわさが7MPa以下であって壁紙用自動糊付け機により裏面の不織布層に壁紙用接着剤を塗布することができ、出隅および/または入隅を有する壁面に長尺方向を壁面の横方向に向けて連続して貼着可能であることを特徴とする長尺シート状腰壁材。 - 前記不織布層がスパンレース不織布からなることを特徴とする請求項1に記載の長尺シート状腰壁材。
- 前記不織布層の前記熱可塑性樹脂製繊維がポリエステル、アクリル、ポリウレタンの繊維のいずれかからなることを特徴とする請求項1または2に記載の長尺シート状腰壁材。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の長尺シート状腰壁材の裏面である不織布層に壁紙用自動糊付け機により壁紙用接着剤を塗布し、出隅および/または入隅を有する壁面に長尺方向を壁面の横方向に向けて連続して貼着することを特徴とする長尺シート状腰壁材の施工方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の長尺シート状腰壁材が壁紙用接着剤により出隅および/または入隅を有する壁面に長尺方向を壁面の横方向に向けて連続して貼着されてなることを特徴とする長尺シート状腰壁材の施工構造。
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