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JP6826142B2 - ランスパイプ - Google Patents
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Description

この発明は、ランスパイプに関する。
製鉄所の精錬工程では、溶銑や溶鋼中に撹拌ガスや各種処理剤を吹き込むためにランスパイプが使用される。特許文献1の図1に示すように、精錬用のランスパイプは、撹拌ガスや各種処理剤の通り道となる芯金の上端にあるフランジをボルト止めすることでランスホルダに接続する。ランスパイプは、インジェクションランス装置から吊り下げられ、溶銑や溶鋼内に浸漬される。また、ランスパイプには、ランスパイプの芯金とフランジとの接合部分を補強する補強リブが設けられている。
特開2011−208190号公報
しかしながら、ランスパイプは、溶銑や溶鋼への撹拌ガス等の吹込みの反動、又は溶銑等の撹拌流によって激しく振動する。このため、図10に示すように、ランスパイプ110の補強リブ113の先端113aがランスパイプ110の振動の支点となって、ランスパイプの芯金112に集中的な応力がかかってしまう。また、溶銑等から受ける浮力の影響によっても、芯金112と補強リブ113の先端113aとが接合する部分への応力の集中がより助長される。従って、補強リブ113の先端113a付近の箇所Aで芯金112が折損しやすくなってしまうという問題があった。
この発明は、このような問題を解決するためになされ、芯金の折損を防止することができるランスパイプを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明に係るランスパイプは、一端に噴出口が形成される芯金と、芯金の他端に設けられるフランジと、芯金とフランジとの接合部分に取り付けられる少なくとも1つの補強リブとを備え、少なくとも1つの補強リブの噴出口側の端部には、芯金に固定されない非固定領域が設けられる。
また、この発明に係るランスパイプの補強リブの非固定領域と芯金の外周との間には間隙を設けてもよく、この間隙は、0.005mm〜2mmであってもよい。
また、より好ましくは、補強リブの非固定領域と芯金の外周との間の間隙は、0.005mm〜1mmであってもよい。
さらに、補強リブは、芯金に固定される固定領域を有しており、補強リブの固定領域は、補強リブの全長の50%〜95%であってもよい。
また、より好ましくは、補強リブの固定領域は、補強リブの全長の75%〜90%であってもよい。
この発明に係るランスパイプによれば、芯金の折損を防止することができる。
この発明の実施の形態に係るランスパイプの使用例を示す図である。 図1に示すランスパイプの全体構造を示す断面図である。 図2に示すランスパイプの第一補強リブ及び第二補強リブが設けられている箇所を拡大して表した側面図である。 図2に示すランスパイプの第一補強リブ及び第二補強リブが設けられている箇所を拡大して表した上面図である。 図2に示すランスパイプを切断線V−Vで切断した形状を示す断面図である。 図2に示すランスパイプを切断線VI−VIで切断した形状を示す断面図である。 図7(a)〜(e)は、この発明の別の実施の形態に係るランスパイプの第一補強リブの形状を示す拡大図である。 図8(a),(b)は、この発明の別の実施の形態に係るランスパイプの補強リブの配置を示す拡大図である。 この発明の別の実施の形態に係るランスパイプの使用例を示す図である。 従来の例に係るランスパイプの補強リブが設けられている箇所を表した側面図である。
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
まず、ランスパイプ10を混銑車1で使用する例について、図1を用いて説明する。
ランスパイプ10は、混銑車1の中の溶銑5に挿入され、浸漬される。ランスパイプ10は、上端に設けられたフランジ11を介してランスホルダ20にボルト止めによって取り付けられている。また、ランスホルダ20には、昇降レール21が取り付けられる。従って、昇降レール21によって、混銑車1の中でのランスパイプ10の位置を調整することができる。ランスパイプ10は撹拌ガスを溶銑5に吹き込み、吹き込みの反動と溶銑5からの浮力によって、主に振動方向Vに振動する。
なお、ランスパイプ10が溶銑5に吹き込むものは、撹拌ガスに限定されず、各種の処理剤であってもよい。
次に、ランスパイプ10の詳細な構造について、図2〜6を用いて説明する。
図2に示すように、ランスパイプ10は、筒形状の芯金12を有している。芯金12の内部には、撹拌ガスが流通する。芯金12の一端には、撹拌ガスが吹き出す噴出口12aが形成されている。芯金12の噴出口12a側の端部は屈曲している。また、芯金12の他端には、フランジ11が設けられる。また、芯金12のうち溶銑5に浸漬する部分は、耐火物14に被覆されている。
なお、以下の説明において、芯金12に対して噴出口12aが設けられている側を下側とし、フランジ11が設けられている側を上側とする。
図2〜5に示すように、フランジ11と芯金12との接合部分には、フランジ11に隣接して、一対の第一補強リブ13a及び一対の第二補強リブ13bが設けられる。ここで、図5に示すように、一対の第一補強リブ13a及び一対の第二補強リブ13bの各々は、芯金12の外周に対して、径方向外側に突出するように取り付けられている。また、図3及び4に示すように、第一補強リブ13a及び第二補強リブ13bはフランジ11に対して直交して設けられている。また、第一補強リブ13a及び第二補強リブ13bは、各々、下側に向かって細くなる略三角形状の板材である。また、第一補強リブ13aの長手方向の長さは280mmである。一方、第二補強リブ13bの長手方向の長さは250mmである。従って、第一補強リブ13aの下端13aaは、第二補強リブ13bの下端13baよりも、下側に向かって30mm突出する。なお、第一補強リブ13aの下端13aaは、芯金12を被覆する耐火物14の上端14aよりも上側に位置している。
また、図5に示すように、一対の第一補強リブ13aは、互いに、芯金12の外周の180°異なる位置に設けられている。そして、一対の第一補強リブ13aは、ランスパイプ10の振動方向Vに沿って配置される。さらに、一対の第二補強リブ13bも、互いに、芯金12の外周の180°異なる位置に設けられている。第一補強リブ13aと第二補強リブ13bとは、各々、90°の間隔を置いて位置をずらし、芯金12の外周に交互に配置されている。
図3及び4に示すように、第一補強リブ13aの下端13aaの近傍の部分、すなわち第二補強リブ13bの下端13baに対して下側に突出している部分は、芯金12の外周に直接固定されていない。ここで、第一補強リブ13aが芯金12の外周に溶接によって直接固定されている部分を、第一補強リブ13aの固定領域X1とする。また、芯金12の外周に溶接によって直接固定されていない、第一補強リブ13aの下端13aaの近傍の部分を、第一補強リブ13aの非固定領域X2とする。ここで、第一補強リブ13aの非固定領域X2の長さは、30mmである。
なお、第二補強リブ13bは、ほぼ全長に亘って、芯金12の外周に溶接されている。
図3〜5に示すように、第一補強リブ13aの固定領域X1と芯金12との接合部分には隅肉溶接部15が形成される。また、第二補強リブ13bと芯金12との接合部分にも、同様に、隅肉溶接部15が形成される。ここで、第一補強リブ13aの固定領域X1は、第一補強リブ13aの全長の約90%を占めている。
また、図3及び図6に示すように、第一補強リブ13aの非固定領域X2と芯金12の外周との間には、間隙Gが設けられている。第一補強リブ13aの非固定領域X2と芯金12との間の間隙Gは、0.1mmである。この実施の形態においては、第一補強リブ13aを芯金12より0.1mm浮かせた状態で固定領域X1の範囲だけ溶接した。図6では省略しているが、固定領域X1の範囲では第一補強リブ13aと芯金12の一部の領域は隅肉溶接部15に溶け込んだ後に凝固しており、隅肉溶接部15と第一補強リブ13aとの境界は、厳密には溶接前の第一補強リブ13aの鋼材の内部にまで入り込んでいる。
以上より、この実施の形態に係るランスパイプ10では、第一補強リブ13a及び第二補強リブ13bのうち、第一補強リブ13aの下端13aaの近傍に非固定領域X2が設けられている。これにより、芯金12において、第一補強リブ13aの下端13aaの近傍にかかるべき応力が分散される。すなわち、ランスパイプ10が大きく振動する場合も、第一補強リブ13aの非固定領域X2と芯金12とがランスパイプ10の長手方向に互いに直接拘束されていないため、第一補強リブ13aの下端13aaが振動の支点となってしまって芯金12の特定の箇所に応力が集中してしまうことが防止される。かつ、第一補強リブ13aの非固定領域X2が芯金12の振動を制限するので、第一補強リブ13aの固定領域X1と非固定領域X2との境界の固定領域X1の溶接端部にかかる振動による応力も、非固定領域X2が無い場合に比べて減少する。
また、一般に、固定領域X1のような溶接部には、溶接時の熱履歴に伴う膨張及び収縮によって残留応力が生じるおそれがあり、リブのような板状部材の端部の溶接個所では、板状部材の側面の溶接個所と異なり、端面側からも加熱を受けて溶接金属の溶け込みが端面側にも回り込むように生じ易いので、特に残留応力が大きくなるおそれがある。これに対して、第一補強リブ13aの固定領域X1と非固定領域X2との境界の固定領域X1の溶接端部では、溶接時に非固定領域X2が存在することで端面からの加熱や溶接金属の溶け込みが防止されるので、残留応力の増大が防止される。
従って、ランスパイプ10の芯金12の折損や破損を防止することができる。
また、芯金12とフランジ11との接合部分に第一補強リブ13a及び第二補強リブ13bが設けられていることにより、ランスパイプ10の振動を抑制する効果も得ることができる。
さらに、非固定領域X2と芯金12の外周との間に間隙Gが設けられていることにより、第一補強リブ13aの下端13aaが振動の支点となってしまって芯金12の特定の箇所に応力が集中してしまうことが防止される。
また、この実施の形態において、第一補強リブ13aの非固定領域X2と芯金12との間の間隙Gは、0.1mmだが、これに限定されず、間隙Gは、2mm以下、より好ましくは0.005〜2mmの範囲の長さであればよい。すなわち、間隙Gが2mmを超えた場合、第一補強リブ13aがランスパイプ10の振動を抑制する効果が低くなってしまうとともに、隅肉溶接時に第一補強リブ13aの非固定領域X2が冷却材となって溶接端部近傍の残留応力を低減する効果も低下する傾向となる。また、間隙Gが0.005mm以上であれば、第一補強リブ13aの下端13aa付近で芯金12に集中的かかる応力を充分に分散させることができる。なお、間隙Gとして、より好ましい範囲は、0.005〜1mmの範囲である。間隙Gが、0.005〜1mmの範囲内にあることにより、第一補強リブ13aは、ランスパイプ10の振動をより効果的に抑制するとともに、芯金12にかかる応力も十分に分散される。
また、この実施の形態において、第一補強リブ13aの固定領域X1は、第一補強リブ13aの全長の約90%の長さであるが、これに限定されず、第一補強リブ13aの固定領域X1は、第一補強リブ13aの全長の50〜95%を占めていればよい。すなわち、固定領域X1の長さが第一補強リブ13aの全長の50%よりも短くなった場合、第一補強リブ13aがランスパイプ10の振動を抑制する効果が低くなってしまう。また、固定領域X1の長さが第一補強リブ13aの全長の95%よりも長くなった場合、第一補強リブ13aの下端13aa付近で芯金12にかかる応力を充分に分散させることができない。なお、固定領域X1の長さとしてより好ましい範囲は、75〜90%の範囲である。固定領域X1の長さが、第一補強リブ13aの全長の75〜90%であることにより、第一補強リブ13aは、ランスパイプ10の振動をより効果的に抑制するとともに、芯金12にかかる応力も十分に分散される。
また、非固定領域X2の長さは、溶接による残留応力を低減するためには、隅肉溶接部15の幅(隅肉溶接部15の直角三角形状の断面形状の最大径)以上、より好ましくは隅肉溶接部15の幅の2倍であることが好ましく、15mm以上、より好ましくは30mm以上とすることが好適である。
また、この実施の形態に限らず、図7(a)に示すように、第一補強リブ13aの固定領域X1と芯金12との間にスペーサ16を設け、第一補強リブ13aの非固定領域X2と芯金12との間の間隙Gをより確実に確保することもできる。
また、図7(b)〜7(e)に示すように、第一補強リブ13aの非固定領域X2と芯金12との間の間隙Gを確保するために、非固定領域X2に切欠き部を設けてもよい。
具体的には、図7(b)に示すように、第一補強リブ13aの非固定領域X2を芯金12の長手方向に対して平行に切り欠いて、長方形状の切欠き部23を形成してもよい。また、図7(c)に示すように、第一補強リブ13aの非固定領域X2を芯金12の長手方向に対して斜め方向に切り欠いて、三角形状の切欠き部33を形成してもよい。また、図7(d)に示すように、第一補強リブ13aの非固定領域X2を、湾曲したアーチ状に斜めに切り欠いて、切欠き部43を形成してもよい。さらに、図7(e)に示すように、第一補強リブ13aの非固定領域X2を、階段状に切り欠いて、切欠き部53を形成してもよい。
図7(c)〜7(e)において、第一補強リブ13aの非固定領域X2と芯金12との間の間隙Gは、非固定領域X2の全長にわたって0.005〜2mmの範囲の長さであればよい。
なお、図7(b)〜7(e)において、切欠き部23,33,43,53の始点23a,33a,43a,53aは、溶接された固定領域X1に設けられている。
また、図8(a)及び8(b)に示すように、芯金12に取り付けられる4個の補強リブの全てに、非固定領域X2及び芯金12との間の間隙Gを設けてもよい。なお、図8(a)に示す4個の補強リブ63の各々は、ランスパイプ10の振動方向Vに対してθ1=45°ずれた位置に配置されている。また、図8(b)に示す4個の補強リブ73の各々は、ランスパイプ10の振動方向Vに対してθ2=30°ずれた位置に配置されている。すなわち、ランスパイプ10の振動方向Vに対応する位置に、フランジ11の取付ボルトや配管等が設けられている場合でも、振動方向Vを基準にして45°以内の範囲に、間隙Gを有する補強リブを配置することで、応力分散の効果を充分に得ることができる。
また、図9に示す使用例のように、別の実施の形態に係るランスパイプ70は、取鍋71の中の溶銑5に挿入され、浸漬される。このランスパイプ70は、直線形状をなし、先端部の噴出口72を介して径方向外側に向かって、撹拌ガスを噴出させる。ランスパイプ70は、全方位に振動するおそれがあるため、芯金との間で間隙Gが設けられる補強リブを、ランスパイプ110の全周に亘って等間隔で設置することが望ましい。
10,70 ランスパイプ、11 フランジ、12 芯金、12a 噴出口、13a 第一補強リブ、13b 第二補強リブ、G 間隙、X1 固定領域、X2 非固定領域。

Claims (5)

  1. 一端に噴出口が形成される芯金と、
    前記芯金の他端に設けられるフランジと、
    前記芯金と前記フランジとの接合部分に取り付けられる少なくとも1つの補強リブとを備え、
    少なくとも1つの前記補強リブの前記噴出口側の端部には、前記芯金に固定されない非固定領域が設けられる、ランスパイプ。
  2. 前記補強リブの前記非固定領域と前記芯金の外周との間には間隙が設けられ、前記間隙は、0.005mm〜2mmである、請求項1に記載のランスパイプ。
  3. 前記補強リブの前記非固定領域と前記芯金の外周との間の前記間隙は、0.005mm〜1mmである、請求項2に記載のランスパイプ。
  4. 前記補強リブは、前記芯金に固定される固定領域を有しており、前記補強リブの前記固定領域は、前記補強リブの全長の50%〜95%を占める、請求項1〜3のいずれか一項に記載のランスパイプ。
  5. 前記補強リブの前記固定領域は、前記補強リブの全長の75%〜90%を占める、請求項4に記載のランスパイプ。
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