JP6826286B2 - 塗布膜付基材の製法、及び塗布膜付基材 - Google Patents
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Description
前記塗布液を前記基材の主面上に吐出する前に、“主塗布液に対して希釈性のある溶剤(以下、「副塗布液」と表記する場合有り)”を吐出する副ノズルを、前記副ノズルを略水平方向に相対移動させ、且つ前記副ノズルを、前記副塗布液が吐出されない領域として前記長い方の側辺から間隔を空けて、且つ前記長い方の側辺に沿うように基材に対して相対移動させながら、前記副ノズルから前記溶剤を前記基材の主面上に吐出する工程を備え、
前記主ノズルから前記主塗布液を前記基材の主面上に吐出する工程は、前記主面上に前記副塗布液による液膜が保持された状態で行い、前記長い方の側辺側にあっては、前記副塗布液が吐出されなかった領域には、前記主塗布液を吐出しないことで、前記長い方の側辺側に塗布膜の非塗布領域を形成することを特徴とする。尚、本発明における「少なくとも一方の主面」の「主面」とは、基材の面全体のことで、「少なくとも一方」とは、基材の片側だけでも、両面でもよい、ということを意味している。
基材の主面と膜厚徐変部の塗布膜と成す角が0.0005〜0.02°にあることが好ましい。塗布膜の機能性を発揮させるためには、塗布膜のほとんどの領域では、一定の膜厚を有していることが好ましい。非塗布領域近くの塗布膜は、光学的な歪を抑制するために、膜厚分布を有していることが好ましい。具体的には、塗布膜の上辺側周縁部において、前記非塗布領域に向かって、膜厚が徐々に小さくなる膜厚徐変部を有していることが好ましい。
1.塗布膜付基材の製法に使用される材料例
<基材例>
本発明の塗布膜付基材の製法に使用される板状の基材は、例えば、ガラス基材の場合には、建築用や車両用の窓や鏡に使用されているフロ−ト法、又は、ロ−ルアウト法で製造されたソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、表示装置のカバーガラスや基板ガラスに使用されているソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等無機質の透明性がある板ガラスを使用できる。当前記板ガラスには、無色のもの、着色のもの共に使用可能である。
主塗布液は、基材への塗布後に、乾燥及び固化させることで塗布膜が形成せしめるものであり、塗布膜となる固形分または硬化性化合物と溶媒とを備えるものであれば限定されるものではない。
副塗布液は、主塗布液の希釈用に使用するものであり、主塗布液の種類により選択され、前記主塗布液を硬化または相分離させることなく希釈できる溶媒であり、且つ前記基材との濡れ性が高い、即ち接触角が30°以下のものが好ましく用いられる。尚、前記接触角は、JIS R 3257(1999年)の静滴法に準拠した方法によって求めることができる。
<主ノズル、副ノズルについて>
主ノズルおよび副ノズルに使用されるノズルは、主塗布液、副塗布液を吐出できるものであれば、特に制限されるものではない。単数のノズル、複数本のノズルが並列された複合ノズル、幅が広いスリット状の吐出口を有するスリットノズル等が使用される。主、副ノズル径は、0.5mmφ〜5mmφが好ましく、1mmφ〜2mmφがより好ましい。副塗布液を塗布する場合、液割れを生じさせてはならないため、副ノズルのノズル径は主ノズルよりも太い方が好ましい。
主ノズル、副ノズルを用いた、基材への主塗布液、副塗布液への塗布について、図面を用いて説明する。図1は、上辺2a、長い方の側辺2b、短い方の側辺2c、底辺2dを有する自動車の窓ガラスとして用いられる基材2に対して、主ノズル50、副ノズル60を横方向に基材2の主面の傾斜した上辺2aの略平行に相対移動させなら、主塗布液、副塗布液を吐出する状態を模式的に表したものである。この図では基材2が上下方向に保持され静置された状態で主ノズル50、主ノズル50の下方の位置の副ノズル60が短い方の側辺から横方向(矢印の方向)に相対移動された状態を表している。そして、副ノズル60は、長い方の側辺2bから間隔を空けて縦方向(矢印の方向)に相対移動される。各ノズルが相対移動される方向は、図で示した矢印の方向と反対向きとしてもよい。
主塗布液の基材2への塗布後は、副塗布液の溶剤、主塗布液の溶媒を蒸発させる乾燥工程、基材2に塗布された塗布液を塗布膜とするための固化工程が行われる。これら工程の前に基材2に塗布された塗布液の均質性を向上させるためのレベリング工程を設けてもよい。レベリング工程では、基材2を水平または傾けて、一定時間保持(例えば、室温で1〜20分間程度)される。
本発明の塗布膜付基材の製法によると、基材の主面上に塗布膜の非塗布領域を備える塗布膜付形成基材をしやすい。このような塗布膜付形成基材は、自動車のドアの開閉可能な窓ガラス(例えば、自動車のサイドドアに設置される上下にスライド可能な窓ガラス)として好適に使用できる。このようなドアには、窓ガラスのフレームがあり、ドア上方には、窓ガラスを収納するための収納部8(ランチャンネル)がある。窓ガラスが収納される領域は、塗布膜が非塗布領域となっていることが好ましい。以下に本発明の塗布膜付基材を、図面を用いて説明する。図4は、塗布膜付基材を塗布膜が形成された主面側から観察したときの模式図である。図5は、塗布膜付基材1をXYに切断したときの断面要部を模式的に表したものである。
小坂研究所製サーフコーダーET4000Aを用いて、塗布膜付基材の塗膜の膜厚を測定した。
目視観察にて、塗布膜付基材の塗膜にクラックや歪みや着色や白濁(塗膜中で紫外線吸収剤が凝集等により均一に分散されていない)等の外観上の不具合がないかどうか確認した。
1)基材の準備
厚み3.1mm、サイズ943mm×512mm、曲げ率2500Rの湾曲した自動車ドアガラスとして使用されるガラスを基材2とした。
トリアジン系紫外線吸収剤TINUVIN460(BASF社製)を2.2g、TINUVIN477を0.6g、TINUVIN292を0.6g、溶媒として2−ヘプタノンを19.4g、メチ
ルエチルケトンを19.4g混合し、30分間攪拌し、攪拌したものにスリップ剤(信越化学工業株式会社製 KP109)を0.2g、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(以下、MMB)で希釈されたSi−O−B結合を含むエポキシ樹脂組成物(ニットーボーメディカル株式会社製)を48.5g、MMBで希釈された固形分20wt%のスズドープ酸化インジウム(ITO)分散剤(三菱マテリアル株式会社製)を9.1g混合し、30分間攪拌し、紫外線・赤外線吸収塗布液を得、これを主塗布液とした。
副塗布液として、主塗布液の溶媒と同一の2−ヘプタノンを用いた。この副塗布液は、主塗布液を塗布するまでに揮発はせず、液割れも生じず塗布できたるものであった。
基材を研磨し洗浄し乾燥させた後、図1に示したように基材2の側辺2c、2dが水平方向を示す基準線7に対して垂直となる状態、加えて、図2、図3に示したように基材2の側辺2c、2dの上部が水平方向を示す基準線7に対して垂直となる状態で基材を立てかけて保持した。図6に示すように副ノズル60を、基材の側辺2b、2cから4mm間隔を空けて各側辺に沿うように、基材の上辺2aから鉛直方向に15mm下方で、上辺2aの形状に略平行に沿うように100mm/秒の速度で相対移動をし、2mmφの吐出口を備える副ノズル60から流量を5g/秒として副塗布液を吐出し、基材に副塗布液を塗布した。
塗布工程の後、下辺側の側辺が垂直になる状態で基材を立てかけて保持し、20分間レベリングさせた後に、上記基材の表面温度を180℃まで5分間予備加熱する。予備加熱工程の後に、180℃で10分間上記基材を過熱水蒸気に曝すことにより上記塗膜を硬化させ、塗布膜を形成し、塗布膜付基材を得た。
副ノズル60を、基材の側辺2b、2cから間隔を空けずに各側辺に沿うように、基材の上辺2aから鉛直方向に15mm下方で、上辺2aの形状に略平行に沿うように100mm/秒の速度で相対移動をし、2mmφの吐出口を備える副ノズル60から流量を5g/秒として副塗布液を吐出し、基材に副塗布液を塗布した以外は、実施例1と同様の操作をし、塗布膜付基材1を得た。本比較例では、側辺側に非塗布領域4が形成されなかった。
2 基材
3 塗布膜
31 膜厚徐変部
32 膜主部
4 非塗布領域
50 主ノズル
51 膜厚徐変部の最上辺
52 主塗布液の液膜
60 副ノズル
61 膜厚徐変部の最下辺
62 副塗布液の液膜
7 水平方向を示す基準線
Claims (12)
- 塗布対象の、上辺及び長い方の側辺と短い方の側辺との長さの異なる2つの側辺を備える板状の基材を上下方向に保持し、前記基材の少なくとも一方の主面上の上辺側で、塗布膜を形成するための塗布液を吐出する主ノズルを横方向に基材に対して相対移動させながら、前記主ノズルから前記塗布液を前記基材の主面上に吐出する工程を備える、自動車のドアの開閉可能な窓ガラスとして使用される、塗布膜付基材の製法において、
前記塗布液を主塗布液として前記基材の主面上に吐出する前に、前記主塗布液の希釈用溶剤を副塗布液として吐出する副ノズルを用い、前記副ノズルを横方向に基材に対して相対移動させ、且つ前記副ノズルを、前記副塗布液が吐出されない領域として前記長い方の側辺から間隔を空けて、且つ前記長い方の側辺に沿うように基材に対して相対移動させながら、前記副ノズルから前記溶剤を前記基材の主面上に吐出する工程
を備え、
前記主ノズルから前記主塗布液を前記基材の主面上に吐出する工程は、前記主面上に前記副塗布液による液膜が保持された状態で行い、前記長い方の側辺側にあっては、前記副塗布液が吐出されなかった領域には、前記主塗布液を吐出しないことで、前記長い方の側辺側に塗布膜の非塗布領域を形成し、
上辺側にあっては、前記主ノズルからの前記主塗布液の吐出を、前記副塗布液を塗布した領域外で行うことを特徴とする塗布膜付基材の製法。 - 主塗布液の溶媒の溶解度パラメーター(SP値)と、副塗布液のSP値の差が、1.5(cal/cm3)1/2未満であることを特徴とする請求項1に記載の塗布膜付基材の製法。
- 主塗布液の溶媒と、副塗布液が同一の物質であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布膜付基材の製法。
- 上辺側にあっては、主ノズルを基材に対して相対移動させる際は、前記主塗布液が吐出されない領域として上辺から間隔を空けて、且つ上辺に沿うように基材に対して相対移動させることで、基材の上辺側に塗布膜の非塗布領域を形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の塗布膜付基材の製法。
- 副ノズルを、前記副塗布液が吐出されない領域として基材の両側辺及び上辺から間隔を空けて、且つ両側辺及び上辺に沿うように基材に対して相対移動させながら副塗布液を基材の主面に吐出する工程、と
主ノズルを、前記主塗布液が吐出されない領域として基材の上辺から間隔を空けて、且つ上辺に沿うように基材に対して相対移動させながら主塗布液を基材の主面に吐出する工程とを
備えることで、基材の上辺側と両側辺側とに塗布膜の非塗布領域を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の塗布膜付基材の製法。 - 塗布対象の板状の基材が湾曲しており、塗布膜を形成するための主塗布液及び副塗布液を湾曲した基材の凹面側面に吐出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の塗布膜付基材の製法。
- 自動車のドアの開閉可能な、上辺及び長さの異なる2つの側辺を備える窓ガラスとして使用される、塗布膜付基材において、前記ドアのフレームの収納部に前記基材の長い方の側辺が収納される領域で、前記収納部と前記基材とが接する領域に塗布膜の非塗布領域を含み、前記非塗布領域と前記塗布膜との境界は、前記長い方の側辺と略平行にあり、
前記塗布膜は、塗布膜の上辺側周縁部において、前記非塗布領域に向かって、膜厚が徐々に小さくなる膜厚徐変部を有し、前記膜厚徐変部の開始位置は、塗布膜の上辺側周縁部から鉛直方向に、5〜200mmの範囲にあって、塗布膜の上辺側周縁部と膜厚徐変部の開始位置とは略平行な関係にあり、
基材の主面と膜厚徐変部の塗布膜と成す角が0.0005〜0.02°にあることを特徴とする塗布膜付基材。 - 前記ドアのフレームの収納部に前記基材の長い方の側辺が収納される領域において、前記非塗布領域と前記塗布膜との境界は、前記収納部と前記基材とが接する領域には無いことを特徴とする請求項7に記載の塗布膜付基材。
- 膜厚徐変部以外の領域の膜厚が2.5〜5.5μmであり、前記領域の膜厚の標準偏差が0.5以下である請求項7又は8に記載の塗布膜付基材。
- 両側辺側にあっては、長い方の側辺側にのみ、前記非塗布領域があることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の塗布膜付基材。
- 前記ドアのフレームの収納部に前記基材の短い方の側辺が収納される領域で、前記収納部と前記基材とが接する領域に塗布膜の非塗布領域を含み、前記非塗布領域と前記塗布膜との境界は、前記短い方の側辺と略平行にあることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の塗布膜付基材。
- 前記ドアのフレームの収納部に前記基材の短い方の側辺が収納される領域において、前記非塗布領域と前記塗布膜との境界は、前記収納部と前記基材とが接する領域には無いことを特徴とする請求項11に記載の塗布膜付基材。
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