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JP6827352B2 - 試験片の物性値測定方法及び遮熱コーティング層のヤング率測定方法 - Google Patents
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JP6827352B2 - 試験片の物性値測定方法及び遮熱コーティング層のヤング率測定方法 - Google Patents

試験片の物性値測定方法及び遮熱コーティング層のヤング率測定方法 Download PDF

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Description

この発明は、試験片の物性値測定方法及び遮熱コーティング層のヤング率測定方法に関する。
高温のガスに晒されるタービン部材等の表面には、遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating:TBC)が施されている。この遮熱コーティングは、母材上に溶射される金属接着層と、金属接着層上に溶射されるセラミック層からなる。この遮熱コーティングを形成することでタービン部材等の遮熱性および耐久性を向上させている。
このような遮熱コーティングのヤング率等の物性値は、耐久性や余寿命に影響する。そのため、遮熱コーティングのヤング率の計測は、例えば、4点曲げ法(JIS H 8454)により規格化されている。
特許文献1には、遮熱コーティング層の耐久性や余寿命を推定するために、セラミック層の耐久性や余寿命に影響する物性値を推定する方法が記載されている。この特許文献1では、セラミック層の加熱時間と加熱温度とからラーソンミラーパラメータを算出し、ラーソンミラーパラメータと気孔率との相関図、及び気孔率とセラミックの物性値との相関図から、セラミック層の物性値を求めている。
特開2009−236630号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、加熱時間と加熱温度とからセラミック層の室温下の物性値を推定する方法であるため、高温環境下の物性値を推定できないという課題がある。
また、4点曲げ法で物性値を取得する場合、遮熱コーティング層を有する試験片に対してひずみゲージを取り付ける必要が有るが、高温環境下ではひずみゲージが使用できないため、高温環境下の測定が行えないという課題がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高温環境下であっても物性値を精度よく測定可能な試験片の物性値測定方法及び遮熱コーティング層のヤング率測定方法を提供するものである。
上記の課題を解決するために以下の構成を採用する。
この発明の第一態様によれば、試験片の物性値測定方法は、遮熱コーティング層と基材層とを備える試験片に対して4点曲げ法を行いストローク量とひずみとの関係を取得するストローク−ひずみ関係取得工程と、前記試験片を昇温した状態で4点曲げ法を行いストローク量と荷重との関係を取得するストローク−荷重関係取得工程と、前記ストローク−ひずみ関係取得工程で取得したストローク量とひずみとの関係と、前記ストローク−荷重関係取得工程で取得したストローク量と荷重との関係と、に基づいて前記試験片のひずみと荷重との関係を取得するひずみ−荷重関係取得工程と、を含む。
ここで、弾性域におけるストローク量とひずみとの関係は、高温環境下でも変化しないため、例えば、室温で測定することができる。ストローク量および荷重は、試験片から離れた場所で測定できるため、試験片が高温環境下にあっても測定することができる。そして、ストローク量とひずみとの関係と、ストローク量と荷重との関係とから、ひずみと荷重との関係を求めることができる。そのため、高温環境下でひずみの測定を行わずに、試験片のひずみと荷重との関係を取得することができる。
その結果、高温環境下であっても試験片の物性値を精度よく測定可能できる。
この発明の第二態様によれば、第一態様に係る試験片の物性値測定方法において、第一の方向に間隔をあけて配置された2つの支持ロールを備え、前記支持ロールにより前記第一の方向と直交する第二の方向から前記試験片を支持する支持台と、前記2つの支持ロールの内側に配置されて前記第一の方向に間隔をあけて配置された2つの荷重ロールを備え、前記第二の方向で前記試験片を挟んで前記支持台とは反対側から前記荷重ロールにより前記試験片に荷重を加える荷重台と、前記第二の方向で前記支持台と前記荷重台とを近づける方向に前記支持台と前記荷重台との少なくとも一方を押し込む押し込み機構と、前記支持台又は前記荷重台に加わる荷重を検出する荷重検出器と、前記押し込み機構による前記第二の方向への前記支持台に対する前記荷重台の相対的な変位量を検出するストローク検出器と、前記試験片のひずみを検出するひずみ検出器と、前記支持台及び前記荷重台を収容して内部空間を昇温可能な昇温炉と、を備える4点曲げ試験装置を用いて、前記試験片の前記荷重、前記ストローク量、及び前記ひずみを取得するようにしてもよい。
このように構成することで、4点曲げ試験装置を用いた4点曲げ法により、例えば、室温で試験片に対するストローク量とひずみとの関係を求めることができる。さらに、昇温炉により昇温された試験片に対して4点曲げ法によりストローク量と荷重との関係を求めることができる。
この発明の第三態様によれば、第二態様に係る試験片の物性値測定方法において、前記支持台と前記荷重台との少なくとも一方は、セラミックにより形成されていてもよい。
このように構成することで、支持台や荷重台の温度特性により物性値の測定結果に影響を及ぼすことを抑制できる。
この発明の第四態様によれば、第二又は第三態様に係る試験片の物性値測定方法において、前記ストローク検出器は、レーザー変位計であってもよい。
このように構成することで、ストローク量をより正確に検出することができる。
この発明の第五態様によれば、第一から第四態様の何れか一つの態様に係る試験片の物性値測定方法において、前記ひずみ−荷重関係取得工程により取得したひずみと荷重との関係に基づいて前記試験片のヤング率を算出するヤング率算出工程を含んでもよい。
このように構成することで、高温環境下における試験片のひずみを測定せずに試験片のヤング率を算出することができる。
この発明の第六態様によれば、第五態様に係る試験片の物性値測定方法を含む遮熱コーティング層のヤング率測定方法であって、前記ひずみ−荷重関係取得工程によりひずみと荷重との関係を取得した前記試験片から前記遮熱コーティング層のみを除去して除去後試験片を得る除去工程と、前記除去後試験片に対して4点曲げ法を行いストローク量とひずみとの関係を取得する除去後ストローク−ひずみ関係取得工程と、前記除去後試験片を昇温した状態で4点曲げ法を行いストローク量と荷重との関係を取得する除去後ストローク−荷重関係取得工程と、前記除去後ストローク−ひずみ関係取得工程で取得したストローク量とひずみとの関係と、前記除去後ストローク−荷重関係取得工程で取得したストローク量と荷重との関係と、に基づいて前記除去後試験片のひずみと荷重との関係を取得する除去後ひずみ−荷重関係取得工程と、前記ひずみ−荷重関係取得工程により取得したひずみと荷重との関係に基づいて前記除去後試験片のヤング率を算出する除去後ヤング率算出工程と、前記ヤング率算出工程により算出された前記試験片のヤング率と、前記除去後ヤング率算出工程により算出された前記除去後試験片のヤング率と、に基づいて、前記遮熱コーティング層のヤング率を求める遮熱コーティングヤング率算出工程と、を含んでもよい。
このように構成することで、遮熱コーティング層を有する試験片のヤング率と、遮熱コーティング層を有していない試験片のヤング率とに基づいて、試験片の遮熱コーティング層のみのヤング率を求めることができる。つまり、高温環境下におけるひずみの測定を行わずに試験片の遮熱コーティング層のヤング率を精度よく求めることができる。
上記試験片の物性値測定方法によれば、高温環境下であっても物性値を精度よく測定できる。
この発明の実施形態における第一試験片の部分断面斜視図である。 この発明の実施形態における4点曲げ試験装置の概略構成を示す図である。 この発明の実施形態におけるトップコート層のヤング率測定方法のフローチャートである。 縦軸をひずみ(ε)、横軸をストローク量(mm)としたグラフである。 縦軸を荷重(kgf)、横軸をストローク量(mm)としたグラフである。 縦軸を荷重(kgf)、横軸をひずみ(ε)としたグラフである。 この発明の実施形態の変形例における図2に相当する図である。
次に、この発明の実施形態における試験片の物性値測定方法及び遮熱コーティング層のヤング率測定方法を図面に基づき説明する。なお、この実施形態における試験片は、第一試験片1Aと第二試験片1Bとの2種類の試験片がある。以下の説明において、第一試験片1Aと第二試験片1Bとを区別する必要のない場合、単に「試験片1」と称する場合がある。
図1は、この発明の実施形態における第一試験片の部分断面斜視図である。
図1に示すように、第一試験片1Aは、ガスタービンのタービン翼等の表面を模擬して形成されている。この第一試験片1Aは、基材層10と、コート層11とを備えている。
基材層10は、ニッケル(Ni)基合金等の耐熱合金を用いることができる。基材層10としては、後述する試験中に塑性変形を生じない十分な剛性を有するものであればよい。
コート層11は、基材層10の片方の面(図1中、下面)に形成されている。このコート層11は、ボンドコート層12と、トップコート層13とを備えている。
ボンドコート層12は、基材層10からトップコート層13が剥離することを抑制する。このボンドコート層12は、耐食性および耐酸化性に優れた金属結合層である。ボンドコート層12は、例えば、溶射材としてMCrAlY合金の金属溶射粉を基材層10の表面に対して溶射することで形成することができる。ここで、ボンドコート層12を構成するMCrAlY合金の「M」は、金属元素を示している。この金属元素「M」は、例えば,Ni、Co等の単独の金属元素、又は、これらのうち2種以上の組み合わせからなる。
トップコート層13は、ボンドコート層12の表面に積層されている。このトップコート層13は、セラミックを含む溶射材をボンドコート層12の表面に溶射することで形成することができる。トップコート層13を形成する際に用いられる溶射材としては、ジルコニア系セラミックを用いることができる。ジルコニア系セラミックとしては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、および、酸化イッテルビウム(Yb)で部分安定化させたジルコニア(ZrO)であるイッテルビア安定化ジルコニア(YbSZ)等が挙げられる。
この実施形態で例示する第一試験片1Aは、その裏面(図1中、下面)にコート層11が配置され、その表面(図1中、上面)に基材層10が配置されている。つまり、第一試験片1Aの表面側には、基材層10を形成する金属が露出した状態となっている。この実施形態における基材層10の厚さは、例えば、実機であるガスタービンのタービン翼の基材等と同等の厚さに形成してもよい。
第二試験片1Bは、上述した第一試験片1Aからトップコート層13を除去したものである。つまり、第二試験片1Bは、トップコート層13が除去されている点を除き、第一試験片1Aと同じ構成となっている。そのため、第二試験片1Bの詳細説明は省略する。
この実施形態で例示する試験片1は、矩形の板状に形成されている。
図2は、この発明の実施形態における4点曲げ試験装置の概略構成を示す図である。
図2に示すように、4点曲げ試験装置20は、4点曲げ治具部21と、押し込み機構22と、荷重検出器23と、ストローク検出器24と、ひずみ検出器25と、昇温炉26と、をそれぞれ備えている。
この4点曲げ試験装置20は、上述した第一試験片1A及び、第二試験片1Bについて、高温環境下のひずみと荷重との関係を、4点曲げ法(例えば、JIS H 8454)により求める各種測定が可能となっている。この実施形態では、4点曲げ試験装置20の試験結果により求められた高温環境下のひずみと荷重との関係から、高温環境下における第一試験片1Aのヤング率と、高温環境下における第二試験片1Bのヤング率と、をそれぞれ求めている。
4点曲げ治具部21は、試験片1を挟み込んで支持可能となっている。この4点曲げ治具部21は、支持台30と、荷重台31と、第一ロッドR1と、第二ロッドR2と、を備えている。4点曲げ治具部21は、例えば、トップコート層13と同様に、セラミック等、昇温時の影響が少ない材料で形成しても良い。この実施形態における4点曲げ治具部21は、試験片1を、その表裏面が水平方向に広がる姿勢で支持する。また、この実施形態においては、支持台30が下方に配置され、荷重台31が上方に配置される場合を例示しているが、この配置に限られない。
この実施形態における支持台30は、試験片1を下方から支持する。支持台30は、支持台本体32と、2つの支持ロール33と、を備えている。
支持台本体32は、図2に示す正面視において、上方に向かって開口するU字状に形成されている。言い換えれば、支持台本体32は、上方に向かって突出し、水平方向Dhのうちの第一の方向D1に離間した2つの支持腕部32aを備えている。これら支持腕部32aの上端面32bは、鉛直方向Dvにおいて同一の位置に配置されている。
支持ロール33は、2つの支持腕部32aの上端面32bにそれぞれ一つずつ形成され、第一の方向D1で所定距離L1だけ間隔をあけて配置されている。これら支持ロール33は、後述する荷重ロール35とともに試験片1を、第一の方向D1と直交する第二の方向D2から支持する。この実施形態における第二の方向D2は、鉛直方向Dvと一致している。
これら支持ロール33は、上端面32bから第二の方向D2に突出し、水平方向Dhのうち第一の方向D1に直交する第三の方向D3(図2の紙面表裏方向)に延びている。支持ロール33は、図2に示す正面視において、その上端部33aが上方に向かって凸となる半円状になっている。この実施形態で例示する支持ロール33は、2本の支持腕部32aの上端面32bのうち最も内側に配置されているが、この配置に限られるものではない。
荷重台31は、試験片1を挟んで支持台30とは第二の方向D2で反対側となる上方から試験片1に荷重を加えることが可能となっている。この荷重台31は、荷重台本体34と、2つの荷重ロール35と、を備えている。
荷重台本体34は、図2に示す正面視において、下方に向かって開口するU字状に形成されている。言い換えれば、荷重台本体34は、下方に向かって突出し、第一の方向D1に離間した2つの荷重腕部34aを備えている。これら荷重腕部34aの下端面34bは、鉛直方向Dvにおいて同一の位置に配置されている。
荷重ロール35は、2つの荷重腕部34aの下端面34bにそれぞれ一つずつ形成されている。これら荷重ロール35は、第一の方向D1で所定距離L1よりも小さい所定距離L2(例えば、所定距離L1の1/3程度)だけ離間して配置されている。第一の方向D1における2つの荷重ロール35の中心線O2は、第一の方向D1における2つの支持ロール33の中心線O1に対して、第一の方向D1で同一の位置に配置されている。
これら荷重ロール35は、下端面34bから第二の方向D2に突出し、水平方向Dhのうち第一の方向D1に直交する第三の方向D3に延びている。荷重ロール35は、図2に示す正面視において、その下端部35aが下方に向かって凸となる半円状になっている。荷重ロール35の半円と、上述した支持ロールの半円とは、それぞれ同一半径(2.0mmから3.0mm程度)で形成されている。この実施形態で例示する支持ロール33は、2つの荷重腕部34aの下端面34bのうち最も内側に配置されているが、この配置に限られるものではない。
押し込み機構22は、第二の方向D2で支持台30と荷重台31とを近づける方向に支持台30と荷重台31との少なくとも一方を押し込むことが可能となっている。この実施形態における押し込み機構22は、荷重台31の位置を保持したまま、支持台30を荷重台31に近付く方向すなわち上方に向かって押圧する。この実施形態における押し込み機構22は、支持台30から下方に向かって延びる第一ロッドR1と、荷重台31から上方に向かって延びる第二ロッドR2とにそれぞれ接続されている。この押し込み機構22によって、支持台30と荷重台31とが第二の方向D2で接近する方向に押し込まれて、試験片1に対して、第二の方向D2に荷重をかけることができる。この押し込み機構22による押し込み動作は、例えば、ストローク量を制御(例えば、1/200mmピッチ)することで行われる。
荷重検出器23は、支持台30又は荷重台31に加わる荷重を検出する。より具体的は、荷重検出器23は、支持台30又は荷重台31に加わる第二の方向D2の荷重を検出する。この実施形態で例示する荷重検出器23は、荷重台31を支持する第一ロッドR1に取り付けられている。荷重検出器23としては、ロードセルを用いることができる。荷重検出器23による荷重の検出結果は、例えば、荷重検出器23に接続されたディスプレイ(図示せず)に表示させたり、印刷機で印字させたりしても良い。また、荷重検出器23による荷重の検出結果は、記録媒体に記録するようにしても良い(以下、ストローク検出器24も同様)。
ストローク検出器24は、押し込み機構22の押し込み動作によるストローク量を検出する。ストローク検出器24としては、例えば、差動トランス式伸び計(DTF)を用いることができる。この実施形態で例示するストローク検出器24は、押し込み機構22に取り付けられて、押し込み機構22の押し込み動作によるストローク量を検出している。このストローク量は、第二の方向D2における、荷重台31と支持台30との相対的な変位量ということもできる。
ひずみ検出器25は、試験片1のひずみを検出する。ひずみ検出器25は、ひずみゲージ25aと、動ひずみ計(図示せず)と、を備えている。ひずみゲージ25aは、第一試験片1Aのトップコート層13の表面に貼り付けられている。このひずみゲージ25aは、トップコート層13の表面の中央付近に貼り付けるのが好ましい。このひずみゲージ25aは、ゲージ用配線(図示せず)を介して動ひずみ計(図示せず)に接続されている。動ひずみ計(図示せず)は、ひずみゲージ25aの出力を増幅して、試験片1のひずみ(言い換えれば、動ひずみ)を求め、データ表示やデータ記録等を行う。
昇温炉26は、支持台30及び前記荷重台31を内部空間36に収容する。昇温炉26は、その内部空間36を昇温することで支持台30及び荷重台31に挟まれた試験片1を昇温可能となっている(例えば、1000℃以上)。昇温炉26としては、電気炉等を用いることができる。昇温炉26は、上下に第一ロッドR1及び第二ロッドR2が貫通可能な貫通部26aを有している。これにより、試験片1を昇温炉26の内部空間36で昇温しつつ、押し込み機構22によって支持台30及び荷重台31を第二の方向D2で近づくように変位させることができる。
上述した荷重検出器23と、ストローク検出器24とは、この昇温炉26の外部に設置されている。なお、上述した4点曲げ試験装置は、昇温炉26の内部の温度、すなわち試験片1の温度を監視するために、荷重台31に熱電対37が取り付けられている場合を例示している。しかし、試験片1の温度の検出は、熱電対37に限られない。例えば、レーザー温度計やサーモビュア等を用いても良い。
この実施形態における4点曲げ試験装置20は、上述した構成を備えている。次に、この4点曲げ試験装置20を用いた試験片の物性値測定方法及び遮熱コーティング層のヤング率測定方法について図面を参照しながら説明する。
図3は、この発明の実施形態におけるトップコート層のヤング率測定方法のフローチャートである。
まず図示しない準備工程として、ひずみゲージ25aを第一試験片1Aに取り付けて、支持台30及び荷重台31により第一試験片1Aを挟み込む。この際、例えば、低圧力用のプレスケール等を用いて、第一試験片1Aと支持台30、及び第一試験片1Aと荷重台31のそれぞれの接触状態を確認するようにしても良い。
次に、図3に示すように、第一試験片1Aに対して4点曲げ法を行い、ストローク量とひずみとの関係を取得するストローク−ひずみ関係取得工程を行う(ステップS01)。このストローク−ひずみ関係取得工程においては、例えば、室温等、ひずみゲージを使用できる温度環境にて行う。このストローク−ひずみ関係取得工程においては、押し込み機構22による押し込み動作を行いつつ、ストローク検出器24によって検出されたストローク量と、ひずみ検出器25によって検出されたひずみとの関係を取得する。
図4は、縦軸をひずみ(ε)、横軸をストローク量(mm)としたグラフである。
図4に示すように、ストローク−ひずみ関係取得工程で取得したひずみとストローク量との関係は、ストローク量が大きくなるにつれてひずみが大きくなるリニア(線形)な関係となっている。
次に、昇温炉26によって第一試験片1Aを昇温した状態(例えば、1000℃以上)で、再度、4点曲げ法を行い、ストローク量と荷重との関係を取得するストローク−荷重関係取得工程を行う(ステップS02)。このストローク−荷重関係取得工程においては、押し込み機構22による押し込み動作を行いつつ、ストローク検出器24によって検出されたストローク量と、荷重検出器23とによって検出された荷重との関係を取得する。なお、昇温炉26により第一試験片1Aの昇温を行う前に、ひずみゲージ25aからゲージ用配線を取り外して、ストローク−荷重関係取得工程を行う。
図5は、縦軸を荷重(kgf)、横軸をストローク量(mm)としたグラフである。
図5に示すように、ストローク−荷重関係取得工程で取得したストローク量と荷重との関係は、ストローク量が大きくなるにつれて荷重の値が小さくなる関係となっている。そして、ストローク−荷重関係取得工程で取得したストローク量と荷重との関係は、リニア(線形)な関係になっている。
ここで、この実施形態における荷重検出器23は、圧縮方向に作用する荷重がマイナスの値として検出される。つまり、ストローク−荷重関係取得工程で取得したストローク量と荷重との関係は、実際には、荷重が大きいほど荷重検出器23に作用する荷重も大きくなっている。
次に、ストローク−ひずみ関係取得工程で取得したストローク量とひずみとの関係と、ストローク−荷重関係取得工程で取得したストローク量と荷重との関係と、に基づいて第一試験片1Aのひずみと荷重との関係を取得するひずみ−荷重関係取得工程を行う(ステップS03)。このひずみ−荷重関係取得工程においては、例えば、高温中で取得したストローク量と荷重との関係に、室温等で取得したストローク量とひずみとの関係を適用して、荷重とひずみとの関係を取得する。言い換えれば、ストローク量と荷重との関係、及びストローク量とひずみとの関係を用いて、例えば、互いのストローク量を荷重又はひずみに置き換えて荷重とひずみとの関係を取得している。ここで、上述したストローク量とひずみとの関係は、弾性域においては温度に応じて変化しない。そのため、仮に高温環境下においてストローク量とひずみとの関係を取得したとしても、室温等で取得したストローク量とひずみとの関係と同じ結果になる。
図6は、縦軸を荷重(kgf)、横軸をひずみ(ε)としたグラフである。
図6に示す荷重とひずみとのグラフは、図4に示すグラフと図5に示すグラフとから求めることができる。ここで、図6においても図5と同様に、試験片1を圧縮する方向の荷重がマイナスの値で検出されている。そのため、図6においても、ひずみが大きくなるほど荷重の値が小さくなっている。つまり、実際には、荷重の値が小さいほど荷重検出器23に作用する荷重は大きくなっている。図6に示すように、これら荷重とひずみとの関係は、リニア(線形)な関係になっている。
次に、ひずみ−荷重関係取得工程により取得したひずみと荷重との関係に基づいて第一試験片1Aのヤング率を算出するヤング率算出工程を行う(ステップS04)。より具体的には、ひずみ−荷重関係取得工程によって取得したひずみと荷重との関係から、梁理論により第一試験片1Aのヤング率を算出する(例えば、JIS H8454参照)。
さらに、昇温炉26による昇温を停止して第一試験片1Aの温度を低下させた後、第一試験片1Aを4点曲げ試験装置から取り出して、第一試験片1Aのトップコート層13のみを除去する除去工程を行う(ステップS05)。この除去工程においては、例えば、ブラスト処理によってトップコート層13を除去して、第二試験片1Bを得る。その後、第二試験片1Bに対しても、上述した第一試験片1Aと同様の工程を経てヤング率を算出する。
すなわち、まず、ひずみゲージ25aを第二試験片1Bに取り付けて、支持台30及び荷重台31により第二試験片1Bを挟み込む。この際、ひずみゲージ25aは、トップコート層13ではなく、ボンドコート層12又は基材層10に取り付ける。
次いで、第二試験片1Bに対して4点曲げ法を行い、ストローク量とひずみとの関係を取得する除去後ストローク−ひずみ関係取得工程を行う(ステップS06)。この除去後ストローク−ひずみ関係取得工程においては、例えば、室温等、ひずみゲージを使用できる温度環境において行う。この除去後ストローク−ひずみ関係取得工程においては、押し込み機構22による押し込み動作を行いつつ、ストローク検出器24によって検出されたストローク量と、ひずみ検出器25によって検出されたひずみとの関係を取得する。
次に、昇温炉26によって第二試験片1Bを昇温した状態(例えば、1000℃以上)で、再度、4点曲げ法を行い、ストローク量と荷重との関係を取得する除去後ストローク−荷重関係取得工程を行う(ステップS07)。この除去後ストローク−荷重関係取得工程においては、押し込み機構22による押し込み動作を行いつつ、ストローク検出器24によって検出されたストローク量と、荷重検出器23とによって検出された荷重との関係を取得する。
次に、除去後ストローク−ひずみ関係取得工程で取得したストローク量とひずみとの関係と、除去後ストローク−荷重関係取得工程で取得したストローク量と荷重との関係と、に基づいて第二試験片1Bのひずみと荷重との関係を取得する除去後ひずみ−荷重関係取得工程を行う(ステップS08)。
さらに、除去後ひずみ−荷重関係取得工程により取得したひずみと荷重との関係に基づいて第二試験片1Bのヤング率を算出する除去後ヤング率算出工程を行う(ステップS09)。より具体的には、除去後ひずみ−荷重関係取得工程によって取得したひずみと荷重との関係から、梁理論により第二試験片1Bのヤング率を算出する(例えば、JIS H8454参照)。
その後、ヤング率算出工程(ステップS04)により算出された第一試験片1Aのヤング率と、除去後ヤング率算出工程(ステップS09)により算出されたトップコート層13のみを除去した第二試験片1Bのヤング率とに基づいて、トップコート層13のヤング率を求める遮熱コーティングヤング率算出工程(ステップS10)を行う。このトップコート層13のヤング率は、JIS H8454の(2)式により求めることができる。この場合、トップコート層13を有さない第二試験片1Bを「基材」とし、トップコート層13を含む第一試験片1Aを「BC」とする。
したがって、上述した実施形態によれば、室温で測定できるストローク量とひずみとの関係と、高温環境下にある試験片1から離れた場所で測定できるストローク量および荷重との関係から、ひずみと荷重との関係を求めることができる。そのため、高温環境下で試験片1のひずみの測定を行わずに、試験片1のひずみと荷重との関係を取得することができる。その結果、高温環境下であっても試験片1の物性値を精度よく測定可能できる。
また、取得したひずみと荷重との関係に基づいて試験片1のヤング率を算出することができるため、高温環境下における試験片1のひずみを測定せずに試験片1のヤング率を精度よく算出することができる。
さらに、4点曲げ試験装置を用いた4点曲げ法により、例えば、室温で試験片1に対するストローク量とひずみとの関係を容易に求めることができる。さらに、4点曲げ試験装置を用いた4点曲げ法により、昇温炉26により昇温された試験片1に対するストローク量と荷重との関係を求めることができる。
さらに、4点曲げ治具部21をセラミックにより形成した場合には、支持台30や荷重台31の温度特性により物性値の測定結果に影響を及ぼすことを抑制できる。
また、トップコート層13を有する第一試験片1Aのヤング率と、トップコート層13を有していない第二試験片1Bのヤング率とに基づいて、トップコート層13のみのヤング率を求めることができる。つまり、高温環境下におけるひずみの測定を行わずに第一試験片1Aのトップコート層13のみのヤング率を精度よく求めることができる。
(実施形態の変形例)
図7は、この発明の実施形態の変形例における図2に相当する図である。
例えば、上述した実施形態においては、ストローク検出器24として差動トランス式伸び計(DTF)を用いる場合について説明した。
しかし、図7に示すように、例えば、ストローク検出器24Bとしてレーザー変位計を用いても良い。このストローク検出器24Bは、例えば、昇温炉26の外面に配置されたターゲット40に対してレーザー光を照射してその反射光を検出することで、押し込み機構22のストローク量を検出する。
このようにストローク検出器24Bとしてレーザー変位計を用いることで、より正確にストローク量を検出することができる。その結果、トップコート層13のヤング率をより正確に測定することができる。
この発明は上述した実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
1 試験片
10 基材層
11 コート層
12 ボンドコート層
13 トップコート層(遮熱コーティング層)
20 4点曲げ試験装置
21 4点曲げ治具部
22 押し込み機構
23 荷重検出器
24,24B ストローク検出器
25 ひずみ検出器
25a ひずみゲージ
26 昇温炉
26a 貫通部
30 支持台
31 荷重台
32 支持台本体
32a 支持腕部
32b 上端面
33 支持ロール
33a 上端部
34 荷重台本体
34a 荷重腕部
34b 下端面
35 荷重ロール
35a 下端部
36 内部空間
40 ターゲット
R1 第一ロッド
R2 第二ロッド

Claims (6)

  1. 遮熱コーティング層と基材層とを備える試験片に対して4点曲げ法を行いストローク量とひずみとの関係を取得するストローク−ひずみ関係取得工程と、
    前記試験片を昇温した状態で4点曲げ法を行いストローク量と荷重との関係を取得するストローク−荷重関係取得工程と、
    前記ストローク−ひずみ関係取得工程で取得したストローク量とひずみとの関係と、前記ストローク−荷重関係取得工程で取得したストローク量と荷重との関係と、に基づいて前記試験片のひずみと荷重との関係を取得するひずみ−荷重関係取得工程と、
    を含む試験片の物性値測定方法。
  2. 第一の方向に間隔をあけて配置された2つの支持ロールを備え、前記支持ロールにより前記第一の方向と直交する第二の方向から前記試験片を支持する支持台と、
    前記2つの支持ロールの内側に配置されて前記第一の方向に間隔をあけて配置された2つの荷重ロールを備え、前記第二の方向で前記試験片を挟んで前記支持台とは反対側から前記荷重ロールにより前記試験片に荷重を加える荷重台と、
    前記第二の方向で前記支持台と前記荷重台とを近づける方向に前記支持台と前記荷重台との少なくとも一方を押し込む押し込み機構と、
    前記支持台又は前記荷重台に加わる荷重を検出する荷重検出器と、
    前記押し込み機構による前記第二の方向への前記支持台に対する前記荷重台の相対的な変位量を検出するストローク検出器と、
    前記試験片のひずみを検出するひずみ検出器と、
    前記支持台及び前記荷重台を収容して内部空間を昇温可能な昇温炉と、
    を備える4点曲げ試験装置を用いて、前記試験片の前記荷重、前記ストローク量、及び前記ひずみを取得する請求項1に記載の試験片の物性値測定方法。
  3. 前記支持台と前記荷重台との少なくとも一方は、セラミックにより形成されている請求項2に記載の試験片の物性値測定方法。
  4. 前記ストローク検出器は、レーザー変位計である請求項2又は3に記載の試験片の物性値測定方法。
  5. 前記ひずみ−荷重関係取得工程により取得したひずみと荷重との関係に基づいて前記試験片のヤング率を算出するヤング率算出工程を含む請求項1から4の何れか一項に記載の試験片の物性値測定方法。
  6. 請求項5に記載の試験片の物性値測定方法を含む遮熱コーティング層のヤング率測定方法であって、
    前記ひずみ−荷重関係取得工程によりひずみと荷重との関係を取得した前記試験片から前記遮熱コーティング層のみを除去した試験片を得る除去工程と、
    前記遮熱コーティング層のみを除去した試験片に対して4点曲げ法を行いストローク量とひずみとの関係を取得する除去後ストローク−ひずみ関係取得工程と、
    前記遮熱コーティング層のみを除去した試験片を昇温した状態で4点曲げ法を行いストローク量と荷重との関係を取得する除去後ストローク−荷重関係取得工程と、
    前記除去後ストローク−ひずみ関係取得工程で取得したストローク量とひずみとの関係と、前記除去後ストローク−荷重関係取得工程で取得したストローク量と荷重との関係と、に基づいて前記遮熱コーティング層のみを除去した試験片のひずみと荷重との関係を取得する除去後ひずみ−荷重関係取得工程と、
    前記ひずみ−荷重関係取得工程により取得したひずみと荷重との関係に基づいて前記遮熱コーティング層のみを除去した試験片のヤング率を算出する除去後ヤング率算出工程と、
    前記ヤング率算出工程により算出された前記試験片のヤング率と、前記除去後ヤング率算出工程により算出された前記遮熱コーティング層のみを除去した試験片のヤング率と、に基づいて、前記遮熱コーティング層のヤング率を求める遮熱コーティングヤング率算出工程と、
    を含む遮熱コーティング層のヤング率測定方法。
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