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JP6829468B2 - 有害微生物を含む有機物の処理方法 - Google Patents
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JP6829468B2 - 有害微生物を含む有機物の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有害微生物を含む有機物の処理に関するもので、特にその有機物に有害な微生物が含まれている場合、また空港や病院内で廃棄された有害な微生物を含む有機物は、そのエリア内で処理されなければならない場合に好適なものである。
従来より、例えば一般家庭から排出されるごみ(一般廃棄物)や各種事業所などからの産業廃棄物の処理方法としては、これを乾燥させた後に燃料として利用したり、微生物を利用して発酵させた後に堆肥や飼料として利用したりすることが知られている。但し、そのような処理の対象物には生ごみ、紙屑、し尿、生活雑排水、動植物性残渣、汚泥など種々の有機物が含まれており、含水率が高いことから十分に乾燥させて処理することが必要である。
この点について本願の発明者は、生ごみのような有機物を密閉容器に収容し、減圧下において所定の温度範囲に加熱しながら所定の微生物を添加して撹拌することによって、有機物の発酵を促進し、効率的に水分を除去し乾燥させることができる装置(発酵乾燥装置)について既に特許出願をしている。
例えば特許文献1に記載の発酵乾燥装置では、密閉容器内を減圧することによって水の沸点が低下することから、温度上昇による微生物の死滅を阻止することができる。また、その内部の有機物などに含まれる水分の蒸発が促進され、乾燥時間の短縮が図られる。
特開2007−319738号公報
しかしながら、一般的に廃棄物には種々の微生物が含まれており、前記従来例(特許文献1)のように所定の微生物を添加して、有機物の発酵を促進しようとしても、その働きに適した環境下では添加した以外の微生物、即ち廃棄物に含まれている微生物の働きも活発化することが多い。こうなると、添加した微生物の働きが阻害されてしまい、狙い通り有機物の発酵を促進することができなくなる。
また、近年では例えば鳥インフルエンザのように、家畜だけでなく人間にも感染し得るウイルスなどの有害微生物が知られており、このような有害微生物に汚染された家畜の死骸は、感染の拡大を防ぐために厳重な管理下において地中に埋めなくてはならないという実状がある。さらに、空港内や病院内で廃棄された有機物は、有害微生物で汚染されている恐れがあることから、そのエリア内で廃棄処理されなければならない事情もある。ここで、有害微生物とは、人や動植物、環境などに危害を及ぼすウイルス、細菌、酵母、カビ、原虫、寄生虫などをいう。
このような実状に鑑みて本発明の目的は、公知の発酵乾燥装置を用いて対象物の発酵乾燥処理を行う場合に、その中に含まれている微生物を死滅させた後、添加した微生物の活動至適環境を実現することにより、大気圧下で、有害微生物に汚染された有機物やその恐れのある有機物までも処理が可能とすることにある。
前記の課題を解決するために本発明の処理方法は、有害微生物を含む有機物を密閉容器に収容し、所定温度以上に加熱して所定時間、維持することにより、前記有機物に滅菌処理を施す滅菌工程と、この滅菌工程の後に前記密閉容器内の有機物に所定の微生物を添加する添加工程と、その後、前記密閉容器内の有機物を、減圧下において所定の温度範囲に加熱しながら攪拌するとともに、前記所定の微生物を利用して有機物を発酵乾燥させ、減容した乾燥物を得る発酵乾燥工程と、を有するものである。
この方法により、まず、有機物を密閉容器に収容し、滅菌工程において所定温度以上に加熱して所定時間、維持することにより、細菌やウイルスなどの有害微生物を死滅させることができる。その後、所定の微生物を添加し、その際に活動至適環境を実現して有害微生物に汚染された死骸などの有機物も発酵乾燥工程において処理することができる。
そのように有機物に含まれる細菌やウイルスなどの有害微生物を死滅させるためには、密閉容器内を例えば130℃以上で10分間程度(少なくとも120℃以上とし、この場合は20分程度)に維持すればよいが、このように温度の高い状態では、発酵乾燥のための所定の微生物も死滅してしまうため、前記滅菌工程の後、前記発酵乾燥工程を開始する前に前記密閉容器内の温度を低下させた上で、所定の微生物を大気圧下で添加することが好ましい。
そこで、前記の密閉容器にその内部を減圧するための真空ポンプが連通路を介して接続されている場合、前記滅菌工程の後、前記添加工程の前に前記真空ポンプを作動させて、前記密閉容器内を減圧すればよい。こうすれば、密閉容器内を減圧することによって、その温度を速やかに低下させることができる。
その場合に前記連通路には、発酵乾燥工程で密閉容器内の有機物から発生した蒸気を液化(凝縮)させるための凝縮部が介設されている場合があり、この凝縮部には前記所定の微生物が残存している。そこで、好ましいのは、前記の凝縮部と真空ポンプとの間を大気開放可能な大気開放バルブを設けて、前記添加工程においては前記大気開放バルブを開いて連通路に外気を導入することである。
こうすると、開かれた大気開放バルブから連通路に流入した外気は、凝縮部を流通して密閉容器内に吸い込まれるようになり、その流れによって前記凝縮部から所定の微生物が、密閉容器内に取り入れられる。よって、密閉容器に設けられている有機物の投入口などを開放することなく、その内部で滅菌処理された後、有機物に所定の微生物を添加することができる。
さらに、前記連通路には、前記凝縮部および前記密閉容器の間を開閉可能な開閉バルブを介設し、前記滅菌工程では前記開閉バルブを閉じた状態で前記密閉容器内を加熱することが好ましい。こうすれば、開閉バルブよりも密閉容器側の空間のみを加熱することで、その密閉容器内の温度を効率良く上昇させることができる。一方、前記添加工程では大気開放バルブおよび開閉バルブの両方を開くようにすればよい。
見方を変えれば本発明は有害微生物を含む有機物の処理装置であって、その有機物を密閉容器に収容し、減圧下において所定の温度範囲に加熱しながら撹拌するとともに、所定の微生物を利用して有機物を発酵乾燥させ、減容した乾燥物を得る発酵乾燥装置と、前記密閉容器にその内部を減圧するために連通路を介して接続された真空ポンプと、前記連通路に介設され、前記密閉容器内で発生した蒸気を液化させるための凝縮部と、この凝縮部および真空ポンプの間に大気開放可能な大気開放バルブと、前記凝縮部および密閉容器の間に開閉可能な開閉バルブと、を備えたものである。このように構成された処理装置を用いれば、上述した処理方法を好適に実現できる。
本発明に係る処理方法および処理装置によると、有害微生物を含む有機物を密閉容器内に収容し、高温高圧状態での滅菌処理により有害微生物を死滅させ、減圧下で加熱して所定の微生物を利用して有機物の発酵を促進するとともに、乾燥を促進させることができる。よって、有害微生物に汚染された家畜の死骸などの有機物も発酵乾燥処理することができる。
実施形態に係る処理装置全体の概略構成図である。 発酵乾燥装置の概略構成図である。 有機物の処理システムのフローチャート図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る処理装置の概略構成図であり、この装置は、例えば養豚場で死滅した豚などの有機物を発酵乾燥処理した後、焼却することに関するものである。
そして、本実施形態の処理装置では、有機物が投入される受入ホッパー1を備え、この受入ホッパー1に付随する搬送コンベヤ2によって、発酵乾燥装置3に有機物が供給されるようになっている。
−発酵乾燥装置−
前記発酵乾燥装置3は、特許文献1などに記載されている公知のものであり、以下に説明するように、処理対象の有機物を減圧下において所定の温度範囲に加熱しながら撹拌するとともに、微生物を利用して有機物を発酵乾燥させ、減容した乾燥物を得るものである。
図2において模式的に示すように、発酵乾燥装置3は、上述したように搬送コンベヤ21によって供給される有機物を収容する密閉容器として、内部を大気圧以上または以下に保持するように気密に形成された筒状の耐圧タンク30を備えている。この耐圧タンク30の周壁部には、加熱ジャケット31が設けられ、後述するように蒸気経路70を介して蒸気発生ボイラー7から高温の加熱用蒸気が供給されるようになっている。
また、その加熱ジャケット31に取り囲まれるようにして、耐圧タンク30の内部にはその長手方向(図3の左右方向)に延びる撹拌シャフト32が設けられ、電動モーター32aによって所定の回転速度で回転されるようになっている。この撹拌シャフト32にはその軸方向に離間して複数の撹拌板32bが設けられており、これにより、有機物を撹拌するとともに、発酵乾燥終了後には耐圧タンク30の長手方向に送ることができる。また、32aは油圧モーターを使用する場合もある。
すなわち、耐圧タンク30の長手方向一側(図2の左側)の上部には、搬送コンベヤ21から供給される有機物の投入口30aが設けられており、ここから投入された有機物が、加熱ジャケット31によって加熱されながら、前記のように撹拌シャフト32の回転によって撹拌される。そして、所定時間発酵乾燥処理された後、耐圧タンク30の下部に設けられた排出部30bから排出される。
なお、詳細は図示しないが、本実施形態では前記撹拌シャフト32や撹拌板32bの内部にも蒸気の通路が形成されており、ここにも蒸気経路70を介して蒸気発生ボイラー7から加熱用蒸気が供給されるようになっている。これにより、撹拌シャフト32によって有機物を撹拌しながら、その内側からも加熱することができる。そして、蒸気が復水したドレン水は蒸気経路70を介して、蒸気発生ボイラー7に戻される。
有機物を加熱する耐圧タンク30の上部には、加熱された有機物から発生する蒸気を凝縮部33へ案内する案内部30cが突設されており、ここから凝縮部33への連通路34には開閉バルブ34aが介設されている。凝縮部33は、一対のヘッド33aによって支持された複数の冷却管33bを備えており、この冷却管33bと、以下に述べるクーリングタワー8との間に冷却水経路80が設けられている。
すなわち、凝縮部33において冷却管33b内を流通し、高温の蒸気との熱交換によって温度が上昇した冷却水は、図2には模式的に矢印で示すように冷却水経路80を流通してクーリングタワー8の受水槽81に流入する。クーリングタワー8には、その受水槽81から冷却水を汲み上げる汲み上げポンプ82と、汲み上げた冷却水を噴射するノズル83と、が設けられており、このノズル83から噴射された冷却水は、流下部84を流下する間にファン85からの送風を受けて温度が低下し、再び受水槽81に流入する。
このようにしてクーリングタワー8で冷却された冷却水は、冷却水ポンプ86によって送水され、冷却水経路80によって凝縮部33に送られて、再び複数の冷却管33b内を流通する。そして、前記のように高温の蒸気との熱交換によって温度が上昇した後に、再び冷却水経路80を流通して、クーリングタワー8の受水槽81に流入する。つまり、冷却水は凝縮部33とクーリングタワー8との間の冷却水経路80を循環する。
さらに、そうして循環する冷却水の他に、クーリングタワー8では凝縮部33において加熱された有機物から発生する蒸気の凝縮水も注水される。すなわち、図示はしないが凝縮部33の下方に集水部が設けられており、前記のように高温の蒸気と熱交換することによって生成した凝縮水が集められるようになっている。また、凝縮部33には連通路35を介して真空ポンプ36が接続され、耐圧タンク30内を減圧するようになっている。
すなわち、真空ポンプ36の作動によって、前記の連通路35を介して凝縮部33から空気および凝縮水が吸い出され、さらに前記の連通路34および案内部30cを介して耐圧タンク30内の空気および凝縮水が吸い出される。こうして、凝縮部33からは凝縮水が真空ポンプ36に吸い出され、この真空ポンプ36から導水管によって、クーリングタワー8の受水槽81に導かれるのである。
こうしてクーリングタワー8の受水槽81に導かれた凝縮水には、耐圧タンク30内の有機物に添加されたものと同じ微生物が含まれており、これにより凝縮水に含まれている臭気成分等は分解されているので、臭気はタンク外部へ発散しない。また、この凝縮水は、受水槽81において冷却水と混ざり合い、前記のように汲み上げポンプ82に汲み上げられて、ノズル83から噴射された後に、流下部84を流下しながら冷却される。
本実施形態では、そうして冷却水や凝縮水が流下する流下部84の充填材を前記所定の微生物の担体として利用しており、ここにおいて冷却されて受水槽81に流入する凝縮水にも微生物が含まれるようになる。
−発酵乾燥装置の作動−
前記のように構成された発酵乾燥装置3の作動について説明すると、耐圧タンク30内に収容された有機物は、加熱ジャケット31(および撹拌シャフト32などの蒸気通路)に供給される高温の蒸気によって加熱されながら、撹拌シャフト32の回転に伴い撹拌される。なお、蒸気発生ボイラー7から供給される蒸気の温度は例えば140℃程度が好ましい。
そうして耐圧タンク30内を取り囲む加熱ジャケット31による外側からの加熱と、撹拌シャフト32などによる内側からの加熱とを受けて、効果的に昇温されるとともに、撹拌シャフト32によって撹拌される。加えて、真空ポンプ36の作動によって減圧されているため、耐圧タンク30内では沸点が低下し、水分の蒸発が早まり、発酵乾燥が促進される。
なお、発酵乾燥装置3による発酵乾燥工程では一工程が例えば2時間であることが好ましく、先ず30分かけて有機物を発酵させることとなる。前記タンク30内を−0.06〜−0.07MPa(ゲージ圧、以下、ゲージ圧は省略する。)に減圧すると、タンク内30内の水分温度は76℃〜69℃(飽和蒸気温度)に維持される。その結果、有機物は下記微生物で主に発酵、分解が促進される。
次に、1.5時間かけて発酵中の有機物を乾燥させることになる。そのために、前記タンク30内を−0.010〜−0.092MPaにさらに減圧すると、タンク内の水分温度は42〜46℃(飽和蒸気温度)に維持され、有機物の乾燥は十分に促進される。
なお、SHIMOSE 1は、FERM BP-7504 (経済産業省産業技術総合研究所生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センター日本国茨城県つくば市東1丁目1−3に2003年3 月14日に国際寄託されたものである。また、SHIMOSE 2は、FERM BP-7505 (SHIMOSE 1と同様に国際寄託されたもの)、塩に耐性を有するピチアファリノサ(Pichiafarinosa) に属する微生物であり、SHIMOSE 3は、FERM BP-7506 (SHIMOSE 1と同様に国際寄託されたもの)、スタフィロコッカス(Staphylococcus) に属する微生物である。
次に、本実施形態による有害微生物を含む有機物の処理の手順について説明すると、一例を図3のフローチャートに示すように、まず、ステップS1では、有害微生物に汚染され、死滅した家畜などの有機物を受入ホッパー1に投入する。その後、発酵乾燥装置3の耐圧タンク30の投入口30aの蓋を開いて、前記受入ホッパー1内の有機物を搬送コンベヤ2によって搬送し、投入口30aから有機物を投入する。そして、投入口30aの蓋を閉じるとともに、耐圧タンク30の案内部30cから凝縮部33への連通路34における開閉バルブ34aも閉じて、耐圧タンク30内を大気圧状態で密閉する。
次に、滅菌工程(ステップS2)では、耐圧タンク30の内部を所定時間、高温高圧に維持して、通常の細菌や前記ウイルスなどの有害微生物を死滅させ、滅菌させる。そのために投入口30aの蓋を閉じるとともに、耐圧タンク30の案内部30cから凝縮部33への連通路34における開閉バルブ34aを閉状態とする。
そして、蒸気発生ボイラー7から加熱用蒸気を耐圧タンク30(加熱ジャケット31など)に供給する。このように連通路34の開閉バルブ34aを閉じることで、凝縮部33や真空ポンプ36などと遮断され、耐圧タンク30が密閉状態となり、内部が高温高圧となる。
具体的に前記の滅菌工程では、例えば耐圧タンク30内の温度を140℃程度に、また、圧力を例えば0.3MPa程度にして8〜10分程度維持することにより、有機物中の有害微生物を死滅させて、無菌状態を作り出すことができる。なお、例えば温度を120℃程度とし、また、圧力を例えば0.2MPa程度にして20分程度維持するようにしてもよい。
そうして耐圧タンク30内を滅菌した後に、前記の開閉バルブ34aを開いて案内部30cから凝縮部33への連通路34を開放するとともに、真空ポンプ36を作動させて、凝縮部33から空気および凝縮水を吸い出す。これにより連通路34、案内部30cを介して耐圧タンク30内が減圧され、水の沸点が降下することにより、蒸発が促進され、その潜熱によって耐圧タンク30内の温度が低下する。
このことで、自然放熱に比べて耐圧タンク30内の温度を早く低下させることができ、処理時間の短縮が図られる。そうして耐圧タンク30内の温度がある程度低下すると、ステップS3に進んで、真空ポンプ36の作動を停止するとともに、この真空ポンプ36と凝縮部33との間の連通路35の大気開放バルブ35aを開く。
こうすると、大気開放バルブ35aから連通路35に外気が流入し、凝縮部33、連通路34、案内部30cおよび耐圧タンク30内が速やかに大気圧になる。また、その時の気体の流れによって、凝縮部33に残存している微生物の一部が耐圧タンク30内に持ち込まれることになる。また、耐圧タンク30内が大気圧になっているため、投入口30aを開いて所定の微生物を投入することも考えられる。
このようにしてステップS3において、耐圧タンク30内の有機物に所定の微生物を添加した後に、大気開放バルブ35aを閉じて耐圧タンク30内を密閉する。そして、図2を参照して上述したように耐圧タンク30内を減圧下で加熱して、その内部に収容した有機物の発酵、乾燥を促進する(発酵乾燥工程:ステップS4)。すなわち、蒸気発生ボイラー7から加熱用蒸気を供給し、耐圧タンク30内を加熱する。
そうして加熱用蒸気によって耐圧タンク30内を加熱するとともに、撹拌シャフト32を所定の回転速度(例えば、8rpm程度)で回転させ、さらに、真空ポンプ36の作動によって耐圧タンク30内を減圧し、これにより耐圧タンク30内の温度が微生物の活動至適環境となり、しかも、前記のように有害微生物が死滅しているので、有機物の発酵乾燥が好適に促進される。
このようにして耐圧タンク30内の温度および圧力を維持しつつ、所定の時間(例えば2時間くらい)が経過すれば、真空ポンプ36を一旦停止させる。このとき、乾燥物は減容されている。そして、この発酵乾燥工程を予め設定した回数、繰り返したか否か、ステップS5で判定し、否定判定(NO)であれば前記のステップS1に戻る。
こうして耐圧タンク30へ有機物を投入し、発酵乾燥工程を設定回数、繰り返すことで、多量の有機物を十分に発酵乾燥させることができる。そして、ステップS5で肯定判定(YES)すれば、ステップS6に進んで真空ポンプ36および蒸気発生ボイラー7の運転を停止する一方、撹拌シャフト32を逆転し、排出部30bの蓋を開いて、耐圧タンク30から乾燥物を排出する(排出工程)。その後、これら乾燥物は、投入ホッパー37、搬送コンベヤ38を経てホッパー39に貯留され、適宜乾燥物の供給装置40を介して燃焼炉41で燃焼させる。
前記図3のフローのステップS2が、処理対象物である有機物を耐圧タンク30に収容し、所定温度以上に加熱して所定時間、維持することにより滅菌処理を施す滅菌工程に相当し、ステップS3が、滅菌工程の後に耐圧タンク30内の有機物に所定の微生物を添加する添加工程に相当する。また、ステップS4は、有機物を減圧下において所定の温度範囲に加熱しながら攪拌するとともに、微生物を利用して有機物を発酵乾燥させ、減容した乾燥物を得る発酵乾燥工程に相当する。
本実施形態では、ステップS2の滅菌工程では、連通路34の開閉バルブ34aを閉じて耐圧タンク30内を加熱するようにしており、その後、ステップS3の添加工程に移る前に真空ポンプ36を作動させて、耐圧タンク30内を減圧するようにしている。そして、その後の添加工程では開閉バルブ34aと大気開放バルブ35aを開いて連通路35に外気を導入し、その時の気体の流れによって、凝縮部33から微生物を耐圧タンク30内に取り入れるようにしている。
したがって、本実施形態に係る有害微生物を含む有機物の処理方法によると、公知の発酵乾燥装置3を用いて、有機物を収容した耐圧タンク30内を減圧し、水の沸点を降下させることにより、比較的低い温度で効率良く水分を蒸発させて、乾燥を促進することができる。こうして温度を低くすることにより、添加する所定の微生物を活性化して、有機物の発酵を促進することができる。
さらに、本実施形態では、前記のように耐圧タンク30内に投入した有機物の発酵乾燥を促進する前に、これを所定温度以上に加熱して滅菌することにより、有害微生物を死滅させることができる。よって、有害微生物に汚染された家畜の死骸なども発酵乾燥処理することができるとともに、そのために添加する所定の微生物の活動至適環境を実現し、この微生物の働きによって有機物の発酵を可及的に促進できる。
加えて本実施形態では、前記の滅菌工程の後で真空ポンプ36を作動させ、一旦、耐圧タンク30内を減圧した後に、大気開放バルブ35aを開いて、真空ポンプ36と凝縮部33との間の連通路35に外気を導入するようにしている。これにより、連通路35に流入した外気が凝縮部33から連通路34および案内部30cを介して耐圧タンク30内に吸い込まれるようになる。
そして、その外気の流れによって、凝縮部33に残存している微生物の一部を耐圧タンク30内の有機物に添加することができる。つまり、耐圧タンク30の投入口30aの蓋を閉じたまま、その内部で滅菌処理された後の有機物に前記所定の微生物を添加することができる。
今回、開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、前記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
さらに、図3を参照して上述したように前記実施形態では、耐圧タンク30内の有機物に滅菌処理を施す滅菌工程(S2)の後、真空ポンプ36の作動によって耐圧タンク30内を減圧し、温度の低下を促すようにしているが、これにも限定されず、耐圧タンク30内の温度を自然な放熱によって低下させるようにしてもよいし、必ずしも耐圧タンク30内が大気圧になってから微生物を添加する必要もない。
また、微生物を添加する工程(S3)においては、大気開放バルブ35aを開いて、凝縮部33および真空ポンプ36の間の連通路35に外気を流入させ、その時の気体の流れによって凝縮部33に残存している微生物を耐圧タンク30内の有機物に添加することができるが、これにも限定されず、例えば投入口30aの蓋を開いて、耐圧タンク30内の有機物に微生物を添加するようにしてもよい。
さらにまた、前記の滅菌工程(S2)において必ずしも開閉バルブ34aを閉じなくてもよく、この開閉バルブ34aを耐圧タンク30の案内部30cから凝縮部33への連通路34に設けなくてもよい。同様に大気圧工程(S3)において開く大気開放バルブ35aを凝縮部33と真空ポンプ36との間の連通路35に付設する必要もなく、例えば連通路34に付設してもよい。
また、前記の実施形態では耐圧タンク30内を加熱するために、蒸気発生ボイラー7から高温の蒸気を供給するようにしているが、加熱媒体は蒸気に限らず、オイルであってもよい。また、発酵乾燥装置3による処理の後に乾燥物を破砕したり、金属を除去したりしてもよい。
本発明は、発酵乾燥装置を用いて有機物を減圧下で加熱しながら、微生物を利用して発酵させる場合に、有害微生物によって汚染された有機物でも処理することができ、産業上の利用可能性は高い。
3 発酵乾燥装置
30 耐圧タンク(密閉容器)
33 凝縮部
34、35 耐圧タンクおよび真空ポンプの連通路
34a 開閉バルブ
35a 大気開放バルブ
36 真空ポンプ

Claims (2)

  1. 有害微生物を含む有機物を密閉容器に収容し、所定温度以上に加熱して所定時間、維持することにより、前記有機物に滅菌処理を施す滅菌工程と、
    前記滅菌工程の後に前記密閉容器内の有機物に所定の微生物を添加する添加工程と、
    前記密閉容器内の有機物を、減圧下において所定の温度範囲に加熱しながら攪拌するとともに、前記所定の微生物を利用して有機物を発酵させ、減容した乾燥物を得る発酵乾燥工程と、を有し、
    前記密閉容器には、その内部を減圧するために連通路を介して真空ポンプが接続されており、
    前記滅菌工程の後、前記添加工程の前に前記真空ポンプを作動させて、前記密閉容器内を減圧させ、
    前記連通路には、前記発酵乾燥工程において密閉容器内で発生した蒸気を液化させるための凝縮部と、前記密閉容器と前記凝縮部との間、または前記凝縮部と前記真空ポンプとの間を大気開放可能な大気開放バルブとが介設され、
    前記添加工程では、前記大気開放バルブを開いて連通路に外気を導入し、この外気の流れによって、前記凝縮部から前記所定の微生物を前記密閉容器内に取り入れる、
    ことを特徴とする有害微生物を含む有機物の処理方法。
  2. 請求項1に記載の有害微生物を含む有機物の処理方法において、
    前記連通路には、前記凝縮部および前記密閉容器の間に開閉可能な開閉バルブが介設され、
    前記滅菌工程では前記開閉バルブを閉じた状態で前記密閉容器内を加熱する一方、前記添加工程では前記大気開放バルブおよび前記開閉バルブの両方を開く、有害微生物を含む有機物の処理方法。
JP2017167129A 2017-08-31 2017-08-31 有害微生物を含む有機物の処理方法 Active JP6829468B2 (ja)

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