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JP6830403B2 - 浴室戸 - Google Patents
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本発明は、浴室の出入口に設置する浴室戸に関し、とくに、浴室側にスロープを備えた浴室戸の改良に関するものである。
従来の浴室戸としては、例えば、浴室ドア枠における段差解消部材の名称で、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載の浴室ドア枠は、下枠の浴室側に段差解消部材を備えている。段差解消部材は、スロープを有し、このスロープに通気部を設けると共に、通気部に、遮水性及び水蒸気透過性を有する通気性部材が設けてある。
上記の浴室ドア枠は、通気部に設けた通気性部材により、段差解消部材と浴室床面との間に浸入した水を素早く蒸発させて、乾燥させるようにしたものである。近年では、浴室内の安全性や衛生面などの観点から、速やかに乾燥させるために様々な改良が行われており、上記した浴室ドア枠もその一例である。
特開2009−174277号公報
しかしながら、上記したような浴室戸は、浴室の出入口の段差を解消するためにスロープを有しているが、スロープが比較的緩い傾斜であることから、その表面に水が残留する場合があり、スロープの水切り性(水はけ)を高めるうえで改善の余地があった。
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたものであって、浴室側にスロープを備えた浴室戸において、スロープの水切り性を高めることができる浴室戸を提供することを目的としている。
本発明に係わる浴室戸は、枠体と、枠体内部に設けた障子とを備えると共に、枠体を構成する下枠に、浴室側に下り傾斜したスロープが設けてあり、スロープは、少なくとも表面が、本体材料領域と、本体材料領域と異なる異種材料から成る異種材料領域とで形成してあり、本体材料領域及び異種材料領域は、スロープの長手方向にわたって複数の排水溝を有し、本体材料領域の排水溝のピッチと異種材料領域の排水溝のピッチを異ならせてあり、本体材料領域と異種材料領域とは、互いに撥水性が異なることを特徴としている。
本発明に係わる浴室戸は、上記構成を採用したことにより、本体材料領域と異種材料領域との境界で水滴が破壊されて流下するようになり、スロープの水切り性を高めることができる。これにより、スロープの表面を速やかに乾燥させることが可能になり、安全で衛生的な状態を得ることができる。また、上記の浴室戸は、本体材料領域の長手方向にわたる複数の排水溝のピッチと、異種部材領域の長手方向にわたる複数の排水溝のピッチを異ならせたことにより、流下した水滴の破壊効果が得られると共に、滑り止め機能を高めることができる。
本発明に係わる浴室戸の第1実施形態を説明する正面図(A)及び断面図(B)である。 図1に示す枠体の下枠の断面図である。 スロープの平面図である。 スロープにおける溝の配置例を示す断面説明図である。 スロープにおける溝の他の配置例を示す断面説明図である。 本発明に係わる浴室戸のスロープと従来のスロープとの比較実験において、散水時の画像である。 散水から3秒後の画像である。 散水から8秒後の画像である。 散水から15秒後の画像である。 本発明に係わる浴室戸の第2実施形態を説明する要部の断面図である。
〈第1実施形態〉
図1(A)及び(B)に示す浴室戸1は、建物躯体に固定する枠体2と、枠体2の内部に設けた障子3とを備えている。また、図示例の浴室戸1は、片側半分に、曇りガラス等のパネル4を嵌め殺し状態に備えており、残る片側半分を出入口として障子3で開閉するものである。障子3は、曇りガラス等のパネル5を組み込んだ引戸である。
枠体1は、上枠6と、左右の竪枠7,7と、下枠8とを備えている。この枠体1を構成する下枠8は、浴室側に下り傾斜したスロープ9が設けてある。下枠8は、図2にも示すように、本体部材10と、障子3を案内するレール部材11とを備えると共に、本体部材10に、浴室側に延出する支持片10Aを有し、この支持片10Aにねじ止めした固定具12を介して、スロープ9が取り付けてある。
そして、浴室戸1は、図3に示すように、スロープ9の少なくとも表面(上面)が、本体材料領域Aと、本体材料領域Aと異なる異種材料から成る異種材料領域Bとで形成してある。本体材料領域Aと異種材料領域Bとは、互いに撥水性が異なるものである。この実施形態では、異種材料領域Bの方が、本体材料領域Aよりも撥水性が大きい構成である。
より詳細に説明すると、スロープ9は、図に示す断面上において、傾斜上位側の端部に、本体部材10の突片10Bへの係合部9Aを有すると共に、中間部の下面に、固定具12に係合する固定片9Bを有し、傾斜下位側の端部に、下方に開放された溝部9Cを有している。溝部9Cには、浴室床面に接触する樹脂製のフィンFが取り付けてある。
また、スロープ9は、傾斜方向の中央部よりも下位側に、上方に開放された2つの取付溝9D,9Dが所定の間隔で配置してあると共に、表面(上面)には、微細な排水溝9Gが傾斜方向に所定間隔で形成してある。そして、スロープ9は、取付溝9D,9Dに、異種部材13,13を設けた構成になっている。
上記の枠体2を構成する上枠6、左右の竪枠7,7、及び下枠8は、例えばアルミニウム合金製であり、押し出し成形された形材である。したがって、下枠8は、スロープ9、本体部材10、及びレール部材11を長手方向に沿って有している。スロープ9は、本体部材10と別部材であって、同じく形材から成るものであり、係合部9A,固定片9B、溝部9C及び取付溝9D,9Dを長手方向にわたって有している。
異種部材13は、合成樹脂製の長尺部材であって、表面(上面)に、滑り止め用の微細な突条13Tが傾斜方向に所定間隔で形成してある。この異種部材13は、下面に固定用の脚片13Aを有しており、スロープ9の取付溝9Dの端部から、脚片13Aを長手方向に嵌入する。これにより、異種部材13は、スロープ9に対して容易に離脱することなく装着され、その表面が、スロープ9の表面とほぼ同一面状に連なる。また、スロープ9の端部には、図3に示すように、小口を塞ぐためのキャップ14を装着する。
上記構成を備えたスロープ9は、その表面において、傾斜上位側に、当該スロープ9の主材料(アルミニウム合金)から成る本体材料領域Aを有し、傾斜下位側に、主材料と異なる異種材料(合成樹脂製の異種部材13)から成る2つの異種材料領域B,Bを平行に有している。つまり、異種材料領域Bは、スロープ9の見込み方向(傾斜方向)の中央部よりも浴室内側に配置してある。
この際、異種材料領域Bは、スロープの左右方向にわたって設けてある。また、2つの異種材料領域B,Bの間も本体材料領域Aである。これにより、スロープ9は、その傾斜方向すなわち下枠8の長手方向に直交する方向において、本体材料領域Aと異種部材領域Bとを交互に配置したものとなっている。
ここで、合成樹脂は、アルミニウム合金よりも撥水性が高いことが周知である。したがって、上記のスロープ9の表面は、本体材料領域Aよりも、異種材料領域Bの方が撥水性が高い構成である。別の表現をすれば、スロープ9の表面は、いずれの領域A,Bも疎水性であるが、本体材料領域Aにおける水の接触角よりも、異種部材領域Bにおける水の接触角の方が大きい構成である。
上記構成を備えた浴室戸1は、浴室側に下り傾斜を成すスロープ9により、浴室の出入口の段差を解消すると共に、その傾斜により水を浴室側に流す。この際、浴室戸は、スロープ9の表面に水が残留しようとすると、その表面に、互いに撥水性が異なる本体材料領域A及び異種材料領域Bを有しているので、双方の領域の境界において、残留水の表面張力のバランスを崩して水滴を破壊する。換言すれば、水滴の形成を阻止する。これにより、水は残留することなく流下する。
このようにして、上記の浴室戸1は、スロープ9の水切り性を高めることができ、これにより、スロープ9の表面を速やかに乾燥させることが可能になり、安全で衛生的な状態を得ることができる。
また、上記の浴室戸1は、異種材料領域Bを、スロープ9の左右方向にわたって設けたことにより、本体材料領域Aと異種材料領域Bとの境界もスロープ9の左右方向に沿って存在することになる。これにより、浴室戸1は、残留水の形成をスロープ9の表面全域で阻止することを可能にし、スロープ9の水切り性をより一層高めることができ、しかも、異種材料領域Bを形成する異種材料13により、滑り止めの機能も向上する。
さらに、緩い角度で傾斜したスロープ9では、傾斜下位側に水が残留しやすい。これに対して、上記の浴室戸1は、スロープ9の傾斜下位側に2つの異種材料領域Bを所定間隔で配置することにより、傾斜下位側に残留し易い水を流下させて、スロープ9の表面を速やかに乾燥状態にし得るものとなる。
また、スロープ9は、傾斜方向において、複数(図示例では2つ)の本体材料領域Aと、複数(図示例では2つ)の異種部材領域Bとを交互に配置している。これにより、スロープ9は、水滴を破壊する両領域A,Bの境界を多く確保すると共に、本体部材領域Aにおける排水溝9Gや、異種部材領域Bにおける突条13T間の溝によっても水滴を破壊することができ、水切り性のさらなる向上を実現する。
さらに、スロープ9は、異種材料領域Bが、スロープ9の見込み方向(傾斜方向)の中央部よりも浴室内側に配置してある。これにより、スロープ9は、水が残留しやすい浴室内側で撥水性が高くなり、両領域A,Bの境界による水滴の破壊効果も相俟って、流下する水滴に対して水切り性のさらなる向上を実現する。
図4及び図5は、浴室戸1を構成するスロープにおける溝の配置例を示す各々断面説明図である。各図に要部を示すスロープ9は、その表面(上面)の傾斜上位側に、本体材料(アルミニウム合金)から成る本体材料領域Aを有し、その下位側に、異種部材13から成る異種部材領域Bを有している。先述したように、スロープ9は、その左右方向にわたって平行に配置した複数の排水溝9Gを有している。これに対して、異種部材13は、同じく長手方向にわたって平行に配置した複数の突条13Tを有している。この異種部材13は、突条13T同士の間で、長手方向にわたる排水溝13Gを形成している。
図4に示すスロープ9は、本体材料領域Aにおける排水溝9GのピッチP1と、異種材料領域B(異種部材13)における排水溝13GのピッチP2とが、互いに異なるものになっており、図示例では、異種部材13の排水溝13GのピッチP2の方が小さい(P1>P2)構成である。ピッチP1,P2は、隣接する取付溝9G,13G同士の中心線の間隔である。
また、スロープ9は、異種部材13の排水溝13Gの底面が、スロープ9の本体部の表面よりも上方に位置する構造としてある。また、図中に仮想線で示すキャップ14の上面は、スロープ9と同一面状に連続している。これにより、異種部材13の排水溝13Gは、キャップ14側の端部で開放されており、水切れが良いものとなっている。
図5に示すスロープ9は、異種部材13が、スロープ9の排水溝9Gと同ピッチP1で排水溝13Gを有すると共に、その両側すなわち傾斜上位側及び傾斜下位側に、さらに小さいピッチP3で排水溝13Gを有している。
上記の各スロープ9は、いずれも本体材料領域Aと異種材料領域Bとの境界において、水滴を破壊して流下させる機能を備えると共に、長手方向にわたって設けた排水溝9G,13Gにより、流下した水滴の破壊効果も得られるので、水切り性のさらなる向上を実現することができる。
また、スロープ9は、本体材料領域Aの排水溝9GのピッチP1と、異種材料領域Bの排水溝13GのピッチP2とを互いに異ならせてあるとともに本体材料領域Aにおける排水溝9GのピッチP1よりも、異種材料領域B(異種部材13)における排水溝13GのピッチP2を小さくしたことにより、ピッチの小さい部分ではピッチの大きい部分と比べて突条13Tの数が多くなるため、足の裏がその部分に接触した際の摩擦力が増えることで、滑り止め機能を高めることができる。
さらに、スロープ9は、異種部材13が、本体材料領域Aの排水溝9Gと同ピッチP1で排水溝13Gを有すると共に、その排水溝13Gの傾斜上位側及び傾斜下位側に、さらに小さいピッチP3の排水溝13Gを有している。これにより、傾斜上位側の狭い排水溝13Gで破壊できなかった水滴については、その下位側の広い排水溝13Gで水滴を円滑に流下させ、さらに下位側における狭い排水溝13Gにおいて水滴を破壊することとなり、水切り機能のさらなる向上を実現することができる。
さらに、スロープ9は、異種部材13の排水溝13Gの底面をスロープ9の本体部の表面よりも上方に位置する構造とすることで、本体材料領域Aと異種材料領域Bとに段差が生じ、この段差によって水滴の破壊効果を得ることができ、水切り性がより高められる。
〈比較実験〉
上記実施形態で説明した浴室戸1のスロープ(9)と、比較例のスロープとについて、水切り性を確認するための比較実験を行った。図6〜図9は、散水及びその後の経時変化を撮影した画像であり、各図中で左側が上記実施形態のスロープであり、右側が比較例のスロープである。比較例のスロープは、アルミニウム合金製であり、その表面は本体材料領域のみである。
図6は、両スロープ上に散水した際の画像である。図7は、散水から3秒後の画像である。図7の画像から、比較例のスロープでは多くの残留水が確認できる。これに対して、実施形態のスロープでは、残留水が明らかに少なく、既にこの段階で水切れが良好であることが判る。
図8は、散水から8秒後の画像である。図8の画像から、比較例のスロープでは数カ所に残留水が確認できる。これに対して、実施形態のスロープでは、残留水がほとんどないことが判る。
そして、図9は、散水から15秒後の画像である。図9の画像から、比較例のスロープでは、散水から8秒後(図8)に残留していた水がそのまま残留していることが確認できる。これに対して、実施形態のスロープは、残留水が全くなく、乾燥状態に近いことが判る。
以上の比較実験により、上記実施形態の浴室戸1のスロープ9は、比較例に比べて、格段に水切り性に優れていることが判明し、表面を速やかに乾燥状態にして、安全で衛生的な状態を充分に確保し得るものであることを確認した。
〈第2実施形態〉
図10は、本発明に係わる浴室戸の第2実施形態を説明する図である。なお、この実施形態では、第1実施形態と同一の構成部位には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図示の浴室戸1は、第1実施形態と同様の基本構成を備えたものである。下枠8を構成するスロープ9は、その主材料がアルミニウム合金等の金属製であり、幅の広い1本の取付溝9Dを有している。また、異種部材13は、合成樹脂製であり、その下面に一対の鈎型の脚片13A,13Aを有している。この異種部材13は、スロープ9の取付溝9Dの端部から、両脚片13A,13Aを長手方向に嵌入することで装着され、その表面が、スロープ9の表面とほぼ同一面状に連なる。
上記の浴室戸1は、スロープ9の表面(上面)に、当該スロープ9の主材料(アルミニウム合金)から成る本体材料領域(A)と、主材料と異なる異種材料(樹脂製の異種部材13)から成る異種部材領域(B)とを形成しており、本体材料領域よりも、異種部材領域の方が撥水性が高い(水の対する接触角が大きい)構成になっている。
上記の浴室戸1にあっても、第1実施形態と同様に、スロープ9の表面に水が残留しようとすると、互いに撥水性が異なる本体材料領域と異種材料領域との境界において、残留水の表面張力のバランスを崩して水滴を破壊し、その水を傾斜に沿って流下させる。これにより、スロープ9の水切り性を高めることができ、また、スロープ9の表面を速やかに乾燥させることが可能になり、安全で衛生的な状態を得ることができる。
なお、本発明に係わる浴室戸は、構成の細部が上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、スロープの主材料及び異種部材の材料は、互いに撥水性が異なるものであり、スロープの強度や耐性などを満足し得るものであれば、アルミニウム合金や合成樹脂以外の各種材料を使用することができる。
また、上記各実施形態では、スロープに、その左右方向にわたる2本又は1本の異種部材を配置した構成を説明したが、異種部材の配置は様々である。例えば、スロープの表面全域に対して複数の異種部材を所定間隔で配置しても良く、このほか、適当な長さの異種部材を破線状や左右交互に配置したりすることもできる。この際、異種部材は、滑り止めとしての機能をも有するので、その長手方向をスロープの左右方向にして配置するのがより望ましい。また、異種部材領域は、スロープ本体に装着した異種部材で形成することに限らず、スロープの表面に貼着したり塗布したりする異種材料で形成しても良い。さらに、スロープの本体材料領域及び異種材料領域には、様々な形態の排水溝や突条を様々な配置で設けることが可能である。
1 浴室戸
2 枠体
3 障子
8 下枠
9 スロープ
13 異種部材(異種材料)
A 本体材料領域
B 異種材料領域

Claims (1)

  1. 枠体と、枠体内部に設けた障子とを備えると共に、
    枠体を構成する下枠に、浴室側に下り傾斜したスロープが設けてあり、
    スロープは、少なくとも表面が、本体材料領域と、本体材料領域と異なる異種材料から成る異種材料領域とで形成してあり、本体材料領域及び異種材料領域は、スロープの長手方向にわたって複数の排水溝を有し、本体材料領域の排水溝のピッチと異種材料領域の排水溝のピッチを異ならせてあり、本体材料領域と異種材料領域とは、互いに撥水性が異なることを特徴とする浴室戸。
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