ドレンは、例えばエンジンの駆動時に発生するブローバイガスからオイルを分離するオイルセパレータや、ボイラから供給された水蒸気の熱交換を行う熱交換器に対して一体的に、又は、隣接して設けられるものであり、分離されたオイルや凝縮水を回収して再利用する装置に送出したり、外部に排出したりするものである。なお、元来、生成された液体そのものを示す用語であるが、ここでは各種の液体を回収するものとして定義する。また、液体そのものは、以下においてドレン液と記載する。以下に、ドレンを設けたオイルセパレータの一例について説明する。
図11は、従来技術に係るオイルセパレータを示す断面図である。図11において、100はベンチレータ、101はドレンユニット、102は逆止弁、103はドレンポート、104はフィルタ、105は流入ポート、106はフィルタホルダである。
図11は、特開2014−046281号公報に開示された発明であり、家屋などに設けられた給水栓の氷体を解凍するためのものである。ベンチレータ100の内部には、フィルタホルダ106によって支持されたフィルタ104が設けられている。フィルタ104は、流入ポート105から流れ込んだブローバイガスに含まれているオイルを捕捉する。フィルタ104の下方には、ドレンユニット101が設けられている。ドレンユニット101は、ブローバイガスから分離されたオイルをドレンポート103からベンチレータ100の外部に排出する。また、ドレンユニット101には、逆止弁102が設けられており、オイルがドレンポート103から逆流してくることを防止する。以上の構成において、ベンチレータ100周辺の雰囲気の温度が大きく低下すると、ブローバイガスに含まれている水蒸気が凝縮水となり、ドレンユニット101の中で氷体となることがある。このような氷体ができると、逆止弁102が作動しなくなるので、ベンチレータ100も正常に機能しなくなる。そこで、この氷体を解凍するために以下のような発明が提案されている。
図12は、従来技術に係る電磁誘導を利用した解凍装置の設置状態を示す断面図である。図12において、201は高周波誘導加熱装置、202は給水管、203は導電性層、204は内壁、205は外壁、206は凍結部である。
図12は、特開平11−148151号公報に開示された発明であり、一般家屋などに設けられる給水管を加熱して氷体を融解するためのものである。すなわち、図示していない給湯器から混合水栓温水に対して湯を供給する給水管202の立上がり部は、外壁205と内壁204との間の壁裏に配管されており、配管が屋内もしくは屋外に直接露出しないようになされている。また、給水管202の立上がり部には、アルミニウムからなる導電性層203が巻回されている。この構成において、高周波誘導加熱装置201内部の図示していないコイルによって励磁が行われると、導電性層203に渦電流が生成されて発熱し、給水管202内部の水が凍結した凍結部206に熱が伝わり、凍結部206が解凍してゆく。
ところで、図12に示したような解凍装置をドレンに適用するためには、加熱ターゲット、つまり、導電性層203のようにコイルの励磁によって発熱させる金属体の形状及び構造が課題となる。すなわち、ドレンは、一般的に漏斗状に形成されており、ドレン上部は一般家屋などに設けられる給水管よりも概ね径が大きい。よって、図13示した解凍装置では、加熱ターゲットをドレンの外周面に巻き付けた場合、ドレン内部の氷体に十分に熱が伝わらず、氷体が完全に解凍されるまでに長時間掛かることが考えられる。特に、寒冷地では、氷体を解凍できない可能性もある。また、副次的に発生する課題として、高周波による誘導加熱では、加熱ターゲットの温度が急激に上昇するので、ドレン内部の氷体が解凍される前に、加熱ターゲットの近傍にあるものが意図せずに過剰に加熱される可能性もある。
図13は、従来技術に係るPTCヒータを利用した解凍装置を備えたPCVバルブを示す断面図である。図13において、300はPCVバルブ、301は円筒部、302は弁体、303は弁座、304は発熱体、305は伝熱体、306は受熱部、307は放熱部、308はコイルバネ、309は隔壁である。
図13は、特開2015−124611号公報に開示された発明である。PCVバルブ300は、ブローバイガスを吸気系に戻して混合気と共に再燃焼させるPCVシステムに設けられるものである。PCVバルブ300の円筒部301の内部に設けた弁体302を弁座303に対して接離することによって、円筒部301の内部を流れるブローバイガスの流量を調整する。また、PCVバルブ300には、板状の発熱体304がコイルバネ308によって隔壁309に押し付けられている。さらに、伝熱体305の受熱部306が隔壁309を介して発熱体304に対向するように設けられている。くわえて、伝熱体305の放熱部307には開口部が設けられており、この開口部に弁体302が挿通された状態に配置されている。以上の構成において、図示していない電源からの電流供給によって発熱体304及びコイルバネ308に通電すると、発熱体304が発熱する。発熱体304が発した熱は、隔壁309を介して伝熱体305の受熱部306に伝導し、さらに放熱部307まで伝導する。弁体302は、放熱部307によって加熱されて、弁体302の周辺に付着している氷体を解凍する。
ところで、図13に示したPTCヒータは、放熱部307の近傍にある氷体を加熱するために、発熱体304で発生した熱を受熱部306に隔壁309を介して伝えるので、この段階における熱損失が少なくない。したがって、消費電力の大きさに比して氷体の解凍に時間を要するので、エネルギー効率的に好ましくない。以上のように、加熱対象である氷体と発熱体とが離隔していることに起因する問題は、ドレンを備えている機器だけでなく、PCVバルブなどのバルブにおいても同様に発生する。
本発明は、上記課題を解決するために、氷体を加熱ターゲットで直接的に加熱することによって、氷体を迅速に融解させることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、内部に流体を流通可能に形成された器材の内部に設けられた加熱ターゲットと、前記器材の外側で、かつ、前記加熱ターゲットの近傍となる位置に設けられると共に、高周波電流により磁界を発生する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに高周波電流を印加する駆動回路を有している解凍装置において、前記加熱ターゲットは、発熱のために設けられた第1の構成部材と、伝熱のために設けられた第2の構成部材を備え、前記第1の構成部材と前記第2の構成部材とが互いに異なる金属材料からなることを特徴とする解凍装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の構成部材は、前記誘導コイルの近傍に配置され、電磁誘導によって生じる渦電流発生による発熱機能を担い、前記第2の構成部材は、前記器材の内部の氷体が発生しやすいところに配置されると共に、前記第1の構成部材から伝わった熱をさらに周辺に伝える伝熱機能を担うことを特徴とする解凍装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1の構成部材は、ステンレス鋼からなり、前記第2の構成部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることを特徴とする解凍装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記第1の構成部材と前記第2の構成部材とは、互いに接合されている、又は、接するように設けられていることを特徴とする解凍装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前前記第2の構成部材は、前記器材の内部に可動的に設けられた部材の近傍に設けられていることを特徴とする解凍装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記第2の構成部材は、前記器材に設けられたドレン本体部に流れ込んだドレン液の排出に関連する機能を有していることを特徴とする解凍装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記第2の構成部材は、一部又は全部が前記ドレン本体部の内部に設けられると共に前記ドレン本体部に滞留した前記ドレン液によって浮上する弁体に当接することによって前記ドレン本体部から上方に向かって前記ドレン液が逆流することを防止する弁座としてなされていることを特徴とする解凍装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、さらに、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、前記第1の構成部材の内部に、かつ、前記第1の構成部材の内周面に当接するように設けられると共に、前記弁体が浮上するときに前記弁体が前記弁座に対して正しく当接するように案内するフロート案内部材を有していることを特徴とする解凍装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記第2の構成部材は、前記器材の内部に設けられた弁体又は弁座に接するようになされていることを特徴とする解凍装置である。
請求項1に記載の発明によれば、内部に流体を流通可能に形成された器材の内部に発熱のために設けられた第1の構成部材と伝熱のために設けられた第2の構成部材を備えた加熱ターゲットを設けたので、器材及びその周辺部材の内部にできた氷体を確実に解凍することができる。
請求項2に記載の発明によれば、第1の構成部材で発生した熱を第2の構成部材を介して氷体に迅速に伝えることができるので、氷体を迅速に解凍することが可能になる。
請求項3に記載の発明によれば、第1の構成部材の発熱性と第2の構成部材の伝熱性を高めることができ、ひいては氷体を迅速に解凍することが可能になる。
請求項4に記載の発明によれば、第1の構成部材から第2の構成部材への伝熱性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、可動的に設けられた部材が第2の構成部材によって迅速に加熱されるので、可動的に設けられた部材に付着した氷体を速やかに解凍することができる。
請求項6に記載の発明によれば、第2の構成部材にドレン液の排出に関連する機能を持たせるので、当該機能を持つ他部品を第2の構成部材に置き換えることができ、当該機能を持つ他部品と第2の構成部材とを併存させることによってドレン液の流路が確保できなくなるような問題の発生を防止できる。
請求項7に記載の発明によれば、第2の構成部材が弁座を兼ねているので、弁座に付着した氷体を迅速に解凍することができる。
請求項8に記載の発明によれば、第1の構成部材からフロート案内部材に熱が伝わりやすくなるので、フロート案内部材に付着した氷体を迅速に解凍することができる。
請求項9に記載の発明によれば、第2の構成部材を弁座として利用できない場合であっても、弁体又は弁座の周辺の氷体を迅速に解凍することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る解凍装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る解凍装置を備えたドレンとオイルセパレータの概略を示す断面図である。図1において、20はドレン構成部、21は周側面部、22は傾斜面部、23は排出管、23aは内周面、24はドレン本体部、30はオイルセパレータ構成部、31は周側面部、32は底面部、32aは内周面、33はドレンキャップ、34は弁体、35は円板状部、36は支持軸部、41は第1の構成部材、41aは内周面、42は第2の構成部材、43は弁座部、43aは上面、44及び47は周側面部、48は傾斜面部、49は排出管部、49aは内周面、90は電源・制御ユニット、91は誘導加熱コイル、92は温度センサである。また、図2は、本発明の第1の実施の形態に係る解凍装置の加熱ターゲットを示す断面図である。図2において、40は加熱ターゲット、43bは下面、45a及び45bは開口部、46は第3の構成部材であり、その他の符号は図1と同じものを示す。くわえて、図3は、本発明の第1の形態に係る解凍装置の構成を示すブロック図である。図3において、10は実装対象機器、93は解凍装置、94はコントローラ、95は駆動回路、96は共振コンデンサ、97は機器制御部、98は表示部であり、その他の符号は図1と同じものを示す。また、図4は、ドレン本体部の内部に氷体が生成された状態を示す断面図である。図4において、25、26及び27は氷体であり、その他の符号は図1と同じものを示す。
まず、第1の実施の形態に係る解凍装置の全体構成、及び、加熱ターゲット以外の構成部品について説明する。図3に示すように、解凍装置93は、乗用車やトラックなどの実装対象機器10に対して実装される。すなわち、ブローバイガスのオイルセパレータとして機能する器材であるオイルセパレータ構成部30と一体的に設けられたドレン構成部20の近傍に実装される。さらに、以下に説明する第2の実施の形態など他の実施の形態においても、解凍装置が乗用車やトラックなどのオイルセパレータと一体的に設けられたドレンに実装されているものとして説明する。なお、本発明に係る解凍装置は、乗用車やトラックなどに設けられたドレンに限定されるものではなく、家屋などの建築物の空気調和設備や給湯設備、排水設備、ボイラ、あるいは、液体を原料とする製品の生産機械など、液体の流路に設けられるドレンに対しても適用可能である。また、図14に示した従来技術に係るPCVバルブのように、ドレンがなく、かつ、内部に対流した液体が氷結する可能性がある各種バルブにも好ましく適用できる。ただし、構造物の内部に加熱ターゲットを配置でき、加熱ターゲットの近傍に少なくとも誘導加熱コイル及び温度センサが配置できることが条件となる。つまり、本発明に係る解凍装置は、各種の液体を回収するドレンであって、誘導加熱コイル及び温度センサをドレン本体部の外周面に沿って配置する空間を確保できるものに対して、用途を問わず幅広く適用できる。
また、図1に示すように、解凍装置93は、実装対象機器10のオイルセパレータ構成部と一体的に設けられているドレン構成部20の内部に、図2に示す加熱ターゲット40を配置し、ドレン構成部20の周辺で、かつ、加熱ターゲット40の近傍に位置するように、誘導加熱コイル91及び温度センサ92を設けている。誘導加熱コイル91は、励磁によって加熱ターゲット40に生成される渦電流をできる限り大きくするために、加熱ターゲット40にできる限り接近するように配置される。すなわち、誘導加熱コイル91は、加熱ターゲット40の第1の構成部材41を外側から取り囲むように、かつ、第1の構成部材41に接しているドレン本体部24の周側面部21に接する、又は、ほぼ接するように設けられている。共振コンデンサ96は、誘導加熱コイル91と共に共振回路を構成するものであり、誘導加熱コイル91の近傍に配置することが望ましいが、配置が特に限定される構成部品ではない。なお、誘導加熱コイルの形状は、図1に示すような円筒形状に限られるものではなく、ドレン本体部24のなどの器材の外側で、かつ、第1の構成部材41の近傍となる位置に設けられるのであれば、円錐形状や、平面状の円形螺旋形、平面状の矩形螺旋形などの形状にしてもよい。例えば、図14に示した従来技術に係るPCVバルブであれば、伝熱体305の上方に平面状の円形螺旋形コイルを設けるなど、各種形状のコイルを適用することが可能である。
温度センサ92は、誘導加熱コイル91の上方又は下方に、かつ、誘導加熱コイル91に接近して設けられている。加熱ターゲット40は、ドレン本体部24などの内部にあるので、ドレン本体部24などの外部にある温度センサ92を直接貼り付けることができない。そこで、温度センサ92をドレン本体部24の加熱ターゲット40と接している部位の外周面に貼り付けることによって、加熱ターゲット40の実際の温度にできる限り近い温度の測定値が得られるようにしている。なお、温度センサは、2個、又は、3個以上設けてもよい。
電源・制御ユニット90は、図3に示すように、コントローラ94と駆動回路95を備えている。コントローラ94は、図示していないメモリの設定情報に基づき、温度センサ92からの信号などに応じて所定の制御を行う。例えば、温度センサ92が許容限度を超えた急激な温度上昇を検出した場合に、駆動回路95をオフにして誘導加熱コイル91の発熱を停止させるなどの制御を行う。さらに、異常な事態を生じた場合には、実装対象機器10の機器制御部97に通知し、通知内容を表示部98に表示できるようにする。駆動回路95は、誘導加熱コイル91を加熱させる高周波電流を生成する。また、電源・制御ユニット90は、誘導加熱コイル91と異なり、配置は特に限定されない。なお、図3に示した電源・制御ユニット90はあくまでも本発明の実施の形態の一例であり、本発明における電源・制御ユニットの回路構成はこれに限られるものではない。例えば、機器制御部97がコントローラ94の機能の一部又は全部を実行するようにしてもよい。
さらに、解凍装置93とその周辺の構成について説明する。実装対象機器10は、図1に示すようにブローバイガスからオイルを分離するためのオイルセパレータ構成部30と、オイルセパレータ構成部30でブローバイガスから分離されたオイルを回収して外部に排出するためのドレン構成部20を備えている。また、オイルセパレータ構成部30とドレン構成部20とは、外殻となる樹脂製容器によって一体的に設けられている。また、図示していないフィルタでブローバイガスから分離されたオイルは、オイルセパレータ構成部30の周側面部31及び底面部32の内周面32aに滴下又は付着した後、底面部32上に滞留してゆく。底面部32に滞留したオイルは、その表面がドレンキャップ33の上端部を超えると、第2の構成部材42を介してさらにドレン構成部20のドレン本体部24の内部に流れ落ちる。
ドレン構成部20は、樹脂で形成されており、ドレン本体部24と排出管23とを備えている。ドレン本体部24は、オイルセパレータ構成部30の底面部32の中央から垂直下方に延びるように、かつ、円筒形状に形成された周側面部21、周側面部21の下端部から連続して下方に延びると共に逆円錐台形状に形成された傾斜面部22を備えている。排出管23は、傾斜面部22の中央からさらに垂直下方に延びるように形成され、ドレン本体部24に流れ込んだオイルを外部へ排出する。なお、外部へ排出されたオイルは、送出用チューブを介してオイルタンクに送り込まれるが、図示していない部分の構成は特定の構成に限定されるものではない。
また、ドレン構成部20には、ドレン本体部24の内部に弁体34が設けられている。弁体34は、円板状部35と支持軸部36とを備えており、オイルがドレン本体部24からオイルセパレータ構成部30へ逆流することを防止する。すなわち、ドレン本体部24に貯留されたオイルの上面が上昇すると、円板状部35が流体圧力や浮力によって上昇するが、円板状部35が第2の構成部材42に接するところまで上昇すると、オイルセパレータ構成部30とドレン本体部24との間の開口部を円板状部35が閉止される。支持軸部36は、第2の構成部材42に対して可動的に支持されており、円板状部35の上昇又は下降を案内する。なお、この実施の形態では、オイルセパレータ構成部30とドレン構成部20とを一体のものとしているが、例えばドレン構成部20をオイルセパレータ構成部30に対してねじ込むことによって一体になるようにしてもよい。また、図1に示していない外部装置に逆止弁を設けている場合、あるいは、逆止弁が必要ない場合には、弁体34を設けなくてもよい。
次に、加熱ターゲット40について図2に基づいて説明する。加熱ターゲット40は、結露によって発生した水滴がドレン本体部24又は排出管23の内部、さらにはオイルセパレータ構成部30の内部で凍結し、オイルやブローバイガスの流れを阻害することを防止するという解凍装置の目的において核心的な役割を果たすものである。つまり、ドレン本体部24などの氷体が逆止弁を固着させたり排出管を閉塞させたりする状況をできるだけ速やかに解消するために、発熱を目的とする構成部材と伝熱を目的とする構成部材との2種類の構成部材を設けている。このように、本発明では、効果的な加熱により氷体を迅速に解凍できることから、誘導加熱コイル91への通電をより短時間で停止することができ、加熱ターゲット40に接している、又は、非常に近い位置に配置されているドレン本体部24や弁体34などが過剰に加熱されることを防止できるため、消費電力を削減したり安全性を確保することができる。なお、発熱を目的とする構成部材と伝熱を目的とする構成部材とは、それぞれ1個ずつで構成することも可能であるが、この実施の形態において伝熱を目的とする構成部材を2個設けているように、ドレン本体部24の内部に設けられる他の部材の機能を兼用することを目的として、さらには、水滴などが氷結する領域の数や範囲、あるいは、加熱ターゲットの製造コストを低減することを考慮して、2個又は3個以上設けてもよい。言い換えるならば、本発明においては、発熱と伝熱を目的とする2種類の構成部材をそれぞれ1個以上設けていればよい。
この実施の形態の加熱ターゲット40は、第1の構成部材41、第2の構成部材42及び第3の構成部材46を備えている。第1の構成部材41は、発熱を目的とする構成部材であり、略円筒形状に形成されている。また、第1の構成部材41は、比較的電気抵抗率が高く、発生した渦電流に対して高い熱変換効率が得られることから、ステンレス鋼から形成されている。なお、第1の構成部材41は、鉄などの比較的電気抵抗率が高い他材料を用いてもよい。また、鉄からなる略円筒形状の材料に対して、亜鉛やニッケルなどの防錆メッキを施したものであってもよい。つまり、第1の構成部材41は、発生した渦電流に対して高い熱変換効率が得られるものであれば、単一の金属、合金を問わず、メッキを施したものであってもよい。また、第1の構成部材41は、加工コストが相対的に高い材料を利用する関係から、単純な略円筒形状に形成することが望ましいが、その形状は略円筒形状に限定されるものではなく、ドレン本体部の形状などに応じて適宜変更することが可能である。
さらに、第1の構成部材41は、内周面41a側に第2の構成部材42及び第3の構成部材46が軽く圧入される。第2の構成部材42及び第3の構成部材46を軽く圧入することによって、第1の構成部材41と第2の構成部材42及び第3の構成部材46との表面が確実に接して熱がより伝わりやすくなる。くわえて、実装対象機器10において発生する振動によって、第2の構成部材42又は第3の構成部材46が離脱することを防止できる利点もある。なお、第2の構成部材42又は第3の構成部材46は、熱の伝わりやすさにおいて若干劣るが、第1の構成部材41に対してポリイミドなどの樹脂シートや接着剤によって固定するようにしてもよい。また、第2の構成部材42又は第3の構成部材46を第1の構成部材41に対してより確実に固定するために、第1の構成部材41に対してねじ込んで固定する、あるいは、ネジによって固定するようにしてもよい。
また、図1に示すように、第1の構成部材41は、上下方向、つまり、重力の作用する方向において、その上端部が誘導加熱コイル91の上端部のやや上方に位置し、その下端部が誘導加熱コイル91の下端部のやや下方に位置している。これは、第1の理由として、誘導加熱コイル91に高周波電流が流れると、誘導加熱コイル91の側方に強い励磁力が働く。したがって、第1の構成部材41は、上下方向において、その上端部が誘導加熱コイル91の上端部又はその近傍に位置し、その下端部が誘導加熱コイル91の下端部又はその近傍に位置するように形成すれば、誘導加熱コイル91の励磁力を最大限に活用することができる。言い換えるならば、第1の構成部材41の上端部が誘導加熱コイル91の上端部よりも下方に位置し、下端部が誘導加熱コイル91の上端部よりも上方に位置している場合には、誘導加熱コイル91の励磁力を最大限に活用していないことになる。また、上下方向において、第1の構成部材41の上端部が誘導加熱コイル91の上端部よりもやや上方に位置し、下端部が誘導加熱コイル91の下端部よりもやや下方に位置しても同様の効果が得られる。また、第2の理由として、誘導加熱コイル91から距離が離れるほど励磁力は弱まり、発熱効率が下がるため加熱の効果は小さくなる。このとき、発熱効率の良い第1の構成部材41は伝熱効率がよいとは限らず、発熱効率が悪化した箇所においては必ずしも効果的な加熱が行われているとはいえないため、誘導加熱コイル91に対して第1の構成部材41を極端に大きくしても意味がない。
一方、第2の構成部材42は、図2に示すように、伝熱を目的とする構成部材であり、略有底円筒形状に形成されている。また、第2の構成部材42は、熱伝導率が大きく、迅速に熱が伝わることから、アルミニウム合金から形成されている。なお、第2の構成部材42は、銅や銅合金などの熱伝導率が大きい他材料を用いてもよい。また、銅などからなる略有底円筒形状の材料に対して、アルミニウムを溶融させて被せる、いわゆるどぶ付けメッキを施したものであってもよい。さらに、アルミニウム合金や銅合金などをプレス加工によって所定の形状に成型するようにしてもよい。くわえて、後述する機能を併せ持つ必要がない場合には、アルミニウムや銅の薄い板材を薬研型などによって所定の形状に成型するようにしてもよい。
また、第2の構成部材42は、氷体を解凍するための機能だけでなく、逆止弁の機能の一部も併せ持っている。すなわち、第2の構成部材42は、略円筒形状の周側面部44の上端部を塞ぐように弁座部43が形成されている。弁座部43は、略円板形状に形成されており、さらに開口部45a及び開口部45bの2つの開口部と、図2の断面に現れない2つの開口部の計4つの開口部が形成されている。前述のように、弁体34は、ドレン本体部24に貯留されたオイルの上面が上昇すると、円板状部35がオイルの圧力や浮力によって上昇するので、円板状部35が弁座部43の下面43bに当接すると、開口部45a及び開口部45bと、他の2つの開口部が閉止され、オイルが弁座部43の下面43b側から上面43a側に逆流することを防止する。
以上のように、第2の構成部材42は、伝熱を目的とする構成部材であるが、アルミニウム合金や銅合金などの切削加工や孔開け加工が容易な材料を利用していることから、逆止弁の弁座の形状に形成することによって第2の目的も併せ持つようにしている。なお、例えば、解凍装置93が既存のドレンに対して後付けするものである場合には、伝熱のみを目的とするものとし、単純な円筒形状に形成してもよい。また、例えば、実装対象機器10の他の部品から発生する廃熱の影響によって、第1の構成部材41の上方に氷体が生成されない場合には、第1の構成部材41及び第3の構成部材46のみを設けるようにしてもよい(この場合、第3の構成部材46は、請求項1及び請求項2において「第2の構成部材」と定義しているものに位置付けられる)。
第3の構成部材46は、略円筒形状の周側面部47と、周側面部47の下端部から下方に延在すると共に略逆円錐台形状に形成された傾斜面部48と、傾斜面部48に延在すると共に略円筒形状に形成された排出管部49を備えている。また、第3の構成部材46は、第2の構成部材42と同様に、熱伝導率が大きく、迅速に熱が伝わることから、アルミニウム合金から形成されている。なお、第3の構成部材46は、熱伝導率が大きい材料で形成されていればよく、第2の構成部材42と同じ材料を用いなくてもよい。周側面部47は、第1の構成部材41の内周面41a側に対して軽く圧入される部分である。傾斜面部48は、ドレン本体部24の傾斜面部22の傾斜に合わせて形成されている。なお、この部分は、ドレン本体部24の内周面の形状に対応するように形成すればよく、必ずしも傾斜させる必要はない。排出管部49は、排出管23の内部に設けられる部分であり、細長い略円筒形状に形成されている。排出管23は比較的径が小さいものが多いが、排出管部49は肉厚が薄い上に、全体に渡って内周面23aに接するように設けられているので、内周面23aの径と内周面49aの径との差が小さいので、オイルの流れを阻害することはない。なお、排出管23の内部の水又はオイルが凍結するおそれがない場合には、排出管部49又は第3の構成部材46の全体を省略してもよい。
また、以上の第1の構成部材41、第2の構成部材42及び第3の構成部材46は、ドレン本体部24に対して強く圧入されているわけではない。したがって、例えば、実装対象機器10において発生する振動によって、第1の構成部材41が浮き上がり、さらに第2の構成部材42及び第3の構成部材46が離脱することが考えられる。そこで、これらの離脱を防止するために、図1に示すドレンキャップ33によって離脱を防止している。すなわち、ドレンキャップ33は、樹脂によって形成されており、第1の構成部材41を上から押さえつつドレン本体部24に対して圧入されており、第1の構成部材41が浮き上がりを防止する。なお、加熱ターゲットは、以上の第1の構成部材41、第2の構成部材42及び第3の構成部材46に限られるものではなく、例えば、図14に示した従来技術に係るPCVバルブであれば、伝熱体305のように矩形板状に形成し、さらに加熱ターゲットが弁体302に接する、又は、極めて接近するように配置することによって、本発明の解凍装置を好ましく適用することができる。
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係る解凍装置93は、ドレン本体部24の内部に発熱のために設けられた第1の構成部材41と、ドレン本体部24及びその周辺部材への伝熱のために設けられた第2の構成部材42及び第3の構成部材46を備えた加熱ターゲット40を設けたので、図4の氷体25及び26のような氷体を確実に解凍することができる。さらに、第1の構成部材41で発生した熱を第2の構成部材42及び第3の構成部材46を介して氷体に迅速に伝えることができるので、氷体を迅速に解凍することが可能になる。また、効果的な加熱により氷体を迅速に解凍できることから、誘導加熱コイル91への通電をより短時間で停止することができ、加熱ターゲット40に接している、又は、非常に近い位置に配置されているドレン本体部24や弁体34などが過剰に加熱されることを防止できるため、消費電力を削減したり安全性を確保することができる。
くわえて、第1の構成部材41に対して第2の構成部材42及び第3の構成部材46が接しているので、第1の構成部材41から第2の構成部材42及び第3の構成部材46への伝熱性を向上させることができる。また、第1の構成部材41は、上下方向において、その上端部が誘導加熱コイル91の上端部よりも上方位置にするように、かつ、その下端部が誘導加熱コイル91の下端部よりも下方に位置にするように設けているので、第1の構成部材41に誘導加熱コイルの励磁による渦電流を効率的に発生されることができる。さらに、ドレン本体部24と一体的に設けられたオイルセパレータ構成部30の内部に生成された氷体を第2の構成部材42で解凍することが可能になる。また、第2の構成部材42に弁座としての機能を持たせたので、当該機能を持つ他部品を第2の構成部材42に置き換えることができ、当該機能を持つ他部品と第2の構成部材42とを併存させることによってドレン液の流路が確保できなくなるような問題の発生を防止できる。さらに、第3の構成部材46を排出管23の内部に設けているので、排出管に付着した氷体を迅速に解凍することができる。また、比較的固い材料で形成する第1の構成部材41を単純な形状とし、比較的柔らかい材料で形成する第2の構成部材42及び第3の構成部材46を複雑な形状に加工するようにしたので、加工が容易であり、加工コストを低減することも可能となる。また、本発明の解凍装置は、ドレンを備えた器材?可動的に設けられた部材が第2の構成部材によって迅速に加熱されるので、可動的に設けられた部材に付着した氷体を速やかに解凍することができる。
引き続いて、本発明の第2の実施の形態に係る解凍装置について説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態に係る解凍装置を備えたドレンとオイルセパレータの概略を示す断面図である。図5において、37はオイルセパレータ構成部、38は周側面部、39は底面部、39aは内周面、50はドレン構成部、51は周側面部、52は底面部、53は排出管、53aは内周面、54は支持軸、55は弁体、56はフロート、57はドレンキャップ、61は第1の構成部材、62は第2の構成部材、64は円板状部、65は弁座部、66は嵌合部、68は第3の構成部材、69は円板状部、79はドレン本体部であり、その他の符号は図1と同じものを示す。また、図6は、本発明の第2の実施の形態に係る解凍装置を備えたドレンから弁体及びフロートを除外した状態を示す断面図である。図6において、58は円筒状部、59は鍔状部、63は円筒状部、69aは上面、71、72、73及び74はフロート案内部材であり、その他の符号は図1及び図5と同じものを示す。さらに、図7は、本発明の第2の実施の形態に係る解凍装置の加熱ターゲットを示す断面図である。図7において、60は加熱ターゲット、61aは内周面、64aは開口部、64bは傾斜面、64c及び64dは開口部、67は鍔状部、67aは段差面、70は鍔状部、70aは段差面、71aは傾斜面、71bはフロート受け面、72aは傾斜面、72bはフロート受け面、73aは傾斜面、73bはフロート受け面、74aは傾斜面、74bはフロート受け面、75は排出管部、75aは内周面であり、その他の符号は図1及び図5と同じものを示す。くわえて、図8は、本発明の第2の実施の形態の加熱ターゲットにおける第2の構成部材を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。図8において、64e、64f、64g、64h、64i及び64jは開口部であり、その他の符号は図5及び図7と同じものを示す。また、図9は、本発明の第2の実施の形態の加熱ターゲットにおける第3の構成部材を示し、(a)はB−B断面図、(b)は平面図である。図9において、76及び77はフロート案内部材、77aは傾斜面、77bはフロート受け面、78はフロートガイド構成部であり、その他の符号は図7と同じものを示す。
本発明の第2の実施の形態に係る解凍装置は、加熱ターゲット60を第1の実施の形態の解凍装置おける加熱ターゲット40と同様に、発熱を目的とする構成部材と伝熱を目的とする構成部材との2種類の構成部材を設けている。また、伝熱を目的とする構成部材を2個も設けている点も同様である。すなわち、加熱ターゲット60は、図7に示すように、第1の構成部材61、第2の構成部材62及び第3の構成部材68を備えている。第1の構成部材61は、発熱を目的とする構成部材であり、略円筒形状に形成されている。また、第1の構成部材61は、第1の構成部材41と同じく、ステンレス鋼から形成されている。なお、第1の構成部材61は、鉄などの比較的電気抵抗率が高い他材料を用いてもよく、鉄からなる略円筒形状の材料に対して、亜鉛やニッケルなどの防錆メッキを施したものであってもよい。さらに、第1の構成部材61の内周面61a側に第2の構成部材62及び第3の構成部材68が軽く圧入されている点も加熱ターゲット40と同様である。したがって、第1の構成部材61は、ドレン本体部79の周側面部51に接している。なお、ドレン構成部50の形状は、第1の実施の形態に係る解凍装置のものと各部分において相違しているが、機能的な相違は特にない。
第2の構成部材62は、伝熱を目的とする構成部材であり、さらに逆止弁の弁座の部材としての役割も併せ持つ。すなわち、第2の構成部材62は、図7及び図8に示すように、短い略円筒形状に形成されると共に第1の構成部材61に軽く圧入される嵌合部66、嵌合部66の上端部を閉止するように形成された円板状部64、嵌合部66よりも径が小さく、かつ、円板状部64から上方に突出するように形成された円筒状部63、及び、嵌合部66と円筒状部63との隔壁のように形成された弁座部65を備えている。円筒状部63は、ドレンキャップ57の円筒状部58に囲まれて保護されている。また、第2の構成部材62は、ドレンキャップ57の鍔状部59をドレン本体部79に軽く圧入することによってドレン本体部79にしっかりと固定されている。円板状部64は、嵌合部66よりも僅かに径が大きく、その周縁部がフランジ状の鍔状部67としてなされている。鍔状部67の段差面67aは、嵌合部66を第1の構成部材61に対して軽く圧入する際の圧入深さを規定する。弁座部65は、図8(b)に示すように、中央に開口部64aが形成され、さらに開口部64aを取り巻くように、開口部64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i及び64jが形成されている。通常は、底面部39の内周面39aに滴下したオイルは、底面部39に対流するが、円筒状部58を超える高さになると、ドレン本体部79に流れ落ちてゆく。
開口部64aは、図5に示すように、フロート56の上下動に連動して上下方向に移動する弁体55と一体的に設けられた支持軸54が挿入されている。すなわち、支持軸54が開口部64aに挿入されていると、支持軸54は開口部64aに案内されつつ上下方向に移動する。弁体55は、その動きが支持軸54に規制されているので、水平方向にずれることなく上下方向にのみ移動する。また、開口部64aの下側は、略円錐台形状の傾斜面64bとして形成されており、支持軸54の先端部を誘い込むようにしている。開口部64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i及び64jは、弁体55が上昇して弁座部65に接したときに弁体55によって閉止されるので、オイルがドレン本体部79からオイルセパレータ構成部37へ逆流することを防止する。
第3の構成部材68は、図7及び図9に示すように、フロートガイド構成部78をなす部分であり、円板状部69から上方に向かって延在するフロート案内部材71、72、73、74、76及び77と、円板状部69から下方に向かって延在する排出管部75を備えている。さらに、第3の構成部材68は、第1の実施の形態の第3の構成部材46と同様に、熱伝導率が大きく、迅速に熱が伝わることから、アルミニウム合金から形成されている。円板状部69は、第3の構成部材68の基盤となる部分であり、図5に示すように、ドレン本体部79の底面部52に接した状態に設けられる。また、図7に示すように、円板状部64は、下側の周縁部がフランジ状の鍔状部70としてなされている。鍔状部70の段差面70aは、フロート案内部材71、72、73、74、76及び77を第1の構成部材61に対して軽く圧入する際の圧入深さを規定する。排出管部75は、図5に示すように、排出管53の内部に挿入された状態で設けられる。また、排出管部75は、その肉厚が薄い上に、全体に渡って排出管53の内周面53aに接するように設けられているので、内周面53aの径と内周面75aの径との差が小さく、オイルの流れを阻害することはない。
フロート案内部材71、72、73、74、76及び77は、図9(b)に示すように、等間隔で、かつ、互いに対向するように配置されている。また、フロート案内部材71、72、73及び74は、図6に示すように、外側面全体が第1の構成部材61の内周面61aに接するように設けられており、図6に図示されていないフロート案内部材76及び77も外側面全体が第1の構成部材61の内周面61aに接している。したがって、第1の構成部材61からフロート案内部材71、72、73、74、76及び77に迅速に熱が伝わり、フロート案内部材71、72、73、74、76及び77に囲まれた領域にある氷体を迅速に解凍できる。
また、図5から分かるように、フロート案内部材71、72、73、74及び77は、フロート56を取り囲むように配置されており、フロートが所定範囲内で上下動するようにフロート56を案内する。さらに、図7及び図9(a)に示すように、フロート案内部材71、72、73、74及び77のフロート受け面71b、72b、73b、74b及び77bは、上下方向において、円板状部69の上面69aより高いところに位置するように形成されており、図示していないフロート案内部材76についても同じように形成されている。これは、オイルが排出管部75に流れ込むことを阻害しないことと、フロート56が上面69aに張り付くことを防止することを目的としている。さらに、フロート案内部材7を1、72、73、74及び77は、これらの上端部近傍に、円板状部69の中心に向かって下り勾配となる傾斜面71a、72a、73a、74a及び77aを形成しており、図示していないフロート案内部材76についても同じように形成されている。これらの傾斜面を形成することによって、弁体55などがいずれかのフロート案内部材の上端部に引っかかることを防止している。
以上の第2の実施の形態に係る解凍装置の構成によれば、第2の構成部材62及び第3の構成部材68にドレン液の排出に関連する機能を持たせる、つまり、第2の構成部材62及び第3の構成部材68を逆止弁の構成部材として完全に機能する形状に形成しているので、当該機能を持つ他部品を第2の構成部材62及び第3の構成部材68に置き換えることができ、当該機能を持つ他部品と第2の構成部材62及び第3の構成部材68とを併存させることによってドレン液の流路が確保できなくなるような問題の発生を防止できる。
さらに、本発明の第3の実施の形態に係る解凍装置について説明する。図10は、本発明の第3の実施の形態に係る解凍装置を備えたドレンとオイルセパレータの概略を示す断面図である。図10において、80は第1の構成部材、81は周側面部、82は傾斜面部、83は排出管部であり、その他の符号は図1と同じものを示す。
本発明の第3の実施の形態に係る解凍装置は、第1の実施の形態に係る解凍装置に近い構成を持っているが、第1の実施の形態における第3の構成部材46に相当するものを設けずに、第1の構成部材80が周側面部81、傾斜面部82及び排出管部83を兼ね備えた構成、つまり、第1の実施の形態における第1の構成部材41と第3の構成部材46を一体にした構成としている。図2に示したように第3の構成部材46が比較的単純な形状であれば、排出管23の内部に氷体が生成されることがない、又は、稀である。このような場合には、排出管23の内部に設けた加熱ターゲットの伝熱性がやや低くても問題ない。また、比較的加工の難しい第1の構成部材80でも、単純な形状であればプレス加工等により一体的に成型し、排出管まで延在させることも可能である。そこで、この形態に係る解凍装置の構成を採用すれば、部品点数を削減できると共に、第1の構成部材80の排出管部83を排出管23に圧入することによって、第1の構成部材80をより強固に固定できるという利点がある。
本発明は以上に説明した内容に限定されるものではなく、例えば、第2の構成部材がドレン液を排出するための流路溝や、フィルタホルダ、バルブホルダの機能を併せ持つ構成とするなど、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限りにおいて種々のドレンに適用することが可能である。