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JP6830776B2 - 誘導加熱装置及び誘導加熱方法 - Google Patents
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JP6830776B2 - 誘導加熱装置及び誘導加熱方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱対象物の被加熱面に対して誘導加熱コイルを相対的に移動して被加熱面を加熱する場合、加熱対象物の周縁部分の加熱を容易にし、加熱対象物の被加熱面全域に対する均温化を容易に行うことができる誘導加熱装置及び誘導加熱方法に関する。
従来から、加熱対象物の被加熱面を非接触で加熱する方法として、高温の気体を吹き付けて被加熱面の熱伝達を使って加熱する方法、電熱線ヒータ等の高温の発熱体を加熱対象物の被加熱面に接近させ、発熱体からの輻射熱で加熱する方法、ランプヒータ等の赤外線を被加熱面に当て、赤外線による輻射熱で加熱する方法、電磁誘導コイルを用いて被加熱面に誘導電流を誘起させ、加熱対象物の材質による抵抗熱で被加熱面を加熱する方法などがある。
ここで、誘導加熱コイルを用いて被加熱面を加熱する場合、誘導加熱コイルを移動して被加熱面を満遍なく撫でるように加熱している。この誘導加熱コイルを移動させる方法としては、ロボットアーム先端の手首部に誘導加熱コイルを装着し、ロボットのプログラムに従って誘導加熱コイルを被加熱面の形状に合わせて移動している。
なお、特許文献1には、誘導加熱コイルを用いて被加熱対象物を加熱する際、被加熱対象物の幅に応じて、2つの略V字形状コイルを合成して形成される合成コイル形状を可変にし、被加熱対象物のエッジ部での過剰加熱を小さくするものが記載されている。
特開2010−245029号公報
ところで、加熱対象物の被加熱面に比して小さい加熱面を有した誘導加熱コイルを用いる場合、誘導加熱コイルを移動して被加熱面を満遍なく撫でるように加熱している。ここで、加熱対象物の周縁部分を加熱する場合、誘導加熱コイルの一部、例えば直径の30%を加熱対象物の外に、はみ出させ、加熱対象物の周縁部分に誘導電流が流れるようにして加熱している。
しかしながら、誘導加熱コイルの一部が加熱対象物の外まで、はみ出すと、誘導加熱コイルにおける加熱対象物のインピーダンスが増大し、誘導加熱コイルに電流が流れにくくなり、加熱対象物の周縁部分が加熱しにくくなる。
また、ロボット等を用いて誘導加熱コイルを移動して加熱対象物を加熱する場合、誘導加熱コイルを加熱対象物の被加熱領域外から被加熱領域内に移動させるが、上述した加熱対象物のインピーダンスの関係で、誘導加熱コイルが加熱対象物の被加熱領域に十分に入ってから誘導加熱コイルに電流が流れ始めるため、加熱対象物の周辺部分を十分に加熱できない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加熱対象物の被加熱面に対して誘導加熱コイルを相対的に移動して被加熱面を加熱する場合、加熱対象物の周縁部分の加熱を容易にし、加熱対象物の被加熱面全域に対する均温化を容易に行うことができる誘導加熱装置及び誘導加熱方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる誘導加熱装置は、被加熱面を有する加熱対象物と前記被加熱面に比して小さい加熱面を有した誘導加熱コイルとを非接触で相対的に移動させて前記加熱対象物の前記被加熱面を加熱する誘導加熱装置であって、前記被加熱面と同一面が形成された加熱補助材を前記加熱対象物の周縁に配置し、前記加熱補助材の電気伝導率は前記加熱対象物の電気伝導率を中心に予め設定される所定範囲内であることを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱装置は、上記の発明において、前記加熱補助材の電気伝導率は前記加熱対象物の電気伝導率と等価な値であることを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱装置は、上記の発明において、前記加熱補助材の前記加熱対象物の周縁からの幅は、前記誘導加熱コイルの直径を超えることを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱装置は、上記の発明において、前記誘導加熱コイルは、渦巻状円板コイルであることを特徴とする。
また、本発明にかかる誘導加熱方法は、被加熱面を有する加熱対象物と前記被加熱面に比して小さい加熱面を有した誘導加熱コイルとを非接触で相対的に移動させて前記加熱対象物の前記被加熱面を加熱する誘導加熱方法であって、前記被加熱面と同一面が形成された加熱補助材を前記加熱対象物の周縁に配置し、前記加熱補助材の電気伝導率は前記加熱対象物の電気伝導率を中心に予め設定される所定範囲内であることを特徴とする。
本発明によれば、被加熱面と同一面が形成された加熱補助材を加熱対象物の周縁に配置し、前記加熱補助材の電気伝導率を前記加熱対象物の電気伝導率を中心に予め設定される所定範囲内として加熱対象物を加熱するようにしているので、誘導加熱コイルによって加熱対象物の周縁を加熱する場合、誘導加熱コイルに対するインピーダンスが大きくならず、誘導電流も十分に流れて十分な発熱が生じる。すなわち、加熱補助材を設けることにより、加熱対象物の周縁部分の加熱が容易となり、加熱対象物の被加熱面全域に対する均温化を容易に行うことができる。
図1は、本発明の実施の形態である誘導加熱装置の全体構成を示す模式図である。 図2は、加熱対象物の周縁を含まない中央部分で誘導加熱コイルを移動させた状態を示す図である。 図3は、図2に示した誘導加熱コイルの移動後の通過加熱領域における移動方向に垂直な方向の温度分布を示す図である。 図4は、加熱対象物の周縁を含んで誘導加熱コイルを移動させた状態を示す図である。 図5は、図4に示した誘導加熱コイルの移動後の通過加熱領域における移動方向に垂直な方向の温度分布を示す図である。 図6は、加熱対象物が一方向に相対移動する場合における加熱補助材の配置の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態である誘導加熱装置の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、誘導加熱装置は、先端の手首部に誘導加熱コイル2が取り付けられたロボットアーム3、赤外線サーモグラフィー4、制御部5、表示部6、操作部7、及び、記憶部8を有する。また、制御部5は、温度検出部11、温度分布算出部12、加熱制御部13を有する。また、記憶部8は、目標表面温度分布情報D1、表面温度分布画像D2、加熱変更制御情報D3を有する。なお、制御部5には、誘導加熱コイル2及びロボットアーム3、赤外線サーモグラフィー4、表示部6、操作部7、記憶部8が接続される。
誘導加熱コイル2は、例えば、円状に巻かれた渦巻状円板コイルである。誘導加熱コイル2は、ロボットアーム3によって位置及び姿勢を変えることができる。この誘導加熱コイル2の位置及び姿勢を含む移動経路、移動速度、及び出力は、制御部5のもとに制御される。誘導加熱コイル2は、導電性材料を含む加熱対象物1の被加熱面1aに接近させて移動し、被加熱面1aを加熱する。誘導加熱コイル2は、図示しない電源から供給される高周波電流によって磁界を発生し、加熱対象物1に渦電流を発生させ、その抵抗熱によって被加熱面1aを加熱する。被加熱面1aは、誘導加熱コイル2の寸法よりも大きいため、誘導加熱コイル2を移動させ、被加熱面1aを満遍なく撫でるように加熱する。なお、本実施の形態では、誘導加熱コイル2を被加熱面1aに対して移動させるようにしているが、被加熱面1aを誘導加熱コイル2に対して移動させるようにしてもよい。さらに、誘導加熱コイル2及び被加熱面1aの双方を移動させてもよい。すなわち、被加熱面1aと誘導加熱コイル2との位置関係が相対的に移動できる機構であればよい。
加熱対象物1の周囲には、加熱対象物1の被加熱面1aと同一平面をなす位置で、被加熱面1aの周縁と近接する位置に、誘導加熱コイル2の直径より広い幅で加熱対象物1を囲むように加熱補助材20が配置される。図1に示した加熱補助材20は、加熱対象物1の各辺に対して4つの加熱補助材21〜24が配置されている。各加熱補助材21〜24の上面21a〜24aは、被加熱面1aと同一面を形成している。なお、加熱補助材20は、例えば加熱補助材21〜24を一体化したものであってもよい。
加熱補助材20の材質は、加熱対象物1の材質と等価なものであることが好ましい。特に、加熱補助材20の電気伝導率は、加熱対象物1の電気伝導率と等価な値をもつことが好ましい。なお、加熱補助材20の電気伝導率は、加熱対象物1の電気伝導率を中心に予め設定される所定範囲内の値をもつものであればよい。加熱補助材20の材質を加熱対象物1の材質と等価あるいは近似したものとしたのは、後述するように、加熱対象物1の周縁を加熱する場合、加熱補助材20に電流が流れやすくなって誘導加熱コイル2に対するインピーダンスが大きくならず、加熱対象物1の周縁に対する加熱を容易に行うことができるからである。
赤外線サーモグラフィー4は、所定サンプリング間隔で、被加熱面1aに対する赤外線領域の表面温度分布画像を撮像する。温度検出部11は、赤外線サーモグラフィー4が撮像した表面温度分布画像を取得し、記憶部8内に表面温度分布画像D2として蓄積する。
温度分布算出部12は、1つの移動加熱処理の開始から終了までの間で所定サンプリング時間毎に蓄積された複数の表面温度分布画像D2内の対応する各画素の平均値を求め、この平均値による表面温度分布を求める。なお、平均値は、表面温度分布画像D2の各画素単位ではなく、予め設定されたメッシュ領域単位で求めてもよい。なお、予め設定されたメッシュ領域単位は隣接する複数の画素から構成される。また、各画素単位を予め設定されたメッシュ領域単位として取り扱っても良い。
加熱制御部13は、記憶部8に記憶された目標表面温度分布情報D1が示す目標表面温度分布と温度分布算出部12が算出した表面温度分布とが同じ(許容範囲内)になるように、誘導加熱コイル2と被加熱面1aとの間の距離及び姿勢を含む移動経路の変更、移動加熱処理中の移動速度の変更、誘導加熱コイル2の出力の変更のいずれか1以上を変更する次の1つの移動加熱処理を設定し、この設定した1つの移動加熱処理の実行を制御する。なお、移動加熱処理の変更は、記憶部8内の加熱変更制御情報D3を参照して決定される。
表示部6は、被加熱面1a、誘導加熱コイル2の移動経路及び移動状態、表面温度分布などの各種情報を表示出力する。
操作部7は、制御部5に対する制御指示を行う。操作部7は、キーボードやポインティングデバイスによって実現される。
次に、加熱対象物1上で誘導加熱コイル2を移動させて加熱対象物1を加熱した場合の温度分布について説明する。まず、図2は、加熱対象物1の周縁を含まない中央部分で誘導加熱コイル2をA1方向に移動させた状態を示す図である。また、図3は、図2に示した誘導加熱コイル2の移動後の通過加熱領域E1における移動方向に垂直な方向の温度分布を示す図である。
図3に示した温度分布曲線RF1は誘導加熱コイル2の周囲から中央に向かって温度が高くなる山型形状をなすが、中央部RF1aは凹形状となり、やや温度が下がった小さいすり鉢形状が形成される。これは、誘導加熱コイル2の中央の穴2aの部分には、コイル導体がなく、磁力線が発生せず、その穴2aの直下では誘導電流が流れず、発熱しないからである。図3において、位置P0は、穴2aの中心に対応する位置である。図3に示した温度分布曲線RF1における最高温度は温度Taである。
図4は、加熱対象物1の周縁を含んで誘導加熱コイル2をA1方向に移動させた状態を示す図である。また、図5は、図4に示した誘導加熱コイル2の移動後の通過加熱領域E2における移動方向に垂直な方向の温度分布を示す図である。
図5に示した温度分布曲線RF2は、温度分布曲線RF1と同様に、誘導加熱コイル2の周囲から中央に向かって温度が高くなる部分RF2a,RF2bを有した山型形状をなすが、中央部近傍で一端減少し、位置P0に対応する中央部では、急激に温度が小さくなり、ゼロとなる。また、温度分布曲線RF2の温度は、温度分布曲線RF1の温度に比して全体的に低い。温度分布曲線RF2の中央部で温度が小さくなっているのは、加熱対象物1と加熱補助材20とが電気的に分離されており、誘導電流が流れないためである。温度分布曲線RF2の中央部近傍で急激な温度上昇があるのは、加熱対象物1と加熱補助材20とのそれぞれにコイル形状に対応した誘導電流が個別に流れ、加熱対象物1及び加熱補助材20の周縁近傍における誘導電流の密度が大きくなるからである。また、温度分布曲線RF2の温度が温度分布曲線RF1の温度に比して全体的に低いのは、加熱対象物1と加熱補助材20とのそれぞれに誘導電流が個別に流れる場合、加熱対象物1と加熱補助材20とを一体とした誘導電流が流れる場合のインピーダンスに比して大きくなり、誘導電流が流れにくくなるからである。
ここで、図5に示した温度分布曲線RF3は、加熱補助材20を設けず、図4と同じように誘導加熱コイル2を移動させた場合の温度分布を示している。加熱補助材20を設けない場合、誘導電流は加熱対象物1側のみに流れ、誘導加熱コイル2に対するインピーダンスが非常に大きくなり、結果的に誘導電流が流れにくくなり、発熱も小さくなる。
図5に示すように、加熱補助材20を設けると、加熱補助材20を設けない場合に比して誘導加熱コイル2に対するインピーダンスが減少し、加熱補助材20を設けない場合に比して大きな誘導電流が流れて渦電流による発熱が大きくなる。
加熱補助材20を設けた本実施の形態では、誘導加熱コイル2が加熱対象物1の周縁を含まずに移動した場合に比して温度は全体に低いものの、加熱補助材20を設けない場合に比して加熱による十分に大きな温度を得ることができる。
すなわち、本実施の形態では、加熱補助材20を設けることにより、加熱対象物1の周縁部の加熱が容易になり、加熱対象物1の全域での均温化が容易になる。また、誘導加熱コイル2の移動経路の選択自由度が増え、移動経路作成が容易になる。
なお、加熱対象物1の周縁を加熱する場合、誘導加熱コイル2が加熱対象物1の周縁を跨がないように加熱する場合に比して全体温度が低いため、例えば、誘導加熱コイル2に流れる電流量や周波数を変化させて加熱温度を大きくするが、この電流量や周波数の変化は、誘導加熱コイル2が加熱対象物1の周縁を跨がないように加熱した場合に比して小さく、インバータなどの加熱制御が不安定とならず、安定した加熱制御を行うことができる。
また、図6に示すように、加熱対象物101をA2方向に相対移動させる場合、A2方向の端部には、加熱補助材を設ける必要はない。すなわち、図6に示すように、加熱対象物101の相対移動方向に沿った側面に加熱補助材121,123を設ければよい。この場合も、加熱対象物101の被加熱面101aと上面121a,123aとは同一面となる。
なお、上述した実施の形態では、加熱対象物1が矩形であったが、これに限らず、円形や楕円形などの各種形状であってもよい。
さらに、上述した加熱対象物1は、金属などの導電性材料を前提として説明したが、これに限らず、例えば、カーボンなどの導電性繊維と樹脂との複合材料、例えばCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)であってもよい。導電性の加熱対象物の被加熱面上に、重合反応で硬化させる樹脂系などの塗料が塗布されているものであってもよい。この場合の加熱制御は、加熱対象物に塗布された塗料の焼付け処理を行うものである。
なお、CFRPなどの複合材料は磁力線が通過しやすいため、複数枚のCFRPを重ねて同時に加熱することが好ましい。
ここで、CFRPの加熱は、CFRPの成形時の予備加熱として好適である。なお、CFRPの成形時等に用いる型の予備加熱として本実施の形態を適用することもできる。型の予備加熱を行う場合、型の端部での加熱も十分に行われるため、成形対象の端部での熱放出を防止でき、精度の高い成形が可能となる。
1 加熱対象物
1a,101a 被加熱面
2 誘導加熱コイル
3 ロボットアーム
4 赤外線サーモグラフィー
5 制御部
6 表示部
7 操作部
8 記憶部
11 温度検出部
12 温度分布算出部
13 加熱制御部
20〜24,121,123 加熱補助材
21a〜24a,121a,123a 上面
D1 目標表面温度分布情報
D2 表面温度分布画像
D3 加熱変更制御情報
P0 位置
RF1〜RF3 温度分布曲線
Ta 温度

Claims (3)

  1. 被加熱面を有する加熱対象物と前記被加熱面に比して小さい加熱面を有した渦巻状円板コイルである誘導加熱コイルとを非接触で相対的に移動させて前記加熱対象物の前記被加熱面を加熱する誘導加熱装置であって、
    前記被加熱面と同一面が形成された加熱補助材を前記加熱対象物の周縁に配置し、前記加熱補助材の電気伝導率は前記加熱対象物の電気伝導率を中心に予め設定される所定範囲内であり、前記加熱補助材の前記加熱対象物の周縁からの幅は、前記誘導加熱コイルの直径を超えることを特徴とする誘導加熱装置。
  2. 前記加熱補助材の電気伝導率は前記加熱対象物の電気伝導率と等価な値であることを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 被加熱面を有する加熱対象物と前記被加熱面に比して小さい加熱面を有した渦巻状円板コイルである誘導加熱コイルとを非接触で相対的に移動させて前記加熱対象物の前記被加熱面を加熱する誘導加熱方法であって、
    前記被加熱面と同一面が形成された加熱補助材を前記加熱対象物の周縁に配置し、前記加熱補助材の電気伝導率は前記加熱対象物の電気伝導率を中心に予め設定される所定範囲内であり、前記加熱補助材の前記加熱対象物の周縁からの幅は、前記誘導加熱コイルの直径を超えることを特徴とする誘導加熱方法。
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