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JP6832183B2 - 排気バイパス装置及び過給機 - Google Patents
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JP6832183B2 - 排気バイパス装置及び過給機 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンから排出された排気ガスをタービンに流動させずにバイパスさせる排気バイパス装置、並びに、この排気バイパス装置を備える過給機に関するものである。
過給機は、コンプレッサとタービンとが回転軸により一体に回転するように連結されて構成されている。この過給機は、排気通路を流れる排ガスによりタービンが回転し、タービンの回転が回転軸により伝達されてコンプレッサが回転し、コンプレッサが空気を圧縮して吸気通路からエンジンに供給する。このような過給機において、タービンより上流側の排気通路から、このタービンをバイパスさせる排気バイパス装置(ウエストゲートバルブ)が設けられている。エンジンの排ガス量が過大のとき、ウエストゲートバルブを開放することで排ガスをタービンに供給せずに排出し、低負荷時の排ガス流量の作動点を上昇させ、エンジンの高出力化を図る。
このような過給機に適用された排気バイパス装置は、ウエストゲートバルブが開閉弁であることから、タービンに供給する排ガス流量を調整することができない。そこで、タービンに供給する排ガス流量を調整することができる技術として、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載された排気バイパス装置は、複数の貫通孔が形成されたバルブシートに対して複数の貫通孔が形成されたバルブメンバを回動自在に支持し、バルブシートに対してバルブメンバを回動して各貫通孔の開口面積を調整することで、各貫通孔を通過する排ガスのバイパス量を調整するものである。
米国特許公開第2015−0004020号明細書
排気バイパス装置は、排気通路に高温の排ガスが流れることから、一般に、700℃〜1000℃の高温雰囲気下にさらされる。上述した従来の排気バイパス装置は、バルブシートに対してバルブメンバが面接触し、回動時に摺接することで各貫通孔の開口面積を調整している。そのため、バルブシート及びバルブメンバが高温雰囲気下にさらされると、固着、摩耗、チャタリング騒音などの問題が発生してしまう。
本発明は上述した課題を解決するものであり、良好な作動性を確保することで信頼性の向上を図る排気バイパス装置及び過給機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の排気バイパス装置は、排ガスのバイパス通路が設けられるハウジングと、前記バイパス通路を閉止するように前記ハウジングに固定される第1部材と、前記バイパス通路における第1部材の上流側または下流側に前記バイパス通路を閉止するように前記ハウジングに移動自在に支持される第2部材と、前記第2部材を移動する移動装置と、を備え、前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方に前記バイパス通路の上流側と下流側を貫通する貫通孔が設けられ、前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方に前記一方の平面部を転動自在であると共に前記貫通孔を閉止する転動体が設けられる、ことを特徴とするものである。
従って、移動装置により第2部材を移動すると、第1部材と第2部材の一方に設けられた貫通孔と第1部材と第2部材の他方に設けられた転動体とが相対移動し、転動体が貫通孔を閉止することができる。転動体が平面部に接触しているときは、貫通孔が開放され、バイパス通路が開放される。一方、転動体が貫通孔を閉止するときは、貫通孔が閉止され、バイパス通路が閉止される。また、転動体により貫通孔の閉止位置に応じてバイパス通路の開放量が調整される。そのため、バイパス通路の開放量を変更するとき、転動体が平面部を転動することから、両者の接触面積が減少し、固着や摩耗などのリスクが低減され、良好な作動性を確保することで信頼性の向上を図ることができる。
本発明の排気バイパス装置では、前記貫通孔は、前記転動体より小さい寸法に設定されることを特徴としている。
従って、転動体が適正に貫通孔を閉止することができ、高精度にバイパス通路の開放量を調整することができる。
本発明の排気バイパス装置では、前記第1部材と前記第2部材は、互いに接近離反自在に支持されると共に、付勢部材により互いに接近する方向に付勢されることを特徴としている。
従って、転動体が貫通孔を閉止したとき、第1部材と第2部材との距離が変わるが、付勢部材により第1部材と第2部材が接近する方向に付勢されることで、第1部材と第2部材とのがたつきを防止し、良好な作動性を確保することができる。
本発明の排気バイパス装置では、前記一方の平面部に前記転動体の転動方向に沿う傾斜面が前記貫通孔に向けて設けられることを特徴としている。
従って、転動体は傾斜面を通って貫通孔を閉止するため、転動体のスムースな作動を確保し、騒音の発生を抑制することができる。
本発明の排気バイパス装置では、前記転動体は、前記他方に支持軸により回転自在に支持されることを特徴としている。
従って、転動体が支持軸により回転自在に支持されることで、転動体の安定した作動を確保することができる。
本発明の排気バイパス装置では、前記転動体は、前記他方に形成された支持孔に遊転自在に支持されることを特徴としている。
従って、転動体が支持孔に遊転自在に支持されることで、転動体が貫通孔を閉止するとき、転動体と貫通孔との位置ずれを吸収することができ、転動体が適正に貫通孔を閉止することができる。
本発明の排気バイパス装置では、前記第1部材と前記第2部材は、円板形状をなし、前記一方の外周部に周方向に所定間隔を空けて複数の前記貫通孔が設けられ、前記他方の外周部に周方向に所定間隔を空けて複数の前記転動体が設けられることを特徴としている。
従って、移動装置により第2部材を移動すると、円板形状をなす各部材が回転方向に相対移動し、複数の転動体と複数の貫通孔との位置が変わり、貫通孔の閉止状態に応じてバイパス通路の開放量を高精度に調整することができる。
また、本発明の過給機は、コンプレッサと、タービンと、前記コンプレッサと前記タービンとを同軸上に連結する回転軸と、前記排気バイパス装置と、を備えることを特徴とするものである。
従って、タービンに供給する排ガス量を調整するとき、排気バイパス装置にて、転動体が平面部を転動することから、第1部材と第2部材の固着や摩耗などのリスクが低減され、良好な作動性を確保することで信頼性の向上を図ることができる。
本発明の排気バイパス装置及び過給機によれば、良好な作動性を確保することで信頼性の向上を図ることができる。
図1は、第1実施形態の排気バイパス装置が適用されるエンジンを表す概略構成図である。 図2は、排気バイパス装置が適用される過給機を表す概略図である。 図3は、バルブリングを表す正面図である。 図4は、調整リングを表す正面図である。 図5は、スナップリングを表す正面図である。 図6は、バルブリングと調整リングとスナップリングの取付状態を表す断面図である。 図7は、バルブリングと調整リングの作動状態を表す説明図である。 図8は、バルブリングと調整リングの作動状態を表す説明図である。 図9は、第2実施形態の排気バイパス装置における調整リングを表す正面図である。 図10は、押えリングを表す正面図である。 図11は、バルブリングと調整リングとスナップリングと押えリングの取付状態を表す断面図である。 図12は、バルブリングと調整リングと押えリングの作動状態を表す説明図である。 図13は、バルブリングと調整リングと押えリングの作動状態を表す説明図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る排気バイパス装置及び過給機の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の排気バイパス装置が適用されるエンジンを表す概略構成図である。
第1実施形態において、図1に示すように、エンジン10は、多気筒式の内燃機関である。シリンダブロック上にシリンダヘッドが締結されて構成されるエンジン本体11は、複数のシリンダボア12が設けられ、各シリンダボア12にシリンダライナ(図示略)を介してピストン13がそれぞれ上下移動自在に支持されている。エンジン本体11は、図示しないが、下部にクランクシャフトが回転自在に支持されており、各ピストン13がコネクティングロッド14を介してクランクシャフトにそれぞれ連結されている。
燃焼室15は、シリンダボア12の壁面及び下面とピストン13の頂面とにより区画されて構成されている。燃焼室15は、上方、つまり、エンジン本体11に吸気ポート16及び排気ポート17が並んで形成されており、吸気ポート16及び排気ポート17に対して吸気弁18及び排気弁19の下端部がそれぞれ位置している。この吸気弁18及び排気弁19は、エンジン本体11に軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、吸気ポート16及び排気ポート17を閉止する方向(図1にて上方)に付勢支持されている。吸気弁18及び排気弁19は、図示しない吸気カムシャフト及び排気カムシャフトの吸気カム及び排気カムが作用することで、吸気ポート16及び排気ポート17を開閉することができる。また、燃焼室15は、上方、つまり、エンジン本体11に燃料噴射弁20が設けられている。燃料噴射弁20は、燃焼室15に高圧燃料を噴射することができる。
従って、エンジン10は、クランクシャフトが2回転する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4行程を実行することとなり、このとき、吸気カムシャフト及び排気カムシャフトが1回転し、吸気弁18及び排気弁19が吸気ポート16及び排気ポート17を開閉することとなる。
エンジン本体11は、吸気ポート16に吸気通路21が連結され、排気ポート17に排気通路22が連結されている。過給機23は、コンプレッサ24とタービン25とが回転軸26により一体に回転するように連結されて構成されている。この過給機23は、エンジン本体11の排気通路22を流れる排ガスによりタービン25が回転し、タービン25の回転が回転軸26により伝達されてコンプレッサ24が回転し、このコンプレッサ24が空気を圧縮して吸気通路21からエンジン本体11に供給する。また、吸気通路21にインタークーラ27が装着されている。
排気通路22は、タービン25の装着位置に対応して排気バイパス装置28が設けられている。排気通路22は、タービン25より排ガスの流れ方向の上流側の位置から分岐し、タービン25より排ガスの流れ方向の下流側の位置に接続されるバイパス通路29が設けられている。排気バイパス装置28は、このバイパス通路29を開閉することで、タービン25のバイパスする排ガス量、つまり、タービン25に供給する排ガス量を調整することができる。
そのため、エンジン本体11は、吸気通路21から燃焼室15に空気が供給されると、ピストン13の上昇によりこの空気が圧縮され、燃料噴射弁20から燃焼室15に高圧燃料が噴射されると、この高圧燃料が着火して燃焼する。そして、発生した燃焼ガスは、排ガスとして排気通路22に排出される。燃焼室15から排出された排ガスは、過給機23におけるタービン25を回転させることで、回転軸26を介してコンプレッサ24を回転し、燃焼室15に対して過給を行う。また、排気バイパス装置28によりバイパス通路29が開放されると、排ガスは、このバイパス通路29を通ることでタービン25を迂回する。
図2は、排気バイパス装置が適用される過給機を表す概略図である。
過給機23において、図1に示すように、中空形状をなすハウジング31は、回転軸26が回転自在に支持され、回転軸26の一端部にコンプレッサ24(図示略、図1参照)が連結され、他端部にタービン25が連結されている。ハウジング31は、タービン25が収容されるボア32が形成されており、ボア32は、入口部33を介して排気通路22(図示略、図1参照)の上流側に連通すると共に、出口部34を介して排気通路22の下流側に連通する。
また、ハウジング31は、入口部33からボア32を通らずに出口部34に連通するバイパス通路29が設けられている。排気バイパス装置28は、このバイパス通路29を開閉可能であると共に、通路面積を調整可能となっている。排気バイパス装置28は、ハウジング31内に、バルブリング(第1部材と第2部材の一方)41と、調整リング(第1部材と第2部材の他方)42と、スナップリング(付勢部材)43が収容されると共に、ハウジング31に調整リング42のアクチュエータ(移動装置)44が設けられて構成されている。
図3は、バルブリングを表す正面図、図4は、調整リングを表す正面図、図5は、スナップリングを表す正面図、図6は、バルブリングと調整リングとスナップリングの取付状態を表す断面図である。
図3に示すように、バルブリング41は、所定厚さを有する円板形状をなし、中心部に開口51が形成されると共に、開口51の径方向の外側である外周部に周方向に所定間隔(本実施形態では、等間隔)を空けて複数(本実施形態では、12個)の貫通孔52が形成されている。開口51は、円形をなし、複数の貫通孔52は、バルブリング41の径方向に長い長方形をなし、全て同形状となっている。また、バルブリング41は、各貫通孔52における一方側の平面部41aに一対の傾斜面53,54が形成されている。この傾斜面53,54は、バルブリング41の平面部41aに周方向に沿って設けられ、平面部41aから貫通孔52に向けて深さが深くなる平面により形成されている。
図4に示すように、調整リング42は、所定厚さを有する円板形状であって、径寸法の相違する内周リング55と外周リング56の間に、周方向に所定間隔(本実施形態では、等間隔)を空けて複数(本実施形態では、12個)のローラ(転動体)57が設けられて構成されている。内周リング55は、中心部に開口58が形成されており、開口58は、円形をなし、バルブリング41の開口51と同径となっている。外周リング56は、内径及び外径が内周リング55の内径及び外径より大きい寸法であり、外周部に二股形状をなす連結部59が径方向の外側に突出するように一体に設けられている。複数のローラ57は、調整リング42の径方向に長い円柱形状をなし、全て同形状となっており、軸方向の各端部が支持軸60により内周リング55と外周リング56にそれぞれ回転自在に支持されている。また、各ローラ57は、正面から見た投影面積がバルブリング41の各貫通孔52より大きい寸法となっており、貫通できない大きさに設定されている。
図5に示すように、スナップリング43は、ばね鋼により形成され、所定厚さを有するC型のリング形状をなし、中心部に開口61が形成されている。開口61は、略円形をなし、バルブリング41の開口51及び調整リング42の開口58より大径となっている。スナップリング43は、周方向の各端部に装着用孔62が形成されると共に、外周部に傾斜面63が形成されている。この傾斜面63は、スナップリング43の平面部43aに周方向における全域に設けられ、平面部43aから外周部に向けて厚さが薄くなる平面により形成されている。
図2及び図6に示すように、バルブリング41と調整リング42とスナップリング43は、ハウジング31の内部に軸心が回転軸26の軸心と平行をなすように配置されている。このとき、ハウジング31は、内部に出口部34側からスナップリング43、バルブリング41、調整リング42の順に積層されている。スナップリング43は、平面部43aが出口部34側に面し、傾斜面63がハウジング31に周方向に沿って形成された傾斜面31aに接触している。バルブリング41は、平面部41bがスナップリング43の平面部43bに接触し、外周部がハウジング31に軸方向に移動自在で、周方向及び径方向に移動不能に支持されている。調整リング42は、バルブリング41の平面部41aに面し、各ローラ57が平面部41aに接触しており、外周部がハウジング31に周方向に移動自在で、軸方向及び径方向に移動不能に支持されている。
ここで、スナップリング43は、各装着用孔62に取付用治具(図示略)が係止し、全体が小径となるように縮められた状態でハウジング31内に装着され、各装着用孔62から取付用治具が離脱すると、ばね力により外側に広がって大小径となり、傾斜面63がハウジング31の傾斜面31aを押圧する。そのため、スナップリング43は、ばね力により傾斜面63がハウジング31の傾斜面31aを押圧することから、バルブリング41を調整リング42に付勢支持しており、そのため、調整リング42の各ローラ57がバルブリング41の平面部41aに押圧する。
また、図2に示すように、アクチュエータ44は、回転軸26の軸心方向に沿って延出する駆動ロッド65を有し、作動時にこの駆動ロッド65を所定角度にわたって往復回動することができる。駆動ロッド65は、先端部に連結リンク66の一端部が固定され、連結リンク66は他端部に連結ロッド67が固定されている。連結ロッド67は、回転軸26の軸心方向に沿って設けられ、調整リング42の連結部59における二股部の間に挿入されている。そのため、アクチュエータ44は、駆動ロッド65を一方方向に回動すると、連結リンク66を作動し、連結ロッド67及び連結部59を介して調整リング42を一方方向に回動することができる。
ここで、排気バイパス装置28の作動について説明する。図7及び図8は、バルブリングと調整リングの作動状態を表す説明図である。
図2に示すように、アクチュエータ44を作動すると、駆動ロッド65が回動し、連結リンク66、連結ロッド67、連結部59を介して調整リング42を回動する。図6及び図7に示すように、調整リング42は、スナップリング43の付勢力により各ローラ57にバルブリング41の平面部41aが押圧されている。アクチュエータ44により調整リング42を回動すると、各ローラ57がバルブリング41の平面部41a上を転動する。この各ローラ57がバルブリング41の平面部41a上にあるとき、各貫通孔52が開放されていることから、図2に示すように、バイパス通路29が開放され、入口部33からハウジング31内に導入された排ガスのほとんどがバイパス通路29を通って出口部34から排出される。そのため、タービン25は、排ガスによりほとんど回転しない。
そして、図6及び図8に示すように、バルブリング41の平面部41a上を転動する各ローラ57が傾斜面53を通って各貫通孔52に入り込むと、各ローラ57が各貫通孔52を閉止する。すると、各貫通孔52が閉止されていることから、図2に示すように、バイパス通路29が閉止され、入口部33からハウジング31内に導入された排ガスの全量がボア32を通って出口部34から排出される。そのため、タービン25は、排ガスにより回転し、回転軸26を介してコンプレッサ24(図1参照)を回転させる。
また、アクチュエータ44の作動を制御し、調整リング42の回動量を調整すると、各ローラ57による各貫通孔52の閉止量が調整される。すると、各ローラ57による各貫通孔52の閉止位置に応じてバイパス通路29の開放量が調整され、ボア32に供給される排ガス量が調整される。そのため、タービン25の回転速度が調整され、コンプレッサ24(図1参照)の回転速度が調整される。
このように第1実施形態の排気バイパス装置にあっては、排ガスのバイパス通路29が設けられるハウジング31と、バイパス通路29を閉止するようにハウジング31に固定されるバルブリング(第1部材)41と、バイパス通路29におけるバルブリング41の上流側にバイパス通路29を閉止するようにハウジング31に回動自在に支持される調整リング(第2部材)42と、調整リング42を回動するアクチュエータ(移動装置)44とを設け、バルブリング41にバイパス通路29の上流側と下流側を貫通する貫通孔52を設け、調整リング42に平面部41aを転動自在であると共に貫通孔52を閉止するローラ(転動体)57を設けている。
従って、アクチュエータ44により調整リング42を回動すると、ローラ57がバルブリング41の平面部41aを転動し、貫通孔52を閉止することとなる。そのため、バイパス通路29の開放量を変更するとき、ローラ57とバルブリング41との接触面積が減少し、両者間での固着や摩耗などのリスクが低減され、良好な作動性を確保することで信頼性の向上を図ることができる。
第1実施形態の排気バイパス装置では、貫通孔52の開口面積をローラ57の投影面積より小さい寸法に設定している。従って、ローラ57が適正に貫通孔52を閉止することができ、高精度にバイパス通路29の開放量を調整することができる。
第1実施形態の排気バイパス装置では、バルブリング41に対して調整リング42を接近離反自在に支持すると共に、スナップリング43により調整リング42がバルブリング41に接近する方向に付勢している。従って、ローラ57が貫通孔52に入り込んだとき、バルブリング41と調整リング42との距離が変わるが、スナップリング43により調整リング42がバルブリング41に接近する方向に付勢されることで、バルブリング41と調整リング42とのがたつきを防止し、良好な作動性を確保することができる。
第1実施形態の排気バイパス装置では、バルブリング41の平面部41aにローラ57の転動方向に沿う傾斜面53,54を貫通孔52に向けて設けている。従って、ローラ57は、傾斜面53,54を通って貫通孔52に入り込んで閉止するため、ローラ57のスムースな作動を確保し、騒音の発生を抑制することができる。
第1実施形態の排気バイパス装置では、内周リング55と外周リング56の間に周方向に所定間隔を空けて複数のローラ57を配置し、支持軸60により回転自在に支持している。従って、ローラ57の位置が規制され、バルブリング41の平面部41a上を適正に転動することとなり、安定した作動を確保することができる。
第1実施形態の排気バイパス装置では、バルブリング41を円板形状とし、外周部に周方向に所定間隔を空けて複数の貫通孔52を設け、調整リング42を円板形状とし、外周部に周方向に所定間隔を空けて複数のローラ57を設けている。従って、アクチュエータ44により調整リング42を回動すると、複数のローラ57と複数の貫通孔52との相対位置が変わり、貫通孔52の閉止状態に応じてバイパス通路29の開放量を高精度に調整することができる。
また、第1実施形態の過給機にあっては、コンプレッサ24と、タービン25と、コンプレッサ24とタービン25とを同軸上に連結する回転軸26と、排気バイパス装置28とを設けている。従って、タービン25に供給する排ガス量を調整するとき、排気バイパス装置28にて、ローラ57がバルブリング41の平面部41aを転動することから、ローラ57とバルブリング41との接触面積が減少し、両者間での固着や摩耗などのリスクが低減され、良好な作動性を確保することで信頼性の向上を図ることができる。
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態の排気バイパス装置における調整リングを表す正面図、図10は、押えリングを表す正面図、図11は、バルブリングと調整リングとスナップリングと押えリングの取付状態を表す断面図、図12及び図13は、バルブリングと調整リングと押えリングの作動状態を表す説明図である。なお、本実施形態の排気バイパス装置の基本的な構成は、上述した第1実施形態とほぼ同様の構成であり、図2を用いて説明すると共に、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態の排気バイパス装置は、図11に示すように、ハウジング31内に、バルブリング41と、調整リング(第1部材と第2部材の他方)71と、スナップリング43と、押えリング72が収容されると共に、ハウジング31に調整リング71のアクチュエータ44(図2参照)が設けられて構成されている。
図9に示すように、調整リング71は、所定厚さを有する円板形状をなし、中心部に開口81が形成されると共に、開口81の径方向の外側である外周部に周方向に所定間隔(本実施形態では、等間隔)を空けて複数(本実施形態では、12個)の支持孔82が形成されている。複数(本実施形態では、12個)のローラ(転動体)83は、調整リング71の径方向に長い円柱形状をなし、全て同形状となっている。各ローラ83は、投影面積が各支持孔82の開口面積より若干小さい寸法に設定されており、各ローラ83が各支持孔82に遊転自在に支持されている。また、調整リング71は、外周部に二股形状をなす連結部84が径方向の外側に突出するように一体に設けられている。
図10に示すように、押えリング72は、所定厚さを有する円板形状をなし、中心部に開口85が形成されている。なお、押えリング72をスナップリング43と一体に設けてもよい。
図2及び図11に示すように、バルブリング41と調整リング71とスナップリング43と押えリング72は、ハウジング31の内部に軸心が回転軸26の軸心と平行をなすように配置されている。このとき、ハウジング31は、内部に出口部34側からスナップリング43、押えリング72、調整リング71、バルブリング41の順に積層されている。スナップリング43は、平面部43aが出口部34側に面し、傾斜面63がハウジング31に周方向に沿って形成された傾斜面31aに接触している。押えリング72は、平面部72aがスナップリング43の平面部43bに接触し、外周部がハウジング31に軸方向に移動自在で、周方向及び径方向に移動不能に支持されている。調整リング71は、押えリング72の平面部72bに面し、各ローラ83が平面部72bに接触しており、外周部がハウジング31(また、押えリング72)に周方向及び軸方向に移動自在で、径方向に移動不能に支持されている。バルブリング41は、平面部41aが調整リング71に面し、平面部41aに各ローラ83が接触しており、外周部がハウジング31に固定されている。
そのため、図2に示すように、アクチュエータ44を作動すると、駆動ロッド65が回動し、連結リンク66、連結ロッド67、連結部59を介して調整リング71を回動する。図11及び図12に示すように、押えリング72は、スナップリング43の付勢力により平面部72bが調整リング71の各ローラ83に押圧され、調整リング71は、押えリング72の押圧力により各ローラ83がバルブリング41の平面部41aに押圧されている。アクチュエータ44により調整リング71を回動すると、各ローラ83が押えリング72の平面部72b及びバルブリング41の平面部41a上を転動する。この各ローラ83がバルブリング41の平面部41a上にあるとき、各貫通孔52が開放されていることから、図2に示すように、バイパス通路29が開放され、入口部33からハウジング31内に導入された排ガスのほとんどがバイパス通路29を通って出口部34から排出される。そのため、タービン25は、排ガスによりほとんど回転しない。
そして、図11及び図13に示すように、バルブリング41の平面部41a上を転動する各ローラ83が傾斜面53を通って各貫通孔52に入り込むと、各ローラ83が各貫通孔52を閉止する。すると、各貫通孔52が閉止されていることから、図2に示すように、バイパス通路29が閉止され、入口部33からハウジング31内に導入された排ガスの全量がボア32を通って出口部34から排出される。そのため、タービン25は、排ガスにより回転し、回転軸26を介してコンプレッサ24(図1参照)を回転する。
また、アクチュエータ44の作動を制御し、調整リング71の回動量を調整すると、各ローラ83による各貫通孔52の閉止量が調整される。すると、各ローラ83による各貫通孔52の閉止位置に応じてバイパス通路29の開放量が調整され、ボア32に供給される排ガス量が調整される。そのため、タービン25の回転速度が調整され、コンプレッサ24(図1参照)の回転速度が調整される。
このように第2実施形態の排気バイパス装置にあっては、排ガスのバイパス通路29が設けられるハウジング31と、バイパス通路29を閉止するようにハウジング31に固定されるバルブリング41と、バイパス通路29におけるバルブリング41の上流側にバイパス通路29を閉止するようにハウジング31に回動自在に支持される調整リング(第2部材)71と、調整リング71を回動するアクチュエータ44とを設け、バルブリング41にバイパス通路29の上流側と下流側を貫通する貫通孔52を設け、調整リング71に平面部41aを転動自在であると共に貫通孔52を閉止するローラ(転動体)83を設けている。
従って、アクチュエータ44により調整リング71を回動すると、ローラ83がバルブリング41の平面部41aを転動し、貫通孔52を閉止することとなる。そのため、バイパス通路29の開放量を変更するとき、ローラ83とバルブリング41との接触面積が減少し、両者間での固着や摩耗などのリスクが低減され、良好な作動性を確保することで信頼性の向上を図ることができる。
第2実施形態の排気バイパス装置では、ローラ83を調整リング71に形成された支持孔82に遊転自在に支持している。従って、ローラ83が貫通孔52を閉止するとき、ローラ83と貫通孔52との位置ずれを吸収することができ、ローラ83が適正に貫通孔52を閉止することができる。
なお、上述した第1実施形態では、バルブリング41を軸方向に移動自在に支持し、スナップリング43により調整リング42側に付勢支持し、第2実施形態では、調整リング71を軸方向に移動自在に支持し、スナップリング43によりバルブリング41側に付勢支持したが、いずれの場合も有効である。この場合、バルブリング41、調整リング42,71、スナップリング43の位置関係は、上述したものに限定されるものではなく、排ガスの流れ方向の上流側と下流側で入れ替えてもよいものである。
また、上述した実施形態では、付勢部材としてスナップリング43を適用したが、この構成に限定されるものではない。例えば、付勢部材として、リング形状をなす板バネを適用したり、複数の板バネや圧縮コイルばねを周方向に所定間隔を空けて配置することで構成したりしてもよい。
また、上述した実施形態では、貫通孔52が形成されたバルブリング41を周方向に回動不能とし、ローラ57,83が設けられた調整リング42,71を周方向に回動自在としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、周方向に回動不能なバルブリングにローラを設け、周方向に回動自在な調整リングに貫通孔を形成してもよい。
また、上述した実施形態では、ハウジング31に対してバルブリング41を別体に設けたが、第2実施形態のように、バルブリング41をハウジング31に固定した場合、バルブリング41とハウジング31とを一体、つまり、ハウジングに貫通孔を形成したり、転動体を支持したりしてもよい。
また、上述した実施形態では、転動体を円柱形状をなすローラ57,83としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、調整リングの中心側が細径となる円錐台形状としたり、球形状などとしたりしてもよい。
10 エンジン
11 エンジン本体
13 ピストン
15 燃焼室
21 吸気通路
22 排気通路
23 過給機
24 コンプレッサ
25 タービン
26 回転軸
28 排気バイパス装置
29 バイパス通路
31 ハウジング
32 ボア
33 入口部
34 出口部
41 バルブリング(第1部材と第2部材の一方)
42,71 調整リング(第1部材と第2部材の他方)
43 スナップリング(付勢部材)
44 アクチュエータ(移動装置)
52 貫通孔
53,54 傾斜面
55 内周リング
56 外周リング
57,83 ローラ(転動体)
59,84 連結部
63 傾斜面
72 押えリング
82 支持孔

Claims (7)

  1. 排ガスのバイパス通路が設けられるハウジングと、
    前記バイパス通路を閉止するように前記ハウジングに固定される第1部材と、
    前記バイパス通路における第1部材の上流側または下流側に前記バイパス通路を閉止するように前記ハウジングに移動自在に支持される第2部材と、
    前記第2部材を移動する移動装置と、
    を備え、
    前記第1部材と前記第2部材は、円板形状をなし、
    前記第1部材と前記第2部材のいずれか一方の外周部に前記バイパス通路の上流側と下流側を貫通する貫通孔が周方向に所定間隔を空けて複数設けられ、
    前記第1部材と前記第2部材のいずれか他方の外周部に前記一方の平面部を転動自在であると共に前記貫通孔を閉止する転動体が周方向に所定間隔を空けて複数設けられる、
    ことを特徴とする排気バイパス装置。
  2. 前記貫通孔は、前記転動体より小さい寸法に設定されることを特徴とする請求項1に記載の排気バイパス装置。
  3. 前記第1部材と前記第2部材は、互いに接近離反自在に支持されると共に、付勢部材により互いに接近する方向に付勢されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排気バイパス装置。
  4. 前記一方の平面部に前記転動体の転動方向に沿う傾斜面が前記貫通孔に向けて設けられることを特徴とする請求項3に記載の排気バイパス装置。
  5. 前記転動体は、前記他方に支持軸により回転自在に支持されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の排気バイパス装置。
  6. 前記転動体は、前記他方に形成された支持孔に遊転自在に支持されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の排気バイパス装置。
  7. コンプレッサと、
    タービンと、
    前記コンプレッサと前記タービンとを同軸上に連結する回転軸と、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の排気バイパス装置と、
    を備えることを特徴とする過給機。
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