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JP6832483B2 - 便座装置 - Google Patents
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JP6832483B2 - 便座装置 - Google Patents

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Description

本発明は、便座ヒータの防水性能および絶縁性能を向上した便座装置の構成に関するものである。
従来、この種の便座装置における便座の構成は、発熱線を挟み込んだ2枚の金属箔を、その2枚の金属箔の外形よりも大きい防水絶縁性能を備えた2枚のラミネートフィルムで挟み込み、金属箔の外周より外側は2枚のラミネートフィルムを直接接合することにより、金属箔および発熱線を密閉した防水構造の便座ヒータを、一方のラミネートフィルムの全面に粘着層を形成し、便座ヒータの全面を便座の着座面の裏面に貼り付けた構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
図11は特許文献1に記載された従来の便座の着座面の裏面に便座ヒータを貼り付けた状態の断面を示す模式図である。便座ヒータ1は、外周に絶縁層を備えた発熱線2を挟み込むように2枚の金属箔3、4が貼り付けられており、金属箔3、4の上下面には金属箔3、4より外形の大きいラミネートフィルム5、6がラミネートされており、ラミネートフィルム5、6の金属箔3、4の外周より外側では、2枚のラミネートフィルム5、6が直接接合されている。上側のラミネートフィルム5の着座面7側の全面には接着層8が形成されており、接着層8を介して便座ヒータ1は着座面7の裏面に貼り付けられている。
特許第5136206号公報
しかしながら、前記従来の便座装置は、便座ヒータの外周端部は、全周に亘りラミネートフィルムを直接接合したものを切りっ放しの状態であり、ラミネートフィルム同士の接合が不十分な場合等に、外周端部より水分が浸入することにより、発熱線および金属箔が腐食することにより漏電が発生する可能性を否定することができない。特に、便座は倒置位置と起立位置とを回動自在な構成で有り、また、着座面を備えた上部便座ケーシングと下部便座ケーシングと、を上下に接合した構成である。上部便座ケーシングと下部便座ケーシングの接合部等より便座内部に小便等の水分が浸入した場合、便座を起立させた状態では、浸入した水分は便座の後部内部に溜まることとなり、着座面の裏面を伝わって便座ヒータの後端部に到達する可能性があり、便座ヒータの内部に浸入することが想到され、便座の安全性の観点からでいまだ改良の余地があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、便座ヒータの外周端部より浸水することを防止することにより、絶縁漏破壊および漏電の発生を抑制し安全性と信頼性の向上を図ることを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の便座装置は、便器上に設置される本体と、本体に回動自在に枢支され、上面に着座面を有し、金属材料で形成された環状の上部便座ケーシングと、樹脂材料で形成された環状の下部便座ケーシングとが、相互の内周縁およ
び外周縁で接合され、内部に環状の空洞部が形成された便座と、上部便座ケーシングの内面に貼着された便座ヒータと、を含み、便座ヒータは、金属を含む2枚の均熱シートの間に線状ヒータが蛇行形状に配設され、均熱シートのそれぞれの外側面に防水絶縁シートがラミネートされた構成とし、2枚の防水絶縁シートは、均熱シートより大きい外形に形成され、均熱シートの外周より外側部分は相互に貼着され、均熱シートの全周に亘り防水絶縁部が形成された構成とし、便座ヒータは、一方の防水絶縁シートが貼着剤を介して上部便座ケーシングの内面に貼着された構成とし、防水絶縁部の一部は、上部便座ケーシングの内面に貼着されない非貼着部が形成され、非貼着部の外周縁が上部便座ケーシングの内面に密接しておらず、非貼着部は、他方の前記防水絶縁シート側に折り曲げられ、他方の前記防水絶縁シートの表面に固定されていることを特徴とするものである。
これにより、防水絶縁部の端部が上部便座ケーシングの内面に密着することを防止することが可能となり、防水絶縁部の端部より浸水することを防止することができ、便座ヒータの絶縁漏破壊および漏電の発生を抑制し、安全性と信頼性を向上することができる。
本発明の便座装置は、便座ヒータの防水絶縁性能の向上を図ることにより、安全性と信頼性を向上することができる。
本発明の実施の形態1における便座装置を便器上に設置した状態の外観を示す斜視図 本発明の実施の形態1おける便座の外観を示す斜視図 本発明の実施の形態1おける便座の分解斜視図 本発明の実施の形態1おける便座の上部便座ケーシングに便座ヒータおよび関連部材が取り付けられた状態を示す下面図 本発明の実施の形態1おける断熱材の斜視図 本発明の実施の形態1おける便座ヒータの平面図 図6に示すBB断面を示す模式図 図4に示すAA断面を示す模式図 別の構成の便座ヒータの後部の断面を示す模式図 別の構成の便座ヒータの後部の断面を示す模式図 従来の便座の着座面の裏面に便座ヒータを貼り付けた状態の断面を示す模式図
第1の発明は、便器上に設置される本体と、前記本体に回動自在に枢支され、上面に着座面を有し、金属材料で形成された環状の上部便座ケーシングと、樹脂材料で形成された環状の下部便座ケーシングとが、相互の内周縁および外周縁で接合され、内部に環状の空洞部が形成された便座と、前記上部便座ケーシングの内面に貼着された便座ヒータと、を含み、前記便座ヒータは、金属を含む2枚の均熱シートの間に線状ヒータが蛇行形状に配設され、前記均熱シートのそれぞれの外側面に防水絶縁シートがラミネートされた構成とし、2枚の前記防水絶縁シートは、前記均熱シートより大きい外形に形成され、前記均熱シートの外周より外側部分は相互に貼着され、前記均熱シートの全周に亘り防水絶縁部が形成された構成とし、前記便座ヒータは、一方の前記防水絶縁シートが貼着剤を介して前記上部便座ケーシングの内面に貼着された構成とし、前記防水絶縁部の一部は、前記上部便座ケーシングの内面に貼着されない非貼着部が形成され、前記非貼着部の外周縁が前記上部便座ケーシングの内面に密接しておらず、前記非貼着部は、他方の前記防水絶縁シート側に折り曲げられ、他方の前記防水絶縁シートの表面に固定されていることを特徴とする便座装置である。
これにより、防水絶縁部の端部が上部便座ケーシング410の内面に密着することを防止することが可能となり、防水絶縁部の端部より浸水することを防止することができ、便座ヒータの絶縁漏破壊および漏電の発生を抑制し、安全性と信頼性を向上することができる。
また、防水絶縁部の密閉度をより高めることができるとともに、防水絶縁部の後端部が上部便座ケーシングの内面から、より確実に隔離させることができ、防水絶縁部の後端部からの浸水をより確実に防止することができ、安全性と信頼性を一層向上することができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記非貼着部は、前記便座ヒータの後端部に形成されたものである。
これにより、便座の起立状態において水が溜まり易い、便座後部における防水絶縁性能を確実に確保することができ、安全性と信頼性をより向上することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
<1>便座装置の構成
図1は本実施の形態における便座装置を便器上に設置した状態の外観を示す斜視図である。
図1に示すように、便座装置100は、本体200、便蓋300、便座400、リモートコントローラ500により構成され、本体200、便蓋300、便座400は一体で構成され、便器110の上面に設置される。
本体200には、便蓋300および便座400が電動の便座便蓋回動機構を介して開閉可能に取り付けられている。図1に示すように便蓋300を開放した状態においては、便蓋300は便座装置100の最後部に位置するように起立する。また、便蓋300を閉塞すると便座400の上面を隠蔽する。便座400は便座ヒータ450を内蔵しており、便座400の着座面が快適な温度になるように加熱する。
また、便座400の回動軸を支持する軸受部分には便座400に着座した人体を検知する着座検知スイッチ(図示せず)が設置されている。この着座検知スイッチは、便座400に使用者が着座することによる重量変化でスイッチを開閉させることにより、便座400上に使用者が着座していることを検知するものである。
また図1に示すように、本体200の側部には突出部210が設けてあり、突出部210の上面には複数の操作スイッチ212を備えた操作部211が設けられている。
リモートコントローラ500には、便座装置の各機能の操作と設定を行う複数の操作スイッチ501と、トイレルームに入室した使用者を検知する人体検知センサ502が設けられている。リモートコントローラ500は便座400に着座した使用者が操作可能なトイレ室の壁面等の場所に取り付けられ、操作信号は無線を介して本体200に送信される。
なお、本実施の形態においては便座装置の本体200の設置側を後方、便座400の設置側を前方とし、後方より前方に向かって右側を右方、左側を左方として各構成要素の配
置を説明する。
本体200の内部には、使用者の局部を洗浄する洗浄手段(図示せず)と、洗浄後の局部を乾燥する乾燥装置(図示せず)と、便器110内の臭気を脱臭する脱臭装置(図示せず)と便蓋300と便座400を電動で回動する便座便蓋回動機構(図示せず)と、便座装置100制御する制御部(図示せず)等が設置されている。
洗浄手段は洗浄水供給機構とノズル装置で構成されており、水道配管から供給される洗浄水を洗浄水供給機構の熱交換器で加熱した温水をノズル装置に供給し、ノズル装置から使用者の局部に向けて温水を噴出し、使用者の局部を洗浄するものである。
ノズル装置は、お尻を洗浄するお尻洗浄ノズル部と女性の局部を洗浄するビデノズル部を有する洗浄ノズルと、洗浄ノズルを本体200内に収容した収納位置と本体から突出して洗浄動作を行う洗浄位置との間を進退移動する駆動手段(図示せず)と、熱交換器からの洗浄水を洗浄ノズルに切換えて供給する流調弁(図示せず)等が一体に組み込まれている。
乾燥装置の噴出口は、本体200の前面下部に配置されており、噴出口の前方には、開閉自在の乾燥シャッターが設置されており、乾燥装置不使用時は閉塞して乾燥装置の内部へ洗浄水等が侵入することを防止し、乾燥装置の駆動時には、乾燥装置から噴出される風圧により開放される構成となっている。乾燥装置の詳細な構成は後述する。
制御部は、便座装置100の各機能の操作を行うリモートコントローラ500の操作スイッチ501と本体200の操作スイッチ212および着座検知スイッチ(図示せず)から送信される信号に基づいて、便座装置100の各部の動作を制御する。
本発明の便座装置100はトイレ室に使用者が存在しない場合は、便座ヒータへの通電を停止、もしくは20℃程度の低温に保温している。トイレ室に使用者が入室すると、人体検知センサ502からの信号を受け、便座ヒータに通電を行う。便座ヒータは800W程度の非常に高出力のヒータであり、使用者がトイレ室に入室してから便座に着座するまでの6秒から10秒程度の間に、便座400の着座面を40℃程度の適温に温める。便座400が適温に達した後は、便座ヒータへの通電を50W程度の低ワットに下げ、適温を保つ。使用者がトイレルーム内から出ると、便座ヒータへの通電を停止、もしくは20℃程度の低温保温となる。つまり、トイレルームに使用者がいないときの電力を大幅に削減した便座装置である。
なお、洗浄機構と乾燥装置と脱臭装置と便座便蓋回動機構は便座装置の必須構成要素ではなく、これらの構成要素を具備しない便座装置でもよい。
<2>便座の構成
図2は便座の組立状態を示す斜視図であり、図3は便座の分解状態を示す斜視図であり、図4は便座の上部便座ケーシングに便座ヒータ等の部材を取り付けた状態を示す下面図であり、図6は断熱材の外観を示す斜視図である。
図2および図3に示すように、便座400は、主としてアルミニウムにより形成された略楕円形状の環状の上部便座ケーシング410と、合成樹脂により形成された略楕円形状の環状の下部便座ケーシング420と、上部便座ケーシング410の裏面に粘着された略馬蹄形状の便座ヒータ450と、発泡樹脂で一体成型された断熱材480を主構成部材として構成されている。
以下、着座した使用者から見て前方側を便座400の前部とし、着座した使用者から見て後方側を便座400の後部とする。
上部便座ケーシング410は、厚さ約0.8mmのアルミニウム板をプレス加工等により成型し、表面および裏面には絶縁性と耐熱性を有するポリエステル粉体塗装膜が形成されている。
上部便座ケーシング410は略楕円形の環状の着座面411と、着座面411の後部には着座面411より上方に立ち上がったバックガード部412が連続して形成されている。
着座面411を形成する上部便座ケーシング410の側部の上面は外周より内周に向かって低くなるように傾斜し、上方に突出した緩い曲面で形成されており、傾斜角度は後方で大きく、前方では小さくなっている。また、着座面411の側部の幅寸法は後方が広く、前方が狭くなっている。
バックガード部412と着座面411とは連続的な凹曲面で繋がっており、上部は傾斜面となっている。バックガード部412の上縁412aは水平線に近い大きな曲線となっており、バックガード部412の幅は着座面411の横幅と略同寸法となっている。バックガード部412は着座面411に着座した使用者の後方への移動を規制することにより、使用者の身体が本体に接触することにより不快を感じることを抑制することができる。
上部便座ケーシング410は、厚さ約0.8mmのアルミニウム板で成型することにより、適度の弾性変形が可能となり、使用者が着座面411に着座した場合、使用者の体重により変形する。特に、着座面411の側部の傾斜面が水平に近い部分を中心として下方に撓む変形が生ずることにより、適度のクッション性が発揮される。これにより、着座時の衝撃が吸収され快適な着座を得ることができる。
上部便座ケーシング410の内周縁415と外周縁416は内方に向かって折れ曲がって形成されており、内周縁415と外周縁416の複数箇所には、上部便座ケーシング410と下部便座ケーシング420を係合する複数の係合孔418が形成されている。
なお、上記のように、上部便座ケーシング410はアルミニウム板を使用して形成したが、これに限るものではなく、銅やステンレス等の板材あるいはマグネシウム合金の成型品等の熱伝導の良い他の金属を使用してもよい。また、アルミニウム板に施される表面処理は上記仕様に限定されるものではなく、他の化学的な処理やアクリル系やウレタン系の塗料を使用した他の塗装等も選択可能である。
下部便座ケーシング420はABS等の樹脂材料を使用した成型品であり、平面形状が上部便座ケーシング410と略同形状の本体部421と、本体部421の両側後方に斜め上方に突出した腕部422で構成されている。
下部便座ケーシング420の内周縁425と外周縁426には、上部便座ケーシング410と下部便座ケーシング420を係合する複数の係合爪428が一体に成型されている。
上部便座ケーシング410と下部便座ケーシング420とは、下部便座ケーシング420に形成された係合爪428が上部便座ケーシング410に形成された係合孔418に係合することにより結合され、内部に空洞部401が形成される構成となっている。
下部便座ケーシング420の下面には、便座400を便器110の上面に支持するために、左右対称位置に4個の脚430が設置されている。前方に設けられた2個の前脚431は着座した使用者の体重の多くを支える支持体として中心的な機能を担うものであり、後方の2個の後脚432は便座400を便器110の上面に水平に維持する補助的な機能を目的とするものである。
図4に示すように、上部便座ケーシング410の内面の略全面には、前部の一部が切り取られた略馬蹄状に形成された便座ヒータ450が貼着されている。
便座ヒータの後部に設けられた端子部460には便座ヒータ450に電力を供給する2本の電力リード線470、471と、線状ヒータ453と2枚の均熱シート451、453間の漏電を検知する検知リード線472が接続されている。電力リード線470は端子部460の始端部に接続されており、電力リード線471は端子部460の終端部に接続されている。また、検知リード線472は第一均熱シート451および第2均熱シート452に接続されている。
また、電力リード線471の途中には温度ヒューズ474が接続されており、温度ヒューズ474は便座ヒータ450の後部領域451cの略中央に設置されている。
便座ヒータ450の両側部表面には、便座400の着座面411の温度を検知する第一サーミスタ475と第二サーミスタ476が設置されている。第一サーミスタ475と第二サーミスタ476の温度検知情報は便座400の通電制御と過昇防止に使用される。また、上部便座ケーシング410の外周部には安全性を確保するアース線473が接続されている(便座ヒータの詳細な構成は後述する)。
断熱材480は独立発泡体である発泡スチロールで一体に成型されており、図5に示すように、断熱材480は後部が開放された略馬蹄形状をしており、その内周と外周の形状は上部便座ケーシング410の内周と外周の形状と略相似形に形成されており、上部便座ケーシング410および便座ヒータ450の前部および側部の下面を覆うことができる形状となっている。断熱材480の断面形状は上面481が上方に突出した略山形であり、上面481の形状は上部便座ケーシング410の内面形状と略相似形を成している。
断熱材480の上面481の複数個所には上方に突出した略円柱状の突起482が一体に成型されている。断熱材480の先端近傍の中央には小径の先端突起482aが成型されている。先端突起482aの後方には左右対称位置に中径の脚対応突起482bが成型されている。脚対応突起482bの後方には左右対称位置に大径の平面対応突起482cが成型されている。また、断熱材480の後端近傍には左右対称位置に小径の後端突起482dが成型されている。これらの突起482はいずれも断熱材の上面481より約1mm突出するように成型されている。
先端突起482aと後端突起482dは、断熱材480の前端部と後端部の近傍の上面481が直接便座ヒータ450に当接することを防止するものである。
脚対応突起482bは、使用者が着座して着座面411が変形したときに、脚対応突起482bが便座ヒータ450を押圧することにより剥離を防止するとともに、着座面411が極端に変形することを抑制することにより、違和感の発生を抑制するものである。
<3>便座ヒータの構成
図4は便座の上部便座ケーシングに便座ヒータ等の部材を取り付けた状態を示す下面図であり、図6は便座ヒータの平面図であり、図7は図6に示すBB断面を示す便座ヒータ
の後部の模式図であり、図8は図4に示すAA断面を示す上部便座ケーシングに便座ヒータを取り付けた状態の後部断面の模式図であり、図9は別の構成の便座ヒータの後部の断面を示す模式図であり、図10は別の構成の便座ヒータの後部の断面を示す模式図である。
図6に示すように、便座ヒータ450の外形は、前部の一部が切り取られた略馬蹄状に形成されている。便座ヒータ450の基本構成は、2枚の均熱シートの間に線状ヒータ453を蛇行形状に配設して貼り合わせ、貼り合わせた均熱シートの両方の外面にそれぞれ防水絶縁シートを貼り合わせたものである。
2枚の均熱シートである、第一均熱シート451と第二均熱シート452は、同じ構成の3層構造のシート状の部材である。厚さ約50μmのアルミ箔の一方の面には、厚さ約12μmのポリエチレンテレフタレート・フィルム(以下PETフィルムと標記)からなる絶縁シートがラミネートされており、他方の面にはアクリル系の粘着層が形成されている。
第一防水絶縁シート454は厚さ約12μmのPETフィルムの表面に、厚さ約50μmのアクリル系の粘着層が形成されている。一方、第二防水絶縁シート455は厚さ約12μmのPETフィルムの表面に、厚さ約70μmのアクリル系の粘着層が形成されている。
線状ヒータ453は、銅合金からなる発熱線の表面に絶縁被覆層が形成されたものである。
第一防水絶縁シート454と第二防水絶縁シート455の外形は、第一均熱シート451と第二均熱シート452の外形より大きく、第一均熱シート451と第二均熱シート452の外周端部を充分に覆うことができる形状に形成されている。
図4に示すように、上部便座ケーシング410の内面に貼り付けた状態においては、上部便座ケーシング410の内面に、便座ヒータ450の第一防水絶縁シート454が粘着層を介して貼着されている。
図7に示すように、第一防水絶縁シート454のPETフィルム側には、第一均熱シート451の粘着層を介して第一均熱シート451が貼着されている。
また、第一均熱シート451のPETフィルム側には、線状ヒータ453が配設されており、線状ヒータ453を挟み込むように、第二均熱シート452の粘着層を介して第二均熱シート452が貼着されている。
また、第二均熱シート452のPETフィルム側には、第二防水絶縁シート455の粘着層を介して第二防水絶縁シート455が貼着されている。
また、第一均熱シート451と第二均熱シート452の外周端部の外方においては、第一防水絶縁シート454のPETフィルムに、第二防水絶縁シート455の粘着層を介して第二防水絶縁シートが直接貼着され、第一均熱シート451と第二均熱シート452の外周端部を覆い防水機能と絶縁機能を兼ね備えた防水絶縁部457が全周に亘って形成されている。
防水絶縁部457は、便座ヒータ450の内周の全体と外周の前方と側方については約5mmの幅で形成されており、外周の後方は約28mmの幅で形成されている。
図6に示すように、便座ヒータ450の後部右側には端子部460が設置されており、線状ヒータ453の始端は端子部460の始端部(図示せず)に接続されている。始端部より延伸された線状ヒータ453は第一均熱シート451の右側領域451aを主に左右に蛇行しながら右前端部まで配設され、前端部より第一均熱シート451の主に内周に沿って第一均熱シート451の後部を経由して第一均熱シートの左側領域451bの左前端部まで到達し、左前端部より第一均熱シート451に左側領域451bを主に左右に蛇行しながら後部左側まで配設されている。
後部左側より第一均熱シート451の後部領域451cを左右に蛇行しながら後部右側まで配設され、線状ヒータ453の終端は端子部460の終端部に接続されることにより、線状ヒータ453は始端部から終端部まで連続して配設されている。
線状ヒータ453を蛇行させて配設した右側領域451aと左側領域451bと後部領域451cは、便座400に使用者が着座した状態で快適な暖房効果を得られる着座暖房範囲456を形成している。着座暖房範囲456は、線状ヒータ453が近似のピッチで配設されており、使用者が着座した状態でほぼ同一の温感を得られるように構成されている。
端子部460には便座ヒータ450に電力を供給する2本の電力リード線470、471と、線状ヒータ453と第一均熱シート451および第二均熱シート452間の漏電を検知する検知リード線472が接続されている。電力リード線470は端子部460の始端部に接続されており、電力リード線471は端子部460の終端部に接続されている。また、検知リード線472は第一均熱シート451と第二均熱シート452に接続されている。
また、電力リード線471の途中には温度ヒューズ474が接続されており、温度ヒューズ474は便座ヒータ450の後部領域451cの略中央に設置されている。
図4に示すように、便座ヒータ450は上部便座ケーシング410の内面のほぼ全面に貼着されている。便座ヒータ450の両側部表面には、便座400の着座面411の温度を検知する第一サーミスタ475と第二サーミスタ476が設置されている。第一サーミスタ475と第二サーミスタ476の温度検知情報は便座400の通電制御と過昇防止に使用される。また、上部便座ケーシング410の外周部には安全性を確保するアース線473が接続されている。
また、第一均熱シート451および第二均熱シート452には、線状ヒータ453の絶縁破壊を検知するための検知線を設けられている。通電によって線状ヒータ453が発熱すると、その熱は第一均熱シート451および第二均熱シート452に伝導し、シート状の便座ヒータ450全体が均一な状態で温度上昇する効果を有し、第一均熱シート451および第二均熱シート452は均熱部として機能している。そして、第一均熱シート451および第二均熱シート452は線状ヒータ453のほぼ全外周を密閉して覆うようにしてもっとも効率よく発熱を伝達させるように構成されている。
もし仮に線状ヒータ453の周囲(第一均熱シート451および第二均熱シート452との間)に空気層が存在した場合、線状ヒータ453から発せられた熱の放熱が阻害され、発熱線の温度が上昇してしまう。この際絶縁被覆層の耐熱温度を超えると被覆材料の劣化が進行して絶縁性が破壊され、最終的には発熱線の断線に至ってしまう。
そこで、第一均熱シート451および第二均熱シート452に検知線を設け、そこに流
れる電流を監視することによって、線状ヒータ453の絶縁性が何らかの原因によって損なわれた場合、通電によって線状ヒータ453から漏れ流れた電流を絶縁破壊検知回路によって検知して通電を停止させて安全性を確保することを目的とするものである。つまりは均熱部として機能する第一均熱シート451および第二均熱シート452を絶縁破壊検知電極としても兼用するものである。
このような絶縁破壊を検知してヒータ通電を停止する構成を採用する場合においては、もし便座内部に水が浸入し、かつ便座表面も濡れている場合などでも、絶縁破壊検知回路と導通し充電部となる第一均熱シート451および第二均熱シート452と人体との間に導通が発生しないための配慮として、第一均熱シート451および第二均熱シート452の絶縁性を確保することが必要となる。
本実施の形態における便座ヒータ450は、第一均熱シート451および第二均熱シート452の外周全域に亘り、第一防水絶縁シート454と第二防水絶縁シート455を直接貼着することにより、防水機能と絶縁機能を兼ね備えた防水絶縁部457を形成することにより第一均熱シート451、第二均熱シート452、線状ヒータ453を密封し、防水および絶縁性を確保できるように構成されている。
特に、本実施の形態の便座装置100は、便座400が便器110の上面に倒置された倒置位置と、便座400が略鉛直となる起立位置との間を回動自在に枢支された構成である。
そのため、便座400内部に浸水した場合、倒置位置においては、便座400内部に浸入した水は下部便座ケーシング420の内部に溜まり、上部便座ケーシング410に貼着された便座ヒータ450が浸水することはない。しかしながら、便座400が起立位置においては、浸水した水は便座400内部の後端部に溜まり、便座ヒータ450の後端部が直接浸水する場合や、直接浸水しなくても、上部便座ケーシング410の内面を表面張力により便座ヒータ450の後端に伝わって浸水する可能性がある。
上記の状態においても便座ヒータ450の防水性および絶縁性を確保するために、本実施の形態における便座ヒータ450は、便座ヒータ450の後端部の防水性および絶縁性を強化する構成となっている。
上記のように、防水絶縁部457は、便座ヒータ450の内周の全体と外周の前方と側方については約5mmの幅で形成されているのに対し、外周の後端部では約28mmの幅で形成されている。
幅の広い防水絶縁部457の外周の後端部は、上部便座ケーシング410の内面に直接密着しない非貼着部を形成する非貼着処理を実施するために設けられたものである。
図4および図8は、非粘着部が形成された基本的な構成である第1の非貼着処理を示すものである。
外周後端部の防水絶縁部457は、第一均熱シート451および第二均熱シート452の外周後端から約8mmの位置で前方に折り返し、折り返した防水絶縁部457を粘着テープ458で第二防水絶縁シート455のPETフィルム面に固定された構成である。
使用される粘着テープ458はPETフィルムの裏面に粘着層が形成されたものであり、防水絶縁部457の第一防水絶縁シート454の粘着層の表面に粘着テープ458を貼り付けることにより、防水絶縁部457に上部便座ケーシング410の内面に貼着されな
い非貼着部が形成されている。しかも、形成された非粘着部は第二防水絶縁シート455のPETフィルム面に固定され、上部便座ケーシング410の内面から確実に隔離して固定されている。
上記構成を採用することにより、防水絶縁部457の密閉度を高めることができるとともに、防水絶縁部457の後端部が上部便座ケーシング410の後端部より隔離させることができ、上部便座ケーシング410の後端部に溜まった水が防水絶縁部457の後端部から浸入することを確実に防止することができ、便座ヒータ450の絶縁破壊および漏電の発生を防止することが可能となり、安全性と信頼性を向上することができる。
また、図9は便座ヒータ450の防水絶縁部457の別の構成である第2の非貼着処理を示すものである。
第1の非貼着処理においては、防水絶縁部457の後端部は前方に折り返して粘着テープ458で第二防水絶縁シート455に固定された構成であるが、第2の非貼着処理の構成においては、図9に示すように、折り返した防水絶縁部457の第一防水絶縁シート454の粘着層の表面にPETテープ459を貼り付けた構成である。これにより、防水絶縁部457の後端部に上部便座ケーシング410の内面に貼着されない非貼着部を形成することができる。
上記の構成を採用することにより、防水絶縁部457の後端部が上部便座ケーシング410の内面に密着することを防止することが可能となり、防水絶縁部457の後端部より浸水することを防止することができる。
また、図10は便座ヒータ450の防水絶縁部457の別の構成である第3の非貼着処理を示すものである。
第2の非貼着処理においては、折り返した防水絶縁部457の第一防水絶縁シート454の粘着層の表面にPETテープ459を貼り付けたのみの構成であるが、第3の非貼着処理の構成においては、図10に示すように、PETテープ459の貼り付けに加え、PETテープ459の表面と第二防水絶縁シート455のPETフィルムの表面とを跨ぐように粘着テープ458を貼り付けて、防水絶縁部457の後端部を第二防水絶縁シート455のPETフィルム面に固定したものである。
上記構成を採用することにより、第1の非粘着処理と同様に、防水絶縁部457の密閉度を高めることができるとともに、上部便座ケーシング410の後端部より確実に隔離させることができる効果に加え、第一防水絶縁シート454の粘着層と粘着テープ458の粘着層をPETテープ459で分離することで、粘着層の厚さが必要以上に厚くなることを防止することができ、粘着層の剥離を抑制することが可能とない、防水絶縁部457の後端部からの浸入を防止する非粘着部の効果を長期間に亘り維持することができる。
上記3個の非貼着処理の構成で説明したように、いずれの構成においても、防水絶縁部457の後端部が上部便座ケーシング410の内面に密着しない構成であり、このような構成を採用することにより便座ヒータ450の高い防水性および絶縁性を確保することができる。
なお、本実施の形態においては、非貼着部は防水絶縁部457の後端部のみに形成したが、これに限るものではなく、後端部に加え、防水絶縁部457の側端部等の他の箇所に形成しても良い。
また、本実施の形態においては、非貼着部は粘着層の表面に粘着テープ458およびPETテープ459を貼り付けて形成したがこれに限るものではなく、他の非貼着材料を貼り付けた構成でもよく、また、粘着層を削除して防水絶縁部457の後端部が上部便座ケーシング410に貼着しない構成としてもよい。
以上のように、本発明にかかる便座装置は、便座ヒータの防水性および絶縁性を向上することが可能となるので、他の加熱機器等の用途にも適用できる。
100 便座装置
110 便器
200 本体
400 便座
401 空洞部
410 上部便座ケーシング
411 着座面
415 内周縁
416 外周縁
420 下部便座ケーシング
425 内周縁
426 外周縁
450 便座ヒータ
451 第一均熱シート(均熱シート)
452 第二均熱シート(均熱シート)
453 線状ヒータ
454 第一防水絶縁シート(防水絶縁シート)
455 第二防水絶縁シート(防水絶縁シート)
457 防水絶縁部
458 粘着テープ(非貼着部)
459 PETテープ(非貼着部)

Claims (2)

  1. 便器上に設置される本体と、
    前記本体に回動自在に枢支され、上面に着座面を有し、金属材料で形成された環状の上部便座ケーシングと、樹脂材料で形成された環状の下部便座ケーシングとが、相互の内周縁および外周縁で接合され、内部に環状の空洞部が形成された便座と、
    前記上部便座ケーシングの内面に貼着された便座ヒータと、を含み、
    前記便座ヒータは、金属を含む2枚の均熱シートの間に線状ヒータが蛇行形状に配設され、前記均熱シートのそれぞれの外側面に防水絶縁シートがラミネートされた構成とし、
    2枚の前記防水絶縁シートは、前記均熱シートより大きい外形に形成され、前記均熱シートの外周より外側部分は相互に貼着され、前記均熱シートの全周に亘り防水絶縁部が形成された構成とし、
    前記便座ヒータは、一方の前記防水絶縁シートが貼着剤を介して前記上部便座ケーシングの内面に貼着された構成とし、
    前記防水絶縁部の一部は、前記上部便座ケーシングの内面に貼着されない非貼着部が形成され、前記非貼着部の外周縁が前記上部便座ケーシングの内面に密接しておらず
    前記非貼着部は、他方の前記防水絶縁シート側に折り曲げられ、他方の前記防水絶縁シートの表面に固定されている、
    便座装置。
  2. 前記非貼着部は、前記便座ヒータの後端部に形成された、
    請求項1に記載の便座装置。
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