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JP6834603B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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JP6834603B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は定着装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
複写機やプリンター、ファクシミリなどといった画像形成装置では用紙等の記録媒体に転写された未定着トナー像を用紙に定着させるための方法として熱定着方式が広く採用されている。定着装置としては、加圧ローラと、加圧ローラに接触して回転する無端状の定着ベルトとを備えるものが知られている。さらに、この定着装置は、定着ベルトを加熱するヒーターと、定着ベルトの内面に接触して加圧ローラと定着ベルトとの間に定着ニップ部を形成するニップ形成部とを有する。
また、ヒーターへの異常通電による定着発火防止のため、従来の定着装置においてはサーモスタットで所定温度になったときに通電を遮断している。近年、省エネルギーのための定着装置の低熱容量化により定着部材(定着ベルト)の昇温速度が速くなり、異常昇温時には検知や動作が間に合わず、ヒーターへの通電が遮断された時点ではすでに発火の危険のある高温になってしまう問題があった。
サーモスタットが作動する温度を下げるために、一般的に温度検知手段を定着部材により近づけて設置する事が行われている。しかし、近づけ過ぎると、ヒーターへの通電異常ではない、小サイズ通紙時の端部過昇温やジャム処理時の一時的な昇温でサーモスタットが作動して定着装置が使えなくなってしまう。また、サーモスタットを定着ベルト内部に配置すると、定着ベルトの径が大きくなると共に、定着ベルト内部の摺動部材やグリス等が入り込むことにより検知の感度が悪くなる可能性もある。
温度検知手段の応答性を補うため従来技術として、定着ベルトが温度に応じて温度検知部材に近づくものがある。例えば、異常昇温時に定着ベルトの弾性層と基層の間で熱膨張率の差を利用して層間剥離し、分離した表層部分が安全装置に近づくことで定着ベルトの異常昇温を検知しヒーターの通電を遮断する構成とした定着装置が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、定着ベルトの端部から軸方向へ定着ベルトを押圧し規制するとともに、ベルト破断時に温度検知部材と近接・接触することで通電を遮断する構成とした定着装置も既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−107557号公報 特開2016−90885号公報
特許文献1に記載の定着装置では、定着ベルトが回転中であれば、剥離部が温度検知部材に近接あるいは接触する事もあるが、ベルト停止時に層間剥離した場合、層間剥離位置は不確定で必ずしも温度検知部材近傍とは限らない。そのために、定着ベルトが温度検知部材に近づかない場合には、正確な温度検知ができなくなってしまい問題となる。
特許文献2に記載の方法では、高温時の定着ベルトの強度と回転の有無によってベルトの座屈形状が異なりベルト破断位置が変化するため、必ずしも狙いの温度や位置で破断するとは限らず、逆に遠ざかる可能性が生じてしまい問題となる。
そこで本発明は、定着ベルトが異常に昇温すると、この異常昇温を温度検知手段がより確実に検知してヒーターへの通電を遮断できる定着装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、加圧ローラと、前記加圧ローラに接触して回転する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱する加熱部と、前記定着ベルトの内側に前記加圧ローラと対向配置されて前記定着ベルトの内面に接触するパッドと該パッドを支持するパッド支持部材とを有して前記加圧ローラと前記定着ベルトとの間に定着ニップ部を形成するニップ形成部と、前記定着ベルトの外周に配置され、当該定着ベルトの異常昇温を検知すると前記加熱部への通電を遮断する温度検知部材を有する定着装置であって、前記定着ベルトの異常昇温時に、前記定着ベルトを付勢し変形させて温度検知部材に近づける付勢部材を有するベルト付勢手段を設けたことを特徴とする。
上記の構成によると、定着ベルトが異常に昇温した際には定着ベルトを温度検知部材側へ近づけるように変形させる事で、温度検知部材を定着ベルト側に近づける場合に比べ、定着ベルトの軌道が安定するため、定着ベルトと温度検知部材との距離を安定して近づけることができる。従って、定着ベルトが異常に昇温すると、この異常昇温を温度検知手段がより確実に検知してヒーターへの通電を遮断できる定着装置を得ることができる。
また本発明は上記構成の定着装置において、前記ベルト付勢手段は、前記付勢部材として、前記定着ベルトの内部に配置され、前記定着ベルトの異常昇温時に前記定着ベルトの内周面に当接して前記定着ベルトを変形させるように付勢する内部付勢部材を有する構成が好ましく、前記ベルト付勢手段は、前記付勢部材として、前記定着ベルトの外周部に配置され、前記定着ベルトの異常昇温時に前記定着ベルトの外周面に当接して前記定着ベルトを変形させるように付勢する外部付勢部材を有する構成でもよく、これらを共に備えた構成であってもよい。
また本発明は上記構成の定着装置において、前記ベルト付勢手段は、前記付勢部材として、前記ベルトの内周部に当接して付勢する円弧状当接部を備えた内部付勢部材を有し、さらに、前記内部付勢部材を前記ベルトと非接触状態に吸着保持する感温性材料の磁石または磁性材料から成る保持部材を有し、前記定着ベルトの異常昇温時には、前記保持部材の磁力が小さくなって前記内部付勢部材の保持を解除し、前記円弧状当接部が前記ベルトの内周部に当接して付勢することが好ましい。
また本発明は上記構成の定着装置において、前記ベルト付勢手段は、前記付勢部材として、前記定着ベルトの内周部に当接して付勢する円弧状当接部を備えた内部付勢部材を有し、さらに、前記内部付勢部材を前記定着ベルトと非接触状態に吸着保持する感温性材料の磁石または磁性材料から成る保持部材と、前記内部付勢部材を前記定着ベルトの外側から磁力で吸引する感温性材料の磁石または磁性材料から成る吸引部材とを有し、前記定着ベルトの異常昇温時には、前記保持部材の磁力が小さくなり、前記吸引部材の磁力は小さくならずに前記内部付勢部材を吸引する磁力を発揮して、前記円弧状当接部が前記定着ベルトの内周部に当接して付勢する構成であってもよい。
また本発明は上記構成の定着装置において、前記ベルト付勢手段は、前記付勢部材として、前記定着ベルトの内周部に当接して付勢する円弧状当接部と集熱部となる本体部を備えた形状記憶合部材から成る内部付勢部材を有し、前記定着ベルトの異常昇温時には、前記形状記憶合部材が熱変形して、前記円弧状当接部が前記定着ベルトの内周部に当接して付勢することが好ましく、集熱部となる前記本体部は前記定着ベルトの内部に配置した前記パッド支持部材に設置されていることが好ましい。
また本発明は上記構成の定着装置において、前記ベルト付勢手段は、前記付勢部材として、前記定着ベルトを前記温度検知部材に対向する部位から両側に離れた2部を挟持するように前記定着ベルトの外周部の少なくとも2箇所に配置され、前記定着ベルトの異常昇温時に変形する熱変形部材から成る外部付勢部材を有し、前記熱変形部材の変形を介して、前記定着ベルトの異常昇温時に前記定着ベルトを温度検知手段の方向に近づかせるように付勢する構成であってもよい。
また本発明は上記構成の定着装置において、前記保持部材に用いられる磁石もしくは磁性体のキュリー温度は、定着装置の加熱温度よりも高いことが好ましく、前記ベルト付勢手段は前記定着ベルトの両端部のみを付勢するが好ましく、前記定着ベルトの内部且つ前記ヒーターの近傍に、前記定着ベルトが前記ヒーターに近づき過ぎることを抑制するベルト位置規制部材を設けたことがさらに好ましい。
また本発明は上記構成の定着装置を備えた画像形成装置であってもよい。
本発明によれば、定着ベルトが異常に昇温すると、この異常昇温を温度検知手段がより確実に検知してヒーターへの通電を遮断できる定着装置およびそれを備えた画像形成装置を得ることができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の部分垂直断面正面図である。 図1に示す画像形成装置が備える定着装置の側面図である。 第1実施形態の定着装置の断面模式図である。 第1実施形態の定着装置の断面模式図である。 第2実施形態の定着装置の断面模式図である。 第2実施形態の定着装置の断面模式図である。 第3実施形態の定着装置の断面模式図である。 第4実施形態の定着装置の断面模式図である。 第5実施形態の定着装置の断面模式図である。 内部付勢部材の一例を示す斜視図である。 その他の実施形態の定着装置の断面模式図である。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。また、同一構成部材については同一の符号を用い、重複する説明は適宜省略する。
まず、本発明の実施形態に係る画像形成装置について、図1を用いてその構造の概略を説明しつつ、画像出力動作を説明する。図1は画像形成装置の部分垂直断面正面図の一例である。なお、図1の矢印付き二点鎖線は用紙の搬送経路及び搬送方向を示す。また、図1における上下方向、左右方向及び紙面奥行き方向が画像形成装置の上下方向、左右方向及び奥行き方向である。
画像形成装置1は、図1に示すように所謂タンデム型のカラー複写機であり、原稿の画像を読み取る画像読取部2と、読み取った画像を用紙等の転写材に印刷する印刷部3と、印刷条件の入力や稼働状況の表示を行うための操作部4と、主制御部5とを備える。
画像読取部2としてはプラテンガラスの上面に載置された原稿の画像を、不図示のスキャナーを移動して読み取る公知のものである。原稿の画像は赤(R)、緑(G)、青(B)の三色に色分解され、不図示のCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーで電気信号に変換される。これにより、画像読取部2は赤(R)、緑(G)、青(B)の色別の画像データを得る。
画像読取部2が原稿から得た色別の画像データは主制御部5において各種処理が行われ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各再現色の画像データに変換されて主制御部5の不図示のメモリーに格納される。メモリーに格納された再現色別の画像データは位置ずれの補正のための処理を受けた後、像担持体である感光体ドラム21に対する光走査を行うために用紙の搬送と同期して走査ラインごとに読み出される。
印刷部3は電子写真方式によって画像を形成し、その画像を用紙に転写して印刷する。印刷部3は中間転写体を無端状のベルトとして形成した中間転写ベルト11を備える。中間転写ベルト11は駆動ローラ12、従動ローラ13、14に巻き掛けられる。中間転写ベルト11は駆動ローラ12によって図1における反時計回りに回転移動する。
駆動ローラ12は中間転写ベルト11を挟んで対向する二次転写ローラ15に圧して接触する。従動ローラ14の箇所では、中間転写ベルト11を挟んで従動ローラ14に対向するように設けられた中間転写クリーニング部16が中間転写ベルト11の外周面に接触する。中間転写クリーニング部16は中間転写ベルト11の外周面に形成されたトナー像が用紙に転写された後、中間転写ベルト11の外周面に残留したトナーなどの付着物を除去してクリーニングする。
中間転写ベルト11の下方にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各再現色に対応する画像形成部20Y、20M、20C、20Kが設けられる。なおこの説明において、特に限定する必要がある場合を除き、「Y」、「M」、「C」、「K」の識別記号の記載を省略して、例えば「画像形成部20」と総称することがある。4台の画像形成部20は中間転写ベルト11の回転方向に沿って、回転方向の上流側から下流側に向けて一列にして配置される。4台の画像形成部20は構成がすべて同じであり、図1における時計回りに回転する感光体ドラム21を中心としてその周囲に帯電部、露光部、現像部、ドラムクリーニング部及び一次転写ローラを備える。
中間転写ベルト11の上方には、4台の各再現色の画像形成部20に対応するトナーボトル31及びトナーホッパー32が設けられる。現像部及びトナーホッパー32に対しては各々の内部のトナーの残量を検出する不図示の残量検出部が設けられる。また、現像部とトナーホッパー32との間及びトナーホッパー32とトナーボトル31との間には各々不図示のトナーの補給装置が設けられる。残量検出部によって現像部の内部のトナーの残量の低下が検出されると、補給装置がトナーホッパー32から現像部にトナーを補給するように駆動する。さらに、残量検出部によってトナーホッパー32の内部のトナーの残量の低下が検出されると、補給装置がトナーボトル31からトナーホッパー32にトナーを補給するように駆動する。トナーボトル31は装置本体に対して着脱可能に設けられ、適宜新しいものと交換することができる。
画像形成部20の下方には露光部である走査光学装置23が配置される。走査光学装置23は4台の画像形成部20に対して1台で対応し、4個の感光体ドラム21各々に個別に対応した不図示の4つの半導体レーザー等の光源を有する。走査光学装置23は4つの半導体レーザーを各再現色の画像階調データに応じて変調して、各再現色に対応するレーザー光を4個の感光体ドラム21に対して個別に出射する。
走査光学装置23の下方には用紙供給装置91が設けられる。用紙供給装置91はその内部に複数の用紙Pを積載して収容し、用紙束の最上層から順に用紙Pを1枚ずつ用紙搬送路Qに送り出す。用紙積載装置91から用紙搬送路Qに送り出された用紙Pはレジストローラ対94の箇所に到達する。そして、レジストローラ対94が用紙Pの斜め送りを矯正(スキュー補正)しつつ中間転写ベルト11の回転と同期をとって、中間転写ベルト11と二次転写ローラ15との接触部(二次転写ニップ部)に向けて用紙Pを送り出す。
画像形成部20では走査光学装置23から照射されたレーザー光によって感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像部によってトナー像として可視像化される。感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像は感光体ドラム21が中間転写ベルト11を挟んで一次転写ローラと対向する箇所において中間転写ベルト11の外周面に一次転写される。そして、中間転写ベルト11の回転とともに所定のタイミングで各画像形成部20のトナー像が順次中間転写ベルト11に転写されることにより、中間転写ベルト11の外周面にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像(印刷画像)が形成される。
中間転写ベルト11の外周面に一次転写されたカラートナー像はレジストローラ対94により同期をとって送られてきた用紙Pに、中間転写ベルト11と二次転写ローラ15とが接触して形成される二次転写ニップ部にて転写される。
二次転写ニップ部の上方には定着装置40が備えられる。二次転写ニップ部にて未定着トナー像が転写された用紙Pは定着装置40へと送られ、トナー像が加熱、加圧されて用紙Pに定着される。定着装置40を通過した用紙Pは中間転写ベルト11の上方に設けられた用紙排出部96に排出される。
操作部4は画像形成装置1の上部の正面側に設けられる。操作部4はタッチパネルを有する表示部4wを備える。操作部4は、例えばユーザーによる印刷に使用する用紙Pの種類やサイズ、拡大縮小、両面印刷の有無といった印刷条件などの設定の入力や、ファクシミリ送信におけるファックス番号や送信者名などの設定の入力を受け付ける。また、操作部4は、例えば装置の状態や注意事項、エラーメッセージなどを表示部4wに表示することによって、それらをユーザーに対して報知するための報知部としての役割も果たす。
また、画像形成装置1にはその全体の動作制御のため、不図示のCPUや画像処理部、その他の図示しない電子部品で構成された主制御部5が設けられる。主制御部5は中央演算処理装置であるCPUと画像処理部とを利用し、メモリーに記憶、入力されたプログラム、データに基づき画像形成部20や定着装置40等を含む印刷部3、画像読取部2などといった構成要素を制御して一連の画像形成動作、印刷動作を実現する。
続いて、定着装置40の詳細な構成について、図2〜図11を用いて順次説明する。図2は本実施形態に係る定着装置40の基本構成を示す側面図である。
定着装置40は、図2に示すように加圧ローラ41、ガイド部材42、定着ベルト43、加熱部(ヒーター44)及びニップ形成部50を備える。
加圧ローラ41は円筒形状を成し、回転軸線が用紙幅方向、すなわち画像形成装置1の前後方向に沿って延びる。加圧ローラ41は用紙搬送路Qの用紙幅方向の全域よりも長い長さを有する。加圧ローラ41は、表面に例えばフッ素(PFA)で構成された離型層がコーティングされた弾性層などを有する積層構造を成す。
加圧ローラ41は加圧ばね等を用いた加圧機構によって所定の圧力が付与される。加圧機構は加圧ローラ41の軸方向外側で加圧ローラ41の回転軸41aを定着ベルト43に向けて加圧する。加圧ローラ41はその周面が定着ベルト43を介してニップ形成部50を圧して接触して定着ニップ部Nを形成する。定着ニップ部Nでは、例えば加圧ローラ41が径方向内側に窪んだ状態となる。定着装置40は、定着ベルト43を挟んで加圧ローラ41とニップ形成部50とが接触する定着ニップ部Nで用紙Pを加熱及び加圧し、用紙Pに転写された未定着トナー像を用紙Pに溶融定着させる。
加圧ローラ41はその回転軸41aが定着装置40の不図示の筐体部に設けられた軸受により回転可能に支持される。加圧ローラ41は定着モータ(不図示)から動力を得て図2において時計回りに回転する。
定着ベルト43はニップ形成部50に巻き掛けられ無端状に形成される。定着ベルト43は定着ニップ部Nにおいて加圧ローラ41とニップ形成部50との間に挟持される。定着ベルト43は加圧ローラ41に接触して図2において反時計回りに回転し、定着ベルト43は用紙搬送路Qの用紙幅方向の全域よりも長い長さを有する。
定着ベルト43は、円筒部材であり円筒内部から基材層、弾性層、離型層から構成される。基材層は、耐熱性、強度、柔軟性、等から任意に選択する。例えば、Ni、SUS、Al、等の金属やPI、PPS等が望ましい。厚さは材料強度にもよるが、30〜100μm程度である。弾性層は、Siゴム、フッ素ゴム等からなり、厚さは50〜100μm程度で、弾性率は、0.03〜100MPa程度である。離型層は、トナーとの離型性を考慮し、フッ素系樹脂であるPFA、PTFE、等を用いるのが望ましい。厚さも任意だが10〜70μm程度である。
本実施形態に係る定着装置40はフリーベルト構成であって、定着ベルト43の幅方向の両端部にガイド部材42を介装しており、幅方向の中間部はフリーとされる。定着ベルト43は円筒形状を成し、その内部に定着ベルト43を加熱するための加熱部としてヒーター44を収容する。ヒーター44は、ハロゲンヒーターやセラミックヒーターなどを用いることができる。そして、ヒーター44からの輻射熱により円筒状の回転可能な定着ベルト43が直接加熱される構成である。ガイド部材42の定着ベルト43との接触部は定着ベルト43を摺動回転可能に支持する低摩擦部材から成る周面を備えることが好ましい。また、ガイド部材42自体が回転可能に支持される構成であってもよい。
ニップ形成部50は定着ベルト43の内側に加圧ローラ41と対向配置され、定着ベルト43の内面に接触して加圧ローラ41と定着ベルト43との間に定着ニップ部Nを形成する。ニップ形成部50はパッド51、パッド支持部材52を備える。
パッド51は定着ベルト43の、定着ニップ部Nのすぐ内側に配置される。パッド51は用紙幅方向に関して定着ベルト43よりも長く延びる長手状で構成される。パッド51は加圧ローラ41によって定着ベルト43を介して加圧され、定着ニップ部Nにおける定着ベルト43の内面に接触する。パッド51およびパッド支持部材52は、耐熱性のある樹脂や金属などが用いられる。さらに定着ベルト43の内周面と摺動する面には摺動シートを有する。摺動性のある材料を表面に塗布・含侵させた摺動シートをパッド51と定着ベルト43の摺動部分に配置しているが、表面に同様のコート層を設けてもよい。
パッド支持部材52はパッド51を隔てて定着ニップ部Nから離隔した領域に配置される。パッド支持部材52はパッド51の定着ニップ部N側に対する反対側の一面が貼付され、パッド51を支持する。本実施形態のパッド支持部材52は用紙幅方向から見た断面形状が略L字状を成して用紙幅方向に延びる耐熱性のある板金製とされる。パッド支持部材52は用紙幅方向の両端側において定着装置40の筐体部の側板に固定される。
上記したように、本実施形態に係る定着装置40は、円筒状の定着ベルト43内部にヒーター44が配置され、定着ベルト43内周面の一部を加熱する。また、ニップ形成部材(パッド51)とそれを支持するパッド支持部材52もベルト内部に配置され、ベルト外周に配置した加圧部材(加圧ローラ41)とともに定着ニップ部Nを形成し、紙上に形成されたトナー画像を定着する。定着ベルト43の外周部には温度検知部材としてサーモスタット70を所定の距離を置いて配置されている。また、サーモスタット70はヒーター44への通電を遮断する機能を有する。
すなわち、本実施形態に係る定着装置40は、定着ベルト43の外周に配置され、当該ベルトの異常昇温を検知すると加熱部(ヒーター44)への通電を遮断する温度検知部材(サーモスタット70)を有する。また、定着ベルト43の異常昇温時に定着ベルト43を付勢して、温度検知部材に近づける付勢部材を有するベルト付勢手段60を設けた構成としている。
ベルト付勢手段60は、付勢部材として、例えば、定着ベルト43の内周部に当接して付勢する円弧状当接部61a(図3参照)を備えた付勢部材(内部付勢部材61)を有し、さらに、内部付勢部材61を定着ベルト43と非接触状態に吸着保持する感温性材料の磁石または磁性材料から成る保持部材62を有して構成される。また、内部付勢部材61を定着ベルト43の外側から磁力で吸引する感温性材料の磁石または磁性材料から成る吸引部材63を設けた構成であってもよい。
いずれにしても定着ベルト43の異常昇温時には、保持部材62から付勢部材(内部付勢部材61)が外れて定着ベルト43の内周部に円弧状当接部61aが当接して付勢する構成であればよい。そのために、付勢部材(内部付勢部材61)を蝶番構成の回動落下型として自重で定着ベルト43を撓ませる構成でもよく、弾性変形して定着ベルト43を付勢する板バネ構成でもよく、加熱されると所定の方向に変形するバイメタルや形状記憶合金等を用いた構成でもよい。
また、ベルトの位置変動を考慮し、通常は定着ベルト43とサーモスタット70の検知面の距離を数mm(例えば、3mm)程度離して配置している。また、付勢部材によるベルトの付勢時に定着ベルトがサーモスタット方向へ動く量を3mmに調整し、付勢時に定着ベルト43とサーモスタット検知面が接触するように配置している。
〈第1実施形態〉
次に、図3、図4を用いて第1実施形態のベルト付勢手段60について説明する。図3、図4は、第1実施形態の定着装置の断面模式図である。また、便宜上、加圧ローラ41の上方に定着ベルト43を配置した姿勢を図示しているが、この配置は図2のように水平型であってもよく、斜めでもよく、特には限定されない。
本実施形態のベルト付勢手段60は、定着ベルト43の内部に配置される内部付勢部材61と保持部材62を有する。図3は、内部付勢部材61が定着ベルト43を付勢して変形させている作用状態を示し、図4は、内部付勢部材61が保持部材62により定着ベルト43の内部に保持されている待機状態を示す。
すなわち、本実施形態に係るベルト付勢手段60は、付勢部材として、定着ベルト43の内部に配置され、定着ベルト43の異常昇温時に定着ベルト43の内周面に当接して定着ベルト43を変形させるように付勢する内部付勢部材61を有することを特徴とする。この構成であれば、内部付勢部材61を介して定着ベルト43を内側から外側に向けて付勢することで、定着ベルト43を温度検知部材に近づく方向に容易に変形させることが可能になる。また、フリーベルト構成の定着装置であれば定着ベルト43は弱い付勢力でも大きく変形できるので、さらに容易に温度検知部材に近寄せられ、かつ熱源に近いベルト内部に配置した方が、熱変形の応答性が良く最も効率の良い構成となる。
保持部材62は、パッド支持部材52のパッド51を保持していない断面L型の長辺部に取り付けられた感温性の磁石から成り、内部付勢部材61は、この感温性の磁石から成る保持部材62に磁着する鉄材から成る。
また、内部付勢部材61は、例えばバネ性を有する付勢部材(例えば、板バネ)であり、保持部材62から離れると定着ベルト43の内周面に当接する方向に弾性変位可能とされている。そのために、保持部材62が高い磁力を維持している場合には、内部付勢部材61が有するバネ力に抗して内部付勢部材61を磁着保持できるが、保持部材62の磁力がなくなったり弱くなったりすると、内部付勢部材61が有するバネ力が相対的に強くなって、保持部材62から離れて内部付勢部材61の円弧状当接部61aが定着ベルト43の内周面に当接する。
本実施例では感温性の磁石材料としてキュリー温度が約300℃のネオジウム磁石を用いている。また、パッド支持部材52のヒーター44の反対側に装着しており、ヒーター44の熱により定着ベルト43よりも先に加熱される構成とされている。
定着装置40の通常使用時のベルト温度は150℃〜180℃であるので、この状態では、キュリー温度が約300℃のネオジウム磁石から成る保持部材62の磁力は維持される。また、内部付勢部材61は鉄材から成るので、キュリー温度は約770℃であり、透磁率は低下しない。
従って、定着装置40の通常運転時には、磁石の磁力により内部付勢部材61が引き寄せられ、定着ベルト43に内部付勢部材61は付勢されない(図3)。定着ベルト43内部が磁石のキュリー温度(約300℃)を超えると磁力が消失し、内部付勢部材61が自重および弾性で定着ベルト43に付勢され、サーモスタット70と定着ベルト43の距離が近接あるいは接触し、定着ベルト43の異常昇温を検知するサーモスタット70の動作で通電が遮断される。
必ずしも磁石の磁力が消失する必要はなく、内部付勢部材61側の透磁率が下がる事でも定着ベルト43を付勢させることができる。その場合は、内部付勢部材61の材質として所望の温度で透磁率が変化する磁性材料を用いることが好ましい。また、磁石と引きあう部分のみ磁性材料を使い、それ以外の部分を非磁性部材で構成してもよい。
また磁力の替わりにバイメタルや形状記憶合金などの感温性部材を用いることでも同様の効果が得られるが、バイメタルが温度と変位量が線形(一次に比例)なのに対して、磁石は温度と磁力もしくは透磁率の関係が非線形のため、狙いの温度で急激に近づく構成が可能になるため磁力のほうが望ましい。
定着に必要な定着ベルト43の設定温度はおおむね200℃以下であるが、小サイズ通紙時や連続通紙時の紙詰まり停止時など250℃程度までは温度が上がる。すなわち、定着ベルト43の通常加熱温度は250℃程度まで上がるため、感温性材料による付勢手段の動作温度としては250℃以上であり、発煙・発火を防止するためには300℃程度が望ましい。
〈第2実施形態〉
付勢部材を外部に配置する事でも定着ベルト43をサーモスタット70へ近づけることができるので、この実施形態を第2実施形態として、図5、図6を用いて説明する。
図5は、第2実施形態の定着装置の断面模式図であって、付勢部材としての外部付勢部材64(64A、64B)が熱変形して定着ベルト43を付勢して変形させている作用状態を示し、図6は、外部付勢部材64(64A、64B)が変形せずに定着ベルト43に干渉しない位置に保持されている待機状態を示す。
本実施形態に係る外部付勢部材64(64A、64B)は、例えばバイメタルで構成されている。バイメタルは温度に対し徐々に形状が変位していくため、加熱前には定着ベルト43と非接触状態となる定着ベルト43の外側に設置した。また、サーモスタット70方向へ定着ベルト43を変位させるために、パッド51とサーモスタット70の間の2箇所に、定着ベルト43が異常昇温すると変位して定着ベルト43の外周面を付勢するバイメタルから成る外部付勢手段64を配置した。
すなわち、本実施形態は、付勢部材として、定着ベルト43を温度検知部材に対向する部位から両側に離れた2部を挟持するように定着ベルト43の外周部の少なくとも2箇所に配置され、定着ベルト43の異常昇温時に変形する熱変形部材から成る外部付勢部材64(64A、64B)を有し、この熱変形部材の変形を介して、定着ベルト43の異常昇温時に定着ベルト43を温度検知手段の方向に近づかせるように付勢することを特徴としている。この構成であれば、定着ベルト43の異常昇温時には、定着ベルト43の外周部の2箇所から定着ベルト43を付勢して、定着ベルト43を温度検知手段の方向に近づかせることができる。
上記したように本実施形態によれば、定着(通紙)時の温度(150℃〜160℃)で定着ベルト43と非接触状態で、異常昇温して中央部の温度が300℃を超えると外部付勢部材64(64A、64B)が変形して、定着ベルト43とサーモスタット70の検知面が接触するところまで定着ベルト43が押し込まれ、定着ベルト43の異常昇温を検知するサーモスタット70の動作で通電が遮断される。
また、第1実施形態で説明した内部付勢部材61と第2実施形態で説明した外部付勢手段64を共に備えた構成のベルト付勢手段60であってもよい。この場合には、定着ベルト43の温度検知部材に対向する部位の内側から内部付勢部材61を介して定着ベルト43を温度検知部材に近づく方向に変形させ、同時に、定着ベルト43の温度検知部材に対向する部位を挟持する両側の外側から外部付勢部材64(64A、64B)を介して定着ベルト43を温度検知部材に近づく方向に変形させることができる。
〈第3実施形態〉
第1実施形態の構成に加えて、内部付勢部材61を定着ベルト43の外側から吸引保持する吸引部材を備えた構成を図7を用いて第3実施形態として説明する。図7は、第3実施形態の定着装置の断面模式図である。
図7に示すように本実施形態は、付勢部材として、定着ベルト43の内周部に当接して付勢する円弧状当接部61aを備えた鉄材から成る内部付勢部材61を有し、さらに、該内部付勢部材61を定着ベルト43と非接触状態に吸着保持する感温性材料の磁石から成る保持部材62と、内部付勢部材61を定着ベルト43の外側から磁力で吸引する感温性材料の磁石から成る吸引部材63とを有する構成とされる。そして、定着ベルト43の異常昇温時には、保持部材62の磁力が小さくなり、吸引部材63の磁力は小さくならずに内部付勢部材61を吸引する磁力を発揮して、内部付勢部材61の円弧状当接部が定着ベルト43の内周部に当接して付勢することを特徴としている。
本実施形態の内部付勢部材61は自重で定着ベルト43を付勢する回動落下型でも板バネ型でもよい。いずれに場合でも、定着ベルト43の異常昇温時に保持部材62による保持力が小さくなって内部付勢部材61の保持を解除することに加えて、吸引部材63による内部付勢部材61を吸引する作用により、さらに確実に安定して温度検知部材(サーモスタット70)に近づけることが可能になる。
また、吸引部材63の設置位置は、内部付勢部材61による付勢時に定着ベルト43がサーモスタット検知面に接触可能な部位に設けることが好ましい。
この場合の磁石の磁力関係としては、
保持部材62の磁力>吸引部材63の磁力
として、通常動作時はベルトが付勢されない状態となるようにしている。また、内側の保持部材62の感温性材料の磁石のキュリー温度300℃に対して、外側の吸引部材63の感温性材料の磁石のキュリー温度はこれよりも高い約450℃になるようにしている。
そこで、内側の保持部材62はネオジウム磁石を用いているが、外側の吸引部材63はフェライト磁石(キュリー温度450℃)を用いている。内部付勢部材61は、前述したようにキュリー温度約770℃の鉄材で構成している。また、磁力は磁石の大きさで調整してもかまわない。
上記したように、付勢部材として鉄材から成る内部付勢部材61を採用し、内側の保持部材62と外側の吸引部材63として感温性材料の磁石を採用した場合は、それらのキュリー温度の関係としては、
保持部材62の磁石<吸引部材63の磁石≦内部付勢部材
である必要があり、異常昇温時に内部付勢部材61が吸引部材63の磁石に引き寄せられるための条件となる。
通常の通紙時は、保持部材62の磁力>吸引部材63の磁力、の関係があるため、パッド支持部材52に配置された保持部材62の磁石が磁力により内部付勢部材61を保持部材62側に引き寄せており定着ベルト43とは非接触状態にある。定着ベルト43の内部の温度が300℃以上に上がり、保持部材62の磁石のキュリー温度を越えると磁石は磁力を失う。この時、定着ベルト43の外側の吸引部材63の磁石の温度はキュリー温度(450℃)に達しておらず、また鉄材のキュリー温度は動作温度より非常に高い(770℃)ため、外側の吸引部材63の磁石も内部付勢部材61も磁気的な性質は保持したままであり、内部付勢部材61は外側の吸引部材63の磁石側へ引き寄せられ定着ベルト43を付勢する。
〈第4実施形態〉
感温性部材の温度に対する感度をより高めるために、付勢手段の一部に集熱部を配置することでより効果を得られる。そこで、銅やアルミニウム等の熱伝導性の良好な材料から構成される集熱部を設けた実施形態を第4実施形態として図8を用いて説明する。
図8は、第4実施形態の定着装置の断面模式図である。パッド支持部材52のサーモスタット70に対向する面に熱伝導性の良好なアルミニウム材料から成る集熱部を設け、形状記憶合金部材から成る付勢部材を備えた内部付勢部材61Aを設けている。集熱部は内部付勢部材61Aの本体部61Abに一体に構成されることが好ましい。
すなわち、本実施形態に係るベルト付勢手段60は、付勢部材として、定着ベルト43の内周部に当接して付勢する円弧状当接部61Aaと集熱部を設けた本体部61Abを備えた形状記憶合金部材から成る内部付勢部材61Aを有し、定着ベルト43の異常昇温時には、形状記憶合金部材から成る内部付勢部材61Aが熱変形して、円弧状当接部61Aaが定着ベルト43の内周部に当接して付勢することを特徴とする。この構成であれば、円弧状当接部61Aaを備えた形状記憶合金部材から成る付勢部材(内部付勢部材61A)を用いても、定着ベルト43の異常昇温時に定着ベルト43を温度検知部材(サーモスタット70)に近づく方向に容易に変形させることができる。
図8に示す本実施形態は、感温性部材に形状記憶合金部材を用いた場合に、形状記憶合金部材の一部に集熱部(本体部61Ab)を設け、パッド支持部材52との接触面積を増加させいる。従って、ヒーター44の熱がベルトに直接当たる部分ではなく、パッド支持部材52の裏側であるので定着ベルト43の加熱を遮ることなく、かつパッド支持部材52はヒーター44に直接加熱されているため高温であるため形状記憶合金の温度を効果的に上げることができる。
〈第5実施形態〉
また、第1実施形態、第3実施形態で説明した内側の保持部材62の磁石を集熱部として用いた構成を第5実施形態として図9を用いて説明する。
図9は、第5実施形態の定着装置の断面模式図であって、保持部材62の磁石をヒーター44に直接加熱される部位に設けた構成を示す。
図9に示すように、感温性部材の磁石の保持部材62の一部をヒーター44からの光や熱が直接当たる部位に配置し、磁石の一面を集熱部として用いた例である。この構成であれば、定着ベルト43の回転が停止している場合、ヒーター44が点灯したままの状態で異常昇温を検知するには輻射熱で直接加熱される方が磁石の温度が早くあがるため動作時間を短くすることができる。
〈その他の実施形態〉
次に、図10を用いてその他の実施形態について説明する。図10は、内部付勢部材の一例を示す斜視図である。
図10に示すように、内部付勢部材61(61A)は定着ベルト43の両端部(ガイド部材42に干渉しない内側)のみを付勢することが好ましい。この構成であれば、付勢部材(内部付勢部材61、61A)を定着ベルト43の端部のみに設けることで画像領域の熱容量を削減することができ、ウォームアップ時間に影響を与えないように構成することが可能になる。
例えば、バイメタルから成る内部付勢部材61Aを設けた場合には、定着ベルト43内部に付勢部材を配置する構成となり、熱容量が大きくなるため昇温時間が長くなる。また外部にバイメタルから成る外部付勢部材64を配置した場合も、接触状態では定着ベルト43の昇温を妨げることになるため、付勢部材を最小限の熱容量にする必要がある。
端部の付勢部材(円弧状当接部61Aa)は通紙領域の外側に配置され、本実施例では最大通紙幅をA3サイズ(297mm)としているため、付勢部の間隔を300mmとし、通紙外の領域に10mm幅で付勢部材を形成した。また、付勢部材は一体で形成されており、集熱部(本体部61Ab)を介してパッド支持部材52に固定されている。そのため、熱伝導により両端部の円弧状当接部61Aaは同じ温度になるため、両端部に配置されていても同時に変形して付勢動作を同時に行うことができる。両端部の付勢部材(円弧状当接部61Aa)は別部材で構成されていてもよいがその場合には付勢動作が同時になるよう保持部材など同じ温度になる部材に固定することが望ましい。
付勢部材(円弧状当接部61Aa)の位置をベルト端部(非通紙領域)に配置することで通紙領域の熱容量を減らすことができるため、ウォームアップ時間の短縮と、サーモスタット70の感度向上の両立を図ることができる。
また、その他の実施形態の断面模式図である図11に示すように、定着ベルト43の内部且つヒーター44の近傍に、定着ベルト43がヒーター44に近づき過ぎることを抑制するベルト位置規制部材71を設けることが好ましい。この構成であれば、内部付勢部材61、61Aや外部付勢部材64を介して定着ベルト43を温度検知部材に近づく方向に変形させても、ベルト位置規制部材71を介して定着ベルト43がヒーター44に近づき過ぎることを抑制して、定着ベルト43が発煙・発火してしまうのを防ぐことができる。
定着ベルト43をサーモスタット70側へ近づけると、付勢部材で付勢されていない反対側のベルトが内側に向かうように変形してベルト内側の部材へ近づくことになる。また、定着ベルト43を付勢部材が完全に付勢していない過渡状態ではベルトの位置が不安定になる。本実施形態では、付勢される側とは反対側のパッド51と内部付勢部材61、61Aの間のベルトがヒーター44側へ近づくことになり、ヒーター44の通電を遮断する前に定着ベルト43が高温になってしまう。
そこで、付勢される側とは反対側のベルト内部のパッド51と内部付勢部材61、61Aとの間の、ヒーター44近傍に定着ベルト43の変形位置を規制する位置規制部材71を配置する事で、付勢部材(内部付勢部材61、61A)が定着ベルト43を付勢した状態では定着ベルト43が周方向3か所で規制されるため定着ベルト43の走行位置が安定し、過渡状態ではベルト位置がヒーター44に近づき過ぎず、かつ定着ベルト43の位置が安定する。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。例えば、内部付勢部材61と保持部材62とを有するベルト付勢手段60を断面L字状のパッド支持部材52に取り付ける構成として説明したが、パッド支持部材52とは別に設ける支持部材を介装してもよい。また、内部付勢部材61が円弧状当接部を有するとして説明したが、面取りした面や波面などの滑らかな面であればよい。さらに、内部付勢部材61を鉄材とし、保持部材62及び吸引部材63を磁石としたが、磁石と磁性材料の組み合わせが違っていても、内部付勢部材を磁力によって吸引・付勢できるのであれば構わない。
上記したように本発明は、加圧ローラ41と、前記加圧ローラ41に接触して回転する無端状の定着ベルト43と、定着ベルト43を加熱する加熱部(ヒーター44)と、定着ベルト43の内側に加圧ローラ41と対向配置されて定着ベルト43の内面に接触するパッド51と該パッド51を支持するパッド支持部材52とを有して加圧ローラ41と定着ベルト43との間に定着ニップ部Nを形成するニップ形成部50と、定着ベルト43の外周に配置され、定着ベルト43の異常昇温を検知すると加熱部への通電を遮断する温度検知部材(サーモスタット70)を有する定着装置40であって、定着ベルト43の異常昇温時に、定着ベルト43を付勢し変形させて温度検知部材に近づける付勢部材を有するベルト付勢手段60を設けたことを特徴にしている。
上記の構成によると、定着ベルト43が異常に昇温した際にはベルト付勢手段60を介して定着ベルト43を温度検知部材側へ近づける事で、温度検知部材をベルト側に近づける場合に比べ、定着ベルト43の軌道が安定するため、定着ベルト43と温度検知部材との距離を安定して近づけることができる。従って、定着ベルト43が異常に昇温すると、この異常昇温を温度検知手段がより確実に検知してヒーター44への通電を遮断できる定着装置40を得ることができる。
また本発明は上記構成の定着装置40において、前記ベルト付勢手段60は、付勢部材として、定着ベルト43の内部に配置され、定着ベルト43の異常昇温時に定着ベルト43の内周面に当接して定着ベルト43を変形させるように付勢する内部付勢部材61を有することを特徴とする。この構成によると、内部付勢部材61を介して定着ベルト43を内側から外側に向けて付勢することで、定着ベルト43を温度検知部材に近づく方向に容易に変形させることが可能になる。また、フリーベルト構成の定着装置であれば定着ベルト43は弱い付勢力でも大きく変形できるので、さらに容易に温度検知部材に近寄せられ、かつ熱源に近いベルト内部に配置した方が、熱変形の応答性が良く最も効率の良い構成となる。
また本発明は上記構成の定着装置40において、前記ベルト付勢手段60は、付勢部材として、定着ベルト43の外周部に配置され、定着ベルト43の異常昇温時に定着ベルト43の外周面に当接して定着ベルト43を変形させるように付勢する外部付勢部材64を有することを特徴とする。この構成によると、定着ベルト43の異常昇温時には外部付勢部材64を介して定着ベルト43を温度検知部材に近づけることができる。また、ベルト付勢手段60を定着ベルト43の外部に配置する構成となるので、定着ベルト43の径をより小さくできて定着装置の熱容量を下げることができる。
また本発明は上記構成の定着装置40において、前記ベルト付勢手段60は、付勢部材として、定着ベルト43の内周部に当接して付勢する円弧状当接部61aを備えた内部付勢部材61を有し、さらに、内部付勢部材61を定着ベルト43と非接触状態に吸着保持する感温性材料の磁石または磁性材料から成る保持部材62を有し、定着ベルト43の異常昇温時には、保持部材62の磁力が小さくなって内部付勢部材61の保持を解除し、円弧状当接部61aが定着ベルト43の内周部に当接して付勢することを特徴とする。この構成によると、円弧状当接部61aを備えた内部付勢部材61を吸着保持する保持部材62を感温性材料の磁石または磁性材料から成るようにしたので、定着ベルト43の異常昇温時に内部付勢部材61の保持を解除するだけで、定着ベルト43を温度検知部材に近づけるように変形させることができる。
また本発明は上記構成の定着装置40において、前記ベルト付勢手段60は、付勢部材として、定着ベルト43の内周部に当接して付勢する円弧状当接部61aを備えた内部付勢部材61を有し、さらに、該内部付勢部材61を定着ベルト43と非接触状態に吸着保持する感温性材料の磁石または磁性材料から成る保持部材62と、内部付勢部材61を定着ベルト43の外側から磁力で吸引する感温性材料の磁石または磁性材料から成る吸引部材63とを有し、定着ベルト43の異常昇温時には、保持部材62の磁力が小さくなり、吸引部材63の磁力は小さくならずに内部付勢部材61を吸引する磁力を発揮して、円弧状当接部61aが定着ベルト43の内周部に当接して付勢することを特徴とする。この構成によると、定着ベルト43の異常昇温時に保持部材62による内部付勢部材61の保持を解除することに加えて、吸引部材63による内部付勢部材61の吸引作用により、さらに確実に温度検知部材に近づけることが可能になる。
また本発明は上記構成の定着装置40において、前記ベルト付勢手段60は、付勢部材として、定着ベルト43の内周部に当接して付勢する円弧状当接部61Aaと集熱部となる本体部61Abを備えた形状記憶合金部材からなる内部付勢部材61Aを有し、定着ベルト43の異常昇温時には、形状記憶合金部材が熱変形して、円弧状当接部61Aaが定着ベルト43の内周部に当接して付勢することを特徴とする。この構成によると、円弧状当接部61Aaを備えた形状記憶合金部材から成る内部付勢部材61Aを備えたベルト付勢手段60を用いても、定着ベルト43の異常昇温時に定着ベルト43を温度検知部材に近づく方向に容易に変形させることができる。
また本発明は上記構成の定着装置40において、前記ベルト付勢手段60は、付勢部材として、定着ベルト43を温度検知部材に対向する部位から両側に離れた2部を挟持するように定着ベルト43の外周部の少なくとも2箇所に配置され、定着ベルト43の異常昇温時に変形する熱変形部材から成る外部付勢部材64を有し、熱変形部材の変形を介して、定着ベルト43の異常昇温時に定着ベルト43を温度検知手段の方向に近づかせるように付勢することを特徴とする。この構成によると、定着ベルト43の異常昇温時には、定着ベルト43の外周部の2箇所から定着ベルト43を付勢して、定着ベルト43を温度検知手段の方向に近づかせることができる。
また本発明は上記構成の定着装置40において、集熱部となる前記本体部61Abは定着ベルト43の内部に配置したパッド支持部材52に設置されていることを特徴とする。この構成によると、パッド51を支持するパッド支持部材52を介して形状記憶合金部材から成るベルト付勢手段60を簡単に取付けることが可能になる。また、集熱部と作動部を自由に配置でき、例えば、高温になりやすい中央部に集熱部を設けることができる。
また本発明は上記構成の定着装置40において、前記保持部材62に用いられる磁石もしくは磁性体のキュリー温度は、定着ベルト43の通常加熱温度よりも高いことを特徴とする。この構成によると、定着装置40が通常操作中には保持部材62の磁力は維持され、通常の加熱温度を超えた定着ベルト43の異常昇温時には、保持部材の磁力が小さくなって、内部付勢部材61を定着ベルト43に押し付けることができる。
また本発明は上記構成の定着装置40において、前記ベルト付勢手段60は定着ベルト43の両端部のみを付勢することを特徴とする。この構成によると、付勢部材を定着ベルト43の端部のみに設けることで画像領域の熱容量を削減することができ、ウォームアップ時間に影響を与えないように構成することが可能になる。
また本発明は上記構成の定着装置40において、定着ベルト43の内部且つ加熱部(ヒーター44)の近傍に、定着ベルト43が加熱部に近づき過ぎることを抑制するベルト位置規制部材71を設けたことを特徴とする。この構成によると、ベルト付勢手段60により定着ベルト43を変形させる際に、ベルト位置規制部材71を介して定着ベルト43がヒーター44に近接することを抑制して、定着ベルト43が発煙・発火してしまうのを防ぐことができる。
すなわち、本発明によれば、定着ベルト43が異常に昇温すると、この異常昇温を温度検知手段がより確実に検知してヒーター44への通電を遮断できる定着装置40を実現することが可能になる。
また、本実施形態に係る定着装置40を備えた画像形成装置1であれば、定着ベルト43の異常昇温をより確実に検知できるので、省エネのための定着装置の低熱容量化により定着部材(定着ベルト)の昇温速度が速くなる場合であっても、定着ベルト43が発煙・発火する前にヒーター44への通電を遮断できる。
上記したように、本発明によれば、定着ベルトが異常に昇温すると、この異常昇温を温度検知手段がより確実に検知してヒーターへの通電を遮断できる定着装置およびそれを備えた画像形成装置を得ることができる。
そのために、本発明に係る定着装置は、定着ベルトの異常昇温を早期に検知することが求められる省エネタイプの画像形成装置などに好適に適用することができる。
1 画像形成装置
40 定着装置
41 加圧ローラ
43 定着ベルト
44 ヒーター(加熱部)
50 ニップ形成部
51 パッド
52 パッド支持部材
60 ベルト付勢手段
61 内部付勢部材
61A 内部付勢部材(形状記憶合金部材)
61a、61Aa 円弧状当接部
62 保持部材
63 吸引部材
64、64A、64B 外部付勢部材(形状記憶合金部材)
70 サーモスタット(温度検知部材)
71 ベルト位置規制部材
N 定着ニップ部
P 用紙

Claims (9)

  1. 加圧ローラと、前記加圧ローラに接触して回転する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱する加熱部と、前記定着ベルトの内側に前記加圧ローラと対向配置されて前記定着ベルトの内面に接触するパッドと該パッドを支持するパッド支持部材とを有して前記加圧ローラと前記定着ベルトとの間に定着ニップ部を形成するニップ形成部と、前記定着ベルトの外周に配置され、当該定着ベルトの異常昇温を検知すると前記加熱部への通電を遮断する温度検知部材を有する定着装置であって、
    前記定着ベルトの異常昇温時に前記定着ベルトを付勢し変形させて温度検知部材に近づける付勢部材を有するベルト付勢手段を設け
    前記ベルト付勢手段は、前記付勢部材として、前記定着ベルトの外周部に配置され、前記定着ベルトの異常昇温時に前記定着ベルトの外周面に当接して前記定着ベルトを変形させるように付勢する外部付勢部材を有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記ベルト付勢手段は、前記付勢部材として、前記定着ベルトの内部に配置され、前記定着ベルトの異常昇温時に前記定着ベルトの内周面に当接して前記定着ベルトを変形させるように付勢する内部付勢部材を有することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 加圧ローラと、前記加圧ローラに接触して回転する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱する加熱部と、前記定着ベルトの内側に前記加圧ローラと対向配置されて前記定着ベルトの内面に接触するパッドと該パッドを支持するパッド支持部材とを有して前記加圧ローラと前記定着ベルトとの間に定着ニップ部を形成するニップ形成部と、前記定着ベルトの外周に配置され、当該定着ベルトの異常昇温を検知すると前記加熱部への通電を遮断する温度検知部材を有する定着装置であって、
    前記定着ベルトの異常昇温時に前記定着ベルトを付勢し変形させて温度検知部材に近づける付勢部材を有するベルト付勢手段を設け、
    前記ベルト付勢手段は、前記付勢部材として、前記定着ベルトの内周部に当接して付勢する円弧状当接部を備えた内部付勢部材を有し、さらに、前記内部付勢部材を前記定着ベルトと非接触状態に吸着保持する感温性材料の磁石または磁性材料から成る保持部材を有し、前記定着ベルトの異常昇温時には、前記保持部材の磁力が小さくなって前記付勢部材の保持を解除し、前記円弧状当接部が前記定着ベルトの内周部に当接して付勢することを特徴とする定着装置。
  4. 加圧ローラと、前記加圧ローラに接触して回転する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱する加熱部と、前記定着ベルトの内側に前記加圧ローラと対向配置されて前記定着ベルトの内面に接触するパッドと該パッドを支持するパッド支持部材とを有して前記加圧ローラと前記定着ベルトとの間に定着ニップ部を形成するニップ形成部と、前記定着ベルトの外周に配置され、当該定着ベルトの異常昇温を検知すると前記加熱部への通電を遮断する温度検知部材を有する定着装置であって、
    前記定着ベルトの異常昇温時に前記定着ベルトを付勢し変形させて温度検知部材に近づける付勢部材を有するベルト付勢手段を設け、
    前記ベルト付勢手段は、前記付勢部材として、前記定着ベルトの内周部に当接して付勢する円弧状当接部を備えた内部付勢部材を有し、さらに、前記内部付勢部材を前記定着ベルトと非接触状態に吸着保持する感温性材料の磁石または磁性材料から成る保持部材と、前記内部付勢部材を前記定着ベルトの外側から磁力で吸引する感温性材料の磁石または磁性材料から成る吸引部材とを有し、前記定着ベルトの異常昇温時には、前記保持部材の磁力が小さくなり、前記吸引部材の磁力は小さくならずに前記内部付勢部材を吸引する磁力を発揮して、前記円弧状当接部が前記定着ベルトの内周部に当接して付勢することを特徴とする定着装置。
  5. 加圧ローラと、前記加圧ローラに接触して回転する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱する加熱部と、前記定着ベルトの内側に前記加圧ローラと対向配置されて前記定着ベルトの内面に接触するパッドと該パッドを支持するパッド支持部材とを有して前記加圧ローラと前記定着ベルトとの間に定着ニップ部を形成するニップ形成部と、前記定着ベルトの外周に配置され、当該定着ベルトの異常昇温を検知すると前記加熱部への通電を遮断する温度検知部材を有する定着装置であって、
    前記定着ベルトの異常昇温時に前記定着ベルトを付勢し変形させて温度検知部材に近づける付勢部材を有するベルト付勢手段を設け、
    前記ベルト付勢手段は、前記付勢部材として、前記定着ベルトを前記温度検知部材に対向する部位から両側に離れた2部を挟持するように前記定着ベルトの外周部の少なくとも2箇所に配置され、前記定着ベルトの異常昇温時に変形する熱変形部材から成る外部付勢部材を有し、前記熱変形部材の変形を介して、前記定着ベルトの異常昇温時に前記定着ベルトを温度検知手段の方向に近づかせるように付勢することを特徴とする定着装置。
  6. 前記保持部材に用いられる磁石もしくは磁性体のキュリー温度は、前記定着ベルトの通常加熱温度よりも高いことを特徴とする請求項またはに記載の定着装置。
  7. 加圧ローラと、前記加圧ローラに接触して回転する無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトを加熱する加熱部と、前記定着ベルトの内側に前記加圧ローラと対向配置されて前記定着ベルトの内面に接触するパッドと該パッドを支持するパッド支持部材とを有して前記加圧ローラと前記定着ベルトとの間に定着ニップ部を形成するニップ形成部と、前記定着ベルトの外周に配置され、当該定着ベルトの異常昇温を検知すると前記加熱部への通電を遮断する温度検知部材を有する定着装置であって、
    前記定着ベルトの異常昇温時に前記定着ベルトを付勢し変形させて温度検知部材に近づける付勢部材を有するベルト付勢手段を設け、
    前記ベルト付勢手段は前記定着ベルトの両端部のみを付勢することを特徴とする定着装置。
  8. 前記定着ベルトの内部且つ前記加熱部の近傍に、前記定着ベルトが前記加熱部に近づき過ぎることを抑制するベルト位置規制部材を設けたことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の定着装置。
  9. 請求項1からのいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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