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JP6836403B2 - サプライチェーン検索システムおよびサプライチェーン検索プログラム - Google Patents
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JP6836403B2 - サプライチェーン検索システムおよびサプライチェーン検索プログラム - Google Patents

サプライチェーン検索システムおよびサプライチェーン検索プログラム Download PDF

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Description

本発明は、物品の一連の製造工程を示すサプライチェーンを検索するサプライチェーン検索システムおよびそのプログラムに関する。
特許文献1には、新規に受注された製品の仕様に応じて、自動的に製品製造の工程フローを作成する工程設計装置が開示されている。この装置は、第1および第2のデータベースを備えている。第1のデータベースには、製品に付されている製品分類コード毎に、製品を製造する工程フローが記憶されている。この製品分類コードは、製品仕様に基づいてグルーピングされており、製品仕様の少なくとも加工要素により複数層に分割された階層構造を有している。また、第2のデータベースには、製品に対する標準の工程フローが記憶されている。製品の新規受注時には、この受注品に付されている製品分類コードを検索キーに第1のデータベースが検索され、受注品に類似する製品の工程フローが抽出される。そして、この抽出された工程フローを修正して、受注品の工程フローが作成される。一方、受注品に類似する製品が存在しない場合には、第2のデータベースが検索され、受注品に類似する標準工程フローが抽出される。そして、この標準工程フローを編集することによって、受注品の工程フローが作成される。
また、特許文献2には、検索対象となる部品(検索元部品)と類似した既存製品の部品に関する作業指示情報を再利用して、製作、組立、溶接といった工程フローを生成する作業指示生成システムが開示されている。このシステムは、既存の部品の形状や物理的な特徴量、および、その部品の工程フローを記憶したデータベースを備えている。処理の流れとしては、まず、検索元部品の形状や物理的な特徴量がCADから取得される。つぎに、データベースを参照して、検索元部品と形状や物理的な特徴量が近似する類似部品、および、その既存の工程を抽出することによって、製品モデルの製造工程フローが生成される。この特徴量は、複数の要素の多次元の特徴量ベクトルで表され、部品の質量、体積、表面積、慣性主軸モーメント、および、材質の少なくともいずれかを含む。
特開2003−263216号公報 特開2011−158932号公報
ところで、近年、3Dプリンタ等の技術進歩に伴い、所望の形状等を有する物品の製造を希望する個人等からの依頼を受けて、製造設備を保有する製造者が物品の製造を代行するアウトソーシングサービスが普及しつつある。製造を依頼する側にとっての関心事は、要求スペックを満たす物品を自己が希望する条件で製造してくれる製造者を探し当てることだが、それ以前の問題として、その物品をどのように製造すればよいのか、あるいは、どのような加工業者に依頼すればよいのか分からないことも多い。依頼側である個人等が様々な製造技術を熟知しているとは限らず、サプライチェーン、すなわち、物品の製造を行う一連の製造工程も多様化・複雑化していることに加えて、個々の製品の仕様によっては加工上の制約も存在し得るからである。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、所望の形状等を有する物品の製造に適したサプライチェーンを高い信頼性で柔軟に検索することである。
かかる課題を解決すべく、第1の発明は、特徴抽出部と、製造実績データベースと、学習器と、検索処理部とを有し、物品の一連の製造工程を示すサプライチェーンを検索するサプライチェーン検索システムを提供する。特徴抽出部は、検索対象となる物品の形状を表すモデルデータを含む仕様データに基づいて、この検索対象となる物品の形状を少なくとも特徴化した特徴ベクトルを算出する。製造実績データベースは、過去に製造された物品である実績品の特徴ベクトルと、この実績品で採用されたサプライチェーンとが対応付けられた実績レコードを実績品毎に記憶する。学習器は、製造実績データベースに記憶された実績品の特徴ベクトルの入力に対して、この実績品のサプライチェーンが出力されるように、自己が有する関数の内部パラメータが調整されている。検索処理部は、検索対象となる物品の特徴ベクトルを学習器に入力するとともに、学習器より出力されたサプライチェーンに基づき、製造実績データベースを検索することによって、検索対象となる物品の製造に適したサプライチェーンの候補となる実績レコードを抽出する。
ここで、第1の発明において、上記検索処理部は、抽出された実績レコードのそれぞれについて、実績レコードに記述された特徴ベクトルと、検索対象となる物品の特徴ベクトルとの類似度を算出することが好ましい。この場合、上記検索処理部は、抽出された実績レコードのそれぞれについて、実績レコードに記述されたサプライチェーンと、特徴ベクトルの類似度とを対応付けて表示したサプライチェーン候補リストを生成することが望ましい。
第1の発明において、上記実績レコードには、サプライチェーンを構成する各製造工程を担当した製造者が記述されていてもよい。この場合、上記検索処理部は、抽出された実績レコードに記述された製造工程毎の製造者を製造者の候補として特定すると共に、特定のサプライチェーンにおける製造工程毎の製造者の候補を、検索者が選択的に指定可能な形態で並べて表示した製造者選択リストを生成することが好ましい。
第1の発明において、上記検索処理部は、予め設定された検索キーの決定規則に従って、学習器より出力されたサプライチェーンから、実績レコードに記述されたサプライチェーンを検索する検索キーを決定してもよい。
第1の発明において、上記実績レコードには、物品のサイズ、材質、加工精度、納期、および、ユーザ評価の少なくとも一つを含む付帯情報が記述されていてもよい。この場合、上記検索処理部は、検索者によって指定された検索条件と、実績レコードに記述された付帯情報とを比較することによって、抽出された実績レコードをフィルタリングすることが好ましい。
第1の発明において、上記特徴ベクトルは、物品の形状の他に、仕様データに含まれる物品のサイズおよび材質の少なくとも一つを特徴化していてもよい。
第2の発明は、物品の一連の製造工程を示すサプライチェーンを検索する処理をコンピュータに実行させるサプライチェーン検索プログラムを提供する。このコンピュータは、製造実績データベースと、学習器とを有する。製造実績データベースは、過去に製造された物品である実績品の特徴ベクトルと、この実績品で採用されたサプライチェーンとが対応付けられた実績レコードを実績品毎に記憶する。学習器は、製造実績データベースに記憶された実績品の特徴ベクトルの入力に対して、この実績品のサプライチェーンが出力されるように、自己が有する関数の内部パラメータが調整されている。サプライチェーン検索プログラムは、検索対象となる物品の形状を表すモデルデータを含む仕様データに基づいて、この検索対象となる物品の形状を少なくとも特徴化した特徴ベクトルを算出する第1のステップと、検索対象となる物品の特徴ベクトルを学習器に入力するとともに、学習器より出力されたサプライチェーンに基づき、製造実績データベースを検索することによって、検索対象となる物品の製造に適したサプライチェーンの候補となる実績レコードを抽出する第2のステップとを有する処理をコンピュータに実行させる。
ここで、第2の発明において、上記第2のステップは、抽出された実績レコードのそれぞれについて、実績レコードに記述された特徴ベクトルと、検索対象となる物品の特徴ベクトルとの類似度を算出するステップを含むことが好ましい。この場合、上記第2のステップは、抽出された実績レコードのそれぞれについて、実績レコードに記述されたサプライチェーンと、特徴ベクトルの類似度とを対応付けて表示したサプライチェーン候補リストを生成するステップを含むことが望ましい。
第2の発明において、上記実績レコードには、サプライチェーンを構成する各製造工程を担当した製造者が記述されていてもよい。この場合、上記第2のステップは、抽出された実績レコードに記述された製造工程毎の製造者を製造者の候補として特定すると共に、特定のサプライチェーンにおける製造工程毎の製造者の候補を、検索者が選択的に指定可能な形態で並べて表示した製造者選択リストを生成するステップを含むことが好ましい。
第2の発明において、上記第2のステップは、予め設定された検索キーの決定規則に従って、学習器より出力されたサプライチェーンから、実績レコードに記述されたサプライチェーンを検索する検索キーを決定するステップを含んでいてもよい。
第2の発明において、上記実績レコードには、物品のサイズ、材質、加工精度、納期、および、ユーザ評価の少なくとも一つを含む付帯情報が記述されていてもよい。この場合、上記第2のステップは、検索者によって指定された検索条件と、実績レコードに記述された付帯情報とを比較することによって、抽出された実績レコードをフィルタリングするステップを含むことが好ましい。
第2の発明において、上記特徴ベクトルは、物品の形状の他に、仕様データに含まれる物品のサイズおよび材質の少なくとも一つを特徴化していてもよい。
本発明によれば、検索対象となる物品の特徴ベクトルではなく、この特徴ベクトルを学習器に入力することによって出力されたサプライチェーンに基づき、製造実績データベースが検索される。サプライチェーンを検索キーとすることで、検索対象となる物品の製造に適した採用実績のあるサプライチェーンを高い信頼性で柔軟に検索することが可能になる。
製造仲介ネットワークシステムの全体図 製造仲介サーバのブロック図 製造実績データベースの構成図 製造工程の具体例を示す表 SHOTの説明図 PFHの説明図 PPFの説明図 学習器の説明図 検索処理のフローチャート 決定規則によって決定される検索キーの一例を示す図 特徴ベクトルの類似度の説明図 サプライチェーン候補リストの表示例を示す図 製造者選択リストの表示例を示す図
図1は、本実施形態に係る製造仲介ネットワークシステムの全体図である。この製造仲介ネットワークシステム1は、依頼者が操作する依頼者側クライアント2と、製造者が操作する製造者側クライアント3と、製造仲介者が操作する製造仲介サーバ4とを主体としたサーバクライアント型のネットワーク構成を有している。ここで、「依頼者」とは、自己が所望する形状等を有する物品の製造を外部に依頼(発注)する者である。また、「製造者」とは、製造設備を保有し、物品の一連の製造工程(加工を含む。)であるサプライチェーンの少なくとも一部を請け負う(受注する)者である。例えば、3Dプリンタによる積層加工、研磨による仕上げ加工、レーザースキャンによる非接触検査の順序よりなるサプライチェーンによって物品が製造される場合、積層加工業者、仕上げ加工業者および検査業者のそれぞれが「製造者」に該当する。もちろん、単一の主体が複数の製造工程を担っていても構わない。さらに、「製造仲介者」とは、依頼者と製造者との間における取引きを仲介する者であり、依頼者による発注および製造者による受注は、製造仲介者を介して行われる。製造仲介サーバ4は、依頼者および製造者の間における取引きを仲介・管理する機能を提供すると共に、依頼者からの検索依頼を受けて、依頼者が所望する物品の製造に適したサプライチェーンを検索する機能も提供する。
図2は、製造仲介サーバ4のブロック図である。この製造仲介サーバ4は、入力部5と、取引モジュール6と、検索モジュール7と、出力部8とを主体に構成されている。入力部5は、インターネット等のネットワークを介して、依頼者側クライアント2または製造者側クライアント3より受信した情報が入力され、この入力情報を取引モジュール6または検索モジュール7に転送する。取引モジュール6は、依頼者に関する各種情報を管理する依頼者データベース、製造者に関する各種情報を管理する製造者データベース、個々の取引きの内容や進捗状況を管理する取引データベース等を有し、依頼者による発注から製造者による納品に至るまでの一連の取引プロセス全般を管理する。検索モジュール7は、依頼者が製造を希望する特定の物品について、この物品の製造に適したサプライチェーンを検索し、検索結果を依頼者(検索者)に提示する。出力部8は、取引モジュール6または検索モジュール7より出力された情報を依頼者側クライアント2または製造者側クライアント3にネットワークを介して送信する。
本実施形態において、検索モジュール7は、仕様データ格納部7aと、製造実績データベース7bと、特徴抽出部7cと、検索処理部7dと、学習器部7eとによって構成されている。仕様データ格納部7aには、サプライチェーンの検索を含めて、製造仲介サーバ4にて取り扱われた物品の仕様データが格納されており、個々の仕様データは、物品毎に個別に採番された「ID」(識別番号)によって、システム上管理されている。この仕様データには、物品の形状を表す「モデルデータ」を基本とし、その他にも、物品のサイズ、材質、加工精度、納期等が含まれている。本実施形態では、「モデルデータ」として、物品の三次元形状を規定する三次元モデルデータを扱っており、三次元CADデータ(ファイルの拡張子としては、IGES、STEP、PARASOLID、SAT、JT、VDAなど)、3DCG(三次元コンピュータグラフィックス)データ、または、三次元の表面形状を多数の点で表現した点群データを用いることができる。
図3は、製造実績データベース7bの構成図である。この製造実績データベース7bは、製造者によって過去に製造された物品(実績品)を管理する。このデータベース7bは、実績品毎に設けられた複数の実績レコードによって構成されており、1つの実績レコードは、上述した「ID」をヘッダ情報として、「特徴ベクトルFV」と、「サプライチェーンSC」と、「付帯情報」とが記述されている。すなわち、これらの情報は、実績レコードという形を取ることによって、互いに対応付けて記憶されている。製造実績データベース7aへの実績品の登録は、実績品の三次元モデルデータそのものではなく、三次元モデルデータを含む仕様データを変換することによって得られる「特徴ベクトルFV」の形で記憶される。この特徴ベクトルFVは、少なくとも、実績品の形状を特徴化したものである必要があるが、これ以外に、実績品のサイズや材質などを含めて特徴化してもよい。このように、元の三次元モデルデータ(非構造データ)をベクトルという抽象的なデータ構造に変換することで、換言すれば、機械学習やパターン認識ができるように抽象化することで、形状等の類似度を評価することが可能になる。
「サプライチェーンSC」には、その実績品で採用された一連の製造工程が記述される。形状的には同一または類似している実績品であっても、サイズや加工精度などの事情から、異なるサプライチェーンSCが実績として採用されていることもあり得る。また、このサプライチェーンSCには、各製造工程を担当した製造者も併せて記述される。同図の例において、このサプライチェーンSCは、「工程B」,「工程D」,「工程F」,「工程H」の4工程よりなり、それぞれ工程を担当した製造者が「b3」,「d1」,「f2」,「h4」であることを示している。
図4は、製造工程の具体例を示す表である。サプライチェーンの基本的な流れは、大分類として挙示したように、「加工」、「仕上げ」、「検査」の順になる。「加工」は、中分類として、「積層」、「切断」、切削」、「プレス」、「鋳造」、「樹脂成形」、「追加加工」に分類され、それぞれについて小分類として更に細分化されている。「仕上げ」は、中分類として、「研磨」、「塗装」、「皮膜成形」に分類されている。「検査」は、中分類として、「非接触」、「接触」に分離され、小分類として更に細分化されている。サプライチェーンSCは、同表に挙示された中分類または小分類の項目の中から適切なものを「製造工程」として選択し、これらの組み合わせとして特定される。
「付帯情報」には、この実績品に関連する付帯情報として、実績品の大きさや厚みを示す「サイズ」、実績品の製造に用いられた「材質」、実績品の「加工精度」、実績品の「納期」、および、実績品に対する依頼者の「評価」(ユーザ評価)が記述される。ここで、「加工精度」は、実績品全体が最低限満たすべき精度を指す。よって、例えば、実績品において特定の一部分のみ高い精度(例えば0.05mm)が要求され、それ以外の部分の要求精度についてはこれよりも低い場合(例えば0.1mm)、最低限満たすべき精度は0.05mmとなる。
特徴抽出部7cは、依頼者側クライアント2より受信した検索対象となる物品の三次元モデルデータに基づいて、検索対象の形状等を特徴化した有限次元数の特徴ベクトルFVを算出する。物体を三次元形状のまま特徴化する手法(三次元特徴量)としては、例えば、キーポイントベースの手法が知られており、キーポイント周りの情報を記述する手法と、2点間または3点間といった如く複数点間の関係を記述する手法とに分類される。
前者のキーポイント周りの情報を記述する手法としては、例えば、座標データや法線ベクトルを利用するSHOT(Signature of Histograms of OrienTations)やPFH(Point Feature Histograms)などが挙げられる。図5に示すように、SHOTでは、まず、キーポイント周辺のサポート球内において、XY平面で2分割、球内を中心部と周辺部に2分割、さらにZ軸まわりが8分割される(2×2×8=32分割)。つぎに、基準点の法線rと、分割された各スペース(32個)の法線ベクトルnjとの内積を求め、11ビンのヒストグラムが作成される。これにより、32×11で352次元の特徴量が得られる。
図6に示すように、PFHでは、まず、注目点周りの球領域内における近傍点から多数の2点組が選択される。つぎに、2点からα,θ,φ,pt-psを計算し、ヒストグラム化する(125次元)。ある特徴量がモデル内の平均特徴量より大きければ候補として保存される。そして、球の半径を変えながら同様の計算を行い、多くの半径から支持された候補点が最終的な ユニーク特徴点として選択される。SHOTやPFHは次元数が高いので、特徴表現力が高いといった利点がある。
一方、後者の複数点間の関係を記述する手法としては、例えば、PPF(Point Pair Feature)が挙げられる。図7に示すように、PPFでは、まず、2点の対から4次元特徴量(F1〜F4)が特定される(PPH)。この特徴量は、物体上の全ての点からできる対毎に算出される。これらの特徴量はハッシュテーブルに登録される。つぎに、ハッシュテーブルを参照して、特徴量が類似するPPHが探索され、それらの幾何学変換パラメータが計算される。
また、上述した手法に代えて、検索対象となる物体の三次元モデルデータに基づき、仮想空間上に配置された製品を特定の視点から見た二次元画像(例えば、六面図)を少なくとも一つ生成し、この二次元画像の輝度(濃度)に着目した特徴化手法を用いてもよい。その他にも、深層学習を用いた画像ラベリングの技術(ディープ・オートエンコーダ等)を用いることも可能である。
再び図2を参照すると、検索処理部7dは、製造実績データベース7bを検索して、検索対象となる物品の製造に適したサプライチェーンの候補を抽出・特定する。本実施形態の特徴の一つは、製造実績データベース7bを検索するキーとして、検索対象となる物品の特徴ベクトルFVではなく、この特徴ベクトルFVを学習器7eに入力することによって出力されたサプライチェーンを用いて行う点にある。そして、この検索結果として、製造実績データベース7bより抽出された実績レコードに基づき、検索対象となる物品の製造に適したサプライチェーンの候補が特定・決定される。
図8は、学習器7eの説明図である。この学習器7eは、所定の関数Y=f(X,θ)を有している。ここで、入力Xは、製造実績データベース7bに記憶された実績品に関するm次元の特徴ベクトルFVであり、出力Yは、この実績品に関するn次元のサプライチェーンSC(n<m)である。出力Yを構成するn個の要素(y1,y2,・・・,yn)には、工程A,B,C,・・・に個別に割り当てられており、その出力が「1」の場合には、割り当てられた工程が「要」、「0」の場合には、その工程が「不要」であることを示している。また、θは、この関数の内部パラメータである。
このような学習器7eとしては、例えば、機械学習の一分類である「教師あり学習」、より具体的には、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、自己組織化マップ(SOM:Self-Organizing Map)などを用いることができる。この場合、「教師データ」として、製造実績データベース7bに記憶された実績レコード(特徴ベクトルFVとサプライチェーンSCとのペア)が用いられる。具体的には、特徴ベクトルFVの入力に対して出力されたサプライチェーンSCの合否が「教師ベクトル」として学習器7eにフィードバックされる。これに基づいて、学習器7eは、正しいサプライチェーンSCが出力されるように、内部パラメータθ(例えば、ニューラルネットワークの結合重み)の値を更新する。このような処理を製造実績データベース7bに記憶された全ての実績レコードについて繰り返すことで、内部パラメータθの学習(調整)が行われる。なお、製造実績データベース7bの蓄積数が少なく、内部パラメータθの学習が十分に行うことができない初期状況においては、想定される特徴ベクトルFVとサプライチェーンSCとのペアをサンプルとして多数用意しておき、これらに基づいて必要量の学習を行うことが好ましい。また、学習器7eとしては、「教師あり学習」の他に、低次元化を課題とする「教師なし学習」を用いてもよい。
以上のような「教師データ」に基づく学習器7eの学習が行われた状態において、検索対象となる物品の特徴ベクトルFVは、「テストデータ」として学習器7eに入力されることになる。なお、取引モジュール6は、例えば、製造者から依頼者への納品の完了時といった如く、新たな製造実績が生じる毎に製造実績データベース7bに新規レコードを追加していので、これに対応すべく、学習器7eの学習もバッチ処理にて随時行われる。
つぎに、図9を参照しながら、検索モジュール7にて行われる検索処理について詳述する。この検索処理は、製造仲介サーバ4に図9の処理を実行させるコンピュータプログラムをインストールすることによって実行される。
まず、ステップ1において、依頼者側クライアント2より受信した検索対象となる物品に関する仕様データ等が入力部5に入力される。検索の入力情報としては、物品の形状を特定する三次元モデルデータが不可欠であるが、その他のオプション的な検索条件として、物品の加工精度、サイズ、材質、製造方法、製造装置、納期、および、ユーザ評価の少なくとも一つを指定することも可能である。なお、依頼者側からの入力情報としては、三次元モデルデータではなく、二次元データ等での提示を許容してもよい。この場合、製造仲介サーバ4において、検索処理に先立ち、二次元データ等から三次元モデルデータを構築・生成する前処理が行われることになる。
ステップ2において、特徴抽出部7cは、検索対象となる物品の三次元モデルデータに基づいて、検索対象の形状等を特徴化した有限次元数の特徴ベクトルFVを算出する。
ステップ3において、検索処理部7dは、検索対象の特徴ベクトルFVを学習器7eに入力する。学習器7eは、入力された特徴ベクトルFVをテストデータとして、これに対応するサプライチェーンSCを出力する。
ステップ4において、検索処理部7dは、学習器7eより出力された特徴ベクトルFVに基づいて、製造実績データベース7bを検索する検索キーを特定する。この検索キーは、特徴ベクトルFVそのものであってもよいが、検索の柔軟性を図るべく、予め設定された検索キーの決定規則に従って決定してもよい。
図10は、決定規則によって決定される検索キーの一例を示す図である。この決定規則では、学習器7eより出力されたサプライチェーンSCのうち、前方のk個(例えばK=3)の工程、すなわち、「工程B」→「工程D」→「工程F」が少なくとも一致することを要求するものであり、検索キーとしては正規表現となる。このような前方一致は、サプライチェーンSCにおける一連の工程のうち、重要かつ必須の工程は前半に集中し、後半は検査工程の如く、代替または省略しても構わない工程で占められるという考え方に基づいている。また、このような一律的な決定規則に代えて、あるいは、これと併用して、特定の工程列が存在する場合には、その類似例を辞書として用意しておき、決定規則を個別的に適用するようにしてもよい。
ステップ5において、検索処理部7dは、ステップ4で決定された検索キーに基づいて、製造実績データベース7bを検索し、この検索キーに相当するサプライチェーンSCが記述された実績レコードを抽出する。
ステップ6において、検索処理部7dは、検索者によって検索条件が指定されている場合、この検索条件と、抽出された実績レコードに記述された付帯情報(物品のサイズ、材質、加工精度、納期、および、ユーザ評価等)とを比較することによって、抽出された実績レコードをフィルタリングする。これにより、検索条件に合致した実績レコードのみが、物品の製造に適したサプライチェーンの候補として特定され、それ以外は、サプライチェーンの候補から外される。また、検索処理部7cは、検索者によって検索条件が変更された場合、検索条件の変更に応じて、サプライチェーンの候補群を適宜変更する。このように、検索条件を追加・削除することを繰り返して、製造者をフィルタリングすることで、検索者にとって最適な検索結果を得ることができる。
ステップ7において、検索処理部7dは、検索対象となる物品の特徴ベクトルFVと、サプライチェーンの候補として特定された実績レコードに記述された特徴ベクトルFVとの間の類似度を算出する。この類似度の算出は、ステップ6で特定された全ての実績レコードを対象に行われる。
図11は、特徴ベクトルFVの類似度の説明図である。m次元の特徴空間上において、検索対象となる物品の特徴ベクトルFVが指し示す点を特徴点1とし、実績レコードに記述された特徴ベクトルFVが指し示す点を特徴点2とした場合、これらの特徴ベクトルFVの類似度が高いということは、特徴点1,2間の距離が短いことを意味する。そこで、ユークリッド距離や座標成分差の絶対総和といった周知の手法を用いて、特徴点1,2間の距離を算出すれば、特徴ベクトルFVの類似度を評価することができる。
ステップ8において、検索処理部7dは、サプライチェーンSCの検索結果を生成し、出力部8を介して、依頼者側クライアント2に送信する。この検索結果には、サプライチェーン候補リストと、製造者選択リストとが存在する。
図12は、依頼者側クライアント2におけるサプライチェーン候補リストの表示例を示す図である。このリストにおいては、特徴ベクトルFVの類似度と、抽出レコードに記述されたサプライチェーンSCと、付帯情報とが対応付けて表示され、類似度が高い順に並んでいる。このリストを閲覧した検索者は、検索対象となる物品と類似する実績品において、どのようなサプライチェーンが採用されたかを容易に把握することができる。そして、検索者が自己が所望する特定のサプライチェーンを選択した場合、サプライチェーン候補リストの表示に続いて、選択されたサプライチェーンに関する製造者選択リストが表示される。
図13は、依頼者側クライアント2における製造者選択リストの表示例を示す図である。このリストには、サプライチェーンを構成する各製造工程について、製造者の候補がアイコン(すなわち、検索者が選択的に指定可能な形態)で並べて表示される。サプライチェーン中の製造者が異なる複数の実績レコードが抽出された場合、一つの製造工程にておい、製造者の候補が複数表示されることになる。このリストを閲覧した検索者は、各工程におけるいずれかのアイコンをクリックすることにより、各工程の製造者を選択する。同図の例は、工程Bは「製造者b3」、工程Dは「製造者d1」、工程Fは「製造者f2」、工程Hは「製造者h4」がそれぞれ選択された状態を示している。検索者(発注者)によって選択された一連の製造者は、製造仲介サーバ4側の取引モジュール6に送信され、物品の製造に関する発注手続が行われる。
このように、本実施形態によれば、検索対象となる物品の特徴ベクトルそのものではなく、この特徴ベクトルを学習器7eに入力することによって出力されたサプライチェーンに基づき、製造実績データベース7bが検索される。サプライチェーンを検索キーとすることで、検索対象となる物品の製造に適した採用実績のあるサプライチェーンを高い信頼性で柔軟に検索することが可能になる。ここで、本実施形態に係る手法との比較例として、学習器7eを用いることなく、検索対象となる物品の特徴ベクトルをキーに製品実績データベース7bを直接検索する手法について考える。この手法では、検索キーと一致する特徴ベクトルが製造実績データベース7bに登録されていれば問題はないが、登録されていない未知の特徴ベクトルについては、検索結果(サプライチェーン)を得ることができない。すなわち、特徴ベクトルの次元数m(>n)が高次元であるがゆえに、有効な検索結果が得られないケースが頻発する可能性がある。これに対して、本実施形態に係る手法では、学習器7eを介在させて、入力Xの次元数mを出力Yの次元数nに減少させることによって、入力Xについてのある種のカテゴリ化が行われる。そして、このカテゴリ化(低次元化)されたn次元の出力Yに基づいて、製造実績データベース7bを検索すれば、未知の特徴ベクトルであっても、製造実績としての過去の類似案件(同一カテゴリに属する三次元モデルデータと、そのサプライチェーン)を得ることができる。以上のことから、本実施形態に係る手法は、比較例と比べて検索の柔軟性に優れている。
また、本実施形態によれば、検索対象に対する実績品の形状的な類似性のみならず、検索条件の指定を可能にすることで、検索者の要求スペックを満たすサプライチェーンをより柔軟に検索することができる。
なお、上述した実施形態では、製造実績データベース7bに記憶された付帯情報として、物品のサイズ、材質、加工精度、納期、および、ユーザ評価を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの項目の一部のみを用いてもよいし、これら以外の項目を付帯情報として追加してもよい。この場合、検索条件としては、付帯項目として設けられた項目の範囲内で適宜指定することができる。
また、上述した実施形態では、「モデルデータ」として、物品の三次元形状を規定する三次元モデルデータを扱う例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、物品の二次元形状を規定する二次元モデルデータを検索対象としてもよい。この場合、物体を見る視点に応じて物体の形状が異なるため、視点の位置を予め定義しておくことが好ましい。
1 製造仲介ネットワークシステム
2 依頼者側クライアント
3 製造者側クライアント
4 製造仲介サーバ
5 入力部
6 取引モジュール
7 検索モジュール
7a 仕様データ格納部
7b 製造実績データベース
7c 特徴抽出部
7d 検索処理部
7e 学習器
8 出力部

Claims (14)

  1. 物品の一連の製造工程を示すサプライチェーンを検索するサプライチェーン検索システムにおいて、
    検索対象となる物品の形状を表すモデルデータを含む仕様データに基づいて、当該検索対象となる物品の形状を少なくとも特徴化した特徴ベクトルを算出する特徴抽出部と、
    過去に製造された物品である実績品の特徴ベクトルと、当該実績品で採用されたサプライチェーンとが対応付けられた実績レコードを実績品毎に記憶する製造実績データベースと、
    前記製造実績データベースに記憶された実績品の特徴ベクトルの入力に対して、当該実績品のサプライチェーンが出力されるように、自己が有する関数の内部パラメータが調整された学習器と、
    前記検索対象となる物品の特徴ベクトルを前記学習器に入力するとともに、前記学習器より出力されたサプライチェーンに基づき、前記製造実績データベースを検索することによって、前記検索対象となる物品の製造に適したサプライチェーンの候補となる前記実績レコードを抽出する検索処理部と
    を有することを特徴とするサプライチェーン検索システム。
  2. 前記検索処理部は、前記抽出された実績レコードのそれぞれについて、当該実績レコードに記述された特徴ベクトルと、前記検索対象となる物品の特徴ベクトルとの類似度を算出することを特徴とする請求項1に記載されたサプライチェーン検索システム。
  3. 前記検索処理部は、前記抽出された実績レコードのそれぞれについて、当該実績レコードに記述されたサプライチェーンと、前記特徴ベクトルの類似度とを対応付けて表示したサプライチェーン候補リストを生成することを特徴とする請求項2に記載されたサプライチェーン検索システム。
  4. 前記実績レコードには、前記サプライチェーンを構成する各製造工程を担当した製造者が記述されており、
    前記検索処理部は、前記抽出された実績レコードに記述された製造工程毎の製造者を製造者の候補として特定すると共に、特定のサプライチェーンにおける製造工程毎の製造者の候補を、検索者が選択的に指定可能な形態で並べて表示した製造者選択リストを生成することを特徴とする請求項1に記載されたサプライチェーン検索システム。
  5. 前記検索処理部は、予め設定された検索キーの決定規則に従って、前記学習器より出力されたサプライチェーンから、前記実績レコードに記述されたサプライチェーンを検索する検索キーを決定することを特徴とする請求項1に記載されたサプライチェーン検索システム。
  6. 前記実績レコードには、物品のサイズ、材質、加工精度、納期、および、ユーザ評価の少なくとも一つを含む付帯情報が記述されており、
    前記検索処理部は、検索者によって指定された検索条件と、前記実績レコードに記述された付帯情報とを比較することによって、前記抽出された実績レコードをフィルタリングすることを特徴とする請求項1に記載されたサプライチェーン検索システム。
  7. 前記特徴ベクトルは、前記物品の形状の他に、前記仕様データに含まれる前記物品のサイズおよび材質の少なくとも一つを特徴化していることを特徴とする請求項1に記載されたサプライチェーン検索システム。
  8. 物品の一連の製造工程を示すサプライチェーンを検索する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記コンピュータは、過去に製造された物品である実績品の特徴ベクトルと、当該実績品で採用されたサプライチェーンとが対応付けられた実績レコードを実績品毎に記憶する製造実績データベース、および、前記製造実績データベースに記憶された実績品の特徴ベクトルの入力に対して、当該実績品のサプライチェーンが出力されるように、自己が有する関数の内部パラメータが調整された学習器を備えているサプライチェーン検索プログラムにおいて、
    検索対象となる物品の形状を表すモデルデータを含む仕様データに基づいて、当該検索対象となる物品の形状を少なくとも特徴化した特徴ベクトルを算出する第1のステップと、
    前記検索対象となる物品の特徴ベクトルを前記学習器に入力するとともに、前記学習器より出力されたサプライチェーンに基づき、前記製造実績データベースを検索することによって、前記検索対象となる物品の製造に適したサプライチェーンの候補となる前記実績レコードを抽出する第2のステップと
    を有する処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とするサプライチェーン検索プログラム。
  9. 前記第2のステップは、前記抽出された実績レコードのそれぞれについて、当該実績レコードに記述された特徴ベクトルと、前記検索対象となる物品の特徴ベクトルとの類似度を算出するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載されたサプライチェーン検索プログラム。
  10. 前記第2のステップは、前記抽出された実績レコードのそれぞれについて、当該実績レコードに記述されたサプライチェーンと、前記特徴ベクトルの類似度とを対応付けて表示したサプライチェーン候補リストを生成するステップを含むことを特徴とする請求項9に記載されたサプライチェーン検索プログラム。
  11. 前記実績レコードには、前記サプライチェーンを構成する各製造工程を担当した製造者が記述されており、
    前記第2のステップは、前記抽出された実績レコードに記述された製造工程毎の製造者を製造者の候補として特定すると共に、特定のサプライチェーンにおける製造工程毎の製造者の候補を、検索者が選択的に指定可能な形態で並べて表示した製造者選択リストを生成するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載されたサプライチェーン検索プログラム。
  12. 前記第2のステップは、予め設定された検索キーの決定規則に従って、前記学習器より出力されたサプライチェーンから、前記実績レコードに記述されたサプライチェーンを検索する検索キーを決定するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載されたサプライチェーン検索プログラム。
  13. 前記実績レコードには、物品のサイズ、材質、加工精度、納期、および、ユーザ評価の少なくとも一つを含む付帯情報が記述されており、
    前記第2のステップは、検索者によって指定された検索条件と、前記実績レコードに記述された付帯情報とを比較することによって、前記抽出された実績レコードをフィルタリングするステップを含むことを特徴とする請求項8に記載されたサプライチェーン検索プログラム。
  14. 前記特徴ベクトルは、前記物品の形状の他に、前記仕様データに含まれる前記物品のサイズおよび材質の少なくとも一つを特徴化していることを特徴とする請求項8に記載されたサプライチェーン検索プログラム。
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