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JP6837814B2 - 高気圧室内吸着装置 - Google Patents
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JP6837814B2 - 高気圧室内吸着装置 - Google Patents

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本発明は、大気圧よりも高い気圧状態の高気圧室内に設けられた吸着相手面に吸着する吸着パッドを備えた高気圧室内吸着装置に関する。
上記のような高気圧室の一例として、橋梁や建物の基礎、シールドトンネルの発進立坑などの地下構造物を構築する工法として知られているニューマチックケーソン工法における作業室がある。ニューマチックケーソン工法では、地上で構築した鉄筋コンクリート製の函(ケーソン)の底部に気密な作業室を設け、作業室床部の地面を掘削して出た土砂を外部に排出しながらケーソンを地中に沈下させていくことにより、橋梁等の地下構造物を構築する。地下水の侵入を防ぐために作業室内には、地下水圧に見合った圧縮空気が送り込まれるようになっており、このため作業室内は大気圧よりも高い気圧状態に保たれる(例えば、特許文献1を参照)。
特開2015‐108244号公報
高気圧障害(減圧症)等のリスクがあるので、作業室内に作業者が入って作業を行える時間は制限されており、そのため作業室内での作業効率を高めて作業時間を短縮することが望ましい。そこで、作業室内での作業において、吸着パッドを用いることが要望されている。吸着パッドは、パッド内の気圧を調整することにより、容易に吸着相手面に吸着させたり吸着相手面から引き離したりすることができるので、これを用いることによって、種々の作業を効率良く行えるようになると期待される。
しかし、従来の吸着パッドは、パッド内を真空圧に設定することにより吸着力を得るように構成されているため、真空圧を発生させるための真空ポンプ等の設備が必要となり、コスト増になるという懸念がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、吸着パッド内を真空圧に設定することなく吸着力を得ることが可能な高気圧室内吸着装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る高気圧室内吸着装置は、大気圧よりも高い気圧状態に保たれた高気圧室(例えば、実施形態における作業室2)内において用いられる吸着装置であって、前記高気圧室内に設けられる吸着相手面(例えば、実施形態における天井面5)に当接されて前記吸着相手面との間にパッド内空間を形成する吸着パッドと、前記パッド内空間に大気圧を導く大気圧導入手段と、を備え、前記大気圧導入手段は、前記パッド内空間と大気圧を有する外部空間とを連通する大気圧導入路を有し、前記大気圧導入路を介して、前記外部空間の大気圧を前記パッド内空間に導くように構成される。
上記の高気圧室内吸着装置において、前記大気圧導入手段は、前記大気圧導入路に設けられて前記大気圧導入路の開閉を制御する大気圧導入制御バルブを有して構成されることが好ましい。
上記の高気圧室内吸着装置において、前記パッド内空間に大気圧よりも高い気圧を導く
高気圧導入手段を備えることが好ましい。
上記の高気圧室内吸着装置において、前記高気圧導入手段は、前記パッド内空間と前記高気圧室内とを連通する高気圧導入路と、前記高気圧導入路に設けられて前記高気圧導入路の開閉を制御する高気圧導入制御バルブと、を有して構成されることが好ましい。
上記の高気圧室内吸着装置において、前記吸着パッドが一端部に設けられた変位可能な複数の脚部を有し、前記複数の脚部を変位させながら前記吸着パッドの前記吸着相手面への吸着位置を変更して前記吸着相手面に沿って移動する移動体、を備えて構成されるようにしてもよい。
上記の高気圧室内吸着装置において、前記吸着パッドは、前記高気圧室内の天井部に取り付けられる、作業機が走行移動するための走行レールに設けられ、前記走行レールを前記天井部に吸着固定するように構成されていてもよい。
上記の高気圧室内吸着装置において、前記吸着パッドを保持する保持基体と、前記保持基体の外側面部に取り付けられ前記外側面部に沿って相対移動可能な外郭体とを備え、前記保持基体には、前記パッド内空間から前記外側面部まで延びる、前記パッド内空間と前記高気圧室内とを連通するための通気路が形成されており、前記外郭体は、前記通気路の前記外側面部側の端部口を露出させて前記通気路を開通する位置と、前記端部口を覆って前記通気路を閉止する位置との間を移動可能に構成されていてもよい。
本発明によれば、高気圧室内に設けられる吸着相手面に当接されて吸着相手面との間にパッド内空間を形成する吸着パッドと、パッド内空間に大気圧を導く大気圧導入手段とを備え、大気圧導入手段は、パッド内空間と大気圧を有する外部空間とを連通する大気圧導入路を有し、大気圧導入路を介して、外部空間の大気圧をパッド内空間に導くように構成される。パッド内空間に外部空間の大気圧を導くことにより、高気圧室内よりもパッド内空間の方が気圧が低い状態となるので、その気圧差によって、吸着パッドが吸着相手面に吸着するための吸着力を得ることが可能となる。したがって、吸着力を得るためにパッド内空間を真空圧とする必要がないので、真空ポンプ等の設備を必要せず、設備コストを抑制することが可能となる。
上記大気圧導入手段が、大気圧導入路に設けられて大気圧導入路の開閉を制御する大気圧導入制御バルブを有する構成とすれば、外部空間の大気圧をパッド内空間へ導く状態と、大気圧がパッド内空間へ導かれないように遮断する状態との切替えを、大気圧導入制御バルブにより的確に制御することが可能となる。
本発明において、パッド内空間に大気圧よりも高い気圧を導く高気圧導入手段を備えた構成とすれば、大気圧よりも高い気圧をパッド内空間へ導くことにより、パッド内空間と高気圧室内との気圧差を減少させて吸着パッドの吸着力を低減することができるので、吸着パッドを吸着相手面から容易に引き離すことが可能となる。
上記高気圧導入手段が、パッド内空間と高気圧室内とを連通する高気圧導入路と、高気圧導入路に設けられて高気圧導入路の開閉を制御する高気圧導入制御バルブとを有する構成とすれば、高気圧室内の高い気圧をパッド内空間へ導く状態と、高い気圧がパッド内空間へ導かれないように遮断する状態との切替えを、高気圧導入制御バルブにより的確に制御することが可能となる。
本発明において、吸着パッドが一端部に設けられた変位可能な複数の脚部を有し、複数の脚部を変位させながら吸着パッドの吸着相手面への吸着位置を変更して吸着相手面に沿
って移動する移動体を備えた構成とすれば、高気圧室内の天井面等に吸着しながら移動し得る移動体を実現することが可能となる。また、高気圧室内での所定の作業を、この移動体を用いて行うことも可能となる。
本発明において、吸着パッドが、高気圧室内の天井部に取り付けられる、作業機が走行移動するための走行レールに設けられ、走行レールを天井部に吸着固定する構成とすれば、走行レールの天井部への取付作業を、吸着パッドの吸着力を利用して行うことができるので、作業効率を向上させることが可能となる。
本発明において、吸着パッドを保持し、パッド内空間と高気圧室内とを連通するための通気路が形成された保持基体と、保持基体の外側面部に取り付けられ、通気路の外側面部側の端部口を露出させて通気路を開通する位置と、端部口を覆って通気路を閉止する位置との間を移動可能な外郭体とを備えた構成とすれば、パッド内空間に高い気圧が導かれるようにパッド内空間と高気圧室内とを連通させる状態と、高い気圧がパッド内空間へ導かれないようにパッド内空間と高気圧室内との連通を遮断する状態との切替えを、外郭体を移動させることによって的確に制御することが可能となる。
ニューマチックケーソン工法の主要設備を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る高気圧室内吸着装置の全体構成を示す模式図である。 図2に示す吸着ユニットの構成を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る高気圧室内吸着装置の全体構成を示す模式図である。 図4に示す天井走行ロボットの構成を示す模式図である。 上記天井走行ロボットが有する脚部吸着ユニットの吸着解除時の構成を示す縦断面図である。 上記脚部吸着ユニットの吸着時の構成を示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係る高気圧室内吸着装置の全体構成を示す模式図である。 図8に示す走行レールの天井取付時の構成を示す部分断面図である。 上記走行レールの天井取付前の構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。まず、本発明に係る高気圧室内吸着装置が設置されるニューマチックケーソン工法の主要設備について図1を用いて説明する。ニューマチックケーソン工法は、掘削設備E1、艤装設備E2、排土設備E3、送気設備E4および予備・安全設備E5を用いて、鉄筋コンクリート製のケーソン1を地中に沈下させていくことにより、地下構造物を構築するように構成されている。
掘削設備E1は、ケーソン1の底部に設けられた作業室2内に設置される掘削機100(作業機に該当するものであり、以下、ケーソンショベル100と称する)と、ケーソンショベル100により掘削された土砂を円筒状のアースバケット31に積み込む土砂自動積込装置11と、ケーソンショベル100の作動を地上から遠隔操作する遠隔操作装置12を備える地上遠隔操作室13とを有して構成されている。掘削設備E1は、発電装置(図示せず)から電力の供給を受けて作動するようになっている。この発電装置からの電力は、艤装設備E2、排土設備E3および送気設備E4にも供給されている。
艤装設備E2は、作業者が作業室2へ出入りするために地上と作業室2とを繋ぐ円筒状のマンシャフト21と、マンシャフト21に設けられて地上の大気圧と作業室2内の圧力
差を調節するマンロック22(エアロック)と、土砂自動積込装置11により土砂が積み込まれたアースバケット31を地上に運び出すために地上と作業室2とを繋ぐ円筒状のマテリアルシャフト23と、マテリアルシャフト23に設けられて地上の大気圧と作業室2内の圧力差を調節するマテリアルロック24(エアロック)とを有して構成されている。マンシャフト21内には、螺旋階段25が設けられており、この螺旋階段25を用いて作業者は地上と作業室2とを行き来することができるようになっている。マンロック22およびマテリアルロック24はそれぞれ二重扉構造となっており、作業室2内の気圧が変化することを抑えて作業者やアースバケット31を作業室2へ出入りさせることができるように構成されている。
排土設備E3は、ケーソンショベル100により掘削された土砂が積み込まれるアースバケット31と、このアースバケット31をマテリアルシャフト23を介して地上まで引き上げて運び出すためのキャリア装置32と、アースバケット31およびキャリア装置32により地上に運び出された土砂を一時的に貯めておく土砂ホッパー33とを有して構成されている。
送気設備E4は、送気管41およびケーソン1に形成された送気路3を介して作業室2内に圧縮空気を送る空気圧縮機42と、空気圧縮機42により送り込む圧縮空気を浄化する空気清浄装置43と、作業室2内の気圧が地下水圧と略等しくなるように空気圧縮機42から作業室2内へ送る圧縮空気の量(圧力)を調整する送気圧力調整装置44と、マンロック22内の気圧を減圧する自動減圧装置45とを有して構成されている。作業室内の空気を循環させるため、作業室内の空気は適宜、排気路4を介して地上へと排出されている。
予備・安全設備E5は、空気圧縮機42の故障や点検などの時に空気圧縮機42に代わって作業室2内に圧縮空気を送ることが可能な非常用空気圧縮機51と、上記発電装置に代わって掘削設備E1、艤装設備E2、排土設備E3および送気設備E4に電力を供給することが可能な非常用発電機(図示せず)と、作業室2内で作業を行った作業者が入り、当該作業者の身体を徐々に大気圧に慣らしていくためのホスピタルロック53(減圧室)とを有して構成されている。
次に、本発明の第1実施形態に係る高気圧室内吸着装置60について、図2,3を追加参照して説明する。本実施形態の高気圧室内吸着装置60は、図2に示すように、作業室2の天井面5に吸着固定可能に構成された吸着ユニット61と、大気圧状態の外部空間(地上の空間)と作業室2内とを連通する排気路4と、排気路4の下端部と吸着ユニット61とを繋ぐ大気圧導入ホースH1とを備えて構成される。排気路4の上端部および下端部には開閉バルブV1,V2がそれぞれ設けられており、大気圧導入ホースH1は開閉バルブV2を介して排気路4の下端部と接続されている。
吸着ユニット61は、図3に示すように、円錐面状に形成された吸着パッド63と、吸着パッド63を保持する円柱状のパッド保持体64とを有して構成されている。吸着パッド63は、その開放端側の縁部が天井面5に当接されるように構成されており、当接されたときに、吸着パッド63と天井面5との間(吸着パッド63の内部側)に、周囲から隔てられたパッド内空間65を形成する。
パッド保持体64内には、パッド内空間65と作業室2内とを連通する2つの通気路R1,R2が形成されている。通気路R1は、排気路4および大気圧導入ホースH1と共に、地上の大気圧をパッド内空間65に導くための大気圧導入路を構成するものであり、開閉バルブV3を介して大気圧導入ホースH1と接続されている。通気路R2は、作業室2内の気圧(以下、適宜「室内気圧」と称する)をパッド内空間65に導くための高気圧導
入路を構成するものであり、その作業室2側の端部には開閉バルブV4が設けられている。また、パッド保持体64の下部には、チェーンブロック等の荷役作業具LB(図2に図示)を吊り下げるための環状金具66が設けられている。
上記のように構成された吸着ユニット61は、作業室2内で重量物を吊り上げたり移動させたりする荷役作業を行う際に、荷役作業具LBを天井面5の任意の位置で吊り下げて支持可能な支持部として機能する。以下、本実施形態の作用(主に吸着ユニット61を天井面5に取り付けたり取り外したりするときの手順)について説明する。まず、荷役作業を行う場所に応じて荷役作業具LBを吊り下げる位置を決め、その位置に吸着ユニット61を移動させて吸着パッド63を天井面5に当接させる。このとき、開閉バルブV1〜V4はいずれも閉止状態に設定しておく。
次いで、吸着パッド63を天井面5に当接させた状態で、大気圧導入制御バルブに該当する開閉バルブV1〜V3を開き、パッド内空間65と地上とを連通することによって、パッド内空間65に大気圧を導く(パッド内空間65の圧縮空気を排出する)。これにより、パッド内空間65と作業室2内との間に気圧差(パッド内空間65の方が低い)が生じ、その気圧差によって、吸着パッド63が天井面5に吸着する吸着力が得られる。得られた吸着力により、吸着ユニット61を天井面5に吸着固定することができるので、吸着ユニット61の環状金具66に荷役作業具LBを吊り下げて荷役作業を行うことが可能となる。
天井面5に吸着固定した吸着ユニット61を取り外す際は、まず、開閉バルブV1〜V3のうちの少なくとも1つを閉じて、パッド内空間65と地上との連通を遮断する。次に、高気圧導入制御バルブに該当する開閉バルブV4を開いて、パッド内空間65と作業室2内とを連通し、パッド内空間65に室内気圧を導く(作業室2内の圧縮空気をパッド内空間65に導入する)。これにより、パッド内空間65と作業室2内との気圧差が減少して吸着パッド63の吸着力が弱まり、吸着ユニット61を天井面5から取り外すことが可能となる。
本実施形態の高気圧室内吸着装置60によれば、吸着ユニット61を天井面5の任意の位置に吸着固定して、そこに荷役作業具LBを吊り下げて荷役作業を行うことが可能となる。吸着ユニット61は、パッド内空間65に大気圧を導くことにより容易に天井面5に吸着固定することができるとともに、パッド内空間65に室内気圧を導くことにより容易に天井面5から取り外すことができる。そのため、荷役作業具LBを吊り下げる位置を容易に変更することができるので、荷役作業(特に荷役作業具LBの吊下げ位置の変更作業)を効率良く行うことが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態に係る高気圧室内吸着装置70について、図4〜7を追加参照して説明する。なお、上記の第1実施形態と共通する構成要素については図中に同じ符号を付しその詳細な説明は省略する(第3実施形態についても同様とする)。本実施形態の高気圧室内吸着装置70は、図4に示すように、作業室2の天井面5に沿って移動可能に構成された移動体としての天井走行ロボット71と、地上と作業室2内とを連通する排気路4と、排気路4の下端部と天井走行ロボット71とを繋ぐ大気圧導入ホースH2とを備えて構成される。
天井走行ロボット71は、図4に示すように、移動体基部72(円柱状部72aとドーム状部72bとから構成される)と、移動体基部72の円柱状部72aから延びる変位可能な複数本(図中では2本であるが適宜増設可)のロボット脚部73と、移動体基部72のドーム状部72bから延びる変位可能な1本(適宜増設可)のロボットアーム部74とを有し、各脚部73の先端部には吸着ユニット75が設けられ、ロボットアーム部74の
先端部には作業装置76(例えば、洗浄水を噴出可能な洗浄装置とするが他の作業装置としてもよい)が設けられている。
吸着ユニット75の内部には、図5に示すように、吸着パッド76が設けられている。その詳細構成については後述するが、この吸着パッド76は、天井面5に当接されることにより、吸着パッド76と天井面5との間にパッド内空間77を形成するように構成されている。
吸着ユニット75、ロボット脚部73および移動体基部72の各内部には、パッド内空間77と大気圧導入ホースH2とを繋ぐ通気路網が形成されている。具体的には、パッド内空間77から吸着ユニット75内およびロボット脚部73内を通って移動体基部72の円柱状部72a内まで延びる複数本(本数はロボット脚部73の数に応じて設定される)の通気路R3が設けられ、各通気路R3は、円柱状部72a内に設けられた集合通気管78に開閉バルブV5を介して接続されている。集合通気管78には通気路R4が接続されており、この通気路R4は開閉バルブV6を介して大気圧導入ホースH2に接続されている。これらの通気路網(通気路R3,R4および集合通気管78)は、排気路4および大気圧導入ホースH2と共に、地上の大気圧をパッド内空間77に導くための大気圧導入路を構成する。
吸着ユニット75は、図6,7に示すように、吸着パッド76を保持する円柱状の保持基体79と、保持基体79の外側面部を覆うように取り付けられ、その外側面部に沿って図中上下方向(保持基体79の軸線方向)に相対移動可能な円筒状の外郭体81(外郭体基部81aと外郭カバー体81bとから構成される)とを有して構成されている。保持基体79には、パッド内空間77から外側面部まで延びる、パッド内空間77と作業室2内とを連通する2本(本数は適宜変更可)の通気路R5(室内気圧をパッド内空間77に導くための高気圧導入路を構成する)が形成されている。外郭体81は、通気路R5の外側面部側の端部口82を露出させて通気路R5を開通する位置(図6を参照)と、端部口82を覆って通気路R5を閉止する位置(図7を参照)との間を移動可能に構成されている。なお、ロボット脚部73は、保持基体79に対しては固定されているが外郭体81には固定されておらず、外郭体81が保持基体79に対し相対移動する際には、ロボット脚部73に対しても相対移動するように構成されている。
図6,7に示すように、吸着パッド76は円錐面状に形成されており、その開放端側の縁部が天井面5に当接されるように構成されている。また、当接されたときに、吸着パッド76と天井面5との間(吸着パッド76の内部側)に、周囲から隔てられたパッド内空間77を形成する。
以下、本実施形態の作用について説明する。未吸着状態の吸着ユニット75を天井面5に吸着させるときは、まず、その吸着ユニット75が有する吸着パッド76を天井面5に当接させる。このとき、その吸着ユニット75に繋がる通気路上の開閉バルブV5は閉じておくが、既に天井面5に吸着している他の吸着ユニット75がある場合には、その吸着力を維持するため、バルブV1,V2,V6と、他の吸着ユニット75に繋がる通気路上の開閉バルブV5は開けておく。また、吸着させたい吸着ユニット75の外郭体81を、通気路R5の端部口82を覆う位置に移動させ、通気路R5を閉止しておく(天井面5に吸着パッド76を当接させる前に閉止してもよいし吸着パッド76を当接させた後に閉止してもよい)。
次いで、吸着パッド76を天井面5に当接させた状態で、閉じておいた開閉バルブV5を開き、パッド内空間77と地上とを連通することによって、パッド内空間77に大気圧を導く(パッド内空間77の圧縮空気を排出する)。これにより、パッド内空間77の気
圧が作業室2内の気圧よりも低くなり、その気圧差によって、吸着パッド76の吸着力が得られる。その得られた吸着力によって吸着ユニット75を天井面5に吸着させることができる。
吸着させた吸着ユニット75を天井面5から引き離す際は、まず、引き離したい吸着ユニット75に繋がる通気路上の開閉バルブV5を閉じて、その吸着ユニット75のパッド内空間77と地上との連通を遮断する。次に、その吸着ユニット75の外郭体81を、通気路R5の端部口82を露出させる位置に移動させ、通気路R5を開通させる。これにより、パッド内空間77と作業室2内との気圧差が減少して吸着パッド76の吸着力が弱まり、吸着ユニット75を天井面5から引き離すことが可能となる。
本実施形態の高気圧室内吸着装置70によれば、各ロボット脚部73に設けられた吸着ユニット75を天井面5に吸着させることにより、天井走行ロボット71を天井面5の任意の位置に吸着固定し、そこで洗浄作業を行わせることが可能となる。また、複数のロボット脚部73を変位させながら各吸着ユニット75の天井面5への吸着位置を変更することにより、天井走行ロボット71を天井面5に沿って移動させることができるので、天井走行ロボット71を移動させながら洗浄作業を行わせることも可能となる。
次に、本発明の第3実施形態に係る高気圧室内吸着装置90について、図8〜10を追加参照して説明する。本実施形態の高気圧室内吸着装置90は、図8に示すように、作業室2の天井面5に取り付けられる走行レール91と、地上と作業室2内とを連通する排気路4と、排気路4から分岐してケーソン1の躯体内を走行レール91の取付位置まで延びる通気路R5とを備えて構成される。走行レール91は、天井面5の所定位置に取り付けられ、そこにケーソンショベル100が懸下された状態で走行移動するように構成されている。通気路R5は、ケーソン1の下部躯体を形成するときに(コンクリート打設時に)、走行レール91の設置予定位置に応じて、予め躯体内に設置されたものであり、その排気路4からの分岐部には、通気路R5を開閉するための開閉バルブV7が設けられている。
図10に示すように走行レール91は、H字型の鋼材により形成されており、その上側のフランジ部92には、複数個(図では6個であるが適宜変更可)のボルト挿通孔93(図示略)が設けられている。フランジ部92の上面(天井面5と対向する面)には、ボルト挿通孔93の位置を避けるように形成された枠状の吸着パッド94が設けられている。この吸着パッド94は、図9に示すように、走行レール91が天井面5に取り付けられるときに、天井面5に当接するように構成され、当接したときに、吸着パッド94と天井面5との間(吸着パッド94の内部側)に、周囲から隔てられたパッド内空間95を形成する。
以下、本実施形態の作用(主に天井面5に走行レール91を取り付けたり取り外したりするときの手順)について説明する。走行レール91を天井面5に取り付けるときは、まず、吸着パッド94が天井面5に当接するように走行レール91を配置する。このとき、開閉バルブV7は閉じておく。
次いで、吸着パッド94を天井面5に当接させた状態で開閉バルブV1,V7を開き、パッド内空間95と地上とを連通することによって、パッド内空間95に大気圧を導く(パッド内空間95の圧縮空気を排出する)。これにより、パッド内空間95の気圧が作業室2内の気圧よりも低くなり、その気圧差によって、吸着パッド94の吸着力が得られる。その得られた吸着力によって走行レール91を天井面5に吸着保持させることができる。この状態でさらに、各ボルト挿通孔93に固定用のボルト(図示略)を挿通し、天井面5に予め設置されていた袋ナット(図示略)等とボルトとを螺合して、走行レール91を
より強固に天井面5に固定する。なお、ボルトは、ケーソンショベル100を懸下し得る十分な固定力を得るためのものであり、吸着パッド94の吸着力により十分な固定力が得られる場合は用いなくてもよい。
天井面5に吸着固定した走行レール91を取り外す際は、ケーソンショベル100が懸下されていない状態で、ボルト挿通孔93に挿通されているボルトを緩めるか取り外すとともに、開閉バルブV7を閉じてパッド内空間95と地上との連通を遮断する(どちらを先に行ってもよい)。さらに、吸着パッド94と天井面5との間に工具等により隙間を形成し、そこから作業室2内の圧縮空気がパッド内空間95に流れ込むようにする。これにより、パッド内空間95と作業室2内との気圧差が減少して吸着パッド94の吸着力が弱まり、走行レール91を天井面5から取り外すことが可能となる。
本実施形態の高気圧室内吸着装置90によれば、走行レール91を天井面5に固定してケーソンショベル100を走行させるために必要な固定力の少なくとも一部を、吸着パッド94の吸着力によって得ることができる。このため、固定力を得るためのボルト等の他の固定手段を用いないようにしたり、用いる数を減らしたりすることが可能となる。また、吸着パッド94は、パッド内空間95に大気圧を導くことにより容易に吸着力が得られるととともに、パッド内空間95に作業室2内の圧縮空気が流れ込むようにすることにより容易に吸着力を減少させることができる。そのため、天井面5に走行レール91を取り付けたり取り外したりする作業を効率良く行うことが可能となる。
以上説明した各実施形態の高気圧室内吸着装置60,70,90は、吸着パッド63,76,94によって形成されるパッド内空間65,77,95に大気圧を導くことにより、パッド内空間65,77,95の方が作業室2内よりも気圧が低い状態を生じさせ、その気圧差によって、吸着パッド63,76,94が天井面5に吸着するための吸着力を得るように構成されている。したがって、吸着力を得るためにパッド内空間を真空圧とする必要がないので、真空ポンプ等の設備を必要せず、設備コストを抑制することが可能となる。
パッド内空間65,77,95は、密閉性や気密性を有するように形成されることが好ましいが、その内部に大気圧を導くことにより必要な吸着力が得られるのであれば、作業室2内の圧縮空気が内部に流れ込む隙間等が天井面5との間に形成される構成であっても構わない。また、吸着パッド63,76,94は、天井面5との間に上述のようなパッド内空間65,77,95を形成することができ、かつ吸着時の反力を得られるものであれば、金属や合成樹脂、ゴム等の任意の材料により形成することができる。開閉バルブV1〜V7は、電磁弁等の遠隔操作可能なバルブとすることが好ましいが、作業室2内の作業者が直接操作可能な位置のバルブ(例えば、開閉バルブV3,V4)であれば、手動操作のバルブとしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の第1実施形態では、吸着ユニット61を取り外す際にパッド内空間65に室内気圧を導くための通気路R2および開閉バルブV4を吸着ユニット61に設けているが、例えば、吸着パッド63と天井面5との間に工具等により隙間を形成して吸着ユニット61を取り外す構成とすれば、通気路R2および開閉バルブV4は設けなくてもよい。
また、上述の第3実施形態では、走行レール91を天井面5から取り外す際に、パッド内空間に室内気圧を導くための高気圧導入路や高気圧導入制御バルブを設けていないが設けるようにしてもよい。高気圧導入路を設ける場合には、それをケーソン1の躯体内に配置してもよい。また、作業室2内から圧縮空気を導くように高気圧導入路を配置してもよ
いし、送気路3から圧縮空気を導くように高気圧導入路を配置してもよい。一方、高気圧導入路および高気圧導入制御バルブを走行レール91側に設けてもよい。
また、上述の各実施形態では、吸着パッドを天井面に当接させたときに、吸着パッドの内部にパッド内空間が形成される構成となっているが、天井面に凹部を形成しておき、その凹部を覆うように吸着パッドを当接させることにより、天井面側にパッド内空間が形成される構成としてもよい。さらに、上述の各実施形態では、吸着パッドを天井面に固定して用いているが、吸着パッドを固定物に吸着させるのではなく、移動可能なワーク等に吸着させて用いるようにしてもよい。
また、上述の各実施形態では、ニューマチックケーソン工法の作業室内において吸着パッドを使用する場合の態様を例にとって説明したが、本発明は、大気圧よりも高い気圧状態に設定される種々の場所で吸着パッドを使用する場合に適用することができる。
1 ケーソン
2 作業室
3 送気路
4 排気路
61,75 吸着ユニット
63,76,94 吸着パッド
65,77,95 パッド内空間
73 ロボット脚部
78 集合通気管
79 保持基体
81 外郭体
91 走行レール
100 掘削機(ケーソンショベル)
R1〜R5 通気路
V1〜V7 開閉バルブ
H1,H2 大気圧導入ホース

Claims (7)

  1. 大気圧よりも高い気圧状態に保たれた高気圧室内において用いられる吸着装置であって、
    前記高気圧室内に設けられる吸着相手面に当接されて前記吸着相手面との間にパッド内空間を形成する吸着パッドと、
    前記パッド内空間に大気圧を導く大気圧導入手段と、を備え、
    前記大気圧導入手段は、
    前記パッド内空間と大気圧を有する外部空間とを連通する大気圧導入路を有し、
    前記大気圧導入路を介して、前記外部空間の大気圧を前記パッド内空間に導くように構成されることを特徴とする高気圧室内吸着装置。
  2. 前記大気圧導入手段は、前記大気圧導入路に設けられて前記大気圧導入路の開閉を制御する大気圧導入制御バルブを有して構成されることを特徴とする請求項1に記載の高気圧室内吸着装置。
  3. 前記パッド内空間に大気圧よりも高い気圧を導く高気圧導入手段を備えたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の高気圧室内吸着装置。
  4. 前記高気圧導入手段は、前記パッド内空間と前記高気圧室内とを連通する高気圧導入路と、前記高気圧導入路に設けられて前記高気圧導入路の開閉を制御する高気圧導入制御バルブと、を有して構成されることを特徴とする請求項3に記載の高気圧室内吸着装置。
  5. 前記吸着パッドが一端部に設けられた変位可能な複数の脚部を有し、前記複数の脚部を変位させながら前記吸着パッドの前記吸着相手面への吸着位置を変更して前記吸着相手面に沿って移動する移動体、を備えて構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高気圧室内吸着装置。
  6. 前記吸着パッドは、前記高気圧室内の天井部に取り付けられる、作業機が走行移動するための走行レールに設けられ、前記走行レールを前記天井部に吸着固定するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高気圧室内吸着装置。
  7. 前記吸着パッドを保持する保持基体と、前記保持基体の外側面部に取り付けられ前記外側面部に沿って相対移動可能な外郭体とを備え、
    前記保持基体には、前記パッド内空間から前記外側面部まで延びる、前記パッド内空間と前記高気圧室内とを連通するための通気路が形成されており、
    前記外郭体は、前記通気路の前記外側面部側の端部口を露出させて前記通気路を開通する位置と、前記端部口を覆って前記通気路を閉止する位置との間を移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高気圧室内吸着装置。
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