(実施形態)
(1)概要
図1は、一実施形態のリハビリテーション支援システム100を示す。リハビリテーション支援システム100は、脳波測定システム10と、運動補助装置3と、制御装置4と、を備えている。脳波測定システム10は、擬似脳波発生システム6と、脳波計(ヘッドセット)1と、情報処理装置2と、を備えている。擬似脳波発生システム6は、図2に示すように、入力部81と、出力部82と、処理部83と、を備えている。入力部81は、信号発生器7からの基準信号を受け取る。出力部82は、脳波計1の電極部11に電気的に接続される。処理部83は、入力部81で受け取った基準信号に基づいて脳波を模した電気信号(以下、「擬似脳波信号」ともいう)を出力部82に生じさせるように構成される。処理部83は、接触抵抗部87と、インピーダンス変換部85と、を有する。接触抵抗部87は、入力部81と出力部82との間にあって電極部11と人体(例えば、図3に示す頭部52)との間の接触抵抗に相当する抵抗値を有する接触抵抗回路871,872を含む。インピーダンス変換部85は、入力部81と接触抵抗回路871,872との間にあって接触抵抗回路871,872から見たインピーダンスが入力部81から見たインピーダンスよりも小さいインピーダンス変換回路851,852を含む。
このように擬似脳波発生システム6は、接触抵抗部87及びインピーダンス変換部85を備えている。接触抵抗部87によれば、脳波計1で脳波を測定する際に必然的に生じる電極部11と人体との間の接触抵抗に相当する抵抗値による影響及び熱ノイズを生じさせることができ、基準信号をより脳波に近付けることができる。しかも、インピーダンス変換部85によって、信号発生器7によって高精度な基準信号を生成しながらも、この基準信号に接触抵抗部87による接触抵抗の付与の効果を確実に発揮させることができる。そのため、電極部11と人体(頭部52)との間の接触抵抗(つまり、測定環境による影響)を反映した電気信号を出力部82に発生させることができる。したがって、擬似脳波発生システム6によれば、測定環境による影響を反映し脳波により近い電気信号を発生させることができる。
脳波測定システム10は、擬似脳波発生システム6と、擬似脳波発生システム6からの電気信号に基づいて脳波情報を生成する脳波計(ヘッドセット)1と、脳波計(ヘッドセット)1から脳波情報を取得する情報処理装置2と、を備えている。脳波測定システム10では、擬似脳波発生システム6により測定環境による影響を反映し脳波により近い電気信号を発生させることができるから、ヘッドセット1及び情報処理装置2の動作試験及び性能評価を正確に行える。
リハビリテーション支援システム100は、脳波測定システム10と、運動補助装置3と、制御装置4と、を備えている。運動補助装置3は、機械的な刺激と電気的な刺激との少なくとも一方を人体に加える機能を有する。制御装置4は、情報処理装置2で取得された脳波情報に基づいて運動補助装置3を制御するように構成されている。リハビリテーション支援システム100では、擬似脳波発生システム6により測定環境による影響を反映し脳波により近い電気信号を発生させることができるから、運動補助装置3及び制御装置4の動作試験及び性能評価を正確に行える。
(2)構成
まず、リハビリテーション支援システム100の概要について図3を参照して説明する。
このリハビリテーション支援システム100は、例えば、脳卒中等の脳疾患又は事故等によって、身体の一部に運動麻痺又は運動機能の低下等が生じた人を対象者5として、運動療法によるリハビリテーションを支援する。このような対象者5においては、対象者5が自己の意思又は意図に基づいて行う運動である随意運動(voluntary movement)が、不能又はその機能の低下により満足にできないことがある。本開示でいう「運動療法」は、対象者5の身体のうち、このような随意運動の不能部位又は機能の低下が生じた部位(以下、「障害部位」という)を運動させることにより、障害部位について随意運動の機能の回復を図る方法を意味する。
本実施形態では、対象者5の左の手指53(左手指)のリハビリテーションに、リハビリテーション支援システム100が用いられる場合を例示する。つまり、この場合の対象者5においては左手指が障害部位である。ただし、この例に限らず、リハビリテーション支援システム100は、例えば、対象者5の右手指のリハビリテーションに用いられてもよい。
特に、本実施形態では、対象者5の左手指による把持動作及び伸展動作のリハビリテーションに、リハビリテーション支援システム100が用いられる。本開示でいう「把持動作」は、物をつかむ動作のことを意味する。また、本開示でいう「伸展動作」は、第1指(親指)を除く4本の手指53(第2指〜第5指)の伸展により、手を開く動作、つまり、把持動作によりつかんでいる状態の「物」を放す動作のことを意味する。つまり、この対象者5においては左手指が障害部位であって、リハビリテーション支援システム100は、左手指による把持動作及び伸展動作という随意運動についてのリハビリテーションに用いられる。ただし、実際には、リハビリテーション支援システム100は、対象者5の把持動作を直接的に補助するのではなく、対象者5の手指の伸展動作を補助することで、間接的に把持動作のリハビリテーションを行う。本開示でいう「伸展動作」は、第1指(親指)を除く4本の手指53(第2指〜第5指)の伸展により、手を開く動作、つまり把持動作によりつかんでいる状態の「物」を離す動作のことを意味する。
リハビリテーション支援システム100は、対象者5が左の手指53による随意運動を行う際に、対象者5の左手に装着された運動補助装置3にて、対象者5の左手に機械的な刺激と電気的な刺激との少なくとも一方を加えて、随意運動を補助する。これにより、例えば、理学療法士又は作業療法士等の医療スタッフが、対象者5の手指53を持って対象者5の随意運動を補助する場合と同様に、リハビリテーション支援システム100にて、随意運動の補助が可能になる。そのため、リハビリテーション支援システム100によれば、医療スタッフが補助する場合と同様に、対象者5が単独で随意運動を行う場合に比べて効果的な、運動療法によるリハビリテーションを実現可能となる。
ところで、上述のようなリハビリテーションを支援するためには、リハビリテーション支援システム100は、対象者5が随意運動を行おうとする場合に、運動補助装置3にて対象者5の随意運動を補助することが望ましい。リハビリテーション支援システム100は、脳波測定システム10にて測定された対象者5の脳波(脳波情報)に、運動補助装置3を連動させることにより、対象者5が随意運動を行おうとする場合に運動補助装置3での随意運動の補助を実現する。言い換えれば、リハビリテーション支援システム100は、脳活動(脳波)を利用して機械(運動補助装置3)を操作する、ブレイン・マシン・インタフェース(Brain-machine Interface:BMI)の技術を利用して、運動療法によるリハビリテーションを実現する。
対象者5が随意運動を行う際には(つまり、対象者5が随意運動を行う過程で)、脳波に特徴的な変化が生じ得る。つまり、対象者5が随意運動を行おうと企図(想起)した際には、随意運動の対象となる部位に対応する脳領域の活性化が起き得る。このような脳領域の例としては、体性感覚運動皮質が挙げられる。このような脳領域の活性化が起こるタイミングに合わせて、運動補助装置3にて対象者5の随意運動を補助すると、より効果的なリハビリテーションが期待できる。このような脳領域の活性化は、脳波の特徴的な変化として検出され得る。そのため、リハビリテーション支援システム100は、対象者5の脳波にこの特徴的な変化が発生するタイミングに合わせて、運動補助装置3にて対象者5の随意運動の補助を実行する。このような脳波の特徴的な変化は、随意運動が実際に行われなくても、対象者5が随意運動を想起(image)した際(つまり運動企図中)に生じ得る。つまり、このような脳波の特徴的な変化は、随意運動が実際に行われなくても、対象者5が随意運動を行おうと企図(想起)したことによって対応する脳領域が活性化すれば、生じ得る。そのため、随意運動が不能な状態の対象者5についても、リハビリテーション支援システム100による随意運動の補助が可能である。
このような構成のリハビリテーション支援システム100によれば、医療スタッフの負担を軽減しながらも、対象者5においては、効果的な、運動療法によるリハビリテーションを実現可能となる。また、リハビリテーション支援システム100によれば、例えば、対象者5の随意運動の補助を行う医療スタッフの熟練度等の人的要因によって随意運動の補助のタイミングがばらつくことがなく、リハビリテーションの効果のばらつきが低減される。特に、リハビリテーション支援システム100では、脳波に特徴的な変化が生じたタイミング(つまり、脳領域が実際に活性化したタイミング)で、対象者5の随意運動を補助することができる。このように、リハビリテーション支援システム100では、脳活動のタイミングに合わせた訓練が可能となるから、正しい脳活動の学習及び定着への貢献が期待できる。特に、脳波に特徴的な変化が起きたかどうかは、対象者5及び医療スタッフだけでは判別が困難である。したがって、リハビリテーション支援システム100を用いることで、対象者5又は医療スタッフだけでは実現が難しい効果的なリハビリテーションが可能となる。
本実施形態では、対象者5がリハビリテーション支援システム100を利用する際に、理学療法士又は作業療法士等の医療スタッフが対象者5に付き添い、リハビリテーション支援システム100の操作等については医療スタッフが行うことと仮定する。ただし、リハビリテーション支援システム100を利用する対象者5に医療スタッフが付き添うことは必須ではなく、例えば、リハビリテーション支援システム100の操作等を対象者5、又は対象者5の家族等が行ってもよい。
次に、リハビリテーション支援システム100について更に詳細に説明する。
リハビリテーション支援システム100は、図1に示すように、脳波測定システム10と、運動補助装置3と、制御装置4と、を備えている。
脳波測定システム10は、対象者5の脳波を測定するためのシステムであって、図4に示すように、対象者5の頭部52の一部である測定箇所51に配置される電極部11にて採取される脳波を表す脳波情報を取得する。本開示でいう「脳波」(Electroencephalogram:EEG)とは、大脳の神経細胞(群)の発する電気信号(活動電位)を体外に導出し、記録した波形を意味する。本開示においては、特に断りが無い限り、大脳皮質の多数のニューロン群(神経網)の総括的な活動電位を対象として、これを体表に装着した電極部11を用いて記録する頭皮上脳波を「脳波」という。
脳波測定システム10は、上述したリハビリテーション支援システム100において、対象者5が随意運動を行う際に生じる(つまり、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に生じ得る)特徴的な変化を含む脳波を検出するために用いられる。脳波測定システム10は、事象関連脱同期(Event-Related Desynchronization:ERD)が生じることで脳波に生じる特定の周波数帯域の強度変化を、特徴的な変化として検出する。本開示でいう「事象関連脱同期」は、随意運動時(随意運動の想起時を含む)に運動野付近で測定される脳波において、特定の周波数帯域のパワーが減少する現象を意味する。本開示でいう、「随意運動時」は、対象者5が随意運動の企図(想起)をしてから随意運動が成功又は失敗するまでの過程を意味する。「事象関連脱同期」は、この随意運動時に、随意運動の企図(想起)をトリガとして、生じ得る。事象関連脱同期によりパワーが減少する周波数帯域は、主としてα波(一例として8Hz以上13Hz未満の周波数帯域)及びβ波(一例として13Hz以上30Hz未満の周波数帯域)である。
脳波測定システム10は、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に生じ得る特徴的な変化を含む脳波を検出すると、運動補助装置3を制御するための制御信号を出力する。すなわち、リハビリテーション支援システム100では、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に生じ得る特徴的な変化を含む脳波を脳波測定システム10にて検出することをトリガにして、運動補助装置3を制御するための制御信号が発生する。これにより、リハビリテーション支援システム100では、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に、随意運動の対象となる部位に対応する脳領域の活性化が実際に起きたタイミングに合わせて、運動補助装置3にて対象者5の随意運動を補助することが可能である。
脳波測定システム10は、図1に示すように、擬似脳波発生システム6と、ヘッドセット1と、情報処理装置2と、を備えている。ただし、対象者5の脳波を測定する場合、擬似脳波発生システム6は使用されない。
ヘッドセット1は、対象者5の脳波を測定する場合、対象者5の頭部52に装着される(図4参照)。ヘッドセット1は、電極部11を有している。電極部11は、対象者5の頭部52の一部である測定箇所51に配置される。具体的には、ヘッドセット1は、対象者5の頭部52の表面(頭皮)の一部に設定された測定箇所51に電極部11を接触させた状態で、電極部11にて対象者5の脳波を測定し、脳波を表す脳波情報を生成する。より詳細には、ヘッドセット1は、対象者5の頭部52の表面(頭皮)に電極部11を接触させた状態で、対象者5の頭部52に装着される。本開示では、電極部11は、頭部52の表面に塗布されたペースト(電極糊)上に載せられることで、頭部52の表面に接触する。このとき、電極部11は、毛髪をかき分けることにより、毛髪を介さずに頭部52の表面に接触する。もちろん、電極部11は、ペーストを塗布することなく、頭部52の表面に直接、接触してもよい。つまり、本開示では、「電極部11を頭部52の表面に接触させる」とは、電極部11を直接、頭部52の表面に接触させることの他、中間物を介して電極部11を間接的に頭部52の表面に接触させることも含む。中間物は、ペーストに限定されず、例えば導電性を有するゲルであってもよい。ヘッドセット1は、電極部11にて対象者5の脳の活動電位を測定することで対象者5の脳波を測定し、脳波を表す脳波情報を生成する。ヘッドセット1は、例えば、無線通信により、脳波情報を情報処理装置2に送信する。
対象者5が随意運動を行おうと企図した際には、通常、身体の随意運動を行う部位に対応する運動野にて、特徴的な変化を含む脳波が発生する。そこで、脳波測定システム10は、リハビリテーションの対象である障害部位に対応する運動野付近から採取される脳波を測定対象とする。ここで、左手指に対応する運動野は右脳にあり、右手指に対応する運動野は左脳にある。そのため、本実施形態のように対象者5の左の手指53をリハビリテーションの対象とする場合には、対象者5の頭部52の右側に接触させた電極部11にて取得される脳波が、脳波測定システム10での測定対象となる。すなわち、電極部11は、図4に示すように、対象者5の頭部52の右側表面の一部からなる測定箇所51上に配置される。一例として、国際10−20法において電極記号「C4」で表される位置に電極部11が配置される。対象者5の右の手指をリハビリテーションの対象とする場合には、対象者5の頭部52の左側表面の一部からなる測定箇所、一例として、国際10−20法において電極記号「C3」で表される位置に電極部11が配置される。
ヘッドセット1は、図5に示すように、電極部11と、信号処理部12と、第1通信部13と、を有している。ヘッドセット1は、例えば、電池駆動式であって、信号処理部12及び第1通信部13等の動作用電力が電池から供給される。
電極部11は、対象者5の脳波(脳波信号)を採取するための電極であって、例えば、銀−塩化銀電極である。電極部11は金、銀、白金等でもよい。電極部11は、第1電極111と、第2電極112と、を有している。本実施形態では、図2に示すように、対象者5の頭部52の表面に設定された測定箇所51は、第1測定箇所511及び第2測定箇所512を含んでいる。第1電極111は、第1測定箇所511に対応する電極であって、第1測定箇所511上に配置される。第2電極112は、第2測定箇所512に対応する電極であって、第2測定箇所512上に配置される。具体的には、第1測定箇所511及び第2測定箇所512は、頭部52の正中中心部と右耳とを結ぶ線上に、正中中心部側(上側)から第1測定箇所511、第2測定箇所512の順に並んで配置されている。
また、本実施形態では、ヘッドセット1は、参照電極113と、アース電極114と、を更に備えている。参照電極113は、第1電極111及び第2電極112の各々で測定される脳波信号の基準電位を測定するための電極である。参照電極113は、頭部52における右耳又は左耳のいずれかの後方位置に配置される。具体的には、参照電極113は、頭部52において第1電極111及び第2電極112が配置されている側の耳の後方位置に配置される。本実施形態では、第1電極111及び第2電極112は、頭部52の右側表面に配置されているので、参照電極113は、右耳の後方位置に配置される。アース電極114は、頭部52における右耳又は左耳のうち参照電極113が配置されていない方の耳の後方位置に配置される。本実施形態では、参照電極113が右耳の後方位置に配置されるので、アース電極114は、左耳の後方位置に配置される。参照電極113及びアース電極114の各々は、ヘッドセット1の本体15に対して電線16(図2参照)にて電気的に接続されており、頭部52の表面(頭皮)に貼り付けられる。なお、参照電極113及びアース電極114を配置する位置は、上述したような耳の後方位置ではなく、耳たぶであってもよい。耳の後方位置及び耳たぶは、頭部において脳活動由来の生体電位の影響を受けにくい場所である。つまり、参照電極113及びアース電極114は、頭部において脳活動由来の生体電位の影響を受けにくい場所に配置されることが好ましい。
信号処理部12は、電極部11、参照電極113及びアース電極114に電気的に接続されており、電極部11から入力される脳波信号(電気信号)に対して信号処理を実行し、脳波情報を生成する。つまり、ヘッドセット1は、電極部11にて対象者5の脳の活動電位を測定することで対象者5の脳波を測定し、信号処理部12にて脳波を表す脳波情報を生成する。信号処理部12は、少なくとも脳波信号を増幅する増幅器、及びA/D変換するA/D変換器を含んでおり、増幅後のディジタル形式の脳波信号を、脳波情報として出力する。
第1通信部13は、情報処理装置2との通信機能を有している。第1通信部13は、少なくとも信号処理部12で生成された脳波情報を情報処理装置2に送信する。本実施形態では、第1通信部13は、情報処理装置2と双方向に通信可能である。第1通信部13の通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)等に準拠した無線通信である。第1通信部13からは、随時、脳波情報が情報処理装置2に送信されている。
擬似脳波発生システム6は、ヘッドセット1に脳波を模した電気信号(擬似脳波信号)を与えるために用いられる。擬似脳波発生システム6からの擬似脳波信号により、ヘッドセット1及び情報処理装置2の動作試験及び性能評価が可能になる。
擬似脳波発生システム6は、図2及び図6に示すように、信号発生器7と、擬似脳波発生回路8と、を備えている。
信号発生器7は、擬似脳波発生回路8に基準信号を与えるための装置である。信号発生器7は、マルチファンクションジェネレータにより構成される。基準信号は、脳波を模した電気信号(擬似脳波信号)を生成するための基礎となる信号である。本実施形態では、信号発生器7は、基準信号として、特定の周波数帯域の強度変化を含む信号を出力するように構成される。特定の周波数帯域は、事象関連脱同期が生じることで脳波に生じる強度変化の周波数帯域であってよい。上述したように、事象関連脱同期によりパワーが減少する周波数帯域は、α波帯域及びβ波帯域を含み得る。したがって、このような基準信号は、α波帯域の周波数を有する信号とβ波帯域の周波数を有する信号との少なくとも一方を含み得る。
擬似脳波発生回路8は、図2に示すように、入力部81と、出力部82と、処理部83と、を備える。また、擬似脳波発生回路8は、導電性を有する筐体(例えば金属製の筐体)に収容されるとよい。この場合、少なくとも擬似脳波発生回路8の使用時には、筐体に接地電位を与えて、静電シールドを施すことが可能となる。これによって、擬似脳波発生回路8をハムノイズ(商用交流電源ノイズ)及び静電気から保護できる。
入力部81は、信号発生器7に接続される部位である。入力部81は、信号発生器7からの基準信号を受け取るように構成される。入力部81は、図6に示すように、第1入力端子811と、第2入力端子812と、を備える。第1入力端子811は、処理部83に接続され、第2入力端子812は、接地されている。
出力部82は、第1接続部821と、第2接続部822とを備える。第1接続部821及び第2接続部822は、ヘッドセット1の電極部11の第1電極111及び第2電極112にそれぞれ電気的に接続される。擬似脳波発生回路8は、出力部82の第1接続部821及び第2接続部822に加えて、第3接続部823及び第4接続部824を備えている。第3接続部823及び第4接続部824は、ヘッドセット1の参照電極113及びアース電極114にそれぞれ電気的に接続される。本実施形態において、第1接続部821、第2接続部822、第3接続部823、及び第4接続部824は、第1電極111、第2電極112、参照電極113、及びアース電極114にそれぞれ接触される電極である。図7に示すように、第1接続部821、第2接続部822、第3接続部823、及び第4接続部824は、頭部模型500に設けられる。第1接続部821、第2接続部822、第3接続部823、及び第4接続部824は、第1電極111、第2電極112、参照電極113、及びアース電極114の頭部52上の設置位置に対応する位置にあるように、頭部模型500に設置される。
処理部83は、入力部81で受け取った基準信号に基づいて脳波を模した電気信号を出力部82に生じさせるように構成される。本実施形態において、処理部83は、測定環境による影響を基準信号に与えることで、脳波を模した電気信号を生成する。ここで、処理部83は、基準信号の周波数帯域の変換は行わない。つまり、電気信号の周波数帯域は、基準信号の周波数帯域によって決定され、これらの間に実質的な変化はない。例えば、基準信号がα波帯域の周波数を有する信号とβ波帯域の周波数を有する信号との少なくとも一方を含む場合、電気信号も同様に、α波帯域の周波数を有する信号とβ波帯域の周波数を有する信号との少なくとも一方を含む。また、基準信号が事象関連脱同期に起因する特定の周波数帯域の強度変化を含む場合には、電気信号は、特定の周波数帯域の強度変化を含む脳波を模した信号となる。
処理部83は、減衰器84と、インピーダンス変換部85と、分極電圧部86と、接触抵抗部87と、電源部88と、を備えている。
減衰器84は、信号発生器7からの基準信号を減衰させて、出力する。減衰器84は、コンデンサC11と、抵抗R11,R12とを有している。抵抗R11,R12は直列回路(分圧回路)を構成している。コンデンサC11は、入力部81の第1入力端子811と抵抗R11との間に挿入され、信号発生器7からの基準信号の直流(DC)成分を除去している。コンデンサC11の静電容量は、例えば、47μFである。例えば、減衰器84は、基準信号の振幅を1/10000程度に減衰させるため、抵抗R11,R12の抵抗値は、それぞれ100kΩ、10Ωに設定される。また、抵抗R11,R12は、抵抗値の精度が良好な金属皮膜抵抗を用いるのが望ましい。
インピーダンス変換部85は、第1インピーダンス変換回路851と、第2インピーダンス変換回路852と、を有している。第1インピーダンス変換回路851は、オペアンプOP21を有している。オペアンプOP21では、反転入力端子と出力端子とが短絡されている。つまり、インピーダンス変換回路851は、増幅度が1のボルテージフォロワである。オペアンプOP21の非反転入力端子は、減衰器84の抵抗R11,R12の接続点に接続されている。第1インピーダンス変換回路851では、オペアンプOP21の入力インピーダンスが高く、出力インピーダンスが低いという特性によって、インピーダンスの変換が実現される。第2インピーダンス変換回路852は、第1インピーダンス変換回路851と同じ回路構成を有している。第2インピーダンス変換回路852では、オペアンプOP21の非反転入力端子は抵抗R12の抵抗R11とは反対側に接続される。よって、減衰された基準信号のDC電圧は、オペアンプOP21の出力電圧により決定される。
分極電圧部86は、基準信号に、測定環境による影響を与えるために設けられている。ここで、測定環境による影響は、電極部11での分極(イオン分極)による影響である。分極電圧部86は、第1分極電圧回路861と、第2分極電圧回路862と、を有している。
第1分極電圧回路861は、入力部81と出力部82との間にあって電極部11での分極電圧に相当する電圧変化を生じさせる回路である。具体的には、第1分極電圧回路861は、第1インピーダンス変換回路851と第1接続部821との間に設けられており、第1電極111の分極電圧に相当する電圧変化を生じさせる。第1分極電圧回路861によれば、測定環境による影響の一つである分極の影響を反映し脳波により近い電気信号を発生させることができる。
第1分極電圧回路861は、図6に示すように、電圧源V31と、スイッチSW31,SW32,SW33と、を有している。
電圧源V31は、電極部11の分極電圧に相当する出力電圧を発生させる回路である。電圧源V31の出力電圧は可変である。電圧源V31は、図8に示すように、直流電源V32と、可変抵抗VR31と、コンデンサC31と、を有している。直流電源V32は、例えば、バッテリである。可変抵抗VR31は、直流電源V32の正極と負極との間に接続されている。コンデンサC31は、電圧源V31の出力電圧を安定化させるために、直流電源V32の負極と可変抵抗VR31の可動接点との間に接続されている。コンデンサC31の両端間の電圧が電圧源V31の出力電圧となる。
スイッチSW31,SW32は単極双投(SPDT)スイッチである。スイッチSW31,SW32は、第1端子a、第2端子b、及び第3端子cを有し、第1端子aと第3端子cとが接続された第1状態と、第2端子bと第3端子cとが接続された第2状態との間で切り替えられる。スイッチSW31,SW32の第1端子a同士はスイッチSW33を介して互いに接続されている。スイッチSW31,SW32の第2端子b同士は互いに接続されている。スイッチSW31の第3端子cは第1インピーダンス変換回路851の出力端子に接続され、スイッチSW32の第3端子cは接触抵抗部87に接続されている。
スイッチSW33は、2極双投(DPDT)スイッチである。スイッチSW33は、第1端子t1、第2端子t2、第3端子t3、第4端子t4、第5端子t5、及び第6端子t6を有している。スイッチSW33は、さらに、第1端子t1と第6端子t6が配線により接続され、第4端子t4と第3端子t3が配線により接続される。スイッチSW33は、第1端子t1と第2端子t2が接続され第4端子t4と第5端子t5が接続された第1状態と、第2端子t2と第3端子t3が接続され第5端子t5と第6端子t6が接続された第2状態との間で切り替えられる。スイッチSW33の第1端子t1及び第4端子t4は、スイッチSW31,SW32の第1端子aにそれぞれ接続される。また、スイッチSW33の第5端子t5及び第2端子t2は、電圧源V31のコンデンサC31の高電位側の端子及び低電位側の端子にそれぞれ接続される(図8参照)。
第1分極電圧回路861では、スイッチSW31,SW32が第1状態である場合に、電圧源V31が第1インピーダンス変換回路851と接触抵抗部87の後述する第1接触抵抗回路871との間に介在する。よって、電圧源V31の出力電圧による変化を基準信号に重畳させることができる。ここで、スイッチSW33が第1状態であれば、電圧源V31の出力電圧に応じた電圧上昇が生じる。スイッチSW33が第2状態であれば、電圧源V31の出力電圧に応じた電圧降下が生じる。一方、スイッチSW31,SW32が第2状態である場合には、電圧源V31が第1インピーダンス変換回路851と接触抵抗部87との間に介在しない。そのため、基準信号に与えられる電圧変化は実質的に0であり、これは、第1電極111で分極が生じていない(つまり、分極電圧が0である)場合に相当する。この第1分極電圧回路861では、測定環境に合わせて可変抵抗VR31の可動接点を用いて適切な電圧源V31の出力電圧を選択できる。よって、測定環境の変化により分極電圧が変化する場合にも対応できる。
第2分極電圧回路862は、入力部81と出力部82との間にあって電極部11での分極電圧に相当する電圧変化を生じさせる回路である。具体的には、第2分極電圧回路862は、第2インピーダンス変換回路852と接触抵抗部87の後述する第2接触抵抗回路872との間に設けられており、第2電極112の分極電圧に相当する電圧変化を生じさせる。第2分極電圧回路862は、第1分極電圧回路861と同じ回路構成を有しているから詳細な説明は省略する。
接触抵抗部87は、基準信号に、測定環境による影響を与えるために設けられている。ここで、測定環境による影響は、電極部11と人体(頭部52)との間の接触抵抗による影響である。接触抵抗部87は、第1接触抵抗回路871と、第2接触抵抗回路872とを有している。
第1接触抵抗回路871は、入力部81と出力部82との間にあって電極部11と人体(頭部52)との間の接触抵抗に相当する抵抗値を有する。また、第1接触抵抗回路871は、抵抗値を切り替える機能を有している。具体的には、第1接触抵抗回路871は、第1分極電圧回路861と第1接続部821との間に設けられており、第1電極111と人体(頭部52)との間の接触抵抗に相当する抵抗値を有する。第1接触抵抗回路871は、スイッチSW40と、スイッチSW41と抵抗R41との第1直列回路と、スイッチSW42と抵抗R42との第2直列回路と、スイッチSW43と抵抗R43との第3直列回路と、を有している。スイッチSW40と、第1直列回路と、第2直列回路と、第3直列回路とは、互いに並列に接続されている。スイッチSW40〜SW43のオン・オフにより、第1接触抵抗回路871の抵抗値が切り替えられる。例えば、抵抗R41の抵抗値は10kΩであり、抵抗R42の抵抗値は20kΩであり、抵抗R43の抵抗値は30kΩである。ここで、スイッチSW40には抵抗が直列に接続されていない。そのため、スイッチSW40のみをオンとした場合、第1接触抵抗回路871の抵抗値はほぼ0Ωとなる。この場合の第1接触抵抗回路871の抵抗値は、接触抵抗が実質的に0Ωである場合に対応する。この第1接触抵抗回路871では、測定環境に合わせて適切な抵抗値を選択できる。よって、測定環境の変化により接触抵抗が変化する場合にも対応できる。
第2接触抵抗回路872は、入力部81と出力部82との間にあって電極部11と人体(頭部52)との間の接触抵抗に相当する抵抗値を有する。また、第2接触抵抗回路872は、抵抗値を切り替える機能を有している。具体的には、第2接触抵抗回路872は、第2分極電圧回路862と第2接続部822との間に設けられており、第2電極112と人体(頭部52)との間の接触抵抗に相当する抵抗値を有する。第2接触抵抗回路872は、第1接触抵抗回路871と同じ回路構成を有しているから詳細な説明は省略する。
電源部88は、インピーダンス変換部85のオペアンプOP21に電源電圧を供給するように構成される。電源部88は、例えば、バッテリの電圧を降圧した電源回路である。電源部88は、図9に示すように、バッテリV61と、コンデンサC61,C62と、レギュレータ881とを備えている。レギュレータ881は、三端子レギュレータであり、バッテリV61の電圧をオペアンプOP21の駆動に適した電圧に変換して出力する。
更に、処理部83は、第3インピーダンス変換回路853と、第3分極電圧回路863と、第4分極電圧回路864と、第3接触抵抗回路873と、第4接触抵抗回路874と、を備えている。
第3インピーダンス変換回路853は、第1インピーダンス変換回路851と同じ回路構成を有している。第3インピーダンス変換回路853では、オペアンプOP21の出力端子は抵抗R12の抵抗R11とは反対側に接続されている。なお、第3インピーダンス変換回路853のオペアンプOP21には、電源部88から電源電圧が供給される。
第3分極電圧回路863は、参照電極113での分極電圧に相当する電圧変化を生じさせる回路である。第3分極電圧回路863は、第2インピーダンス変換回路852と第3接触抵抗回路873との間に接続されている。特に、第3分極電圧回路863は、第2インピーダンス変換回路852のオペアンプOP21の出力端子と第3接触抵抗回路873との間に接続されている。第3分極電圧回路863は、第1分極電圧回路861と同じ回路構成を有しているから、詳細な説明は省略する。
第4分極電圧回路864は、アース電極114での分極電圧に相当する電圧変化を生じさせる回路である。第4分極電圧回路864は、第3インピーダンス変換回路853と第4接触抵抗回路874との間に接続されている。特に、第4分極電圧回路864は、第3インピーダンス変換回路853のオペアンプOP21の非反転入力端子と第4接触抵抗回路874との間に接続されている。第4分極電圧回路864は、第1分極電圧回路861と同じ回路構成を有しているから、詳細な説明は省略する。
第3接触抵抗回路873は、入力部81と第3接続部823との間にあって参照電極113と人体(頭部52)との間の接触抵抗に相当する抵抗値を有する。また、第3接触抵抗回路873は、抵抗値を切り替える機能を有している。具体的には、第3接触抵抗回路873は、第3分極電圧回路863と第3接続部823との間に設けられており、参照電極113と人体(頭部52)との間の接触抵抗に相当する抵抗値を有する。第3接触抵抗回路873は、スイッチSW50と、スイッチSW51と抵抗R51との直列回路と、を有している。スイッチSW50と、直列回路とは互いに並列に接続されている。スイッチSW50,SW51のオン・オフにより、第3接触抵抗回路873の抵抗値が切り替えられる。例えば、抵抗R51の抵抗値は10kΩである。ここで、スイッチSW50には抵抗が直列に接続されておらず、スイッチSW50のみをオンとした場合、第3接触抵抗回路873は、抵抗値はほぼ0Ωとなり、接触抵抗が実質的に0Ωである場合に対応する。
第4接触抵抗回路874は、入力部81と第4接続部824との間にあってアース電極114と人体(頭部52)との間の接触抵抗に相当する抵抗値を有する。また、第4接触抵抗回路874は、抵抗値を切り替える機能を有している。具体的には、第4接触抵抗回路874は、第4分極電圧回路864と第4接続部824との間に設けられており、アース電極114と人体(頭部52)との間の接触抵抗に相当する抵抗値を有する。第4接触抵抗回路874は、第3接触抵抗回路873と同じ回路構成を有しているから詳細な説明は省略する。
以上述べた擬似脳波発生回路8によれば、入力部81で受け取った基準信号に基づいて脳波を模した電気信号を出力部82に生じさせることができる。
特に、擬似脳波発生回路8は、第1〜第4接触抵抗回路871〜874を有している。これによって、ヘッドセット1の第1電極111、第2電極112、参照電極113及びアース電極114と人体(頭部52)との間の接触抵抗を反映した電気信号をヘッドセット1に与えることができる。接触抵抗は、電極(第1電極111、第2電極112、参照電極113及びアース電極114)の特性と人体(頭部52)の状態とに依存する。つまり、接触抵抗は、測定環境によって変わり得る。したがって、測定環境による影響を反映し脳波により近い電気信号を発生させることができる。
また、擬似脳波発生回路8は、第1〜第4分極電圧回路861〜864を有している。これによって、ヘッドセット1の第1電極111、第2電極112、参照電極113及びアース電極114の分極電圧による影響を反映した電気信号をヘッドセット1に与えることができる。分極電圧は、電極(第1電極111、第2電極112、参照電極113及びアース電極114)の特性と人体(頭部52)の状態とに依存する。つまり、分極電圧は、測定環境によって変わり得る。したがって、測定環境による影響を反映し脳波により近い電気信号を発生させることができる。
擬似脳波発生システム6を利用する場合、ヘッドセット1は、頭部模型500に装着される(図7参照)。これにより、ヘッドセット1の第1電極111、第2電極112、参照電極113、及びアース電極114は、擬似脳波発生システム6の第1接続部821、第2接続部822、第3接続部823、及び第4接続部824にそれぞれ電気的に接続される。擬似脳波発生システム6は、出力部82に脳波を模した電気信号を生じさせる。これにより、ヘッドセット1は、電極部11にて擬似脳波発生システム6からの電気信号(擬似脳波信号)を測定し、擬似脳波信号を表す脳波情報を生成する。つまり、ヘッドセット1は、擬似脳波発生システム6からの電気信号に基づいて脳波情報を生成する。ヘッドセット1は、例えば、無線通信により、脳波情報を情報処理装置2に送信する。
情報処理装置2は、ヘッドセット1から取得した脳波情報に対して、種々の処理を施したり、脳波情報を表示したりする。情報処理装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムを主構成とする。情報処理装置2は、例えば、無線通信により、ヘッドセット1からの脳波情報を受信し、脳波情報に対する種々の処理を実行する。対象者5が随意運動を行おうと企図(想起)した際に生じ得る特徴的な変化を含む脳波の検出は、情報処理装置2にて行われる。
情報処理装置2は、プロセッサ21と、メモリ22と、を含むコンピュータシステムを主構成とする。情報処理装置2は、第2通信部23と、操作部24と、第3通信部25と、表示部26と、を更に有している。
第2通信部23は、ヘッドセット1(第1通信部13)との通信機能を有している。第2通信部23は、少なくとも脳波情報をヘッドセット1から受信する。本実施形態では、第2通信部23は、ヘッドセット1と双方向に通信可能である。第2通信部23は、例えば、一例として、200Hz程度のサンプリング周波数でサンプリングされた脳波情報を、ヘッドセット1から随時受信する。
第3通信部25は、制御装置4との通信機能を有している。第3通信部25は、少なくとも制御信号を制御装置4に送信する。第3通信部25の通信方式は、例えば、USB(Universal Serial Bus)に準拠した有線通信である。
本実施形態では、情報処理装置2は、タッチパネルディスプレイを搭載しており、タッチパネルディスプレイが操作部24及び表示部26として機能する。そのため、情報処理装置2は、表示部26に表示される各画面上でのボタン等のオブジェクトの操作(タップ、スワイプ、ドラッグ等)が操作部24で検出されることをもって、ボタン等のオブジェクトが操作されたことと判断する。つまり、操作部24及び表示部26は、各種の表示に加えて、対象者5又は医療スタッフからの操作入力を受け付けるユーザインタフェースとして機能する。ただし、操作部24は、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、又はメカニカルなスイッチ等であってもよい。
プロセッサ21は、取得部211、解析部212、及び検出部213の機能を有している。メモリ22に記録されているプログラムをプロセッサ21が実行することによって、取得部211、解析部212、及び検出部213の機能が実現される。
取得部211は、電極部11にて採取される脳波を表す脳波情報を取得する。すなわち、取得部211は、ヘッドセット1の電極部11にて採取される脳波又は擬似脳波信号を表す脳波情報を、第2通信部23を介してヘッドセット1から取得する。ここで、取得部211は、第1電極111にて採取される脳波又は擬似脳波信号を表す第1脳波情報及び第2電極112にて採取される脳波又は擬似脳波信号を表す第2脳波情報をそれぞれ取得する。つまり、本実施形態では、電極部11が第1電極111及び第2電極112を含んでいるので、取得部211では、第1電極111で採取される脳波情報を第1脳波情報、第2電極112で採取される脳波情報を第2脳波情報として区別する。本実施形態では、取得部211はディジタル形式の脳波情報を取得し、取得した脳波情報をメモリ22に記憶する。このとき、メモリ22には、訓練時間の開始から終了までの間に脳波測定システム10で測定された脳波情報の時系列データが記憶される。
解析部212は、取得部211で取得された脳波情報の解析を行う。解析部212は、メモリ22に記憶されている脳波情報の周波数解析を行い、周波数帯域ごとの信号強度を示すスペクトルデータを生成する。具体的には、解析部212は、メモリ22に記憶されている脳波情報を所定時間分だけ読み出して、例えば、短時間フーリエ変換(short-time Fourier transform:STFT)等の周波数解析を行う。これにより、時間経過に伴って変化する脳波信号について、周波数帯域ごとのパワーが算出される。本開示でいう「パワー」は、周波数帯域ごとの強度(スペクトル強度)の積算値である。
検出部213は、解析部212で解析された周波数帯域ごとのパワーに基づいて、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に生じ得る特徴的な変化を含む脳波を検出する。具体的には、検出部213は、特定の周波数帯域のパワーが安静範囲と運動範囲とのいずれにあるかによって、特徴的な変化を含む脳波の有無を判断する。本開示でいう「安静範囲」は、対象者5が、身体を安静状態とし、つまり随意運動を行おうとする企図(想起)を行わず、リラックスした状態を維持しているときの、対象者5の脳波の特定の周波数帯域のパワーがとり得る範囲を意味する。本開示でいう「運動範囲」は、対象者5が、随意運動を行おうと企図した場合に脳波の特定の周波数帯域のパワーがとり得る範囲を意味する。つまり、検出部213は、特定の周波数帯域のパワーが安静範囲から運動範囲へ遷移したことをもって、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に生じ得る特徴的な変化を含む脳波が発生したと判断する。
運動補助装置3は、対象者5に機械的な刺激と電気的な刺激との少なくとも一方を加えて、対象者5の運動を補助する装置である。本実施形態では、対象者5の左手指のリハビリテーションにリハビリテーション支援システム100が用いられるので、図3に示すように、運動補助装置3は、対象者5の左手に装着される。
リハビリテーション支援システム100では、対象者5が随意運動として伸展動作を行う際に、対象者5の左手に装着された運動補助装置3が、対象者5の左の手指53に機械的な刺激と電気的な刺激との少なくとも一方を加えて、随意運動を補助する。具体的には、運動補助装置3は、図3に示すように、手指駆動装置31と、電気刺激発生装置32と、を有している。
手指駆動装置31は、第1指(親指)を除く4本の手指53(第2指〜第5指)を保持し、これら4本の手指53に機械的な刺激(外力)を与えることによって、4本の手指53を動かす装置である。手指駆動装置31は、例えば、モータ又はソレノイド等の動力源を含み、動力源で発生した力を4本の手指53に伝えることによって、4本の手指53を動かす。手指駆動装置31では、保持した4本の手指53を、第1指から離れる向きに移動(つまり伸展動作)させる「開動作」と、第1指に近づく向きに移動(つまり把持動作)させる「閉動作」と、の2種類の動作が可能である。手指駆動装置31の開動作により対象者5の伸展動作が補助され、手指駆動装置31の閉動作により対象者5の把持動作が補助される。
電気刺激発生装置32は、対象者5の手指53を動かすための部位に、電気的な刺激を与える装置である。ここで、対象者5の手指53を動かすための部位は、対象者5の手指53の筋肉と神経との少なくとも一方に対応する部位を含む。例えば、対象者5の手指53を動かすための部位は、対象者5の腕の一部である。電気刺激発生装置32は、例えば、対象者5の身体(例えば腕)に貼り付けられるパッドを含む。電気刺激発生装置32は、パッドから対象者5の身体に電気的な刺激(電流)を与えることによって、手指53を動かすための部位への刺激を与える。
制御装置4は、脳波測定システム10にて取得された脳波情報に基づいて、運動補助装置3を制御する。本実施形態では、制御装置4は、脳波測定システム10の情報処理装置2、及び運動補助装置3に対して電気的に接続されている。制御装置4には、運動補助装置3及び制御装置4の動作用電力を供給するための電源ケーブルが接続されている。制御装置4は、運動補助装置3の手指駆動装置31を駆動するための駆動回路、及び電気刺激発生装置32を駆動するための発振回路を含んでいる。制御装置4は、例えば、有線通信により、情報処理装置2から制御信号を受信する。
制御装置4は、情報処理装置2から第1の制御信号を受信すると、駆動回路にて運動補助装置3の手指駆動装置31を駆動し、手指駆動装置31にて「開動作」が行われるように運動補助装置3を制御する。また、制御装置4は、情報処理装置2から第2の制御信号を受信すると、駆動回路にて運動補助装置3の手指駆動装置31を駆動し、手指駆動装置31にて「閉動作」が行われるように運動補助装置3を制御する。また、制御装置4は、情報処理装置2から第3の制御信号を受信すると、発振回路にて運動補助装置3の電気刺激発生装置32を駆動し、対象者5の身体に電気的な刺激が与えられるように運動補助装置3を制御する。
このように、制御装置4は、脳波測定システム10から出力される制御信号に基づいて、運動補助装置3を制御することによって、脳波測定システム10にて取得された脳波情報に基づいて運動補助装置3を制御することが可能である。また、制御装置4は、制御装置4に備えられた操作スイッチの操作に応じて、手指駆動装置31にて「開動作」及び「閉動作」が行われるように運動補助装置3を制御することもできる。
(3)使用方法
次に、リハビリテーション支援システム100の使用方法について説明する。本実施形態では、対象者5が、ペグ101(図5参照)を左手指でつかんだ姿勢から、手指53の伸展動作によりペグ101を離す際の随意運動(伸展動作)を、リハビリテーション支援システム100にて補助する場合について説明する。
まず、準備過程として、対象者5は、ヘッドセット1を頭部52に装着し、運動補助装置3を左手に装着する。このとき、ヘッドセット1は、少なくとも電極部11を測定箇所51となる対象者5の頭部52の右側表面の一部に接触させるように、対象者5の頭部52に装着される。運動補助装置3は、少なくとも対象者5の左手の第1指(親指)を除く4本の手指53(第2指〜第5指)を保持し、かつパッドを対象者5の腕に貼り付けた状態で、対象者5に装着される。ヘッドセット1及び運動補助装置3は、リハビリテーション中にずれたり外れたりしないように適宜固定される。準備過程では、運動補助装置3の手指駆動装置31にて対象者5の4本の手指53が保持されることにより、対象者5については、ペグ101を左手指でつかんだ姿勢が維持される。ヘッドセット1及び運動補助装置3を対象者5に装着する作業は、対象者5自身が行ってもよいし、医療スタッフが行ってもよい。
準備が完了し、かつヘッドセット1と情報処理装置2とが通信可能な状態になると、ヘッドセット1にて生成された脳波情報が、情報処理装置2にて取得可能となる。つまり、脳波測定システム10は、情報処理装置2にて、対象者5の頭部52の一部である測定箇所51に配置される電極部11にて採取される脳波を表す脳波情報を取得することができる。情報処理装置2は、取得した脳波情報を時系列に沿ってメモリ22(図5参照)に記憶(蓄積)する。さらに、情報処理装置2は、例えば、記憶した脳波情報について時間周波数解析(Time Frequency Analysis)を行うことにより、脳波のパワースペクトルを生成する。脳波測定システム10は、情報処理装置2にて、パワースペクトルのデータを常時監視することにより、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に生じ得る特徴的な変化を含む脳波の検出が可能となる。
リハビリテーション支援システム100は、対象者5のリハビリテーションを支援する訓練過程を開始する。訓練過程においては、訓練時間中に脳波測定システム10で測定される脳波に基づいて、対象者5のリハビリテーションが支援される。具体的には、訓練時間は安静期間と運動期間とに2分されており、対象者5は、安静期間及び運動期間の各々において、リハビリテーション支援システム100の指示に従ってリハビリテーションを実施する。本実施形態では一例として、訓練時間は「10秒間」であって、訓練時間を2等分した場合の前半の「5秒間」が安静期間、後半の「5秒間」が運動期間であると仮定する。
安静期間においては、対象者5は、身体を安静状態とし、つまり随意運動を行おうと企図(想起)せず、リラックスした状態を維持する。このとき、脳波測定システム10では、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に生じ得る事象関連脱同期による特徴的な変化を含む脳波は検出されない。
一方、運動期間においては、対象者5は、手指53の伸展動作、つまり随意運動を行おうと企図(想起)する。このとき、脳波測定システム10では、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に生じ得る事象関連脱同期による特徴的な変化を含む脳波が検出され得る。本実施形態では脳波の、特徴的な変化を、活性化レベルと閾値とを比較し、活性化レベルが閾値を超えるか否かによって検出する。本開示でいう「活性化レベル」は、特定の周波数帯域のパワー(パワースペクトル)の減少量を表す値である。事象関連脱同期が生じて特定の周波数帯域のパワーが減少することで、活性化レベルが閾値を超えるため、脳波測定システム10は、活性化レベルが閾値を超えることをもって、脳波の特徴的な変化を検出する。
脳波測定システム10では、このような特徴的な変化を含む脳波を検出することをトリガにして、運動補助装置3を制御するための制御信号が発生する。そのため、リハビリテーション支援システム100では、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に、随意運動の対象となる部位に対応する脳領域の活性化が実際に起きたタイミングに合わせて、運動補助装置3にて対象者5の随意運動を補助することが可能である。
次に、訓練過程における脳波測定システム10の動作について詳しく説明する。
訓練過程においては、対象者5がリハビリテーションを実施する。つまり、リハビリテーション支援システム100による訓練が開始する。訓練の開始と同時に、訓練時間のカウントが開始して、脳波測定システム10は対象者5の脳波を測定する。そして、訓練時間の前半の安静期間(0〜5秒の期間)には、対象者5は、表示部26の表示、又は医療スタッフの指示に従って、身体を安静状態とする。このとき、活性化レベル及び脳波はリアルタイムで表示部26に表示される。ただし、安静期間においては、脳波測定システム10は、活性化レベルと閾値との比較を行わず、事象関連脱同期による特徴的な変化を含む脳波の検出を行わない。
一方、訓練時間の後半の運動期間(5〜10秒の期間)には、対象者5は、表示部26の表示、又は医療スタッフの指示に従って、手指53の伸展動作、つまり随意運動を行おうとする企図(想起)を行う。このとき、活性化レベル及び脳波はリアルタイムで表示部26に表示される。さらに、運動期間においては、脳波測定システム10は、活性化レベルと閾値との比較を行い、事象関連脱同期による特徴的な変化を含む脳波を検出する。
更に詳しく説明すると、脳波測定システム10は、随時、取得部211で取得された脳波情報を解析部212にて解析する。さらに、脳波測定システム10は、解析部212で解析された周波数帯域ごとのパワーに基づいて、検出部213にて活性化レベルを算出し、活性化レベルと閾値との比較を行う。脳波測定システム10では、事象関連脱同期が生じて特定の周波数帯域のパワーが減少し、特定の周波数帯域のパワーが安静範囲から運動範囲へ遷移したときに、活性化レベルが閾値を超えたと判断される。
ここで、特定の周波数帯域は、単一の周波数帯域(一例として、α波の帯域又はβ波の帯域)でもよいし、複数の周波数帯域(一例として、α波の帯域及びβ波の帯域)であってもよい。特定の周波数帯域が、例えば、2つの周波数帯域である場合には、これら2つの周波数帯域のパワーで規定される座標値が、安静範囲から運動範囲へ遷移した場合、活性化レベルが閾値を超える。
また、本実施形態では、脳波測定システム10は、活性化レベルが閾値を超えている状態の継続時間を測定する機能を有している。脳波測定システム10は、活性化レベルが閾値以下の値から、閾値を超える値に立ち上がる(変化する)と、第3の制御信号を運動補助装置3に送信する。さらに、継続時間が規定時間(例えば、「1秒」)に達すると、脳波測定システム10は、第1の制御信号を運動補助装置3に送信する。
上記より、活性化レベルが閾値を超えたときに、運動補助装置3の電気刺激発生装置32が駆動され、運動補助装置3にて、対象者5の身体に電気的な刺激が与えられて、対象者5の随意運動(伸展動作)が補助される。さらに、活性化レベルが閾値を超える状態が規定時間継続したときに、運動補助装置3の手指駆動装置31が駆動され、運動補助装置3にて、手指駆動装置31の「開動作」が行われて、対象者5の随意運動(伸展動作)が補助される。
その結果、対象者5が随意運動を行おうと企図(想起)した際に、随意運動の対象となる部位に対応する脳領域の活性化が実際に起きたタイミングに合わせて、運動補助装置3にて対象者5の随意運動(左の手指53の伸展動作)が補助される。このとき、対象者5の筋肉及び感覚神経が活動し、その情報が脳に伝達されることにより、神経の再構築が行われ、リハビリテーションの効果が得られる。したがって、リハビリテーション支援システム100によれば、様々な状態の対象者5について、医療スタッフが補助する場合と同様に、対象者5が単独で随意運動を行う場合に比べて効果的な、運動療法によるリハビリテーションを実現可能となる。
擬似脳波発生システム6は、脳波測定システム10を含むリハビリテーション支援システム100の動作試験及び性能評価を行うために使用される。
例えば、動作試験及び性能評価では、擬似脳波発生システム6から擬似脳波信号をヘッドセット1に与えた場合に、ヘッドセット1、情報処理装置2、運動補助装置3、及び制御装置4が想定した通りの動作を行うかどうかを確認する。例えば、擬似脳波発生システム6を利用して、リハビリテーション支援システム100が訓練課程の動作を正しく行うかを確認する。この場合、擬似脳波発生システム6により、事象関連脱同期による特徴的な変化を含む脳波を模した電気信号をヘッドセット1に与える。そして、このときに、ヘッドセット1及び情報処理装置2がこの特徴的な変化を検出し、運動補助装置3及び制御装置4が特徴的な変化の検出に応じた動作を行うかが確認される。
本実施形態では一例として、訓練時間は「10秒間」であって、訓練時間を2等分した場合の前半の「5秒間」が安静期間、後半の「5秒間」が運動期間であると仮定している。この場合に、動作試験に使用される擬似脳波信号を与えるための基準信号は次式で表され、基準信号の例としては、表1に示す4パターンが挙げられる。なお、f1及びf2は周波数([Hz])を示し、nは周波数f1の正弦波と周波数f2の正弦波との位相差を決めるための値である。また、Va1及びVb1は安静期間の振幅([μV])を示し、Va2及びVb2は運動期間の振幅([μV])を示す。
パターン1は、脳波がα波(周波数9Hzの信号)である場合に、特徴的な変化が生じた例に対応する。図10は、パターン1の基準信号と、ヘッドセット1で測定された擬似脳波信号との波形を示す。図10から明らかなように、擬似脳波信号においても、基準信号と同様に、特徴的な変化が生じている。パターン1では、運動期間の振幅Va2が安静期間の振幅Va1の90%であるから、パワー変化率は81%である。波の強度(パワー)は振幅の2乗に比例するからパワー変化率は振幅の変化率の2乗で与えられる。
パターン2は、脳波がβ波(周波数18Hzの信号)である場合に、特徴的な変化が生じた例に対応する。図11は、パターン2の基準信号と、ヘッドセット1で測定された擬似脳波信号との波形を示す。図11から明らかなように、擬似脳波信号においても、基準信号と同様に、特徴的な変化が生じている。パターン2では、運動期間の振幅Vb2が安静期間の振幅Vb1の90%であるから、パワー変化率は81%である。
パターン3は、脳波がα波(9Hzの周波数を有する信号)とβ波(18Hzの周波数を有する信号)を含む場合に、α波に特徴的な変化が生じた例に対応する。図12は、パターン3の基準信号と、ヘッドセット1で測定された擬似脳波信号との波形を示す。図12から明らかなように、擬似脳波信号においても、基準信号と同様に、α波帯域に特徴的な変化が生じている。パターン3では、α波の運動期間の振幅Va2が安静期間の振幅Va1の90%であるから、パワー変化率は81%である。一方で、β波の運動期間の振幅Vb2が安静期間の振幅Vb1の100%であるから、パワー変化率は100%である。
パターン4は、脳波がμ波である場合に、特徴的な変化が生じた例に対応する。μ波は、α波帯域の第1成分とβ波帯域の第2成分とを含んでおり、第1成分と第2成分との位相差がnπである(nは奇数)。図13は、パターン4の基準信号と、ヘッドセット1で測定された擬似脳波信号との波形を示す。図13から明らかなように、擬似脳波信号においても、基準信号と同様に、特徴的な変化が生じている。パターン4では、α波帯域の運動期間の振幅Va2が安静期間の振幅Va1の90%であるから、パワー変化率は81%である。同様に、β波帯域の運動期間の振幅Vb2が安静期間の振幅Vb1の90%であるから、パワー変化率は81%である。
パターン1〜4の基準信号により与えられる擬似脳波信号を利用して、リハビリテーション支援システム100の動作試験を行うことにより、パターン1〜4に対応する事象関連脱同期による特徴的な変化のいずれについても正しく動作するかどうかを確認できる。
(変形例)
以上説明した上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。また、上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。
(1)第1変形例
図14は、第1変形例の擬似脳波発生システムの要部を示す。第1変形例の擬似脳波発生システムは、図6に示す擬似脳波発生回路8の代わりに、図14に示す擬似脳波発生回路8Aを備える。
擬似脳波発生回路8Aは、擬似脳波発生回路8の処理部83とは異なる処理部83Aを有する。処理部83Aは、静電気保護素子C81〜C84を更に備えている点で、処理部83と異なる。静電気保護素子C81〜C84は、第1端が出力部82に電気的に接続され、第2端に接地電位が与えられる。特に、静電気保護素子C81は第1端が出力部82の第1接続部821に電気的に接続される。より詳細には、静電気保護素子C81は第1端が第1接続部821と第1接触抵抗回路871との間に電気的に接続される。また、静電気保護素子C82は第1端が出力部82の第2接続部822に電気的に接続される。より詳細には、静電気保護素子C82は第1端が第2接続部822と第2接触抵抗回路872との間に電気的に接続される。また、静電気保護素子C83は第1端が出力部82の第3接続部823に電気的に接続される。より詳細には、静電気保護素子C83は第1端が第3接続部823と第3接触抵抗回路873との間に電気的に接続される。また、静電気保護素子C84は第1端が出力部82の第4接続部824に電気的に接続される。より詳細には、静電気保護素子C84は第1端が第4接続部824と第4接触抵抗回路874との間に電気的に接続される。また、静電気保護素子C81〜C84の各々は、第2端がグラウンドに接続される。例えば、静電気保護素子C81〜C84の第2端には、いずれかのオペアンプOP21の接地電位と等しい電位が与えられる。
静電気保護素子C81〜C84は、いずれも、コンデンサを含む。ここでは、静電気保護素子C81〜C84は、いずれも、単一のコンデンサであってよいし、複数のコンデンサで構成された回路であってよい。静電気保護素子C81〜C84は、いずれも、人体と地面の間の静電容量に相当する静電容量を有している。ここで、地面は、グラウンド(大地)を想定している。一例として、人体(例えば、足裏)と地面の間の静電容量は、約200pFである。一例として、静電気保護素子C81〜C84の静電容量は、いずれも、50pF〜200pFの範囲であり、本実施形態では、100pFである。
静電気保護素子C81〜C84があることで、処理部83Aに出力部82を通じて侵入した静電気をグラウンドに逃がすことができる。よって、静電気からの保護を図ることができる。更に、静電気保護素子C81〜C84が人体の静電容量に相当する静電容量を有していることから、脳波により近い電気信号を発生させることができる。
また、第1変形例の擬似脳波発生システムは、擬似脳波発生回路8A(すなわち、入力部81、出力部82、及び処理部83A)を保護するシールド9を更に備える。シールド9は、絶縁シールドと、静電シールドと、磁気シールドとの機能を有する。ここで、シールド9は、擬似脳波発生回路8A(すなわち、入力部81、出力部82、及び処理部83A)を収容するように形成されている。ここで、シールド9は、可能な限り擬似脳波発生回路8Aの全体を覆うことが好ましい。ただし、シールド9は、信号発生器7を入力部81に接続可能とし、脳波計1を出力部82に接続可能とすることが望まれる。シールド9は、導電性を有する筐体と、筐体の表面を全体的に覆う絶縁性のカバーとを含み得る。筐体は、金属製であってよく、少なくとも擬似脳波発生回路8の使用時には、筐体に接地電位を与えられる。なお、絶縁性のカバーの代わり又は加えて、筐体の表面に形成された絶縁被膜が用いられ得る。
擬似脳波発生システムで発生させる電気信号は脳波を模した信号であり、強度が比較的小さいため、外来ノイズ等を含む周囲環境の変動の影響を受けやすい。しかしながら、このようなシールド9を利用することで、周囲環境の変動の影響を低減できる。そのため、擬似脳波発生システムでは、脳波により近い電気信号を発生させることができる。
(2)第2変形例
図15は、第2変形例の擬似脳波発生システムの要部を示す。第2変形例の擬似脳波発生システムは、図6に示す擬似脳波発生回路8の代わりに、図15に示す擬似脳波発生回路8Bを備える。
擬似脳波発生回路8Bは、擬似脳波発生回路8の処理部83とは異なる処理部83Bを有する。処理部83Bは、静電気保護素子D81〜D84と、複数の出力保護回路891と、複数の入出力保護回路892とを更に備えている点で、処理部83と異なる。
静電気保護素子D81〜D84は、いずれも、ダイオード(例えば、ツェナーダイオード)を含む。ここでは、静電気保護素子D81〜D84は、いずれも、単一のダイオードであってよいし、複数のダイオードの縦続接続(カスケード接続)又は並列接続で構成された回路であってよい。静電気保護素子D81〜D84は、第1端(カソード)が出力部82に電気的に接続され、第2端(アノード)に接地電位が与えられる。特に、静電気保護素子D81はカソードが出力部82の第1接続部821に電気的に接続される。より詳細には、静電気保護素子D81はカソードが第1接続部821と第1接触抵抗回路871との間に電気的に接続される。また、静電気保護素子D82はカソードが出力部82の第2接続部822に電気的に接続される。より詳細には、静電気保護素子D82はカソードが第2接続部822と第2接触抵抗回路872との間に電気的に接続される。また、静電気保護素子D83はカソードが出力部82の第3接続部823に電気的に接続される。より詳細には、静電気保護素子D83はカソードが第3接続部823と第3接触抵抗回路873との間に電気的に接続される。特に、静電気保護素子D84はカソードが出力部82の第4接続部824に電気的に接続される。より詳細には、静電気保護素子D84はカソードが第4接続部824と第4接触抵抗回路874との間に電気的に接続される。また、静電気保護素子D81〜D84の各々は、アノードがグラウンドに接続される。例えば、静電気保護素子D81〜D84のアノードには、いずれかのオペアンプOP21の接地電位と等しい電位が与えられる。
このような静電気保護素子D81〜D84があることで、処理部83Bに出力部82を通じて侵入した静電気をグラウンドに逃がすことができる。よって、静電気からの保護を図ることができる。
複数(図示例では3つ)の出力保護回路891は、複数(図示例では3つ)のインピーダンス変換回路851,852,853にそれぞれ対応して設けられている。各出力保護回路891は、第1ダイオードD11と第2ダイオードD12とを含む。第1ダイオードD11は、アノードがオペアンプOP21の出力端子に電気的に接続され、カソードに電源電位が与えられる。電源電位は、オペアンプOP21と同様に、電源部88から与えられ得る。つまり、第1ダイオードD11は、オペアンプOP21の出力端子と電源部88との間に電気的に接続され得る。第2ダイオードD12は、カソードがオペアンプOP21の出力端子に電気的に接続され、アノードに接地電位が与えられる。例えば、ダイオードD12のアノードは、グラウンドに接続される。つまり、ダイオードD12のアノードには、オペアンプOP21の接地電位と等しい電位が与えられ得る。
特に、第1インピーダンス変換回路851に設けられた出力保護回路891では、第1ダイオードD11のアノード及び第2ダイオードD12のカソードが第1インピーダンス変換回路851のオペアンプOP21の出力端子に電気的に接続される。また、第2インピーダンス変換回路852に設けられた出力保護回路891では、第1ダイオードD11のアノード及び第2ダイオードD12のカソードが第2インピーダンス変換回路852のオペアンプOP21の出力端子に電気的に接続される。また、第3インピーダンス変換回路853に設けられた出力保護回路891では、第1ダイオードD11のアノード及び第2ダイオードD12のカソードが第3インピーダンス変換回路853のオペアンプOP21の出力端子に電気的に接続される。
このような出力保護回路891があることで、処理部83Bに入力部81又は出力部82を通して侵入した静電気を外部へ逃がすことができる。よって、静電気からの保護を図ることができる。
複数(図示例では3つ)の入出力保護回路892は、複数(図示例では3つ)のインピーダンス変換回路851,852,853にそれぞれ対応して設けられている。各入出力保護回路892は、複数(図示例では2つ)のダイオードD21,D22の逆並列回路を含み、オペアンプOP21の出力端子と入力端子との間に電気的に接続される。特に、第1インピーダンス変換回路851に設けられた入出力保護回路892では、逆並列回路が第1インピーダンス変換回路851の出力端子と非反転入力端子との間に電気的に接続されている。また、第2インピーダンス変換回路852に設けられた入出力保護回路892では、逆並列回路が第2インピーダンス変換回路852の出力端子と非反転入力端子との間に電気的に接続されている。また、第3インピーダンス変換回路853に設けられた入出力保護回路892では、逆並列回路が第3インピーダンス変換回路853の出力端子と非反転入力端子との間に電気的に接続されている。なお、各オペアンプOP21は、入力端子と反転入力端子とが短絡されているため、逆並列回路は、非反転入力端子と反転入力端子との間にも電気的に接続されている。
このような入出力保護回路892があることで、処理部83Bに入力部81又は出力部82を通して侵入した静電気を外部へ逃がすことができる。よって、静電気からの保護を図ることができる。
また、第2変形例の擬似脳波発生システムは、擬似脳波発生回路8B(すなわち、入力部81、出力部82、及び処理部83B)を保護するシールド9を更に備える。シールド9は、第1変形例と同様であるから、説明を省略する。このようなシールド9を利用することで、周囲環境の変動の影響を低減できる。これによって、脳波により近い電気信号を発生させることができる。
(3)その他の変形例
擬似脳波発生システム6では、信号発生器7が、基準信号として、特定の周波数帯域の強度変化を含む信号を出力するように構成されている。この代わりに、擬似脳波発生回路8が、基準信号に特定の周波数帯域の強度変化を生じさせる回路を有していてもよい。ただし、このような回路は、スイッチングノイズ等の発生源となり得る。そのため、信号発生器7がマルチファンクションジェネレータである場合には、信号発生器7に特定の周波数帯域の強度変化を含む信号を出力させたほうが、出力部82で発生される電気信号(擬似脳波信号)へのノイズの影響を低減できる。
また、第1接触抵抗回路871、第2接触抵抗回路872、第3接触抵抗回路873、及び第4接触抵抗回路874は、抵抗値を切り替える機能を有していなくてもよい。つまり、第1接触抵抗回路871、第2接触抵抗回路872、第3接触抵抗回路873、及び第4接触抵抗回路874は、固定の抵抗値を有していてもよい。
また、処理部(83;83A;83B)は、第1分極電圧回路861、第2分極電圧回路862、第3分極電圧回路863、及び第4分極電圧回路864を有していなくてもよい。特に、ヘッドセット1の第1電極111、第2電極112、参照電極113、及びアース電極114が分極の生じにくい電極である場合、第1分極電圧回路861、第2分極電圧回路862、第3分極電圧回路863、及び第4分極電圧回路864は省略可能である。
また、処理部(83;83A;83B)は、減衰器84を有していなくてもよい。例えば、信号発生器7により十分に小さい振幅の基準信号を出力できる場合には、減衰器84は省略してよい。
また、静電気保護素子としては、コンデンサ、ダイオード(ツェナーダイオード)、バリスタ、ESDサプレッサが挙げられる。また、静電気保護素子(C81〜C84;D81〜D84)は、第1端が出力部82ではなく入力部(81)に電気的に接続されてよい。つまり、静電気保護素子(C81〜C84;D81〜D84)は、第1端が入力部81と出力部82との一方に電気的に接続されてよい。また、処理部(83;83A;83B)は、第1端が入力部81に電気的に接続された静電気保護素子と第1端が出力部82に接続された静電気保護素子との2種類の静電気保護素子を有していてよい。これら静電気保護素子の第2端には接地電位が与えられてよい。
また、第1インピーダンス変換回路851、第2インピーダンス変換回路852、及び第3インピーダンス変換回路853は、実施形態のボルテージフォロワに限らず、例えば、ソースフォロワ等のインピーダンス変換回路であってもよい。
擬似脳波発生システム6では、第1接続部821、第2接続部822、第3接続部823、及び第4接続部824は、いずれも、ヘッドセット1の電極(第1電極111、第2電極112、参照電極113、及びアース電極114)に接触される電極でなくてもよい。第1接続部821、第2接続部822、第3接続部823、及び第4接続部824は、ヘッドセット1の電極に接触される電極に電気的に接続される端子又はコネクタであってもよい。このようにすれば、例えば、頭部模型500に設けた複数の電極から第1接続部821、第2接続部822、第3接続部823、及び第4接続部824の接続先を選択できるようになる。
例えば、擬似脳波発生システム6では、参照電極113とアース電極114を接続する場合、第3接続部823は必須ではない。第3接続部823を有していない場合、当然ながら、第3分極電圧回路863、第3接触抵抗回路873も必須ではない。
また、電源部88は、バッテリV61ではなく、商用交流電源からの電力を処理部(83;83A;83B)に供給してもよい。ただし、バッテリV61を利用したほうが商用交流電源を利用するよりも処理部(83;83A;83B)へ混入するハムノイズ(商用交流電源ノイズ)を減らすことができる。
出力保護回路891は、第1ダイオードD11と第2ダイオードD12との両方を含んでいなくてもよく、第1ダイオードD11と第2ダイオードD12との少なくとも一方を含んでいればよい。また、第1ダイオードD11及び第2ダイオードD12は、いずれも、単一のダイオードであってよいし、複数のダイオードで構成された回路であってよい。また、入出力保護回路892では、ダイオードD21,D22は、いずれも、単一のダイオードであってよいし、複数のダイオードで構成された回路であってよい。
また、シールド9は、絶縁シールドと、静電シールドと、磁気シールドとの少なくとも一つの機能を有していればよく、これら全ての機能を有していなくてよい。ただし、シールド9がこれら全ての機能を有していれば、周囲環境の変動の影響をより低減でき得る。
本開示における脳波測定システム10は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における脳波測定システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
また、例えば、情報処理装置2の複数の構成要素が、1つの筐体内に集約されていることは脳波測定システム10に必須の構成ではなく、情報処理装置2の複数の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。複数の構成要素が複数の筐体に分散して設けられている場合でも、例えば、インターネット等のネットワークを介して複数の構成要素が接続されることにより、協働して脳波測定システム10を実現することができる。さらに、脳波測定システム10の少なくとも一部の機能は、例えば、サーバ又はクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。反対に、例えば、ヘッドセット1及び情報処理装置2のように、複数の装置に分散されている機能が、脳波測定システム10の一部として、脳波測定システム10の他の構成要素と共に1つの筐体内に集約されていてもよい。
また、電極部11は、対象者5の頭部52の表面(頭皮)に接触する構成に限らず、例えば、脳の表面(脳表)に電極部11が接触するように電極部11が構成されてもよい。
また、リハビリテーション支援システム100は、対象者5の手指のリハビリテーションに限らず、例えば、肩、肘、上腕、腰、下肢、又は上肢等、対象者5の身体の任意の部位のリハビリテーションに用いられてもよい。対象者5が随意運動を行おうと企図(想起)した際に生じ得る脳波の特徴的な変化の仕方は、リハビリテーションの対象部位及び運動内容等によって異なる場合がある。例えば、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に事象関連同期(Event-Related Synchronization:ERS)が生じる場合には、随意運動時に運動野付近で測定される脳波において、特定の周波数帯域のパワーが増加する。この場合、脳波測定システム10では、特定の周波数帯域のパワーが増加することをもって、脳波の特徴的な変化を検出する。これに対応して、擬似脳波発生システム6は、事象関連同期に起因する特定の周波数帯域の強度変化を含む脳波を模した電気信号を出力するように構成されていてもよい。
また、リハビリテーション支援システム100は、対象者5に電気的又は機械的(力学的)な刺激を与える構成に限らず、例えば、映像を表示することで、対象者5に視覚的な刺激を与える構成であってもよい。この場合、リハビリテーション支援システム100は、例えば、対象者5が随意運動を行おうと企図した際に、随意運動の対象となる部位に対応する脳領域の活性化が実際に起きたタイミングに合わせて、障害部位が正常に動いているような映像を対象者5に見せる。このようにしても、リハビリテーション支援システム100は、対象者5の随意運動を補助することができる。
また、運動補助装置3と制御装置4とは別体に限らず、例えば、運動補助装置3と制御装置4とが1つの筐体内に収容され一体化されていてもよい。
また、ヘッドセット1と情報処理装置2との間の通信方式は、実施形態では無線通信であるが、この例に限らず、例えば、有線通信であってもよいし、中継器等を介した通信方式であってもよい。制御装置4と情報処理装置2との間の通信方式は、実施形態では有線通信であるが、この例に限らず、例えば、無線通信であってもよいし、中継器等を介した通信方式であってもよい。
また、ヘッドセット1は電池駆動式に限らず、信号処理部12及び第1通信部13等の動作用電力が、例えば、情報処理装置2から供給される構成であってもよい。
また、情報処理装置2は、専用のヘッドセット1から脳波情報を取得する構成に限らず、例えば、汎用の脳波計から脳波情報を取得するように構成されていてもよい。
(まとめ)
以上述べた実施形態及び変形例から明らかなように、第1の態様の擬似脳波発生システム(6)は、入力部(81)と、出力部(82)と、処理部(83;83A;83B)と、を備える。前記入力部(81)は、信号発生器(7)からの基準信号を受け取る。前記出力部(82)は、脳波計(1)の電極部(11)に電気的に接続される。前記処理部(83;83A;83B)は、前記入力部(81)で受け取った前記基準信号に基づいて脳波を模した電気信号を前記出力部(82)に生じさせるように構成される。前記処理部(83;83A;83B)は、接触抵抗部(87)と、インピーダンス変換部(85)と、を有する。前記接触抵抗部(87)は、前記入力部(81)と前記出力部(82)との間にあって前記電極部(11)と人体との間の接触抵抗に相当する抵抗値を有する接触抵抗回路(871,872)を含む。前記インピーダンス変換部(85)は、前記入力部(81)と前記接触抵抗回路(871,872)との間にあるインピーダンス変換回路(851,852)を含む。前記インピーダンス変換回路(851,852)は、前記接触抵抗回路(871,872)から見たインピーダンスが前記入力部(81)から見たインピーダンスよりも小さい。第1の態様によれば、測定環境による影響を反映し脳波により近い電気信号を発生させることができる。
第2の態様の擬似脳波発生システム(6)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、前記処理部(83;83A;83B)は、減衰器(84)を更に備える。前記減衰器(84)は、前記入力部(81)と前記インピーダンス変換回路(851,852)との間にあって前記入力部(81)で受け取った前記基準信号を減衰させるように構成される。第2の態様によれば、脳波により近い電気信号を発生させることができる。
第3の態様の擬似脳波発生システム(6)は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、前記接触抵抗回路(871,872)は、前記抵抗値を切り替える機能を有する。第3の態様によれば、測定環境の変化により接触抵抗が変化する場合にも対応できる。
第4の態様の擬似脳波発生システム(6)は、第1〜第3の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、前記処理部(83;83A;83B)は、分極電圧部(86)を更に備える。前記分極電圧部(86)は、前記入力部(81)と前記出力部(82)との間にあって前記電極部(11)での分極電圧に相当する電圧変化を生じさせる分極電圧回路(861,862)を含む。第4の態様によれば、測定環境による影響の一つである分極電圧の影響を反映し脳波により近い電気信号を発生させることができる。
第5の態様の擬似脳波発生システム(6)は、第4の態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、前記分極電圧回路(861,862)は、前記インピーダンス変換回路(851,852)と前記接触抵抗回路(871,872)との間にある。第5の態様によれば、測定環境による影響の一つである分極電圧の影響を反映し脳波により近い電気信号を発生させることができる。
第6の態様の擬似脳波発生システム(6)は、第1〜第5の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、前記擬似脳波発生システム(6)は、前記入力部(81)と前記出力部(82)と前記処理部(83A;83B)とを保護するシールド(9)を更に備える。前記シールド(9)は、絶縁シールドと、静電シールドと、磁気シールドとの少なくとも一つの機能を有する。第6の態様によれば、周囲環境の変動の影響を低減できる。
第7の態様の擬似脳波発生システム(6)は、第1〜第6の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第7の態様では、前記処理部(83A;83B)は、静電気保護素子(C81〜C84;D81〜D84)を更に備える。前記静電気保護素子(C81〜C84;D81〜D84)は、第1端が前記入力部(81)と前記出力部(82)との一方に電気的に接続され、第2端に接地電位が与えられる。第7の態様によれば、脳波により近い電気信号を発生させることができる。
第8の態様の擬似脳波発生システム(6)は、第7の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第8の態様では、前記静電気保護素子(C81〜C84)は、人体と地面の間の静電容量に相当する静電容量を有するコンデンサを含む。第8の態様によれば、脳波により近い電気信号を発生させることができる。
第9の態様の擬似脳波発生システム(6)は、第1〜第8の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第9の態様では、前記インピーダンス変換回路(851〜853)は、オペアンプ(OP21)を含む。第9の態様によれば、脳波により近い電気信号を発生させることができる。
第10の態様の擬似脳波発生システム(6)は、第9の態様との組み合わせにより実現され得る。第10の態様では、前記処理部(83B)は、出力保護回路(891)を更に備える。前記出力保護回路(891)は、第1ダイオード(D11)と第2ダイオード(D12)との少なくとも一方を含む。前記第1ダイオード(D11)は、アノードが前記オペアンプ(OP21)の出力端子に電気的に接続され、カソードに電源電位が与えられる。前記第2ダイオード(D12)は、カソードが前記オペアンプ(OP21)の出力端子に電気的に接続され、アノードに接地電位が与えられる。第10の態様によれば、静電気からの保護を図ることができる。
第11の態様の擬似脳波発生システム(6)は、第9又は第10の態様との組み合わせにより実現され得る。第11の態様では、前記処理部(83B)は、入出力保護回路(892)を更に備える。前記入出力保護回路(892)は、複数のダイオード(D21,D22)の逆並列回路を含み、前記オペアンプ(OP21)の出力端子と入力端子との間に電気的に接続される。第11の態様によれば、静電気からの保護を図ることができる。
第12の態様の擬似脳波発生システム(6)は、第1〜第11の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第12の態様では、前記電気信号は、事象関連脱同期に起因する特定の周波数帯域の強度変化を含む脳波を模した信号である。第12の態様によれば、事象関連脱同期を利用したシステムの動作試験及び性能評価を行える。
第13の態様の擬似脳波発生システム(6)は、第12の態様との組み合わせにより実現され得る。第13の態様では、前記擬似脳波発生システム(6)は、前記信号発生器(7)を更に備える。前記信号発生器(7)は、前記基準信号として、前記特定の周波数帯域の強度変化を含む信号を出力するように構成される。第13の態様によれば、出力部(82)で発生される電気信号へのノイズの影響を低減できる。
第14の態様の擬似脳波発生システム(6)は、第1〜第13の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第14の態様では、前記電気信号は、α波帯域の周波数を有する信号とβ波帯域の周波数を有する信号との少なくとも一方を含む。第14の態様によれば、脳波により近い電気信号を発生させることができる。
第15の態様の脳波測定システム(10)は、第1〜第14の態様のいずれか一つの擬似脳波発生システム(6)と、脳波計(1)と、情報処理装置(2)と、を備える。前記脳波計(1)は、前記擬似脳波発生システム(6)からの前記電気信号に基づいて脳波情報を生成するように構成される。前記情報処理装置(2)は、前記脳波計(1)から前記脳波情報を取得するように構成される。第15の態様によれば、測定環境による影響を反映し脳波により近い電気信号を発生させることができる。
第16の態様のリハビリテーション支援システム(100)は、第15の態様の脳波測定システム(10)と、運動補助装置(3)と、制御装置(4)と、を備える。前記運動補助装置(3)は、機械的な刺激と電気的な刺激との少なくとも一方を前記人体に加える機能を有する。前記制御装置(4)は、前記情報処理装置(2)で取得された前記脳波情報に基づいて前記運動補助装置(3)を制御するように構成される。第16の態様によれば、測定環境による影響を反映し脳波により近い電気信号を発生させることができる。