JP6843580B2 - リチウムイオン電池の製造方法 - Google Patents
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Description
積層体を小さく切断する場合には切断時に生じる応力よって積層体の内部等に欠陥を生じる場合があるだけでなく所定の位置に固定することが困難なため、電池外装材を封止する際に積層体の位置が変化して内部に欠陥を生じる場合があった。そして、これらの内部の欠陥によって、リチウムイオン電池が十分な電気特性を発揮出来ないことがあるという課題があった。
本発明の製造方法で得られるリチウムイオン電池は、正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極活物質層および負極集電体が順に積層した積層体を電池外装材で密封した構造を有するリチウムイオン電池である。電池外装材の内部にある前記の積層体の数は、1つであっても、2つ以上であってもよい。積層体の数は製造するリチウムイオン電池の出力に応じて調整することができるが、積層体が1つの場合であっても、2つ以上の場合であっても。最外層には正極集電体及び負極集電体が配置される。前記の積層体を2つ以上用いる場合、積層体の接続は直列であっても並列であっても良い。
本発明の製造方法において、集電体が配置される電池外装材の内面とは、電池外装材が有する面のうち、前記の積層体の最外層にある正極集電体又は負極集電体の少なくとも一部と接する面を意味する。
なかでも、軽量であり強度が高いことから、絶縁性樹脂をコーティング等して積層したアルミニウム合金が好ましい。
なお、ラミネートフィルムは、少なくとも基材と熱可塑性樹脂層とを積層して得られる多層フィルムであり、加熱によって熱可塑性樹脂を溶融して接着することができるフィルムであり、ラミネートフィルムに用いる基剤及び熱可塑性樹脂としてはポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロンおよびポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
正極集電体と負極集電体の両方を液体上に載せ置く場合、正極集電体と負極集電体とを正極側と負極側で対を成す2枚の電池外装材にそれぞれ配置しても良く、一枚の電池外装材の異なる位置に配置しても良い。正極集電体と負極集電体とを正極側と負極側で対を成す2枚の電池外装材にそれぞれ配置する場合、正極側電池外装材と負極側電池外装材との間に後述する活物質層とセパレータとを配置し、正極側電池外装材と負極側電池外装材の外周部を貼り合わせて封止することでリチウムイオン電池を得ることができ、正極集電体と負極集電体とを一枚の電池外装材の異なる位置に配置する場合には、正極集電体と負極集電体との間に後述する活物質層とセパレータとが配置される様に一枚の電池外装材を折り曲げ、電池外装材の外周部を貼り合わせて封止することでリチウムイオン電池を得ることができる。
液体として前記の電解液又は前記の溶媒を用いると、リチウムイオン電池の内部に不純物となる材料が入らないため、リチウムイオン電池の耐久性が良好となり好ましく、前記の電解液を用いると製造工程中で電解質塩の濃度を一定に保つことができ、製造が容易になりさらに好ましい。
これらの内、高濃度時のイオン伝導性及び熱分解温度の観点から好ましいのはLiPF6である。LiPF6は、他の電解質と併用してもよいが、単独で使用することがより好ましい。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート及びジ−n−プロピルカーボネート等が挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン及び1,4−ジオキサン等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン及び1,2−ジメトキシエタン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。スルホンとしては、ジメチルスルホン及びジエチルスルホン等の鎖状スルホン及びスルホラン等の環状スルホン等が挙げられる。非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、電池外装材の内面に供給する液体が液滴を形成する場合には、電池外装材の内面に形成する液滴の数は、1つであっても複数であってもよく、集電体の大きさに応じて調整することができる。
電池外装材の内面に供給する液体は、少なくとも、載せ置く集電体の中央に位置する場所に供給することが好ましい。複数の液滴を形成する場合、液滴は載せ置く集電体の電池外装材との接触面に対して偏り無く接触する位置に供給されることが好ましい。
樹脂集電体を構成する導電性を有する高分子材料としては、導電性高分子、および導電性を有さない高分子に導電性を付与した高分子材料を用いることができる。
例えば、ポリプロピレンに導電性フィラーとしてアセチレンブラックを5〜20部分散させた後、熱プレス機で圧延したものが挙げられる。また、その厚みも特に制限されず、公知のものと同様、あるいは適宜変更して適用することができる。
被覆層が含む被覆用樹脂組成物の例としては、国際公開第2015/005117号に記載の被覆用樹脂等が挙げられ、国際公開第2015/041184号に記載の方法等で被覆活物質を得ることができる。
電解液および非水溶媒としては、電池外装材の内面に供給する液体として例示した電解液および非水溶媒と同じ電解液および非水溶媒が挙げられ、好ましい電解液および非水溶媒も同じである。
なお、電極活物質として前記の被覆電極活物質を用いた場合には、組成物中に含まれる電極活物質の重量は、被覆電極活物質の重量を用いて計算される。
ここでいう結着剤としては、リチウムイオン電池の電極において活物質粒子と集電体との結着及び活物質粒子同士の結着を行うことで電池の使用中において活物質粒子を電極内に恒久的に固定することを目的として用いられる材料であり、公知の結着剤(デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の高分子化合物)等が挙げられる。
結着剤を含む場合、結着剤によって活物質粒子を電極内に固定され、活物質粒子間の導電経路が維持されるが、例えば被覆電極活物質を用いる場合には、活物質粒子を電極内に固定することなく被覆用樹脂の働きによって導電経路を維持することができるため、結着剤を添加する必要がない。また、結着剤を添加しないことによって、活物質粒子が電極内に固定化されないため活物質粒子の体積変化に対する緩和能力が良好となり好ましい。
正極活物質又は負極活物質を含む組成物が結着剤を含んだものであったか、結着剤を含まないものであったかは、活物質層を取り出し、電解液中に浸漬することで区別することができる。結着剤を含んでいる場合には、活物質粒子が結着剤で固定されているため容易に崩壊する事はないが、結着剤を含まない場合には、活物質粒子が結着剤で恒久的に固定されていないので結着剤を含んでいる場合に比較して容易に崩壊が起こる。
シール材を用いて封止する場合、シール材としては、電解液に対して耐久性があり、電池外装材に対する接着性を有する材料であれば特に限定されないが、エポキシ系樹脂およびポリウレタン系樹脂等を主成分とすることが好ましく、耐久性が高く取り扱いが容易であることからエポキシ系樹脂が好ましい。
シール材は、好ましくは両面テープ状のシール部材(平面状の基材の両面に上述の熱硬化性樹脂等を塗布して形成したシール部材等)を用いることができ、三層構造のシールフィルム(ポリエチレンナフタレートフィルムの上下に変性ポリプロピレンフィルムを積層したフィルム等)等の公知のものを用いることができる。シールフィルムはインパルスシーラー等の公知のシール装置を用いて加熱圧着することでシールすることができる。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにジメチルホルムアミド70.0部を入れ、75℃まで加熱昇温した。次いで、メタクリル酸ブチル20.0部、アクリル酸55.0部、メタクリル酸メチル22.0部、アリルスルホン酸ナトリウム3部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.4部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をジメチルホルムアミド10.0部に溶解した開始剤溶液とを75℃に加熱した4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下に滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。
滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行ってDMFを留去し、被覆用高分子化合物を得た。
[被覆正極活物質の製造]
正極活物質粉末(LiNi0.8Co0.15Al0.05O2粉末、平均粒子径4μm)100部を万能混合機ハイスピードミキサーFS25[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状態で、製造例1で得られた被覆用高分子化合物をイソプロパノールに1.9重量%の濃度で溶解して得られた被覆用高分子化合物溶液11.3部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。
次いで、撹拌した状態で導電剤であるアセチレンブラック[電気化学工業(株)製 デンカブラック(登録商標)]6.1部を分割しながら2分間で投入し、30分撹拌を継続した。その後、撹拌を維持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したまま温度を140℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を8時間維持して揮発分を留去した。得られた粉体を目開き212μmの篩いで分級し、実施例1に係る被覆正極活物質粒子(P−1)を得た。
難黒鉛化性炭素粉末1(平均粒子径20μm)100部を万能混合機ハイスピードミキサーFS25[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状態で、製造例1で得られた被覆用高分子化合物をイソプロパノールに19.8重量%の濃度で溶解して得られた被覆用高分子化合物溶液9.2部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。
次いで、撹拌した状態で導電剤であるアセチレンブラック[電気化学工業(株)製 デンカブラック(登録商標)]11.3部を分割しながら2分間で投入し、30分撹拌を継続した。その後、撹拌を維持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したまま温度を140℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を8時間維持して揮発分を留去した。得られた粉体を目開き212μmの篩いで分級し、実施例に係る被覆負極活物質粒子(N−1)を得た。
電池外装材となる平面視寸法が20mm×20mmの四角形のアルミニウム製ラミネートフィルム(
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製)に、所定の型を用いて、内寸が深さ0.9mm、上面視15mm×15mmの正方形となる凹部を形成し正極収容部とすることで、正極側電池外装体を得た。同様の手順で、正極側電池外装体と同一形状の負極側電池外装体を得た。
正極側電池外装体及び負極側電池外装体のそれぞれの内面の中央にガラス製スポイトを用いて、電解液[エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比率1:1)にLiPF6を1mol/Lの割合で溶解させたもの]を2滴(約0.5ml)供給し、正極側電池外装体及び負極側電池外装体のそれぞれに形成して液滴の上に、平面視寸法が15mm×15mmの四角形の正極集電体と負極集電体をそれぞれ載せ置いた。液滴上に載せ置いた正極集電体と負極集電体とは、正極側外装体及び負極側外装体を動かしても正極側外装体及び負極側外装体の内面の所定の位置から動くことなく固定されていた。
なお、正極集電体としては電流取り出し用端子を接続したカーボンコートアルミ箔を用い、負極集電体としては電流取り出し用端子を接続した銅箔を用いた。
被覆正極活物質粒子(P−1)と前記の電解液とを9:1の重量比で混合した混合物0.335gを、50MPaで圧縮成形して厚さ1.2mm、上面視寸法が9.9mm×9.9mmのペレット状に成形し、正極側外装体の内面に位置決めした正極集電体の上に配置した。
被覆負極活物質粒子(N−1)と前記の電解液を9:1の重量比で混合した混合物0.122gを、50MPaで圧縮成形して厚さ1.2mm、上面視寸法が9.9mm×9.9mmのペレット状に成形し、負極側外装体の内面に位置決めした負極集電体の上に配置した。
正極活物質層と負極活物質層とのそれぞれにスポイトを用いて前記の電解液(0.1ml)を滴下し、電解液が活物質層に吸収されたことを確認した後、正極活物質層と負極活物質層との間に2枚のPP製セパレータ(旭化成製Celgard、12mm×12mm)が位置する様に2枚のセパレータと活物質層配置済みの正極側外装体と活物質層配置済みの負極側外装体とを積層 した。
正極活物質層と負極活物質層との間に2枚のセパレータが位置する様に積層した正極側外装体と負極側外装体を、電流取り出し用端子が電池の外部に露出させたまま、セパレータの外縁部から外側に1mmの箇所をヒートシールし、正極外装体と負極外装体とを封止すると同時にセパレータを外装材に固定することにより、実施例に係るリチウムイオン電池を作製した。
実施例で作成したリチウムイオン電池を用いて、以下の方法で充放電試験を行い、レート特性と内部抵抗を測定した結果、良好なレート特性(94%)と低い内部抵抗(2.3Ω)を示した。
45℃下、充放電測定装置「HJ−SD8」[北斗電工(株)製]を用いて以下の方法により実施例に掛かるリチウムイオン電池のレート特性の評価を行った。
定電流定電圧充電方式(CCCVモードともいう)で0.1Cの電流で4.2Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で2.6Vまで放電した。
その後、再び0.1Cの電流で4.2Vまで充電した後、10分間の休止後、1.0Cの電流で2.6Vまで放電した。
その後、10分間休止した後0.5Cで2.6Vまで放電し、その後10分間休止した後に続けて0.2Cで2.6Vまで放電し、更に10分間休止した後に引き続き0.1Cの電流で2.6Vまで放電を行った。
1.0Cの電流で2.6Vまで放電した時の放電容量と最後に0.1Cの電流で2.6Vまで放電を行った時の放電容量から、以下の式でレート特性(0.1Cでの放電容量と1.0Cでの放電容量の比率)を算出したレート特性の値が大きいほど容量の低下が少なく優れた電池特性を有することを意味する。
[レート特性(%)]=[1.0Cにおける放電容量]÷[0.1Cにおける放電容量]×100
上記のレート特性の測定と同様にして1.0Cにおける放電0秒後の電圧及び電流並びに1.0Cにおける放電10秒後の電圧及び電流を測定し、以下の式で内部抵抗を算出した。内部抵抗が小さいほど優れた電池特性を有することを意味する。
なお、放電0秒後の電圧とは、放電したと同時に計測される電圧(放電時電圧ともいう)である。
[内部抵抗(Ω)]=[(1.0Cにおける放電0秒後の電圧)−(1.0Cにおける放電10秒後の電圧)]/[(1.0Cにおける放電0秒後の電流)−(1.0Cにおける放電10秒後の電流)]
Claims (3)
- 電池外装材の内面に集電体を配置する工程を有し、
前記の集電体を配置する工程が、
電池外装材の内面に液体を供給する工程と、
電池外装材の内面に供給された液体上に集電体を載せ置く工程とを有し、
前記液体が、リチウムイオン電池用電解液又はリチウムイオン電池用電解液に用いる溶媒であるリチウムイオン電池の製造方法。 - 電池外装材の内面に位置決めされた集電体上に電極活物質層を配置する工程を有する請求項1に記載のリチウムイオン電池の製造方法。
- 電池外装材が、アルミラミネートフィルムである請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池の製造方法。
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